JP2005014434A - インクジェット記録装置の制御方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】記録画質を低下させずにスムーズな両面印刷を可能とする。
【解決手段】記録媒体に両面印刷を行うために、一方の面が記録された記録媒体を反転させた後に再度記録領域に搬送する両面印刷ユニットを有し、記録媒体上にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドを用いて、ホスト機器から送信された情報に基づいて記録を行う、インクジェット記録装置において、両面印刷が指示されたときに、ホスト機器から送信された該両面印刷に関する情報に基づいて、宛名面をインク付与量の少ない面と判定して先に記録するように制御する。
【選択図】 図6
【解決手段】記録媒体に両面印刷を行うために、一方の面が記録された記録媒体を反転させた後に再度記録領域に搬送する両面印刷ユニットを有し、記録媒体上にインクを吐出して記録を行う記録ヘッドを用いて、ホスト機器から送信された情報に基づいて記録を行う、インクジェット記録装置において、両面印刷が指示されたときに、ホスト機器から送信された該両面印刷に関する情報に基づいて、宛名面をインク付与量の少ない面と判定して先に記録するように制御する。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置を制御する方法およびそのプログラムに関し、特に、記録媒体に両面印刷を行うことが可能なインクジェット記録装置(例えば、一方の面が記録された記録媒体を反転させた後に、再度、記録ヘッドと対向する記録領域へ記録媒体を搬送する両面自動印刷ユニットを装着可能なインクジェット記録装置)における両面印刷の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行う記録装置(プリンタ)が広く使用されている。
【0003】
このような記録装置は、記録方式により、インクジェット方式、ワイヤドット方式、サーマル方式、レーザービーム方式等に分ける事が出来る。そのうちのインクジェット方式は、記録ヘッド(インクジェット記録ヘッド)の吐出口(ノズル)からインク(記録液)滴を吐出飛翔させ、これを記録媒体(被記録材)に付着させて記録するように構成されている。
【0004】
近年、このようなインクジェットプリンタを用いて、自らデザインした文字やデジタルカメラ等で撮影した写真画像をはがきに記録する事が広く行われている。さらに、いわゆるフチ無し印刷が可能なプリンタが増えており、写真等の画像データを記録媒体(例えば、はがき)の縁まで記録することが可能となっている。
【0005】
また、年賀ハガキなどを記録する場合、まず写真やメッセージの書かれた通信面もしくは宛名面だけを記録してから裏返して、裏側の面の記録を行うようにするのが一般的であったが、近年、そのような手間を省くことが可能な両面自動印刷ユニットが提案されている(特許文献1参照)。両面自動印刷ユニットを備えたインクジェットプリンタでは、まず、一方の面に通常の記録を行った後に、記録媒体を逆方向に搬送して反転ユニットに供給し、反転ユニットで記録媒体を反転させた後に記録媒体を再度記録位置へ搬送することによって、他方の面を記録させる事ができる。これにより、一枚毎に、宛名面と通信面とを記録していく事が出来るのである。
【0006】
【特許文献1】特開平2003−048311号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インクジェットプリンタでは、記録媒体に対するインク打ち込み量が多くなると、記録媒体自体にカール等の変形が生じる場合がある。これは特に、サイズの小さいハガキなどでは発生しやすく、また、記録媒体の端部にまで記録を行うフチ無し印刷において発生しやすい。
【0008】
そして、両面自動印刷実行中に記録媒体にこのような変形が生じた場合、両面自動印刷ユニットなどのプリンタ本体内の給紙・搬送経路でひっかかってジャムが発生したり、ジャムが発生しないまでも適正な姿勢で搬送する事ができ無くなり、正しく記録が行えなくなる可能性がある。
【0009】
この対策として、記録媒体全体に対するインクの打ちこみ量を制限する手法があるが、この手法の場合、高濃度部分に対するインクの打ち込み量が減少してコントラストや記録濃度が低下してしまい、画像の品質が低下してしまう。
【0010】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、記録媒体のカールによる搬送不良を低減させて、画質低下を極力招かないようにすることを目的とする。
【0011】
また、本発明は、記録媒体のカールによる搬送不良を低減するための処理を簡単且つ短時間で実現可能な構成を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、複数枚の記録媒体に対して記録を行うにあたり、記録媒体の搬送不良を低減しつつも、記録後においてページの裏表が逆になってページの並び順がくずれてしまうような弊害を回避できる構成を提供とすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の一形態は、記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面それぞれに対して記録を行う両面記録が可能なインクジェット記録装置を制御する方法であって、両面記録を実行するための両面記録モードを指定する工程と、前記両面記録モードが指定された場合、前記記録媒体の2つの面に対応する第1および第2データのうち、どちらのデータを先に記録するかを判定する工程とを有し、前記判定工程では、前記第2データに基づき付与されるインクの付与量に関する第2の値が前記第1データに基づき付与されるインクの付与量に関する第1の値より小さく、且つ、前記第1の値と前記第2の値との差が所定値以上の場合、先に記録するデータを前記第2データと判定することを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の別の一形態は、記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面に対して記録を行うために、一方の面が記録された記録媒体を反転させた後に、再度、前記記録ヘッドにより記録が可能な領域へ前記記録媒体を搬送する両面記録ユニットを装着可能なインクジェット記録装置における両面記録を制御する方法であって、両面記録を実行するための両面記録モードを指定する指定工程と、前記両面記録モードが指定された場合、前記記録媒体の2つの面に対応する第1および第2データのうち、先に記録するデータと後に記録するデータを決定する決定工程と、前記記録媒体の一方の面に対し、前記決定された先に記録するデータに基づいて前記記録ヘッドからインクを吐出する第1のインク吐出工程と、前記一方の面に記録がなされた記録媒体を反転させ、当該反転させた記録媒体の他方の面に対し、前記決定された後に記録するデータに基づいて前記記録ヘッドからインクを吐出する第2のインク吐出工程と、前記第2のインク吐出工程の後、前記記録媒体を排紙部へ排出する排出工程とを有し、前記決定工程では、(A)前記第2データに基づき付与されるインクの付与量に関する第2の値が前記第1データに基づき付与されるインクの付与量に関する第1の値より小さく、且つ、前記第1の値と前記第2の値との差が所定値以上となる条件を満たす場合、前記先に記録するデータが前記第2データと決定され、前記後に記録するデータが前記第1データと決定され、(B)前記条件を満たさない場合、前記先に記録するデータが前記第1データと決定され、前記後に記録するデータが前記第2データと決定されることを特徴とするものである。
【0015】
なお、これら形態において、インクの付与量に関する値とは、インク付与数あるいは記録画素数であることが好ましい。また、上記第2データとは、本来先に記録されるべきデータのことを指し、一方、上記第1データとは、本来後に記録されるべきデータのことを指す。
【0016】
また、本発明の別の一形態は、記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面それぞれに対して記録を行う両面記録を実行するためのプログラムであって、両面記録モードが指定された場合に、前記記録媒体の2つの面に対応する第1および第2データのうち、どちらのデータを先に記録するかを判定するにあたり、前記第2データに基づき付与されるインクの付与量に関する第2の値が前記第1データに基づき付与されるインクの付与量に関する第1の値より小さく、且つ、前記第1の値と前記第2の値との差が所定値以上の場合、先に記録するデータを前記第2データと判定する工程を、コンピュータに実行させることを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明の別の一形態は、記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面それぞれに対して記録を行う両面記録が可能なインクジェット記録装置を制御する方法であって、両面記録を実行するための両面記録モードを指定する工程と、記録に使用する記録媒体の種類を指定する工程と、前記両面記録モードが指定され、且つ前記指定された記録媒体の種類がハガキの場合、前記ハガキの2つの面に対応するデータのうち、前記ハガキの宛名を記載する面のデータが先に記録されるよう制御する工程と、を有することを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明の別の一形態は、記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面に対して記録を行うために、一方の面が記録された記録媒体を反転させた後に、再度、前記記録ヘッドにより記録が可能な領域へ前記記録媒体を搬送する両面記録ユニットを装着可能なインクジェット記録装置における両面記録を制御する方法であって、両面記録を実行するための両面記録モードを指定する指定工程と、前記両面記録モードが指定された場合、前記記録媒体の2つの面に対応するデータのうち、先に記録するデータと後に記録するデータを決定する決定工程と、前記記録媒体の一方の面に対し、前記決定された先に記録するデータに基づいて前記記録ヘッドからインクを吐出する第1のインク吐出工程と、前記一方の面に記録がなされた記録媒体を反転させ、当該反転させた記録媒体の他方の面に対し、前記決定された後に記録するデータに基づいて前記記録ヘッドからインクを吐出する第2のインク吐出工程とを有し、前記記録媒体がハガキの場合、前記決定工程では、前記ハガキの宛名を記載する面のデータを前記先に記録するデータと定めることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明の別の一形態は、記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面それぞれに対して記録を行う両面記録を実行するためのプログラムであって、両面記録を実行するための両面記録モードを指定する工程と、記録に使用する記録媒体の種類を指定する工程と、前記両面記録モードが指定され、且つ前記指定された記録媒体の種類がハガキの場合、前記ハガキの2つの面に対応するデータのうち、前記ハガキの宛名を記載する面のデータが先に記録されるよう制御する工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とするものである。
【0020】
以上の構成によれば、インク付与量(打ち込み量)が相対的に少ない面あるいは少ないと推測される面の記録を先に行うことで、両面自動印刷ユニットに記録媒体を供給するときに、記録媒体にカールが生じている可能性を減らす。
【0021】
従って、両面自動印刷ユニットによって記録媒体を反転する際に、記録媒体のカールによる、搬送経路でのジャムや搬送におけるトラブルを低減することができると共に、予めインク付与量を制限することが不要となり、記録画質を低下させずにスムーズに両面印刷を行うことができる。
【0022】
なお、本発明は上記のインクジェット記録装置の態様以外に、該記録装置に対応するインクジェット記録装置の両面印刷制御方法、該方法に対応するプリンタドライバとしても実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0024】
本明細書において、「記録」(「印刷」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0025】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0026】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(印刷)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0027】
始めに、以下で説明する各実施形態に共通な本発明に係るインクジェット記録装置の構成について説明する。
【0028】
(基本的構成)
まず、本発明に係るインクジェット記録装置の基本的構成を説明する。
本発明に係るインクジェット記録装置1は、主として、給紙部2、送紙部3、排紙部4、キャリッジ部5、クリーニング部6、記録媒体反転部9から構成されている。そこで、これらを項目に分けて概略を順次述べていく。なお、図1は記録装置1の全体構成を示す斜視図、図2は記録装置1の側面からの構成断面図、図3は、記録媒体反転部(両面自動印刷ユニット)の概略図で、図1、2、3を用いて(I)給紙部、(II)送紙部、(III)キャリッジ部、(IV)クリーニング部、(V)排紙部、(VI)記録媒体反転部の説明をする。
【0029】
(I)給紙部
給紙部2は記録紙Pを積載する圧板21と記録紙Pを給紙する給送回転体22がベース20に取り付けられる構成となっている。圧板21には可動サイドガイド23が移動可能に設けられて、記録紙Pの積載位置を規制している。圧板21はベース20に結合された回転軸38を中心に回転可能で、圧板バネ24により給送回転体22に付勢される。給送回転体22と対向する圧板21の部位には、記録紙Pの重送を防止する人工皮等の摩擦係数の大きい材質からなる分離パッドが設けられている。さらに、ベースには、記録紙Pの一方向の角部を覆い、記録紙Pを一枚ずつ分離するための分離爪、厚紙等分離爪が使えないものを分離するためにベース20に一体形成された土手部27、普通紙ポジションでは分離爪が作用し、厚紙ポジションでは分離爪が作用しないように切り換えるための切り替えレバー28、圧板21と給送回転体22の当接を解除するリリースカム29、が設けられている。
【0030】
上記構成において、待機状態ではリリースカム29が圧板21を所定位置まで押し下げている。これにより、圧板21と給送回転体22の当接は解除される。そして、この状態で搬送ローラ36の有する駆動力が、ギア等により給送回転体22及びリリースカム29に伝達されると、リリースカム29は圧板21から離れるので圧板21は上昇し、給送回転体22と記録紙Pが当接し、給送回転体22の回転に伴い記録紙Pはピックアップされ給紙を開始し、分離爪によって一枚ずつ分離されて送紙部3に送られる。給送回転体22及びリリースカム29は記録紙Pを送紙部3に送り込むまで回転し、記録紙Pを送紙部3に送り込み終えた時点で、リリースカム2の作用により、再び記録紙Pと給送回転体22との当接が解除されて待機状態となり、搬送ローラ36からの駆動力は遮断される。
【0031】
(II)送紙部
送紙部3は記録紙Pを搬送する搬送ローラ36とPEセンサー32を有している。搬送ローラ36には従動するピンチローラ37が当接して設けられている。
【0032】
ピンチローラ37はピンチローラガイド30に回動可能に保持され、ピンチローラガイド30をピンチローラバネで付勢することで、ピンチローラ37を搬送ローラ36に圧接させて記録紙Pの搬送力を生み出している。さらに、記録紙Pが搬送されてくる送紙部3の入口には記録紙Pをガイドする上ガイド33及びプラテン34が配設されている。また、上ガイド33には記録紙Pの先端、後端検出をPEセンサ−32に伝えるPEセンサーレバー35が設けられている。
【0033】
上記構成において、送紙部3に送られた記録紙Pはプラテン34、ピンチローラガイド30及び上ガイド33に案内されて、搬送ローラ36とピンチローラ37とのローラ対へと送られる。この時、PEセンサーレバー35で搬送されてきた記録紙Pの先端を検知して、これにより記録紙Pの記録位置を求めている。また、記録紙Pは不図示のLFモーターによりローラ対36、37が回転することでプラテン34上を搬送される。
【0034】
(III)キャリッジ部
キャリッジ部5は、記録ヘッド7を取り付けるキャリッジ50を有している。そしてキャリッジ50は、記録紙Pの搬送方向に対して直交方向に往復走査させるためのガイド軸81及びキャリッジ50の後端を保持して記録ヘッド7と記録紙Pとの隙間を維持するガイドレール82によって支持されている。なお、これらガイド軸81及びガイドレール82はシャーシー8に取り付けられている。また、キャリッジ50はシャーシー8に取り付けられたキャリッジモータによりタイミングベルト83を介して駆動される。このタイミングベルト83は、アイドルプーリー84の間に適度な張りをもたせて支持されている。さらに、キャリッジ50には、電気基板9から記録ヘッド7に信号を伝えるためのフレキシブル基板56を備えている。
【0035】
なお、記録ヘッド7はインクタンクが着脱可能に構成された交換容易なインクジェット記録ヘッドが用いられている。この記録ヘッド7は、ヒータ等によりインクに熱を与えることが可能となっている。そして、この熱によりインクは膜沸騰し、この膜沸騰による気泡の成長または収縮によって生じる圧力変化によって記録ヘッド7のノズルからインクが吐出されて記録紙P上に画像が形成される。
【0036】
上記構成において、記録紙Pに画像形成する時は、画像形成する行位置(記録紙Pの搬送方向の位置)へとローラ対36、37が記録紙Pを搬送すると共にキャリッジモーターによりキャリッジ50を画像形成する列位置(記録紙Pの搬送方向と直交する方向における位置)に移動させて、記録ヘッド7を画像形成位置に対向させる。その後、電気基板からの信号により記録ヘッド7が記録紙Pに向けてインクを吐出して画像が形成される。
【0037】
また、キャリッジ50に対する記録ヘッド7の着脱や、記録ヘッド7に対するインクタンクの着脱は、不図示の操作キーを押してキャリッジ50を所定の位置へと移動させた後に、その位置で行うようになっている。
【0038】
記録ヘッド7としては、ブラックのインクタンクのみが取り付けられモノクロ記録を行うブラック記録ヘッドと、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインクタンクが取り付けられカラー記録を行うカラー記録ヘッドとのいずれかを選択的に搭載可能である。これら記録に使用するインクとしては、いずれも水溶性の染料インクを用いる。
【0039】
(IV)クリ−ニング部
クリーニング部6は、記録ヘッド7のクリーニングを行うポンプ60と、記録ヘッド7の乾燥を抑えるためのキャップ61及び搬送ローラ36からの駆動力を給紙部2及びポンプ60に切り換える駆動切り替えアーム62とから構成されている。給紙、クリーニング以外の時は、駆動切り替えアーム62が、搬送ローラ36の軸心を中心に回転する遊星ギア(不図示)を所定位置に固定しているので、給紙部2及びポンプ60に駆動力は伝達されない。キャリッジ50が移動することで、駆動切り替えアーム62をA方向に移動させると、遊星ギアがフリーになるので搬送ローラ36の正転、逆転に応じて遊星ギアが移動し、搬送ローラ36が正転したときは給紙部2に駆動力が伝達され、逆転したときはポンプ60に駆動力が伝達されるようになっている。
【0040】
(V)排紙部
排紙部4には2本の排紙ローラ41,41Aが設けられると共に、搬送ローラ36と排紙ローラ41に当設する伝達ローラ40と、排紙ローラ41と排紙ローラ41Aに当設する伝達ローラ40Aとが設けられている。したがって、搬送ローラ36の駆動力が伝達ローラ40を介して排紙ローラ41に伝達され、伝達ローラ41Aによって排紙ローラ41Aに伝達される。
【0041】
また、排紙ローラ41、41Aに従動して回転可能な如く拍車42、42Aが排紙ローラ41、41Aに当接され、拍車42、42Aにはクリーニングローラ44が回転可能に当接されている。以上の構成によって、キャリッジ部5で画像形成された記録紙Pは、前記排紙ローラ41、41aと拍車42、42aとに挟まれ、搬送されて排紙トレー100に排出される。
【0042】
排紙ローラ41Aの下流側には記録後の排紙される記録紙Pを支持する後述の排紙サポート104が設けられ、排紙サポート104は案内部材102に回転可能に取付けられている。案内部材102はプラテン34からの突出位置とプラテン34上へ退避位置との間を直線移動可能に支持されており、この案内部材102の移動に伴って排紙サポート104は回転動作するようになっている。
【0043】
(VI)記録媒体反転部
記録媒体反転部(両面自動印刷ユニット)9は、給紙用搬送路94と搬送ローラ36とインクジェット記録装置1の後方の反転ユニット90とから構成される。ここで、反転ユニット90は、用紙抑えローラ95と反転用小ローラ92とループ状の反転用搬送路93と反転用大ローラ91とから構成されている。搬送ローラ36は、モータによって正方向および逆方向に回転駆動が可能である。搬送ローラ36を正方向送りで通過させることで給紙部2から給紙された記録紙Pの一方の面を記録後、搬送ローラ36を逆方向送りして、給紙用搬送路94にある記録紙Pを反転用搬送路93に送り、反転させた後、再度記録ヘッド7で他方の面の記録を行うようになっている。ここで、記録紙Pは、図3に示すようにA→B→C→E→F→Gの順で反転用搬送路93を通り、反転が行われる。
【0044】
(制御構成)
図4は、本発明に係るインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図であり、2210はインターフェース、2211はゲートアレイである。2212はROM、2213はDRAM、2214はMPUである。2215はヘッドドライバ、2216は紙送り用のモータドライバ、2219は紙送り用の搬送モータである。2217はキャリッジモータ用のモータドライバ、2220はキャリッジ駆動用のキャリッジモータである。
【0045】
上記構成を有する制御系において、ホストからの記録データが2210のインターフェースを介して送られてくると、ゲートアレイ2211を通してDRAM2213に記録データが一時蓄えられる。その後、DRAM2213のデータをゲートアレイ2211によって、ラスタデータから記録ヘッド2218で記録するためのプリントイメージ(記録データ)に変換し、再度DRAM2213に記憶する。そのデータを再度ゲートアレイ2211によって、ヘッドドライバー2215を介して記録ヘッド2218に送り、対応したノズル位置のインクを吐出させて記録を行う。その際、記録すべきドットのカウンタをゲートアレイ2211上に構成しておき、高速で記録したドット数をカウントできる構成としておく。
【0046】
以下、上記のような構成のインクジェット記録装置において両面自動印刷を行う際の制御に係る、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の記録装置は、記録媒体に両面印刷を行うことが可能な構成であり、例えば、一方の面が記録された記録媒体を反転させた後に、再度、記録ヘッドにより記録される領域へ記録媒体を搬送する両面自動印刷ユニットを装着可能な構成となっている。
【0047】
<第1の実施形態>
上述のように本発明は、記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面に対して記録を行うために、一方の面が記録された記録媒体を反転させた後に、再度、前記記録ヘッドにより記録が可能な領域へ前記記録媒体を搬送する両面自動印刷ユニットを装着可能なインクジェット記録装置における両面記録を制御する方法であって、両面印刷を実行するためのモード(両面印刷モード)が指示された場合、インク付与量が少ないと推測される方の面を先に記録するように制御するインクジェット記録装置であるが、特に、この第1の実施形態では、両面印刷モードが指定され且つ使用する記録媒体の種類としてはがきが指定された場合に、はがきの宛名面を先に記録するよう制御する点を特徴としている。
【0048】
すなわち、記録媒体がハガキである場合、宛名を記載する面(宛名面)には主に文字と数字が記録されるため、インク付与量は少ないと推測され、一方、宛名面の裏側の通信面には主に写真等の画像が記録されるため、インク付与量が多いと推測される。そこで、本実施形態では、はがきの表裏それぞれに対する実際のインク付与量(インク付与数)を演算するような処理は行わず、はがきの宛名面をインク付与量の少ない面と推測し、インク付与量が少ないであろう宛名面を先に記録するのである。なお、宛名を記載する面をユーザが指定することが可能に構成されていてもよい。
【0049】
第1の実施形態は、上記のような構成の両面自動印刷ユニット付きのインクジェット記録装置における、ハガキに両面自動印刷を行う場合の制御に関するものである。
【0050】
本実施形態では、上記のような構成の両面自動印刷ユニット付きのインクジェット記録装置において、ハガキに自動両面印刷を実行する際に、宛名面の記録を先に行い、その後、両面自動印刷ユニットによってハガキを反転させて、裏面の通信面の記録を行うように制御する。
【0051】
ここで、本実施形態においては、ハガキが官製であるか私製であるかに関らず、図5の(a)に示すように郵便番号や宛先を記載する面を宛名面、図5の(b)に示すように宛名面の裏面であり文章や画像を記録する面を通信面と定義する。
【0052】
図6は、本実施形態で1枚のハガキに両面印刷を行う時のシーケンスの一例を示すフローチャートである。
【0053】
両面印刷モードの実行が指示されると、まず、ステップS61において、はがきの両面(宛名面と通信面)のうち、宛名面を先に記録する。次に、ステップS62において、両面自動印刷ユニットにより、ハガキを反転させる。そして、ステップS63に進んで通信面に記録を行い、両面が印刷されたハガキを記録装置から排出する。
【0054】
このように本実施形態では、インクを多量に吸収するとカールしやすいハガキに両面印刷を行う場合、宛名面は記録される領域が相対的に少なく且つ使用されるインクも通常ブラックのみであり、通信面は記録される領域が相対的に多く且つ写真画像などの複数色のインクを使用する画像が印刷されることが多いことに着目し、通信面と比較してインク付与量(打ち込み量)が相対的に少ないと考えられる宛名面の記録を先に行い、両面自動印刷ユニットにハガキを供給するときにハガキにカールが生じている可能性を減らす。これにより、両面自動印刷ユニットによってハガキを反転する際に、ハガキのカールによる、搬送経路でのジャムや搬送におけるトラブルを低減することができ、記録画質を低下させずにスムーズに両面印刷を行うことができる。
【0055】
なお、両面印刷モードの実行指示は、インクジェット記録装置に接続されるホスト機器のプリンタドライバにて行うことが可能であり、プリンタドライバを起動してハガキに両面印刷を実行する場合には、ユーザが指定した2つのデータのどちらが宛名面に対応するデータか、ユーザがコマンド又はマウス等の入力機器等で設定できるようにするのが好ましい。これは、ハガキに両面印刷を実行する際には、通常はハガキ印刷ソフトなどが起動され、該ソフトで設けられたコマンドやメニュー画面などから両面印刷が指示され、当該ソフトではユーザが作成したデータは宛名面と通信面のどちらのデータであるか識別できるが、インクジェット記録装置のプリンタドライバを起動してハガキに両面印刷を実行する場合には、ユーザが作成又は指定したデータが宛名面と通信面のどちらのデータであるか識別できないからである。
【0056】
以上説明したように本実施形態によれば、通常は通信面と比較してインク打ち込み量が相対的に少ない宛名面の記録を先に行い、両面自動印刷ユニットにハガキを供給するときにハガキにカールが生じている可能性を減らす。これにより、両面自動印刷ユニットによってハガキを反転する際に、ハガキのカールによる、搬送経路でのジャムや搬送におけるトラブルを低減することができ、記録画質を低下させずにスムーズに両面印刷を行うことができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、先に記録する面を決定するにあたり、上記特許文献1のように記録媒体の表裏それぞれに対する実際のインク付与量(インク付与数)を演算し、インク付与量が少ない面を判定し、当該判定された面を先に記録する面と決定するような処理は行っていないので、簡単且つ短時間な構成で、搬送経路でのジャムや搬送におけるトラブル等の搬送不良を低減できる。
【0058】
本実施形態は、ハガキのように表裏の面で記録される内容が異なる記録媒体に対して両面印刷を実行する場合に好適であり、多数のハガキに両面印刷をする場合などに、特に好適である。
【0059】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。以下の説明では上記第1の実施形態と同様な部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0060】
上記第1の実施形態は、両面自動印刷ユニット付きのインクジェット記録装置においてハガキに両面印刷を行うときに、宛名面をインク付与量の少ない面として認識し、宛名面を先に印刷するよう制御するものであったが、第2の実施形態は、両面自動印刷ユニット付きのインクジェット記録装置において記録媒体に両面印刷を行うときに、記録媒体の2つの面に対応する第1および第2データ(表面データと裏面データ)のうち、記録ヘッドからのインク吐出数(記録ドット数)の少ない方のデータを先に記録するように制御するものである。但し、表面データと裏面データの記録ドット数の差が所定範囲内である場合には、表面データよりも裏面データの記録ドット数が多くとも、表面データから先に記録するように制御する。つまり、本実施形態では、(A)裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数より少なく、且つ裏面データの記録ドット数と表面データの記録ドット数の差が所定値以上の場合にだけ、裏面データから先に記録するように制御し、一方、(B)裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数より少ないけれども、裏面データの記録ドット数と表面データの記録ドット数の差が所定値未満の場合や、裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数以上の場合には、通常通り、表面データから先に記録するよう制御する。
【0061】
すなわち、両面自動印刷ユニット付きのインクジェット記録装置において、両面印刷の実行を指示された時、記録媒体の表裏それぞれに記録されるべき記録データから記録ドット数を算出し、記録ドット数が少ない方の面に先に記録を行い、両面ユニットで反転させた後、記録ドット数が多い方の面に後で記録を行う。
【0062】
ここで、表面データ・裏面データと言っているのは、印刷の実行が指示されたソフトウェアによってプリンタに送られる予定の、2つの面に対応する記録データ(第1および第2データ)のうち、先にあるデータを表面データ(第1データ)、後にある方を裏面データ(第2データ)と言っている。つまり、表面データ(第1データ)は、本来先に転送されてくるべきデータであり、裏面データ(第2データ)は本来後に転送されてくるべきデータである。言い換えれば、記録媒体の2つの面に対応する第1および第2データのうち、本来先に記録されるべきデータを第1データ(表面データ)、本来後から記録されるべきデータを第2データ(裏面データ)と定義している。なお、表面データ及び裏面データの記録ドット数の差がわずか(所定範囲内)である場合には、記録データが送られてくる順番に従って記録を行う。
【0063】
ここで、裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数より少ないけれども、裏面データの記録ドット数と表面データの記録ドット数の差が所定値未満の場合に、裏面データに基づく記録を先には行わず、通常通り、表面データに基づく記録を先に行うように制御する理由について説明する。
【0064】
インク付与量が多い程、カールが生じ易く搬送不良が発生し易いという視点からすれば、例外なく、インク付与量の少ない面を先に記録するよう制御することが好ましい。従って、上記視点からすれば、裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数より少ない場合には、必ず、裏面データに基づく記録を先には行うことが好ましい。ところが、裏面データに基づく記録を先には行うと、ページの表裏が逆になって排出され、特に、複数枚の記録媒体に記録を行う場合にあっては、ページの並び順がくずれてしまう。また、裏面データを先に記録するには、本体先に記録されるべき表面データとの記録順序を逆転させる必要性があるが、このような制御は複雑である。従って、裏面データに基づく記録を先に行うことによる効果、つまり、搬送不良の低減効果があまり現れないような場合には、敢えて表裏を逆転させて記録することに意味はなく、むしろ、ページの並び順がくずれたり、制御が複雑化するといったデメリットが生じる。そこで、本実施形態では、裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数より少ない場合であっても、裏面データの記録ドット数と表面データの記録ドット数の差が所定値未満の場合には、ページの並び順がくずれたり、制御が複雑化するといったデメリットを発生させないようにするべく、通常通り、表面データに基づく記録を先に行うように制御しているのである。
【0065】
なお、インク付与量と記録ドット数との関係は、例えば、大きさの異なる大小2種類の記録ドットを用いた記録が可能に構成されているプリンタでは、夫々の記録ドットのドット数に該記録ドットに対するインク吐出量を乗じることによってインク付与量が算出されるので、記録ドット数とインク付与量とは必ずしも比例関係とはならないが、全ての記録ドットの大きさが略等しいと考えられるときは、インク付与量と記録ドット数は比例関係にあり、総ドット数の少ない面は、インク付与量も少ない面であると言える。
【0066】
図7は、本実施形態で1枚のハガキに両面印刷を行う時のシーケンスの一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、全ての記録ドットの大きさが略等しいと想定して、記録ドット数としてドットカウント数を用いて先に記録する面を決定する場合の処理を示している。
【0067】
両面印刷の実行が指示されると、まず、ステップS71において、表面データおよび裏面データそれぞれにおける記録ドットの総数をそれぞれ算出し、どちらの面の総ドット数が多いか比較する。次に、ステップS72において、裏面データの総ドット数が表面データの総ドット数より少なく、且つ裏面データの総ドット数と表面データの総ドット数の差が所定値以上であるか否かを判定する。 裏面データの総ドット数が表面データの総ドット数より少なく、且つ裏面データの総ドット数と表面データの総ドット数の差が所定値以上でないと判定された場合(つまり、ステップS72にてNOの場合)には、ステップS73に進み、通常通り、先行して送られてくるデータ(表面データ)に基づく記録を実行する。そしてステップS74で、両面自動印刷ユニットを用いてハガキを反転させ、ステップS75で裏面の記録を実行して、両面が印刷されたハガキを排紙する。
【0068】
一方、ステップS72で、裏面データの総ドット数が表面データの総ドットより少なく、且つ裏面データの総ドット数と表面データの総ドット数の差が所定値以上であると判定された場合(つまり、ステップS72にてYESの場合)には、ステップS76に進み、後から送られてくるデータ(裏面データ)に基づく記録を実行する。そしてステップS77で、両面自動印刷ユニットを用いてハガキを反転させ、ステップS78で表面の記録を実行して、両面が印刷されたハガキを排紙する。
【0069】
このように本実施形態では、両面印刷(両面記録)を実行するための両面記録モードが指定された場合、記録媒体の2つの面に対応する第1および第2データのうち、どちらのデータを先に記録するかを判定している。そして、第2データ(裏面データ)に基づき付与される第2のインク付与数が第1データ(表面データ)に基づき付与される第1のインク付与数より小さく、且つ、第1のインク付与数と第2のインク付与数との差が所定値以上となる条件を満たす場合にのみ、先に記録するデータを第2データと判定し、上記条件を満たさない場合には、通常通り、先に記録するデータを第1データと判定する。
【0070】
なお、上記のフローチャートでは、ステップS72での判定結果に応じて、表面データ又は裏面データに基づく記録をすぐに実行するように示しているが、両面印刷の実行を指示する前に、ユーザが記録媒体(ハガキ)を記録装置の給紙部に既にセットしている場合も考えられるので、ステップS73及びステップS76の前に、「表面(裏面)から先に印刷します、給紙状態を確認してください。」等のメッセージをホスト機器の画面等に表示してユーザに通知し、ユーザが給紙状態を確認して必要に応じて指定された給紙状態とした後に、例えば、ラジオボタンをクリックするなどの所定の入力があった後に、実際の印刷を実行するようにするのが好ましい。
【0071】
また、ステップS71における総ドット数は、記録装置の内部(上述のゲートアレイ2211等)で、記録ヘッドへ転送するデータを生成する際に算出するようにしてもよいが、このようにすると、DRAM2213に表裏2面に対応する記録データを格納する領域が必要になるので、ホスト機器(プリンタドライバ)から記録装置に記録データを転送する前に、例えば、記録イメージをシミュレートして各面の総ドット数を算出してその結果を記録装置に送り、記録装置ではホスト機器から送信された各面の総ドット数を比較してどちらの面を先に記録するかを決定するような構成、あるいはホスト機器(プリンタドライバ)で各面の総ドット数を算出して比較し、先に記録する面を決定してその順番に従って記録装置に画像データを転送するような構成としてもよい。
【0072】
以上説明したように本実施形態によれば、原則、インク付与量の少ない面の記録を先に行うことで、両面自動印刷ユニットに記録媒体を供給するときに記録媒体にカールが生じている可能性を一層低減することができる。これにより、両面自動印刷ユニットによって記録媒体を反転する際に、記録媒体のカールによる、搬送経路でのジャムや搬送におけるトラブルを低減することができ、記録画質を低下させずにスムーズに両面印刷を行うことができる。
【0073】
更に、本実施形態では、裏面データの総ドット数が表面データの総ドットより少ない場合であっても、裏面データの総ドット数と表面データの総ドット数の差が所定値未満である場合、言い換えれば、裏面データに基づく記録を先に行うことによる効果(搬送不良の低減効果)があまり現れないような場合、裏面データに基づく記録は先に行わず、通常通り、表面データに基づく記録を先に行うように制御しているので、裏面データに基づく記録を先に行うことによるデメリット(ページの並び順のくずれ、制御の複雑化)の発生を極力抑制することができるようになる。
【0074】
本実施形態は、ハガキ以外の記録媒体に両面印刷を実行する場合に特に好適である。
【0075】
なお、本実施形態では、記録媒体の表裏両面それぞれに付与されるインクの付与量の大小を判定するために、表面データと裏面データのドット付与数(インク付与数)をカウントしているが、これに限定されるものではなく、例えば、第3実施形態で説明するような画素数をカウントする構成としてもよい。いずれにせよ、記録媒体の表裏両面それぞれに付与されるインクの付与量に関する情報(値)を比較して判定を行えばよい。
【0076】
要するに、記録媒体の2つの面に対応する第1データ(表面データ)および第2データ(裏面データ)のうち、どちらのデータを先に記録するかを判定する場合には、第1データに基づき付与されるインクの付与量に関する値(第1の値)と第2データに基づき付与されるインクの付与量に関する値(第2の値)を比較すればよい。そして、インクの付与量に関する値の一例がインク付与数に相当し、また、別の一例が記録画素数に相当するのである。
【0077】
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。以下の説明では上記第1及び第2の実施形態と同様な部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0078】
上記第2の実施形態は、両面自動印刷ユニット付きのインクジェット記録装置において記録媒体に両面印刷を行うときに、記録ドット数の少ない面をインク付与量の少ない面として認識して先に記録する面を決定するように制御するが、第3の実施形態は、両面自動印刷ユニット付きのインクジェット記録装置において記録媒体に両面印刷を行うときに、記録すべき領域の小さい面をインク付与量の少ない面と判定して先に記録するように制御するものである。
【0079】
ここで、記録すべき領域とは、記録媒体の記録面にインクを吐出して記録される画素(記録画素)の総数を意味し、この画素数は、画像データから記録データへの量子化が行われる前に、入力レベルが0以外の画素をカウントすることによって得られる。従って、記録すべき領域のサイズ(総画素数)は、ホスト機器において記録媒体の両面に記録するデータがそれぞれ指定されていれば、容易に算出することができる。
【0080】
図8は、本実施形態で1枚のハガキに両面印刷を行う時のシーケンスの一例を示すフローチャートである。
【0081】
両面印刷の実行が指示されると、まず、ステップS81において、表面と裏面とに対する記録画素の総数をそれぞれ算出し、どちらの面の記録画素数が多いか比較する。次に、ステップS82において、表面の記録画素数が裏面の記録画素数以下であるか否かを判定する。
【0082】
表面の記録画素数が裏面の記録画素数以下であれば、ステップS83に進み、表面の記録を実行する。そしてステップS84で、両面自動印刷ユニットを用いてハガキを反転させ、ステップS85で裏面の記録を実行して、両面が印刷されたハガキを排紙する。
【0083】
一方、ステップS82で、表面の記録画素数が裏面の記録画素数より多いと判定された場合には、ステップS86に進み、裏面の記録を実行する。そしてステップS77で、両面自動印刷ユニットを用いてハガキを反転させ、ステップS78で表面の記録を実行して、両面が印刷されたハガキを排紙する。
【0084】
なお、上記のフローチャートでは、ステップS82での判定結果に応じて、表面又は裏面の記録をすぐに実行するように示しているが、両面印刷の実行を指示する前に、ユーザが記録媒体(ハガキ)を記録装置の給紙部に既にセットしている場合も考えられるので、ステップS83及びステップS86の前に、「表面(裏面)から先に印刷します、給紙状態を確認してください。」等のメッセージをホスト機器の画面等に表示してユーザに通知し、ユーザが給紙状態を確認して必要に応じて指定された給紙状態とした後に、例えば、ラジオボタンをクリックするなどの所定の入力があった後に、実際の印刷を実行するようにするのが好ましい。
【0085】
また、ステップS81における記録画素数は、記録装置の内部で、ホスト機器から受信した画像データから算出するようにしてもよいが、このようにすると、DRAM2213に表裏2面に対応する画像データを格納する領域が必要になるので、ホスト機器(プリンタドライバ)において各面の画像データから記録画素数を算出してその結果を記録装置に送り、記録装置ではホスト機器から送信された各面の記録画素数を比較してどちらの面を先に記録するかを決定するような構成、あるいはホスト機器(プリンタドライバ)で各面の記録画素数を算出して比較し、先に記録する面を決定してその順番に従って記録装置に画像データを転送するような構成としてもよい。
【0086】
更に、ステップS82では、表面の記録画素数が裏面の記録画素数以下であれば、表面を先に記録するよう制御し、表面の記録画素数が裏面の記録画素数より多ければ、裏面を先に記録するよう制御しているが、上記第2の実施形態と類似の手法を採用し、表面及び裏面の記録画素数の差が所定範囲内である場合には、仮に、表面の記録画素数が裏面の記録画素数より多くとも、裏面を先に記録するようなことは行わず、通常通り、表面を先に記録するようにしてもよい。このようにすることにより、ページの並び順のくずれや制御の複雑化の発生を極力抑制することができるようになる。
【0087】
以上説明したように本実施形態によれば、記録すべき領域の小さい面の記録を先に行うことで、両面自動印刷ユニットに記録媒体を供給するときに記録媒体にカールが生じている可能性を一層低減することができる。これにより、両面自動印刷ユニットによって記録媒体を反転する際に、記録媒体のカールによる、搬送経路でのジャムや搬送におけるトラブルを防止することができ、記録画質を低下させずにスムーズに両面印刷を行うことができる。
【0088】
本実施形態は、ハガキ以外の記録媒体に両面印刷を実行する場合に特に好適であり、記録すべき領域のサイズ(記録画素)の算出を、ホスト機器で行うように構成すると、記録装置のデータ処理能力を向上させる必要がなく、かつ両面印刷の実行を指示してから印刷が実行されるまでの時間が短縮されるという効果も得られる。
【0089】
<第4の実施形態>
上記第2および第3の実施形態では、記録媒体のカールによる搬送不良を低減させて画質低下を極力招かないようにするべく、基本的に、インク付与量やインク付与領域の少ない面を先に記録するよう制御している。このような制御によれば、表面から先に記録を行った場合、裏面を上にして排出(排紙)され、一方、裏面から先に記録を行った場合、表面を上にして排出されることになるため、排紙部に積載される複数の記録媒体には表裏が逆転しているものと逆転していないものとが混在し、ページの並び順が崩れてしまう。そこで、この第4の実施形態では、インク付与量やインク付与領域の少ない面を先に記録するよう制御しても、ページの並び順がくずれないよう制御することを特徴としている。つまり、記録済みの記録媒体が常に裏面を上にして排出されるよう制御するのである。
【0090】
なお、この第4の実施形態では、後述するように、表面と裏面の両方に対する記録終了後に、記録媒体反転部へ再度記録媒体を搬送している。従って、比較的多くのインクが付与された記録媒体を記録媒体反転部へ搬送することになるため、カールが生じている記録媒体を搬送することになるかもしれない。カールが生じている記録媒体を搬送すると、搬送時の姿勢が正しく保てず、記録時のインク着弾精度が悪くなってしまう場合もある。しかし、本実施形態では、既に両面に対する記録が終了しているので、仮に、記録媒体のカールが原因でその搬送時の姿勢が正しく保てなかったとしても、記録には何ら影響を与えないので問題はない。
【0091】
図9は、本実施形態で記録媒体に両面印刷を行う際のシーケンスの一例を示すフローチャートである。ステップS901にて、両面印刷を実行するための両面印際モードが指定されると、ステップS092に進み、裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数よりも少ないか否かを判定する。なお、ここでは、記録ドット数を比較しているが、ドット数から換算されるインク付与量を比較してもよいし、記録画素数を比較してもよい。
【0092】
次に、ステップS902にて、裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数よりも少ないと判定されたら、ステップS903に進み、裏面データに基づく記録を先に行う。その後、ステップS904にて記録媒体を反転させ、ステップS905にて表面データに基づく記録を行う。このステップS905における記録終了後に記録媒体をそのまま排出すると、記録媒体は表面を上にして排出されることになる。そこで、ステップS905における記録終了後にはステップS906に進み、記録媒体を再度反転させ、その後、ステップS910にて記録媒体を排紙部に排出する。これにより排紙部には、裏面を上にして排出された記録媒体が積載することになる。
【0093】
一方、ステップS923にて、裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数よりも少なくないと判定されたら、ステップS907に進み、表面データに基づく記録を先に行う。その後、ステップS908にて記録媒体を反転させ、ステップS909にて裏面データに基づく記録を行う。その後、ステップS910にて記録媒体を排紙部に排出する。これにより排紙部には、裏面を上にして排出された記録媒体が積載することになる。
【0094】
以上から明らかように、裏面データに基づく記録が先に行われ、表面データに基づく記録が後で行われる場合には、両面に対する記録終了後に記録媒体を反転させてから排紙するよう構成しているので、表面データに基づく記録が後で行われる場合であっても、必ず裏面が上になって排出される。つまり、裏面データと表面データのいずれが先に記録される場合であっても、必ず裏面が上になるように記録媒体を排出しているので、インク付与量やインク付与領域の少ない面を先に記録するよう制御しても、排紙部に積載された記録媒体のページの並び順をくずさないようにすることができる。従って、本実施形態によれば、ハガキのカールによる搬送不良を低減しつつも、ページの並び順をくずさないように記録媒体を排出できる。
【0095】
なお、ステップS902では、裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数よりも少ないか否かを判定することで、先に行うデータを決定しているが、上記第2〜第3の実施形態にて説明したのと類似の手法を採用し、表面データ及び裏面データの記録ドット数(インク付与量、インク付与領域)の差が所定範囲内である場合には、仮に、表面データの記録ドット数が裏面の記録ドット数より多くとも、裏面データを先に記録するようなことは行わず、通常通り、表面データを先に記録するようにしてもよい。
【0096】
<第5の実施形態>
上記第4の実施形態は、表面データに基づく記録を後に行う場合、両面記録終了後に記録媒体を再度反転させてから排紙する機能(以下、便宜上、再反転機能という)を有し、一方、上記第2の実施形態や第3の実施形態は上記再反転機能を有していないが、この第5の実施形態では、再反転機能を有する上記第4の実施形態における制御と、再反転機能を有さない上記第2、第3の実施形態における制御とを選択可能に構成した点を特徴としている。
【0097】
上述した図9のS906における再反転機能を実行すれば、必ず裏面が上となって排出されるので、ページの並び順を変化させずに済む。従って、ページの並び換えをユーザが行う必要は無くなる。その反面、再反転機能を実行すると、記録媒体を反転させるのに要する時間の分だけ記録媒体の排出が遅くなってしまう。以上のことを考慮すると、ページの並び換えを一切行いたくない場合や記録枚数が多い場合には再反転機能を実行することが望ましく、一方、時間優先の場合や記録枚数が少ない場合には再反転機能を実行することが望ましいと考えられる。
【0098】
そこで、本実施形態では、両面印刷モードを指定した場合に、再反転機能を実行させるか否かを選択できるようにしている。そして、再反転機能を実行させることが選択された場合、図9に示したように、表面データに基づく記録を後に行うときだけ、両面記録終了後に記録媒体を再度反転させてから排紙する処理を行い、一方、再反転機能を実行させないことが選択された場合、図7や図8に示したように、表面データに基づく記録を後に行うときであっても、両面記録終了後に記録媒体を反転させることは行わず、両面記録終了後には記録媒体をそのまま排紙する処理を行う。なお、第2の実施形態で説明した図7では、裏面データの記録ドット数と表面データの記録ドット数の差が所定範囲内の場合、裏面データの記録は先に行わないよう制御していたが、この第5の実施形態では、裏面データの記録ドット数と表面データの記録ドット数の差が所定範囲内かどうかの判定は行わず、単に、裏面データの記録ドット数が表面データよりも少ないか否かを判定するだけで先に記録するデータを決定する構成としてもよい。
【0099】
なお、再反転機能を実行させるか否かの選択は、記録装置に設けられたスイッチにより行う形態としてもよいが、好ましくは、記録装置と接続されるホスト機器のプリンタドライバにて行うのがよい。この場合、プリンタドライバのユーザインターフェース表示画面にて、両面印刷モードの指定に加え、再反転機能の選択ができるよう構成するのが好ましい。
【0100】
<他の実施の形態>
上述した各実施形態では、両面自動印刷ユニット(記録媒体反転部)を用いて両面印刷を実行する形態について説明した。この両面自動印刷ユニットは、記録装置に対し装着可能な形態であるが、記録装置と一体化していてもよい。また、両面印刷を実行できる機能を有していればユニットの形態でなくともよい。つまり、一方の面と他方の面の両方に記録可能なように記録媒体を搬送できる記録媒体反転部が記録装置に組み込まれていても良い。このように本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体反転部が後から取り付けられるものであってもよいし、最初から組み込まれているものであってもよい。
【0101】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0102】
更に、上記では本発明に係る記録装置として記録ヘッドを搭載したキャリッジを記録媒体上で走査させて記録を行う、いわゆるシリアル型の記録装置を例に挙げて説明したが、本発明は記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドによって記録を行う、フルライン型の記録装置にも適用することができ、その場合、記録ヘッドの構成は、複数の記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0103】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0104】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0105】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0106】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0107】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0108】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0109】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0110】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した図6、図7、図8、図9に示したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、両面印刷を行う際に、記録濃度を低下させずに、記録媒体のカールによる、搬送経路でのジャムや搬送におけるトラブルを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置の側断面図である。
【図3】図1のインクジェット記録装置の反転ユニットの概略構成を示す図である。
【図4】図1のインクジェット機録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明において使用されるハガキの宛名面と通信面とを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における自動両面印刷のシーケンスを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態における自動両面印刷のシーケンスを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施形態における自動両面印刷のシーケンスを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第4の実施形態における自動両面印刷のシーケンスを示すフローチャートである。
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置を制御する方法およびそのプログラムに関し、特に、記録媒体に両面印刷を行うことが可能なインクジェット記録装置(例えば、一方の面が記録された記録媒体を反転させた後に、再度、記録ヘッドと対向する記録領域へ記録媒体を搬送する両面自動印刷ユニットを装着可能なインクジェット記録装置)における両面印刷の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行う記録装置(プリンタ)が広く使用されている。
【0003】
このような記録装置は、記録方式により、インクジェット方式、ワイヤドット方式、サーマル方式、レーザービーム方式等に分ける事が出来る。そのうちのインクジェット方式は、記録ヘッド(インクジェット記録ヘッド)の吐出口(ノズル)からインク(記録液)滴を吐出飛翔させ、これを記録媒体(被記録材)に付着させて記録するように構成されている。
【0004】
近年、このようなインクジェットプリンタを用いて、自らデザインした文字やデジタルカメラ等で撮影した写真画像をはがきに記録する事が広く行われている。さらに、いわゆるフチ無し印刷が可能なプリンタが増えており、写真等の画像データを記録媒体(例えば、はがき)の縁まで記録することが可能となっている。
【0005】
また、年賀ハガキなどを記録する場合、まず写真やメッセージの書かれた通信面もしくは宛名面だけを記録してから裏返して、裏側の面の記録を行うようにするのが一般的であったが、近年、そのような手間を省くことが可能な両面自動印刷ユニットが提案されている(特許文献1参照)。両面自動印刷ユニットを備えたインクジェットプリンタでは、まず、一方の面に通常の記録を行った後に、記録媒体を逆方向に搬送して反転ユニットに供給し、反転ユニットで記録媒体を反転させた後に記録媒体を再度記録位置へ搬送することによって、他方の面を記録させる事ができる。これにより、一枚毎に、宛名面と通信面とを記録していく事が出来るのである。
【0006】
【特許文献1】特開平2003−048311号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インクジェットプリンタでは、記録媒体に対するインク打ち込み量が多くなると、記録媒体自体にカール等の変形が生じる場合がある。これは特に、サイズの小さいハガキなどでは発生しやすく、また、記録媒体の端部にまで記録を行うフチ無し印刷において発生しやすい。
【0008】
そして、両面自動印刷実行中に記録媒体にこのような変形が生じた場合、両面自動印刷ユニットなどのプリンタ本体内の給紙・搬送経路でひっかかってジャムが発生したり、ジャムが発生しないまでも適正な姿勢で搬送する事ができ無くなり、正しく記録が行えなくなる可能性がある。
【0009】
この対策として、記録媒体全体に対するインクの打ちこみ量を制限する手法があるが、この手法の場合、高濃度部分に対するインクの打ち込み量が減少してコントラストや記録濃度が低下してしまい、画像の品質が低下してしまう。
【0010】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、記録媒体のカールによる搬送不良を低減させて、画質低下を極力招かないようにすることを目的とする。
【0011】
また、本発明は、記録媒体のカールによる搬送不良を低減するための処理を簡単且つ短時間で実現可能な構成を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、複数枚の記録媒体に対して記録を行うにあたり、記録媒体の搬送不良を低減しつつも、記録後においてページの裏表が逆になってページの並び順がくずれてしまうような弊害を回避できる構成を提供とすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の一形態は、記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面それぞれに対して記録を行う両面記録が可能なインクジェット記録装置を制御する方法であって、両面記録を実行するための両面記録モードを指定する工程と、前記両面記録モードが指定された場合、前記記録媒体の2つの面に対応する第1および第2データのうち、どちらのデータを先に記録するかを判定する工程とを有し、前記判定工程では、前記第2データに基づき付与されるインクの付与量に関する第2の値が前記第1データに基づき付与されるインクの付与量に関する第1の値より小さく、且つ、前記第1の値と前記第2の値との差が所定値以上の場合、先に記録するデータを前記第2データと判定することを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の別の一形態は、記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面に対して記録を行うために、一方の面が記録された記録媒体を反転させた後に、再度、前記記録ヘッドにより記録が可能な領域へ前記記録媒体を搬送する両面記録ユニットを装着可能なインクジェット記録装置における両面記録を制御する方法であって、両面記録を実行するための両面記録モードを指定する指定工程と、前記両面記録モードが指定された場合、前記記録媒体の2つの面に対応する第1および第2データのうち、先に記録するデータと後に記録するデータを決定する決定工程と、前記記録媒体の一方の面に対し、前記決定された先に記録するデータに基づいて前記記録ヘッドからインクを吐出する第1のインク吐出工程と、前記一方の面に記録がなされた記録媒体を反転させ、当該反転させた記録媒体の他方の面に対し、前記決定された後に記録するデータに基づいて前記記録ヘッドからインクを吐出する第2のインク吐出工程と、前記第2のインク吐出工程の後、前記記録媒体を排紙部へ排出する排出工程とを有し、前記決定工程では、(A)前記第2データに基づき付与されるインクの付与量に関する第2の値が前記第1データに基づき付与されるインクの付与量に関する第1の値より小さく、且つ、前記第1の値と前記第2の値との差が所定値以上となる条件を満たす場合、前記先に記録するデータが前記第2データと決定され、前記後に記録するデータが前記第1データと決定され、(B)前記条件を満たさない場合、前記先に記録するデータが前記第1データと決定され、前記後に記録するデータが前記第2データと決定されることを特徴とするものである。
【0015】
なお、これら形態において、インクの付与量に関する値とは、インク付与数あるいは記録画素数であることが好ましい。また、上記第2データとは、本来先に記録されるべきデータのことを指し、一方、上記第1データとは、本来後に記録されるべきデータのことを指す。
【0016】
また、本発明の別の一形態は、記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面それぞれに対して記録を行う両面記録を実行するためのプログラムであって、両面記録モードが指定された場合に、前記記録媒体の2つの面に対応する第1および第2データのうち、どちらのデータを先に記録するかを判定するにあたり、前記第2データに基づき付与されるインクの付与量に関する第2の値が前記第1データに基づき付与されるインクの付与量に関する第1の値より小さく、且つ、前記第1の値と前記第2の値との差が所定値以上の場合、先に記録するデータを前記第2データと判定する工程を、コンピュータに実行させることを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明の別の一形態は、記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面それぞれに対して記録を行う両面記録が可能なインクジェット記録装置を制御する方法であって、両面記録を実行するための両面記録モードを指定する工程と、記録に使用する記録媒体の種類を指定する工程と、前記両面記録モードが指定され、且つ前記指定された記録媒体の種類がハガキの場合、前記ハガキの2つの面に対応するデータのうち、前記ハガキの宛名を記載する面のデータが先に記録されるよう制御する工程と、を有することを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明の別の一形態は、記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面に対して記録を行うために、一方の面が記録された記録媒体を反転させた後に、再度、前記記録ヘッドにより記録が可能な領域へ前記記録媒体を搬送する両面記録ユニットを装着可能なインクジェット記録装置における両面記録を制御する方法であって、両面記録を実行するための両面記録モードを指定する指定工程と、前記両面記録モードが指定された場合、前記記録媒体の2つの面に対応するデータのうち、先に記録するデータと後に記録するデータを決定する決定工程と、前記記録媒体の一方の面に対し、前記決定された先に記録するデータに基づいて前記記録ヘッドからインクを吐出する第1のインク吐出工程と、前記一方の面に記録がなされた記録媒体を反転させ、当該反転させた記録媒体の他方の面に対し、前記決定された後に記録するデータに基づいて前記記録ヘッドからインクを吐出する第2のインク吐出工程とを有し、前記記録媒体がハガキの場合、前記決定工程では、前記ハガキの宛名を記載する面のデータを前記先に記録するデータと定めることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明の別の一形態は、記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面それぞれに対して記録を行う両面記録を実行するためのプログラムであって、両面記録を実行するための両面記録モードを指定する工程と、記録に使用する記録媒体の種類を指定する工程と、前記両面記録モードが指定され、且つ前記指定された記録媒体の種類がハガキの場合、前記ハガキの2つの面に対応するデータのうち、前記ハガキの宛名を記載する面のデータが先に記録されるよう制御する工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とするものである。
【0020】
以上の構成によれば、インク付与量(打ち込み量)が相対的に少ない面あるいは少ないと推測される面の記録を先に行うことで、両面自動印刷ユニットに記録媒体を供給するときに、記録媒体にカールが生じている可能性を減らす。
【0021】
従って、両面自動印刷ユニットによって記録媒体を反転する際に、記録媒体のカールによる、搬送経路でのジャムや搬送におけるトラブルを低減することができると共に、予めインク付与量を制限することが不要となり、記録画質を低下させずにスムーズに両面印刷を行うことができる。
【0022】
なお、本発明は上記のインクジェット記録装置の態様以外に、該記録装置に対応するインクジェット記録装置の両面印刷制御方法、該方法に対応するプリンタドライバとしても実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0024】
本明細書において、「記録」(「印刷」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0025】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0026】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(印刷)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0027】
始めに、以下で説明する各実施形態に共通な本発明に係るインクジェット記録装置の構成について説明する。
【0028】
(基本的構成)
まず、本発明に係るインクジェット記録装置の基本的構成を説明する。
本発明に係るインクジェット記録装置1は、主として、給紙部2、送紙部3、排紙部4、キャリッジ部5、クリーニング部6、記録媒体反転部9から構成されている。そこで、これらを項目に分けて概略を順次述べていく。なお、図1は記録装置1の全体構成を示す斜視図、図2は記録装置1の側面からの構成断面図、図3は、記録媒体反転部(両面自動印刷ユニット)の概略図で、図1、2、3を用いて(I)給紙部、(II)送紙部、(III)キャリッジ部、(IV)クリーニング部、(V)排紙部、(VI)記録媒体反転部の説明をする。
【0029】
(I)給紙部
給紙部2は記録紙Pを積載する圧板21と記録紙Pを給紙する給送回転体22がベース20に取り付けられる構成となっている。圧板21には可動サイドガイド23が移動可能に設けられて、記録紙Pの積載位置を規制している。圧板21はベース20に結合された回転軸38を中心に回転可能で、圧板バネ24により給送回転体22に付勢される。給送回転体22と対向する圧板21の部位には、記録紙Pの重送を防止する人工皮等の摩擦係数の大きい材質からなる分離パッドが設けられている。さらに、ベースには、記録紙Pの一方向の角部を覆い、記録紙Pを一枚ずつ分離するための分離爪、厚紙等分離爪が使えないものを分離するためにベース20に一体形成された土手部27、普通紙ポジションでは分離爪が作用し、厚紙ポジションでは分離爪が作用しないように切り換えるための切り替えレバー28、圧板21と給送回転体22の当接を解除するリリースカム29、が設けられている。
【0030】
上記構成において、待機状態ではリリースカム29が圧板21を所定位置まで押し下げている。これにより、圧板21と給送回転体22の当接は解除される。そして、この状態で搬送ローラ36の有する駆動力が、ギア等により給送回転体22及びリリースカム29に伝達されると、リリースカム29は圧板21から離れるので圧板21は上昇し、給送回転体22と記録紙Pが当接し、給送回転体22の回転に伴い記録紙Pはピックアップされ給紙を開始し、分離爪によって一枚ずつ分離されて送紙部3に送られる。給送回転体22及びリリースカム29は記録紙Pを送紙部3に送り込むまで回転し、記録紙Pを送紙部3に送り込み終えた時点で、リリースカム2の作用により、再び記録紙Pと給送回転体22との当接が解除されて待機状態となり、搬送ローラ36からの駆動力は遮断される。
【0031】
(II)送紙部
送紙部3は記録紙Pを搬送する搬送ローラ36とPEセンサー32を有している。搬送ローラ36には従動するピンチローラ37が当接して設けられている。
【0032】
ピンチローラ37はピンチローラガイド30に回動可能に保持され、ピンチローラガイド30をピンチローラバネで付勢することで、ピンチローラ37を搬送ローラ36に圧接させて記録紙Pの搬送力を生み出している。さらに、記録紙Pが搬送されてくる送紙部3の入口には記録紙Pをガイドする上ガイド33及びプラテン34が配設されている。また、上ガイド33には記録紙Pの先端、後端検出をPEセンサ−32に伝えるPEセンサーレバー35が設けられている。
【0033】
上記構成において、送紙部3に送られた記録紙Pはプラテン34、ピンチローラガイド30及び上ガイド33に案内されて、搬送ローラ36とピンチローラ37とのローラ対へと送られる。この時、PEセンサーレバー35で搬送されてきた記録紙Pの先端を検知して、これにより記録紙Pの記録位置を求めている。また、記録紙Pは不図示のLFモーターによりローラ対36、37が回転することでプラテン34上を搬送される。
【0034】
(III)キャリッジ部
キャリッジ部5は、記録ヘッド7を取り付けるキャリッジ50を有している。そしてキャリッジ50は、記録紙Pの搬送方向に対して直交方向に往復走査させるためのガイド軸81及びキャリッジ50の後端を保持して記録ヘッド7と記録紙Pとの隙間を維持するガイドレール82によって支持されている。なお、これらガイド軸81及びガイドレール82はシャーシー8に取り付けられている。また、キャリッジ50はシャーシー8に取り付けられたキャリッジモータによりタイミングベルト83を介して駆動される。このタイミングベルト83は、アイドルプーリー84の間に適度な張りをもたせて支持されている。さらに、キャリッジ50には、電気基板9から記録ヘッド7に信号を伝えるためのフレキシブル基板56を備えている。
【0035】
なお、記録ヘッド7はインクタンクが着脱可能に構成された交換容易なインクジェット記録ヘッドが用いられている。この記録ヘッド7は、ヒータ等によりインクに熱を与えることが可能となっている。そして、この熱によりインクは膜沸騰し、この膜沸騰による気泡の成長または収縮によって生じる圧力変化によって記録ヘッド7のノズルからインクが吐出されて記録紙P上に画像が形成される。
【0036】
上記構成において、記録紙Pに画像形成する時は、画像形成する行位置(記録紙Pの搬送方向の位置)へとローラ対36、37が記録紙Pを搬送すると共にキャリッジモーターによりキャリッジ50を画像形成する列位置(記録紙Pの搬送方向と直交する方向における位置)に移動させて、記録ヘッド7を画像形成位置に対向させる。その後、電気基板からの信号により記録ヘッド7が記録紙Pに向けてインクを吐出して画像が形成される。
【0037】
また、キャリッジ50に対する記録ヘッド7の着脱や、記録ヘッド7に対するインクタンクの着脱は、不図示の操作キーを押してキャリッジ50を所定の位置へと移動させた後に、その位置で行うようになっている。
【0038】
記録ヘッド7としては、ブラックのインクタンクのみが取り付けられモノクロ記録を行うブラック記録ヘッドと、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインクタンクが取り付けられカラー記録を行うカラー記録ヘッドとのいずれかを選択的に搭載可能である。これら記録に使用するインクとしては、いずれも水溶性の染料インクを用いる。
【0039】
(IV)クリ−ニング部
クリーニング部6は、記録ヘッド7のクリーニングを行うポンプ60と、記録ヘッド7の乾燥を抑えるためのキャップ61及び搬送ローラ36からの駆動力を給紙部2及びポンプ60に切り換える駆動切り替えアーム62とから構成されている。給紙、クリーニング以外の時は、駆動切り替えアーム62が、搬送ローラ36の軸心を中心に回転する遊星ギア(不図示)を所定位置に固定しているので、給紙部2及びポンプ60に駆動力は伝達されない。キャリッジ50が移動することで、駆動切り替えアーム62をA方向に移動させると、遊星ギアがフリーになるので搬送ローラ36の正転、逆転に応じて遊星ギアが移動し、搬送ローラ36が正転したときは給紙部2に駆動力が伝達され、逆転したときはポンプ60に駆動力が伝達されるようになっている。
【0040】
(V)排紙部
排紙部4には2本の排紙ローラ41,41Aが設けられると共に、搬送ローラ36と排紙ローラ41に当設する伝達ローラ40と、排紙ローラ41と排紙ローラ41Aに当設する伝達ローラ40Aとが設けられている。したがって、搬送ローラ36の駆動力が伝達ローラ40を介して排紙ローラ41に伝達され、伝達ローラ41Aによって排紙ローラ41Aに伝達される。
【0041】
また、排紙ローラ41、41Aに従動して回転可能な如く拍車42、42Aが排紙ローラ41、41Aに当接され、拍車42、42Aにはクリーニングローラ44が回転可能に当接されている。以上の構成によって、キャリッジ部5で画像形成された記録紙Pは、前記排紙ローラ41、41aと拍車42、42aとに挟まれ、搬送されて排紙トレー100に排出される。
【0042】
排紙ローラ41Aの下流側には記録後の排紙される記録紙Pを支持する後述の排紙サポート104が設けられ、排紙サポート104は案内部材102に回転可能に取付けられている。案内部材102はプラテン34からの突出位置とプラテン34上へ退避位置との間を直線移動可能に支持されており、この案内部材102の移動に伴って排紙サポート104は回転動作するようになっている。
【0043】
(VI)記録媒体反転部
記録媒体反転部(両面自動印刷ユニット)9は、給紙用搬送路94と搬送ローラ36とインクジェット記録装置1の後方の反転ユニット90とから構成される。ここで、反転ユニット90は、用紙抑えローラ95と反転用小ローラ92とループ状の反転用搬送路93と反転用大ローラ91とから構成されている。搬送ローラ36は、モータによって正方向および逆方向に回転駆動が可能である。搬送ローラ36を正方向送りで通過させることで給紙部2から給紙された記録紙Pの一方の面を記録後、搬送ローラ36を逆方向送りして、給紙用搬送路94にある記録紙Pを反転用搬送路93に送り、反転させた後、再度記録ヘッド7で他方の面の記録を行うようになっている。ここで、記録紙Pは、図3に示すようにA→B→C→E→F→Gの順で反転用搬送路93を通り、反転が行われる。
【0044】
(制御構成)
図4は、本発明に係るインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図であり、2210はインターフェース、2211はゲートアレイである。2212はROM、2213はDRAM、2214はMPUである。2215はヘッドドライバ、2216は紙送り用のモータドライバ、2219は紙送り用の搬送モータである。2217はキャリッジモータ用のモータドライバ、2220はキャリッジ駆動用のキャリッジモータである。
【0045】
上記構成を有する制御系において、ホストからの記録データが2210のインターフェースを介して送られてくると、ゲートアレイ2211を通してDRAM2213に記録データが一時蓄えられる。その後、DRAM2213のデータをゲートアレイ2211によって、ラスタデータから記録ヘッド2218で記録するためのプリントイメージ(記録データ)に変換し、再度DRAM2213に記憶する。そのデータを再度ゲートアレイ2211によって、ヘッドドライバー2215を介して記録ヘッド2218に送り、対応したノズル位置のインクを吐出させて記録を行う。その際、記録すべきドットのカウンタをゲートアレイ2211上に構成しておき、高速で記録したドット数をカウントできる構成としておく。
【0046】
以下、上記のような構成のインクジェット記録装置において両面自動印刷を行う際の制御に係る、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の記録装置は、記録媒体に両面印刷を行うことが可能な構成であり、例えば、一方の面が記録された記録媒体を反転させた後に、再度、記録ヘッドにより記録される領域へ記録媒体を搬送する両面自動印刷ユニットを装着可能な構成となっている。
【0047】
<第1の実施形態>
上述のように本発明は、記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面に対して記録を行うために、一方の面が記録された記録媒体を反転させた後に、再度、前記記録ヘッドにより記録が可能な領域へ前記記録媒体を搬送する両面自動印刷ユニットを装着可能なインクジェット記録装置における両面記録を制御する方法であって、両面印刷を実行するためのモード(両面印刷モード)が指示された場合、インク付与量が少ないと推測される方の面を先に記録するように制御するインクジェット記録装置であるが、特に、この第1の実施形態では、両面印刷モードが指定され且つ使用する記録媒体の種類としてはがきが指定された場合に、はがきの宛名面を先に記録するよう制御する点を特徴としている。
【0048】
すなわち、記録媒体がハガキである場合、宛名を記載する面(宛名面)には主に文字と数字が記録されるため、インク付与量は少ないと推測され、一方、宛名面の裏側の通信面には主に写真等の画像が記録されるため、インク付与量が多いと推測される。そこで、本実施形態では、はがきの表裏それぞれに対する実際のインク付与量(インク付与数)を演算するような処理は行わず、はがきの宛名面をインク付与量の少ない面と推測し、インク付与量が少ないであろう宛名面を先に記録するのである。なお、宛名を記載する面をユーザが指定することが可能に構成されていてもよい。
【0049】
第1の実施形態は、上記のような構成の両面自動印刷ユニット付きのインクジェット記録装置における、ハガキに両面自動印刷を行う場合の制御に関するものである。
【0050】
本実施形態では、上記のような構成の両面自動印刷ユニット付きのインクジェット記録装置において、ハガキに自動両面印刷を実行する際に、宛名面の記録を先に行い、その後、両面自動印刷ユニットによってハガキを反転させて、裏面の通信面の記録を行うように制御する。
【0051】
ここで、本実施形態においては、ハガキが官製であるか私製であるかに関らず、図5の(a)に示すように郵便番号や宛先を記載する面を宛名面、図5の(b)に示すように宛名面の裏面であり文章や画像を記録する面を通信面と定義する。
【0052】
図6は、本実施形態で1枚のハガキに両面印刷を行う時のシーケンスの一例を示すフローチャートである。
【0053】
両面印刷モードの実行が指示されると、まず、ステップS61において、はがきの両面(宛名面と通信面)のうち、宛名面を先に記録する。次に、ステップS62において、両面自動印刷ユニットにより、ハガキを反転させる。そして、ステップS63に進んで通信面に記録を行い、両面が印刷されたハガキを記録装置から排出する。
【0054】
このように本実施形態では、インクを多量に吸収するとカールしやすいハガキに両面印刷を行う場合、宛名面は記録される領域が相対的に少なく且つ使用されるインクも通常ブラックのみであり、通信面は記録される領域が相対的に多く且つ写真画像などの複数色のインクを使用する画像が印刷されることが多いことに着目し、通信面と比較してインク付与量(打ち込み量)が相対的に少ないと考えられる宛名面の記録を先に行い、両面自動印刷ユニットにハガキを供給するときにハガキにカールが生じている可能性を減らす。これにより、両面自動印刷ユニットによってハガキを反転する際に、ハガキのカールによる、搬送経路でのジャムや搬送におけるトラブルを低減することができ、記録画質を低下させずにスムーズに両面印刷を行うことができる。
【0055】
なお、両面印刷モードの実行指示は、インクジェット記録装置に接続されるホスト機器のプリンタドライバにて行うことが可能であり、プリンタドライバを起動してハガキに両面印刷を実行する場合には、ユーザが指定した2つのデータのどちらが宛名面に対応するデータか、ユーザがコマンド又はマウス等の入力機器等で設定できるようにするのが好ましい。これは、ハガキに両面印刷を実行する際には、通常はハガキ印刷ソフトなどが起動され、該ソフトで設けられたコマンドやメニュー画面などから両面印刷が指示され、当該ソフトではユーザが作成したデータは宛名面と通信面のどちらのデータであるか識別できるが、インクジェット記録装置のプリンタドライバを起動してハガキに両面印刷を実行する場合には、ユーザが作成又は指定したデータが宛名面と通信面のどちらのデータであるか識別できないからである。
【0056】
以上説明したように本実施形態によれば、通常は通信面と比較してインク打ち込み量が相対的に少ない宛名面の記録を先に行い、両面自動印刷ユニットにハガキを供給するときにハガキにカールが生じている可能性を減らす。これにより、両面自動印刷ユニットによってハガキを反転する際に、ハガキのカールによる、搬送経路でのジャムや搬送におけるトラブルを低減することができ、記録画質を低下させずにスムーズに両面印刷を行うことができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、先に記録する面を決定するにあたり、上記特許文献1のように記録媒体の表裏それぞれに対する実際のインク付与量(インク付与数)を演算し、インク付与量が少ない面を判定し、当該判定された面を先に記録する面と決定するような処理は行っていないので、簡単且つ短時間な構成で、搬送経路でのジャムや搬送におけるトラブル等の搬送不良を低減できる。
【0058】
本実施形態は、ハガキのように表裏の面で記録される内容が異なる記録媒体に対して両面印刷を実行する場合に好適であり、多数のハガキに両面印刷をする場合などに、特に好適である。
【0059】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。以下の説明では上記第1の実施形態と同様な部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0060】
上記第1の実施形態は、両面自動印刷ユニット付きのインクジェット記録装置においてハガキに両面印刷を行うときに、宛名面をインク付与量の少ない面として認識し、宛名面を先に印刷するよう制御するものであったが、第2の実施形態は、両面自動印刷ユニット付きのインクジェット記録装置において記録媒体に両面印刷を行うときに、記録媒体の2つの面に対応する第1および第2データ(表面データと裏面データ)のうち、記録ヘッドからのインク吐出数(記録ドット数)の少ない方のデータを先に記録するように制御するものである。但し、表面データと裏面データの記録ドット数の差が所定範囲内である場合には、表面データよりも裏面データの記録ドット数が多くとも、表面データから先に記録するように制御する。つまり、本実施形態では、(A)裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数より少なく、且つ裏面データの記録ドット数と表面データの記録ドット数の差が所定値以上の場合にだけ、裏面データから先に記録するように制御し、一方、(B)裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数より少ないけれども、裏面データの記録ドット数と表面データの記録ドット数の差が所定値未満の場合や、裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数以上の場合には、通常通り、表面データから先に記録するよう制御する。
【0061】
すなわち、両面自動印刷ユニット付きのインクジェット記録装置において、両面印刷の実行を指示された時、記録媒体の表裏それぞれに記録されるべき記録データから記録ドット数を算出し、記録ドット数が少ない方の面に先に記録を行い、両面ユニットで反転させた後、記録ドット数が多い方の面に後で記録を行う。
【0062】
ここで、表面データ・裏面データと言っているのは、印刷の実行が指示されたソフトウェアによってプリンタに送られる予定の、2つの面に対応する記録データ(第1および第2データ)のうち、先にあるデータを表面データ(第1データ)、後にある方を裏面データ(第2データ)と言っている。つまり、表面データ(第1データ)は、本来先に転送されてくるべきデータであり、裏面データ(第2データ)は本来後に転送されてくるべきデータである。言い換えれば、記録媒体の2つの面に対応する第1および第2データのうち、本来先に記録されるべきデータを第1データ(表面データ)、本来後から記録されるべきデータを第2データ(裏面データ)と定義している。なお、表面データ及び裏面データの記録ドット数の差がわずか(所定範囲内)である場合には、記録データが送られてくる順番に従って記録を行う。
【0063】
ここで、裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数より少ないけれども、裏面データの記録ドット数と表面データの記録ドット数の差が所定値未満の場合に、裏面データに基づく記録を先には行わず、通常通り、表面データに基づく記録を先に行うように制御する理由について説明する。
【0064】
インク付与量が多い程、カールが生じ易く搬送不良が発生し易いという視点からすれば、例外なく、インク付与量の少ない面を先に記録するよう制御することが好ましい。従って、上記視点からすれば、裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数より少ない場合には、必ず、裏面データに基づく記録を先には行うことが好ましい。ところが、裏面データに基づく記録を先には行うと、ページの表裏が逆になって排出され、特に、複数枚の記録媒体に記録を行う場合にあっては、ページの並び順がくずれてしまう。また、裏面データを先に記録するには、本体先に記録されるべき表面データとの記録順序を逆転させる必要性があるが、このような制御は複雑である。従って、裏面データに基づく記録を先に行うことによる効果、つまり、搬送不良の低減効果があまり現れないような場合には、敢えて表裏を逆転させて記録することに意味はなく、むしろ、ページの並び順がくずれたり、制御が複雑化するといったデメリットが生じる。そこで、本実施形態では、裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数より少ない場合であっても、裏面データの記録ドット数と表面データの記録ドット数の差が所定値未満の場合には、ページの並び順がくずれたり、制御が複雑化するといったデメリットを発生させないようにするべく、通常通り、表面データに基づく記録を先に行うように制御しているのである。
【0065】
なお、インク付与量と記録ドット数との関係は、例えば、大きさの異なる大小2種類の記録ドットを用いた記録が可能に構成されているプリンタでは、夫々の記録ドットのドット数に該記録ドットに対するインク吐出量を乗じることによってインク付与量が算出されるので、記録ドット数とインク付与量とは必ずしも比例関係とはならないが、全ての記録ドットの大きさが略等しいと考えられるときは、インク付与量と記録ドット数は比例関係にあり、総ドット数の少ない面は、インク付与量も少ない面であると言える。
【0066】
図7は、本実施形態で1枚のハガキに両面印刷を行う時のシーケンスの一例を示すフローチャートである。なお、ここでは、全ての記録ドットの大きさが略等しいと想定して、記録ドット数としてドットカウント数を用いて先に記録する面を決定する場合の処理を示している。
【0067】
両面印刷の実行が指示されると、まず、ステップS71において、表面データおよび裏面データそれぞれにおける記録ドットの総数をそれぞれ算出し、どちらの面の総ドット数が多いか比較する。次に、ステップS72において、裏面データの総ドット数が表面データの総ドット数より少なく、且つ裏面データの総ドット数と表面データの総ドット数の差が所定値以上であるか否かを判定する。 裏面データの総ドット数が表面データの総ドット数より少なく、且つ裏面データの総ドット数と表面データの総ドット数の差が所定値以上でないと判定された場合(つまり、ステップS72にてNOの場合)には、ステップS73に進み、通常通り、先行して送られてくるデータ(表面データ)に基づく記録を実行する。そしてステップS74で、両面自動印刷ユニットを用いてハガキを反転させ、ステップS75で裏面の記録を実行して、両面が印刷されたハガキを排紙する。
【0068】
一方、ステップS72で、裏面データの総ドット数が表面データの総ドットより少なく、且つ裏面データの総ドット数と表面データの総ドット数の差が所定値以上であると判定された場合(つまり、ステップS72にてYESの場合)には、ステップS76に進み、後から送られてくるデータ(裏面データ)に基づく記録を実行する。そしてステップS77で、両面自動印刷ユニットを用いてハガキを反転させ、ステップS78で表面の記録を実行して、両面が印刷されたハガキを排紙する。
【0069】
このように本実施形態では、両面印刷(両面記録)を実行するための両面記録モードが指定された場合、記録媒体の2つの面に対応する第1および第2データのうち、どちらのデータを先に記録するかを判定している。そして、第2データ(裏面データ)に基づき付与される第2のインク付与数が第1データ(表面データ)に基づき付与される第1のインク付与数より小さく、且つ、第1のインク付与数と第2のインク付与数との差が所定値以上となる条件を満たす場合にのみ、先に記録するデータを第2データと判定し、上記条件を満たさない場合には、通常通り、先に記録するデータを第1データと判定する。
【0070】
なお、上記のフローチャートでは、ステップS72での判定結果に応じて、表面データ又は裏面データに基づく記録をすぐに実行するように示しているが、両面印刷の実行を指示する前に、ユーザが記録媒体(ハガキ)を記録装置の給紙部に既にセットしている場合も考えられるので、ステップS73及びステップS76の前に、「表面(裏面)から先に印刷します、給紙状態を確認してください。」等のメッセージをホスト機器の画面等に表示してユーザに通知し、ユーザが給紙状態を確認して必要に応じて指定された給紙状態とした後に、例えば、ラジオボタンをクリックするなどの所定の入力があった後に、実際の印刷を実行するようにするのが好ましい。
【0071】
また、ステップS71における総ドット数は、記録装置の内部(上述のゲートアレイ2211等)で、記録ヘッドへ転送するデータを生成する際に算出するようにしてもよいが、このようにすると、DRAM2213に表裏2面に対応する記録データを格納する領域が必要になるので、ホスト機器(プリンタドライバ)から記録装置に記録データを転送する前に、例えば、記録イメージをシミュレートして各面の総ドット数を算出してその結果を記録装置に送り、記録装置ではホスト機器から送信された各面の総ドット数を比較してどちらの面を先に記録するかを決定するような構成、あるいはホスト機器(プリンタドライバ)で各面の総ドット数を算出して比較し、先に記録する面を決定してその順番に従って記録装置に画像データを転送するような構成としてもよい。
【0072】
以上説明したように本実施形態によれば、原則、インク付与量の少ない面の記録を先に行うことで、両面自動印刷ユニットに記録媒体を供給するときに記録媒体にカールが生じている可能性を一層低減することができる。これにより、両面自動印刷ユニットによって記録媒体を反転する際に、記録媒体のカールによる、搬送経路でのジャムや搬送におけるトラブルを低減することができ、記録画質を低下させずにスムーズに両面印刷を行うことができる。
【0073】
更に、本実施形態では、裏面データの総ドット数が表面データの総ドットより少ない場合であっても、裏面データの総ドット数と表面データの総ドット数の差が所定値未満である場合、言い換えれば、裏面データに基づく記録を先に行うことによる効果(搬送不良の低減効果)があまり現れないような場合、裏面データに基づく記録は先に行わず、通常通り、表面データに基づく記録を先に行うように制御しているので、裏面データに基づく記録を先に行うことによるデメリット(ページの並び順のくずれ、制御の複雑化)の発生を極力抑制することができるようになる。
【0074】
本実施形態は、ハガキ以外の記録媒体に両面印刷を実行する場合に特に好適である。
【0075】
なお、本実施形態では、記録媒体の表裏両面それぞれに付与されるインクの付与量の大小を判定するために、表面データと裏面データのドット付与数(インク付与数)をカウントしているが、これに限定されるものではなく、例えば、第3実施形態で説明するような画素数をカウントする構成としてもよい。いずれにせよ、記録媒体の表裏両面それぞれに付与されるインクの付与量に関する情報(値)を比較して判定を行えばよい。
【0076】
要するに、記録媒体の2つの面に対応する第1データ(表面データ)および第2データ(裏面データ)のうち、どちらのデータを先に記録するかを判定する場合には、第1データに基づき付与されるインクの付与量に関する値(第1の値)と第2データに基づき付与されるインクの付与量に関する値(第2の値)を比較すればよい。そして、インクの付与量に関する値の一例がインク付与数に相当し、また、別の一例が記録画素数に相当するのである。
【0077】
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。以下の説明では上記第1及び第2の実施形態と同様な部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0078】
上記第2の実施形態は、両面自動印刷ユニット付きのインクジェット記録装置において記録媒体に両面印刷を行うときに、記録ドット数の少ない面をインク付与量の少ない面として認識して先に記録する面を決定するように制御するが、第3の実施形態は、両面自動印刷ユニット付きのインクジェット記録装置において記録媒体に両面印刷を行うときに、記録すべき領域の小さい面をインク付与量の少ない面と判定して先に記録するように制御するものである。
【0079】
ここで、記録すべき領域とは、記録媒体の記録面にインクを吐出して記録される画素(記録画素)の総数を意味し、この画素数は、画像データから記録データへの量子化が行われる前に、入力レベルが0以外の画素をカウントすることによって得られる。従って、記録すべき領域のサイズ(総画素数)は、ホスト機器において記録媒体の両面に記録するデータがそれぞれ指定されていれば、容易に算出することができる。
【0080】
図8は、本実施形態で1枚のハガキに両面印刷を行う時のシーケンスの一例を示すフローチャートである。
【0081】
両面印刷の実行が指示されると、まず、ステップS81において、表面と裏面とに対する記録画素の総数をそれぞれ算出し、どちらの面の記録画素数が多いか比較する。次に、ステップS82において、表面の記録画素数が裏面の記録画素数以下であるか否かを判定する。
【0082】
表面の記録画素数が裏面の記録画素数以下であれば、ステップS83に進み、表面の記録を実行する。そしてステップS84で、両面自動印刷ユニットを用いてハガキを反転させ、ステップS85で裏面の記録を実行して、両面が印刷されたハガキを排紙する。
【0083】
一方、ステップS82で、表面の記録画素数が裏面の記録画素数より多いと判定された場合には、ステップS86に進み、裏面の記録を実行する。そしてステップS77で、両面自動印刷ユニットを用いてハガキを反転させ、ステップS78で表面の記録を実行して、両面が印刷されたハガキを排紙する。
【0084】
なお、上記のフローチャートでは、ステップS82での判定結果に応じて、表面又は裏面の記録をすぐに実行するように示しているが、両面印刷の実行を指示する前に、ユーザが記録媒体(ハガキ)を記録装置の給紙部に既にセットしている場合も考えられるので、ステップS83及びステップS86の前に、「表面(裏面)から先に印刷します、給紙状態を確認してください。」等のメッセージをホスト機器の画面等に表示してユーザに通知し、ユーザが給紙状態を確認して必要に応じて指定された給紙状態とした後に、例えば、ラジオボタンをクリックするなどの所定の入力があった後に、実際の印刷を実行するようにするのが好ましい。
【0085】
また、ステップS81における記録画素数は、記録装置の内部で、ホスト機器から受信した画像データから算出するようにしてもよいが、このようにすると、DRAM2213に表裏2面に対応する画像データを格納する領域が必要になるので、ホスト機器(プリンタドライバ)において各面の画像データから記録画素数を算出してその結果を記録装置に送り、記録装置ではホスト機器から送信された各面の記録画素数を比較してどちらの面を先に記録するかを決定するような構成、あるいはホスト機器(プリンタドライバ)で各面の記録画素数を算出して比較し、先に記録する面を決定してその順番に従って記録装置に画像データを転送するような構成としてもよい。
【0086】
更に、ステップS82では、表面の記録画素数が裏面の記録画素数以下であれば、表面を先に記録するよう制御し、表面の記録画素数が裏面の記録画素数より多ければ、裏面を先に記録するよう制御しているが、上記第2の実施形態と類似の手法を採用し、表面及び裏面の記録画素数の差が所定範囲内である場合には、仮に、表面の記録画素数が裏面の記録画素数より多くとも、裏面を先に記録するようなことは行わず、通常通り、表面を先に記録するようにしてもよい。このようにすることにより、ページの並び順のくずれや制御の複雑化の発生を極力抑制することができるようになる。
【0087】
以上説明したように本実施形態によれば、記録すべき領域の小さい面の記録を先に行うことで、両面自動印刷ユニットに記録媒体を供給するときに記録媒体にカールが生じている可能性を一層低減することができる。これにより、両面自動印刷ユニットによって記録媒体を反転する際に、記録媒体のカールによる、搬送経路でのジャムや搬送におけるトラブルを防止することができ、記録画質を低下させずにスムーズに両面印刷を行うことができる。
【0088】
本実施形態は、ハガキ以外の記録媒体に両面印刷を実行する場合に特に好適であり、記録すべき領域のサイズ(記録画素)の算出を、ホスト機器で行うように構成すると、記録装置のデータ処理能力を向上させる必要がなく、かつ両面印刷の実行を指示してから印刷が実行されるまでの時間が短縮されるという効果も得られる。
【0089】
<第4の実施形態>
上記第2および第3の実施形態では、記録媒体のカールによる搬送不良を低減させて画質低下を極力招かないようにするべく、基本的に、インク付与量やインク付与領域の少ない面を先に記録するよう制御している。このような制御によれば、表面から先に記録を行った場合、裏面を上にして排出(排紙)され、一方、裏面から先に記録を行った場合、表面を上にして排出されることになるため、排紙部に積載される複数の記録媒体には表裏が逆転しているものと逆転していないものとが混在し、ページの並び順が崩れてしまう。そこで、この第4の実施形態では、インク付与量やインク付与領域の少ない面を先に記録するよう制御しても、ページの並び順がくずれないよう制御することを特徴としている。つまり、記録済みの記録媒体が常に裏面を上にして排出されるよう制御するのである。
【0090】
なお、この第4の実施形態では、後述するように、表面と裏面の両方に対する記録終了後に、記録媒体反転部へ再度記録媒体を搬送している。従って、比較的多くのインクが付与された記録媒体を記録媒体反転部へ搬送することになるため、カールが生じている記録媒体を搬送することになるかもしれない。カールが生じている記録媒体を搬送すると、搬送時の姿勢が正しく保てず、記録時のインク着弾精度が悪くなってしまう場合もある。しかし、本実施形態では、既に両面に対する記録が終了しているので、仮に、記録媒体のカールが原因でその搬送時の姿勢が正しく保てなかったとしても、記録には何ら影響を与えないので問題はない。
【0091】
図9は、本実施形態で記録媒体に両面印刷を行う際のシーケンスの一例を示すフローチャートである。ステップS901にて、両面印刷を実行するための両面印際モードが指定されると、ステップS092に進み、裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数よりも少ないか否かを判定する。なお、ここでは、記録ドット数を比較しているが、ドット数から換算されるインク付与量を比較してもよいし、記録画素数を比較してもよい。
【0092】
次に、ステップS902にて、裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数よりも少ないと判定されたら、ステップS903に進み、裏面データに基づく記録を先に行う。その後、ステップS904にて記録媒体を反転させ、ステップS905にて表面データに基づく記録を行う。このステップS905における記録終了後に記録媒体をそのまま排出すると、記録媒体は表面を上にして排出されることになる。そこで、ステップS905における記録終了後にはステップS906に進み、記録媒体を再度反転させ、その後、ステップS910にて記録媒体を排紙部に排出する。これにより排紙部には、裏面を上にして排出された記録媒体が積載することになる。
【0093】
一方、ステップS923にて、裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数よりも少なくないと判定されたら、ステップS907に進み、表面データに基づく記録を先に行う。その後、ステップS908にて記録媒体を反転させ、ステップS909にて裏面データに基づく記録を行う。その後、ステップS910にて記録媒体を排紙部に排出する。これにより排紙部には、裏面を上にして排出された記録媒体が積載することになる。
【0094】
以上から明らかように、裏面データに基づく記録が先に行われ、表面データに基づく記録が後で行われる場合には、両面に対する記録終了後に記録媒体を反転させてから排紙するよう構成しているので、表面データに基づく記録が後で行われる場合であっても、必ず裏面が上になって排出される。つまり、裏面データと表面データのいずれが先に記録される場合であっても、必ず裏面が上になるように記録媒体を排出しているので、インク付与量やインク付与領域の少ない面を先に記録するよう制御しても、排紙部に積載された記録媒体のページの並び順をくずさないようにすることができる。従って、本実施形態によれば、ハガキのカールによる搬送不良を低減しつつも、ページの並び順をくずさないように記録媒体を排出できる。
【0095】
なお、ステップS902では、裏面データの記録ドット数が表面データの記録ドット数よりも少ないか否かを判定することで、先に行うデータを決定しているが、上記第2〜第3の実施形態にて説明したのと類似の手法を採用し、表面データ及び裏面データの記録ドット数(インク付与量、インク付与領域)の差が所定範囲内である場合には、仮に、表面データの記録ドット数が裏面の記録ドット数より多くとも、裏面データを先に記録するようなことは行わず、通常通り、表面データを先に記録するようにしてもよい。
【0096】
<第5の実施形態>
上記第4の実施形態は、表面データに基づく記録を後に行う場合、両面記録終了後に記録媒体を再度反転させてから排紙する機能(以下、便宜上、再反転機能という)を有し、一方、上記第2の実施形態や第3の実施形態は上記再反転機能を有していないが、この第5の実施形態では、再反転機能を有する上記第4の実施形態における制御と、再反転機能を有さない上記第2、第3の実施形態における制御とを選択可能に構成した点を特徴としている。
【0097】
上述した図9のS906における再反転機能を実行すれば、必ず裏面が上となって排出されるので、ページの並び順を変化させずに済む。従って、ページの並び換えをユーザが行う必要は無くなる。その反面、再反転機能を実行すると、記録媒体を反転させるのに要する時間の分だけ記録媒体の排出が遅くなってしまう。以上のことを考慮すると、ページの並び換えを一切行いたくない場合や記録枚数が多い場合には再反転機能を実行することが望ましく、一方、時間優先の場合や記録枚数が少ない場合には再反転機能を実行することが望ましいと考えられる。
【0098】
そこで、本実施形態では、両面印刷モードを指定した場合に、再反転機能を実行させるか否かを選択できるようにしている。そして、再反転機能を実行させることが選択された場合、図9に示したように、表面データに基づく記録を後に行うときだけ、両面記録終了後に記録媒体を再度反転させてから排紙する処理を行い、一方、再反転機能を実行させないことが選択された場合、図7や図8に示したように、表面データに基づく記録を後に行うときであっても、両面記録終了後に記録媒体を反転させることは行わず、両面記録終了後には記録媒体をそのまま排紙する処理を行う。なお、第2の実施形態で説明した図7では、裏面データの記録ドット数と表面データの記録ドット数の差が所定範囲内の場合、裏面データの記録は先に行わないよう制御していたが、この第5の実施形態では、裏面データの記録ドット数と表面データの記録ドット数の差が所定範囲内かどうかの判定は行わず、単に、裏面データの記録ドット数が表面データよりも少ないか否かを判定するだけで先に記録するデータを決定する構成としてもよい。
【0099】
なお、再反転機能を実行させるか否かの選択は、記録装置に設けられたスイッチにより行う形態としてもよいが、好ましくは、記録装置と接続されるホスト機器のプリンタドライバにて行うのがよい。この場合、プリンタドライバのユーザインターフェース表示画面にて、両面印刷モードの指定に加え、再反転機能の選択ができるよう構成するのが好ましい。
【0100】
<他の実施の形態>
上述した各実施形態では、両面自動印刷ユニット(記録媒体反転部)を用いて両面印刷を実行する形態について説明した。この両面自動印刷ユニットは、記録装置に対し装着可能な形態であるが、記録装置と一体化していてもよい。また、両面印刷を実行できる機能を有していればユニットの形態でなくともよい。つまり、一方の面と他方の面の両方に記録可能なように記録媒体を搬送できる記録媒体反転部が記録装置に組み込まれていても良い。このように本発明のインクジェット記録装置は、記録媒体反転部が後から取り付けられるものであってもよいし、最初から組み込まれているものであってもよい。
【0101】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0102】
更に、上記では本発明に係る記録装置として記録ヘッドを搭載したキャリッジを記録媒体上で走査させて記録を行う、いわゆるシリアル型の記録装置を例に挙げて説明したが、本発明は記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドによって記録を行う、フルライン型の記録装置にも適用することができ、その場合、記録ヘッドの構成は、複数の記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0103】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0104】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0105】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0106】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0107】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0108】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0109】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0110】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した図6、図7、図8、図9に示したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、両面印刷を行う際に、記録濃度を低下させずに、記録媒体のカールによる、搬送経路でのジャムや搬送におけるトラブルを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置の側断面図である。
【図3】図1のインクジェット記録装置の反転ユニットの概略構成を示す図である。
【図4】図1のインクジェット機録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明において使用されるハガキの宛名面と通信面とを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における自動両面印刷のシーケンスを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態における自動両面印刷のシーケンスを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施形態における自動両面印刷のシーケンスを示すフローチャートである。
【図9】本発明の第4の実施形態における自動両面印刷のシーケンスを示すフローチャートである。
Claims (13)
- 記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面それぞれに対して記録を行う両面記録が可能なインクジェット記録装置を制御する方法であって、
両面記録を実行するための両面記録モードを指定する工程と、
前記両面記録モードが指定された場合、前記記録媒体の2つの面に対応する第1および第2データのうち、どちらのデータを先に記録するかを判定する工程とを有し、
前記判定工程では、前記第2データに基づき付与されるインクの付与量に関する第2の値が前記第1データに基づき付与されるインクの付与量に関する第1の値より小さく、且つ、前記第1の値と前記第2の値との差が所定値以上の場合、先に記録するデータを前記第2データと判定することを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。 - 記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面に対して記録を行うために、一方の面が記録された記録媒体を反転させた後に、再度、前記記録ヘッドにより記録が可能な領域へ前記記録媒体を搬送する両面記録ユニットを装着可能なインクジェット記録装置における両面記録を制御する方法であって、
両面記録を実行するための両面記録モードを指定する指定工程と、
前記両面記録モードが指定された場合、前記記録媒体の2つの面に対応する第1および第2データのうち、先に記録するデータと後に記録するデータを決定する決定工程と、
前記記録媒体の一方の面に対し、前記決定された先に記録するデータに基づいて前記記録ヘッドからインクを吐出する第1のインク吐出工程と、
前記一方の面に記録がなされた記録媒体を反転させ、当該反転させた記録媒体の他方の面に対し、前記決定された後に記録するデータに基づいて前記記録ヘッドからインクを吐出する第2のインク吐出工程と、
前記第2のインク吐出工程の後、前記記録媒体を排紙部へ排出する排出工程とを有し、
前記決定工程では、(A)前記第2データに基づき付与されるインクの付与量に関する第2の値が前記第1データに基づき付与されるインクの付与量に関する第1の値より小さく、且つ、前記第1の値と前記第2の値との差が所定値以上となる条件を満たす場合、前記先に記録するデータが前記第2データと決定され、前記後に記録するデータが前記第1データと決定され、(B)前記条件を満たさない場合、前記先に記録するデータが前記第1データと決定され、前記後に記録するデータが前記第2データと決定されることを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。 - 前記決定工程において、前記先に記録するデータが前記第2データと決定され、前記後に記録するデータが前記第1データと決定された場合にのみ、前記第2のインク吐出工程の後に前記記録媒体を反転させ、その後、当該反転させた記録媒体を排紙部へ排出することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
- 前記第2のインク吐出工程の後に前記記録媒体を反転させ、その後、当該反転させた記録媒体を排紙部へ排出する処理を実行するか否かが選択可能であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
- 記録に使用する記録媒体の種類を指定する工程と更に有し、
前記指定された記録媒体の種類がハガキの場合、前記決定工程では、前記条件を満たすかどうかを判断せず、前記ハガキの宛名を記載する面のデータを前記先に記録するデータと決定することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置の制御方法。 - 前記第1データに基づき付与されるインクの付与量に関する第1の値とは、前記第1データに基づき付与されるインクの付与数であり、
前記第2データに基づき付与されるインクの付与量に関する第2の値とは、前記第2データに基づき付与されるインクの付与数であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット記録装置の制御方法。 - 前記第1データに基づき付与されるインクの付与量に関する第1の値とは、前記第1データに基づき記録される画素の数であり、
前記第2データに基づき付与されるインクの付与量に関する第2の値とは、前記第2データに基づき記録される画素の数であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット記録装置の制御方法。 - 前記記録媒体の2つの面に対応する第1および第2データのうち、前記第2データは本来先に記録されるべきデータであり、前記第1データは本来後に記録されるべきデータであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のインクジェット記録装置の制御方法。
- 前記記録媒体の2つの面に対応する第1および第2データは、前記記録装置と接続されるホスト機器から転送されるものであり、
前記第2データは、本来先に転送されてくるべきデータであり、前記第1データは本来後に転送されてくるべきデータであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のインクジェット記録装置の制御方法。 - 記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面それぞれに対して記録を行う両面記録が可能なインクジェット記録装置を制御する方法であって、
両面記録を実行するための両面記録モードを指定する工程と、
記録に使用する記録媒体の種類を指定する工程と、
前記両面記録モードが指定され、且つ前記指定された記録媒体の種類がハガキの場合、前記ハガキの2つの面に対応するデータのうち、前記ハガキの宛名を記載する面のデータが先に記録されるよう制御する工程と、
を有することを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。 - 記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面に対して記録を行うために、一方の面が記録された記録媒体を反転させた後に、再度、前記記録ヘッドにより記録が可能な領域へ前記記録媒体を搬送する両面記録ユニットを装着可能なインクジェット記録装置における両面記録を制御する方法であって、
両面記録を実行するための両面記録モードを指定する指定工程と、
前記両面記録モードが指定された場合、前記記録媒体の2つの面に対応するデータのうち、先に記録するデータと後に記録するデータを決定する決定工程と、
前記記録媒体の一方の面に対し、前記決定された先に記録するデータに基づいて前記記録ヘッドからインクを吐出する第1のインク吐出工程と、
前記一方の面に記録がなされた記録媒体を反転させ、当該反転させた記録媒体の他方の面に対し、前記決定された後に記録するデータに基づいて前記記録ヘッドからインクを吐出する第2のインク吐出工程とを有し、
前記記録媒体がハガキの場合、前記決定工程では、前記ハガキの宛名を記載する面のデータを前記先に記録するデータと定めることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のインクジェット記録装置の制御方法。 - 記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面それぞれに対して記録を行う両面記録を実行するためのプログラムであって、
両面記録モードが指定された場合に、前記記録媒体の2つの面に対応する第1および第2データのうち、どちらのデータを先に記録するかを判定するにあたり、前記第2データに基づき付与されるインクの付与量に関する第2の値が前記第1データに基づき付与されるインクの付与量に関する第1の値より小さく、且つ、前記第1の値と前記第2の値との差が所定値以上の場合、先に記録するデータを前記第2データと判定する工程を、コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。 - 記録ヘッドからインクを付与して記録媒体の両面それぞれに対して記録を行う両面記録を実行するためのプログラムであって、
両面記録を実行するための両面記録モードを指定する工程と、
記録に使用する記録媒体の種類を指定する工程と、
前記両面記録モードが指定され、且つ前記指定された記録媒体の種類がハガキの場合、前記ハガキの2つの面に対応するデータのうち、前記ハガキの宛名を記載する面のデータが先に記録されるよう制御する工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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