JP2002177750A - 複合半透膜及びその製造方法 - Google Patents

複合半透膜及びその製造方法

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JP2002177750A JP2000380054A JP2000380054A JP2002177750A JP 2002177750 A JP2002177750 A JP 2002177750A JP 2000380054 A JP2000380054 A JP 2000380054A JP 2000380054 A JP2000380054 A JP 2000380054A JP 2002177750 A JP2002177750 A JP 2002177750A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】5MPaを越える高圧での長期運転にも耐えら
れる、耐圧性の高い複合半透膜およびその製造方法など
を提供すること。 【構成】重合体を有機溶媒に溶解させるとともに無機塩
を添加した製膜原液を、基材上に塗布して重合体を凝固
させることによって得られる微多孔質膜上に、少なくと
も2個の1級および/または2級アミノ基を有する多官
能アミンの群から選ばれる少なくとも1種を含むアミン
成分を含む水溶液を接触させ、次いで少なくとも2個の
酸ハライド基を有する酸ハライドを含む水と非混和性の
有機溶媒溶液を前記微多孔質膜と接触させ、前記微多孔
質膜上で界面重縮合を行って架橋ポリアミド超薄膜を形
成した複合半透膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種混合溶液を選
択的に分離するための複合半透膜に関し、特に海水を逆
浸透(RO)膜分離処理して淡水化するのに好適な複合
半透膜に関する。
【0002】
【従来の技術】逆浸透膜による分離を行うに際しては、
供給水側の浸透圧と透過水側の浸透圧の差以上の圧力を
供給水側にかけることが必要であり、特に供給水の溶質
濃度が高く、浸透圧が高い場合には高い圧力を操作圧力
として必要とする。さらに、供給水に対する透過水の量
の割合(これを収率という)が高くなると濃縮水の溶質
濃度が高くなるため高い圧力を操作圧力として必要とす
る。例えば海水淡水化の場合、濃度3.5重量%の海水
の浸透圧は2.5MPaであり、収率40%で淡水化を
行うと濃縮水の濃度は約6重量%で、その濃縮水の浸透
圧(約4.4MPa)以上の操作圧力が必要である。透
過水の水質と水量を十分に得るためには、実際には濃縮
水の浸透圧よりも約2MPa(この圧力を有効圧力と呼
ぶ)程度高めの圧力を濃縮水側に加えることが必要であ
る。従来の一般的な海水淡水化では6〜6.5MPa程
度の圧力をかけて収率40%程度の条件で運転されてい
る。一方、高濃度溶液の分離・濃縮の場合など7MPa
以上の圧力で逆浸透膜装置が運転されている例(特開平
10−305216号公報)がある。
【0003】一般に膜に圧力をかけると膜は圧密化を起
こすが、圧力を除くともとの形態に戻る。しかし、限界
圧力以上の圧力を加えると非対称膜あるいは微多孔質膜
のボイドが潰れたり、分離機能層がさらに緻密化して膜
形態、膜性能が変化する。具体的には膜透過係数が小さ
くなり、透過流束が低下する。一方では、分離機能層が
微多孔質膜の凹凸に添って引き延ばされ膜面の凹凸が強
調されたり傷が入りやすくなったりして溶質透過係数が
大きくなり、排除率が低下する。このような問題を解決
するために、特開平9−141071号公報には、分離
機能膜に存在する高さ1〜600nm、直径1〜500
nmのひだの中、直径150nm以下のものを60%に
して、排除率の低下を抑え、耐圧性を向上させた架橋芳
香族ポリアミド逆浸透膜が提案されているが、依然とし
て透過流束の低下が大きいという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐圧
性、溶質排除率および透過流束の高い複合半透膜および
その製造方法などを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、以下の構成を特徴とするものである。すな
わち、 「(1)微多孔質膜の表面に分離機能層を形成してな
り、操作圧力5.5MPaにおいて、塩化ナトリウム濃
度が3.5重量%、温度25℃、pH 6.5の水溶液
を16時間透過させた後、温度25℃、pH 6.5の
5.8重量%の塩化ナトリウム水溶液を8.8MPaの
圧力で16時間透過させたときの透過流束(A)と、そ
の後さらに5.8重量%の塩化ナトリウム水溶液を1
3.7MPaの圧力で3時間透過させ、再び8.8MP
aの圧力で3時間透過させたときの透過流束(B)との
比(B/A)が、0.95〜1.05の範囲内にあるこ
とを特徴とする複合半透膜。 (2)微多孔質膜の表面に分離機能層を形成してなり、
操作圧力5.5MPaにおいて、塩化ナトリウム濃度が
3.5重量%、温度25℃、pH6.5の水溶液を16
時間透過させた後、温度25℃、pH 6.5の5.8
重量%の塩化ナトリウム水溶液を8.8MPaの圧力で
16時間透過させ、次いで、5.8重量%の塩化ナトリ
ウム水溶液を13.7MPaの圧力で3時間透過させ、
引き続き8.8MPaの圧力で3時間透過させたとき、
微多孔質膜の純水透過流束が、5.8重量%の塩化ナト
リウム水溶液を13.7MPaの圧力で3時間透過さ
せ、引き続き8.8MPaの圧力で3時間透過させる前
の純水透過流束の1.0〜0.6倍の範囲内にあること
を特徴とする複合半透膜。 (3)微多孔質膜の表面に分離機能層を形成してなり、
微多孔質膜は、製膜方向に対して直交する方向の断面を
みたとき、長径が5×10-6m以上のボイドの占める面
積の総和が全断面積の10%以下であることを特徴とす
る複合半透膜。 (4)支持基材上に、重合体を有機溶媒に溶解させた製
膜原液を塗布し、重合体を凝固させ微多孔質膜を形成
し、その微多孔質膜上に、少なくとも2個の1級および
/または2級アミノ基を有する多官能アミンのうち少な
くとも1種のアミンを含む水溶液を接触させ、次いで、
少なくとも2個の酸ハライド基を有する多官能酸ハロゲ
ン化物を含む、水と非混和性の有機溶媒溶液を接触さ
せ、界面重縮合させて架橋ポリアミド分離機能層を形成
する複合半透膜の製造方法であって、微多孔質膜の製膜
原液に無機塩を添加することを特徴とする複合半透膜の
製造方法。 (5)溶質濃度が0.1重量%以上の溶液を、上記いず
れかの複合半透膜、または、上記いずれかの方法によっ
て製造された複合半透膜に5MPa以上の操作圧力で供
給して溶質を分離することを特徴とする複合半透膜の使
用方法。」である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の複合半透膜は、基材上に
形成した微多孔質膜上に、多官能アミンと多官能酸ハロ
ゲン化物との界面重縮合によって得られる架橋ポリアミ
ドからなる分離機能層を設けてなる。
【0007】本発明で用いられる微多孔質膜は、その上
に被覆される分離機能層を支持するものであり、基材と
して用いるポリエステルなどの織布あるいは不織布上
に、製膜原液である重合体の有機溶媒を流延し、前記重
合体に対して非溶媒性の凝固浴に浸漬することによって
得られる。その素材は特に限定されるものではないが、
例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフ
ェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホ
ン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデンなどのホモポリ
マーあるいはブレンドしたものが挙げられるが、化学
的、機械的、熱的に安定であるポリスルホン、ポリエー
テルスルホンが好ましく用いられる。
【0008】本発明における微多孔質膜は、この上に形
成される分離機能層の均一性向上、膜欠点の抑制、高圧
での微多孔質膜の透水性安定のため、製膜方向に対して
直交する方向(膜幅方向)の断面をみたとき、長径が5
×10-6m以上の空孔(ボイド)の面積の総和が全断面
積の10%以下になるように形成されている。好ましく
は、5%以下である。10%を越えると膜欠点が多くな
り、分離機能層形成時に膜欠点部分の薄膜層が欠落しや
すくなる。また、高圧付加時にボイドの表層部分が薄く
なり、欠陥が生じやすくなる。なお、「製膜方向」と
は、前記微多孔質膜の製膜原液を流延する方向、すなわ
ち、膜の長尺方向のことをいう。
【0009】また、一定断面積におけるボイドの占める
面積割合は、走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡で、
微多孔質膜断面の分離機能層との境界から基材との境界
までの範囲にあるボイドを観察することによって、求め
ることができる。例えば走査型電子顕微鏡の断面写真の
場合は、膜サンプルを液体窒素に漬けて凍結させたもの
を、製膜原液を流延させた方向に対して垂直に割断して
乾燥させた後、膜断面に白金/パラジウムまたは四酸化
ルテニウム、好ましくは四酸化ルテニウムを薄くコーテ
ィングして1〜6kVの加速電圧で高分解能電界放射型
走査電子顕微鏡(UHR−FE−SEM)で観察する。
最適な観察倍率は、微多孔質表面から基材表面までの膜
断面全体が観察できる倍率であればよいが、例えば微多
孔質膜の膜厚が60μmであれば、100〜5,000
倍が好ましく、ボイドの面積を求めるには500〜2,
000倍が好ましい。得られた電子顕微鏡写真から観察
倍率を考慮してボイドの大きさをスケールなどで直接測
ることが出来る。
【0010】ボイドの面積は、微多孔質膜断面の電子顕
微鏡観察写真で観察される微多孔質膜断面のボイドを閉
じた曲線で囲んだときの、その曲線で囲まれた面積のこ
とをいう。具体的には、得られた走査型電子顕微鏡によ
る1,000倍の膜断面写真の一つ一つのボイドの外周
をトレースして、閉じた曲線で囲んで面積を求める。断
面積におけるボイド面積の占める割合は次の方法で求め
ることが出来る。ボイドの面積は曲線で囲んだ各ボイド
の図形を一つ一つ切り取り、重量の総和(x)を測定す
る。さらに、写真から微多孔質膜断面の外周をトレース
してその図形を切り取って重量(y)を測定し、前記ボ
イドの図形の重量の総和と膜断面の図形の重量の比(x
/y×100)を断面積におけるボイド面積の占める割
合(%)とする。微多孔質膜断面の外周とは、写真にと
らえられ、測定を対象としている断面全体の外周のこと
をいう。
【0011】一方、微多孔質膜の分離機能層側表面に
は、直径5〜100×10-9m程度の大きさの細孔が形
成されていることが好ましく、均一な分離機能層形成の
ためには、表面開孔率が5%以上であることが好まし
い。より好ましくは、6%以上である。
【0012】本発明において、表面開孔率、すなわち、
一定面積における細孔面積の占める割合は、表面細孔の
大きさと分布から求めることが出来る。表面細孔は、以
下に示す微多孔質膜表面の走査型電子顕微鏡写真やAF
M(原子間力顕微鏡)で観察することが出来る。さらに
電子顕微鏡観察写真を解析して個々の細孔の大きさやそ
の分布を求めることが出来る。例えば走査型電子顕微鏡
の表面写真の場合は、膜サンプルの表面に白金/パラジ
ウムまたは4酸化ルテニウム、好ましくは四酸化ルテニ
ウムを薄くコーティングして1〜6kVの加速電圧で高
分解能電界放射型走査電子顕微鏡(UHR−FE−SE
M)で観察する。観察倍率は5,000〜100,00
0倍が好ましく、細孔の分布を求めるには10,000
〜100,000倍が好ましい。得られた電子顕微鏡写
真から観察倍率を考慮して細孔の大きさをスケールなど
で直接測ることが出来る。
【0013】また、表面細孔の面積は、微多孔質膜表面
の電子顕微鏡観察写真で観察される微多孔質膜表面の細
孔を閉じた曲線で囲んだときの、曲線で囲まれた面積で
ある。具体的には表面細孔の面積は例えば次の方法で求
めることが出来る。得られた50,000倍の膜表面走
査型電子顕微鏡写真から、一辺0.6×10-6mの正方
形を区切る。次にこの正方形の中にある細孔を上からト
レースして、細孔の一つ一つを閉じた曲線で囲んで面積
を求める。面積は図形の最も長い径と最も短い径を測
り、その平均を近似円の直径として、近似円の面積を求
める。さらに、開孔率はこれらの方法で得られた表面細
孔の面積から、一定面積における細孔面積の占める割合
を求めることによって、計算できる。すなわち、前記
0.6×10 -6mの正方形内の例では、開孔率(%)=
正方形内の表面細孔の近似円の総面積/正方形の面積×
100で求められる。
【0014】上記微多孔質膜を支持補強する基材として
は織布および不織布などを用いることができ、それら織
布および不織布の厚さは、好ましくは50〜300×1
-6m、より好ましくは75〜200×10-6mであ
り、微多孔質膜の厚さは好ましくは25〜100×10
-6m、より好ましくは40〜75×10-6mの厚みを有
するが、必ずしもこれらに限定されるものではない。厚
すぎると扱いやすさやモジュール加工のしやすさが低下
し、薄すぎると機械的強度が低下する。
【0015】本発明で用いられる多官能アミンとして
は、 少なくとも2個の1級または2級アミノ基を有す
るアミン化合物のうち少なくとも1種のアミンを含むも
ので、例えば、二つのアミノ基がオルト、メタ、パラ、
いずれかの位置関係でベンゼンに結合した、フェニレン
ジアミン、1,3,5−トリアミノベンゼン、1,2,
4−トリアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、
キシリレンジアミンなどの芳香族多官能アミン、エチレ
ンジアミン、プロピレンジアミン等の脂肪族アミン、
1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシ
クロヘキサン、ピペラジン、4−アミノメチルピペラジ
ン等の脂環式多官能アミンが挙げられる。これらのアミ
ンは単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。ま
た、1級および2級のアミノ基を共に有する多官能アミ
ンでもよい。
【0016】本発明で用いられる多官能酸ハロゲン化物
としては、少なくとも2個の酸ハライド基を有する多官
能酸ハロゲン化物の群から選ばれる少なくとも1種を含
むもので、例えば3官能酸ハロゲン化物であるトリメシ
ン酸クロライド、1,3,5−シクロヘキサントリカル
ボン酸トリクロライド、1,2,4−シクロブタントリ
カルボン酸トリクロライド、2官能の多官能酸ハロゲン
化物では、例えば、ビフェニルジカルボン酸ジクロライ
ド、ビフェニレンジカルボン酸ジクロライド、アゾベン
ゼンジカルボン酸ジクロライド、テレフタル酸クロライ
ド、イソフタル酸クロライド、ナフタレンジカルボン酸
クロライド等の芳香族2官能酸ハロゲン化物、アジポイ
ルクロライド、セバコイルクロライド等の脂肪族2官能
酸ハロゲン化物、シクロペンタンジカルボン酸ジクロラ
イド、シクロヘキサンジカルボン酸ジクロライド、テト
ラヒドロフランジカルボン酸ジクロライド等の脂環式2
官能酸ハロゲン化物等が挙げられる。これらの多官能酸
ハロゲン化物は単独で用いてもよく、混合して用いても
よい。
【0017】次に本発明の複合半透膜の製造方法につい
て説明する。
【0018】本発明の複合半透膜は、重合体を溶解させ
た製膜原液を基材上に塗布して凝固させ得られた微多孔
質膜上に、少なくとも2個の1級または2級アミノ基を
有する多官能アミンの群から選ばれる少なくとも1種の
アミン成分を含む水溶液を接触させた後、次いで少なく
とも2個の酸ハライド基を有する多官能酸ハロゲン化物
を含む水と非混和性の有機溶媒溶液を前記微多孔質膜と
接触させ、前記微多孔質膜上で界面重縮合させることに
より分離機能を有する分離機能層を形成する。
【0019】まず、微多孔質膜の製造方法を説明する。
本発明において微多孔質膜は、ポリスルホン等の重合体
を含有する有機溶液(製膜原液)をポリエステルなどの
織布あるいは不織布基材上に流延し、重合体に対して非
溶解性の凝固浴に浸漬凝固することによって形成され
る。本発明において、製膜原液の重合体濃度は30重量
%以下であることが好ましい。さらに好ましくは10%
〜20重量%である。重合体濃度がこの範囲より高いと
孔径が小さくなりすぎて、透水性が著しく低下する。逆
に低いと製膜原液がゲル化したり、微多孔質膜中に欠点
が発生し、膜性能が不安定になりやすい。
【0020】この微多孔質膜の製膜原液には無機塩を添
加する。かかる無機塩としては、製膜原液に可溶で、か
つ溶解したときに溶液が相分離しないものが用いられ
る。このような無機塩としては、塩化リチウム、臭化リ
チウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシ
ウム、過塩素酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化
亜鉛、過塩素酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化アルミニウム、硫
酸アルミニウムなどが上げられるが、1価、あるいは2
価のカチオンを含む塩が耐圧性向上という観点から好ま
しく、特にマグネシウムイオンはイオン半径が小さく、
ポリマーとの静電気的な相互作用を強くして、ポリマー
同士の結びつきを強くすることによって、ボイド減少に
効果があると考えられる。これらの無機塩は単独で用い
てもよく、混合して用いてもよい。
【0021】無機塩の添加量は、通常0.1〜10重量
%、好ましくは0.5〜3重量%である。10重量%よ
りも高いと製膜原液が相分離を起こしやすく、逆に低い
と本発明の耐圧性の向上が小さい。
【0022】重合体および無機塩の有機溶媒への溶解方
法は、重合体と無機塩が溶媒に均一に溶解されればよい
が、溶解時間が長すぎると溶液粘度が上昇し、形成され
た膜の熱洗浄時に基材から重合体自身が剥離する可能性
が高くなる。
【0023】微多孔質膜製膜原液の基材への塗布方法
は、製膜原液が基材上に均一かつ連続的に塗れればよい
が、例えばコーターを用いて製膜原液を基材にコーティ
ングする方法が挙げられる。基材上に一定の厚みでコー
ティングするために、基材とコーターの隙間が一定にな
るようにする。コーティングする厚みは、膜形成後の微
多孔質膜の厚みが25〜100×10-6mになるように
調整することが好ましく、さらには40〜75×10-6
mになるように調整することが好ましい。膜形成後の厚
みが25×10-6m未満だと耐圧性の観点から不十分で
あり、100×10-6mを超えると透水性が十分でな
い。
【0024】コーティングしてから凝固浴に入るまでの
時間は、製膜原液の基材への浸透性を左右する。時間が
短すぎると製膜原液の基材への浸透が不十分となり、微
多孔質膜形成後に熱水洗浄などによって剥離が起きやす
くなる。一方、長すぎると過浸透となり、基材裏側まで
製膜原液が浸透し、形成された微多孔質膜の透水性が低
下する。
【0025】凝固浴としては、通常水が使われるが、重
合体を溶解しないものであればよい。組成によって微多
孔質膜の膜形態が変化し、それによって複合膜の膜形成
性も変化する。また、凝固浴の温度は、−20℃〜10
0℃が好ましい。さらに好ましくは10〜30℃であ
る。この範囲より高いと、熱運動により凝固浴面の振動
が激しくなり、膜形成後の膜表面の平滑性が低下しやす
い。逆に低すぎると凝固速度が遅くなり、製膜性に問題
が生じる。
【0026】次に、このような好ましい条件下で得られ
た微多孔質膜を、膜中に残存する製膜溶媒を除去するた
めに熱水洗浄する。このときの熱水の温度は50〜10
0℃が好ましく、さらに好ましくは60〜95℃であ
る。この範囲より高いと、微多孔質膜の収縮度が大きく
なり、透水性が低下する。逆に、低いと洗浄効果が小さ
い。
【0027】続いて、上述のように形成した微多孔質膜
上に、1級または2級のアミノ基を少なくとも2個有す
る多官能アミンの群から選ばれる少なくとも1種のアミ
ン成分を含む水溶液を接触させる。
【0028】本発明において、アミン水溶液の多官能ア
ミンの濃度は0.1〜20重量%であることが好まし
い。さらに好ましくは0.5〜10重量%である。この
範囲より高いと、分離機能層が厚くなりすぎて、複合半
透膜について高い透水性が期待できない。逆に低いと、
複合半透膜について、高い脱塩率が期待できない。な
お、多官能アミンは、アミノ基として、1級アミノ基の
みを含むものであっても、2級アミノ基のみを含むもの
であってもよく、また、1級アミノ基と2級アミノ基を
共に含むものであってもよい。
【0029】本発明では、アミン水溶液および多官能酸
ハロゲン化物を含む非極性溶媒にアシル化触媒、界面活
性剤、相関移動触媒など、種々の添加剤を入れることが
できる。
【0030】アシル化触媒としては、アミドやウレアな
どアミド結合を有するものが用いられる。このようなア
ミドとしては、N−シクロヘキシルホルムアミド、N,
N−ジイソプロピルホルムアミド、N,N−ジイソプロ
ピルアセトアミド、N,N−ジブチルホルムアミド、ま
たはδ−バレロラクタム、N−メチル−δ−バレロラク
タム、ε−カプロラクタム、N−メチル−ε−カプロラ
クタム、2−アザシクロオクタノン、2−アザシクロノ
ナノン、ウレアとしては、1,1,3,3−テトラメチ
ルウレア、1,1,3,3−テトラエチルウレアまたは
N,N−ジメチルプロピレンウレア、ビス(テトラメチ
レン)ウレア、ビス(ペンタメチレン)ウレアが挙げら
れる。
【0031】界面活性剤としては、たとえば、ドデシル
硫酸ナトリウム(DSS)やドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0032】相間移動触媒としては例えば、n−ヘプチ
ルトリエチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメ
チルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアン
モニウムクロライド(Makoszaの触媒)やヘキサ
デシルトリブチルホスホニウムクロライドのような4級
のアンモニウム塩やホスホニウム塩が挙げられる。
【0033】アミン水溶液に添加する添加剤の濃度は
0.1〜20重量%であることが好ましい。さらに好ま
しくは0.5〜10重量%である。
【0034】微多孔質膜へのアミン水溶液の接触方法
は、アミン水溶液が微多孔質膜上に均一かつ連続的に供
給できればよいが、例えばアミン水溶液を微多孔質膜に
コーティングする方法、あるいは微多孔質膜をアミン水
溶液に浸漬する方法が挙げられる。水溶液供給後は膜状
に水滴が残らないように十分に液切りする。水滴が残る
と、膜形成後に水滴残存部分が膜欠点となって膜性能の
低下を招く傾向がある。アミン水溶液への接触時間は1
分〜10分が好ましく、さらに好ましくは1分〜3分で
ある。水溶液の液切りの方法は、例えば、アミン水溶液
接触後の微多孔質膜を鉛直方向に保持して過剰の水溶液
を自然流下させる方法、さらに、その後にエアーノズル
から窒素等の風を吹き付け、強制的に液切りする方法が
挙げられる。
【0035】次に、このようにアミン水溶液を塗布して
液切りした後の膜に、多官能酸ハロゲン化物を含む、水
と非混和性の非極性溶媒を接触させて、界面重縮合反応
により架橋ポリアミドからなる分離機能層を形成させ
る。
【0036】多官能酸ハロゲン化物の濃度は特に限定さ
れるものではないが、たとえば0.01〜5.0重量%
である。
【0037】酸ハライドを含む非極性溶媒としては、多
官能酸ハロゲン化物を溶解し、また多官能酸ハロゲン化
物と反応せず、微多孔質膜を溶解等により、破壊しない
ものであることが好ましいが、さらに界面重縮合にて薄
膜を形成しうるものであれば特に限定されるものではな
い。このような非極性溶媒としては、炭化水素、トリク
ロロトリフルオロエタンなどが挙げられるが、オゾン層
保護の観点から、また、入手のしやすさ、取り扱いの容
易さを考慮すると、炭化水素が好ましい。さらに、常
温、常圧で揮発しにくいものであることを考慮すると、
炭素数が6以上の炭化水素が好ましく用いられる。この
ような溶媒においては炭素数が8以上、または引火点が
10℃以上の炭化水素が好ましく、さらに好ましくは引
火点が10〜300℃未満の炭化水素が望ましい。引火
点が10℃未満では引火の可能性があり、また、引火点
が300℃以上では粘性が強すぎて取り扱い上、好まし
くない。このような溶媒としては、例えばn−オクタ
ン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ド
デカン、n−トリデカンのような直鎖状炭化水素のほ
か、分岐鎖状炭化水素であってもよい。
【0038】多官能酸ハロゲン化物を溶解した非極性溶
媒の接触方法は、微多孔質膜上に一定時間、均一に接触
できる方法であればよい。
【0039】接触時間は、多官能アミンが多官能酸ハロ
ゲン化物と反応し、微多孔質膜上に薄膜を形成しうるだ
けの十分な時間があればよく、特に限定されるものでは
ない。好ましくは10秒〜10分、より好ましくは20
秒〜2分である。これより短いと反応が不完全で、高い
膜性能が得られない。また、これより長いと膜厚が厚く
なりすぎて、十分な透過流束が得られない。
【0040】このようにして多官能アミンと多官能酸ハ
ロゲン化物とを界面重縮合させて架橋ポリアミドからな
る分離機能層を微多孔質膜上に形成する。
【0041】多官能酸ハロゲン化物溶液を塗布して分離
機能層を微多孔質膜上に被覆したあとは溶媒を液切りす
る。液切りの方法は膜を鉛直方向に維持して過剰の非極
性溶媒を自然流下して除去する。鉛直方向に維持する時
間としては1〜5分、好ましくは1〜3分である。
【0042】液切りした後は乾燥を行う。乾燥の方法は
例えば、膜面での風速が2〜20m/s、特に好ましく
は3〜10m/s、温度が10〜80℃、特に好ましく
は20〜40℃の気体、例えば湿度30〜50%の乾燥
空気を膜に吹き付ける。上に示した範囲よりも長い時
間、あるいは高温の気体を用いると水分の過度な蒸発に
よる微多孔質膜の収縮が引き起こされて透水量の低い膜
ができる傾向がある。
【0043】このようにして得られた複合半透膜はそれ
だけでも十分良好な分離性能を発現するが、炭酸ナトリ
ウムなどのアルカリ水溶液に接触させて、残存する多官
能酸ハロゲン化物を加水分解する工程、50〜150
℃、好ましくは70〜130℃で、1〜10分間、好ま
しくは2〜8分間熱処理する工程、特開昭63−549
05号公報に記載の塩素含有水溶液に浸漬する工程など
を付加することで、膜の溶質排除性能の向上、透水性能
の向上を達成することができる。
【0044】以上のように製造された本発明の複合半透
膜は次の通りの耐圧性能を有する。すなわち13.7M
Paの高圧を加える前後での透過流束の比が0.95以
上1.05以下、溶質透過率の比が0.8以上1.3以
下である。
【0045】ここで、本発明の耐圧性能は以下のように
して測定を行う。複合半透膜に、操作圧力5.5MPa
において、塩化ナトリウム濃度が3.5重量%、温度2
5℃、pH6.5の水溶液を16時間透過した後、温度
25℃、pH6.5の5.8重量%塩化ナトリウム水溶
液を8.8MPaの操作圧力で16時間透過したときの
透過流束(A)、溶質透過率(C)を測定し、さらに1
3.7MPaに昇圧して3時間透過した後、再び8.8
MPaに戻して3時間透過した後に透過流束(B)、溶
質透過率(D)を測定して、性能の変化率を次式から求
めることによって評価した。
【0046】 透過流束比 =透過流束(B)/透過流束(A) 溶質透過率比=溶質透過率(D)/溶質透過率(C) なお、溶質透過率は電導度測定によった。ここで溶質透
過率とは次式で表される値である。
【0047】溶質透過率(%)=透過水の濃度/供給水
の濃度×100 また、本発明の複合半透膜を構成する微多孔質膜は、十
分な透過流束を有する複合半透膜を得るため、表面に分
離機能層を形成する前の純水透過流束が、純水を用いた
0.196MPa透水性評価において2.3×10-4
/s以上であることが好ましい。純水を用いた0.19
6MPa透水性評価は、逆浸透膜を透過した、電気伝導
度10μS/cm以下の25℃の純水を、濃縮水側圧力
が0.196MPa、濃縮水流量が3.5l/minと
なるように微多孔質膜に1分間透過させた後、1分間に
透過する透過水量を測定して行う。
【0048】また、本発明の複合半透膜を構成する微多
孔質膜は、13.7MPaの高圧を加えた後の純水透過
流束(b)が、13.7MPaの高圧を加える前の純水
透過流束(a)の1.0〜0.6倍である。この純水透
過流束の評価は、次のようにして行う。
【0049】上記透過流束(A)を評価した後の複合半
透膜を取り出し、1%の次亜塩素酸水溶液に96時間浸
漬して、複合半透膜の分離機能層を分解する。こうして
得られた微多孔質膜を用い、濃縮水側圧力が0.98M
Pa、濃縮水流量が3.5l/minで膜に25℃の電
気伝導度10μS/cm以下の純水を1分間透過させた
後、3分間透過する透過水量を測定し、微多孔質膜の透
過流束(a)を求め、同様に、上記透過流束(B)を評
価した後の複合半透膜から、微多孔質膜の透過流束
(b)を求める。得られた純水透過流束(a)、(b)
からそれらの比(b/a)を次式によって求める。
【0050】純水透過流束の比(b/a)=純水透過流
束(b)/純水透過流束(a) 本発明の複合半透膜は、図1に示すように、複合半透膜
1の分離機能層側を外側に配置するように透過液流路材
2の両側に設け、このような構造の膜ユニット8を、1
0〜30組図2に示すように、間に供給液流路材3を挟
みこみながら集水孔4を有する中心管5に巻囲し、膜エ
レメントとして使用する。
【0051】本発明の複合半透膜は、5MPa以上の操
作圧力で溶質濃度0.1重量%以上の溶液の溶質分離に
好適に使用される。逆浸透法では浸透圧以上の圧力で分
離を行う必要があるため、耐圧性に優れた本発明の複合
半透膜は、浸透圧の高い0.1重量%以上の濃度の溶
液、好ましくは3重量%以上、さらに好ましくは5重量
%以上の濃度の溶液の分離に用いられる。分離する溶液
の種類としては水溶液が好ましく、特に高濃度かん水、
海水、濃縮海水の淡水化に効果を発揮する。
【0052】このような、高濃度溶液の分離システムの
例としては、図3に示す1段複合半透膜分離装置や、図
4に示す2段複合半透膜分離装置があげられる。図3の
1段複合半透膜分離装置は、砂濾過装置などの前処理手
段9、加圧ポンプ10、膜モジュール11などで構成さ
れており、供給液の濁質を前処理手段9で取り除き、そ
の後、被処理水を加圧ポンプ10で加圧して膜モジュー
ル11に供給し、複合半透膜分離する。また、図4に示
す2段複合半透膜分離装置は、前処理手段9、1段目加
圧ポンプ10、1段目膜モジュール11、2段目加圧ポ
ンプ12、2段目膜モジュール13などで構成されてお
り、1段複合半透膜分離装置よりも透過水の回収率が高
い。被処理水は、1段複合半透膜分離装置と同様、前処
理手段9、1段目加圧ポンプ10、1段目膜モジュール
11を経、その後、濃縮液が2段目昇圧ポンプ12で昇
圧されて2段目膜モジュール13に送られる。1段目膜
モジュール11と2段目膜モジュール13の透過液は合
わせられて回収される。2段複合半透膜分離装置では、
2段目膜モジュール13において、1段目膜モジュール
11よりも高圧で複合半透膜分離されるため、操作圧力
が高く、そのため本発明の高い耐圧性を有する複合半透
膜が好適に用いられる。
【0053】
【実施例】実施例1 ポリスルホンを15重量%、無機塩として塩化マグネシ
ウム1重量%をN,N−ジメチルホルムアミド84重量
%に加え、80℃で2時間攪拌して均一な溶液とした。
次にこの溶液を不織布基材表面に厚み240×10-6
に塗布した後、20℃の水中に浸漬し、ポリスルホンを
凝固させて、膜厚が63×10−6mの微多孔質膜を得
た。不織布基材としてはポリエステル製抄紙不織布
(3.3デシテックスのマルチフィラメント糸、単位面
積あたりの重量 85g/m2、厚さ92×10-6m、
引っ張り張力 縦156.8N/15mm、横29.4
N/15mm)を用いた。得られた微多孔質膜を70℃
の熱水で2分間洗浄し、透過流束を評価したところ、
2.96×10-4m/s(25.6m/d)であった。
【0054】次に、m−フェニレンジアミンを3.4重
量%含む水溶液を上記の通り微多孔質膜に2分間接触さ
せた後、膜面に水滴が残らないように液切りを行った。
こうして得られたm−フェニレンジアミンで被覆された
膜に、トリメシン酸クロライド(表中、TMCと略記)
0.12重量%、テレフタル酸クロライド(表中、TP
Cと略記)0.18重量%を含むデカン溶液を1分間接
触させた。その後、液切りを1分間行って、送風器を使
い20℃の気体を吹き付けて乾燥させ、次いで、流水で
洗浄した。こうして得られた複合半透膜を90℃、2分
間熱水洗浄し、その後、500ppm、pH7の塩素濃
度の水溶液に2分間浸漬した後、再び95℃の熱水で2
分間洗浄して、0.1重量%の亜硫酸水素ナトリウム
(SBS)水溶液に保存した。
【0055】得られた複合半透膜の微多孔質膜断面およ
び表面を、高分解能電界放射型走査電子顕微鏡(日立製
S−900型電子顕微鏡)を用いて1,000倍の倍率
で観察した。微多孔質膜のボイド占有率は、微多孔質膜
表面から基材表面までの間で、幅90×10-6mの範囲
にあるボイドを対象とした。ボイドが膜断面において占
める割合は写真の各ボイドの外周をトレースして閉じた
曲線で囲み、囲んだ図形を一つ一つ切り取って重量を測
定して、その総和(x)を求め、前記観察した膜断面の
範囲をトレースして、その図形を切り取って重量(y)
を測定し、計算x/y×100により、4.9%を得
た。表面開孔率は50,000倍の写真から、一辺0.
6×10-6mの正方形内に含まれる細孔をトレースし、
近似円の直径と分布を求めることによって計算し、6.
8%を得た。結果を表1に示す。
【0056】また、得られた複合半透膜に温度25℃、
pH 6.5の3.5重量%の塩化ナトリウム水溶液を
5.5MPaで16時間透過した後、5.8重量%の塩
化ナトリウム水溶液を8.8MPaで16時間透過した
ときの性能を測定したところ、塩排除率が99.75
%、透過流束が0.87×10-5m/s(0.75m/
d)であった。さらに13.7MPaで3時間透過した
後再び8.8MPaで3時間経過したときの性能を測定
したところ、塩排除率が99.70%、透水流束が0.
87×10-5m/s(0.75m/d)であった。そこ
で、複合半透膜の耐圧性能を評価したところ、溶質透過
率比が1.2、透過流束比が1.00であった。結果を
表2に示す。
【0057】上記加圧評価後、1%の次亜塩素酸水溶液
に96時間浸漬して、複合半透膜の分離機能層を分解し
て、微多孔質膜の透過流束の比(b/a)を測定したと
ころ、0.89であった。結果を表1に示す。
【0058】実施例2 実施例1において、m−フェニレンジアミンの濃度を
3.4重量%から1.7重量%にすること以外は実施例
1と同様にして複合半透膜を得て評価した。その結果を
表2に示す。
【0059】実施例3 実施例1において、m−フェニレンジアミンの濃度を
3.4重量%から5.1重量%にすること以外は実施例
1と同様にして複合半透膜を得て評価した。その結果を
表2に示す。
【0060】実施例4〜6 実施例1〜3において、無機塩を塩化マグネシウムから
塩化亜鉛に変えること以外は実施例1〜3と同様にして
複合半透膜を得て評価した。その結果を表2に示す。
【0061】実施例7 実施例1において、無機塩を塩化マグネシウムから塩化
リチウムに変えること以外は実施例1と同様にして複合
半透膜を得て評価した。その結果を表2に示す。
【0062】比較例1〜3 実施例1〜3において、無機塩を添加しない以外は実施
例1〜3と同様にして複合半透膜を得て評価した。その
結果を表1、2に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】表1から分かるように、無機塩を添加した
系においては、高圧評価後の微多孔質膜の透水性の変化
が1に近くなっている。また、表2から分かるように複
合半透膜の透過流束比も1に近くなっている。特に無機
塩として、塩化マグネシウムを用いた場合には透過流束
比は1である。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、複合半透膜の機械的強
度を有する微多孔質膜のボイド部分を縮小することによ
り、微多孔質膜の欠陥が少なくなり、均一な構造となる
ため、安定した性能の複合半透膜が製膜できる。また、
本発明の複合半透膜に用いられる微多孔質膜は、5MP
aを越えるような高圧での透過流束の変化が小さく、高
い溶質排除率と透過流束を維持することができる複合半
透膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】流体分離素子に用いる膜ユニットの概略模式図
である。
【図2】複合半透膜を用いたスパイラル型液体分離素子
の概略横断面図である。
【図3】本発明の複合半透膜を用いた1段複合半透膜分
離装置の概略フロー図である。
【図4】本発明の複合半透膜を用いた2段複合半透膜分
離装置の概略フロー図である。
【符号の説明】
1:複合半透膜 2:透過液流路材 3:供給液流路材 4:集水孔 5:中心管 6:溝 7:凸部 8:膜ユニット 9:前処理手段 10:1段目加圧ポンプ 11:1段目複合半透膜モジュール 12:2段目昇圧ポンプ 13:2段目複合半透膜モジュール
フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA03 HA41 KA52 KA54 KE02Q KE02R KE03Q KE03R KE12Q KE12R KE15Q KE15R KE16Q KE16R MA06 MA22 MA23 MA27 MA31 MB01 MC29 MC45 MC48 MC54 MC54X MC58 MC62 MC78 MC78X MC90 NA26 NA44 NA46 NA51 NA63 NA64 PA01 PB03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微多孔質膜の表面に分離機能層を形成して
    なり、操作圧力5.5MPaにおいて、塩化ナトリウム
    濃度が3.5重量%、温度25℃、pH 6.5の水溶
    液を16時間透過させた後、温度25℃、pH 6.5
    の5.8重量%の塩化ナトリウム水溶液を8.8MPa
    の圧力で16時間透過させたときの透過流束(A)と、
    その後さらに5.8重量%の塩化ナトリウム水溶液を1
    3.7MPaの圧力で3時間透過させ、再び8.8MP
    aの圧力で3時間透過させたときの透過流束(B)との
    比(B/A)が、0.95〜1.05の範囲内にあるこ
    とを特徴とする複合半透膜。
  2. 【請求項2】温度25℃、pH 6.5の5.8重量%
    の塩化ナトリウム水溶液を8.8MPaの圧力で16時
    間透過させたときの溶質透過率(C)と、その後さらに
    5.8重量%の塩化ナトリウム水溶液を13.7MPa
    の圧力で3時間透過させ、再び8.8MPaの圧力で3
    時間透過させたときの溶質透過率(D)との比(D/
    C)が、0.8〜1.3の範囲内にあることを特徴とす
    る、請求項1に記載の複合半透膜。
  3. 【請求項3】微多孔質膜の表面に分離機能層を形成して
    なり、操作圧力5.5MPaにおいて、塩化ナトリウム
    濃度が3.5重量%、温度25℃、pH6.5の水溶液
    を16時間透過させた後、温度25℃、pH 6.5の
    5.8重量%の塩化ナトリウム水溶液を8.8MPaの
    圧力で16時間透過させ、次いで、5.8重量%の塩化
    ナトリウム水溶液を13.7MPaの圧力で3時間透過
    させ、引き続き8.8MPaの圧力で3時間透過させた
    とき、微多孔質膜の純水透過流束が、5.8重量%の塩
    化ナトリウム水溶液を13.7MPaの圧力で3時間透
    過させ、引き続き8.8MPaの圧力で3時間透過させ
    る前の純水透過流束の1.0〜0.6倍の範囲内にある
    ことを特徴とする複合半透膜。
  4. 【請求項4】微多孔質膜の表面に分離機能層を形成して
    なり、微多孔質膜は、製膜方向に対して直交する方向の
    断面をみたとき、長径が5×10-6m以上のボイドの占
    める面積の総和が全断面積の10%以下であることを特
    徴とする複合半透膜。
  5. 【請求項5】微多孔質膜の分離機能層側の表面の開孔率
    が5%以上であることを特徴とする、請求項4に記載の
    複合半透膜。
  6. 【請求項6】微多孔質膜が、純水を用いた0.196M
    Pa透水性評価において2.3×10-4m/s以上の純
    水透過流束を有することを特徴とする、請求項1〜5の
    いずれかに記載の複合半透膜。
  7. 【請求項7】分離機能層が、少なくとも2個の1級およ
    び/または2級アミノ基を有する多官能アミンと、少な
    くとも2個の酸ハライド基を有する多官能酸ハロゲン化
    物を界面重縮合させた架橋ポリアミド分離機能層である
    ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の複
    合半透膜。
  8. 【請求項8】支持基材上に、重合体を有機溶媒に溶解さ
    せた製膜原液を塗布し、重合体を凝固させ微多孔質膜を
    形成し、その微多孔質膜上に、少なくとも2個の1級お
    よび/または2級アミノ基を有する多官能アミンのうち
    少なくとも1種のアミンを含む水溶液を接触させ、次い
    で、少なくとも2個の酸ハライド基を有する多官能酸ハ
    ロゲン化物を含む、水と非混和性の有機溶媒溶液を接触
    させ、界面重縮合させて架橋ポリアミド分離機能層を形
    成する複合半透膜の製造方法であって、微多孔質膜の製
    膜原液に無機塩を添加することを特徴とする複合半透膜
    の製造方法。
  9. 【請求項9】微多孔質膜の製膜原液に、一価または二価
    のカチオンを含む無機塩を添加することを特徴とする、
    請求項8に記載の複合半透膜の製造方法。
  10. 【請求項10】微多孔質膜の製膜原液に、マグネシウム
    イオンを含む無機塩を添加することを特徴とする、請求
    項8に記載の複合半透膜の製造方法。
  11. 【請求項11】溶質濃度が0.1重量%以上の溶液を、
    請求項1〜7いずれかの複合半透膜、または、請求項8
    〜10いずれかの方法によって製造された複合半透膜に
    5MPa以上の操作圧力で供給して溶質を分離すること
    を特徴とする複合半透膜の使用方法。
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