JP7366661B2 - 積層体の処理方法及び回収方法、並びに回収組成物及び成形体 - Google Patents

積層体の処理方法及び回収方法、並びに回収組成物及び成形体 Download PDF

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本発明は、金属蒸着層を有する積層体から、金属色のない積層体を得る処理方法及び、該処理後の積層体を溶融成形する回収方法、並びに該回収方法で得られる回収組成物及び成形体に関する。
食品を長期保存するための包装材料には、酸素バリア性をはじめとするガスバリア性が要求されることが多い。ガスバリア性が高い包装材料を用いることで、酸素による食品の酸化や微生物の繁殖を抑制できる。また、ガスバリア性に加え、水蒸気バリア性や光線バリア性を付与することで、食品の可食期間をさらに延長できる場合がある。このようなバリア性を付与するバリア層として、アルミニウムを主成分とする金属蒸着層が乾燥食品向けを中心に広く使用されている。(特許文献1)
また、近年では、環境問題や廃棄物問題が契機となり、市場で消費された包装材料を回収して再資源化する、いわゆるポストコンシューマーリサイクル(以下、単にリサイクルと略称することがある)の要求が世界的に高まっている。リサイクルにおいては、回収された包装材料を裁断し、必要に応じて分別・洗浄した後に、押出機を用いて溶融成形し、回収組成物として再ペレット化する工程が一般に採用される。こうして得られたペレットを用いて、様々な成形体が製造される。
特開2001-334621号公報
しかしながら、金属蒸着層を含む包装材料は金属色、すなわち金属性反射を呈し、可視光に対して半透明ないし不透明な外観を有し、該包装材料をリサイクルする場合には、金属蒸着層に由来する着色(主として灰色)が回収組成物に残るため、リサイクル用途が限定されるという問題があった。
このような状況に鑑み、本発明の目的は、金属蒸着層を有する積層体から、金属色が低減もしくは解消された積層体を得る処理方法を提供することである。また、該処理後の積層体を溶融成形する回収方法、並びに該回収方法から得られる回収組成物及び成形体を提供することである。
本発明者らは、金属蒸着層に由来する回収組成物の着色低減を検討する過程で、金属蒸着層が積層体の表層に位置する場合には、熱水処理により短時間で金属蒸着層を透明化できることを見出した。さらに、特定の積層体構成及び処理条件を採用することで、金属蒸着層が積層体の内部に位置する場合にも、比較的短時間で金属蒸着層を透明化できることを見出した。また、これらの処理後の積層体を溶融成形することで、金属蒸着層に由来する着色のない回収組成物が得られることを見出し、発明を完成させた。すなわち、上記課題は、
[1]基材層(X)と、基材層(X)に積層された金属蒸着層(Y)とを少なくとも有する2層以上の積層体(Z)を50℃以上の処理水(W)に暴露させ、積層体(Z’)を得る処理方法であって、積層体(Z)の波長600nmにおける光線透過率が10%以下であり、積層体(Z’)の波長600nmにおける光線透過率が60%以上である処理方法;
[2]積層体(Z)が、金属蒸着層(Y)の基材層(X)とは反対側にさらに少なくとも1層以上の他の層を有する、[1]の処理方法;
[3]積層体(Z)が任意の4cm四方の範囲において、少なくとも1つ以上の切り込み部を有する、[1]又は[2]の処理方法;
[4]積層体(Z)が4cm四方以下の大きさである、[1]~[3]のいずれかの処理方法;
[5]処理水(W)のpHが4以下、又は10以上である、[1]~[4]のいずれかの処理方法;
[6]基材層(X)が、SP値10以上の熱可塑性樹脂を主成分として有する、[1]~[5]のいずれかの処理方法;
[7]SP値10以上の熱可塑性樹脂がエチレン-ビニルアルコール共重合体(A)である、[6]の処理方法;
[8]エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)が、マグネシウムイオン、カルシウムイオン及び亜鉛イオンからなる群から選択される少なくとも1種の多価金属イオン(B)を20~200ppm含有する、[7]の処理方法;
[9]エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)が、少なくとも1つのpKaが3.5~5.5である多価カルボン酸(C)を40~400ppm含有する、[7]又は[8]処理方法;
[10]エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)が、エステル結合又はアミド結合を有するヒンダードフェノール系化合物(D)を1000~10000ppm含有する、[7]~[9]のいずれかの処理方法;
[11]基材層(X)が、基材層(X)を含む2層以上の層からなる共押出フィルムの一層である、[1]~[10]のいずれかの処理方法;
[12]積層体(Z)の酸素透過度(20℃、65%RH条件下)が2cc/(m・day・atm)以下である、[1]~[11]のいずれかの処理方法;
[13][1]~[12]のいずれかの処理方法で得られた積層体(Z’)を溶融成形する、積層体の回収方法;
[14][13]の回収方法で得られた回収組成物;
[15][14]の回収組成物を含む成形体;
[16]基材層(X)と、基材層(X)に積層された金属蒸着層(Y)とを少なくとも有する2層以上の積層体(Z)であって、積層体(Z)を50℃以上の処理水(W)に暴露させ、積層体(Z’)を得る処理を行った場合に、積層体(Z)の波長600nmにおける光線透過率が10%以下であり、積層体(Z’)の波長600nmにおける光線透過率が60%以上である、積層体(Z);
を提供することで解決される。
本発明により、金属蒸着層を有する積層体から、金属色が低減もしくは解消された積層体を得る処理方法を提供できる。また、該処理後の積層体を溶融成形する回収方法、並びに該回収方法から得られる回収組成物及び成形体を提供できる。これにより、金属蒸着層を有する積層体をより広範なリサイクル用途に供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明において特定の機能を発現するものとして具体的な材料(化合物等)を例示する場合があるが、本発明はこのような材料を使用した態様に限定されない。また、例示される材料は、特に記載がない限り、単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
<基材層(X)>
基材層(X)としては、特に制限はないが、加工性や包装材料としての機能性の観点から、熱可塑性樹脂からなる層が好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば各種ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレンと炭素数4以上のα-オレフィンとの共重合体、ポリオレフィンと無水マレイン酸との共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-ビニルエステル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール又はこれらを不飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフト変性した変性ポリオレフィン等)、各種ポリアミド(ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6/66共重合体、ナイロン11、ナイロン12、ポリメタキシリレンアジパミド等)、各種ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアクリレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂等が挙げられる。
基材層(X)の製膜方法は特に限定されないが、一般には押出機により溶融押出する溶融成形法で製膜される。基材層(X)は無延伸のものであってもよいし、一軸もしくは二軸に延伸又は圧延されたものであってもよい。延伸する方法は特に限定されず、同時延伸、逐次延伸のいずれも可能である。延伸倍率は、得られるフィルムの厚みの均一性及び機械的強度の観点から面積倍率を2~16倍とすることが好ましい。面積倍率が2倍未満であると、延伸斑が残る場合があり、また16倍を超えると、延伸時にフィルムの破断が生じやすくなる場合がある。また、基材層(X)の幅や長さにも特に制限はなく、適宜選択できる。
基材層(X)は、SP値10以上の熱可塑性樹脂を主成分として有することが好ましい。SP値は12以上がより好ましく、13以上がさらに好ましく、14以上が特に好ましい。基材層(X)のSP値が上記範囲であると、基材層(X)に積層された金属蒸着層(Y)の密着性が向上する。また、基材層(X)がガスバリア性樹脂からなる場合、得られる積層体(Z)のバリア性がさらに向上し、加えて、本発明の処理方法に要する時間を短くできる。
<エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)>
基材層(X)を構成するSP値10以上の熱可塑性樹脂は、エチレン-ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略称することがある)(A)であることが好ましい。基材層(X)におけるEVOH(A)の含有量は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましい。こうすることで、基材層(X)に積層された金属蒸着層(Y)の密着性及び得られる積層体(Z)のバリア性が飛躍的に向上し、さらに、本発明の処理方法に要する時間をさらに短くできる。また、EVOH(A)は各種ポリオレフィンと容易に溶融混合できるため、本発明の回収方法の生産性が向上し、得られる回収組成物及び成形体の物性を向上できる場合がある。
EVOH(A)は、通常、エチレンとビニルエステルとを重合して得られるエチレン-ビニルエステル共重合体をけん化することにより得られる。EVOH(A)のエチレン単位含有量は15~60モル%である。エチレン単位含有量が15モル%以上であると、EVOH(A)及び該EVOH(A)を含む回収組成物の溶融成形性が向上する。エチレン単位含有量は、20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。一方、エチレン単位含有量が60モル%以下であるとEVOH(A)を含む積層体のガスバリア性が向上する。エチレン単位含有量は、50モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましい。また、EVOH(A)のけん化度は85モル%以上である。けん化度とは、EVOH(A)中のビニルアルコール単位及びビニルエステル単位の総数に対するビニルアルコール単位の数の割合を意味する。けん化度が85モル%以上であると、EVOH(A)を含む積層体のガスバリア性が向上する。けん化度は95モル%以上が好ましく、99モル%以上がより好ましい。EVOH(A)のエチレン単位含有量及びけん化度は、H-NMR測定で求められる。
EVOH(A)は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、エチレン、ビニルエステル及びビニルアルコール以外の他の単量体単位を含有していてもよい。他の単量体単位の含有量は5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、実質的に含有されていないことが特に好ましい。他の単量体単位としては、例えばプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン等のα-オレフィン;(メタ)アクリル酸エステル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸;アルキルビニルエーテル;N-(2-ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド又はその4級化物、N-ビニルイミダゾール又はその4級化物、N-ビニルピロリドン、N,N-ブトキシメチルアクリルアミド、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン等が挙げられる。
EVOH(A)のMFR(210℃、2.16kg荷重下)は0.5~50g/10minが好ましい。EVOH(A)のMFRは1g/10min以上がより好ましく、2g/10min以上がさらに好ましい。一方、EVOH(A)のMFRは30g/10min以下がより好ましく、15g/10min以下がさらに好ましい。EVOH(A)のMFRが上記範囲であると、EVOH(A)及びEVOH(A)を含む回収組成物の溶融成形性が向上する。
EVOH(A)は、マグネシウムイオン、カルシウムイオン及び亜鉛イオンからなる群から選択される少なくとも1種の多価金属イオン(B)を20~200ppm含有することが好ましい。これにより、EVOH(A)及びEVOH(A)を含む回収組成物を溶融成形する際に樹脂のゲル化やスクリューへの樹脂の付着が抑制される。中でも、EVOH(A)は、マグネシウムイオン又はカルシウムイオンを含有することが好ましく、マグネシウムイオンを含有することがより好ましい。また、多価金属イオン(B)をカルボン酸塩として含有することが好ましい。このときのカルボン酸としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸のいずれであってもよいが、脂肪族カルボン酸が好ましい。脂肪族カルボン酸としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、モンタン酸等が挙げられ、酢酸が好ましい。また、多価金属イオン(B)は、後述する多価カルボン酸(C)の塩として含有することも好ましい。
EVOH(A)中の多価金属イオン(B)の含有量は20~200ppmが好ましい。当該含有量が20ppm以上であると、EVOH(A)及びEVOH(A)を含む回収組成物の粘度安定性が良好となり、溶融成形する際の樹脂のゲル化やスクリューへの樹脂の付着が抑制される。多価金属イオン(B)の含有量は40ppm以上がより好ましい。一方、多価金属イオン(B)の含有量が200ppm以下であると、該EVOH(A)を含む回収組成物の過剰な分解が抑制され、該回収物から得られる成形体の色相が良好となる。多価金属イオン(B)の含有量は160ppm以下がより好ましい。
EVOH(A)は、少なくとも1つのpKaが3.5~5.5である多価カルボン酸(C)を40~400ppm含有することが好ましい。該含有量が40ppm以上であると、EVOH(A)及びEVOH(A)を含む回収組成物を溶融成形する際に樹脂の分解や着色が抑制される。該含有量は60ppm以上がより好ましい。一方、該含有量が400ppm以下であると、EVOH(A)を含む回収組成物の過剰な架橋を抑制できる。多価カルボン酸(C)の含有量は300ppm以下がより好ましい。
多価カルボン酸(C)とは、分子内に2つ以上のカルボキシル基を有する化合物であり、少なくとも1つのカルボキシル基のpKaが3.5~5.5の範囲にあればよく、例えばシュウ酸(pKa2=4.27)、コハク酸(pKa1=4.20)、フマル酸(pKa2=4.44)、リンゴ酸(pKa2=5.13)、グルタル酸(pKa1=4.30、pKa2=5.40)、アジピン酸(pKa1=4.43、pKa2=5.41)、ピメリン酸(pKa1=4.71)、フタル酸(pKa2=5.41)、イソフタル酸(pKa2=4.46)、テレフタル酸(pKa1=3.51、pKa2=4.82)、クエン酸(pKa2=4.75)、酒石酸(pKa2=4.40)、グルタミン酸(pKa2=4.07)、アスパラギン酸(pKa=3.90)等が挙げられる。多価カルボン酸(C)は、ヒドロキシ基、アミノ基、ケトン基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基を有することも好ましい。これらの官能基を有する場合、多価金属イオン(B)に配位した状態の安定性が高まるため、EVOH(A)及びEVOH(A)を含む回収組成物の高温での溶融成形時における着色をより効果的に抑制できる。中でも、ヒドロキシ基を有することがより好ましい。さらに、多価カルボン酸(C)としては、3個以上のカルボキシル基を有することも好ましい。上記多価カルボン酸を用いることで、多価金属イオン(B)に対し電気的及び立体的に安定的かつ効率的に配位できるため、EVOH(A)及びEVOH(A)を含む回収組成物の高温での溶融成形時における着色をより効果的に抑制できる。
EVOH(A)は、エステル結合又はアミド結合を有するヒンダードフェノール系化合物(D)を1000~10000ppm含有することが好ましい。当該含有量が1000ppm以上であると、EVOH(A)及びEVOH(A)を含む回収組成物を溶融成形する際に樹脂の着色、増粘及びゲル化を抑制できる。ヒンダードフェノール系化合物(D)の含有量は2000ppm以上がより好ましい。一方、ヒンダードフェノール系化合物(D)の含有量が10000ppm以下であると、ヒンダードフェノール系化合物(D)に由来する着色やブリードアウトを抑制できる。ヒンダードフェノール系化合物(D)の含有量は8000ppm以下がより好ましい。
ヒンダードフェノール系化合物(D)は、少なくとも1つのヒンダードフェノール基を有する。ヒンダードフェノール基とは、フェノールのヒドロキシル基が結合した炭素に隣接する炭素の少なくとも1つに嵩高い置換基が結合したものをいう。嵩高い置換基としては、炭素原子1~10のアルキル基が好ましく、t-ブチル基がより好ましい。
ヒンダードフェノール系化合物(D)は室温付近において固体状態であることが好ましい。該化合物(D)のブリードアウトを抑制する観点から、ヒンダードフェノール系化合物(D)の融点又は軟化温度は50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、70℃以上がさらに好ましい。同様の観点から、ヒンダードフェノール系化合物(D)の分子量は200以上が好ましく、400以上がより好ましく、600以上がさらに好ましい。一方、該分子量は、通常、2000以下である。また、EVOH(A)との混合を容易にする観点から、ヒンダードフェノール系化合物(D)の融点又は軟化温度は200℃以下が好ましく、190℃以下がより好ましく、180℃以下がさらに好ましい。
ヒンダードフェノール系化合物(D)はエステル結合又はアミド結合を有する。ヒンダードフェノール系化合物(D)がエステル結合またはアミド結合を有することで、EVOH(A)を含む回収組成物の粘度を安定化させることができ、ゲルの発生を防止できる。この効果は、ヒンダードフェノール系化合物(D)がアミド結合を有する場合に特に顕著となる。エステル結合を有するヒンダードフェノール系化合物(D)としては、ヒンダードフェノール基を有する脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコールとのエステルが挙げられ、アミド結合を有するヒンダードフェノール系化合物(D)としては、ヒンダードフェノール基を有する脂肪族カルボン酸と脂肪族アミンとのアミドが挙げられる。
ヒンダードフェノール系化合物(D)の具体的な構造としては、BASF社からイルガノックス1010として市販されているペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、イルガノックス1076として市販されている3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、イルガノックス1035として市販されている2,2’-チオジエチルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、イルガノックス1135として市販されている3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸オクタデシル、イルガノックス245として市販されているビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼンプロパン酸)エチレンビス(オキシエチレン)、イルガノックス259として市販されている1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、イルガノックス1098として市販されているN,N’-ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]が挙げられる。中でも、イルガノックス1098として市販されているN,N’-ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]、及びイルガノックス1010として市販されているペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]が好ましく、前者がより好ましい。
EVOH(A)は、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、多価金属イオン(B)、多価カルボン酸(C)、ヒンダードフェノール系化合物(D)以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えばアルカリ金属イオン、多価金属イオン(B)以外のアルカリ土類金属イオン、多価カルボン酸(C)以外のカルボン酸(モノカルボン酸)、リン酸化合物、ホウ素化合物、酸化促進剤、ヒンダードフェノール系化合物(D)以外の酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤(溶融安定剤)、光開始剤、脱臭剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、フィラー、乾燥剤、充填剤、顔料、染料、加工助剤、難燃剤、及び防曇剤等が挙げられる。特に、EVOH(A)を含む積層体の層間接着性を改善する観点からは、アルカリ金属イオンを含むことが好ましい。また、EVOH(A)及びEVOH(A)を含む回収組成物を溶融成形する際に着色が抑制できる観点からは、モノカルボン酸、又はリン酸化合物を含むことが好ましい。さらに、ホウ素化合物を含むことで、EVOH(A)及びEVOH(A)を含む回収組成物の溶融粘度を制御できる。
EVOH(A)の製造方法は特に限定されないが、EVOH(A)、多価金属イオン(B)、多価カルボン酸(C)、ヒンダードフェノール系化合物(D)、必要に応じてその他の添加剤を溶融混練することにより製造できる。多価金属イオン(B)、多価カルボン酸(C)及びヒンダードフェノール系化合物(D)は、粉末等固体状態のまま、又は溶融物として配合してもよく、溶液に含まれる溶質又は分散液に含まれる分散質として配合してもよい。溶液及び分散液としては、それぞれ水溶液及び水分散液が好適である。溶融混練は、例えばニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー等の既知の混合装置又は混練装置を用いることができる。溶融混練時の温度範囲は、使用するEVOH(A)の融点等に応じて適宜調節でき、通常、150~300℃が採用される。
本発明の1つの実施形態では、基材層(X)としては、上記EVOH(A)を主成分として用いて製膜された単層フィルムが用いられる。かかる層の製膜方法は特に限定されないが、一般には押出機により溶融押出することで製膜される。基材(X)は、厚み8~40μmの単層フィルムであってもよく、該単層フィルムが二軸延伸されてなる、厚み8~20μmの二軸延伸単層フィルムであってもよい。ガスバリア性を向上する観点からは、基材(X)は二軸延伸単層フィルムを用いることが好ましい。
本発明の別の実施形態では、基材層(X)は、基材層(X)を含む2層以上の層からなる共押出フィルムの一層であってもよい。この場合、共押出フィルムの厚みは8~120μm、基材層(X)の厚みは1~20μmが好ましい。共押出フィルムが二軸延伸されてなる場合、共押出フィルムの厚みは8~60μm、基材層(X)の厚みは1~10μmが好ましい。共押出フィルムの基材層(X)以外の層は、ポリプロピレン樹脂を主成分とする層からなることがより好ましく、ポリプロピレン樹脂のみを含む層からなることがさらに好ましい。該共押出フィルムにおけるポリプロピレン樹脂としては、未変性ポリプロピレン樹脂及び変性ポリプロピンレン樹脂のいずれも用いることができる。酸変性ポリプロピレン樹脂としては、例えばポリプロピレン樹脂をマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、又は無水イタコン酸等で変性した樹脂が挙げられる。酸変性ポリプロピレン樹脂としてはポリプロピレン接着性樹脂を用いることができる。
延伸する方法は特に限定されず、同時延伸、逐次延伸のいずれの方式も可能である。延伸倍率は、得られるフィルムの厚みの均一性、ガスバリア性及び機械的強度の点から面積倍率を2~16倍とすることが好ましい。面積倍率は16倍以下が好ましく、12倍以下がより好ましい。また、延伸倍率としては、面積倍率は2倍以上が好ましく、4倍以上がより好ましい。面積倍率が2倍未満であると、延伸斑が残る場合あり、また16倍を超えると、延伸時にフィルムの破断が生じやすくなる場合がある。延伸する際の温度は、延伸前の原反の水分率により異なり得るが、一般に50℃~170℃の温度範囲が採用される。
<金属蒸着層(Y)>
金属蒸着層(Y)は金属色、すなわち金属性反射を呈し、可視光に対して半透明ないし不透明な外観を有する。金属蒸着層(Y)の平均厚みは120nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましく、80nm以下がさらに好ましい。また、金属蒸着層(Y)の平均厚みは20nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、40nm以上がさらに好ましい。なお、金属蒸着層(Y)の平均厚みとは、電子顕微鏡により測定される金属蒸着層(Y)断面の任意の10点における厚みの平均値である。積層体(Z)が金属蒸着層(Y)を複数有する場合においては、金属蒸着層(Y)の合計厚みは500nm以下が好ましい。
金属蒸着を行う際、基材層(X)の表面温度の上限は60℃が好ましく、55℃がより好ましく、50℃がさらに好ましい。また、該表面温度の下限は特に限定されないが、0℃が好ましく、10℃がより好ましく、20℃がさらに好ましい。金属蒸着を行う前に、金属が蒸着される層の表面をプラズマ処理してもよい。該プラズマ処理は公知の方法を用いることができ、大気圧プラズマ処理が好ましい。大気圧プラズマ処理では放電ガスとして、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が用いられる。中でも、窒素、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられ、コストを低減できることから、特に窒素が好ましい。また、金属蒸着層(Y)は、基材層(X)と直接接触するように積層されていてもよいが、基材層(X)と金属蒸着層(Y)との間に配置されたアンカー層を介して金属蒸着層(Y)が基材層(X)に積層されていてもよい。この構成によれば、基材層(X)と金属蒸着層(Y)との接着性を高めることができる場合がある。アンカー層は、接着性樹脂で形成してもよい。接着性樹脂からなるアンカー層は、基材層(X)の表面を公知のアンカーコーティング剤または接着剤を塗布することで形成できる。該接着剤としては、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを混合し反応させる二液反応型ポリウレタン系接着剤が好ましい。また、アンカーコーティング剤や接着剤に、公知のシランカップリング剤などの少量の添加剤を加えることで、さらに接着性を高めることができる場合がある。シランカップリング剤の好適な例としては、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基などの反応性基を有するシランカップリング剤を挙げることができる。アンカー層の厚さは0.03~0.18μmの範囲にあることが好ましい。アンカー層の厚さは、0.04~0.14μmの範囲にあることがより好ましく、0.05~0.10μmの範囲にあることがさらに好ましい。
金属蒸着層(Y)を構成する金属成分としては、アルミニウム、クロム、亜鉛、金、銀、プラチナ、ニッケル等が挙げられる。経済的で高いガスバリア性及び光線バリア性を有する包装材が得られる観点からは、アルミニウムが好ましい。
<積層体(Z)>
積層体(Z)は基材層(X)と、基材層(X)に積層された金属蒸着層(Y)とを少なくとも有する2層以上の積層体である。積層体(Z)は、基材層(X)及び金属蒸着層(Y)のみで構成されてもよいし、それ以外の他の層(例えば熱可塑性樹脂フィルム層、紙層等)をさらに含んでもよい。熱可塑性樹脂フィルム層としては、基材層(X)として例示したものが使用できる。そのような他の層を有する積層体(Z)は、該他の層を直接または接着層を介して接着または形成することで製造できる。積層体(Z)が、このような他の層を備えることで、積層体(Z)の特性を向上させたり、新たな特性を付与したりできる。例えば、積層体(Z)にヒートシール性を付与したり、ガスバリア性や力学的物性をさらに向上させたりできる。積層体(Z)は、これらの他の層をそれぞれ複数含んでもよい。
特に、積層体(Z)の表面層をポリオレフィン層とすることで、積層体(Z)にヒートシール性を付与したり、積層体(Z)の力学的特性を向上させたりできるため好ましい。ヒートシール性や力学的特性をより一層向上させる観点から、ポリオレフィンはポリプロピレンまたはポリエチレンが好ましい。また、積層体(Z)の力学的特性を向上させるために、他の層として、ポリエステルまたはポリアミドからなる層を積層することが好ましい。力学的特性の向上の観点から、ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく、ポリアミドとしてはナイロン-6が好ましい。一方、リサイクル性を向上する観点からは、積層体(Z)に含まれる基材層(X)及び金属蒸着層(Y)以外の層は、実質的にポリオレフィン層のみからなることが好ましい。なお各層の間には必要に応じて、接着剤層を設けてもよい。接着剤層は、公知の接着剤を塗工し、乾燥することで形成できる。当該接着剤は、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを混合し反応させる二液反応型ポリウレタン系接着剤が好ましい。接着剤層の厚さは特に限定されないが、1~5μmが好ましく、2~4μmがより好ましい。また、積層体(Z)は、印刷層を有してもよい。印刷層は積層体(Z)のいずれの位置に含まれていてもよい。印刷層としては、例えば顔料又は染料、及び必要に応じてバインダー樹脂を含む溶液を塗工し、乾燥して得られる皮膜が挙げられる。印刷層の塗工方法としては、グラビア印刷法の他、ワイヤーバー、スピンコーター、ダイコーター等を用いた各種の塗工方法が挙げられる。インク層の厚さは特に限定されないが、0.5~10μmが好ましく、1~4μmがより好ましい。
積層体(Z)は、例えば、包装材の外側となる層から内側となる層に向かって、以下の構成を有していてもよい。ただし、層(P)は、基材層(X)及び金属蒸着層(Y)以外の他の層(例えば熱可塑性樹脂フィルム層、紙層等)を表す。また、下記においては、基材層(X)が基材層(X)を含む2層以上の層からなる共押出フィルムの一層の場合にも、便宜上、基材層(X)と記載する。また、アンカー層や接着剤層は省略している。なお、機械強度が向上し、屈曲等の物理的なダメージに対してガスバリア性を維持できる観点から、積層体(Z)が、金属蒸着層(Y)の基材層(X)とは反対側にさらに少なくとも1層以上の他の層を有することが好ましい。
(1)基材層(X)/金属蒸着層(Y)/層(P)、
(2)層(P)/基材層(X)/金属蒸着層(Y)/層(P)、
(3)層(P)/金属蒸着層(Y)/基材層(X)/層(P)、
(4)層(P)/層(P)/基材層(X)/金属蒸着層(Y)/層(P)、
(5)層(P)/層(P)/金属蒸着層(Y)/基材層(X)/層(P)、
(6)層(P)/基材層(X)/金属蒸着層(Y)/金属蒸着層(Y)/基材層(X)/層(P)。
積層体(Z)は、主として金属蒸着層(Y)の金属色に起因して波長600nmにおける光線透過率は10%以下である。多くの場合、該光線透過率は1%以下であり、0.1%以下、0.01%以下の場合もある。また、積層体(Z)の酸素透過度(20℃、65%RH条件下)は2cc/(m・day・atm)以下が好ましく、1cc/(m・day・atm)以下がより好ましく、0.5cc/(m・day・atm)以下がさらに好ましく、0.1cc/(m・day・atm)以下が特に好ましい。
<積層体(Z’)>
積層体(Z’)は、積層体(Z)を50℃以上の処理水(W)に暴露させる処理(以下、熱水処理ともいう)を行うことで得られる。積層体(Z’)では、金属蒸着層(Y)由来の金属色が低減もしくは解消されており、波長600nmにおける光線透過率は60%以上である。波長600nmにおける光線透過率は70%以上であることが好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。このような積層体(Z’)を必要に応じて粉砕した後に溶融成形する積層体の回収方法、及び該方法で得られた回収組成物、さらには該回収組成物から製造される成形体もまた本発明の好適な実施態様である。積層体(Z’)のみを溶融成形して回収組成物を得てもよいし、必要に応じてその他の成分とともに溶融成形して回収組成物を得てもよい。また、積層体(Z’)を直接、成形品の製造に供してもよいし、積層体(Z’)を溶融成形して回収組成物からなるペレットを得た後、当該ペレットを成形品の製造に供してもよい。
<積層体(Z)の熱水処理>
積層体(Z’)は、積層体(Z)を50℃以上の処理水(W)に暴露させる熱水処理を行うことで得られる。積層体(Z)を暴露させる処理水(W)の温度は50℃以上である必要があり、70℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましい。処理水(W)の温度が50℃以上であることで、熱水処理に要する時間を短くできる。また、圧力容器等を使用し、100℃以上、たとえば110℃や120℃の処理水(W)に積層体(Z)を暴露することも可能である。この場合、設備及び運転に要するコストは大きくなるものの、熱水処理に要する時間はさらに短くできる場合がある。処理水(W)の温度が50℃未満であると、熱水処理に要する時間が過大となり、経済的・産業的に実行可能な時間スケールで積層体(Z’)を得ることが不可能となる。熱水処理の方法は熱水式、蒸気式が挙げられるが、熱水処理に要する時間を短くできることから、熱水式が好ましい。
積層体(Z)を暴露させる処理水(W)のpHは特に制限はないが、4以下、又は10以上が好ましい。pHが上記範囲であると、熱水処理に要する時間を短くできる場合がある。pHを4以下にするためには、カルボン酸、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの酸性化合物を処理水(W)に添加すればよい。pHを10以上にするためには、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物等の塩基性化合物を処理水(W)に添加すればよい。これらの酸性化合物及び塩基性化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
熱水処理に供される積層体(Z)の大きさには特に制限はないが、積層体の端面から侵入する熱水が処理速度を向上させるため、積層体(Z)が4cm四方よりも大きい場合には、積層体(Z)が任意の4cm四方の範囲において、少なくとも1つ以上の切り込み部を有することが好ましい。切り込み部は、積層体(Z)を厚み方向に貫く切り込み部であってもよく、積層体(Z)の厚み方向において、少なくとも表面から基材層(X)及び金属蒸着層(Y)に達する深さまでの切り込み部であってもよい。また、積層体(Z)が4cm四方以下の大きさであることも好ましく、2cm四方以下であることがより好ましく、1cm四方以下であることがさらに好ましい。
積層体(Z)の熱水処理に要する時間は、得られる積層体(Z’)の波長600nmにおける光線透過率が60%以上になりさえすれば、特に制限はないが、通常は10分以上、12時間未満である。必要な処理時間は、積層体(Z)の層構成、大きさ、切込み部の有無、及び処理水(W)の温度、pH等に大きく依存する。
積層体(Z)は、ガスバリア性及び光線バリア性に優れるため、包装材料に好ましく用いられる。また、積層体(Z)は、特定の熱水処理により金属色を低減もしくは解消できるため、着色の低減された回収組成物が得られ、回収組成物を溶融成形する際にも、ブツや着色が抑制されるため、ポストコンシューマーリサイクルへの適用性が高い包装材料として使用できる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
(1)屈曲前のOTR(酸素透過速度)
各実施例及び比較例で得られた積層体(Z)を用いて、外層側を酸素供給側、内層側をキャリアガス側として酸素透過速度を測定した。具体的には、酸素透過量測定装置(モダンコントロール社製「MOCON OX-TRAN2/21」)を用い、温度20℃、酸素供給側の湿度65%RH、キャリアガス側の湿度65%RH、酸素圧1気圧、キャリアガス圧力1気圧の条件下で酸素透過速度(単位:cc/(m・day・atm))を測定した。キャリアガスには2体積%の水素ガスを含む窒素ガスを使用した。結果を下記のA~Eの5段階で評価した。
A :0.1cc/(m・day・atm)未満
B :0.1cc/(m・day・atm)以上、0.5cc/(m・day・atm)未満
C :0.5cc/(m・day・atm)以上、2cc/(m・day・atm)未満
D :2cc/(m・day・atm)以上、20cc/(m・day・atm)未満
E :20cc/(m・day・atm)以上
(2)屈曲後のOTR(酸素透過速度)
各実施例及び比較例で得られた積層体(Z)を23℃、50%RHの条件下でゲルボフレックステスターを使用して屈曲処理を行った。具体的には、まず、得られた積層体(Z)をA4サイズのフィルムに切り出し、直径3.5インチの円筒状とした。この両端を把持し、初期把持間隔を7インチ、最大屈曲時の把持間隔を1インチとして、ストロークの最初の3.5インチの間に角度440度のひねりを加え、その後2.5インチの間は直進水平運動である動作を繰り返す往復運動を40回/分の速さで50回行った。その後、外層側を酸素供給側、内層側をキャリアガス側として、上記(1)と同様に酸素透過速度を測定し、同様の基準で評価した。
(3)光線透過率
各実施例及び比較例で得られた積層体(Z)について、紫外可視分光光度計(島津製作所製「UV-2450」)を用い、波長600nmにおける熱水処理前の光線透過率を測定した。
また、各実施例及び比較例で得られた積層体(Z)を表1に記載の温度、及びpHに調整した処理水に浸漬し、12時間熱水処理した積層体について、同様にして波長600nmにおける熱水処理後の光線透過率を測定し、下記のA~Cの3段階で評価した。
A :80%以上
B :60%以上、80%未満
C :60%未満
(4)熱水処理に要する時間
各実施例及び比較例で得られた積層体(Z)を表1に記載の温度、及びpHに調整した処理水に浸漬し、経時的に光線透過率を測定することで、光線透過率が60%以上となるまでに要した時間を測定し、下記A~Hの8段階で評価した。なお、pHの調整には酢酸及び炭酸二ナトリウムを使用した。
A :15分未満
B :15分以上、30分未満
C :30分以上、2時間未満
D :2時間以上、4時間未満
E :4時間以上、6時間未満
F :6時間以上、8時間未満
G :8時間以上、12時間未満
H :12時間以上
(5)回収組成物の着色(金属色)
各実施例及び比較例で得られた積層体(Z)を表1に記載の温度、及びpHに調整した処理水に浸漬し、5時間熱水処理した積層体を120℃で3時間乾燥した後に4mm四方以下のサイズに粉砕し、下記に示す押出条件にて溶融混練し、回収組成物のペレットを得た。ただし、実施例23のみ、C2を230℃、C3以降を270℃の温度設定とした。
押出機:東洋精機製作所社製2軸押出機
スクリュー径:25mmφ
メッシュ:なし
スクリュー回転数:100rpm
シリンダー、ダイ温度設定:C1/C2/C3/C4/C5/D=180/200/220/220/220/220℃
吐出速度:6kg/時間
得られたペレットの外観を下記A~Dの4段階で評価した。
A :金属色は観察されなかった
B :軽度の金属色が観察された
C :中程度の金属色が観察された
D :顕著な金属色が観察された
(6)回収組成物の加工性
上記(5)で得られた回収組成物のペレットを再度溶融混練する操作をさらに4回繰り返し、計5回溶融混練した。次に、1kgの高密度ポリエチレン(プライムポリマー社製「ハイゼックス7000F」)で押出機内の樹脂をパージした後、スクリューを取り外してスクリュー上の付着樹脂を採取し秤量することでスクリュービルドアップ(ゲル化した樹脂)量を測定した。結果を下記A~Dの4段階で評価した。
A :0.5g未満
B :0.5g以上、0.7g未満
C :0.7g以上、0.9g未満
D :0.9g以上
(7)回収組成物から得られる成形体の着色及びブツ
各実施例及び比較例で得られた積層体(Z)を表1に記載の温度、及びpHに調整した処理水に浸漬し、12時間熱水処理した後の積層体を120℃で3時間乾燥した後に、4mm四方以下のサイズに粉砕し、上記(4)と同様の条件にて溶融混練し、回収組成物のペレットを得た。この回収組成物ペレットとポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製「ノバテックPP EA7AD」(密度0.90g/cc、MFR(230℃、2.16kg荷重下)1.4g/10min))とを質量比(回収組成物ペレット/ポリプロピレン樹脂)50/50の割合でブレンドし、下記に示す押出条件にて単層製膜を行うことで、厚み50μmの単層フィルムを得た。単層フィルムの厚みはスクリュー回転数及び引取りロール速度を適宜変えることで調整した。また、対照として、上記ポリプロピレン樹脂のみを用いて、同様に厚み50μmの単層フィルムを得た。
押出機:東洋精機製作所社製一軸押出機
スクリュー径:20mmφ(L/D=20、圧縮比=3.5、フルフライト型)
メッシュ:なし
押出温度:C1/C2/C3/D=190/220/220/220℃
引取りロール温度:80℃
得られた単層フィルムの着色及びブツを下記の通り評価した。
着色の判定基準
A :対照と比べて、色相の変化の度合いは小さかった
B :対照と比べて、軽度の着色が見られた
C :対象と比べて、中程度の着色が見られた
D :対象と比べて、顕著な着色が見られ、ムラも見られた
ブツの判定基準
A :対照と比べて、ブツの量はほとんど変わらなかった
B :対照と比べて、小さなブツの量がわずかに多かった
C :対照と比べて、小さなブツの量が多かった
D :対照と比べて、大きなブツの量が多かった
[製造例1]
エチレン含有量27モル%、けん化度99.9モル%、MFR(210℃、2.16kg荷重)4.1g/10min、SP値14.4であるEVOH樹脂(多価金属イオン、多価カルボン酸、及びヒンダードフェノール化合物は含まない)を下記に示す押出条件で単層製膜を行い、厚み15μmの単層EVOHフィルム(E1)を得た。なお、厚みはスクリュー回転数及び引取りロール速度を適宜変えることで調整した。
押出機:東洋精機製作所社製一軸押出機
スクリュー径:20mmφ(L/D=20、圧縮比=3.5、フルフライト型)
メッシュ:なし
押出温度:C1/C2/C3/D=190/220/220/220℃
引取りロール温度:80℃
[製造例2]
エチレン含有量27モル%、けん化度99.9モル%、MFR(210℃、2.16kg荷重)4.1g/10min、SP値14.4であるEVOH樹脂(多価金属イオン、多価カルボン酸、及びヒンダードフェノール化合物は含まない)を株式会社日本製鋼所社製二軸押出機「TEX30α」(スクリュー径30mm)に供給した。また、二軸押出機内で多価金属塩として酢酸マグネシウム水溶液を液添ポンプで添加し、該添加位置よりも下流側に、スクリュー構成として順ズラシニーディングディスク(Forward kneading disk)がL(スクリュー長)/D(スクリュー径)=3を有するスクリューを用いて、溶融温度220~230℃、押出速度20kg/hrの条件で溶融混練を行い、ストランドを得た。得られたストランドを冷却槽で冷却固化した後に切断してマグネシウムイオンを150ppm含むEVOHペレットを得た。得られたEVOHペレットを用い、製造例1と同様にして単層製膜を行い、厚み15μmの単層EVOHフィルム(E2)を得た。
[製造例3]
酢酸マグネシウム水溶液の濃度を変更したこと以外は製造例2と同様にしてマグネシウムイオンを250ppm含むEVOHペレットを得た。得られたEVOHペレットを用い、製造例1と同様にして単層製膜を行い、厚み15μmの単層EVOHフィルム(E3)を得た。
[製造例4]
酢酸マグネシウム水溶液の代わりに酢酸カルシウム水溶液を用い、濃度を変更したこと以外は製造例2と同様にしてカルシウムイオンを150ppm含むEVOHペレットを得た。得られたEVOHペレットを用い、製造例1と同様にして単層製膜を行い、厚み15μmの単層EVOHフィルム(E4)を得た。
[製造例5]
酢酸マグネシウム水溶液の代わりに、多価カルボン酸としてクエン酸水溶液(pKa2=4.75)を液添ポンプで添加した以外は製造例2と同様にしてクエン酸を300ppm含むEVOHペレットを得た。得られたEVOHペレットを用い、製造例1と同様にして単層製膜を行い、厚み15μmの単層EVOHフィルム(E5)を得た。
[製造例6]
クエン酸水溶液の濃度を変更したこと以外は製造例5と同様にして、クエン酸を500ppm含むEVOHペレットを得た。得られたEVOHペレットを用い、製造例1と同様にして単層製膜を行い、厚み15μmの単層EVOHフィルム(E6)を得た。
[製造例7]
EVOH樹脂に加えてエステル結合を有するヒンダードフェノール系化合物(BASF社製「イルガノックス1010」融点115℃、分子量1178)を二軸押出機に供給し、酢酸マグネシウム水溶液を添加しなかった以外は製造例2と同様にして、エステル結合を有するヒンダードフェノール系化合物を5000ppm含むEVOHペレットを得た。得られたEVOHペレットを用い、製造例1と同様にして単層製膜を行い、厚み15μmの単層EVOHフィルム(E7)を得た。
[製造例8]
EVOH樹脂に加えて、アミド結合を有するヒンダードフェノール系化合物(BASF社製「イルガノックス1098」融点160℃、分子量637)を供給し、酢酸マグネシウム水溶液を添加しなかった以外は製造例2と同様にして、アミド結合を有するヒンダードフェノール系化合物を5000ppm含むEVOHペレットを得た。得られたEVOHペレットを用い、製造例1と同様にして単層製膜を行い、厚み15μmの単層EVOHフィルム(E8)を得た。
[製造例9]
アミド結合を有するヒンダードフェノール系化合物(BASF社製「イルガノックス1098」)の添加量を変更した以外は製造例8と同様にして、アミド結合を有するヒンダードフェノール系化合物を15000ppm含むEVOHペレットを得た。得られたEVOHペレットを用い、製造例1と同様にして単層製膜を行い、厚み15μmの単層EVOHフィルム(E9)を得た。
[製造例10]
エチレン含有量38モル%、けん化度99.9モル%、MFR(210℃、2.16kg荷重)4.7g/10min、SP値13.5であるEVOH樹脂(多価金属イオン、多価カルボン酸、ヒンダードフェノール化合物は含まない)を使用したこと以外は、製造例1と同様にして厚み15μmの単層EVOHフィルム(E10)を得た。
[製造例11]
エチレン含有量48モル%、けん化度99.9モル%、MFR(210℃、2.16kg荷重)14.8g/10min、SP値12.7であるEVOH樹脂(多価金属イオン、多価カルボン酸、及びヒンダードフェノール化合物は含まない)、ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製「ノバテックPP FL203D」(密度0.90g/cc、MFR(230℃、2.16kg荷重下)3.0g/10min))及びポリプロピレン接着性樹脂(三井化学社製「アドマーQF500」(MFR(230℃、2.16kg荷重下)3.0g/10min))を用い、3種3層の共押フィルム(EVOH樹脂/ポリプロピレン接着性樹脂/ポリプロピレン樹脂=27μm/27μm/243μm)を製膜した。この共押出フィルムをテンター式同時二軸延伸設備により160℃にて縦方向に3倍、横方向に3倍(面積倍率9倍)に延伸し、3種3層の二軸延伸共押フィルム(E11)(EVOH樹脂/ポリプロピレン接着性樹脂/ポリプロピレン樹脂=3μm/3μm/27μm)を得た。押出機及び押出条件、及び使用したダイは下記の通りとした。
EVOH
押出機:単軸押出機(東洋精機製作所社製 ラボ機ME型CO-EXT)
スクリュー:口径20mmφ、L/D20、フルフライトスクリュー
押出温度:供給部/圧縮部/計量部/ダイ=175/210/220/230℃
ポリプロピレン接着性樹脂
押出機:単軸押出機(テクノベル社製 SZW20GT-20MG-STD)
スクリュー:口径20mmφ、L/D20、フルフライトスクリュー
押出温度:供給部/圧縮部/計量部/ダイ=150/200/220/230℃
ポリプロピレン樹脂
押出機:単軸押出機(プラスチック工学研究所社製 GT-32-A)
スクリュー:口径32mmφ、L/D28、フルフライトスクリュー
押出温度:供給部/圧縮部/計量部/ダイ=170/220/230/230℃
ダイ:300mm幅3種3層用コートハンガーダイ(プラスチック工学研究所社製)
なお、表1においては、共押出フィルムを構成するポリプロピレン接着性樹脂及びポリプロピレン樹脂をまとめて「PP」と表記した。
[実施例1、2、比較例1,2]
製造例1で得られた単層EVOHフィルム(E1)の片面に、日本真空技術社製「EWA-105」を用いて、厚みが50nmとなるようにアルミニウムを真空蒸着し、積層体(Z)を得た。得られた積層体(Z)を表1に記載される縦及び横の長さを有する大きさの四角形に切り出し、表1に記載の温度及びpHの処理水で熱水処理を行った。なお、比較例1では熱水処理は行わなかった。熱水処理の前後で上記(1)~(7)の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
[実施例3~11、比較例3,4]
製造例1で得られた単層EVOHフィルム(E1)の片面に、日本真空技術社製「EWA-105」を用いて、厚みが50nmとなるようにアルミニウムを真空蒸着した。次に、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製「パイレンフィルム―OT P2161」、厚さ30μm)及び無延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ社製「RXC-22」、厚さ50μm)のそれぞれ片面に、2液型の接着剤(三井化学社製「タケラックA-520」及び「タケネートA-50」)を乾燥厚みが2μmとなるように塗工して乾燥させた。(以下、アルミニウム蒸着層をVM、二軸延伸ポリプロピレンフィルムをBOPP、無延伸ポリプロピレンフィルムをCPP、接着剤層をAdと略記することがある)
続いて、接着剤を塗工したBOPP及びCPPと上記アルミニウムを蒸着した単層EVOHフィルムとをラミネートして、BOPP30/Ad2/VM/EVOH15/Ad2/CPP50という構造を有する積層体(Z)を得た(なお、各層を表す記号中の数字は、各層の厚み(単位:μm)を表す)。ここで、アルミニウムを蒸着した単層EVOHフィルムは、アルミニウム蒸着層がBOPP側、EVOH層がCPP側になるようにした。得られた積層体(Z)について、表1に記載の大きさに切り出し、表1の条件で熱水処理を行った。なお、比較例3では熱水処理は行わなかった。また、実施例5では切り出した積層体の端から2cm間隔で長さ9cmの切り込みを計4か所設けたものを熱水処理に用いた。熱水処理の前後で上記(1)~(7)の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
[実施例12、13]
アルミニウムの蒸着厚みを表1の通りに変更した以外は実施例3と同様にして積層体(Z)を得た。得られた積層体(Z)について、表1に記載の大きさに切り出し、表1の条件で熱水処理を行った。熱水処理の前後で上記(1)~(7)の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
[実施例14~22]
製造例2~10で得られた単層EVOHフィルム(E2)~(E10)を使用した以外は実施例3と同様にして積層体(Z)を得た。得られた積層体(Z)について、表1に記載の大きさに切り出し、表1の条件で熱水処理を行った。熱水処理の前後で上記(1)~(7)の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
[実施例23]
単層EVOHフィルムの代わりに下記のフィルムを使用した以外は実施例3と同様にして積層体(Z)を得た。得られた積層体(Z)について、表1に記載の大きさに切り出し、表1の条件で熱水処理を行った。熱水処理の前後で上記(1)~(7)の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
BOPET12:延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製「ルミラーP60」、融点256℃、SP値11.3、厚さ12μm)
[実施例24]
単層EVOHフィルムの代わりに下記のフィルムを使用した以外は実施例3と同様にして積層体(Z)を得た。得られた積層体(Z)について、表1に記載の大きさに切り出し、表1の条件で熱水処理を行った。熱水処理の前後で上記(1)~(7)の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
BOPP30:二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡社製「パイレンフィルム―OT P2161」、融点164℃、SP値7.7、厚さ30μm)
[実施例25]
製造例11で得られた二軸延伸共押フィルム(E11)を使用した以外は実施例3と同様にして積層体(Z)を得た。得られた積層体(Z)について、表1に記載の大きさに切り出し、表1の条件で熱水処理を行った。熱水処理の前後で上記(1)~(7)の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。なお、表1において、共押出フィルムで構成される部分を、例えば(EVOH3/PP30)のように括弧内に示した。なお、「BO」は二軸延伸したフィルムであることを意味する。
[参考例]
単層EVOHフィルムにアルミニウムを真空蒸着しなかった以外は実施例3と同様にして積層体を得た。得られた積層体について、表1に記載の大きさに切り出し、表1の条件で熱水処理を行った。熱水処理の前後で上記(1)~(7)の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。

Claims (13)

  1. 基材層(X)と、基材層(X)に積層された金属蒸着層(Y)とを少なくとも有する2層以上の積層体(Z)を50℃以上の処理水(W)に暴露させ、積層体(Z’)を得る処理方法であって、
    積層体(Z)の波長600nmにおける光線透過率が10%以下であり、
    積層体(Z’)の波長600nmにおける光線透過率が60%以上であり、
    基材層(X)がエチレン-ビニルアルコール共重合体(A)からなる層であり、
    基材層(X)における前記エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)の含有量が50質量%以上である、処理方法。
  2. 積層体(Z)が、金属蒸着層(Y)の基材層(X)とは反対側にさらに少なくとも1層以上の他の層を有する、請求項1に記載の処理方法。
  3. 積層体(Z)が任意の4cm四方の範囲において、少なくとも1つ以上の切り込み部を有する、請求項1又は2に記載の処理方法。
  4. 積層体(Z)が4cm四方以下の大きさである、請求項1~3のいずれかに記載の処理方法。
  5. 処理水(W)のpHが4以下、又は10以上である、請求項1~4のいずれかに記載の処理方法。
  6. エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)が、マグネシウムイオン、カルシウムイオン及び亜鉛イオンからなる群から選択される少なくとも1種の多価金属イオン(B)を20~200ppm含有する、請求項1~5のいずれかに記載の処理方法。
  7. エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)が、少なくとも1つのpKaが3.5~5.5である多価カルボン酸(C)を40~400ppm含有する、請求項1~6のいずれかに記載の処理方法。
  8. エチレン-ビニルアルコール共重合体(A)が、エステル結合又はアミド結合を有するヒンダードフェノール系化合物(D)を1000~10000ppm含有する、請求項1~7のいずれかに記載の処理方法。
  9. 基材層(X)が、基材層(X)を含む2層以上の層からなる共押出フィルムの一層である、請求項1~のいずれかに記載の処理方法。
  10. 積層体(Z)の酸素透過度(20℃、65%RH条件下)が2cc/(m ・day・atm)以下である、請求項1~のいずれかに記載の処理方法。
  11. 請求項1~10のいずれかの処理方法で得られた積層体(Z’)を溶融成形する、積層体の回収方法。
  12. 請求項11の回収方法で得られた回収組成物。
  13. 請求項12の回収組成物を含む成形体。
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