JP2006212817A - インクジェット記録装置および記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数の記録部に備えられるインクタンクの交換時期を同時期にする。
【解決手段】 複数の独立した記録部を有するインクジェット記録装置において、複数の記録部を選択的に用いて記録動作を行うことにより、複数のインクタンクそれぞれのインク消費を略均等にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記録ヘッドよりインクを吐出して記録媒体に対して記録を行うインクジェット記録装置に係わり、さらに詳しくは、同一色に対して複数のインクタンクを備えるインクジェット記録装置およびその記録方法に関する。
インクジェット記録方式は、インクの小液滴を記録ヘッドより吐出させ、紙等への記録媒体に塗布させて記録を行うものであり、近年、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの外部装置から出力する個人用途のみならず、大判のポスター等を記録する産業用途等にも広く用いられるようになっている。また、大判のポスターに記録する以外の産業用途の一例として、インクジェット記録方式は封筒等の郵便物に郵便証印を印刷する郵便証印印刷機の出力部にも利用されている(例えば、特許文献1)。
郵便証印を印刷するために用いられてきた従来の機械的スタンプ方式に比べ、インクジェット記録方式は、記録内容をデジタル的に高速処理することが可能であり、また、機械的動作部が減少したことにより騒音を大幅に低減できることが可能となった。
さらに、近年は、より大量かつ高速に郵便物を処理するインサータシステムにもインクジェット記録方式が用いられるようになってきた。
一般にインクジェット記録装置は、記録ヘッドの吐出口近傍等に紙粉等の汚れが堆積したり、吐出口から水分が蒸発することにより記録ヘッド内のインクが増粘したりすることによって、吐出されたインク滴の着弾位置がずれたり、インクが吐出されなくなったりすることが知られている。このように、インク滴が正常に吐出できなくなるによる記録品位の低下を回避するために、記録ヘッドからのインク吐出状態を良好に保つための回復動作を定期的に行っている。この回復動作として、インクタンク内に負圧をかけたり、吸引ポンプにより記録ヘッド内を吸引することにより、記録ヘッド内のインクを排出する吸引回復や、それぞれの吐出口から画像の記録には寄与しないインク滴を所定数吐出する予備吐出がある。
特に、様々な紙質の封筒等を大量かつ高速に取り扱う郵便証印印刷においては、封筒等に対する印刷時に紙粉が大量に発生し、この紙粉が記録ヘッドのインク吐出口面等に付着し、記録の品位を損なう可能性がある。このような問題を回避するためにも、定期的な記録ヘッドの回復動作は必須の動作となっている。
一方、インサータシステム等においては、大量の郵便物を高速で処理することが求められていることから、封筒等の記録媒体は高速かつ連続的に搬送されており、記録ヘッドの回復動作のために、記録を中断することができない。これらの相反する要求を満たすために、複数の記録部を装置内に設けて、所定の記録部において前述の回復動作のために記録が行えないときには、別の記録部によって記録を行うような構成が考案されている。複数の記録部は、それぞれ独立して記録動作、回復動作等が可能なように、記録ヘッド、インク供給経路、回復部、インクタンク等を有した構造となっている。
特開平08−255273号公報
上述の複数の記録部それぞれに複数のインクタンクを有するインクジェット記録装置においては、あらかじめ設定された所定の記録枚数、または所定の記録時間毎に、記録部の回復動作を行うことにより、記録を中断することなく複数の記録部それぞれが記録動作または回復動作を行っている。したがって、このような構成のインクジェット記録装置では、記録を中断することなく連続的に記録を行うことが可能である。
一方、複数の記録部を備えるインクジェット記録装置において、所定の記録部に対する搬送経路において、記録媒体の搬送ミス(搬送ジャム)が発生したり、搬送する記録媒体の種類を変更する処理を行うために、一時的に記録が中断されることがある。複数の記録部を備えるインクジェット記録装置において、所定の記録部だけに一時的な記録の中断が生じると、複数の記録部のインク消費が均等に行われなくなるため、所定の記録部を除く記録部のインクタンク内のインクが無くなっても、所定の記録部のインクタンク内に多量のインクが残る場合がある。その結果、複数の記録部のうち所定の記録部を除く記録部に備えられているインクタンクの交換時期と、所定の記録部に備えられているインクタンクの交換時期が異なってしまうため、装置またはシステムの操作者はその都度インクタンクを交換する必要が発生してしまう。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、複数の記録部を有するインクジェット記録装置において、それぞれの記録部に備えられるインクタンクの交換時期を同時期にすることを目的とする。
本発明は、記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドと、インクを収納するインクタンクとを有する第一の記録部と、前記第一の記録部と同じ構成からなる第二の記録部とを有し、所定の記録媒体に対して第一または第二の記録部により同一の画像形成が可能なインクジェット記録装置において、前記第一、第二の記録部それぞれのインクタンク内のインク残量を検出する検出手段と、前記第一、第二それぞれの記録部のうち、前記検出手段によって検出されたインク残量の多い方の記録部を用いて記録動作を行うよう制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、複数の記録部のインクタンクのインクをほぼ、均等に消費することが可能となり、記録装置、システムの操作者は、同時に複数のインクタンクを交換することが可能となり、操作の手間を軽減することが可能となる。
本発明は、複数の記録部を有するインクジェット記録装置において、所定の記録部が回復動作のために記録を中断している間は、他の記録部が記録を行うことにより、記録媒体の搬送を停止せずに連続的に記録を行うように制御することを特徴とする。特に、複数の記録部それぞれから消費したインク量に基づいて、複数の記録部の記録動作を制御することを特徴とする。
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明を適用したインクジェット記録装置の要部斜視図である。
図1に示すように、記録媒体1の搬送方向(図中矢印C)に対して直列に記録部2および記録部3が設けられている。なお、記録部2および3は、それぞれ単独で記録媒体1に対して記録を行うよう構成されている。
記録部2、3にはそれぞれ、駆動モータ4A、4Bの駆動により、記録位置と、回復・待機位置間を移動可能なキャリッジ5A、5B、および、キヤリッジ上に記録ヘッド6A、6Bが設けられている。図において、記録部2のキャリッジ5Aは記録位置にあることを、記録部3のキャリッジ5Bは回復・待機位置にあることを示している。キャリッジ5A、5Bが記録位置にあるときの記録ヘッド6A、6Bの近傍には、記録時にインク吐出のための開口部を有するレジスト板7A、7Bが設けられており、記録媒体1と記録ヘッド6A,6Bのインク吐出口面との距離を規制している。
記録部の後方には、図中矢印D、E方向に着脱可能なインクタンク8A、8Bおよび、インクタンク8A、8Bの下方には、インクを一時的に保持するバッファタンク9A、9B(不図示)が設けられている。バッファタンク9A、9Bには、内部に貯蔵したインクの残存量を計測するための電気接点が設けられており、インク残量が低下した場合には、不図示の記録装置内の制御手段に信号を送ることが可能である。一方、バッファタンクはインク残量低下信号を発生させた後も、所定枚数の記録が可能なインク量を保持できる構造となっている。バッファタンク9A、9Bは不図示のチューブにより、キャリッジ5A、5B上の記録ヘッド6A、6Bと流体的に連結されている。このように、インクタンク8A、8B内のインクはバッファタンク9A、9Bを経由して記録ヘッド6A、6Bに供給される。
また、キャリッジ5A、5Bの下方には、記録ヘッド6A、6Bの回復動作を行う回復手段10A(不図示)、10Bが設けられている。回復手段10A、10Bは、記録ヘッド6A、6Bのインク吐出口が形成された面(以下、インク吐出口面と称する)に対しキャップ部材を当接させ、キャップ部材に連結した負圧発生手段により、記録ヘッド6A、6Bの回復動作を行う。また、回復手段10A、10Bは弾性のブレードを有しており、弾性ブレードでインク吐出口面を拭き取ることで記録ヘッド6A、6Bのインク吐出口面に堆積した不要のインクや紙粉等を除去する。さらに、記録部2または3が記録に用いられないときには、記録ヘッド6Aまたは6Bのインク吐出口面にキャップ部材を当接させることにより、インク吐出口からのインク(インク中の水分)の蒸発を低減させる。
記録部2、3は、不図示の制御手段に電気的に接続されており、制御手段の信号制御により、選択的に記録動作、回復動作を行うことができる。制御手段は、記録部2、3のそれぞれが消費したインク量を計測、記憶し、また比較する手段を有している。
以下、本発明における記録、回復動作について説明する。
記録開始以前に、インクタンク8A(または8B)を図中矢印D方向に挿し込む事により、バッファタンク9A(または9B)に装着され、インクタンク8A(または8B)中のインクは自重によりバッファタンク9A(または9B)内に所定量流入する。新しいインクタンクが記録装置に装着されたときには、この後、キャリッジ5A(または5B)は図1の記録部3に示す回復・待機位置に移動し、回復動作を行う。回復手段10A(または10B)が発生する負圧により、バッファタンク9中のインクは不図示のチューブを介して記録ヘッドに導かれ、記録可能な状態(記録待機状態)となる。
複数ある記録部2、3のうち、記録部2を用いて記録動作を行い、記録部3は待機したままであるときの動作を次に説明する。記録媒体1は記録部2の記録位置に搬送されるので、記録部2のキャリッジ5Aは、駆動モータ4Aの駆動により図1に示す記録位置に移動する。この後、レジスト板7Aにより記録のための距離を規制された記録媒体1に対し、記録ヘッド6Aがインクを吐出することにより記録を行う。このとき、記録部3のキャリッジ5Bは図1に示す回復・待機位置にあり、記録待機状態を継続している。その後記録媒体1は、記録3を通過し記録が終了することになる。
以下、図2を参照しながら、制御フローを説明する。
ステップS101においてシステムのホストからインクジェット記録装置内の制御手段に記録命令が伝えられると、ステップS102において、記録部2、3のインクタンク内のインク残量を比較する。フローチャートの図中Aは記録部2を、Bは記録部3を意味している。ステップS102において記録部2のインク残量Aが記録部3のインク残量Bより多いと判断された場合には、ステップS103で記録部2に対して記録動作を行うよう制御する。このとき、記録部2、3のインク残量が同量であると判断された場合には、所定の記録部(例えば、記録部2)を用いて記録を行うようにすればよい。一方、ステップS102においてインク残量Bがインク残量Aより多いと判断された場合には、ステップS104で記録部3に対して記録動作を行うよう制御を行う。
次に、ステップS105では、ホストから指示された枚数の記録動作が終了したか否かを判断し、指示された枚数の記録動作が終了していればステップS106に移行して記録動作を終了させる。ステップS105において指示された枚数の記録動作が終了していないと判断された場合には、ステップS107でステップS103またはS104において記録動作を行った記録部が所定の記録枚数(N)の記録動作を行ったか否かを判断する。ステップS107において、所定枚数Nの記録動作が行われたと判断された場合には、ステップS108に移行し、所定枚数Nの記録動作が行われていないと判断された場合には、ステップS105に戻り記録動作を継続する。ステップS108では、ステップS103またはS104においてどの記録部で記録動作が行われていたかを判断し、ステップS109またはS110で、記録動作を行っていた記録部に対して回復動作を行わせ、続く記録動作をする際の記録部を変更する。つまり、ステップS108において、ステップS103またはS104において記録動作を行っている記録部が記録部2であるか、記録部3であるかを判断し、記録部2が用いられていると判断されたときには、ステップS109で記録部2に対して回復動作を行わせ、続く記録動作時には記録部3を用いるように記録部3のキャリッジ位置を変更するなどの記録動作を実行させるよう制御する。また、ステップS108において、記録部3が記録動作を行っていると判断された場合には、ステップ110で記録部3に対して回復動作を行わせ、続く記録動作時には記録部2が用いられるように制御する。この後、S105に戻って記録動作を継続実行し、ステップS105にて所定枚数の記録が終了したと判断されるまで記録動作を継続する。
なお、インクジェット記録装置の制御部は、上記記録動作中は定期的に、バッファタンク9A、9Bからのインク残量低下信号を監視しており、どちらかのインク残量低下信号を受領すると、操作者に対してインクタンク8Aまたは8Bの交換を促すように、警告のメッセージを発生させる。また、上述の記録制御を行う際には、複数ある記録部から略等しくインクが消費されるように記録動作を行うため、インク残量低下信号もほぼ時を同じくして制御部へ送出されることになる。さらに、バッファタンクからインク残量低下信号を受領しても所定枚数の記録動作を行うことができるため、インクジェット記録装置の記録動作を停止させることなくインクタンクの交換を行うことが可能となる。
以上のように、本発明によると、複数の記録部を備える記録装置において、それぞれの記録部に備えられるインクタンクの残量に応じて、記録に用いる記録部を選択的に使用することにより、複数の記録部に備えられるそれぞれのインクタンクを略同時に交換することができ、操作者の手間を軽減することが可能となる。
なお、本実施形態では、記録部を2つ有する記録装置を例にあげて説明したが、記録部が3つ以上有する記録装置においても本発明は適用可能である。
さらに、本実施形態では、記録媒体の所定の搬送経路中に複数の記録部を備える構成としたが、複数の記録部それぞれの記録媒体の搬送経路を異ならせてもよい。この場合、記録に用いる記録部に応じて搬送経路を異ならせるため、記録媒体の搬送の面では複雑な構成となるが、複数の記録部を縦に並べることで記録装置の横幅を小さくしたり、それぞれの記録部のキャリッジ位置を記録位置と待機位置とで移動しなくても良い構成をとることが可能となる。
また、本実施形態では、インクの消費量に基づいてインクの残量を求める構成としたが、インクタンク内のインク残量を求められれば良く、プリズムを設けたインクタンクを用いて光学式にインク残量を検出したり、他の方法でインク残量を求めても良い。
さらにまた、記録部2、3のいずれかのバッファタンクより、インク残量低下信号を受けた後は、ステップS107で累積記録枚数をカウントする動作を省略し、直ちにステップS108に移行し、インクが残存するインクタンクを有する記録部の記録を優先させてもよい。このようにすることにより、インクタンクの交換を早めに同時に行うことが可能となる。
また、前述の説明では、記録部2、3の記録動作の交換のタイミングを記録枚数で管理していたが、吐出ドット数、記録時間で管理しても同様の効果が得られる。
本発明を適用したインクジェット記録装置の要部斜視図である。 本発明の制御フローチャートを示す図である。
符号の説明
1 記録媒体
2 記録部
3 記録部
4 駆動モータ
5 キャリッジ
6 記録ヘッド
7 レジスト板
8 インクタンク
9 バッファタンク
10 回復手段

Claims (8)

  1. 記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドと、インクを収納するインクタンクとを有する第一の記録部と、前記第一の記録部と同じ構成からなる第二の記録部とを有し、所定の記録媒体に対して第一または第二の記録部により同一の画像形成が可能なインクジェット記録装置において、
    前記第一、第二の記録部それぞれのインクタンク内のインク残量を検出する検出手段と、
    前記第一、第二それぞれの記録部のうち、前記検出手段によって検出されたインク残量の多い方の記録部を用いて記録動作を行うよう制御する制御手段と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記第一、第二の記録部は、記録ヘッドからの吐出状態を良好に保つための回復手段をそれぞれ有し、
    前記制御部は、前記第一、第二の記録部のうち、所定の記録部が前記回復手段による回復動作を行うときには、他方の記録部を用いて記録動作を行うよう制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記制御手段は、所定間隔毎に記録に用いる記録部を変更することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記所定間隔は、記録を行った記録媒体の枚数であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記所定間隔は、記録を行った時間であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記所定間隔は、前記記録ヘッドから吐出されたインク量であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット機朗装置。
  7. 前記制御部は、前記第一、第二の記録部のうち、一方の記録部のインク残量がないと検出手段により検出されたときには、他方の記録部を用いて記録を行い、前記所定間隔毎の前記記録部の変更を行わないよう制御することを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 記録媒体に対してインクを吐出する記録ヘッドと、インクを収納するインクタンクとを有する第一の記録部と、前記第一の記録部と同じ構成からなる第二の記録部とを有し、所定の記録媒体に対して第一または第二の記録部により同一の画像形成が可能なインクジェット記録装置における記録方法において、
    前記第一、第二の記録部それぞれのインクタンク内のインク残量を検出する検出工程と、
    前記第一、第二それぞれの記録部のうち、前記検出工程によって検出されたインク残量の多い方の記録部を用いて記録動作を行うよう制御する制御工程と、
    を有することを特徴とする記録方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008195062A (ja) * 2007-01-17 2008-08-28 Seiko Epson Corp 液体の吐出制御方法、及び、液体吐出装置
JP2018083419A (ja) * 2016-11-11 2018-05-31 キヤノン株式会社 記録装置及び記録方法
JP2018083418A (ja) * 2016-11-11 2018-05-31 キヤノン株式会社 記録装置及び記録方法

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