JP7413983B2 - 車両構造 - Google Patents
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Description
図1~図3に示す本実施例に係る車両構造は、上述したように、車両ボディ10に設けられたリヤドア開口部12と、リヤドア開口部12を開閉するスライドドア20と、リヤドア開口部12の位置に設置される車両用ステップ装置40とを備えている。この車両用ステップ装置40では、その第一ステップ板41が、図3及び図4に示すように、リヤドア開口部12から左側に突出する使用位置と、閉め状態のスライドドア20よりも右側に位置する格納位置との間で移動可能とされている。
図3に示すリヤドア開口部12は、本発明のドア開口部に相当する部位であり、その下縁部の車両ボディ10には、固定ステップ板12sと、ロッカー30と、アンダーカバー38とが設けられている。ここでロッカー30は、リヤドア開口部12の下縁部を形成し且つ固定ステップ板12sの下方で車両前後方向に延びる筒状のフレームであり、後述する支持ブラケット37を有している。そしてロッカー30は、ロッカーインナー31と、ロッカーアウター330と、ロッカーアウター330の上部左側を覆うサイドアウター35とから構成されている。ロッカーインナー31は、車両前後方向に延びるフレームであって、断面略横向きU字形に形成されて左側が解放されている。このロッカーインナー31の上端位置と下端位置とには、それぞれフランジ部31u,31dが形成され、ロッカーインナー31の上端角部には、フロアパネル16が上から重ねられた状態で溶接等により固定されている。
そして図3及び図4に示すアンダーカバー38は、後述する格納状態の車両用ステップ装置40の下方を覆うように配置された板状部材である。このアンダーカバー38は、リヤドア開口部12のロッカー30下に配設されており、車両ボディ10の一部を構成している。そしてアンダーカバー38は、格納位置の第一ステップ板41の下側に配置されるカバー本体380と、カバー本体380の右縁から上方へ立ち上がる縦壁部381とから断面略横L字形に形成されている。縦壁部381は、ロッカー30のロッカーアウター330の下面に固定されており、上下方向(車両の高さ方向)に延びる下端フランジ部333f,31dと概ね平行に配置されている。この縦壁部381は、格納位置の第一ステップ板41よりも右側に位置し、その適宜の位置には、ロッカー30の支持ブラケット37との干渉を避ける切欠き状又は孔状の部位が形成されている。
また図8を参照して、アンダーカバー38のカバー本体380の上面には、上方へ立ち上がるガイド壁39が設けられている。このガイド壁39は、例えばカバー本体380の上面を部分的に上方に盛り上がらせることで形成することができる。そしてガイド壁39は、後述する車両用ステップ装置40の四節リンク機構43を囲むように形成されているとともに、車両前方から後方に向かう(後述の隙間部50から離れる)に従って次第に左側(車両外側)に向かうように構成されている。すなわちガイド壁39は、アンダーカバー38の上面の前部で、四節リンク機構43の前側を囲むように左右方向に延びたのちに、その左側が次第に後方に向かって湾曲している。つづいてガイド壁39は、四節リンク機構43の左側を囲むように前後方向に延びているとともに、その途中には、後方に向かうにつれて次第に左側に傾斜する排出用ガイド壁390が一体に設けられている。
図1~図3に示すスライドドア20は、中空閉断面状の部材であり、連結機構の一部(ブラケット45b)と、後述するドア下モール27とを有している。ここでスライドドア20は、リヤドア開口部12を被覆可能な外形寸法を有し、ドアアウタパネル22とドアインナパネル23とが互いの周縁部分で接合されて構成されている。さらにドアアウタパネル22の左下部には、車両前後方向に延びる外装材24が設けられている。この外装材24の下端部は、左側に張り出しており、その下方に、後述の各ステップ板41,42及びブラケット45bを配置可能なスペースが設けられている。またドアインナパネル23の周縁近傍には、リヤドア開口部12の周縁に当接可能なドア側ウエザストリップ23wが設けられている。
図4及び図5に示すドア下モール27は、スライドドア20に沿って前後方向に延びる装飾部材であり、スライドドア20の外装材24の下部に取付けられている。このドア下モール27は、図4に示すように外装材24の下端部から下方に突出するサイド被覆部270を有している。このサイド被覆部270の下端部は、右側(車両内側)に向けて屈曲しているとともに、格納位置の車両用ステップ装置40の下方に位置している。そして閉め状態のスライドドア20においては、このドア下モール27のサイド被覆部270が、格納位置の車両用ステップ装置40を左側(車両外側)から覆った状態となる。また図5及び図9に示すサイド被覆部270の前側には、このサイド被覆部270の前縁から車両前方を臨むように曲げられているフロント被覆部271が設けられている。このフロント被覆部271は、後方に向かうにつれて次第に下方に傾く傾斜面となっており、このフロント被覆部271の下側には、上方視で概ね三角形状の底被覆部272が設けられている。またフロント被覆部271の右縁271aは、本発明のスライドドアの縁に相当し、上下方向に直線的に延びている。そしてフロント被覆部271の右縁271aは、図10に示すように、リヤドア開口部12のアンダーカバー38(外側縦壁部383)に対して左側に離間した状態で左右に並んで配置されている。
そして図5及び図6に示す車両構造では、車両前方からスライドドア20及びリヤドア開口部12を見た場合に、閉め状態のスライドドア20と車両ボディ10との間に隙間部50が形成されている。すなわち車両構造では、図10に示すスライドドア20のドア下モール27(フロント被覆部271)が、上述したように、車両ボディ10をなすアンダーカバー38の外側縦壁部383に対して左側(車両外側)に離間して配置されている。このためフロント被覆部271と外側縦壁部383との間には、概ね車両上下方向に延びる隙間部50が形成される。この隙間部50は、車両下面4側に(例えばカバー本体380に至るように)形成されており、上方から下方に向かうにつれて次第に後方に傾斜している。こうして本実施例の車両構造では、車両前方を臨むように形成された隙間部50が、その後方に位置するリヤドア開口部12に通じている。そしてリヤドア開口部12に位置するアンダーカバー38の上面が、車両下面4側に形成された隙間部50を通じて車両外に連通している。なお隙間部50の下端部が後述する車両用ステップ装置(例えば各ステップ板)の高さ位置又はそれよりも下方に形成されている場合には、この隙間部50が車両下面側に形成されているとみなすことができる。
図5及び図6に示す突出部52は、車両前方からスライドドア20及びリヤドア開口部12を見た場合に、隙間部50に対して少なくとも部分的に重なるように構成された部位である。この突出部52は、右方が解放された角筒状に形成されており、左側(車両外側)を臨む左ガイド面53と、前側を臨む前ガイド面55と、下側を臨む下ガイド面56と、上側を臨む上ガイド面(図示省略)とを有している。なお突出部52は、図10に示すように、左ガイド面53の裏面(右面)に突設された複数のリブLBによって剛性が確保されている。そして本実施例の突出部52は、車両ボディ10をなすアンダーカバー38の外側縦壁部383に配設されており、この外側縦壁部383から左側(車両外側)に向けて突出している。また左ガイド面53は、図5に示すように、フロントドア15のロッカーモール21に対して概ね面一となるように配置されて車両後方に延びている。
そして図5及び図6に示す左ガイド面53の後縁には、左側(車両外側)に張り出す左ガイド部54が設けられている。ここで図9に示す突出部52及び左ガイド部54の上下の長さ寸法L1は特に限定しないが、少なくとも隙間部50の後方に位置する車両用ステップ装置に重なる(部分的に重なる)寸法であることが望ましい。例えば本実施例の左ガイド部54は、車両前後方向から見た場合に、隙間部50の延びる車両上下方向に沿うように、上方から下方に向かうにつれて次第に後方に傾斜して延在しており、隙間部50の概ね全長を網羅している。そして左ガイド部54は、図10に示すように、後方の隙間部50に向かうにつれて次第に左側に向かうテーパ形状に形成されている。この突出部52及び左ガイド部54の左右の長さ寸法(突出寸法L2)は、後述するように空気流AFに乗った異物を隙間部50に対してその左側に逸らせられるように設定される。ここで突出部52及び左ガイド部54の突出寸法L2の設定に際しては、左ガイド部54の外面に沿うように延びる仮想線VLを想定する。そして仮想線VLの後端が、隙間部50の左端と同位置又はそれよりも左側(車両外側)に位置するように、突出部52及び左ガイド部54の突出寸法L2を設定することができる。例えば本実施例の突出部52及び左ガイド部54の突出寸法L2は、車両前方から見て隙間部50に完全に重なる(被覆する)寸法に設定されて、仮想線VLの後端が隙間部50の左側に位置している。なお異物の過度の入り込みを規制できるならば、突出部52及び左ガイド部54の突出寸法L2を、隙間部50に部分的に重なるように短く設定して、隙間部50を左ガイド部54の左側から若干露出させることもできる。このような場合においても、仮想線VLの後端が隙間部50の左端と同位置又はそれよりも左側に位置していることが望ましい。
図1~図4に示す車両用ステップ装置40は、乗員の昇降動作を支援するための装置であり、第一ステップ板41と、第二ステップ板42と、四節リンク機構43(支持機構)と、連結機構の一部(レール部46)とを備えている。本実施例では、後述する四節リンク機構43が、第一ステップ板41とともに、各支持ブラケット37に支持されてロッカー30の下側に設置されている。そして後述する第二ステップ板42は、第一ステップ板41の上側に位置するようにロッカー30側に設置されている。なお両ステップ板41,42の地上からの高さ位置(地上高)は、乗員の乗降動作を考慮して必要以上に高すぎないことが望ましい。ここでロッカー30の地上高は、地上の障害物などを考慮して適度な高さ位置に設定されている。そこで本実施例では、第一ステップ板41を、下端フランジ部333f,31dの左側(車両外側)に配置し、さらに下端フランジ部333f,31dの下端位置(H1)以上の高さ位置に配置している。このように第一ステップ板41をロッカー30の下側に設置することで、第一ステップ板41の地上高が高くなりすぎるといった事態を極力回避しつつ、その地上高を適正値に設定できる。
図11~図13に示す第一ステップ板41は、乗員の乗降の際に踏み面となる板状部材であり、後述の四節リンク機構43(支持機構)にて、ロッカー30に対して概ね平行に支持されている。そして第一ステップ板41は、前後に長尺な帯板状に形成されており、踏み面となるべき第一上面部41aを有している。この第一上面部41aは、上方視で概ね矩形状をなし、複数の滑止部41Xと、複数の案内部41Yとが上方に向けて突設されている。各滑止部41Xは、前後方向に延びる縦板状の部位であり、いずれの滑止部41Xも概ね同形同寸とされている。そして第一上面部41aには、複数の滑止部41X(各図では三つ)が左右に列をなして設けられており、隣り合う滑止部41Xの列同士は、前後方向に適宜の間隔をあけて配置されている。
図11及び図13に示す四節リンク機構43は、第一ステップ板41の左側(車両外側)への突出量を調整可能な状態で第一ステップ板41をロッカー30に対して支持することができる。すなわち四節リンク機構43は、ロッカー30に対して第一ステップ板41を格納位置と使用位置間で移動可能に支持しており、第一ステップ板41の突出量をその位置変位によって調整できる。この四節リンク機構43は、前支持リンク43f及び後支持リンク43bを備えている。これら前支持リンク43fと後支持リンク43bとは、等しい長さで形成された板状部材であり、後述するように第一ステップ板41とロッカー30とにそれぞれ軸連結されている。
ここで図14を参照して、第一ステップ板41に連結された前後の先端連結軸43x,43y間の距離は、前後の支持部37sf,37sbに連結された回転中心軸43c,43e間の距離と等しい値に設定されている。また前支持リンク43fと後支持リンク43bとは等しい寸法で形成されている。このため四節リンク機構43の前支持リンク43fと後支持リンク43bとが水平回動することで、第一ステップ板41は、平面視においてロッカー30と平行に保持された状態で円弧軌跡Sに沿って移動するようになる。そして両支持リンク43f,43bの先端部が、回転中心軸43c,43eを中心にロッカー30とほぼ平行な位置(右回動限位置)まで水平回動する(図14の二点破線部分を参照)。このように両支持リンク43f,43bの先端部が、回転中心軸43c,43eを中心に右側に回動することで、第一ステップ板41は、図14の二点破線で示すようにロッカー30の下側に位置する格納位置に保持される。また両支持リンク43f,43bの先端部が、回転中心軸43c,43eを中心にロッカー30とほぼ直角な位置(左回動限位置)まで水平回動する(図14の実線部分を参照)。このように両支持リンク43f,43bの先端部が、回転中心軸43c,43eを中心に左側に回動することで、第一ステップ板41は、図14の実線で示すようにロッカー30の下側から左側に突出して使用位置に保持される。
図11~図13に示す第二ステップ板42は、第一ステップ板41と同様に乗員の乗降の際に踏み面となる板状部材であり、第一ステップ板41の上側に配置されるようにロッカー30側に配設されている。この第二ステップ板42には、断面視略逆L字状となるように、固定板部42xがヒンジ部42yを介して連結されている。固定板部42xは、前後に長尺な縦壁状に形成されており、下部パネル333の取付けフランジ部333wに締結等の手法で固定されている。そして固定板部42xの下縁は、第一ステップ板41の上側に配置されているとともに、ヒンジ部42yを介して第二ステップ板42が連結されている。このヒンジ部42yは、固定板部42xの下縁と第二ステップ板42の右部分(右縁42e)とを連結する蝶番状の部位である。そして第二ステップ板42の左部分(左縁42d)側は、ヒンジ部42yの前後に延びる軸Aを中心として固定板部42xに対して上下に回動可能な状態となっている。
図2~図4に示す連結機構45は、第一ステップ板41とスライドドア20とを連結する機構であり、スライドドア20側のブラケット45bと、第一ステップ板41側のレール部46とで構成されている。ここでブラケット45bは、上下に長い帯板状に形成されており、スライドドア20の前端位置でドアアウタパネル22とドアインナパネル23との下部に固定されている。そしてブラケット45bの下部は、図3に示すように下方に向かうにつれて左方に傾斜したのち、第一ステップ板41の左端からその下側に直角に折り曲げられてほぼ水平に保持されている。また水平に保持されたブラケット45bの下端部に転動ローラ45rが水平に設けられている。この転動ローラ45rは、第一ステップ板41の下面に形成された後述のレール部46に転動可能な状態で嵌合している。
図4に示すようにスライドドア20が全閉位置にある状態では、この閉め状態のスライドドア20の右側(車両内側)に格納位置の車両用ステップ装置40が配置されている。そして第一ステップ板41及び四節リンク機構43等の機能部材は、リヤドア開口部12のロッカー30とアンダーカバー38の間に配置され、さらにスライドドア20のドア下モール27によって左側(車両外側)が覆われている。
図7及び図10を参照して、車両2の走行時においては、その前方から後方に向かう空気流AFが発生し、この空気流AFに乗った雨や雪などの異物が、車両前方を臨む隙間部50に向かって来る。そこで車両構造では、上述したように、隙間部50に対して少なくとも部分的に重なるように構成された突出部52が、アンダーカバー38に設けられて隙間部50の車両前方位置に配置されている。このような構成によると、空気流AFに乗った異物は、図10に示すように、突出部52の左ガイド面53に沿って後方に流れ、左ガイド面53の後端に設けられた左ガイド部54に到達する。そして空気流AFに乗った異物は、左ガイド部54に沿って左側(車両外側)にジャンプするように導かれることで、隙間部50から次第に左側に逸れていく。このように空気流AFの異物を突出部52の左ガイド部54にて車両外側に導くことで、この空気流AFに乗った異物が過度に隙間部50に入り込まないように遮ることができる。特に本実施例の車両2では、図7及び図10を参照して、フロントドア15のフロントドア下モール26とロッカーモール21の間の狭小な通路70で空気流AFの流速が高まり、相対的に多量の異物が隙間部50に向かって来ることが想定される。このような場合にも、空気流AFに乗った異物を、ロッカーモール21と面一の左ガイド面53にて左ガイド部54にスムーズに案内したのち、この左ガイド部54によって左側に導くことが可能となる。そして図9に示すように、隙間部50の延びる方向に沿って延在する突出部52にて、隙間部50の広範囲にわたって過度の異物の入り込みを回避することが可能となる。さらに図5を参照して、本実施例の突出部52によると、空気流に乗った異物を、その前ガイド面55から下ガイド面56に沿わせて後方に流し、さらに下ガイド部57によって下方(車両外側)に導くこともできる。
ところで上述の車両構造では、図8に示すように、若干の異物Xが隙間部50に入り込んでリヤドア開口部12に侵入することが想定される。そこでこのような場合には、若干の異物Xを、アンダーカバー38の上面に設けたガイド壁39で受けつつ後方に流し、さらに排出用ガイド壁390によって左側(車両外側)に導くこととしている。こうして若干の異物Xが隙間部50に入り込んだとしても、この異物Xをガイド壁39及び排出用ガイド壁390によって左側(車両外側)に排出することで、アンダーカバー38の上面に多量の異物Xが堆積するといった事態を極力回避することができる。またアンダーカバー38上の異物Xは、四節リンク機構43を囲うように設けられたガイド壁39で受けられるため、この異物Xが四節リンク機構43に侵入し難くなる。
つぎに車両用ステップ装置40を使用位置に移動させる際の挙動を説明する。図13及び図14を参照して、スライドドア20が全閉位置から開方向(各図の後方)に移動を開始する。そうするとブラケット45bの転動ローラ45rが、レール部46の前端折曲部46aの前端部から前端折曲部46aに沿って左後方向に移動する。ここでレール部46の前端折曲部46aは、スライドドア20が全閉位置から開方向に移動を開始するときの移動軌跡Doに沿うように形成されている。このため転動ローラ45rが前端折曲部46aを転動しても、スライドドア20の移動力が転動ローラ45rを介して第一ステップ板41のレール部46に加わらない。すなわちスライドドア20が全閉位置から開方向に移動する際には、第一ステップ板41は移動することがなく、格納位置に保持されている。そしてスライドドア20の開方向の移動が継続されると、スライドドア20側の転動ローラ45rがレール部46の直線部46bに到達する。このレール部46の直線部46bは、スライドドア20が全閉位置から開方向に移動を開始するときの移動軌跡Doとは交差している。このためスライドドア20側の転動ローラ45rが直線部46bに到達すると、スライドドア20の左向きの移動力が転動ローラ45rを介してレール部46の直線部46bに加わり、第一ステップ板41が左側に押圧される。これにより四節リンク機構43の前支持リンク43fと後支持リンク43bとが、対応する支持部37sf,37sbの回転中心軸43c,43eを中心に左回動し、第一ステップ板41がロッカー30と平行な状態で左側に水平移動する。そして転動ローラ45rは、スライドドア20の開方向(後方向)の移動に合わせてレール部46の直線部46b内を後方に移動する。
ところで図4及び図12を参照して、第一ステップ板41は、格納位置から使用位置に(右から左に)水平移動する際に、ロッカー30側に設置された第二ステップ板42に対して相対移動していく。この位置変位時の第一ステップ板41は、第一上面部41aの各案内部41Yを第二ステップ板42に接した状態として、第二ステップ板42に対して相対移動することができる。すなわち第二ステップ板42の左縁42dは、第一ステップ板41の位置変位によって各案内部41Yの左縁から右縁へと相対移動していく。このとき第二ステップ板42の左縁42dが各案内部41Yの外側テーパ面Y2に沿って次第に上方に押し上げられながら相対移動することにより、第一上面部41aの各滑止部41Xを乗り越えながら移動していくことができる。そして第二ステップ板42の左縁42dが、各案内部41Yの右端の内側テーパ面Y1に到達して下降していくことにより、第二ステップ板42が、使用位置の第一ステップ板41と概ね平行な状態に復帰することとなる。こうして本実施例では、第一ステップ板41を、各滑止部41Xに極力邪魔されることなく、第二ステップ板42に対して相対移動させていくことができる。また第二ステップ板42の左縁42dは、ヒンジ部42yを基点に上下に回動可能であるため、この第二ステップ板42を、各案内部41Yの上端面(Y1,Y2)に沿ってスムーズに上下動させることができる。
そして図2を参照して、第一ステップ板41が使用位置に変位した際には、この第一ステップ板41がロッカー30の左側(車両外側)に向けて大きく突出した状態となる。この状態の第一ステップ板41では、図11~図13を参照して、凹部位412がロッカー30の左側に露出することにより、左右方向において凹部位412の離間部位413とロッカー30との間に相対的に大きな隙が設けられた状態となる。そして離間部位413とロッカー30との大きな隙は、上下方向において踏み面となる部分がない非ステップ領域60となっている。こうして本実施例では、第一ステップ板41を大きく突出させることができるのであるが、この種の構成では、非ステップ領域60が形成されたとしても優れた乗降性能を確保すべきである。
4 車両下面
10 車両ボディ
11 フロントドア開口部
12 リヤドア開口部(本発明のドア開口部)
12s 固定ステップ板
15 フロントドア
16 フロアパネル
17 ボディ側ウエザストリップ
19 下部ガイドレール
20 スライドドア
21 ロッカーモール
22 ドアアウタパネル
23 ドアインナパネル
23w ドア側ウエザストリップ
24 外装材
25 下部ガイドローラーユニット
26 フロントドア下モール
27 ドア下モール
270 サイド被覆部
271 フロント被覆部
271a (フロント被覆部の)右縁
272 底被覆部
30 ロッカー
31 ロッカーインナー
31u,31d (ロッカーインナーの)フランジ部
35 サイドアウター
35u (サイドアウターの)フランジ部
37 支持ブラケット
37f 外側フランジ部
37sf 前側支持部
37sb 後側支持部
37e 内側フランジ部
37m 跨ぎ部
330 ロッカーアウター
331 上部パネル
331u (上部パネルの)縦向きフランジ部
331y (上部パネルの)横向きフランジ部
332 天井パネル
332w 外部フランジ部
332t 縦壁部
333 下部パネル
333w 取付けフランジ部
333u 上端フランジ部
333f 下端フランジ部
38 アンダーカバー
380 カバー本体
381 縦壁部
382 前側縦壁部
383 外側縦壁部
39 ガイド壁
390 排出用ガイド壁
DM (アンダーカバーの)窪み部分
DMM (アンダーカバーの)段差部
40 車両用ステップ装置
41 第一ステップ板
41a 第一上面部
41b 前縁部
41c 後縁部
41d 左縁部
41e 右縁部
411 一般縁部位
412 凹部位
413 離間部位
41X 滑止部
41Y 案内部
Y1 内側テーパ面
Y2 外側テーパ面
42 第二ステップ板
42x 固定板部
42y ヒンジ部
42a 第二上面部
42b 前縁
42c 後縁
42d 左縁
42e 右縁
42X 上側滑止部
43 四節リンク機構
43f 前支持リンク
43b 後支持リンク
43c,43e 回転中心軸
43x,43y 先端連結軸
45 連結機構
45b ブラケット
45r 転動ローラ
46 レール部
46a 前端折曲部
46b 直線部
50 隙間部
52 突出部
53 左ガイド面
54 左ガイド部(本発明のガイド部)
55 前ガイド面
56 下ガイド面
57 下ガイド部
60 非ステップ領域
70 通路
AF 空気流
X 異物
Claims (5)
- 車両ボディに設けられたドア開口部と、前記ドア開口部を開閉するスライドドアと、前記ドア開口部の位置に設置される車両用ステップ装置と、前記車両用ステップ装置の下方を覆うアンダーカバーとを備え、
前記車両用ステップ装置の踏み面となるステップ板は、前記ドア開口部から車両外側に突出する使用位置と、閉め状態の前記スライドドアよりも車両内側に位置する格納位置との間で移動可能とされている車両構造であって、
車両前側から前記スライドドア及び前記アンダーカバーを見た場合に、閉め状態の前記スライドドアと前記アンダーカバーとの間で且つ車両下面側に形成されて前記ドア開口部に通じる隙間部と、前記隙間部に対して少なくとも部分的に重なるように構成された突出部とが設けられており、
前記突出部は、前記車両ボディの下面に設けられていると共に、車両下面に沿って流れる空気流が、前記隙間部の手前で前記突出部に当てられる車両構造。 - 前記突出部は、車両前方を臨むように形成された前記隙間部の車両前方位置に設けられている請求項1に記載の車両構造。
- 車両前側から前記スライドドア及び前記アンダーカバーを見た場合に、前記隙間部は、細長で車両上下方向と車幅方向との少なくとも一方の方向に沿っているとともに、前記突出部は、前記隙間部の全長を網羅する請求項1又は2に記載の車両構造。
- 前記突出部には、前記隙間部に向かうにつれて次第に車両外側に張り出すガイド部が設けられている請求項1~3のいずれか一項に記載の車両構造。
- 前記アンダーカバーの上面には、前記隙間部を通じて前記ドア開口部に侵入した異物を受けられるように上方へ立ち上がるガイド壁が、前記隙間部から離れるに従って次第に車両外側に向かうように形成されている請求項1~4のいずれか一項に記載の車両構造。
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