JP2005119014A - 記録用紙及びそれを用いた画像記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 パルプ繊維と填料とを主体に構成される原紙の表面に、水溶性高分子と、下記(1)〜(3)で示される成分のうちから選択される1つと、を少なくとも含み、かつ顔料を実質的に含まない処理液を塗布してなることを特徴とする記録用紙である。
(1)二価以上の金属と結合したアミノ酸キレート物質
(2)pHが7の水に不溶なキトサン及び複素カルボン酸
(3)水溶性単量体アミノ酸
【選択図】 なし
Description
(2)いわゆる普通紙は、一般に表面にサイズ(撥水性)を効かせている。このためインクの吸収が遅くなり、異なる色同士が接する部分において、いわゆる色間にじみ(Inter Color Breed:ICB)が発生する。
(3)紙表面に付与されたサイズ(撥水性)によりインクの吸収性が遅いため、印字された文書を重ねた場合、印字面と接する部分が汚れてしまう。
(4)インク中の色材が普通紙の表面に留まりにくく、特にカラーの発色性が十分ではない。
(5)インク中の色材が用紙内部まで浸透するため、印字画像が用紙裏面(印字された面と反対側の面)から透けて見えてしまい、両面印字ができない。
すなわち、本発明は、インクジェット記録方式及び電子写真記録方式に共用でき、インクジェット記録方式によって印刷した場合に、インクの乾燥が速く、得られた画像が高画像濃度で、色間にじみ及びフェザリングが少なく、かつ裏写り濃度が低い、表面に特殊なコーティングを施していない記録用紙、及びそれを用いた画像記録方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、
<1> パルプ繊維と填料とを主体に構成される原紙の表面に、水溶性高分子と、下記(1)〜(3)で示される成分のうちから選択される1つと、を少なくとも含み、かつ顔料を実質的に含まない処理液を塗布してなることを特徴とする記録用紙である。
(1)二価以上の金属と結合したアミノ酸キレート物質
(2)pHが7の水に不溶なキトサン及び複素カルボン酸
(3)水溶性単量体アミノ酸
前記記録用紙が、<1>に記載の記録用紙であることを特徴とする画像記録方法である。
前記記録用紙が、<1>に記載の記録用紙であることを特徴とする画像記録方法である。
前記記録用紙が、<1>に記載の記録用紙であることを特徴とする画像記録方法である。
<記録用紙>
本発明の記録用紙は、パルプ繊維と填料とを主体に構成される原紙の表面に、水溶性高分子と、下記(1)〜(3)で示される成分のうちから選択される1つと、を少なくとも含み、かつ顔料を実質的に含まない処理液を塗布してなることを特徴とする。
(1)二価以上の金属と結合したアミノ酸キレート物質
(2)pHが7の水に不溶なキトサン及び複素カルボン酸
(3)水溶性単量体アミノ酸
上記(1)〜(3)の成分を各々含む前記処理液を塗布してなる記録用紙を、それぞれ本発明の第1〜第3の記録用紙とし、以下個々に説明する。
本発明の第1の記録用紙は、前記原紙表面に、二価以上の金属と結合したアミノ酸キレート物質と、水溶性高分子とを少なくとも含み、顔料を実質的に含まない処理液を塗布してなることを特徴とする。
原紙表面に二価以上の金属と結合したアミノ酸キレート物質と、水溶性高分子とを含ませることにより、高湿環境下においても前記金属がイオン化することなく保持され、電気抵抗率(表面抵抗率、体積抵抗率)を過剰に下げることが無いため、電子写真用の記録用紙として問題なく使用することができる。
本発明においては、前記錯体形成が染料インクに対しても顔料インクに対しても同様に起こるため、インクの着色材料を問わず、前記効果を得ることができる。
本発明の記録用紙に用いられる原紙は、パルプ繊維と填量とを主体に含む。パルプ繊維としては、化学パルプ、具体的には広葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、広葉樹未晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹未晒亜硫酸パルプ等の他、木材及び綿、麻、じん皮等の繊維原料を化学的に処理して作製されたパルプ等が好ましく挙げられる。
また、木材やチップを機械的にパルプ化したグランドウッドパルプ、木材やチップに薬液を染み込ませた後に機械的にパルプ化したケミメカニカルパルプ、及びチップをやや軟らかくなるまで蒸解した後にリファイナーでパルプ化したサーモメカニカルパルプ等も使用できる。これらはバージンパルプのみで使用してもよいし、必要に応じて古紙パルプを加えてもよい。
前記古紙パルプは、オゾン漂白処理または過酸化水素漂白処理の二つの処理を組み合わせることによって、古紙の脱墨を容易にするだけでなくパルプの白色度もより向上させることができる。また、パルプ中の残留塩素化合物を分解・除去する作用もあるため、塩素漂白されたパルプを使用した古紙の有機ハロゲン化合物含有量低減において多大な効果を得ることができる。
前記填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク、カオリン、焼成クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、セリサイト、ホワイトカーボン、サポナイト、カルシウムモンモリロナイト、ソジウムモンモリロナイト、ベントナイト等の無機顔料、及び、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、キトサン粒子、セルロース粒子、ポリアミノ酸粒子、尿素樹脂、等の有機顔料を挙げることができる。また、原紙に古紙パルプを配合する場合には、古紙パルプ原料に含まれる灰分を予め推定して添加量を調整する必要がある。
上記アミノ酸キレート物質を構成するアミノ酸としては、アニオン性官能基を2つ以上持っていて、金属とキレート形成できるものであれば特には限定されないが、その中でもL−グルタミン酸、D−グルタミン酸、DL−グルタミン酸、L−アスパラギン酸、D−アスパラギン酸、DL−アスパラギン酸は分子量が小さく、画質向上効果が高いため特に好ましい。
前記アミノ酸キレート物質の比率が1/9より少ないと、インクの着弾時に十分な錯体形成が起こらず記録用紙表面に捕捉され難くなる場合がある。また、比率が9/1より多いと、水溶性高分子による物理的な色材捕捉効果が低下し、画質低下となる場合がある。
なお、前記平滑度はJIS−P−8119:1998に準拠して測定されたものを意味する。
本発明の第2の記録用紙は、前記原紙表面に、pHが7の水に不溶なキトサン(以下、「特定のキトサン」という)及び複素カルボン酸と、水溶性高分子とを少なくとも含み、顔料を実質的に含まない処理液を塗布してなることを特徴とする。
原紙表面に前記特定のキトサン及び複素カルボン酸と、水溶性高分子とを含ませることにより、高湿環境下においても電気抵抗率(表面抵抗率、体積抵抗率)を過剰に下げることが無いため、電子写真用の記録用紙として問題なく使用することができる。
本発明におけるキトサンとは、(1→4)−2−アセトアミド−2−デオキシ−β−D−グルカンの構造を持つキチンの脱アセチル化物である。キチンはエビ、カニをはじめとして、昆虫、貝、きのこなどきわめて多くの生物に含まれている天然物質である。セルロースに似た構造を持っているが、N−アセチル−D−グルコサミンが鎖状につながったアミノ多糖である。キトサンとは前記キチンをアルカリ処理することにより脱アセチル化し、主にD−グルコサミンの鎖状高分子としたものである。
前記キトサンの比率が1/5より少ないと、インクの着弾時に十分な錯体形成が起こらず記録用紙表面に捕捉され難くなる場合がある。また、比率が5/1より多いと、インク浸透性を遅延させ、色間にじみ(ICB)やフェザリングの悪化、となる場合がある。
本発明において、特定のキトサン、複素カルボン酸を原紙表面に処理する場合の各処理量としては、各々固形分として0.1〜5g/m2の範囲であることが好ましく、0.5〜3g/m2の範囲であることがより好ましい。特定のキトサン及び複素カルボン酸の処理量が0.1g/m2より少ないと、インク着弾時のインク成分への溶出量及びインク着弾時のカチオン当量が少ないため、結果として画質の低下、具体的には濃度低下、フェザリングの悪化、ICBの悪化、色再現性の悪化となる場合がある。また、前記処理量が5g/m2を越えると、いわゆる普通紙としての風合いを損なう場合がある。
本発明の第3の記録用紙は、前記原紙表面に、水溶性単量体アミノ酸と、水溶性高分子とを少なくとも含み、顔料を実質的に含まない処理液を塗布してなることを特徴とする。
原紙表面に前記上述のように、水溶性単量体アミノ酸と、水溶性高分子とを含ませることにより、高湿環境下においても電気抵抗率(表面抵抗率、体積抵抗率)を過剰に下げることが無いため、電子写真用の記録用紙として問題なく使用することができる。
本発明においては、前記錯体形成が染料インクに対しても顔料インクに対しても同様に起こるため、インクの着色材料を問わず、前記効果を得ることができる。
前記水溶性単量体アミノ酸としては、例えば、L−グリシン、D−グリシン、DL−グリシン、L−セリン、D−セリン、DL−セリン、L−アスパラギン、D−アスパラギン、DL−アスパラギン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、DL−フェニルアラニン、L−ヒスチジン、D−ヒスチジン、DL−ヒスチジン、L−メチオニン、D−メチオニン、DL−メチオニン、L−システイン、D−システイン、DL−システイン、L−プロリン、D−プロリン、DL−プロリン、L−グルタミン酸、D−グルタミン酸、DL−グルタミン酸、L−リジン、D−リジン、DL−リジン、L−グルタミン、D−グルタミン、DL−グルタミン、L−アルギニン、D−アルギニン、DL−アルギニン、L−アラニン、D−アラニン、DL−アラニン、L−バリン、D−バリン、DL−バリン、L−ロイシン、D−ロイシン、DL−ロイシン、L−イソロイシン、D−イソロイシン、DL−イソロイシン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記水溶性単量体アミノ酸の比率が3/7より少ないと、インクの着弾時に十分な錯体形成が起こらず記録用紙表面に捕捉され難くなる場合がある。また、比率が7/3より多いと、水溶性高分子が少なすぎ高分子化した色材を記録用紙表面に捕捉することができない場合がある。
次に、本発明のインクジェット方式の画像記録方法(以下、「インクジェット記録方法」という場合がある。)について説明する。本発明のインクジェット記録方法は、前処理液を記録用紙表面に付与する工程を含む第1のインクジェット記録方法、及び該工程を含まない第2のインクジェット記録方法である。
本発明における第1のインクジェット記録方法は、無色、または淡色の前処理液を本発明の記録用紙に対して吐出した後にインクを用いて印字するものである。そして、この第1のインクジェット記録方法には、記録用紙として前記第1の記録用紙が用いられる。
ここで、親水性色材には、染料の他に、親水基を含む顔料分散剤と併用され、これによりインク中に分散することができる疎水性顔料だけでなく、後述する自己分散型顔料も含まれる。また、溶媒としては水以外にも公知の水溶性の有機溶媒を用いることができ、界面活性剤等、必要に応じて各種添加剤等を更に含有することができる。
まず、超音波ホモジナイザー、ナノマイザー、マイクロフルイダイザー、ボールミル等の分散装置を用いて、顔料分散剤を用いずに、水95質量%に対し、顔料5質量%の濃度となるように顔料を水に分散させる。次に、この顔料が分散された分散液をガラス瓶に入れ、一昼夜放置し、その後における上澄みの顔料濃度が初期濃度の98%以上である顔料を自己分散型顔料とする。このとき、顔料濃度の測定方法は、特に限定されず、サンプルを乾燥させて固形分を測定する方法や、適当な濃度に希釈して透過率から求める方法のいずれでもよく、他に顔料濃度を正確に求める方法があれば、もちろんその方法によってもよい。
黒色の顔料としては、Raven7000、Raven5750、Raven5250、Raven5000 ULTRA II、Raven3500、Raven2000、Raven1500、Raven1250、Raven1200、Raven1190 ULTRA II、Raven1170、Raven1255、Raven1080、Raven1060(以上、コロンビアンDカーボン社製);Regal400R、Regal330R、Regal660R、Mogul L、Black PearlsL、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400(以上、キャボット社製);Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black 18、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Pritex35、PritexU、Pritex V、Printex140U、Printex140V、Special Black6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black4(以上、デグッサ社製);No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学社製)等が挙げられる。
これらは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
なお、インクのpHは3〜11の範囲であることが好ましく、特に4.5〜9.5の範囲であることがより好ましい。
なお、インクの表面張力は、ウィルヘルミー型表面張力計を用いて、23℃、55%RHの環境下にて測定したものである。
一般式(2)
CnH2n+1(CH2CRHO)mH
〔但し、一般式(2)において、nは1から6の整数、mは1から3の整数、Rは水素原子または炭素原子数が1〜5のアルキル基を表す。〕
なお、熱エネルギーを作用させて液滴を形成し記録を行う、いわゆる熱インクジェット方式により印字で、且つ、インクドロップ量を前記のように1〜20plの範囲、好ましくは3〜18plの範囲とする場合には、インク中における顔料の分散粒子径が、体積平均粒子径で20〜120nmの範囲で、かつ、500nm以上の粗大粒子数がインク2μl中に5×105個以下であることが好ましい。体積平均粒子径が20nmより小さいと、充分な画像濃度が得られない場合がある。また、体積平均粒径が120nmより大きいと、プリントヘッド内で目詰まりが発生しやすく、安定した吐出性を確保できない。さらに体積平均粒径が500nm以上の粗大粒子数がインク2μl中に5×105個より多くなると、同様にプリントヘッド内で目詰まりが発生しやすく、安定してインクを吐出できない場合がある。この粗大粒子数は、3×105個以下であることがより好ましく、2×105個以下であることがさらに好ましい。
なお、前処理液の吐出タイミングは、各色インクの吐出前であれば特に制限されない。
前記最大インク打ち込み量とは、1色以上のインクを用いてベタ画像を形成する場合に、1回の走査で吐出される単位面積あたりのインク量のことである。
本発明の第2のインクジェット記録方法は、前記第1のインクジェット記録方法における前処理液を記録用紙表面に付与する工程がない以外は、すべて第1のインクジェット記録方法と同じである。
この第2のインクジェット記録方法には、記録用紙として、前記本発明の第2の記録用紙、第3の記録用紙が用いられる。
本発明における電子写真方式の画像記録方法は、静電潜像担持体表面を均一に帯電する帯電工程と、該静電潜像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光工程と、該静電潜像担持体表面に形成された静電潜像を静電荷像現像剤を用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を記録用紙表面に転写する転写工程と、該記録用紙表面のトナー画像を定着する定着工程とを含み、前記記録用紙が既述の本発明の記録用紙であることを特徴とする。
1Y、1M、1C、1Kはそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー画像を形成する電子写真画像形成ユニットであり、複数の張架ロール10により張架された無端状の中間転写体9の進行方向に対して1Y、1M、1C、1Kの順で直列に配設されている。また中間転写体9は各電子写真画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの静電潜像担持体2Y、2M、2C、2Kとそれぞれに対向して配設される転写手段6Y、6M、6C、6Kとの間を挿通している。
まず、静電潜像担持体2Yは、一様帯電器3Yによりその表面を一様に帯電される。次に露光器4Yによりイエロー画像に対応する像露光がなされ、静電潜像担持体2Yの表面にはイエロー画像に対応する静電潜像が形成される。このイエロー画像に対応する静電潜像は現像装置5Yによってイエロートナー画像となり、一次転写手段の一部を構成する一次転写ロール6Yの圧接力及び静電吸引によって中間転写体9上に転写される。転写後の静電潜像担持体2Y上に残留したイエロートナーは、静電潜像担持体クリーニング装置7Yよって掻き取られる。静電潜担持体2Yの表面は除電装置8Yによって除電された後、次の画像形成サイクルのために一様帯電器3Yにより再び帯電される。
定着ロール30は、アルミニウムからなる肉厚1.5mm、外径25mm、長さ380mmのコア30a表面に、ゴム硬度(JIS−A)が33°のシリコーンゴムからなる弾性体層30bを厚さ0.5mm、長さ320mmに被覆し、さらに弾性体層30bの表面に厚さ30μmのPFAチューブからなる離型層30cを被覆して形成されている。定着ロール30の内部には、加熱源として650Wのハロゲンランプ33が配設されており、定着ロール30の表面温度が所定の温度(トナーの溶融温度によるが、一般には140〜190℃)となるように内部から加熱する。
この略垂直な電子写真用記録用紙搬送経路11により画像形成、及び定着された記録用紙18は、画像形成装置の上部に排出することが可能な構成となっている。
まず、後述する実施例、および、比較例において使用される記録用紙を以下に説明するようにして作製した。
<記録用紙1>
広葉樹クラフトパルプを酸素漂白工程、アルカリ抽出工程、気相二酸化塩素処理工程からなるECF多段漂白法にて漂白処理した。得られたパルプを濾水度450mlになるよう叩解調整し、前記パルプ100質量部に対して、ベントナイト填料を3質量部、軽質炭酸カルシウム填料を3質量部、アルキルケテンダイマー(AKD)内添サイズ剤を0.1質量部配合して抄紙した。さらに表面サイズ剤として水90質量部、L−アスパラギン酸マグネシウム10質量部、水溶性高分子として酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースA)4質量部、導電剤として硫酸ナトリウム1質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面にL−アスパラギン酸マグネシウムが1.5g/m2、酸化澱粉が0.7g/m2処理された記録用紙1を得た。
なお、参考までに述べれば、インクジェット記録にのみ使用する場合には導電剤の塗工は必要とせず、これは、以下の記録用紙作製例についても同様である。
広葉樹クラフトパルプをキシラナーゼ処理工程、アルカリ抽出工程、過酸化水素処理工程、オゾン処理工程からなるTCF多段漂白法にて漂白処理した。得られたパルプを濾水度450mlになるように叩解調整し、前記パルプ100質量部に対して、カオリン填料を3質量部、軽質炭酸カルシウム填料を6質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.2質量部配合して抄紙した。さらに表面サイズ剤として水85質量部、水溶性高分子としてポリアクリル酸5質量部、L−アスパラギン酸カルシウム5質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面にL−アスパラギン酸カルシウムが0.8g/m2、ポリアクリル酸が0.7g/m2処理された記録用紙2を得た。
針葉樹機械パルプをハイドロサルファイトで漂白処理し、濾水度が450mlになるように叩解調整し、前記パルプ100質量部に対して、軽質炭酸カルシウム填料を8質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.02質量部配合して抄紙した。さらに表面サイズ剤として水85質量部、水溶性高分子としてカチオン変性ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製、ゴーセファイマー)5質量部、L−アスパラギン酸バリウム10質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面にL−アスパラギン酸バリウムが2.0g/m2、カチオン変性ポリビニルアルコールが1.0g/m2処理された記録用紙3を得た。
広葉樹クラフトパルプを記録用紙2と同様にTCF漂白を行い、叩解調整を行った後、前記パルプ100質量部に対して、軽質炭酸カルシウム填料を3質量部、サポナイト填料を3質量部、中性ロジンサイズ剤を2質量部配合して抄紙した。さらに表面サイズ剤として水80質量部、水溶性高分子として酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースA)5質量部、塩化カルシウム5質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面に酸化澱粉が1.0g/m2、塩化カルシウムが1.0g/m2処理された記録用紙4を得た。
広葉樹サルファイトパルプを記録用紙2と同様にTCF漂白を行い、叩解調整を行った後、前記パルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を15質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.1質量部配合して抄紙した。更に表面サイズ剤として水80質量部、水溶性高分子として酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースB)5質量部、L−アスパラギン酸10質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面にL−アスパラギン酸が2.0g/m2、酸化澱粉が0.8g/m2処理された記録用紙5を得た。
針葉樹サルファイトパルプを記録用紙2と同様にTCF漂白を行い、叩解調整を行った後、前記パルプ100質量部に対してカオリン填料を20質量部、アルキルケテンダイマー(AKD)内添サイズ剤を0.05質量部配合して抄紙した。更に表面サイズ剤として水92質量部、水溶性高分子として酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースA)5質量部、カチオン性樹脂(東洋紡(株)製ポリアリルアミン、PAA−HCL−10L)15質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面にポリアリルアミンが3.0g/m2、酸化澱粉が1.0g/m2処理された記録用紙6を得た。
記録用紙1の作製において、L−アスパラギン酸マグネシウムで表面改質した炭酸カルシウム60質量部を、酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製 エースA)の20%溶液100質量部と混合し、厚さ10μmの塗工層を形成した以外は同様にして、記録用紙7を作製した。
広葉樹クラフトパルプを酸素漂白工程、アルカリ抽出工程、気相二酸化塩素処理工程からなるECF多段漂白法にて漂白処理した。得られたパルプを濾水度450mlになるよう叩解調整し、前記パルプ100質量部に対して、ベントナイト填料を3質量部、軽質炭酸カルシウム填料を3質量部、アルキルケテンダイマー(AKD)内添サイズ剤を0.1質量部配合して抄紙した。さらに表面サイズ剤として水93質量部、脱アセチル化度86%のキトサン(大日精化工業(株)製、ダイキトサンP−VL、pH7の水に不溶)1質量部、クマリン酸(溶解度:5g)2質量部、水溶性高分子として酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースA)3質量部、導電剤として硫酸ナトリウム1質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面にキトサンが0.5g/m2、クマリン酸が1.0g/m2、酸化澱粉が1.2g/m2処理された記録用紙8を得た。
広葉樹クラフトパルプをキシラナーゼ処理工程、アルカリ抽出工程、過酸化水素処理工程、オゾン処理工程からなるTCF多段漂白法にて漂白処理した。得られたパルプを濾水度450mlになるように叩解調整し、前記パルプ100質量部に対して、カオリン填料を3質量部、軽質炭酸カルシウム填料を6質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.2質量部配合して抄紙した。さらに表面サイズ剤として水97質量部、ポリアクリル酸1質量部、脱アセチル化度100%キトサン(大日精化工業(株)製 ダイキトサン100−D、pH7の水に不溶)1質量部、ピロリドンカルボン酸(溶解度:7g)1質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面にポリアクリル酸が0.5g/m2、キトサンが0.5g/m2、ピロリドンカルボン酸が0.5g/m2処理された記録用紙9を得た。
針葉樹機械パルプをハイドロサルファイトで漂白処理し、濾水度が450mlになるように叩解調整し、前記パルプ100質量部に対して、軽質炭酸カルシウム填料を8質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.02質量部配合して抄紙した。さらに表面サイズ剤として水96質量部、カチオン変性ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製、ゴーセファイマー)1質量部、脱アセチル化度100%キトサン(大日精化工業(株)製 ダイキトサン100−D−VL、pH7の水に不溶)2質量部、ピロールカルボン酸(溶解度:5g)1質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面にピロールカルボン酸が0.5g/m2、キトサンが1.0g/m2、カチオン変性ポリビニルアルコールが0.5g/m2処理された記録用紙10を得た。
広葉樹クラフトパルプを記録用紙8と同様にTCF漂白を行い、叩解調整を行った後、前記パルプ100質量部に対して、軽質炭酸カルシウム填料を3質量部、サポナイト填料を3質量部、中性ロジンサイズ剤を2質量部配合して抄紙した。さらに表面サイズ剤として水64質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースA)5質量部、0.1N酢酸30質量部、記録用紙7に使用したキトサン1質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面に酸化澱粉が1.0g/m2、酢酸が0.036g/m2、キトサンが0.5g/m2処理された記録用紙11を得た。
広葉樹サルファイトパルプを記録用紙8と同様にTCF漂白を行い、叩解調整を行った後、前記パルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を15質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.1質量部配合して抄紙した。更に表面サイズ剤として水80質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースB)5質量部、フランカルボン酸(溶解度:7g)10質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面にフランカルボン酸が2.0g/m2、酸化澱粉が0.8g/m2処理された記録用紙12を得た。
針葉樹サルファイトパルプを記録用紙8と同様にTCF漂白を行い、叩解調整を行った後、前記パルプ100質量部に対してカオリン填料を20質量部、アルキルケテンダイマー(AKD)内添サイズ剤を0.05質量部配合して抄紙した。更に表面サイズ剤として水92質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースA)5質量部、脱アセチル化度86%のキトサン(大日精化工業(株)製 ダイキトサンP−VL、pH7の水に不溶)1質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面にキトサンが1.0g/m2、酸化澱粉が2.0g/m2処理された記録用紙13を得た。
広葉樹サルファイトパルプを記録用紙8と同様にTCF漂白を行い、叩解調整を行った後、前記パルプ100質量部に対してカオリン填料を20質量部、アルキルケテンダイマー(AKD)内添サイズ剤を0.05質量部配合して抄紙した。更に表面サイズ剤として水89質量部、酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースA)5質量部、脱アセチル化度86%のキトサン(大日精化工業(株)製 ダイキトサンP−VL、pH7の水に不溶)1質量部、低分子カチオンである塩化カルシウム(溶解度:63.8g)5質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面にキトサンが0.5g/m2、塩化カルシウムが2.0g/m2、酸化澱粉が2.0g/m2処理された記録用紙14を得た。
記録用紙8の作製において、表面サイズ剤として、水63質量部、脱アセチル化度86%のキトサン(大日精化工業(株)製、ダイキトサンP−VL、pH7の水に不溶)1質量部、クマリン酸(溶解度:5g)2質量部、水溶性高分子として酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースA)3質量部、白色顔料として炭酸カルシウム30質量部、導電剤として硫酸ナトリウム1質量部からなる塗工液を調製して塗工を行い、厚さ10μmの塗工層を形成した以外は同様にして、記録用紙15を作製した。
広葉樹クラフトパルプを酸素漂白工程、アルカリ抽出工程、気相二酸化塩素処理工程からなるECF多段漂白法にて漂白処理した。得られたパルプを濾水度450mlになるよう叩解調整し、前記パルプ100質量部に対して、ベントナイト填料を3質量部、軽質炭酸カルシウム填料を3質量部、アルキルケテンダイマー(AKD)内添サイズ剤を0.1質量部配合して抄紙した。さらに表面サイズ剤として水90質量部、L−グリシン(溶解度:20g)5質量部、水溶性高分子として酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製 エースA)4質量部、導電剤として硫酸ナトリウム1質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面にL−グリシンが0.8g/m2、酸化澱粉が0.7g/m2処理された記録用紙16を得た。
広葉樹クラフトパルプをキシラナーゼ処理工程、アルカリ抽出工程、過酸化水素処理工程、オゾン処理工程からなるTCF多段漂白法にて漂白処理した。得られたパルプを濾水度450mlになるように叩解調整し、前記パルプ100質量部に対して、カオリン填料を3質量部、軽質炭酸カルシウム填料を6質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.2質量部配合して抄紙した。さらに表面サイズ剤として水85質量部、水溶性高分子としてポリアクリル酸5質量部、L−プロリン(溶解度:100g)10質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面にL−プロリンが1.5g/m2、ポリアクリル酸が0.7g/m2処理された記録用紙17を得た。
針葉樹機械パルプをハイドロサルファイトで漂白処理し、濾水度が450mlになるように叩解調整し、前記パルプ100質量部に対して、軽質炭酸カルシウム填料を8質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.02質量部配合して抄紙した。さらに表面サイズ剤として水85質量部、水溶性高分子としてカチオン変性ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製、ゴーセファイマー)5質量部、L−システイン(溶解度:22g)10質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面にL−システインが2.0g/m2、カチオン変性ポリビニルアルコールが1.0g/m2処理された記録用紙18を得た。
広葉樹クラフトパルプを記録用紙17と同様にTCF漂白を行い、叩解調整を行った後、前記パルプ100質量部に対して、軽質炭酸カルシウム填料を3質量部、サポナイト填料を3質量部、中性ロジンサイズ剤を2質量部配合して抄紙した。さらに表面サイズ剤として水80質量部、水溶性高分子として酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースA)5質量部からなる水溶性単量体アミノ酸を含有しない処理液を調製してサイズプレスを行い、表面に酸化澱粉が1.0g/m2処理された記録用紙19を得た。
広葉樹サルファイトパルプを記録用紙17と同様にTCF漂白を行い、叩解調整を行った後、前記パルプ100質量部に対して軽質炭酸カルシウム填料を15質量部、アルケニル無水コハク酸(ASA)内添サイズ剤を0.1質量部配合して抄紙した。更に表面サイズ剤として水80質量部、水溶性高分子として酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースB)5質量部、L−アスパラギン酸(溶解度:0.24g)10質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面にL−アスパラギン酸が2.0g/m2、カチオン化澱粉が0.8g/m2処理された記録用紙20を得た。
針葉樹サルファイトパルプを記録用紙17と同様にTCF漂白を行い、叩解調整を行った後、前記パルプ100質量部に対してカオリン填料を20質量部、アルキルケテンダイマー(AKD)内添サイズ剤を0.05質量部配合して抄紙した。更に表面サイズ剤として水92質量部、水溶性高分子として酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製、エースA)5質量部、塩化カルシウム10質量部からなる処理液を調製してサイズプレスを行い、表面に塩化カルシウムが2.0g/m2、酸化澱粉が1.0g/m2処理された記録用紙21を得た。
記録用紙16の作製において、表面サイズ剤として酸化澱粉を含まない処理液を用いた以外は同様にして、表面にL−グリシンが0.8g/m2処理された記録用紙22を作製した。
記録用紙16の作製において、表面サイズ剤として、水60質量部、L−グリシン(溶解度:20g)5質量部、水溶性高分子として酸化澱粉(王子コーンスターチ(株)製 エースA)4質量部、炭酸カルシウム30質量部、導電剤として硫酸ナトリウム1質量部からなる塗工液を調製して、厚さ10μmの塗工層を形成した以外は同様にして、記録用紙23を作製した。
得られた記録用紙の物性は、以下の条件で測定した。ステキヒトサイズ度は JIS−P−8122:1976に準拠し標準環境(温度23℃、相対湿度50%RH)で測定した。また、表面抵抗率及びおよび体積抵抗率は、JIS−K−6911に準拠し標準環境及び高温高湿環境(28℃、85%RH)で測定した。
平滑度は 王研式デジタル表示型透気度平滑度測定器EY型(旭精工(株)製)を用いて、JIS−P−8119:1998に準拠して測定した。地合い指数は、M/K Systems,Inc.(MKS社)製の3Dシートアナライザー(M/K950)を使い、そのアナライザーの絞りを直径1.5mmとし、マイクロフォーメーションテスター(MFT)を用いて測定した。その結果を表1〜3に示す。
<前処理液1>
下記の組成の混合物に脱イオン水を加え合計50質量部とし、30分間攪拌した後に2μmのメンブランフィルターを通過させて前処理液1を作製した。
・エチレングリコール:12質量部
・エタノール:4質量部
・尿素:5質量部
・ラウリル硫酸エステルナトリウム塩:0.1質量部
・ピロリドンカルボン酸:5質量部
下記の組成の混合物に脱イオン水を加えて合計50質量部とし、前処理液1と同様にして前処理液2を作製した。
・エチレングリコール:12質量部
・エタノール:5質量部
・尿素:3質量部
・界面活性剤(日信化学(株)製 サーフィノール465):0.1質量部
・クマリン酸:5質量部
下記の組成の混合物に脱イオン水を加えて合計50質量部とし、前処理液1と同様にして前処理液3を作製した。
・エチレングリコール:12質量部
・エタノール:5質量部
・尿素:3質量部
・界面活性剤(日信化学(株)製 サーフィノール465):0.1質量部
・フランカルボン酸:5質量部
後述する実施例及び比較例において使用するインクは、以下のようにして調製した。
<インク1>
スチレン/メタクリル酸共重合体のNa塩(モノマー比:50/50、重量平均分子量:7000)の水溶性高分子(顔料を分散させるための分散剤)の水溶液(固形分10質量%)45質量部と、イオン交換水210質量部とを混合攪拌しながら、カーボンブラック(商品名:BPL、キャボット社製)45質量部を加え30分間攪拌した。その後、マイクロフルイダイザーで10000psi/30path分散した。分散後、1mol/lのNaOH水溶液でpH9に調整した。さらに、遠心分離装置で遠心分離(8000rpm、15分)を実施した後、2μmメンブランフィルターを通過させた。得られた分散液を純水で希釈して固形分10質量%の顔料分散液を得た。
・エチレングリコール:12質量部
・エタノール:4質量部
・尿素:5質量部
・ラウリル硫酸エステルナトリウム塩:0.1質量部
Cabojet300(キャボット社製)を遠心分離処理(8000rpm、40分)して、顔料分散液(顔料濃度14.4重量%)を得た。
次に、下記組成の混合物に脱イオン水を加え合計50質量部とし、この後、前記顔料分散液を50質量部を添加して全量を100質量部とし、1Nの水酸化リチウム水溶液をpHが8.0となるまで滴下した。その後30分間攪拌し、2μmのメンブランフィルターを通過させインク2を作製した。このインクの表面張力33mN/m、粘度は2.1mPa・sであった。貯蔵弾性率は24℃において5.0×10-3Pa、インク2中の粒径500nm以上の粗粒個数は18.6×104個であった。
・前記顔料分散液:35質量部
・ジエチレングリコール:18質量部
・尿素:5質量部
・水溶性高分子(n−ブチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モノマー比:50/50、重量平均分子量:8200)):1.5質量部
下記組成の混合物に脱イオン水を加え全量を100質量部とし、30分間攪拌した。この後、2μmのメンブランフィルターを通過させた。このインク物性は、表面張力が30mN/m、粘度が2.8mPa・sであった。貯蔵弾性率は24℃において2.5×10-3Pa、インク3中の粒径500nm以上の粗粒個数は0.08×104個であった。
・顔料(C.I.Pigment Blue 15:3):4質量部
・水溶性高分子<スチレンアクリル酸/アクリル酸カリウム共重合体(モノマー比;33/67、重量平均分子量;6100>:1.5質量部
・ジグリセリンエチレンオキサイド付加物:5質量部
・スルホラン:5質量部
・界面活性剤(ノニオンE−215:日本油脂社製):0.03質量部
下記組成の混合物に脱イオン水を加え全量を100質量部とし、30分間攪拌した。この後、2μmのメンブランフィルターを通過させた。このインク物性は、表面張力が28mN/m、粘度が2.8mPa・sであった。貯蔵弾性率は24℃において1.0×10-2Pa、インク4中の粒径500nm以上の粗粒個数は0.03×104個であった。
・顔料(C.I.Pigment Red 122):4質量部
・ジエチレングリコール:10質量部
・プロピレングリコール:5質量部
・チオジエタノール:5質量部
・界面活性剤(サーフィノール465:日信化学社製):0.03質量部
下記組成の混合物に脱イオン水を加え全量を100質量部とし、30分間攪拌した。この後、2μmのメンブランフィルターを通過させた。このインク物性は、表面張力が29mN/m、粘度が2.9mPa・sであった。貯蔵弾性率は24℃において1.0×10-2Pa、インク5中の粒径500nm以上の粗粒個数は0.03×104個であった。
・表面処理顔料(C.I.Pigment Yellow 17):4質量部
・水溶性高分子(スチレンマレイン酸/メタクリル酸ナトリウム共重合体(モノマー比:20/80、重量平均分子量:6000)):1.5質量部
・グリセリン:15質量部
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル:5質量部
・界面活性剤(サーフィノールTG:日信化学社製):0.03質量部
下記組成と脱イオン水で全量を100質量部とし、30分間攪拌した。この後、1μmのメンブランフィルターを通過させた。このインクの表面張力は31mN/m、粘度2.0mPa・sであった。貯蔵弾性率は24℃において1.0×10-2Paであった。
・染料(ダイレクトレッド227、10%水溶液):20質量部
・エチレングリコール:25質量部
・水溶性高分子(スチレンマレイン酸/メタクリル酸ナトリウム共重合体(モノマー比:20/80、重量平均分子量:6000)):1.5質量部
・尿素:5質量部
・界面活性剤(サーフィノール465):2質量部
下記組成と脱イオン水で全量を100重量部とし、30分間攪拌した。この後、1μmのメンブランフィルターを通過させた。このインクの表面張力は31mN/m、粘度2.0mPa・sであった。貯蔵弾性率は24℃において1.0×10-2Paであった。
・染料(C.I.ダイレクトイエロー−1、10%水溶液):20質量部
・エチレングリコール:25質量部
・水溶性高分子(スチレンマレイン酸/メタクリル酸ナトリウム共重合体(モノマー比:20/80、重量平均分子量:6000)):1.5質量部
・尿素:5質量部
・界面活性剤(サーフィノール465):2質量部
インク2の作製において、水溶性高分子を用いなかった以外は同様にして、インク8を作製した。インクの物性は、表面張力が33mN/m、粘度が2.1mPa・s、貯蔵弾性率が24℃において5.0×10-3Paであった。また、インク2中の粒径500nm以上の粗粒個数は18.6×104個であった。
インク3の作製において、水溶性高分子を用いなかった以外は同様にして、インク9を作製した。インクの物性は、表面張力が30mN/m、粘度が2.8mPa・s、貯蔵弾性率が24℃において2.5×10-3Paであった。また、インク3中の粒径500nm以上の粗粒個数は0.08×104個であった。
インク6の作製において、水溶性高分子を用いなかった以外は同様にして、インク10を作製した。インクの物性は、表面張力が31mN/m、粘度が2.0mPa・s、貯蔵弾性率が24℃において1.0×10-2Paであった。
上記得られたインクの物性は、以下の条件で測定した。表面張力はウイルヘルミー型表面張力計を用いて、23℃、55%RHの環境下で測定した。粘度は被測定インクを測定容器に入れ、ネオマット115(Contraves社製)に装着して、測定温度:23℃、せん断速度:1400s-1の条件で測定した。また、貯蔵弾性率はVE型粘弾性アナライザー(VILASTIC SCIENTIFIC INC.社製)を用いて24℃における貯蔵弾性率を測定した。角速度が1〜10rad/sとなる範囲での測定を行い、そのときの貯蔵弾性率を求めた。代表値として10rad/s場合の値を示した。その結果を表5に示す。
得られた記録用紙1〜7、前処理液およびインク1〜6を表6に示すように組合せて、下記のインクジェット記録装置、及び後記電子写真記録装置にて印字テストを行い、各種評価を行った。その結果を表4に示す。尚、表6中の「記録用紙」の欄の「No」は、各々の実施例/比較例で用いた記録用紙(例えば、実施例1では記録用紙1)を意味し、「前処理液」の欄の「No」は各々の実施例/比較例で用いた前処理液を意味し、「インク」の欄の「No」は、各々の実施例/比較例で用いたインクを意味する。
以下、各種評価について説明する。
印字一日後のソリッドパッチ部の画像光学濃度を、エックスライト369(エックスライト社製)を用いて測定した。
2色のインクを2cm×2cm角のパッチとしてそれぞれ接するように印字した。色間にじみ評価は接した印字物の混色を10人の被検者により目視にて、以下の基準で評価し、〇、△を許容範囲とした。
○:全く混色していない。
△:混色がわずかに発生しているが、問題にならないレベルであった。
×:混色が問題となるレベルで発生した。
フォントサイズ8ポイントの文字を染料インクおよび顔料インク各1種類により印字した。フェザリング評価は、目視にて、以下の基準により行った。◎、〇を許容範囲とした。
◎:漢字、ひらがな全てにおいて、滲みが全く観察されない。
○:漢字、ひらがなの極一部で、滲みが観察される。
×:漢字、ひらがなに滲みが観察され、実用には適さない。
インク乾燥時間の評価は、印字直後から画像部に用紙を押付けて転写を観察することにより行った。用紙への転写が無くなるまでの時間を計測した。画像部はソリッドパッチ部を用い、以下の基準により評価を行った。◎、〇を許容範囲とした。
◎:2秒以下
○:2〜5秒
△:5〜10秒
×:10秒以上
印字一日後のソリッドパッチ部の裏面の濃度を、エックスライト369(エックスライト社製)を用いて濃度を測定した。
28℃85%RH環境下に8時間以上調湿した、実施例及び比較例の記録紙を用いて、5cm×5cmの大きさのマゼンタ100%ベタ画像を印字し、光学濃度をエックスライト369(エックスライト社製)を用いて測定した。判定基準は以下の通りとし、◎、〇を許容範囲とした。
◎:1.5以上
〇:1.1以上1.5未満
×:1.1未満
画像濃度評価で印字した画像について、転写不良による画像斑の発生レベルを確認した。判定基準は以下の通りとし、◎を許容範囲とした。
◎:画像の濃度斑が全く判別できない。
△:画像の斑がわずかながら肉眼で確認できる。
×:画像全体が斑だらけである。
以上の結果を表6に示す。
得られた記録用紙8〜15、前処理液およびインク1、3〜6、7を表7に示すように組合せて、前記と同様のインクジェット記録装置、及び後記電子写真記録装置にて印字テストを行い、同様の各種評価を行った。その結果を表7に示す。
得られた記録用紙16〜23、前処理液およびインク1、8〜10を表8に示すように組合せて、前記と同様のインクジェット記録装置、及び後記電子写真記録装置にて印字テストを行い、同様の各種評価を行った。その結果を表8に示す。
2Y,2M,2C,2K 静電線像担持体
3Y,3M,3C,3K 帯電器
4Y,4M,4C,4K 露光器
5Y,5M,5C,5K 現像装置
6Y,6M,6C,6K 一次転写ロール
7Y,7M,7C,7K 静電潜像担持体クリーニング装置
8Y,8M,8C,8K 除電装置
9 中間転写体
10 張架ロール
11 電子写真用記録用紙搬送経路
12 二次転写ロール
13 バックアップロール
14 クリーニング手段/中間転写体クリーニング装置
15 定着装置
16 搬送方向切替ゲート
17 給紙カセット
17a 給紙ロール
18 記録用紙
19 搬送ロール
20 レジストロール
21、23 電子写真用記録用紙排出口
22、24 排出ロール
25、26 電子写真用記録用紙排紙トレイ
30 定着ロール
30a コア
30b 弾性体層
30c 離型層
31 加圧ベルト
32 加圧パッド
100 画像形成装置
Claims (4)
- パルプ繊維と填料とを主体に構成される原紙の表面に、水溶性高分子と、下記(1)〜(3)で示される成分のうちから選択される1つと、を少なくとも含み、かつ顔料を実質的に含まない処理液を塗布してなることを特徴とする記録用紙。
(1)二価以上の金属と結合したアミノ酸キレート物質
(2)pHが7の水に不溶なキトサン及び複素カルボン酸
(3)水溶性単量体アミノ酸 - 無色もしくは淡色の前処理液を記録用紙表面に付与した後、少なくとも、水及び/または水溶性の有機溶媒と、親水性色材とを含有するインクの液滴を記録用紙表面へ吐出させ、該記録用紙に画像を記録するインクジェット記録方式の画像記録方法であって、
前記記録用紙が、請求項1記載の記録用紙であることを特徴とする画像記録方法。 - 少なくとも、水及び/または水溶性の有機溶媒と、親水性色材とを含有するインクの液滴を記録用紙表面へ吐出させ、該記録用紙に画像を記録するインクジェット記録方式の画像記録方法であって、
前記記録用紙が、請求項1記載の記録用紙であることを特徴とする画像記録方法。 - 静電潜像担持体表面を帯電する帯電工程と、該静電潜像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光工程と、該静電潜像担持体表面に形成された静電潜像を静電荷像現像剤を用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を記録用紙表面に転写する転写工程と、該記録用紙表面のトナー画像を定着する定着工程と、を含む電子写真方式の画像記録方法であって、
前記記録用紙が、請求項1に記載の記録用紙であることを特徴とする画像記録方法。
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A02 | Decision of refusal |
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