JP2014168972A - 車両の前部車体構造 - Google Patents

車両の前部車体構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2014168972A
JP2014168972A JP2013040376A JP2013040376A JP2014168972A JP 2014168972 A JP2014168972 A JP 2014168972A JP 2013040376 A JP2013040376 A JP 2013040376A JP 2013040376 A JP2013040376 A JP 2013040376A JP 2014168972 A JP2014168972 A JP 2014168972A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
waterproof cover
cowl
opening
drainage path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013040376A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5900378B2 (ja
Inventor
Atsushi Nakamura
淳 中村
Noriyoshi Sahashi
則義 佐橋
Koji Yokohata
孝司 横畠
Yasuhiko Nishida
靖彦 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2013040376A priority Critical patent/JP5900378B2/ja
Publication of JP2014168972A publication Critical patent/JP2014168972A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5900378B2 publication Critical patent/JP5900378B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】排水経路からカウル部に滴下する水が外気導入ダクトに吸引されない車両の前部車体構造の提供を目的とする。
【解決手段】車幅方向に延びてフロントウインド部材6を下方から支持するカウルパネル4を備え、カウルパネル4に、車両前方向きに開口する空調装置の外気導入ダクト18用の開口部17が設けられ、開口部17の前側に該開口部17を覆うように防水カバー20が設けられて、防水カバー20の前部から側部にわたって設けられた排水経路27,30,31が、車両後方側ほど下方に傾斜するよう形成されたことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

この発明は、車幅方向に延びてフロントウインド部材を下方から支持するカウルパネルを備えたような車両の前部車体構造に関する。
従来、上述例の車両の前部車体構造としては、特許文献1に開示された構造がある。
すなわち、図10に示すように、フロントウインド部材91を下方から支持する側面視で凹形状のカウルパネル92を設け、この凹形状のカウルパネル92の底面部92aには、車両上向きに開口する空調装置の外気導入ダクト93用の開口部92bを設け、ボンネット94の裏位置にてカウルルーバ95に形成されたカウルルーバ開口95aと、上述の開口部92bとの間に防水カバーとしての水切り板96を設けると共に、この水切り板96と外気導入ダクト93用の開口部92bとの間には縦壁97を設けたものである。
上述の水切り板96(防水カバー)および縦壁97は、何れも外気導入ダクト93用の開口部92bに雨水などの水が侵入するのを遮蔽するものである。
また、上述の水切り板96に形成された樋形状の排水経路98は、該排水経路98からカウルパネル92の底面部92aに滴下した水が跳ね上がって、外気吸引用ブロアの吸引力で開口部92bから吸引されるのを防止する目的で、オープンカウル部の前側に車幅方向に比較的長尺かつ略直線状に設けられている。
上述の車両上向きに開口する開口部92bをもったカウルパネル92に代えて、外気導入ダクト用の開口部が車両前方向きに開口するカウルパネルを採用する場合、この外気導入ダクト用の開口部は、フロントウインド部材の傾斜下端部近傍に形成されるため、雨水が外気吸引用ブロアの吸引力で吸引されやすく、また、当該開口部が車両前方向きに開口しているので、水よけの縦壁97を設けると、吸気性が低下するので、このような縦壁97を設けることができない。
このため、従来から外気導入ダクト用の開口部が車両前方向きに開口するカウルパネルを採用する場合、水を外気導入ダクトに吸引しない構造が要請されている。
特開2004−58722号公報
そこで、この発明は、排水経路からカウル部に滴下する雨水などの水が外気導入ダクトに吸引されない車両の前部車体構造の提供を目的とする。
この発明による車両の前部車体構造は、車幅方向に延びてフロントウインド部材を下方から支持するカウルパネルを備えた車両の前部車体構造であって、上記カウルパネルに、車両前方向きに開口する空調装置の外気導入ダクト用の開口部が設けられており、上記開口部の前側に該開口部を覆うように防水カバーが設けられており、上記防水カバーの前部から側部にわたって設けられた排水経路が、車両後方側ほど下方に傾斜するよう形成されたものである。
上記構成によれば、防水カバーの前部から側部にわたって設けられた排水経路が、車両後方側ほど下方に傾斜しているので、排水経路の後方側ほどボディ(カウル部)に接近することになり、該排水経路からカウル部に滴下する水が滴下途中に外気導入ダクトに吸引されない。
また、排水経路が車両後方側ほど下方に傾斜しているので、車両の下り坂走行時や下り坂停車時においても排水経路による排水を行なうことができる。
この発明の一実施態様においては、上記防水カバーの側部の排水経路の下端部が、上記カウルパネルの下面部近傍となるよう形成されたものである。
上述の近傍とは、滴下した水が跳ね上がって防水カバー側部に戻らない距離を隔てた位置のことである。
上記構成によれば、滴下時の水の跳ね上がりを抑制することができる。つまり、カウルパネルに設けられた外気導入ダクト用の開口部がフロントウインド部材の傾斜下端部近傍に位置するため、滴下時の跳ね上がりが大きい場合には、この跳ね上がった水が防水カバー側壁を回り込んで外気導入ダクトに吸引されてしまうが、上記構成により跳ね上がりを抑制するので、水が外気導入ダクトに吸引されない。
この発明の一実施態様においては、上記防水カバーの側部の排水経路の車両前後方向の後部側が、上記側部の排水経路の車両前後方向の前部側と比較して傾斜が大きくなるよう形成されたものである。
上記構成によれば、次のような効果がある。
降雨量が多く、カウル部底部への水の貯留量が多くなるような場合、防水カバー側部の排水経路の傾斜が小さいと、水が逆流する可能性があるが、排水経路の車両前後方向の後部側の傾斜を大きくしたので、カウル部から排水経路への水の逆流を防止することができる。
この発明の一実施態様においては、上記防水カバーの側部の排水経路の車両前後方向の後部側が、略垂直に形成されたものである。
上記構成によれば、排水経路の車両前後方向の後部側を略垂直に形成したので、カウル部から排水経路への水の逆流をより一層確実に防止することができる。
この発明の一実施態様においては、上記カウルパネルは、長手方向に垂直な断面視で上記フロントウインド部材が接合される上面部と、該上面部から下方に延び、上記フロントウインド部材と上記上面部との接合部よりも車両前方に膨出する膨出部と、該膨出部から下方に延びる縦壁部と、該縦壁部の下端から車両前方に延びる下面部と、を有し、上記膨出部と上記縦壁部とにわたって空調装置の外気導入ダクト用の開口部が設けられており、上記膨出部の前側に上記開口部を覆うように上記防水カバーが設けられたものである。
上記構成によれば、外気導入ダクト用の開口部がフロントウインド部材の傾斜下端部近傍に位置するカウルパネル(いわゆるS字カウル)において、排水経路からカウル部に滴下する水が外気導入ダクトに吸引されない。
この発明によれば、防水カバーの前部から側部にわたって設けられた排水経路が、車両後方側ほど下方に傾斜するよう形成されたものであるから、排水経路からカウル部に滴下する水が滴下途中に外気導入ダクトに吸引されないという効果がある。
本発明の車両の前部車体構造を示す斜視図 図1のX−X線矢視断面図 カウルパネルの斜視図 カウルパネルの底面図 図4のA−A線矢視断面図 図4のB−B線矢視断面図 防水カバーの斜視図 図7の右側面図 防水カバーの背面図 従来の車両の前部車体構造を示す側面図
排水経路からカウル部に滴下する水が外気導入ダクトに吸引されないという目的を、車幅方向に延びてフロントウインド部材を下方から支持するカウルパネルを備えた車両の前部車体構造において、上記カウルパネルに、車両前方向きに開口する空調装置の外気導入ダクト用の開口部が設けられており、上記開口部の前側に該開口部を覆うように防水カバーが設けられており、上記防水カバーの前部から側部にわたって設けられた排水経路を、車両後方側ほど下方に傾斜するよう形成するという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の前部車体構造を示し、図1はその斜視図、図2は図1のX−X線矢視断面図である。
図2において、ダッシュロアパネル1でエンジンルーム2と車室3とを前後方向に仕切ると共に、このダッシュロアパネル1の上部にはカウルパネル4を設けている。
このカウルパネル4は、充填剤としての接着剤5を介してフロントウインド部材6の傾斜下部をその車幅方向の略全幅にわたって下方から支持するパネル部材である。
なお、上述のフロントウインド部材6の車幅方向両側の側縁部には、ヒンジピラー上端からルーフサイドレールにかけて車両の後方かつ上方に延びるフロントピラー7(図1参照)が設けられており、フロントウインド部材6の車幅方向両側の側縁部は、該フロントピラー7で支持されている。
このカウルパネル4は、フロントウインド部材6の傾斜下部における車幅方向の長さと略同等の車幅方向長さを有するもので、該カウルパネル4は、図3,図4,図5,図6にも示すように、長手方向に垂直な断面視で上述のフロントウインド部材6が接合される上面部4Aと、この上面部4Aから下方に延び、フロントウインド部材6と上面部4Aとの接合部よりも車両前方に円弧状に膨出する側面視略C字形状の膨出部4Bと、この膨出部4Bの下部に該膨出部4Bの下部のコーナアール部4Rを介して、該4R部22Rから下方に延びる縦壁部4Cと、この縦壁部4Cの下端から車両前方に延びる4Dとを有している。
そして、図5,図6に示すように、上面部4A、膨出部4B、縦壁部4C、下面部4Dを、側面視の断面形状が略S字形状となるように一体形成している。このようにカウルパネル4を断面略S字形状と成して、膨出部4Bにより、カウルパネル4の後方スペースを広く確保することで、インテリアデザインの自由度を向上させつつ、膨出部4Bの前方張り出し構造により、フロントウインド部材6の支持剛性、つまりガラス支持剛性の確保ができ、また、衝突荷重の入力時には、ノーマル状態(変形前の状態)から、その第1段階(変形初期)で、膨出部4Bが下方かつ後方に変形して衝突エネルギを吸収し、次に、第2段階(変形後期)で、縦壁部4Cが後方へ移動して衝突エネルギを吸収し、これにより、歩行者保護性能を確保すべく構成している。
図3に斜視図で示すように、上述の膨出部4Bは、その車幅方向の中央部ほど車両前側に張り出している。すなわち、膨出部4Bの前方への張り出し量は車幅方向中央部で最大となり、車幅方向中央部から車幅方向の左右に行くに従って、張り出し量が漸減するように形成されている。
また、図4に底面図で示すように、上述の縦壁部4Cの下端は、少なくとも車幅方向の中央部付近において車幅方向に延びる略直線状に形成されている。
この実施例では、衝突荷重の入力時に、縦壁部4Cを円滑に倒すことを目的として、図3,図4に示すように、縦壁部4Cの下端における車幅方向全幅のうちの車幅方向長さLで示す過半部に略直線部4Eを形成している。
ここで、図5,図6に示すように、カウルパネル4の下面部4Dは略水平に形成されており、この下面部4Dと縦壁部4Cとのなす角度は90度以上、好ましくは略90度に設定されていて、衝突荷重入力時における縦壁部4Cの後方への倒れやすさを確保すると共に、断面略S字形状のカウルパネル4の上部と下部との実長差を可及的小さくし、当該カウルパネル4のプレス成形時における成形歩留りの向上を図るように構成している。
なお、図中、4Lはカウルパネル4の車幅方向左端を示し、4RIはカウルパネル4の車幅方向右端を示す。
図5,図6に示すように、カウルパネル4の車両後方側に接合される複数の補強部材8,9を設けている。この実施例では、図5に示すカウルパネル4の車幅方向中央部後面と、この車幅方向中央部から所定距離車幅方向の左右にオフセットした位置(図6参照)の後面と、の合計3箇所に補強部材8,9,9を設けている。この実施例では、合計3つ補強部材8,9は何れも上述の略直線部4Eの範囲内に設けられている。
これらの各補強部材8,9は、その上部にカウルパネル4の上面部4A下側に接合される第1接合部8a,9aを有し、その下部にカウルパネル4の縦壁部4Cの後面(つまり背面)に接合される第2接合部8b,9bを有し、上述の第1接合部8a,9aと第2接合部8b,9bとの間には、衝撃荷重の入力時に後方へ突出する折曲げ部8c,9cが形成されている。
上述の第1接合部8a,9aは、前低後高状にスラント形成されており、この第1接合部8a,9aは、カウルパネル4の上面部4Aとフロントウインド部材6との接合部、すなわち、接着剤5の配設位置に接合されている。特に、車幅方向中央部に位置する補強部材8においては、その折曲げ部8cが第1接合部8aと第2接合部8bとの上下方向中間よりも下方位置に形成されている。
この構成により、インテリアデザインの自由度を向上させつつ、歩行者保護性能を確保した断面略S字形状のカウルパネル構造において、上述の補強部材8,9によりガラス支持剛性の向上を図って、NVH性能の確保、特に、こもり音を低減すべく構成している。
図5,図6に示すように、上述の補強部材8,9は上端側の第1接合部8a,9aと折曲げ部8c,9cとの間の上片部8d,9dと、折曲げ部8c,9cと下端側の第2接合部8b,9bとの間の下片部8e,9eとを備えており、上片部8d,9dと下片部8e,9eとの成す角は鈍角(詳しくは、90度+フロントウインド部材6の水平に対する傾斜角度)に設定されている。
ここで、上述の上片部8d,9dは側面視で、前高後低形状に形成されており、上述の下片部8e,9eは側面視で、上下方向に略真っ直ぐに形成されている。
また、図5,図6に示すように、カウルパネル4の長手方向と垂直な断面視において、上述の補強部材8,9の上片部8d,9dは、フロントウインド部材6と略垂直(つまり略直角)になるように形成されており、これにより、ガラス支持剛性のさらなる向上を図るように構成している。
図2に示すように、カウルパネル4の下面部4Dの前側には、側面視で断面が略凹状のカウルフロントパネル10を接合固定しており、このカウルフロントパネル10と上述の断面略S字形状のカウルパネル4との両者により、オープンカウル構造のカウル部11を構成している。
ここで、上述のカウルフロントパネル10は、その後部がカウルパネル4の下面部4Dにおける前側上面に接合される下面部10aと、この下面部10aの前端から上方に立上がる縦壁部10bと、この縦壁部10bの上端から前方に延びる上面部10cとを一体形成したものである。
また、図2に示すように、カウルフロントパネル10の上面部10c下側と下面部10a下側との間には、車幅方向に延びるカウルクロスメンバ12を接合して、このカウルクロスメンバ12とカウルフロントパネル10との間には、車幅方向に延びるカウル閉断面13を形成している。
さらに、図2に示すように、上述のエンジンルーム2の上部は、ボンネット14で開閉可能に覆われており、このボンネット14は外表面を構成するアウタパネル15と、エンジンルーム側の面を構成するインナパネル16とを接合することで構成されている。このボンネット14は、その車幅方向両端の後端部が、図示しないボンネットヒンジを介して車体に連結されており、このボンネットヒンジにより、後端部を支点として開閉可能に支持されている。
この実施例では、運転席が車両左側に位置し、助手席が車両右側に位置する左ハンドル車を例示しており、図3に示すように、カウルパネル4の助手席側には、外気を取入れるための開口部17(空調装置の外気導入ダクト用の開口部)が、膨出部4Bおよび縦壁部4Cの上部に形成されている。この開口部17は図3に示すように、車幅方向の幅Wを有する横長形状に形成されている。
一方、車室3側には、図2に示すように、空調装置の外気導入ダクト18が設けられており、この外気導入ダクト18前端のダクト開口は、シール部材19を介して、上記開口部17と気密状に連通接続されている。
図2,図3に示すように、上述の開口部17は車両前方向きに開口するように形成されており、この開口部17の前側には、該開口部17を覆うように合成樹脂製の防水カバー20が設けられている。
図7は防水カバー20の斜視図、図8は図7の右側面図、図9は防水カバーの背面図である。
図2,図7,図8,図9に示すように、この防水カバー20は、開口部17をその前部上方から覆う上面部21と、開口部17の車幅方向内側端部をその前部側方から覆う左側(車幅方向内側)の側壁部22と、開口部17の車幅方向外側端部をその前部側方から覆う右側(車幅方向外側)の側壁部23と、左側の側壁部22から連続して下方に延びる遮水部24と、右側の側壁部23から連続して下方に延びる遮水部25と、を備えている。
ここで、上述の上面部21はその後部から前部に向けて円弧状に下方へ傾斜するように形成されている。
図1,図7に示すように、カウルパネル4の下面部4Dの車両上下方向の高さ位置の差異に対応して、車幅方向外側の遮水部25は、車幅方向内側の遮水部24の垂下長さよりも長く形成されている。
防水カバー20の上面部21の前部には、車幅方向に延びる受樋26により排水経路としてのドレン部27が形成されており、左側の側壁部22の左側部には受樋28,29により車両前後方向の前部側に位置する前側ドレン部30と、車両前後方向の後部側に位置する後側ドレン部31と、が連続して形成されている。
同様に、右側の側壁部23の右側部には受樋32,33により車両前後方向の前部側に位置する前側ドレン部34と、車両前後方向の後部側に位置する後側ドレン部35と、が連続して形成されている。
つまり、防水カバー20はその前部から側部にわたって排水経路としてのドレン部27,30,31,34,35が形成されたものであって、両側部のドレン部30,31,34,35は、車両後方側ほど下方に傾斜するように形成されている。
詳しくは、図7,図8,図9に示すように、防水カバー20の側部の排水経路(ドレン部30,31,34,35参照)は、車両前後方向の後部側に位置する後側ドレン部31,35が、車両前後方向の前部側に位置する前側ドレン部30,34と比較して傾斜が大きくなるように形成されている。
この実施例では、車両前後方向の後部側に位置する後側ドレン部31,35は、図8に示すように、略垂直に形成されている。
しかも、防水カバー20の側部の排水経路である後側ドレン部31の下端部は、図2に示すように、カウルパネル4の下面部4Dに所定離間距離△Lを隔てて近接し、ドレン部31の下端部が下面部4Dの近傍となるように形成されている。この離間距離△Lの設定により、ドレン部31の下端部からカウルパネル4の下面部4Dに滴下した水が跳ね上がらないように構成すると共に、跳ね上がった水が防水カバー20側部に戻らないように構成している。なお、他方の後側ドレン部35の下端部も同様に形成されている。
また、図8,図9に示すように、側壁部22および遮水部24の上下方向に連続する後端面(リヤ側の端面)は、カウルパネル4の形状に沿うように形成されている。同様に、側壁部23および遮水部25の上下方向に連続する後端面(リヤ側の端面)も、カウルパネル4の形状に沿うように形成されている。
さらに、図2,図7,図8,図9に示すように、上述の上面部21の後端部には、該後端部から上方に立上るフランジ部36が一体形成されている。そして、このフランジ部36を用いて、防水カバー20が開口部17を覆うようにカウルパネル4の前側に固定されている。
防水カバー20は正面視で略門形状に形成されており、開口部17の前方空間上部を上面部21で覆い、前方空間左側部を側壁部22と遮水部24とで覆い、前方空間右側部を側壁部23と遮水部25とで覆い、略門形状の下部には走行風を開口部17に導く空間部37(図2参照)が形成されている。つまり、該防水カバー20の車幅方向長さは、開口部17の車幅方向長さよりも若干長い程度に設定されており、防水カバー20の小型コンパクト化を図っている。
図1に示すように、一方の遮水部24は横方向(車幅方向中央側から防水カバー20側へ向く横方向)から侵入しようとする雨水などの水の侵入を防止するものであり、他方の遮水部25はカウル部11の底部に形成された孔部38から侵入しようとする雨水などの水の侵入を防止するものである。
なお、図中、矢印Fは車両の前方を示し、矢印Rは車両の後方を示し、矢印INは車幅方向の内方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印UPは車両の上方を示す。また、図1において、40はカウルサイドパネルである。
このように構成した車両の前部車体構造の作用について説明する。
防水カバー20において後部から前部に向けて円弧状に下方へ傾斜した上面部21から受樋26に流下した雨水などの水は、図1,図7に点線矢印で示すように、車幅方向に延びるドレン部27から左右両側方に回り込んで側部の前側ドレン部30,34に至り、この前側ドレン部30,34の後方が下方に傾斜する緩勾配に沿って流下した後に、側部の後側ドレン部31,35に至り、この後側ドレン部31,35の急勾配に沿って、その下端部からカウルパネル4の下面部4D上に滴下する。
図2に示すように、後側ドレン部31の下端部は、カウルパネル4の下面部4Dから上方に離間し、かつ、該下面部4Dに近接しているので、後側ドレン部31の下端部から滴下する水が跳ね上がるのを抑制することができる。この点については他方の後側ドレン部35においても同様である。
空調装置の外気導入ダクト18にはブロア(図示せず)の吸引力が作用するが、排水経路としての各ドレン部30,31,34,35はその車両後方側ほど下方に傾斜しており、ボディ(カウル部11)に接近する構造となっているので、後側ドレン部31,35からカウル部11に滴下する水が外気導入ダクト18に吸引されるのを防止することができる。
また、後側ドレン部31,35はカウルパネル4の下面部4Dの近傍となるように形成されており、当該後側ドレン部31,35から水が滴下する時の跳ね上がりが抑制されているので、水が外気導入ダクト18に吸引されるのを防止できる。
このように、上記実施例の車両の前部車体構造は、車幅方向に延びてフロントウインド部材6を下方から支持するカウルパネル4を備えた車両の前部車体構造であって、上記カウルパネル4に、車両前方向きに開口する空調装置の外気導入ダクト18用の開口部17が設けられており、上記開口部17の前側に該開口部を覆うように防水カバー20が設けられており、上記防水カバー20の前部から側部にわたって設けられた排水経路(ドレン部27,30,31,34,35参照)が、車両後方側ほど下方に傾斜するよう形成されたものである(図2,図3,図9参照)。
この構成によれば、防水カバー20の前部から側部にわたって設けられた排水経路(ドレン部27,30,31,34,35)が、車両後方側ほど下方に傾斜しているので、排水経路の後方側ほどボディ(カウル部11)に接近することになり、該排水経路からカウル部11に滴下する水が滴下途中に外気導入ダクトに吸引されない。
また、排水経路(ドレン部27,30,31,34,35)が車両後方側ほど下方に傾斜しているので、車両の下り坂走行時や下り坂停車時においても排水経路による排水を行なうことができる。
さらに、上記防水カバー20の側部の排水経路(ドレン部31,35参照)の下端部が、上記カウルパネル4の下面部4D近傍となるよう形成されたものである(図2参照)。
上述の近傍とは、滴下した水が跳ね上がって防水カバー20側部に戻らない距離を隔てた位置のことである。
この構成によれば、滴下時の水の跳ね上がりを抑制することができる。つまり、カウルパネル4に設けられた外気導入ダクト用の開口部17がフロントウインド部材6の傾斜下端部近傍に位置するため、滴下時の跳ね上がりが大きい場合には、この跳ね上がった水が防水カバー20側壁を回り込んで外気導入ダクト18に吸引されてしまうが、上記構成により跳ね上がりを抑制するので、水が外気導入ダクト18に吸引されない。
さらにまた、上記防水カバー20の側部の排水経路(ドレン部30,31,34,35)の車両前後方向の後部側(後側ドレン部31,35参照)が、上記側部の排水経路の車両前後方向の前部側(前側ドレン部30,34参照)と比較して傾斜が大きくなるよう形成されたものである(図2,図9参照)。
この構成によれば、次のような効果がある。
降雨量が多く、カウル部11底部への水の貯留量が多くなるような場合、防水カバー20側部の排水経路の傾斜が小さいと、水が逆流する可能性があるが、排水経路の車両前後方向の後部側(後側ドレン部31,35)の傾斜を大きくしたので、カウル部11から排水経路への水の逆流を防止することができる。
加えて、上記防水カバー20の側部の排水経路(ドレン部30,31,34,35)の車両前後方向の後部側(後側ドレン部31,35)が、略垂直に形成されたものである(図2,図8,図9参照)。
この構成によれば、排水経路の車両前後方向の後部側(後側ドレン部31,35)を略垂直に形成したので、カウル部11から排水経路への水の逆流をより一層確実に防止することができる。
また、上記カウルパネル4は、長手方向に垂直な断面視で上記フロントウインド部材6が接合される上面部4Aと、該上面部4Aから下方に延び、上記フロントウインド部材6と上記上面部4Aとの接合部よりも車両前方に膨出する膨出部4Bと、該膨出部4Bから下方に延びる縦壁部4Cと、該縦壁部4Cの下端から車両前方に延びる下面部4Dと、を有し、上記膨出部4Bと上記縦壁部4Cとにわたって空調装置の外気導入ダクト18用の開口部17が設けられており、上記膨出部4Bの前側に上記開口部17を覆うように上記防水カバー20が設けられたものである(図2,図3,図5,図6参照)。
この構成によれば、外気導入ダクト18用の開口部17がフロントウインド部材6の傾斜下端部近傍に位置するカウルパネル4(いわゆるS字カウル)において、排水経路からカウル部11に滴下する水が外気導入ダクト18に吸引されない。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の排水経路は、実施例のドレン部27,30,31,34,35に対応し、
以下同様に、
側部の排水経路は、ドレン部30,31,34,35に対応し、
排水経路の車両前後方向の後部側は、後側ドレン部31,35に対応し、
排水経路の車両前後方向も前部側は、前側ドレン部30,34に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
以上説明したように、本発明は、車幅方向に延びてフロントウインド部材を下方から支持するカウルパネルを備えたような車両の前部車体構造について有用である。
4…カウルパネル
4A…上面部
4B…膨出部
4C…縦壁部
4D…下面部
6…フロントウインド部材
17…開口部
18…外気導入ダクト
20…防水カバー
27,30,31,34,35…ドレン部(排水経路)

Claims (5)

  1. 車幅方向に延びてフロントウインド部材を下方から支持するカウルパネルを備えた車両の前部車体構造であって、
    上記カウルパネルに、車両前方向きに開口する空調装置の外気導入ダクト用の開口部が設けられており、
    上記開口部の前側に該開口部を覆うように防水カバーが設けられており、
    上記防水カバーの前部から側部にわたって設けられた排水経路が、車両後方側ほど下方に傾斜するよう形成された
    車両の前部車体構造。
  2. 上記防水カバーの側部の排水経路の下端部が、上記カウルパネルの下面部近傍となるよう形成された
    請求項1記載の車両の前部車体構造。
  3. 上記防水カバーの側部の排水経路の車両前後方向の後部側が、上記側部の排水経路の車両前後方向の前部側と比較して傾斜が大きくなるよう形成された
    請求項1または2記載の車両の前部車体構造。
  4. 上記防水カバーの側部の排水経路の車両前後方向の後部側が、略垂直に形成された
    請求項3記載の車両の前部車体構造。
  5. 上記カウルパネルは、長手方向に垂直な断面視で上記フロントウインド部材が接合される上面部と、
    該上面部から下方に延び、上記フロントウインド部材と上記上面部との接合部よりも車両前方に膨出する膨出部と、
    該膨出部から下方に延びる縦壁部と、
    該縦壁部の下端から車両前方に延びる下面部と、を有し、
    上記膨出部と上記縦壁部とにわたって空調装置の外気導入ダクト用の開口部が設けられており、
    上記膨出部の前側に上記開口部を覆うように上記防水カバーが設けられた
    請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の前部車体構造。
JP2013040376A 2013-03-01 2013-03-01 車両の前部車体構造 Active JP5900378B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013040376A JP5900378B2 (ja) 2013-03-01 2013-03-01 車両の前部車体構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013040376A JP5900378B2 (ja) 2013-03-01 2013-03-01 車両の前部車体構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014168972A true JP2014168972A (ja) 2014-09-18
JP5900378B2 JP5900378B2 (ja) 2016-04-06

Family

ID=51691743

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013040376A Active JP5900378B2 (ja) 2013-03-01 2013-03-01 車両の前部車体構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5900378B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017077803A (ja) * 2015-10-21 2017-04-27 マツダ株式会社 自動車の前部車体構造

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007196787A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Takata Corp 歩行者用エアバッグ装置
JP2007326385A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Mazda Motor Corp 自動車の前部構造

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007196787A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Takata Corp 歩行者用エアバッグ装置
JP2007326385A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Mazda Motor Corp 自動車の前部構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017077803A (ja) * 2015-10-21 2017-04-27 マツダ株式会社 自動車の前部車体構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP5900378B2 (ja) 2016-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8985678B2 (en) Body front structure for automobile
US9126634B2 (en) Structure for front portion of vehicle
JP7259506B2 (ja) 車両の後部車体構造
JP2008074202A (ja) 車両の前部構造
US9573559B2 (en) Front body structure of vehicle
JP5900378B2 (ja) 車両の前部車体構造
JP6630975B2 (ja) 車体前部構造
JP2010274870A (ja) 車両のドア構造
JP6187157B2 (ja) 車両用ドアの排水構造
JP4460421B2 (ja) サンルーフ装置におけるガイドフレームの構造
JP6819350B2 (ja) ドアの排水構造
JP2009083800A (ja) 車両のバックドア補強構造
JP2006007982A (ja) 車両の前部構造
JP7385981B2 (ja) 車両構造
JP6592799B2 (ja) 車体前部構造
JP6127158B2 (ja) 車両のサンルーフ構造
JP4937778B2 (ja) 自動車の前部構造
JP7342601B2 (ja) 車両のカウルグリル構造
JP2023030616A (ja) 車両の前部構造
JP3588074B2 (ja) 自動車の車体構造
JP6299712B2 (ja) 自動車の後部車体構造
JP6299713B2 (ja) 自動車の後部車体構造
JP2008230437A (ja) 自動車の前部車体構造
JP6579133B2 (ja) エンジンの吸気構造
JP2007137367A (ja) 車体前部構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5900378

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150