以下、書類処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
図1は、本実施の形態における情報システムのブロック図である。情報システムは、書類処理装置1、および1または2以上の端末装置2を備える。1以上の各端末装置2は、例えば、LANやインターネット等のネットワーク、無線または有線の通信回線などを介して、書類処理装置1と通信可能に接続される。
書類処理装置1は、例えば、情報システムを運営する運営企業のサーバであるが、クラウドサーバやASPサーバ等でもよく、そのタイプや所在は問わない。
端末装置2は、例えば、運営企業の端末であるが、依頼者の端末でもよい。依頼者とは、運営企業に対し、紙の書類の保管および電子化を依頼する者である。依頼者は、例えば、企業や団体等の組織またはその職員であるが、個人でもよい。
端末は、例えば、携帯端末である。携帯端末は、例えば、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話機、ノートPC等であるいが、その種類は問わない。または、端末は、コードリーダやICタグリーダ等の読取機、据え置き型のPC等でもよく、後述するコードを読み取り可能な端末であれば、そのタイプや所在は問わない。
ただし、情報システムは、例えば、一のPCでも実現可能であり、そのハードウェア構成は問わない。
書類処理装置1は、格納部11、受付部12、受信部13、処理部14、および出力部15を備える。受付部12は、出力指示受付部121、および電子書類受付部122を備える。処理部14は、蓄積部141、期限処理部142、種類処理部143、属性値取得部144を備える。出力部15は、電子書類出力部151を備える。
端末装置2は、端末格納部21、端末受付部22、端末処理部23、端末送信部24、端末受信部25、および端末出力部26を備える。
書類処理装置1を構成する格納部11は、各種の情報を格納し得る。各種の情報とは、例えば、電子書類である。なお、他の情報については、適時説明する。
電子書類とは、電子的な書類である。電子書類は、例えば、紙の書類の電磁的な記録といってもよい。電磁的な記録とは、紙書類の記載内容と同等の情報が、例えば、格納部11を実現するハードディスクやSSD等の記録媒体に記録されている場合である、といってもよい。電子書類は、例えば、画像、テキスト、PDF等であるが、そのデータ形式は問わない。
紙書類は、例えば、各種の帳簿や計算書といった、法的に一定期間の保存が義務付けられている書類である。法的な保存期間は、例えば、10年、7年、5年等であるが、その長短は問わない。または、紙書類は、法的な保存義務はなくても、一定期間の保存が必要な書類(例えば、1年、3年といった一定の期間ごとに更新される契約書等)でもよく、その種類は問わない。
電子書類は、例えば、上記のような紙書類をスキャナで光学的に読み込んだ画像(つまり、スキャン画像)である。または、電子書類は、紙書類の記載と同じ内容を有するテキストや表のデータであってもよい。あるいは、電子書類は、スキャン画像やテキスト等のデータをPDF化したファイル(PDFファイル)でも構わない。PDFファイルは、その改変が困難な点で、電子書類として好適である。
また、電子書類には、例えば、電子署名が付与されていてもよい。電子署名とは、その電子書類の作成者を示す情報である。さらに、電子書類には、タイムスタンプが付与されていてもよい。タイムスタンプとは、その電子書類が作成された時刻を示す情報である。なお、時刻は、通常、年月日および時分秒を有するが、秒を有さなくてもよいし、年月日のみを有してもよく、そのデータ構造は問わない。
電子署名およびタイムスタンプの付与によって、例えば、その時刻にその電子文書が存在していたこと、さらには、その時刻以降にその電子文書が改ざんされていないこと、などの証明が可能になる。ただし、電子書類は、電子署名やタイムスタンプ等を有さなくてもよく、そのデータ構造は問わない。
紙書類は、例えば、箱に格納した状態で、予め決められた場所に格納される。予め決められた場所とは、例えば、書庫、棚、金庫、倉庫などであるが、1または2以上の箱を格納し得る場所であれば、その位置や大きさは問わない。
なお、一の箱には、通常、2以上の紙書類が格納されるが、1つの紙書類だけが格納されてもよい。そして、1以上の書類を格納している1または2以上の箱が、書庫等の場所に格納される。
また、一の場所には、通常、2以上の箱が格納されるが、1つの箱だけが格納されてもよい。または、1つの箱が存在する領域を、一の場所と考えても構わない。
1以上の紙書類が格納されている箱には、コードが存在している。コードとは、場所識別子等の情報が埋め込まれた図柄である、といってもよい。コードには、場所識別子のみが埋め込まれていてもよいし、それ以外の情報(例えば、箱識別子、属性値など)も埋め込まれていても構わない。箱識別子とは、箱を識別する情報である。箱識別子は、例えば、“B1”,“B2”等のIDであるが、その表現形式は問わない。また、属性値は、通常、その箱に格納される書類の属性を示す情報(例えば、“帳簿”,“領収書”,“10年保存”等)であるが、例えば、箱自体の属性を示す情報(例えば、その箱のユーザを識別するユーザ識別子等)でもよい。
コードは、例えば、QRコード(登録商標)、バーコードなどであるが、その他の一次元または二次元のコードでもよい。ただし、コードは、図柄に限らず、例えば、文字や記号の配列であってもよいし、または、図柄が、文字列等も含み得ると考えても構わない。この種のコードは、例えば、カメラやコードリーダ等の読取手段で光学的に読み取り可能である。
さらに、コードは、例えば、場所識別子等の情報の電磁的な記録であってもよい。ここでの電磁的な記録とは、場所識別子等の情報が、例えば、ICタグや磁気カード等の携帯型記録媒体に記録されている場合をいう。この種のコードは、例えば、ICタグリーダや磁気カードリーダ機等の読取手段で電磁的に読み取り可能である。このように、コードの態様は問わない。
箱にコードが存在していることは、例えば、コードを印刷したシールや紙片等が箱に貼り付けられていることであるが、箱自体に予めコードが印刷されていることでも、コードを構成する文字列等が手書きされていることでもよいし、コードが記録されたICタグ等の記録媒体が箱に取り付けられていることでも構わない。
コードには、通常、場所識別子が埋め込まれている。場所識別子とは、場所を識別する情報である。場所とは、紙書類が格納されている場所(以下、格納場所)である。格納場所は、通常、1以上の紙書類を格納している箱が格納されている場所(例えば、書庫や棚等)であるが、箱自体も、場所の一種と考えても構わない。
場所識別子は、例えば、場所名、場所のIDなどである。場所名は、例えば、“書庫”、“書庫内の第一棚”、“金庫”、“金庫内の箱B1”等であるが、その表現形式は問わない。場所のIDは、例えば、部屋のID、棚のID等であるが、箱のIDでもよいし、建物のIDでも構わない。
または、場所識別子は、例えば、上記のような各種の場所IDのうち、包含関係にある2種類以上の場所IDを組み合わせて構成されてもよい。つまり、場所識別子は、階層構造を有していてもよい。この種の場所識別子は、例えば、部屋のID、当該部屋内の区画のID、および当該区画内の棚のIDで構成されてもよいし、棚のID、および当該棚内の箱のIDの組で構成されていてもよく、その階層の深さや、各階層に対応する場所IDの種類は問わない。
ただし、場所識別子は、紙書類が格納されている場所を特定し得る情報であれば、そのデータ構造は問わない。
また、コードには、必ずしも場所識別子が埋め込まれていなくてもよい。例えば、格納部11に、図柄と場所識別子との対の集合を格納しておけば、コードは、単なる図柄であっても構わない。
格納部11には、通常、後述する電子書類受付部122が受け付けた1または2以上の電子書類が格納される。ただし、格納部11には、例えば、外部の装置で作成された1または2以上の電子書類が、予め格納されていてもよい。
格納される1以上の各電子文書には、例えば、種類情報が対応付いている。種類情報とは、原本が紙書類または電子書類のいずれであるかを特定する情報である。種類情報は、例えば、原本が紙書類である旨の第一の文字列(例えば、“紙原本”)、または原本が電子書類である旨の第二の文字列(例えば、“電子原本”)、のいずれかを示すテキストデータである。または、種類情報は、原本が紙書類であるか否かを示す二値のデータ(例えば、原本が紙書類であることを示す“1”、原本が紙書類でないことを示す“0”)でもよいし、原本が電子書類であることを示すフラグでもよく、原本が紙書類か電子書類かを特定し得る情報であれば、その表現形式は問わない。
また、格納される1以上の各電子文書には、期限情報が対応付いていてもよい。期限情報とは、文書の保存義務期限を示す情報である。保存義務期限とは、保存が義務付けられている期間が終了する時期(終期)といってもよい。期限情報は、通常、終期を示す情報(例えば、日付または日時)であるが、当該期間の始期および長さを示す情報でもよく、終期を特定可能な情報であれば、その種類は問わない。言い換えると、期限情報は、通常、保存義務が終了する時期を示す絶対期限情報であるが、例えば、保存義務が終了するまでの期間を示す相対的期限情報でもよい。各電子文書に対応付いている期限情報は、当該電子文書から取得されることは好適であるが、ユーザが入力した情報でもよい。
前者(つまり、自動取得)の場合、例えば、「帳簿」、「領収書」等の予め決められた1または2以上の文字列を、「10年保存」、「5年保存」等の期限情報に対応付けて格納部11に格納しておく。そして、各文字列をキーとして、電子文書のタイトル(通常、文書の先頭部分)を検索し、いずれかの文字列が検出された場合に、その文字列に対応する期限情報を取得すればよい。なお、かかる処理は、後述する属性値取得部144によって行われる。
また、こうして取得される期限情報は、相対期限情報であるが、格納部11に格納されている1以上の各電子文書には、通常、当該電子文書が格納部11に蓄積された時刻を示す時刻情報が対応付いているため、この時刻情報が示す時刻に、取得された期限情報が示す期間を加算することで、絶対期限情報と見なし得る期限情報を取得できる。こうして取得される期限情報が示す終期は、通常、法的な終期よりも遅いため、取得された期限情報を絶対期限情報と見なしても特に問題はない。
後者(つまり、手入力)の場合は、ユーザが、当該電子文書を閲覧し、例えば、「平成yy年mm月nn日まで有効」といった、絶対期限情報を含む記載があれば、その絶対期限情報「平成yy年mm月nn日」を入力する。または、ユーザは、当該電子文書の種類(例えば、「帳簿」、「領収書」等)から、その相対期限(例えば「10年保存」、「5年保存」等)を判断し、当該文書に記載されている発行日に、相対期限を加算した加算結果である絶対期限情報を入力してもよい。なお、かかる手入力は、後述する受付部12が、キーボード等の入力デバイスを介して受け付ける。
受付部12は、各種の指示や各種の情報を受け付ける。各種の指示とは、例えば、後述する出力指示、後述する削除指示などである。各種の情報とは、例えば、電子書類などである。受け付けとは、キーボードやタッチパネルやスキャナ等の入力デバイスから入力された情報の受け付け、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された情報の受信、ディスクや半導体メモリなどの記録媒体から読み出された情報の受け付けなどを含む概念である。
受付部12は、例えば、書類処理装置1内の入力デバイスを介して、出力指示等の情報を受け付けてもよいし、または、端末装置2で受け付けられた出力指示等の情報を、端末装置2から受信しても構わない。
出力指示受付部121は、出力指示を受け付ける。出力指示とは、電子文書を出力する旨の指示である。出力指示は、例えば、1または2以上の文書識別子を有する。文書識別子とは、電子文書を識別する情報である。文書識別子は、例えば、文書名、ファイル名、IDなどであるが、電子文書を識別し得る情報であれば何でもよい。ただし、出力指示のデータ構造は問わない。
出力指示受付部121は、例えば、端末装置2から、端末識別子と対に、出力指示を受信する。端末識別子とは、端末装置2を識別する情報である。端末識別子は、例えば、MACアドレスやIPアドレスであるが、ユーザ識別子やID等でもよく、端末を識別し得る情報であれば何でもよい。ユーザ識別子とは、端末装置2のユーザを識別する情報である。ユーザ識別子は、例えば、メールアドレスや携帯電話番号などであるが、ユーザを識別し得る情報であれば何でもよい。
なお、情報システムを構成する端末装置2がただ1つの場合、端末識別子は送受信されなくてもよい。また、かかる事項は、電子書類受付部122にも共通する。
または、出力指示受付部121は、書類処理装置1内の入力デバイスを介して、出力指示を受け付けてもよい。
電子書類受付部122は、1以上の箱ごとに、当該箱に格納されている1または2以上の電子書類を受け付ける。電子書類受付部122は、例えば、端末装置2から、端末識別子と対に、電子書類を受信する。
または、電子書類受付部122は、書類処理装置1内のスキャナを介して、紙書類の画像を取得してもよい。また、電子書類受付部122は、取得した画像をPDF化し、PDFファイルを取得してもよい。さらに、電子書類受付部122は、取得した画像またはPDFファイルに、例えば、MPUの内蔵時計やNTPサーバからの現在時刻に基づくタイムスタンプを付与してもよい。
受信部13は、各種の情報を受信する。各種の情報とは、例えば、読取結果である。読取結果とは、箱に存在するコードを読み取った結果である。読取結果は、通常、コードから取得される場所識別子であるが、コードでもよい。
受信部13は、例えば、端末装置2から、端末識別子と対に、読取結果を受信する。
また、受信部13は、例えば、後述する電子書類受付部122が、一の箱に格納されている1以上の紙書類に対応する1以上の電子書類の受け付けを開始する前に、その箱に関する読取結果を受信する。または、受信部13が一の箱に関する読取結果を受信した後、電子書類受付部122は、その箱に格納されている1以上の紙書類に対応する1以上の電子書類の受け付けを開始してもよく、受信部13が読取結果を受信するタイミングは問わない。
処理部14は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、蓄積部141、期限処理部142、種類処理部143、属性値取得部144などの処理である。なお、処理部14は、フローチャートで説明する各種の判別や判断なども行う。
蓄積部141は、受信部13が受信した読取結果である又はそこから取得される場所識別子と、電子書類受付部122が受け付けた1以上の電子書類とを対応付けて蓄積する。
また、例えば、後述する属性値取得部144が、1以上の各電子書類から予め決められた文字列を取得し、当該文字列に対応する属性値を取得した場合に、蓄積部141は、取得された属性値を、当該文字列を含む電子書類に対応付けて蓄積する。
蓄積部141は、場所識別子、1以上の電子書類、属性値等を対応付けて、例えば、格納部11に蓄積するが、外部の装置に蓄積してもよく、その蓄積場所は問わない。
期限処理部142は、格納部11に格納されている1以上の各電子書類に対して、当該電子書類に対応付いている期限情報に応じた処理を行う。期限情報に応じた処理は、例えば、期限を越えた場合に、削除可能である旨の通知、削除などを行うこと(以下、期限処理と記す場合がある)である。
詳しくは、期限処理部142は、例えば、格納部11に格納されている1以上の電子書類ごとに、当該電子書類に対応付いている期限情報を取得し、取得した期限情報が予め決められた条件を満たす場合に、期限処理を実行する。予め決められた条件は、例えば、現在時刻と、期限情報が示す期限との関係に関する条件である。すなわち、期限処理部142は、例えば、MPUの内蔵時計等が示す現在時刻が、当該期限情報が示す期限を超えたか否かを判別し、現在時刻が期限を超えた場合に、当該書類が削除可能である旨の通知を行う。通知を行うことは、例えば、当該電子書類の画像と、削除可能である旨を示す「削除可能」等の文字列とを有する画面をディスプレイに表示することである。表示される画像は、例えば、電子書類のアイコンであるが、電子書類自体でもよい。格納部11には、1以上の各電子文書に対応付けて、当該電子文書のアイコンが格納されている。
または、通知を行うことは、かかる画面もしくは画面構成情報を、端末装置2に送信することでも構わない。画面構成情報とは、画面を構成するための情報である。画面構成情報は、例えば、アイコン、文字列のテキストデータ、およびレイアウト情報を含む。レイアウト情報とは、画面内における各表示要素(例えば、アイコン、文字列等)の配置を示す情報である。レイアウト情報は、例えば、当該表示要素の中心点の座標であるが、始点の座標および終点の座標の組でもよく、そのデータ形式は問わない。
表記のような通知に応じて、受付部12が削除指示を受け付けた場合に、期限処理部142は、当該電子書類を格納部11から削除する。削除指示とは、電子文書を削除する旨の指示である。削除指示は、例えば、1または2以上の文書識別子を有する。受け付けは、書類処理装置1内の入力デバイスを介した受け付けでも、端末装置2からの受信でもよい。
または、期限情報に応じた処理は、期限を越えた後、閾値以上の期間が経過した場合に、削除可能である旨の通知、自動削除などを行うこと(期限後処理)でもよい。
詳しくは、期限処理部142は、1以上の電子書類ごとに、当該電子書類に対応付いている期限情報を取得し、当該期限情報が示す期限に閾値を加算し、MPUの内蔵時計等が示す現在時刻が、加算後の期限を超えたか否かを判別する。
そして、現在時刻が加算後の期限を超えた場合、期限処理部142は、当該書類が削除可能である旨の通知を行い、通知に応じて削除指示が受け付けられた場合に、当該電子書類を格納部11から削除する。または、期限処理部142は、現在時刻が加算後の期限を超えたことに応じて、自動的に当該電子書類を削除してもよい。
または、期限情報に応じた処理は、期限を超える閾値の期間(例えば、1ヶ月)前に、期限を越えそうな旨を通知すること(期限前処理)でもよい。
詳しくは、期限処理部142は、1以上の電子書類ごとに、当該電子書類に対応付いている期限情報を取得し、当該期限情報が示す期限から閾値を減算し、MPUの内蔵時計等が示す現在時刻が、減算後の期限を超えたか否かを判別する。そして、現在時刻が減算後の期限を超えた場合、期限処理部142は、期限を超えそうな旨の通知を行う。
なお、期限処理部142は、1以上の電子書類ごとに、期限前処理および期限処理を行うことは好適である。さらに、期限前処理の後の期限処理において、通知から予め決められた期間(例えば、3日、1週間等)が経過しても削除指示が受け付けられない場合に、期限処理部142は、期限後処理をも行うことは、より好適である。だたし、期限処理部142は、期限前処理なしで、期限処理および期限後処理を行っても構わない。
また、例えば、格納部11にタイミング情報が格納されており、期限処理部142は、格納されているタイミング情報に基づいて、以上のような処理を行う。タイミング情報とは、期限処理部142が処理を行うタイミングに関する情報である。タイミング情報は、例えば、周期であるが、1または2以上の時刻の集合もよい。
期限処理部142は、例えば、前回処理を行った時刻(以下、前回処理時刻)を保持しており、MPUの内蔵時計等の示す現在時刻と、保持している前回処理時刻とを用いて、前回の処理からの経過時間が、タイミング情報の示す周期に対応する時間を超えた又は以上であるか否かを判別し、前回の処理からの経過時間が、タイミング情報の示す周期に対応する時間を超えた又は以上である場合に、以上のような処理を行う。
または、期限処理部142は、MPUの内蔵時計等の示す現在時刻が、保持しているタイミング情報が示す1以上の時刻のうちいずれか1つの時刻と一致するか否かを判別し、現在時間が、タイミング情報の示す1以上の時刻のうちいずれか1つの時刻と一致する場合に、以上のような処理を行ってもよい。
種類処理部143は、格納部11に格納されている1以上の各電子書類に対して、当該電子書類に対応付いている種類情報に応じた処理を行う。
種類情報に応じた処理は、例えば、電子書類のアイコンに、種類情報を示す図柄を表示することである。詳しくは、例えば、格納部11に、原本が紙書類であることを示す第一の図柄と、原本が電子書類であることを示す第二の図柄とが格納されている。種類処理部143は、格納部11に格納されている1以上のアイコンごとに、当該アイコンに対応する電子書類に対応付いている種類情報を取得し、取得した種類情報に対応する第一または第二の図柄を格納部11から取得し、取得した第一または第二の図柄を当該アイコンに対応付ける処理を行う。
または、種類情報に応じた処理は、電子書類を表示する場合に、その電子書類の種類情報をも表示することでもよい。詳しくは、例えば、出力指示受付部121が出力指示を受け付けたことに応じて、種類処理部143は、当該出力指示が有する1以上の文書識別子ごとに、当該文書識別子で識別される電子文書と対になる種類情報を格納部11から取得し、取得した種類情報を当該種類情報と対に、電子書類出力部151に引き渡してもよい。
または、種類情報に応じた処理は、原本が電子書類である場合に、当該電子書類を削除できないようにすることでもよい。詳しくは、種類処理部143は、例えば、格納部11に格納されている1以上の電子文書ごとに、当該電子文書と対になる種類情報を取得し、取得した種類情報が、原本が電子文書である旨を示す場合に、当該電子文書に対し、削除禁止を示す情報を対応付ける。なお、原本が紙文書である旨を示す場合には、種類処理部143は、例えば、当該電子文書に対し、削除可能を示す情報を対応付けてもよいし、何も対応付けなくてもよい。
または、種類情報に応じた処理は、原本が電子書類である場合に、当該電子書類を削除できない旨を通知することでもよい。詳しくは、種類処理部143は、例えば、1以上の電子文書ごとに、当該電子文書と対になる種類情報を取得し、取得した種類情報が、原本が電子文書である旨を示す場合に、当該電子文書に対し、削除禁止の通知を行うことを示す情報を対応付ける。なお、原本が紙文書である旨を示す場合には、種類処理部143は、例えば、当該電子文書に対し、削除可能の通知を行うことを示す情報を対応付けてもよいし、削除禁止の通知を行わないことを示す情報を対応付けてもよいし、何も対応付けなくてもよい。
電子書類出力部151は、受け付けられた出力指示が有する1以上の文書識別子で識別される1以上の電子文書を格納部11から取得し、取得した1以上の電子文書に、種類処理部143から引き渡された1以上の種類情報をそれぞれ対応付け、ディスプレイに出力する。これによって、ディスプレイに1以上の電子書類が表示される場合に、当該1以上の各電子書類の種類情報も表示される結果となる。
属性値取得部144は、1以上の各電子書類から予め決められた文字列を取得し、文字列に対応する属性値を取得する。
詳しくは、例えば、格納部11に、1または2以上の対応情報が格納されている。対応情報とは、文字列と属性値との対応を示す情報である。対応情報は、例えば、文字列と属性値との対で構成される。対応情報は、具体的には、例えば、文字列“帳簿”と属性値“10年保存”との対、文字列“$年ごとに自動更新”と属性値“$年更新”との対などであるが、そのデータ構造は問わない。なお、“$”は、変数であり、例えば、“2”や“0.5”等の数字である。
属性値取得部144は、例えば、1以上の電子文書ごとに、対応情報を構成する1または2以上の各文字列をキーに検索を行い、キーと合致する文字列が含まれているか否かを判別し、合致する文字列が含まれている場合に、その文字列に対応する属性値を対応情報から取得する処理を行う。
または、属性値取得部144は、1以上の電子文書ごとに、当該電子文書のタイトル(例えば、文書の先頭の文字列)を取得し、格納されている1以上の対応情報を用いて、取得した文字列に対応する属性値を取得してもよい。
または、属性値取得部144は、格納部11に格納されている1以上の各電子書類に対して形態素解析を行うことにより、上記のような1以上の対応情報の集合である対応情報群を構成し、構成した対応情報群を用いて、電子書類受付部122が受け付けた新たな電子情報から属性値を取得してもよい。なお、形態素解析の対象は、各電子文書の全文でもよいし、特定の一部分(例えば、タイトル、概要欄など)でも構わない。
出力部15は、各種の情報を出力する。各種の情報とは、例えば、電子書類、電子書類のアイコン、種類情報、第一または第二の図柄、電子書類が削除可能である旨の通知などである。出力とは、ディスプレイへの表示、スピーカからの音出力、プリンタでのプリントアウト、記録媒体への蓄積、他のプログラムへの処理結果の引渡し、外部の装置への送信などを含む概念である。
出力部15は、電子書類等の情報を、例えば、ディスプレイに表示したり、端末装置2に送信したりする。ただし、電子書類等の情報は、格納部11に蓄積されたり、プリンタでプリントアウトされたりしてもよく、その出力の態様は問わない。
電子書類出力部151は、電子書類を出力する。電子書類出力部151は、例えば、出力指示受付部121が出力指示を受け付けた場合に、当該出力指示が有する1以上の文書識別子で識別される1以上の電子文書を格納部11から取得し、ディスプレイに出力する。これによって、ユーザが指示した1以上の電子書類が、ディスプレイに表示される。
または、上記のような出力指示の受け付けに応じて、種類処理部143が、1以上の種類情報を取得し、1以上の書類識別子と対に電子書類出力部151に引き渡した場合、電子書類出力部151は、格納部11から取得した1以上の電子文書に、種類処理部143から引き渡された1以上の種類情報を対応付け、ディスプレイに出力する。これによって、ディスプレイには、電子書類と種類情報との組が、1組以上、表示される結果となる。
または、上記のような電子書類と種類情報との組に代えて、電子書類出力部151は、電子書類のアイコンと、種類情報を示す第一または第二の図柄との組を、ディスプレイに表示してもよい。
端末装置2を構成する端末格納部21には、例えば、端末識別子が格納される。
端末受付部22は、例えば、出力指示、削除指示、電子書類など受け付ける。
端末処理部23は、例えば、端末受付部22が出力指示等を受け付けたか否かの判別などを行う。
端末送信部24は、例えば、端末受付部22が受け付けた出力指示等を、端末格納部21に格納されている端末識別子と対に、書類処理装置1に送信する。
端末受信部25は、例えば、出力指示の送信に応じて、書類処理装置1から電子書類を受信する。
端末出力部26は、例えば、端末受信部25が受信した電子書類を出力する。出力は、通常、端末装置2内のディスプレイへの表示であるが、その出力態様も問わない。
格納部11、および端末格納部21は、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリといった不揮発性の記録媒体が好適であるが、RAMなど揮発性の記録媒体でも実現可能である。
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、ネットワークや通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。なお、入力デバイスは、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等、何でもよい。
受付部12、出力指示受付部121、電子書類受付部122、および端末受付部22は、入力デバイスを含むと考えても、含まないと考えてもよい。受付部12等は、入力デバイスのドライバーソフトによって、または入力デバイスとそのドライバーソフトとで実現され得る。
受信部13、および端末受信部25は、通常、有線または無線の通信手段(例えば、NIC(Network interface controller)やモデム等の通信モジュール)で実現されるが、放送を受信する手段(例えば、放送受信モジュール)で実現されてもよい。なお、受付部12等の受信機能も、同様に実現され得る。
処理部14、蓄積部141、期限処理部142、種類処理部143、属性値取得部144、および端末処理部23は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。処理部14等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。ただし、処理手順は、ハードウェア(専用回路)で実現してもよい。
出力部15、電子書類出力部151、および端末出力部26は、ディスプレイやスピーカ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えてもよい。出力部15等は、出力デバイスのドライバーソフトによって、または出力デバイスとそのドライバーソフトとで実現され得る。
端末送信部24は、通常、有線または無線の通信手段で実現されるが、放送手段(例えば、放送モジュール)で実現されてもよい。なお、出力部15等の送信機能も、同様に実現され得る。
次に、情報システムの動作について図2のフローチャートを用いて説明する。図2は、書類処理装置1の動作を説明するフローチャートである。
(ステップS201)処理部14は、受信部13が端末装置2から読取結果を受信したか否かを判別する。受信部13が端末装置2から読取結果を受信した場合はステップS202に進み、受信していない場合はステップS203に進む。
(ステップS202)蓄積部141は、ステップS201で受信された読取結果が有する場所識別子を格納部11に蓄積する。その後、ステップS201に戻る。
(ステップS203)処理部14は、電子書類受付部122が電子書類を受け付けたか否かを判別する。電子書類受付部122が電子書類を受け付けた場合はステップS204に進み、受け付けていない場合はステップS205に進む。
(ステップS204)蓄積部141は、ステップS203で受け付けられた電子書類を場所識別子に対応付けて格納部11に蓄積する。
(ステップS205)属性値取得部144は、変数iに初期値1をセットする。変数iとは、格納部11に格納されている1以上の対応情報のうち、未選択の対応情報を順番に選択していくための変数である。
(ステップS206)属性値取得部144は、ステップS203で受け付けられた電子書類にi番目の文字列が含まれているか否かを判別する。受け付けられた電子書類にi番目の文字列が含まれている場合はステップS207に進み、含まれていない場合はステップS201に戻る。
(ステップS207)属性値取得部144は、i番目の文字列に対応する属性値を取得する。
(ステップS208)蓄積部141は、ステップS207で取得された属性値を、ステップS203で受け付けられた電子書類に対応付けて格納部11に蓄積する。
(ステップS209)属性値取得部144は、変数iをインクリメントする。その後、ステップS206に戻る。
(ステップS210)期限処理部142は、期限情報に応じた処理を行うか否かを、例えば、格納部11のタイミング情報と、MPUの内蔵時計等が示す現在時刻とを用いて判断する。期限情報に応じた処理を行う場合はステップS211に進み、行わない場合はステップS201に戻る。
(ステップS211)期限処理部142は、変数jに初期値1をセットする。変数jとは、格納部11に格納されている1以上の電子書類のうち、未選択の電子書類を順番に選択していくための変数である。
(ステップS212)期限処理部142は、j番目の電子書類があるか否かを判別する。j番目の電子書類がある場合はステップS213に進み、j番目の電子書類がない場合はステップS201に戻る。
(ステップS213)期限処理部142は、j番目の電子書類に対応付いた期限情報に応じた処理を行う。
(ステップS214)期限処理部142は、変数jをインクリメントする。その後、ステップS212に戻る。
なお、図2のフローチャートでは、電子書類を受け付けたこと又は蓄積したことに応じて、当該電子書類に対し、ステップS205~S209の処理を実行しているが、かかる処理は、例えば、予め決められたタイミングで又はユーザ指示に応じて、格納部11に格納されている1以上の電子書類に対し、順次または並列的に実行されてもよい。
また、図2のフローチャートにおいて、書類処理装置1の電源オンやプログラムの起動に応じて処理が開始し、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。ただし、処理の開始または終了のトリガは問わない。
以下、本実施の形態における情報システムの具体的な動作例について説明する。なお、以下の説明は、種々の変更が可能であり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
図3は、本例の情報システムによるサービスの概要図である。情報システムの運営企業は、顧客企業等の依頼者から電子化の依頼を受けると、まず、提携している運送業者を介して、紙書類を引き取る「引き取りサービス」を行う。次に、運営企業は、引き取った紙書類をスキャンし、法令に準拠した態様で電子化する「スキャニングサービス」を行う。なお、スキャニングサービスには、引き取りサービスで引き取った紙書類の電子化だけでなく、既に預かっている紙書類の電子化も含まれる。紙書類のスキャン画像はPDF化され、PDF形式の電子文書が、クラウド上のサーバに格納される。依頼者は、こうしてサーバに格納された電子文書をブラウザ等で閲覧できる。
また、運営業者は、引き取った紙書類の保管も行う。運営企業は、保管している紙書類を、依頼者からの要請に応じて取り出し、運送業者を介して依頼者の元に届ける。さらに、運営企業は、こうして届けた書類の引き取り、再保管をも行う。
本例の情報システムは、書類処理装置1、および2以上の端末装置2を備える。2以上の各端末装置2は、無線LANやインターネット等のネットワークを介して、書類処理装置1と通信可能に接続される。書類処理装置1は、情報システムを運営する運営企業のサーバである。
2以上の端末装置2のうち、1つ(以下、端末装置2a)は、運営企業の職員aが携帯する携帯端末であり、他の1つ(以下、端末装置2b)は、依頼者bのPCである。
端末装置2aの端末格納部21には、ユーザ識別子を兼ねる端末識別子“a”が格納されている。同様に、端末装置2bの端末格納部21には、ユーザ識別子を兼ねる端末識別子“b”が格納されている。
書類処理装置1の格納部11には、例えば、図4に示すような2以上の対応情報が格納されている。図4は、対応情報のデータ構造図である。対応情報は、文字列と属性値との対で構成される。属性値は、期限情報、および更新周期情報を含む。
格納部11に格納される2以上の各対応情報には、ID(例えば、“1”,“2”等)が対応付いている。例えば、ID“1”に対応する対応情報(以下、対応情報1と記す場合がある)は、文字列“帳簿”と、属性値“10年保存,Null”との対で構成される。なお、“Null”は、対応情報等の情報がその要素を有さないことを示すフラグである。同様に、ID“2”に対応する対応情報(対応情報2)は、文字列“領収書”と、属性値“5年保存,Null”との対で構成される。また、対応情報3は、文字列“2年ごとに自動更新”と、属性値“Null,2年更新”との対で構成される。
また、格納部11には、例えば、図5に示すような1以上の電子書類情報が格納され得る。電子書類情報とは、電子書類に関する情報である。
図5は、電子書類情報のデータ構造図である。電子書類情報は、例えば、場所識別子、箱識別子、電子書類、種類情報、および属性値などを有する。属性値は、期限情報、および更新周期情報を含む。
また、図示は省略しているが、電子書類情報は、通常、時刻情報も有する。時刻情報は、電子書類情報が、格納部11に蓄積された時刻(以下、蓄積時刻)、または直近に更新された時刻(更新時刻)を示す情報である。なお、時刻情報は、原本が作成された時刻(作成時刻)を示していてもよい。
格納部11に格納される2以上の電子書類情報には、ID(例えば、“1”,“2”等)が対応付いている。例えば、ID“1”に対応する電子書類情報(以下、電子書類情報1と記す場合がある)は、場所識別子“金庫”、箱識別子“B1”、電子書類Xe、種類情報“紙原本”、および属性値“10年保存,Null”を有する。
同様に、ID“2”に対応する電子書類情報(電子書類情報2)は、場所識別子“書庫,第二棚”、箱識別子“B2”、電子書類Ye、種類情報“紙原本”、および属性値“5年保存,Null”を有する。また、電子書類情報3は、場所識別子“”、箱識別子“”、電子書類Ze、種類情報“電子原本”、および属性値“Null,2年周期”を有する。
以上のように構成された情報システムを初めて利用する依頼者bは、端末装置2bを介して、運営企業のホームページにアクセスし、まず、依頼者情報の登録を行う。依頼者情報とは、依頼者に関する情報である。依頼者情報は、例えば、ユーザ識別子、依頼者名、住所等であるが、依頼者に関する情報であれば何でもよい。
登録が完了すると、書類処理装置1の格納部11に、依頼者bに関する依頼者情報が格納され、依頼者bは、紙書類の保管および電子化、または電子書類の保管を、運営企業に依頼することができる。
依頼者bは、まず、2以上の紙書類の保管および電子化を依頼したとする。この場合、依頼者bは、端末装置2bを介して、書類情報と、保管および電子化の依頼とを入力する。書類情報とは、保管および電子化の対象となる1または2以上の紙書類に関する情報である。書類情報は、例えば、紙書類の枚数、保管期間などであるが、1以上の紙書類に関する情報であれば、その種類は問わない。入力された書類情報は、保管および電子化の依頼と共に、書類処理装置1に送信され、書類処理装置1の格納部11に、依頼者情報に対応付けて蓄積される。
また、保管および電子化の依頼に応じて、運営企業から依頼者bに、例えば、図6に示すような1または2以上の箱(本例では、2つの箱B1およびB2)が送付される。箱B1には、コードC1を印刷したシールが貼り付けられている。コードC1には、場所識別子“金庫”が埋め込まれている。箱B2には、コードC2を印刷したシールが貼り付けられている。コードC2には、場所識別子“書庫,第二棚”が埋め込まれている。
なお、図示はしていないが、2つの箱B1およびB2の各々には、例えば、箱識別子(例えば、“B1”,“B2”等)、および依頼者bの依頼者情報を記載したラベルも添付されている。ただし、依頼者b用の箱が1個のみである場合には、箱識別子は無くてもよい。
また、図示はしていないが、2つの箱B1およびB2の各々には、企業情報が印刷されていてもよい。企業情報とは、運営企業に関する情報である。企業情報は、例えば、企業名、住所等であるが、運営企業に関する情報であれば、その種類は問わない。ただし、企業情報は、上記のラベルに記載されていてもよい。
書類処理装置1の処理部14は、例えば、依頼者bの依頼者情報に対応付けて、箱識別子とコードの画像との組の集合を格納部11に蓄積することは好適である。箱識別子とコードの画像との組の集合とは、箱識別子B1とコードC1の画像との組、箱識別子B2とコードC2の画像との組などである。
2以上の紙書類のうち1つ(以下、紙書類Xp)は、保存期間が10年の帳簿であり、文字列“帳簿”を有する。2以上の紙の書類のうち他の1つ(以下、紙書類Yp)は、2年ごとに自動更新される契約書であり、文字列“2年ごとに自動更新”を有する。
依頼者bは、紙書類Xpを含む1以上の紙書類(以下、第一紙書類群)を箱B1に格納し、また、紙書類Ypを含む他の1以上の紙書類(以下、第二紙書類群)を箱B2に格納する。そして、依頼者bは、これら2つの箱B1およびB2を、運営企業宛に、例えば、当該運用企業指定の運送業者を介して発送する。
2つの箱B1およびB2が運営企業に到着すると、職員aは、端末装置2のカメラを用いて、まず、箱B1に存在するコードC1を読み取る。
端末装置2において、端末受付部22が上記読取結果(つまり、コードC1)を受け付け、端末送信部24は、受け付けられたコードC1を、端末格納部21に格納されている端末識別子“b”と対に、書類処理装置1に送信する。
書類処理装置1において、受信部13が上記コードC1を受信し、端末処理部23は、受信されたコードC1から場所識別子“金庫”を取得する。蓄積部141は、取得された場所識別子“金庫”を、箱識別子“B1”に対応付けて格納部11に蓄積する。
次に、職員aは、箱B1から第一紙書類群を取り出し、書類処理装置1のスキャナを介して、第一紙書類群の読み込みを行う。スキャナは、例えば、紙書類Xpを読み込み、電子書類Xeを出力する。電子書類Xeは、紙書類Xpのスキャン画像である。
書類処理装置1において、電子書類受付部122が電子書類Xeを受け付け、蓄積部141は、受け付けられた電子書類Xe、および種類情報“電子原本”を、場所識別子“金庫”に対応付けて、格納部11に蓄積する。なお、種類情報“紙原本”は、電子書類Xeが紙書類Xpのスキャン画像であることを基に取得される。
受け付けられた電子書類Xeには、文字列“帳簿”が含まれており、属性値取得部144は、格納部11に格納されている対応情報1(図4参照)を用いて、その文字列“帳簿”に対応する属性値“10年保存,Null”を取得する。蓄積部141は、取得された属性値“10年保存,Null”を、電子書類Xeに対応付けて格納部11に蓄積する。これによって、格納部11には、図5に示した電子書類情報1が格納される結果となる。
第一紙書類群の他の各紙書類についても、上記と同様の処理が行われる。そして、第一紙書類群に対する処理が完了すると、電子書類受付部122は、読み込みが完了した旨と共に、場所識別子“金庫”を出力する。これによって、端末装置2aのディスプレイには、例えば、図7のような画面が表示される。この画面は、文字列“読み込みが完了しました。書類を箱に戻し、書類の入った箱を金庫に入れてください。”と、書類の格納場所である金庫の位置が示された地図とを有する。
職員aは、上記画面を参照して、第一紙書類群を箱B1に再び格納し、第一紙書類群が格納された箱B1を金庫に格納する。
引き続き、職員aは、端末装置2のカメラで、箱B2に存在するコードC2を読み取る。端末装置2において、端末受付部22が上記読取結果(コードC2)を受け付け、端末送信部24は、受け付けられたコードC2を端末識別子“b”と対に書類処理装置1に送信する。
書類処理装置1において、受信部13が上記コードC2を受信し、端末処理部23は、受信されたコードC2から場所識別子“書庫,第二棚”を取得する。蓄積部141は、取得された場所識別子を、箱識別子“B2”に対応付けて格納部11に蓄積する。
次に、職員aは、箱B2から第二紙書類群を取り出し、読み込みを行う。スキャナは、例えば、紙書類Ypを読み込み、電子書類Yeを出力する。電子書類Yeは、紙書類Ypのスキャン画像である。
書類処理装置1において、電子書類受付部122が電子書類Yeを受け付け、蓄積部141は、受け付けられた電子書類Ye、および種類情報“紙原本”を、場所識別子“書庫,第二棚”に対応付けて、格納部11に蓄積する。なお、種類情報“紙原本”もまた、電子書類Yeが紙書類Ypのスキャン画像であることを基に取得される。
電子書類Yeには、文字列“2年ごとに自動更新”が含まれており、属性値取得部144は、対応情報2(図4参照)を用いて、その文字列“2年ごとに自動更新”に対応する属性値“Null,2年更新”を取得する。蓄積部141は、取得された属性値“Null,2年更新”を、電子書類Yeに対応付けて、格納部11に蓄積する。これによって、格納部11には、図5に示した電子書類情報2が、さらに格納される結果となる。
第二紙書類群の他の各紙書類についても、上記と同様の処理が行われる。そして、第二紙書類群に対する処理が完了すると、電子書類受付部122は、処理が完了した旨を、場所識別子“書庫,第二棚”と共に出力する。職員aは、第二紙書類群を箱B2に再び格納し、第二紙書類群が格納された箱B2を、書庫内の第二棚に格納する。
さらに、依頼者bは、電子書類Zeの保管をも、運営企業に依頼する。電子書類Zeは、保存期間が5年の領収書である。
端末装置2bにおいて、端末格納部21に上記電子書類Zeが格納されており、端末受付部22が電子書類Zeの保管を依頼する旨の指示を受け付けると、端末送信部24は、当該電子書類Zeを端末識別子“b”と対に、書類処理装置1に送信する。
書類処理装置1において、電子書類受付部122が電子書類Yeを受信し、蓄積部141は、受信された電子書類Ze、および種類情報“電子原本”を、場所識別子“Null”、および箱識別子“Null”に対応付けて、格納部11に蓄積する。なお、種類情報“電子原本”は、電子書類Zeがスキャン画像でない(すなわち、対応する紙書類を保管していない)ことを基に取得される。
電子書類Zeには、文字列“領収書”が含まれており、属性値取得部144は、対応情報3(図4参照)を用いて、その文字列“領収書”に対応する属性値“5年保存,Null”を取得する。蓄積部141は、取得された属性値“5年保存,Null”を、電子書類Zeに対応付けて格納部11に蓄積する。これによって、格納部11には、図5に示した電子書類情報3が、さらに格納される結果となる。
現時点で、格納部11には、3つの電子書類情報1~3が格納されている。格納部11のタイミング情報は、毎朝9時に、期限情報に応じた処理を行う旨を示している。期限処理部142は、MPUの内蔵時計等が示す現在時刻が“9:00”を示したことに応じて、3つの電子書類情報1~3の各々から、期限情報または更新周期情報を取得し、取得した期限情報または更新周期情報に応じた処理を行う。
期限処理部142によって行われる処理は、例えば、次のような処理である。期限処理部142は、電子書類情報1から、期限情報“10年保存”と共に、作成時刻(例えば、“2008年5月10日”)を取得し、現在時刻の年月日部分から当該作成時刻を減算する。そして、期限処理部142は、その減算結果が、期限情報に含まれる“10年”を超えたか否かを判別し、減算結果が“10年”を超えた場合に、電子書類情報1を格納部11から削除する。従って、電子書類情報1は、現在時刻が“2018年5月11日9:00”となったことに応じて、削除される結果となる。
また、次のような処理も行われる。期限処理部142は、電子書類情報3から、期限情報“5年保存”と共に、蓄積時刻(例えば、“2013年5月20日”)を取得し、現在時刻の年月日部分から当該蓄積時刻を減算する。そして、期限処理部142は、その減算結果が、期限情報に含まれる“5年”を超えた場合に、電子書類情報3を削除する。従って、電子書類情報3は、現在時刻が“2018年5月21日9:00”となったことに応じて、削除される結果となる。
または、期限処理部142は、上記のような減算結果が、期限情報に含まれる保存期限を超えたことに応じて、当該電子書類情報から種類情報を取得し、種類情報が“紙原本”を示す場合に、当該電子書類情報の削除を実行し、種類情報が“電子原本”を示す場合には、当該電子書類情報の削除を実行しなくてもよい。この場合、電子書類情報1は、現在時刻が“2018年5月11日9:00”となったことに応じて削除されるが、電子書類情報3は、現在時刻が“2018年5月21日9:00”となって以降も削除されない。
さらに、次のような処理も行われる。期限処理部142は、電子書類情報2から、更新周期情報“2年周期”と共に、更新時刻(例えば、“2016年5月30日”)を取得し、現在時刻の年月日部分から当該更新時刻を減算する。そして、期限処理部142は、その減算結果が、更新周期情報に含まれる“2年”を超えたか否かを判別し、減算結果が“2年”を超えた場合に、電子書類情報2を更新する。従って、電子書類情報2は、現在時刻が“2018年5月31日9:00”となったことに応じて、更新される結果となる。
なお、本例においては、コードの読み取りの後に、書類の読み込みが行われたが、その先後は逆でもよい。
また、本例においては、運営企業の職員aが、コードの読み取りと、書類の読み込みとを一人で行っているが、コードの読み取り、または書類の読み込みのいずれか一方は、別の職員によって行われてもよい。詳しくは、蓄積部141は、1以上の各箱のコードを読み取った結果である場所識別子を、当該箱を識別する箱識別子に対応付けて格納部11に蓄積する。電子書類受付部122もまた、1以上の各箱の紙書類群を読み込んだ結果である電子書類群を、当該箱を識別する箱識別子に対応付けて格納部11に蓄積する。これによって、場所識別子と電子書類群とが箱識別子を介して紐づけされる結果、コードの読み取りと書類の読み込みとを別々の職員が行えるようになる。
具体的には、例えば、場所識別子が埋め込まれたコードとは別の、箱識別子が埋め込まれた第二コードが、1以上の各箱に付されており、職員aは、各箱のコードを読み取る直前または読み取った直後に、当該箱の第二コードも読み取る。別の職員もまた、各箱の紙書類群を読み込む直前または読み込んだ直後に、当該箱の第二コードを読み取ればよい。
あるいは、コードの読み取り、または書類の読み込みのいずれか一方または両方は、依頼者側で行われてもよい。具体的には、例えば、各箱に上記のような第二コードが付されており、依頼者bは、各箱のコードを読み取る直前または読み取った直後に、当該箱の第二コードも読み取る。端末装置2bにおいて、コードと第二コードとの対が読み取られる度に、端末受付部22は、当該対を受け付け、端末送信部25は、受け付けられた対を書類処理装置1に送信する。読み取りが完了すると、依頼者bは、各箱に紙書類群を格納し、紙書類群が格納された1以上の箱を運営企業宛に発送する。
書類処理装置1において、受信部13が上記対を受信し、蓄積部141は、受信されたコードが示す場所識別子を、受信された第二コードが示す箱識別子に対応付けて格納部11に蓄積する。上記1以上の箱が運営企業に到着すると、例えば、職員aが、各箱の紙書類群の読み込みを行う。その際、職員aは、各箱の紙書類群を読み込む直前または読み込んだ直後に、当該箱の第二コードの読み取りをも行う。
書類処理装置1において、第二コードの読み取りと対に紙書類群の読み込みが行われる度に、電子書類受付部122が、第二コードと書類情報群との対を受け付け、蓄積部141は、当該書類情報群を、当該第二コードが示す箱識別子に対応付けて格納部11に蓄積する。
以上、本実施の形態によれば、書類処理装置1は、1または2以上の紙書類が格納されている箱に存在するコードであり、箱の格納場所を特定する場所識別子に対応するコードを読み取った結果である読取結果を受信し、箱に格納されている1以上の紙書類を電子化した1以上の電子書類を受け付け、場所識別子と1以上の電子書類とを対応付けて蓄積することにより、紙書類の格納場所と、当該紙書類を電子化した電子書類との対応を取ることが可能となる。
また、1以上の各電子書類は、保存義務期限を示す期限情報に対応付いており、書類処理装置1は、電子書類に対して、電子書類に対応付いている期限情報に応じた処理を行うことにより、保存義務期限に応じた処理を行える。
また、1以上の各電子書類は、原本が紙書類か電子書類かのいずれであるか特定する種類情報に対応付いており、書類処理装置1は、電子書類に対して、電子書類に対応付いている種類情報に応じた処理を行うことにより、原本の種類に応じた処理を行える。
また、書類処理装置1は、1以上の各電子書類から予め決められた文字列を取得し、文字列に対応する属性値を取得し、属性値を、文字列を含む電子書類に対応付けて蓄積することにより、書類の属性値を自動取得し、管理できる。
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現してもよい。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布してもよい。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布してもよい。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における書類処理装置1を実現するソフトウェアは、例えば、以下のようなプログラムである。
つまり、このプログラムは、コンピュータを、1または2以上の紙書類が格納されている箱に存在するコードであり、前記箱の格納場所を特定する場所識別子に対応するコードを読み取った結果である読取結果を受信する受信部13と、前記箱に格納されている1以上の紙書類を電子化した1以上の電子書類を受け付ける受付部12と、前記場所識別子と前記1以上の電子書類とを対応付けて蓄積する蓄積部141として機能させるためのプログラムである。
図8は、本実施の形態におけるプログラムを実行して、書類処理装置1等を実現するコンピュータシステム900の外観図である。本実施の形態は、コンピュータハードウェアおよびその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現され得る。図8において、コンピュータシステム900は、ディスクドライブ905を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、ディスプレイ904と、カメラ917と、スキャナ918とを備える。なお、キーボード902やマウス903やディスプレイ904やカメラ917やスキャナ918をも含むシステム全体をコンピュータと呼んでもよい。
図9は、コンピュータシステム900の内部構成の一例を示す図である。図9において、コンピュータ901は、ディスクドライブ905に加えて、MPU911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、およびデータを記憶するストレージ914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915と、外部ネットワークや内部ネットワーク等のネットワークへの接続を提供するネットワークカード916と、カメラ917と、スキャナ918とを備える。ストレージ914は、例えば、ハードディスク、SSD、フラッシュメモリなどである。
コンピュータシステム900に、書類処理装置1等の機能を実行させるプログラムは、例えば、DVD、CD-ROM等のディスク921に記憶されて、ディスクドライブ905に挿入され、ストレージ914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、ネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ストレージ914に記憶されてもよい。プログラムは、実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、ディスク921、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。また、ディスク921に代えて他の着脱可能な記録媒体(例えば、DVDやメモリカード等)を介して、プログラムがコンピュータシステム900に読み込まれてもよい。
プログラムは、コンピュータの詳細を示す901に、書類処理装置1等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能やモジュールを呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
なお、上述したコンピュータシステム900は、サーバまたは据え置き型のPCであるが、端末装置2は、例えば、タブレット端末やスマートフォンやノートPCといった、携帯端末で実現されてもよい。この場合、例えば、キーボード902およびマウス903はタッチパネルに、ディスクドライブ905はメモリカードスロットに、ディスク921はメモリカードに、それぞれ置き換えられる。スキャナ918は、カメラ917で代用可能である。ただし、以上は例示であり、書類処理装置1等を実現するコンピュータのハードウェア構成は問わない。
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(例えば、端末送信部24および端末受信部25など)は、物理的に一の媒体で実現されてもよいことは言うまでもない。
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。