JP2006256289A - 高粘度の即乾性水性インクを使用した両面印刷可能なインクジェット印刷装置 - Google Patents

Abstract

【課題】被印刷媒体の反転機構や転写媒体が不要な、両面印刷が可能なインクジェット印刷装置を提供する。
【解決手段】装置の上から下へ向かって単純な経路で垂直に搬送される被印刷媒体の両面にインクジェット式記録ヘッドを配置し、高粘度の即乾性水性インクを用いて両面印刷する。
【選択図】図１

Description

発明の詳細な説明

本発明は、高粘度の即乾性水性インクを用いた両面印刷可能なインクジェット印刷装置に関する。

両面印刷を実現するために、被印刷媒体の反転機構を用いないインクジェット印刷装置として、転写媒体を使用するものが提案されている（例えば、特許文献１参照。）。

また、両面印刷を実現するために、被印刷媒体の反転機構および転写媒体を用いないインクジェット印刷装置として、被印刷媒体の両面に記録ヘッドを配置したものが提案されている（例えば、特許文献２参照。）。

インクジェット印刷装置に使用できる高粘度の即乾性水性インクとしては、例えば、特許文献３に述べられているものがある。
特開２００３−８０６８８号公報（インキジェット両面印刷方法および装置） 特開平７−２７６７１６号公報（両面印刷可能な印刷装置） 特開平５−１４８４４２号公報（即乾性インクと記録方法）

両面印刷をおこなうために、被印刷媒体の反転機構を用いると、装置の構成が複雑になり、被印刷媒体の詰まりなどの搬送不良等の障害が発生しやすくなる。また、被印刷媒体の反転機構を用いて、ロール紙などの長尺の被印刷媒体に両面印刷をすることは、その構造上困難である。

被印刷媒体の反転機構を用いずに両面印刷を実現する方法として、特開２００３−８０６８８号公報にある装置が提案されている。この装置では、被印刷媒体の両面に転写媒体を配置することによって、反転機構が不要になるとともに、記録ヘッドはインク吐出面が下向きになるように設置できる。しかしながら、常に高品位な印刷結果を得るためには、転写媒体を清掃するための機構を設置することが必要になり、そのために印刷装置の構造が複雑になってしまう。

インクジェット方式の印刷方法および印刷装置は、特開２００３−８０６８８号公報（第３頁）で指摘されているように、被印刷媒体下方向からの印刷に適性を持っていない。したがって、通常の低粘度インクを使用した場合は、特開平７−２７６７１６号公報（第３頁、図１）の構成では、被印刷媒体の両面ともに良好な印刷結果を得ること、とくに、被印刷媒体の下面側に配置された記録ヘッドを使用すると高品位な印刷結果を得ることは困難である。

上記の課題を解決するために、本発明のインクジェット印刷装置は、垂直に搬送される被印刷媒体の両面に記録ヘッドを配置する。印刷媒体反転装置を用いることなく両面印刷が可能になり、被印刷媒体の搬送経路が単純化される。

垂直に搬送される被印刷媒体に印刷するために、記録ヘッドの吐出面は地面に対して垂直に設置される。被印刷媒体の両面ともに良好な印刷品位を得るため、高粘度の即乾性水性インクを、被印刷媒体に直接噴射することによって描画する。

上記の高粘度即乾性水性インクは、例えば特開平５−１４８４２２号公報で提案されているものが利用できよう。

垂直に搬送される被印刷媒体の両面に記録ヘッドを配置することで、被印刷媒体の反転機構を用いることなく両面印刷をおこなうため、被印刷媒体の搬送経路が単純になり、被印刷媒体の詰まり等の搬送不良の発生を抑止するとともに装置の保守性も向上する。

高粘度の即乾性水性インクを使用することによって、転写媒体を用いることなく、被印刷媒体に直接高品位に両面印刷することが可能になる。

高粘度の即乾性水性インクを使用することによって、被印刷媒体は紙に限定されることなく、布帛等に対しても直接両面印刷することも可能になる。

装置の上から下へ向かって単純な経路で垂直に搬送される被印刷媒体の両面にインクジェット式記録ヘッドを配置し、高粘度の即乾性水性インクを用いて両面印刷する。

以下、本発明の実施例について、図面にしたがって説明する。

図１は本発明装置の概略である。被印刷媒体１は、矢印３で示す方向に、つまり装置の上から下へ向かって直線的に搬送される。被印刷媒体１は、繰り出し装置２によって引き出された後は重力を利用した消極送り法によって装置下方へ搬送される。

インクジェット方式の記録ヘッド４および５は、垂直方向に搬送される被印刷媒体１の両面に配置する。

記録ヘッドの吐出面は地面に対して垂直になるが、高粘度の即乾性水性インクを使用することにより、通常の低粘度インクのように重力の影響を受けて印刷品位を損なうことなく、被印刷媒体に定着させられる。

被印刷媒体１の両面ともに、より高品位な印刷結果が得られるよう、被印刷媒体１を安定して搬送させるために、記録ヘッド４、５と対向する位置に支持板６、７を設けたり、搬送経路にガイドローラ８、９を設置することが望ましい。支持板６、７、および、ガイドローラ８、９の材質や形状は限定しない。

また、被印刷媒体の厚さに応じて、記録ヘッドおよび前記支持板またはガイドローラの位置を矢印１０、１１、１２、１３の方向に微調整ができる機構を設けてもよい。

記録ヘッド４と５の間隔はできるだけ接近させて設置するほうが、両面印刷時の被印刷媒体の無駄が少なくなる。

なお、給紙部、排紙部などの機構については、従来と同様の技術が利用できるため、省略してある。また、長尺の被印刷媒体を使用する際に、必要であれば、排紙部に巻取装置を追加してもよい。

本発明のインクジェット印刷装置の構成図である。

符号の説明

１ 被印刷媒体
２ 被印刷媒体繰り出し装置
３ 被印刷媒体の搬送方向
４、５ 記録ヘッド
６、７ 被印刷媒体支持板
８、９ ガイドローラ
１０、１１ 記録ヘッド取り付け位置の微調整方向
１２、１３ 支持板およびガイドローラ取り付け位置の微調整方向

Claims (3)

1. 装置の上から下へ向かって垂直に搬送される被印刷媒体の両面にインクジェット式記録ヘッドを配置した、両面印刷可能なインクジェット印刷装置。
2. 高粘度の即乾性水性インクを用いることを特徴とする、請求項１に記載のインクジェット印刷装置。
3. 請求項２に記載の高粘度の即乾性水性インクを用いることにより、被印刷媒体が紙に限定されず、布帛等にも直接両面印刷可能なことを特徴とする、請求項１に記載のインクジェット印刷装置。

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