JP2012210745A - 筆記具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノック棒40の先端近傍の外周面には、カム溝23内で前後方向へ摺動するカム突起50が複数等配されており、カム突起50後端は、側縁から中央部分へと徐々に後方へ突出する形状を呈するように複数の平面で構成された突出部51として形成され、これらカム突起50のうち、射出成形金型におけるパーティングライン上に位置するものの突出部51は、該パーティングラインに対して線対称に形成され、また、射出成形金型におけるパーティングライン上に位置するもの以外のものの突出部51を構成する前記平面のうち、該パーティングライン側に位置するものの間の境界線は、後端方向から見て、該パーティングラインの割り方向に対し平行ないし数度傾斜している。
【選択図】図4
Description
すなわち、ボールペンの軸筒の後方にノック操作により軸筒に対し前後退位置に係止される回転カム機構部が配設されている。その回転カム機構部の前方にリターンスプリングにより後方に付勢された前記ボールペンのリフィールが設けられている。
一方、回転カム機構部はノック操作により前後動するノック棒と、その前方に位置する回転子と、軸筒内周に形成される複数個の溝とで構成されている。この軸筒内周の溝の間には、溝よりも前後方向の長さの短い係止斜面が形成される。ノック棒の先端面にはジグザグに折れ曲がった形状のカム斜面が形成され、回転子の後端面にも同様のカム斜面が形成される。これら両カム斜面は互いに係合するものである。また、ノック棒先端付近の外周には、軸筒内周の溝に沿って摺動可能な突起が設けられる。一方、回転子外周にも同様の突起が設けられる。
この間、回転子外周の突起は軸筒内周の溝に嵌入したりそこから出たりを繰り返すが、ノック棒外周の突起は軸筒内周の溝に沿って前後方向への摺動を繰り返し、そこから出ることはない。しかし、ノック棒の押圧が最大限に行われた際に、ノック棒外周の突起は軸筒内周の溝の先端付近にまで移動し、そこから脱出しかけることもあり得る。そこで、下記特許文献1の、図6に示すように、ノック棒外周の突起の後端部(同図中の「25b」として示されている。)は、側縁から中央部分へと徐々に後方へ突出する形状を呈するようになっている。この形状によって、ノック棒への押圧が解かれたときに、ノック棒外周の突起が軸筒内周の溝の入口を探るようにして速やかに入り込むことができるようになっている。
一方、下記特許文献2に開示されているように、ノック棒を覆う装飾性のある部品をノック棒の後端部に取り付けることも広く行われている。
以上の問題点に鑑み、本発明は、ノック式ボールペンのような、ノック機構を備えた筆記具において、外周に複数個の突起を備えたノック棒の加工精度を均一にしつつも成形を容易にすることを課題とする。さらにこの課題に加え、ノック棒にノックカバーを取り付けてもノックカバーと軸筒のとの干渉が起こらないようにすることも課題とする。
前記カム溝23に沿って前後方向に摺動可能でかつ射出成形により形成される樹脂製のノック棒40と、
前記ノック棒40の先端に当接し同ノック棒40により前方へ押圧される回転子60と、を備えた回転カム機構を有する筆記具10であって、
前記ノック棒40の先端近傍の外周面には、前記カム溝23内で前後方向へ摺動するカム突起50が複数等配されており、
前記カム突起50の後端は、側縁から中央部分へと徐々に後方へ突出する形状を呈するように複数の平面で構成された突出部51として形成され、
前記カム突起50のうち、射出成形金型におけるパーティングライン上に位置するものの前記突出部51は、該パーティングラインに対して線対称に形成され、
前記カム突起50のうち、射出成形金型におけるパーティングライン上に位置するもの以外のものの前記突出部51を構成する前記平面のうち、該パーティングライン側に位置するものの間の境界線は、後端方向から見て、該パーティングラインの割り方向に対し平行ないし数度傾斜していることを特徴とする。
なお、本発明においては、筆記具10において、筆記先端の位置する方向を「先端」と定義し、その反対方向を「後端」と定義する。すなわち、ノック式筆記具におけるいわゆる「ノックボタン」がある方が「後端」である。
ここで、複数あるカム突起50のうち、射出成形金型におけるパーティングライン上に位置するカム突起50においては、その突出部51が該パーティングラインに対して線対称に形成されている。しかし、それ以外のカム突起50はそのようには形成されていない。すなわち、それらのカム突起50における突出部51を構成する平面のうち、該パーティングライン側に位置する平面、換言すると、該パーティングライン側により近い方の平面の間の境界線がパーティングラインの割り方向に対して「平行ないし数度傾斜」しているとは、要するに、該境界線を含む部分が、割り方向に対しアンダーカットを構成しない、ということを意味している。なお、ここでいう「数度」とは、該境界線とパーティングラインとがなす角のうち、軸心側の方が鋭角になるような角度であれば特に限定はないが、突出部51の機能(カム溝23先端からの突出部51の突入を容易にする)を考慮すれば10°未満が望ましい。
上記本発明の構成は特に、前記カム突起50の数が6個で、そのうち前記パーティングライン上に位置するものが2個である場合に特に適している。
また、本発明は、上記の特徴に加え、前記ノック棒40の後端付近の外周には、ノックカバー70取り付け用の周溝42が設けられていることとしてもよい。この周溝42は、ノックカバー70を嵌め込むための構造である。ここで、上述の通り、本件発明ではノック棒40の加工精度を高めることができるため、ノックカバー70を装着した場合でも、成形誤差ないし加工精度の低さに起因するノックカバー70の軸筒11に対する芯ズレも起こりにくくなる。
また、本発明に係る筆記具10としては、ボールペン、シャープペンシル等、後端のノックボタンの操作により筆記先端が出没するものであればどのような種類のものとしても形成することが可能である。
図1は、本発明の実施の形態に係る筆記具10を正面図(A)、右側面図(B)及び右側面断面図(C)で示したものである。
本実施の形態に係る筆記具10はクリップ13を備えたノック式ボールペンである。図1(A)及び(B)に示すように、軸筒11の先端には先細の先軸12が螺着されており、その先端からは、内蔵するリフィール30(図1(C)参照)の先端に装着されているボールペンチップ32が突出している。一方、軸筒11の後端には、クリップ13が装着された後軸20が圧入固定され、その後端からはノックカバー70が突出している。
図2は、ノック棒40の形状を、正面図(A)、側面図(B)、側面断面図(C)、平面図(D)、底面図(E)、下方斜視図(F)及び上方斜視図(G)で示したものである。
また、ノック棒40の後端には、前述の通りノックカバー70が装着される。ノックカバー70は略円筒状を呈しており、この後端付近は肉厚となっていて、この部分の内周面に沿って周突条71が形成されている。この周突条71は前述したノック棒40の周溝42に嵌入する部分である。ノック溝にノックカバー70が装着された状態で、ノックカバー70は、後軸20における外側の円筒構造21とカム機構形成部22との間の空間を前後方向に移動可能となっている。
図1及び図3に示す状態では、ボールペンチップ32は先軸12から突出して筆記可能な状態となっている。この状態では、回転子60のカム突条64は、図3に示すように、カム溝23先端の係止段部25と係止した状態となり、それより後方への移動が阻止されている。回転子60は、リフィール30先端付近で圧縮されているスプリング14(図1(C)参照)により、リフィール30を介して後方へ押圧されており、この状態が保持されることとなっている。
図5に示す比較例でも本実施の形態と同様にカム突起50は6個等配されているが、その形状は6個のいずれも同じとなっている(図5(B))。すなわち、カム突起50の後端の突出部51は、両側から先端へテーパー状に後方へ突出する側面55と、その先端に位置する、軸心に対してほぼ垂直な中心面54と、で構成され(図5(A))、平面視で左右対称となっている(図5(B))。これら2つの側面55と中心面54とはノック棒40外周面に対しほぼ垂直となっている。ここで、割り構造の金型のパーティングラインPL上に位置しない4個のカム突起50の突出部51において、パーティングラインPLに近い方の側面55と中心面54との境界線L3は、金型の割り方向(すなわち、パーティングラインPLに垂直な上下方向)に対してアンダーカットUCを形成することとなっている(図5(B))。よって、この形状を割り構造の金型で成形しようとすると、これら4個のカム突起50は金型から取り出す際に無理抜きを余儀なくされるため、突出部51が潰れたり欠けたりする可能性が高い。
13 クリップ 14 スプリング
20 後軸 21 外側の円筒構造 22 カム機構形成部
23 カム溝 24 カムストッパ部 25 係止段部
30 リフィール 31 継手 32 ボールペンチップ
40 ノック棒 41 カム斜面 42 周溝
43 保持孔 44 平面部 45 厚肉部
50 カム突起 51 突出部 52 第1斜面
53 第2斜面 54 中心面 55 側面
60 回転子 61 前半部 62 後半部
63 カム段部 64 カム突条
70 ノックカバー 71 周突条
L1 第1斜面と第2斜面との境界線
L2 第2斜面と中心面との境界線
L3 パーティングラインに近い方の側面と中心面との境界線
PL パーティングライン
UC アンダーカット
Claims (3)
- 軸筒後端内周面に長手方向に沿って複数等配されたカム溝と、
前記カム溝に沿って前後方向に摺動可能でかつ射出成形により形成される樹脂製のノック棒と、
前記ノック棒の先端に当接し同ノック棒により前方へ押圧される回転子と、を備えた回転カム機構を有する筆記具であって、
前記ノック棒の先端近傍の外周面には、前記カム溝内で前後方向へ摺動するカム突起が複数等配されており、
前記カム突起の後端は、側縁から中央部分へと徐々に後方へ突出する形状を呈するように複数の平面で構成された突出部として形成され、
前記カム突起のうち、射出成形金型におけるパーティングライン上に位置するものの前記突出部は、該パーティングラインに対して線対称に形成され、
前記カム突起のうち、射出成形金型におけるパーティングライン上に位置するもの以外のものの前記突出部を構成する前記平面のうち、該パーティングライン側に位置するものの間の境界線は、後端方向から見て、該パーティングラインの割り方向に対し平行ないし数度傾斜していることを特徴とする筆記具。 - 前記カム突起の数は6個であり、そのうち前記パーティングライン上に位置するものは2個であることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
- 前記ノック棒の後端付近の外周には、ノックカバー取り付け用の周溝が設けられていることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
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JP2011076993A JP2012210745A (ja) | 2011-03-31 | 2011-03-31 | 筆記具 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005081822A (ja) * | 2003-09-11 | 2005-03-31 | Pilot Ink Co Ltd | 複合筆記具 |
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