JP4091674B2 - 樹脂の回収法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属薄膜層や印刷塗膜層により表面が被覆された光学式情報記録媒体から、その基板である樹脂を回収する方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、前記光学式情報記録媒体から、その表面に被覆された金属薄膜層および印刷膜層を選択的に除去し、基板である樹脂成分を再利用するために回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザー光によってディスク基板上に設けた微細な凹凸を検出して音声や画像を再生する方式、基板面に設けた情報記録層により情報を記録・再生する方式、または記録された情報を消去したり重ね書きできる方式およびこれらを張り合わせ記録容量が増加されたもの等の種々の光学式情報記録媒体が開発および市販されている。かかる情報記録媒体は、多量かつ極めて高密度の記憶容量および極めて高品質のものが要求されるために微少な欠陥を有しても不良品とならざるを得ない。さらには高品質を維持する目的で生産工程の各所より抜き取られる検査用サンプルも多量にならざるを得ない。特に再生専用のコンパクトディスクは多量に生産されており、サンプル、不良品および市場等からの回収品等多量の樹脂板の処理が問題になっている。
【0003】
従来、かかる記録媒体はポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、非晶性環状ポリオレフィン樹脂等の透明樹脂で製造されており、なかでもポリカーボネート樹脂はほとんどのコンパクトディスクに使用され大規模な生産が行われる一方で、多量のサンプル、不良品等が同時に発生している。これらサンプル、不良品等の処理は、情報記録層や反射層を付与する前の透明な光学基板ではそのまま粉砕またはリペレット化して一般のポリカーボネート樹脂や他樹脂とのアロイに混合して問題なく再使用できる。しかしながら、情報記録層や反射層を付与しさらにUVコート等の保護コート層および貼り合わせに接着剤層を施した樹脂板(以下、“被覆された樹脂板”ということがある)の再使用は著しく制限される。たとえば、UVコートした樹脂板は、UVコート層がポリカーボネート樹脂と非相溶であるため、単に一般のポリカーボネート樹脂に混合したのでは得られる成形品の表面に凹凸が発生して外観を著しく損ねるようになる。貼り合わせ樹脂板の場合は、接着剤の熱安定性が樹脂より劣るため色相が悪化したり、樹脂の分子量低下を招くことがある。
【0004】
そこで、情報記録層、反射層や保護コート層を樹脂基板から選択的に除去し、樹脂自体を回収しようとする提案がなされている。
以下にそのいくつかの提案について説明する。
(i)特開平4−305414号公報(欧州特許第476,475号、米国特許第5,151,452号)、特開平5−200379号公報(欧州特許第537,567号、米国特許第5,214,072号)および特開平6−223416号公報(欧州特許第601,719号、米国特許第5,306,349号):
これらの方法は、被覆された樹脂板を、例えば酸またはアルカリの水溶液で化学的に処理する方法である。すなわち、これらの方法は情報記録層や反射層の金属部を溶解することによってUVコート層やレーベル印刷層を除去する方法であり、金属部がない部分やコートテスト、レーベル印刷テスト等に供された樹脂板の不良品等の層除去ができない欠点を有すほか処理後の中和処理や排水の中和工程を必要とする等ランニングコストのアップが避けられなかった。
【0005】
(ii)特開平5−345321号公報:
この方法は、被覆された樹脂板を長時間熱水中に浸漬する方法であり、前記した方法における中和処理を要しない点では優れている。しかしながら、この方法は熱水中に長時間浸漬するためポリカーボネート樹脂基板の場合、分子量低下や白化が起き易い欠点があり、回収された樹脂の再利用のためには好ましい方法ではなかった。
【0006】
(iii)特開平5−210873号公報および米国特許第5,203,067号明細書:
これらの方法は、被覆された樹脂板の被覆層表面を機械的に刃物や研磨材を用いて切削・研磨して除去する方法である。これらの方法は切削面を読み取るための装置や樹脂板の面を反転する装置を必要とするため初期投資額が大きくなり、また切削により樹脂回収率が低下する等デメリットもあり普及されにくい状況にあった。さらに最近の技術として記録容量を増加する目的で薄い樹脂板を貼り合わせる技術が開発されているが樹脂部分を外側とするため研削ができないという新たな問題が生じている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記した被覆された樹脂板からの樹脂の回収方法は、経済的かつ工業的に満足すべき方法とは云えず、さらに樹脂の再利用という観点からは品質並びに回収率において納得し難いものであった。殊に再利用される樹脂成形品が透明性や高品質を要求される場合、従来の方法は不適当な方法であった。
これら従来提案された方法は、いずれも実用的でなく、そのため、サンプリングによる樹脂板、不良品としての樹脂板および回収された樹脂板の大部分は産業廃棄物として処理されており、今後の光学式情報記録媒体の増加を考慮すると大きな問題である。特に資源の有効活用や地球環境保全の点から重大な問題である。
そこで本発明の第1の目的は、光学式情報記録媒体からその被覆層を効果的に除去し、樹脂成分を選択的に回収しうる工業的に有利な方法を提供することにある。
【0008】
本発明の第2の目的は、光学式情報記録媒体からその基板の樹脂の品質を実質的に劣化させることなく、しかも被覆層を実質的に含まないようにして回収しうる方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、公害の発生が起こらず、かつ環境の保全に役立つ方法で、光学式情報記録媒体から樹脂成分および被覆層成分のそれぞれを分離する方法を提供することにある。
本発明の第4の目的は、光学式情報記録媒体からコンパクトな装置でかつ大量に樹脂成分を回収できる方法、殊に連続的方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、光学式情報記録媒体から樹脂を回収しさらにその樹脂を再利用する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らの研究によれば、前記本発明の目的は、樹脂製の基板の少なくとも片面に、金属薄膜層、印刷塗膜層または金属薄膜と印刷塗膜との層が被覆された光学式情報記録媒体から、該樹脂を回収するにあたり、下記工程
(1)該記録媒体を少なくとも1つの一対ローラー間を通過させて圧延する工程(A工程)、
(2)圧延された記録媒体を加熱水と接触させる工程(B工程)、
(3)該記録媒体から除去された被覆成分の実質量を分離し、樹脂成分を回収し、取得する工程(C工程)
よりなり、B工程およびC工程は、側壁に細孔を有する回転ドラムを内装した容器中で実施することを特徴とする樹脂の回収法によって達成することが見出された。
【0010】
以下、本発明方法についてさらに詳細に説明する。
本発明方法において、樹脂の回収の対象となる光学式情報記録媒体は、基板の材料として赤外光または可視光を透過しうる樹脂を使用したものであり、かかる樹脂には、染料等を含有し黒色、金色等に着色されているものも含まれ、該樹脂の片面或いは貼り合わせしたサンドイッチ構造の中央部に、被覆層を有しているものである。前述したように、被覆層を有する樹脂は、その製造過程において検査のためのサンプル、不良品として得られるものでもよく、また製品として回収されたものであってもよい。また一部として被覆層を有しない樹脂基板が混在していてもよい。
【0011】
かかる樹脂基板の厚さは、通常記録媒体として使用されているものであれば特に制限されないが、一般には0.5〜3mm、好ましくは0.6〜2mmの範囲である。また貼り合わせした樹脂基板の場合、総厚みが前述の範囲であれば制限されない。樹脂基板の形状は好ましくは射出成形により形成されたディスク型の平板であり、そのまま本発明の回収方法に供することができる。
【0012】
記録媒体として使用される樹脂基板の表面には、通常金属薄膜、例えばアルミニウム、Te、Fe、Co、Gd、SiN、ZnS−SiO2、GeSbTe、ZnSおよびアルミニウム合金等があり、アルミニウムが適している。また、金属薄膜はスパッタリング、蒸着等の手段で形成させることができる。一般にはこの金属薄膜は0.04〜2μmの厚さであり、その金属薄膜の表面には保護膜が被覆されている。この保護膜は、通常アクリル系樹脂のUVコート膜が使用され、5〜10μmの厚みを有している。
【0013】
さらに、樹脂基板上には、直接或いは上記金属薄膜上に印刷塗膜層が形成されている。この印刷塗膜層は一般にレーベル印刷とも云われており、その印刷塗膜層は一般に5〜30μm、好ましくは10〜25μmの厚さを有している。この印刷層を形成する塗膜は、例えばアクリル系塗料、アクリル−ビニル系塗料、ビニル系塗料、ポリエステル系塗料、メラミン系塗料、エポキシ系塗料およびウレタン系塗料が使用されている。また2枚の樹脂板を貼り合わす接着剤としては、例えば、アクリル系、エポキシ系およびウレタン系等が挙げられ、紫外線硬化型やホットメルトタイプとして使用されている。
【0014】
本発明では、前記したように、樹脂基板上に前記金属薄膜層(その上の保護コート層も含む)、印刷塗膜層または金属薄膜層と印刷塗膜層との層が形成されて被覆されているものを回収の対象としている。本発明によれば、このような被覆された樹脂基板から、被覆層を実質的に除去して樹脂成分を選択的に回収することができる。特に、金属薄膜層としてアルミニウム薄膜層が形成され、またその一部の上に印刷塗膜層が形成された記録媒体から樹脂成分を選択的に回収するのに、本発明方法は優れている。以下、本発明においては、前記被覆層が形成された情報記録媒体における基板および被覆層が除去された基板を“樹脂基板”と総称することがある。
【0015】
被覆された樹脂基板としては、具体的には、例えば再生専用方式のものではコンパクトディスク、ミニディスク、レーザーディスク(登録商標)等のROMディスクがあり、記録および再生方式のものではCD−R、ライトワンスディスク等のDRAMディスクがあり、書き換え可能方式のものでは光磁気ディスク、相変化光ディスク等のE−DRAWの光ディスクが挙げられる。これらの光ディスクには、片面記憶型および最近開発されているDVD用の2枚貼り合せ型がある。本発明の方法は、特に、金属薄膜層として、アルミニウム薄膜層が形成され、またその一部の上に印刷塗膜層が形成された記録媒体、好ましくはコンパクトディスクおよびDVDから樹脂成分を選択的に回収するのに優れた方法である。かかる樹脂板の基板を構成する材料は光透過性の樹脂であればよい。通常ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、非晶性環状ポリオレフィン樹脂等が使用されている。その中でもポリカーボネート樹脂またはポリメチルメタクリレート樹脂が好ましいが、ポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
【0016】
上記ポリカーボネート樹脂は、通常熱可塑性の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品として使用されるものであればよく、一般に2価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法或いは溶融法により反応させて製造され、いずれの方法によって得られたものであっても同じように使用することができる。
【0017】
この芳香族ポリカーボネート樹脂の製造に使用される2価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビスフェノールA]、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、α,α’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,4−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、α,α’−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,2−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−スルホン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−サルファイド、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−エーテル、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−ケトンおよびビス−(4−ヒドロキシフェニル)−スルホキシド等が挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0018】
なかでもビスフェノールAの単独重合体やビスフェノールA、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、α,α’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパンおよび2,2−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパンから選ばれた少なくとも2種以上のビスフェノールより得られる共重合体、特に1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールA、α,α’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンまたは2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとの共重合体が好ましく使用される。
【0019】
また、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が挙げられ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、2価フェノールのジハロホルメートおよびそれらの混合物等である。ポリカーボネート樹脂を製造するにあたり、適当な分子量調節剤、分岐剤、反応を促進するための触媒等も通常の方法に従って使用できる。かくして得られた芳香族ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合しても差し支えない。
【0020】
また、上記ポリメチルメタクリレート樹脂は、メタクリル酸メチルモノマーを主原料として、これを重合して得られる樹脂である。光学用途としては、通常単独重合体が用いられるが、他の共重合可能なモノマー、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステルやメタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステルを10モル%以下共重合させたものも使用することができる。
重合方法は、特に制限されず、塊状重合、懸濁重合、溶液重合または乳化重合等の製造方法が用いられる。
【0021】
また、上記非晶性環状ポリオレフィン樹脂としては、例えばノルボルネン系モノマーの開環重合体の水素添加物が挙げられる。かかるノルボルネン系モノマーとしては、例えばノルボルネン、ジメタノオクタヒドロナフタレン、トリメタノドデカヒドロアントラセンおよびそれらのアルキル置換体やアルキリデン置換体、ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン、ジメタノオクタヒドロベンゾインデン、ジメタノデカヒドロベンゾインデン、ジメタノデカヒドロフルオレンおよびそれらのアルキル置換体等を挙げることができる。また、ハロゲン原子、エステル型残基、エーテル型残基、シアノ基等の極性の置換基を有するものであってもよい。これらの中でも、2官能以上のものは、射出成形が困難となり、1官能のものが好ましく使用される。
これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独で使用してもよいが、2種以上組合せて使用することもできる。
【0022】
また、共重合成分として、他のシクロオレフィン類、例えばシクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエン等を通常30重量%以下の範囲で用いることができる。
【0023】
また、分子量調節剤として、非環式オレフィンを用いてもよく、その中でも、特に1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等のα−オレフィンが好ましい。ノルボルネン系モノマーの開環重合体は、通常のノルボルネン類の重合法により製造されるが、重合触媒としては、周知のメタセシス触媒を使用することが好ましい。メタセシス触媒としては、四ハロゲン化チタン等の遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物等の有機金属を含む触媒系あるいはこれに脂肪族または芳香族第三級アミン等の第三成分を組合せた触媒系が好ましい。
【0024】
開環重合は、溶媒を用いなくても可能であるが、通常はベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素等の不活性有機溶媒中で実施される。また、通常重合温度は、−20℃〜100℃、重合圧力は0〜50kg/cm2以下の範囲から選択される。
【0025】
ノルボルネン系モノマーの開環重合体は、その水素添加物を光学用透明基板の材料とするためには、Tgが120〜200℃であることが望ましい。
ノルボルネン系モノマーの開環重合体の水素添加物は、周知の水素添加触媒を使用することにより製造される。
水添触媒としては、オレフィン化合物の水素化に際して一般に使用されているものであれば使用可能であり、例えばウィルキンソン錯体、酢酸コバルト/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリイソブチルアルミニウム、パラジウム−カーボン、ルチニウム−カーボン、ニッケル−けいそう土等を挙げることができる。
【0026】
水素化反応は、触媒の種類により均一系または不均一系で、1〜200気圧の水素圧下、0〜250℃で行われる。
水素添加率は、耐熱劣化性、耐光劣化性等の観点から、95%以上が好ましく、99%以上とすることが特に好ましい。
また、ノルボルネン系モノマーの付加重合体も非晶性環状ポリオレフィン樹脂の例として挙げられ、ノルボルネン系モノマーの単独重合体も使用されるが、エチレンを共重合させた共重合体が好ましく使用される。かかるノルボルネン系モノマーとしては、前述のものと同様のものが用いられる。
【0027】
本発明は、前記した被覆された樹脂基板をそのまま下記A工程〜C工程によって被覆層を樹脂基板から除去・分離することができ、樹脂成分を単離し回収することができる。
以下各工程について説明する。
【0028】
A工程:
この工程は、被覆された樹脂基板を少なくとも1つの一対ローラー間を通過させることによって圧延する工程である。この圧延工程では樹脂基板のローラーによって圧延される長さが元の長さに対して1.08〜2.0倍好ましくは1.1〜1.8倍となるように圧延される。一対ローラーの間隙は、樹脂基板が前記範囲で圧延されるように、樹脂基板の元の厚さよりも0.05〜0.8倍、好ましくは0.1〜0.7倍の間隙であるのが望ましい。この際ローラーの温度は30〜140℃、好ましくは60〜130℃の温度に維持されるのが望ましい。ローラーは一対でも或いは2〜3対でもよい。一対ローラーを用いて数回通過させることもできる。
【0029】
一対ローラーの回転方向は、通常互いに異なる方向であり、2つのローラーは同じ円周速度で回転していてもよく、円周速度に差を有していてもよい。その場合、円周速度の差は速度が小さい円周速度に対して、速度が大きい円周速度の倍率が1.05〜2倍程度であってもよい。しかし、本発明のA工程において一対ローラーの円周速度の差は、特に必要ではなく、実質的に同じでもよい。しかし一対ローラーの円周速度に差をつけると、より剪断が生じ易く有利になることがある。特に制限されないが相対するローラー間隙が0.1〜0.7mmでは周速差1cm/sec以上が好ましい。特に好ましくは3〜10cm/secであり、15cm/secを超えると極端な反り現象が生じ、以降の取扱いが困難になり好ましくない。圧延回数は多い方が有利であるが、ほとんどの場合、数回圧延すれば効果は十分得られるが、圧延方向を単一方向のみではなく、多方向に圧延させる方が剥離し易く有利である。さらにローラーを加熱し表面温度を樹脂のガラス転移温度以下に保つことは圧延する際の圧力を低減し機械寿命を延ばす点で有利である。
【0030】
使用されるローラーは、工業的に使用されるものであればよく、基本的には樹脂基板より硬く、変形を起こさない材質のものであれば特別なものを必要としない。例えば鋼材、メッキ鋼、ステンレス鋼等が挙げられる。なかでも錆防止の面でステンレス鋼が好ましい。
ローラーの表面は、鏡面、ナシ地加工された面或いはその他の凹凸加工が施されていてもよいが鏡面であるものが通常使用される。
このA工程では樹脂基板を圧延し、その長さ方向に圧延することが必要であり、樹脂基板の表面、殊に被覆層と樹脂基板に応力を掛けることは特に必要ではない。
【0031】
B工程:
前記A工程で得られた樹脂基板(以下“圧延された樹脂基板”ということがある)は、加熱水と接触される。このB工程は、特別の装置や薬剤を必要とせず、適当な大きさの容器(または槽)を利用し、加熱水が使用される。
このB工程においては、A工程で得られた圧延された樹脂基板が加熱水と接触し、被覆層と樹脂基板との間に歪が起こり、被覆層が除去し易くなる。
そのため、加熱水と圧延された樹脂基板とを両者が効果的に接触し、しかも樹脂基板同志が互いに絡み合うように、容器内で樹脂基板と加熱水とを流動させることが好ましい。樹脂基板同志が互いに接触し合い、離合を繰り返すことによって、被覆成分が基板から一層除去し易くなる。また、その際、加熱水の作用によっても除去が促進される。
【0032】
加熱水の温度は、50〜100℃の範囲が好ましく、70〜95℃の範囲が特に好ましい。加熱水の温度が50℃よりも低いと、時間が長くなり、また被覆成分の剥離除去が効果的に行われなくなる。
一方、加熱水の温度が100℃を超えると、加圧を必要とするので、装置が複雑となり、しかも高価となるばかりでなく、樹脂の劣化も生起するようになるので望ましくない。また、B工程において、樹脂基板と加熱水との接触は1回だけに限られず、2回以上に分けて接触させてもよく、樹脂基板と加熱水との接触時間は、その合計で通常10〜90分、好ましくは30〜60分の範囲とすることが実用的である。
【0033】
加熱水の成分としては、水のみで充分であるが、樹脂を溶解せず水に可溶性のある他の溶媒を20重量%以下、好ましくは10重量%以下含有していても差し支えない。かかる溶媒としては、アルコール、グリコールまたはケトンが挙げられるが、樹脂が芳香族ポリカーボネートの場合、アルコールであるのが好ましい。
前述したとおり、B工程は、樹脂基板が互いに離合を繰返し、また加熱水と樹脂基板が接触するような装置で実施される。具体的には、容器内に樹脂基板と加熱水とを入れ、この容器内において、樹脂基板同志が互いに離合し、加熱水と接触するように攪拌するか或いは容器を回転させる方法が採用される。
【0034】
B工程が実施される容器中において、樹脂基板と加熱水との割合は、その割合を適当な範囲とすることにより、樹脂基板の互いの離合を効果的に行うことができる。あまりに多量の加熱水の使用は、樹脂基板が効果的に離合せず、接触が充分に行われなくなる。好ましい範囲は、両者の合計に対して、基板の重量が0.1〜30重量%、特に好ましくは0.5〜15重量%である。最も好ましいのは、1〜10重量%の範囲である。
【0035】
また、容器中に回転ドラムを内装し、そのドラム中に樹脂基板および加熱水を入れ、ドラムを回転させることにより、樹脂基板を互いに離合を繰返させ、かつ樹脂基板と加熱水とを接触させる方法は好ましい態様である。
その際、回転ドラムの側壁に多数の細孔を有するものが適当である。回転ドラムの細孔は、除去した被覆成分を加熱水と共にドラム外へ分離するのに役立つ。
【0036】
回転ドラムの使用は、B工程の連続運転にも極めて効果的である。すなわち、加熱水を有する容器中に回転ドラムを設置し、その回転ドラムの一方の端部から樹脂基板を供給し、回転するドラム中で加熱水の存在下で樹脂基板同志を互いに離合させながら、除去した被覆成分をドラムの側壁に設けられた多数の細孔より加熱水と共にドラム外へ排出し、一方回転ドラムの他端より被覆成分が実質的に除去された樹脂基板を取り出す方法が好ましい。
【0037】
回転ドラムは、供給された樹脂基板が一方の端部から他方の端部へ回転に従ってゆっくり移動するような内部構造を有していることが望ましい。かかる構造としては、ドラムの内部にスパイラル状の仕切板が設けられているものが好ましい。また、ドラムは、樹脂基板が一定量滞留して後、次の区域に移動するようにいくつかの区域が設けられ、その区域間に堰が設けられていてもよい。回転ドラムは、縦型、横型或いは傾斜型のいずれでもよいが、横型或いはゆるやかな傾斜型が有利である。
また、回転ドラムの側壁の細孔から排出された被覆成分は、加熱水と共に容器外へ取り出し、その細片を濾別して加熱水は再び容器内へ戻して利用することができる。かくして少ない加熱水の循環使用が可能となり、熱の損失も少なくなる。
【0038】
C工程:
前記B工程においては、樹脂基板表面に塗布されていた被覆成分が実質的に除去され、その成分が加熱水中に分離される。
このC工程では、基板から除去した被覆成分を分離する工程である。このC工程は、特別の装置を必要としない。すなわち、基板から除去した被覆成分は、容器中に多量の水または加熱水を入れて、攪拌することによって分離することができる。
水または加熱水中に被覆成分を分散させて、容器外へ取り出すことによって分離することができる。また、必要ならば、さらに水または加熱水を加えてもよく、また水または加熱水を基板にシャワーすることによって被覆成分を除去し分離することができる。
【0039】
このC工程は、B工程と一緒の装置(容器)で実施することができ、その方が有利である。すなわち、樹脂基板の加熱水との接触(B工程)および除去した被覆成分の分離(C工程)とを1つの容器中で行う方法が有利であり、特に好ましくはこれらの工程を1つの容器中で連続的に実施する方法が有利である。
この連続的方法の1つは、前記B工程で説明したように、容器中に回転ドラムを内装した装置を使用し、B工程を実施し、その回転ドラムの側壁に設けられた細孔を通して除去した被覆成分を加熱水と共にドラム外へ排出せしめ、次いで容器外へ被覆成分を加熱水と一緒に取り出すことによりC工程を実施する方法である。この回転ドラムを使用する方法は、B工程およびC工程を連続的に実施することが容易に可能であり、しかも多量に樹脂基板を処理することができるので好ましい。
本発明において、前記A工程、B工程およびC工程を連続して実施することができ、工業的に有利である。
【0040】
前記した本発明のA工程〜C工程により、金属薄膜および印刷塗膜との層が被覆された光学式情報記録媒体から、被覆層を選択的かつ効率的に除去でき、樹脂基板を高い回収率でしかも物性の劣化が少なく回収することができる。
特に、本発明のA工程〜C工程は、方法が簡単でかつ複雑な装置を必要とせず、小さな装置で大量の樹脂基板を処理することができる。
【0041】
本発明者らの研究によれば、本発明方法の工業的なプロセスとして下記工程の組合せが優れていることが見出された。すなわち、樹脂製の基板の少なくとも片面に、金属薄膜層、印刷塗膜層または金属薄膜と印刷塗膜との層が被覆された光学式情報記録媒体から、該樹脂を回収するに当り、
(1)該記録媒体を少なくとも1つの一対ローラー間へ供給して圧延し(A工程)、
(2)圧延された記録媒体を、細孔を有する回転ドラムの一方の端部へ供給し、該回転ドラム中で記録媒体を互いに絡み合わせながら加熱水と接触させ(B工程)、
(3)該記録媒体から除去した被覆成分の実質量を回転ドラムの細孔から分離し、回転ドラムの他方の端部から樹脂成分を取り出す(C工程)
ことを特徴とする樹脂の回収法である。
【0042】
本発明によって回収された樹脂基板は、被覆層を含有せず、品質も殆ど劣化しておらず、そのまま溶融して再利用することができる。また、同種の樹脂と混合して使用することもできるし、また他の樹脂とブレンドして利用することもできる。例えばポリカーボネート樹脂の樹脂基板の場合、回収された樹脂基板はそのまま、または同じポリカーボネート樹脂或いは種類の異なる他のポリカーボネート樹脂と混合して再利用して成形品として利用することができる。また、ABS樹脂やポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂と混合して再利用し成形品を得ることができる。
【0043】
実施例
以下に実施例を挙げてさらに本発明を説明する。なお、評価項目と測定方法は次のとおりに行った。
(1)剥離状態・・・残留する被覆層をC工程後の樹脂基板の剥離度を目視による3段階評価とし、剥離状態3を合格とした。
剥離状態=3:全被覆層が剥離した状態
剥離状態=2:非剥離の被覆層が部分的もしくは点状に残存または多層被覆層の一部の層が全面に残存した状態
剥離状態=1:被覆層が全く剥離していない状態
(2)成形品外観・・・目視により、異物の有無を確認した。
(3)衝撃値・・・Vノッチ付きアイゾッド衝撃値を厚み1/8インチの試験片でASTM D256に従って測定した。
(4)平均分子量・・・ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は溶媒として塩化メチレンを使用してHugginsの式
ηsp/c=[η]+k'[η]2c、k'=0.45
により極限粘度[η]を求め、Schnellの式
[η]=1.23×10-40.83
によりMを求めた。
(5)吸水率・・・1辺が50±1mm、厚み3±0.2mmの正方形の板を状態調整として50℃に保った恒温槽中で24時間乾燥し、デシケータ中で放冷する。試験片は浸漬液(新しい蒸留水)に20℃で24時間浸漬し、重量変化を計測して吸水率を求めた。
【0044】
実施例1
粘度平均分子量15,100、吸水率0.20重量%で2価フェノール成分がビスフェノールAのポリカーボネート樹脂製基板(1.2mm)/アルミ蒸着層(0.1μm)/UVコート層(5〜10μm)/レーベル印刷層(20μm)の構成からなる樹脂基板A(直径12cm)を相対するロール間隙が0.4mmで、表面温度を130℃に設定した大竹機械工業製2本ロール機にて圧延(A工程)した。この時の圧延条件はロール回転数=高速側16rpm、低速側14rpm、ロール径=12インチ、ロール巾=24インチとした。圧延された樹脂基板は、その長さ(長径)が13.8cmとなり、元の基板の長さの1.15倍に圧延され、その全面の被覆層にクラックが生じていた。次に熱水処理として95℃の加熱水に45分間浸漬し、膨潤させながら攪拌した。この時の樹脂基板の割合は、樹脂基板と加熱水との合計に対して3重量%とし、被覆成分を除去させた(B工程)。次に水洗を施し、被覆成分を除去した透明なポリカーボネート樹脂基板を回収した(C工程)。
得られたポリカーボネート樹脂基板を粉砕し、常法によりペレット化し、120℃で5時間乾燥した後、日本製鋼所(株)製射出成形機により270℃で試験片を成形した。成形品中に異物は観察されず、表面上に凹凸も認められなかった。また衝撃値も5kgf・cm/cmであり、試験片の粘度平均分子量は15,000で、初期のポリカーボネート樹脂とほぼ同等のものであった。
【0045】
実施例2、3
表1の各種樹脂板を用い、表1の条件以外は実施例1と同様に実施し、結果を表1に示した。
なお、表1〜3で使用した樹脂板の構成は以下のとおりである。
樹脂板A:基板/アルミ蒸着層/UVコート層/レーベル印刷層
樹脂板B:基板/アルミ蒸着層/UVコート層
樹脂板C:レーベル印刷層/基板/アルミ蒸着層/UVコート層/レーベル印刷層
樹脂板D:基板/アルミ蒸着層/UVコート層/レーベル印刷層
樹脂板E:基板/アルミ蒸着層/UVコート層/アクリル系接着剤層/UVコート層/アルミ蒸着層/基板
【0046】
ここで、樹脂板A〜Cの基板は厚さ1.2mm、吸水率0.20重量%、粘度平均分子量15,100で2価フェノール成分がビスフェノールAの芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製)製基板であり、アルミ蒸着層の厚さは0.1μm、UVコート層(保護コート層)の厚さは5〜10μm、レーベル印刷層の厚さは20μmである。
また樹脂板Dの基板は、粘度平均分子量15,000で吸水率0.19重量%の共重合ポリカーボネート樹脂製の基板であり、この共重合ポリカーボネートは二価フェノール成分がビスフェノールAと1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの70:30(モル%)の共重合体である。
【0047】
また樹脂板Eの基板は厚さ0.6mm、吸水率0.20重量%、粘度平均分子量15,100で2価フェノール成分がビスフェノールAの芳香族ポリカーボネート(帝人化成(株)製)製であり、アルミ蒸着層の厚さは0.1μm、UVコート層(保護コート層)の厚さは5〜10μmである。これら2枚を芳香族ポリカーボネート面が外側になるようにアクリル系紫外線硬化型接着剤で貼り合わせ、総厚みが1.2mmになるようにしたものである。
【0048】
【表1】
Figure 0004091674
【0049】
実施例4〜7
圧延用ロール機として等速回転の大竹機械工業製2本ロール機(ロール径=12インチ)を用い、ロール回転数を共に14rpmとして、表2の各種樹脂板を用いて表2の条件以外は実施例1と同様に実施し、結果を表2に示した。
【0050】
【表2】
Figure 0004091674
【0051】
実施例8
粘度平均分子量15,100で吸水率0.20重量%の実施例1と同様のポリカーボネート樹脂製基板(1.2mm)/アルミ蒸着層(0.1μm)/UVコート層(5〜10μm)/レーベル印刷層(20μm)の構成からなる樹脂基板Aを、洗浄機へ連続的に供給し、樹脂基板表面のほこりを除くために40℃の温水で1.5秒間洗浄を行った。連続的に排出された樹脂基板は、次々とロール間隙が0.2mmで、表面温度を130℃に設定した大竹機械工業製2本ロール機にて圧延した(A工程)。この時の圧延条件は、ロール回転数=高速側16rpm、低速側14rpm、ロール径=12インチ、ロール巾=24インチとした。圧延された樹脂基板は、その長さ(長径)が15.8cmとなり、元の基板の長さの1.32倍に圧延され、その全面の被覆層にクラックが生じていた。
【0052】
連続的に排出された圧延された樹脂基板は、次々とコンベアによって運ばれ、回転ドラムの一方の端部へ供給した。この回転ドラムは、側壁に17mmの細孔を有し、またドラム内は3枚の堰板により4つの区域が設けられており、樹脂基板が一定量滞留するとドラムの回転により次の区域へ移動するような構造となっている。圧延された樹脂基板がドラム内を45分間滞留するように、ドラムの回転数と堰板を調整し、樹脂基板の割合が樹脂基板と加熱水との合計に対して5重量%となるように95℃の加熱水と接触させた(B工程)。かかる樹脂基板から除去された被覆成分は、加熱水と共に細孔から分離し、被覆成分が実質的に除去された樹脂基板が、回転ドラムの他方の端部から連続的に排出された(C工程)。
得られた樹脂基板を粉砕し、常法によりペレット化し、120℃で5時間乾燥した。その後、日本製鋼所(株)製射出成形機により270℃で試験片を成形した。成形品中に異物は観察されず、表面上に凹凸も認められなかった。また、衝撃値も5kgf・cm/cmであり、試験片の粘度平均分子量は15,000で、初期のポリカーボネート樹脂とほぼ同等のものであった。
【0053】
実施例9、10
表3の各種樹脂板を用い、表3の条件以外は実施例8と同様に実施し、結果を表3に示した。
【0054】
【表3】
Figure 0004091674
【0055】
実施例11〜14
圧延用ロール機として等速回転の大竹機械工業製2本ロール機(ロール径=12インチ)を用い、ロール回転数を共に14rpmとして、表4の各種樹脂板を用いて表4の条件以外は実施例8と同様に実施し、結果を表4に示した。
【0056】
【表4】
Figure 0004091674
【0057】
比較例1
樹脂基板Aを圧延工程や加熱水と接触させる工程等を行わずに、そのまま細かく砕き、実施例1と同様にペレット化し、試験片を成形した。その結果を表5に示した。
比較例2
樹脂基板Aを圧延工程を行わずに、120℃の加熱水と660分接触させた。その後かかる樹脂基板を細かく砕き、実施例1と同様にペレット化し、試験片を成形した。その結果を表5に示した。
比較例3
樹脂基板Aを表5の条件で実施例1と同様に圧延を行った。この圧延された樹脂基板を加熱水と接触させることなく細かく砕き、実施例1と同様にペレット化し、試験片を作成した。その結果を表5に示した。
【0058】
【表5】
Figure 0004091674
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、従来ほとんど無価値で産業廃棄物として処理されていた光学式情報記録媒体から容易に樹脂成分を回収し、再利用することを可能にし、光学式記録媒体産業の発展や地球環境保護から資源のリサイクルに大きく貢献するものであり、工業的に極めて有効である。しかもそのプロセスは簡単であり、公害の発生がなく工業的に有利である。

Claims (17)

  1. 樹脂製の基板の少なくとも片面に、金属薄膜層、印刷塗膜層または金属薄膜と印刷塗膜との層が被覆された光学式情報記録媒体から、該樹脂を回収するにあたり、下記工程
    (1)該記録媒体を少なくとも1つの一対ローラー間を通過させて圧延する工程(A工程)、
    (2)圧延された記録媒体を加熱水と接触させる工程(B工程)、
    (3)該記録媒体から除去された被覆成分の実質量を分離し、樹脂成分を回収し、取得する工程(C工程)
    よりなり、B工程およびC工程は、側壁に細孔を有する回転ドラムを内装した容器中で実施することを特徴とする樹脂の回収法。
  2. B工程において、圧延された記録媒体を互いに絡み合わせながら、加熱水と接触させる請求項1記載による回収法。
  3. B工程およびC工程は、1つの容器中で実施する請求項1記載による回収法。
  4. A工程において記録媒体は、元の長さの1.08〜2倍に圧延される請求項1記載による回収法。
  5. A工程における一対ローラーの温度は、30〜140℃の範囲である請求項1記載による回収法。
  6. B工程における加熱水の温度は、50〜100℃の範囲である請求項1記載による回収法。
  7. B工程の接触時における記録媒体および加熱水の割合は、両者の合計重量に対し、記録媒体の重量が0.1〜30%の範囲である請求項1記載による回収法。
  8. C工程において、除去された被覆成分の実質量を加熱水と共に分離する請求項1記載による回収法。
  9. A工程、B工程およびC工程を連続して実施する請求項1記載による回収法。
  10. 光学式情報記録媒体が、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂または非晶性環状ポリオレフィン樹脂よりなる基板より形成されている請求項1記載による回収法。
  11. 光学式情報記録媒体が、ポリカーボネート樹脂よりなる基板より形成されている請求項1記載による回収法。
  12. 光学式情報記録媒体が、アルミニウム金属薄膜層を有するコンパクトディスクである請求項1記載による回収法。
  13. 光学式情報記録媒体が、アルミニウム金属薄膜層を有するDVDである請求項1記載による回収法。
  14. 樹脂製の基板の少なくとも片面に、金属薄膜層、印刷塗膜層または金属薄膜と印刷塗膜との層が被覆された光学式情報記録媒体から、該樹脂を回収するにあたり、
    (1)該記録媒体を少なくとも1つの一対ローラー間へ供給して圧延し(A工程)、
    (2)圧延された記録媒体を、細孔を有する回転ドラムの一方の端部へ供給し、該回転ドラム中で記録媒体を互いに絡み合わせながら加熱水と接触させ(B工程)、
    (3)該記録媒体から除去された被覆成分の実質量を回転ドラムの細孔から分離し、回転ドラムの他方の端部から記録媒体を取り出す(C工程)
    ことを特徴とする樹脂の回収法。
  15. B工程における回転ドラムは、一方の端部から他方の端部に向かってドラムの回転により記録媒体が移動するような内部構造を有している請求項14記載による回収法。
  16. A工程において、記録媒体は、元の長さの1.08〜2倍に圧延される請求項14記載による回収法。
  17. B工程における加熱水の温度は、50〜100℃の範囲である請求項14記載による回収法。
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