JP2023532592A - Mcl-1の阻害剤としての大環状エーテル含有インドール誘導体 - Google Patents

Mcl-1の阻害剤としての大環状エーテル含有インドール誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、対象における治療及び/又は予防に有用な医薬品、そのような化合物を含む医薬組成物、並びにがんなどの疾患を治療するのに有用なMCL-1阻害剤としてのそれらの使用に関する。

Description

本発明は、対象における治療及び/又は予防に有用な医薬品、そのような化合物を含む医薬組成物、並びにがんなどの疾患を治療又は予防するのに有用なMCL-1阻害剤としてのそれらの使用に関する。
細胞アポトーシス又はプログラム細胞死は、造血系を含む多くの器官の発達及び恒常性に重要である。アポトーシスは、死亡受容体によって媒介される、外因性経路を介してか、又はタンパク質のB細胞リンパ腫(BCL-2)ファミリーを使用する内因性経路によって開始され得る。骨髄細胞白血病-1(MCL-1)は、細胞生存調節因子のBCL-2ファミリーのメンバーであり、内因性アポトーシス経路の重要な仲介物質である。MCL-1は、細胞の生存を維持することを担う5つの主要な抗アポトーシスBCL-2タンパク質(MCL-1、BCL-2、BCL-XL、BCL-w、及びBFL1/A1)のうちの1つである。MCL-1は、アポトーシス促進性BCL-2ファミリータンパク質であるBak及びBaxの活性を連続的かつ直接的に抑制し、Bim及びNoxaなどのBH3のみのアポトーシス増感剤タンパク質を封鎖することによってアポトーシスを間接的に遮断する。様々な種類の細胞ストレスを受けて、Bak/Baxの活性化は、ミトコンドリア外膜上の凝集をもたらし、この凝集は、細孔形成、ミトコンドリア外膜電位の喪失、及びその後のシトクロムCのサイトゾルへの放出を促進させる。サイトゾル系シトクロムCは、Apaf-1に結合し、プロカスターゼ9の動員を開始して、アポトソーム構造を形成する(Cheng et al.eLife 2016;5:e17755)。アポトソームのアセンブリは、実行役であるエフェクターカスパーゼ3/7を活性化し、その後、これらのエフェクターカスパーゼは、様々な細胞質タンパク質及び核タンパク質を切断して、細胞死を誘発する(Julian et al.Cell Death and Differentiation 2017;24,1380-1389)。
アポトーシスを回避することは、がん発達の確立された特徴であり、発がんストレス、成長因子欠乏、又はDNA損傷によって排除されるであろう腫瘍細胞の生存を促進する(Hanahan及びWeinberg.Cell 2011;1-44)。したがって、驚くことなく、MCL-1は、正常な非形質転換組織対応物と比較して、多くの固形がん及び血液がんで高度に上方調節される。MCL-1の過剰発現は、いくつかのがんの病因に関与しており、それは、不良転帰、再発、及び攻撃的な疾患と相関した。更に、MCL-1の過剰発現は、前立腺、肺、膵臓、乳房、卵巣、子宮頸部、黒色腫、B細胞慢性リンパ球性白血病(chronic lymphocytic leukemia、CLL)、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia、AML)、及び急性リンパ芽球性白血病(acute lymphoblastic leukemia、ALL)の病因に関与している。ヒトMCL-1遺伝子座(1q21)は、頻繁に腫瘍において増幅され、総MCL-1タンパク質レベルを定量的に増加させる(Beroukhim et al.Nature 2010;463(7283)899-905)。MCL-1はまた、従来のがん治療薬に対する耐性を媒介し、BCL-2機能の阻害に応答して転写的に上方制御される(Yecies et al.Blood 2010;115(16)3304-3313)。
BCL-2の小分子BH3阻害剤は、慢性リンパ球性白血病を有する患者において臨床的有効性を示し、CLL又はAMLを有する患者に対してFDA承認されている(Roberts et al.NEJM 2016;374:311-322)。BCL-2拮抗作用の臨床的成功は、血液悪性腫瘍及び固形腫瘍の両方の前臨床モデルにおける有効性を示すいくつかのMCL-1BH3模倣体の発達をもたらした(Kotschy et al.Nature 2016;538 477-486,Merino et al.Sci.Transl.Med;2017(9))。
MCL-1は、DNA損傷後のミトコンドリアの完全性及び非相同末端結合を含む細胞生存を媒介する際のその規範的な役割に加えて、いくつかの細胞プロセスを調節する(Chen et al.JCI 2018;128(1):500-516)。MCL-1の遺伝的損失は、発達のタイミング及び組織欠失に応じた表現型の範囲を示す。MCL-1ノックアウトモデルにより、MCL-1の複数の役割が存在し、機能の喪失が広範囲の表現型に影響を与えることが明らかになる。グローバルMCL-1欠損マウスは、胚性致死性を示し、条件付き遺伝子欠失を使用する研究は、ミトコンドリア機能障害、オートファジーの活性化の障害、B及びTリンパ球の低減、B及びT細胞アポトーシスの増加、並びに心不全/心筋症の発症を示す(Wang et al.Genes and Dev 2013;27 1351-1364,Steimer et al.Blood 2009;(113)2805-2815)。
国際公開第2018178226号は、MCL-1阻害剤及びその使用の方法を開示している。
国際公開第2017182625号は、がんを治療するための大環状MCL-1阻害剤を開示している。
国際公開第2018178227号は、MCL-1阻害剤の合成を開示している。
国際公開第2020063792号は、インドール大環状誘導体を開示している。
国際公開第2020103864号は、MCL-1阻害剤としての大環状インドールを開示している。
前立腺、肺、膵臓、乳房、卵巣、子宮頸部、黒色腫、B細胞慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)などのがんの治療又は予防に有用なMCL-1阻害剤の必要性が残っている。
本発明は、式(I)の新規の化合物、
Figure 2023532592000001
並びにその互変異性体及び立体異性体(式中、
が、
Figure 2023532592000002
を表し、式中、「a」及び「b」が、どのように変数Xが分子の残りの部分に結合しているかを示し、
が、ハロを表し、
nが、0、1、又は2を表し、
が、水素、又は1つのHetで任意に置換されたC1~4アルキルを表し、
が、
Figure 2023532592000003
を表し、これは、両方の方向で分子の残りの部分に結合することができ、
が、水素、Heta、3~6シクロアルキル、又はHet、-OR、及び-NR4a4bからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されたC1~6アルキルを表し、
が、水素、メチル、又はHet、-OR、及び-NR4a4bからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されたC2~6アルキルを表し、
1aが、メチル又はエチルを表し、
が、水素、C1~4アルキル、又は-C2~4アルキル-O-C1~4アルキルを表し、
4a及びR4bが、それぞれ独立して、水素及びC1~4アルキルからなる群から選択され、
が、メチル、又はC3~6シクロアルキル、Het、-NR4a4b、及び-ORからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されたC2~6アルキルを表し、
Hetが、それぞれ独立して、O、S、及びNから選択された1つ又は2つのヘテロ原子を含有する4~7員単環式完全飽和ヘテロシクリルを表し、当該S原子は、置換されてS(=O)又はS(=O)を形成してもよく、当該ヘテロシクリルが、それぞれ独立して、ハロ、シアノ、及び-O-C1~4アルキルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換され、
Hetが、O、S、及びNから選択された1つのヘテロ原子を含有するC結合4~7員単環式完全飽和ヘテロシクリルを表し、当該S原子が、S(=O)又はS(=O)を形成するように置換され得、当該N原子が、1つのC1~4アルキルで置換され得、
が、-CH-又は-S-を表す)、
並びにそれらの薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明はまた、治療有効量の式(I)の化合物と、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物と、薬学的に許容される担体又は賦形剤と、を含む医薬組成物に関する。
更に、本発明は、薬剤として使用するための、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物に関し、かつがんの治療に、又はがんの予防に使用するための、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物に関する。
特定の実施形態では、本発明は、がんの治療に、又はがんの予防に使用するための、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物に関する。
本発明はまた、がんの治療又は予防に使用するための、追加の医薬品と組み合わせた、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物の使用に関する。
更に、本発明は、本発明による医薬組成物を調製するためのプロセスに関し、プロセスは、薬学的に許容される担体が、治療有効量の式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物と均質に混合されることを特徴とする。
本発明はまた、がんの治療又は予防における同時、別個、又は連続的使用のための組み合わされた調製物としての、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩又は溶媒和物、及び追加の医薬品を含む製品に関する。
更に、本発明は、対象における細胞増殖性疾患を治療又は予防する方法に関し、方法は、本明細書で定義されるような、有効量の式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩若しくはその溶媒和物、又は本明細書で定義されるような、医薬組成物若しくは組み合わせを当該対象に投与することを含む。
本明細書で使用するとき、「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを表す。
本明細書で使用するとき、接頭辞「Cx~y」(x及びyが整数である場合)は、所与の基における炭素原子の数を指す。したがって、C1~6アルキル基は、1~6個の炭素原子を含有する、などである。
基又は基の一部として本明細書で使用するとき、「C1~4アルキル」という用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチルなど、1~4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の完全飽和炭化水素ラジカルを表す。
基又は基の一部として本明細書で使用するとき、「C1~6アルキル」という用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルなど、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の完全飽和炭化水素ラジカルを表す。
基又は基の一部として本明細書で使用するとき、「C2~4アルキル」という用語は、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチルなど、2~4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の完全飽和炭化水素ラジカルを表す。
基又は基の一部として本明細書で使用するとき、「C2~6アルキル」という用語は、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルなど、2~6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の完全飽和炭化水素ラジカルを表す。
基又は基の一部として本明細書で使用するとき、「C3-6シクロアルキル」という用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルなど、3~6個の炭素原子を有する完全飽和環状炭化水素ラジカルを定義する。
S(=O)又はSOがスルホニル部分を表すことは、当業者にとって明らかであろう。
CO又はC(=O)がカルボニル部分を表すことは、当業者にとって明らかであろう。
Hetは、特に特定されない限り、必要に応じて、任意の利用可能な環炭素又は窒素原子を介して、式(I)の分子の残りの部分に結合することができる。
それぞれ独立して、O、S、及びNから選択された1つ又は2つのヘテロ原子を含有する4~7員単環式完全飽和ヘテロシクリルの非限定的な例としては、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、1,4-ジオキサニル、オキセタニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びアゼチジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
Hetは、任意の利用可能な環炭素(C結合)を介して、式(I)の分子の残りの部分に結合している。
O、S、及びNから選択された1つのヘテロ原子を含有するC結合4~7員単環式完全飽和ヘテロシクリルの非限定的な例としては、C結合テトラヒドロピラニル、C結合テトラヒドロフラニル、C結合オキセタニル、及びC結合アゼチジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
一般に、「置換された」という用語が本発明において使用される場合は常に、文脈から特に指示がないか、又はそれから明らかでない限り、「置換」を使用して発現中に示される原子又はラジカル上の1つ以上の水素、特に1~4個の水素、より具体的に1~3個の水素、好ましくは1又は2個の水素、より好ましくは1個の水素が、正常な原子価を超えないという条件で、示された基からの選択で置き換えられること、及びその置換が、化学的に安定な化合物、すなわち、反応混合物からの有用な純度への単離に耐えるのに十分に堅牢な化合物をもたらすことを示すことを意味する。
置換基及び/又は変数の組み合わせは、そのような組み合わせが化学的に安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。「安定な化合物」は、反応混合物からの有用な純度への単離に耐えるのに十分に堅牢な化合物を示すことを意味する。
当業者は、「任意に置換された」という用語が、「任意に置換された」を使用して表現中に示される原子又はラジカルが置換されていてもよいか、又は置換されていなくてもよい(これは、それぞれ置換又は非置換を意味する)ことを意味することを理解するであろう。
2つ又は3つ以上の置換基が部分上に存在する場合、それらは、別段の指示がないか、又は文脈から明らかでない限り、同じ原子上の水素を置き換えることができるか、又はそれらは、その部分における異なる原子上の水素原子を置き換えることができる。
式(I)の化合物が、式(I-x)及び(I-y)の化合物
Figure 2023532592000004
を含むことは明らかであろう。
Figure 2023532592000005
任意の変数が任意の構成要素において2回以上発生する場合、各定義は独立している。
任意の変数が任意の式(例えば、式(I))において2回以上発生する場合、各定義は独立している。
本明細書で使用するとき、「対象」という用語は、治療、観察、若しくは実験の対象であるか、又は対象であったことがある、動物、好ましくは哺乳類(例えば、ネコ、イヌ、霊長類、又はヒト)、より好ましくはヒトを指す。
本明細書で使用するとき、「治療有効量」という用語は、治療されている疾患又は障害の症状の緩和若しくは逆転を含む、研究者、獣医、医師、又は他の臨床医により求められている組織系又は対象(例えば、ヒト)における生体学的反応又は薬効を生じさせる活性化合物又は医薬的薬剤の量を意味する。
「組成物」という用語は、特定の成分を特定の量で含む製品、及び特定の量の特定の成分の組み合わせから直接的又は間接的に得られる任意の製品を包含することを意図する。
本明細書で使用するとき、「治療」という用語は、必ずしも全ての症状の完全な消失を示すものではないが疾患の進行を遅延、妨害、阻止、又は停止させ得る全てのプロセスを指すことを意図する。
本明細書で使用するとき、「(本)発明の化合物」又は「本発明による化合物」という用語は、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を含むことを意味する。
本明細書で使用するとき、実線としてのみ示され、実線のくさび状の結合若しくはハッシュ化されたくさび状の結合として示されないか、又はそうでなければ1つ以上の原子の周囲に特定の配置(例えば、R、S)を有するものとして示される結合を有する任意の化学式は、各可能な立体異性体、又は2つ以上の立体異性体の混合物を企図する。
上記及び下記において、「式(I)の化合物」という用語は、その互変異性体及びその立体異性体を含むことを意味する。
上記及び下記の「立体異性体(stereoisomer)」、「立体異性体(stereoisomeric form)」又は「立体化学的異性体」という用語は、互換的に使用される。
本発明は、純粋な立体異性体としてか、又は2つ若しくは3つ以上の立体異性体の混合物としてのいずれかの、本発明の化合物の全ての立体異性体を含む。
エナンチオマーは、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体である。一対のエナンチオマーの1:1混合物は、ラセミ体又はラセミ混合物である。
アトロプ異性体(又はアトロポ異性体)は、大きな立体障害に起因して、単結合の周りの束縛回転から生じる、特定の空間配置を有する立体異性体である。式(I)の化合物の全てのアトロプ異性体は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
特に、本明細書に開示される化合物は、ビアリール結合の周りの即束縛回転によって軸性キラリティーを有し、そのため、アトロプ異性体の混合物として存在し得る。化合物が純粋なアトロプ異性体である場合、各キラル中心における立体化学は、R又はSのいずれかによって特定され得る。そのような指定はまた、1つのアトロプ異性体で濃縮された混合物に使用され得る。立体異性及び軸性キラリティー並びに配置の割り当てについての規則の更なる説明は、Eliel,E.L.&Wilen,S.H.「Stereochemistry of Organic Compounds」John Wiley and Sons,Inc.1994で見ることができる。
ジアステレオマー(又はジアステレオ異性体)は、エナンチオマーではない立体異性体であり、すなわち、それらは、鏡像として関連していない。化合物が二重結合を含有する場合、置換基は、E又はZ配置にあり得る。
二価の環状飽和又は部分飽和ラジカル上の置換基は、シス構成又はトランス配置のいずれかを有し得、例えば、化合物が二置換シクロアルキル基を含有する場合、置換基は、シス又はトランス配置にあり得る。
したがって、本発明は、化学的に可能な場合は常に、エナンチオマー、アトロプ異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体、及びそれらの混合物を含む。
全ての用語の意味、すなわち、エナンチオマー、アトロプ異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体、及びそれらの混合物は、当業者に知られている。
絶対配置は、Cahn-Ingold-Prelogシステムに従って特定される。非対称原子における配置は、R又はSのいずれかによって特定される。絶対配置が知られていない分解された立体異性体は、それらが平面偏光を回転させる方向に応じて、(+)又は(-)に指定することができる。例えば、絶対配置が知られていない分解されたエナンチオマーは、それらが平面偏光を回転させる方向に応じて、(+)又は(-)に指定され得る。光学活性(R)-及び(S)-アトロプ異性体は、キラルシントン、キラル試薬、若しくはキラル触媒を使用して調製され得るか、又はキラルHPLCなどの当該技術分野で周知の従来技術を使用して分解され得る。
特定の立体異性体が特定される場合、これは、当該立体異性体が他の立体異性体を実質的に含まない、すなわち、他の立体異性体の50%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満、更により好ましくは5%未満、特に2%未満、最も好ましくは1%未満と関連していることを意味する。したがって、式(I)の化合物が、例えば、(R)として特定される場合、これは、化合物が(S)異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が、例えば、Eとして特定される場合、これは、化合物がZ異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が、例えば、シスとして特定される場合、これは、化合物がトランス異性体を実質的に含まないことを意味し、式(I)の化合物が、例えば、Rとして指定される場合、これは、化合物がSアトロプ異性体を実質的に含まないことを意味する。
薬学的に許容される塩、特に薬学的に許容される添加塩には、酸付加塩及び塩基付加塩が含まれる。そのような塩は、従来の手段によって、例えば、遊離酸形態又は遊離塩基形態を、適切な塩基又は酸の1つ又は2つ以上の等価物と、任意に溶媒中で、又は塩が不溶性である媒体中で反応させ、続いて標準的な技術を使用して(例えば、真空で、凍結乾燥法によって、又は濾過によって)、当該溶媒又は当該媒体を除去することによって形成され得る。塩はまた、例えば、好適なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の本開示の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによって調製されてもよい。
上記及び下記で言及される薬学的に許容される塩は、式(I)の化合物及びその溶媒和物が形成可能である治療的に活性な非毒性酸及び塩基の塩形態を含むことを意味する。
適切な酸は、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば、塩酸若しくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの酸などの無機酸;又は例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわち、エタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわち、ブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクラム酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸、パモン酸などの酸などの有機酸を含む。逆に、上記塩基形態は、適切な塩基で処理することによって、遊離塩基形態に変換されることができる。
酸性プロトンを含有する式(I)の化合物又はその溶媒和物は、適切な有機塩基及び無機塩基での処理によって、それらの非毒性金属又はアミン塩形態に変換されてもよい。
適切な塩基塩形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリ及びアルカリ土類金属塩、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基、例えば、一級、二級及び三級脂肪族アミン及び芳香族アミン、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、4つのブチルアミン異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリン、及びイソキノリンを有する塩;ベンズアチン、N-メチル-グルカミン、ヒドラバミン塩、及びアミノ酸、例えばアルギニン、リジンなどを有する塩を含む。逆に、塩基形態は、酸で処理することによって、遊離塩基形態に変換されることができる。
溶媒和物という用語は、式(I)の化合物が形成することができる、溶媒付加形態、並びにその塩を含む。そのような溶媒付加形態の例は、例えば、水和物、アルコラートなどである。
以下に記載されるプロセスで調製される本発明の化合物は、エナンチオマーの混合物、特にエナンチオマーのラセミ混合物の形態で合成され得、これは、技術分野で既知の分解手順に従って互いに分離され得る。式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物のエナンチオマー形態を分離する方法は、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィを含む。当該純粋な立体化学的異性体はまた、反応が立体特異的に起こるという条件で、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体から誘導されてもよい。好ましくは、特定の立体異性体が所望される場合、当該化合物は、立体特異的な調製方法によって合成されるであろう。これらの方法は、有利には、エナンチオマー的に純粋な出発物質を採用するであろう。
本明細書で使用されるとき、「エナンチオマー的に純粋な」という用語は、製品が、少なくとも80重量%の1つのエナンチオマー及び20重量%以下の他のエナンチオマーを含有することを意味する。好ましくは、製品は、少なくとも90重量%の1つのエナンチオマー及び10重量%以下の他のエナンチオマーを含有する。最も好ましい実施形態では、「エナンチオマー的に純粋な」という用語は、組成物が、少なくとも99重量%の1つのエナンチオマー及び1%以下の他のエナンチオマーを含有することを意味する。
本発明はまた、本明細書に列挙されるものと同一である本発明の同位体標識された化合物を包含するが、それは、1つ又は2つ以上の原子が、通常天然に見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する原子(又は天然に見出される最も豊富な原子)によって置き換えられるという事実のためである。
本明細書で特定される任意の特定の原子又は元素の全ての同位体及び同位体混合物は、天然存在度で、又は同位体濃縮形態でのいずれかで天然に存在しても、合成的に生成されても、本発明の化合物の範囲内で企図される。本発明の化合物に組み込むことができる例示的な同位体としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体が挙げられ、H、H、11C、13C、14C、13N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、122I、123I、125I、131I、75Br、76Br、77Br、及び82Brなどがある。好ましくは、同位体は、H、H、11C、及び18Fの群から選択される。より好ましくは、同位体は、Hである。特に、重水素化合物は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
本発明のある特定の同位体標識された化合物(例えば、H及び14Cで標識されたもの)は、例えば、基質組織分布アッセイにおいて有用であり得る。トリチウム化(H)及び炭素-14(14C)同位体は、調製及び検出可能性の容易さのために有用である。更に、より重い同位体、例えば、重水素(すなわち、H)などによる置換を行うと、代謝安定性がより高くなり、その結果、ある特定の治療的利点が得られ、したがって、状況次第で好ましい場合がある。例えば、15O、13N、11C、及び18Fはなどの陽電子放出同位体は、陽電子放出断層撮影(positron emission tomography、PET)研究に有用である。がんにおけるPETイメージングは、腫瘍の位置特定及び識別、疾患の段階、並びに好適な治療を決定するのに役立つ有用性を見出す。ヒトがん細胞は、潜在的な疾患特異的分子標的である多くの受容体又はタンパク質を過剰発現する。腫瘍細胞上にあるそのような受容体又はタンパク質に、高い親和性及び特異性で結合する放射性標識されたトレーサは、診断イメージング及び標的放射性核種療法(Charron,Carlie L.et al.Tetrahedron Lett.2016,57(37),4119-4127)の大きな可能性を有する。更に、標的特異的PET放射線トレーサは、例えば、標的発現及び治療応答を測定することによって、病理を調査及び評価するためのバイオマーカーとして使用され得る(Austin R.et al.Cancer Letters(2016),doi:10.1016/j.canlet.2016.05.008)。
本発明は、特に、本明細書で定義される式(I)の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体(式中、
が、
Figure 2023532592000006
を表し、式中、「a」及び「b」が、どのように変数Xが分子の残りの部分に結合しているかを示し、
が、ハロを表し、
nが、0又は1を表し、
が、水素又は1つのHetで任意に置換されたC1~4アルキルを表し、
Hetが、それぞれ独立して、O、S、及びNから選択された1つ又は2つのヘテロ原子を含有する4~7員単環式完全飽和ヘテロシクリルを表し、
が、
Figure 2023532592000007
を表し、これは、両方の方向で分子の残りの部分に結合することができ、
が、1つの-OR置換基で任意に置換されたC1~6アルキルを表し、
が、水素、メチル、又は1つの-NR4a4b置換基で任意に置換されたC2~6アルキルを表し、
1aが、メチル又はエチルを表し、
が、-C2~4アルキル-O-C1~4アルキルを表し、
4a及びR4bが、それぞれ独立して、C1~4アルキルから選択され、
が、メチルを表し、
が、-CH-又は-S-を表す)、
並びにそれらの薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
本発明は、特に、本明細書で定義される式(I)の化合物、並びにその互変異性体及び立体異性体(式中、
が、
Figure 2023532592000008
を表し、式中、「a」及び「b」が、どのように変数Xが分子の残りの部分に結合しているかを示し、
が、ハロを表し、
nが、0又は1を表し、
が、水素又C1~4アルキルを表し、
が、
Figure 2023532592000009
を表し、これは、両方の方向で分子の残りの部分に結合することができ、
が、1つの-OR置換基で任意に置換されたC1~6アルキルを表し、
が、水素、メチル、又は1つの-NR4a4b置換基で任意に置換されたC2~6アルキルを表し、
1aが、メチル又はエチルを表し、
が、-C2~4アルキル-O-C1~4アルキルを表し、
4a及びR4bが、それぞれ独立して、C1~4アルキルから選択され、
が、メチルを表し、
が、-CH-又は-S-を表す)、
並びにそれらの薬学的に許容される塩及び溶媒和物に関する。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、
が、-S-を表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、
が、-CH-を表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rが、フルオロを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、
nが、1を表し、
が、フルオロを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、
が、1つの-OR置換基で任意に置換されたC1~6アルキルを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rが、メチルを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rが、Het、-OR、及び-NR4a4bからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されたC1~6アルキルを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rが、水素、又はHet、-OR、及び-NR4a4bからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されたC1~6アルキルを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、
が、水素、又はHet、-OR、及び-NR4a4bからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されたC1~6アルキルを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rが、メチルを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rが、水素を表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rが、
1つの-NR4a4b置換基で任意に置換されたC2~6アルキルを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rが、メチルを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rが、C1~4アルキルを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Rが、メチルを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、
が、1つのHetで任意に置換されたC1~4アルキルを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、
が、1つのHetで任意に置換されたC1~4アルキルを表し、
Hetが、モルホリニルを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、
が、1つのHetで任意に置換されたC1~4アルキルを表し、
Hetが、1-モルホリニルを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Hetが、モルホニルを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Hetが、1-モルホリニルを表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、nが、0を表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、nが、1を表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、nが、2を表す。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、Hetが、窒素原子を介して式(I)の分子の残りの部分に結合している。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、nが、1であり、Rが、以下に示されるように3位にある:
Figure 2023532592000010
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式中、nが、1であり、Rが、以下に示されるように3位にあり、Rが、フルオロを表す:
Figure 2023532592000011
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式(I)の化合物は、式(I-x)の化合物に制限される:
Figure 2023532592000012
式(I-x)の構造における全ての変数が、他の実施形態のいずれかで述べたような、式(I)の化合物又はその任意のサブグループについて定義されるように定義されることは明らかであろう。
ある実施形態では、本発明は、他の実施形態のいずれかで述べたような、それらの式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物、又はそれらの任意のサブグループに関し、式(I)の化合物は、式(I-y)の化合物に制限される:
Figure 2023532592000013
式(I-y)の構造における全ての変数が、他の実施形態のいずれかで述べたような、式(I)の化合物又はその任意のサブグループについて定義されるように定義されることは明らかであろう。
ある実施形態では、本発明は、一般的な反応スキームに定義される式(I)のサブグループに関する。
ある実施形態では、式(I)の化合物は、例示された化合物、その互変異性体及び立体異性体、任意のその薬学的に許容される塩、及び溶媒和物のうちのいずれかからなる群から選択される。
上記の実施形態の全ての可能な組み合わせは、本発明の範囲内に包含されるとみなされる。
化合物の調製のための方法
このセクションでは、文脈がそうでないことを示さない限り、他の全てのセクションにおいて、式(I)への言及は、本明細書で定義される他の全てのサブグループ及びその実施例も含む。
式(I)の化合物のいくつかの典型的な実施例の一般的な調製を以下に記載し、特定の実施例では、それらは通常、市販されているか、又は有機化学の分野における当業者によって一般的に使用される標準的な合成プロセスによって調製され得るかのいずれかである出発物質から調製される。以下のスキームは、本発明の実施例を示すものに過ぎず、本発明を何ら限定するものではない。
代替として、本発明の化合物はまた、当業者によって一般的に使用される標準的な合成プロセスと組み合わせて、以下の一般的なスキームに記載されるような類似の反応プロトコルによって調製されてもよい。
当業者は、スキームに記載される反応において、これは常に明示的に示されていないが、反応性官能基(例えば、ヒドロキシ、アミノ、又はカルボキシ基)を、これらが最終生成物中に望ましい場合、保護して、反応への望ましくない関与を回避することが必要であり得ることを理解するであろう。一般に、従来の保護基は、標準的な実施に従って使用することができる。保護基は、その後の好都合な段階において、当該技術分野で周知の方法を用いて除去することができる。
当業者は、スキームに記載される反応において、例えば、N-ガス雰囲気下など、不活性雰囲気下で反応を実施することが推奨又は必要であり得ることを理解するであろう。
反応混合物を反応作業前に冷却することが必要であり得ることは、当業者にとって明らかであろう(例えば、クエンチング、カラムクロマトグラフィ、抽出など、化学反応の生成物を単離及び精製するために必要な一連の操作を指す)。
当業者は、撹拌下で反応混合物を加熱することが反応結果を増強し得ることを理解するであろう。いくつかの反応では、従来の加熱の代わりにマイクロ波加熱を使用して、全体的な反応時間を短縮することができる。
当業者は、以下のスキームに示される別の一連の化学反応もまた、式(I)の所望の化合物をもたらし得ることを理解するであろう。
当業者は、以下のスキームに示される中間体及び最終化合物が、当業者によって周知の方法に従って更に官能化され得ることを理解するであろう。本明細書に記載される中間体及び化合物は、遊離形態で、又はその塩若しくは溶媒和物として単離され得る。本明細書に記載される中間体及び化合物は、互変異性体と立体異性体との混合物の形態で合成することができ、それは、その分野で既知の分解手順に従って互いに分離することができる。
全ての変数は、別途記載のない限り、又は文脈から明らかでない限り、式(I)の化合物について定義されるとおりである。以下のスキームで使用される化学略語の意味は、実施例における略語を含む表で定義されるとおりである。
式(I)の化合物は、スキーム1に従って、
Figure 2023532592000014
-式(II)の中間体を、例えば、LiOH又はNaOHなどの好適な塩基と、水又は水とジオキサン若しくはテトラヒドロフラン(THF)などの好適な有機溶媒との混合物、又はメタノール(MeOH)とTHFとの混合物などの好適な溶媒中で、室温又は60℃などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(II)の中間体は、式(III)の中間体を、例えば、ハロゲン化アルキルなどの好適なアルキル化剤RL(式中、Lが、好適な脱離基である))と、例えば、CsCOなどの好適な塩基の存在下で、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)などの好適な溶媒中で、例えば、室温又は60℃などの好適な温度にて反応させ、続いて、クロマトグラフ分離などの位置異性体の好適な分離によって調製することができる。
-式(III)の中間体は、式(IV)の中間体(式中、Rが、例えば、テトラヒドロピラニル(THP)などの好適な保護基である)を、例えば、HClなどの好適な脱保護剤と、例えば、MeOH、THF、又はこれらの混合物などの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-代替として、式(I)の中間体は、式(IV)の中間体(式中、Rが、式(I)でのように定義される)を、例えば、LiOH又はNaOHなどの好適な塩基と、水又は水とジオキサン若しくはテトラヒドロフラン(THF)などの好適な有機溶媒との混合物、又はMeOHとTHFとの混合物などの好適な溶媒中で、室温又は60℃などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
式(II)の中間体は、例えば、テトラヒドロピラニルなどの保護基を、Rの位置に有し得る。そのような場合、式(II)の中間体を、例えば、pTsOH(p-トルエンスルホン酸)又はHClなどの好適な脱保護試薬と、例えば、iPrOH(2-プロパノール)などの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させる。次のステップでは、得られた、保護されていない中間体を、ハロゲン化アルキルなどの好適なアルキル化剤RL(式中、Lが、例えば、好適な脱離基である)と、例えば、CsCOなどの好適な塩基の存在下で、例えば、DMFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温又は60℃などの好適な温度にて反応させることができる。Rが保護基である場合、Rの位置にある保護期が、Rに対して直交保護基でなければならないことは、当業者にとって明らかであろう。
式(IV)の中間体(式中、R1a、R、(R、R、及びYが、式(I)で定義されるとおりであり、R及びRが、それぞれ独立して、式(I)で定義されるとおりであるか、又は例えば、THP若しくはパラメトキシベンジル(PMB)などの保護基であり得る)は、スキーム2に従って、
Figure 2023532592000015
-式(V)の中間体を、例えば、ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)又はジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート(DTBAD)などの好適な試薬と、例えば、PPhなどの好適なホスフィンの存在下で、例えば、THF、トルエン、又はこれらの混合物などの好適な溶媒中で、例えば、室温又は70℃などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(V)の中間体は、式(VI)の中間体(式中、Yが、C=Oであり、R’が、Meである)を、例えば、BH.DMS(ボランジメチルスルフィド)などの好適な還元剤と、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温又は50℃などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-代替として、式(V)の中間体は、式(VI)の中間体(式中、Yが、CHであり、R’が、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)などの好適な保護基である)を、例えば、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)などの好適な脱保護剤と、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
式(VI))の中間体(式中、R1a、R、(R、Rが、式(I)で定義されるとおりであり、R及びRが、それぞれ独立して、式(I)で定義されるとおりであるか、又は例えば、THP若しくはパラメトキシベンジル(PMB)などの保護基であり得、Y/R’がC=O/Meであるか、又はY/R’が、CH/TBDMSであり、Yが、CHとして定義される)は、スキーム3に従って、
Figure 2023532592000016
-式(VII)の中間体を、例えば、水素ガスなどの好適な水素化剤と、例えば、3.5atmなどの好適な圧力で、例えば、Pd/Cなどの好適な触媒の存在下で、例えば、EtOAcなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(VII)の中間体は、式(VIII)の中間体を、式(IX)の中間体と、例えば、NaHなどの好適な塩基の存在下で、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(VIII)の中間体(式中、Yが、CHであり、R’が、TBDMSなどの保護基である)は、式(X)の中間体を、例えば、TBDMSClなどの好適な保護基前駆体と、例えば、イミダゾールなどの好適な塩基の存在下で、例えば、DCMなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(X)の中間体は、式(XI)の中間体を、例えば、MnOなどの好適な酸化剤と、例えば、DCMなどの好適な溶媒中で、例えば、溶媒の還流などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
及び/又はRが保護基である場合、保護基PR’が、直交保護基でなければならないことは、当業者にとって明らかであろう。
代替として、式(VI)の中間体(式中、R1a、R、(R、Rが、式(I)で定義されるとおりであり、R及びR2が、それぞれ独立して、式(I)で定義されるとおりであるか、又は例えば、THP若しくはパラメトキシベンジル(PMB)などの保護基であり得、Y/R’が、C=O/Meであるか、又はY/R’が、CH/TBDMSであり、Yが、CHとして定義される)は、スキーム4に従って、
Figure 2023532592000017
-最初に、式(XII)の中間体を、例えば、9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9-BBN)(CAS[280-64-8])などの好適なホウ素化剤と、例えば、テトラヒドロフラン(THF)などの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させ、次いで、形成された中間体を、式(XIII)の中間体と、例えば、1、1’-ビス(ジ-t-ブチルホスフィノ)フェノールパラジウムジクロリド(PdCl(dtbpf))(CAS[95408-45-0])などの好適な触媒の存在下で、式(XIII)の中間体と反応させることによって、例えば、KPOなどの好適な塩基の存在下で、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、95℃などの好適な温度にて反応させることによって、式(XII)の中間体を、式(XIII)の中間体と2ステップ手順で反応させることによって調製することができる。
-式(XII)の中間体は、式(XIV)の中間体(式中、Halが、例えば、Brなどの好適なハロゲンとして定義される)を、例えば、ビニルボロン酸ピナコールエステルなどの好適なビニル誘導体と、例えば、PdCl(dtbpf)(CAS[95408-45-0])などの好適な触媒の存在下で、例えば、NaCOなどの好適な塩基の存在下で、例えば、1.4-ジオキサンと水との混合物などの好適な溶媒中で、例えば、100℃などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XIV)の中間体は、式(XV)の中間体を、式(XVI)の中間体(Lが、例えば、I(ヨウ化物)などの好適な脱離基である)と、例えば、NaHなどの好適な塩基の存在下で、例えば、DMFなどの好適な溶媒中で、例えば、0℃などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
当業者は、このステップが、YがCHであり、R’がTBDMSである場合には、エステル官能基及び/又はTBDMS保護基の脱保護をもたらし得、この場合、式(XVIII)の中間体又はその部分的に保護された形態が得られることを認識するであろう。これらは、最初にアルコール官能基(存在する場合)を、例えば、TBDMSClなどの好適な保護基と、例えば、イミダゾール、若しくはDMAP、又はこれらの混合物など好適な塩基の存在下で、例えば、DCMなどの好適な溶媒中で、例えば、室温など好適な温度にて反応させ、第2に、カルボン酸官能基を、ヨウ化メチルなどの好適なメチル化剤と、KCOなどの好適な塩基の存在下で、DMFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温など好適な温度にて反応させることによって、式(XIV)の中間体に変換することができる。
-式(XVI)の中間体は、式(XVII)の中間体を、最初にメタンスルホン酸無水物などの好適な活性化剤と、例えば、DIPEAなどの好適な塩基の存在下で、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させ、次いで、この活性化中間体を、例えば、KIなど好適なLの供給源と反応させることによって調製することができる。
及び/又はRが保護基である場合、保護基R’が、直交保護基でなければならないことは、当業者にとって明らかであろう。
-式(XIII)及び(XVII)の中間体は、市販されているか、又は当業者に既知の反応プロトコルに従って調製することができる。
式(XV)の中間体(式中、R1a及びRが、式(I)で定義されるとおりであり、Rが、例えば、THP又はPMBなどの保護基であり、Rは、式(I)で定義されるとおりであり、Rが、H(水素)として定義され、Y/R’が、C=O/Meであり、又はY/R’が、CH/TBDMSである)は、スキーム5に従って、
Figure 2023532592000018
-式(XIX)の中間体(式中、Pが、例えば、p-メトキシベンジルなどの好適な保護基である)を、例えば、DDQなどの好適な脱保護剤と、例えば、DCMなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XIX)の中間体は、式(XX)の中間体を、例えば、MeI(ヨウ化メチル)などの好適なアルキル化試薬と、例えば、CsCOなどの好適な塩基の存在下で、例えば、DMFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XX)の中間体(式中、Pが、例えば、PMB又はTHPなどの好適な保護基であり、Yが、C=Oであり、R’が、Meである)は、メチル7-ブロモ-6-クロロ-3-(3-メトキシ-3-オキソプロピル)-1H-インドール-2-カルボキシレート(CAS[2143010-85-7])を、式(XXI)の中間体と、例えば[1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(Pd(dtbpf)Cl)の存在下で、例えば、CsCOなどの好適な塩基の存在下で、例えば、THFと水との混合物などの好適な溶媒中で、例えば、100℃などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
が保護基である場合、Pが、Rに対して直交保護基でなければならないことは、当業者にとって明らかであろう。この場合、R及びPの両保護基の追加の直交性が、R’に対してでなければならないことも、当業者にとって明らかであろう。
-代替として、この全合成経路は、例えば、TBDMSCl(tert-ブチルジメチルクロロシラン)などの好適な保護基試薬によるその保護後、メチル7-ブロモ-6-クロロ-3-(3-ヒドロキシプロピル)-1H-インドール-2-カルボキシレート(CAS[2245716-18-9])から、例えば、EtN(トリエチルアミン)又はDMAP(4-ジメチルアミノピリジン)、又はそれらの混合物などの好適な塩基の存在下で、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて開始することができ、中間体(式中、Yが、CHであり、R’が、TBDMSなどの好適な保護基である)をもたらす。
代替として、式(XIX)の中間体(式中、R1a及びRが、式(I)で定義されるとおりであり、R及びRが、それぞれ独立して、式(I)で定義されるとおりであるか、又は例えば、THP若しくはパラメトキシベンジル(PMB)などの保護基であり得、Rが、H(水素)として定義され、Y/R’が、CH/TBDMSである)は、スキーム6に従って、Y/R’がC=O/Meである式(XIX)の中間体から、
Figure 2023532592000019
-式(XXII)の中間体を、例えば、TBDMSClなどの好適な保護基前駆体と、例えば、イミダゾールなどの好適な塩基の存在下で、例えば、DCMなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXII)の中間体は、式(XXIII)の中間体を、例えば、BH.THF複合体などの好適な還元剤と、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXIII)の中間体は、式(XIX)の中間体(式中、Y/R’が、C=O/Meである)を、例えば、LiOHなどの好適な加水分解試薬と、例えば、THFと水との混合物などの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
式(XXI)の中間体(式中、R1a及びRが、式(I)で定義されるとおりであるか、又は代替的に、Rはまた、例えば、THPなどの好適な保護基であり得、Pが、例えば、PMB又はTBDMSなどの好適な保護基であり、B(OR)は、例えば、ピナコールエステルなどのボロン酸又は好適なボロン酸誘導体を表す)は、スキーム7に従って、
Figure 2023532592000020
-式(XXIV)の中間体を、例えば、イソプロポキシボロン酸ピナコールエステルなどの好適なボロン酸と、例えば、BuLiなどの好適な塩基の存在下で、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、-78℃などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXIV)の中間体は、式(XXV)の中間体を、例えば、TBDMSClなどの好適な保護基前駆体と、例えば、EtN又はDMAP、又はそれらの混合物などの好適な塩基の存在下で、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXV)の中間体は、式(XXVI)の中間体を、例えば、LiBHなどの好適な還元剤と、例えば、2-メチルテトラヒドロフラン(2-MeTHF)などの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXVI)の中間体は、当業者に既知の反応プロトコルに従って調製することができる。
式(IX)の中間体(式中、(Rが、式(I)で定義されたとおりであり、Pが、例えば、PMB又はtert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)などの好適な保護基である)は、スキーム8に従って、
Figure 2023532592000021
-式(XXVII)の中間体を、例えば、PPhなどの好適なホスフィンと、例えば、DCMなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXVII)の中間体(式中、Halが、クロロなどの好適なハロゲン化物として定義される)は、最初に、式(XXVIII)の中間体を、例えば、メシル無水物などの好適な活性化剤と、例えば、DIPEAなどの好適な塩基の存在下で反応させ、続いて、LiClなどの好適なハロゲン化物を、例えば、DCMなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて添加することによって調製することができる。
-式(XXVIII)の中間体は、式(XXIX)の中間体を、例えば、LiAlHなどの好適な還元剤と、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、0℃などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXIX)の中間体は、式(XXX)の中間体を、例えば、tert-ブチル(クロロ)ジフェニルシラン(TBDPSCl)又は4-メトキシベンジルクロリド(PMBCl)などの好適な保護試薬と、例えば、イミダゾール又はNaHなどの好適な塩基の存在下で、例えば、DMFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXX)の中間体は、市販されているか、又は当業者に既知の反応プロトコルに従って調製することができる。
式(XXXI)の中間体(式中、(R及びRが、式(I)で定義されるとおりであるか、又は、代替的に、Rが、例えば、THPなどの好適な保護基であり得、Pが、例えば、PMB又はTBDPSなどの好適な保護基であり、Lが、例えば、ヨウ化物などの好適な脱離基である)は、スキーム8に従って、
-式(XXXII)の中間体を、最初に、例えば、メシル無水物などの好適な活性化剤と、例えば、DIPEAなどの好適な塩基の存在下で反応させ、続いて、例えば、NaIなどの好適な脱離基前駆体を、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて添加することによって調製することができる。
-式(XXXII)の中間体は、式(XXXIII)の中間体を、例えば、LiAlHなどの好適な還元剤と、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、0℃などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXXIII)の中間体は、式(XXXIV)の中間体を、例えば、水素ガスなどの好適な水素化試薬と、例えば、15psiなどの好適な圧力で、例えば、Pd/Cなどの好適な触媒の存在下で、例えば、MeOH又はTHFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXXIV)の中間体は、式(XXXV)の中間体を、式(XXXVI)の中間体と、例えば、NaHなどの好適な塩基の存在下で、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、-30℃などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXXV)の中間体は、式(XXVIII)の中間体を、例えば、MnOなどの好適な酸化剤と、例えば、DCMなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
代替として、式(VI)の中間体(式中、R1a、R、(R、Rが、式(I)で定義されるとおりであり、R及びRが、それぞれ独立して、式(I)で定義されるとおりであるか、又は例えば、THP若しくはパラメトキシベンジル(PMB)などの保護基であり得、Y/R’が、C=O/Meであるか、又はY/R’が、CH/TBDMSであり、Yが、S(硫黄)として定義される)は、スキーム9に従って、
Figure 2023532592000022
-式(XXXVII)の中間体を、例えば、酢酸3-(アセチルチオ)ナフタレン-1-イルなどの好適な置換酢酸3-(アセチルチオ)ナフタレン-1-イルと、例えば、KCOなどの好適な塩基の存在下で、例えば、MeOH又はTHFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXXVII)の中間体は、式(XXXVIII)の中間体を、例えば、メシルクロリド(MsCl)などの好適な活性化剤と、例えば、EtNなどの好適な塩基の存在下で、例えば、DCMなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXXVIII)の中間体は、式(XXXIX)の中間体を、例えば、MgBrなどの好適な脱保護剤と、例えば、EtOなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XXXIX)の中間体は、式(XV)の中間体を、式(XL)の中間体(Rが、式(I)で定義されたとおりであるか、又はRが、保護基であり、Pが、例えば、THP若しくはTBDMSなどの好適な保護基であり、Lが、例えば、I(ヨウ化物)などの好適な脱離基である)と、例えば、NaHなどの好適な塩基の存在下で、例えば、DMFなどの好適な溶媒中で、例えば、0℃又は室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。R及び/又はRが保護基である場合、保護基P及びR’が、直交保護基でなければならないことは、当業者にとって明らかであろう。
式(XL)の中間体(式中、Rが、式(I)で定義されたとおりであるか、又は、Rが、例えば、THP若しくはPMBなどの好適な保護基であり、Pが、例えば、THP又はTBDMSなどの好適な保護基であり、Lが、例えば、I(ヨウ化物)などの好適な脱離基である)は、スキーム10に従って、
Figure 2023532592000023
-式(XLI)の中間体を、例えば、メシルクロリド(MsCl)などの好適な活性化剤と、例えば、EtNなどの好適な塩基の存在下で反応させ、続いて、例えば、NaIなどの好適な脱離基前駆体を、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて添加することによって調製することができる。
-式(XLI)の中間体は、式(XLII)の中間体を、例えば、LiAlHなどの好適な還元剤と、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、0℃などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XLII)の中間体は、式(XLIII)の中間体を、例えば、TBDMSClなどの好適な保護基前駆体と、例えば、イミダゾールなどの好適な塩基の存在下で、例えば、DCMなどの好適な溶媒中で、例えば、0℃又は室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XLIII)の中間体は、式(XLIV)の中間体を、例えば、NaBHなどの好適な還元剤と、例えば、MeOH、Me-THF、又はこれらの混合物などの好適な溶媒中で、例えば、0℃又は室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XLIV)の中間体は、市販されているか、又は当業者に既知の反応プロトコルに従って調製することができる。
が保護基である場合、保護基Pが、直交保護基でなければならないことは、当業者にとって明らかであろう。
式(XXXVI)の中間体(式中、Rが、式(I)で定義されたとおりであるか、又はRが、例えば、THP若しくはPMBなどの好適な保護基である)は、スキーム10に従って、
-式(XLV)の中間体を、例えば、PPhなどの好適なホスフィンと、例えば、ACNなどの好適な溶媒中で、例えば、溶媒の還流などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XLV)の中間体は、式(XLIII)の中間体を、例えば、メシルクロリド(MsCl)などの好適な活性化剤と、例えば、DCMなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
代替として、式(II)の中間体(式中、R1a、R、(R、Rが、式(I)で定義されるとおりであり、R及びRが、それぞれ独立して、式(I)で定義されるとおりであるか、又は例えば、THP若しくはパラメトキシベンジル(PMB)などの保護基であり得、Yが、S(硫黄)として定義される)は、スキーム11に従って、
Figure 2023532592000024
-式(XLVI)の中間体(式中、Lが、例えば、メシラートなどの好適な脱離基である)を、例えば、KCOなどの好適な塩基と、例えば、ACNなどの好適な溶媒中で、例えば、溶媒の還流などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XLVI)の中間体は、式(XLVII)の中間体(式中、Lが、例えば、メシラートなどの好適な脱離基である)を、酢酸3-(アセチルチオ)ナフタレン-1-イルなどの好適な置換酢酸3-(アセチルチオ)ナフタレン-1-イルと、例えば、PPhなどの好適な触媒の存在下で、例えば、KCOなどの好適な塩基の存在下で、例えば、MeOHなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XLVII)の中間体は、式(XI)の中間体を、例えば、メシルクロリド(MsCl)などの好適な活性化剤と、例えば、EtNなどの好適な塩基の存在下で、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
式(XI)の中間体(式中、R1a、R、Rが、式(I)で定義されるとおりであり、R及びRが、それぞれ独立して、式(I)で定義されたとおりであるか、又は例えば、THP若しくはパラメトキシベンジル(PMB)などの保護基であり得る)は、スキーム12に従って、
Figure 2023532592000025
-式(XXXIX)の中間体を、例えば、MgBr、又はpTsOH、又はHClなどの好適な脱保護剤と、例えば、EtO又は1,4-ジオキサンなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
式(XV)の中間体(式中、R1a及びRが、式(I)に定義されるとおりであり、Rが、例えば、THP又はPMBなどの保護基であり、Rは、式(I)でのように定義され、Rが、例えば、メチルなどの好適なアルキル基として定義され、Y/R’が、CH/TBDMSである)は、スキーム13に従って、
Figure 2023532592000026
-式(XLVIII)の中間体を、例えば、メチルマグネシウムブロミドなどの好適な炭素求核剤と、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、0℃などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
-式(XLVIII)の中間体は、式(XV)の中間体(式中、Rが、H(水素)として定義される)を、例えば、デス・マーチンペルヨージナン(CAS[87413-09-0])などの好適な酸化剤と、例えば、DCMなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
代替として、式(V)の中間体(式中、R1a、R、R、及び(Rが、式(I)で定義されるとおりであり、R及びRが、それぞれ独立して、式(I)で定義されるとおりであるか、又は例えば、THP若しくはパラメトキシベンジル(PMB)などの保護基であり得、Yが、CHである)は、スキーム14に従って、
Figure 2023532592000027
-式(XLIX)の中間体を、例えば、TBAFなどの好適な脱保護剤と、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、0℃などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
及び/又はRが保護基である場合、保護基Pが、直交保護基でなければならないことは、当業者にとって明らかであろう。
-式(XLIX)の中間体は、式(XV)の中間体を、式(XXXI)の中間体と、例えば、NaHなどの好適な塩基の存在下で、例えば、THFなどの好適な溶媒中で、例えば、室温などの好適な温度にて反応させることによって調製することができる。
適切な官能基が存在する場合、様々な式の化合物又はそれらの調製に使用される任意の中間体は、縮合反応、置換反応、酸化反応、還元反応、又は切断反応を用いる1つ又は2つ以上の標準合成方法によって更に誘導体化され得ることが理解されるであろう。特定の置換手法としては、従来のアルキル化、アリール化、ヘテロアリール化、アシル化、スルホニル化、ハロゲン化、ニトロ化、ホルミル化、及びカップリング手順が挙げられる。
式(I)の化合物は、エナンチオマーのラセミ混合物の形態で合成され得、これは、技術分野で既知の分解手順に従って互いに分離され得る。塩基性窒素原子を含有する式(I)のラセミ化合物は、好適なキラル酸との反応によって、対応するジアステレオマー塩形態に変換され得る。その後、当該ジアステレオマー塩形態は、例えば、選択的又は分別的結晶によって分離され、エナンチオマーは、アルカリによってそれから遊離される。式(I)の化合物のエナンチオマー形態を分離する代替的な方法は、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィを含む。当該純粋な立体化学的異性体はまた、反応が立体特異的に起こるという条件で、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体から誘導されてもよい。
本発明の化合物の調製において、中間体の遠隔官能基(例えば、一級又は二級アミン)の保護が必要であり得る。そのような保護の必要性は、遠隔機能の性質及び調製方法の条件によって変化するであろう。そのような保護の必要性は、当業者によって容易に決定される。保護基及びそれらの使用の一般的な説明については、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,4th ed.,Wiley,Hoboken,New Jersey,2007を参照されたい。
化合物の薬理学
本発明の化合物は、MCL-1抗アポトーシス活性など、より多くのMCL-1活性のうちの1つを阻害することが見出されている。
MCL-1阻害剤は、アポトーシス促進エフェクターであるBak及びBax又はBH3のみの増感剤、例えば、Bim、Noxa、又はPumaなどに結合し、抑制する能力など、1つ又は2つ以上のMCL-1機能を遮断する化合物である。
本発明の化合物は、MCL-1生存促進機能を阻害することができる。したがって、本発明の化合物は、がんなど、免疫系の影響を受けやすい疾患を治療及び/又は予防する、特に治療するのに有用であり得る。
本発明の別の実施形態では、本発明の化合物は、例えば、免疫調節を通じて抗腫瘍特性を示す。
ある実施形態では、本発明は、がんを治療及び/又は予防するための方法を対象とし、がんは、本明細書に記載されるものから選択され、方法は、それを必要とする対象(好ましくはヒト)に、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含む。
ある実施形態では、本発明は、がんを治療及び/又は予防するための方法を対象とし、方法は、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、がんは、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、B細胞性リンパ芽球性白血病、B細胞慢性リンパ性白血病(CLL)、膀胱がん、乳がん、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸腺がん、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、食道がん、濾胞性リンパ腫、胃がん、頭頸部がん(頭頸部扁平上皮がんを含むがこれに限定されない)、造血がん、肝細胞がん、ホジキンリンパ腫、肝臓がん、肺がん(肺腺がんを含むがこれらに限定されない)、リンパ腫、髄芽腫、黒色腫、意義不明の単クローン性高ガンマグロブリン血症、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、骨髄増殖性腫瘍、卵巣がん、卵巣明細胞がん、卵巣漿液性嚢胞腺腫、膵臓がん、真性赤血球増加症,前立腺がん、直腸腺がん,腎細胞がん、無症候性多発性骨髄腫、T細胞性急性リンパ芽球性白血病、T細胞リンパ腫、及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症からなる群から選択される。
別の実施形態では、本発明は、がんを治療及び/又は予防するための方法を対象とし、方法は、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、がんは、好ましくは、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、B細胞性リンパ芽球性白血病、B細胞慢性リンパ性白血病(CLL)、乳がん、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、造血がん、ホジキンリンパ腫、肺がん(肺腺がんを含むがこれらに限定されない)リンパ腫、意義不明の単クローン性高ガンマグロブリン血症、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄線維症、骨髄増殖性腫瘍、無症候性多発性骨髄腫、T細胞性急性リンパ芽球性白血病、T細胞リンパ腫、及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症からなる群から選択される。
別の実施形態では、本発明は、がんを治療及び/又は予防するための方法を対象とし、方法は、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、がんは、腺がん、良性単クローン性免疫グロブリン血症、胆道がん(胆管がんを含むがこれに限定されない)、膀胱がん、乳がん(breast cancer)(乳房の腺がん、乳房の乳頭がん、乳がん(mammary cancer)、乳房の髄様がんを含むがこれらに限定されない)、脳腫瘍(髄膜腫を含むがこれに限定されない)、神経膠腫(星状細胞腫、乏突起膠腫:髄芽腫を含むがこれらに限定されない)、気管支がん、子宮頸がん(子宮頸部腺がんを含むがこれに限定されない)、脊索腫、絨毛がん、結腸直腸がん(結腸がん、直腸がん、結腸直腸腺がんを含むがこれらに限定されない)、上皮がん、内皮肉腫(カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫を含むがこれらに限定されない)、子宮内膜がん(子宮がん、子宮肉腫を含むがこれらに限定されない)、食道がん(食道の腺がん、バレットを含むがこれらに限定されない)、ユーイング肉腫、胃がん(胃腺がんを含むがこれに限定されない)、消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor、GIST)、頭頸部がん(頭頸部扁平上皮がんを含むがこれに限定されない)、造血がん(急性リンパ性白血病(ALL)(B細胞ALL、T細胞ALLを含むがこれらに限定されない)、急性骨髄性白血病(AML)(例えば、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(chronic myelocytic leukemia、CML)(例えば、B細胞CML、T細胞CML)、及び慢性リンパ性白血病(CLL)(例えば、B細胞CLL、T細胞CLL)などの白血病、並びにホジキンリンパ腫(Hodgkin lymphoma、HL)(B細胞HL、T細胞HLを含むがこれらに限定されない)及び非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin lymphomaNHL)(例えば、びまん性大細胞型リンパ腫(diffuse large cell lymphoma、DLCL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma、DLBCL))などのB細胞NHLなどのリンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/small lymphocytic lymphoma、SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(粘膜関連リンパ組織(mucosa-associated lymphoid tissue、MALT)リンパ腫、結節辺縁帯B細胞リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫B細胞リンパ腫を含むがこれらに限定されない)、原発性縦隔B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンストロームマクログロブリン血症を含むがこれに限定されない)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、有毛細胞白血病(hairy cell leukemia、HCL)、前駆体Bリンパ芽球性リンパ腫、及び原発性中枢神経系(central nervous system、CNS)リンパ腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病などのT細胞NHL、末梢性T細胞リンパ腫(peripheral T-cell lymphoma、PTCL)(例えば、皮膚T細胞リンパ腫(cutaneous T-cell lymphoma、CTCL)(真菌症、セザリー症候群を含むがこれらに限定されない)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、結節外ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸疾患型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞性リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、上記の1つ又は2つ以上の白血病/リンパ腫の混合、多発性骨髄腫(multiple myeloma、MM)、重鎖疾患(アルファ鎖疾患、ガンマ鎖疾患、ミュー鎖疾患を含むがこれらに限定されない)、免疫細胞性アミロイドーシス、腎臓がん(腎芽腫、別名ウィルムス腫瘍、腎細胞がんを含むがこれらに限定されない)、肝臓がん(肝細胞がん(hepatocellular cancer、HCC)、悪性肝細胞がんを含むがこれらに限定されない)、肺がん(気管支原性がん、非小細胞肺がん(non-small cell lung cancer、NSCLC)、扁平上皮肺がん(squamous lung cancer、SLC)、肺の腺がん、ルイス肺がん、肺神経内分泌腫瘍、定型カルチノイド、非定型カルチノイド、小細胞肺がん(small cell lung cancer、SCLC)、及び大細胞神経内分泌がんを含むがこれらに限定されない)、骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes、MDS)、骨髄増殖性疾患(myeloproliferative disorder、MPD)、真性多血症(polycythemia vera、PV)、本態性血小板増加症(essential thrombocytosis、ET)、原発性骨髄線維症(agnogenic myeloid metaplasia、AMM)、別名骨髄線維症(myelofibrosis、MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(chronic neutrophilic leukemia、CNL)、好酸球増多症候群(hypereosinophilic syndrome、HES)、卵巣がん(嚢胞腺がん、卵巣胚性がん、卵巣腺がんを含むがこれらに限定されない)、膵臓がん(膵臓腺がん、膵管内乳頭状粘液性腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm、IPMN)、膵島細胞腫瘍を含むがこれらに限定されない)、前立腺がん(前立腺腺がんを含むがこれに限定されない)、皮膚がん(扁平上皮がん(squamous cell carcinoma、SCC)、ケラトアカントーマ(keratoacanthoma、KA)、黒色腫、基底細胞がん(basal cell carcinoma、BCC)を含むがこれらに限定されない)、並びに軟部組織肉腫(例えば、悪性線維性組織球腫(malignant fibrous histiocytoma、MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(malignant peripheral nerve sheath tumor、MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫)からなる群から選択される。
別の実施形態では、本発明は、がんを治療及び/又は予防するための方法を対象とし、方法は、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、がんは、良性単クローン性免疫グロブリン血症、乳がん(breast cancer)(乳房の腺がん、乳房の乳頭がん、乳がん(mammary cancer)、乳房の髄様がんを含むがこれらに限定されない)、造血がん(急性リンパ性白血病(ALL)(B細胞ALL、T細胞ALLを含むがこれらに限定されない)、急性骨髄性白血病(AML)(例えば、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例えば、B細胞CML、T細胞CML)、及び慢性リンパ性白血病(CLL)(例えば、B細胞CLL、T細胞CLL)、並びにホジキンリンパ腫(HL)(B細胞HL、T細胞HLを含むがこれらに限定されない)及び非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma、DLBCL))などのB細胞NHLなどのリンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、結節辺縁帯B細胞リンパ腫、脾辺縁帯リンパ腫B細胞リンパ腫を含むがこれらに限定されない)、原発性縦隔B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンストロームマクログロブリン血症を含むがこれに限定されない)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、有毛細胞白血病(HCL)、前駆体Bリンパ芽球性リンパ腫、及び原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病などのT細胞NHL、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)(例えば、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)(真菌症、セザリー症候群を含むがこれらに限定されない)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、結節外ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸疾患型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞性リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、上記の1つ又は2つ以上の白血病/リンパ腫の混合、多発性骨髄腫(MM)、重鎖疾患(アルファ鎖疾患、ガンマ鎖疾患、ミュー鎖疾患を含むがこれらに限定されない)、免疫細胞性アミロイドーシス、肝臓がん(肝細胞がん(HCC)、悪性肝細胞がんを含むがこれらに限定されない)、肺がん(気管支原性がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、扁平上皮肺がん(SLC)、肺の腺がん、ルイス肺がん、肺神経内分泌腫瘍、定型カルチノイド、非定型カルチノイド、小細胞肺がん(SCLC)、及び大細胞神経内分泌がんを含むがこれらに限定されない)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性疾患(MPD)、前立腺がん(前立腺腺がんを含むがこれに限定されない)からなる群から選択される。
別の実施形態では、本発明は、がんを治療及び/又は予防するための方法を対象とし、方法は、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、がんは、前立腺、肺、膵臓、乳房、卵巣、子宮頸、黒色腫、B細胞慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)からなる群から選択される。
別の実施形態では、本発明は、がんを治療及び/又は予防するための方法を対象とし、方法は、それを必要とする対象、好ましくはヒトに、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含み、がんは、多発性骨髄腫である。
本発明による化合物、又は当該化合物を含む医薬組成物はまた、PD1/PDL1免疫チェックポイント軸の阻害剤、例えば、PD-1の活性若しくはPD-L1の活性、及び又はCTLA-4、若しくは腫瘍関連抗原を標的とする操作されたキメラ抗原受容体T細胞(chimeric antigen receptor T cells、CART)に結合かつ/又は阻害する抗体(又はペプチド)などの免疫調節剤と組み合わせて治療用途を有し得る。
本発明による化合物、又は当該化合物を含む医薬組成物はまた、放射線療法若しくは化学療法剤(抗がん剤を含むがこれに限定されない)、又はがんを有する対象に、当該対象のがんの治療のため、若しくは当該対象のがんの治療に関連する副作用の治療若しくは予防のために投与される任意の他の医薬品と組み合わされてもよい。
本発明による化合物、又は当該化合物を含む医薬組成物はまた、ワクチンなどの免疫応答を刺激又は増強する他の薬剤と組み合わされてもよい。
ある実施形態では、本発明は、がん(がんは、本明細書に記載のものから選択される)を治療及び/又は予防するための方法に関し、方法は、それを必要とする対象(好ましくはヒト)に治療有効量の共療法又は併用療法を投与することを含み、共療法又は併用療法が、本発明の式(I)の化合物と、(a)免疫調節剤(PD1/PDL1免疫チェックポイント軸の阻害剤、例えば、PD-1の活性若しくはPD-L1の活性、及び又はCTLA-4に結合かつ/又は阻害する抗体(又はペプチド)などの免疫調節剤、(b)腫瘍関連抗原を標的とする操作されたキメラ抗原受容体T細胞(CART)、(c)放射線療法、(d)化学療法、並びに(e)ワクチンなどの免疫応答を刺激又は増強する薬剤、からなる群から選択される1つ以上の抗がん剤と、を含む。
本発明は、薬剤として使用するための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
本発明は、MCL-1活性の阻害に使用するための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
本明細書で使用するとき、特に明記しない限り、「抗がん剤」という用語は、「抗腫瘍細胞成長剤」及び「抗新生物剤」を包含するものとする。
本発明は、上記の疾患(好ましくはがん)の治療及び/又は予防する際に使用するための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
本発明は、上記の疾患(好ましくはがん)を治療及び/又は予防するための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
本発明は、本明細書に記載されるように、疾患、好ましくはがんを治療及び/又は予防する、特に治療するための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
本発明は、本明細書に記載されるように、疾患、好ましくはがん(例えば、多発性骨髄腫)を治療及び/又は予防する、特に治療する際に使用するための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
本発明は、MCL-1媒介性疾患又は状態、好ましくはがん、より好ましくは本明細書に記載されるがん(例えば、多発性骨髄腫)を治療及び/又は予防するための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
本発明は、MCL-1媒介性疾患又は状態、好ましくはがん、より好ましくは本明細書に記載されるがん(例えば、多発性骨髄腫)を治療及び/又は予防する際に使用するため、特に治療する際に使用するための式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
本発明は、薬剤の製造のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
本発明は、MCL-1の阻害のための薬剤の製造のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
本発明は、がん、好ましくは本明細書に記載されるがんを治療及び/又は予防する、特に治療するための薬剤の製造のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。より具体的には、がんは、MCL-1の阻害に応答するがん(例えば、多発性骨髄腫)である。
本発明は、上記の疾患状態のうちのいずれか1つを治療及び/又は予防するための、特に治療するための薬剤の製造のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
本発明は、上記の疾患状態のうちのいずれか1つを治療及び/又は予防するための薬剤の製造のための、式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物を対象にする。
式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物は、上記の疾患のうちのいずれか1つを治療及び/又は予防するために、対象、好ましくはヒトに投与することができる。
式(I)の化合物、並びにその薬学的に許容される塩及び溶媒和物の有用性を考慮すると、上記疾患のうちのいずれかに罹患している対象、好ましくはヒトなどの哺乳動物を治療する方法、又は対象、ヒトにおける上記の疾患のうちのいずれかの進行を遅らせる方法、又は対象、好ましくはヒトなどの哺乳動物が上記の疾患のうちのいずれか1つを罹患しないように予防する方法が提供される。
当該方法は、ヒトなどの対象への、有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物の投与、すなわち、全身又は局所投与、好ましくは経口又は静脈内投与、より好ましくは経口投与を含む。
当業者は、治療有効量の本発明の化合物が治療活性を有するのに十分な量であり、この量がとりわけ、疾患の種類、治療製剤中の化合物の濃度、及び患者の状態によって変化することを認識するであろう。ある実施形態では、1日の治療有効量は、約0.005mg/kg~100mg/kgであり得る。
治療効果を達成するために必要とされる、本明細書において活性成分とも呼ばれる本発明による化合物の量は、例えば、特定の化合物、投与経路、レシピエントの年齢及び状態、並びに治療される特定の障害又は疾患により、個々の場合に応じて異なり得る。本発明の方法はまた、1日あたり1~4回の摂取量のレジメンで活性成分を投与することを含み得る。本発明のこれらの方法では、本発明による化合物は、好ましくは投与前に製剤化される。
本発明はまた、本明細書で言及される障害(好ましくは、本明細書に記載されるがん)を治療及び/又は予防するための組成物を提供する。当該組成物は、治療有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物、及び薬学的に許容される担体又は希釈剤を含む。
活性成分(例えば、本発明の化合物)を単独で投与することが可能であるが、それを医薬組成物として投与することが好ましい。したがって、本発明は更に、薬学的に許容される担体又は希釈剤と共に、本発明による化合物を含む医薬組成物を提供する。担体又は希釈剤は、組成物の他の成分と適合性があり、かつそのレシピエントに有害ではないという意味で「許容可能」でなければならない。
本発明の医薬組成物は、例えば、Gennaro et al.Remington’s Pharmaceutical Sciences(18th ed.,Mack Publishing Company,1990、特に、Part8:Pharmaceutical preparations and their Manufactureを参照されたい)に記載されているものなどの方法を使用して、薬学の分野で周知の任意の方法によって調製することができる。
本発明の化合物は、単独でか、又は1つ以上の追加の治療剤と組み合わせて使用され得る。併用療法は、本発明による化合物及び1つ以上の追加の治療薬を含有する単一の薬剤投与製剤を投与すること、並びに本発明による化合物、及び各追加の治療剤をそれ自身の別個の薬剤投与製剤で投与することを含む。
したがって、ある実施形態では、本発明は、第1の活性成分として本発明による化合物を、更に、追加の活性成分として1つ又は2つ以上の抗がん剤を、がんに罹患している患者の治療における同時、別個、又は連続的使用のための組み合わせ調製物として含む製品を対象とする。
1つ以上の他の抗がん剤及び本発明による化合物は、同時に(例えば、別個の又は単一の組成物で)、又はいずれかの順序で順次に投与され得る。ある実施形態では、2つ又は3つ以上の化合物は、有利な又は相乗効果が達成されることを確実にするのに十分な期間内及び/又は量及び/又は様式で投与される。組み合わせの各成分のための、好ましい投与の方法及び順序並びにそれぞれの投与量及びレジームは、投与される特定の他の抗がん剤及び本発明の化合物、それらの投与経路、治療される特定の状態、特に腫瘍、並びに治療される特定の宿主に依存することが理解されるであろう。
以下の実施例は、本発明を更に説明する。
本発明の化合物を調製するためのいくつかの方法を、以下の実施例に示す。特に明記しない限り、全ての出発材料は、商業的供給業者から入手し、更に精製することなく使用したか、又は代替として、周知の方法を使用することによって当業者によって合成することができる。
Figure 2023532592000028
当業者によって理解されるように、示されるプロトコルを使用して合成された化合物は、残留溶媒又は少量の不純物を含有し得る。
当業者は、以下の実験プロトコルに明示的に言及されていない場合であっても、典型的にはカラムクロマトグラフィ精製後に、所望の画分を収集し、溶媒を蒸発させたことを理解するであろう。
立体化学が示されていない場合、これは、特に示されていないか、又は文脈から明らかでない限り、立体異性体の混合物であることを意味する。
一部の中間体は、位置異性体の混合物として報告される(例えば中間体53)。
Figure 2023532592000029
これは、中間体が、以下の2つの位置異性体の混合物であることを意味する:
Figure 2023532592000030
中間体の調製
粗中間体としてか、又は部分的に精製された中間体として次の反応ステップで使用された中間体については、場合によっては、次の反応ステップにおけるそのような中間体についてはモル量が言及されていないか、あるいは次の反応ステップにおけるそのような中間体については推定モル量又は理論的モル量が以下に記載される反応プロトコルに示される。
中間体1
Figure 2023532592000031
TBDPSCl(14.66g、1.5当量)を、窒素雰囲気下で、0℃に冷却したDCM(500mL)中のメチル7-フルオロ-4-ヒドロキシ-2-ナフトエート(CAS[2092726-85-5])(8g、35.56mmol)及びイミダゾール(7.26、3当量)の溶液に添加した。添加完了後、反応物を室温で一晩撹拌した。水(100mL)の添加によって反応をクエンチした。混合物をEtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色い油を得た。この油をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:EtOAc-1:0→1:1)によって精製して、中間体1(14g、収率:86%)を黄色の油として得た。
中間体2
Figure 2023532592000032
LiAlH(1.39g、1.2当量)を、窒素雰囲気下で、0℃に冷却したTHF(200mL)中の中間体1(14g、30.53mmol)の溶液にゆっくりと添加した。添加完了後、反応混合物を0℃で2時間撹拌した。0℃で水(2mL)、続いて10%NaOH水溶液(2mL)をゆっくりと添加することによって反応をクエンチした。不均一混合物を濾過し、濾過ケークをDCM(200mL)で洗浄した。濾液を蒸発させ、残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:EtOAc 1:0→1:1)によって精製して、中間体2(12g、収率:90%)を黄色の固体として得た。
中間体3
Figure 2023532592000033
MnO(29g、12当量)を室温でDCM(200mL)中の中間体2(12g、27.87mmol)の溶液に添加した。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶離液:石油エーテル/EtOAc、100/0→50/50)によって精製して、中間体3(12g、99%)を黄色の油として得た。
中間体4
Figure 2023532592000034
NaH(鉱油中60%、1.45g、1.3当量)を、0℃でTHF(200mL)中の((3-(メトキシカルボニル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)メチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(CAS[2245716-31-6]、13.812g、1.1当量)の懸濁液に添加した。得られた溶液をこの温度で1時間撹拌した後、-30℃に冷却した。中間体3(12g、27.85mmol)を-20℃~-30℃の温度を維持しながら、溶液にゆっくりと添加した。添加完了後、反応物を-30℃で2時間撹拌した。水(100mL)をゆっくりと添加することによって反応をクエンチした。混合物を、DCM(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(石油エーテル:EtOAc 1:0→1:1)によって精製して、中間体4(13g、82%)を白色の固体として得た。
中間体5
Figure 2023532592000035
MeOH(75mL)及びTHF(75mL)中の中間体4(13g、23.02mmol)の溶液を、Pd/C(2g)の存在下の25℃(15psi H)で水素化した。反応混合物を16時間撹拌した。H(1当量)の取り込み後、触媒を濾別し、濾液を蒸発させて、中間体5(13g、収率:100%)を無色の油として得た。
中間体6
Figure 2023532592000036
LiAlH(1.05g、1.2当量)を、窒素雰囲気下で、0℃でTHF(200mL)中の中間体5(13g、22.94mmol)の溶液に滴下した。反応混合物を0℃で2時間撹拌した。次いで、0℃で水(1mL)、続いて10%NaOH水溶液(1mL)を滴下した。反応混合物を濾過し、濾過ケークをDCM(200mL)で洗浄し、濾液を蒸発させた。粗生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶離液:石油エーテル/EtOAc、100/0→0/100)によって精製して、中間体6(10.4g、収率:84%)を白色の固体として得た。
中間体7
Figure 2023532592000037
DIPEA(21mL、1.98当量)及びメタンスルホン酸無水物(21.45g、2当量)を、0℃でTHF(800mL)中の(5-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)メタノール(CAS[1782396-26-2]、11.76g、0.062mol)の溶液に滴下した。添加が完了すると、溶液を室温で1時間撹拌してから、ヨウ化ナトリウム(46.14g、5当量)を添加した。撹拌を、室温で更に14時間続けた。反応混合物をEtOAc(400mL)で希釈し、水(250mL)で洗浄し、層を分離した。水性層をEtOAcで抽出し(3x100mL)、合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発させた。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、330gカラム、ヘプタン中0~100%のEtOAc)を使用して粗生成物を精製して、中間体7(13.00g、収率:70%)を淡橙色の粉末として得た。
中間体8
Figure 2023532592000038
1,4-ジオキサン(50mL)及び水(12mL)中のメチル7-ブロモ-6-クロロ-3-(3-メトキシ-3-オキソプロピル)-1H-インドール-2-カルボキシレート(CAS[2143010-85-7])(2.42g、6.19mmol)、3-(((4-メトキシベンジル)オキシ)メチル)-1,5-ジメチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(CAS[2143010-90-4])(3.2g、1.15当量)、及びCsCO(4.03g、2当量)を、窒素下で10分間脱気した。次いで、PdCl(dtbpf)(CAS[95408-45-0])(121mg、0.03当量)を添加し、反応混合物を100℃で一晩加熱した。水及びEtOAcを反応混合物に添加した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィ(シリカ;へプタン/EtOAc勾配)によって精製して、中間体8(2.35g、収率:70%)を薄茶色の発泡体として得た。
中間体9
Figure 2023532592000039
中間体8(2.35g、4.352mmol)を乾燥DMF(40mL)に溶解し、CsCO(2.13g、1.5当量)を添加した。反応混合物を20分間撹拌してから、0℃でヨードメタン(542μL、2当量)を添加した。反応混合物を2時間撹拌した。水を添加し、層を分離した。水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を濃縮して、中間体9(1.975g、収率:79%)を茶色の油として得、精製することなく使用した。
中間体10
Figure 2023532592000040
LiOH(3.89g、2当量)を、水(300mL)及びTHF(100mL)中の中間体9(45g、81.22mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を、DCMで抽出した(3×500mL)。有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させて、中間体10(40g、収率:91%)を黄色の油として得、更に精製することなく使用した。
中間体11
Figure 2023532592000041
ボラン-THF複合体(1M、296mL、2当量)を、窒素雰囲気下の0℃でTHF(600mL)中の中間体10(80g、148mmol)の溶液に滴下した。反応混合物を、室温で3時間撹拌した。混合物を、DCMで抽出した(3×500mL)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(溶出液:石油エーテル/EtOAc、100/0→1/1)により精製した。純粋な画分を回収し、溶媒を蒸発させて、中間体11(50.83g、収率:62%)を白色の固体として得た。
中間体12
Figure 2023532592000042
TBDMSCl(4.09g、1.5当量)を、0℃でDCM(100mL)中で撹拌しながら、中間体11(10g、18.1mmol)及びイミダゾール(2.46g、2当量)の溶液に添加した。次いで、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をDCM(50mL)及び水(100mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をDCM(100mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(120g、勾配:ヘプタン100%→ヘプタン/EtOAc 6/4)によって精製して、中間体12(11.4g、収率:98%)を黄色がかったペーストとして得た。
中間体13
Figure 2023532592000043
DDQ(5.254g、1.3当量)を、0℃で撹拌しながらDCM(120mL)中の中間体12(11.4g、17.804mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。Celite(登録商標)を添加し、5分間の激しい撹拌後、混合物を濾過した(DCMでCelite(登録商標)パッドを洗浄した)。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(120g、ヘプタン:EtOAc 100:0→0:100)によって精製し、中間体13(5.75g、収率:62%)を得た
中間体14
Figure 2023532592000044
NaH(鉱油中の60%分散液、797mg、1.5当量)を、窒素雰囲気下の0℃で無水DMF(100mL)中の中間体13(6.91g、13.29mmol)の溶液に添加した。反応混合物を0℃で10分間撹拌してから、冷却を除去した。DMF(70mL)中の中間体7(4g、1当量)の溶液を、シリンジポンプ(0.2mL/分)を介して添加した。LiOH(1.2g、3.7当量.)を添加し、反応混合物を30℃で2時間撹拌した。次いで、PTSA(16.02g、7当量)を添加し、反応混合物を30℃で72時間撹拌した。反応混合物を、NaOH水溶液(25%溶液)を使用して塩基化し、次いでEtOAc(100mL)で希釈した。層を分離した。水層をAcOHで中和し、EtOAcで抽出した(5×100mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗中間体14(6.2g)を得、これを更に精製することなく使用した。
中間体15
Figure 2023532592000045
TBDMSCl(2g、2.5当量)、続いてDMAP(0.13g、0.2当量)を、室温でDCM(50mL)中の中間体14(6g、5mmol)及びイミダゾール(1.45g、4当量)の撹拌溶液に添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌した。追加のTBDMSCl(2g、2.5当量)及びイミダゾール(1.45g、4当量)を添加し、反応混合物を1時間撹拌した。反応混合物をDCM(150mL)で希釈し、水(150mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、80gカラム、DCM中0~5%MeOH)によって精製し、生成物を含有する純粋な画分を合わせ、濃縮して、中間体15(1.7g、収率:47%)を透明な黄色の油として得た。
中間体16
Figure 2023532592000046
MeI(390μL、2.5当量)を、0℃に冷却した無水DMF(9mL)中の中間体15(1.7g、2.5mmol)及びKCO(346mg、1当量)の溶液に滴下した。次いで、反応物を室温で10分間撹拌した。反応混合物をEtOAc(10mL)及び水(50mL)で希釈した。水層をDCMで抽出した(5×10mL)。合わせた有機層を水で洗浄し(4x5mL)、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、中間体16(1.61g、純度80%、74%)を黄色の油として得、更に精製することなく使用した。
中間体17
Figure 2023532592000047
マイクロウェーブバイアルに入った、水(0.75mL)及び1,4-ジオキサン(2mL)中の中間体16(320mg、0.369mmol)、ビニルボロン酸ピナコールエステル(0.1mL、1.6当量)、及びNaCO(77mg、2当量)の溶液を、窒素流下で10分間脱気してから、PdCl(dtbpf)(CAS[95408-45-0]、70mg、0.3当量)を添加した。溶液を更に2分間脱気し、バイアルを密封し、マイクロ波照射下の100℃で2.5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(20mL)及び水(20mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(3×20mL)。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、8gカラム、DCM中0~7%のMeOH)によって精製した。純粋な画分を合わせ、濃縮して、中間体17(0.22g、収率:93%)を茶色の油として得た。
中間体18
Figure 2023532592000048
9-BBN(THF中0.5M、3.79mL、5.5当量)をTHF(0.5mL)中の中間体17(0.22g、0.344mmol)の溶液に室温で滴下した。得られた溶液を窒素で10分間脱気してから、圧力管内で密封し、窒素雰囲気下の50℃で30分間加熱した。反応混合物を室温に冷却してから、KPO(0.24g、3.3当量)、水(1.2mL)、THF(6mL)、3-ブロモ-1-ヒドロキシナフタレン(0.50g、6.5当量)及びPdCl(dtbpf)(CAS[95408-45-0])(52mg、0.2当量)をこの順序で添加した。得られた混合物を、窒素流を使用して10分間脱気した。次いで、圧力管を密封し、窒素雰囲気下の95℃で12時間加熱した。室温に冷却した後、溶媒を蒸発させた。残渣をEtOAc(20mL)に溶解した。層を分離し、有機層を水(10mL)で洗浄した。水層をEtOAcで抽出した(3×20mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、12gカラム、DCM中0~7%のMeOH)によって精製し、生成物を含有する純粋な画分を合わせ、濃縮して、中間体18(0.18g、収率:66%)を薄茶色の油として得た。
中間体19
Figure 2023532592000049
TBAF(THF中1M、0.37mL、1.6当量)を無水THF(4mL)中の中間体18(0.18g、0.23mmol)の溶液に室温で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をDCM(10mL)に溶解し、水(5mL)で洗浄した。水層をEtOAcで抽出し(3×10mL)、合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、中間体19(0.16g、収率:定量的)を粘着性の茶色の油として得、更に精製することなく使用した。
中間体20及び中間体21
Figure 2023532592000050
無水トルエン(5mL)及び無水THF(3mL)中の中間体19(0.15g、0.224mmol)及びDTBAD(206mg、4当量)の溶液を、窒素流下で10分間脱気した。この溶液を、シリンジポンプ(0.1mL/分)を介して、70℃で無水トルエン(15mL)中のPPh(235mg、4当量)の脱気溶液に添加した。添加が完了すると、反応混合物をEtOAc(20mL)で希釈した。層を分離し、有機層を水(10mL)で洗浄した。水層をEtOAcで抽出した(3×20mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、8gカラム、DCM中の0~5% MeOH)によって精製し、純粋な画分を合わせ、濃縮して中間体20及び中間体21との混合物を得た(0.06g、収率:41%)を得た。中間体20及び中間体21の混合物の数回のバッチを合わせ、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、50×150mm、移動相:水中の0.25%NHHCO溶液、CHCN)によって更に精製した。最後に、中間体20及び中間体21の精製混合物を、SFC(固定相:Chiralpak Diacel AD20×250mm、移動相:CO、iPrOH+0.4 iPrNH)によってそのアトロプ異性体に分離して、中間体20(37mg、収率:9%)及び中間体21(41mg、収率:10%)を透明な油として得た。
中間体22
Figure 2023532592000051
DIPEA(0.64mL、2当量)、続いてメタンスルホン酸無水物(0.65g、2当量)を0℃に冷却したTHF(45mL)中の中間体6(1.0g、1.86mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。次いで、ヨウ化ナトリウム(1.39g、5当量)を混合物に添加し、それを室温で1時間更に撹拌した。反応混合物をDCM(100mL)で希釈し、水(20mL)で洗浄した。水層をDCM/iPrOH3:1(2×30mL)で抽出し、合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮して、暗黄色の油を得た。この油をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、24gのカラム、DCM中0~3% MeOH)によって精製して、中間体22(1.1g、収率:91%)を得た。
中間体23
Figure 2023532592000052
無水THF(5mL)中の中間体13(0.74g、1.42mmol)及び中間体22(1.11g、1.2当量)の溶液を、窒素雰囲気下で、無水THF(6mL)中のNaH(鉱油中の60%分散液、94mg、1.65当量)の冷却した(0℃)懸濁液に1時間かけて滴下した。反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を、真空で約1/5の体積に濃縮し、DCM(20mL)及び水(15mL)に再溶解した。層を分離し、水層をiPrOH/DCM(25/75、3×30mL)で再抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、中間体23(1.7g、定量的と想定)を粘着性の茶色の固体として得、更に精製することなく使用した。
中間体24
Figure 2023532592000053
TBAF(THF中1M、3.67mL、2当量)を、窒素雰囲気下の0℃で、乾燥THF(5mL)中の中間体23(1.7g、1.84mmol)の溶液に滴下した。4時間後、反応混合物を0℃に冷却し、EtO(20mL)及び水(20mL)で希釈した。EtOAc(100mL)で更に希釈した後に、層を分離し、水層をEtOAcで再抽出した(3×50mL)。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、80gカラム、DCM中の0~4% MeOH)を使用して粗生成物を精製して、中間体24(0.35g、収率:2ステップで27%)をオフホワイトの個体として得た。
中間体25及び中間体26
Figure 2023532592000054
無水トルエン(14mL)及び無水THF(3mL)中の中間体24(350mg、0.51mmol)の溶液を窒素流下で10分間脱気してから、ジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート(0.47g、4当量)を添加した。この溶液を更に10分間脱気してから、シリンジポンプ(0.2mL/分)を介して、70℃で脱気無水トルエン(30mL)中のPPh(0.52g、4当量)の溶液に添加した。添加が完了すると、反応混合物を1/5の体積に濃縮してから、EtOAc(100mL)で希釈した。有機層を水(15mL)、続いてブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、12gカラム、DCM中の0~4% MeOH)を使用して精製して、中間体25と中間体26との混合物を得た。この混合物を、分取SFC(固定相:Chiralcel Diacel OJ 20×250mm、移動相:CO、MeOH+0.4%iPrNH)によってその個々のアトロプ異性体に分離して、中間体25(56mg、収率:16%)及び中間体26(55mg、収率:16%)を得た。
中間体27
Figure 2023532592000055
EtN(2.396mL、3当量)を、DCM(40mL)中の1-メチル-5-[[(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ]メチル]-1H-ピラゾール-3-メタノール(CAS[2245716-15-6])(1.3g、5.745mmol)に添加した。得られた反応混合物を0℃に冷却してから、MsCl(1.115mL、2.5当量)をゆっくり添加した。添加が完了すると、反応混合物を室温に温め、3時間撹拌した。反応物を減圧下で濃縮して黄色の油を得た。この油を、EtOAc(15mL)と飽和NaHCO水溶液(10mL)とに分配した。層を分離し、水層をEtOAc(15mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して黄色の油を得た。この油をACN(20mL)に溶解し、NaI(1.5g、1.75当量)を添加した。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物をセライトのパッドに通して濾過し、減圧下で濃縮した。粗組成物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(ヘプタン:EtOAc-1:0→3:1)によって精製して、中間体27(1.38g、収率:68%)を黄色の油として得た。
中間体28
Figure 2023532592000056
NaH(鉱油中の60%分散液、115mg、1.5当量)を、窒素雰囲気下の0℃で、DMF(18mL)中の中間体13(1g、1.923mmol)の溶液に添加した。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで氷浴を外し、DMF(7mL)中の中間体27(1g、1.55当量)の溶液をシリンジポンプ(0.15mL/分)を介して添加した。添加後に、反応物を室温で更に16時間撹拌した。水(50mL)を添加することにより反応物をクエンチし、EtOAc(100mL)で希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄した(3×30mL)。合わせた水層をEtOAc(50mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(80g、勾配:DCM 100%→DCM/MeOH 96/4)によって精製して、中間体28(1.125g、収率:80%)を黄色がかったペーストとして得た。
中間体29
Figure 2023532592000057
MgBr(2.53g、10当量)を、EtO中の中間体28(1g、1.373mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で45分間撹拌した。次いで、追加のMgBr(0.5g、2当量)を添加し、反応混合物を更に5分間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)及び水(30mL)で希釈した。有機層を分離し、水(30mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(40g、勾配:DCM 100%→DCM/MeOH 95/5)によって精製して、中間体29(715mg、収率:81%)を無色のペーストとして得た。
中間体30
Figure 2023532592000058
MsCl(215μL、2.5当量)を、窒素雰囲気下の0℃で撹拌しながら、DCM(25mL)中の中間体29(715mg、1.11mmol)及びTEA(463μL、3当量)の溶液に滴下した。次いで、反応混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。反応混合物をDCM(25mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(20mL)で処理した。有機層を分離し、水層をDCM(25mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、中間体30(定量的と想定)を得、更に精製することなく使用した。
中間体31及び中間体32
Figure 2023532592000059
CO(201mg、1.5当量)を、脱気MeOH中のエタンチオイン酸、S-[4-(アセチルオキシ)-2-ナフタレニル]エステル(CAS[2143010-96-0])(328mg、1.3当量)の溶液に添加した。5分後に、THF(5mL)中の粗中間体30(700mg、0.969mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。追加のKCO(201mg、1.5当量)を添加した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAc(50mL)及び水(30mL)に溶解した。有機層を分離し、水層をEtOAc(50mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(80g、勾配:DCM 100%→DCM/MeOH(NH)95/5)によって精製して、中間体31(420mg、収率:54%)及び中間体32(110mg、収率:16%)をいずれも泡状の固体として得た。
これを中間体32に変換するために、中間体31(420mg、0.523mmol)を乾燥THF(10mL)に溶解し、TBAF(THF中1M、680μL、1.3当量)を、窒素雰囲気下の0℃で撹拌しながら添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌してから、追加のTBAF(THF中1M、680μL、1.3当量)を添加し、反応混合物を3時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(30mL)に溶解し、水(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(40g、勾配:DCM 100%→DCM/MeOH 95/5)によって精製して、別のバッチの中間体32(270mg、収率:2ステップで40%)を泡状の個体として得た。
中間体33及び中間体34
Figure 2023532592000060
トルエン(12mL)及びTHF(2mL)中の中間体32(380mg、0.552mmol)及びDTBAD(508mg、4当量)の溶液を、70℃で撹拌しながら、トルエン(12mL)中のPPh(579mg、4当量)の溶液にシリンジポンプ(0.1mL/分)で添加した。添加が完了したら、反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(40g、勾配:DCM100%→DCM/MeOH(NH)97.5/2.5)によって精製して、泡状の白色の個体を産生した。この固体を、分取SFC(固定相:Chiralcel Diacel OJ 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4 iPrNH)によってアトロプ異性体に分離して、中間体33(122mg、収率:33%)及び中間体34(122mg、収率:33%)を得た。
中間体35
Figure 2023532592000061
TBDMSCl(3.436g、1.1当量)を、DCM(100mL)中の4-ブロモ-5-エチル-1-メチル-1H-ピラゾール-3-メタノール(CAS[2138198-53-3])(4.54g、20.72mmol)、DMAP(633mg、0.25当量)、及びEtN(5.76mL、2当量)の溶液に複数回に分けて添加した。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物をDCM(50mL)及び水(50mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をDCM(50mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(120g、勾配:ヘプタン100%→ヘプタン/EtOAc 7/3)によって精製して、中間体35(6.22g、収率:90%)を無色のペーストとして得た。
中間体36
Figure 2023532592000062
THF(50mL)中の中間体35(2g、6mmol)の溶液を窒素雰囲気下で-78℃に冷却した。BuLi(ヘキサン中2.5M、3.12mL、1.3当量)を滴下し、混合物を-78℃で45分間撹拌した。次いで、イソプロポキシ4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(CAS[61676-62-8])(1.714mL、1.4当量)を滴下し、反応物を室温まで温めた。反応物を水(50mL)でクエンチし、DCM(100mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をDCM(50mL)で抽出した。合わせた有機層をMgsOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(80g、勾配:ヘプタン100%→ヘプタン/EtOAc 7/3)によって精製して、中間体36(1.526g、収率:67%)を白色の個体として得た。
中間体37
Figure 2023532592000063
TBAF(THF中1M、4.54mL、1.05当量)を、窒素雰囲気下の0℃で撹拌しながら、乾燥THF(35mL)中の中間体36(1.645g、4.324mmol)の溶液に滴下した。30分後、反応物を室温まで温め、一晩撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)及び水(10mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(2×10mL)。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(40g、勾配:DCM 100%→DCM/MeOH 96/4)によって精製して、中間体37(990mg、収率:86%)を白色の個体として得た。
中間体38
Figure 2023532592000064
Tert-ブチルジメチルシリルクロリド(2.06g、1.4当量)を、0℃でDCM(80mL)中のメチル7-ブロモ-6-クロロ-3-(3-ヒドロキシプロピル)-1H-インドール-2-カルボキシレート(CAS[2245716-18-9])(3.5g、9.78mmol)及びイミダゾール(1g、1.5当量)の混合物に少しずつ添加した。次いで、DMAP(59mg、0.05当量)を添加し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、水で洗浄した。有機層を分離し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させて、中間体38(4.46g、収率87%)を得、更に精製することなく使用した。
中間体39
Figure 2023532592000065
ジオキサン(12mL)及び水(3mL)中の中間体38(1.2g、2.604mmol)、中間体37(901mg、1.3当量)、及びKCO(720mg、2当量)の混合物を、窒素を数分間バブリングすることによって脱気した。次いで、PdCl(dtbpf)(CAS[95408-45-0])(85mg、0.05当量)を添加し、反応混合物を80℃で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(100mL)及び水(50mL)で希釈した。水層を分離し、EtOAc(50mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(40g、勾配:DCM 100%→DCM/MeOH 95/5)によって精製して、中間体39(1.365g、定量的)を黄色がかった発泡体として得た。
中間体40
Figure 2023532592000066
MeI(180μL、1.1当量)を、DMF(8mL)中の中間体39(1.365g、2.624mmol)及びCsCO(1.71g、2当量)の懸濁液に滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(60mL)及び水(50mL)で希釈した。水層を分離し、有機層をブラインで洗浄した(2×25mL)。合わせた水層をEtOAc(50mL)で逆抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(40g、勾配:ヘプタン100%→ヘプタン/EtOAc 3/7)によって精製して、中間体40(1.086g、収率:77%)を黄色がかった固体として得た。
中間体41及び中間体42
Figure 2023532592000067
中間体41及び中間体42は、中間体13の代わりに中間体40から開始して、それぞれ中間体33及び中間体34と同様の手順によって調製した。
中間体43
Figure 2023532592000068
デス・マーチンペルヨージナン(CAS[87413-09-0])(6.12g、1.5当量)を、室温でDCM(100mL)中の中間体13(5g、9.613mmol)の溶液に添加し、反応混合物を2時間撹拌した。飽和NaHCO水溶液を添加し、得られた溶液をDCMで抽出した(2×100mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(ヘプタン:EtOAc)によって精製して、中間体43(4.58g、収率:92%)を淡黄色の油として得た。
中間体44
Figure 2023532592000069
メチルマグネシウムブロミド(THF中3.4M、2.9mL、2.6当量)を、THF(30mL)中の中間体43(1.95g、3.76mmol)の氷冷した撹拌溶液に滴下した。2時間後0℃で、反応物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、水及びEtOAcで希釈した。層を分離し、有機層をブラインで処理し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、中間体44(2g、収率:99%)を油として得た。
中間体45
Figure 2023532592000070
THF(10mL)中の中間体44(2g、3.74mmol)の溶液を、室温で乾燥THF(30mL)中のNaH(鉱油中の60%分散液、0.24g、1.6当量)の撹拌懸濁液に滴下した。添加の完了後、撹拌を30分間続けてから、THF(10mL)中の中間体27(2.14g、1.7当量)の溶液を滴下した。16時間後室温で、溶液をEtOAc/飽和NHClに分配した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで処理し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して黄褐色の油を得た。この油をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、DCM中0~10% MeOH)によって精製して、中間体45(1.95g、収率70%)を黄色がかった油として得た。
中間体46
Figure 2023532592000071
MgBr(4.84g、10当量)を、EtO(100mL)中の中間体45(1.95g、2.63mmol)の撹拌溶液に添加した。1時間の撹拌後、追加のMgBr(4.84g、10当量)を添加し、撹拌を室温で16時間続けた。茶色の懸濁液をEtOAc及び水で希釈し、層を分離した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層をブラインで処理し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して油を得た。この油をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、DCM中の0~10%MeOH)によって精製して、中間体46(0.72g、収率50%)を油として得た。
中間体47
Figure 2023532592000072
MsCl(0.41mL、4当量)を、THF(25mL)中の中間体46(0.72g、1.32mmol)及びTEA(1.1mL、6当量)の氷冷した撹拌溶液に滴下した。氷浴を外し、撹拌を室温で1時間続けた。懸濁液をEtOAcで希釈し、水で処理し、層を分離した。水層をEtOAcで抽出し(2×)、合わせた有機層を緩衝液pH=4(クエン酸/NaHPO)、ブラインで処理し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、中間体47(1.1g、定量的)を油として得、更に精製することなく中間体47として使用した。
中間体48
Figure 2023532592000073
CO(0.65g、3当量)を、MeOH(25mL)中の中間体47(1.1g、1.57mmol)、3-(アセチルチオ)ナフタレン-1-イルアセテート(CAS[2143010-96-0])(0.48 g、1.16 当量)、及びPPh(60mg、0.14当量)の撹拌し、完全に脱気した(15分間の窒素バブリング)溶液に添加した。室温で30分間撹拌した後、懸濁液を部分的に濃縮し、DCM及び水で希釈し、層を分離した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、40g Redisepフラッシュカラム;DCM中の0~5% MeOH)によって精製して、中間体48(0.61g、収率49%)を黄色がかった油として得た。
中間体49、中間体50、中間体51、及び中間体52
Figure 2023532592000074
Figure 2023532592000075
ACN(15mL)中の中間体48(610mg、0.78mmol)の溶液を、シリンジポンプを使用して0.05mL/分の速度で、ACN(50mL)中のKCO(250mg、2.3当量)の高温(82℃)の撹拌した懸濁液に滴下した。添加が完了したら、懸濁液を真空で濃縮し、水及びDCMで希釈し、層を分離した。有機層を水で処理し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(40g Redisepカラム、DCM中の0~4% MeOH)によって精製した。生成物(ジアステレオ異性体の混合物)を、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、50×150mm、移動相:水中の0.25% NHHCO溶液)によって更に精製して、2つのラセミ混合物を得た。第1のラセミ混合物を、分取SFC(固定相:Chiralpak Daicel ID 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)によってエナンチオマーに更に分離して、中間体49(54mg、収率:10%)及び中間体50(56mg、収率:10%)を粘着性の固体として得た。第2のラセミ混合物を、分取SFC(固定相:Chiralpak Daicel ID 20×250mm、移動相:CO、EtOH+0.4% iPrNH)によってエナンチオマーに更に分離して、中間体51(25mg、収率:5%)及び中間体52(34mg、収率:6%)を粘着性の個体として得た。
中間体53
Figure 2023532592000076
乾燥MeOH(22mL)及び乾燥Me-THF(32mL)中の1H-ピラゾール-3,5-ジカルボン酸、1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-3,5-ジメチルエステル(CAS[406486-55-3])(6.09g、22.7mmol)の溶液を、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。NaBH(536mg、0.6当量)を、0℃で10分間かけて4回添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで、室温で3.5時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、追加のNaBH(400mg、0.46当量)を添加した。反応混合物を室温で2.5時間撹拌した。アセトン、水、及びEtOAcをゆっくり添加することによって、反応物をクエンチした。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(×3)。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO120g RediSep、DCM/MeOH 100/0→95/5)によって精製し、中間体53(6.2g、収率:88%)を淡黄色の油として得た。
中間体54
Figure 2023532592000077
乾燥DCM(20mL)中の中間体53(3.43g、11.14mmol)及びイミダゾール(1.06g、1.4当量)の溶液を、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。TBDMSCl(2.01g、1.2当量)を1分間かけて2回添加し、白色懸濁液をもたらした。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで、室温で17時間撹拌した。飽和NHCl水溶液を添加することによって反応物をクエンチした。層を分離し、有機層を飽和NHCl水溶液で洗浄し、合わせた水層をDCMで抽出し(×3)、合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。得られた無色の油をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、80g RediSep、n-ヘプタン中のEtOAc 0/100→40/60)によって精製し、中間体54(3.86g、収率:81%)を無色の油として得た。
中間体55
Figure 2023532592000078
乾燥THF(44mL)中の中間体54(3.86g、10.89mmol)の溶液を、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。LiAlH(THF中2Mの溶液、6.21mL、1.14当量)を、窒素雰囲気下で滴下した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した。EtOAcをゆっくり添加し、続いて、ロッシェル塩の飽和水溶液を添加することによって、反応物をクエンチした。この混合物を室温で5分間撹拌した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(×3)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(×2)、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、中間体物55(3.54mg、収率:99%)を無色の油として得た。
中間体56
Figure 2023532592000079
乾燥DCM(72mL)中の中間体55(3.37g、10.32mmol)の溶液を、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。TEA(4.3mL、3当量)を添加し、続いて、MsCl(2mL、2.5当量)を滴下した。添加が完了すると、反応混合物を室温に温め、3.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcと飽和NaHCO水溶液とに分配した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(×3)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(×2)、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、黄色の油を得た。この油を、窒素雰囲気下で乾燥ACN(65mL)に溶解した。NaI(2.71g、1.75当量)を添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物をCelite(登録商標)のパッドに通して濾過した。濾液を飽和Na水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、120g RediSep、ヘプタン/EtOAc 100/0→0/100)によって精製し、中間体56(3.68g、収率:80%)を黄色の油として得た。
中間体57
Figure 2023532592000080
乾燥THF(60mL)中の中間体56(3.55g、1.05当量)及び中間体13(4.08g、7.747mmol)の溶液を、窒素雰囲気下の0℃で、乾燥THF(20mL)中のNaH(鉱油中の60%分散液、465mg、1.5当量)の懸濁液に20分かけて滴下した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、室温で3時間撹拌した。MeOHを一滴添加し、続いて、飽和NHCl水溶液を一滴添加することによって、反応物をクエンチした。混合物をEtOAcで希釈し、水及びブラインを添加した。層を分離した。有機層をブラインで洗浄し、合わせた水層をEtOAcで抽出した(×3)。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、120g RediSep、DCM/MeOH、100/0→90/10)によって精製して、中間体57(5.6g、収率:79%)を濃い淡黄色の油として得た。
中間体58
Figure 2023532592000081
TBAF(THF中の1M溶液、16.89mL、2.5当量)を、窒素下の0℃で、乾燥THF(127mL)中の中間体57(5.6g、6.758mmol)の溶液に添加した。氷浴を外し、反応混合物を室温で40分間撹拌した。飽和NHCl水溶液を添加することによって反応物をクエンチし、層を分離した。有機層をブラインで洗浄し(×2)、合わせた水層をEtOAc(×3)及びDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、茶色の油を得た。この油をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、120g RediSep、DCM/MeOH、100/0→90/1)によって精製して、ジイソプロピルエーテルの添加時に固化した淡黄色の油を得、濾過後に、中間体58(3.58g、収率:59%)を淡黄色の固体として得た。
中間体59
Figure 2023532592000082
EtN(1.04mL、3当量)を、乾燥THF(31mL)中の中間体58(1.5g、2.5mmol)の溶液に添加した。反応混合物を0℃に冷却してから、MsCl(0.48mL、2.5当量)をゆっくり添加した。添加が完了すると、反応混合物を室温に温め、1.5時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水を添加した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(×3)。合わせた有機層を飽和NHCl水溶液、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し(30℃の浴槽)、中間体59を淡黄色の発泡体として得、更に精製することなく中間体59として使用した。
中間体60
Figure 2023532592000083
粗中間体59(1.89g、2.5mmol)を、窒素雰囲気下でMeOH(77mL)及びTHF(80mL)に溶解した。反応混合物を窒素で2回再充填し、窒素を10分間バブリングすることによって脱気した。3-(アセチルチオ)ナフタレン-1-イルアセテート(CAS[2143010-96-0])(748mg、1.15当量)及びPPh(65mg、0.1当量)を、窒素で2回再充填し、窒素を10分間バブリングすることによって脱気した反応混合物に添加した。全ての試薬が溶液中に入ったら、反応混合物を0℃に冷却してから、KCOK(864mg、2.5当量)を添加した。反応混合物を再び窒素で2回再充填し、窒素を10分間バブリングすることによって脱気した。反応混合物を0℃で1.5時間撹拌した。反応混合物をDCM及び水で希釈した。層を分離し、水層をDCMで抽出した(×3)。合わせた有機層を飽和NHCl水溶液及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して濃い赤色の油を得た。この油をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、40g RediSep、ヘプタン/EtOAc、100/0→0/100)によって精製して、ジイソプロピルエーテルの添加時に濃い無色の油を得、中間体60(1.56g、収率:48%)を得た。
中間体61
Figure 2023532592000084
中間体60(3.02g、3.611mmol)を、窒素雰囲気下で乾燥ACN(20mL)に溶解した。得られた溶液を、シリンジポンプ(0.05mL/分)を介して、窒素雰囲気下の82℃で、乾燥ACN(270mL)中のKCO(998mg、2当量)の溶液に添加した。添加が完了すると、反応混合物を82℃で30分間撹拌した。冷却後、反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、80g RediSep、ヘプタン/EtOAc、100/0→0/100)によって精製し、ジイソプロピルエーテルの添加時に固化した、茶色がかった油を得た。濾過して、中間体61(2.25g、収率59%)を茶色の固体として得た。
中間体62及び中間体63
Figure 2023532592000085
HCl(MeOH中1.25M、11.89mL、50当量)を、0℃で乾燥THF(12mL)中の中間体61(220mg、0.297mmol)の溶液に滴下した。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取SFC(固定相:Chiralcel Diacel OJ 20x250mm、移動相:CO、EtOH+0.4 iPrNH)によって精製して、中間体62(46mg、収率:23%)及び中間体63(46mg、収率:23%)をいずれも淡黄色の固体として得た。
中間体64及び中間体65
Figure 2023532592000086
Figure 2023532592000087
2-ジメチルアミノエチルクロリド塩酸塩(CAS[4584-46-7])(54mg、3.5当量)を、窒素雰囲気下の25℃で、乾燥DMF(1mL)中の中間体62(70mg、0.107mmol)及びCsCO(208mg、6当量)の懸濁液に添加した。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物をEtOAc及び水で希釈した。有機層をブラインで洗浄し(×3)、合わせた水層をEtOAcで抽出した(×3)。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣を分取SFC(固定相:Chiralpak Diacel AD 20x250mm、移動相:CO、EtOH+0.4 iPrNH)によって精製して、中間体64(30mg、収率:39%)及び中間体65(16mg、収率:20%)をいずれも淡黄色の発泡体として得た。
中間体66
Figure 2023532592000088
エチル4-ブロモ-5-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート(CAS[2246368-58-9])(15.35g、48.39mmol)を乾燥2-Me-THF(200mL)に溶解し、0℃に冷却した。LiBH(THF中4M、48.39mL、4当量)をゆっくりと添加し、反応混合物を室温に温め、この温度で一晩撹拌した。この反応物を水でクエンチした。水層をEtOAcで抽出した(×3)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させて、中間体66(12.83g、収率:96%)を白色の粉末として得た。
中間体67
Figure 2023532592000089
窒素雰囲気下の乾燥THF(5mL)中の中間体66(200mg、0.73mmol)の溶液に、室温でDMAP(35mg、0.4当量)及びEtN(0.2mL、2当量)を添加した。次いで、TBDMSCl(115mg、1.05当量)を添加した。完全に変換させるために、追加のTBDMSCl(109mg、1当量)及びEtN(0.1mL、1当量)を反応混合物に添加し、更に1時間撹拌した。NaHCO及びDCMを反応混合物に添加した。層を分離し、水層をDCMで2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィ[Biotage Isolera 1//Biotage SnapUltraシリカ25g//EtOAc/ヘプタン:0/100→40/60]によって精製して、中間体67(238mg、収率84%)を無色の油として得た。
中間体68
Figure 2023532592000090
THF(50mL)中の中間体67(5g、12.84mmol)の溶液を、窒素雰囲気下で-78℃に冷却した。BuLi(ヘキサン中2.5M、7.19mL、1.4当量)を滴下し、混合物を-78℃で20分間撹拌した。次いで、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(CAS[61676-62-8])(3.93mL、1.5当量)を添加し、反応物を室温に温めた。室温で15分後、反応物を水でクエンチし、DCMで希釈した。層を分離した。水相をDCMで抽出した(3×)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、中間体68(6.01g、収率:62%)を無色の油として得、更に精製することなく使用した。
中間体69
Figure 2023532592000091
乾燥Me-THF(50mL)中の中間体68(6.01g、7.99mmol)の溶液に、窒素雰囲気下でTBAF(THF中1M、9.58mL、1.2当量)をゆっくりと添加した。反応混合物を15時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO水溶液、次いでブラインで洗浄し、合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィ[Biotage Isolera 1//Biotage SnapUltraシリカ100g//ヘプタン-EtOAc 100/0→80/20]によって精製して、中間体69(2.43mg、収率94%)を白色の粉末として得た。
中間体71
Figure 2023532592000092
この反応を4回のバッチで実行した。
PO(193g、3当量)及びPd(dtbpf)Cl(19.8g、0.1当量)を、THF(1.6L)及び水(400mL)中の中間体38(140g、304mmol)及び中間体69(196g、2当量)の溶液に添加した。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。水(3L)を添加することによって反応物をクエンチした。得られた混合物をEtOAcで抽出した(3×3L)。合わせた有機層を、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc/石油エーテル 0/100→100/0)によって精製して、中間体71(150g、収率:86%)を黄色の油として得た。
中間体72
Figure 2023532592000093
CsCO(19.51g、1.5当量)を、ACN(810mL)及びDMF(8mL)中の中間体71(23g、39.9mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。次いで、ヨウ化メチル(6.8g、1.2当量)を、0℃で反応混合物に添加し、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。水(100mL)を添加することによって、反応物をクエンチした。得られた混合物をEtOAcで抽出した(3×100mL)。合わせた有機層を、NaHCO水溶液、NHCl水溶液及びブラインで連続して洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(MeOH/CHCl 0/100→50/50)によって精製して、中間体72(20g、収率:85%)を黄色の固体として得た。
中間体73
Figure 2023532592000094
TBDMSCl(76.97g、1.1当量)及びイミダゾール(34.77g、1.1当量)を、DCM(800mL)中のメチル5-(ヒドロキシメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキシレート(79g、464.25mmol)の溶液に添加した。得られた溶液を室温で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc/石油エーテル3/1)によって精製して、中間体73(126g、収率:78%)を淡黄色の油として得た。
中間体74
Figure 2023532592000095
DIBAL(ヘキサン中1M、1330mL、3当量)を、0℃でTHF(1000mL)中の中間体73(126g、443mmol)の溶液に滴下した。得られた溶液を0℃で2時間攪拌し、次いで室温に温めた。反応混合物をロッシェル塩溶液(1500mL)に注意深く注ぎ、EtOAc(1500mL)を添加した。混合物を1.5時間撹拌した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(2×1500mL)。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、中間体74(108mg、収率:87%)を白色の固体として得た。
中間体75
Figure 2023532592000096
メタンスルホン酸無水物(20.3g、1.3当量)を、0℃でTHF(200mL)中の中間体74(23g、89.7mmol)、DIPEA(17.4g、1.5eq.)の溶液に添加した。反応混合物を0℃で5分間撹拌し、次いで、室温で30分間撹拌した。ヨウ化ナトリウム(60.5g、4.5当量)を添加し、得られた溶液を50℃で2時間撹拌してから、室温に冷却した。反応混合物を濾過した。濾液を蒸発させ、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc:石油エーテル 5:1)によって精製して、中間体75(23g、収率:66%)を淡黄色の油として得た。
中間体76
Figure 2023532592000097
THF(300mL)中の中間体72(30g、50.8mmol)及び中間体75(18.6g、1当量)の溶液を、0℃で、THF(200mL)中の水素化ナトリウム(鉱油中60%、1.83g、1.5当量)の溶液に滴下した。得られた溶液を室温で2時間撹拌し、反応物を飽和NHCl水溶液(150mL)でクエンチした。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した(300mL×2)。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc:石油エーテル 1:3)によって精製して、中間体76(40g、収率:66%)を淡黄色の油として得た。
中間体77
Figure 2023532592000098
THF(500mL)中の中間体76(43g、51.9mmol)及びEtN.(HF)(CAS[73602-61-6])(20.9g、2.5当量)の溶液を、室温で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAcと水とに分配した。層を分離し、有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、中間体77(32g、定量的)を得た。
中間体78
Figure 2023532592000099
MnO(72.4g、20当量)を、CHCl(250mL)中の中間体77(25g、41.6mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、還流させながら16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を蒸発させ、乾燥させて、中間体78(14g、収率:54%)を淡黄色の油として得た。
中間体79
Figure 2023532592000100
TBDMSCl(4.2g、1.2当量)及びイミダゾール(1.9g、1.2当量)を、CHCl(150mL)中の中間体78(14g、23.41mmol)の溶液に添加した。得られた溶液を室温で3時間撹拌した。水(50mL)を添加し、有機層を分離した。水層をDCMで抽出した(100mL×2)。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(EtOAc:石油エーテル 1:3)によって精製して、中間体79(11.5g、収率:65%)を淡黄色の油として得た。
中間体80
Figure 2023532592000101
DIPEA(23.5mL、4当量)及びメシル無水物(11.75g、2当量)を、0℃でDCM(200mL)中の中間体2(14.8g、33.7mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を0℃に再冷却し、LiCl(8.58g、6当量)を添加した。次いで、反応混合物を室温で48時間撹拌した。水(200mL)を添加することによって反応物をクエンチし、混合物をEtOAcで抽出した(300mL×3)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて黄色い油を得た。この油をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(石油エーテル/EtOAc 100/0→85/15)によって精製して、中間体80(15g、収率:99%)を白色の固体として得た。
中間体81
Figure 2023532592000102
CHCl(300mL)中の中間体80(32g、71.26mmol)及びPPh(28g、2当量)の混合物を、減圧下で濃縮した。得られた残渣を140℃で16時間撹拌した。粗生成物をEtOAcで粉砕し、濾過して、中間体81(27g、収率:56%)を白色の固体として得た。
中間体82
Figure 2023532592000103
水素化ナトリウム(鉱油中60%、118mg、1.2当量)を、窒素雰囲気下の0℃で、THF(30mL)中の中間体81(2.1g、1.2当量)の溶液に滴下した。得られた懸濁液を、0℃で40分間撹拌した。中間体79(1.75g、2.46mmol)を添加し、得られた混合物を、室温で一晩撹拌した。水(50mL)を添加することによって反応物をクエンチした。混合物をEtOAcで抽出した(100mLで3回)。合わせた有機層を、水(100mL)及びブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィ(EtOAc/石油エーテル0/100→80/100)によって精製して、中間体82(2g、収率:93%)を茶色の油として得た。
中間体83
Figure 2023532592000104
Pd/C(10%、1g、0.08当量)を、EtOAc(150mL)中の中間体82(11g、12.6mmol)の溶液に添加した。反応混合物を3.5atmにて水素ガスでパージした。得られた溶液を室温で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を蒸発させて、中間体83(10g、収率:57%)を淡黄色の油として得、更に精製することなく使用した。
中間体84
Figure 2023532592000105
THF(70mL)中の中間体83(7g、8.02mmol)及びEtN.(HF)(CAS[73602-61-6])(2.59g、2当量)の溶液を、室温で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAcと水とに分配した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、中間体84(6.2g、定量的)を得た。
中間体85
Figure 2023532592000106
中間体84(8g、10.55mmol)及びDTBAP(9.7g、4当量)を、トルエン(10.0mL)中のPPh(11.1g、4当量)の溶液に添加した。得られた溶液を、70℃で1時間撹拌した。室温に冷却した後、残渣をEtO(50mL)中で再結晶させて、中間体85(7.5g、収率:81%)を淡黄色の油として得た。
中間体86及び中間体87
Figure 2023532592000107
中間体85(8g、10.8mmol)及びHCl(1,4-ジオキサン中4M、100mL)の溶液を、室温で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を分取キラルSFC(カラム:HIRAL ART Cellulose-SB、30×250mm、5μm;移動相 A:CO、移動相B:IPA(MeOH中1%2M NH)によって精製して、中間体86(270mg、収率:4%)及び中間体87(270mg、収率:4%)をいずれも白色固体として得た。
中間体88
Figure 2023532592000108
ビニルマグネシウムブロミド(THF中1M、19.7mL、19.687mmol、1.7当量)を、-10℃でTHF(200mL)中の中間体43(6g、11.58mmol)の溶液に添加した。反応混合物を-10℃で1時間撹拌した。NHCl水溶液(50mL)を添加し、混合物をEtOAcで抽出した(2×100mL)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶出液:石油エーテル/EtOAc、100/0→55/45)によって精製して、中間体88(4.5g、純度31%、収率:22%)を淡黄色の油として得た。
中間体89
Figure 2023532592000109
NaH(鉱油中60%、137mg、3.433mmol、1.5当量)を、0℃でTHF(30mL)中の中間体88(4g、純度31%、2.288当量)の溶液に添加した。反応混合物を、0℃で5分間撹拌した。中間体27(1g、2.975mmol、1.3当量)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を飽和NHCl水溶液(50mL)に注ぎ、EtOAcで抽出した(2×100mL)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶離液:石油エーテル/EtOAc、100/0→0/100)によって精製して、中間体89(2.7g、定量的)を無色の油として得た。
中間体90
Figure 2023532592000110
HCl(MeOH中4M、17.3mL、69.07mmol、20当量)をMeOH(3mL)中の中間体89(2.68g、3.453mmol)の溶液に添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を真空下で濃縮した。NaHCO水溶液(50mL)を残渣に添加し、混合物をDCMで抽出した(2×100mL)。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶離液:DCM/MeOH、100/0→90/10)によって精製して、中間体90(1.75g、収率:91%)を白色の固体として得た。
中間体91
Figure 2023532592000111
MsO(2.74g、15.736mmol、5当量)を、0℃でTHF(30mL)中の中間体90(1.75g、3.147mmol)の溶液に添加した。DIPEA(2.74mL、15.736mmol、5当量)を添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。ヨウ化リチウム(632mg、4.721mmol、1.5当量)を0℃で添加し、反応混合物を更に2時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(2×100mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、中間体91(2.2g、純度79%、収率:74%)を黄色の油として得、更に精製することなく使用した。
中間体92
Figure 2023532592000112
ACN(250mL)中の1-ナフトール-3-スルホン酸ナトリウム(CAS[13935-00-7]、20g、81.23mmol)、トリフェニルホスフィン(76.7g、292.43mmol、3.6当量)、及びヨウ素(16.5g、64.98mmol、0.8当量)の溶液を、80℃で16時間撹拌した。室温に冷却した後、DMAP(992mg、8.12mmol、0.1当量)、及びEtN(22.5mL、162.5mmol、2当量)を添加し、続いて、AcO(23mL、243.69mmol、3当量)を滴下した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を蒸発させた。残渣をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィ(溶離液:石油エーテル/EtOAc 100/0→70/30)によって精製して、中間体92(16g、収率75%)を白色の固体として得た。
中間体93
Figure 2023532592000113
CO(879mg、6.363mmol、3当量)を、0℃で、MeOH(30mL)中の中間体91(2g、2.121mmol)、中間体92(527mg、2.015mmol、0.95当量)、及びトリフェニルホスフィン(55.6mg、0.212mmol、0.1当量)の溶液に添加した。反応混合物を、窒素雰囲気下の室温で1時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(2×100mL)。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶離液:石油エーテル/EtOAc、100/0→10/90)によって精製して、中間体93(1.2g、収率:59%)を黄色の固体として得た。
中間体94
Figure 2023532592000114
CO(520mg、3.765mmol、3当量)を、室温で、ACN(20mL)中の中間体93(1.2g、1.255mmol)の溶液に添加した。反応混合物を80℃で2時間撹拌した。水(30mL)を添加し、混合物をEtOAcで抽出した(2×50mL)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィ(溶離液:石油エーテル/EtOAc、100/0→20/80)によって精製して、中間体94(420mg、収率:47%)を黄色の固体として得た。
中間体95
Figure 2023532592000115
BH(THF中1M、2.796mL、2.796mmol、10当量)を、0℃でTHF(2mL)中の中間体94(200mg、0.28mmol)の溶液に添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。過ホウ酸ナトリウム四水和物(215mg、1.398mmol、5当量)及び水(0.5mL)を添加し、混合物を更に72時間撹拌した。水(20mL)を添加し、混合物をEtOAcで抽出した(2×50mL)。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をHPLC(カラム:Boston Green ODS 150×30mm×5um;A:水(0.2%ギ酸)-ACN、B:ACN、A/B:30/70→0/100)によって精製して、中間体95(105mg、収率:52%)を白色の固体として得た。
中間体96
Figure 2023532592000116
MsCl(110mg、0.96mmol、6.5当量)を、0℃でDMF(5mL)中の中間体95(105mg、0.147mmol)の溶液に添加した。次いで、EtN(122μL、0.882mmol、6当量)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液(5mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(2×20mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、中間体96(110mg、純度88%、収率:85%)を黄色の油として得、更に精製することなく使用した。
中間体97
Figure 2023532592000117
モルホリン(107mg、1.227mmol、10当量)を、0℃でACN(3mL)中の中間体96(110mg、0.123mmol)の溶液に添加した。CsCO(200mg、0.614mmol、5当量)を添加し、反応混合物を、80℃で2時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAcで抽出した(2×20mL)。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をHPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX 150×30mm×5um;条件:A:水(0.05% NHO)-ACN、B:ACN、A/B:35/65→5/95)によって精製して、中間体97(15mg、収率:15%)を白色の固体として得た。
化合物の調製
化合物1
Figure 2023532592000118
水(0.3mL)中のLiOH(11mg、8当量)を、THF(0.5mL)及びメタノール(0.5mL)中の中間体20(37mg、0.057mmol)の溶液に添加した。反応混合物を60℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、1MのHCl水溶液(0.46mL、8当量)で中和し、粗混合物を濃縮した。残渣をEtOAc(10mL)及び水(10mL)中に取り込み、層を分離した。水層をEtOAcで抽出し(3×30mL)、合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、化合物1(36mg、収率:99%)を得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d,91℃)δppm 2.00(s,3H)2.26(br s,2H)2.93-3.03(m,30H)3.03-3.09(m,2H)3.45-3.52(m,1H)3.49(s,3H)3.54(s,3H)3.78(s,2H)3.81(s,2H)3.89-3.97(m,2H)4.06-4.17(m,2H)4.97(s,1H)6.45(s,1H)7.03(d,J=8.6Hz,1H)7.18(s,1H)7.34-7.39(m,1H)7.39-7.44(m,1H)7.64(d,J=8.6Hz,1H)7.68(d,J=7.5Hz,1H)8.08(d,J=8.2Hz,1H)。
化合物2
Figure 2023532592000119
化合物2は、中間体20の代わりに中間体21から開始して、化合物1と同様の方法で調製した。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 1.98(s,3H),2.26(br s,2H),2.96-3.15(m,5H),3.17(d,J=5.0Hz,2H),3.31(s,8H),3.38-3.44(m,1H),3.46(s,3H),3.62(s,3H),3.77-3.81(m,3H),3.81-3.91(m,3H),3.94-4.02(m,1H),4.03-4.12(m,3H),4.77(s,1H),6.52(s,1H),7.14(d,J=8.6Hz,1H),7.16(s,1H),7.35-7.46(m,2H),7.67(d,J=7.9Hz,1H),7.80(d,J=8.7Hz,1H),8.04(d,J=8.2Hz,1H)。
化合物3
Figure 2023532592000120
化合物3は、中間体20の代わりに中間体25から開始して、化合物1に類似のプロトコルに従って調製した。
NMR:H NMR(400MHz,CHLOROFORM-d)δppm 0.87(br d,J=17.5Hz,2H),1.21-1.39(m,4H),2.14(s,3H),2.28(br d,J=5.5Hz,2H),2.85(br d,J=9.7Hz,2H),2.93-3.03(m,2H),3.17-3.24(m,4H),3.49-3.52(m,6H),3.56-3.58(m,3H),3.58-3.69(m,2H),3.78(d,J=11.0Hz,1H),3.88(s,3H),3.94(d,J=11.0Hz,1H),4.17(d,J=12.0Hz,1H),4.52(d,J=12.0Hz,1H),5.52(s,1H),5.73(s,1H),7.11-7.16(m,2H),7.21(td,J=8.8,2.6Hz,1H),7.31(d,J=10.1Hz,1H),7.56(d,J=8.7Hz,1H),8.29(dd,J=9.3,5.7Hz,1H)。
化合物4
Figure 2023532592000121
化合物4は、中間体20の代わりに中間体26から開始して、化合物1に類似のプロトコルに従って調製した。
NMR:H NMR(400MHz,CHLOROFORM-d)δppm 0.86(br d,J=17.9Hz,1H),1.14-1.37(m,3H),2.00-2.18(m,3H),2.28(br s,2H),2.85(br d,J=10.7Hz,2H),2.96(br d,J=9.9Hz,2H),3.23(br s,4H),3.45-3.53(m,1H),3.53-3.57(m,3H),3.58-3.68(m,2H),3.77-3.84(m,1H),3.84-3.90(m,3H),3.91-3.99(m,1H),4.19(br d,J=11.7Hz,1H),4.49(br d,J=11.4Hz,1H),5.47(br s,1H),5.76(br s,1H),7.06-7.14(m,2H),7.19(br t,J=8.7Hz,1H),7.27-7.35(m,1H),7.49-7.59(m,1H),8.28(br s,1H)。
化合物5
Figure 2023532592000122
水(2mL)中のLiOH(65mg、15当量)の溶液を、THF(4mL)及びMeOH(4mL)中の中間体33(122mg、0.182mmol)の溶液に添加した。反応混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、MeOHで希釈し、分取HPLC(固定相:RP XBridge Prep C18 OBD-10μm、30×150mm、移動相:0.25%のNHHCO水溶液、ACN)に直接注入して、白色の個体を得た。この固体をDIPEで粉砕し、乾燥させて、化合物5(90mg、収率:75%)を白色の固体として得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 1.98(s,3H),2.28-2.38(m,2H),3.05-3.15(m,1H),3.39-3.48(m,4H),3.78(s,3H),3.79(s,3H),3.82(d,J=11.9Hz,1H),3.91-4.01(m,2H),4.03(d,J=10.6Hz,1H),4.07(d,J=10.6Hz,1H),4.11-4.20(m,1H),4.32(d,J=15.6Hz,1H),4.41(d,J=15.6Hz,1H),4.82(s,1H),6.83(s,1H),7.21(d,J=8.6Hz,1H),7.30(s,1H),7.37-7.49(m,2H),7.65-7.69(m,1H),7.89(d,J=8.6Hz,1H),8.00-8.05(m,1H)。
化合物6
Figure 2023532592000123
化合物6は、中間体33の代わりに中間体34から開始して、化合物5に類似のプロトコルに従って調製した。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 1.98(s,3H),2.28-2.38(m,2H),3.05-3.15(m,1H),3.39-3.48(m,4H),3.78(s,3H),3.79(s,3H),3.82(d,J=11.9Hz,1H),3.91-4.01(m,2H),4.03(d,J=10.6Hz,1H),4.06(d,J=10.6Hz,1H),4.11-4.20(m,1H),4.32(d,J=15.6Hz,1H),4.40(d,J=15.6Hz,1H),4.81(s,1H),6.82(s,1H),7.21(d,J=8.6Hz,1H),7.30(s,1H),7.37-7.49(m,2H),7.64-7.70(m,1H),7.90(d,J=8.8Hz,1H),7.99-8.06(m,1H)。
化合物7
Figure 2023532592000124
化合物7は、中間体33の代わりに中間体41から開始して、化合物5に類似のプロトコルに従って調製した。
MP:269.16℃(DSC:10℃/分で30~300℃、50mL N
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 0.89(t,J=7.5Hz,3H),2.27-2.38(m,3H),2.40-2.47(m,1H),3.04-3.12(m,1H),3.37-3.42(m,1H),3.43(s,3H),3.77(s,3H),3.78-3.83(m,4H),3.92-4.02(m,3H),4.05(d,J=10.6Hz,1H),4.11-4.19(m,1H),4.31(d,J=15.6Hz,1H),4.41(d,J=15.6Hz,1H),4.80(s,1H),6.83(s,1H),7.21(d,J=8.6Hz,1H),7.28(s,1H),7.36-7.47(m,2H),7.63-7.68(m,1H),7.88(d,J=8.6Hz,1H),7.98-8.03(m,1H)。
化合物8
Figure 2023532592000125
化合物8は、中間体34の代わりに中間体42から開始して、化合物6に類似のプロトコルに従って調製した。
MP:264.21℃(DSC:10℃/分で30~300℃、50mL N
H NMR(400MHz,DMSO-d)δppm 0.89(t,J=7.6Hz,3H),2.27-2.38(m,3H),2.39-2.48(m,1H),3.03-3.11(m,1H),3.37-3.41(m,1H),3.43(s,3H),3.77(s,3H),3.78-3.83(m,4H),3.92-4.03(m,3H),4.05(d,J=10.5Hz,1H),4.10-4.19(m,1H),4.30(d,J=15.6Hz,1H),4.43(d,J=15.6Hz,1H),4.83(s,1H),6.83(s,1H),7.21(d,J=8.6Hz,1H),7.28(s,1H),7.35-7.47(m,2H),7.62-7.68(m,1H),7.87(d,J=8.6Hz,1H),7.97-8.03(m,1H)。
化合物9
Figure 2023532592000126
LiOH(水中1M、1.6mL、20当量)をMeOH(5mL)及びTHF(2mL)中の中間体49(54mg、0.079mmol)の撹拌溶液に添加し、反応混合物を、60℃で6時間撹拌した。混濁した溶液を真空で部分的に濃縮し、DCM及び水で希釈し、pHが約1になるまで1MのHClで処理した。層を分離し、水層をDCMで抽出した(4×)。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて固体を得た。この固体をMeOH(1mL)及び水(15mL)に溶解し、この混合物を凍結乾燥させて、化合物9(53mg、収率:99%)を飛散性散剤として得た。
H NMR(400MHz,CHLOROFORM-d)δppm 1.36-1.49(m,3H)2.01-2.24(m,4H)2.41(br s,1H)3.25-3.40(m,1H)3.56(s,3H)3.63-3.89(m,11H)3.92-4.01(m,2H)4.12(br d,J=11.08Hz,1H)4.45(br d,J=6.38Hz,1H)5.28(s,1H)6.45(s,1H)6.93(br d,J=8.47Hz,1H)7.42-7.58(m,4H)7.64-7.74(m,1H)8.35(br d,J=4.60Hz,1H)。
化合物10
Figure 2023532592000127
化合物10は、中間体49の代わりに中間体50から開始して、化合物9に類似のプロトコルに従って調製した。
化合物11
Figure 2023532592000128
化合物11は、中間体49の代わりに中間体51から開始して、化合物9に類似のプロトコルに従って調製した。
H NMR(400MHz,CHLOROFORM-d)dppm 1.52(d,J=6.48Hz,3H)2.06(s,3H)2.34(br d,J=4.49Hz,2H)3.16-3.29(m,1H)3.58-3.79(m,10H)3.82-4.00(m,7H)4.17(q,J=6.48Hz,1H)5.16(s,1H)6.26(s,1H)7.14(d,J=8.57Hz,1H)7.42-7.52(m,3H)7.57-7.68(m,2H)8.23-8.29(m,1H)。
化合物12
Figure 2023532592000129
化合物12は、中間体49の代わりに中間体52から開始して、化合物9に類似のプロトコルに従って調製した。
H NMR(400MHz,CHLOROFORM-d)δppm 1.47-1.57(m,3H)2.06(s,3H)2.29-2.41(m,2H)3.17-3.27(m,1H)3.58-3.82(m,11H)3.85-4.00(m,6H)4.12-4.22(m,1H)5.16(s,1H)6.27(d,J=1.25Hz,1H)7.14(d,J=8.57Hz,1H)7.43-7.55(m,3H)7.55-7.65(m,2H)8.24-8.29(m,1H)。
化合物13
Figure 2023532592000130
化合物13は、中間体20の代わりに中間体62から開始して、化合物1に類似のプロトコルに従って調製した。
H NMR(400MHz,CDCl)δppm 2.05(s,3H),2.37(br s,2H),3.20-3.29(m,1H),3.53(br dd,J=14.4,6.2Hz,1H),3.60(s,3H),3.64-3.73(m,1H),3.88(s,3H),3.90-3.97(m,2H),4.14-4.25(m,2H),4.33(d,J=11.0Hz,1H),4.42(d,J=12.9Hz,1H),4.50(d,J=11.0Hz,1H),5.87(s,1H),6.49(s,1H),6.94(d,J=8.5Hz,1H),7.38(s,1H),7.40-7.46(m,2H),7.50(d,J=8.6Hz,1H),7.63(d,J=6.8Hz,1H),8.24-8.29(m,1H)。
化合物14
Figure 2023532592000131
化合物14は、中間体20の代わりに中間体63から開始して、化合物1に類似のプロトコルに従って調製した。
H NMR(400MHz,CHLOROFORM-d)δppm 2.04(s,3H),2.36(br s,2H),3.20-3.30(m,1H),3.49-3.58(m,1H),3.61(s,3H),3.63-3.71(m,1H),3.89(s,3H),3.91-3.97(m,1H),4.15-4.25(m,2H),4.33(d,J=11.1Hz,1H),4.43(d,J=12.8Hz,1H),4.52(d,J=11.1Hz,1H),5.85(br s,1H),6.47(s,1H),6.87(d,J=8.6Hz,1H),7.35-7.52(m,4H),7.61(br d,J=5.0Hz,1H),8.25-8.32(m,1H)。
化合物15
Figure 2023532592000132
化合物15は、中間体33の代わりに中間体64から開始して、化合物5に類似のプロトコルに従って調製した。
H NMR(400MHz,CDCl)δppm 2.05(s,3H),2.26(s,6H),2.43(br s,1H),3.00(br s,2H),3.08-3.18(m,1H),3.49(s,3H),3.59(br d,J=14.1Hz,1H),3.64-3.77(m,2H),3.78(br s,1H),3.87(s,3H),3.91(s,1H),3.97(br d,J=11.1Hz,2H),4.09-4.19(m,2H),4.20-4.30(m,3H),5.67(br s,1H),6.71(br d,J=8.8Hz,1H),6.83(s,1H),7.33-7.39(m,2H),7.40-7.48(m,2H),7.65(br d,J=7.4Hz,1H),8.30(br d,J=7.5Hz,1H)。
化合物16
Figure 2023532592000133
化合物16は、中間体33の代わりに中間体65から開始して、化合物5に類似のプロトコルに従って調製した。
H NMR(400MHz,CDCl)δppm 2.06(s,3H),2.42(br s,6H),2.97(br s,1H),3.02-3.18(m,2H),3.53(s,3H),3.63(br t,J=10.8Hz,1H),3.75-3.80(m,1H),3.83(s,3H),3.91(d,J=11.1Hz,1H),3.93-4.05(m,3H),4.17(br d,J=12.2Hz,2H),4.24(br s,3H),4.31(br d,J=11.2Hz,2H),5.45(br s,1H),6.53(s,1H),7.09-7.16(m,1H),7.35(s,1H),7.36-7.42(m,2H),7.57(br d,J=8.0Hz,2H),8.16(br d,J=8.0Hz,1H)。
化合物17及び化合物18
Figure 2023532592000134
1-ブロモ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン(226mg、3当量)及びCsCO(402mg、3当量)をDMF(3mL)中の中間体86(270mg、0.411mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、続いて、EtOAc(5mL)で希釈した。溶液を水(4mL×2)及び食塩水(4mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、蒸発させて、淡黄色の固体を得た。この固体をTHF(2mL)及び水(2mL)中のLiOH(29mg、3当量)の溶液に添加した。得られた溶液を室温で16時間撹拌した。有機溶媒を蒸発させ、水層をEtOAc(3mL)で抽出した。水層を分離し、蒸発させて淡黄色の固体(200mg)を得た。この個体を、分取SFC(カラム:CHIRAL ART Cellulose-SB、30×250mm、5μm;移動相A:CO、移動相B:(ヘキサン:DCM 3:1)(0.1%DEA):IPA85:15)によって精製して、化合物17(19mg、収率:6%)及び化合物18(34mg、収率:11%)を得た。
化合物17:
H NMR(400MHz,CDOD)δppm 8.09(d,J=3.56Hz,1H),7.51(d,J=8.56Hz,1H),7.15-7.23(m,1H),7.02-7.10(m,1H),6.89(t,J=9.22Hz,2H),6.31(s,1H),5.02(s,1H),4.15-4.32(m,2H),4.07(s,2H),3.89-3.90(m,3H),3.69-3.87(m,3H),3.52(s,3H),3.33-3.44(m,9H),3.04-3.20(m,4H),2.87-2.95(m,3H),2.17-2.30(m,2H),1.92(s,3H)。
19F NMR(376.52Hz,CDOD)δppm-117.50(s,1F)。
化合物18:
H NMR(400MHz,CDOD)δppm 8.09-8.14(m,1H),7.55(d,J=8.6Hz,1H),7.21(d,J=10.28Hz,1H),7.01-7.10(m,1H),7.00(s,1H),6.94(d,J=8.56Hz,1H),6.26(s,1H),4.93(s,1H),4.07-4.29(m,4H),3.68-3.83(m,6H),3.35-3.50(m,12H),2.81-3.22(m,7H),2.10-2.31(m,2H),2.00(s,3H)。
19F NMR(376.52Hz,CDOD)δppm-117.56(s,1F)。
化合物19及び化合物20
Figure 2023532592000135
化合物19及び化合物20は、中間体86の代わりに中間体87から出発して、それぞれ化合物17及び化合物18と同様のプロトコルを使用することによって調製した。
化合物19:
H NMR(400MHz,CDOD)δppm 8.07(d,J=3.52Hz,1H),7.55(d,J=8.6Hz,1H),7.11-7.19(m,1H),7.01-7.10(m,1H),6.89-6.91(m,2H),6.26(s,1H),4.98(s,1H),4.12-4.35(m,2H),3.88-4.03(m,4H),3.65-3.87(m,4H),3.35-3.52(m,11H),3.00-3.20(m,5H),2.78-2.98(m,3H),2.20-2.32(m,2H),1.92(s,3H)。
19F NMR(376.52Hz,CDOD)δppm-117.48(s,1F)。
化合物20:
H NMR(400MHz,CDOD)δppm 8.08-8.12(m,1H),7.55(d,J=8.6Hz,1H),7.21(d,J=10.28Hz,1H),6.93-7.10(m,3H),6.26(s,1H),4.92(s,1H),4.07-4.30(m,4H),3.72-3.83(m,6H),3.35-3.49(m,11H),2.81-3.16(m,8H),2.13-2.32(m,2H),2.00(s,3H)。
19F NMR(376.52Hz,CDOD)δppm-117.56(s,1F)。
化合物21
Figure 2023532592000136
LiOH(8mg、0185mmol、10当量)を、THF(1mL)、MeOH(1mL)、及び水(0.2mL)中の中間体97(15mg、0.018mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。混合物をHCl(水中1M)でpH~6に調整し、EtOAcで抽出した(2×10mL)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣をHPLC(カラム:Boston Green ODS 150×30mm×5um;条件:A:水(0.2%ギ酸)-ACN、B:ACN、A/B:70/30~40/60)によって精製して、中間体21(6mg、収率:56%)を白色の固体として得た。
H NMR(400MHz,METHANOL-d4)δppm=8.24(br d,J=9.0Hz,1H),7.73-7.64(m,1H),7.51-7.43(m,3H),7.42(s,1H),6.84(d,J=8.6Hz,1H),6.65(s,1H),5.48(s,1H),4.61(br s,1H),4.38(br d,J=15.7Hz,1H),4.23(dd,J=4.0,8.8Hz,1H),4.10-4.01(m,4H),3.88(s,3H),3.85-3.79(m,1H),3.73(s,3H),3.60(br s,5H),3.36(s,3H),3.18(br t,J=9.9Hz,1H),2.89(br s,1H),2.79(br s,4H),2.37(br s,1H),2.24-2.09(m,5H),2.00-1.89(m,1H)
解析的分析
LCMS法
高速液体クロマトグラフィ(HPLC)測定は、それぞれの方法で指定されたLCポンプ、ダイオードアレイ(diode-array、DAD)又はUV検出器及びカラムを使用して実行した。必要に応じて、追加の検出器が含まれた(以下の方法の表を参照)。
カラムからの流れは、大気圧イオン源で構成された質量分析計(Mass Spectrometer、MS)にもたらされた。化合物の公称モノアイソトピック分子量(molecular weight、MW)の同定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、滞留時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。適切なソフトウェアでデータ収集を実行した。
化合物は、それらの実験的保持時間(R)及びイオンによって記載される。データの表において別様に指定されない場合、報告された分子イオンは、[M+H](プロトン化分子)及び/又は[M-H](脱プロトン化分子)に相当する。化合物が直接イオン化不可能であった場合、付加物の種類は、特定される(すなわち、[M+NH、[M+HCOO]、など)。複数の同位体パターン(Br、Cl)を有する分子については、報告された値は、最も低い同位体質量に関して得られたものである。全ての結果は、使用される方法と一般的に関連する実験的不確定性を伴って得られた。
以下、「SQD」はシングル四重極検出器、「MSD」は質量選別検出器、「RT」は室温、「BEH」は架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッド、「DAD」はダイオードアレイ検出器、「HSS」は高強度シリカを意味する。
LCMS法コード(mL/分で表される流量;℃で表されるカラム温度(T);分で表されるランタイム)
Figure 2023532592000137
LCMS結果(RTは、保持時間を意味する)
Figure 2023532592000138
SFC法:
二酸化炭素(CO2)を送達するためのバイナリポンプ及び改質剤によって構成される分析超臨界流体クロマトグラフィ(SFC)システム、オートサンプラー、カラムオーブン、最大400バールに耐える高圧フローセルを備えたダイオードアレイ検出器を使用してSFC測定を実行した。質量分析計(MS)と構成された場合、カラムからの流れは(MS)にもたらされた。化合物の公称モノアイソトピック分子量(MW)の同定を可能にするイオンを得るために、調整パラメータ(例えば、走査範囲、滞留時間など)を設定することは、当業者の知識の範囲内である。適切なソフトウェアでデータ収集を実行した。
分析SFC-MS法(mL/分で表される流れ;℃で表されるカラム温度(T);分で表されるランタイム、バーで表される背圧(Backpressure、BPR)。
「iPrNH」は、イソプロピルアミンを意味し、「iPrOH」は、2-プロパノールを意味し、「EtOH」は、エタノールを意味し、「分(min)」は、分を意味する。
SFC法:
Figure 2023532592000139
表:分析SFCデータ-Rは、保持時間(分単位)、[M+H]は、化合物のプロトン化質量を意味し、方法は、鏡像異性的に純粋な化合物の(SFC)MS分析に使用される方法を指す。No.は、番号を意味する。
Figure 2023532592000140
NMR
H NMR及び19F NMRスペクトルは、Bruker Avance III 400MHz及びAvance NEO 400MHz分光計で記録した。特に言及されない限り、CDClを溶媒として使用した。化学シフトは、テトラメチルシランに対してppmで表される。
薬理学的分析
生物学的実施例1
Mcl-1の結合パートナーとしてBIM BH3ペプチド(H2N-(C/Cy5Mal)WIAQELRRIGDEFN-OH)を利用した、テルビウム標識された骨髄細胞白血病1(Mcl-1)の均質時間分解蛍光(HTRF)結合アッセイ。
アポトーシス又はプログラム細胞死は、正常な組織恒常性を確実にし、その調節不全は、がんを含むいくつかのヒト病態につながる可能性がある。外因性アポトーシス経路は、細胞表面受容体の活性化を通じて開始されるが、内因性アポトーシス経路は、ミトコンドリア外膜で起こり、アポトーシス促進性と、Mcl-1を含む抗アポトーシスBcl-2ファミリータンパク質との間の結合相互作用によって支配される。多くのがんでは、Mcl-1などの抗アポトーシスBcl-2タンパク質が上方制御され、このようにしてがん細胞は、アポトーシスを回避することができる。したがって、Mcl-1などのBcl-2タンパク質の阻害は、がん細胞におけるアポトーシスをもたらし、当該がんの治療のための方法を提供し得る。
このアッセイは、HTRFアッセイ形式でCy5標識されたBIM BH3ペプチド(HN-(C/Cy5Mal)WIAQELRRIGDEFN-OH)の変位を測定することによって、BH3ドメイン:Mcl-1相互作用の阻害を評価した。
アッセイの手順
以下のアッセイ及びストック緩衝液を、アッセイで使用するために、(a)ストック緩衝液:濾過、滅菌、及び4℃で保存された10mMのTris-HCl、pH=7.5+150mMのNaCl、及び(b)1Xアッセイ緩衝液を調製し、以下の成分を、新鮮なストック緩衝液:2mMのジチオトレイトール(DTT)、0.0025%Tween-20、0.1mg/mLのウシ血清アルブミン(BSA)に添加した。1X Tb-Mcl-1+Cy5 Bimペプチド溶液は、1Xアッセイ緩衝液(b)を使用してタンパク質ストック溶液を、25pMのTb-Mcl-1及び8nMのCy5Bimペプチドに希釈することによって調製した。
音響ECHOを使用して、100nLの100x 試験化合物を、1xの最終化合物濃度及び1%の最終DMSO濃度のために、白色384ウェルPerkin Elmer Proxiplateの個々のウェルに分配した。阻害剤対照及び中性対照(NC、100nLの100%DMSO)をそれぞれアッセイプレートのカラム23及び24にスタンプした。次いで、プレートの各ウェルに、10μLの1X Tb-Mcl-1+Cy5 Bimペプチド溶液を分配した。プレートを、カバープレートを使用して1000rpmで1分間遠心分離し、プレートを覆った状態で室温にて60分間インキュベートした。
TR-FRETシグナルを、HTRF光学モジュール(HTRF:励起:337nm、光源:レーザー、発光A:665nm、発光B:620nm、積分スタート:60μs、積分時間:400μs)を使用して、室温でBMG PHERAStar FSXマイクロプレートリーダーで読み取った。
データ解析
BMG PHERAStar FSXマイクロプレートリーダーを使用して、2つの発光波長665nm及び620nmで蛍光強度を測定し、両方の放出についての相対蛍光単位(relative fluorescence units、RFU)、並びに排出量の比率(665nm/620nm)10,000を報告した。RFU値は、以下のように阻害パーセントに対して正規化した。
阻害%=(((NC-IC)-(化合物-IC))/(NC-IC))100
式中、IC(阻害剤対照、低シグナル)=1X Tb-MCl-1+Cy5 Bimペプチド+阻害剤対照の平均シグナル、又はMcl-1の100%阻害、NC(中性対照、高シグナル)=DMSOのみを有する平均シグナル1XTb-MCl-1+Cy5 Bimペプチド、又は0%阻害
11点の用量反応曲線を生成して、以下の式に基づいてIC50値(GenDataを使用して)を決定した。
Y=底値+(頂点-底値)/(1+10^(logIC)50-X)斜面))
式中、Y=X阻害剤濃度の存在下での阻害%頂点=ICに由来する100%阻害(Mcl-1+阻害剤対照の平均シグナル)、底値=NCに由来する0%阻害(Mcl-1+DMSOの平均シグナル)、斜面=ヒル係数、及びIC50=頂点/中性対照(NC)に対する50%阻害を有する化合物の濃度。
Ki=IC50/(1+[L]/Kd)
このアッセイでは、[L]=8nM、Kd=10nM
上述の手順に従って、本発明の代表的な化合物を試験し、結果を下の表に列挙した(n.dとは決定されていないという意味である)。
Figure 2023532592000141
生物学的実施例2
MCL-1は、アポトーシスの調節因子であり、細胞死を回避する腫瘍細胞において高度に過剰発現される。アッセイは、アポトーシス経路の調節因子、主にMCL-1、Bfl-1、Bcl-2、及びBcl-2ファミリーの他のタンパク質を標的とする小分子化合物の細胞効力を評価する。抗アポトーシス調節因子とBH3ドメインタンパク質との相互作用を邪魔するタンパク質-タンパク質阻害剤は、アポトーシスを開始する。
Caspase-Glo(登録商標)3/7アッセイは、精製された酵素調製物又は付着細胞若しくは浮遊細胞の培養におけるカスパーゼ-3及び-7活性を測定する発光アッセイである。アッセイは、テトラペプチド配列DEVDを含有するプロ発光カスパーゼ-3/7基質を提供する。この基質を切断して、光の生成に使用されるルシフェラーゼの基質であるアミノシフェリンを放出する。単一のCaspase-Glo(登録商標)3/7試薬を「添加-混合-測定」形式で添加すると、細胞溶解、続いて基質のカスパーゼ切断、及び「グロータイプ」発光シグナルの生成がもたらされる。
このアッセイは、MCL-1阻害に敏感である、MOLP-8ヒト多発性骨髄腫細胞株を使用する。
材料:
●Perkin Elmer Envision
●多滴384及び小さな体積分注カセット
●遠心分離機
●Countess自動細胞計数器
●Countess血球計算盤スライド
●アッセイプレート:ProxiPlate-384 Plus、白色384浅底ウェルマイクロプレート
●ガムテープ:Topseal A plus
●T175培養フラスコ
Figure 2023532592000142
細胞培養培地:
Figure 2023532592000143
細胞培養:
細胞培養物は、0.2~2.0×10細胞/mLに維持した。細胞を50mLのコニカルチューブに収集することによって採取した。次いで、細胞を500gで5分間ペレット化した後、上清を除去し、新鮮な予熱した培養培地で再懸濁した。細胞をカウントし、必要に応じて希釈した。
Caspase-Glo反応剤試薬:
アッセイ試薬は、緩衝液を基質バイアルに移し、混合することによって調製した。溶液は、4℃で最大1週間保管され得るが、ごくわずかなシグナルの損失があった。
アッセイの手順:
化合物をアッセイ対応プレート(Proxiplate)で送達し、-20℃で保管した。
アッセイは常に、参照化合物を含有する1つの参照化合物プレートを含む。プレートを40nLの化合物でスポットした(細胞中の最終0.5%DMSO、連続希釈、30μM最高濃度1/3希釈、10回の用量、重複)。化合物を室温で使用し、4μLの予熱した培地をカラム2及び23を除いて全てのウェルに添加した。陰性対照は、1%DMSOを培地に添加することによって調製した。陽性対照は、適切な陽性対照化合物を培地に60μMの最終濃度で添加することによって調製した。プレートは、4μLの陰性対照をカラム23に、4μLの陽性対照をカラム2に、4μLの細胞懸濁液をプレート内の全てのウェルに添加することによって調製した。次いで、細胞を有するプレートを37℃で2分間インキュベートした。アッセイシグナル試薬は、上記のCaspase-Glo溶液であり、8μLを全てのウェルに添加した。次いで、プレートを密封し、30分後に測定した。
試験化合物の活性は、以下のようにアポトーシス誘導の変化率として計算した。
Figure 2023532592000144
効果%=(AC50)=100-((サンプル-LC)/(HC-LC))100
%対照=(サンプル/HC)100
%対象分=((サンプル-LC)/(HC-LC))100
表:式(I)の代表的な化合物について測定されたAC50。平均値は、特定の化合物の全てのバッチに対する全ての実行にわたって報告する。
Figure 2023532592000145

Claims (14)

  1. 式(I)の化合物
    Figure 2023532592000146
    又はその互変異性体若しくは立体異性体であって、式中、
    は、
    Figure 2023532592000147
    を表し、式中、「a」及び「b」は、どのように変数Xが分子の残りの部分に結合しているかを示し、
    は、ハロを表し、
    nは、0、1、又は2を表し、
    は、水素、又は1つのHetで任意に置換されたC1~4アルキルを表し、
    は、
    Figure 2023532592000148
    を表し、これは、両方の方向で分子の残りの部分に結合することができ、
    は、水素、Het、C3~6シクロアルキル、又はHet、-OR、及び-NR4a4bからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換されたC1~6アルキルを表し、
    は、水素、メチル、又はHet、-OR、及び-NR4a4bからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されたC2~6アルキルを表し、
    1aは、メチル又はエチルを表し、
    は、水素、C1~4アルキル、又は-C2~4アルキル-O-C1~4アルキルを表し、
    4a及びR4bは、それぞれ独立して、水素及びC1~4アルキルから選択され、
    は、メチル、又はC3~6シクロアルキル、Het、-NR4a4b、及び-ORからなる群から選択される1つの置換基で任意に置換されたC2~6アルキルを表し、
    Hetは、それぞれ独立して、O、S、及びNから選択された1つ又は2つのヘテロ原子を含有する4~7員単環式完全飽和ヘテロシクリルを表し、前記S原子は置換されてS(=O)又はS(=O)を形成してもよく、前記ヘテロシクリルは、それぞれ独立して、ハロ、シアノ、及びO-C1~4アルキルからなる群から選択される1つ又は2つの置換基で任意に置換され、
    Hetは、O、S、及びNから選択された1つのヘテロ原子を含有するC結合4~7員単環式完全飽和ヘテロシクリルを表し、前記S原子は、S(=O)又はS(=O)を形成するように置換され得、前記N原子は、1つのC1~4アルキルで置換され得、
    は、-CH又は-S-を表す、化合物、
    又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物。
  2. nが、0又は1を表し、
    が、水素、又は1つのHetで任意に置換されたC1~4アルキルを表し、
    が、1つの-OR置換基で任意に置換されたC1~6アルキルを表し、
    が、水素、メチル、又は1つの-NR4a4b置換基で任意に置換されたC2~6アルキルを表し、
    が、-C2~4アルキル-O-C1~4アルキルを表し、
    4a及びR4bが、それぞれ独立して、C1~4アルキルから選択され、
    が、メチルを表し、
    Hetが、それぞれ独立して、O、S、及びNから選択された1つ又は2つのヘテロ原子を含有する4~7員単環式完全飽和ヘテロシクリルを表す、請求項1に記載の化合物。
  3. が、水素又はC1~4アルキルを表す、請求項2に記載の化合物。
  4. nが0である、請求項2又は3に記載の化合物。
  5. nが1である、請求項2又は3に記載の化合物。
  6. が、-S-を表す、請求項1に記載の化合物。
  7. が、メチルを表す、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. が、フルオロを表す、請求項5に記載の化合物。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体又は希釈剤と、を含む、医薬組成物。
  10. 薬学的に許容される担体を、治療有効量の請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物と混合することを含む、請求項9に記載の医薬組成物を調製するためのプロセス。
  11. 薬剤として使用するための、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項9に記載の医薬組成物。
  12. がんの予防又は治療に使用するための、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物、又は請求項9に記載の医薬組成物。
  13. がんが、前立腺、肺、膵臓、乳房、卵巣、子宮頸部、黒色腫、B細胞慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、及び急性リンパ芽球性白血病(ALL)から選択される、請求項12に記載の使用のための化合物又は医薬組成物。
  14. がんを治療又は予防する方法であって、治療有効量の請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物又は請求項9に記載の医薬組成物を、がんの治療又は予防を必要とする対象に投与することを含む、方法。
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