JP5900378B2 - 車両の前部車体構造 - Google Patents
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Description
すなわち、図10に示すように、フロントウインド部材91を下方から支持する側面視で凹形状のカウルパネル92を設け、この凹形状のカウルパネル92の底面部92aには、車両上向きに開口する空調装置の外気導入ダクト93用の開口部92bを設け、ボンネット94の裏位置にてカウルルーバ95に形成されたカウルルーバ開口95aと、上述の開口部92bとの間に防水カバーとしての水切り板96を設けると共に、この水切り板96と外気導入ダクト93用の開口部92bとの間には縦壁97を設けたものである。
上述の水切り板96(防水カバー)および縦壁97は、何れも外気導入ダクト93用の開口部92bに雨水などの水が侵入するのを遮蔽するものである。
上述の車両上向きに開口する開口部92bをもったカウルパネル92に代えて、外気導入ダクト用の開口部が車両前方向きに開口するカウルパネルを採用する場合、この外気導入ダクト用の開口部は、フロントウインド部材の傾斜下端部近傍に形成されるため、雨水が外気吸引用ブロアの吸引力で吸引されやすく、また、当該開口部が車両前方向きに開口しているので、水よけの縦壁97を設けると、吸気性が低下するので、このような縦壁97を設けることができない。
このため、従来から外気導入ダクト用の開口部が車両前方向きに開口するカウルパネルを採用する場合、水を外気導入ダクトに吸引しない構造が要請されている。
また、排水経路が車両後方側ほど下方に傾斜しているので、車両の下り坂走行時や下り坂停車時においても排水経路による排水を行なうことができる。
上述の近傍とは、滴下した水が跳ね上がって防水カバー側部に戻らない距離を隔てた位置のことである。
降雨量が多く、カウル部底部への水の貯留量が多くなるような場合、防水カバー側部の排水経路の傾斜が小さいと、水が逆流する可能性があるが、排水経路の車両前後方向の後部側の傾斜を大きくしたので、カウル部から排水経路への水の逆流を防止することができる。
図面は車両の前部車体構造を示し、図1はその斜視図、図2は図1のX−X線矢視断面図である。
図2において、ダッシュロアパネル1でエンジンルーム2と車室3とを前後方向に仕切ると共に、このダッシュロアパネル1の上部にはカウルパネル4を設けている。
このカウルパネル4は、充填剤としての接着剤5を介してフロントウインド部材6の傾斜下部をその車幅方向の略全幅にわたって下方から支持するパネル部材である。
なお、上述のフロントウインド部材6の車幅方向両側の側縁部には、ヒンジピラー上端からルーフサイドレールにかけて車両の後方かつ上方に延びるフロントピラー7(図1参照)が設けられており、フロントウインド部材6の車幅方向両側の側縁部は、該フロントピラー7で支持されている。
また、図4に底面図で示すように、上述の縦壁部4Cの下端は、少なくとも車幅方向の中央部付近において車幅方向に延びる略直線状に形成されている。
この実施例では、衝突荷重の入力時に、縦壁部4Cを円滑に倒すことを目的として、図3,図4に示すように、縦壁部4Cの下端における車幅方向全幅のうちの車幅方向長さLで示す過半部に略直線部4Eを形成している。
なお、図中、4Lはカウルパネル4の車幅方向左端を示し、4RIはカウルパネル4の車幅方向右端を示す。
これらの各補強部材8,9は、その上部にカウルパネル4の上面部4A下側に接合される第1接合部8a,9aを有し、その下部にカウルパネル4の縦壁部4Cの後面(つまり背面)に接合される第2接合部8b,9bを有し、上述の第1接合部8a,9aと第2接合部8b,9bとの間には、衝撃荷重の入力時に後方へ突出する折曲げ部8c,9cが形成されている。
ここで、上述の上片部8d,9dは側面視で、前高後低形状に形成されており、上述の下片部8e,9eは側面視で、上下方向に略真っ直ぐに形成されている。
また、図5,図6に示すように、カウルパネル4の長手方向と垂直な断面視において、上述の補強部材8,9の上片部8d,9dは、フロントウインド部材6と略垂直(つまり略直角)になるように形成されており、これにより、ガラス支持剛性のさらなる向上を図るように構成している。
ここで、上述のカウルフロントパネル10は、その後部がカウルパネル4の下面部4Dにおける前側上面に接合される下面部10aと、この下面部10aの前端から上方に立上がる縦壁部10bと、この縦壁部10bの上端から前方に延びる上面部10cとを一体形成したものである。
また、図2に示すように、カウルフロントパネル10の上面部10c下側と下面部10a下側との間には、車幅方向に延びるカウルクロスメンバ12を接合して、このカウルクロスメンバ12とカウルフロントパネル10との間には、車幅方向に延びるカウル閉断面13を形成している。
図2,図3に示すように、上述の開口部17は車両前方向きに開口するように形成されており、この開口部17の前側には、該開口部17を覆うように合成樹脂製の防水カバー20が設けられている。
図7は防水カバー20の斜視図、図8は図7の右側面図、図9は防水カバーの背面図である。
ここで、上述の上面部21はその後部から前部に向けて円弧状に下方へ傾斜するように形成されている。
つまり、防水カバー20はその前部から側部にわたって排水経路としてのドレン部27,30,31,34,35が形成されたものであって、両側部のドレン部30,31,34,35は、車両後方側ほど下方に傾斜するように形成されている。
詳しくは、図7,図8,図9に示すように、防水カバー20の側部の排水経路(ドレン部30,31,34,35参照)は、車両前後方向の後部側に位置する後側ドレン部31,35が、車両前後方向の前部側に位置する前側ドレン部30,34と比較して傾斜が大きくなるように形成されている。
しかも、防水カバー20の側部の排水経路である後側ドレン部31の下端部は、図2に示すように、カウルパネル4の下面部4Dに所定離間距離△Lを隔てて近接し、ドレン部31の下端部が下面部4Dの近傍となるように形成されている。この離間距離△Lの設定により、ドレン部31の下端部からカウルパネル4の下面部4Dに滴下した水が跳ね上がらないように構成すると共に、跳ね上がった水が防水カバー20側部に戻らないように構成している。なお、他方の後側ドレン部35の下端部も同様に形成されている。
なお、図中、矢印Fは車両の前方を示し、矢印Rは車両の後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印UPは車両の上方を示す。また、図1において、40はカウルサイドパネルである。
防水カバー20において後部から前部に向けて円弧状に下方へ傾斜した上面部21から受樋26に流下した雨水などの水は、図1,図7に点線矢印で示すように、車幅方向に延びるドレン部27から左右両側方に回り込んで側部の前側ドレン部30,34に至り、この前側ドレン部30,34の後方が下方に傾斜する緩勾配に沿って流下した後に、側部の後側ドレン部31,35に至り、この後側ドレン部31,35の急勾配に沿って、その下端部からカウルパネル4の下面部4D上に滴下する。
また、後側ドレン部31,35はカウルパネル4の下面部4Dの近傍となるように形成されており、当該後側ドレン部31,35から水が滴下する時の跳ね上がりが抑制されているので、水が外気導入ダクト18に吸引されるのを防止できる。
また、排水経路(ドレン部27,30,31,34,35)が車両後方側ほど下方に傾斜しているので、車両の下り坂走行時や下り坂停車時においても排水経路による排水を行なうことができる。
さらに、上記防水カバー20の側部の排水経路(ドレン部31,35参照)の下端部が、上記カウルパネル4の下面部4D近傍となるよう形成されたものである(図2参照)。
上述の近傍とは、滴下した水が跳ね上がって防水カバー20側部に戻らない距離を隔てた位置のことである。
さらにまた、上記防水カバー20の側部の排水経路(ドレン部30,31,34,35)の車両前後方向の後部側(後側ドレン部31,35参照)が、上記側部の排水経路の車両前後方向の前部側(前側ドレン部30,34参照)と比較して傾斜が大きくなるよう形成されたものである(図2,図9参照)。
降雨量が多く、カウル部11底部への水の貯留量が多くなるような場合、防水カバー20側部の排水経路の傾斜が小さいと、水が逆流する可能性があるが、排水経路の車両前後方向の後部側(後側ドレン部31,35)の傾斜を大きくしたので、カウル部11から排水経路への水の逆流を防止することができる。
加えて、上記防水カバー20の側部の排水経路(ドレン部30,31,34,35)の車両前後方向の後部側(後側ドレン部31,35)が、略垂直に形成されたものである(図2,図8,図9参照)。
また、上記カウルパネル4は、長手方向に垂直な断面視で上記フロントウインド部材6が接合される上面部4Aと、該上面部4Aから下方に延び、上記フロントウインド部材6と上記上面部4Aとの接合部よりも車両前方に膨出する膨出部4Bと、該膨出部4Bから下方に延びる縦壁部4Cと、該縦壁部4Cの下端から車両前方に延びる下面部4Dと、を有し、上記膨出部4Bと上記縦壁部4Cとにわたって空調装置の外気導入ダクト18用の開口部17が設けられており、上記膨出部4Bの前側に上記開口部17を覆うように上記防水カバー20が設けられたものである(図2,図3,図5,図6参照)。
この発明の排水経路は、実施例のドレン部27,30,31,34,35に対応し、
以下同様に、
側部の排水経路は、ドレン部30,31,34,35に対応し、
排水経路の車両前後方向の後部側は、後側ドレン部31,35に対応し、
排水経路の車両前後方向も前部側は、前側ドレン部30,34に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
4A…上面部
4B…膨出部
4C…縦壁部
4D…下面部
6…フロントウインド部材
17…開口部
18…外気導入ダクト
20…防水カバー
27,30,31,34,35…ドレン部(排水経路)
Claims (5)
- 車幅方向に延びてフロントウインド部材を下方から支持するカウルパネルを備えた車両の前部車体構造であって、
上記カウルパネルに、車両前方向きに開口する空調装置の外気導入ダクト用の開口部が設けられており、
上記開口部の前側に該開口部を覆うように防水カバーが設けられており、
上記防水カバーの前部から側部にわたって設けられた排水経路が、車両後方側ほど下方に傾斜するよう形成された
車両の前部車体構造。 - 上記防水カバーの側部の排水経路の下端部が、上記カウルパネルの下面部近傍となるよう形成された
請求項1記載の車両の前部車体構造。 - 上記防水カバーの側部の排水経路の車両前後方向の後部側が、上記側部の排水経路の車両前後方向の前部側と比較して傾斜が大きくなるよう形成された
請求項1または2記載の車両の前部車体構造。 - 上記防水カバーの側部の排水経路の車両前後方向の後部側が、略垂直に形成された
請求項3記載の車両の前部車体構造。 - 上記カウルパネルは、長手方向に垂直な断面視で上記フロントウインド部材が接合される上面部と、
該上面部から下方に延び、上記フロントウインド部材と上記上面部との接合部よりも車両前方に膨出する膨出部と、
該膨出部から下方に延びる縦壁部と、
該縦壁部の下端から車両前方に延びる下面部と、を有し、
上記膨出部と上記縦壁部とにわたって空調装置の外気導入ダクト用の開口部が設けられており、
上記膨出部の前側に上記開口部を覆うように上記防水カバーが設けられた
請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の前部車体構造。
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