JP2000127536A - 大型及び小型フォ―マット用のインクジェット印字装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタル画像ファイルに応答して、インク画
像を有する複数のプリントを形成するインクジェット印
字装置を提供する。 【解決手段】 インクジェット印字装置は、記録媒体に
対しインクを供給するためのインクジェットプリントヘ
ッドを有する。記録媒体は、第１の通路に沿ってプリン
トヘッドの下流側に移動する。制御回路は、デジタル画
像ファイルに応答してプリントヘッドを駆動し、これに
より記録媒体上に複数のインク画像を形成する。第１の
カッタは、第１の通路に直交する方向に記録媒体を切断
する。記録媒体は、第１の通路に直交する第２の通路に
沿って移動する。記録媒体搬送棚は、第１のカッタによ
り切断された記録媒体を収容し、該記録媒体は、位置合
わせしながら第２の切断位置まで移動する。第２の切断
位置に配置された第２のカッタは、記録媒体を逐次切断
し、少なくとも１つのインク画像をそれぞれ有する複数
のプリントを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、異なるサイズのフ
ォーマットを有するインク画像を記録媒体（レシーバ）
上に形成するためのインクジェット印字に関する。

【０００２】

【発明の背景】インクジェット印字は、そのノンインパ
クト・低ノイズ特性及び普通紙との適合性により、デジ
タル出力分野において頭角をあらわしてきた。インクジ
ェット印字は、電子写真におけるようなトナー転写・定
着の複雑さ、及び感熱式印字技術におけるような印字用
インターフェイスとの圧接を回避する。インクジェット
印字機構には、連続式インク噴射やオンデマンド式イン
ク噴射が含まれる。カイザー氏らに対し１９７０年に発
行された米国特許第３、９４６、３９８号において、オ
ンデマンド式インクジェットプリンタが開示されてお
り、このプリンタでは、圧電性結晶に高電圧を印加し、
この結晶を湾曲させ、インク貯蔵部に対し圧力を加え、
オンデマンドでインクドロップを噴射する。ピエゾ型イ
ンクジェットプリンタはまた、押圧モード、せん断モー
ド、及び圧搾モードで圧電性結晶を利用できる。ＥＰ８
２７８３３Ａ２号及びＷＯ９８／０８６８７号には、チ
ャンネル間のクロストークを減らし、インク保護を向上
させるとともに、種々の大きさのインクドロップを吐出
できるピエゾ型インクジェットプリントヘッド装置が開
示されている。

【０００３】１９７９年にエンド氏らに対して発行され
た英国特許第２、００７、１６２号には、電気・熱変換
式のオンデマンドインクジェットプリンタが開示されて
おり、このプリンタでは、水性インクとノズル内で熱的
に接続する電熱ヒータに対し、パルス状の電力を供給す
る。少量のインクが急激に蒸発し、気泡が形成され、こ
れにより、インクドロップが、ヒータ基板のエッジに沿
って配置された複数の小さな孔から吐出される。この技
術は、バブルジェット（日本のキャノン（株）の登録商
標）として知られている。

【０００４】１９８２年にヴォート氏らに対して発行さ
れた米国特許４、４９０、７２８号には、気泡を形成す
ることにより作動し、ヒータ基板に対し垂直な方向にイ
ンクドロップを吐出する電気・熱変換式のインクドロッ
プ吐出装置が開示されている。本願で使用されている用
語「サーマルインクジェット」は、上記装置と一般的に
バブルジェットとして知られている装置の両方を指す。

【０００５】インクジェット印字の利点の一つは、フォ
ーマットの大きな画像を印字できることである。比較的
細いプリントヘッドであっても、大きな印字領域を複数
回にわたって走査することにより、記録媒体上に大きな
画像を印字することができる。現在市販されている大き
なフォーマット用のインクジェットプリンタは、３６”
（インチ）〜６２”（インチ）の幅のインク画像を提供
できる。これに対し、感熱式プリンタでは、１ページ幅
のプリントヘッドが用いられる。色材は、１ページ幅の
プリントヘッドと記録媒体との圧接面において、ドナー
ウェブから記録媒体に転写される。製造の困難さとコス
トのために、感熱式プリンタヘッドを２ページ幅より大
きなサイズにすることは不可能である。

【０００６】インクジェット印字技術の進歩はまた、写
真印刷分野において、写真用のミニラボ、マイクロラボ
における応用の機会を提供した。こうした分野では、イ
ンクジェット印字技術は、簡単な画像操作、デジタル画
像ファイルとの適合性、及び処理時間の短縮という利点
を有する。インクジェットプリンタは、適切に構成する
ことより、伝統的な写真画像に匹敵する画質を提供でき
る。典型的な写真用フォーマットは、３Ｒ（３．５”×
５”）、４Ｒ（４”×６”）、ページサイズ（８．５”
×１１”）などである。一定の幅（例えば３．５”、
４”、５”）に対し、画像の長さは、クラシックからＨ
ＤＴＶ及びパノラマフォーマットまで変えることができ
る（例えば５”〜１２”）。

【０００７】商業目的のインクジェット印字において
は、１つのインクジェットプリンタで大きなフォーマッ
ト（３’（フィート）×４’（フィート））と伝統的な
写真フォーマットの両方でインク画像を形成できるのが
極めて望ましい。したがって、サービス提供者は、デジ
タル特性及び柔軟性を備えた伝統的な写真と、家庭、オ
フィス、看板、グラフィックアート用のディスプレイに
用いられるポスターサイズのインク画像とを提供でき
る。

【０００８】そこで、本発明の目的は、インク画像を有
するプリントを、大型及び小型フォーマットで効果的に
形成できるインクジェット印字装置を提供することであ
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るインクジェット印字装置は、記録媒体
上に複数のインク画像を形成し、また、少なくとも１つ
のデジタル画像を有するデジタル画像ファイルに応答し
て、記録媒体を切断することにより上記インク画像を有
する複数のプリントを形成する。

【００１０】本発明のインクジェット印字装置は、
（ａ） 記録媒体に対しインクを供給するための少なく
とも１つのインクジェットプリントヘッドを有し、一つ
又はそれ以上の走査ライン上でインクジェットプリント
ヘッドを移動することにより記録媒体上にインク画像を
形成するための手段と、（ｂ） 第１の記録媒体通路に
沿ってインクジェットプリントヘッドの下流側に記録媒
体を移動するための第１の移動手段と、（ｃ） １つ又
はそれ以上のデジタル画像ファイルに応答してインクジ
ェットプリントヘッドを駆動し、これにより記録媒体上
に複数のインク画像を形成するための制御手段と、
（ｄ） 制御手段に応答して駆動可能であって、第１の
記録媒体通路を横切って記録媒体を切断するための第１
の記録媒体カッタと、（ｅ） 第１の記録媒体通路に直
交する第２の記録媒体通路に沿って記録媒体を移動し、
（ｉ） 第１の記録媒体カッタにより切断された記録媒
体シートを収容する記録媒体搬送棚と、（ii） 切断さ
れた記録媒体を、位置合わせしながら第２の切断位置ま
で移動するための手段とを有する第２の移動手段と、
（ｆ） 制御手段に応答して駆動可能であって、第２の
切断位置に配置され、少なくとも１つのインク画像をそ
れぞれ有する複数のプリントを形成するために記録媒体
を逐次切断するための第２の切断カッタと、（ｇ） 個
々の小型フォーマットのプリントを収容するためのプリ
ントトレイと、を有する。

【００１１】

【発明の効果】本発明の利点は、小型及び大型両方のフ
ォーマットのプリントを作成する１つのインクジェット
印字装置により、複数の大きさのインク画像が提供でき
ることである。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、異なるフォーマットサイズ
でインク画像を記録媒体上に形成するための本発明に係
るインクジェット印字装置について説明する。

【００１３】本発明に係るインクジェット印字装置１０
の部分斜視図及び部分上面図がそれぞれ、図１及び図２
に示されている。本発明を説明する上で、明確さのため
に、図１及び図２においては、インクジェット印字装置
の主要な部材のみ示す。

【００１４】図１及び図２に示すように、インクジェッ
ト印字装置１０は、コンピュータ２０、フィルムスキャ
ナ２１、コンパクトディスク（ＣＤ）ドライブ２２、制
御電子回路２５、プリントヘッド駆動電子回路３０、複
数のインクジェットプリントヘッド４０、ディスプレイ
パネル４５、記録媒体搬送機構５５、及びプリントヘッ
ド搬送機構６５を有する。ディスプレイパネル４５は、
ユーザ又はオペレータからの情報入力を表示・受信でき
るタッチスクリーンを有する。インクジェット印字装置
１０はまた、右側フレームハウジング７５及び左側フレ
ームハウジング７６を有する。

【００１５】コンピュータ２０は、デジタル画像ファイ
ルと、ディスプレイパネル４５からの入力を受ける。デ
ジタル画像ファイルは、写真フィルム（例えば３５ｍ
ｍ、アドバンストフォトシステム、フィルムストリップ
など）を走査することにより、フィルムスキャナから入
力でき、あるいは、ＣＤドライブ２２を介して、ピクチ
ャＣＤ、フォトＣＤ、ＣＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤなどのＣＤ
から入力できる。デジタル画像は、デジタルネットワー
クやデジタルカメラからもってくることもできる。

【００１６】コンピュータ２０内のデジタル画像ファイ
ルは、複数のデジタル画像を有してもよい。各デジタル
画像は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの
複数の色画面を有してもよい。デジタル画像ファイル
は、各デジタル画像に対し、記録媒体（インクレシー
バ）５０上に印字される所望の画像フォーマットを有す
る。画像フォーマットには、３”×５”（３Ｒ）、４”
×６”（４Ｒ）、高解像度テレビ（ＨＤＴＶ）、パノラ
マなど当該分野でよく知られた小型フォーマットが含ま
れる。デジタル画像ファイルは、時刻、場所、場面、露
光条件、注釈など各デジタル画像に関する情報を有して
もよい。デジタル画像ファイルはまた、１１”×１
７”、３’×４’、４’×５’あるいは他のポスターサ
イズといった大型フォーマットのデジタル画像を有して
もよい。インク画像は、記録媒体５０の略全幅にわたっ
て印字できる。インク画像を有するプリントの縦横比
は、アスペクト比と呼ばれる。ユーザあるいはオペレー
タは、ディスプレイパネル４５を用いて、デジタル画像
ファイルに入れるための上述したような情報を入力す
る。ユーザは、自分がインク画像上に記したい注釈につ
いての情報を入力することもできる。

【００１７】コンピュータ２０は、デジタル画像ファイ
ルを受け取ると、個々の各デジタル画像に対し画像処理
を行う。当該分野でよく知られているように、画像処理
には、リサイジング、トーンスケール、カラー補正、ハ
ーフトーン処理、エッジ処理などが含まれる。注釈用情
報もデジタル画像内に組み込まれる。本発明では、複数
のデジタル画像は、大きなデジタル画像ファイル内に組
み込まれる必要がしばしばある。このようにして、イン
クジェットプリントヘッド４０は、プリントヘッド走査
方向７０に沿って１走査ライン分走査することにより、
複数の異なる各インク画像の一部を印字できる。コンピ
ュータ２０は、記録媒体の無駄部分を減らすために、記
録媒体５０上のインク画像の画像充填率を最大にする。
当業者により理解されるように、複数のインクジェット
プリントヘッドを用いるのが好ましいが、特にプリント
幅９２を横切る方向に関して調整できる場合、１つのイ
ンクジェットプリントヘッドを用いてもよい。

【００１８】インクジェット印字装置１０は、ウェブ状
の記録媒体５０を移動するための記録媒体搬送機構５５
を有し、記録媒体５０は、記録媒体ロール５７により第
１の記録媒体通路６０に沿って供給される。記録媒体ロ
ール５７は、軸５８の周りに巻回されている。記録媒体
５０の先端を検出するために、記録媒体センサ（図示し
ない）を第１の記録媒体通路６０に近接して設けてもよ
い。上記センサは、制御電子回路２５に信号を送り、先
端位置を特定する。記録媒体搬送機構５５は、制御電子
回路２５により制御される。

【００１９】図１に示すように、記録媒体ロール５７
は、記録媒体を取り替えるために、容易に装填・取外し
ができるようになっている。また、色々な幅のロールを
装填することもできる。例えば、４２”幅のプリンタに
対し、記録媒体ロールの幅は、３．５”、４”、８”、
１０”、１７”、２０”、３６”、４２”の中で変える
ことができる。インクジェット印字装置１０のユーザ又
はオペレータは、記録媒体ロール５７上の記録媒体５０
の幅５９を表わすユーザ情報を、ディスプレイパネル４
５に入力することができる。コンピュータ２０は、上記
記録媒体の幅５９に対応して、デジタル画像を構成し、
インクジェットプリントヘッド４０を駆動させてインク
画像８０及び９０を形成する。これらの画像８０、９０
は、記録媒体の無駄部分を最小にするために、記録媒体
上に適切に配置される。

【００２０】インクジェット印字装置１０はまた、カラ
ーインクをインクジェットプリントヘッド４０に供給す
るためのインク貯蔵部（図示しない）を有する。インク
ジェット印字装置１０は、ブラック、グリーン、レッ
ド、オレンジ、ゴールドなどの他のカラーインクや、ラ
イトシアン、ライトマゼンタインクなど同じ色でも濃度
の異なるインクを、印字・貯蔵するためのプリントヘッ
ド及びインク貯蔵部を有してもよい。

【００２１】コンピュータ２０は、プリントヘッド駆動
電子回路３０を制御し、これにより、インクジェットプ
リントヘッド４０を駆動し、記録媒体５０上にカラー画
像を印字する。これらのインクジェットプリントヘッド
４０は、単一構造であってもよいし、各プリントヘッド
は、カラーインクを印字するために独立していてもよ
い。各インクジェットプリントヘッド４０は、記録媒体
５０に対し異なるカラーインクドロップを供給するため
の、複数のインクノズル及びインクドロップ形成部を有
する。インクジェットプリントヘッド４０は、記録媒体
５０をラスター方式で印字する（一列毎に印字する）細
いプリントヘッドでもよい。インクドロップの吐出は、
例えばピエゾ型アクチュエータ、電熱式アクチュエータ
など当該分野でよく知られたインクジェット駆動手段に
より、インクノズルから行われる。

【００２２】インクジェットプリントヘッド４０は、制
御電子回路２５の制御のもとで、プリントヘッド搬送機
構６５により、ガイドレール６７に沿って搬送される。
インクジェットプリントヘッド４０は、フレキシブルコ
ネクタ６８に連結されている。フレキシブルコネクタ６
８は、プリントヘッド駆動電子回路３０からインクジェ
ットプリントヘッド４０まで伸びたデータ線と、カラー
インクをインクジェットプリントヘッド４０に供給する
インク供給ラインとを収容する。インクジェットプリン
トヘッド４０は、１走査ライン上を、第１の記録媒体通
路６０と直交するプリントヘッド走査方向７０に沿って
走査・印字を行う。記録媒体５０は、第１の記録媒体通
路６０に沿って移動し、続いて次の走査ラインが印字さ
れる。インクジェットプリントヘッド４０は、１方向で
印字を行ってもよいし、２方向で印字を行ってもよい。
動作中、インクジェットプリントヘッド４０は、記録媒
体を横切るように各走査ライン上を移動する。２方向モ
ードでは、インクジェットプリントヘッド４０はもとの
位置に戻らず、最初の走査方向とは反対の方向に移動す
る。

【００２３】印字中、プリントヘッド駆動電子回路３０
は、１つ又はそれ以上のデジタル画像ファイルからの画
像データに対応した信号を作成する。各デジタル画像フ
ァイルは、複数のデジタル画像を有することができる。
複数（例えば２つ）のインク画像は、デジタル画像ファ
イル内に含まれた各デジタル画像、あるいはディスプレ
イパネル４５を介してユーザによりコンピュータ２０に
入力された各デジタル画像に対応して印字することがで
きる。これらのデジタル画像に対応したインク画像８
０、９０は、そのフォーマットが、３．５”×５”（３
Ｒ）、４”×６”（４Ｒ）、高解像度テレビ（ＨＤＴ
Ｖ）（４”×７”）、パノラマ（４×１１．５”）など
ハロゲン化銀を用いた写真に対応したフォーマットと同
じになるように都合よく形成できる。

【００２４】本発明において、インク画像８０、９０の
２つの大きさを、図２に示すように、プリント幅９２及
びプリント長さ９３と呼ぶ。好適には、第１の記録媒体
通路を横切って形成されたインク画像８０、９０は、同
じプリント幅９２を有する。インク画像８０、９０は、
印字されない領域を最小にして無駄部分を少なくするた
めに、記録媒体５０上に形成される。同じプリント幅９
２のインク画像８０、９０に対し、プリント長さ９３
は、各インク画像のそれぞれのフォーマットに応じて変
更できる。例えば、インク画像８０、９０のプリント幅
が４”の場合、４Ｒ、ＨＤＴＶ、パノラマフォーマット
のプリント長さ９３はそれぞれ、６”、７．５”、１
０”、１１”、１２”が必要である。

【００２５】本発明において、インクジェット印字装置
１０はまた、第１の記録媒体カッタ１００及び第２の記
録媒体カッタ２２０を有する。第１の記録媒体カッタ１
００及び第２の記録媒体カッタ２２０は、制御電子回路
２５により駆動可能になっている。第１の記録媒体カッ
タ１００は、大きなフォーマット用のインクジェットプ
リンタのおいて一般的な切断用ホイールであるのが好適
である。第２の記録媒体カッタ２２０は、所定の間隔を
あけて互いに平行に配置された２つのブレードを有し、
これにより、動作中、１回の切断につき、２つの連続し
た画像間の境界を切断するのが好適である。当業者によ
り理解されるように、ブレード間の距離が調整可能に構
成できる。第１の記録媒体カッタ１００は、制御電子回
路２５による制御のもとで、第１の切断方向１０５に沿
って記録媒体５０を横切るように移動できる。プリント
の幅は、制御電子回路２５により変更でき、プリント長
さもカッタ１００、２２０を作動することにより変更で
きる。

【００２６】プリントをフォーマットの大小で区分けす
るために、第１の記録媒体通路６０の出口端部に、記録
媒体搬送棚１４５が設けてある。記録媒体搬送棚１４５
の記録媒体搬送表面１４６には、複数の円錐状のローラ
１５０が回転可能に設けてある。記録媒体搬送表面１４
６の外縁部に対向して、記録媒体位置決めプレート１４
７が配置されている。記録媒体位置決めプレート１４７
は、プラテン搬送機構１６５により上下に移動するよう
になっている。円錐ローラ１５０は、直径の大きな方の
端部が記録媒体位置決めプレート１４７側に位置するよ
うに配置されている。これらの円錐ローラ１５０は、以
下に示すように駆動すると、インク画像のセット１１０
を第２の記録媒体通路１６０に沿って搬送し、同時にイ
ンク画像のセットを記録媒体位置決めプレート１４７に
沿って位置合わせする。

【００２７】記録媒体位置決めプレート１４７は、記録
媒体搬送棚１４５に近接して配置されるとともに、プラ
テン搬送機構１６５により、小型フォーマットのプリン
ト用の第１の規制位置（図４参照）と大型フォーマット
のプリント用の第２の非規制位置（図３参照）との間で
移動できるようになっている。円錐ローラ１５０は、プ
ラテン搬送機構１６５により制御されるモータ及び駆動
機構（図示しない）によって回転する。記録媒体５０が
第１の記録媒体カッタ１００により切断された後、記録
媒体は、インク画像セット１１０となって記録媒体搬送
表面１４６上に落ちる。プラテン搬送機構１６５によ
り、円錐ローラ１５０は、記録媒体位置決めプレート１
４７に対して記録媒体を揃え合わせるとともに、記録媒
体を第２の記録媒体カッタ２２０まで搬送して、そこで
プリント２４０が所望の大きさに切断される。続いて、
プリント２４０は、プリントトレイ２５０の複数の収容
部２５５内に配置される。

【００２８】図３は、大型フォーマットのインク画像７
９が形成される際の記録媒体搬送構成を示す。記録媒体
の全幅５９にわたる大型フォーマットのインク画像７９
を、デジタル画像ファイルやユーザ入力にしたがって印
字する場合、記録媒体位置決めプレート１４７は、プラ
テン搬送機構１６５により下方に移動する。大型フォー
マットのインク画像７９が形成された記録媒体５０は、
記録媒体搬送棚１４５を通過して搬送される。続いて、
大型フォーマットのインク画像７９が形成された記録媒
体５０は、別のローラに巻回されてもよいし、あるいは
大型フォーマット用の市販のインクジェットプリンタの
ものと類似した比較的大きなトレイに排出されてもよ
い。なお、インクジェット印字装置１０は、上述したよ
うな大型フォーマットのインク画像として、１つのデジ
タル画像を記録媒体５０上に印字できる。

【００２９】図２及び図４に示すように、小型フォーマ
ットのインク画像８０、９０のセットは、第１の記録媒
体通路６０を横切って、記録媒体５０上に印字される。
記録媒体５０は、第１の切断方向１０５に沿って第１の
記録媒体カッタ１００により切断され、その結果、イン
ク画像のセット１１０が形成される。インク画像のセッ
ト１１０は、好適には、プリント幅９２が同じ複数のイ
ンク画像８０、９０を有する。伝統的な写真をまねる上
で縁のないプリントが望まれることが多いため、画像の
縁は、インク画像８０、９０のプリント長さ方向に伸び
た端に沿って切断できる。図示はしないが、画像の縁
は、廃棄物収容器に落とすようになっている。縁のない
印刷に関する詳細は、本願発明者により１９９８年７月
１７日に出願された米国特許第０９／１１８，５３８号
「縁のない画像を記録媒体上に形成するためのインクジ
ェット印字」にも開示されている。

【００３０】インク画像セット１１０のインク画像８
０、９０は、第１の記録媒体通路６０に沿った非印字領
域で分割できる。さらに、インクジェットプリントヘッ
ドによりインク画像８０、９０の間に分割用のマークを
印字してもよい。分割マークは、第１の記録媒体通路６
０に直交する第２の記録媒体通路１６０に沿って、分割
マークに続いてインク画像の長さに関する情報を有する
ように、符号化されてもよい。

【００３１】デジタル画像ファイルやユーザ入力にした
がって、小型フォーマットのインク画像８０、９０が印
字される場合、記録媒体位置決めプレート１４７は、プ
ラテン搬送機構１６５により上側に移動する。第１の記
録媒体カッタ１００が切断動作を終えると、インク画像
セット１１０が記録媒体上に形成される。インク画像セ
ット１１０は、図において、複数のインク画像１７０、
１８０、１９０として示されている。インク画像セット
１１０は、記録媒体搬送棚１４５上に搬送される。上側
位置に配置された記録媒体位置決めプレート１４７は、
第１の記録媒体通路６０方向へのインク画像セット１１
０の運動を制限する。円錐ローラ１５０は、プラテン搬
送機構１６５により駆動し、その結果、インク画像セッ
ト１１０が第２の記録媒体通路１６０に沿って移動す
る。プラテン搬送機構１６５は、制御電子回路２５によ
り制御される。上述したように、円錐ローラ１５０は、
インク画像セット１１０を、第２の記録媒体通路１６０
に沿った移動の間に、記録媒体位置決めプレート１４７
に対して位置合わせされるように搬送する。必要なら
ば、インク画像セット１１０を第２の記録媒体通路１６
０に対し相対的に前後に移動し、これにより、インク画
像セット１１０が記録媒体位置決めプレート１４７と接
触状態になるようにしてもよい。インク画像セット１１
０は、円錐ローラ１５０により記録媒体切断装置２００
まで搬送される。記録媒体切断装置２００は、記録媒体
検出器２１０と第２の記録媒体カッタ２２０を有する。

【００３２】インク画像セット１１０が記録媒体切断装
置２００を通過する際に、記録媒体検出器２１０は、イ
ンク画像セット１１０の先端を検出する。記録媒体検出
器２１０はまた、インク画像１７０、１８０、１９０間
の非印字領域、分割マーク、あるいは境界を検出する。
記録媒体検出器は制御電子回路２５に信号を送り、続い
て、制御電子回路２５がコンピュータ２０に対し記録媒
体の位置を示す信号を送る。コンピュータ２０は、イン
ク画像セット１１０のインク画像１７０、１８０、１９
０の境界位置を算出する。次に、コンピュータ２０は、
制御電子回路２５を制御し、第２の記録媒体カッタ２２
０を駆動して、インク画像セット１１０を逐次切断し、
印字されたインク画像１７０〜１９０間の記録媒体部分
を廃棄物として除去し、プリント２４０を形成する。除
去した部分は、廃棄物収容器２３０内に落下させる。

【００３３】このようにして、所望のサイズのインク画
像を有する個々のプリント２４０が、デジタル画像ファ
イルに対応して形成される。プリント２４０は、プリン
トトレイ２５０に配置・積層される。プリントトレイ２
５０は、複数の収容部２５５を有してもよく、各収容部
２５５が一群のプリント２４０を保管するために使用さ
れる。同じ利用者のプリントや同じフォーマットサイズ
のプリントは、同じ収容部２５５に保管されるのが望ま
しい。

【００３４】本発明において、上述したように、複数の
インク画像１７０〜１９０を有するインク画像セット１
１０が最初に形成されてから、個々のプリント２４０が
用意・積層される。したがって、印字動作と積層動作の
後に遅延時間が設けられる。この遅延時間は、インク画
像８０、９０、１７０〜１９０が記録媒体５０上で乾く
ための余分な時間であるが、十分に乾燥されないために
生じる画像欠陥を最小限にとどめる上で有効である。

【００３５】本発明の利点は、大型及び小型のフォーマ
ットを印字できる柔軟性であり、本発明のインクジェッ
ト印字装置１０の最大の特徴である。

【００３６】本発明の別の利点は、走査ラインが長いこ
とで印刷生産性が向上したことである。当該分野でよく
知られているように、走査ラインが長いと、インクジェ
ット印字のデューティサイクルが増加する。

【００３７】本願では、特定の好適な実施例を特に参照
しながら本発明を説明したが、その種々の変形例及び修
正例は、本発明の精神及び範囲内にあると考えられる。

【００３８】本願に関して、以下の関連する米国特許出
願を参照することができる。 （ｉ）出願番号０９／１１８，５３８、１９９８年７月
１７日出願、「縁のない画像を記録媒体上に形成するた
めのインクジェット印字」 （ii）出願番号０９／１３３，８７９、１９９８年８月
１４日出願、「インクジェットプリンタ内の記録媒体の
スキューを補正する方法」 （iii）出願番号０９／１８２，７１１、１９９８年１
０月２９日出願「フォーマットが選択可能なインクジェ
ット印字」

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係るインクジェット印字装置の部分
斜視図。

【図２】 図１のインクジェット印字装置の部分上面
図。

【図３】 記録媒体の全幅にわたる大型フォーマットの
インク画像を印字するための記録媒体搬送構成を示す
図。

【図４】 小型フォーマットのインク画像を印字するた
めの記録媒体搬送構成を示す図。

【符号の説明】

１０：インクジェット印字装置、４０：インクジェット
プリントヘッド、４５：ディスプレイパネル、５０：記
録媒体、５７：記録媒体ロール、５８：軸、６０：第１
の記録媒体通路、６７：ガイドレール、６８：フレキシ
ブルコネクタ、７５：右側フレームハウジング、７６：
左側フレームハウジング、７９：大型フォーマットのイ
ンク画像、８０：インク画像、９０：インク画像、１０
０：第１の記録媒体カッタ、１１０：インク画像セッ
ト、１４５：記録媒体搬送棚、１４７：記録媒体位置決
めプレート、１５０：円錐ローラ、１６０：第２の記録
媒体通路、１７０：インク画像、１８０：インク画像、
１９０：インク画像、２００：記録媒体切断装置、２１
０：記録媒体検出器、２２０：第２の記録媒体カッタ、
２３０：廃棄物収容器、２４０：プリント、２５０：プ
リントトレイ、２５５：収容部。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録媒体上に複数のインク画像を形成
   し、少なくとも１つのデジタル画像を有するデジタル画
   像ファイルに応答して、記録媒体を切断することにより
   上記インク画像を有する複数のプリントを形成するイン
   クジェット印字装置であって、（ａ） 記録媒体に対し
   インクを供給するための少なくとも１つのインクジェッ
   トプリントヘッドを有し、一つ又はそれ以上の走査ライ
   ン上でインクジェットプリントヘッドを移動することに
   より記録媒体上にインク画像を形成するための手段と、
   （ｂ） 第１の記録媒体通路に沿ってインクジェットプ
   リントヘッドの下流側に記録媒体を移動するための第１
   の移動手段と、（ｃ） １つ又はそれ以上のデジタル画
   像ファイルに応答してインクジェットプリントヘッドを
   駆動し、これにより記録媒体上に複数のインク画像を形
   成するための制御手段と、（ｄ） 制御手段に応答して
   駆動可能であって、第１の記録媒体通路を横切って記録
   媒体を切断するための第１の記録媒体カッタと、（ｅ）
   第１の記録媒体通路に直交する第２の記録媒体通路に
   沿って記録媒体を移動し、 （ｉ） 第１の記録媒体カッタにより切断された記録媒
   体シートを収容する記録媒体搬送棚と、 （ii） 切断された記録媒体を、位置合わせしながら第
   ２の切断位置まで移動するための手段とを有する第２の
   移動手段と、（ｆ） 制御手段に応答して駆動可能であ
   って、第２の切断位置に配置され、少なくとも１つのイ
   ンク画像をそれぞれ有する複数のプリントを形成するた
   めに記録媒体を逐次切断するための第２の切断カッタ
   と、（ｇ） 個々の小型フォーマットのプリントを収容
   するためのプリントトレイと、を有するインクジェット
   印字装置。
2. 【請求項２】 記録媒体搬送棚に近接して配置され、上
   記小型フォーマットのプリント用の第１の規制位置と大
   型フォーマットのプリント用の第２の非規制位置との間
   で移動可能な記録媒体位置合わせプレートをさらに有す
   る請求項１のインクジェット印刷装置。
3. 【請求項３】 プリントトレイは、プリントを収容する
   ための複数の収容部を有することを特徴とする請求項１
   のインクジェット印刷装置。