JP2006240249A - 記録用紙、及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フルマルチヘッドを有する水性インクジェット高速記録装置を用いて印字した場合のインク乾燥性、直後に発生するカール及び波打ちを抑制する記録用紙、及び、高速で安定した用紙搬送性を有するインクジェット記録装置。
【解決手段】記録用紙の搬送方法と直交する方向へ配置され記録用紙幅を印字領域とする固定記録ヘッドを備え、記録用紙に対して表面張力20〜40mN/m、粘度1.5〜20mPa・sの水性インクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に使用される記録用紙。前記記録用紙のCD伸縮率が0.55%以下、内部結合強さが0.25N・m以下、ステキヒトサイズ度が10秒以下の普通紙である。当該普通紙を用いた場合には、当該普通紙以外の記録用紙を選択又は検知した場合よりも、速い搬送速度で記録用紙を搬送する、又は高い解像度となるよう記録用紙へインクを付与するインクジェット記録装置。
【選択図】なし
【解決手段】記録用紙の搬送方法と直交する方向へ配置され記録用紙幅を印字領域とする固定記録ヘッドを備え、記録用紙に対して表面張力20〜40mN/m、粘度1.5〜20mPa・sの水性インクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に使用される記録用紙。前記記録用紙のCD伸縮率が0.55%以下、内部結合強さが0.25N・m以下、ステキヒトサイズ度が10秒以下の普通紙である。当該普通紙を用いた場合には、当該普通紙以外の記録用紙を選択又は検知した場合よりも、速い搬送速度で記録用紙を搬送する、又は高い解像度となるよう記録用紙へインクを付与するインクジェット記録装置。
【選択図】なし
Description
本発明は、記録用紙、及び該記録用紙に適するインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方式はカラー化が容易であり、また、消費エネルギーが少なく、記録時の騒音も低く、さらにプリンタの製造コストを低く抑えることができるという特徴を有することから注目されてきている。近年では、高画質化、高速化、高信頼化が進み、記録用紙とほぼ同じ幅の長さのフルマルチヘッドを用いたインクジェット高速記録装置が検討され、オフィスへ本格的に参入することが予測される。オフィスにおいては、環境安全性の観点で水性インクを使用したインクジェット方式の記録装置が有利であり、かつ安価な普通紙に対する記録適性を向上させることが要求される。
フルマルチヘッドを用いた水性インクジェット高速記録装置はインクの乾燥性を高める必要があるため、用紙への浸透性の速いインクを使用している。また、従来のマルチパス方式のインクジェットプリンターと比較し、インクを重ね撃ちせず、一括で印字するためインクの吐出方向性が低下したり、吐出不良による白スジが確認されやすいことから、インク吐出量を多く設定する場合もある。それが故に、印字直後に発生するカール、カックルが増大し、搬送部材や記録ヘッドに擦れるといった問題発生や、カール、カックルが大きいが故に両面印字ができないといった問題も発生する。さらに60ppm以上の生産性になると、浸透性の速いインクを使用したとしても、両面印字時の搬送ローラーにインクが転写し記録用紙を汚すといった乾燥性の問題も発生する。
印字後のカール及び波打ちを改善する方法としては、例えば、抄造したシートを一度加湿し、紙の応力を緩和することでカール及び波打ちを軽減する方法(例えば、特許文献1参照。)、紙のCD方向の水中伸度を規制して、カール、波打ちを軽減する方法(例えば、特許文献2参照。)、紙のMD方向、CD方向の水中伸度の率を1.3倍以下にすることでカール、波打ちを軽減する方法(例えば、特許文献3参照。)、インク噴射部分の動作方向の水中伸度を2.0%以下にすることでカール、波打ちを軽減する方法(例えば、特許文献4参照)、CD方向の水中伸度を1.8%以下にすることでカール、波打ちを軽減する方法(例えば、特許文献5参照。)等が提案されている。
しかし、上述した方法では、カール、波打ちを低減することが報告されているが、記録用紙内部への浸透性が速いインクを用い、フルマルチヘッドを用いた水性インクジェット高速記録装置で印字した場合は、カール、波打ちが発生し、使用に耐えない。さらにインク乾燥性についても実用には改良が必要である。
また、インク受理層が設けられた記録用紙の内部結合強度を一定の範囲内にすることで印字後のうねりを軽減する方法が提案されている(例えば、特許文献6参照。)。
しかし、記録用紙内部への浸透性が速いインクを用い、フルマルチヘッドを用いた水性インクジェット高速記録装置で印字した場合は、内部結合強さのみでは印字直後に発生するカール、波打ちを抑えることはできず、使用に耐えられない。さらにインク乾燥性にも問題が発生する可能性もある。
さらに、高速印字の対応してインク乾燥性を高めるため、用紙を無サイズにしかつ空隙構造をもつベーマイト構造を有するアルミナ水和物を繊維表面近傍に留める試みが検討されている(例えば、特許文献7及び特許文献8参照。)。
しかし、インク乾燥性は改善されるが、カールに対しの対応はなされていないため、記録用紙内部への浸透性が速いインクを用い、フルマルチヘッドを用いた水性インクジェット高速記録装置で印字した場合は、印字直後に発生するカール、波打ちを抑えることはできず、使用に耐えられない。
特開平3−38375号公報
特開平3−38376号公報
特開平3−199081号公報
特開平7−276786号公報
特開平10−46498号公報
特許第3,172,298号明細書
特開平2002−211121号公報
特開平2002−225429号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、フルマルチヘッドを有する水性インクジェット高速記録装置を用いて印字した場合のインク乾燥性、印字直後に発生するカール及び波打ちを抑制する記録用紙、及び、高速で安定した用紙搬送性を有し、かつ高画質な画像が得られるインクジェット記録装置を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、フルマルチヘッドを有する水性インクジェット高速記録装置を用いて印字した場合のインク乾燥性、印字直後に発生するカール及び波打ちを抑制する記録用紙、及び、高速で安定した用紙搬送性を有し、かつ高画質な画像が得られるインクジェット記録装置を提供することを課題とする。
本発明者等は、フルマルチヘッドを用いた水性インクジェット高速記録装置において、インクの乾燥性向上及び印字直後に発生するカールおよび波打ちを抑制する方法について鋭意検討を行った。
フルマルチヘッドを用いた水性インクジェット高速記録装置では、記録紙上に印字されたインクが十分に乾燥されていないうちに、両面印字するとピンチローラー等の搬送部材にインクが転写し、さらに記録紙に再転写するといった問題が発生する。この問題を改善するために、ヒーターを用いる方法等が検討されているが、電気消費量が高く消費電力が少ないインクジェットのメリットを活かすことができない。
そこで、記録用紙側から、さらにオフィスで使用される普通紙でのアプローチで本課題の改善を試みた。普通紙においてインク吸収性を高める方法として、用紙のサイズ度、すなわちステキヒトサイズ度を低くすることでインクの乾燥性を抑えることが可能であることを確認した。しかし、普通紙におけるステキヒトサイズ度をただ低くすると、用紙内部へのインクの浸透性が高くなり印字直後に発生するカール、波打ちは逆に大きいなり、搬送部材への擦り、両面印字適性が一層悪化することを確認した。
そこで、本発明者等はさらに、インク乾燥性と印字直後に発生するカールや波打ち双方を改善することを鋭意検討した。その結果、記録用紙のステキヒトサイズ度を低く抑えた上で、CD方向の伸縮率を小さくし、さらに用紙の内部結合強さを小さくすることで達成することを確認した。用紙のCD方向の伸縮率を小さくするだけ、また内部結合強さを小さくするだけでは、フルマルチヘッドを用いた水性インクジェット高速記録装置おいて印字直後に発生するカールを十分に改善できないことを確認し、双方を一定以下に抑える必要があることを確認した。
従って、本発明者らは以上の知見を基に、フルマルチヘッドを用いた水性インクジェット高速記録装置で特に要求のある、高いインクの乾燥性とカールや波打ちの低減とを実現する下記記録用紙、及び該記録用紙に好適な下記インクジェット記録装置を発明するに至った。
<1> 記録用紙の搬送方法と直交する方向へ配置され記録用紙幅を印字領域とする固定記録ヘッドを備え、記録用紙に対して表面張力20〜40mN/m、粘度1.5〜20mPa・sの水性インクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に使用される記録用紙であって、
前記記録用紙が普通紙からなり、
前記記録用紙のCD伸縮率が0.55%以下で、内部結合強さが0.25N・m以下で、ステキヒトサイズ度が10秒以下であることを特徴とする記録用紙。
前記記録用紙が普通紙からなり、
前記記録用紙のCD伸縮率が0.55%以下で、内部結合強さが0.25N・m以下で、ステキヒトサイズ度が10秒以下であることを特徴とする記録用紙。
<2> 前記記録用紙が、HLB6〜13のノニオン系界面活性剤を含むことを特徴とする前記<1>に記載の記録用紙。
<3> 記録用紙を搬送する搬送手段と、記録用紙の搬送方法と直交する方向へ配置され記録用紙幅を印字領域とする固定記録ヘッドと、画像情報に基づき前記固定記録ヘッドから表面張力20〜40mN/m、粘度1.5〜20mPa・sの水性のインク滴を吐出させ、前記搬送手段で搬送される記録用紙へ画像を記録する吐出制御手段と、を有するインクジェット記録装置であって、
さらに、前記記録用紙の種類を選択又は検知する用紙判別手段を有し、
前記用紙判別手段が、0.55%以下のCD伸縮率で、内部結合強さが0.25N・m以下で、且つステキヒトサイズ度が10秒以下の普通紙を選択又は検知した場合は、該普通紙以外の記録用紙を選択又は検知した場合よりも、速い搬送速度で、前記搬送手段が記録用紙を搬送することを特徴とするインクジェット記録装置。
さらに、前記記録用紙の種類を選択又は検知する用紙判別手段を有し、
前記用紙判別手段が、0.55%以下のCD伸縮率で、内部結合強さが0.25N・m以下で、且つステキヒトサイズ度が10秒以下の普通紙を選択又は検知した場合は、該普通紙以外の記録用紙を選択又は検知した場合よりも、速い搬送速度で、前記搬送手段が記録用紙を搬送することを特徴とするインクジェット記録装置。
<4> 記録用紙を搬送する搬送手段と、記録用紙の搬送方法と直交する方向へ配置され記録用紙幅を印字領域とする固定記録ヘッドと、画像情報に基づき前記固定記録ヘッドから表面張力20〜40mN/m、粘度1.5〜20mPa・sの水性のインク滴を吐出させ、前記搬送手段で搬送される記録用紙へ画像を記録する吐出制御手段と、を有するインクジェット記録装置であって、
さらに、前記記録用紙の種類を選択又は検知する用紙判別手段を有し、
前記用紙判別手段が、0.55%以下のCD伸縮率で、かつ内部結合強さが0.25N・m以下、さらにステキヒトサイズ度が10秒以下の普通紙を選択又は検知した場合は、前記普通紙以外の記録用紙を選択又は検知した場合よりも高い解像度となるよう、前記吐出制御手段が記録用紙へ水性のインク滴を吐出し画像を記録することを特徴とするインクジェット記録装置。
さらに、前記記録用紙の種類を選択又は検知する用紙判別手段を有し、
前記用紙判別手段が、0.55%以下のCD伸縮率で、かつ内部結合強さが0.25N・m以下、さらにステキヒトサイズ度が10秒以下の普通紙を選択又は検知した場合は、前記普通紙以外の記録用紙を選択又は検知した場合よりも高い解像度となるよう、前記吐出制御手段が記録用紙へ水性のインク滴を吐出し画像を記録することを特徴とするインクジェット記録装置。
<5> 前記用紙判別手段が、0.55%以下のCD伸縮率で、かつ内部結合強さが0.25N・m以下、さらにステキヒトサイズ度が10秒以下の普通紙を選択又は検知した場合は、前記普通紙以外の記録用紙を選択又は検知した場合よりも高い解像度となるよう、前記吐出制御手段が、記録用紙へ水性のインク滴を吐出し画像を記録することを特徴とする前記<3>に記載のインクジェット記録装置。
<6> 前記普通紙が、HLB6〜13のノニオン系界面活性剤を含むことを特徴とする前記<3>〜<5>のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
<7> 両面印字が可能であることを特徴とする前記<3>〜<6>のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
本発明によれば、フルマルチヘッドを有する水性インクジェット高速記録装置を用いて印字した場合のインク乾燥性、印字直後に発生するカール及び波打ちを抑制する記録用紙、及び、高速で安定した用紙搬送性を有し、かつ高画質な画像が得られるインクジェット記録装置を提供することができる。
まず、本発明の記録用紙について説明し、次に本発明のインクジェット記録装置について説明し、続いて、本発明に適用し得るインクについて説明する。
本発明に使用される記録用紙は、CD伸縮率が0.55%以下で、内部結合強さが0.25N・m以下、かつステキヒトサイズ度が10秒以下である。
本発明の記録用紙に用いられる原紙は、パルプ繊維(セルロース繊維)と填料とを主体に含む。前記パルプ繊維としては、化学パルプ、具体的には広葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、広葉樹未晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹未晒亜硫酸パルプ等の他、木材及び綿、麻、じん皮等の繊維原料を化学的に処理して作製されたパルプ等が好ましく挙げられる。
また、木材やチップを機械的にパルプ化したグランドウッドパルプ、木材やチップに薬液を染み込ませた後に機械的にパルプ化したケミメカニカルパルプ、及びチップをやや軟らかくなるまで蒸解した後にリファイナーでパルプ化したサーモメカニカルパルプ等も使用できる。これらはバージンパルプのみで使用してもよいし、必要に応じて古紙パルプを加えてもよい。
特に前記バージンパルプとしては、塩素ガスを使用せず二酸化塩素を使用する漂白方法(Elementally Chrorine Free:ECF)や、塩素化合物を一切使用せずにオゾン/過酸化水素等を主に使用して漂白する方法(Total Chlorine Free:TCF)で漂白処理されたものであることが好ましい。
また、前記古紙パルプの原料としては、製本、印刷工場、断裁所等において発生する裁落、損紙、幅落しした上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙;印刷やコピーが施された上質紙、上質コート紙などの上質印刷古紙;水性インク、油性インク、鉛筆などで筆記された古紙;印刷された上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙等のチラシを含む新聞古紙;中質紙、中質コート紙、更紙等の古紙を配合することができる。
本発明に用いられる原紙において使用する古紙パルプは、前記古紙原料を、オゾン漂白処理又は過酸化水素漂白処理の少なくとも一方で処理して得られたものであることが好ましい。また、より白色度の高い記録用紙を得るという観点から、前記漂白処理によって得られた古紙パルプの配合率を50〜100質量%の範囲とすることが好ましい。さらに資源の再利用という観点から、前記古紙パルプの配合率を70〜100質量%の範囲とすることがより好ましい。
前記オゾン漂白処理は、上質紙に通常含まれている蛍光染料等を分解する作用があり、前記過酸化水素漂白処理は、脱墨処理時に使用されるアルカリによる黄変を防ぐ作用がある。前記古紙パルプは、オゾン漂白処理又は過酸化水素漂白処理の二つの処理を組み合わせることによって、古紙の脱墨を容易にするだけでなくパルプの白色度もより向上させることができる。また、パルプ中の残留塩素化合物を分解・除去する作用もあるため、塩素漂白されたパルプを使用した古紙の有機ハロゲン化合物含有量低減において多大な効果を得ることができる。
前記パルプ繊維を抄紙して原紙を得る際には、得られた原紙の繊維配向比が1.0〜1.55の範囲であることが好ましく、1.0〜1.45の範囲であることがより好ましく、1.0〜1.35の範囲であることが更に好ましい。前記繊維配向比が1.0〜1.55の範囲外であると、インクジェット方式で印字した場合に、印字後の記録用紙のカールが悪化する場合がある。
なお、前記繊維配向比とは、超音波伝播速度法を利用して測定される繊維配向比を意味し、記録用紙のMD方向(抄紙機の進行方向)の超音波伝播速度を、記録用紙のCD方向(抄紙機の進行方向に対して垂直に交わる方向)の超音波伝播速度で除した値を示すもので、下記式(1)で表されるものである。
式(1); 原紙の超音波伝播速度法による繊維配向比(T/Y比)
=MD方向超音波伝播速度 ÷ CD方向超音波伝播速度
=MD方向超音波伝播速度 ÷ CD方向超音波伝播速度
この超音波伝播速度法による繊維配向比は、Sonic Sheet Tester(野村商事(株)社製)を使用して測定することができる。
また、本発明に用いられる原紙には、パルプ繊維に加えて、不透明度、白さ、及び表面性を調整するため填料が添加される。なお、記録用紙中のハロゲン量を低減したい場合には、ハロゲンを含まない填料を使用することが好ましい。
前記填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク、カオリン、焼成クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、セリサイト、ホワイトカーボン、サポナイト、カルシウムモンモリロナイト、ソジウムモンモリロナイト、ベントナイト等の無機顔料、及び、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、尿素樹脂、等の有機顔料を挙げることができ、好ましくは、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムである。
また、原紙に古紙パルプを配合する場合には、古紙パルプ原料に含まれる灰分を予め推定して、填料の添加量を調整する必要がある。
前記填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク、カオリン、焼成クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、セリサイト、ホワイトカーボン、サポナイト、カルシウムモンモリロナイト、ソジウムモンモリロナイト、ベントナイト等の無機顔料、及び、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、尿素樹脂、等の有機顔料を挙げることができ、好ましくは、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムである。
また、原紙に古紙パルプを配合する場合には、古紙パルプ原料に含まれる灰分を予め推定して、填料の添加量を調整する必要がある。
本発明の記録用紙は、更に内添サイズ剤を添加することが好ましく、内添サイズ剤としては、中性抄紙に用いられる、中性ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)、アルキルケテンダイマー(AKD)、石油樹脂系サイズ剤が使用できる。本発明の記録用紙において、より好適な内添サイズ剤は、アルケニル無水コハク酸である。
本発明の記録用紙は、上述したセルロース繊維を含む原紙を有するが、表面に顔料を含む塗工層を持たない、普通紙である。但し、ここで言う普通紙とは顔料を実質的に含まず、塗工層の形成に用いられる塗工液中の顔料の配合量が10質量%以下であることを意味する。
本発明の記録用紙のCD伸縮率は0.55%以下であり、好ましくは0.5以下であり、更に好ましくは0.45以下である。CD伸縮率は0.55%を上回ると、本発明のシステムにおいて印字直後のカール、波打ちが大きくなり、両面印字ができなくなる可能性が高くなるため好ましくない。
「CD伸縮率」とは、温度が23℃に保たれた恒温環境下に記録用紙を放置した際に、湿度を1時間毎に(1)「65%R.H.」→(2)「25%R.H.」→(3)「65%R.H.」→(4)「90%R.H.」と変化させる吸脱湿処理を3サイクル繰り返し、3サイクル目において湿度を(1)「65%R.H.」→(2)「25%R.H.」に変化させた時の記録用紙の寸法変化率を意味する。記録用紙の寸法測定には王子エンジニアリング製H・K式伸縮度試験器を用いて測定する。
なお、「CD(方向)」とは記録用紙製造時の流れ方向を横断する方向であり、記録用紙の寸法測定に際しては、記録用紙製造時の流れ方向を横断する方向の寸法を測定する。
なお、「CD(方向)」とは記録用紙製造時の流れ方向を横断する方向であり、記録用紙の寸法測定に際しては、記録用紙製造時の流れ方向を横断する方向の寸法を測定する。
CD伸縮率を小さくする方法としては、(1)使用するパルプの叩解を弱め高濾水度パルプを原料に使用する、(2)角質化したパルプを原料に使用する、(3)填料の種類及び添加量を最適化する、(3)ウエットプレス圧を低減する、(4)繊維配向を低減する、等の方法が挙げられる。また(5)界面活性剤の添加により伸縮率を低減することもできる。
本発明における記録用紙の内部結合強さは、0.25N・m以下である必要があり、0.05〜0.2N・mであることがより好ましい。内部結合強さが0.05N・mを下回ると、用紙としての強度が弱くなることから取扱上好ましくなく、内部結合強さが0.25N・mを越えると、記録用紙中の繊維間の伸縮伝達性が大きくなり、印字直後のカール及び波打ち、が大きくなり、両面印字ができなくなる可能性が高くなるため好ましくない。
なお、本発明において、「内部結合強さ」とは、JAPAN TAPPI No.18−2に規定される方法に従い測定される値をいう。内部結合強さは、熊谷理機工業社製インターナルボンドテスターを用いて測定することができる。
なお、本発明において、「内部結合強さ」とは、JAPAN TAPPI No.18−2に規定される方法に従い測定される値をいう。内部結合強さは、熊谷理機工業社製インターナルボンドテスターを用いて測定することができる。
上記内部結合強さを調整する方法としては、例えば、内部結合強さを小さくするためには、繊維間の接点を少なくすることが考えられる。このような調整は、パルプの叩解度、パルプの種類、用紙内部の填料の種類/量、サイズ剤の種類/量、バインダーの種類/量、ウェットプレス圧、ドライング条件を変更することより行うことができる。
また前記同様に、界面活性剤添加により内部結合強さを小さくすることもできる。
また前記同様に、界面活性剤添加により内部結合強さを小さくすることもできる。
内部結合強さを小さくするためには、(1)パルプの叩解度を高くする、(2)用紙内部の填料の種類として、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなどを用い、填料の量を多くする、(3)バインダーの種類として、低分子の酸化澱粉、酵素変性澱粉を用い、バインダー量を少なくする、等で達成できる。
本発明におけるステキヒトサイズ度は10秒以下である必要があり、5秒以下がより好ましい。ステキヒトサイズ度が10秒を超えるとインク乾燥性が遅くなり、本システムにおいては、搬送部材との擦れ、両面印字時に搬送部材についたインクが記録用紙に再転写する問題が発生し得る。
なお、前記ステキヒトサイズ度とは、JIS P8111(1998年度版)に規定する標準環境(温度23℃、相対湿度50%RH)において測定したJIS P8122(1976年度版)にいうステキヒトサイズ度である。
ステキヒトサイズ度が10秒以下であることが好ましく、さらには5秒の以下であることがより好ましい。前記ステキヒトサイズ度が10秒を超えると、インクの浸透が遅くなるため、のシステムにおいてはインク乾燥性不十分による両面印字適性が維持ない場合があることから好ましくない。
ステキヒトサイズ度を調整する方法としては、前記載の内添サイズ剤、表面サイズ剤の添加量、または界面活性剤の添加量を変更することにより調整することができる。
ステキヒトサイズ度を小さくするためには、(1)内添サイズ剤の添加量を少なくする、(2)表面サイズ剤の添加量を少なくする、(3)界面活性剤の添加量を多くする、等で達成できる。
表面サイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性サイズ剤、澱粉、ポリビニルアルコール等を使用することができ、好ましくは、中性サイズ剤、澱粉である。
表面サイズ剤を原紙の表面に塗布するには、水に表面サイズ剤を溶解、分散し、その溶液をサイズプレス処理、シムサイズ、ゲートロール、ロールコーター、バーコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、ブレードコーター等の通常使用されている塗工手段によって塗布することができる。
記録用紙のCD伸縮率、内部結合強さ、ステキヒトサイズ度を本発明に規定の範囲内とするため、400〜500mlの濾水度のパルプを用いることが好ましく、より好ましくは、420〜480mlの濾水度である。
更にパルプのウェットプレス圧は、20〜50kg/cmとすることが好ましく、より好ましくは30〜40kg/cmである。
好ましい填料の配合量は、前記パルプ繊維100質量部に対して、1〜30質量部の範囲であることが好ましく、5〜20質量部添加することがより好ましい。填料の配合量を増加させていくと内部結合強さを低減する方向に向かうため、印字直後に発生するカールや波打ちを低減化させる働きがあるが、多く添加すると用紙搬送として静電吸着ベルト方式を用いたプリンターでは紙粉が顕著に発生しやすくなりインクジェットヘッドへの汚染が懸念されるため好ましくない。
記録用紙に用いることができるバインダーは、完全ケン化ポリビニルアルコール、不完全ケン化ポリビニルアルコール、カチオン化ポリビニルアルコール、珪素含有ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カゼイン、大豆カゼイン、変性大豆カゼイン、合成蛋白質類、ゼラチン、酸化澱粉、カチオン化澱粉、リン酸エステル化澱粉、変性澱粉などの水溶性樹脂等であり、酸化澱粉、変性澱粉がより好ましい。
バインダーの好ましい配合量は、前記パルプ繊維100質量部に対して、5〜20質量部の範囲であり、5〜10質量部添加することがより好ましい。
上記表面サイズ液の処理量としては、0.5〜5.0g/m2の範囲であることが好ましく、1.0〜4g/m2の範囲であることがより好ましい。
表面サイズ液の処理量が5g/m2を上回ると、表面サイズ剤の絶対量が多く、インクの乾燥性が悪化するため好ましくない。また、0.5g/m2を下回ると、表面サイズ剤の絶対量が少なく、プリンター等で記録用紙を走行させた際、紙粉が発生し機械にトラブルを発生させてしまう場合があるため好ましくない。
表面サイズ液の処理量が5g/m2を上回ると、表面サイズ剤の絶対量が多く、インクの乾燥性が悪化するため好ましくない。また、0.5g/m2を下回ると、表面サイズ剤の絶対量が少なく、プリンター等で記録用紙を走行させた際、紙粉が発生し機械にトラブルを発生させてしまう場合があるため好ましくない。
使用し得る界面活性剤は、アニン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などがあり、その中でものノニオン系界面活性剤の効果が大きく、さらにHLBが6〜13のノニオン系界面活性剤が好ましく、より好ましくはHLBが6〜8のノニオン系界面活性剤である。
界面活性剤の処理量としては、0.01〜0.5g/m2の範囲であることが好ましく、0.02〜0.2g/m2の範囲であることがより好ましい。
次に、本発明のインクジェット記録装置について説明する。
記録用紙を搬送する搬送手段と、記録用紙の搬送方法と直交する方向へ配置され記録用紙幅を印字領域とする固定記録ヘッド(以下、「フルマルチヘッド」と称する場合あり。)と、画像情報に基づき前記固定記録ヘッドから表面張力20〜40mN/m、粘度1.5〜20mPa・sの水性のインク滴を吐出させ、前記搬送手段で搬送される記録用紙へ画像を記録する吐出制御手段と、を有するインクジェット記録装置であって、さらに、前記記録用紙の種類を選択又は検知する用紙判別手段を有するインクジェット記録装置である。
特に本発明では、前記用紙判別手段が、0.55%以下のCD伸縮率で、内部結合強さが0.25N・m以下で、且つステキヒトサイズ度が10秒以下の普通紙を選択又は検知した場合は、該普通紙以外の記録用紙を選択又は検知した場合よりも、速い搬送速度で、前記搬送手段が記録用紙を搬送することを特徴とする。又は、前記普通紙以外の記録用紙を選択又は検知した場合よりも高い解像度となるよう、前記吐出制御手段が記録用紙へ水性のインク滴を吐出し画像を記録することを特徴とする。
記録用紙を搬送する搬送手段と、記録用紙の搬送方法と直交する方向へ配置され記録用紙幅を印字領域とする固定記録ヘッド(以下、「フルマルチヘッド」と称する場合あり。)と、画像情報に基づき前記固定記録ヘッドから表面張力20〜40mN/m、粘度1.5〜20mPa・sの水性のインク滴を吐出させ、前記搬送手段で搬送される記録用紙へ画像を記録する吐出制御手段と、を有するインクジェット記録装置であって、さらに、前記記録用紙の種類を選択又は検知する用紙判別手段を有するインクジェット記録装置である。
特に本発明では、前記用紙判別手段が、0.55%以下のCD伸縮率で、内部結合強さが0.25N・m以下で、且つステキヒトサイズ度が10秒以下の普通紙を選択又は検知した場合は、該普通紙以外の記録用紙を選択又は検知した場合よりも、速い搬送速度で、前記搬送手段が記録用紙を搬送することを特徴とする。又は、前記普通紙以外の記録用紙を選択又は検知した場合よりも高い解像度となるよう、前記吐出制御手段が記録用紙へ水性のインク滴を吐出し画像を記録することを特徴とする。
以下、本発明のインクジェット記録装置について図面を参照して説明するが、同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置12を示す図である。
インクジェット記録装置12の筐体14内の下部には給紙トレイ16が備えられており、給紙トレイ16内に積層された用紙Pをピックアップロール18で1枚ずつ取り出すことができる。取り出された用紙Pは、所定の搬送経路22を構成する複数の搬送ローラ対20で搬送される。
インクジェット記録装置12の筐体14内の下部には給紙トレイ16が備えられており、給紙トレイ16内に積層された用紙Pをピックアップロール18で1枚ずつ取り出すことができる。取り出された用紙Pは、所定の搬送経路22を構成する複数の搬送ローラ対20で搬送される。
給紙トレイ16の上方には、駆動ロール24及び従動ロール26に張架された無端状の搬送ベルト28が配置されている。搬送ベルト28の上方には記録ヘッドアレイ30が配置されており、搬送ベルト28の平坦部分28Fに対向している。この対向した領域が、記録ヘッドアレイ30からインク滴が吐出される吐出領域SEとなっている。
搬送経路22を搬送された用紙Pは、搬送ベルト28で保持されてこの吐出領域SEに至り、記録ヘッドアレイ30に対向した状態で、記録ヘッドアレイ30から画像情報に応じたインク滴が付着される。
搬送経路22を搬送された用紙Pは、搬送ベルト28で保持されてこの吐出領域SEに至り、記録ヘッドアレイ30に対向した状態で、記録ヘッドアレイ30から画像情報に応じたインク滴が付着される。
記録ヘッドアレイ30は、本実施形態では、有効な記録領域が用紙Pの幅(搬送方向と直交する方向の長さ)以上とされた長尺状とされ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、サイアン(C)、及びブラック(K)の4色それぞれに対応した4つのインクジェット記録ヘッド32が搬送方向に沿って配置されており、フルカラーの画像を記録可能になっている。
記録ヘッド32Y,32M,32C,32Kに含まれるインクは、それぞれインクタンク54Y,54M,54C,54Kから供給される。
記録ヘッド32Y,32M,32C,32Kに含まれるインクは、それぞれインクタンク54Y,54M,54C,54Kから供給される。
記録ヘッドアレイ30の両側には、それぞれのインクジェット記録ヘッド32に対応した4つのメンテナンスユニット34が配置されている。
記録ヘッドアレイ30の下流側には、剥離プレート40(図3参照)が配置されており、用紙Pを搬送ベルト28から剥離させる。剥離された用紙Pは、剥離プレート40の下流側で排出経路44を構成する複数の排出ローラ対42で搬送され、筐体14の上部に設けられた排紙トレイ46に排出される。
インクジェット記録装置12は、両面印字が可能な装置となっている。
所定の搬送ローラー対42Aは、反転部52へ記録用紙Pを送出可能となっている。両面印字では、搬送ローラー対42Aにおいて用紙を反転し、反転部52へ搬送する。反転部52は適宜位置に配設された用紙搬送用の搬送ローラー対50を複数有しており、記録用紙Pを搬送ローラー対42Aから搬送ローラー対20Aまで、その印刷された面を上に向けた状態で搬送し、シングルパスでの裏面の印刷を可能とする。
所定の搬送ローラー対42Aは、反転部52へ記録用紙Pを送出可能となっている。両面印字では、搬送ローラー対42Aにおいて用紙を反転し、反転部52へ搬送する。反転部52は適宜位置に配設された用紙搬送用の搬送ローラー対50を複数有しており、記録用紙Pを搬送ローラー対42Aから搬送ローラー対20Aまで、その印刷された面を上に向けた状態で搬送し、シングルパスでの裏面の印刷を可能とする。
更に、インクジェット記録装置12は、インクジェット記録装置12全体の制御を行うシステム制御手段(図示せず)を有し、インクの吐出について各インクジェット記録ヘッド32の制御を行う吐出制御部、キャリッジモータやラインフィードモータ等の駆動を制御する機械制御部、検出器・スイッチを制御する検出器・スイッチ制御部、表示パネル等を制御する表示素子制御部、データを記憶する記憶部を備える。
図2は、メンテナンスユニットの動作を説明する図である。
インクジェット記録ヘッド32に対してメンテナンスを行う場合には、記録ヘッドアレイ30が上方へ移動し、搬送ベルト28との間に構成された間隙にメンテナンスユニット34が移動して入り込む。そして、ノズル面32N(図3参照)に対向した状態で、所定のメンテナンス動作(バキューム、ダミージェット、ワイピング、キャッピング等)を行う。
インクジェット記録ヘッド32に対してメンテナンスを行う場合には、記録ヘッドアレイ30が上方へ移動し、搬送ベルト28との間に構成された間隙にメンテナンスユニット34が移動して入り込む。そして、ノズル面32N(図3参照)に対向した状態で、所定のメンテナンス動作(バキューム、ダミージェット、ワイピング、キャッピング等)を行う。
図3に示すように、記録ヘッドアレイ30の上流側には、電源38が接続された帯電ロール36が配置されている。帯電ロール36は、従動ロール26との間で搬送ベルト28及び用紙Pを挟みつつ従動し、用紙Pを搬送ベルト28に押圧する押圧位置と、搬送ベルト28から離間した離間位置との間を移動可能とされている。押圧位置では、接地された従動ロール26との間に所定の電位差が生じるため、用紙Pに電荷を与えて搬送ベルト28に静電吸着させることができる。
インクジェット記録ヘッド32は、滲み及び色間滲みの改善効果という観点から熱インクジェット記録方式、又は、ピエゾインクジェット記録方式を採用したものであることが好ましい。
熱インクジェット記録方式の場合、吐出時にインクが加熱され、低粘度となっているが、記録媒体上でインクの温度が低下するため、粘度が急激に大きくなるため、滲み及び色間滲みに改善効果がある。
一方、ピエゾインクジェット記録方式の場合、高粘度の液体を吐出することが可能であり、高粘度の液体は記録媒体上での紙表面方向への広がりを抑制することが可能となるため、滲み、及び、色間滲みに改善効果がある。
熱インクジェット記録方式の場合、吐出時にインクが加熱され、低粘度となっているが、記録媒体上でインクの温度が低下するため、粘度が急激に大きくなるため、滲み及び色間滲みに改善効果がある。
一方、ピエゾインクジェット記録方式の場合、高粘度の液体を吐出することが可能であり、高粘度の液体は記録媒体上での紙表面方向への広がりを抑制することが可能となるため、滲み、及び、色間滲みに改善効果がある。
図4は、本発明のインクジェット記録装置のブロック図である。
システム制御手段では、プリントすべき文字や画像のデータ(以下、「画像データ」と称する。)及びその他データが、CPU100の管理の下で記憶部101に転送される。機械制御部102は、CPU100からの指令によりキャリッジモータやラインフィードモータ等の機械部103を駆動する。検出器・スイッチ制御部104は、各種検出器やスイッチ105からの信号をCPU100に送り、CPU100の管理の下で記憶部101に転送される。表示素子制御部106は、CPU100からの指令により表示パネル107を制御する。吐出制御部108は、CPUからの指令により記録ヘッド109を制御する。CPU100は、記憶部101に記憶されたデータをもとに演算し、演算後のデータによって、各制御部に指示する。
システム制御手段では、プリントすべき文字や画像のデータ(以下、「画像データ」と称する。)及びその他データが、CPU100の管理の下で記憶部101に転送される。機械制御部102は、CPU100からの指令によりキャリッジモータやラインフィードモータ等の機械部103を駆動する。検出器・スイッチ制御部104は、各種検出器やスイッチ105からの信号をCPU100に送り、CPU100の管理の下で記憶部101に転送される。表示素子制御部106は、CPU100からの指令により表示パネル107を制御する。吐出制御部108は、CPUからの指令により記録ヘッド109を制御する。CPU100は、記憶部101に記憶されたデータをもとに演算し、演算後のデータによって、各制御部に指示する。
本発明のインクジェット記録装置では、本発明の記録用紙を用い、用紙判別手段により用紙の種類を選択又は検知した場合、本発明の記録用紙ではないものを選択又は検知した場合よりも、速い搬送速度で記録用紙を搬送することができる。本発明の記録用紙は、インクの乾燥性が速く、かつカールや波打ちの発生が抑えられるため、高速印字が可能である。本発明以外の記録用紙の印字速度を毎分30ページ(A4換算)とし、本発明の用紙使用時に印字速度を次第に上げていったところ毎分180ページまで良好な印字が可能であることを確認した。毎分180ページを越える条件ではインクの乾燥が不十分で用紙搬送部材にインクの一部が転写し、画質が低下した。
図5は、搬送速度の制御の方法を示すフローチャートである。
図5において、ステップ11では、用紙判別手段により、プリントすべきデータが本発明の用紙か否かを判定する。本発明の用紙ならばステップ12へ、それ以外はステップ13へ進む。用紙判別は、タッチパネル等により用紙を選択して、その選択されたデータを用いて行ってもよいし、センサによって用紙を判別してもよい。
ステップ12では、速い搬送速度に設定する。
図5において、ステップ11では、用紙判別手段により、プリントすべきデータが本発明の用紙か否かを判定する。本発明の用紙ならばステップ12へ、それ以外はステップ13へ進む。用紙判別は、タッチパネル等により用紙を選択して、その選択されたデータを用いて行ってもよいし、センサによって用紙を判別してもよい。
ステップ12では、速い搬送速度に設定する。
なお、ステップ12では、上述のように、速い搬送速度の区間を、印字後から排紙トレイまでの間、あるいは全区間と設定することができ、更には、吐出領域SEでの搬送速度を速くすることもできる。また、これら区間の組み合わせで、搬送速度を速めてもよい。
また、本発明の記録用紙は、乾燥性に優れ、かつカールや波打ちの発生が少ないため、他の記録用紙を用いた場合よりもインクの付与量を多くすることが可能である。したがって、本発明の記録用紙を用い、その種類が選択又は検知されたときには、単位面積あたりのドロップ数を多くでき、又は1ドロップ当たりの液滴量を増やすことができる。従来のようにインク付与量を低減するために解像度を低下させたり、1ドロップ当たりの液滴量を減らす必要はなく、十分な画像濃度と高い解像度による良好な画像を得ることができる。
単位面積あたりのドロップ数は、印字時の記録用紙の搬送速度を変更することで、変えることができる。印字時に副走査方向へ用紙を搬送する紙送り機構(搬送手段)が、副走査方向におけるドロップ中心間の距離を小さくするように搬送すると、単位面積あたりのドロップ数は多くなる。
本発明の記録用紙に対して印字する場合、記録ヘッドのノズルから吐出されるインクドロップ量は、解像度900〜2400dpiで3〜10plの範囲であることが好ましく、3〜7plの範囲であることがさらに好ましい。本発明の記録用紙以外の用紙に対して印字する場合、インクドロップ量は、解像度600dpiで、3〜10plの範囲であることが好ましく、3〜7plの範囲であることがさらに好ましい。
本発明の記録用紙に対して印字する場合、解像度900〜2400dpiで1ドロップ量が10plを超える場合には、滲みが悪化することがある。これは、インクの記録媒体に対する接触角がドロップ量に依存して変化するためであり、ドロップ量が増えるにつれてドロップが紙表面方向に広がりやすい傾向があるためと考えている。
但し、一つのノズルから複数の体積のドロップを噴射することが可能である場合、ドロップ量とは、印字可能な最小ドロップのドロップ量を指すこととする。本発明の記録用紙以外の用紙に対して印字する場合、解像度600dpiでインクの1ドロップ量は、10pl以下であることが好ましい。より好ましくは、7pl以下である。
図6は、画質の制御の方法を示すフローチャートである。
図6において、ステップ21では、プリントすべきデータが本発明の用紙か否かを判定する。本発明の用紙ならばステップ22へ、それ以外はステップ23へ進む。
ステップ22では、印字時における副走査方向のドロップ中心間の距離が小さくなるような搬送、すなわち副走査方向において次の1ドロップを吐出するために搬送する用紙の送りの距離が短くなるように設定する。
図6において、ステップ21では、プリントすべきデータが本発明の用紙か否かを判定する。本発明の用紙ならばステップ22へ、それ以外はステップ23へ進む。
ステップ22では、印字時における副走査方向のドロップ中心間の距離が小さくなるような搬送、すなわち副走査方向において次の1ドロップを吐出するために搬送する用紙の送りの距離が短くなるように設定する。
図6の制御によって、本発明の用紙を用いる場合にはドロップ数が多くなり、結果、高画質な画像となる。
図7は、画質の制御示す他のフローチャートである。
図7において、ステップ31では、プリントすべきデータが本発明の用紙か否かを判定する。本発明の用紙ならばステップ32へ、それ以外はステップ33へ進む。
ステップ32では、1ドロップ当たりの液滴量が多くなるように設定する。
図7において、ステップ31では、プリントすべきデータが本発明の用紙か否かを判定する。本発明の用紙ならばステップ32へ、それ以外はステップ33へ進む。
ステップ32では、1ドロップ当たりの液滴量が多くなるように設定する。
図7の制御によって、本発明の用紙を用いる場合には液適量が多くなるため、高濃度の印字が可能となり、結果、高画質な画像となる。
次に、本発明に使用されるインクについて説明する。
本発明のインクとしては、少なくとも色材を含む公知のインクであれば特に限定されないが、色材、アニオン性化合物、水溶性有機溶媒及び水を必須の成分として含有するものが好ましく、その他、顔料分散剤、界面活性剤、各種添加剤等を含有することができる。以下、それぞれの成分について説明する。
本発明のインクとしては、少なくとも色材を含む公知のインクであれば特に限定されないが、色材、アニオン性化合物、水溶性有機溶媒及び水を必須の成分として含有するものが好ましく、その他、顔料分散剤、界面活性剤、各種添加剤等を含有することができる。以下、それぞれの成分について説明する。
−色材−
インクに使用される色材としては、水溶性染料、有機顔料、無機顔料等が挙げられる。
黒インクの場合は顔料を主体としたものが一般的であり、黒色の顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料等が挙げられ、具体的な例としては、Raven7000、Raven5750、Raven5250、Raven5000 ULTRA II、Raven3500、Raven2000、Raven1500、Raven1250、Raven1200、Raven1190 ULTRA II、Raven1170、Raven1255、Raven1080、Raven1060(以上コロンビアンDカーボン社製)、Regal400R、Regal330R、Regal660R、Mogul L、BlackPearlsL、Monarch700、Monarch800、Monarch880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black 18、Color Black FW200、Color Black S150、ColorBlack S160、Color Black S170、Pritex35、PritexU、Pritex Vrintex140U、Printex140V、Special Black6、Special Black 5、Special、Black 4A、Special Black4(以上デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学社製)等が挙げられる。
インクに使用される色材としては、水溶性染料、有機顔料、無機顔料等が挙げられる。
黒インクの場合は顔料を主体としたものが一般的であり、黒色の顔料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料等が挙げられ、具体的な例としては、Raven7000、Raven5750、Raven5250、Raven5000 ULTRA II、Raven3500、Raven2000、Raven1500、Raven1250、Raven1200、Raven1190 ULTRA II、Raven1170、Raven1255、Raven1080、Raven1060(以上コロンビアンDカーボン社製)、Regal400R、Regal330R、Regal660R、Mogul L、BlackPearlsL、Monarch700、Monarch800、Monarch880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400(以上キャボット社製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black 18、Color Black FW200、Color Black S150、ColorBlack S160、Color Black S170、Pritex35、PritexU、Pritex Vrintex140U、Printex140V、Special Black6、Special Black 5、Special、Black 4A、Special Black4(以上デグッサ社製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学社製)等が挙げられる。
カーボンブラックの好適な構造を一律に議論することは困難であるが、平均一次粒子径が15〜30nm、BET表面積が70〜300m2/g、DBP吸油量が0.5〜1.0×10-3L/g、揮発分が0.5〜10質量%、灰分が0.01〜1.00質量%の範囲であることが好ましい。上記範囲から外れたカーボンブラックを使用すると、インク中での分散粒子径が大きくなることがある。
シアン、マゼンタ、イエローインクに用いられる色材としては、染料に限らず、疎水性顔料に親水基を含む分散剤を添加して親水性を持たせた顔料、及び自己分散型顔料も使用することができる。
前記水溶性染料としては、公知のもの、あるいは新規に合成したものを用いることができる。中でも、鮮やかな色彩の得られる、直接染料あるいは酸性染料が好ましい。具体的には、C.I.ダイレクトブルー−1、−2、−6、−8、−22、−34、−70、−71、−76、−78、−86、−142、−199、−200、−201、−202、−203、−207、−218、−236及び287、C.I.ダイレクトレッド−1、−2、−4、−8、−9、−11、−13、−20、−28、−31、−33、−37、−39、−51、−59、−62、−63、−73、−75、−80、−81、−83、−87、−90、−94、−95、−99、−101、−110及び189、C.I.ダイレクトイエロー−1、−2、−4、−8、−11、−12、−26、−27、−28、−33、−34、−41、−44、−48、−86、−87、−88、−135、−142及び144、C.I.アシッドブルー−1、−7、−9、−15、−22、−23、−27、−29、−40、−43、−55、−59、−62、−78、−80、−81、−90、−102、−104、−111、−185及び254、C.I.アシッドレッド−1、−4、−8、−13、−14、−15、−18、−21、−26、−35、−37、−249及び257、C.I.アシッドイエロー−1、−3、−4、−7、−11、−12、−13、−14、−19、−23、−25、−34、−38、−41、−42、−44、−53、−55、−61、−71、−76及び79等が用いられる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
前記水溶性染料としては、公知のもの、あるいは新規に合成したものを用いることができる。中でも、鮮やかな色彩の得られる、直接染料あるいは酸性染料が好ましい。具体的には、C.I.ダイレクトブルー−1、−2、−6、−8、−22、−34、−70、−71、−76、−78、−86、−142、−199、−200、−201、−202、−203、−207、−218、−236及び287、C.I.ダイレクトレッド−1、−2、−4、−8、−9、−11、−13、−20、−28、−31、−33、−37、−39、−51、−59、−62、−63、−73、−75、−80、−81、−83、−87、−90、−94、−95、−99、−101、−110及び189、C.I.ダイレクトイエロー−1、−2、−4、−8、−11、−12、−26、−27、−28、−33、−34、−41、−44、−48、−86、−87、−88、−135、−142及び144、C.I.アシッドブルー−1、−7、−9、−15、−22、−23、−27、−29、−40、−43、−55、−59、−62、−78、−80、−81、−90、−102、−104、−111、−185及び254、C.I.アシッドレッド−1、−4、−8、−13、−14、−15、−18、−21、−26、−35、−37、−249及び257、C.I.アシッドイエロー−1、−3、−4、−7、−11、−12、−13、−14、−19、−23、−25、−34、−38、−41、−42、−44、−53、−55、−61、−71、−76及び79等が用いられる。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
また、カチオン性染料としては、例えば、C.I.ベーシックイエロー−1、−11、−13、−19、−25、−33、−36;C.I.ベーシックレッド−1、−2、−9、−12、−13、−38、−39、−92;C.I.ベーシックブルー−1、−3、−5、−9、−19、−24、−25、−26、−28等が挙げられる。
シアン色の顔料の具体的な例としては、C.I.Pigment Blue−1、C.I.Pigment Blue−2、C.I.Pigment Blue−3、C.I.Pigment Blue−15、C.I.Pigment Blue−15:1、C.I.Pigment Blue−15:3、C.I.PigmentBlue−15:34、C.I.Pigment Blue−16、C.I.Pigment Blue−22、C.I.Pigment Blue−60等が挙げられる。
マゼンタ色の顔料の具体的な例としては、C.I.Pigment Red−5、C.I.Pigment Red−7、C.I.Pigment Red−12、C.I.Pigment Red−48、C.I.Pigment Red−48:1、C.I.Pigment Red−57、C.I.Pigment Red−112、C.I.Pigment Red−122、C.I.PigmentRed−123、C.I.Pigment Red−146、C.I.Pigment Red−168、C.I.Pigment Red−184、C.I.Pigment Red−202等が挙げられる。
マゼンタ色の顔料の具体的な例としては、C.I.Pigment Red−5、C.I.Pigment Red−7、C.I.Pigment Red−12、C.I.Pigment Red−48、C.I.Pigment Red−48:1、C.I.Pigment Red−57、C.I.Pigment Red−112、C.I.Pigment Red−122、C.I.PigmentRed−123、C.I.Pigment Red−146、C.I.Pigment Red−168、C.I.Pigment Red−184、C.I.Pigment Red−202等が挙げられる。
イエロー色の顔料の具体的な例としては、C.I.Pigment Yellow−1、C.I.Pigment Yellow−2、C.I.PigmentYellow−3、C.I.Pigment Yellow−12、C.I.Pigment Yellow−13、C.I.Pigment Yellow−14、C.I.Pigment Yellow−16、C.I.Pigment Yellow−17、C.I.PigmentYellow−73、C.I.Pigment Yellow−74、C.I.Pigment Yellow−75、C.I.Pigment Yellow−83、C.I.Pigment Yellow−93、C.I.Pigment Yellow−95、C.I.PigmentYellow−97、C.I.Pigment Yellow−98、C.I.Pigment Yellow−114、C.I.Pigment Yellow−128、C.I.Pigment Yellow−129、C.I.Pigment Yellow−151、C.I.Pigment Yellow−154等が挙げられる。
なお、本発明において使用することができる顔料は、水に自己分散可能な顔料(自己分散型顔料)であってもよい。自己分散型顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を数多く有し、顔料分散剤の存在がなくても安定に分散する顔料のことである。具体的には、通常のいわゆる顔料に対して、酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理等を施すことにより自己分散型顔料を得ることができる。また、このような表面改質処理を施した顔料の他、自己分散型顔料として、キャボット社製のcab−o−jet−200、cab−o−jet−300、IJX−55、IJX−253、IJX266、IJX−273オリエント化学社製のNicrojet Black CW−1、日本触媒社により販売されている顔料等の市販のものを用いてもよい。
自己分散型顔料の表面に存在する水に対する可溶化基は、ノニオン性、カチオン性、アニオン性のいずれであってもよいが、特に、スルホン酸、カルボン酸、水酸基、リン酸が望ましい。スルホン酸、カルボン酸、リン酸の場合、そのまま遊離酸の状態でも用いることができるが、水溶性を高めるため、塩基性の化合物との塩の状態として使用することが好ましい。
この場合、塩基性の化合物として、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属類、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族アミン類、モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアルコールアミン類、アンモニア等の塩基性化合物を使用することができる。これらの中でも、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属類の塩基性化合物は特に好ましく使用することができる。これは、アルカリ金属類の塩基性化合物が強電解質であり、酸性基の解離を促進する効果が大きいためと考えられる。
インクに色材として顔料が含まれる場合、顔料の含有量は、0.5〜20質量%の範囲、特に2〜10質量%の範囲とすることが好ましい。顔料の含有量が0.5質量%未満となると、光学濃度が低くなる場合がある。また、20質量%を超えると、画像定着性が悪化する場合がある。
インクに色材として染料が含まれる場合、染料の含有量は、0.1〜10質量%の範囲、好ましくは0.5〜8質量%の範囲、より好ましくは0.8〜6質量%の範囲である。10質量%より多く含有させると、記録ヘッド先端での目詰まりが発生しやすく、また0.1質量%より少ないと、十分な画像濃度を得ることができない場合がある。
−アニオン性化合物−
インクに使用される前記アニオン性化合物としては、例えば、カルボン酸、スルホン酸等の酸及びこれらの誘導体、アニオン性水溶性高分子、アニオン性ポリマーのエマルジョン等が挙げられ、後記するアニオン性の顔料分散剤であってもよい。
インクに使用される前記アニオン性化合物としては、例えば、カルボン酸、スルホン酸等の酸及びこれらの誘導体、アニオン性水溶性高分子、アニオン性ポリマーのエマルジョン等が挙げられ、後記するアニオン性の顔料分散剤であってもよい。
前記カルボン酸の具体的な例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、乳酸、酒石酸、安息香酸、アクリル酸、クロトン酸、ブテン酸、メタクリル酸、チグリン酸、アリル酸、2−エチル−2−ブテン酸、蓚酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、メチルマレイン酸、グリセリン酸などのカルボン酸及びそれらの重合体、誘導体等が挙げられる。また、これらの化合物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等を用いることもできる。
スルホン酸の具体的な例としては、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ベンゼントリスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、ブロモベンゼンスルホン酸、4−ヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、4,5−ジヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸ナトリウム、o−アミノベンゼンスルホン酸等のスルホン酸、及びそれらの誘導体、また、これらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
また、これらの化合物は、水溶性を高めるため、塩基性の化合物との塩の状態で使用することが好ましい。これらの化合物と塩を形成する化合物としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属類、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族アミン類、モノメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアルコールアミン類、アンモニア等を使用することができる。
前記アニオン性水溶性高分子のより好ましい具体例としては、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等及び、これらの共重合体の塩及び誘導体が挙げられる。
なお、インクに含まれるアニオン性水溶性高分子は、親水性部と疎水性部とからなる構造を持つことが好ましく、さらに、親水性部を構成する官能基としてカルボン酸またはカルボン酸の塩を含むことが好ましい。
なお、インクに含まれるアニオン性水溶性高分子は、親水性部と疎水性部とからなる構造を持つことが好ましく、さらに、親水性部を構成する官能基としてカルボン酸またはカルボン酸の塩を含むことが好ましい。
具体的には、アニオン性水溶性高分子としては、親水性部を構成する単量体は、アクリル酸、メタクリル酸及び(無水)マレイン酸から選ばれる1種以上であることが好ましい。
一方、アニオン性水溶性高分子の疎水性部を構成する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等が挙げられるが、それらの中でも、スチレン、(メタ)アクリル酸のアルキル、アリール及びアルキルアリールエステルから選ばれる1種以上であることが好ましい。
これらのアニオン性水溶性高分子は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。インクにおけるアニオン性水溶性高分子の含有量は、0.1〜10質量%の範囲、特に、0.3〜5質量%の範囲とすることが好ましい。0.1質量%未満となると、長期保存安定性に劣る場合や、光学濃度が低下する場合があり、10質量%を超えると正常に噴射できない場合や、光学濃度が低下する場合がある。
−水溶性有機溶媒−
インクに用いられる水溶性有機溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコール誘導体、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の含硫黄溶媒、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等が挙げられる。水溶性有機溶媒は、単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
インクに用いられる水溶性有機溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコール誘導体、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の含硫黄溶媒、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等が挙げられる。水溶性有機溶媒は、単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
インクに含まれる水溶性有機溶媒の含有量は、1〜60質量%の範囲、特に5〜40質量%の範囲とすることが好ましい。水溶性有機溶媒の含有量が1質量%未満となると、長期保存性が劣る場合がある。また、60質量%を超えると、吐出安定性が低下する場合があり、正常に吐出しない場合がある。
−水−
インクに用いられる水は、イオン交換水、蒸留水、純水、超純水等を用いることができる。
インクに含まれる水の含有量は、15〜98質量%の範囲、特に45〜90質量%の範囲とすることが好ましい。15質量%未満となると、吐出安定性が低下する場合があり、正常に吐出しない場合がある。また、98質量%を超えると、長期保存安定性で劣る場合がある。
インクに用いられる水は、イオン交換水、蒸留水、純水、超純水等を用いることができる。
インクに含まれる水の含有量は、15〜98質量%の範囲、特に45〜90質量%の範囲とすることが好ましい。15質量%未満となると、吐出安定性が低下する場合があり、正常に吐出しない場合がある。また、98質量%を超えると、長期保存安定性で劣る場合がある。
−その他の成分−
インクに含まれる色材として顔料を用いる場合には、顔料の分散性を確保するために、顔料分散剤を用いることができる。顔料分散剤の具体例としては、高分子分散剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
これらの顔料分散剤の中で、水中にて電離した場合に有機陰イオンとなる顔料分散剤を、本発明においてはアニオン性顔料分散剤と称する。このアニオン性顔料分散剤は、既述したアニオン性水溶性高分子を用いることができる。
インクに含まれる色材として顔料を用いる場合には、顔料の分散性を確保するために、顔料分散剤を用いることができる。顔料分散剤の具体例としては、高分子分散剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤ノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
これらの顔料分散剤の中で、水中にて電離した場合に有機陰イオンとなる顔料分散剤を、本発明においてはアニオン性顔料分散剤と称する。このアニオン性顔料分散剤は、既述したアニオン性水溶性高分子を用いることができる。
高分子分散剤としては、親水性構造部と疎水性構造部を有する重合体であれば有効に使用することができる。親水性構造部と疎水性構造部を有する重合体の例としては、縮合系重合体と付加重合体が挙げられる。
前記縮合系重合体の例としては、公知のポリエステル系分散剤が挙げられる。付加重合体の例としては、α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの付加重合体が挙げられる。親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーと、疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーを適宜組み合わせて共重合することにより、目的の高分子分散剤を得ることができる。また、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの単独重合体を用いることもできる。
前記親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの例としては、カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、リン酸基等を有するモノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
一方、疎水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステルが挙げられる。
これらのモノマーの好ましい共重合体の例としては、スチレン−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−メタクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニルエステル−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸シクロヘキシルエステル−メタクリル酸共重合体等が挙げられる。
また、これらの重合体に、ポリオキシエチレン基、水酸基を有するモノマーを適宜共重合して用いることもできる。さらに、酸性官能基を表面に有する顔料との親和性を高め、分散安定性を良くするために、カチオン性の官能基を有するモノマー、例えばN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノアクリルアミド、N−ビニルピロール、N−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール等を適宜共重合して用いることもできる。
これらの共重合体は、ランダム、ブロック、及びグラフト共重合体等のいずれの構造のものでもよい。また、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアルギン酸、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリアミド類、ポリビニルイミダゾリン、アミノアルキルアクリレートDアクリルアミド共重合体、キトサン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリビニールアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、多糖類とその誘導体等も使用することができる。
なお、特に限定するわけではないが、顔料分散剤の親水基はカルボン酸またはカルボン酸の塩であることが好ましい。
なお、特に限定するわけではないが、顔料分散剤の親水基はカルボン酸またはカルボン酸の塩であることが好ましい。
前記顔料分散剤の中和量としては、共重合体の酸価に対して50%以上、特に、80%以上中和されていることが好ましい。顔料分散剤の分子量は、質量平均分子量(Mw)で、2000〜15000、特に3500〜10000のものが好ましい。また、疎水性部分と親水性部分の構造及び組成率は、顔料及び溶媒との組み合わせの中から好ましいものを用いることができる。
これら顔料分散剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。顔料分散剤の添加量は、顔料によって大きく異なるので一概には言えないが、顔料に対して、一般的には0.1〜100質量%の範囲、好ましくは1〜70質量%の範囲、さらに好ましくは3〜50質量%の範囲の量である。
前記インクは、界面活性剤を含有することもできる。顔料インクの顔料分散剤及びインクの表面張力や濡れ性を調整するため、または、有機不純物を可溶化し、インクのノズルから噴射する際の信頼性を向上するためである。
前記インクは、界面活性剤を含有することもできる。顔料インクの顔料分散剤及びインクの表面張力や濡れ性を調整するため、または、有機不純物を可溶化し、インクのノズルから噴射する際の信頼性を向上するためである。
界面活性剤の種類としては、水不溶色材の分散状態、あるいは水溶性染料の溶解状態に影響を及ぼしにくいノニオン及びアニオン界面活性剤が好ましい。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレンアルコールエチレンオキシド付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル等を使用することができる。アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、及び高級アルキルスルホコハク酸塩等を使用することができる。
また両性界面活性剤としては、ベタイン、スルフォベタイン、サルフェートベタイン、イミダゾリン等を使用することができる。その他、ポリシロキサンポリオキシエチレン付加物等のシリコーン系界面活性剤やオキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルなどのフッソ系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチンなどのバイオサーファクタント等も使用することができる。インクにおいて使用される界面活性剤は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。添加量は、表面張力等の目的の特性により調整すればよい。
さらに、前記インクには、必要に応じて、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、キレート化剤、水溶性染料、分散染料、油溶性染料等を添加することもできる。これらの添加剤のインクにおける含有量は、20質量%以下とすることが好ましい。
以上に説明したようなインクは、水溶液に所定量の色材を添加し、十分に撹拌した後、分散機を用いて分散を行い、遠心分離等で粗大粒子を除いた後、所定の溶媒、添加剤等を加えて撹拌混合し、次いで濾過を行って得ることができる。
以上に説明したようなインクは、水溶液に所定量の色材を添加し、十分に撹拌した後、分散機を用いて分散を行い、遠心分離等で粗大粒子を除いた後、所定の溶媒、添加剤等を加えて撹拌混合し、次いで濾過を行って得ることができる。
分散機は、市販のものを用いることができる。例えば、コロイドミル、フロージェットミル、スラッシャーミル、ハイスピードディスパーザー、ボールミル、アトライター、サンドミル、サンドグラインダー、ウルトラファインミル、アイガーモーターミル、ダイノーミル、パールミル、アジテータミル、コボルミル、3本ロール、2本ロール、エクストリューダー、ニーダー、マイクロフルイダイザー、ラボラトリーホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等が挙げられ、これらを単独で用いても、2種以上を組み合せて用いてもよい。なお、無機不純物の混入を防ぐためには、分散媒体を使用しない分散方法を用いることが好ましく、その場合には、マイクロフルイダイザーや超音波ホモジナイザー等を使用することが好ましい。
自己分散型顔料を用いたインクは、例えば、顔料に対して表面改質処理を行ない、得られた顔料を水に添加し、十分攪拌した後、必要に応じて上記と同様の分散機による分散を行ない、遠心分離等で粗大粒子を除いた後、所定の溶媒、添加剤等を加えて攪拌、混合、濾過を行なうことにより得ることができる。
前記インクのpHは、3〜11の範囲とすることが好ましく、特に4.5〜9.5の範囲とすることが好ましい。また、顔料表面にアニオン性遊離基を持つインクにおいては、インクのpHは6〜11の範囲とすることが好ましく、6〜9.5の範囲とすることがより好ましく、7.5〜9.0の範囲とすることがさらに好ましい。一方、顔料表面にカチオン性遊離基を持つインクにおいて、インクのpHは4.5〜8.0の範囲とすることが好ましく、4.5〜7.0の範囲とすることがより好ましい。
前記インクのpHは、3〜11の範囲とすることが好ましく、特に4.5〜9.5の範囲とすることが好ましい。また、顔料表面にアニオン性遊離基を持つインクにおいては、インクのpHは6〜11の範囲とすることが好ましく、6〜9.5の範囲とすることがより好ましく、7.5〜9.0の範囲とすることがさらに好ましい。一方、顔料表面にカチオン性遊離基を持つインクにおいて、インクのpHは4.5〜8.0の範囲とすることが好ましく、4.5〜7.0の範囲とすることがより好ましい。
前記インクの粘度は、1.5〜20mPa・sの範囲であることが好ましく、1.5〜10mPa・sの範囲がより好ましく、さらには2〜7mPa・sの範囲がより一層好ましい。インクの粘度が20mPa・sより大きい場合には、記録用紙への浸透性が遅くなるため、混色にじみが発生する場合がある。一方、インクの粘度が1.5mPa・sより小さい場合には、記録用紙への浸透性が速すぎてしまい、インクが記録用紙内部まで浸透するため、濃度の低下、文字の滲みが発生してしまう場合がある。
前記インクの表面張力は、主に前記界面活性剤の添加量により調整することができ、20〜40mN/mの範囲が好ましく、さらには、22〜37の範囲がより好ましい。表面張力が20mN/mを下回ると、記録用紙へのインク浸透性が速すぎてしまい、インクが記録用紙内部まで浸透するため、濃度の低下、文字の滲みが発生する場合がある。また40mN/mより大きいと記録用紙へのインク浸透性が遅くなるため、乾燥性が悪化する場合がある。
なお、熱エネルギーを作用させて液滴を形成し記録を行う、いわゆる熱インクジェット方式による印字で、且つ、インクドロップ量を1〜20plの範囲、好ましくは3〜18plの範囲とする場合には、インク中における顔料の分散粒子径が、体積平均粒子径で20〜120nmの範囲で、かつ、500nm以上の粗大粒子数がインク2μl中に5×105個以下であることが好ましい。
体積平均粒子径が20nmより小さいと、充分な画像濃度が得られない場合がある。また、体積平均粒径が120nmより大きいと、記録ヘッド内で目詰まりが発生しやすく、安定した吐出性を確保できない場合がある。
さらに体積平均粒径が500nm以上の粗大粒子数がインク2μl中に5×105個より多くなると、同様に記録ヘッド内で目詰まりが発生しやすく、安定してインクを吐出できない場合がある。この粗大粒子数は、3×105個以下であることがより好ましく、2×105個以下であることがさらに好ましい。
体積平均粒子径が20nmより小さいと、充分な画像濃度が得られない場合がある。また、体積平均粒径が120nmより大きいと、記録ヘッド内で目詰まりが発生しやすく、安定した吐出性を確保できない場合がある。
さらに体積平均粒径が500nm以上の粗大粒子数がインク2μl中に5×105個より多くなると、同様に記録ヘッド内で目詰まりが発生しやすく、安定してインクを吐出できない場合がある。この粗大粒子数は、3×105個以下であることがより好ましく、2×105個以下であることがさらに好ましい。
また、24℃におけるインクの貯蔵弾性率が、5×10-4〜1×10-2Paの範囲であることが特に好ましい。この領域において適当な弾性を有することで、記録用紙表面での挙動が好ましいものとなるからである。なお、前記貯蔵弾性率は、角速度が1〜10rad/sの範囲における低せん断速度領域で測定したときの値である。この値は、低せん断速度領域の粘弾性が測定できる装置を使用すれば容易に測定できる。当該測定装置としては、例えば、VE型粘弾性アナライザー(VILASTIC SCIENTIFIC INC.社製)、DCR極低粘度用粘弾性測定装置(Paar Physica社製)等がある。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、もちろん本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
まず、後述する実施例、および、比較例において使用される記録用紙を以下に説明するようにして作製した。
−記録用紙作製−
<記録用紙1>
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を8質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.1重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧40kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水94.875質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部、HLB13ノニオン界面活性剤(日信化学工業製 サーフィノール465)0.125質量部、を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(1)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.45%、内部結合強さは0.15N・m、ステキヒトサイズ度は2秒であった。
<記録用紙1>
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を8質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.1重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧40kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水94.875質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部、HLB13ノニオン界面活性剤(日信化学工業製 サーフィノール465)0.125質量部、を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(1)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.45%、内部結合強さは0.15N・m、ステキヒトサイズ度は2秒であった。
<記録用紙2>
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を8質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.1重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.5となるように抄紙し、ウエットプレス圧40kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水94.875質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部、HLB13ノニオン界面活性剤(日信化学工業製 サーフィノール465)0.125質量部、を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(2)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.55%、内部結合強さは0.15N・m、ステキヒトサイズ度は2秒であった。
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を8質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.1重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.5となるように抄紙し、ウエットプレス圧40kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水94.875質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部、HLB13ノニオン界面活性剤(日信化学工業製 サーフィノール465)0.125質量部、を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(2)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.55%、内部結合強さは0.15N・m、ステキヒトサイズ度は2秒であった。
<記録用紙3>
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を8質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.02重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧50kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水95質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(3)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.50%、内部結合強さは0.25N・m、ステキヒトサイズ度は1秒であった。
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を8質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.02重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧50kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水95質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(3)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.50%、内部結合強さは0.25N・m、ステキヒトサイズ度は1秒であった。
<記録用紙4>
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を8質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.06重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)
0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.5となるように抄紙し、ウエットプレス圧50kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水95質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(4)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.55%、内部結合強さは0.25N・m、ステキヒトサイズ度は10秒であった。
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を8質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.06重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)
0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.5となるように抄紙し、ウエットプレス圧50kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水95質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(4)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.55%、内部結合強さは0.25N・m、ステキヒトサイズ度は10秒であった。
<記録用紙5>
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を15質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.1重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧30kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水94.75質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部、HLB13ノニオン界面活性剤(日信化学工業製 サーフィノール465)0.25質量部、を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(5)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.4%、内部結合強さは0.08N・m、ステキヒトサイズ度は1秒であった。
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を15質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.1重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧30kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水94.75質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部、HLB13ノニオン界面活性剤(日信化学工業製 サーフィノール465)0.25質量部、を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(5)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.4%、内部結合強さは0.08N・m、ステキヒトサイズ度は1秒であった。
<記録用紙6>
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を15質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.1重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧30kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水94.75質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部、HLB6ノニオン界面活性剤(日本エマルジョン EMALEX 603)0.25質量部、を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(6)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.38%、内部結合強さは0.07N・m、ステキヒトサイズ度は1秒であった。
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を15質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.1重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧30kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水94.75質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部、HLB6ノニオン界面活性剤(日本エマルジョン EMALEX 603)0.25質量部、を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(6)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.38%、内部結合強さは0.07N・m、ステキヒトサイズ度は1秒であった。
<記録用紙7>
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を15質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.1重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧30kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水94.75質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部、HLB4ノニオン界面活性剤(日信化学工業製 サーフィノール420)0.25質量部、を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(7)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.44%、内部結合強さは0.13N・m、ステキヒトサイズ度は1秒であった。
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を15質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.1重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧30kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水94.75質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部、HLB4ノニオン界面活性剤(日信化学工業製 サーフィノール420)0.25質量部、を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(7)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.44%、内部結合強さは0.13N・m、ステキヒトサイズ度は1秒であった。
<記録用紙8>
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を15質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.1重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧30kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水94.75質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部、HLB15ノニオン界面活性剤(日本エマルジョン EMALEX 630)0.25質量部、を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(8)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.48%、内部結合強さは0.15N・m、ステキヒトサイズ度は1秒であった。
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を15質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.1重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧30kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水94.75質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部、HLB15ノニオン界面活性剤(日本エマルジョン EMALEX 630)0.25質量部、を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(8)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.48%、内部結合強さは0.15N・m、ステキヒトサイズ度は1秒であった。
<記録用紙9>
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を8質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.1重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.6となるように抄紙し、ウエットプレス圧40kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水94.875質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部、HLB13ノニオン界面活性剤(日信化学工業製 サーフィノール465)0.125質量部、を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(9)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.57%、内部結合強さは0.15N・m、ステキヒトサイズ度は2秒であった。
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を8質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.1重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.6となるように抄紙し、ウエットプレス圧40kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水94.875質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部、HLB13ノニオン界面活性剤(日信化学工業製 サーフィノール465)0.125質量部、を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(9)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.57%、内部結合強さは0.15N・m、ステキヒトサイズ度は2秒であった。
<記録用紙10>
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を5質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.02重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧50kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水95質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(10)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.45%、内部結合強さは0.27N・m、ステキヒトサイズ度は1秒であった。
<記録用紙11>
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を8質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.1重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧40kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水95質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(11)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.45%、内部結合強さは0.15N・m、ステキヒトサイズ度は12秒であった。
<記録用紙12>
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を8質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.13重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧40kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水95質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(12)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.45%、内部結合強さは0.15N・m、ステキヒトサイズ度は20秒であった。
<記録用紙13>
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を8質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.13重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.65となるように抄紙し、ウエットプレス圧70kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水95質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(13)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.65%、内部結合強さは0.36N・m、ステキヒトサイズ度は20秒であった。
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を5質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.02重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧50kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水95質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(10)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.45%、内部結合強さは0.27N・m、ステキヒトサイズ度は1秒であった。
<記録用紙11>
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を8質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.1重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧40kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水95質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(11)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.45%、内部結合強さは0.15N・m、ステキヒトサイズ度は12秒であった。
<記録用紙12>
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を8質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.13重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.3となるように抄紙し、ウエットプレス圧40kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水95質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(12)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.45%、内部結合強さは0.15N・m、ステキヒトサイズ度は20秒であった。
<記録用紙13>
濾水度460mlになるよう叩解調整した広葉樹クラフトパルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を8質量部と、内添サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を0.13重量部と、カチオン化澱粉(日本エヌエスシー(株)製Cato−304)0.4質量部とを配合して繊維配向比が1.65となるように抄紙し、ウエットプレス圧70kg/cmかけた脱水後乾燥させ、坪量78g/m2の原紙を作製した。
水95質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ製 エースA)5質量部を含む処理液を調整し、前記で得られた原紙に熊谷理機製試験用サイズプレス機でサイズプレスした後、熊谷理機製KRK回転型乾燥機で100℃、0.4m/min条件で乾燥し記録用紙(13)を得た。
なお、原紙に処理した処理液の塗布量は乾燥質量で片面あたりそれぞれ1.0g/m2である。CD伸縮率は0.65%、内部結合強さは0.36N・m、ステキヒトサイズ度は20秒であった。
以上に説明したようにして作製した記録用紙1〜13を、フルマルチヘッドを搭載したインクジェット記録装置、通常印字速度30枚/分(A4サイズ)を100枚/分とし、かつ解像度を600dpiから1200dpiに上げて(富士ゼロックス社製)印字テストを実施した。
なお、使用したインクは、以下のようにして調製した。
なお、使用したインクは、以下のようにして調製した。
−黒インク(顔料系インク)−
・表面処理顔料(IJX157 キャボット社製):3重量部
・ジエチレングリコール:20重量部
・界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製):0.5重量部
・尿素:6重量部
・表面処理顔料(IJX157 キャボット社製):3重量部
・ジエチレングリコール:20重量部
・界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製):0.5重量部
・尿素:6重量部
上記組成物に脱イオン水を加え全量を100重量部とし、30分間攪拌した。この後、目開き1μmのメンブランフィルターを通過させた。このインクの表面張力は36mN/m、粘度は2.2mPa・sであった。
−Magentaインク−
・表面処理顔料(IJX−266 キャボット社製):5質量部
・スチレン−マレイン酸−マレイン酸ナトリウム共重合体:0.5質量部
・ジエチレングリコール:20質量部
・界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製):0.5質量部
・尿素:5質量部
・表面処理顔料(IJX−266 キャボット社製):5質量部
・スチレン−マレイン酸−マレイン酸ナトリウム共重合体:0.5質量部
・ジエチレングリコール:20質量部
・界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製):0.5質量部
・尿素:5質量部
上記組成物に脱イオン水を加え全量を100重量部とし、30分間攪拌した。この後、目開き1μmのメンブランフィルターを通過させた。このインクの表面張力は33mN/m、粘度は2.7mPa・sであった。
−Cyanインク−
・表面処理顔料(IJX−253 キャボット社製):5質量部
・スチレン−マレイン酸−マレイン酸ナトリウム共重合体:0.5質量部
・ジエチレングリコール:20質量部
・界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製):0.5質量部
・尿素:5質量部
・表面処理顔料(IJX−253 キャボット社製):5質量部
・スチレン−マレイン酸−マレイン酸ナトリウム共重合体:0.5質量部
・ジエチレングリコール:20質量部
・界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製):0.5質量部
・尿素:5質量部
上記組成物に脱イオン水を加え全量を100重量部とし、30分間攪拌した。この後、目開き1μmのメンブランフィルターを通過させた。このインクの表面張力は32mN/m、粘度は2.5mPa・sであった。
−Yellowインク−
・表面処理顔料(IJX−273 キャボット社製):5質量部
・スチレン−マレイン酸−マレイン酸ナトリウム共重合体:0.5質量部
・ジエチレングリコール:20質量部
・界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製):0.5質量部
・尿素:5質量部
・表面処理顔料(IJX−273 キャボット社製):5質量部
・スチレン−マレイン酸−マレイン酸ナトリウム共重合体:0.5質量部
・ジエチレングリコール:20質量部
・界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製):0.5質量部
・尿素:5質量部
上記組成物に脱イオン水を加え全量を100重量部とし、30分間攪拌した。この後、目開き1μmのメンブランフィルターを通過させた。このインクの表面張力は33mN/m、粘度は2.7mPa・sであった。
調製したインクを用い、印字評価は、23℃、50%RHの環境で実施した。
印字直後カール評価、印字直後波打ち評価、インク乾燥性評価、及び両面適性評価は、以下の方法で行った。
印字直後カール評価、印字直後波打ち評価、インク乾燥性評価、及び両面適性評価は、以下の方法で行った。
−印字直後カール評価−
記録用紙を23℃、50%RHの環境に8時間以上放置して調湿し、A4サイズ(に裁断したサンプルに、余白を5mm取って染料インクのマゼンタ100%ベタ画像を印字し、印字後に装置から排出された直後に発生する印字面とは逆のハンギングカール発生量をノギスにより測定した。得られた測定値はカール曲率に換算し評価を行った。評価基準は以下の通りで、実用上◎及び○が許容レベルである。
◎:20m-1未満
○:20m-1以上35m-1未満
△:35m-1以上50m-1未満
×:50m-1以上
記録用紙を23℃、50%RHの環境に8時間以上放置して調湿し、A4サイズ(に裁断したサンプルに、余白を5mm取って染料インクのマゼンタ100%ベタ画像を印字し、印字後に装置から排出された直後に発生する印字面とは逆のハンギングカール発生量をノギスにより測定した。得られた測定値はカール曲率に換算し評価を行った。評価基準は以下の通りで、実用上◎及び○が許容レベルである。
◎:20m-1未満
○:20m-1以上35m-1未満
△:35m-1以上50m-1未満
×:50m-1以上
−印字直後波打ち評価−
A4サイズ(100×148mm)に裁断した記録用紙に2cm×2cmの染料インクの2次色100%ベタ(Blue)画像を記録用紙の中央に印字し、印字直後に発生する波打ちの最大高さをレーザー変位計(キーエンス社製、型番:LK085)にて測定した。評価基準は以下の通りで、実用上◎及び○が許容レベルである。
◎:1.5mm未満
○:1.5mm以上2mm未満
△:2mm以上3mm未満
×:3mm以上
A4サイズ(100×148mm)に裁断した記録用紙に2cm×2cmの染料インクの2次色100%ベタ(Blue)画像を記録用紙の中央に印字し、印字直後に発生する波打ちの最大高さをレーザー変位計(キーエンス社製、型番:LK085)にて測定した。評価基準は以下の通りで、実用上◎及び○が許容レベルである。
◎:1.5mm未満
○:1.5mm以上2mm未満
△:2mm以上3mm未満
×:3mm以上
−インク乾燥性評価−
本発明の水性インクジェット記録装置にて1次色ベタ画像を40ppm、60ppm、80ppmの速度で片面印字した際、搬送部材に転移したインクが再度記録用紙に転移されているいかを確認した。評価基準は以下の通りで、実用上◎及び○が許容レベルである。
◎:80ppm印字速度においても記録用紙上には全くインクの転写跡がない。
○:80ppm印字速度ではインク跡が確認されるが、60ppmでは全くインクの転写跡がない。
△:60ppm印字速度ではインク跡が確認されるが、40ppmでは全くインクの転写跡がない。
×:40ppmでもインク跡が確認される。
本発明の水性インクジェット記録装置にて1次色ベタ画像を40ppm、60ppm、80ppmの速度で片面印字した際、搬送部材に転移したインクが再度記録用紙に転移されているいかを確認した。評価基準は以下の通りで、実用上◎及び○が許容レベルである。
◎:80ppm印字速度においても記録用紙上には全くインクの転写跡がない。
○:80ppm印字速度ではインク跡が確認されるが、60ppmでは全くインクの転写跡がない。
△:60ppm印字速度ではインク跡が確認されるが、40ppmでは全くインクの転写跡がない。
×:40ppmでもインク跡が確認される。
−両面適性評価−
本発明の水性インクジェット記録装置にて1次色ベタ画像を両面印字にて40ppmで印字し、以下のように判断した。評価基準は以下の通りで、実用上◎及び○が許容レベルである。
○:カール、波打ち発生による記録紙の折れや紙詰り発生はなく、かつインク再付着跡も確認されない。
△:カール、波打ち発生による記録紙の折れは発生するが紙詰り発生はない、または波打ち発生による記録紙の折れや紙詰り発生はないがインク再付着跡が確認される。許容できない。
×:記録紙の折れや紙詰り発生とインク再付着跡両方のトラブルが発生する。
本発明の水性インクジェット記録装置にて1次色ベタ画像を両面印字にて40ppmで印字し、以下のように判断した。評価基準は以下の通りで、実用上◎及び○が許容レベルである。
○:カール、波打ち発生による記録紙の折れや紙詰り発生はなく、かつインク再付着跡も確認されない。
△:カール、波打ち発生による記録紙の折れは発生するが紙詰り発生はない、または波打ち発生による記録紙の折れや紙詰り発生はないがインク再付着跡が確認される。許容できない。
×:記録紙の折れや紙詰り発生とインク再付着跡両方のトラブルが発生する。
評価結果を表1に示す。
表1に示すとおり、本発明の記録用紙では、印字評価、印字直後カール評価、印字直後波打ち評価、インク乾燥性評価、及び両面適性評価において優れた性能を示した。
12 インクジェット記録装置
14 筐体
16 給紙トレイ
18 ピックアップロール
20 搬送ローラ対
22 搬送経路
24 駆動ロール
26 従動ロール
28 搬送ベルト
30 記録ヘッドアレイ
32 記録ヘッド
34 メンテナンスユニット
36 帯電ロール
38 電源
40 剥離プレート
42 排出ローラ対
44 排出経路
46 排紙トレイ
50 搬送ローラー対
52 反転部
54 インクタンク
P 用紙
SE 吐出領域
14 筐体
16 給紙トレイ
18 ピックアップロール
20 搬送ローラ対
22 搬送経路
24 駆動ロール
26 従動ロール
28 搬送ベルト
30 記録ヘッドアレイ
32 記録ヘッド
34 メンテナンスユニット
36 帯電ロール
38 電源
40 剥離プレート
42 排出ローラ対
44 排出経路
46 排紙トレイ
50 搬送ローラー対
52 反転部
54 インクタンク
P 用紙
SE 吐出領域
Claims (7)
- 記録用紙の搬送方法と直交する方向へ配置され記録用紙幅を印字領域とする固定記録ヘッドを備え、記録用紙に対して表面張力20〜40mN/m、粘度1.5〜20mPa・sの水性インクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に使用される記録用紙であって、
前記記録用紙のCD伸縮率が0.55%以下で、内部結合強さが0.25N・m以下で、ステキヒトサイズ度が10秒以下の普通紙であることを特徴とする記録用紙。 - 前記記録用紙が、HLB6〜13のノニオン系界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の記録用紙。
- 記録用紙を搬送する搬送手段と、記録用紙の搬送方法と直交する方向へ配置され記録用紙幅を印字領域とする固定記録ヘッドと、画像情報に基づき前記固定記録ヘッドから表面張力20〜40mN/m、粘度1.5〜20mPa・sの水性のインク滴を吐出させ、前記搬送手段で搬送される記録用紙へ画像を記録する吐出制御手段と、を有するインクジェット記録装置であって、
さらに、前記記録用紙の種類を選択又は検知する用紙判別手段を有し、
前記用紙判別手段が、0.55%以下のCD伸縮率で、内部結合強さが0.25N・m以下で、且つステキヒトサイズ度が10秒以下の普通紙を選択又は検知した場合は、該普通紙以外の記録用紙を選択又は検知した場合よりも、速い搬送速度で、前記搬送手段が記録用紙を搬送することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 記録用紙を搬送する搬送手段と、記録用紙の搬送方法と直交する方向へ配置され記録用紙幅を印字領域とする固定記録ヘッドと、画像情報に基づき前記固定記録ヘッドから表面張力20〜40mN/m、粘度1.5〜20mPa・sの水性のインク滴を吐出させ、前記搬送手段で搬送される記録用紙へ画像を記録する吐出制御手段と、を有するインクジェット記録装置であって、
さらに、前記記録用紙の種類を選択又は検知する用紙判別手段を有し、
前記用紙判別手段が、0.55%以下のCD伸縮率で、かつ内部結合強さが0.25N・m以下、さらにステキヒトサイズ度が10秒以下の普通紙を選択又は検知した場合は、前記普通紙以外の記録用紙を選択又は検知した場合よりも高い解像度となるよう、前記吐出制御手段が記録用紙へ水性のインク滴を吐出し画像を記録することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記用紙判別手段が、0.55%以下のCD伸縮率で、かつ内部結合強さが0.25N・m以下、さらにステキヒトサイズ度が10秒以下の普通紙を選択又は検知した場合は、前記普通紙以外の記録用紙を選択又は検知した場合よりも高い解像度となるよう、前記吐出制御手段が、記録用紙へ水性のインク滴を吐出し画像を記録することを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
- 前記普通紙が、HLB6〜13のノニオン系界面活性剤を含むことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
- 両面印字が可能であることを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005062608A JP2006240249A (ja) | 2005-03-07 | 2005-03-07 | 記録用紙、及びインクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005062608A JP2006240249A (ja) | 2005-03-07 | 2005-03-07 | 記録用紙、及びインクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006240249A true JP2006240249A (ja) | 2006-09-14 |
Family
ID=37047107
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005062608A Pending JP2006240249A (ja) | 2005-03-07 | 2005-03-07 | 記録用紙、及びインクジェット記録装置 |
Country Status (1)
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- 2005-03-07 JP JP2005062608A patent/JP2006240249A/ja active Pending
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