JP7375800B2 - 荷役機、車載装置、方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、コンテナとの距離が所定値に達した事を検出し、検出された距離が所定値に達した事をオペレータに告知することが記載されている。
例えば、特許文献2には、カメラにより撮影されたマークの画面上の位置からフォーク2と荷役対象の左右・上下のずれ量を算出し、そのずれ量を無くすようにフォーク2を荷役対象に自動で位置合わせするフォーク自動位置合わせ制御が行われることが記載されている。
以上に例示したように、特許文献1-2記載の技術は、運搬対象を適切に運搬できない場合がある。
図1は、本発明の実施形態に係る運搬作業を説明する説明図である。
フォークリフトF1は、荷役機の一例である。フォークリフトF1には、フォークF101、F102が設けられている。フォークF101、F102は、差込爪の一例である。
フォークリフトF1は、フォークF101、F102を、荷物又はパレット等の運搬対象に差し込むことで、運搬対象を把持して運搬する。つまり、荷役機には、運搬対象に差し込むことで、運搬対象を把持する差込爪が設けられている。
差込時又は運搬時にフォークリフトF1と対向する面(「差込面211」とも称する)は、フォークポケット201、202を有する。フォークポケット201、202は、運搬対象の正面(差込面211)から背面へ(図1ではY軸の正方向)、それぞれフォークF101、F102を差し込まれ、その先端部を背面から突き出させる穴又は凹部である。
図1では、フォークポケット201、202は、差込面211の下部において、差込面211の法線方向に真っ直ぐ伸びる穴である。
なお、コンテナ20やフォークポケット201、202の寸法等は、標準規格(例えば、JIS)で定められている。また、運搬対象は、コンテナ20に限らず、パレットであっても良いし、パレットとパレットに載せられた荷物の両方であっても良い。ここで、パレットとは、荷物を載せるための荷役台をいう。パレットには、フォークポケットが設けられている。また、フォークポケットは、3個以上(例えば、4個)あってもよい。
ここで、位置関係とは、例えば、フォークリフトF1とコンテナ20が対向する方向と垂直な面(XZ平面)における位置関係(面に射影した位置関係)であるが、本発明はこれに限らず、XY平面やYZ平面における位置関係であっても良い。なお、フォークリフトF1とコンテナ20が対向する方向とは、フォークF101、F102を差し込む方向、又は、フォークリフトF1の進行方向(真っ直ぐに進む場合)でもある。
作業管理装置1は、判定結果を出力する。例えば、作業管理装置1は、ずれていると判定した場合、警告(例えば、警告音、警告光、警告画像、案内等)を出力する。
コンテナ20は、フォークリフトF1に把持されて運搬され、荷台L1に載せられ、緊締装置L11~L14で荷台L1に固定される。
なお、図1に示す座標軸X、Y、Zは、本実施形態及びその変形例の各図において、共通する座標軸である。
図2は、本実施形態に係る作業管理装置1の固定位置の一例を表す概略図である。
図2は、フォークリフトF1の正面図である。
バックレストF13は、フォークレールF11、F12に取り付けられている。バックレストF13は、把持されたコンテナ20が崩れる、又はフォークリフトF1側へ落下することを防止する機構である。
マストF14は、フォークF101、F102を上下させるためのレールである。フォークレールF11、F12が、マストF14に沿って上下させられることで、フォークF101、F102が上下させられる。
なお、作業管理装置1がフォークレールF11、フォークレールF12、バックレストF13に固定されている場合、空間認識装置が照射するレーザ光を遮られることなく、コンテナ20に照射できる。この場合、フォークレールF11、フォークレールF12、バックレストF13は、フォークF101、F102やコンテナ20と一緒に上下するので、これらと作業管理装置1との相対的な位置関係を固定できる。
以下、作業管理装置1(空間認識センサ)によるセンシングについて説明する。
なお、本実施形態では、レーザ光の照射方式について、作業管理装置1がラスタースキャンを行う場合について説明するが、本発明はこれに限らず、他の照射方式(例えば、リサージュスキャン)であっても良い。
この図は、順次、照射されたレーザ光を、フォークリフトF1の上面側から見た場合の図である。なお、図3において、レーザ光の投射方向について、XY平面に投影した場合の角度(極座標の偏角)をθとする。Y軸に平行な軸であって、作業管理装置1(照射口)を通る軸(後述する初期光軸)を、θ=0とする。
より具体的には、作業管理装置1は、偏角θの正方向に向かって、順次(例えば、等角度Δθ毎に)、レーザ光を照射する。作業管理装置1は、水平方向において特定範囲(XY平面に射影した偏角が-θmax≦θ≦θmaxの範囲)にレーザ光を照射(「水平走査」とも称する)した後、鉛直方向にレーザ光の照射方向をずらし、偏角θの負方向に向かって、レーザ光を照射する。
この偏角θの負方向の水平走査が完了した場合、作業管理装置1は、鉛直方向にレーザ光の照射方向を、さらにずらし、再度、X軸の正方向に水平走査を行う。
この図は、レーザ光の照射を、フォークリフトF1の側面側から見た場合の図である。なお、図3における水平走査は、図4の矢印の1本に相当する。
図4において、レーザ光の投射方向について、YZ平面に投影した場合の角度(極座標の偏角)をφとする。Y軸に平行な軸であって、作業管理装置1(照射口)を通る軸(初期光軸)を、φ=0とする。
作業管理装置1は、この動作を繰り返し、偏角φの正方向において、特定範囲(-φmax(例えば、φmax=90°)≦φ≦0の範囲)を照射する。なお、作業管理装置1は、特定範囲だけ照射をずらした後(φ=0)、偏角φの負方向に逆転させても良い。
なお、作業管理装置1は、別の順序や別の座標系で、レーザ光を照射しても良い。
図5は、図3、図4のセンシングの一例について、センシング結果を示すセンシング情報を表す。センシング情報は、例えば空間座標である。作業管理装置1は、この空間座標を、レーザ光の照射方向(偏角θ及び偏角φ)と反射元(物体)の距離Rに基づいて計算する。この空間座標は、センシング範囲において、反射元の位置を表す座標である。図5は、この空間座標を模式的に表す図である。
作業管理装置1は、第1検出処理によって、コンテナ20(少なくとも差込面211の一部)と、そのフォークポケット201、202を検出する。第1検出処理の一例では、例えば、作業管理装置1は、平ら又は略平らな面(凹凸を有する面も含む)を平面とし、地面又は床面に対して垂直(鉛直方向)又は略垂直に立っている平面を検出する。作業管理装置1は、この平面において、フォークポケット201、202を検出した場合、この平面をコンテナ20の差込面211であると判定する。
ここで、作業管理装置1は、例えば、検出した平面又は平面の下部において、レーザ光の反射光を検出しない部分、レーザ光の反射光の受信レベルが低い部分を、フォークポケット201、202として検出する。
また、作業管理装置1は、センシング情報とポケット位置情報を用いて、検出した平面から、フォークポケット201、202を検出しても良い。ここで、ポケット位置情報とは、コンテナ20の寸法と、コンテナ20におけるフォークポケット201、202の位置又は寸法(形状)との組合せを示す情報、又は、この組合せのパターンを示す情報である。つまり、作業管理装置1は、ポケット位置情報に基づいてフォークポケット201、202が存在する位置に、例えば、レーザ光の反射光の受信レベルが低い部分が所定の割合以上存在する場合は、ポケット位置情報に基づくフォークポケット201、202が存在すると判定しても良い。
図6は、本実施形態に係るずれ判定の一例を示す概略図である。
図6は、ずれ判定において、フォークがずれていないと判定される場合の図である。図6は、図5のセンシング情報を、XZ平面へ射影した図である。図6では、作業管理装置1が検出した物体(反射元)を実線で表す。
具体的には、作業管理装置1は、フォークF101、F102について、図6の破線で示す形状を推定する。ただし、本発明はこれに限らず、作業管理装置1は、別の空間認識装置により、フォークF101、F102の下面や側面を検出させても良い。
作業管理装置1は、図6のように、XZ平面の射影において、フォークF101、F102が、それぞれ、フォークポケット201、202の範囲内に位置する場合、フォークポケット201、202とフォークF101、F102がずれていない(フォークがずれていない)と判定する。
また、作業管理装置1は、XZ平面の射影において、フォークF101、F102の中心(対角線の交点)が、それぞれ、フォークポケット201、202の中心(対角線の交点)と予め定めた範囲内にある場合、フォークがずれていないと判定し、予め定めた範囲内にない場合、フォークがずれていると判定しても良い。予め定めた範囲とは、2点間の距離であっても良いし、X成分又はZ成分の距離であっても良い。
図7は、ずれ判定において、フォークがずれていると判定される場合の図である。図7は、センシング情報を、XZ平面へ射影した図である。図7では、作業管理装置1が検出した物体(反射元)を実線で表す。
ここで、作業管理装置1は、フォークF101又はF102が、それぞれ、フォークポケット201又は202の上下方向(Z軸方向)にずれている場合、ずれの種別として、フォークが「高さ方向」にずれていると判定しても良い。また、作業管理装置1は、ずれ量として、高さ方向に「d1」だけ、ずれていると判定しても良い。また、作業管理装置1は、ずれの種別又はずれ量に基づく情報を出力させても良い。
図8は、ずれ判定において、フォークがずれていると判定される場合の図である。図8は、センシング情報を、XZ平面へ射影した図である。図8では、作業管理装置1が検出した物体(反射元)を実線で表す。
ここで、作業管理装置1は、フォークF101又はF102が、それぞれ、フォークポケット201又は202の左右方向(X軸方向)にずれている場合、ずれの種別として、フォークが「横方向」にずれていると判定しても良い。また、作業管理装置1は、ずれ量として、横方向に「d2」だけ、ずれていると判定しても良い。また、作業管理装置1は、ずれの種別又はずれ量に基づく情報を出力させても良い。
図9は、ずれ判定において、フォークがずれていると判定される場合の図である。図9は、センシング情報を、XZ平面へ射影した図である。図9では、作業管理装置1が検出した物体(反射元)を実線で表す。
図9は、フォークF101とF102の間隔が、フォークポケット201、202の間隔に適合していないことを示し、図9の例の場合、フォークF101とF102の間隔を広げる必要がある。
この場合、作業管理装置1は、ずれの種別として、フォークの「幅」がずれていると判定しても良い。また、作業管理装置1は、ずれ量として、横方向に「d3」だけ、ずれていると判定しても良い。また、作業管理装置1は、ずれの種別又はずれ量に基づく情報を出力させても良い。
図10は、ずれ判定において、フォークがずれていると判定される場合の図である。図10は、センシング情報を、XZ平面へ射影した図である。図10では、作業管理装置1が検出した物体(反射元)を実線で表す。
図10は、コンテナ20には、4個のフォークポケット201、202、203、204が設けられている。この場合、フォークリフトF1は、左右方向(X軸方向;コンテナ20の幅方向)において、コンテナ20の中心線(対称軸Lc)に線対称なフォークポケット201と202の組合せ、又は、フォークポケット203と204の組合せのいずれか一方に、フォークF101とF102を差し込んで把持する必要がある。
この場合、作業管理装置1は、ずれの種別として、フォークが「適切なポケットの組合せ」からずれている、又は、「不適切なポケットの組合せ」であると判定しても良い。
なお、作業管理装置1は、検出したフォークポケットの数と並び順に基づいて、適切なポケットの組合せを選択しても良い。一例として、作業管理装置1は、フォークリフトが2爪フォークのときにフォークポケットを4個検出した場合、X軸方向に、2番目と3番目のフォークポケットの組合せ、又は、1番目と4番目のフォークポケットの組合せを、適切なポケットの組合せとして選択する。
図11は、本実施形態に係るフォークリフトF1の動作の一例を示すフロー図である。
(ステップS102)作業管理装置1等の車載機は、電力が供給される、又は、エンジンが始動されたことを示す情報を取得することで、起動する。その後、ステップS103、S104、S05へ進む。
(ステップS104)作業管理装置1は、フォークリフトF1(作業管理装置1)の位置を示す位置情報を取得する。位置情報は、例えば、GNSS(全球測位衛星システム)の測位結果である。ただし、位置情報は、他の無線通信(例えば、無線LANやRFIDタグ)を用いた測位結果であっても良い。その後、ステップS106へ進む。
ここで、車両情報は、例えば、フォークリフトF1の速度、ステアリング角、アクセル操作、ブレーキ操作、ギヤ(前進、後進、高速、低速等)、メーカー、車種、車両識別情報等、フォークリフトF1が出力可能なデータである。また、車両情報には、フォークF101、F102の位置(高さ)、把持している運搬対象の有無、やその重量、或いはリフトチェーンの負荷状況、フォークF101、F102の種類等を示すフォーク情報、又は、作業員(運転手)の識別情報、作業場(倉庫や工場)や企業の識別情報、把持した(運搬した)運搬対象の識別情報(例えば、運搬対象に貼付されたRFID等で取得)等を示す作業情報等が含まれても良い。
(ステップS107)作業管理装置1は、ステップS106で関連付けた関連付けデータに基づいて、危険やイベントの有無を判定する。例えば、作業管理装置1は、関連付けデータに基づいて、上記のずれ判定を行う。危険やイベントがあると判定された場合(yes)、ステップS108へ進む。一方、危険やイベントがないと判定された場合(no)、ステップS109へ進む。
(ステップS109)作業管理装置1は、関連付けデータ、ステップS107の判定結果を示す判定情報、又は、ステップS108の警告の出力結果を示す出力情報を、関連付け、関連付けたデータを記録装置等に記録する。その後、ステップS110へ進む。
(ステップS110)作業管理装置1は、ステップS109で関連付けたデータを、サーバ等へ送信する。その後、ステップS111へ進む。
なお、このサーバは、例えば、作業場や企業において、複数のフォークリフトF1からのデータを、総合的に収集して管理する情報処理装置である。サーバに送信されたデータは、統計処理機能や機械学習機能により、分析される。サーバに送信されたデータ、又は、分析結果のデータは、運転の教育等に用いられる。例えば、運搬対象の積載が上手い、又は効率的な作業員の運転データは、お手本として用いられる。一方、運搬対象の破損や落下等があった場合には、そのときのデータは、原因究明や改善に用いられる。
(ステップS112)作業管理装置1等の車載機は、電力の供給が停止する、又は、エンジンが停止されたことを示す情報を取得することで、停止する又はスリープ状態となる。その後、本動作は終了する。
図12は、本実施形態に係る作業管理装置1のハードウェア構成を示す概略構成図である。この図において、作業管理装置1は、CPU(Central Processing Unit)111、IF(Interface)112、通信モジュール113、センサ114(例えば、空間認識センサ)、ROM(Read Only Memory)121、RAM(Random Access Memory)122、及び、HDD(Hard Disk Drive)123を含んで構成される。
IF112は、例えば、フォークリフトF1の一部(運転席、車体、マストF14等)や作業管理装置1に設けられた出力装置(ランプやスピーカ、タッチパネルディスプレイ等)である。通信モジュール113は、通信アンテナを介して信号の送受信を行う。通信モジュール113は、例えば、GNSS受信機や無線LAN等の通信チップである。センサ114は、例えば、レーザ光を照射し、受信した反射光に基づくセンシングを行う。
GNSS受信部103は、位置情報を取得し、取得した位置情報を制御部105へ出力する。
例えば、解析部104は、センシング情報に基づく第1検出処理によって、平面とフォークポケット201、202を検出することで、差込面211(コンテナ20)を検出する。また、解析部104は、センシング情報に基づく第2検出処理によって、フォークF101、F102を検出する。
例えば、制御部105は、危険やイベントの有無の判定を行う。制御部105は、この判定の1つとして、上述のずれ判定を行う。
具体的には、制御部105は、センシング情報における位置関係であって、フォークF101、F102とフォークポケット201、202の位置関係に基づいて、フォークがずれているか否かを判定する。例えば、制御部105は、XZ平面へ射影した場合に、フォークF101、F102は、それぞれ、フォークポケット201、202の範囲内に位置するか否かを判定することで、フォークがずれているか否かを判定する。
制御部105は、判定結果を示す判定情報、及び関連付けデータを記録部107に記録するとともに、通信部108を介してサーバ等へ送信する。
以上のように、本実施形態では、作業管理装置1は、フォークリフトF1(荷役機)に搭載される車載装置である。作業管理装置1(フォークリフトF1)では、図14に示すように、解析部104が空間認識センサ(空間認識装置)から取得したセンシング情報に基づいて、フォークF101、F102(差込爪)を差し込むコンテナ20(差込対象)を検出する。制御部105は、センシング情報に基づいて、フォークポケット201、202の開口部(差込部)とフォークF101、F102の位置関係がずれていないか否かを判定する、ずれ判定を行う。
これにより、作業管理装置1は、フォークF101、F102をフォークポケット201、202に、確実に差し込むことができ、運搬対象を適切に運搬できる。例えば、フォークリフトF1は、フォークポケット201、202が損傷又は破壊されてしまうことを防止できる。また、フォークリフトF1は、コンテナ20を適切に(バランス良く、安定させて)把持して運搬することができ、コンテナ20を落下させることを防止できる。
また例えば、作業管理装置1は、マークが付されていないコンテナ20であっても、フォークF101、F102をフォークポケット201、202に、確実に差し込むことができ、運搬対象を適切に運搬できる。ただし、作業管理装置1は、マークと併用しても良いし、マークが付されているコンテナ20を把持しても良い。
上記実施形態において、制御部105(フォークリフトF1又は作業管理装置1)は、センシング情報に基づいてフォークポケット201、202の開口部を有する差込面211に正対していると判定(「正対判定」とも称する)した後に、ずれ判定、又はずれ判定に基づく警告(「ずれ判定等」とも称する)を行っても良い。例えば、制御部105は、少なくとも1回の正対判定の後にずれ判定等を行い、少なくとも1回の正対判定の前には、ずれ判定等を行わなくてもよい。
これにより、作業管理装置1は、フォークリフトF1とコンテナ20(差込面211)を正対させ、正しい向きで対向させた上で、フォークがずれているか否かを判定できる。つまり、フォークリフトF1は、ずれなく、真っ直ぐに、フォークポケット201、202にフォークF101、F102を差し込むことができる。
図15は、本実施形態に係る正対判定の一例を示す概略図である。
図15(a)は、フォークリフトF1がコンテナ20に正対している場合の図である。図15(a)は、図5のセンシング情報を、XY平面へ射影した図である。
図15(b)は、フォークリフトF1がコンテナ20に正対していない場合の図である。図15(b)は、図6のセンシング情報を、XY平面へ射影した図である。
図15(a)、(b)において、実線はレーザ光を表す。また、図15(a)、(b)において、便宜上、コンテナ20、フォークF101、F102、及び作業管理装置1の射影を破線で記載している。
作業管理装置1は、フォークリフトF1が差込面211(コンテナ20)に正対しているか否かを判定する正対判定を、センシング情報に基づいて行う。例えば、作業管理装置1は、差込面211が基準面B1に平行か否か(傾いていないか否か)を判定することで、正対判定を行う。ここで、基準面B1とは、XZ平面に平行な平面であり、フォークリフトF1が真っ直ぐに進む場合に、その進行方向に垂直な面である。例えば、基準面B1は、このような面のうち、作業管理装置1(投射口)を含む平面である。
例えば、作業管理装置1は、照射方向がθi、φの場合、物体までの距離Riを検出した場合、基準距離Li=Ricos|φ|×cos|θi|として算出する。ここで、φは、上記のi番目の照射を行ったときの偏角φを表す。
この場合、作業管理装置1は、差込面211において、差ΔLi+1,iの全てが閾値T1以内である場合、フォークリフトF1が差込面211(コンテナ20)に正対していると判定する。
一方、作業管理装置1は、差込面211において、差ΔLi+1,iの少なくとも1つが閾値T1より大きい値である場合、フォークリフトF1が差込面211(コンテナ20)に正対していないと判定する。
上記実施形態において、制御部105(フォークリフトF1又は作業管理装置1)は、フォークF101、F102がフォークポケット201、202の開口部又はその近傍に位置するタイミングt(「挿入タイミングt」とも称する)に基づいて、ずれ判定等を行っても良い。例えば、制御部105は、挿入タイミングtよりも所定の時間t1だけ前に、ずれ判定等を行う。
これにより、作業管理装置1は、警告の必要性が低い場合にまで、警告を出力することを防止できる。なお、挿入タイミングtは、コンテナ20にフォークF101、F102が挿入され始めるタイミングでもある。また、挿入タイミングtは、算出時点から、フォークF101、F102がフォークポケット201、202の開口部に位置するまでの時間を表す。
図16(a)、(b)は、センシング情報を、XY平面へ射影した図である。図16(a)、(b)において、距離dC1、dC2は距離dcであり、長さf1はフォークF101、F102の長さ(Y軸方向の長さ)である。
図16(b)は、図16(a)の場合より、フォークリフトF1がコンテナ20に近づいた場合の図である。車両速度が同じときには、図16(b)の場合は、図16(a)の場合よりも、挿入タイミングt(挿入開始までに要する時間)が短い。
制御部105は、算出した距離dcを車両速度で除算することで、挿入タイミングtを算出する。制御部105は、算出した挿入タイミングtが、予め記憶する時間t1以内である場合にはずれ判定等を行い、時間t1より大きい場合にはずれ判定等を行わない。
上記実施形態において、制御部105(フォークリフトF1又は作業管理装置1)は、フォークF101、F102とフォークポケット201、202の開口部の相対的な位置関係に基づいて、ずれ判定等を行っても良い。
これにより、作業管理装置1は、警告の必要性が低い場合にまで、警告を出力することを防止できる。
上記実施形態において、制御部105(フォークリフトF1又は作業管理装置1)は、挿入タイミングtに基づいて、ずれ判定に基づく警告を変化させても良い。
例えば、制御部105は、フォークがずれていると判定したとき、挿入タイミングtがt2より大きい場合には、挿入タイミングtがt2以下である場合と比較して、より目立たない警告(小さな出力、例えば、小さい音や暗い光、時間や回数が少ない音や光の点滅、間隔の広い音や光の点滅等)で警告を行う。一方、制御部105は、フォークがずれていると判定したとき、挿入タイミングtがt2以下である場合には、挿入タイミングtがt2より大きい場合と比較して、より目立つ警告(大きな出力、例えば、大きい音や明るい光、時間や回数が多い音や光の点滅、間隔の狭い音や光の点滅等)で警告を行う。
上記実施形態において、制御部105(フォークリフトF1又は作業管理装置1)は、フォークF101、F102とフォークポケット201、202の開口部の相対的な位置関係に基づいて、ずれ判定に基づく警告を変化させても良い。
例えば、制御部105は、フォークがずれていると判定したとき、距離dcが所定の距離d12より大きい(遠い)場合には、距離dcが距離d12より小さい(近い)場合と比較して、より目立たない警告(小さな出力、例えば、小さい音や暗い光、時間や回数が少ない音や光の点滅、間隔の広い音や光の点滅等)で警告を行う。
一方、制御部105は、フォークがずれていると判定したとき、距離dcが所定の距離d12以下である(近い)場合には、距離dcが所定の距離d12より大きい(遠い)場合と比較して、より目立つ警告(大きな出力、例えば、大きい音や明るい光、時間や回数が多い音や光の点滅、間隔の狭い音や光の点滅等)で警告を行う。
上記実施形態において、制御部105(フォークリフトF1又は作業管理装置1)は、ずれ判定を行う又は行わない条件を設定されても良い。
制御部105は、下記の第1条件が満たされた場合に、ずれ判定に基づく警告を行い、第1条件を満たさない場合には、ずれ判定に基づく警告を行わなくても良い。また、制御部105は、第1条件が満たされた場合に、ずれ判定又はセンシングを行い、第1条件が満たされない場合には、ずれ判定又はセンシングを行わなくても良い。
また、制御部105は、第1条件に基づいて、ずれ判定に基づく警告や、ずれ判定又はセンシング(以下、警告等と称する)の間隔を変更しても良い。
第1条件は、例えば、位置情報や車両情報に基づく条件であっても良い。例えば、制御部105は、倉庫等において、予め定めた位置(範囲)にフォークリフトF1が入った場合に、警告等を行い、それ以外の位置では警告等を行わなくても良い。
例えば、制御部105は、ギヤが前進の場合に警告等を行い、それ以外は警告等を行わなくても良い。
例えば、制御部105は、ステアリング角が閾値より小さい場合に警告等を行い、それ以外は警告等を行わなくても良い。
例えば、制御部105は、把持している運搬対象が無い場合、警告等を行い、把持している運搬対象が有る場合、警告等を行わなくても良い。制御部105は、フォークF101、F102の位置(高さ)が閾値より低い場合、警告等を行い、フォークF101、F102の位置(高さ)が閾値より高い場合、警告等を行わなくても良い。
例えば、制御部105は、特定の作業員が運転する場合、警告等を行い、それ以外の場合、警告等を行わなくても良い。
例えば、制御部105は、フォークF101、F102が差し込まれる場合、警告等を行い、フォークF101、F102が抜き出される場合、警告等を行わなくても良い。また、制御部105は、ギヤが前進の場合に警告等を行い、ギヤが後進の場合に警告等を行わなくても良い。
また、作業管理装置1がフォークレールF11やバックレストF13に固定されている場合、作業管理装置1は、フォークレールF12に固定された場合と比較して、よりフォークF101、F102を認識し易くなる。つまり、作業管理装置1とフォークF101、F102が高さ方向(X軸方向)に離れるので、作業管理装置1は、フォークF101、F102の長さ方向(Y軸方向)の形状を、より多く認識できる(図3、図5参照)。
また、作業管理装置1がフォークレールF11やF12に固定されている場合、作業管理装置1は、バックレストF13に固定された場合と比較して、よりフォークポケット201、202を認識し易くなる。つまり、作業管理装置1とフォークポケット201、202が高さ方向に近づくので、作業管理装置1は、フォークポケット201、202へのレーザ光等の照射角度(高さ方向の角度)を、より水平(差込面に対して垂直)に近くできる。
また、空間認識センサは、レーザ光以外を用いて空間認識を行っても良い。例えば、作業管理装置1は、レーザ光以外の電波を用いて空間認識を行っても良いし、例えば、撮像画像を用いて空間認識を行っても良い。例えば、空間認識センサは、単眼カメラ、ステレオカメラ、赤外線カメラ、ミリ波レーダ、光学レーザ、LiDAR(Light Detection And Ranging、Laser Imaging Detection And Ranging)、(超)音波センサ等であっても良い。
また、作業管理装置1は、フォークポケット201、202同士が水平方向に位置していない場合、つまり、鉛直方向にずれている場合には、警告等を出力しても良い。
また、作業管理装置1は、路面Gや壁、所定距離より遠い位置にある物体を、検出対象(センシング情報)から除いても良い。作業管理装置1は、各面への射影する場合に、これらを射影対象から除く。
具体的なエッジ検出として、作業管理装置1は、検出された物体について、各座標軸での偏微分が閾値以上になる部分をエッジとしても良い。また例えば、作業管理装置1は、検出した平面同士の交じわる部分や、逆方向に隣接又は近接する点同士の距離Rの差が閾値以上になる部分、レーザ光の反射光を検出しない部分と隣接する部分、レーザ光の反射光の受信レベルが低い部分と隣接する部分を、エッジとしても良い。作業管理装置1は、その他の方式でエッジ検出を行っても良い。
(1)物体までの距離をセンシングする空間認識装置から取得したセンシング情報に基づいて、差込爪の空間座標と、差込爪を差し込む差込部の空間座標とを検出する解析部と、検出された前記差込爪の位置及び形状と、検出された前記差込部の位置及び形状とに基づいて、前記差込部と前記差込爪の位置関係がずれていないか否かを判定するずれ判定を行う制御部と、を備える車載装置。
(2)前記解析部は、前記センシング情報に基づいて差込部を有する差込面の空間座標を検出し、前記制御部は、検出された前記差込面に正しい向きで対向していると判定した後に、前記ずれ判定、又は前記ずれ判定に基づく警告を行う(1)に記載の車載装置。
(3)前記制御部は、前記差込爪が前記差込部に挿入されるタイミングに基づいて、前記ずれ判定、又は前記ずれ判定に基づく警告を行う(1)又は(2)に記載の車載装置。
(4)前記制御部は、前記差込爪と前記差込部の位置関係に基づいて、前記ずれ判定、又は前記ずれ判定に基づく警告を行う(1)から(3)のいずれかに記載の車載装置。
(5)前記制御部は、前記差込爪が前記差込部に挿入されるタイミングに基づいて、前記ずれ判定に基づく警告を変化させる(1)から(4)のいずれかに記載の車載装置。
(6)前記制御部は、前記差込爪と前記差込部の位置関係に基づいて、前記ずれ判定に基づく警告を変化させる(1)から(5)のいずれかに記載の車載装置。
(7)(1)から(6)のいずれかに記載の車載装置を備える荷役機。
(8)物体までの距離をセンシングする空間認識装置から取得したセンシング情報に基づいて検出された差込爪の空間座標と差込爪を差し込む差込部の空間座標とに基づいて、前記差込部と前記差込爪の位置関係がずれていないか否かを判定する制御回路。
(9)解析部が、物体までの距離をセンシングする空間認識装置から取得したセンシング情報に基づいて、差込爪の空間座標と、差込爪を差し込む差込部の空間座標とを検出する解析過程と、制御部が、検出された前記差込爪の位置及び形状と、検出された前記差込部の位置及び形状とに基づいて、前記差込部と前記差込爪の位置関係がずれていないか否かを判定するずれ判定を行う制御過程と、を有する制御方法。
(10)コンピュータに、物体までの距離をセンシングする空間認識装置から取得したセンシング情報に基づいて、差込爪の空間座標と、差込爪を差し込む差込部の空間座標とを検出する解析手段、検出された前記差込爪の位置及び形状と、検出された前記差込部の位置及び形状とに基づいて、前記差込部と前記差込爪の位置関係がずれていないか否かを判定するずれ判定を行う制御手段、を実行させるためのプログラム。
Claims (9)
- 運搬対象を把持するための差込爪と、電磁波の水平走査により物体までの距離をセンシングする空間認識装置と、を備える荷役機であって、
前記空間認識装置は、前記荷役機において前記差込爪の動作と連動しない位置に取り付けられ、前記差込爪の動作とは独立して前記物体における前記水平走査の高さを上下させる機構を備え、
前記荷役機は、
前記空間認識装置に対して、前記物体における前記水平走査の高さを上下させる第1の動作を行わせる手段と、
前記空間認識装置の前記第1の動作により取得した物体との距離に基づいて、前記差込爪を差し込む前記運搬対象の差込部の位置及び形状を表す空間座標を検出する手段と、
検出した前記差込部の空間座標に基づいて前記差込爪の高さを上下させる第2の動作を行う手段と、
を備え、
前記第2の動作により高さを上下させた前記差込爪を前記運搬対象の差込部に差し込むことで、前記運搬対象を把持する、
荷役機。 - 検出された前記差込部が横方向にずれていると判定した場合に、機体の位置を移動させる、
請求項1に記載の荷役機。 - 検出された前記差込部が高さ方向にずれていると判定した場合に、前記差込爪の高さを上下させる、
請求項2に記載の荷役機。 - 検出された2以上の前記差込部の間の距離と、2以上の前記差込爪の間の距離とが整合するか否かを判定する、
請求項2乃至3のいずれか1項に記載の荷役機。 - 検出された前記差込部に前記差込爪を差し込んだ場合に前記運搬対象をバランスよく把持できるか否かを判定する、
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の荷役機。 - 検出された3以上の前記差込部に2以上の前記差込爪を差し込む組合せの中から、前記運搬対象をバランスよく把持できる組合せを選択する、
請求項5に記載の荷役機。 - 運搬対象を把持するための差込爪と、電磁波の水平走査により物体までの距離をセンシングする空間認識装置と、を備える荷役機に搭載される車載装置であって、
前記空間認識装置は、前記荷役機において前記差込爪の動作と連動しない位置に取り付けられ、前記差込爪の動作とは独立して前記物体における前記水平走査の高さを上下させる機構を備え、
前記車載装置は、
前記空間認識装置に対して、前記物体における前記水平走査の高さを上下させる第1の動作を行わせる手段と、
前記空間認識装置の前記第1の動作により取得した物体との距離に基づいて、前記差込爪を差し込む前記運搬対象の差込部の位置及び形状を表す空間座標を検出する手段と、
検出した前記差込部の空間座標に基づいて前記差込爪の高さを上下させる第2の動作を行う手段と、
を備え、
前記第2の動作により高さを上下させた前記差込爪を前記運搬対象の差込部に差し込むことで、前記運搬対象を把持する、
車載装置。 - 運搬対象を把持するための差込爪と、電磁波の水平走査により物体までの距離をセンシングする空間認識装置と、を備え、を備える荷役機において使用される方法であって、
前記空間認識装置は、前記荷役機において前記差込爪の動作と連動しない位置に取り付けられ、前記差込爪の動作とは独立して前記物体における前記水平走査の高さを上下させる機構を備え、
前記方法は、
前記空間認識装置に対して、前記物体における前記水平走査の高さを上下させる第1の動作を行わせ、
前記空間認識装置の前記第1の動作により取得した物体との距離に基づいて、前記差込爪を差し込む前記運搬対象の差込部の位置及び形状を表す空間座標を検出し、
検出した前記差込部の空間座標に基づいて前記差込爪の高さを上下させる第2の動作を行い、
前記第2の動作により高さを上下させた前記差込爪を前記運搬対象の差込部に差し込むことで、前記運搬対象を把持することを含む方法。 - 運搬対象を把持するための差込爪と、電磁波の水平走査により物体までの距離をセンシングする空間認識装置と、を備える荷役機を制御するコンピュータに、
前記空間認識装置は、前記荷役機において前記差込爪の動作と連動しない位置に取り付けられ、前記差込爪の動作とは独立して前記物体における前記水平走査の高さを上下させる機構を備え、
前記コンピュータは、
前記空間認識装置に対して、前記物体における前記水平走査の高さを上下させる第1の動作を行わせる処理と、
前記空間認識装置の前記第1の動作により取得した物体との距離に基づいて、前記差込爪を差し込む前記運搬対象の差込部の位置及び形状を表す空間座標を検出する処理と、
検出した前記差込部の空間座標に基づいて前記差込爪の高さを上下させる第2の動作を行う手段と、
を実行させ、
前記第2の動作により高さを上下させた前記差込爪を前記運搬対象の差込部に差し込むことで、前記運搬対象を把持するプログラム。
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