JP7427190B2 - 複合半透膜 - Google Patents

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Description

本開示は、複合半透膜に関する。
従来、水道水等の浄水、海水やかん水の脱塩、工業用の超純水の製造等に複合半透膜が使用されている。この種の技術が記載されているものとして例えば特許文献1がある。特許文献1には、複数の突起を有する第1層部分と、複数の突起の少なくとも一部を覆う第2層部分とを有するポリアミド層である分離機能層を備える複合分離膜が記載されている。
特開2011-189340公報
ところで、水道水等を浄水する浄化システムでは、高い脱塩性とともに高い透水性を備える複合半透膜が求められている。従来の複合半透膜では透水性が低いため、浄化システムに加圧ポンプ等を設ける場合があった。特許文献1の複合分離膜は、優れた脱塩性と透水性を有するものの、低圧条件下における透水性の向上という点で更なる改善の余地があった。
本開示は上記に鑑みてなされたものであり、高い脱塩性を維持しつつ、より優れた透水性を有する複合半透膜を提供することを目的とする。
本開示は、多孔性支持層と、前記多孔性支持層上に形成され、芳香族ポリアミドを含む分離機能層とを備え、前記分離機能層は、複数の中空のセルを有し、かつ、透過型電子顕微鏡を用いた倍率8000倍での断面観察において、断面積が1000nm~8000nmである前記セルそれぞれの面積の合計値が、2.8μm×2.8μmの異なる2つの領域において合計で1.8×10nm~1.0×10nmである複合半透膜に関する。
また、本開示は、多孔性支持層と、前記多孔性支持層上に形成され、芳香族ポリアミドを含む分離機能層とを備え、前記分離機能層は、複数の中空のセルを有し、かつ、透過型電子顕微鏡を用いた倍率8000倍での断面観察において、断面積が1000nm~8000nmである前記セルが2.8μm×2.8μmの異なる2つの領域に合計で60個~3500個含まれる複合半透膜に関する。
本開示の一実施形態に係る複合半透膜を含む膜エレメントを示す図である。 本開示の一実施形態に係る複合半透膜を示す図である。 本開示の一実施形態に係る複合半透膜の製造方法を示す図である。 本開示の実施例1、実施例2、及び比較例1の累積のセルの断面積を示す図である。 本開示の実施例1、実施例2、及び比較例1のセルの断面積の分布を示す図である。 本開示の実施例1、実施例2、及び比較例1のセルの断面積の分布を示す図である。
以下、本開示の実施形態について図面を用いて詳しく説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る複合半透膜1は、被処理水から塩類等の不純物を除去する膜である。複合半透膜1は、例えば、水道水等の被処理水を浄化する浄水装置の膜エレメント2に用いられる。膜エレメント2は、浄水装置の圧力容器内に充填される。
[膜エレメント]
図1に示すように、膜エレメント2は、集水管3と、複合半透膜1と、メッシュ状のスペーサ4とを備える。膜エレメント2は、2枚のスペーサ4で挟んだ複合半透膜1を集水管3の周囲にスパイラル状に巻回して形成される。
膜エレメント2の一端から供給された被処理水は、スペーサ4によって形成された流路から複合半透膜1に供給される。図1に示すように、被処理水の一部は、複合半透膜1を透過し、集水管3に集められ、膜エレメント2の他端から透過水として回収される。複合半透膜1を透過しなかった被処理水は、膜エレメント2の他端から捨て水として排出される。
[複合半透膜]
次に、本実施形態に係る複合半透膜1について、図2を参照しながら説明する。複合半透膜1は、多孔性支持層10と、分離機能層20と、を含む。
多孔性支持層10は、基材11と、基材11上に形成される多孔性支持体12と、を有する。
基材11は、不織布等のシート状の部材である。例えば、不織布の素材としては、ポリエチレン、ポリエステル等が挙げられる。基材11の厚みは、30μm~120μmであることが好ましい。本実施形態では、基材11の厚みは約90μmである。
多孔性支持体12は、細孔構造を有する膜である。多孔性支持体12の細孔のサイズは特に制限されないが、例えば、300nm以下であることが好ましく、30nm以下であることがより好ましい。
多孔性支持体12の厚みは、20μm~100μmであることが好ましい。本実施形態では、多孔性支持体12の厚みは約50μmである。
多孔性支持体12の素材としては、例えばポリスルホン、ポリエーテルスルホン、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデンなどを用いることができる。この中では、化学的安定性や機械的安定性、熱的安定性が高いという点から特にポリスルホンが好ましい。
分離機能層20は、多孔性支持層10上に形成され、複数の中空のセル21を有する層である。分離機能層20は主に芳香族ポリアミドを含んで構成される。芳香族ポリアミドは、例えば、多官能性芳香族アミンと多官能性ハロゲン酸化物との界面重縮合反応により、合成することができる。
多官能性芳香族アミンとしては、m-フェニレンジアミン(MPD)、p-フェニレンジアミン、1,3,5-トリアミノベンゼン、1,2,4-トリアミノベンゼン、3,5-ジアミノ安息香酸、2,4-ジアミノトルエン、2,4-ジアミノアニソール、アミドール、キシリレンジアミン、N-メチル-m-フェニレンジアミンおよびN-メチル-p-フェニレンジアミンからなる群から選択される少なくとも一つの多官能性芳香族アミンが好ましく、これらは単独で用いてもよく若しくは2種類以上併用してもよい。
多官能性酸ハロゲン化物としては、例えば、3官能酸ハロゲン化物として、トリメシン酸クロライド(TMC)、1,3,5-シクロヘキサントリカルボン酸トリクロライド、1,2,4-シクロブタントリカルボン酸トリクロライド等が挙げられ、2官能酸ハロゲン化合物として、ビフェニルジカルボン酸ジクロライド、テレフタル酸クロライド、ナフタレンジカルボン酸クロライド、シクロヘキサンジカルボン酸クロライド等が挙げられる。
分離機能層20は、芳香族ポリアミドの他にセルロースナノファイバ(CNF)を含んでもよい。分離機能層20のCNFの含有率は、芳香族ポリアミドに対して0.001質量%~1質量%の割合であることが好ましく、0.03質量%~0.5質量%であることがより好ましく、0.05質量%~0.35質量%であることがさらに好ましい。芳香族ポリアミドに対して0.05質量%~0.35質量%のCNFを含有する分離機能層20によって、複合半透膜1の耐塩素性及び耐ファウリング性がより向上する。CNF含有率(C)は、膜表面のFTIRデータを用いて、1237cm-1付近(P1)と1486cm-1付近(P2)のピーク強度の比率(R=P1/P2)および式C=5.3-5.34Rにより求める。
分離機能層20は、中空である複数のセル21を有する。図1に示すように、複数のセル21が分離機能層20の厚み方向に重なることによって、凹凸が連続的に繰り返されるひだ構造が形成される。分離機能層20の厚みは、100nm~2000nmであることが好ましく、500nm~1000nmであることがより好ましい。
本実施形態のセル21は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた断面観察において、断面積が1000nm~8000nmであるセル21が2.8μm×2.8μmの異なる2つの領域に合計で60個~3500個含まれる。また、断面積が1000nm~8000nmであるセル21それぞれの面積の合計値は、2.8μm×2.8μmの異なる2つの領域において合計で1.8×10nm~1.0×10nmである。なお、本明細書でいう「セル21の断面積」とは、分離機能層20に形成される各中空部分の断面積である。
被処理水が分離機能層20を透過することによって、被処理水に含まれる塩類等の不純物が除去される。分離機能層20に小さいセル断面積を有するセル21が多く存在する場合、被処理水が多くのセル21を通過するので、脱塩性は上がるが透水性は低下する。一方、大きいセル断面積を有するセル21が多く存在する場合、被処理水が十分な数のセル21を通過しないので、透水性は上がるが脱塩性は低下する。
本実施形態では、分離機能層20に含まれるセル21の断面積及び個数を調整することによって、高い脱塩性及び透水性を両立させている。具体的には、TEMを用いた断面観察において、断面積が1000nm~8000nmのセル21が分離機能層20の2.8μm×2.8μmの異なる2つの領域に合計で60個~3500個含まれる構成とした。また、断面積が1000nm~8000nmであるセル21それぞれの面積の合計値は、2.8μm×2.8μmの異なる2つの領域において1.8×10nm~1.0×10nmである構成とした。この構成により、複合半透膜1の高い脱塩性と低圧条件下での高い透水性を実現している。より高い脱塩性及び透水性を発揮させる上では、断面積が1000nm~8000nmのセル21が分離機能層20の2.8μm×2.8μmの異なる2つの領域に合計で70個~1750個含まれる構成とすることが好ましい。また、断面積が1000nm~8000nmのセル21それぞれの面積の合計は、分離機能層20の2.8μm×2.8μmの異なる2つの領域において合計で2.0×10nm~5.0×10nmである構成とすることが好ましい。
[TEMを用いた分離機能層の測定方法]
次に、TEMを用いた分離機能層20の測定方法の詳細について説明する。
まず、凍結超薄切片法により複合半透膜1を厚み方向に切断して薄片化する。なお、薄片化の際にはウルトラミクロトーム(ライカマイクロシステムズ社製)で厚みを40nm~45nmに設定して切断する。そして、得られた複合半透膜1の薄片をカーボン蒸着してTEM観察用試料を調製する。
次に、調製した分離機能層20の試料をTEMで測定して画像を撮像する。TEMとしては、例えば、透過型電子顕微鏡(HT-7700 日立ハイテク社製)を用いることができる。TEMの測定条件は測定対象に応じて適宜定まる。例えば以下の条件を選択することができる。
分解能:0.204nm
加速電圧:100kV
倍率:8000倍
なお、ここでいう倍率は透過型電子顕微鏡の装置上で設定される倍率のことをいう(以下、同様である)。
次に、TEMを用いた測定によって得られた画像をWinROOF(三谷商事株式会社製)を用いて画像解析する。そして、画像の解析範囲を2.8μm×2.8μmの領域に設定し、所定のパラメータを測定する。このとき、所定のパラメータは、画像内の分離機能層20の延びる方向と解析範囲を決定する四辺のうち少なくとも1辺が略平行であり、かつ少なくとも多孔性支持層10と分離機能層20の界面から分離機能層20の最表面までが解析範囲に収まる状態で測定される。そして、異なる2箇所の領域の所定のパラメータを測定し、その合計値を評価する。
パラメータとしては、分離機能層20に含まれる各セル21の断面積やセル21の総数、セル21の断面積の総和等が挙げられる。各セル21の断面積やセル21の総数、セル21の断面積の総和を測定する場合は、断面積が100nm未満のセル21及び10000nmを超えるセル21を測定データから削除する。
[複合半透膜の製造方法]
次に、本開示の複合半透膜1の製造方法について図3を用いて説明する。以下の説明では、基材11としてポリエチレン製の不織布、多孔性支持体12の素材としてポリスルホン、芳香族ポリアミドの原料として多官能性芳香族アミンであるMPDを含むMPD溶液を用いた複合半透膜1の製造方法の一例について説明する。本実施形態に係る製造方法は、多孔性支持層作製工程と、浸漬工程と、重合工程と、後処理工程と、を含む。
まず、多孔性支持層作製工程にて、ポリエチレン製の不織布の表面にポリスルホンを塗布し、厚さ約50μmの多孔性支持体12を含む多孔性支持層10を作製する。
次に、浸漬工程にて、所定の量の多官能性芳香族アミンと添加剤とを含むMPD溶液をポリスルホンの多孔性支持体12に浸漬させる。MPD溶液は、溶媒としての蒸留水と、0.5質量%~2.0質量%のMPDと、0.15質量%のラウリル硫酸ナトリウム(SLS)と、0.5質量%~2.0質量%のトリエチルアミン(TEA)と、1.0質量%~4.0質量%のカンファースルホン酸(CSA)と、添加剤としての6.0質量%~15質量%のイソプロピルアルコール(IPA)とを含む水溶液である。IPA以外の添加剤としては、CNFが挙げられる。浸漬工程では、MPD溶液を多孔性支持体12のスキン層に浸漬させて1秒~60秒間放置する。そして、多孔性支持体12の表面に過剰に塗布されたMPD溶液を除去し、エアーナイフやスキージ等を使用して表面からMPD溶液の液滴を除去し、10秒~60秒間放置する。
次に、重合工程にて、MPD溶液で被覆された多孔性支持体12の表面に多官能性酸ハロゲン化物溶液を浸漬させて、120秒間放置し、界面重縮合反応を促進させる。多官能性酸ハロゲン化物溶液としては、例えば、イソパラフィン系炭化水素に適量の酢酸エチル等の両親媒性溶媒とともにTMCを溶解させてTMC濃度を0.05質量%~0.1質量%としたTMC溶液が挙げられる。
最後に、後処理工程にて、TMC溶液を除去し、120℃の乾燥炉で3分間乾燥させた後に、水中で洗浄することで分離機能層20を有する複合半透膜1が形成される。
次に、本開示の実施例について説明する。本開示はこれら実施例に限定されるものではない。
[複合半透膜の製造方法]
<実施例1>
実施例1では、多孔性支持層10として、ポリエチレン製の不織布の上に厚さ約50nmのポリスルホンの多孔性支持体12が形成された層を用いた。まず、MPD溶液を、四辺を囲んだポリスルホンの多孔性支持体12の表面に注ぎ込み、10秒間放置した。MPD溶液としては、溶媒である蒸留水に0.8質量%のMPDと、0.15質量%SLSと、0.8質量%のTEAと、1.6質量%のCSAと、10質量%IPAを含むものを用いた。その後、多孔性支持体12の表面に過剰に塗布されたMPD水溶液を除去し、膜に付着するMPD溶液をスキージにより取り除き、60秒間放置した。そして、MPD溶液で被覆された多孔性支持体12の表面にTMC溶液を注ぎ込み、120秒間放置した。TMC溶液としては、イソパラフィン系炭化水素であるIPソルベント1016に、0.1質量%のTMCと2質量%の酢酸エチルが溶解された溶液を用いた。その後、TMC溶液を液切し、120℃の乾燥炉で3分間乾燥させた。そして、乾燥炉から取り出した後、水中で洗浄した。
<実施例2>
実施例2では、MPD溶液の組成以外は実施例1と同様の方法で複合半透膜を作製した。実施例2のMPD溶液は、溶媒である蒸留水と、0.75質量%のMPDと、0.15質量%のSLSと、1.5質量%のCSAと、0.75質量%のTEAと、6質量%のIPAと、0.03質量%のCNFと、を含む組成とした。CNF含有率は、芳香族ポリアミドに対して0.12質量%であった。実施例1と実施例2のMPD溶液を比較すると、実施例2では添加剤としてIPAとともにCNFを用いた点が主に異なる。
<比較例1>
比較例1では、IPAを用いずに複合半透膜を作製した。比較例1の複合半透膜の製造方法は、MPD溶液にIPAが含有されていない点以外、実施例1の方法と全て同じ条件である。
[評価]
<断面形状の測定>
実施例1、実施例2、及び比較例1の複合半透膜につき、凍結超薄切片法により複合半透膜を薄片化し、TEMを用いて断面形状を測定した。複合半透膜の断面形状の測定は、倍率を変更した以外は上述の測定条件によって実施した。測定倍率は、2000倍、8000倍、20000倍である。
3つの複合半透膜の全てにおいて、多孔性支持層上に複数のセルを有するひだ構造の分離機能層が形成されていることが確認できた。また、比較例1ではセルが厚み方向に重なった部分が分離機能層の一部のみに形成されているのに対して、実施例1及び2では分離機能層の表面全体に亘って複数のセルが厚み方向に重なった多層のひだ構造が形成されていた。また、実施例1及び実施例2のセルの断面積は、比較例1の断面積に比べて大きく形成されていた。これらの傾向は、異なる2つの測定領域で同様である。以上のことから、MPD溶液に対して10質量%のIPAや0.03質量%のCNFを添加して作製した分離機能層の方が、添加剤を加えていない分離機能層よりもセルの断面積が大きく、表面全体に亘って多層のひだ構造が形成されていることが確認できる。
<セルの断面積の分布>
実施例1、実施例2、及び比較例1の複合半透膜につき、TEMを用いて上述した実施形態の測定条件で測定した画像を上述した実施形態の方法で画像解析した。図4~図6は、3つの複合半透膜の分離機能層に形成されたセルの断面積の分布を示している。なお、図4~図6の縦軸は、2.8μm×2.8μmの異なる2箇所の領域でのセルの総数や総面積の合計値を示している。図4の横軸は1セルあたりの断面積を示しており、縦軸は横軸に示された断面積よりも小さいセルの累積の断面積を示している。図4に示すように、8000nm以下のセルの累積の断面積を求めた場合、実施例1及び実施例2の分離機能層のセルの断面積の方が、比較例1の分離機能層のセルの断面積よりも2倍程度大きいことが確認できる。
図5の横軸は1セルあたりの断面積の範囲を示しており、縦軸は断面積が横軸に示す範囲内の全てのセルの断面積の総和を示している。図6の横軸は1セルあたりの断面積の範囲を示しており、縦軸は断面積が横軸に示す範囲内の全てのセルの総数を示している。図5及び図6に示すように、断面積が1000nm~8000nmの範囲で、実施例1及び実施例2の分離機能層のセルの方が、比較例1の分離機能層のセルよりもその総数が多く、総面積も大きいことが確認できる。具体的には、実施例1では断面積が1000nm~8000nmであるセルの総数が約80個であり、当該セルの総面積が約2.47×10nmであった。実施例2では断面積が1000nm~8000nmであるセルの総数が約79個であり、当該セルの総面積が約2.15×10nmであった。比較例1では断面積が1000nm~8000nmであるセルの総数が約41個であり、当該セルの総面積が1.02×10nmであった。
<脱塩性及び透水性の測定>
実施例1、実施例2、及び比較例1の複合半透膜につき、脱塩率及び透水性を以下の方法により測定した。
<脱塩性>
クロスフロー装置を用いて流量300ml/min、操作圧力0.75MPaで温度25℃、濃度0.05%のNaCl水溶液を複合半透膜に供給した。脱塩性は、NaCl水溶液の供給を開始してから2時間後の供給溶液と透過溶液の塩濃度を測定し、以下の式を用いて脱塩率として求めた。
脱塩率(%)=(1-透過溶液の塩濃度/供給溶液の塩濃度)×100
<透水性>
透水性は、NaCl水溶液の供給を開始してから1時間30分後から2時間後までの30分間の透水量を測定し、以下の式を用いて透過流束として求めた。
透過流束(m/m/d)=(30分間の透水量(m)/30)×60×24)/膜有効面積(m
Figure 0007427190000001
表1に示すように、比較例1では脱塩率が98%を超えた。透過流束が約1.2m/m/d未満であった。これに対して、MPD溶液に対するIPAの含有率が10質量%である実施例1では、脱塩率が96%以上を維持し、透過流束が比較例1の約2倍であった。MPD溶液に対するCNFの含有率が0.03質量%である実施例2では、脱塩率が98%を超え、透過流束も実施例1と同様に比較例1の約2倍であった。この結果から、断面積が1000nm~8000nmのセル21が2.8μm×2.8μmの異なる2つの領域に約80個(総面積は約2.47×10nm)含まれる実施例1及び約79個(総面積は約2.15×10nm)含まれる実施例2の複合半透膜1では、断面積が2000nm~8000nmのセル21が2.8μm×2.8μmの領域に約41個(総面積は約1.02×10nm)含まれる比較例に比べて透水性が約2倍高くなることが確認された。
1 複合半透膜
10 多孔性支持層
20 分離機能層
21 セル

Claims (3)

  1. 多孔性支持層と、前記多孔性支持層上に形成され、芳香族ポリアミドを含む分離機能層とを備え、
    前記分離機能層は、複数の中空のセルを有し、かつ、透過型電子顕微鏡を用いた倍率8000倍での断面観察において、断面積が1000nm~8000nmである前記セルそれぞれの面積の合計値が、2.8μm×2.8μmの異なる2つの領域において合計で1.8×10nm~1.0×10nmであり、
    前記分離機能層の厚みは、100nm~2000nmである複合半透膜。
  2. 多孔性支持層と、前記多孔性支持層上に形成され、芳香族ポリアミドを含む分離機能層とを備え、
    前記分離機能層は、複数の中空のセルを有し、かつ、透過型電子顕微鏡を用いた倍率8000倍での断面観察において、断面積が1000nm~8000nmである前記セルが2.8μm×2.8μmの異なる2つの領域に合計で60個~3500個含まれ
    前記分離機能層の厚みは、100nm~2000nmである複合半透膜。
  3. 前記分離機能層は、芳香族ポリアミドに対して0.001質量%~1質量%のセルロースナノファイバを含む請求項1又は2に記載の複合半透膜。
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