JP2003080688A - インキジェット両面印刷方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】インキジェット方式の印刷において、インキジ
ェットの印刷ヘッドを通常と同じ下向きに配置しなが
ら、用紙反転機構が不要な、両面同時印刷可能なインキ
ジェット方式の印刷機を提供することを目的とする。 【解決手段】２つの対となるインキジェット機構とブラ
ンケットを用意し、インキジェット機構からインキをブ
ランケットに射出し、絵柄を形成して、２つのブランケ
ットに用紙を挟み込んで印圧をかけることにより、表裏
両面の絵柄を同時に転写することを可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、インキジェット方
式を用いた両面印刷方法および装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】インキジェット方式の印刷方法は、オフ
セット方式の印刷と比較して印刷速度は劣るが、版が不
要であり、１枚目から良品を得ることが可能など、優れ
た特質を持っているため、特に小ロットの印刷に適して
いることが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】インキジェット方式の
印刷方法および装置は、一般的に、用紙の下方向からの
印刷に適性を持っていない。これは、低粘度のインキを
インキジェット機構である印刷ヘッドから射出するとい
う特性上、用紙の下側に印刷ヘッドを上向きに設置する
と、印刷ヘッドからインキを射出した瞬間から重力の影
響を受け、浮遊インキが印刷ヘッド上に落下してインキ
の射出が困難になったり、印刷ヘッドが汚れたりするた
めである。

【０００４】したがって、インキジェット方式を用い
て、両面印刷を行う場合には、水平方向にセットされた
用紙の上下両方向から同時に印刷する方法を用いること
は困難である。

【０００５】また、両面印刷を行う場合、用紙を垂直方
向に準備し、用紙の表裏面の同一位置に印刷ヘッドを設
置した場合、用紙を挟んで対峙するような形となり、印
刷部分が中に浮いたような状態となる。このため、用紙
厚や搬送中の用紙の微妙な振動により、インキの着弾距
離が変化するため、解像度が低下するなど、品質面の問
題が発生する。

【０００６】したがって、従来、インキジェット方式で
両面印刷を行うためには、表面を印刷した後に、用紙の
搬送パスを変更して一旦用紙を裏返してから、裏面に印
字することが一般的である。ロール紙、カット紙のどち
らを用いる場合でも、用紙の反転機構を必要としてい
る。特に、ロール紙を用いるインキジェット方式は、連
続するロール紙を反転させるため、用紙の搬送パスが複
雑かつ長大となり、装置が大規模なものになっている。

【０００７】また、表面を印刷した後、用紙を反転させ
てからしか裏面の印刷を行うことができないため、両面
の印刷に時間がかかるという問題もある。

【０００８】係る問題を解決するために、本発明は、イ
ンキジェットの印刷ヘッドを下向きに配置しながら、用
紙反転機構が不要な、両面同時印刷が可能なインキジェ
ット方式の印刷機を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第１の態様は、インキジェット方式を用い
て用紙の両面に印刷する方法において、左右２つのブラ
ンケットとインキジェット装置それぞれを対にして用意
する段階と、前記左右２つのインキジェット装置から同
時に左右２つのブランケットそれぞれにインキを射出し
絵柄を形成する段階と、前記左右２つのブランケットの
間に用紙を通す段階と、前記左右２つのブランケット上
の絵柄を前記用紙の表裏両面にそれぞれ転写する段階と
を行うようにしたものである。

【００１０】本発明の第２の態様は、インキジェット方
式を用いて用紙の両面に印刷する装置において、左右に
設置された２つのブランケットと、前記左右のブランケ
ットそれぞれの上部に対に配置されたインキを射出し絵
柄を形成する左右２つのインキジェット機構と、前記左
右２つのブランケットに用紙を挟み込んで走行させる紙
送り機構と、前記左右のブランケット上に形成された絵
柄を用紙の表裏両面に同時に転写する転写機構とを設け
たものである。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施例に
基づき説明する。図１に例を示したインキジェット方式
印刷機は、インキジェット機構である印刷ヘッド１およ
び印刷ヘッド２、ブランケット３およびブランケット４
から構成され、印刷ヘッド１およびブランケット３、印
刷ヘッド２およびブランケット４の各組は、左右に設置
されており、用紙５に印刷を行う。なお、給紙部、排紙
部、乾燥部などは、従来の機構と同様であるため、省略
してある。

【００１２】印刷ヘッド１は、従来と同様の機構を用い
ることができる。すなわち、ピエゾ素子の伸縮や気泡の
生成によりインキを下向きに射出し、ブランケット３上
に印刷すべき絵柄を形成する。印刷ヘッド２も同様に、
ブランケット４上に絵柄を形成する。

【００１３】用紙５の印刷対象となる領域は、搬送され
るにつれて、ブランケット３とブランケット４に挟まれ
る地点に到達する。

【００１４】用紙５は、ブランケット３とブランケット
４に挟み込まれるため、用紙５には一定の印圧がかか
り、印圧によって用紙５にブランケット３およびブラン
ケット４からインキが転写される。

【００１５】通常のインキジェット方式の印刷とは異な
り、用紙５に直接絵柄を形成するのではなく、ブランケ
ット３およびブランケット４に絵柄を形成し、その絵柄
を用紙５に転写するため、用紙の振動や厚さによる着弾
位置のぶれを防止することが可能である。

【００１６】また、ブランケット３およびブランケット
４の２つのブランケットを用いて用紙５を挟み込むた
め、用紙５の両側に印圧をかけることが可能であり、両
面を同時に印刷することができる。

【００１７】図１の例では、下方向から上方向に用紙５
が搬送されるようにしてあるが、逆に上方向から下方向
に用紙５を搬送する形態も可能である。

【００１８】

【発明の効果】以上の通りであるから、本発明に係るイ
ンキジェット方式の印刷方法および装置によれば、ブラ
ンケットを介することで、通常のインキジェット方式の
印刷と同様に、２つの印刷ヘッドを下に向けたままの状
態で、両面を同時に印刷することが可能になる。

【００１９】また、インキをブランケットに着弾させる
ため、用紙厚や用紙の振動によるインキの着弾位置のぶ
れを防止することができ、良好な印刷品質を得ることが
できる。

【００２０】また、２つのブランケットに用紙を挟み込
むことで印圧を加えて、両面を同時に印刷することがで
きるため、印圧を加える追加機構を必要とせず、用紙を
反転させる機構も不要であり、装置の小型化も可能であ
る。

【００２１】また、反転機構を用いて両面に印刷する場
合に比べて、用紙の走行距離を短くできるため、無駄が
減り、印刷時間も短縮できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のインキジェット方式印刷機の構成図
である。

【符号の説明】

１、２ 印刷ヘッド ３、４ ブランケット ５ 用紙

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インキジェット方式を用いて、用紙の両
   面に印刷する方法であって、左右２つのブランケットと
   インキジェット装置それぞれを対にして用意する段階
   と、前記左右２つのインキジェット装置から、同時に左
   右２つのブランケットそれぞれにインキを射出し、絵柄
   を形成する段階と、前記左右２つのブランケットの間に
   用紙を通す段階と、前記左右２つのブランケット上の絵
   柄を、前記用紙の表裏両面にそれぞれ転写する段階と、
   を備えたことを特徴とするインキジェット両面印刷方
   法。
2. 【請求項２】 インキジェット方式を用いて、用紙の両
   面に印刷する装置であって、左右に設置された２つのブ
   ランケットと、前記左右のブランケットそれぞれの上部
   に対に配置された、インキを射出し、絵柄を形成する左
   右２つのインキジェット機構と、前記左右２つのブラン
   ケットに用紙を挟み込んで走行させる紙送り機構と、前
   記左右のブランケット上に形成された絵柄を用紙の表裏
   両面に同時に転写する転写機構と、を有することを特徴
   とするインキジェット両面印刷装置。