本発明は、請求項1の上位概念に記載のシート状の基材を連続的に加工する機械構造物に関する。
欧州特許出願公開第1092533号明細書において、シート状の基材を連続的に加工する方法およびシートを加工する複数の加工ステーションを備える機械構造物が認められる。この方法および機械構造物では、シートの搬送方向で複数の加工ステーションが相前後して、このシートをインラインで加工するために配置されており、この場合、これらの加工ステーションのうちの少なくとも1つの加工ステーションは、ノンインパクト印刷装置として構成されていて、シートの搬送方向でノンインパクト印刷装置に後置された少なくとも1つの加工ステーションは、乾燥機として構成されている。
独国特許出願公開第102012218022号明細書において、印刷シートの加工に関してコールドフォイル塗布装置が公知である。
国際公開第02/48012号において、シートを位置合わせする装置が公知であり、この装置では、シートがずれ重ね装置によりうろこ状にずれ重ねた状態にずらされてこの装置に供給され、シートの前縁および側縁が位置合わせされた後で、後置の装置へ引き渡され、この場合、その周にシートが少なくとも部分的に当接可能である位置合わせ胴により、シートの前縁を、位置合わせ胴の周に配置された前当てによりスムーズに位置合わせすることができる。
国際公開第2009/120582号において、シートを加工する複数の加工ステーションを備える機械構造物において、互いに間隔を置いた、第1の加工ステーションを通って搬送される個々のシートが、第1の搬送速度を有し、第1の加工ステーションから第2の加工ステーションへ引き渡されるシートが、この第2の加工ステーションにおいて、第2の搬送速度を有し、この場合、第2の加工ステーションにおいて有効な第2の搬送速度は、第1の加工ステーションにおいて有効な第1の搬送速度よりも低い。
欧州特許出願公開第2540513号明細書において、それぞれ表面と裏面とを有する複数のシート状の基材を連続的に加工する機械構造物が公知であり、この機械構造物は、第1の圧胴と第2の圧胴とを備え、この場合、それぞれ第1の圧胴の周に、該当する基材の表面に印刷を行う少なくとも1つの第1のノンインパクト印刷装置と、第1の圧胴の回動方向で第1のノンインパクト印刷装置の後方に、該当する基材の、第1のノンインパクト印刷装置により印刷が行われた表面を乾燥する乾燥機とが配置されており、この場合、それぞれ第2の圧胴の周に、該当する基材の裏面に印刷を行う少なくとも1つの第2のノンインパクト印刷装置と、第2の圧胴の回動方向で第2のノンインパクト印刷装置の後方に、該当する基材の、第2のノンインパクト印刷装置により印刷が行われた裏面を乾燥する乾燥機が配置されており、この場合、第1の圧胴および第2の圧胴は、共通のローラニップを形成するように配置されており、この場合、第1の圧胴は、この共通のローラニップにおいて、表面に印刷が行われて乾燥された該当する基材を、直接に第2の圧胴へ引き渡す。
独国特許出願公開第10312870号明細書において、枚葉印刷用のデジタル印刷機が公知であり、このデジタル印刷機は、周方向で判型フリーのデジタル印刷部と、デジタル印刷部に後置された中間胴であって、弾性材料により少なくとも部分的に被覆されている、中間胴と、中間胴に後置された対応圧胴と、を備え、対応圧胴は、シートを保持するグリッパを有し、中間胴は、その周に、グリッパを収容する凹部を有する。
独国特許発明第102014010904号明細書において、シート状の被印刷物に両面で印刷を行う装置が公知であり、この装置では、被印刷物は、対応圧胴上で360°を超えて案内され、この場合、被印刷物は、裏面印刷側で新たにインキ着けユニットの作用領域に達する。インキ着けユニットにより、被印刷物は、前置された対応圧胴上ですでに表面印刷側で印刷が行われている。この場合、インキ着けユニットは、相前後して配置された2つの対応圧胴の間を好適には揺動させることができ、この場合、揺動可能なインキ着けユニットは、たとえばインクジェット印刷ヘッドである。
独国特許出願公開第102005021185号明細書において、不透明白色または機能性インキ層を着ける装置が公知であり、この装置では、機能性インキ層が、塗布後に乾燥されるかまたは硬化され、これに続いて重ね印刷され、この場合、1つまたは複数のインクジェット印刷ヘッドが印刷機の内側に設けられており、この場合、直接に被印刷物にまたは間接に中間支持体を介して被印刷物に不透明白色または機能性層を塗布するための1つまたは複数のインクジェット印刷ヘッドが、被印刷物の搬送路において、印刷機へ向かうまたは印刷機の内側の供給部の手前に配置されている。
独国特許出願公開第102009000518号明細書において、枚葉印刷機が公知であり、この枚葉印刷機は、印刷が行われるべき印刷シートを枚葉印刷機に導入するためのフィーダと、全ての印刷シートにとって同一の、静的な印刷像を印刷シートに印刷するための、少なくとも1つの印刷部および/または塗工部と、印刷が行われた印刷シートを枚葉印刷機から導出するためのデリバリと、特に動的な可変の印刷像を印刷シートに印刷するための、枚葉印刷機に組み込まれた、判型フリーの少なくとも1つの印刷装置と、を備え、枚葉印刷機における判型フリーのこの印刷装置または各印刷装置は、プロセスパラメータ、運転パラメータ、ジョブパラメータまたは品質パラメータに依存して制御可能に組み込まれている。
欧州特許出願公開第2657025号明細書において、シート送り装置が公知であり、このシート送り装置は、以下のコンポーネント:第1の送りユニットであって、第1の送りユニットは、第1の保持装置を有し、第1の保持装置は、シートの縁を保持し、第1の保持装置により保持されるシートを送る、第1の送りユニットと、第2の送りユニットであって、第2の送りユニットは、第2の保持装置を有し、第2の保持装置は、シートの縁を保持し、第2の保持装置により保持されるシートを送る、第2の送りユニットと、第3の送りユニットであって、第3の送りユニットは、第3の保持装置を有し、第3の保持装置は、第1の送りユニットにより送られるシートの別の縁を保持し、第3の保持装置により保持されるシートを送る、第3の送りユニットと、独立した駆動ユニットであって、独立した駆動ユニットは、第1の送りユニットを独立して駆動する、駆動ユニットと、装置駆動ユニットであって、装置駆動ユニットは、第2の送りユニットと第3の送りユニットを含む装置全体を駆動する、装置駆動ユニットと、制御ユニットであって、制御ユニットは、独立した駆動ユニットを制御し、これにより速度が適合される、制御ユニットと、を備え、その際、第3の送りユニットは、シートを、シートの寸法に基づいて送り方向に送り、この場合、第1の送りユニットは、回動可能に軸支された搬送胴を有し、独立した駆動ユニットは、独立した駆動モータを有し、独立した駆動モータは、搬送胴を、装置駆動システムに依存せずに駆動し、この場合、第3の送りユニットが、軸支されていて、これにより第3の送りユニットがシートを第1の送りユニットから受け取る収容位置と、第3の送りユニットがシートを第2の送りユニットへ移送する移送位置との間で揺動可能に設けられてもよく、第3の送りユニットは、搬送胴の、シート送り方向で上流側に位置する側に配置された第4の送りユニットをさらに有することにより、第4の保持装置を有し、第4の保持装置は、シートの縁を保持し、第4の保持装置により保持されるシートを、搬送胴の第1の保持装置へ移送し、この場合、制御ユニットが、独立した駆動モータを制御し、これにより、搬送胴の回動速度を、送り方向でのシートの寸法と一致するように適合させるので、搬送胴により送られるシートの別の縁は、第3の送りユニットがシート収容位置で固定されていて、第4の送りユニットの第4の保持装置が第1の送りユニットの第1の保持装置に対向するとき、シートが第3の保持装置に移送された後で、第3の保持装置に対向する。
西独国特許出願公開第1033225号明細書において、印刷機用のシートフィーダが公知であり、このシートフィーダでは、エンドレスのベルトが真空室にわたって滑動し、その際、この室は閉じられ、真空が、専らベルトの開口部(サッカ)において、積み紙または個々の枚葉紙に対して作用し、したがって、シートは、ベルトにより連行され、この場合、ベルトは、耐摩耗性の鋼から成り、この場合、サッカ箇所の側方および後方に、好適には、吹出し開口(チャンバ、管、スリット)が存在し、吹出し開口は、吹出空気を用いてシートを分離させるとともに浮遊させる。
独国特許出願公開第4413089号明細書において、送り台を使用して、印刷機にシート状の被印刷物を下重ね式に供給する方法が公知であり、その方法では、送り台上を供給される被印刷物の送り方向とは逆向きにずれ重ねシート流の下方に連続的に圧縮空気が流れる。
独国特許出願公開4012948号明細書において、印刷機へ印刷シートを案内する送り台が公知であり、この送り台は、少なくとも1つの吸込室と、この吸込室に取り付けられた軸流ファンと、この軸流ファンを中心に送り台に設けられた吸込開口を介して循環走行する孔付きの吸着ベルトと、を備え、この場合、吸着ベルトに対して平行に開口が送り台に設けられており、開口は、吸込室から分離されて周囲と接続されている。
独国実用新案第202004006615号明細書において、シートフィーダからシートを処理する機械、特に枚葉輪転印刷機へシート状の材料を下重ねされた状態のシート流で搬送するための、送り台、好適には吸着ベルト台に設けられた装置が公知であり、この装置は、1つまたは複数の搬送ベルト、たとえば吸込空気が供給可能な吸着ベルトであって、駆動可能であるとともにエンドレスに送り台をめぐって案内されている、搬送ベルトと、吹出装置であって、搬送ベルトの案内領域の外側で、送り台の、搬送ベルトに対して側方で平行に配置された案内領域の範囲において空気をシート流の下方へ吹き出す、吹出装置と、を備え、少なくとも搬送ベルトの外側で、案内領域において、案内領域のほぼ全面にわたって分配された個々の複数の通気開口が設けられており、この場合、案内領域にほぼ部分面または全面において吹出空気が供給可能であるように、吹出空気供給部が、通気開口に対して少なくとも部分的に連結されているように、設けられており、この場合、通気開口は、好適には、送り台の搬出側の端部の領域で、送り台の中央からそれぞれ側方の縁へ向けられたノズルとして構成されている。
独国特許出願公開第10157118号明細書において、吸込空気により作動するシートブレーキを備える、枚葉印刷機のデリバリにおける印刷シートを制動する装置が公知であり、この装置では、シートブレーキは、管路系と少なくとも1つの弁とを介して、負圧発生器と接続されているので、シートブレーキの外径において吸込領域で負圧が供給可能であり、この場合、印刷シートの位置を特定するための少なくとも1つのセンサと、後置の制御装置とが配置されており、弁は、少なくとも1つのセンサの信号に依存して制御装置により制御可能である。
独国特許出願公開第102009048928号明細書において、シート状の基材に印刷を行うインクジェットプリンタが公知であり、このインクジェットプリンタでは、プリンタは、以下のコンポーネント:a)開口を有し、循環走行し、かつローラを介して案内される少なくとも1つの印刷部搬送ベルトを備える印刷部搬送装置、および印刷部搬送ベルトの下方に配置された吸着チャンバ装置であって、1つまたは複数の印刷部搬送ベルトは、固有の駆動装置を有し、駆動装置は、1つまたは複数の搬送ベルトに所定の速度を形成する、印刷部搬送装置および吸着チャンバ装置と、b)印刷部搬送ベルトのほぼ水平に案内された上側のベルト区分の上方に配置されたインクジェット印刷装置と、c)少なくとも1つの循環走行するベルトを有する、印刷シート/印刷基材の搬送方向で印刷部搬送装置に前置された搬送装置であって、1つまたは複数の搬送ベルトは、固有の駆動装置を有し、駆動装置は、1つまたは複数の搬送ベルトに所定の速度を形成する、搬送装置と、を備え、この場合、印刷部搬送装置の1つまたは複数の印刷部搬送ベルトの速度と、印刷部搬送装置に前置された搬送装置の1つまたは複数の搬送ベルトの速度との関係は、インクジェットプリンタに関して設定されたあらゆる判型に対して印刷シートまたは印刷基材が互いに接してまたは10mmまでの小さな間隔を置いて1つまたは複数の印刷部搬送ベルト上に位置するように選択される。
独国特許発明第10141589号明細書において、シートを処理する機械を運転する方法が公知であり、この方法では、シートが、搬送方向で変位されるとともに複数の加工ステーションで処理され、この場合、シートの変位速度は、互いに依存せずに調整可能であり、この場合、各々のシートの速度は、各々の加工ステーションにおいて実施されるべき加工ステップに合わせて適合されており、この場合、シートの速度は、これらの加工ステーションのうちの少なくとも2つの加工ステーションにおいて大きさがそれぞれ異なっている。この場合、特定の期間の間の個々の加工ステーションの加工能力は同一の大きさであってもよく、または第1の加工ステーションの加工能力は、特定の期間の間、前置されたまたは後置された第2の加工ステーションの加工能力よりも大きいまたは小さい。
独国特許発明第102004014521号明細書において、印刷機において印刷部からシート排出スタックへシートを搬送する装置が公知であり、この装置は、シートを把持して案内するグリッパシステムを備える、両側でチェン軌道上に案内された少なくとも1つのグリッパキャリッジであって、シート排出スタック上で真っ直ぐなガイド軌道を描き、シートをシートスタック上に排出した後で変向領域の内側において曲率半径上を案内される、グリッパキャリッジと、さらにシートの前縁を把持してシート排出スタック上にシートを排出する前縁グリッパであって、グリッパキャリッジ支持部が真っ直ぐなガイド軌道でシート排出スタック上と変向領域とだけに設けられている、前縁グリッパとから構成されている。
米国特許第2198385号明細書において、グリッパキャリッジが公知であり、このグリッパキャリッジは、最後のシートガイド胴からグリッパキャリッジへの引渡し領域で中央にカムローラを介してカムディスクに支持されており、これにより、シートの見当通りの引渡しが達成されるべきである。
本発明の課題は、複数のシート状の基材を連続的に加工する方法および機械構造物を提供することである。
この課題は、本発明によれば、請求項1の特徴部に記載の構成により解決される。従属請求項は、見いだされた解決手段の好適な改良態様および/または構成を表している。
本発明により得られた利点は、以下の説明から明らかである。
さらに、記述の解決手段は、ハイブリッド式の、シート状の基材を加工する機械構造物に、好適にはハイブリッド式の印刷機に使用可能である。このハイブリッド式の印刷機は、従来慣用の、たとえばオフセット印刷法で、またはフレキソ印刷法で、またはスクリーン印刷法で印刷する印刷装置または特に塗工部の被覆装置の高い生産性を、様々に、フレキシブルでその都度変更可能な印刷像を印刷するたとえばインクジェットプリンタとして構成された少なくとも1つのノンインパクト印刷装置と組み合わせて利用し、この場合、従来慣用の印刷装置または被覆装置だけではなくノンインパクト印刷装置も、生産進行時に、インラインで、その都度生産にとって最適な作業速度で使用される。そのようなハイブリッド式の機械構造物は、特に包装手段、たとえば折畳み箱を製造するためのシートを生産するために極めて好適である。というのも、それぞれ印刷装置の各々の強みが利用され、これにより包装手段のフレキシブルで経済的な生産がもたらされるからである。したがって、特に高い曲げ剛性を有して構成されたシート状の基材に、ノンインパクト印刷装置において、好適には平らな状態でかつ水平の姿勢で印刷を行うことができる。リニア搬送装置の長さを、胴を介する回転式の搬送装置の態様で当てはまるよりもわずかな手間で、たとえば水性のまたはUV硬化性の印刷インキまたはインキに関して、様々な数の印刷部または印刷ステーション(インキ仕切)や(中間-)乾燥部構造に適合させることができる。リニア搬送装置により、様々な判型長さのシート状の基材を使用するとき、直接に連続する、間隔を置いて搬送されるシート状の基材の間の一定のシート隙間をより容易に実現することもできる。また他方では、それぞれグリッパ閉鎖部において、次に続く加工ステーションへシート状の基材を引き渡すことをそれぞれ伴う、回転体、特に胴と、グリッパストリップまたはグリッパキャリッジとを用いたシート状の基材の搬送は、枚葉オフセット印刷機から知られているように、最大限可能な見当精度を保証する。
以下、本発明の実施の態様を図面に示し、詳説する。
様々な生産ラインを表すためのブロック回路図を示す。
複数の様々な加工ステーションを有する第1の機械構造物を示す。
それぞれ複数の様々な加工ステーションを有する別の機械構造物を示す。
それぞれ複数の様々な加工ステーションを有する別の機械構造物を示す。
それぞれ複数の様々な加工ステーションを有する別の機械構造物を示す。
それぞれ複数の様々な加工ステーションを有する別の機械構造物を示す。
それぞれ複数の様々な加工ステーションを有する別の機械構造物を示す。
それぞれ複数の様々な加工ステーションを有する別の機械構造物を示す。
図8の機械構造物を平面図および側面図でそれぞれ示す。
複数部分から成る搬送装置を示す。
図10に示した第1の部分の拡大図を示す。
図10に示した第2の部分の拡大図を示す。
個々のシート状の基材を連続的に搬送する搬送装置の概略図を示す。
個々のブローサクションノズルの平面図を示す。
図11または図13に示した搬送装置の平面図を示す。
図15に示された搬送装置の側面図を示す。
チェンコンベヤの描画の一部を示す。
図15に示された構造物の平面図を示す。
図15および図16に示されたチェンコンベヤの別の斜視図を示す。
図11の一部の拡大図に基づいて、搬送装置の別の態様を示す。
図20の搬送装置の平面図を示す。
対角線見当で位置合わせされるべきシート状の基材を示す。
スイングレバーを有する機械的な連結要素を備える搬送装置の側面図を示す。
図23に示された搬送装置の平面図を示す。
歯車リンク機構を有する機械的な連結要素を備える搬送装置の側面図を示す。
図25に示された搬送装置の平面図を示す。
複数のシート状の基材を両面で連続的に加工する機械構造物を示す。
複数のシート状の基材を両面で連続的に加工する別の機械構造物を示す。
複数のシート状の基材を両面で連続的に加工するさらに別の機械構造物を示す。
下重ね装置を示す。
図30の部分拡大図を示す。
図1は、ブロック回路図で様々な生産ラインを具体的に示している。生産ラインは、それぞれ、少なくとも1つのシート状の基材、特に被印刷物、好適には特に矩形の印刷シート、略してシートを加工するための、複数の特に様々な加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物により実現可能である。この場合、この少なくとも1つの基材は、材料、材料厚さおよび/または坪量に応じて高いまたは低い曲げ剛性を有して構成されている。この場合、好適には、これらの加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12の各々は、それぞれたとえば独自の機能性を有するモジュールとして構成されており、この場合、モジュールとは、通常は、独立して製造された、またはそれ自体が組み立てられた少なくとも1つの機械ユニットまたは機能的な構成群と解されるべきである。つまりそれぞれの機械構造物に配置された加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12の各々は、好適には独自に製造され、好適な態様では、たとえば個別にそれぞれの機能が検査可能である。それぞれシートを加工する、特定の生産で協働する少なくとも3つの様々な加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12の選択および構成によりそれぞれ形成された該当する機械構造物は、それぞれ1つの特定の生産ラインを具体的に形成する。複数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する、それぞれ特定の機械構造物により具体的に形成された図示の生産ラインの各々は、それぞれ特に、被印刷物、好適には印刷が行われたシートから形成された包装手段を生産するように構成されている。製造されるべき包装手段は、たとえばそれぞれ1つの折畳み箱であり、包装手段は、それぞれ印刷が行われた複数のシートから製造される。したがって、様々な生産ラインは、特に種々の包装手段を生産するように構成されている。この場合、特定の生産の間に必要とされる、被印刷物の加工は、それぞれインラインで行われ、つまり、特定の生産に関与する加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12は、その都度の生産に対して選択された各々の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物を被印刷物が通走するときに、規定通りの順序で相前後して互いに調整して使用され、その際、各々の機械構造物により行われる生産の間に、被印刷物、つまり加工されたシートのための中間貯蔵部が設けられていない。
図1に示された全ての生産ラインにとって、これらの生産ラインがそれぞれ加工ステーション06と協働することが共通している。加工ステーション06は、少なくとも1つのノンインパクト印刷装置06、好適には複数の、たとえば4つ、5つ、6つまたは7つの、特にそれぞれ個別に制御されるノンインパクト印刷装置06を有し、この場合、これらのノンインパクト印刷装置06は、被印刷物の搬送方向Tで、好適には前後に配置されていて、これらのノンインパクト印刷装置06が被印刷物にそれぞれ搬送方向Tに対して横向きに向けられた、少なくともほぼその全体の幅において印刷を行うことができるように、構成されている。ノンインパクト印刷装置06は、固い刷版を用いない印刷法を用いて、原則的に、印刷ごとに、被印刷物、たとえばその都度この印刷装置06に供給されたばかりのシートに、先行する印刷像とは異なる印刷像による印刷を行うことができる。各々のノンインパクト印刷装置06は、それぞれ特に少なくとも1つのインクジェットプリンタまたは少なくとも1つのレーザプリンタにより実現されている。
インクジェットプリンタは、ドットマトリックスプリンタであり、ドットマトリックスプリンタでは、小さなインキ滴の目的に合った発射または変向により印刷像が形成され、この場合、インクジェットプリンタは、連続式インクジェットを用いる機器(連続インクジェット;Continuous Ink Jet=CIJ)または個別のインキ滴を放出する機器(ドロップオンデマンド;Drop On Demand=DOD)として構成されている。レーザプリンタは、電子写真方式で各々の印刷像を形成する。ノンインパクト印刷装置06は、たとえばデジタル印刷機とも称される。
以下、たとえば、複数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する各々の機械構造物において、被印刷物として、それぞれ一連の、たとえば紙、単層のまたは多層の厚紙、または板紙から成る特に高い曲げ剛性を有するシートが処理されて、特に包装手段が形成されることを前提としている。被印刷物である紙、厚紙および板紙は、それぞれの坪量が、つまりこの被印刷物の1平方メートルあたりのグラムの質量が異なっている。この場合、一般的に7g/m2~150g/m2の坪量を有する前述の被印刷物は、紙であり、150g/m2~600g/m2の坪量を有する被印刷物は、厚紙であり、600g/m2を超える坪量を有する被印刷物は、板紙である。折畳み箱を製造するために、特に、良好な印刷性を有し、かつこれに続くたとえば塗装および打抜きなどの表面加工または処理に適した厚紙が使用される。厚紙は、その繊維材料使用量から、たとえば木質繊維を含まない、わずかに木質繊維を含む、木質繊維を含むまたは古紙を含む。その構成において、多層の厚紙は、上層と、中層と、裏面としての下層とを有する。その表面特性から、厚紙は、たとえば塗工されていない、染色されている、塗工されている、またはキャストコーティングされている。シートの判型は、たとえば340mm×480mm~740mm×1060mmの範囲にあり、この場合、この判型表示において、通常は、最初の数は、シートの搬送方向Tでの長さを表し、2番目の数は、搬送方向Tに対して直交方向に向けられたシートの幅を表す。
図1のブロック回路図において、加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12のうちの複数の加工ステーションにより形成可能な各生産ラインが、実質的に右から左へ延在し、この場合、それぞれ2つの加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を互いに接続する方向矢印の各々は、それぞれ、被印刷物が通走するべき搬送路と、これに付属する搬送方向Tを表し、これにより、加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12のうちの1つの加工ステーションから、その都度の生産に関して特定された機械構造物において選択された次の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12に至る。その都度の生産は、加工ステーション01において提供されたシートで始まり、この場合、加工ステーション01は、フィーダ01として、たとえばシートフィーダ01またはマガジンフィーダ01として構成されている。シートフィーダ01は、通常は、たとえばパレット上に積まれたシートのスタックを収容する一方、マガジンフィーダ01は、複数のトレーを有し、トレーに、各々のシート、特にたとえば種々のシートまたは様々な判型のシートのスタックが挿入されるかまたは少なくとも挿入可能である。フィーダ01は、たとえば吸着ヘッド41を用いて、積まれたシートを個別化し、これらのシートを、互いに分離された連続するシートまたはずれ重ねられたシート流の形で、特定の生産における次の加工ステーション02;03;04;06に供給する。次の加工ステーション02;03;04は、たとえばプライマ塗布装置02として、またはコールドフォイル塗布装置03として、またはオフセット印刷装置04として、またはフレキソ印刷装置04として構成されている。次の加工ステーション06は、直接の、たとえば少なくとも1つのノンインパクト印刷装置06であってもよい。オフセット印刷装置04は、好適には、枚葉オフセット印刷機として構成されており、特に複数の印刷部86を有するタンデム型の枚葉印刷機として構成されている。オフセット印刷装置04は、シートに、少なくとも1つの静的な、つまり印刷プロセス中に、使用される刷版に関する制限に基づいて不変の印刷像を与える一方、ノンインパクト印刷装置06は、シートに、変化するかまたは少なくとも可変の少なくとも1つの印刷像を与える。
フィーダ01の次の加工ステーション03がコールドフォイル塗布装置03である場合、シートは、これに続いてそこから、通常は、オフセット印刷装置04として構成された加工ステーション04へ搬送される。コールドフォイル塗布装置03において、支持箔から剥がされた金属化ラッカ層が被印刷物に転写される。たとえばオフセット印刷装置04によるこのラッカ層の重ね印刷により、様々な金属効果を得ることができる。コールドフォイル塗布装置03は、好適には、たとえば、2つの追加的な印刷部87;88がオフセット印刷装置04に設けられていることにより、オフセット印刷装置04に組み込まれて構成されている。被印刷物の搬送方向Tで第1の印刷部87において、標準型の刷版を用いて、特殊な接着剤が、被印刷物に、つまり各々のシートに塗布される。被印刷物の搬送方向Tで第2の印刷部88に、転写されるべきラッカ層を有する箔転写装置が装着されている。ラッカ層を支持する箔は、繰出しステーションから、ブランケット胴と、このブランケット胴と協働する圧胴との間の印刷ニップ内へ案内され、被印刷物と接触させられる。ラッカ層において、アルミニウム層および保護ラッカ層が色付けされており、その着色が、色の印象に影響を及ぼす。印刷が成された接着剤層との付着層の付着性により、転写層が、基材上に付着したままとなる。支持箔は、これに続いて再び巻き取られる。コールドフォイル転写の後で、インラインで、特にオフセット印刷装置04において、従来慣用の印刷インキおよびUVインキならびにハイブリッドインキによる重ね印刷が可能であり、これにより様々な金属色相が形成される。
たとえば特に吸収性のかつ/またはノンインパクト印刷装置06による印刷のために用意されるべき被印刷物は、フィーダ01から、たとえばプライマ塗布装置02として構成された次の加工ステーション02に供給され、これにより、この被印刷物の少なくとも1つの表面が印刷または塗工前にたとえば水性のプライマにより被覆され、特に封止される。プライマは、被印刷物の下塗りまたは第1被覆を成し、これにより、特にその後で被印刷物に塗布されるべき印刷インキまたはインキの付着が改善されるかまたははじめて実現される。プライマ塗布装置02は、たとえば輪転印刷機の印刷部86に関連して構成されていて、たとえば圧胴119と協働する印刷部胴82であって、この印刷部胴82に胴入れされるかまたは少なくとも胴入れ可能な、好適にはアニロックスローラ83の態様のインキ着けローラ83を有する、印刷部胴82と、インキ着けローラ83の軸方向に延在する少なくとも1つのドクタ84、特にチャンバ型ドクタシステム84(図3~図5、図8、図27、図28)とを有する。プライマは、プライマ塗布装置02により、全面に、または特定の、つまり予め規定された箇所でのみ、つまり部分的に被印刷物に塗布される。プライマ塗布装置02において加工された被印刷物、たとえばシートは、次の加工ステーションに、たとえばオフセット印刷装置04および/またはたとえばノンインパクト印刷装置06に供給される。
たとえばフレキソ印刷装置04として構成された加工ステーション04により行われるフレキソ印刷は、直接の凸版印刷法であり、フレキソ印刷では、刷版の隆起した箇所が像を有する。フレキソ印刷は、多くの場合、紙、厚紙ならびに板紙から、または金属化箔から、またはたとえばPE、PET、PVC、PS、PP、PCなどのプラスチックから成る包装手段に印刷を行うために使用される。フレキソ印刷では、低粘度印刷インキと、フォトポリマーまたはゴムから成る柔軟な印刷版とが使用される。一般的に、フレキソ印刷装置04は、a)アニロックスローラ(アニロックスローラを介して刷版が着肉される)と、b)版胴とも称される印刷胴(印刷胴上に刷版が取り付けられている)と、c)対応圧胴(対応圧胴は被印刷物を案内する)とを有する。
フレキソ印刷装置04またはオフセット印刷装置04として構成された、シートにそれぞれ少なくとも1つの静的な印刷像による印刷を行う加工ステーション04は、好適にはそれぞれ複数の、たとえば少なくとも4つの印刷部86を有し、この場合、各々の印刷部86は、好適には1つの別の印刷インキを用いて印刷するので、被印刷物に、これがフレキソ印刷装置04またはオフセット印刷装置04を通走する際にそれぞれ多色で、たとえば4色刷りで印刷が行われる。印刷インキとして、特にイエロー、マゼンタ、シアンおよび墨の色相が使用される。フレキソ印刷法またはオフセット印刷法に対して択一的な印刷装置04の態様では、シートにそれぞれ少なくとも1つの静的な印刷像による印刷を行う加工ステーション04は、スクリーン印刷法で印刷を行う印刷装置04として構成されている。
少なくとも1つのノンインパクト印刷装置06において被印刷物を加工した後で、この被印刷物は、たとえば中間乾燥機07として構成された加工ステーション07に供給され、この場合、この中間乾燥機07は、該当する被印刷物をたとえば赤外放射または紫外放射による照射により乾燥するように構成されており、この場合、放射の種類は、特に、被印刷物に塗布された印刷インキまたはインキが水性であるかまたはUV硬化性であるかに依存している。中間乾燥の後で、被印刷物は、たとえば塗工装置08として構成された加工ステーション08に供給される。この塗工装置08は、被印刷物にたとえば分散ラッカを塗布し、この場合、分散ラッカは、主に水と結合剤(樹脂)とから成り、この場合、界面活性剤が、この分散を安定させる。分散ラッカを被印刷物に塗布する塗工装置08は、アニロックスローラとチャンバ方式ドクタとインキ着けローラとから成る(フレキソ印刷部に対応する)か、またはインキ出しローラとインキ着けローラとから成る。好適には光重合に基づく刷版により、たとえば面状のかつ/または部分的な塗料が塗布される。全面の塗装に対してはゴムから成る特殊なラッカプレートを使用することも可能である。被印刷物の搬送路において、塗工装置08の後方に、たとえば乾燥機09として構成された加工ステーション09が配置されており、この場合、この乾燥機09は、該当する被印刷物を赤外放射による照射または熱風により乾燥するように構成されている。該当する機械構造物が被印刷物の搬送路に沿って複数の乾燥機07;09を有する場合、符号09を有する乾燥機は、好適には、これらの複数の乾燥機07;09のうちの、被印刷物の搬送方向Tで最後の乾燥機であり、この場合、1つまたは複数の中間乾燥機07と(最終)乾燥機09とは、同一の構造を有するかまたはそれぞれ異なって構成されていてもよい。乾燥機09に、紫外放射により乾燥される被印刷物が供給される、つまりUV放射硬化性の印刷インキもしくはインキまたはUV放射硬化性のラッカ、たとえば光沢ラッカが塗布されている被印刷物が供給される場合、この乾燥機09は、紫外放射を生成する放射源を備えている。分散ラッカにより、従来のオーバープリントワニスと比べてより強いグロスおよびマット効果を得ることができる。特殊な視覚効果を、ラッカにおける効果顔料により達成することができる。プライマ塗布装置02、コールドフォイル塗布装置03および塗工装置08を用語「被覆装置02;03;08」にまとめることができる。
乾燥の後で、被印刷物は、被印刷物にたとえば打抜き、クリージングおよび/または部分の分離、特に好適には印刷が行われたシートにおける部分のその都度の結合体からの利用部分の取出しによる機械的な後続処理を行うたとえば加工ステーション11に供給される。前述の後続処理の各々は、加工部46においてまたは加工部46によりそれぞれ行われる。機械的な後続処理は、好適には、各々のシートを搬送する胴と協働して行われる。乾燥機09の後でまたは乾燥機の直後に、被印刷物は、図1に示された、それぞれ加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12の特定の構造体により具体的に形成された各々の生産ラインにおいてそれぞれ最後の加工ステーション12を形成するデリバリ12へ至る。デリバリ12において、それまでに加工されたシートは、たとえばパレット上に好適には積み重ねられる。
図2~図9に示されているように、これまで記述された、各々の機械構造物に配置された加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12の順序は、例示的なものでしかなく、その都度製造されるべき印刷製品に依存して変更可能である。
図1に例示された、特に包装手段の生産に使用される生産ラインは、それぞれ前述の多数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12から選択される機械構造物を有する。たとえば以下の生産ラインが形成されるかまたは少なくとも形成可能である。
1.シートフィーダ01;プライマ塗布装置02;ノンインパクト印刷装置06;分散ラッカに対するIR放射源を用いる中間乾燥機07;塗工装置08;IR放射源または熱風を用いる乾燥機09;デリバリ12
2.シートフィーダ01;プライマ塗布装置02;ノンインパクト印刷装置06;IR放射源または熱風を用いる乾燥機09;デリバリ12
3.シートフィーダ01;プライマ塗布装置02;ノンインパクト印刷装置06;IR放射源を用いる中間乾燥機07;分散ラッカおよびUV硬化性ラッカに対する塗工装置08;IR放射源または熱風を用いる、かつUV放射源を用いる乾燥機09;デリバリ12
4.シートフィーダ01;コールドフォイル塗布装置03;オフセット印刷装置04;ノンインパクト印刷装置06;IR放射源または熱風を用いる乾燥機09;デリバリ12
5.シートフィーダ01;プライマ塗布装置02;ノンインパクト印刷装置06;分散ラッカに対するIR放射源を用いる中間乾燥機07;塗工装置08;IR放射源または熱風を用いる乾燥機09;機械的な後続処理装置11;デリバリ12
6.シートフィーダ01;オフセット印刷装置04;ノンインパクト印刷装置06;IR放射源を用いる中間乾燥機07;機械的な後続処理装置11;デリバリ12
7.シートフィーダ01;ノンインパクト印刷装置06;IR放射源または熱風を用いる乾燥機09;デリバリ12
8.シートフィーダ01;ノンインパクト印刷装置06;UV放射源を用いる中間乾燥機07;UV放射源を用いる乾燥機09;デリバリ12
9.シートフィーダ01;ノンインパクト印刷装置06;UV放射源を用いる中間乾燥機07;UV放射源を用いる乾燥機09;機械的な後続処理装置11;デリバリ12
10.シートフィーダ01;ノンインパクト印刷装置06;IR放射源を用いる中間乾燥機07;オフセット印刷装置04;塗工装置08;IR放射源または熱風を用いる乾燥機09;デリバリ12
11.マガジンフィーダ01;プライマ塗布装置02;ノンインパクト印刷装置06;IR放射源を用いる中間乾燥機07;塗工装置08;IR放射源または熱風を用いる乾燥機09;デリバリ12
12.マガジンフィーダ01;プライマ塗布装置02;ノンインパクト印刷装置06;IR放射源を用いる中間乾燥機07;IR放射源または熱風を用いる乾燥機09;機械的な後続処理装置11;デリバリ12
13.マガジンフィーダ01;ノンインパクト印刷装置06;UV放射源を用いる中間乾燥機07;塗工装置08;UV放射源を用いる乾燥機09;デリバリ12。
この場合、シートの加工に関与する、少なくとも1つのノンインパクト印刷装置06と協働する加工ステーション01;02;03;04;07;08;09;11;12のうちの少なくとも1つの加工ステーションは、それぞれ、特にノンインパクト印刷装置06により各々のシートに塗布されるべき印刷インキが、水性の印刷インキもしくはインキとして構成されているのか、または紫外放射硬化性の印刷インキもしくはインキとして構成されているのかに依存して選択されている。これにより、各々の機械構造物は、シートにそれぞれ水性の印刷インキにより、または紫外放射硬化性の印刷インキにより印刷が行われるように構成されている。
図27および図28に関して詳しく説明される、前述の多数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12から選択された別の機械構造物は、たとえば、主に以下の加工ステーションを含む生産ラインを有する:シートフィーダ01;第1のプライマ塗布装置02;第1の乾燥機121;第1のノンインパクト印刷装置06;第2の乾燥機122;第2のプライマ塗布装置126;第3の乾燥機123;第2のノンインパクト印刷装置127;第4の乾燥機124;デリバリ12。
ここで例示的に挙げられた好適な機械構造物は、シートを加工する複数の加工ステーションを有し、この場合、シートの搬送方向Tで複数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12がこれらのシートをインラインで加工するために相前後して配置されており、この場合、これらの加工ステーションのうちの少なくとも1つの加工ステーション06は、ノンインパクト印刷装置06として構成されており、この場合、シートの搬送方向Tでノンインパクト印刷装置06に前置された第1の加工ステーション01は、シートフィーダ01またはマガジンフィーダ01として構成されており、この場合、第1の加工ステーション01とノンインパクト印刷装置06との間に配置された加工ステーション08は、それぞれラッカをシートに塗布する第1の被覆装置08として構成されており、この場合、第1の被覆装置08とノンインパクト印刷装置06との間に第1の乾燥機07が配置されており、この場合、第1の搬送ベルト17が、シートを第1の乾燥機07からノンインパクト印刷装置06へ搬送するように配置されており、この場合、シートの搬送方向Tでノンインパクト印刷装置06の後方に第2の乾燥機07が配置されており、この場合、ノンインパクト印刷装置06から到来するシートを第2の被覆装置08へ引き渡す装置が設けられており、この場合、第2の被覆装置08に第3の乾燥機09が後置されており、この場合、シートの搬送方向Tで第3の乾燥機09の後方にシートに対するデリバリ12が配置されている。この場合、第3の乾燥機09とデリバリ12との間に、追加的にさらに機械的な後続処理装置11が配置されてもよい。さらにシートの搬送方向Tでノンインパクト印刷装置06の手前に、たとえばコールドフォイルを塗布する被覆装置03が配置されている。ノンインパクト印刷装置06は、シートの搬送路に沿って、好適には複数のそれぞれ個別に制御されるインクジェットプリンタを有する。ノンインパクト印刷装置06の作用領域において、シートは、好適にはそれぞれ搬送装置22に水平に平らに載るように案内され、この場合、搬送装置22は、シートに対するノンインパクト印刷装置06の少なくとも作用領域において、それぞれ直線的な搬送路またはカーブした搬送路を有し、この場合、カーブした搬送路は、1m~10mの範囲の半径を有する、一鉛直平面内に位置する凹状のまたは凸状の弧により形成されている。シートの搬送方向Tで、ノンインパクト印刷装置06の手前に、たとえば引渡し装置が配置されており、この場合、引渡し装置は、シートを、それぞれ少なくとも軸方向(左右)見当および/または周方向(天地)見当で、ノンインパクト印刷装置06の印刷位置に対して相対的に見当を保持するように位置合わせされており、この場合、引渡し装置は、たとえば各々のシートを、吸込空気を用いて保持する吸着ドラム32を有する。この機械構造物は、シートに、特にそれぞれ水性の印刷インキによりまたは紫外放射硬化性の印刷インキにより印刷を行うように構成されている。この機械構造物は、特に様々な包装手段を生産するように構成されている。ノンインパクト印刷装置06から到来するシートを第2の被覆装置08へ引き渡す装置は、たとえばスインググリッパ19およびスインググリッパ19と協働する渡しドラム31として構成されている。
図2は、前述の生産ライン番号6による複数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物を例示している。シートは、シートフィーダ01において、たとえば吸着ヘッド41により個別にスタックから取り上げられ、たとえば1時間あたり10000枚のサイクルで相前後してたとえば一列に配置された4つの印刷部86を有するオフセット印刷装置04へ引き渡される。一列に配置された印刷部86のうちの1つの印刷部から次の印刷部にシートを引き渡すために、それぞれ回転体、特に胴、好適には渡しドラム43が設けられており、渡しドラム43は、それぞれ直に隣り合う2つの印刷部86の間に配置されている。オフセット印刷装置04は、シートフィーダ01から供給されたシートを、たとえば第1のスインググリッパ13を用いて受け取り、シートを、オフセット印刷装置04の第1の渡しドラム14へ導き、この場合、シートは、続いてオフセット印刷装置04において、グリッパ接続部で1つの印刷部86から次の印刷部86へ案内される。オフセット印刷装置04において、シートに、少なくとも片面で印刷が行われる。反転装置が存在する場合、オフセット印刷装置04において、シートに、両面で、つまり両面印刷で印刷が行われてもよい。ここではたとえばオフセット印刷装置04として構成された加工ステーション04を通走した後で、好適には4色刷りで印刷が行われた該当するシートは、第1のグリッパシステム16、特に第1のチェンコンベヤ16と、少なくとも1つの第1の搬送ベルト17とにより、ノンインパクト印刷装置06へ引き渡され、この場合、第1のグリッパシステム16と第1の搬送ベルト17とは、シートをノンインパクト印刷装置06へ引き渡す際に協働し、具体的には、第1のグリッパシステム16がシートをその都度第1の搬送ベルト17へ引き渡し、その際、ノンインパクト印刷装置06へのシートの引渡しが第1の搬送ベルト17から行われるように協働する。ノンインパクト印刷装置06は、好適には、線形に一列に配置された、特にそれぞれ個別に制御される複数の、たとえば5つのインクジェットプリンタを有する。その後で、オフセット印刷装置04において少なくとも1つの静的な印刷像を有し、ノンインパクト印刷装置06において少なくとも1つの、変化するかまたは少なくとも変更可能な印刷像を有するシートの乾燥が、乾燥機07または中間乾燥機07において、好適にはIR放射源を用いて行われる。同様にその後で、シートは、機械的な後続処理装置11において、たとえば打抜きおよび/またはクリージングおよび/またはその都度のシートからの利用部分の取出しにより後続加工される。最終的に、シートおよび/またはそれぞれシートから離脱された利用部分が、デリバリ12において集められ、特に積み重ねられる。第1のグリッパシステム16または第1のチェンコンベヤ16の作用領域において、それぞれシートに対して設定された搬送路に沿って、デリバリ12、特にマルチスタックデリバリが設けられてもよい。同様に、シートの搬送方向Tで、たとえば機械的な後続処理装置11の後方に、マルチスタックデリバリが配置されている。
フィーダ01、特にシートフィーダ01においてスタックから取り上げられたシートは、互いに間隔を置いて個別にオフセット印刷装置04を通って第1の搬送速度で搬送される。オフセット印刷装置04からノンインパクト印刷装置06へ引き渡されるシートは、このノンインパクト印刷装置06において、第2の搬送速度で搬送され、この場合、ノンインパクト印刷装置06において有効な第2の搬送速度は、通常は、オフセット印刷装置04において有効な第1の搬送速度よりも低い。通常はより低いノンインパクト印刷装置06において有効な第2の搬送速度に対して、オフセット印刷装置04において有効な第1の搬送速度を適合させるために、たとえば、直接に連続するシートの間に生じるシート隙間、つまりたとえばグリッパ接続部でオフセット印刷装置04を通って搬送されるシートに関するグリッパ溝幅に基づいて生じる間隔は、オフセット印刷装置04からノンインパクト印刷装置06にシートを引き渡す際に好適には低減され、この場合、シートの元々の間隔に対するそのような間隔の減少は、たとえば1%~98%の範囲にある。これにより、直接に連続するシートは、ノンインパクト印刷装置06においても、互いに間隔を置いて搬送されるが、しかし通常は、オフセット印刷装置04における間隔に対してより小さなシート隙間を置いて、またはより小さな間隔を置いて搬送され、したがってより低い第2の搬送速度でも搬送される。この第2の搬送速度は、好適には、ノンインパクト印刷装置06において印刷が行われたシートが、まずは中間乾燥機07または乾燥機09へ搬送され、そこからたとえばフィーダボード18を用いて、機械的な後続処理装置11へ、さらにデリバリ12にまで搬送されるときに維持される。しかし、シートは、その第2の搬送速度から第3の搬送速度へ、これをたとえば機械的な後続処理装置11が要求するときにもたらされてもよく、この場合、第3の搬送速度は、通常は、第2の搬送速度より高く、たとえば再び特にオフセット印刷装置04において有効な第1の搬送速度に相当する。機械的な後続処理装置11において、たとえば第2のスインググリッパ19が設けられており、第2のスインググリッパ19は、中間乾燥機07または乾燥機09から到来するシートを、フィーダボード18からつかみ取り、たとえば機械的な後続処理装置11の領域に配置された第2の渡しドラム31へ引き渡し、その後で、シートは、たとえばグリッパ接続部により、機械的な後続処理装置11の領域を通って搬送される。一連のたとえば複数の加工部46を有する機械的な後続処理装置11の領域においても、一列に配置された複数の加工部46のうちの1つの加工部から次の加工部にシートを引き渡すために、それぞれ回転体、特に胴、好適には渡しドラム44が設けられており、渡しドラム44は、それぞれ2つの隣り合う加工部46の間に配置されている。これらの加工部46のうちの1つの加工部は、たとえば打抜き部として、別の1つの加工部46は、たとえばクリージング部として構成されている。該当する加工部46は、好適には、各々のシートを搬送する胴と協働してシートの機械的な後続処理を行うように構成されている。シートの機械的な後続処理の後で、シートおよび/またはシートから取り出された利用部分は、たとえば第2のチェンコンベヤ21を用いて、デリバリ12へ搬送され、そこで集められ、好適には積み重ねられる。
シートは、オフセット印刷装置04の終端部から、少なくとも中間乾燥機07または乾燥機09の終端部にまで、好適には機械的な後続処理装置11の始端部にまで、それぞれ、複数部分から成る、つまりシートの搬送方向Tで相前後して配置された複数の構成群、特に搬送ユニットから成る搬送装置22を用いて搬送され、その際、搬送装置22は、シートを、搬送方向Tに向けられた各々の長さで、少なくともオフセット印刷装置04と中間乾燥機07または乾燥機09との間に配置されたノンインパクト印刷装置06の作用領域において、直線的な搬送路に沿って、好適には水平に平らに載った状態で搬送する。直線的な搬送路および水平に平らに載った状態の搬送は、好適には、ノンインパクト印刷装置06に後置された中間乾燥機07または乾燥機09を通ってシートが搬送される場合でも続いている。必要な場合、オフセット印刷装置04とノンインパクト印刷装置06との間にも中間乾燥機07または乾燥機09が配置されてもよい。
図3~図8には、それぞれ複数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する別の機械構造物が例示されるとともに略示されており、この場合、各々の符号は、前述の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12と加工ステーションのそれぞれ別の機器を示している。
図3には、被印刷物の搬送方向Tで相前後して配置された以下の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物が示されている:シートフィーダ01;プライマ塗布装置02または塗工装置08;中間乾燥機07;ノンインパクト印刷装置06;中間乾燥機07;塗工装置08;乾燥機09;デリバリ12。
図4には、被印刷物の搬送方向Tで相前後して配置された以下の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物が示されている:シートフィーダ01;プライマ塗布装置02;中間乾燥機07;ノンインパクト印刷装置06;乾燥機09;デリバリ12。
図5には、被印刷物の搬送方向Tで相前後して配置された以下の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物が示されている:シートフィーダ01;プライマ塗布装置02;中間乾燥機07;ノンインパクト印刷装置06;中間乾燥機07;塗工装置08;中間乾燥機07;塗工装置08;乾燥機09;デリバリ12。
図6には、被印刷物の搬送方向Tで相前後して配置された以下の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物が示されている:シートフィーダ01;第1のオフセット印刷装置04;コールドフォイル塗布装置03;タンデム型の別の4つのオフセット印刷装置04;中間乾燥機07;ノンインパクト印刷装置06;中間乾燥機07;ノンインパクト印刷装置06;乾燥機09;デリバリ12。
図7には、その長さに基づいてずらして示された、被印刷物の搬送方向Tで相前後して配置された以下の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物が示されている:シートフィーダ01;第1のオフセット印刷装置04;コールドフォイル塗布装置03;タンデム型の別の4つのオフセット印刷装置04;中間乾燥機07;ノンインパクト印刷装置06;中間乾燥機07;塗工装置08;乾燥機09;タンデム型の2つの機械的な後続処理装置11;デリバリ12。
図8には、被印刷物の搬送方向Tで相前後して配置された以下の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物が示されている:マガジンフィーダ01;プライマ塗布装置02;中間乾燥機07;ノンインパクト印刷装置06;中間乾燥機07;塗工装置08;乾燥機09;デリバリ12。図9は、まさにこの機械構造物をそれぞれ平面図および側面図で示している。
図10は、好適には、シートを加工する複数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物に使用するために設けられた、前述の複数部分から成る搬送装置22を再度詳しく示している。たとえばオフセット印刷装置04として構成された加工ステーション04の終端部に、グリッパシステム16、特に少なくとも1つの循環走行するチェンを有する第1のチェンコンベヤ16が設けられており、チェンコンベヤ16は、その少なくとも1つの循環走行するチェンに沿って、好適には均一の間隔を置いて複数のグリッパストリップまたは好適には複数のグリッパキャリッジ23を有し、この場合、搬送されるべきシートの各々は、好適には、その搬送方向Tで前方の縁で、つまりその前縁で、グリッパキャリッジ23のうちの1つのグリッパキャリッジにより保持され、チェン延在部により設定される搬送路に沿って搬送される。グリッパキャリッジ23は、シートを保持するために、それぞれ制御されるかまたは少なくとも制御可能な保持手段79(図15)を、特にグリッパ、たとえばそれぞれグリッパにより及ぼされるクランプに関して制御可能なクランプ装置を備える。シートの搬送方向Tで連続するグリッパキャリッジ23の間の間隔は、たとえば700mm~1000mmの範囲にある。第1のチェンコンベヤ16の少なくとも1つのチェンは、それぞれオフセット印刷装置04の終端部に配置されたチェンホイール24の周りを特に半円状に走行する。第1のチェンコンベヤ16がシートをたとえばオフセット印刷装置04として構成された加工ステーション04から受け取る領域は、この第1のチェンコンベヤ16の受取り領域を形成する一方、この第1のチェンコンベヤ16がシートをたとえば別の搬送装置へ、特にノンインパクト印刷装置06として構成された加工ステーション06へ搬送するために引き渡す領域は、この第1のチェンコンベヤ16の引渡し領域を形成する。第1のチェンコンベヤ16の受取り領域に配置された第1のチェンホイール81は、好適には、少なくとも1つのチェンを運動させる駆動ホイールとして構成されている一方、オフセット印刷装置04の終端部において、特に第1のチェンコンベヤ16の引渡し領域に配置された第2のチェンホイール24は、好適には、少なくとも1つのチェンを変向する変向ホイールとして構成されている。シートの、ほぼ真っ直ぐに延びる長さにわたって延在する領域において、オフセット印刷装置04の終端部に配置された少なくとも1つのチェンホイール24の下側に、特に第1のチェンコンベヤ16の引渡し領域に配置された第2のチェンホイール24の下側に、グリッパキャリッジ23のうちの1つのグリッパキャリッジにより搬送される、つまり傍を通過するように案内されるシートを保持する少なくとも1つの吸着チャンバ26が配置されている。好適には、そこに、シートの搬送方向Tで、個別に制御されるかまたは少なくとも制御可能な複数の吸着チャンバ26が配置されている。前述の別の搬送装置に関する指摘により表されたように、この領域において、オフセット印刷装置04の終端部に配置された少なくとも1つのチェンホイール24の下側に、たとえば、第1のチェンコンベヤ16により取り出されたシートを受け取って後続搬送するための、シートの搬送方向Tで第1の循環走行する少なくとも1つの搬送ベルト17も配置されており、この場合、この第1の搬送ベルト17により受け取られたシートは、それぞれ引き続き、好適にはノンインパクト印刷装置06へ向けて搬送される。
オフセット印刷装置04と中間乾燥機07または乾燥機09との間に配置されたノンインパクト印刷装置06の作用領域において、好適には、循環走行する第2の搬送ベルト27が設けられており、第2の搬送ベルト27において、シートは、相前後してそれぞれ好適には水平に平らに載った状態で直線的な搬送路に沿って搬送される。引渡し装置は、特に第1の搬送ベルト17と第2の搬送ベルト27との間に配置されている。中間乾燥機07または乾燥機09の作用領域にも、好適には、循環走行する第3の搬送ベルト28が設けられており、第3の搬送ベルト28において、ノンインパクト印刷装置06から受け取られたシートが、相前後してそれぞれ好適には水平に平らに載った状態で直線的な搬送路に沿って搬送される。第3の搬送ベルト28は、中間乾燥機07または乾燥機09を通って搬送されたシートをフィーダボード18へ引き渡し、そこから、シートは、相前後して好適には機械的な後続処理装置11へと搬送される。第1の搬送ベルト17、第2の搬送ベルト27および第3の搬送ベルト28は、シートを、好適には同一のたとえば水平の、特に平らな面として構成された搬送平面29内で搬送する。これにより、それぞれシートを加工する加工ステーションを有する機械構造物においてシートを搬送する搬送装置22は、少なくとも3つの搬送ユニット、具体的には第1のグリッパシステム16または第1のチェンコンベヤ16と、第1の搬送ベルト17と、第2の搬送ベルト27とを有する。この場合、第1のチェンコンベヤ16と第1の搬送ベルト17とは、協働して、連続するシートを第1の加工ステーションからシートの搬送方向Tで第1の加工ステーションに好適には直接に後続する第2の加工ステーションへ引き渡すように配置されている。連続するシートは、第1の搬送ベルト17から、次の加工ステーションに属する第2の搬送ベルト27へ引き渡される。好適には、第3の搬送ベルト28も設けられており、この場合、連続するシートは、第2の搬送ベルト27から、シートの搬送方向Tで第2の加工ステーションに好適には直接に後続する第3の加工ステーションに属する第3の搬送ベルト28へ引き渡される。第1の搬送ベルト17および/または第2の搬送ベルト27または場合により第3の搬送ベルト28の各々の搬送路がそれぞれ非線形にかつ/または非水平に方向付けられている場合、搬送装置22の搬送ベルト17;27;28が、シートを、それぞれカーブした搬送路に沿って搬送し、具体的には、特に少なくとも1mの半径、好適には2m~10mの範囲の半径、特に3m~5mの範囲の半径を有する、一鉛直平面内に位置する凹状のまたは凸状の弧に沿って搬送する。搬送ベルト17;27;28は、好適には、それぞれ吸着ベルトコンベヤとして、つまりそれぞれ、各々のシートをその搬送時にそれぞれ吸着作用を有する少なくとも1つの吸着チャンバ26を有する搬送ベルトとして構成されている。シートに対して設定された搬送路に沿った複数の吸着チャンバ26を有する搬送ベルト17;27;28では、これらの吸着チャンバ26は、好適には個別に、かつ/または好適には各々の吸込空気の作用に関して互いに依存せずに制御可能である。カーブした搬送路に沿って、好適には複数の、それぞれ個別に制御されるノンインパクト印刷装置06が配置されており、この場合、複数のノンインパクト印刷装置06は、たとえばそれぞれインクジェットプリンタとして構成されている。搬送装置22の搬送ベルト17;27;28は、それぞれたとえば平行の複数の個々のベルトから成り、個々のベルトは、シートに対して設定された搬送路に対して直交方向に相並んで配置されており、ひいてはそれぞれシートに対して設定された搬送路に対して縦方向に延在する。搬送ベルト17;27;28とは、グリッパシステム16とは異なり、それぞれグリッパを有しない搬送装置と解されるべきであり、この場合、該当する搬送ベルト17;27;28は、それぞれ少なくとも2つの変向装置の間でエンドレスに循環走行するように構成されている。
図11は、すでに図10に基づいて記述された搬送装置22のいくつかの細部を再度部分拡大図で示している。特に好適な態様では、シートを第1の搬送ベルト17から第2の搬送ベルト27へ引き渡す領域において、シートの搬送方向Tに対して直交方向に、好適には吸着ドラム32を有する引渡し装置が配置されている。吸着ドラム32は、共通の軸89に沿って、互いに平行に配置された、好適には複数の、たとえば6つの吸着リング76から成る。吸着ドラム32の好適な態様では、吸着ドラム32の吸着リング76には、個別にそれぞれ吸込空気が供給されるかまたは少なくとも供給可能であり、その利点によれば、この吸着ドラム32の、吸着ドラム32の軸方向に向けられた作用幅が、特に使用されるシートの判型に依存して要求通りに調整することができるかまたは調整されている。吸着ドラム32は、その周に、好適には少なくとも1つの、それぞれシートの搬送平面29に突出するストッパ34を有し、この場合、該当するストッパ34のストッパ面は、それぞれ吸着ドラム32に対して軸方向に、かつ好適には水平の搬送平面29に対して好適には鉛直に延在する。吸着ドラム32は、その軸方向に連続する1つのストッパ34または好適には、その軸方向で互いに間隔を置いた2つのストッパ34を有する。同一の吸着ドラム32を複数の様々な判型幅のシートに対して使用可能にするために、吸着ドラム32が複数の吸着リング76を有する場合、好適には、各吸着リング76にそれぞれ少なくとも1つのストッパ34が配置されている。吸着ドラム32は、回転可能でありかつ軸方向可動に軸支されている。吸着ドラム32は、その周方向運動のための第1の駆動装置と、その軸方向運動のための第2の駆動装置とを有し、この場合、周方向運動と軸方向運動とは、互いに依存せずに制御ユニットにより制御されている。吸着ドラム32の周方向運動および/または軸方向運動は、制御ユニットにより位置信号に依存して制御され、この位置信号を、シートの搬送方向Tで吸着ドラム32に前置された第1のセンサ33が、吸着ドラム32に次に到達するシートの位置を検出することにより形成し、制御ユニットに伝送する。吸着ドラム32は、これに供給されるシートを見当に正しく位置合わせし、このシートをそれぞれ位置合わせされた状態で、別の加工ステーションに、特にノンインパクト印刷装置06に供給する役割を有し、これにより、シートは、そこで引き続き加工することができる。したがって、吸着ドラム32は、好適な態様では、ノンインパクト印刷装置06の作用領域に供給されるべき各々のシートを、たとえば該当するシートの搬送平面29に突出する少なくとも1つのストッパ34により、かつ/または該当するシートを保持するこの吸着ドラム32の軸方向の変位により、ノンインパクト印刷装置06の印刷位置に対して相対的に見当に正しく位置合わせする。吸着ドラム32により、好適には吸込空気を用いて、つまり負圧を用いて把持されるシートは、この吸着ドラム32の、第1のセンサ33により形成される位置信号に依存して制御される軸方向運動により、特にその搬送方向Tに対して横向きに位置合わせされる。吸着ドラム32は、位置合わせされたシートを、特にクロック制御された吸込空気により把持し、つまり吸込空気は、たとえば特定の、好適には搬送速度および/またはシートの位置に依存する、吸着ドラム32の角度位置において、制御ユニットにより迅速にオンに切り替えられかつ再びオフに切り替えられる。該当するシートの前縁の、搬送平面29内で搬送方向Tに対して垂直の位置合わせは、好適には、吸着ドラム32の少なくとも1つのストッパ34にこの縁が当接することにより達成される。選択的に、たとえば引渡し装置において、少なくとも1つの側方ストッパも設けられており、側方ストッパに、位置合わせされるべきシートの、その搬送方向Tに対して平行に延在する縁が当接される。第1のセンサ33は、たとえば光学センサとして、特にラインセンサとして、好適にはCCDラインセンサとして構成されている。第1のセンサ33は、位置信号を形成するために、好適には、該当するシートの、シートの搬送方向Tに対して縦方向に延在する縁またはシート上に配置されたマークを検出し、この場合、マークは、このシートにおいて印刷像にまたは該当する印刷像の外側に配置されている。好適にはシートの搬送方向Tで第1のセンサ33に前置された第2のセンサ36は、好適には同様に制御ユニットと接続されており、この第2のセンサ36は、たとえば、第1の搬送ベルト17から第2の搬送ベルト27へ搬送されるシートの前縁と、場合により数も検出する。第2のセンサ36は、好適には、各々のシートの、シートの搬送方向Tで前方の縁を検出し、主にシート到着をコントロールするのに使用される。第2のセンサ36は、たとえば光学センサ、特に反射検出器として、または光検出器として構成されている。吸着ドラム32と協働して、たとえば、ノンインパクト印刷装置06の作用領域へ向けて、つまり、第2の搬送ベルト27へ向けて、好適には線形に、特にシートの搬送路に対して縦方向に延在する少なくとも1つのガイド要素37が設けられており、この場合、該当するガイド要素37は、吸着ドラム32の外周面と楔形部を形成し、楔形部に、第1の搬送ベルト17から到来するシートが導入される。第1の搬送ベルト17の領域において、かつ場合により第2の搬送ベルト27の領域においても、それぞれ、好適にはそれぞれたとえば制御ユニットにより制御可能なたとえば1つまたは複数の吸着チャンバ26が設けられている。吸着チャンバ26は、場合により搬送装置22の部分である。第1の搬送ベルト17の少なくとも1つの吸着チャンバ26を含めて、好適な態様では、シートの横方向の位置合わせは、特に少なくとも1つのストッパ34における該当するシートの位置合わせおよび該当するシートの搬送方向Tで最後の吸着チャンバ26における吸込空気のオフ切替えの後で、吸着ドラム32の軸方向の変位により行われる。シートの横方向の位置合わせは、吸着ドラム32の回転運動に一時的に重畳する。これにより、吸着ドラム32から次の加工ステーション06;07;08;09;11;12へ引き渡されるべきシートは、この引渡し装置において、いかなる時点でも停止しない。したがって、吸着ドラム32は、シートを、それぞれ少なくともその軸方向見当および/または周方向見当において、吸着ドラム32に後続する加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12の加工位置に対して相対的に見当に正しく位置合わせする。
シートを加工する複数の加工ステーションを有する機械構造物において、シートの搬送方向Tで、これらのシートをインラインで加工するために、複数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12が相前後して配置されていて、これらの加工ステーションのうちの少なくとも1つの加工ステーション06が、ノンインパクト印刷装置06として構成されている場合、第1の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12に、たとえばシートの搬送方向Tで第1の位置合わせ装置が前置されており、この場合、この第1の位置合わせ装置は、シートを、それぞれ少なくともその軸方向見当および/または周方向見当において、第1の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12の加工位置に対して相対的に見当に正しく位置合わせする。さらに、シートの搬送方向Tで、ノンインパクト印刷装置06と、ノンインパクト印刷装置06に後置された加工ステーション01;02;03;04;07;08;09;11;12との間に、たとえば別の位置合わせ装置が配置されており、この場合、この別の位置合わせ装置は、シートを、それぞれ少なくともその軸方向見当および/または周方向見当において、ノンインパクト印刷装置06に後置された加工ステーション01;02;03;04;07;08;09;11;12の加工位置に対して相対的に見当に正しく位置合わせする。
特に引渡し装置に配置された吸着ドラム32は、たとえば、オフセット印刷装置04からノンインパクト印刷装置06へ引き渡されるべきシートのその都度の搬送速度を適合させるためにも使用される。ノンインパクト印刷装置06において有効な第2の搬送速度は、通常は、オフセット印刷装置04において有効な第1の搬送速度よりも低いので、吸着ドラム32は、相前後してそれぞれ第1の搬送速度でオフセット印刷装置04から供給されるシートを、それぞれ少なくとも1つのストッパ34にその前縁が当接することによりまず制動し、その都度吸着されたシートを、必要な場合、つまり第1のセンサ33の対応する位置信号が修正の必要性を表す場合、該当するシートを保持する吸着ドラム32の軸方向運動により少なくとも横方向に位置合わせし、これに続いて、把持されたシートを、この吸着ドラム32の回転により、ノンインパクト印刷装置06において必要とされる第2の搬送速度へと加速または減速し、この場合、該当するシートは、たとえば第2の搬送速度に達するとともに吸着ドラム32から離間され、その後で、吸着ドラム32は、次のシートを把持するために回転方向および/または軸方向に必要とされる動作位置にもたらされる。したがって、吸着ドラム32は、たとえばその都度の回転において好適には不均一に回転する。シートの前縁の、吸着ドラム32の回転位置調整のために必要な位置情報を、たとえばチェンホイール24に配置された回転角度発信器47が、または択一的に、特に印刷機のオフセット印刷装置04の回転角度発信器が、伝送する。
前述のように、シートを加工するためのそれぞれ複数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12と、これらのシートを搬送するために少なくとも1つの搬送装置とを有する前述の機械構造物により、様々な判型の、つまり様々な長さおよび/または幅のシートを加工することが意図されている。したがって、通常は、矩形のシートは、たとえばそれぞれの長さが異なっており、この場合、これらの長さは、その都度これらのシートの搬送方向Tで延在する長さである。シートが連続的に供給される、特にノンインパクト印刷装置06として構成された加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12を使用する場合に比較的短いシート、つまり各々の機械構造物において加工される、他の場合ではより大きな判型のシートに対してより小さな判型のシートにおいて、その機械構造物の生産性が低下しないようにするために、以下の方法ステップを有する方法が提案される。
複数のシートを加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に連続的に供給する搬送装置を運転する方法において、同一の加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12により加工するために、それぞれシートの搬送方向Tで延在する様々な長さのシートが使用され、その際、加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に相前後して供給されるべきシートは、搬送装置により、それぞれ所定の間隔を置いて搬送され、その際、搬送装置は、搬送されるべきシートにそれぞれ所定の搬送速度を形成し、その際、それぞれこれらのシートの搬送方向Tで延在する様々な長さのシートに対する、直接に連続するシートの間に生じる間隔は、搬送装置により該当するシートに形成されるべき搬送速度の変化により一定に保持され、その際、搬送方向Tで後続するシートの搬送速度は、直前に先行するシートの搬送速度に対して変化される。この場合、該当する加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に相前後して供給されるべきシートは、加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12により形成されるべき高い生産性に達するかつ/または生産性を保持するために、搬送装置により、それぞれ好適には、最小であるが通常はゼロとは異なる間隔を置いて搬送される。搬送方向Tで連続するシートの間の間隔、つまり先行するシートの、搬送方向Tに対して横向きに延在する後縁と、直後に後続するシートの、搬送方向Tに対して横向きに延在する前縁との間の間隔は、たとえば0.5mm~50mmの範囲、好適には10mm未満である。該当する加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12においてより大きな長さのシートの後でより小さな長さのシートを加工したいときには、より小さい長さのシートは、搬送装置により、その搬送速度の増加によって加速される。これとは逆に、該当する加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12においてより小さな長さのシートの後でより大きな長さのシートを加工したいときには、より大きな長さのシートは、搬送装置により、その搬送速度の低下によって減速される。加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12として、好適には、ノンインパクト印刷装置06が使用され、その生産性は、通常は、ノンインパクト印刷装置06に、ノンインパクト印刷装置06による印刷が行われるべきシートがその都度の判型にかかわらず一定の最小間隔で連続して供給されるときに最大である。該当する機械構造物において、ノンインパクト印刷装置06にたとえばオフセット印刷装置04として構成された加工ステーション04が前置されている場合、オフセット印刷装置04において印刷が行われたシートは、その都度の判型に依存せずに、このオフセット印刷装置04の生産速度に相当する搬送速度で搬送装置に供給され、この場合、オフセット印刷装置04によりこれらのシートに設定された搬送速度は、搬送装置によるシートの搬送中に、ノンインパクト印刷装置06の処理速度に相当する搬送速度に適合させることができる。これらのシートをその都度の判型にかかわらず、追加的に、依然としてその都度一定の相互間隔でノンインパクト印刷装置06に供給しようとすると、より大きな長さのシートは、より短いシートよりも減速されないが、いずれにせよシートのその都度の搬送速度の低下が必要になる。というのもノンインパクト印刷装置06の処理速度が、通常は、オフセット印刷装置04の生産速度よりも低いからである。
各々のシートは、搬送装置によるその搬送中、好適にはその都度力結合により(つまり力が伝達されるように)たとえば吸込空気により保持される。各々のシートに、その搬送速度が、好適にはそれぞれ吸着ドラム32の、シートに作用する吸着リング76により、または少なくとも1つのエンドレスに循環走行する吸着ベルト52;78により形成される。好適な態様では、該当するシートに形成されるべき搬送速度は、好適には電子的な制御ユニットにより調整され、この場合、制御ユニットは、搬送速度の調整を、特に連続するシートの間に一定の間隔を維持するために、予めすでにたとえば吸着ドラム32の回転位置制御に関して記述されたように、またはたとえば後でさらに詳しく説明されるコントロール装置およびこのコントロール装置と接続されたたとえば光学センサ33;36に関して記述されるように、制御回路において行う。
シートを加工するためのそれぞれ複数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12と、これらのシートを搬送するために少なくとも2つの搬送装置とを有する、前述の機械構造物により、弛緩している、つまり低い曲げ剛性を有する特に薄いシートが搬送されて加工されるとき、シートは、推力を伝達することがないので、そのようなシートに作用する推力は、このシートを波形にし、この場合、そのようなシートを該当する加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12の、この加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に対して設定された目標位置に供給することは困難である。
したがって、複数のシートをそれぞれ加工する加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12にこれらのシートを連続して供給する方法が提案され、この場合、シートの搬送方向Tで加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に前置された第1の搬送装置は、シートを、加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に、それぞれ第1の搬送速度で、送り運動で供給し、この場合、第1の搬送装置は、加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に供給されるべき各々のシートを、送り運動の間、それぞれ少なくとも1つの保持要素により保持し、この場合、加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に供給される該当するシートは、この加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に対応して配置された第2の搬送装置により把持され、把持された状態で、第2の搬送速度で搬送され、この場合、第1の搬送装置の第1の搬送速度は、第2の搬送装置の第2の搬送速度よりも小さく、この場合、第1の搬送装置の該当する保持要素は、加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に供給されるべき該当するシートを、第2の搬送装置が加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に供給されたシートを把持し、このシートの搬送を開始した後ではじめて解放する。加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12として、好適には、ノンインパクト印刷装置06が使用される。シートは、第1の搬送装置および/または第2の搬送装置において、それぞれ特に同一の搬送平面29内で搬送される。第1の搬送装置として、たとえば第1の、特にエンドレスに循環走行する搬送ベルト17が使用され、かつ/または第2の搬送装置として、第2の、特にエンドレスに循環走行する搬送ベルト27が使用され、この場合、これらの搬送ベルト17;27は、たとえばそれぞれ吸着ベルトとして構成されている。保持要素の択一的な態様では、これらの保持要素は、それぞれ吸着ドラム32の吸着リング76として構成されている。加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に供給されるべき各々のシートに、第1の搬送装置の該当する保持要素により保持力が及ぼされ、この場合、この保持力は、少なくとも一時的に、同時にこのシートに作用する、第2の搬送装置により及ぼされる引張り力よりも大きい。第1の搬送装置は、加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に供給されるべき各々のシートを、少なくとも1つの保持要素により、それぞれ好適には力結合によって、たとえば吸込空気によって保持する。提案される方法により、加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に供給されるべきシートに、所定の引張り応力が掛けられ、これにより、シートは、第1の搬送装置により行われる送り運動にかかわらず緊張させられる。シートは、好適には、それぞれ搬送平面29におけるシートのその都度の実際位置の検査に基づいて、加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12において該当するシートに対して設定された目標位置に対してこの実際位置のずれが存在する場合、設定された目標位置における位置修正が行われた後で、第2の搬送装置へ引き渡される。
図12は、図10の部分拡大図で、フィーダボード18における、特に中間乾燥機07または乾燥機09の作用領域において第3の搬送ベルト28から機械的な後続処理装置11の作用領域へのシートの引渡しを示している。フィーダボード18は、たとえば少なくとも1つの第4の搬送ベルト38を有し、第4の搬送ベルト38は、好適には水平の搬送平面29に対して好適には鋭角φを成して傾斜して配置されている。第4の搬送ベルト38に関しても、たとえば第3のセンサ39が設けられており、この第3のセンサ39は、第4の搬送ベルト38により搬送されるシートの位置信号をその都度形成し、制御ユニットに伝送する。たとえば、機械的な後続処理装置11に供給されるべきシートが、第2のスインググリッパ19と第2の渡しドラム31とにより、第2の搬送速度から第3の搬送速度にされるようにしてもよく、これは、該当するシートが、特に制御ユニットにより制御される、第2の渡しドラム31の回転により加速されることを意味する。第4の搬送ベルト38の領域においても、たとえば1つまたは複数の好適にはそれぞれ制御可能な吸着チャンバ42が設けられている。好適な態様では、たとえば機械的な後続処理装置11へのシートの引渡し装置において、これらのシートの下重ねが行われる。この場合、第4の搬送ベルト38から搬送されるシートは、その後方の領域で、クロック制御された吹出空気により持ち上げられ、吸着チャンバ42に関して、第4の搬送ベルト38により遅延される。後続シートは、この場合、より高速で走行する前方のベルトコンベヤ48により、先行シートの下側に引っ張られる。
したがって好適には、たとえば機械的な後続処理装置11へのシートの引渡し装置において、第1の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12とシートの搬送方向Tで第1の加工ステーションに後続する第2の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12との間に配置された引渡し装置においてずれ重ねられた状態でシートを配置する方法が実施され、この場合、ずれ重ねられるべきシートは、第1の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12から、搬送平面29において、それぞれ個別に置かれて相前後して引渡し装置に搬送され、その際、第1の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12から到来するシートの、それぞれ搬送方向Tで後方の縁は、専ら吹出空気により、搬送平面29に対して持ち上げられ、後続するシートは、それぞれ先行するシートの後縁の下側に摺動される。この場合、吹出空気は、その強さの少なくとも50%が、好適には、搬送平面29における法線の方向で重力とは逆向きに作用する。好適には、別の吹出空気が、シートの搬送方向Tとは逆向きに、主に接線方向で、搬送平面29と形成された、たとえば0°~45°の範囲の鋭角を成して、上側から、つまりシートの、搬送平面29とは反対の側の表面へ、引渡し装置へ搬送されるべきシートへ吹き出される。この場合、シートの搬送方向Tとは逆向きに向けられた別の吹出空気が、シートの搬送平面29と、たとえば0°~45°の範囲の鋭角の収束角を成すガイド面から流出し、この場合、ガイド面に、特に吹出空気が流出するためのノズルが配置されている。重力とは逆向きに搬送平面29へ向けて作用する吹出空気は、制御ユニットにより好適にはクロック制御される。第1の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12から後続する第2の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12へ搬送されるべきシートは、それぞれ、好適には、シートの、搬送方向Tで前方の半部において作用する吸込空気により、搬送平面29において保持される。この場合、第1の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12から後続する第2の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12へ搬送されるべきシートを搬送平面29において保持する吸込空気は、制御ユニットにより、好適にはクロック制御される。好適な態様では、制御ユニットにより、重力とは逆向きに搬送平面29へ向けて作用する吹出空気の、シートの搬送方向Tに対して直交方向に向けられた作用幅、および/またはシートの搬送方向Tとは逆向きに向けられた別の吹出空気の作用幅、および/または第1の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12から後続する第2の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12へ搬送されるべきシートを搬送平面29において保持する吸込空気に対する作用幅は、それぞれシートの搬送方向Tに対してに直交方向に向けられたシートの幅に依存して調整される。この場合、重力とは逆向きに搬送平面29へ向けて作用する吹出空気、およびシートの搬送方向Tとは逆向きに向けられた別の吹出空気、および第1の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12から後続する第2の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12へ搬送されるべきシートを搬送平面29において保持する吸込空気に対する各々の作用幅の調整は、それぞれ機械的にまたは電気的に連結されて、たとえば伝動装置技術的に連結されて、単一の位置調整装置を用いて行われる。この位置調整装置は、制御ユニットにより、たとえば自動的にそれぞれ第1の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12から後続する第2の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12へ搬送されるべきシートの判型に依存して制御される。
シート状の基材、特に好適にはそれぞれ印刷シートとして構成されたシート51を下重ねするために、特に前述の機械構造物(図1~図9)のうちの1つの機械構造物に配置された引渡し装置(引渡し装置においてシート51は、特にオフセット印刷装置、フレキソ印刷装置またはノンインパクト印刷装置04;06から到来して、たとえば機械的な後続処理装置11に後続搬送される)の領域において、つまり作業領域において、シート51を下重ねする装置が配置されており、この装置は、以下、略して下重ね装置132とも称される。複数のシート51は、下重ね装置132に相前後して個別に、つまり、互いに間隔を置いて供給台134に供給され、その際、供給台134は、たとえばシート51の搬送方向Tでシート51のデリバリ12の手前に配置されたフィーダボード18(図12)として構成されており、この場合、フィーダボード18は、シート51を、たとえば搬送ベルト38により、下重ね装置132に相前後して供給する、かつ/またはこの場合、下重ね装置132により下重ねされたシート51は、フィーダボード18から、たとえばスインググリッパ19により、たとえば渡しドラム31へ引き渡される。供給台134は、たとえば図12にも示されているように、たとえば吸着チャンバ42またはシート51の搬送方向Tで相前後して複数の、特に個別にかつ互いに依存せずにその都度の圧力が切替え可能な吸着チャンバ42を有する。
下重ね装置132は、図30および図31に例示されている。下重ね装置132は、供給台134の上方に、好適にはシート51の幅b51全体にわたって延在するボックス状のハウジング、いわゆるブローボックス133を有し、この場合、ブローボックス133において、その供給台134に向いた側で、下重ね装置132に個別に供給されるシート51の搬送方向Tで前後に複数のブローノズル136;137が配置されている。好適な態様では、シート51の搬送方向Tで前後に、かつそれぞれシート51の搬送方向Tに対して横向きに少なくとも2列の、複数のそれぞれ相並んで配置されたブローノズル136;137が、つまりブローノズル列が配置されている。ブローノズル136;137の各々の吹出し方向は、主に供給台134に対して平行に、シート51の搬送方向Tとは逆向きに向けられており、図30および図31においてそれぞれ方向矢印により示唆されている。ブローノズル136;137の各々の吹出し方向は、たとえば、吹出空気の流れを誘導する、それぞれ該当するブローノズル136;137に配置されたかつ/または一体的に成形された少なくとも1つのガイド面144により確定されている。各々のガイド面144は、ブローボックス133の、供給台18;134に向いた側で、たとえばこのブローボックス133から突出するランプ(傾斜部)として構成されている。各々のブローノズル136;137から流出する吹出空気は、好適には、調整可能な弁138;139により、たとえば一時的にかつ/または強さが制御され、この場合、弁138;139は、たとえば、好適にはデジタルの、プログラムを処理する制御ユニット61により制御されているかまたは制御される。弁138;139は、たとえば制御ユニット61により、特に所定のクロックで切り替えられ、この場合、クロック期間および/またはクロック周波数は、好適には、下重ね装置132に供給されるシート51の送りに依存して調整されるかまたは調整されている。
シート51の搬送方向Tで、供給台18;134と、ブローボックス133の、この供給台18;134に向いた側との間の領域において、第1のブローノズル136または第1のブローノズル列の手前に、仕切板141が配置されており、この場合、仕切板141は、ブローノズル136;137のうちの少なくとも1つのブローノズルの吹出空気により持ち上げられるシート51の直後に続くシート51の前縁を、ブローボックス133内に配置されたブローノズル136;137に起因する吸着作用に対して遮蔽する。ブローノズル136;137または複数のブローノズル列のうちの少なくとも1つのブローノズルまたはブローノズル列により、供給台18;134から持ち上げられるシート51は、少なくとも1つのブローノズル136;137から流出する吹出空気を誘導し、この吹出空気を、仕切板141の、ブローボックス133に向いた側の面の上方に導く。この仕切板141は、吹出し方向に置かれた端部でもって、好適には凹状の湾曲を有し、この場合、この湾曲は、吹出空気に、供給台18;134とは反対の側の、つまり離間する方向に向けられた流出方向を与える。仕切板141により、ブローノズル136;137のうちの少なくとも1つのブローノズルの吹出空気により持ち上げられるシート51の直後に続くシート51の前縁は、持ち上げられたシート51が搬送方向Tに向けられたそれ自体の運動進行または送りにより、その後縁でもって、このシート51が最初に達するブローノズル136またはブローノズル列を解放するまでは、影響されないままである。ブローノズル136;137のうちの少なくとも1つのブローノズルの吹出空気により持ち上げられるシート51の直後に続くシート51の前縁が、先行するシート51の後縁から解放されたブローノズル136;137またはブローノズル列の作用に基づいて早期に持ち上げられることを阻止するために、該当するブローノズル136;137またはブローノズル列の吹出空気は、それぞれ付属の弁138;139により、実際に供給台18;134から持ち上げられる、仕切板141と供給台18;134との間に位置するシート51の直前に先行するシート51の運動進行または送りに依存して遮断される。ブローノズル136;137またはブローノズル列により持ち上げられるシート51は、各々の吹出空気に起因する吸着作用(ベンチュリ効果)に基づいて、供給台18;134の上方で、たとえばブローボックス133の、供給台18;134に向いた側からの間隔により設定される特定の浮遊高さSHに持ち上げられ、この場合、浮遊高さSHは、各々の吹出空気の強さに、かつ/または該当するシート51の質量に、かつ/または該当するシート51の搬送速度に依存している。たとえば大きな質量のかつ/または高い搬送速度のシート51がその搬送時に供給台18;134の上方で揺動し、ばたつき始めることを阻止するために、供給台18;134と、ブローボックス133の、この供給台18;134に向いた側との間の領域において、好適には、持ち上げられたシート51を支持する支持板142が設けられており、この場合、ブローボックス133の、供給台18;134に向いた側に対してたとえば鋭角に配置された支持板142は、たとえば通気性の格子の態様で構成されている。吹出空気の吸込みにより持ち上げられ、支持板142に当接されるシート51は、そこで静かな運動で、つまりばたつくことなく、その搬送方向Tでこの支持板142に沿って案内される。供給台18;134に、少なくともブローボックス133に面する領域において、好適には複数の孔143または開口が設けられており、孔143または開口を通り、圧力を補償するために、空気が、実際に持ち上げられているシート51の下に補充される。これらの孔143は、たとえば円形に形成されていて、数ミリメートル範囲の直径d143を有する。
図13は、個々のシート状の基材を連続的に搬送する搬送装置を概略的な描画で例示的に示している。この場合、これらの基材は、それぞれ好適には、シート51、特に印刷シートとして構成されている。この搬送装置は、好適には、その都度シート51を処理する機械の連続する2つの加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12の間に配置されており、この場合、これらの加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12のうちの1つの加工ステーション、たとえば該当するシート51の搬送方向Tで第2の加工ステーションは、特にノンインパクト印刷装置06として、好適には少なくとも1つのインクジェット印刷装置として構成されている。図13に基づいて記述される搬送装置は、シート51を搬送する構成群として、たとえば前述の生産ラインのうちの1つの生産ライン内に構成されていて、たとえば位置番号17または27を有する前述の搬送ベルトに対応している。
図13に基づいて記述される、個々のシート状の基材を連続的に搬送する搬送装置は、エンドレスに循環走行する少なくとも1つの吸着ベルト52を有し、この場合、少なくとも1つの吸着ベルト52は、たとえば互いに間隔を置いて配置された少なくとも2つの変向ローラ53の間に配置されている。少なくとも1つの吸着ベルト52は、図13において矢印により示唆されたシート51の搬送方向Tで前後に互いに異なって構成された2つの表面領域を有し、この場合、これらの表面領域のうちの一方の表面56は、閉じられていて、これらの表面領域のうちの別の1つの表面57は、孔を設けて構成されている。これらの両方の表面領域は、吸着ベルト52の周に沿って交互に存在する、つまり両方の表面領域は、該当する吸着ベルト52の周方向で、ひいてはシート51の搬送方向Tで交互に配置されている。搬送されるべきシート51は、その搬送時に、一部は該当する吸着ベルト52の閉じた表面56上に、一部は同一の吸着ベルト52の孔が設けられた表面57上に平らに載るように配置されている。少なくとも1つの吸着ベルト52により搬送されるべきシート51の搬送方向Tで、前後に少なくとも2つの吸着チャンバ58;59が配置されており、この場合、少なくとも1つの吸着ベルト52は、搬送装置に関して定位置に配置されたこれらの少なくとも2つの吸着チャンバ58;59に対して相対的に動かされる。少なくとも1つの吸着ベルト52は、たとえば、これらの吸着チャンバ58;59のうちの少なくとも1つの吸着チャンバの、好適には台状に構成された面69にわたって滑動する。搬送されるべきシート51の搬送方向Tで第1の吸着チャンバ58は、該当する吸着ベルト52の荷重ベルト区分54の領域に配置されている一方、搬送されるべきシート51の搬送方向Tで第2の吸着チャンバ59は、該当する吸着ベルト52の荷重ベルト区分54の領域において、搬送されるべきシート51の搬送方向Tで第1の吸着チャンバ58に後続して配置されている、または搬送されるべきシート51の搬送方向Tで該当する吸着ベルト52の荷重ベルト区分54の領域の後に、つまり搬送されるべきシート51の搬送方向Tで該当する吸着ベルト52に後置されて配置されている。ベルト区分は、走行する、好適にはエンドレスに循環走行する引張り機構の、載置されていない自由な部分であり、この場合、引張り機構は、たとえばチェン、ロープ、テープまたはベルト、特に歯付ベルトとして構成されている。引張り機構がチェンとして構成されている場合、少なくとも1つのチェンは、たとえばチェンレール内で案内されている。荷重ベルト区分は、引張り機構の、引っ張られていて緊張されている側であり、これに対して空ベルト区分は、ルーズな、引っ張られていないたわんだベルト区分である。
図13には、第2の吸着チャンバ59の配置に関する第1の態様が例示されている。この場合、シート51の搬送方向Tで第1の吸着チャンバ58は、通常は、シート51の搬送方向Tで第2の吸着チャンバ59よりも極めて大きな、特に少なくとも2倍の大きさの容積を有する。シート51の搬送時、搬送されるべきシート51の搬送方向Tで第1の吸着チャンバ58に作用する負圧が継続的に存在し、該当するシート51の搬送方向Tで第2の吸着チャンバ59に作用する負圧がクロック制御され、つまりこの負圧は、交互にそれぞれ調整可能な期間にわたってオンまたはオフに切り替えられる。したがって、シート51の搬送方向Tで第2の吸着チャンバ59は、比較的小さな容積で構成されており、これにより、特に1時間あたり何千枚もの、たとえば10000~18000枚のシート51の、シート51に有効な搬送速度を鑑みて、第2の吸着チャンバ59に負圧をより素早く形成して、第2の吸着チャンバ59における増圧および減圧に関して、より高いクロックレートを達成することができる。該当する吸着ベルト52の、孔が設けられた表面57が、それぞれ負圧を加えられた吸着チャンバ58;59のうちの少なくとも1つの吸着チャンバと作用結合しているとき、シート51の搬送中に、このシート51は、循環走行する少なくとも1つの吸着ベルト52に吸着される。この搬送装置の極めて好適な態様では、シート51の搬送方向Tで第2の吸着チャンバ59の負圧のクロックが、該当する吸着ベルト52の、搬送されるべきシート51により覆われる孔が設けられた表面57の通過と同期化されている。
該当する吸着ベルト52の循環走行速度vは、好適にはデジタルの、プログラムを処理する制御ユニット61により、この吸着ベルト52を動かす駆動装置62を介して調整される。この制御ユニット61は、たとえば弁67を用いた、この吸着ベルト52の、シート51により覆われる孔が設けられた表面57の通過との、シート51の搬送方向Tで第2の吸着チャンバ59における負圧の、好適には前述の同期化も開ループまたは閉ループで制御する。好適には制御可能な弁67は、たとえば第2の吸着チャンバ59をたとえば制御ユニット61により制御されるポンプ(図示されていない)と接続する管路に配置されている。好適には電気的なモータとして構成された駆動装置62は、たとえば変向ローラ53のうちの少なくとも1つの変向ローラに作用する。該当する吸着ベルト52の循環走行速度vを調整する駆動装置62は、好適には、制御ユニット61により制御される。制御ユニット61により、好適には、該当する吸着ベルト52の非連続的な循環走行速度vが調整される、つまり駆動装置62の制御に基づいて、該当する吸着ベルト52の循環走行速度vが、その他の場合では均一な速度とは異なり段階的に加速されるかまたは減速される。
該当する吸着ベルト52の少なくとも1つの位置に、それぞれ少なくとも1つのレジスタマーク63が配置されている。搬送装置に関して、該当するレジスタマーク53を検出するセンサ64が設けられていて、制御ユニット61と接続されている。この場合、該当する吸着ベルト52の循環走行速度vは、制御ユニット61により、実際循環走行速度に対応し、センサ64により形成される第1の信号s1と、目標循環走行速度に対応する第2の信号s2との間の、好適には、たとえば制御ユニット61により求められる差に依存して調整される。循環走行する該当する吸着ベルト52の目標循環走行速度を表す第2の信号s2は、たとえば(図示されていない)上位の機械制御装置から取り出される。該当するレジスタマーク63を検出するセンサ64は、特に、該当する吸着ベルト52の空ベルト区分66の領域に配置されている。該当するレジスタマーク63を検出するセンサ64は、該当するレジスタマーク63を、たとえば光学的にまたは誘導的にまたは容量的にまたは電磁的にまたは超音波により検出するセンサ64として構成されている。レジスタマーク63は、センサ64のそれぞれの構成に対応して、たとえば該当する吸着ベルト52に取り付けられた光学的な信号面として、または該当する吸着ベルト52上のマグネットストリップとして、または該当する吸着ベルト52に設けられた切欠または孔として、または該当する吸着ベルト52に配置された信号を発するボディとして構成されている。該当する吸着ベルト52の循環走行速度vの、制御ユニット61により行われる制御の時点は、好適には、該当する吸着ベルト52の、搬送されるべきシート51により覆われる孔が設けられた表面57の通過と同期化されている。
別の態様では、個々のシート状の基材またはシート51を連続的に搬送する搬送装置は、荷重ベルト区分54の領域において好適には台状に構成された面69を有する、定位置に配置された少なくとも1つの吸着チャンバ58;59を備え、この場合、好適には単一の、特に少なくとも部分的に孔が設けられた、エンドレスに循環走行する吸着ベルト52は、該当するシート状の基材、つまり好適にはシート51の搬送時、この面69にわたって動くように、特に滑動するように配置されており、この場合、該当する吸着チャンバ58;59は、吸着ベルト52の荷重ベルト区分54の領域において、台状に構成された面69により覆われている。この台状の面69は、たとえば天板により実現されている。該当するシート51をその搬送時に保持するこの吸着ベルト52は、シート51の、搬送方向Tに対して直交方向に向けられた幅b51に関して特に中央に(中心を合わせて)、かつ/または台状に構成された面69の、搬送方向Tに対して直交方向に向けられた幅b69に関しても中央に配置されている。この場合、吸着ベルト52の、搬送方向Tに対して直交方向に向けられた幅b52は、搬送されるべき該当するシート51の、搬送方向Tに対して直交方向に向けられた幅b51よりも小さく、また台状に構成された面69の、搬送方向Tに対して直交方向に向けられた幅b69よりも小さく構成されている。吸着ベルト52の、搬送方向Tに対して直交方向に向けられた幅b52は、たとえば、シート51の、搬送方向Tに対して直交方向に向けられた幅b51および/または台状に構成された面69の、搬送方向Tに対して直交方向に向けられた幅b69の単に5%~50%であるので、該当するシート51は、その搬送時に全面では載っていない、特に搬送方向Tに対して直交方向に延在する両方の側領域では吸着ベルト52に載っていない。
該当するシート51をその搬送時に少なくとも1つの吸着チャンバ58;59を覆う台状に構成された面69にわたってできるだけ低摩擦で滑動できるようにするために、台状に構成された面69の、吸着ベルト52が通過しない領域のうちの少なくとも2つの領域に、それぞれ少なくとも1つのブローサクションノズル68が配置されている。この場合、各々のブローサクションノズル68から流出する空気流は、たとえばその強さ(つまり圧力および/または流れ速度)および/または期間が、好適には制御されるかまたは少なくとも制御可能であり、この場合、該当するブローサクションノズル68は、該当するシート51の搬送時に空気をその下面に通流させ、これにより搬送されるべき該当するシート51の下面と台状に構成された面69との間にエアクッションが形成されているかまたは少なくとも形成可能である。好適な態様では、ブローサクションノズル68は、それぞれベンチュリノズルとして構成されており、この場合、ベンチュリノズルは、搬送されるべき該当するシート51の側辺領域を、負圧により、台状に構成された面69へ向けて吸着する。ブローサクションノズル68は、好適には、それぞれ台状に構成された面69に配置されている。図14は、ブローサクションノズル68の例示的な構成を、対応する2つの側面図とともに平面図で示している。この場合、描画されたブローサクションノズル68は、たとえばスリットノズルの態様で構成されており、この場合、好適には、このスリットノズルの開口49は、好適には円筒形または円錐形の外周面の、横断面でたとえば矩形の一部分として構成されており、この場合、この一部分の、台状に構成された面69においてまたは面69に対して平行に延在する長さl49は、台状に構成された面69に対して垂直に位置する高さh49の少なくとも3倍、好適には10倍大きく、この場合、この開口49の長さl49は、好適な態様では、円環の内周線の弧に沿って延在する。たとえば、弧の線に沿って形成された開口49の高さh49は、約1mmであり、長さl49は、10mmを超える。該当するブローサクションノズル68から流出する空気流LSは、好適には、特に、たとえばランプ状に構成されたガイド面の形状付与により特定された向きに向けられており、この場合、このガイド面は、たとえば前述の円環の、外方へ拡張する部分により形成されている。ブローサクションノズル68の吹出し方向Bは、好適には、それぞれ搬送されるべき該当するシート51の搬送方向Tで、搬送方向Tを起点として延在する、30°~60°の範囲の角度αを成して、好適には45°の角度αを成して、たとえば図15において方向矢印により示唆されているように斜め外方へ向けられている。好適な態様では、特に、少なくとも1つの吸着チャンバ58;59を覆う台状に構成された面69において、たとえばそれぞれ互いに平行に位置合わせされた、それぞれ複数列の、特に2列のブローサクションノズル68が、吸着ベルト52の、搬送方向Tに対して直交方向に向けられた各々の側に配置されており、この場合、ブローサクションノズル68は、均一にまたは不均一に互いに間隔を置いて配置されており、これにより、ブローサクションノズル68から流出する空気に対する対称のまたは非対称の流れプロファイルが形成される。ブローサクションノズル68は、たとえば、シート51をその都度チェンコンベヤ16から受け取る搬送装置17に配置されており、具体的には、特にチェンコンベヤ16の少なくとも1つのチェンホイール24の下側における引渡し領域で、かつ搬送されるべきシート51の搬送方向Tで後続する別の搬送装置、たとえば吸着ドラム32(図11)の手前に配置されている。図15および図16は、それぞれチェンコンベヤ16により動かされるグリッパキャリッジ23の位置に関する、台状に構成された面69におけるブローサクションノズル68の好適な構造体を示しており、この場合、これらの位置は、特に該当するグリッパキャリッジ23がこれにより搬送されるシート51を後続搬送のために吸着ベルト52へ送るかまたは引き渡す位置である。
中央の吸着ベルト52と縁領域にブローサクションノズル68とを有する、個々のシート状の基材を連続的に搬送する搬送装置は、好適には、搬送されるべきシート51が表面塗工されていて、この表面塗工されたシート51が、まだ湿っている状態で、前述の搬送装置により、たとえばチェンコンベヤ16から取り出されるときに使用可能である。提案された構造手段により、中央に配置された吸着ベルト52に対して平行に配置されるべき別の吸着ベルト78が省かれるだけではなく、中央に配置された吸着ベルト52に対するこの別の吸着ベルト78の同期化により解消される問題も回避される。
さらに、ブローサクションノズル68により、シート51の前縁が、該当するグリッパキャリッジ23によるシートのその都度の解放の後で、グリッパ当接平面のレベルからわずかな浮遊レベルへ、つまり台状に構成された面69の上方数ミリメートルへもたらされ、該当するシート51の、グリッパから解放された各々の前縁は、台状に構成された面69のレベルに留まる。ブローサクションノズル68が存在しないと、たとえば1時間あたり10000枚を超える高速で搬送されるシート51の場合、該当するシート51の、各々の、解放されるかまたはずれ重ねて搬送されるシート51の場合に自由に摺動される前縁が楔形の空気により浮力を受けて、再び持ち上がるおそれが生じる。さらに、低い曲げ剛性を有するシート51または基材の場合、ここでは専ら制限されて内側横力が該当する基材の中央帯から外側の縁領域へ伝達され、これらの外側の縁領域は、空気流LSに起因する空気摩擦により、シートの各々の送りコンポーネントにおいて支持される。
図17は、チェンコンベヤ16の斜視図の一部を示している。このチェンコンベヤ16は、たとえば、それぞれシート状の基材51を加工する複数の加工ステーション01;02;03;04;06;07;08;09;11;12を有する機械構造物に配置されており、具体的には、好適には、プライマ塗布装置02としてまたはオフセット印刷装置04として構成された加工ステーション02;04の、機械構造物を通って案内されるシート状の基材51の搬送方向Tで後方の端部に配置されており、この場合、チェンコンベヤ16は、先行する加工ステーション02;04において加工されたシート状の基材51を個別に連続的な搬送で、次の加工ステーション06へ搬送し、この場合、この次の加工ステーション06は、たとえばノンインパクト印刷装置06として構成されており、この場合、先行する加工ステーション02;04において加工されたシート状の基材51は、次の加工ステーション06において、別の加工にさらすことができるかまたはさらされる。この場合、オフセット印刷装置04は、好適には、枚葉オフセット印刷機として構成されている、かつ/またはノンインパクト印刷装置06は、たとえば少なくとも1つのインクジェット印刷装置として構成されている。そのような機械構造物において、先行するたとえばオフセット印刷装置04として構成された加工ステーション02;04において加工されたシート状の基材51は、たとえばノンインパクト印刷装置06として構成された次の加工ステーション06に、見当に正しく後続加工するために高い位置精度で供給しなければならないという問題が存在し、これは、従来慣用のチェンコンベヤ16では、必要とされるチェン遊びおよび考えられる少なくとも1つのチェンの膨張における変動に基づいて実現することができない。この機械構造物により、たとえば図1に基づいて記述された生産ラインが実現されている。
チェンコンベヤ16では、シート状の基材51は、それぞれ個別に移動軌道に沿って移動させられるグリッパキャリッジ23により搬送され(図10および図11)、この場合、各々のグリッパキャリッジ23は、通常は、その移動軌道に対して縦方向に互いに平行に延在する、互いに間隔を置いた2つのチェン軌道77に沿って案内されている。この場合、搬送されるべき該当する基材51は、特に該当するグリッパキャリッジ23に対して縦方向に延在する縁において、つまりこの基材51の前縁において、このグリッパキャリッジ23に配置された少なくとも1つの保持手段79により、つまり少なくとも1つのグリッパにより保持される。該当するグリッパキャリッジ23は、その移動軌道の特定の位置に配置された受取り領域(受取り領域では、該当するグリッパキャリッジ23が各々の搬送されるべき基材51をそれぞれ受け取る)において、かつ/またはその移動軌道の特定の位置に配置された引渡し領域(引渡し領域では、該当するグリッパキャリッジ23は各々の搬送された基材51をそれぞれ特に別の搬送装置へ送る)において、たとえば間隔を置いた複数のチェン軌道77の間で該当するグリッパキャリッジ23の移動軌道に対して縦方向に配置されたそれぞれ少なくとも1つのガイド要素71により案内され、この場合、チェンコンベヤ16と協働する別の搬送装置は、特に搬送ベルト17として構成されている(図11)。それ自体の移動軌道に沿って移動させられるグリッパキャリッジ23をこの移動軌道に対して横方向で安定させるために、少なくとも1つの該当するガイド要素71を、それぞれ間隔を置いたチェン軌道77の間の受取り領域または引渡し領域において定位置に配置し、間隔を置いたチェン軌道77に沿って案内されるグリッパキャリッジ23を該当するガイド要素71を用いて移動軌道に対して横方向で固定することが提案される。このような固定は、好適には、各々のグリッパキャリッジ23に、各々の走行面が対向して設置されたそれぞれ2つのローラ72;73を有するそれぞれ1つのローラ対偶が配置されていて、該当するガイド要素71が、少なくとも受取り領域または引渡し領域において、それぞれ該当するローラ対偶の両方のローラ72;73の各々の走行面の間の隙間を通って案内されていることにより行われる。少なくとも1つのガイド要素71は、好適には、堅固なレールとして構成されている、かつ/または楔状に構成された当接部74を有する。該当するガイド要素71は、たとえば一体的に構成されていて、たとえばチェンコンベヤ16の受取り領域から引渡し領域にまで延在する。該当するローラ対偶の、互いに対向して設置されたローラ72;73の各々の走行面は、たとえばレールとして構成された該当するガイド要素71の両側で転動する(図17~図19)。チェン軌道77に沿って、それぞれ特にエンドレスに循環走行する送りチェンが配置されており、この場合、この送りチェンは、それぞれ少なくとも1つのチェンホイール81により駆動される。好適には受取り領域または引渡し領域においてチェンコンベヤ16の一方の端部に配置された、一方のチェン軌道77のチェンホイール24;81と、同一の領域においてチェンコンベヤ16の同一の端部に配置された、他方のチェン軌道77のチェンホイール24;81とは、好適には共通の軸89により、互いに特に堅固に結合されている。該当するガイド要素71は、好適にはローラ対偶と協働して、各々の間隔を置いたチェン軌道77に沿って案内されるグリッパキャリッジ23を横方向で固定する、つまり、移動軌道に対して横向きに向けられたグリッパキャリッジ23の自由度をブロックする。基材51の横方向の位置決めは、基材51がそれぞれグリッパキャリッジ23のうちの1つのグリッパキャリッジから受け取られる受取り領域においても、チェンコンベヤ16により搬送される基材51が各々のグリッパキャリッジ23から搬送ベルト17へ引き渡される引渡し領域においても、該当するグリッパキャリッジ23がそれぞれガイド要素71により位置合わせされている(図10)ことにより改善される。これらのガイド要素71は、互いに分離された個々の2つのガイド要素71として、または連続する一体的なガイド要素71として構成されている。
前述の機械構造物に関して、好適には以下の、個々のシート状の基材51を加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に連続的に供給する搬送装置を運転する方法を実施することができ、その方法では、搬送装置と協働する、各々の基材51のコントロール装置を用いて、基材51が加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に到達する前に基材51の搬送平面29におけるその実際位置が機械的に求められ、自動的に、この加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12における該当する基材51に関して設定された目標位置と比較される。目標位置に対して実際位置のずれが存在する場合、該当する基材51は、搬送装置の、コントロール装置によりその運動が制御される搬送要素により、該当する基材51が加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に到達する前にこの加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12において設定された目標位置を占めるように、位置合わせされる。この場合、該当する基材51は、極めて好適な態様では、専ら搬送要素により、それぞれ搬送平面29において、搬送方向Tや搬送方向Tに対して横方向だけではなくさらに搬送平面29内に位置する回動点を中心に位置合わせされる。すなわち、搬送装置の運転に関するこの態様では、特に機械的なストッパが、該当する基材51の位置合わせに関与しない。該当する基材51が供給され、その目標位置に関して位置合わせされる加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12は、好適には、ノンインパクト印刷装置として構成されている。該当する基材51は、搬送要素により、好適には、力結合により、たとえば吸込空気によりまたはクランプにより保持され、搬送要素により保持されるこの運転状態で、加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12におけるこの基材51に関して設定された目標位置に関して位置合わせされる。搬送要素として、特に吸着ドラム32または吸着ベルト52;78が使用される。この搬送要素は、基材51の各々をそれぞれ個別に搬送する。コントロール装置は、たとえば制御ユニットと、制御ユニットと接続されたたとえば光学的な複数のセンサ33;36のうちの少なくとも1つのセンサとを有し、この場合、センサ33;36は、該当する基材51の実際位置の検出に関して、たとえば側縁センサおよび/または前縁センサとして構成されている。目標位置に対して該当する基材51が位置合わせされるべきであり、目標位置は、制御ユニットに記憶されるかまたは記憶されている、かつ/またはたとえばプログラムにより好適には変更可能に格納されるかまたは格納されている。搬送要素は、該当する基材51をその搬送方向Tにおいて移動させる第1の駆動装置と、該当する基材51をその搬送方向Tに対して横方向に移動させる第2の駆動装置と、該当する基材51を搬送平面29内に位置する回動点を中心に回動させる第3の駆動装置とにより駆動され、この場合、これらの、たとえばそれぞれモータ、特に好適には電気的なサーボモータとして構成された駆動装置は、それぞれコントロール装置により、つまりその制御ユニットにより制御される。この場合、搬送要素は、その3つの駆動装置により特に同時に駆動される。該当する基材51は、搬送装置により、ゼロとは異なる搬送速度で、加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に供給され、好適には、目標位置に対する実際位置のずれが存在する場合にこの搬送速度を維持して位置合わせされる。搬送要素が吸着ベルト52;78として構成されている場合、該当する基材51が該当する加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に供給される搬送速度は、たとえばこの吸着ベルト52;78の循環走行速度vに相当する。
前述の、個々のシート状の基材51を加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に連続的に供給する搬送装置を運転する方法を実施するための1つの態様が、図20および図21に示されている。この態様では、搬送要素として吸着ドラム32が使用される。図20は、図11の部分拡大図を示しており、しかしこの場合、図11による搬送装置の態様とは異なり、搬送装置のこの別の態様では、吸着ドラム32に形成されたストッパ34が設けられていない。それぞれ個別に搬送される基材51、特にシートは、吸着ドラム32の搬送方向Tで前置された吸着ベルト78を用いて、まず吸着ドラム32に導かれ、吸着ドラム32から別の搬送ベルト27へ導かれ、この場合、この搬送ベルト27は、該当する基材51を特にノンインパクト印刷装置06に供給する。この場合、吸着ドラム32により吸込空気を用いて力結合により保持される基材51は、専らこの吸着ドラム32により、それぞれ搬送平面29において、搬送方向Tやこれに対して横方向だけではなく搬送平面29内に位置する回動点を中心に、ノンインパクト印刷装置06において該当する基材51に関して設定された目標位置に関して位置合わせされる。そのために、吸着ドラム32は、その周方向運動に対する第1の駆動装置91と、その軸方向運動に対する第2の駆動装置92と、吸着ドラム32の回転軸線96の、搬送平面29に対して垂直に位置する回動軸線94を中心として実施されるかまたは少なくとも実施可能な回動運動に対する第3の駆動装置93とを有し、この場合、これらの3つの駆動装置91;92;93は、それぞれたとえば好適には電気的なサーボモータとして構成されている。吸着ドラム32は、その第1の駆動装置91でもって、たとえば第1のフレーム97に軸支されており、この場合、この第1のフレーム97自体は、たとえば機械中心線M内に配置された回動継手98に回動可能に配置されており、この場合、この回動継手98は、第2のフレーム99と結合されている。搬送平面29に対して垂直に位置する回動軸線94を中心に実施される、吸着ドラム32の回転軸線96の回動運動または旋回運動は、第3の駆動装置93により行われ、第3の駆動装置93は、その動作時に機械中心線Mから離れて第1のフレーム97に作用し、このようにして吸着ドラム32により保持される基材51の対角線位置合わせがもたらされる。第1のフレーム97を支持する第2のフレーム99自体は、第3のフレーム101内にまたは第3のフレーム101上に配置されており、この場合、第2のフレーム99は、第3のフレーム101内でまたは第3のフレーム101上で、第2の駆動装置92の動作時に該当する基材51の搬送方向Tに対して横向きに移動可能である、特に摺動可能である。そのために、第2のフレーム99は、第3のフレーム101内でまたは第3のフレーム101上で、たとえばプリズム状に構成されたガイド要素102において線形に案内されている。図21は、図20に示された搬送装置を再度平面図で示しており、この場合、吸着ドラム32によりそれぞれ実行されるかまたは少なくとも実行可能な、基材51の搬送方向Tやこれに対して横方向だけではなく搬送平面29内に位置する回動角度を中心とする基材51の位置合わせは、それぞれ両矢により示唆されている。
シート状の基材51を搬送する装置を運転する別の方法は、同様に該当する基材51をその搬送平面29において送る搬送要素を用い、この場合、搬送要素は、該当する基材51を、該当する基材51の搬送方向Tで搬送要素に後置された加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に見当に正しく供給し、この場合、これらの加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12は、たとえばノンインパクト印刷装置06として構成されている。搬送要素として、好適には、軸方向に相並んで配置された、それぞれ保持要素として構成された複数の吸着リング76を有する吸着ドラム32、またはそれぞれ該当する基材51の搬送方向Tに対して縦方向に循環走行する、該当する基材51の搬送方向Tに対して横向きに相並んで配置された複数の吸着ベルト52;78の構造体が使用される。したがって、該当する基材51を搬送する搬送要素は、常時、該当する基材51の搬送方向Tに対して横方向にそれぞれ互いに間隔を置いて配置された複数の保持要素を使用し、この場合、該当する基材51は、これらの保持要素のうちの少なくとも2つの保持要素により、それぞれ搬送平面29に関する作用位置にまでそれぞれ力結合により保持される。この場合、該当する基材51を力結合により保持する全ての保持要素のその都度の作用位置は、同一直線103上に位置する。搬送要素により、該当する基材51の対角線見当が調整される。この場合、該当する基材51の対角線見当は、搬送平面29に対して垂直に位置する回動軸線94を中心とするこの直線103の回動角度βの調整により調整され、この場合、この直線103の回動角度βは、該当する基材51の調整されるべき対角線見当に対応して、該当する基材51を力結合により保持する全ての保持要素に同時に作用する単一の機械的な連結要素の、制御ユニットにより実行される動作により調整され、これにより、該当する基材を力結合により保持する保持要素のうちの少なくとも1つの保持要素の各々の作用位置は、該当する保持要素に作用する機械的な連結要素により変更される。該当する基材51を力結合により保持する保持要素は、該当する基材51に、それぞれ保持要素ごとに異なる搬送速度を形成し、この場合、各々の保持要素により該当する基材51に形成される搬送速度は、それぞれ各々の保持要素に対して調整される作用位置に依存している。機械的な連結要素として、たとえばスイングレバーおよび/または歯車リンク機構を有するリニア伝動装置部材が使用され、この場合、該当する基材51を力結合により保持する全ての保持要素に対応して、それぞれスイングレバーまたは歯車リンク機構が配置されている。
提案された、シート状の基材を搬送する装置を運転する方法は、搬送装置において対角線見当を調整するために該当する搬送要素の斜め位置調整が行われず、したがって、たとえばすでに調整された、該当する基材の左右見当および/または軸方向見当に、対角線見当の調整による不都合な影響を及ぼすことがないという利点を有する。むしろ、搬送要素の、対角線見当の調整に関与する保持要素の間で、単一の調整駆動装置の動作により、それぞれ該当する保持要素の各々の位置に依存する速度差が調整され、これにより、該当する基材が、所望の対角線見当に対応して位置合わせされる。対角線見当の調整に単一の調整駆動装置だけを使用することは、それぞれ複数の保持要素のうちの1つの保持要素に作用する様々な駆動装置の間の調整または駆動装置の相互の適合が不要であるという利点を有し、これにより、エラー源が除去され、対角線見当の極めて精確な調整が可能になる。
この方法の好適な態様では、加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12に見当に正しく供給されるべき基材51の、制御ユニットと接続されたコントロール装置を用いて、基材51の搬送要素への到達前に、搬送平面29におけるその実際位置が求められ、加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12における該当する基材51に対して設定された目標位置と比較され、目標位置に対する実際位置のずれが存在する場合、制御ユニットは、機械的な連結要素を調整する駆動装置93を制御して、該当する基材51が、各々の作用位置への到達とともに、該当する基材を力結合により保持する全ての保持要素により、対角線見当に関する、加工ステーション02;03;04;06;07;08;09;11;12において設定された目標位置を占めるようにする。
最後に記載された、シート状の基材51を搬送する装置を運転する方法を実施する一態様を、図22~図26に基づいて説明する。図22は、搬送方向Tに対して横方向に向けられた幅b51を有するシート状の基材51、特にシート51を平面図で示している。シート状の基材51の搬送方向Tに対して横方向に、たとえば吸着ドラム32の、相並んで配置された吸着リング76としての、複数の、たとえば5つの保持要素が配置されており、この場合、これらの保持要素は、該当する基材51を、その搬送平面29において、それぞれ力結合により、特に負圧により保持する。これらの複数の保持要素のうちの1つの保持要素は、たとえば機械中心線M内に配置されており、この場合、図示の例では、それぞれ2つの別の保持要素が、それぞれ機械中心線Mの左右に配置されている。該当する基材51の搬送方向Tに見て左側に、これらの保持要素のうちの、機械中心線Mに近い保持要素は、間隔aS11を置いて配置されていて、これらの保持要素のうちの、機械中心線Mから遠い保持要素は、間隔aS12を置いて配置されていて、該当する基材51の搬送方向Tに見て右側で、これらの保持要素のうちの、機械中心線Mに近い保持要素は、間隔aS21を置いて配置されていて、これらの保持要素のうちの、機械中心線Mから遠い保持要素は、間隔aS22を置いて配置されている。該当する基材51を力結合により保持する全ての保持要素の各々の回転平面は、それぞれ互いに平行に、それぞれ該当する基材51の搬送方向Tに対して縦方向に配置されている。該当する基材51は、これらの保持要素のうちの少なくとも2つの保持要素によりそれぞれ搬送平面29に関する作用位置にまで搬送されるとき、それぞれ力結合により保持され、この場合、該当する基材51を力結合により保持する全ての保持要素の各々の作用位置は、同一直線103上に位置する。該当する基材51の実際位置において、図示の例では、この基材51を力結合により保持する全ての保持要素の各々の作用位置には符号P11;P12;P21;P22が付されている一方、該当する基材51の目標位置において、図示の例では、この基材51を力結合により保持する全ての保持要素の各々の作用位置には符号S11;S12;S21;S22が付されている。該当する基材51の対角線見当を調整して、これにより該当する基材51を少なくともその角度位置に関してその実際位置から目標位置へもたらすために、該当する基材51は、所定の回動角度βだけ、搬送平面29に対して垂直に位置する回動軸線94を中心に回動され、これは、直線103がこの回動角度βだけ回動されることにより行われ、それ自体は、基材51を力結合により保持する複数の保持要素のうちの少なくとも1つの保持要素の各々の作用位置が、該当する保持要素に作用する機械的な連結要素により変更されることにより行われる。この回動角度βは、通常はごくわずかな角度、たとえば0より大きく30°未満、特に10°未満の範囲にある。搬送平面29に対して垂直に位置する回動軸線94は、好適には機械中心線M内に配置されている。この場合、機械中心線Mに配置された保持要素の作用位置はそのまま維持され、これに対してそれぞれ該当する保持要素に共通して作用する機械的な連結要素により、図示の例において、該当する保持要素の、それぞれ機械中心線Mの右側に配置された作用位置は、その都度の循環走行速度vに関して、それぞれ進角を成すように調整され、該当する保持要素の、それぞれ機械中心線Mの左側に配置された作用位置は、その循環走行速度vに関して、それぞれ遅角を成すように調整される。該当する基材51を力結合により保持する、その都度の循環走行速度vに合わせて調整される保持要素は、該当する基材51に、位置修正が行われる間、それぞれ保持要素ごとに異なる搬送速度を形成し、この場合、各々の保持要素により該当する基材51に形成される搬送速度は、それぞれ、各々の保持要素に対して調整される、つまり該当する基材51の目標位置に対応する作用位置S11;S12;S21;S22に依存している。
図23および図24は、たとえばスイングレバーを有するリニア伝動装置部材としての機械的な連結要素の態様を示している。図25および図26は、たとえば歯車リンク機構を有するリニア伝動装置部材としての機械的な連結要素の態様を示している。この場合、該当する基材51を力結合により保持する全ての保持要素に対応して、それぞれ図23および図24によれば、スイングレバーが配置されており、または図25および図26によれば、歯車リンク機構が配置されている。図20に示された装置と同様に、図23~図26に示された吸着ドラム32は、たとえば第1のフレーム97に軸支されており、この場合、この第1のフレーム97自体は、たとえば機械中心線M内に配置された回動継手98に回動可能に配置されている。この場合、回動継手98は、第2のフレーム99と結合されている。第1のフレーム97を支持する第2のフレーム99自体は、第3のフレーム101内にまたは第3のフレーム101上に配置されている。図23~図26に示された態様では、第1のフレーム97は、該当する保持要素に作用する機械的な連結要素を形成し、この場合、特に好適には電気的なサーボモータとして構成された駆動装置93は、搬送平面29に対して垂直に位置する回動軸線94を中心に機械的な連結要素の回動運動を実施するように設けられている。駆動装置93は、制御ユニットによるその動作時に好適には継手104を介して、機械的な連結要素を形成する第1のフレーム97に作用する。第2のフレーム99は、直径方向で互いに対向する少なくとも2つのフレーム壁106を有し、これらのフレーム壁106には、吸着ドラム32に対して平行に延在する駆動軸107が、たとえば両端部で回動可能に軸支されている。駆動軸107に、好適には複数のスイングレバー108が配置されており、この場合、これらのスイングレバー108の各々は、それぞれたとえば吸着リング76として構成された保持要素のうちの1つの保持要素に作用結合されている。この場合、該当するスイングレバー108は、それぞれ駆動軸107と相対回動不能に結合されているので、駆動軸107は、該当するスイングレバー108に対して、それぞれ1つのフレーム固定の枢着点を形成する。つまり該当するスイングレバー108の各々は、場合により駆動ピニオン113を介して駆動軸107により駆動され、一方の端部で、たとえばその上側の端部で、保持要素のうちの1つの保持要素に作用する。他方では、これらのスイングレバー108の各々は、他方の端部で、たとえばその下側の端部で、それぞれ好適には両端部に別の、それぞれたとえば玉継手として構成された継手111;112に軸支された連結部109を介して、駆動軸107と結合されたスイングレバー108のそれぞれの角度位置が駆動装置93により調整されるかまたは少なくとも調整可能であるように、第1のフレーム97と結合されている。
図25および図26による態様は、図23および図24による態様と極めて類似しているので、同一の構成要素には、同一の符号が設けられている。図25および図26による態様は、図23および図24による態様とは、連結歯車対偶114が設けられていることにおいて相違しており、この連結歯車対偶114は、歯車リンク116を介して互いに連結されており、この場合、駆動ピニオン117は、回転モーメントを連結歯車対偶114に導入し、被駆動ピニオン118は、連結歯車対偶114に導入された回転モーメントを該当する保持要素に、その角度位置を調整するために伝達する。この場合、連結歯車対偶114は、駆動ピニオン117および被駆動ピニオン118とともに歯車リンク機構を形成する。
図27は、複数のシート状の基材を連続的に加工する、通常は種々異なる複数の加工ステーションを有する別の機械構造物を示している。それぞれ表面と裏面とを有する面状の基材は、フィーダ01において、たとえば吸着ヘッド41により把持され、個別にスインググリッパ13を用いて、渡しドラム14へ引き渡され、そこから回転する圧胴119へ引き渡され、この場合、圧胴119は、その外周面上に、それぞれこれらの基材のうちの少なくとも1つの基材または複数、たとえば2つもしくは3つの、それぞれ周方向に前後に配置された基材を収容する。搬送されるべき基材の各々は、圧胴119の外周面に、たとえばグリッパとして構成された少なくとも1つの保持要素を用いて保持される。たとえば0.1mmまでまたは最大0.2mmの厚さを有する、特に低い曲げ剛性を有するかつ/または薄い基材は、たとえば吸込空気によっても、圧胴119の外周面に保持されてもよく、この場合、そのような基材の特に縁における、圧胴119の外周面上のこの基材の載置は、たとえば、特に半径方向で圧胴119の外周面へ向けられた吹出空気により促進される。圧胴119に、図27において回動方向矢印により示唆されたその回動方向で、この圧胴119に胴入れされる渡しドラム14を起点として、まず表面にプライマを塗布する第1のプライマ塗布装置02が当接されていて、この第1のプライマ塗布装置02に続いて、同一のシート状の基材の裏面にプライマを塗布する第2のプライマ塗布装置126が当接されており、この場合、第2のプライマ塗布装置126は、該当する基材の裏面にたとえば間接にプライマを塗布し、特にこの第2のプライマ塗布装置126から圧胴119の外周面に塗布されたプライマの、この外周面から該当する基材の裏面への再転移により塗布する。該当する基材の表面および/または裏面へのプライマ塗布は、必要に応じて、それぞれ全面にまたは部分面に行われてもよい。圧胴119は、両面にプライマ塗布された基材を、少なくとも1つの引張り機構を有する特にエンドレスに循環走行する第1の搬送装置へ、たとえば第1のチェンコンベヤ16へ引き渡し、この場合、第1のチェンコンベヤ16は、この基材を、第1のノンインパクト印刷装置06へ搬送し、この場合、この第1のノンインパクト印刷装置06は、該当する基材の表面に、少なくとも部分的に印刷を行う。第1のノンインパクト印刷装置06は、表面に印刷が行われた基材を、少なくとも1つの引張り機構を有する特にエンドレスに循環走行する第2の搬送装置へ、たとえば第2のチェンコンベヤ21へ引き渡し、この場合、この第2のチェンコンベヤ21は、該当する基材を、たとえばその第1のチェンホイール81(図10)の領域において受け取る。たとえばこの第2のチェンコンベヤ21の第2のチェンホイール24の領域に第2のノンインパクト印刷装置127が配置されており、この場合、この第2のノンインパクト印刷装置127は、予め表面に印刷が行われた該当する基材の裏面に、少なくとも部分的に印刷を行う。したがって、第1のノンインパクト印刷装置06および第2のノンインパクト印刷装置127は、各々のシート状の基材の搬送方向Tで、該当する基材の搬送路の様々な位置に相前後して配置されている。いまや両面に印刷が行われた該当する基材は、これに続いてたとえばデリバリ12におけるスタック上に排出される。
図27または図28に示された、該当する基材の両面に印刷を行う機械構造物は、それぞれ複数の、好適には4つの乾燥機121;122;123;124を有し、具体的には、該当する基材の表面に塗布されたプライマを乾燥する第1の乾燥機121と、該当する基材の裏面に塗布されたプライマを乾燥する第2の乾燥機122とを有する。さらに、第1のノンインパクト印刷装置06により表面で印刷が行われた該当する基材を乾燥する第3の乾燥機123および第2のノンインパクト印刷装置127により裏面に印刷が行われた該当する基材を乾燥する第4の乾燥機124が設けられている。たとえば同一構造で構成された乾燥機121;122;123;124は、該当する基材をたとえば赤外放射または紫外放射による照射により乾燥するように構成されており、この場合、放射の種類は、特に、該当する基材に塗布された印刷インキまたはインキが水性であるかまたはUV硬化性であるかに依存している。機械構造物を通って搬送される該当する基材の搬送方向Tは、図27において、それぞれ矢印により示唆されている。第1のノンインパクト印刷装置06および第2のノンインパクト印刷装置127は、それぞれたとえば少なくとも1つのインクジェット印刷装置として構成されている。第1のノンインパクト印刷装置06の作用領域に第3の搬送装置128が配置されており、第3の搬送装置128は、両面にプライマが塗布された該当する基材を、少なくとも1つの引張り機構を有する第1の搬送装置から受け取り、少なくとも1つの引張り機構を有する第2の搬送装置へ搬送し、この第2の搬送装置へ送る。該当する基材を第1のノンインパクト印刷装置06の作用領域において搬送する第3の搬送装置128は、たとえば搬送胴(図27)として、または特にエンドレスに循環走行する搬送ベルト(図28)として構成されており、この場合、搬送胴の態様では、第1のノンインパクト印刷装置06の好適には複数のインクジェット印刷装置は、それぞれこの搬送胴に対して半径方向に配置されており、搬送ベルトの態様では、第1のノンインパクト印刷装置06の好適には複数のインクジェット印刷装置は、特に水平に相並んでこの搬送ベルトに対して平行に配置されている。搬送ベルトは、たとえば少なくとも1つの吸着チャンバ58;59を有する吸着ベルト52として構成されている(図13)。
該当する基材を第1のノンインパクト印刷装置06の作用領域において搬送する第3の搬送装置128と、該当する基材を第2のノンインパクト印刷装置127の作用領域において搬送する、少なくとも1つの引張り機構を有する第2の搬送装置とは、それぞれ好適には個別の駆動装置129;131を有し、この場合、これらの個別の駆動装置129;131は、それぞれたとえばその都度の回転数および/または角度位置が制御されるかまたは少なくとも制御可能な、好適には電気的に駆動されるモータとして構成されており、この場合、該当する搬送装置のその都度の運動特性に影響を及ぼすこれらの個別の駆動装置129;131を用いて、第1のノンインパクト印刷装置06による該当する基材の表面の印刷と、第2のノンインパクト印刷装置127による該当する基材の裏面の印刷とが同期化されるかまたは少なくとも同期化可能である。
好適な態様では、該当する基材の表面に塗布されるプライマを乾燥する第1の乾燥機121は、たとえば圧胴119の領域(図27)に、または少なくとも1つの引張り機構を有する第1の搬送装置のベルト区分、特に荷重ベルト区分の領域(図28)に配置されている。該当する基材の裏面に塗布されるプライマを乾燥する第2の乾燥機122は、好適には、少なくとも1つの引張り機構を有する第1の搬送装置のベルト区分、特に荷重ベルト区分の領域に配置されている。第1のノンインパクト印刷装置06により表面に印刷が行われた該当する基材を乾燥する第3の乾燥機123は、たとえば少なくとも1つの引張り機構を有する第2の搬送装置の、該当する基材の搬送方向Tで第2のノンインパクト印刷装置127に前置されたベルト区分、特に荷重ベルト区分の領域に配置されているか、または第1のノンインパクト印刷装置06の作用領域に位置し、これと協働する第3の搬送装置128の領域に位置する。第2のノンインパクト印刷装置127により裏面に印刷が行われた該当する基材を乾燥する第4の乾燥機124は、たとえば第2の少なくとも1つの引張り機構を有する搬送装置の、該当する基材の搬送方向Tで第2のノンインパクト印刷装置127に後置されたベルト区分の領域に配置されている。乾燥機121;122;123;124のうちの1つの乾燥機が搬送装置のうちの1つの搬送装置のベルト区分に配置されている場合、乾燥区分の長さは、該当するベルト区分の最小長さを規定する。
基材を圧胴119から受け取り、少なくとも1つの引張り機構を有する第1の搬送装置と、基材を第2のノンインパクト印刷装置127の作用領域において搬送する、少なくとも1つの引張り機構を有する第2の搬送装置とは、基材を、それぞれグリッパキャリッジ23を用いて搬送し、この場合、これらのグリッパキャリッジ23は、それぞれ、好適には固定の、特に均一の間隔を置いて連続して位置し、この場合、これらのグリッパキャリッジ23は、それぞれ、基材を保持するための、制御されるかまたは少なくとも制御可能な保持手段79(図15)を、特にグリッパを備えて構成されている。これらのグリッパキャリッジ23の各々は、該当する搬送装置の、該当する少なくとも1つの引張り機構により、該当する基材の搬送方向Tに移動させられる。グリッパキャリッジ23は、該当する基材の搬送方向Tに、たとえばそれぞれ1つの精密駆動装置により駆動され、この場合、該当する精密駆動装置は、たとえばリニア駆動システムの態様で構成されており、この場合、該当する精密駆動装置は、該当するグリッパキャリッジ23を、ひいては該当するグリッパキャリッジ23により特に力結合により保持される該当する基材を、±1mm未満の、好適には±0.5mm未満の、特に±0.1mm未満の精度で、搬送路に沿ってたとえばノンインパクト印刷装置06;127のうちの1つのノンインパクト印刷装置に関して設定される位置に位置決めする。
グリッパキャリッジ23を有する該当する搬送装置の特に好適な態様では、直接に連続するグリッパキャリッジ23の間に、該当する基材の少なくとも搬送方向Tに対して縦方向に、好適には複数のベルトが配置されており、この場合、該当するグリッパキャリッジ23により保持される該当する基材は、搬送中に安定させるために、少なくとも部分面で、好適には互いに平行に配置されたこれらのベルトに載る。この場合、連続するグリッパキャリッジ23の間に配置されたベルトは、該当する基材の搬送方向Tに対して縦方向に特にばね弾性的に配置されているかまたは弾性材料から構成されている。
別の好適な態様では、グリッパキャリッジ23は、少なくとも第1のノンインパクト印刷装置06の作用領域においてかつ/または第2のノンインパクト印刷装置127の作用領域において、それぞれ各々の移動軌道を安定させるために、該当するグリッパキャリッジ23の移動軌道に対して縦方向に配置された少なくとも1つのガイド要素71により案内されている(図17~図19)。さらに、見当通りのかつ/または見当に正しいガイドを形成するために、特にまたは少なくとも第1のノンインパクト印刷装置06の作用領域において、かつ/または第2のノンインパクト印刷装置127の作用領域において、それぞれたとえば該当するグリッパキャリッジ23に関する捕捉機構が設けられており、この場合、この捕捉機構は、たとえば該当する基材の搬送方向Tに移動させられるかまたは少なくとも移動可能な少なくとも1つのフォークを有し、この場合、該当するグリッパキャリッジ23は、たとえば、該当するグリッパキャリッジ23の搬送方向Tに対して横向きに位置するその両方の端部で、各々のフォークに保持され、これらのフォークによりグリッパキャリッジ23の移動軌道において、特に見当通りにおよび/または見当に正しく案内される。さらに、該当する基材を見当通りにかつ/または見当に正しく位置合わせするために、特にまたは少なくとも、第1のノンインパクト印刷装置06の作用領域においてまたはその直前に、かつ/または第2のノンインパクト印刷装置127の作用領域においてまたはその直前に、それぞれたとえば1つの調節装置、特に側方の位置決め装置が設けられている。たとえば図11に関して記述されているように、該当する基材は、たとえばこの基材をセンシングするセンサ33;36を使用して、見当通りにかつ/または見当に正しく位置合わせされる。
図27または図28に示された機械構造物は、それぞれ、表面と裏面とをそれぞれ有する複数のシート状の基材を連続的に加工する機械構造物とも称され、この場合、第1のノンインパクト印刷装置06と、第2のノンインパクト印刷装置127と、第1のプライマ塗布装置02と、第2のプライマ塗布装置126とが設けられており、この場合、同一のシート状の基材に関して、それぞれ、第1のプライマ塗布装置02は、表面にプライマを塗布するように、第2のプライマ塗布装置126は、裏面にプライマを塗布するように、配置されており、この場合、この基材に関して、第1のノンインパクト印刷装置06は、第1のプライマ塗布装置02によりプライマが塗布された表面に印刷を行うように、第2のノンインパクト印刷装置127は、第2のプライマ塗布装置126によりプライマが塗布された裏面に印刷を行うように、配置されている。この場合、該当する基材の表面に塗布されたプライマを乾燥する第1の乾燥機121は、該当する基材の搬送方向Tで、第1のノンインパクト印刷装置06の手前に設けられており、該当する基材の裏面に塗布されたプライマを乾燥する第2の乾燥機122は、該当する基材の搬送方向Tで、第2のノンインパクト印刷装置127の手前に設けられており、第1のノンインパクト印刷装置06により表面に印刷が行われた該当する基材を乾燥する第3の乾燥機123は、該当する基材の搬送方向Tで、第1のノンインパクト印刷装置06の後方に設けられており、第2のノンインパクト印刷装置127により裏面に印刷が行われた該当する基材を乾燥する第4の乾燥機124は、該当する基材の搬送方向Tで、第2のノンインパクト印刷装置127の後方に設けられている。この場合、第2のプライマ塗布装置126は、選択的に、該当する基材の搬送方向Tで、第2のノンインパクト印刷装置127の手前にまたは後方に配置されてもよい。該当する基材の表面に塗布されたプライマを乾燥する第1の乾燥機121、および/または該当する基材の裏面に塗布されたプライマを乾燥する第2の乾燥機122、および/または第1のノンインパクト印刷装置06により表面に印刷が行われた該当する基材を乾燥する第3の乾燥機123、および/または第2のノンインパクト印刷装置127により裏面に印刷が行われた該当する基材を乾燥する第4の乾燥機124は、それぞれ、たとえばプライマが塗布されたかつ/または印刷が行われた該当する基材を熱風によりかつ/または赤外放射または紫外放射による照射により乾燥する乾燥機として構成されており、この場合、プライマが塗布されたかつ/または印刷が行われた該当する基材を赤外放射または紫外放射による照射により乾燥する乾燥機121;122;123;124は、好適にはLED乾燥機として、つまりそれぞれ半導体ダイオードを使用する乾燥機として構成されている。さらに、該当する基材を搬送する少なくとも1つの搬送装置が設けられており、この場合、この搬送装置は、搬送胴として、または循環走行する搬送ベルトとして、またはチェンコンベヤとして構成されている。この場合、該当する基材を搬送する少なくとも1つの搬送装置は、少なくとも1つの保持要素を有し、この場合、この少なくとも1つの保持要素は、該当する基材を力結合によりまたは形状結合により保持するように構成されている。
図29は、それぞれ表面と裏面とを有する複数のシート状の基材を連続的に加工するさらに別の好適な機械構造物を示している。好適には印刷機として、特に枚葉印刷機として構成されたこの機械構造物は、少なくとも第1の印刷胴と第2の印刷胴とを有する。この場合、それぞれ第1の印刷胴の周に、該当する基材の表面に印刷を行う少なくとも1つの第1のノンインパクト印刷装置06が配置されており、第1の印刷胴の回動方向で第1のノンインパクト印刷装置06の後方に、該当する基材の、第1のノンインパクト印刷装置06により印刷が行われた表面を乾燥する乾燥機123が配置されており、それぞれ第2の印刷胴の周に、該当する基材の裏面に印刷を行う少なくとも1つの第2のノンインパクト印刷装置127が配置されており、第2の印刷胴の回動方向で第2のノンインパクト印刷装置127の後方に、該当する基材の、第2のノンインパクト印刷装置127により印刷が行われた裏面を乾燥する乾燥機124が配置されている。第1のノンインパクト印刷装置06と、第2のノンインパクト印刷装置127とは、たとえばそれぞれ少なくとも1つのインクジェット印刷装置として構成されている。たとえば第1のノンインパクト印刷装置06および/または第2のノンインパクト印刷装置127は、それぞれ複数の、たとえば4つの印刷インキ、特にイエロー、マゼンタ、シアンおよび墨の印刷インキを消費し、この場合、これらの印刷インキの各々に対して、該当するノンインパクト印刷装置06;127に関して、それぞれ好適には特定のインクジェット印刷装置が設けられている。
図29による機械構造物において、第1の印刷胴と第2の印刷胴とは、共通のローラニップを形成するように配置されており、この場合、第1の印刷胴は、共通のローラニップにおいて、表面に印刷が行われて乾燥された該当する基材を直接に第2の印刷胴へ引き渡す。この機械構造物の好適な態様では、さらに、第1のプライマ塗布装置02と第2のプライマ塗布装置126とが設けられており、この場合、それぞれ同一のシート状の基材に関して、第1のプライマ塗布装置02は、表面にプライマを塗布するように、第2のプライマ塗布装置126は、裏面にプライマを塗布するように、配置されており、この場合、この基材に関して、第1のノンインパクト印刷装置06は、第1のプライマ塗布装置02によりプライマが塗布された表面に印刷を行うように、第2のノンインパクト印刷装置127は、第2のプライマ塗布装置126によりプライマが塗布された裏面に印刷を行うように、配置されている。第1のプライマ塗布装置02と第2のプライマ塗布装置126とは、それぞれたとえば圧胴119を有し、この場合、これらの両方の圧胴119は、この共通のローラニップを形成するように配置されており、この場合、第1のプライマ塗布装置02を有する圧胴119は、共通のローラニップにおいて、該当する基材を、直接に、第2のプライマ塗布装置126を有する圧胴119へ引き渡す。この場合、第2のプライマ塗布装置126を有する圧胴119と、第1のノンインパクト印刷装置06を有する第1の印刷胴とは、共通のローラニップを形成するように配置されており、この場合、第2のプライマ塗布装置126を有する圧胴119は、該当する基材を、直接に、第1のノンインパクト印刷装置06を有する第1の印刷胴へ引き渡す。
第1のプライマ塗布装置02を有する圧胴119の周に、通常は、第1のプライマ塗布装置02の直後に、たとえば、この第1のプライマ塗布装置02によりプライマが塗布された該当する基材の表面を乾燥する乾燥機121が配置されている、かつ/または第2のプライマ塗布装置126を有する圧胴119の周に、通常は、第2のプライマ塗布装置126の直後に、たとえばこの第2のプライマ塗布装置126によりプライマが塗布された該当する基材の裏面を乾燥する乾燥機122が配置されている。この場合、該当する基材の表面に塗布されたプライマを乾燥する乾燥機121および/または該当する基材の裏面に塗布されたプライマを乾燥する乾燥機122、および/または第1のノンインパクト印刷装置06により表面に印刷が行われた該当する基材を乾燥する乾燥機123および/または第2のノンインパクト印刷装置127により裏面に印刷が行われた該当する基材を乾燥する乾燥機124は、それぞれ、プライマが塗布されたかつ/または印刷が行われた該当する基材を熱風によりかつ/または赤外放射または紫外放射による照射により乾燥する乾燥機として構成されている。特に好適な態様では、プライマが塗布されたおよび/または印刷が行われた該当する基材を赤外放射または紫外放射による照射により乾燥する乾燥機121;122;123;124は、LED乾燥機として、つまり赤外放射または紫外放射をそれぞれ半導体ダイオードを用いて生成する乾燥機として構成されている。
さらに、図29による機械構造物では、第1の印刷胴と、第2の印刷胴と、第1のプライマ塗布装置02を有する圧胴119と、第2のプライマ塗布装置126を有する圧胴119とは、それぞれ好適には、歯車から構成された単一の駆動系統において、つまり1つの歯車群において互いに結合されていて、それぞれまとめて単一の駆動装置により回転駆動され、この場合、この駆動装置は、好適には、特に回転数制御されるかつ/または位置制御される電動モータとして構成されている。第1の印刷胴と、第2の印刷胴と、第1のプライマ塗布装置02を有する圧胴119と、第2のプライマ塗布装置126を有する圧胴119とは、それぞれたとえば複数倍胴サイズに構成されており、つまりその外周面に、それぞれ複数の、たとえば2つまたは3つまたは4つの基材が、それぞれ周方向で前後に配置されているかまたは少なくとも配置可能である。搬送されるべき基材の各々は、第1の印刷胴、および/または第2の印刷胴、および/または第1のプライマ塗布装置02を有する圧胴119、および/または第2のプライマ塗布装置126を有する圧胴119の外周面に、それぞれ、たとえばグリッパとして構成された少なくとも1つの保持要素を用いて、力結合によりかつ/または形状結合により保持される。特に、たとえば0.1mmまでまたは最大0.2mmの厚さを有する低い曲げ剛性を有するかつ/または薄い基材は、力結合により、たとえば吸込空気により、該当する胴の外周面に保持されてもよく、この場合、該当する胴の外周面上の、そのような基材の、特にこの基材の縁の載置は、たとえば、特に半径方向に該当する胴の外周面へ向けられた吹出空気により促進されている。
両面に印刷が行われた該当する基材は、第2の印刷胴を通るその搬送後に続いて、好適には、搬送装置を用いて、たとえばデリバリ12へ搬送され、そこでデリバリ12においてスタック上に排出される。第2の印刷胴に続く搬送装置は、たとえばチェンコンベヤとして構成されており、この場合、該当する基材は、その搬送装置による搬送中、デリバリ12において排出される前に、再度好適には両面で少なくとも1つの乾燥機09により乾燥される。多くの生産ラインにおいて、第1のノンインパクト印刷装置06により表面に印刷が行われた、かつ/または第2のノンインパクト印刷装置127により裏面に印刷が行われた該当する基材の、片面または両面に、別の印刷インキ、特に特殊インキを用いて印刷を行い、かつ/またはたとえばラッカの塗布により表面加工することを鑑みてもよい。この後者の態様では、第2の印刷胴に続いて、該当する基材をデリバリ12へ搬送する搬送装置の手前に、少なくとも1つの別の、たとえば第3の印刷胴または好適には第3の印刷胴と第4の印刷胴とから構成される少なくとも1つの別の胴対偶が設けられており、少なくとも1つの別の、たとえば第3の印刷胴および/または第4の印刷胴に、第1の印刷胴および/または第2の印刷胴と同様に、やはりそれぞれ別の印刷装置、特に別のノンインパクト印刷装置または少なくとも1つの塗工装置08が、それぞれ場合により別の乾燥機とともに配置されている。この場合、相並んだこれら全ての印刷胴は、該当する機械構造物において、該当する基材のための連続する搬送路を形成し、この場合、この基材は、それぞれ1つの印刷胴から次の印刷胴へ引き渡される。該当する基材は、この機械構造物においてこの基材のための反転装置を必要とすることなく、両面で加工可能である、特に印刷可能である。したがって、提案された機械構造物は、極めてコンパクトであり、低コストで組み立てられる。
図29に示された機械構造物は、特に好適には、UV硬化性の印刷インキに関して、たとえば食品や化粧品用の包装印刷に使用可能である。