JP7422741B2 - 2-[(3r)-3-メチルモルホリン-4-イル]-4-(1-メチル-1h-ピラゾール-5-イル)-8-(1h-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジンを調製する方法 - Google Patents

2-[(3r)-3-メチルモルホリン-4-イル]-4-(1-メチル-1h-ピラゾール-5-イル)-8-(1h-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジンを調製する方法 Download PDF

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Description

本発明は、2-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン(以下の「式(I)の化合物」)を調製する方法、ならびに式(I)の化合物の調製に有用な中間体化合物を網羅する。本発明はまた、極めて高純度の式(I)の化合物の多形体Bを網羅する。
国際公開第2016020320号パンフレットの実施例111は、以下の合成経路:
Figure 0007422741000001
を使用することによって、式(I)の2-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジンを合成する方法を記載している。
化合物(IIa)(=8-クロロ-2-((R)-3-メチルモルホリン-4-イル)-[1,7]ナフチリジン-4-オール)の合成は、国際公開第2016020320号パンフレットの実施例「中間体-7」、ステップcに記載されている。
国際公開第2016020320号パンフレットによると、化合物(IV)(=2-[((R)-3-メチルモルホリン-4-イル)-8-[2-(テトラヒドロピラン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-イル]-[1,7]ナフチリジン-4-オール)に相当する「中間体9」を、無水1,4-ジオキサン中、触媒としての[1,1’ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(1:1)および炭酸セシウムを使用して、アルゴン下で、式(IIa)の化合物とテトラヒドロピラニル保護ボロン酸エステル化合物(IIIc)(=1-(テトラヒドロピラン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール)の鈴木カップリングによって調製した。反応混合物を90℃で16時間攪拌した。褐色反応溶液をカラムクロマトグラフィー[シリカゲル60;酢酸エチル]を介して精製した。2-[((R)-3-メチルモルホリン-4-イル)-8-[2-(テトラヒドロピラン-2-イル)-2H-ピラゾール-3-イル]-[1,7]ナフチリジン-4-オール506mg(理論値の72%)を黄色油として単離した。
以下の例示的な理由により、国際公開第2016020320号パンフレットに記載される式(IV)の化合物の実験室規模の調製は、大規模製造プロセスには不適切である:
・無水溶媒(例えば、1,4-ジオキサン)の使用は大規模での取り扱いが困難である。
・炭酸セシウムは比較的高価な無機塩基である。
・長い反応時間(90℃で16時間)が必要である。
・式(IV)の化合物は油であるので、大規模で好ましい方法である簡単な結晶化ステップによって精製することができない。
・カラムクロマトグラフィーによる精製は時間がかかり、高価である。
国際公開第2016020320号パンフレットによると、次いで、「中間体9」、式(IV)の油性化合物を、無水ジクロロメタン中、アルゴン下で、N-フェニルビス-(トリフルオロメタンスルホンイミド)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミンで処理することによって、式(V)の化合物(=2-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]-8-[1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート)に相当する「中間体10」に変換する。反応時間は室温で3日間であった。溶媒を減圧下で留去し、残渣をクロマトグラフィーに2回かけた[シリカゲル60(400g);ジクロロメタン:メタノール、98:2/酢酸エチル]。式(V)の化合物は、蒸発乾固後、黄色固体として2.6g(理論値の42%)で得られた。
この手順の欠点は、例えば以下である:
・無水溶媒(高価)の使用。
・高価である、極めて長い反応時間(室温で3日間)。
・極めて時間がかかり、高価である、2つのクロマトグラフィー精製ステップ。
・このステップの極めて低い収率(42%)。
・クロマトグラフィー画分の蒸発による単離。これは極めてエネルギーおよびコストがかかるため、スケールアップには適していない。
式(V)の化合物を、ジメトキシエタン(60ml)に可溶化された、1-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(VIb)、炭酸カリウム水溶液(1.4ml、2M)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(67mg、0.094mmol)を使用して、鈴木反応を介して式(VIIc/VIId)の化合物に変換する。反応混合物をマイクロ波照射下130℃で20分間攪拌した。室温に冷却した後、反応混合物を、ケイ素フィルターを通して濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル/エタノール混合物)によって精製した。所望の画分を減圧下で濃縮し、濃硫酸(5ml)に可溶化した。混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、混合物を氷に注ぎ入れ、固体炭酸水素ナトリウムを用いて塩基性化した。懸濁液を濾過し、固体を40℃でエタノールと攪拌し、濾過し、減圧下で乾燥させた。式(I)の化合物が収率78%(0.28g)で得られた。
スケールアップには、少なくとも以下の点が重要である:
・マイクロ波反応器を大規模に使用することは適さない。130℃でほんの20分間の大規模反応の実行は困難であり、数kg規模では実行できない。
・単離および精製のためのクロマトグラフィーは、大規模では時間がかかり、高価である。
・化合物を含有するクロマトグラフィー画分の蒸発は、極めてエネルギーおよびコストがかかるため、大規模では適さない。
・式(I)の化合物の純度がGMP要件を満たさない。
要約すると、式(IIa)の化合物(=8-クロロ-2-((R)-3-メチルモルホリン-4-イル)-[1,7]ナフチリジン-4-オール)から出発する所望の化合物(I)を製造するための記載のプロセスは、3つのクロマトグラフィーステップを伴い、長い反応時間および極めて低い全体収率(式(II)の化合物から(I)の化合物:理論収率の23.6%)をもたらすので、極めて非効率的で、時間がかかり、高価である。
国際公開第2016020320号パンフレット
したがって、前記欠点の1つまたは複数を有さない、式(I)の2-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジンを調製する方法を提供することが本発明の目的であった。
定義
「置換されている」という用語は、存在している状況下で指定された原子の通常の結合価を超えないという条件で、指定された原子または基上の1個または複数の水素原子が指示される基から選択されるものによって置き換えられていることを意味する。置換基および/または変数の組み合わせは許容される。
「場合により置換された」という用語は、置換基の数が0に等しいまたは0と異なり得ることを意味する。特段の指示がない限り、場合により置換された基が、任意の利用可能な炭素または窒素原子上で水素原子を非水素置換基で置き換えることによって収容され得るだけの任意の置換基で置換されることが可能である。一般に、存在する場合、任意の置換基の数が、1、2、3、4または5、特に1、2または3であることが可能である。
本明細書で使用される場合、例えば本発明の一般式(I)の化合物の置換基の定義における「1つまたは複数」という用語は、1、2、3、4または5、特に1、2、3または4、さらに特に1、2または3、なおさらに特に1または2を意味する。
「含む」という用語は、本明細書において使用される場合、「からなる」を含む。
本文中で、いずれかの項目が「本明細書で言及される」と言及されている場合、それは本文のどこにでも言及され得ることを意味する。
本文で言及される用語は、以下の意味を有する:
「C1~C6-アルキル」という用語は、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖または分岐の飽和一価炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、2-メチルブチル、1-メチルブチル、1-エチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、ネオ-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチルもしくは1,3-ジメチルブチル基、またはこれらの異性体を意味する。特に、基は、1、2、3または4個の炭素原子を有する(「C1~C4-アルキル」)、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチルイソブチル、またはtert-ブチル基、さらに特に1、2または3個の炭素原子を有する(「C1~C3-アルキル」)、例えば、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソプロピル基である。
本文で使用される「C1~C6」という用語は、例えば、「C1~C6-アルキル」の定義の文脈において、1~6個の有限数の炭素原子、すなわち、1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
ある範囲の値が与えられる場合、前記範囲は前記範囲内の各値および部分範囲を包含する。
例えば、「C1~C6」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1~C6、C1~C5、C1~C4、C1~C3、C1~C2、C2~C6、C2~C5、C2~C4、C2~C3、C3~C6、C3~C5、C3~C4、C4~C6、C4~C5およびC5~C6を包含する。
式(I)の化合物は、式(Ia)の互変異性体
Figure 0007422741000002
として存在し得る。
当業者はまた、式(I)および(Ia)の化合物が互変異性体(I)と(Ia)の両方の混合物として存在し得ることを知っている。
式(VIIIa)または(IXa)の本発明の化合物は、場合により種々の所望の置換基の位置および性質に応じて、2個以上、特に2個の不斉中心を含む。1個または複数の不斉炭素原子が、(R)または(S)配置で存在し、単一の不斉中心の場合にはラセミ混合物、複数の不斉中心の場合にはジアステレオマー混合物をもたらし得ることが可能である。
本発明の化合物の分離された、純粋なまたは部分的に精製された異性体および立体異性体あるいはラセミまたはジアステレオマー混合物も本発明の範囲に含まれる。このような材料の精製および分離は、当技術分野で知られている標準的技術によって達成することができる。本発明の化合物のこれらの分離された、純粋なまたは部分的に精製された異性体またはラセミ混合物も本発明の範囲に含まれる。このような材料の精製および分離は、当技術分野で知られている標準的技術によって達成することができる。
光学異性体は、従来法によるラセミ混合物の分割、例えば、光学活性酸もしくは塩基を用いたジアステレオ異性体塩の形成または共有結合性ジアステレオマーの形成によって得ることができる。適当な酸の例には、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびカンファースルホン酸がある。ジアステレオ異性体の混合物は、当技術分野で知られている方法、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶によって、その物理的および/または化学的違いに基づいて個々のジアステレオマーに分離することができる。その後、光学活性塩基または酸を分離したジアステレオマー塩から遊離させる。光学異性体の別の分離法は、エナンチオマーの分離を最大化するために選択してもよい、従来の誘導体化を用いるまたは用いない、キラルクロマトグラフィー(例えば、キラル相を使用するHPLCカラム)の使用を含む。キラル相を使用する適切なHPLCカラムは商業的に入手可能であり、例えば、数ある中でもDaicelによって製造されたもの、例えばChiracel ODおよびChiracel OJがあり、これらは全て日常的に選択可能である。誘導体化を用いるまたは用いない酵素分離も有用である。本発明の光学活性化合物はさらに、光学活性出発物質を利用したキラル合成によっても得ることができる。
異性体の異なる型を互いに識別するために、IUPAC Rules Section E(Pure Appl Chem 45、11~30、1976)が参照される。
本発明は、単一の立体異性体として、または任意の比の前記立体異性体、例えば、(R)-または(S)-異性体の任意の混合物として式(VIIIa)または(IXa)の本発明の化合物の全ての可能な立体異性体を含む。本発明の化合物の単一の立体異性体、例えば、単一のエナンチオマーまたは単一のジアステレオマーの単離は、任意の適当な先行技術の方法、例えば、クロマトグラフィー、特にキラルクロマトグラフィーによって達成される。
さらに、本発明の化合物は、本発明の化合物の少なくとも1個の窒素が酸化されているという点で定義されるN-オキシドとして存在することができる。本発明は、全てのこのような可能なN-オキシドを含む。
本発明はまた、式(VIIIa)または(IXa)の本発明の化合物の有用な形態、例えば、水和物、溶媒和物、塩、特に薬学的に許容される塩、および/または共沈物を網羅する。
さらに、式(VIIIa)または(IXa)の本発明の化合物が、遊離型で、例えば、遊離塩基もしくは遊離酸もしくは双性イオンとして存在する、または塩型で存在することが可能である。塩は任意の塩、有機または無機付加塩のいずれか、特に薬学で習慣的に使用される、または例えば本発明の化合物を単離もしくは精製するために使用される任意の薬学的に許容される有機または無機付加塩であり得る。
「薬学的に許容される塩」という用語は、式(VIIIa)または(IXa)の本発明の化合物の無機または有機酸付加塩を指す。例えば、S.M.Bergeら「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.1977、66、1~19を参照されたい。
式(VIIIa)または(IXa)の本発明の化合物の適切な薬学的に許容される塩は、例えば、十分に塩基性の、鎖中または環内に窒素原子を有する本発明の化合物の酸付加塩、例えば、無機酸または「鉱酸」、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、重硫酸、リン酸または硝酸による酸付加塩、または有機酸、例えば、ギ酸、酢酸、アセト酢酸、ピルビン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、安息香酸、サリチル酸、2-(4-ヒドロキシベンゾイル)-安息香酸、ショウノウ酸、ケイヒ酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、パモ酸、ペクチニン酸、3-フェニルプロピオン酸、ピバル酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、イタコン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、ナフタリンジスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、酒石酸、ステアリン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸、アルギン酸、マレイン酸、フマル酸、D-グルコン酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコヘプタン酸、グリセロリン酸、アスパラギン酸、スルホサリチル酸またはチオシアン酸による酸付加塩であり得る。
さらに、十分に酸性である式(VIIIa)または(IXa)の本発明の化合物の別の適切な薬学的に許容される塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウムもしくはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム、マグネシウムもしくはストロンチウム塩、またはアルミニウムもしくは亜鉛塩、またはアンモニアまたは1~20個の炭素原子を有する有機第一級、二級もしくは三級アミン、例えばエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、プロカイン、ジベンジルアミン、N-メチルモルホリン、アルギニン、リジン、1,2-エチレンジアミン、N-メチルピペリジン、N-メチル-グルカミン、N,N-ジメチル-グルカミン、N-エチル-グルカミン、1,6-ヘキサンジアミン、グルコサミン、サルコシン、セリノール、2-アミノ-1,3-プロパンジオール、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、4-アミノ-1,2,3-ブタントリオールに由来するアンモニウム塩、または1~20個の炭素原子を有する四級アンモニウムイオン、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラ(n-プロピル)アンモニウム、テトラ(n-ブチル)アンモニウム、N-ベンジル-N,N,N-トリメチルアンモニウム、コリンもしくはベンザルコニウムによる塩である。
当業者であれば、請求される式(VIIIa)または(IXa)の化合物の酸付加塩を、いくつかの既知の方法のいずれかを介して化合物と適当な無機酸または有機酸の反応によって調製することが可能であることをさらに認識するだろう。あるいは、式(VIIIa)または(IXa)の本発明の酸性化合物のアルカリおよびアルカリ土類金属塩は、種々の既知の方法を介して本発明の化合物を適当な塩基と反応させることによって調製される。
本発明は、単一の塩として、または任意の比の前記塩の任意の混合物として式(VIIIa)または(IXa)の本発明の化合物の全ての可能な塩を含む。
特に指定しない限り、例えば、「塩酸塩」、「トリフルオロアセテート」、「ナトリウム塩」または「xHCl」、「xCF3COOH」、「xNa」などの塩に関する化学名または構造式の接尾辞は、塩型を意味し、塩型の化学量論は指定されていない。
さらに、本発明は、式(VIIIa)または(IXa)の本発明の化合物の全ての可能な結晶型または多形を、単一多形としてまたは任意の比の2種以上の多形の混合物として含む。
式(VIIIa)または(IXa)の化合物が同位体変異体として存在することが可能である。そのため、本発明には、式(VIIIa)または(IXa)の化合物の1つまたは複数の同位体変異体、特に式(VIIIa)または(IXa)の重水素含有化合物が含まれる。
化合物または試薬の「同位体変異体」という用語は、そのような化合物を構成する、不自然な比率の1または複数の同位体を示す化合物と定義される。
「式(VIIIa)または(IXa)の化合物の同位体変異体」という用語は、そのような化合物を構成する、不自然な比率の1つまたは複数の同位体を示す式(VIIIa)または式(IXa)の化合物と定義される。
「不自然な比率」という表現は、そのような同位体のその自然存在比よりも高い比率を意味する。この文脈に適用される同位体の自然存在比は、“Isotopic Compositions of the Elements 1997”,Pure Appl.Chem.,70(1),217-235,1998に記載されている。
そのような同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の安定した放射性の同位元素、例えば、それぞれ、2H(重水素)、3H(トリチウム)、11C、13C、14C、15N、17O、18O、32P、33P、33S、34S、35S、36S、18F、36Cl、82Br、123I、124I、125I、129Iおよび131Iが挙げられる。
本発明に関して、一般式(VIIIa)または(IXa)の化合物の1つまたは複数の同位体変異体は、好ましくは重水素を含む(「式(VIIIa)または(IXa)の重水素含有化合物」)。
式(VIIIa)または(IXa)の化合物の同位体変異体は、試薬を前記試薬の同位体変異体、好ましくは重水素含有試薬に置き換えることによって、当業者に知られている方法、例えば本明細書中のスキームおよび/または例に記載される方法などによって一般的に調製することができる。重水素化の望ましい場所に応じて、一部の例では、D2Oの重水素は、化合物に直接組み込まれるか、またはそのような化合物を合成するのに有用な試薬に組み込まれることができる。重水素ガスも重水素を分子に組み込むために有用な試薬である。オレフィン結合およびアセチレン結合の接触重水素化は、重水素の組み込みのための迅速な経路である。金属触媒(すなわち、Pd、Pt、およびRh)は、重水素ガスの存在下で、炭化水素を含有する官能基において重水素を水素に直接交換するために使用され得る。種々の重水素化試薬および合成構築ブロックが、例えばC/D/N Isotopes、Quebec、カナダ;Cambridge Isotope Laboratories Inc.、Andover、MA、米国;およびCombiPhos Catalysts,Inc.、Princeton、NJ、米国などの企業から商業的に入手可能である。
「式(VIIIa)または(IXa)の重水素含有化合物」という用語は、1個または複数の水素原子が1個または複数の重水素原子によって置き換えられていて、式(VIIIa)式(IXa)の化合物の各々の重水素化された位置での重水素の存在比が、約0.015%である重水素の自然存在比よりも高い、式(VIIIa)または式(IXa)の化合物として定義される。特に、式(VIIIa)または(IXa)の重水素含有化合物において、一般式(I)の化合物の各々の重水素化された位置での重水素の存在比は、1つまたは複数の前記位置で10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%または80%よりも高い、好ましくは90%、95%、96%または97%よりも高い、さらにより好ましくは98%または99%よりも高い。各々の重水素化された位置の重水素の存在比が、他の1つまたは複数の重水素化された位置の重水素の存在比とは無関係であることが理解される。
化合物(I)の多形体BのX線粉末回折図である。
本発明による式(I)の化合物を調製する方法は、様々な有利な調製ステップおよび中間体によって特徴付けられ、以下のスキームによって説明することができる:
Figure 0007422741000003
中間体化合物(II)から式(I)の化合物への新たな合成経路は、国際公開第2016020320号パンフレットに記載される経路と比較していくつかの利点を有する。新たな経路は、前記プロセスと比較して、以下の利点の少なくとも1つまたは複数を提供する:
・式(VIIIa)または(IXa)の中間体についても、式(VIIa)または(VIIb)の中間体化合物についても、クロマトグラフィー精製ステップが必要でない。
・マイクロ波反応器を使用しない。
・2つの新たな中間体(VIIIa)/(VIIIb)および(IXa)/(IXb)は結晶性であり、特に例えばイソプロパノールおよびn-ブタノールなどの環境に優しい溶媒を使用することによって、結晶化によって容易に単離および精製することができる。
・より短い反応時間。
・全体収率が有意に増加する。各ステップの最高収率を考慮に入れると、全体収率は約2倍増加し、国際公開第2016020320号パンフレットに記載される経路の理論収率23.6%と比較して、新たな経路の理論収率は約49.0%になる。
・式(I)の化合物の純度が有意に増加する、例えば:
〇残留パラジウム値が極めて低い(10ppm未満)
〇残留ホウ素値が極めて低い(10ppm未満)
・残留溶媒が規制要件に準拠している。
・新たなプロセスにより、式(I)の化合物の多形体Bの大規模生産が可能になる。
式(I)/(Ia)の化合物を調製する本発明による方法は、以下のステップのうちの少なくとも1つによって特徴付けられる:
1.式(IXa)または(IXb)の中間体化合物から出発する、式(VIIa)または(VIIb)の中間体化合物を介した式(I)または(Ia)の化合物の合成。
2.式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物を式(VIa)または(VIb)の化合物と反応させることによる式(IXa)または(IXb)の中間体化合物の合成。
3.式(II)または(IIa)の化合物から出発する、式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物の合成。
式(I)の化合物を調製する本発明によるプロセスおよびその個々のプロセスステップは、新たな中間体(IXa)/(IXb)(第4節参照)および(VIIIa)/(VIIIb)(第5節参照)によってさらに特徴付けられ、高純度で式(I)の化合物を提供する(第6節参照)。
1.式(IXa)または(IXb)の中間体化合物から出発する、式(VIIa)または(VIIb)の中間体化合物を介した式(I)または(Ia)の化合物の合成。
一態様によると、本発明は、式(I)の化合物
Figure 0007422741000004
または式(Ia)のその互変異性体
Figure 0007422741000005
またはこれらの混合物
を調製する方法であって、
(a)式(IXa)の中間体化合物
Figure 0007422741000006
(式中、
R1は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)
を式(IIIa)または(IIIb)の化合物
Figure 0007422741000007
または
Figure 0007422741000008
またはこれらの混合物
(式中、
R2およびR3は互いに独立に、水素原子またはC1~C6-アルキル基を表す;
あるいは
R2およびR3は一緒になって、-CH2-CH2-基または-CH2-CH2-CH2-基を表し、前記-CH2-CH2-基または-CH2-CH2-CH2-基は、場合によりメチルおよびエチルから選択される基で1回、2回、3回または4回置換されている;
あるいは
R2およびR3は一緒になって、基
Figure 0007422741000009
(式中、「*」は分子の残りとの結合点を表す)
を表し;
R4はテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル、1-メチル-1-メトキシエチル、1-メチル-1-フェノキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシエチルから選択される基を表す)
と反応させて、式(VIIa)または(VIIb)の中間体化合物
Figure 0007422741000010
または
Figure 0007422741000011
またはこれらの混合物
(式中、
R4はテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル、1-メチル-1-メトキシエチル、1-メチル-1-フェノキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシエチルから選択される基を表す)
を得るステップと;
(b)式(VIIa)または(VIIb)の中間体化合物から基R4を除去し、よって式(I)の化合物、または式(Ia)のその互変異性体、またはこれらの混合物を得るステップと
の連続ステップを含む方法に関する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の化合物のR1が塩素または臭素原子、好ましくは塩素原子を表す。
R1が塩素原子を表す式(IXa)の化合物が、式(IXb)の好ましい化合物である:
Figure 0007422741000012
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の化合物のR1が、[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、
[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の化合物のR1が、[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシおよび(p-トルエンスルホニル)オキシから選択される基を表す。
本発明の別の実施形態では、式(IIIa)または(IIIb)の化合物のR2およびR3が互いに独立に、水素原子またはC1~C3アルキル基、特にメチルまたはエチル基を表す。
本発明の別の実施形態では、式(IIIa)または(IIIb)の化合物のR2およびR3が一緒になって、-CH2-CH2-基または-CH2-CH2-CH2-基を表し、前記-CH2-CH2-基または-CH2-CH2-CH2-基が、場合によりメチルおよびエチルから選択される基で1回、2回、3回または4回置換されている。
式(IIIa)または(IIIb)の化合物のR2およびR3が一緒になって、-CH2-CH2-基または-CH2-CH2-CH2-基を表す場合、前記-CH2-CH2-基または前記-CH2-CH2-CH2-基は、前記基が結合しているホウ素原子および酸素原子と一緒になって、5員または6員環を形成する。
本発明の別の実施形態では、式(IIIa)または(IIIb)の化合物のR2およびR3が一緒になって、基
Figure 0007422741000013
(式中、「*」は分子の残りとの結合点を表す)
を表す。
本発明の別の実施形態では、式(IIIa)または(IIIb)の化合物のR2およびR3が一緒になって、-C(CH32-C(CH32-または-CH2-C(CH32-CH2-基を表す。
本発明の好ましい実施形態では、式(IIIa)または(IIIb)の化合物のR2およびR3が一緒になって、-C(CH32-C(CH32-基を表す。
本発明の好ましい実施形態では、式(IIIa)の化合物が(式IIIcの)1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルである:
Figure 0007422741000014
式(IIIa)、(IIIb)または(IIIc)の化合物は、商業的に入手可能である、または当業者に知られている方法によって合成することができる。
本発明の別の実施形態では、式(IIIa)、(IIIb)、(VIIa)または(VIIb)の化合物のR4が、テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル、1-メチル-1-メトキシエチル、1-メチル-1-フェノキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシエチルから選択される基を表す。
本発明の好ましい実施形態では、式(IIIa)、(IIIb)、(VIIa)または(VIIb)の化合物のR4がテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル基を表す。
本発明の別の好ましい実施形態では、式(VIIa)の中間体化合物が式(VIIc)の化合物
Figure 0007422741000015
である。
本発明の別の好ましい実施形態では、式(VIIa)の中間体化合物が式(VIId)の化合物
Figure 0007422741000016
である。
本発明の別の好ましい実施形態では、式(VIIa)の中間体化合物が、式(VIIc)および(VIId)の化合物の混合物、特に1:1混合物である。前記1:1混合物は、以下で式(VIIc/VIId)の化合物とも呼ばれる、(3R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)モルホリン
Figure 0007422741000017
である。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物を式(IIIa)の化合物と反応させる。
本発明による方法の好ましい実施形態では、(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)を、1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)と反応させる。
本発明による方法の好ましい実施形態では、式(IXa)の化合物が(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリンである;および/または式(IIIa)の化合物が1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルである;および/または式(VIIa)の化合物が(3R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)モルホリンである。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物を、0.95~2.0モル当量の式(IIIa)または(IIIb)の化合物、好ましくは1.0~1.7モル当量の式(IIIa)または(IIIb)の化合物、最も好ましくは1.2~1.5モル当量の式(IIIa)または(IIIb)の化合物と反応させる。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物を、0.95~2.0モル当量の
1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)、好ましくは1.0~1.7モル当量の1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)、最も好ましくは1.2~1.5モル当量の1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)と反応させる。
本発明による方法の別の実施形態では、(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)を、0.95~2.0モル当量の
1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)、好ましくは1.0~1.7モル当量の1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)、最も好ましくは1.2~1.5モル当量の1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)と反応させる。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IIIa)または(IIIb)の化合物、特に1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)を、溶媒、例えば酢酸イソプロピル、酢酸エチル、1,2-ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド(=DMF)、1,2-ジメトキシエタン(=DME)、テトラヒドロフラン(=THF)、2-メチル-テトラヒドロフラン(=2-Me-THF)またはイソプロパノールに溶解する。
本発明による方法の好ましい実施形態では、式(IIIa)または(IIIb)の化合物、特に1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)を、酢酸イソプロピルまたは酢酸エチルに溶解し、酢酸エチルが最も好ましい。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)または(IXb)の化合物を、溶媒、例えば酢酸イソプロピル、酢酸エチル、1,2-ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド(=DMF)、1,2-ジメトキシエタン(=DME)、テトラヒドロフラン(=THF)、2-メチル-テトラヒドロフラン(=2-Me-THF)またはイソプロパノールに溶解する。
本発明による方法の好ましい実施形態では、式(IXa)または(IXb)、特に(IXb)の化合物を、酢酸イソプロピルまたは酢酸エチルに溶解し、酢酸エチルが最も好ましい。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物、特に(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリンと式(IIIa)または(IIIb)の化合物、特に1-(テトラヒドロ-2H-ピラゾール-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルの反応を、1~36時間、特に1.5~5時間、好ましくは1.5~3時間、最も好ましくは100~140分間実施する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物、特に(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリンと式(IIIa)または(IIIb)の化合物、特に1-(テトラヒドロ-2H-ピラゾール-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルの反応を、例えばパラジウム触媒などの適切な触媒系の存在下で実施する。
本発明による方法の別の実施形態では、パラジウム触媒が、
[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル)]パラジウム(II)クロリド、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)、ビス[トリス(2-メチルフェニル)ホスフィン]パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジ-パラジウム(0)
からなる群から選択される。
本発明による方法の好ましい実施形態では、パラジウム触媒が[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)である。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物、特に(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリンと式(IIIa)または(IIIb)の化合物、特に1-(テトラヒドロ-2H-ピラゾール-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルの反応を、0.001~0.1モル当量、好ましくは0.005~0.05モル当量、最も好ましくは0.01~0.03モル当量のパラジウム触媒、好ましくは[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)の存在下で実施する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物、特に(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)と式(IIIa)または(IIIb)の化合物、特に1-(テトラヒドロ-2H-ピラゾール-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)の反応を有機溶媒中で実施し、溶媒が酢酸イソプロピル、酢酸エチル、1,2-ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノールもしくは2-ブタノールを含む;または前記反応を、前記溶媒の1つもしくは複数と水を含む溶媒混合物中で実施する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物、特に(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリンと式(IIIa)または(IIIb)の化合物、特に1-(テトラヒドロ-2H-ピラゾール-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルの反応を有機溶媒中で実施し、溶媒が酢酸イソプロピルおよび酢酸エチルを含む;または前記反応を、酢酸イソプロピルと水を含む、もしくは酢酸エチルと水を含む溶媒混合物中で実施する。好ましくは、溶媒混合物が酢酸エチルと水を含む。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物、特に(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリンと式(IIIa)または(IIIb)の化合物、特に1-(テトラヒドロ-2H-ピラゾール-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルの反応、式(IXa)の化合物1kg当たり5~20kgの有機溶媒、好ましくは6~15kgの有機溶媒、最も好ましくは7~11kgの有機溶媒を使用する。好ましい有機溶媒は、酢酸イソプロピルまたは酢酸エチルを含み、好ましい溶媒混合物は、酢酸イソプロピルと水を含む、または酢酸エチルと水を含む。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物、特に(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)と式(IIIa)または(IIIb)の化合物、特に1-(テトラヒドロ-2H-ピラゾール-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)の反応、式(IXa)または(IXb)の化合物1kg当たり5~20kgの有機溶媒と1~5kgの水、好ましくは6~15kgの有機溶媒と1~4kgの水、最も好ましくは7~11kgの有機溶媒と1.5~2.5kgの水を使用する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物、特に(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)と式(IIIa)または(IIIb)の化合物、特に1-(テトラヒドロ-2H-ピラゾール-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)の反応を、塩基の存在下で実施する。リン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化バリウム、炭酸バリウム、炭酸セシウムまたは炭酸リチウムなどの塩基を使用することができる。リン酸カリウムまたはリン酸ナトリウムが好ましく、リン酸カリウムが最も好ましい。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物、特に(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)と式(IIIa)または(IIIb)の化合物、特に1-(テトラヒドロ-2H-ピラゾール-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)の反応を、1~15モル当量、好ましくは2~11モル当量、最も好ましくは3~10モル当量の塩基の存在下で実施する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物、特に(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)と式(IIIa)または(IIIb)の化合物の反応を、パラジウム触媒および/または塩基の存在下で実施する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物、特に(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)と式(IIIa)または(IIIb)の化合物、特に1-(テトラヒドロ-2H-ピラゾール-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)の反応を、室温~溶媒の沸点の範囲の温度で実施する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物、特に(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)と式(IIIa)または(IIIb)の化合物、特に1-(テトラヒドロ-2H-ピラゾール-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)の反応を、沸点より上の温度で、圧力下で実施する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物、特に(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリンと式(IIIa)または(IIIb)の化合物、特に1-(テトラヒドロ-2H-ピラゾール-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルの反応を、酢酸イソプロピル中または酢酸イソプロピルと水中で、55~75℃、好ましくは60~70℃、最も好ましくは65℃の温度で実施する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物、特に(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリンと式(IIIa)または(IIIb)の化合物、特に1-(テトラヒドロ-2H-ピラゾール-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルの反応を、酢酸エチル中または酢酸エチルと水中で、45~65℃、好ましくは50~60℃、最も好ましくは55℃の温度で実施する。
特に、式(IXa)の中間体化合物、好ましくは(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリンと式(IIIa)または(IIIb)の化合物、好ましくは1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルの反応を酢酸エチルと水の混合物中で実施する場合、前記酢酸エチルと前記水を攪拌、特に激しく攪拌する。好ましくは、酢酸エチルと水を、確実に酢酸エチル相と水相が十分に混合される条件で攪拌する。
本発明による方法の好ましい実施形態では、式(IXa)の中間体化合物、特に(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)と式(IIIa)または(IIIb)の化合物、特に1-(テトラヒドロ-2H-ピラゾール-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)の反応を不活性ガス雰囲気下で実施し、不活性ガスが窒素またはアルゴン、好ましくは窒素である。
1.1式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の粗中間体化合物のさらなる処理
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の中間体化合物と式(IIIa)または(IIIb)の中間体化合物の反応によって得られる、式(VIIa)または(VIIb)の中間体化合物を前記反応後に単離しない(以下の「式(VIIa)または(VIIb)の粗中間体化合物」)ならびに/あるいは式(VIIa)または(VIIb)の中間体化合物を精製しない。
本発明による方法の好ましい実施形態では、式(IXb)の中間体化合物と式(IIIc)の中間体化合物の反応によって得られる、式(VIIc/VIId)の中間体化合物を前記反応後に単離しない(以下の「式(VIIc/VIId)の粗中間体化合物」)ならびに/あるいは式(VIIc/VIId)の中間体化合物を精製しない。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIa)または(VIIb)の中間体化合物を、式(VIIa)または式(VIIb)の中間体化合物から基R4を除去する前に、単離しないおよび/または精製しない。式(VIIa)または(VIIb)の粗中間体化合物を、式(VIIa)または(VIIb)の化合物から基R4を除去することによって、式(I)の化合物または式(Ia)のその互変異性体に直接変換する。
本発明による方法の好ましい実施形態では、式(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物を、式(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去する前に、単離しないおよび/または精製しない。式(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の粗中間体化合物を、式(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の化合物から基R4を除去することによって、式(I)の化合物または式(Ia)のその互変異性体に直接変換する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物を、式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去する前、および式(IXa)または(IXb)の中間体化合物と式(IIIa)、(IIIb)または(IIIc)の化合物の反応後、式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去する前に、単離しないおよび/または精製せず、前記反応の溶媒または溶媒混合物を別の溶媒(以下の「溶媒X」)によって置き換え、溶媒Xがジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、2-メチル-テトラヒドロフラン、トルオール、クロロホルムまたはこれらの混合物から選択される溶媒を含み;場合により
a)溶媒Xを、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムtert-ブトキシド、水酸化バリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミンから選択される塩基の水溶液で洗浄し;好ましくは、溶媒Xを水酸化カリウムで洗浄し;場合により
b)溶媒Xを吸着剤で処理し;好ましくは、吸着剤が活性炭であり;場合により
c)吸着剤、特に活性炭を濾過して;
式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の化合物の溶媒X中溶液を得る。
例えば、活性炭(=活性炭素)、酸化物、例えばAl、Mg、Th、Ti、ZrおよびBの酸化物、ならびにこれらの混合物、ケイ酸、ホウ酸、ケイ酸塩、例えば珪藻土、キースラガーおよびシリカゲル;フラー土、フロリダ土および粘土、例えばベントナイト、モンモリロナイトおよび酸処理粘土、樹脂、活性アルミナまたはゼオライトなどの適切な吸着剤が当業者に知られている。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物を、式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去する前、および式(IXa)または(IXb)の中間体化合物と式(IIIa)、(IIIb)または(IIIc)の化合物の反応後、式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去する前に、単離しないおよび/または精製せず、前記反応の溶媒または溶媒混合物、特に水を含む/含まない酢酸エチル、または水を含む/含まない酢酸イソプロピルを、ジクロロメタンを含む別の溶媒によって置き換え;場合により
a)得られたジクロロメタン溶液を、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムtert-ブトキシド、水酸化バリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミンから選択される塩基の水溶液で洗浄し;好ましくは、ジクロロメタンを水酸化カリウムで洗浄し;場合により
b)得られたジクロロメタン溶液を吸着剤で処理し;好ましくは、吸着剤が活性炭であり;場合により
c)吸着剤、特に活性炭を濾過して;
式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の化合物のジクロロメタン中溶液を得る。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIc/VIId)の中間体化合物を、式(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去する前、および(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)と1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)の反応後、式(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去する前に、単離しないおよび/または精製せず、前記反応の溶媒または溶媒混合物、特に水を含む/含まない酢酸イソプロピル、または水を含む/含まない酢酸エチルを、ジクロロメタンを含む別の溶媒によって置き換え;
a)得られたジクロロメタン溶液を、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムtert-ブトキシド、水酸化バリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミンから選択される塩基の水溶液で洗浄し;好ましくは、ジクロロメタンを水酸化カリウムで洗浄する;および/または
b)得られたジクロロメタン溶液を吸着剤で処理し;好ましくは、吸着剤が活性炭であり;吸着剤を濾過して;
式(VIIc/VIId)の中間体化合物のジクロロメタン中精製溶液(以下の「式(VIIc/VIId)の中間体化合物のジクロロメタン中精製溶液)を得る。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物を、式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去する前、および式(IXa)または(IXb)の中間体化合物と式(IIIa)、(IIIb)または(IIIc)の化合物の反応後、式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去する前に、単離しないおよび/または精製せず、前記反応の溶媒、特に水を含む/含まない酢酸エチル、または水を含む/含まない酢酸イソプロピル、好ましくは酢酸エチルと水を、水で洗浄するおよび/または上に定義される吸着剤、特に活性炭で処理して、式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物の精製溶液、特に酢酸エチルまたは酢酸イソプロピル中精製溶液(以下の「式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物の酢酸エチルまたは酢酸イソプロピル中精製溶液」)を得る。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIc/VIId)の中間体化合物を、式(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去する前、および式(IXb)の中間体化合物と式(IIIc)の化合物の反応後、式(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去する前に、単離しないおよび/または精製せず、前記反応の溶媒、特に水を含む/含まない酢酸エチル、または水を含む/含まない酢酸イソプロピル、好ましくは酢酸エチルと水を、水で洗浄するおよび/または上に定義される吸着剤、特に活性炭で処理して、式(VIIc/VIId)の中間体化合物の精製溶液(「式(VIIc/VIId)の中間体化合物の精製溶液」)、特に(VIIc/VIId)の酢酸エチルまたは酢酸イソプロピル中溶液(以下の「式(VIIc/VIId)の中間体化合物の酢酸エチルまたは酢酸イソプロピル中精製溶液」)、好ましくは式(VIIc/VIId)の中間体化合物の酢酸エチル中溶液(以下の「式(VIIc/VIId)の中間体化合物の酢酸エチル中精製溶液」)を得る。
1.2式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物からR4基を除去して、式(I)の粗化合物を得る
本発明による方法の別の実施形態では、基R4を、式(VIIa)または式(VIIb)の中間体化合物を酸、例えば塩酸水溶液、メタノールを含む塩酸水溶液、メタノールを含む塩酸、エタノールを含む塩酸水溶液、エタノールを含む塩酸、1-プロパノールを含む塩酸水溶液、1-プロパノールを含む塩酸、イソプロパノールを含む塩酸水溶液、イソプロパノールを含む塩酸、1-ブタノールを含む塩酸水溶液、1-ブタノールを含む塩酸、2-ブタノールを含む塩酸水溶液、2-ブタノールを含む塩酸、硫酸水溶液、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸もしくはリン酸、または1つもしくは複数の前記酸(塩酸、硫酸水溶液、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸および/またはリン酸)と1つもしくは複数のアルコール、例えばメタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノールの混合物と反応させることによって、式(VIIa)または式(VIIb)の中間体化合物から除去する。好ましくは、酸がメタノールを含む塩酸水溶液を含む。
本発明による方法の別の実施形態では、基R4を、式(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物を上に定義される酸と反応させることによって、式(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物から除去する。
0.7~10モル当量の酸、好ましくは1~7.5モル当量、最も好ましくは1.5~5モル当量を使用することができる。塩酸水溶液、特にメタノールを含む塩酸水溶液またはメタノールと酢酸エチルを含む塩酸水溶液が好ましい。
特に、本発明の方法によって基R4を除去する場合、pHは3未満(pH<3)、好ましくは2未満(pH<2)、最も好ましくは1.5未満(pH<1.5)である。
本発明による方法の別の実施形態では、溶媒中の酸を使用して式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去する場合、溶媒が、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(=THF)、2-メチル-テトラヒドロフラン(=2-Me-THF)、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのプロトン性または非プロトン性溶媒である;あるいは溶媒が、場合により水をさらに含む1つまたは複数の前記溶媒の溶媒混合物である。好ましい溶媒はジクロロメタンを含み、好ましい溶媒混合物は、ジクロロメタンとメタノール、またはメタノールと酢酸エチル、またはメタノールと酢酸エチルおよび水、またはメタノールと酢酸イソプロピル、またはメタノールと酢酸イソプロピルおよび水を含む。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去する場合、酸が塩酸、塩酸水溶液、メタノール中塩酸水溶液、イソプロパノール中塩酸水溶液、メタノールおよびジクロロメタン中塩酸水溶液、ならびにメタノールおよび酢酸エチル中塩酸水溶液からなる群から選択される。
本発明による方法の好ましい実施形態では、式(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去する場合、酸が塩酸水溶液であり、溶媒混合物がジクロロメタンおよびメタノール、特にジクロロメタン、メタノールおよび水を含む。
本発明による方法の好ましい実施形態では、上に定義される、式(VIIc/VIId)の中間体化合物のジクロロメタン中精製溶液から基R4を除去する場合、酸が塩酸水溶液であり、溶媒混合物がジクロロメタン、メタノールおよび水を含む。
メタノールおよびジクロロメタン中塩酸水溶液を使用する場合、式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の化合物1kg当たり、1~20kgのメタノールおよび1~20kgのジクロロメタン中1~20kgの1N塩酸水溶液を使用する。好ましくは、2~15kgのメタノールおよび2~15kgのジクロロメタン中5~15kgの1N塩酸水溶液を使用する。
本発明による方法の好ましい実施形態では、式(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去する場合、酸が塩酸水溶液であり、溶媒混合物がメタノールと酢酸エチル、またはメタノールと酢酸イソプロピルを含み、好ましくは溶媒混合物がメタノールと酢酸エチルおよび水を含む。
本発明による方法の好ましい実施形態では、上に定義される、式(VIIc/VIId)の中間体化合物の酢酸エチルまたは酢酸イソプロピル中精製溶液から基R4を除去する場合、酸が塩酸水溶液、特に1N塩酸水溶液であり、溶媒混合物がメタノールと水を含む/含まない酢酸エチル、またはメタノールと水を含む/含まない酢酸イソプロピルを含み、好ましくは溶媒混合物がメタノールと酢酸エチルおよび水を含む。
メタノールを含む溶媒混合物の使用は、例えば、以下のような副産物の形成を防ぐために特に有利である。
Figure 0007422741000018
メタノールおよび酢酸エチル中塩酸水溶液を使用する場合、式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の化合物1kg当たり、1~20kgのメタノールおよび1~20kgの酢酸エチル中1~20kgの1N塩酸水溶液を使用する。好ましくは、2~15kgのメタノールおよび2~15kgの酢酸エチル中5~15kgの1N塩酸水溶液を使用する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIa)または式(VIIb)の中間体化合物、好ましくは式(VIIc)または(VIId)の化合物、あるいは式(VIIc)と(VIId)の化合物の混合物と酸の反応を、-10~40℃の温度、好ましくは0~30℃、最も好ましくは10~25℃で実施する。反応時間は2~60分間、好ましくは2~30分間、最も好ましくは5~20分間である。
本発明による方法の別の実施形態では、酸を使用して式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去する反応を不活性ガス雰囲気下で実施し、不活性ガスが窒素またはアルゴン、好ましくは窒素である。
式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物と酸の反応の完了直後に、式(I)の粗化合物(以下の「式(I)の粗化合物」が得られる。
ジクロロメタン、メタノールおよび水を含む溶媒混合物中塩酸水溶液を使用して式(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去した後、式(I)の粗化合物を酸性化水相(以下の「式(I)の粗化合物の酸性化水溶液」)に溶解し、得られた酸性化水溶液のpHは3未満(pH<3)、好ましくは2未満(pH<2)、最も好ましくは1.5未満(pH<1.5)である。
式(I)の粗化合物を、さらに処理(第1.3節)および/または結晶化(第1.4節)することができる。
1.3式(I)の粗化合物のさらなる処理
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、
a)上記の式(I)の粗化合物の酸性化水溶液を、以下に定義される溶媒Aで1回もしくは複数回抽出する、および/または以下に定義されるPd捕捉剤で1回もしくは複数回処理し;
b)前のステップa)によって得られた式(I)の粗化合物の酸性化水溶液を、溶媒Aおよび以下に定義される塩基の水溶液で処理して二相系を得て、前記二相系の水相がpH>12を有し;
c)水相を前記二相系から分離して、式(I)の粗化合物の溶媒A中溶液を得て;場合により
d)式(I)の粗化合物の溶媒A中溶液の溶媒Aを、以下に定義される溶媒Bによって置き換えて、式(I)の粗化合物の溶媒B中溶液を得る。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の好ましい実施形態では、
a)上記の式(I)の粗化合物の酸性化水溶液を、ジクロロメタンで1回もしくは複数回抽出する、および/または以下に定義されるPd捕捉剤で1回もしくは複数回処理し;
b)前のステップa)によって得られた式(I)の粗化合物の酸性化水溶液を、ジクロロメタンおよび水酸化カリウムの水溶液、特に水酸化カリウムの5N水溶液で処理して二相系を得て、前記二相系の水相がpH>12を有し;
c)水相を前記二相系から分離して、式(I)の粗化合物のジクロロメタン中溶液を得て;場合により
d)式(I)の粗化合物のジクロロメタン中溶液のジクロロメタンを、n-ブタノールによって置き換えて、式(I)の粗化合物のn-ブタノール中溶液を得る。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、式(I)の粗化合物を溶媒(以下の「溶媒A」)(溶媒Aはジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、2-メチル-テトラヒドロフラン、トルオール、クロロホルムから選択される溶媒を含む);または前記溶媒Aの1つもしくは複数の溶媒混合物(「溶媒混合物A」に溶解し;好ましい溶媒Aがジクロロメタンである。
好ましくは、溶媒Aが、式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物から基R4を除去する反応に使用された溶媒/溶媒混合物と同じ溶媒または溶媒混合物を含む。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、式(I)の粗化合物をジクロロメタンに溶解する。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、溶媒Aに溶解した式(I)の粗化合物を、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムtert-ブトキシド、水酸化バリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミンから選択される塩基の水溶液で処理し;好ましくはジクロロメタンを水酸化カリウムで洗浄する。好ましくは、溶媒A、特にジクロロメタンに溶解した式(I)の粗化合物を水酸化カリウムで処理する。
特に、溶媒A、特にジクロロメタンに溶解した式(I)の粗化合物を、上に定義される塩基の水溶液で処理する場合、pHは11超(pH>11)、好ましくは12超(pH>12)、最も好ましくはpH=12~14、特にpH=12.5~13.5である。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、溶媒Aに溶解した、好ましくはジクロロメタンに溶解した式(I)の粗化合物を以下に定義されるパラジウム捕捉剤で処理する。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、溶媒Aに溶解した、好ましくはジクロロメタンに溶解した式(I)の粗化合物を、上に定義される塩基の水溶液で処理し、次いで、以下に定義されるパラジウム捕捉剤で処理する。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、溶媒Aに溶解した、好ましくはジクロロメタンに溶解した式(I)の粗化合物を、以下に定義されるパラジウム捕捉剤で処理し、次いで、上に定義される塩基の水溶液で処理する。
パラジウム捕捉剤は、パラジウム触媒のパラジウムを式(I)の粗化合物から分離するために使用することができる試薬である。異なるパラジウム捕捉剤は、例えば、GarretおよびPrasad(Advanced Synthesis&Catalysis(2004)、346(8)、889~900CODEN:ASCAF7;ISSN:1615-4150、Wiley-VCH Verlag GmbH&Co.KGaA)によってさらに記載されている。これらには、例えば、トリメルカプトトリアジン(TMT)、ポリスチレン結合TMT、MP-TMT(高度に架橋されたマクロ多孔性ポリスチレン結合トリメルカプトトリアジン樹脂)、ポリスチレン結合エチレンジアミン、活性炭素、ガラスビーズスポンジ、smopex(登録商標)(=金属の錯化に適した官能基を有するグラフト化側鎖を含むポリエチレンまたはセルロース系繊維)、ポリマー結合配位子、およびシリカ結合配位子が含まれる。
本発明の一実施形態では、パラジウム捕捉剤が、N-アセチルシステイン、Quadrasilメルカプトプロピル(CAS番号1225327-73-0)およびIsolute Si-TMT(Biotage AB、スウェーデン製のPd捕捉剤、パーツ番号9538-1000号)、2,4,6-トリメルカプトトリアジンのシリカ結合等価物からなる群から選択される、またはこれらの混合物である。
本発明の別の実施形態では、パラジウム捕捉剤が、N-アセチルシステインとQuadrasilメルカプトプロピルの混合物、N-アセチルシステインとIsolute Si-TMTの混合物、またはIsolute Si-TMTとQuadrasilメルカプトプロピルの混合物を含む。
最も好ましいパラジウム捕捉剤は、N-アセチルシステイン、QuadrasilメルカプトプロピルおよびIsolute Si-TMTの混合物を含む。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、上に定義される溶媒Aを、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、イソプロパノールから選択される溶媒(以下の「溶媒B」)によって置き換え、好ましくは溶媒Aをn-ブタノールによって置き換える。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、ジクロロメタン(溶媒A)をn-ブタノール(溶媒B)によって置き換える。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、溶媒AをPd捕捉剤で処理した後および/または溶媒Aを塩基の水溶液で処理した後に、溶媒Aを溶媒Bによって置き換える。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、ジクロロメタンをPd捕捉剤で処理した後および/またはジクロロメタンを塩基の水溶液で処理した後に、ジクロロメタンをn-ブタノールによって置き換える。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、溶媒AをPd捕捉剤で処理した後および/または溶媒Aを塩基の水溶液で処理した後に、溶媒Aを溶媒Bによって置き換え;次いで、溶媒BをPd捕捉剤で処理する。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、ジクロロメタンをPd捕捉剤で処理した後および/またはジクロロメタンを塩基の水溶液で処理した後に、ジクロロメタンをn-ブタノールによって置き換え;次いで、n-ブタノールをPd捕捉剤で処理する。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、溶媒AをPd捕捉剤で処理する前に、溶媒Aを溶媒Bによって置き換え;次いで、溶媒BをPd捕捉剤で処理する。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、ジクロロメタンをPd捕捉剤で処理する前に、ジクロロメタンをn-ブタノールによって置き換え;次いで、n-ブタノールをPd捕捉剤で処理する。
1.4その多形体Bを得るための式(I)の粗化合物の結晶化
結晶化ステップは、第1に、溶媒Aから溶媒Bへの溶媒切り替え、および第2にその後の結晶化ステップによって特徴付けることができる、再現性のある堅牢なプロセスを通して、式(I)の化合物の多形体B(=Mod B)を提供する。
1.4.1溶媒切り替え
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、溶媒A、好ましくはジクロロメタンに溶解した式(I)の粗化合物を、溶媒B中で結晶化して、式(I)の化合物の多形体Bを得る。
式(I)の化合物をその多形体Bで結晶化するために、溶媒Aを最初に溶媒Bによって置き換えられなければならない(「溶媒切り替え」)。したがって、式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、溶媒A、好ましくはジクロロメタンを溶媒B、好ましくはn-ブタノールによって置き換える。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、第1に、溶媒Aと溶媒Bを混合し;第2に、標準圧力または減圧で溶媒Aを留去することによって、溶媒A、好ましくはジクロロメタンを溶媒B、好ましくはn-ブタノールによって置き換える。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、第1に、溶媒Aと溶媒Bを混合して共沸混合物を形成し;第2に、当業者に知られている慣用的な方法によって溶媒Bから溶媒Aを分離することによって、溶媒Aを溶媒Bによって置き換えて、「溶媒Bに溶解した式(I)の化合物」を得る。
別の実施形態では、「溶媒Bに溶解した式(I)の化合物」を加熱して、「加熱した溶媒Bに溶解した式(I)の化合物」を得る。特に溶媒Bを少なくとも40℃の温度、好ましくは60~120℃の温度、好ましくは90~110℃の温度に加熱して、「加熱した溶媒Bに溶解した式(I)の化合物」を得る。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、第1に、ジクロロメタンとn-ブタノールを混合し;第2に、溶媒Aを留去することによって、ジクロロメタン(溶媒A)をn-ブタノール(溶媒B)によって置き換える。
ジクロロメタンを留去するために、ジクロロメタンとn-ブタノールの混合物を少なくとも60℃の温度、特に60~120℃の温度、好ましくは90~110℃の温度に加熱して、「加熱したn-ブタノールに溶解した式(I)の化合物」を得る。
1.4.2式(I)の化合物の多形体Bの結晶化
式(I)の化合物の多形体Bを得るために、溶媒B、特に加熱した溶媒B、好ましくは加熱したn-ブタノールに溶解した式(I)の化合物を冷却する。
化合物(I)の多形体BのX線粉末回折図を図1に示す。
本発明の別の実施形態では、溶媒Aと溶媒Bの混合物を加熱した後および溶媒A、好ましくはジクロロメタンを加熱した溶媒B、好ましくは加熱したn-ブタノールによって置き換えた後、加熱した溶媒B、好ましくは加熱したn-ブタノールを0~30℃に冷却する。
「溶媒A、好ましくはジクロロメタンを溶媒B、好ましくはn-ブタノールによって置き換えた後」という表現は、特に、溶媒B、好ましくはn-ブタノールを冷却した場合に、溶媒A、好ましくはジクロロメタンが残らないことを意味する。
本発明の別の実施形態では、溶媒A、好ましくはジクロロメタンを溶媒B、好ましくはn-ブタノールによって置き換えた後、溶媒Bを少なくとも60℃の温度、特に60~120℃の温度、好ましくは90~110℃の温度に加熱し、次いで、0~30℃に冷却する。
好ましくは、溶媒Bを、第1のステップで、15~30℃、好ましくは20~30℃に冷却し、次いで、第2のステップで、0~5℃、好ましくは2~4℃にさらに冷却する。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、溶媒Bを、2~36時間以内、特に3~24時間以内、好ましくは4~12時間以内、最も好ましくは6~10時間以内に、0~30℃、好ましくは20~30℃に冷却する。
好ましくは、溶媒Bを、第1に、2~36時間以内、特に3~24時間以内、好ましくは4~12時間以内、最も好ましくは6~10時間以内に、60~120℃の温度、好ましくは90~110℃の温度、15~30℃の温度、好ましくは20~30℃に冷却し、次いで、第2に、溶媒Bを0~5℃、好ましくは2~4℃にさらに冷却し、温度を少なくとも0.5時間、特に0.5~12時間、好ましくは1~8時間一定に保つ。
好ましくは溶媒Bを、
a)第1に、2~36時間以内、特に3~24時間以内、好ましくは4~12時間以内、最も好ましくは6~10時間以内に、15~30℃、好ましくは20~30℃に冷却し;
b)第2に、溶媒Bの温度を、少なくとも0.5時間、特に1~12時間、好ましくは1~8時間、最も好ましくは1~2時間一定に保ち;
c)第3に、溶媒Bを2~36時間以内、特に3~24時間以内、好ましくは4~12時間以内、最も好ましくは6~10時間以内に、0~5℃、好ましくは2~4℃にさらに冷却し;
d)第4に、溶媒Bの温度を、少なくとも0.5時間、特に0.5~12時間、好ましくは0.5~8時間、最も好ましくは0.5~2時間一定に保つ。
別の実施形態では、例えば、懸濁液の濾過挙動を改善するために、溶媒Bを冷却した後、特に上に定義される温度に冷却した後、溶媒Bを少なくとも40℃の温度、好ましくは60~120℃の温度、好ましくは90~110℃の温度に再び過熱し、再び60~100℃で特に0.5~10時間、好ましくは1~4時間加熱し、次いで、2~36時間以内、特に3~24時間以内、好ましくは4~12時間以内、最も好ましくは6~10時間以内に0~30℃、好ましくは20~30℃に再び冷却する。
溶媒B、好ましくはn-ブタノール中での式(I)の化合物の結晶化を、式(I)の化合物1kg当たり2~10kg、好ましくは3~6kg、最も好ましくは3.5~5kgの溶媒B、好ましくはn-ブタノール中で実施する。
特に上記の冷却手順に従って溶媒Bを冷却した後、式(I)の化合物の多形体Bが結晶形態で得られる。
本発明による方法の別の実施形態では、式(I)の化合物の多形体Bの結晶を単離し、特にこれらを濾過によって単離する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(I)の化合物の多形体Bの単離された結晶を溶媒A、好ましくはジクロロメタンに溶解し、第1.4.1節に記載される溶媒切り替えを1回または複数回、特に1回繰り返すことによって、および/または第1.4.2節に記載される式(I)の化合物の多形体Bの結晶化を1回または複数回、特に1回繰り返すことによって、式(I)の化合物の多形体Bの単離された結晶をさらに精製することができる。
式(I)の化合物の単離された多形体Bをさらに精製することができ、特に式(I)の化合物の多形体B 1kg当たり1~10kg、特に1~7kg、好ましくは1~3kgのn-ブタノール、好ましくは-5~10℃、好ましくは-3~5℃の温度を有する冷n-ブタノールでこれを洗浄することができる。
式(I)の化合物の多形体Bを35~75℃、好ましくは50~75℃、最も好ましくは40~60℃で乾燥させることができる。
式(I)の化合物の多形体Bを、20~100mbar、好ましくは30~50mbarの真空下、および20~100mbar、好ましくは30~50mbarの真空下、35~75℃の温度で、好ましくは20~100mbar、好ましくは30~50 mbarの真空下および50~75℃で、最も好ましくは20~100mbar、好ましくは30~50mbarの真空下および40~60℃で乾燥させることができる。
式(I)の化合物の多形体Bを得るための結晶化プロセスは、式(I)の化合物の純度に関して極めて効率的である。
2.式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物を式(VIa)または(VIb)の化合物と反応させることによる式(IXa)または(IXb)の中間体化合物の合成
別の態様によると、本発明は、式(IXa)または(IXb)の化合物を調製する方法であって、式(VIIIa)の中間体化合物
Figure 0007422741000019
(式中、
R1は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表し;
R5は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)
を式(VIa)の化合物
Figure 0007422741000020
(式中、
R2およびR3は互いに独立に、水素原子またはC1~C6-アルキル基を表す;
あるいは
R2およびR3は一緒になって、-CH2-CH2-基または-CH2-CH2-CH2-基を表し、前記-CH2-CH2-基または-CH2-CH2-CH2-基は、場合によりメチルおよびエチルから選択される基で1回、2回、3回または4回置換されている;
あるいは
R2およびR3は一緒になって、基
Figure 0007422741000021
(式中、「*」は分子の残りとの結合点を表す)
を表す)
と反応させて、式(IXa)の中間体化合物
Figure 0007422741000022

(式中、R1は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)
を得るステップを含む方法を網羅する。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、本方法が、(式(IXa)または(IXb)の中間体化合物と式(IIIa)、(IIIb)または(IIIc)の化合物の反応の前に)
(a)式(VIIIa)の中間体化合物
Figure 0007422741000023
(式中、
R1は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表し;
R5は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)
を式(VIa)の化合物
Figure 0007422741000024
(式中、
R2およびR3は互いに独立に、水素原子またはC1~C6-アルキル基を表す;
あるいは
R2およびR3は一緒になって、-CH2-CH2-基または-CH2-CH2-CH2-基を表し、前記-CH2-CH2-基または-CH2-CH2-CH2-基は、場合によりメチルおよびエチルから選択される基で1回、2回、3回または4回置換されている;
あるいは
R2およびR3は一緒になって、基
Figure 0007422741000025
(式中、「*」は分子の残りとの結合点を表す)
を表す)
と反応させて、式(IXa)の中間体化合物
Figure 0007422741000026
(式中、R1は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)
を得る
ステップをさらに含む。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)の化合物のR1が塩素または臭素原子、好ましくは塩素原子を表す。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の化合物のR1が、[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)の化合物のR1が、[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシおよび(p-トルエンスルホニル)オキシから選択される基を表す。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)の化合物のR5が塩素、臭素、またはヨウ素原子を表す。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の化合物のR5が、[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す。
本発明による方法の好ましい実施形態では、式(VIIIa)の化合物のR5が[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ基を表す。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)の化合物のR1が塩素または臭素原子、好ましくは塩素原子を表し、R5が[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシ、好ましくは[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ基から選択される基を表す。
R1が塩素原子を表し、R5が[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ基を表す式(VIIIa)の化合物は、(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネートであり、これは式(VIIIb)の好ましい化合物である:
Figure 0007422741000027
本発明の別の実施形態では、式(VIa)の化合物のR2およびR3が互いに独立に、水素原子またはC1~C3アルキル基、特にメチルまたはエチル基を表す。
本発明の別の実施形態では、式(VIa)の化合物のR2およびR3が一緒になって、-CH2-CH2-基または-CH2-CH2-CH2-基を表し、前記-CH2-CH2-基または-CH2-CH2-CH2-基が、場合によりメチルおよびエチルから選択される基で1回、2回、3回または4回置換されている。
式(VIa)の化合物のR2およびR3が一緒になって、-CH2-CH2-基または-CH2-CH2-CH2-基を表す場合、前記-CH2-CH2-基または前記-CH2-CH2- CH2-基は、前記基が結合しているホウ素原子および酸素原子と一緒になって、5員または6員環を形成する。
本発明の別の実施形態では、式(VIa)の化合物のR2およびR3が一緒になって、基
Figure 0007422741000028
(式中、「*」は分子の残りとの結合点を表す)
を表す。
本発明の別の実施形態では、式(VIa)の化合物のR2およびR3が一緒になって、-C(CH32-C(CH32-または-CH2-C(CH32-CH2-基を表す。
本発明の好ましい実施形態では、式(VIa)の化合物のR2およびR3が一緒になって、-C(CH32-C(CH32-基を表す。
本発明の別の実施形態では、式(VIa)の化合物が1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸である。
本発明の好ましい実施形態では、式(VIa)の化合物が(式VIbの)1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルである:
Figure 0007422741000029
式(VIa)または(VIb)の化合物は、商業的に入手可能である、または当業者に知られている方法によって合成することができる。
本発明の好ましい実施形態では、式(VIIIa)の化合物が(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)であり、式(VIa)の化合物が1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)である。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)の中間体化合物を、0.7~2.0モル当量の式(VIa)の化合物、好ましくは0.8~1.5モル当量の式(VIa)の化合物、最も好ましくは0.9~1.2モル当量の式(VIa)の化合物と反応させる。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIb)の中間体化合物を、0.7~2.0モル当量の式(VIb)の化合物、好ましくは0.8~1.5モル当量の式(VIb)の化合物、最も好ましくは0.9~1.2モル当量の式(VIb)の化合物と反応させる。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIa)または(VIb)の化合物、特に1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)を、溶媒、例えば酢酸イソプロピル、酢酸エチル、1,2-ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド(=DMF)、1,2-ジメトキシエタン(=DME)、テトラヒドロフラン(=THF)、2-メチル-テトラヒドロフラン(=2-Me-THF)またはイソプロパノールに溶解する。
本発明による方法の好ましい実施形態では、式(VIa)または(VIb)の化合物、特に1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)を、酢酸イソプロピルまたは酢酸エチルに溶解し、酢酸エチルが最も好ましい。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物を、溶媒、例えば酢酸イソプロピル、酢酸エチル、1,2-ジメトキシエタン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド(=DMF)、1,2-ジメトキシエタン(=DME)、テトラヒドロフラン(=THF)、2-メチル-テトラヒドロフラン(=2-Me-THF)またはイソプロパノールに溶解する。
本発明による方法の好ましい実施形態では、式(VIIIa)または(VIIIb)、特に(VIIIa)の化合物を、酢酸イソプロピルまたは酢酸エチルに溶解し、酢酸エチルが最も好ましい。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物、特に(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)と式(VIa)または(VIb)の化合物、特に1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)の反応を、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、1,2-ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフランおよびイソプロパノールからなる溶媒を含む有機溶媒;または前記有機溶媒の1つもしくは複数と水を含む溶媒混合物中で実施する。
本発明による方法の好ましい実施形態では、式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物、特に(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)と式(VIa)または(VIb)の化合物、特に1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)の反応を、酢酸エチルもしくは酢酸イソプロピルを含む溶媒、または酢酸エチルと水もしくは酢酸イソプロピルと水を含む溶媒混合物中で実施し、酢酸エチルと水を含む溶媒混合物が最も好ましい。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物、特に(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)と式(VIa)または(VIb)の化合物、特に1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)の反応を、1~12時間、特に1~5時間、好ましくは1~3時間、最も好ましくは60~90分間実施する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物、特に(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)と式(VIa)または(VIb)の化合物、特に1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)の反応を、例えばパラジウム触媒などの適切な触媒系の存在下で実施する。
本発明による方法の別の実施形態では、パラジウム触媒が、
[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2-アミノエチル)フェニル)]パラジウム(II)クロリド、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)、ビス[トリス(2-メチルフェニル)ホスフィン]パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジ-パラジウム(0)
からなる群から選択される。
本発明による方法の好ましい実施形態では、パラジウム触媒が[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)である。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物、特に(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)と式(VIa)または(VIb)の化合物、特に1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)の反応を、0.001~0.1モル当量、好ましくは0.005~0.05モル当量、最も好ましくは0.0~0.03モル当量のパラジウム触媒、好ましくは[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)の存在下で実施する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物、特に(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)と式(VIa)または(VIb)の化合物、特に1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)の反応を、塩基の存在下で実施する。リン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化バリウム、炭酸バリウム、炭酸セシウムまたは炭酸リチウムなどの塩基を使用することができる。炭酸カリウムまたは炭酸水素カリウムが好ましく、炭酸水素カリウムが最も好ましい。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物、特に(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)と式(VIa)または(VIb)の化合物、特に1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)の反応を、1~15モル当量、好ましくは2~8モル当量、最も好ましくは3~5または3.5~4.5モル当量の塩基の存在下で実施する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物、特に(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)と式(VIa)または(VIb)の化合物、特に1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)の反応を、室温~溶媒の沸点の範囲の温度で実施する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物、特に(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)と式(VIa)または(VIb)の化合物、特に1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)の反応を、沸点より上の温度で、圧力下で実施する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物、特に(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)と式(VIa)または(VIb)の化合物、特に1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)の反応を、酢酸イソプロピル中または酢酸イソプロピルと水中で、35~75℃、好ましくは40~60℃、最も好ましくは45~55℃の温度で実施する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物、特に(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)と式(VIa)または(VIb)の化合物、特に1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)の反応を、酢酸エチル中または酢酸エチルと水中、好ましくは酢酸エチルと水中で、30~60℃、好ましくは35~50℃、最も好ましくは38~45℃の温度で実施する。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物、特に(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)と式(VIa)または(VIb)の化合物、特に1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)の反応を不活性ガス雰囲気下で実施し、不活性ガスが窒素またはアルゴン、好ましくは窒素である。
2.1式(IXa)または(IXb)の粗化合物のさらなる処理および式(IXa)または(IXb)の化合物の結晶化
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物、特に(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)と式(VIa)または(VIb)の化合物、特に1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)の反応、有機溶媒または溶媒混合物、特に、水を含む/含まない酢酸エチル、または水を含む/含まない酢酸イソプロピルを、場合により
a)水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムtert-ブトキシド、水酸化バリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミンから選択される塩基の水溶液で;好ましくは水酸化カリウムで洗浄する;および/または場合により
b)水で洗浄する;および/または場合により
c)吸着剤で処理し;好ましくは、吸着剤が活性炭である;および/または場合により
d)吸着剤、特に活性炭を濾過して;
式(IXa)または(IXb)の化合物の前記有機溶媒または溶媒混合物中溶液、好ましくは式(IXa)または(IXb)の化合物の酢酸エチルまたは酢酸イソプロピル、最も好ましくは酢酸エチル中溶液を得る。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)または(IXb)の化合物の前記溶液の溶媒または溶媒混合物、好ましくは酢酸エチルまたは酢酸イソプロピル、最も好ましい酢酸エチルを、別の溶媒(以下の溶媒C)によって置き換える。溶媒Cは、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、イソプロパノールから選択される溶媒を含み、好ましくは、溶媒をイソプロパノールによって置き換える。
式(IXa)または(IXb)の化合物の結晶化を、好ましくは溶媒C、好ましくはイソプロパノール中で実施する。
溶媒C、好ましくはイソプロパノール中での式(IXa)または(IXb)の化合物の結晶化を、式(IXa)または(IXb)の化合物1kg当たり2~20kg、好ましくは2.5~10kg、最も好ましくは2.5~6 kgの溶媒C、好ましくはイソプロパノール中で実施し、次いで、単離することができる。
単離された式(IXa)または(IXb)の化合物を、35~75℃、好ましくは40~65℃、最も好ましくは45~55℃で乾燥させることができる。
単離された式(IXa)または(IXb)の化合物を、20~100mbar、好ましくは30~50mbarの真空下、および20~100mbar、好ましくは30~50mbarの真空下、35~75℃の温度で、好ましくは20~100mbar、好ましくは30~50 mbarの真空下および50~75℃で、最も好ましくは20~100mbar、好ましくは30~50mbarの真空下および40~60℃で乾燥させることができる。
3.式(II)または(IIa)の化合物から出発する、式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物の合成
別の態様によると、本発明は、式(VIIIa)の化合物を調製する方法であって、
式(II)の中間体化合物
Figure 0007422741000030
(式中、
R1は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)
をN-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸クロリド、p-トルエンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルフルオリド、ベンゼンスルホニルクロリド、4-ブロモベンゼンスルホニルクロリド、4-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、4-イソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2-メシチレンスルホニルクロリド(=2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルクロリド)、4-tert-ブチルベンゼンスルホニルクロリドおよび4-メトキシベンゼンスルホニルクロリドから選択される化合物と反応させて、
式(VIIIa)の中間体化合物
Figure 0007422741000031
(式中、
R1は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表し;
R5は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)
を得る
ステップを含む方法を網羅する。
式(I)の化合物を調製する本発明による方法の別の実施形態では、本方法が、(式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物と式(VIa)または(VIb)の化合物の反応前に)式(II)の中間体化合物
Figure 0007422741000032
(式中、
R1は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)
をN-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸クロリド、p-トルエンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルフルオリド、ベンゼンスルホニルクロリド、4-ブロモベンゼンスルホニルクロリド、4-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、4-イソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2-メシチレンスルホニルクロリド(=2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルクロリド)、4-tert-ブチルベンゼンスルホニルクロリドおよび4-メトキシベンゼンスルホニルクロリドから選択される化合物と反応させて、
式(VIIIa)の中間体化合物
Figure 0007422741000033
(式中、
R1は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表し;
R5は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)
を得るステップをさらに含む。
本発明による方法の別の実施形態では、式(II)の化合物のR1が塩素または臭素原子、好ましくは塩素原子を表す。R1が塩素原子を表す式(II)の化合物が、式(IIa)の好ましい化合物(=(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-オール)である:
Figure 0007422741000034
本発明による方法の別の実施形態では、式(II)の化合物のR1が、[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す。
本発明による方法の別の実施形態では、式(II)の化合物のR1が、[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシおよび(p-トルエンスルホニル)オキシから選択される基を表す。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)の化合物のR1が塩素または臭素原子、好ましくは塩素原子を表す。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)の化合物のR1が、[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)の化合物のR1が、[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシおよび(p-トルエンスルホニル)オキシから選択される基を表す。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)の化合物のR5が塩素、臭素、またはヨウ素原子を表す。
本発明による方法の別の実施形態では、式(IXa)の化合物のR5が、[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す。
本発明による方法の好ましい実施形態では、式(VIIIa)の化合物のR5が[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ基を表す。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)の化合物のR1が塩素または臭素原子、好ましくは塩素原子を表し、R5が[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシ、好ましくは[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ基から選択される基を表す。
R1が塩素原子を表し、R5が[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ基を表す式(VIIIa)の化合物は、(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネートであり、これは式(VIIIb)の好ましい化合物である:
Figure 0007422741000035
本発明の好ましい実施形態では、式(II)の化合物が(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-オール(IIa)であり、式(VIIIa)の化合物が(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)である。
本発明による方法の別の実施形態では、式(II)の中間体化合物、好ましくは式(IIa)の化合物を、0.8~2.0、好ましくは0.9~1.7、最も好ましくは1.0~1.5モル当量のN-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸クロリド、p-トルエンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルフルオリド、ベンゼンスルホニルクロリド、4-ブロモベンゼンスルホニルクロリド、4-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、4-イソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2-メシチレンスルホニルクロリド(=2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルクロリド)、4-tert-ブチルベンゼンスルホニルクロリドおよび4-メトキシベンゼンスルホニルクロリドから選択される化合物と反応させる。
好ましくは、式(IIa)の化合物を、0.8~2.0、好ましくは0.9~1.7、最も好ましくは1.0~1.5モル当量のトリフルオロメタンスルホン酸無水物またはN-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド、最も好ましくは0.8~2.0、好ましくは0.9~1.7、最も好ましくは1.0~1.5モル当量のトリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応させる。
この方法の別の実施形態では、前記反応を、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、2-メチル-テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン、アセトン、2-ブタノン、酢酸ブチル、シクロペンチルメチルエーテル、メチルtert.-ブチルエーテル、トルエン、プロピオニトリル、クロロベンゼン、アニソール、クロロホルムなどの非プロトン性溶媒中で実施し、好ましい溶媒がジクロロメタンである。
式(II)または(IIa)の化合物1kg当たり、4~20kgの溶媒、好ましくは6~15kgの溶媒、最も好ましくは7~9kgの溶媒、好ましくはジクロロメタンを使用する。
別の実施形態では、式(II)の中間体化合物とN-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸クロリド、p-トルエンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルフルオリド、ベンゼンスルホニルクロリド、4-ブロモベンゼンスルホニルクロリド、4-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、4-イソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2-メシチレンスルホニルクロリド(=2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルクロリド)、4-tert-ブチルベンゼンスルホニルクロリドおよび4-メトキシベンゼンスルホニルクロリドから選択される化合物、好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸無水物またはN-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミドの反応を、塩基、特に有機塩基または無機塩基または1つもしくは複数の有機塩基と1つもしくは複数の無機塩基の混合物の存在下で実施する。
ピリジン、N,N-ジエチルエタンアミン(=トリエチルアミン)、N,N-ジ(プロパン-2-イル)プロパン-2-アミン(=トリイソプロピルアミン)、N,N-ジブチルブタン-1-アミン(=トリブチルアミン)、2,6-ジメチルピリジン(=2,6ルチジン)、N-エチル-N-(プロパン-2-イル)プロパン-2-アミン(=N,N-ジイソプロピルエチルアミンまたはヒューニッヒ塩基)、N-メチルモルホリンなどの有機塩基を上記反応に使用することができる。好ましい塩基はN,N-ジエチルエタンアミン(=トリエチルアミン)およびピリジンであり、ピリジンが最も好ましい。
式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物の望ましくない変色を回避するために、ピリジンの使用が特に有利である。
前記反応に使用することができる無機塩基は、例えば、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウムまたは炭酸セシウムである。
本発明による方法の別の実施形態では、式(II)の中間体化合物、好ましくは式(IIa)の化合物を、0.7~4.0、好ましくは0.9~3.0、最も好ましくは1.0~2.0モル当量の塩基、好ましくはN,N-ジエチルエタンアミンまたはピリジン、最も好ましくはピリジンの存在下で、N-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸クロリド、p-トルエンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルフルオリド、ベンゼンスルホニルクロリド、4-ブロモベンゼンスルホニルクロリド、4-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、4-イソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2-メシチレンスルホニルクロリド(=2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルクロリド)、4-tert-ブチルベンゼンスルホニルクロリドおよび4-メトキシベンゼンスルホニルクロリドから選択される化合物、好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸無水物またはN-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミドと反応させる。
本発明による方法の好ましい実施形態では、式(II)の中間体化合物、好ましくは式(IIa)の化合物を、0.7~4.0、好ましくは0.9~3.0、最も好ましくは1.0~2.0モル当量のピリジンの存在下で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応させる。
本発明による方法の別の実施形態では、式(II)の中間体化合物とN-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸クロリド、p-トルエンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルフルオリド、ベンゼンスルホニルクロリド、4-ブロモベンゼンスルホニルクロリド、4-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、4-イソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2-メシチレンスルホニルクロリド(=2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルクロリド)、4-tert-ブチルベンゼンスルホニルクロリドおよび4-メトキシベンゼンスルホニルクロリドから選択される化合物、好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸無水物またはN-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミドの反応を、-30~30℃、好ましくは-20~20℃、最も好ましくは-15~0℃の温度で実施する。反応時間は1~24時間であり得、好ましい時間は1~4時間である。
本発明による方法の好ましい実施形態では、式(II)の中間体化合物、好ましくは式(IIa)の化合物を、-30~30℃、好ましくは-20~5℃、最も好ましくは-15~-5℃の温度で、0.7~4.0、好ましくは0.9~3.0、最も好ましくは1.0~2.0モル当量のピリジンの存在下で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応させる。反応時間は1~24時間であり得、好ましい時間は1~4時間である。
3.1式(VIIIa)または(VIIIb)の粗化合物のさらなる処理および式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物の結晶化
本発明による方法の別の実施形態では、式(II)の中間体化合物とN-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸クロリド、p-トルエンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルフルオリド、ベンゼンスルホニルクロリド、4-ブロモベンゼンスルホニルクロリド、4-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、4-イソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2-メシチレンスルホニルクロリド(=2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルクロリド)、4-tert-ブチルベンゼンスルホニルクロリドおよび4-メトキシベンゼンスルホニルクロリドから選択される化合物、好ましくはトリフルオロメタンスルホン酸無水物またはN-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミドの反応、有機溶媒または溶媒混合物、特にジクロロメタンを場合により、
a)水で洗浄する;および/または場合により
b)水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、カリウムtert-ブトキシド、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムtert-ブトキシド、水酸化バリウム、炭酸セシウム、トリエチルアミンから選択される塩基の水溶液;好ましくは炭酸カリウム水溶液で洗浄する;および/または場合により
c)塩基の水溶液で洗浄した後、水で再度洗浄し;
d)吸着剤で処理し;好ましくは、吸着剤が活性炭である;および/または場合により
e)吸着剤、特に活性炭を濾過して;
式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物の前記有機溶媒または溶媒混合物中溶液、好ましくは式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物のジクロロメタン中溶液を得る。
上記の、ステップa)(水での洗浄)、b)(塩基の水溶液での洗浄)、c)(塩基の水溶液での洗浄後の水での洗浄)、d)(吸着剤での処理)および/または(吸着剤の濾過)による式(VIIIa)または(VIIIb)の粗化合物のさらなる処理の順序を換えることができる。例えば、ステップd)およびe)をステップa)、b)およびc)の前に実施することができる。
本発明による方法の別の実施形態では、式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物の前記溶液の溶媒または溶媒混合物、好ましくはジクロロメタンを、別の溶媒(以下の溶媒D)によって置き換える。溶媒Dは、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、イソプロパノールから選択される溶媒を含み、好ましくは、溶媒をイソプロパノールによって置き換える。
本発明による方法の好ましい実施形態では、式(II)の中間体化合物とN-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸クロリド、p-トルエンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルフルオリド、ベンゼンスルホニルクロリド、4-ブロモベンゼンスルホニルクロリド、4-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、4-イソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2-メシチレンスルホニルクロリド(=2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルクロリド)、4-tert-ブチルベンゼンスルホニルクロリドおよび4-メトキシベンゼンスルホニルクロリドから選択される化合物の反応を不活性ガス雰囲気下で実施し、不活性ガスが窒素またはアルゴン、好ましくは窒素である。
式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物の結晶化を、好ましくは溶媒D、好ましくはイソプロパノール中で実施する。
式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物1kg当たり、2~6kgの有機溶媒、好ましくは3~5kgの有機溶媒、最も好ましくは3~4kgの有機溶媒、好ましくはイソプロパノールを使用する。
生成物を、例えば、濾過または遠心分離によって単離することができる。これを25~60℃、好ましくは40~50℃で乾燥させることができる。これを1~24時間、好ましくは8~15時間、最も好ましくは10~14時間乾燥させることができる。
式(VIIIa)または(VIIIb)の粗化合物の処理およびその後のイソプロパノールからの結晶化によって、クロマトグラフィー精製ステップを使用することなく、式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物が高純度で理論収率の64~87.7%で得られた。
式(VIIIa)または(VIIIb)の化合物を得るための反応を、より大規模に(例えば、数kg規模)で実施することができる。得られた生成物の純度は極めて高かった(例えば、98%超(UHPLC、面積%))。
4.式(IXa)または(IXb)の中間体化合物
別の態様によると、本発明は、式(IXa)の中間体化合物
Figure 0007422741000036
(式中、
R1は、塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)
を網羅する。
別の実施形態では、本発明は、R1が塩素または臭素原子、好ましくは塩素原子を表す式(IXa)の中間体化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R1が[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す式(IXa)の中間体化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R1が[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシおよび(p-トルエンスルホニル)オキシから選択される基を表す式(IXa)の中間体化合物に関する。
好ましい実施形態では、本発明は、式(IXb)の化合物:
Figure 0007422741000037
に関する。
5.式(VIIIa)または(VIIIb)の中間体化合物
別の態様によると、本発明は、式(VIIIa)の中間体化合物
Figure 0007422741000038
(式中、
R1は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表し;
R5は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)
を網羅する。
別の実施形態では、本発明は、R1が塩素または臭素原子、好ましくは塩素原子を表す式(VIIIa)の中間体化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R1が[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す式(VIIIa)の中間体化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R1が[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシおよび(p-トルエンスルホニル)オキシから選択される基を表す式(VIIIa)の中間体化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R5が塩素、臭素またはヨウ素原子を表す式(VIIIa)の中間体化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R5が[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す式(VIIIa)の中間体化合物に関する。
好ましい実施形態では、本発明は、R5が[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ基を表す式(VIIIa)の中間体化合物に関する。
別の実施形態では、本発明は、R1が塩素または臭素原子、好ましくは塩素原子を表し、R5が[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシ、好ましくは[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ基から選択される基を表す式(VIIIa)の中間体化合物に関する。
最も好ましい実施形態では、本発明は、式(VIIIb)の化合物(=(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロ-メタンスルホネート)を与えるためにR1が塩素原子を表し、R5が[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ基を表す式(VIIIa)の中間体化合物に関する:
Figure 0007422741000039
6.高純度の式(I)の化合物の多形体B
国際公開第2016020320号パンフレットに記載される式(I)の化合物を調製する方法は、式(I)の化合物の多形体Bをもたらす。しかしながら、この方法をスケールアップして、医薬用途に許容される純度グレードの式(I)の化合物の多形体Bを得るためのいくつかの試みは成功しなかった。さらに、国際公開第2016020320号パンフレットに記載される方法をスケールアップしようとすると、得られた式(I)の化合物の生成物が、0.15%超の1つまたは複数の副産物を含有していた、例えば、これが0.15%超の以下の化合物を含有していた:
Figure 0007422741000040
対照的に、本発明による式(I)の化合物を調製する方法は、ここで、十分に高い純度グレードの式(I)の化合物の多形体Bを提供する。得られたバッチ(実験室、kg実験室およびパイロットプラント)の純度は極めて高い。個々の副産物は全て既知であり、特定されており、毒物学的に特徴付けられている。最終原体中のパラジウム(Pd)は常に10ppm未満であることが分かった。ホウ素(B)も10ppm未満であった。
したがって、さらなる態様によると、本発明は、本発明による式(I)の化合物を調製する方法によって、特に第1.4節に記載される結晶化法(「その多形体Bを得るための式(I)の粗化合物の結晶化」)と組み合わせた第1.3節に記載される処理方法(「式(I)の粗化合物のさらなる処理」)によって得られる、式(I)の化合物の多形体Bを網羅する。
別の実施形態では、本発明による式(I)の化合物の多形体Bが、UHPLCによって測定される少なくとも99.6%(=面積%)、特に少なくとも99.7%(=面積%)、好ましくは少なくとも99.8%(=面積%)、最も好ましくは少なくとも99.9%(=面積%)の純度によって特徴付けられる。
別の実施形態では、本発明は、UHPLCによって測定される少なくとも99.6%(=面積%)、特に少なくとも99.7%(=面積%)、好ましくは少なくとも99.8%(=面積%)、最も好ましくは少なくとも99.9%(=面積%)の純度によって特徴付けられる、式(I)の化合物(=2-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン)の多形体Bを網羅する。
式(I)の化合物の多形体Bの純度は、UHPLCによって、好ましくは実験節-一般的部分に記載される方法(「UHPLC-式(I)の化合物の化学純度の決定およびアッセイのための方法」)によって決定する。
「面積%」の純度を、全てのUHPLCピークの総ピーク面積に対する、式(I)の化合物の多形体BのUHPLCピーク下のUHPLCピーク面積のパーセンテージとして計算する。
式(I)の化合物の多形体Bは、2θ値として引用される以下の反射:8.3、9.3、13.8、14.0、18.0、18.7、19.6、19.9、20.1、22.1、23.9、27.4の少なくとも3、特に少なくとも5、好ましくは少なくとも7、より好ましくは少なくとも10、最も好ましくは少なくとも12を示す、X線粉末回折図(XRPD)によってさらに特徴付けられる。
別の実施形態では、式(I)の化合物の多形体Bが、2θ値として引用される以下の反射:8.3、18.0、19.9を含むX線粉末回折図(XRPD)によってさらに特徴付けられる。
別の実施形態では、式(I)の化合物の多形体Bが、2θ値として引用される以下の反射:8.3、9.3、18.0、19.9、20.1を含むX線粉末回折図(XRPD)によってさらに特徴付けられる。
別の実施形態では、式(I)の化合物の多形体Bが、2θ値として引用される以下の反射:8.3、9.3、13.8、14.0、18.0、19.9、20.1を含むX線粉末回折図(XRPD)によってさらに特徴付けられる。
別の実施形態では、式(I)の化合物の多形体Bが、実質的に図1に示される、X線粉末回折図(XRPD)によってさらに特徴付けられる。
別の実施形態では、式(I)の化合物の形態Bが、表A1(実験節-一般的部分参照)に記載されるX線粉末回折図(XRPD)によって特徴付けられる。
別の実施形態では、本発明は、UHPLCによって測定される少なくとも99.6%(=面積%)、特に少なくとも99.7%(=面積%)、好ましくは少なくとも99.8%(=面積%)、最も好ましくは少なくとも99.9%(=面積%)の純度によってさらに特徴付けられる、2θ値として引用される、上に定義される反射を含むX線粉末回折図(XRPD)によって特徴付けられる、式(I)の化合物の多形体Bを網羅する。
別の実施形態では、本発明は、UHPLCによって測定される少なくとも99.6%(=面積%)、特に少なくとも99.7%(=面積%)、好ましくは少なくとも99.8%(=面積%)、最も好ましくは少なくとも99.9%(=面積%)の純度によって特徴付けられる、式(I)の化合物の多形体Bであって、
a)式(I)の化合物の多形体B 1kg当たり、ICP-MSによって測定される15mg未満のホウ素、好ましくは10mg未満のホウ素;および/または
b)ICP-MSによって測定される0.4 mg未満のパラジウム、好ましくは0.3mgのパラジウムもしくは0.3mg未満のパラジウム;および/または
c)UHPLCによって測定される0.05%(=面積%)未満の式(IXb)の化合物;および/または
d)UHPLCによって測定される0.05%(=面積%)未満の式(VIb)の化合物;および/または
e)UHPLCによって測定される0.05%(=面積%)未満のジヒドロピラン;および/または
f)UHPLCによって測定される0.05%(=面積%)未満の式(IIIc)の化合物;および/または
g)GCによって測定される0.05%(=面積%)未満のピナコール;および/または
h)UHPLCによって測定される0.05%(=面積%)未満の式(VIIc/VIId)の化合物;および/または
i)UHPLCによって測定される0.05%(=面積%)未満の式
Figure 0007422741000041
の化合物;および/または
j)UHPLCによって測定される0.05%(=面積%)未満の式
Figure 0007422741000042
の化合物
を含む式(I)の化合物の多形体Bを網羅する。
式(I)の化合物のホウ素および/またはパラジウム含有量は、ICP-MSによって、好ましくは実験節-一般的部分に記載される方法(「ICP-MS-元素、ホウ素、パラジウム、鉄、カリウム、ナトリウムの合計を決定する方法」)によって決定する。
式(IXb)、(VIb)、(IIIc)、(VIIc/VIId)、ジヒドロピラン、
Figure 0007422741000043
または
Figure 0007422741000044
の化合物の含有量は、UHPLCによって、好ましくは実験節-一般的部分に記載される方法(「UHPLC-式(I)の化合物の化学純度の決定およびアッセイのための方法」)によって決定する。
ピナコール含有量は、GCによって、好ましくは実験節-一般的部分に記載される方法(「GC-ピナコールの測定方法」)によって決定する。
さらなる態様によると、本発明は、UHPLCによって測定される少なくとも99.6%(=面積%)、特に少なくとも99.7%(=面積%)、好ましくは少なくとも99.8%(=面積%)、最も好ましくは少なくとも99.9%(=面積%)の純度によって特徴付けられる、本発明による式(I)の化合物の多形体Bと、1つまたは複数の賦形剤、特に1つまたは複数の薬学的に適切な賦形剤とを含む医薬組成物、特に医薬品を網羅する。
適当な剤形のこのような医薬組成物を調製するための従来手順を利用することができる。
本発明による式(I)の化合物が全身および/または局所活性を有することが可能である。この目的のために、これを適当な様式で、例えば、経口、非経口、肺、経鼻、舌下、舌、頬側、直腸、膣、真皮、経皮、結膜、耳経路を介して、またはインプラントもしくはステントとして投与することができる。
これらの投与経路のために、本発明による式(I)の化合物を適切な投与形態で投与することが可能である。
経口投与のために、本発明による式(I)の化合物を、本発明の化合物を迅速におよび/または改変された様式で送達する当分野で公知の剤形、例えば錠剤(非コーティングまたは例えば、遅延溶解するもしくは可溶性である腸溶性もしくは制御放出コーティングによるコーティング錠)、経口崩壊錠、フィルム/ウエハー、フィルム/凍結乾燥物、カプセル剤(例えば、硬質または軟質ゼラチンカプセル)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット、粉末、乳剤、懸濁液、エアロゾール剤または溶液に製剤化することが可能である。本発明による式(I)の化合物を結晶形態および/または非晶形態および/または溶解形態で前記剤形に組み込むことが可能である。
非経口投与は、吸収ステップを回避して(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内もしくは腰椎内)、または吸収を含めて(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮もしくは腹腔内)達成することができる。非経口投与に適した投与形態は、とりわけ、溶液、懸濁液、乳剤、凍結乾燥物または無菌粉末の形態の注射および点滴用製剤である。
他の投与経路に適した例には、吸入のための医薬形態[とりわけ、粉末吸入器、ネブライザー]、点鼻薬、点鼻液または鼻腔スプレー;舌、舌下または頬側投与のための錠剤/フィルム/ウエハー/カプセル剤;坐剤;点眼薬、眼軟膏、眼浴、眼球インサート、点耳剤、耳スプレー、耳散剤、耳リンス、耳タンポン;膣カプセル剤、水性懸濁剤(ローション、振盪混合物)、親油性懸濁剤、乳剤、軟膏、クリーム、経皮治療システム(例えば、パッチなど)、ミルク、ペースト、フォーム、粉剤、インプラントまたはステントがある。
本発明による式(I)の化合物を、言及される投与形態に組み込むことができる。これは、薬学的に適切な賦形剤と混合することによって、それ自体は既知の様式で行うことができる。薬学的に適した賦形剤には、特に、以下が含まれる
・充填剤および担体(例えば、セルロース、微結晶セルロース(例えばAvicel(登録商標)など)、ラクトース、マンニトール、デンプン、リン酸カルシウム(例えばDi-Cafos(登録商標)など))、
・軟膏基剤(例えば、ワセリン、パラフィン、トリグリセリド、ワックス、ウールワックス、ウールワックスアルコール、ラノリン、親水性軟膏、ポリエチレングリコール)、
・坐剤用基剤(例えば、ポリエチレングリコール、カカオ脂、硬質脂肪)、
・溶媒(例えば、水、エタノール、イソプロパノール、グリセロール、プロピレングリコール、中鎖長トリグリセリド脂肪油、液体ポリエチレングリコール、パラフィン)、
・界面活性剤、乳化剤、分散剤または湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、レシチン、リン脂質、脂肪アルコール(例えばLanette(登録商標)など)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えばSpan(登録商標)など)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えばTween(登録商標)など)、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド(例えばCremophor(登録商標)など)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、グリセロール脂肪酸エステル、ポロキサマー(例えばPluronic(登録商標)など)、
・緩衝剤、酸および塩基(例えば、リン酸塩、炭酸塩、クエン酸、酢酸、塩酸、水酸化ナトリウム溶液、炭酸アンモニウム、トロメタモール、トリエタノールアミン)、
・等張剤(例えば、グルコース、塩化ナトリウム)、
・吸着剤(例えば、高分散性シリカ)、
・粘度増強剤、ゲル形成剤、増粘剤および/またはバインダー(例えば、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース-ナトリウム、デンプン、カルボマー、ポリアクリル酸(例えばCarbopol(登録商標)など)、アルギン酸塩、ゼラチン)、
・崩壊剤(例えば、修飾デンプン、カルボキシメチルセルロース-ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(例えばExplotab(登録商標)など)、架橋ポリビニルピロリドン、クロスカルメロースナトリウム(例えばAcDiSol(登録商標)など))、
・流動調節剤、潤滑剤、滑剤および離型剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、高分散性シリカ(例えばAerosil(登録商標)など))、
・コーティング材料(例えば、糖、シェラック)およびフィルム形成剤、または急速にもしくは修飾された様式で溶解する分散膜(例えば、ポリビニルピロリドン(例えばKollidon(登録商標)など)、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリアクリレート、ポリメタクリレート(例えばEudragit(登録商標)など))、
・カプセル材料(例えば、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、
・合成ポリマー(例えば、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート(例えばEudragit(登録商標)など)、ポリビニルピロリドン(例えばKollidon(登録商標)など)、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコールならびにこれらのコポリマーおよびブロックコポリマー)、
・可塑剤(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリアセチン、クエン酸トリアセチル、フタル酸ジブチル)、
・浸透促進剤、
・安定剤(例えば、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル)、
・保存剤(例えば、パラベン、ソルビン酸、チオメルサール、塩化ベンザルコニウム、酢酸クロルヘキシジン、安息香酸ナトリウム)、
・着色剤(例えば、無機顔料、例えば、酸化鉄、二酸化チタン)、
・香味料、甘味料、香味および/または臭気マスキング剤。
実験節
NMRピーク形態はスペクトルに現れる通りに言及し、考えられる高次効果は考慮しなかった。
化学名は、ACD/LabsのACD/Nameソフトウェアを使用して作成した。いくつかの場合、商業的に入手可能な試薬の一般的に受け入れられている名称をACD/Name作成名の代わりに使用した。
以下の表1は、本文中で説明しない限り、この段落および実施例節で使用される略語を列挙する。他の略語は、それ自体当業者にとって慣例の意味を有する。
Figure 0007422741000045
Figure 0007422741000046
他の略語は、それ自体当業者にとって慣例の意味を有する。
本出願に記載される本発明の種々の態様を以下の実施例によって示すが、これらは本発明を限定することを何ら意図していない。
本明細書に記載される実施例の試験実験は本発明を説明するのに役立つが、本発明は示される例に限定されない。
実験節-一般的部分
その合成が実験部に記載されていない全ての試薬は、商業的に入手可能である、または既知の化合物である、または当業者によって既知の方法により既知の化合物から形成され得る。
分析方法および機器
1H-NMRスペクトルは、400MHz磁石を備えたBruker Biospin NMR装置を使用してCDCl3、DMSO-d6またはD2O中で記録し、化学シフト(δ)を内部標準としてのTMSに対して報告する。
HPLCクロマトグラム
HPLC法スキャン塩基:Agilentシステム(1260バイナリーポンプ、G1312B、脱ガス装置;オートサンプラー、ColCom、DAD検出器:Agilent G1315C、220~320 nm)カラム:Waters XSelect(商標)CSH(50x2.1mm 3.5μm);カラム温度35℃;流量0.8mL/分;注入体積1μL;勾配t0分=2%B、t3.5分=98%B、t6分=98%B、ポストタイム3分、2%B。溶離液A:水中10mM重炭酸アンモニウムpH9.5;溶離液B:95%アセトニトリル+5%水中10mM重炭酸アンモニウム(pH 9.5);
HPLC法スキャン酸:Agilentシステム(1100バイナリーポンプ、G1312A、脱ガス装置;オートサンプラー、ColCom、DAD検出器:Agilent G1315B、220~320 nm)カラム:Waters XSelect(商標)CSH(50x2.1mm 3.5μm);カラム温度35℃;流量0.8mL/分;注入体積1μL;勾配:t0=2%B、t3.5分=98%B、t6分=98%B、ポストタイム:3分;溶離液A:水中0.1%ギ酸。溶離液B:アセトニトリル中0.1%ギ酸。
HPLC法スキャン酸:Agilentシステム(1100バイナリーポンプ、G1312A、脱ガス装置;オートサンプラー、ColCom、DAD検出器:Agilent G1315B、220~320 nm)カラム:Phenomex Kinetex C18 100A(100*4.6mm 2.6μm);カラム温度35℃;流量1.5mL/分;注入体積1μL;勾配:t0=2%D、t8分=98%D、t11分=98%D、ポストタイム:3分;溶離液C:水中0.1%ギ酸。溶離液D:アセトニトリル中0.1%ギ酸。
LC-MSクロマトグラム
LC-MS法スキャン塩基
Agilent 1100 Bin.ポンプ:G1312A、脱ガス装置;オートサンプラー、ColCom、DAD:Agilent G1315B、220~320nm、MSD:Agilent LC/MSD G6130B ESI、pos/neg 100~800;カラム:Waters XSelect(商標)C18、30x2.1mm、3.5μ、温度:25°C、流量:1mL/分、勾配:t0=2%A、t1.6分=98%A、t3分=98%A、ポストタイム:1.3分、溶離液A:95%アセトニトリル+5%アセトニトリル中水中10mM重炭酸アンモニウム、溶離液B:水中10mM重炭酸アンモニウム(pH=9.5)。
LC-MS法スキャン酸
装置:Agilent 1260 Bin.ポンプ:G1312B、脱ガス装置;オートサンプラー、ColCom、DAD:Agilent G1315C、220~320 nm、MSD:Agilent LC/MSD G6130B ESI、pos/neg 100~800、カラム:Waters XSelect(商標)CSH C18、30x2.1mm、3.5μ、温度:35°C、流量:1mL/分、勾配:t0=5%A、t1.6分=98%A、t3分=98%A、ポストタイム:1.3分、溶離液A:アセトニトリル中0.1%ギ酸、溶離液B:水中0.1%ギ酸
Figure 0007422741000047
Figure 0007422741000048
Figure 0007422741000049
Figure 0007422741000050
Figure 0007422741000051
GC-1-ブタノール、ジクロロメタン、酢酸エチル、イソプロパノール、メタノールの測定方法:GC-Headspace USP、バージョン41、第<467>章「残留溶媒」
イオンクロマトグラフィー(IC)-塩化物、リン酸塩、硫酸塩の測定方法:USP、バージョン41、第<1065>章「イオンクロマトグラフィー」
ICP-MS-元素、ホウ素、パラジウム、鉄、カリウム、ナトリウムの合計を測定する方法:USP、バージョン41、第<233>章「元素不純物」、またはPh.Eur.(補足9.1~9.5を含む第9版)、第2.2.58章
水を測定するための電量滴定:カール-フィッシャー、電量滴定Ph.Eur.(補足9.1~9.5を含む第9版)、第2.5.32章
X線粉末回折(XRPD):
Cu X線管放射(放射線Cu Kα1、波長1.5406Å)およびPixcel検出システムを備えたオランダのPANalytical B.V.製の「X´Pert Pro」回折計を使用してXRPD分析を実施した。試料を透過モードで25℃で分析し、低密度ポリエチレンフィルムの間に保持した。以下のパラメータ:範囲3~40°2θ、ステップサイズ0.013°、カウント時間99秒、実行時間約22分を適用して、PANalytical B.V.製のHighScore Plusソフトウェア、バージョン2.2cを使用した。全てのX線反射を、±0.1°の分解能を有する°2θ(シータ)値として示す。
式(I)の化合物の多形体B(=Mod B)のXRPD反射リスト(2θ値)
Figure 0007422741000052
実験節-実施例
特に明言しない限り、反応は窒素雰囲気下で行った。
実施例1a
(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)
ジクロロメタン(100mL)中の(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-オール(IIa)(20 g、71.5mmol)とトリエチルアミン(19.88mL、143mmol、2当量)の混合物に、N-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(25.5g、71.5mmol、1当量)のジクロロメタン(160mL)中溶液を滴加した。得られた反応混合物を室温で一晩撹拌し、その後、試料のHPLC分析は、全ての出発物質が消費されたことを示した。反応混合物を水(200mL)に注ぎ入れ、得られた混合物を酢酸(110mL)でpH約3.5まで酸性化した。分離後、有機層を酢酸水溶液(100 ml、pH約3)と5分間撹拌した。有機層を分離し、有機層のLCMS分析が全てのスルホンアミドが除去されたことを示すまで、水(200mL)、次いで、2M炭酸カリウム(5 x 200 mL)で洗浄した。次に、その後、有機層を水(200mL)およびブライン(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣(23g)を熱2-プロパノール(2体積、46mL)から再結晶した。翌朝、固体を濾別し、2-プロパノール(5mL)ですすいで、(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタン-スルホネート(VIIIb)18.91g(収率64%)を黄色固体として得た。
1H NMR(Chloroform-d)δ:8.17(d,J=5.5 Hz,1H),7.53(d,J=5.5 Hz,1H),7.08(s,1H),4.54-4.36(m,1H),4.27(d,J=12.0 Hz,1H),4.11(dd,J=11.5,3.8 Hz,1H),3.89(d,J=11.5 Hz,1H),3.80(dd,J=11.6,3.1 Hz,1H),3.66(td,J=12.0,3.0 Hz,1H),3.42(td,J=12.9,3.9 Hz,1H),1.39(d,J=6.8 Hz,3H).
LC-MS(方法:スキャン塩基):Rt 2.33分;
MS(ESI pos)m/z=412.1[M+H]
HPLC(方法:スキャン塩基):Rt 3.88分。
実施例1b
(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)
(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)(125.0g、304mmol)の脱気酢酸イソプロピル300mL中溶液に、PdCl2(dppf)(6.66g、9.1mmol、3mol%)を添加した。混合物を50℃に加熱し、その後、50℃の炭酸水素カリウム(122g、4当量)の水(750mL)中脱気溶液を反応混合物に添加した。その直後に、1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)(63.2g、304mmol、1.0当量)の脱気酢酸イソプロピル750mL中溶液を1.5時間にわたって添加した。50℃でさらなる時間撹拌した後、HPLC分析で完全な変換が観察された。
反応混合物を珪藻土を通して濾過し、濾過ケークを酢酸イソプロピル(300mL)ですすいだ。この濾過の後、2つの層を分離した。水相を酢酸イソプロピル(1x600mL)で抽出した。合わせた有機相を1N水酸化ナトリウム水溶液(4x600 mL)で洗浄して、微量の加水分解トリフレートを除去した(HPLCによると、約1面積%しか形成されなかった)。その後、有機相を水(600mL)およびブライン(600mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。40分後、活性炭(出発物質100g当たり約10g)を添加し、得られた懸濁液を一晩撹拌した。翌朝、固体を珪藻土上で濾別し、濾過ケークを酢酸イソプロピル(200mL)ですすぎ、濾液を濃縮して、粗(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(中間体(IXb))を褐色泡(100.5g、96%)として得た。粗生成物を結晶化によって精製した:
2Lの丸底フラスコに粗(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(IXb)(98 g、268mmol)およびイソプロパノール(500ml)を装入した。82℃に加熱すると、透明な褐色溶液が形成された。活性炭(10g、833mmol)を添加し、黒色懸濁液を82℃で3時間撹拌した。予熱濾過設定を使用して珪藻土を通して濾過することによって炭素を除去した。フィルターをイソプロパノール50mlですすぎ、濾液を減圧下で濃縮して、淡褐色固体92.87gを得た。活性炭の除去に使用したフィルターをDCMで洗浄し、黄色濾液を真空中で濃縮した。物質を83℃でイソプロパノール400mlに再溶解すると、透明な暗褐色溶液が得られた。冷却すると、淡褐色固体が沈殿した。懸濁液を室温で3時間撹拌した。固体物質を濾過によって回収し、フィルター上でイソプロパノール(2 x 30ml)で洗浄した。乾燥後、精製(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(中間体(IXb))72.5gを回収した(72.5 g、収率理論値の79%)。
母液は依然として大量の所望の生成物を含有しており、これを真空中で濃縮して、褐色固体20.8gを得た。
1H NMR(Chloroform-d)δ:8.06(d,J=5.5 Hz,1H),7.65(d,J=1.9 Hz,1H),7.15(d,J=5.4 Hz,1H),7.07(s,1H),6.43(d,J=1.9 Hz,1H),4.51(dt,J=9.3,4.5 Hz,1H),4.34(dd,J=13.4,2.8 Hz,1H),4.11(dd,J=11.5,3.8 Hz,1H),3.88(d,J=11.4 Hz,1H),3.81(dd,J=11.5,3.2 Hz,1H),3.71(s,3H),3.67(td,J=11.8,3.0 Hz,1H),3.42(ddd,J=13.6,12.4,4.0 Hz,1H),1.40(d,J=6.8 Hz,3H).
LC-MS(方法:スキャン塩基):Rt 2.02分;MS(ESI pos)m/z=344.2[M+H]
HPLC(方法:スキャン塩基):Rt 3.24分。
実施例1c
(3R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)モルホリン(VIIc/VIId)
100mLの3つ口丸底フラスコに中間体(IXb)(3.0 g、8.73 mmol)およびPdCl2(dppf)(0.192 g、0.262 mmol)を装入した。脱気酢酸エチル(12mL)、引き続いて脱気水(6.0mL)および無水リン酸カリウム(5.56g、26.2mmol)を添加した。得られた二相反応混合物を65℃に加熱し、その後、1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)(2.91g、10.5mmol)の脱気酢酸エチル(15mL)中溶液を1時間にわたって反応混合物に滴加した(シリンジポンプを添加に使用した)。全てのボロン酸エステルを添加した直後に、ほぼ完全な変換が達成された。反応混合物を冷却し、濃縮して酢酸エチルを除去した。ジクロロメタン(30mL)、引き続いて水(30 mL、10.0体積)を添加した。層を分離し、有機相を2M炭酸カリウム溶液(30mL)で洗浄した。次に、有機相を水(4×30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより、粗(3R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)モルホリン(中間体VIIc/VIId)4.16gを褐色固体として得た。
1H-NMRによると、粗生成物は、ジアステレオ異性体VIIcとVIIdの1:1混合物からなっていた。
Figure 0007422741000053
1H NMR(Chloroform-d)δ:8.41(dd,J=5.5,2.2 Hz,1H),7.71(d,J=1.8 Hz,1H),7.67(d,J=1.9 Hz,1H),7.22(dd,J=5.4,1.4 Hz,1H),7.06(d,J=3.8 Hz,1H),7.00(dd,J=13.3,1.8 Hz,1H),6.45(t,J=1.7 Hz,1H),6.11(dt,J=9.8,2.7 Hz,1H),4.55-4.42(m,0.5H),4.34(dd,J=7.4,2.7 Hz,0.5H),4.23(dd,J=13.4,2.8 Hz,0.5H),4.09-4.01(m,1.5H),4.01-3.91(m,1H),3.83(dd,J=11.5,5.7 Hz,1H),3.76(s,4H),3.59(tdd,J=11.5,7.9,2.9 Hz,1H),3.47(tdd,J=11.1,7.7,2.5 Hz,1H),3.34(dtd,J=21.7,12.9,3.9 Hz,1H),2.63-2.48(m,1H),2.11(td,J=12.9,3.3 Hz,2H),1.81-1.58(m,3H),1.35(dd,J=6.8,3.3 Hz,3H).
LC-MS(方法:スキャン塩基):Rt 1.98分;
MS(ESI pos)m/z=460.3[M+H]
HPLC(方法:スキャン塩基):Rt 3.16分。
ジアステレオ異性体VIIcとVIIdの粗混合物を所望の化合物(I)に直接変換した(実施例1d参照)。
実施例1d
2-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン(I)
粗中間体(VIIc/VIId)(503mg、1.095mmol)のジクロロメタン(1.50mL)とメタノール(0.15mL)の混合物中溶液に、塩酸水溶液(1N、1.50mL、1.5mmol)を添加した。得られた暗褐色二相混合物を室温で30分間撹拌すると、有機相と水相の両方のHPLC分析により、完全な変換が達成されたことが示された。二相混合物を、塩酸水溶液(1N、10mL)およびジクロロメタン(10ml)を使用して分液漏斗に移した。激しく振盪した後、水層を分離した。有機相を塩酸水溶液(1N、10mL)でさらに抽出した。合わせた水相をジクロロメタン(3 x 10 mL)で洗浄し、次いで、10%炭酸カリウム25mLに注ぎ入れると、青緑色懸濁液が形成した。懸濁液をジクロロメタン(4x10ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、淡黄色の脆い泡337mgを得た。この物質をジクロロメタン(約8 mL)に溶解し、n-ブタノール(10 mL)を添加し、緑がかった黄色溶液約6mLがフラスコに残るまで、得られた溶液を減圧下40℃で濃縮して低沸点ジクロロメタンを除去した。残りの溶液を室温で一晩撹拌した。翌朝、結晶化した生成物をガラスフィルターを使用して濾別し、山吹色固体を1-ブタノール(3 x 2 mL)で洗浄し、空気流で乾燥させて、2-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン(化合物(I))203mgを山吹色(微)結晶粉末として得た。濾液を濃縮して、化合物(I)さらに67mgを黄褐色粉末として得た。
収量:203mg+67mg=270mg(合計で理論値の65.70%)
1H NMR(Chloroform-d)δ:12.81(s,1H,broad signal),8.41(d,J=5.5 Hz,1H),7.73(d,J=1.9 Hz,1H),7.67(d,J=1.9 Hz,1H),7.34(d,J=1.8 Hz,1H),7.17(t,J=2.7 Hz,2H),6.46(d,J=1.9 Hz,1H),4.43(tt,J=9.2,4.4 Hz,1H),4.19(dd,J=11.4,3.9 Hz,1H),4.04(dd,J=12.8,2.8 Hz,1H),3.93(d,J=11.6 Hz,1H),3.86(dd,J=11.5,3.1 Hz,1H),3.74(s,4H),3.57(td,J=12.4,3.9 Hz,1H),1.47(d,J=6.8 Hz,3H).
LC-MS(方法:スキャン塩基):Rt 1.88分;
MS(ESI pos)m/z=376.2[M+H]
LC-MS(方法:スキャン酸):Rt 1.65分;
MS(ESI pos)m/z=376.2[M+H].HPLC(方法:スキャン酸):Rt 2.46分。HPLC(方法:酸):Rt 3.41分。
実施例1e
(3R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)モルホリン(VIIc/VIId)
100mLの3つ口丸底フラスコに中間体(IXb)(3.0 g、8.73 mmol)およびPdCl2(dppf)(0.192 g、0.262 mmol)を装入した。脱気酢酸イソプロピル(12mL)、引き続いて脱気水(6.0mL)および無水リン酸カリウム(2.86g、17.5mmol)を添加した。得られた二相反応混合物を55℃に加熱し、その後、1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)(2.91g、10.5mmol)の脱気酢酸イソプロピル(15mL)中溶液を1時間にわたって反応混合物に滴加した(シリンジポンプを添加に使用した)。添加完了後、反応混合物を55℃で一晩(16時間)撹拌し続けた。その後、反応混合物を室温に冷却し、celiteパッドで濾過して、界面物質を除去した。層を分離し、有機相を2M炭酸カリウム溶液(30mL)で洗浄した。水(30mL)を有機相に添加し、層を分割させた。2つの相を完全に分離する前に、混合物をceliteパッドで濾過して、界面物質を除去した。有機相を水(3×30mL)でさらに3回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。これにより、粗(3R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)モルホリン(中間体VIIc/VIId)2.88gを褐色固体として得た。1H-NMRによると、粗生成物は、ジアステレオ異性体の1:1混合物からなっていた。
実施例2a
(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)
(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-オール(IIa)100g(357.49mmol)をジクロロメタン800mlに室温(約22℃)で懸濁した。次いで、ピリジン40.48ml(500.485mmol)を添加し、混合物を-10℃に冷却した。-10℃で、ジクロロメタン250mlに溶解したトリフルオロメタンスルホン酸無水物84.2ml(500.485)を混合物に添加した(30分、温度を-6℃に上昇させた)。添加が完了した後、混合物を-10℃で1時間攪拌した。温度を0~4℃に保ちながら、水400mlをゆっくり添加した。相を分離した。有機相を水400mlで洗浄した。有機相を、それぞれ0.5M炭酸カリウム水溶液200mlで2回、および水150mlで1回洗浄した。有機相をチャコールフィルターを通して濾過し、減圧でジクロロメタンを留去することによって濾液を約100ml体積に減少させた。イソプロパノール400mlを添加し、再び減圧で(50℃で)約100ml体積まで留去した。これを再度行った。最後に、イソプロパノール240mlを添加し、50℃に加熱した。混合物を週末を通して撹拌し、最後に0~3℃に冷却した。結晶を濾過によって回収し、イソプロパノール100mlで洗浄した。生成物を45℃で一晩、真空(20mbar)下で乾燥させた。収量:黄色結晶113.87g(理論値の77.35%)。
HPLC:7.4分で100%(面積%)。
実施例2b
(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)
(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)100g(242.842mmol)およびPdCl2(dppf)5.3g(7.285mmol)を酢酸エチル400mlに溶解し、50℃に加熱した。この混合物に、水600mlに溶解した炭酸水素カリウム97.2 g(971.370mmol)の溶液を添加し、温度を40℃に保った。この混合物に、酢酸エチル300mlに溶解した1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)48.00g(230.70mmol)の溶液を3時間にわたって(40℃の内部温度で)添加した。反応混合物を室温(+22℃)に冷却し、相を分離した。水相を酢酸エチル300mlで抽出し、合わせた有機相をそれぞれ1N水酸化カリウム水溶液750mlで2回およびそれぞれ水500mlで2回洗浄した。最後の洗浄に、より良い相分離のために生理食塩水10mlを添加した。有機相を硫酸ナトリウム100g上で乾燥させ、濾過し、濾過ケークを酢酸エチル200mlで洗浄した。次いで、活性炭70gを濾液に添加し、懸濁液を室温で2時間撹拌した。炭を珪藻土(50g)を通して濾過することによって除去し、フィルターを酢酸エチル100mlで洗浄した。イソプロパノールを添加し、85℃で酢酸エチルを蒸留することによって、溶媒切り替えを実施した。酢酸イソプロピル約200mlの体積に達した時(内部温度85℃)。これを(一晩撹拌することによって)室温に冷却した。結晶を濾過によって単離し、イソプロパノール20mlで洗浄した。生成物を45℃で一晩、真空(20mbar)下で乾燥させた。収量:黄色結晶63.2g(理論値の75.7%)。
HPLC:11.9分で99.7%(面積%)
実施例2c
2-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン(I)
粗(3R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)モルホリン(VIIc/VIId)120gをジクロロメタン480mlおよびメタノール480mlに溶解し、0~5℃に冷却した。次いで、1N塩酸水溶液1200mlを添加し、温度を20℃に上昇させた。混合物を20℃で5分間撹拌し、次いで、相を分離し、水相をそれぞれジクロロメタン480mlで2回抽出した。水相にN-アセチルシステイン46.6gを添加し、溶液を室温で一晩撹拌した。次いで、ジクロロメタン960mlを添加し、混合物を10℃に冷却した。5N水酸化カリウム水溶液480mlを添加することによって、pHをpH=13に調整した。溶液を30分間撹拌した。相を分離し、水相をジクロロメタン252mlで抽出した。有機相を合わせ、110℃でジクロロメタンからn-ブタノール:n-ブタノール631.5mlへの溶媒切り替えを実施し、濾液をゆっくり添加し、ジクロロメタンを留去した。混合物を22℃に冷却し、一晩撹拌し、次いで、0~3℃に冷却し、この温度で1時間撹拌した。生成物を濾過によって単離し、結晶をそれぞれ冷n-ブタノール160mlで2回洗浄した。生成物を45℃で一晩、真空(20mbar)下で乾燥させた。収量:黄色結晶62.87g(理論定の64.13%)。
HPLC:4.3分で99.48%(面積%)。
実施例2d
2-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン(I)
窒素雰囲気下、(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)30g(87.255 mmol)を酢酸エチル105.8 mlに溶解し、PdCl2(dppf)1.91 g(2.618 mmol)を添加した。次いで、水53.1mlおよびリン酸カリウム55.56gを添加した。この混合物を22℃で30分間攪拌した。内部温度を55℃に上昇させた。55℃で、酢酸エチル162.2mlに溶解した1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)31.55g(113.43mmol)の溶液を、温度を55℃で一定に保ちながら、120分間にわたって添加した。これを35℃に冷却し、酢酸エチルを真空下で留去した(110mbar、酢酸エチル約100ml)。次いで、ジクロロメタン164.4mlおよび水255.6mlを添加した。相を分離し、水相をジクロロメタン84.5mlで抽出した。合わせた有機相を、それぞれ1N水酸化カリウム水溶液147mlで2回抽出した。相を分離し、有機相を活性炭で処理した(活性炭21gを添加し、懸濁液を22℃で一晩撹拌した)。炭を珪藻土を通して濾過することによって除去し、濾過ケークをジクロロメタン40mlで洗浄した。濾液に、水217.1mlに溶解したN-アセチルシステイン14.23gと水酸化カリウム7.8gの混合物(pH=9)を添加した。二相混合物を20℃で8時間撹拌した。相を分離し、有機相を硫酸ナトリウム35.3g上で乾燥させ、次いで、これを濾過し、それぞれジクロロメタン35mlで2回洗浄した。溶液を冷蔵庫に保管し、次いで、次のプロセスステップに使用した。この溶液(約350ml)にメタノール160mlを添加し、溶液を0~5℃に冷却した。次いで、1N塩酸水溶液400mlを添加し、室温で30分間撹拌した。相を分離し、水相をそれぞれジクロロメタン160mlで2回抽出した。水相(pH=1)にN-アセチルシステイン14.2gを添加し、溶液を20℃で一晩撹拌した。次いで、ジクロロメタン320mlを添加し、5N水酸化カリウム水溶液160mlを添加することによって、pHをpH=13に調整した。溶液を30分間撹拌した。相を分離し、水相をジクロロメタン84mlで洗浄した。110℃でジクロロメタンからn-ブタノール:n-ブタノール212mlへの溶媒切り替えを実施し、濾液をゆっくり添加し、ジクロロメタンを留去した。混合物を一晩22℃に冷却し、次いで、0~3℃に冷却し、この温度で1時間撹拌した。生成物を濾過によって単離し、結晶を冷n-ブタノール20mlで洗浄した。生成物を45℃で一晩、真空(20mbar)下で乾燥させた。収量:黄色結晶25.60g(理論値の78.34%)。
HPLC:4.3分で99.48%(面積%)。
実施例2e
2-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン(I)
実施例2dの2-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン(I)22.5 g(59.93 mmol)をジクロロメタン156.4mlに溶解し、Quadrasilメルカプトプロピル6.75g(Johnson Matthey製のPd捕捉剤、CAS番号1225327-73-0)およびIsolute Si-TMT 6.75g(Biotage AB、スウェーデン製の2,4,6-トリメルカプトトリアジン(TMT)Pd捕捉剤のシリカ結合等価物、パート番号9538-1000)を添加し、懸濁液を20℃で22時間攪拌した。懸濁液を濾過し、濾過ケークをそれぞれジクロロメタン46.8mlで2回洗浄した。105℃でジクロロメタンからn-ブタノール:n-ブタノール85mlへの溶媒切り替えを実施し、濾液をゆっくり添加し、ジクロロメタンを留去した。最後に、温度を105℃(内部温度)に上昇させ、次いで、全てのジクロロメタンを除去した。混合物を一晩22℃に冷却し、次いで、0~3℃に冷却し、この温度で1時間撹拌した。生成物を濾過によって単離し、結晶を冷n-ブタノール24mlで洗浄した。生成物を45℃で一晩、真空(20mbar)下で乾燥させた。収量:黄色結晶19.50g(理論値の86.67%)。
HPLC:99.97%(面積%)
ホウ素含有量:1ppm未満
パラジウム含有量:1ppm未満
化合物(I)の多形体:B
実施例3a
(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)
室温の(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-オール(IIa)(100 g、qNMR-純度90%重量ベース)のジクロロメタン(1.00 L)中懸濁液に、トリエチルアミン(63mL、450mmol)を添加すると、透明な褐色溶液が形成された。氷塩浴を使用して、反応混合物を0℃(内部温度)に冷却した。激しく攪拌しながら、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.076 L、450 mmol)を10分間にわたって滴加すると、10℃の温度上昇が得られた。最後の量のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を添加した時までに、内部温度は既に低下した。試料(s1、トリフルオロメタンスルホン酸無水物の添加が完了した5分後に採取した)をHPLCによって分析したところ、出発物質のほぼ完全な変換が起こったことを示した。氷塩浴を取り除き、水(500mL)を添加した。得られた二相混合物を1分間激しく撹拌した。水相を分離し、有機相を水(2x 500 mL)でさらに洗浄して、全てのトリエチルアミンおよびトリフルオロメタンスルホン酸無水物残渣を除去した。次いで、有機層を飽和炭酸カリウム水溶液(500 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で体積250mLになるまで濃縮した。イソプロパノール(300 mL)を添加し、混合物を体積約300mL(生成物溶液の重量290g)になるまでさらに濃縮した。さらにイソプロパノールを添加し(100mL、推定2体積になるまで)、生成物を結晶化させるために、得られた混合物を一晩放置した。
翌朝、結晶性物質の固体ケークが形成された。固体をスパチュラでこすり落とし、その後、混合物を磁気攪拌棒で攪拌して、大きな塊を小さな粒子に砕いた(2時間)。固体を濾別し、空気流で乾燥させて、(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(中間体(VIIIb))110.3g(83%)をまだいくらかの大きな塊を含有する暗黄色結晶性粉末として得た。HPLC純度98面積%。母液を、溶液80gがフラスコに残り、生成物の第2の部分が6.26 g(4.7%)単離されるまで濃縮した。
実施例3b
(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)
(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)(125.0g、304mmol)の脱気酢酸イソプロピル300mL中溶液に、PdCl2(dppf)(6.66g、9.1mmol、3mol%)を添加した。混合物を50℃に加熱し、その後、50℃の炭酸水素カリウム(122g、4当量)の水(750mL)中脱気溶液を反応混合物に添加した。その直後に、1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(VIb)(63.2g、304mmol、1.0当量)の脱気酢酸イソプロピル750mL中溶液を1.5時間にわたって添加した。50℃でさらなる時間撹拌した後、HPLC分析で完全な変換が観察された。
反応混合物を珪藻土を通して濾過し、濾過ケークを酢酸イソプロピル(300mL)ですすいだ。この濾過の後、2つの層を分離した。水相を酢酸イソプロピル(1*600mL)で抽出した。合わせた有機相を1N水酸化ナトリウム水溶液(4x600 mL)で洗浄して、微量の加水分解トリフレートを除去した(HPLCによると、約1面積%しか形成されなかった)。その後、有機相を水(600mL)およびブライン(600mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。40分後、活性炭(出発物質100g当たり約10g)を添加し、得られた懸濁液を一晩撹拌した。翌朝、固体を珪藻土上で濾別し、濾過ケークを酢酸イソプロピル(200mL)ですすぎ、濾液を濃縮して、粗(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(IXb)を褐色泡(100.5g、96%)として得た。
粗中間体(IXb)の精製
2Lの丸底フラスコに粗(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(IXb)(98 g、268mmol)およびイソプロパノール(500ml)を装入した。82℃に加熱すると、透明な褐色溶液が形成された。活性炭(10g、833mmol)を添加し、黒色懸濁液を82℃で3時間撹拌した。予熱濾過設定を使用して珪藻土を通して濾過することによって炭素を除去した。フィルターをイソプロパノール50mlですすぎ、濾液を減圧下で濃縮して、淡褐色固体92.87gを得た。炭の除去に使用したフィルターをジクロロメタンで洗浄し、黄色濾液を真空中で濃縮した。物質を83℃でイソプロパノール400mlに再溶解すると、透明な暗褐色溶液が得られた。冷却すると、淡褐色固体が沈殿した。懸濁液を室温で3時間撹拌した。固体物質を濾過によって回収し、フィルター上でイソプロパノール(2 x 30ml)で洗浄した。乾燥後、精製(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)72.5gを回収した(72.5 g、収率79%)。母液は依然として大量の所望の生成物を含有しており、これを真空中で濃縮して、褐色固体20.8gを得た。
実施例4a
(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イル-トリフルオロメタンスルホネート(VIIIb)
(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-オール(IIa)3.00kgを20℃でジクロロメタン31.9kgに溶解した。次いで、ピリジン1190gを添加した。溶液を-10℃(内部温度)に冷却し、内部温度を-10℃に保って、ジクロロメタン10kgに溶解したビス(トリフルオロメタンスルホン酸無水物)4.236kgの溶液を添加した。添加時間はおよそ1時間とした。反応が完了した後、内部温度を0℃~15℃に保って、水12.0kgを添加した。添加後、混合物を5分間撹拌した。有機相を分離し、水12.0kgで洗浄した。有機相を、それぞれ0.5N炭酸カリウム水溶液6kgで2回、最後に水4.5kgで洗浄した。有機相を活性炭(Seitzチャコールフィルタープレート)で濾過し、濾液を蒸留してイソプロパノールにした(溶媒切り替え)。最初にジクロロメタンを真空下(100mbar)で濃縮溶液に蒸留し(攪拌可能であるまで)、次いで、イソプロパノール9.5 kgを添加し、留去(100 mbar)した(攪拌可能であるまで)。イソプロパノールさらに9.5kgを添加および留去し(攪拌可能であるまで)、最後にイソプロパノール1kgを添加した(イソプロパノール合計約8~9 kg)。
結晶化のために、温度を90分で50℃から18℃まで冷却した(傾斜)。これを18℃で12分間攪拌し、次いで、0℃に冷却した(傾斜、180分間にわたって)。次いで、これを0℃で60分間攪拌した。結晶を濾過によって単離し、冷イソプロパノール2.4kgで洗浄した。生成物を真空下、45℃で少なくとも12時間(一定重量になるまで)乾燥させた。
Figure 0007422741000054
実施例4b
(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)
窒素下で、(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イル-トリフルオロメタン-スルホネート(VIIIb)2.1kgを酢酸エチル8.4リットルに溶解し、PdCl2(dppf)112gを添加した。溶液を50℃(内部温度)に加温し、次いで、水11.0リットルに溶解した炭酸水素カリウム(KHCO3)2.042kg、引き続いて水1.6リットル(パイプを洗浄するため)を添加した。内部温度を43℃にし、次いで、内部温度を43℃に保って、酢酸エチル6.0リットルに溶解した1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル1.061kgを3時間にわたって添加した。添加が完了した後、これを43℃で75分間撹拌した。
後処理:混合物を22℃に冷却し、有機相を分離した(約15.4l)。水相を酢酸エチル6.3リットルで抽出した。有機相を合わせ、10℃に冷却し、次いで、5.3%水酸化カリウム水溶液15.75リットルで洗浄した(10℃で15分間撹拌)。相を分離し、有機相を再び10℃で5.3%水酸化カリウム水溶液15.75リットルで洗浄した。その後、有機相を分離し、それぞれ水10.5リットルで2回洗浄した。有機相に硫酸マグネシウム2.10kgを添加し、22℃で70分間撹拌した。次いで、硫酸マグネシウムを濾別し、それぞれ酢酸エチル4.2リットルで2回洗浄した。濾液に1.47活性炭を添加し、懸濁液を22℃で2.5時間撹拌した。炭を珪藻土を通して濾過することによって除去し、酢酸エチル(2回、それぞれ4.2リットル)で洗浄した。濾液27.0kgが得られた(酢酸エチル中生成物)。
Figure 0007422741000055
イソプロパノールからの結晶化:
酢酸エチル中(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)27.0kg(番号1)および32.0kg(番号2)合計:59.0kg)を合わせ、イソプロパノールへの溶媒切り替えを実施した。酢酸エチルを常圧で留去した(内部温度:最初は73℃、最後は78℃)。57.5リットルが留去されたら、イソプロパノール10.5kgを添加し、13.5リットルを留去した(常圧で、(内部温度:最初は81℃、最後は83℃)。イソプロパノールさらに10.5kgを添加し、13.5リットルを留去した(常圧で、(内部温度:最初は80℃、最後は83℃)。次いで、イソプロパノールさらに10.5 kgを添加し、14.0リットルを留去した(常圧で、(内部温度:最初は82℃、最後は84~85℃)。溶液を18℃に冷却した(420分間にわたる傾斜)。懸濁液を20℃で1時間撹拌した。生成物を濾過によって単離し、イソプロパノール(合計2.4kg)で洗浄した。生成物を真空下、50℃で少なくとも12時間(一定重量になるまで)乾燥させた。収量:2.69kg(理論値の77%)
同様の方法で、バッチ番号3~5を合わせ(合計78.2 kg)、同じ溶媒切り替えを実施して、4.042 kg(理論値の77%)を得た。
以下の表は結果を要約している:
Figure 0007422741000056
以下の表は、2つのバッチ(2.69kgバッチIXbおよび4.042kgバッチIXb)の分析結果を要約している:
Figure 0007422741000057
実施例4c
2-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン(I)
窒素雰囲気下、(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)3.40kgを酢酸エチル10.8kgに溶解し、PdCl2(dppf)221gを添加した。次いで、水6.0kgおよびリン酸カリウム6.2kgを添加した。この混合物を22℃で30分間攪拌した。内部温度を55℃に上昇させた。55℃で、酢酸エチル16.4kgに溶解した1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)3.58kgの溶液を、温度を55℃で一定に保ちながら、120分間にわたって添加し、得られた混合物を200rpmで攪拌した。酢酸エチル2kgを添加した(パイプを洗浄するために使用)。添加後、混合物を55℃で10分間撹拌する。
後処理のために、温度を35℃に低下させ、酢酸エチル26.6kgを真空下で留去する。混合物を20℃に冷却し、ジクロロメタン24.7kgおよび水29.0kgを添加した。これを10分間撹拌した。有機相を分離し、水相をジクロロメタン12.8kgで抽出した。合わせた有機相を1N水酸化カリウム水溶液17.7kgで洗浄した(10分間撹拌)。相を分離し、有機相を1N水酸化カリウム水溶液17.7 kgで再度洗浄した(10分間撹拌)。有機相を分離し、活性炭(Seitzチャコールフィルタープレート)で3時間濾過した(濾液を円で流す)。炭をそれぞれジクロロメタン13.3kgで2回、ジクロロメタン6.6kgで1回洗浄した。合わせた濾液を、N-アセチル-システイン1.61の水酸化カリウム水溶液9.0kg(水8.0kgに溶解した水酸化カリウム1099g)中溶液に添加する。混合物を20℃で18時間撹拌した。相を分離する。有機相35.72kgが得られた。
同様の方法で、合計3つのバッチで、3.40 kgから出発して、(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)をジクロロメタン中で(3R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)モルホリン(VIIc/VIId)に変換した。
Figure 0007422741000058
3つのバッチを6つの部分(各バッチの2分の1)に分割し、各バッチを次の反応ステップで処理した。
ジクロロメタン中(VIIc/VIId)17.8 kgの分割バッチについて原理を記載する。
ジクロロメタン中(VIIc/VIId)17.8kgをバレルから取り出し、バレルをジクロロメタン800gで洗浄した。次いで、ジクロロメタン9Lを常圧(60℃)で留去した。溶液を22℃に冷却し、ジクロロメタン3.3kgおよびメタノール7.2kgを添加した。混合物を0~5℃に冷却し、温度を0~20℃の間に保って、塩酸水溶液16.8kgを添加した、。混合物を20~22℃で10分間攪拌した。相を分離し、水相をそれぞれジクロロメタン8.8kgで2回抽出した。水相を分離し、N-アセチルシステイン800gを添加し、溶液を20℃で12時間撹拌した。次いで、ジクロロメタン17.6kgを添加し、5N水酸化カリウム水溶液8246gを添加し、混合物を30分間撹拌した。水相の最終pHはpH=13.6であった(この時点でpHは12~14でなければならない)。相を分離し、水相をジクロロメタン5.2kgで抽出し、有機相を合わせた。ジクロロメタン中化合物(I)22.7kgが得られた。
以下の表は記載される方法で調製された6つのバッチの結果を要約している:
Figure 0007422741000059
次のプロセスステップでは、前に調製したバッチの3つのバッチを2回合わせて、最終生成物に変換した。
ジクロロメタンからn-ブタノールへの溶媒切り替え:化合物(I)23.9 kg、23.6 kgおよび23.0 kgを合わせ(合計70.5 kg+洗浄用に5.0kg)、98℃に予熱したn-ブタノール16.6kgにゆっくり添加した。ジクロロメタン59リットルを常圧で留去した。蒸留中の内部温度は81~90℃とした。次いで、パイプを洗浄するために使用したジクロロメタン5.0 kgも留去した(5リットル)。n-ブタノール15.5kgを添加し、10 lを常圧(88~93℃)で留去した。温度を108℃に上昇させた(内部温度、n-ブタノール100mlを留去した)。これが、ジクロロメタンが残っていない点である。溶液を20~22℃に冷却する(7時間にわたって(傾斜))。懸濁液を20℃で1時間撹拌し、次いで、2~3℃に冷却し、この温度で1時間撹拌する。結晶を濾過によって単離し、冷n-ブタノール8.0kgで洗浄した。生成物(I)を含有する湿った濾過ケークを、30℃の温ジクロロメタン47.5kgを使用して(この量が十分でない場合、さらなるジクロロメタンを使用し、後で留去することができた)、フィルターから直接溶解した(単離なしで)。溶液を20℃に冷却し、Quadrasilメルカプトプロピル1020g(Johnson Matthey製のPd捕捉剤、CAS番号1225327-73-0)およびIsolute Si-TMT 1020g(2,4,6-トリメルカプトトリアジンのシリカ結合等価物(TMT)、Biotage AB、スウェーデン製のPd捕捉剤、パーツ番号9538-1000)を添加した。懸濁液を20~21℃で12時間撹拌した。懸濁液を濾過し、濾過ケークをそれぞれジクロロメタン13.3kgで2回洗浄した。濾液を再度濾過した(GMP粒子濾過)。
最終結晶化プロセス
ジクロロメタンからn-ブタノールへの溶媒切り替え:化合物(I)の濾液を、98℃に予熱したn-ブタノール16.5kgにゆっくり添加した。ジクロロメタン53リットルを常圧で留去した。蒸留中の内部温度は93~98℃とした。次いで、パイプを洗浄するために使用したジクロロメタン5.0 kgも留去した(4リットル)。n-ブタノール9.0 kgを添加し、10.5lを常圧(90~91℃)で留去した。温度を109℃に上昇させた(内部温度、n-ブタノール100mlを留去した)。これが、ジクロロメタンが残っていない点である。溶液を20~22℃に冷却する(7時間にわたって(傾斜))。懸濁液を20℃で1時間撹拌し、次いで、2~3℃に冷却し、この温度で1時間撹拌する。結晶を濾過によって単離し、冷n-ブタノール8.0kgで洗浄した。生成物を真空下(30mbar)、50℃で少なくとも12時間(一定重量になるまで)乾燥させた。
黄色結晶3.753kg(理論値の67%)が得られた。
Figure 0007422741000060
収量計算:3×3.4 kg(IXb)=10.2 kg:理論値の70.25%の収率で所望の生成物(I)7.819 kgが得られた:
Figure 0007422741000061
分析結果:
Figure 0007422741000062
実施例5
パイロットプラントキャンペーン
パイロットプラントキャンペーンを実施した。6つのバッチ(それぞれ16.3 kg)を、実施例4cに記載されるのと同じ方法で変換した(キャンペーン中に反応器およびフィルターユニットを洗浄することなく)。(IXb)合計97.8kgが所望の化合物(I)75.4kgを与えた。
Figure 0007422741000063
以下の表は分析結果を要約している:
Figure 0007422741000064
Figure 0007422741000065
これらのバッチのうちの2つ(番号1 10.40 kg Iおよび番号2 13.50 kg I)を合わせて、分析した。
分析データを以下の表に示す:
Figure 0007422741000066
実施例6
2-[(3R)-3-メチルモルホリン-4-イル]-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン(I)
窒素雰囲気下、(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリン(IXb)30g(87.255 mmol)を酢酸エチル105.8 mlに溶解し、PdCl2(dppf)1.91 g(2.618 mmol)を添加した。次いで、水53.1mlおよびリン酸カリウム55.56gを添加した。この混合物を22℃で30分間攪拌した。内部温度を55℃に上昇させた。55℃で、酢酸エチル162.2mlに溶解した1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(IIIc)31.55g(113.43mmol)の溶液を、温度を55℃で一定に保ちながら、120分間にわたって添加した。これを室温(約22℃)に冷却し、水150mlを添加した。相を分離し、水相を酢酸エチル100mlで抽出した。合わせた有機相を活性炭で処理した(活性炭21gを添加し、懸濁液を22℃で一晩撹拌した)。炭を珪藻土を通して濾過することによって除去し、濾過ケークを酢酸エチル30mlで洗浄した。濾液にメタノール100mlおよび1N塩酸水溶液300mlを添加し、室温で30分間撹拌した。相を分離し、水相を酢酸エチル100mlで抽出した。水相(pH=1)にN-アセチルシステイン14.82gを添加し、溶液を20℃で一晩撹拌した。ジクロロメタン300mlを添加し、5N水酸化カリウム水溶液190mlを添加することによって、pHをpH=13に調整した。溶液を30分間撹拌した。相を分離し、有機相を水150mlで洗浄した。有機相に、Quadrasilメルカプトプロピル6g(Johnson Matthey製のPd捕捉剤、CAS番号1225327-73-0)およびIsolute Si-TMT 6g(2,4,6-トリメルカプトトリアジンのシリカ結合等価物(TMT)、Biotage AB、スウェーデン製のPd捕捉剤、パーツ番号9538-1000)を添加し、懸濁液を20℃で一晩攪拌した。懸濁液を濾過し、濾過ケークをそれぞれジクロロメタン25mlで2回洗浄した。85℃でジクロロメタンからn-ブタノール:n-ブタノール60mlへの溶媒切り替えを実施し、濾液をゆっくり添加し、ジクロロメタンを留去した。最後に、温度を105℃(内部温度)に上昇させ、次いで、全てのジクロロメタンを除去した。混合物を一晩22℃に冷却し、次いで、0~3℃に冷却し、この温度で1時間撹拌した。生成物を濾過によって単離し、結晶を冷n-ブタノール20mlで洗浄した。生成物を45℃で一晩、真空(20mbar)下で乾燥させた。収量:黄色結晶21.27g(理論値の64.93%)。
HPLC:99.19%(面積%)
ホウ素含有量:1ppm未満
パラジウム含有量:1ppm未満
変態(Mod):B

Claims (20)

  1. 式(I)の化合物
    Figure 0007422741000067
    または式(Ia)のその互変異性体
    Figure 0007422741000068
    またはこれらの混合物
    を調製する方法であって、前記方法は、
    (a)式(IXa)の中間体化合物
    Figure 0007422741000069
    (式中、
    R1は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)
    を式(IIIa)または(IIIb)の化合物
    Figure 0007422741000070
    または
    Figure 0007422741000071
    またはこれらの混合物
    (式中、
    R2およびR3は互いに独立に、水素原子またはC1~C6-アルキル基を表す;
    あるいは
    R2およびR3は一緒になって、-CH2-CH2-基または-CH2-CH2-CH2-基を表し、前記-CH2-CH2-基または-CH2-CH2-CH2-基は、場合によりメチルおよびエチルから選択される基で1回、2回、3回または4回置換されている;
    あるいは
    R2およびR3は一緒になって、基
    Figure 0007422741000072
    (式中、「*」は分子の残りとの結合点を表す)
    を表し;
    R4はテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル、1-メチル-1-メトキシエチル、1-メチル-1-フェノキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシエチルから選択される基を表す)
    と反応させて、式(VIIa)または(VIIb)の中間体化合物
    Figure 0007422741000073
    または
    Figure 0007422741000074
    またはこれらの混合物
    (式中、
    R4はテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル、1-メチル-1-メトキシエチル、1-メチル-1-フェノキシエチル、1-メチル-1-ベンジルオキシエチルから選択される基を表す)
    を得るステップと;
    (b)前記式(VIIa)または(VIIb)の中間体化合物から前記基R4を除去し、よって式(I)の化合物、または式(Ia)のその互変異性体、またはこれらの混合物を得るステップと
    の連続ステップを含む方法。
  2. 前記式(IXa)の化合物が(R)-4-(8-クロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)-3-メチル-モルホリンである;および/または
    前記式(IIIa)の化合物が1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルである;および/または
    前記式(VIIa)の化合物が(3R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジン-2-イル)モルホリンである、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記式(IXa)の中間体化合物と式(IIIa)または式(IIIb)の化合物の反応をパラジウム触媒および/または塩基の存在下で実施する、
    請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記式(IXa)の中間体化合物と式(IIIa)または(IIIb)の化合物の反応を有機溶媒中で実施し、前記溶媒が酢酸イソプロピル、酢酸エチル、1,2-ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、1-ブタノールもしくは2-ブタノールを含む;または前記反応を、前記溶媒の1つもしくは複数と水を含む溶媒混合物中で実施する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記式(VIIa)または(VIIb)の中間体化合物を溶媒または溶媒混合物中で酸と反応させることによって、前記式(VIIa)または(VIIb)の中間体化合物から前記基R4を除去する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記式(VIIa)または(VIIb)の中間体化合物が式(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の化合物である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物を、前記式(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)、(VIId)または(VIIc/VIId)の中間体化合物から前記基R4を除去するステップの前に、単離しないおよび/または精製しない、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記式(VIIa)または(VIIb)の中間体化合物をジクロロメタン、メタノールおよび水を含む溶媒混合物中で塩酸水溶液と反応させることによって、前記式(VIIa)または(VIIb)の中間体化合物から前記基R4を除去して、酸性化水相に溶解した式(I)の粗化合物を得て、得られた酸性化水溶液のpHが3未満である(pH<3)、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. (a)前記式(I)の粗化合物の前記酸性化水溶液を溶媒Aで1回もしくは複数回抽出し、溶媒Aがジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、2-メチル-テトラヒドロフラン、トルオールもしくはクロロホルムを含み;
    および/または前記式(I)の粗化合物の前記酸性化水溶液をPd捕捉剤で1回もしくは複数回処理し;
    (b)前のステップ(a)によって得られた前記式(I)の粗化合物の前記酸性化水溶液を、溶媒Aおよび塩基の水溶液で処理して二相系を得て、前記二相系の水相がpH>12を有し;
    (c)ステップ(b)によって得られたpH>12を有する前記水相を前記二相系から分離して、前記式(I)の粗化合物の溶媒A中溶液を得て;場合により
    (d)前記式(I)の粗化合物の溶媒A中溶液の前記溶媒Aを溶媒Bによって置き換え、溶媒Bはエタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、2-ブタノールまたはイソプロパノールを含み、前記式(I)の粗化合物の溶媒B中溶液を得る、
    請求項8に記載の方法。
  10. 溶媒Aがジクロロメタンを含み、前記塩基の水溶液が水酸化カリウムの水溶液を含み、溶媒Bがn-ブタノールを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記式(I)の粗化合物を溶媒B中で結晶化して、前記式(I)の化合物の多形体Bを得る、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 請求項1に記載のステップ(a)の前に、
    (a)式(VIIIa)の中間体化合物
    Figure 0007422741000075
    (式中、
    R1は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表し;
    R5は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)
    を式(VIa)の化合物
    Figure 0007422741000076
    (式中、
    R2およびR3は互いに独立に、水素原子またはC1~C6-アルキル基を表す;
    あるいは
    R2およびR3は一緒になって、-CH2-CH2-基または-CH2-CH2-CH2-基を表し、前記-CH2-CH2-基または-CH2-CH2-CH2-基は、場合によりメチルおよびエチルから選択される基で1回、2回、3回または4回置換されている;
    あるいは
    R2およびR3は一緒になって、基
    Figure 0007422741000077
    (式中、「*」は分子の残りとの結合点を表す)
    を表す)
    と反応させて、式(IXa)の中間体化合物
    Figure 0007422741000078
    (式中、
    R1は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)
    を得る
    ステップをさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記式(VIIIa)の化合物が(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-イルトリフルオロメタンスルホネートである;および/または前記式(VIa)の化合物が1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記式(VIIIa)の中間体化合物と式(VIa)の化合物の反応をパラジウム触媒および/または塩基の存在下で実施する、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 式(IXa)の中間体化合物
    Figure 0007422741000079
    (式中、
    R1は、塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)。
  16. 式(IXb)の化合物
    Figure 0007422741000080
    である、請求項15に記載の中間体化合物。
  17. 式(VIIIa)の中間体化合物
    Figure 0007422741000081
    (式中、
    R1は塩素もしくは素原子を表し;
    R5 は[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)。
  18. 式(VIIIb)の化合物
    Figure 0007422741000082
    である、請求項17に記載の中間体化合物。
  19. 請求項12に記載のステップ(a)の前に、式(II)の中間体化合物
    Figure 0007422741000083
    (式中、
    R1は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)
    をN-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、メタンスルホン酸クロリド、p-トルエンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルクロリド、ノナフルオロブタンスルホニルフルオリド、ベンゼンスルホニルクロリド、4-ブロモベンゼンスルホニルクロリド、4-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド、4-イソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2,4,6-トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロリド、2-メシチレンスルホニルクロリド(=2,4,6-トリメチルベンゼンスルホニルクロリド)、4-tert-ブチルベンゼンスルホニルクロリドおよび4-メトキシベンゼンスルホニルクロリドから選択される化合物と反応させて、
    式(VIIIa)の中間体化合物
    Figure 0007422741000084
    (式中、
    R1は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表し;
    R5は塩素、臭素もしくはヨウ素原子を表す、または[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ、[(ノナフルオロブチル)スルホニル]オキシ、(メチルスルホニル)オキシ、(p-トルエンスルホニル)オキシ、(フェニルスルホニル)オキシ、[(4-ブロモフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(2-ニトロフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-イソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリイソプロピルフェニル)スルホニル]オキシ、[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホニル]オキシ、[(4-tert-ブチル-フェニル)スルホニル]オキシおよび[(4-メトキシフェニル)スルホニル]オキシから選択される基を表す)
    を得るステップをさらに含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記式(II)の化合物が(R)-8-クロロ-2-(3-メチルモルホリノ)-1,7-ナフチリジン-4-オールであり、これをトリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応させて、式(VIIIb)の中間体化合物
    Figure 0007422741000085
    を得る、請求項19に記載の方法。
JP2021510100A 2018-08-24 2019-08-22 2-[(3r)-3-メチルモルホリン-4-イル]-4-(1-メチル-1h-ピラゾール-5-イル)-8-(1h-ピラゾール-5-イル)-1,7-ナフチリジンを調製する方法 Active JP7422741B2 (ja)

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