JP7360877B2 - 鉛蓄電池用セパレータ、および鉛蓄電池 - Google Patents

鉛蓄電池用セパレータ、および鉛蓄電池 Download PDF

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Description

本発明は、鉛蓄電池用セパレータ、およびそれらを用いた鉛蓄電池等に関する。
鉛蓄電池は、車載用途(例えば、乗用車、バス、トラック、二輪車、及びゴルフカート)又は産業用途(例えば、フォークリフト、耕作機械、鉄道、UPS、及び通信機器)等において、世界的に幅広く利用されている。
鉛蓄電池用セパレータは、正極と負極の間のイオン伝導を担保しつつ、正極と負極の短絡を防ぐ役割を持つ多孔体として使用される。特に、正極と負極の短絡を防ぐことは、電池の安全性を担保するうえで重要である。電池の安全性の指標として、絶縁破壊電圧を測定することによる耐電圧特性の評価が存在する。鉛蓄電池の安全性の担保のためには、鉛蓄電池用セパレータの耐電圧特性を向上させることが望まれる。
鉛蓄電池用セパレータは一般に微多孔構造を持つ膜体であり、その耐電圧特性は、膜体の物性、又は微多孔の構造の影響を受けることが考えられる。すなわち、孔径などのパラメータを制御することによって、耐電圧特性を改善することができるならば、電池の安全性を向上させることが可能である。
特許文献1には、ポリオレフィン又はガラスを含有成分とする不織布に、特定の量の無機粒子を加えることで、最大孔径が8以上25μm以下、平均流量孔径が2.5~6μmの範囲に制御された電池セパレータを作製する技術が公開されている。
米国特許出願公開第2017/0373293号明細書
しかしながら、特許文献1では、鉛蓄電池の電解液として使用される酸の成層化距離(stratification distance)及び充填時間(filling time)に基づいた拡散速度が評価されており、耐電圧特性への効果は不明である。耐電圧特性を向上させるための、鉛蓄電池用セパレータの物性、又は微多孔構造の要件を明らかにすること必要がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、高い耐電圧特性を示す鉛蓄電池用セパレータを提供することを目的とする。
上記課題は、以下の技術的手段により解決される。
[1]
粒子および繊維を含む鉛蓄電池用セパレータであって、前記鉛蓄電池用セパレータが多孔体であり、かつ前記鉛蓄電池用セパレータの最大孔径が8μm未満を満たすことを特徴とする鉛蓄電池用セパレータ。
[2]
前記粒子が無機粒子である、項目1に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[3]
前記粒子の平均粒子径が6μm以上18μm未満である、項目1または2に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[4]
前記無機粒子がシリカ粒子である、項目1~3のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[5]
前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して、前記粒子が5~50質量部含まれる、項目1~4のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[6]
前記鉛蓄電池用セパレータが前記繊維として無機繊維を含み、かつ
前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して、該無機繊維が10質量部以上含まれる、項目1~5のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[7]
前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して、前記無機繊維が10~60質量部含まれる、項目6に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[8]
前記無機繊維がガラス繊維である、項目6または7に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[9]
前記鉛蓄電池用セパレータが樹脂バインダーを含み、かつ
前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して、該樹脂バインダーの固形分が5~50質量部含まれる、項目1~8のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[10]
前記樹脂バインダーが、アクリル系樹脂バインダー、および/またはスチレン系樹脂バインダーである、項目9に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[11]
前記鉛蓄電池用セパレータが前記繊維として有機繊維を含み、かつ
前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して、該有機繊維が10質量部以上含まれる、項目1~10のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[12]
前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して、前記有機繊維が10~60質量部含まれる、項目11に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[13]
前記有機繊維の表面の一部又は全面が、融点220℃以下である、項目11または12に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[14]
前記有機繊維の表面の一部又は全面が、融点200℃未満である、項目11~13のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[15]
前記有機繊維が芯鞘型バインダー繊維である、項目11~14のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[16]
前記芯鞘型バインダー繊維は、芯部が融点200℃以上のポリエステルであり、かつ鞘部が融点200℃未満のポリエステルである、項目11~15のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[17]
前記鉛蓄電池用セパレータの密度が、280g/m以上である、項目1~16のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[18]
前記鉛蓄電池用セパレータの最大孔径が、1μm以上を満たす、項目1~17のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[19]
電槽、酸化鉛正極、鉛負極、および希硫酸を含む鉛蓄電池であって、前記酸化鉛正極と前記鉛負極の間に、項目1~18のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータが配置された鉛蓄電池。
[20]
電槽、酸化鉛正極、鉛負極、および希硫酸を含む鉛蓄電池であって、前記酸化鉛正極と前記鉛負極の間に、耐電圧値が1kV以上である鉛蓄電池用セパレータが配置された鉛蓄電池。
本発明によれば、高い耐電圧特性を示す鉛蓄電池用セパレータを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
≪鉛蓄電池用セパレータ≫
本実施の形態に係る鉛蓄電池用セパレータ(以下、セパレータと略記することがある。)は、粒子および繊維を含む多孔体であり、最大孔径が8μm未満であることを満たす。本実施の形態に係るセパレータを使用することで、高い耐電圧特性を実現することができる。セパレータの最大孔径は、高い耐電圧特性を得るという観点から、好ましくは8.0μm未満であり、より好ましくは7.8μm以下であり、更に好ましくは7.6μm以下であり、更に好ましくは7.4μm以下であり、更に好ましくは7.2μm以下であり、更に好ましくは7.0μm以下であり、更に好ましくは6.5μm以下であり、更に好ましくは6.0μm以下であり、更に好ましくは5.5μm以下であり、更に好ましくは5.0μm以下であり、更に好ましくは4.5μm以下であり、更に好ましくは4.0μm以下であり、更に好ましくは3.5μm以下であり、更に好ましくは3.0μm以下であり、更に好ましくは2.5μm以下であり、更に好ましくは2.0μm以下であり、また最大孔径の下限値は、1μm以上であることができる。
セパレータは、基板となる繊維および粒子に加え、樹脂バインダーを含むことができる。繊維としては、無機繊維、芯鞘型バインダー繊維、有機繊維(芯鞘型バインダー繊維を除く)など、種々の形態の繊維を用いることができる。以下、本発明に関する内容を細分化し、詳細に説明する。なお、本明細書では、各種部材の質量部を記載する際に、A~B質量部という表記を行っているが、これはA質量部以上かつB質量部以下を意味する。また、本明細書では、説明の便宜上、重量は、その単位がgで表されており、質量(g)と互換可能なものである。
≪粒子≫
粒子を本実施の形態に係るセパレータと複合化することによって、細孔を作ることができる観点、及び/又は複数の繊維間の空隙部分に粒子を保持してセパレータの細孔径を小さくすることで、セパレータが鉛蓄電池内部でセパレータとして使用されたときに、耐電圧特性を高める、またはデンドライトショート又は活物質がセパレータに入り込むことによる短絡を抑制する観点から、本実施の形態に係るセパレータは、粒子を含むことが好ましい。この観点から、粒子としては、無機粒子、有機粒子、及び有機-無機複合粒子のいずれでも、特に限定なく用いることができる。有機粒子及び有機-無機複合粒子は、無機粒子と比較して一般的に密度が低いことが多い為、粉体取り扱い時に空間中に粒子が飛散し難い無機粒子であることが好ましい。
有機粒子及び有機-無機複合粒子を使用する場合、セパレータの製造時(特に加熱工程)にセパレータ中に粒子形状を残したまま複合化することで、セパレータに細孔を形成することができる。セパレータ中に粒子形状を残す観点から、有機粒子及び有機-無機複合粒子に含まれる有機成分の融点は、後述する芯鞘型バインダー繊維の鞘の融点より高いことが好ましい。この観点において、有機粒子及び有機-無機複合粒子に含まれる有機成分の融点は、芯鞘型バインダー繊維の鞘の融点より5℃以上高いことが好ましく、より好ましくは10℃以上高いことであり、更に好ましくは20℃以上高いことであり、より更に好ましくは100℃以上高いことである。
無機粒子の材料の例としては、シリカ(沈降法シリカ、ゲル化法シリカ、ヒュームドシリカ等)、アルミナ、硫酸塩(例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウム)、チタニア(ルチル型、アナターゼ型)、ギブサイト、バイヤライト、ベーマイト、ジルコニア、マグネシア、セリア、イツトリア、酸化亜鉛及び酸化鉄等の酸化物系セラミックス;窒化ケイ素、窒化チタン及び窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス;シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、チタン酸カリウム、タルク、合成カオリナイト、カオリンクレー、カオリン(カオリナイト、ディク石、ナルク石)、焼成カオリンフライボンタイト、スチブンサイト、ディカイト、ナクライト、ハロイサイト、パイロフィライト、オーディナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、ボルコンスコアイト、サポナイト、ヘクトライト、フッ素ヘクトライト、ソーコナイト、スインホルダイト、バーミキュライト、フッ素バーミキュライト、バーチェリン、セリサイト、アメサイト、ケリアイト、フレイポナイト、プリンドリアイト、ベントナイト、ゼオライト、黒雲母、金雲母、フッ素金雲母、鉄雲母、イーストナイト、テニオライト、シデロフィライト、テトラフェリ鉄雲母、鱗雲母、フッ素四ケイ素雲母、ポリリシオナイト、白雲母、セラドン石、鉄セラドン石、鉄アルミノセラドン石、アルミノセラドン石、砥部雲母、ソーダ雲母、クリンナイト、木下、ビテ雲母、アナンダ石、真珠雲母、クリノクロア、シャモサイト、ペナンタイト、ニマイト、ベイリクロア、ドンバサイト、クッケアサイト、スドーアイト、ハイドロタルサイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ藻土及びケイ砂等が挙げられる。
上記例示の中でも、セパレータに使用する粒子としては、耐酸性及び耐酸化性に優れ親水性の高い、シリカ、アルミナ、カオリン、チタニア、ケイ酸アルミニウム又は硫酸バリウムの粒子が好ましい。鉛蓄電池において、電解液である硫酸が電槽上下で比重差を生ずる現象である成層化を抑制するためには、電解液中において硫酸イオン濃度を空間的に均一に保つことが必要である。硫酸イオンを均一化するためには、電池反応により電極表面から放出される硫酸イオンの沈降を、セパレータによって抑制する必要がある。そのために、無機粒子の表面に硫酸イオンを静電気的相互作用で吸着・保持する観点から、アルミナ、シリカ又はカオリン等の粒子を使用することがより好ましい。また、本実施の形態に係るセパレータによって、鉛蓄電池の正極及び負極に形成される導電性の低いサルフェーションを微細化する観点から、無機粒子に硫酸バリウムを使用することが好ましい。
本実施の形態に係る粒子は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
粒子の粒子径は、セパレータに微細な細孔を形成する観点から、18μm未満が好ましく、より好ましくは17μm以下であり、更に好ましくは16μm以下であり、更に好ましくは15μm以下であり、更に好ましくは14μm以下であり、更に好ましくは13μm以下であり、又は更に好ましくは12μm以下である。該粒子径は、セパレータの全体に微細な細孔を形成する観点から、平均粒子径であることが好ましい。また、粒子がセパレータを構成する繊維のネットワークに保持され易くする観点、および粒子が保持されることによってセパレータに微細な細孔を形成する観点から、粒子の粒子径は、6μm以上が好ましく、より好ましくは7μm以上であり、更に好ましくは8μm以上であり、更に好ましくは9μm以上であり、又は更に好ましくは10μm以上である。該粒子径は、セパレータの全体に微細な細孔を形成する観点から、平均粒子径であることが好ましい。
本明細書における粒子径d(μm)は、走査型電子顕微鏡(SEM)にてセパレータの断面を観察する際に観察される粒子の直径である。観察される粒子が真球状ではない場合の前記粒子径dは、該観察から確認される前記粒子の最大直径をd(μm)とし、前記粒子の最小直径をd(μm)として、下記式:
d=(d+d)/2
より求めるものとする。また、本明細書における平均粒子径は、前記観察時に無作為に選定した50個の粒子に関して、上記手法で各々の粒子径dを求め、該50個分の粒子径の相加平均値より求める値である。例えば、無機粒子の平均粒子径とは、前記観察時に無作為にセパレータから選定した50個の無機粒子に関して、上記手法で各々の粒子径dを求め、該50個分の粒子径より求める相加平均値である。
≪繊維≫
本実施の形態に係るセパレータは、セパレータが繊維の絡み合いによって強度が高まる観点、及び/又は上記で説明された粒子を複数の繊維間に保持して細孔径を小さくする観点から、繊維を含むことが好ましい。これらの観点から、繊維は、無機繊維と有機繊維のいずれでも、特に限定なく用いることができる。有機繊維の場合には、その表面の一部又は全面が、好ましくは220℃以下の融点を有し、より好ましくは200℃未満の融点を有する。なお、本明細書における繊維径は、セパレータに含まれる繊維に関して、走査型電子顕微鏡(SEM)によるセパレータの断面観察を行うことで観察される繊維の繊維径Φ(μm)である。繊維断面が真円ではない場合の前記繊維径Φは、前記繊維断面の内接円の直径をΦ(μm)とし、前記繊維断面の外接円の直径をΦ(μm)として、下記式:
Φ=(Φ+Φ)/2
より求めるものとする。また、本明細書における平均繊維径は、セパレータの断面観察で無作為にセパレータから選定した50本の繊維に関して、上記手法で各々の繊維径Φを求め、該50本分の繊維径の相加平均値より求める値である。例えば、無機繊維の平均繊維径とは、前記観察で無作為に選定した50本の無機繊維に関して、上記手法で各々の繊維径Φを求め、該50本分の無機繊維径より求める相加平均値である。
≪無機繊維≫
無機繊維の材料の例としては、前記無機粒子の材料の例で示した材料が挙げられる。中でも、ガラス繊維、アルミナ繊維を使用することで、電解液である希硫酸との濡れ性が向上し、電解液がセパレータ内部に浸透し易くなる。その結果、鉛蓄電池の充電時に電極から発生する酸素及び水素ガスが、セパレータ内に保持されることを抑制し、電気抵抗の上昇を抑制することができる。この観点から、本実施の形態に係るセパレータは、無機繊維を含んでいることが好ましく、中でも、ガラス繊維又はアルミナ繊維等の無機繊維を含んでいることが好ましい。また、鉛蓄電池の成層化を抑制する観点からも、セパレータはガラス繊維又はアルミナ繊維等の無機繊維を含んでいることが好ましい。ガラス繊維の中でも、鉛蓄電池の電解液である希硫酸に対する耐酸性を考慮すると、耐酸性に優れた組成(例えば、Cガラス組成)を使用することが好ましい。また、繊維同士の絡み合いによるセパレータの膜強度向上の観点から、ウール状のガラス繊維を使用することが好ましい。
また、無機繊維による網目構造によって、セパレータ内に微細な細孔を形成する観点、及び/又は上述した鉛蓄電池の電槽内における成層化を抑制する観点から、無機繊維の平均繊維径は、500μm以下が好ましく、より好ましくは100μm以下であり、更に好ましくは50μm以下であり、更に好ましくは30μm以下であり、更に好ましくは20μm以下であり、更に好ましくは10μm以下であり、更に好ましくは5μm以下であり、更に好ましくは3μm以下であり、更に好ましくは2μm以下であり、更に好ましくは1μm以下であり、又は更に好ましくは1μm以下である。また、製造上の難易度から、無機繊維の平均繊維径は、0.05μm以上が好ましく、より好ましくは0.1μm以上であり、更に好ましくは0.3μm以上であり、より更に好ましくは0.5μm以上である。
≪芯鞘型バインダー繊維≫
本実施の形態に係るセパレータは、芯鞘型バインダー繊維を含むことによって、芯鞘型バインダー繊維がセパレータ内部で三次元的網目構造を形成し、かつ該網目構造は鞘の融解成分によって強固に結着される為、高い耐熱性、特に希硫酸中での高い耐熱性(重量保持性、及び形状保持性)を示す。
本明細書における芯鞘型バインダー繊維とは、繊維(芯)表面の一部又は全面が、融点220℃以下の有機成分(鞘)で被覆された繊維であり、かつ、前記芯の融点は前記鞘の融点より高い繊維と定義する。一般的に、湿式抄造工程で使用される湿紙乾燥工程が200℃以下であることを考慮すると、該芯鞘型バインダー繊維表面の一部又は全面が融点200℃未満であることがより好ましい。前記芯表面の全てを前記鞘が被覆している必要はないが、芯鞘型バインダー繊維と周辺材料とを均一かつ強く結着させる観点から、芯鞘型バインダー繊維(芯)表面の好ましくは20%以上の面積が、より好ましくは50%以上の面積が、更に好ましくは70%以上の面積が、最も好ましくは100%の面積が、鞘で被覆される。例えば、サイド-バイ-サイド型バインダー繊維(融点の異なる2種以上の繊維が、繊維長手方向に同一繊維として複合化された繊維)のように、繊維(芯)の表面の一部が、該芯より低融点の有機成分(鞘)で被覆されたものも、広義の意味で本実施の形態に係る芯鞘型バインダー繊維に含むものとする。また、鞘は1種の組成に限定されることは無く、2種以上の鞘組成が芯を被覆していてもよい。その場合、芯鞘型バインダー繊維に含まれる最も融点の高い繊維を芯とする。セパレータ中での複数種の材料間の均一な結着を考慮すると、芯表面が全て1種の組成の鞘で被覆された芯鞘型バインダー繊維が好ましい。また、セパレータ中での複数種の材料間の均一な結着を考慮すると、芯表面の全面が有機成分(鞘)で被覆されていることが好ましい。芯鞘型バインダー繊維を繊維長手方向に対して垂直かつ短手方向にカットした断面は円形である必要は無いが、セパレータのその他の材料と均一に結着する観点を考慮すると、円形であることが好ましい。該断面に占める芯の形状も任意に決定されることができ、同様の観点を考慮すると円形であることが好ましい。また、無機繊維表面(例えばガラス繊維)が融点220℃以下の有機成分(鞘)で被覆され、かつ、前記無機繊維の融点が前記有機成分の融点より高い繊維も、広義において本実施の形態に係る芯鞘型バインダー繊維に含まれるものとする。なお、本明細書では、上記無機繊維表面を融点200℃未満の有機成分(鞘)で被覆した繊維は、芯鞘型バインダー繊維とみなし、上述した無機繊維(無機成分のみから成る繊維)とは区別する。軽いセパレータを作製する観点、及びセパレータの高密度化(プレス加工等)時に掛かる応力で無機繊維が折れ易く、切れ易いという観点を考慮すると、芯鞘型バインダー繊維の芯と鞘の双方が有機成分であることが好ましい。
なお、本明細書における融解成分とは、上記で説明された芯鞘型バインダー繊維の鞘を意味する。また、本実施の形態に係る芯鞘型バインダー繊維の非融解成分とは、該芯鞘型バインダー繊維の芯を意味する。
また、本明細書における融点とは、空気中で材料を室温から10℃/minの昇温速度で加熱した際に、材料が融解変形し始める融解温度である。なお、該融解には、形状変化を伴う軟化も含まれるものとする。例えば、特定の芯鞘型バインダー繊維を他の材料(例えば、繊維又は粒子又は樹脂バインダー等)と接点を持つ状態で静置し、室温から10℃/minの昇温速度で220℃まで加熱し、その後室温まで冷却した時に、該芯鞘型バインダー繊維表面が融解変形して、他の材料と融着点を形成している場合、又は、該芯鞘型バインダー繊維の断面形状が変化している場合、該芯鞘型バインダー繊維の融解成分の融点は220℃以下である。
芯鞘型バインダー繊維は、例えば湿式抄造プロセスの加熱乾燥時(例えば、鞘の融点以上、芯の融点未満の温度による乾燥)に、芯が融解せず繊維状に残る為、融解成分が、芯周辺に留まり易く、他の材料(例えば、無機繊維、粒子等)に融解成分が濡れ広がり難い。その為、セパレータの細孔が埋まって電気抵抗が高くなることを抑制する。また、加熱乾燥時に鞘が融けた際、セパレータ内に芯が繊維状に残る為、芯繊維の網目構造と鞘由来の融解成分の結着により、セパレータ内に強固な3次元網目構造が出来、セパレータの強度が高くなる。また、セパレータの高い膜強度と低い電気抵抗を両立する観点から、本実施の形態に係る芯鞘型バインダー繊維の融解成分は、融点220℃以下のポリエステルであることが好ましい。他方、芯鞘型バインダー繊維の非融解成分としては、融点200℃以上のポリエステルが好ましい。融点が200℃未満の融解成分の場合、比較的低い加熱乾燥温度でセパレータを作製することが可能である。また、バインダー繊維として、全融解型バインダー繊維も知られているが、同じ長さかつ同じ直径の芯鞘型バインダー繊維と比較して、繊維に占める融解成分の割合が多い為、他の材料(例えば繊維、粒子等)に濡れ広がり易く、結果としてセパレータの電気抵抗が上昇し易い。また、全融解型バインダー繊維を融点以上に加熱すると、芯鞘型バインダー繊維の芯部のように融け残る成分が無い為、繊維全体が融解して他の材料に濡れ広がり易く、結果として融解成分が痩せ細った領域が形成され、芯鞘型バインダー繊維と比較して、セパレータの機械的膜強度が低くなることから、本実施の形態に係るセパレータは、芯鞘型バインダー繊維を使用することが好ましい。
本実施の形態に係る芯鞘型バインダー繊維は、特定の樹脂組成に限定されるものではないが、その芯鞘型バインダー繊維の芯組成としては、鉛蓄電池の電解液の希硫酸に対して化学的に安定な、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ-1,3-トリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)等が例示でき、低価格で比重が水より大きい(すなわち、水系スラリー作製時にスラリー表面に浮遊し難い)PETが好ましい。また、前記芯は、ガラス又はアルミナ等の無機成分であっても良い。
芯鞘型バインダー繊維の鞘組成の例としては、低温で鞘を融解させる観点から有機成分であることが好ましく、融点200℃未満のポリエステル、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、EVOH(エチレン・ビニル共重合体)等が例示でき、中でも鉛蓄電池の電解液の希硫酸に対して化学的に安定な、ポリエステル、ポリエチレン、及びポリプロピレンが好ましい。融解成分が親水材料の無機粒子又はガラス繊維に濡れ広がり難く、かつ、セパレータの細孔を埋め難く、かつ、抵抗上昇を抑制し易いポリエステルが好ましく、セパレータ製造時の加工温度を下げる観点から、融点200℃未満のポリエステルであることがより好ましい。
また、本実施の形態に係る芯鞘型バインダー繊維においては、非晶性の鞘と結晶性の鞘のいずれを選択してもよい。非晶性の場合は、芯鞘型バインダー繊維の融解成分による結着性に優れ、そして結晶性の場合は、耐酸化性、耐薬品性等に優れる。鞘の例として、非晶性のポリエステル、結晶性のポリエステルが例示できる。これらのポリエステルは、加工温度を下げる観点から融点200℃未満が好ましい。
代表的な芯鞘型バインダー繊維としては、芯が融点200℃以上のPETで鞘が融点150℃以下のポリエステルから成る繊維、芯が融点200℃以上のPETで鞘が融点200℃未満のポリエチレンから成る繊維、芯が融点200℃以上のPETで鞘が融点200℃未満のポリプロピレンから成る繊維、鞘が融点200℃未満のポリエチレン又はポリプロピレンで芯が該鞘より高融点のポリプロピレンから成る繊維、芯が融点200℃以上のPETで鞘が融点200℃未満のEVOHから成る繊維等が挙げられる。中でも、セパレータの電気抵抗の上昇を抑制し、希硫酸に対する耐性を高める観点から、芯が融点200℃以上のPETで鞘が融点200℃未満のポリエステルから成る繊維が好ましい。
芯鞘型バインダー繊維の鞘成分と芯成分の重量比(融解成分重量(g)/非融解成分重量(g))は、セパレータ内に、芯鞘型バインダー繊維による三次元網目構造を形成し、該網目構造の繊維間の結着力を高めて、希硫酸中での耐熱性(重量保持性、形状保持性)を向上させる観点から、0.06以上が好ましく、より好ましくは0.10以上であり、更に好ましくは0.15以上であり、更に好ましくは0.20以上であり、更に好ましくは0.30以上であり、更に好ましくは0.40以上であり、更に好ましくは0.50以上であり、又は更に好ましくは0.60以上である。また、セパレータの加熱乾燥時に、融解成分が融けて、繊維状の非融解成分がセパレータに残ると、セパレータに非融解成分由来の強度を付与することができ、又は芯鞘型バインダー繊維に占める融解成分の割合を減らすことで、融解成分がセパレータの細孔を埋めることを抑制できる為、重量比(融解成分重量(g)/非融解成分重量(g))は、50以下が好ましく、より好ましくは10以下であり、更に好ましくは9.0以下であり、更に好ましくは8.0以下であり、更に好ましくは7.0以下であり、更に好ましくは6.0以下であり、更に好ましくは5.0以下であり、更に好ましくは4.0以下であり、更に好ましくは3.0以下であり、更に好ましくは2.0以下であり、又は更に好ましくは1.6以下である。
また、芯鞘型バインダー繊維の鞘の融点が低くなるにつれて耐熱性が低くなり、一方で該融点が高くなるにつれて、鞘を十分融解させる為に必要な加熱乾燥温度が高くなることから、鞘成分の融点は、50℃超過かつ220℃以下であることが好ましく、より好ましくは60℃超過かつ200℃未満、更に好ましくは65℃~180℃、更に好ましくは85℃~170℃であり、更に好ましくは90℃~150℃、又は更に好ましくは100℃~150℃である。また、芯鞘型バインダー繊維の芯の融点が低くなるにつれて必然的に鞘の融点も下がることで耐熱性が低くなることから、芯の融点は、60℃以上が好ましく、より好ましくは、100℃以上であり、更に好ましくは150℃以上であり、更に好ましくは200℃超過であり、更に好ましくは220℃超過であり、又は更に好ましくは240℃以上である。
また、本実施の形態に係るセパレータを湿式抄造する場合、水系のスラリー表層に繊維が浮遊することを抑制し、芯鞘型バインダー繊維を均一に分散させる観点から、芯鞘型バインダー繊維の比重が水の比重よりも大きいことが好ましい。そのような観点から、本実施の形態に係る芯鞘型バインダー繊維の組成に、ポリエステルを含んでいることが好ましく、芯がPETで鞘がポリエステルから成る芯鞘型バインダー繊維がより好ましい。
≪有機繊維(芯鞘型バインダー繊維を除く)≫
本実施の形態に係るセパレータでは、上記で説明された芯鞘型バインダー繊維のほか、芯鞘型バインダー繊維以外の有機繊維を使用することができる。前記芯鞘型バインダー繊維と、芯鞘型バインダー繊維以外の有機繊維を併用してもよい。該芯鞘型バインダー繊維以外の有機繊維の融点は、耐熱性を高める観点から200℃以上の融点を有することが好ましく、より好ましくは220℃以上であり、更に好ましくは230℃以上である。芯鞘型バインダー繊維以外の有機繊維として、耐酸性に優れ安価なポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリ-1,3-トリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、カーボン繊維、耐熱性に優れたPA9T等のポリアミド繊維、セルロース繊維等が例示できる。本発明の効果を奏する範囲内で、これらの例示以外の繊維を使用することも可能である。
上述した有機繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。上記芯鞘型バインダー繊維及び上記芯鞘型バインダー繊維以外の有機繊維の繊維長は、繊維1本当たりの材料間の結着点を増やして、セパレータの強度、特に膜形態の場合の膜強度を高める観点から、0.5mm以上が好ましく、より好ましくは1mm以上、更に好ましくは2mm以上、又は3mm以上である。また、湿式抄造時のスラリー中での繊維同士の絡まりを抑制し、繊維のスラリー中での分散性を高める観点から、繊維長は、300mm以下が好ましく、更に好ましくは100mm以下であり、更に好ましくは50mm以下であり、更に好ましくは30mm以下であり、更に好ましくは15mm以下であり、更に好ましくは10mm以下であり、又は更に好ましくは8mm以下である。
上記芯鞘型バインダー繊維及び上記芯鞘型バインダー繊維以外の有機繊維の平均繊維径(直径)は、湿式抄造時のスラリー中での繊維同士の絡まりを抑制し、繊維のスラリー中での分散性を高める観点から、0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.5μm以上であり、更に好ましくは1μm以上であり、更に好ましくは3μm以上であり、更に好ましくは5μm以上であり、又は更に好ましくは8μm以上である。また、セパレータに同一重量かつ同一繊維長の繊維を付与した場合、繊維の直径が小さい方が、繊維本数が多くなり、繊維による緻密な網目構造を付与することができる為、上記芯鞘型バインダー繊維及び上記芯鞘型バインダー繊維以外の有機繊維の平均繊維径(直径)は、500μm以下が好ましく、より好ましくは50μm以下であり、更に好ましくは30μm以下であり、更に好ましくは25μm以下であり、又は更に好ましくは20μm以下である。
≪樹脂バインダー≫
本実施の形態に係るセパレータに含まれる樹脂バインダーとは、セパレータの含有有機成分の内、前記繊維の有機成分、及び前記粒子の有機成分を除いた有機成分(固形分)である。樹脂バインダーは、セパレータ中で粒子形状を持っていない点において、上述された粒子と区別することとする。樹脂バインダーのバインダー成分が、一連の湿式抄造プロセスの加熱乾燥工程等で融解し、粒子や繊維と結着することで、微細な多孔構造を持つセパレータを作製することができる。また、樹脂バインダーのバインダー成分が、一連の湿式抄造プロセスの加熱乾燥工程等で融解し、多孔体の細孔の大部分を埋めてしまうと、多孔体をセパレータとして備える蓄電池の電気抵抗が上昇する。バインダー成分の加熱時流動性を抑制することでセパレータ内に細孔を残し、低い電気抵抗を維持することができる。セパレータに微細な多孔構造を形成する観点、および、樹脂バインダー成分の加熱時流動性を抑制することで多孔体に細孔を残し、多孔体を鉛蓄電池用セパレータとして使用した時に希硫酸中で低い電気抵抗を低く維持する観点から、本実施の形態に係る樹脂バインダーは、以下に例示するものが好ましい。
本実施の形態における樹脂バインダーの好ましい具体例としては、アクリル系樹脂バインダー、スチレン系樹脂バインダー、アクリル・ウレタン系樹脂バインダー、アクリル・スチレン系樹脂バインダー、酢酸ビニル・アクリル系樹脂バインダー、スチレン・ブタジエン系樹脂バインダー、アクリロニトリル・ブタジエン系樹脂バインダー、天然ゴム系樹脂バインダー、ポリブタジエン系樹脂バインダー(BR樹脂バインダー)、メチルメタクリレート・ブタジエン系樹脂バインダー、2-ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン系樹脂バインダー(VP 樹脂バインダー)、クロロプレン樹脂バインダー(CRラテックス)、ポリエチレン又はポリプロピレン又はポリブテン又はそれらの共重合体等のポリオレフィン系樹脂バインダー、該ポリオレフィン系樹脂バインダーを塩素化又は酸変性した変性ポリオレフィン系樹脂バインダー、ポリフッ化ビニリデン又はポリテトラフルオロエチレン等の含フッ素樹脂バインダー、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン共重合体又はエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体等の含フッ素ゴムバインダー、(メタ)アクリル酸-スチレン-ブタジエン共重合体樹脂バインダー及びその水素化物、ポリビニルアルコール樹脂バインダー、ポリビニルアルコール・ポリアセテート共重合体樹脂バインダー等がある。
上記具体例の中でも、アクリル系樹脂バインダー、又はスチレン系樹脂バインダーが、粒子又は繊維との結着性に優れ、かつ耐酸性に優れるため、セパレータとしての使用に際してより好ましい。
なお、本明細書でアクリル系樹脂バインダーと表記した場合、アクリル・ウレタン系樹脂バインダー、アクリル・スチレン系樹脂バインダー、アクリル・スチレン・ブタジエン系樹脂バインダー、酢酸ビニル・アクリル系樹脂バインダー、アクリル樹脂バインダー等の重合体を含む。
また、本明細書でスチレン系樹脂バインダーと表記したものは、アクリル・スチレン系樹脂バインダー、スチレン・ブタジエン系樹脂バインダー、アクリル・スチレン・ブタジエン系樹脂バインダー、2-ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン系樹脂バインダー、スチレン樹脂バインダー等の重合体を含む。
これらの樹脂バインダーは、上記例示した組成に、その他の成分が1種以上含まれていてもよい。
なお、本実施の形態に係る樹脂バインダーは、1種に限定されず、本発明の効果が得られる範囲内で、複数種を併用することができる。例えば、アクリル系樹脂バインダーとスチレン系樹脂バインダーの組み合わせ等が例示できる。
樹脂バインダーがガラス転移温度(Tg)を持つ場合、Tgは、樹脂バインダー成分の耐熱性を高める観点から-50℃以上であることが好ましく、また、複数の材料間の結着力を高める観点から70℃以下が好ましい。同様の理由で、Tgは、-30℃以上、50℃以下がより好ましく、更に好ましくは-30℃以上、30℃以下である。
セパレータ内で樹脂バインダー成分を均一に分布させ、複数の材料間で強固な結着を形成させる観点、及び電池用セパレータとして使用するときに微細な細孔を残して電気抵抗上昇を抑制しつつ、セパレータの希硫酸中での耐熱性を高める観点から、本実施の形態に係る樹脂バインダーとしては、液状分散媒中に微小な重合粒子が分散した樹脂バインダー、すなわち、ラテックスを使用することが好ましい。ラテックスを使用することによって、重合粒子がセパレータに細孔を残しつつ、セパレータ内部に均一に分布して各種の構成材料と結着することで、セパレータの耐熱性、例えば希硫酸中におけるセパレータの耐熱性(特に、重量保持性)を高めることができる。
また、各種の構成材料(例えば、樹脂バインダー、粒子、繊維等)をセパレータ中に均一に分布させて、かつそれらの材料間の結着を強固にすることで、耐熱性、特に希硫酸中での耐熱性を高めることができる為、本実施の形態に係るセパレータは、湿式抄造体であることが好ましい。本明細書における湿式抄造体は、例えば、樹脂バインダー、繊維及び/又は粒子を含む液体(以後、このように固形分が分散した液体を「スラリー」と記載する)を、メッシュに通過させ、該メッシュ上に堆積したスラリー中の固形分を加熱乾燥させることで得られる。環境への配慮という観点から、スラリーに使用する前記液体は、水又は水系が好ましい。その為、本実施の形態に係る樹脂バインダーにおいても、水又は水系の液状分散媒に微小な重合粒子が分散した樹脂バインダー、すなわち水系ラテックスを使用することが好ましい。本実施の形態に係るセパレータは、該ラテックスを前記スラリーに加え、メッシュ上に堆積させて乾燥することにより作製されることができる。その他の作製方法としては、繊維を主成分として(例えば50質量%以上で)含む不織布を予め作製し、該不織布を、樹脂バインダー及び/若しくは粒子を含むスラリーに浸漬させるか、又は、該不織布表面に樹脂バインダー及び/若しくは粒子を含むスラリーをコートした後に、乾燥することで、本実施の形態に係るセパレータを得ることができる。
なお、本明細書では、樹脂バインダーを含むセパレータとは、セパレータが樹脂バインダーの固形分を含むことを意味する。
≪各種材料の混合比について≫
本実施の形態に係るセパレータは、セパレータ100質量部に対して、粒子を5~50質量部含んでいることが好ましい。該粒子は、セパレータを構成する繊維のネットワークの空隙を充填するように存在することでセパレータの細孔径を小さくし、耐電圧特性を向上する観点、デンドライトショート耐性の高いセパレータを作製する観点、及び、電極から脱離した活物質がセパレータ内部に入り込むことによる短絡を抑制することができるという観点から、セパレータ100質量部に対して、粒子の含有量は5質量部以上であることが好ましく、より好ましくは8質量部以上であり、更に好ましくは10質量部以上であり、更に好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、又は更に好ましくは25質量部以上である。また、セパレータ中で親水性の粒子を使用することで、セパレータの電解液への濡れ性を高めることができることから、粒子は無機粒子であることが好ましく、シリカ粒子であることがより好ましい。セパレータに占める粒子の配合比が高くなると、無機繊維、有機繊維、及び樹脂バインダーの配合比が相対的に低くなることで、密なネットワークを成すことによる、最大孔径の小さいセパレータの作製、ひいては高い耐電圧特性を示すセパレータの作製が困難となる。また、複数種の材料間の結着が弱くなり、希硫酸中での耐熱性(例えば、重量保持性、及び形状保持性)を確保し難くなる。そのため、本実施の形態に係るセパレータ100質量部に対して、粒子の配合量は、50質量部以下であることが好ましく、より好ましくは45質量部以下であり、更に好ましくは42質量部以下であり、更に好ましくは40質量部以下であり、更に好ましくは38質量部以下であり、又は更に好ましくは35質量部以下である。
本実施の形態に係るセパレータは、セパレータ100質量部に対して、無機繊維を10質量部以上含むことが好ましく、無機繊維を10~60質量部含んでいることがより好ましい。無機繊維の3次元網目構造内に上記粒子を保持し、高い耐電圧特性を示す最大孔径の小さいセパレータを作製する観点から、セパレータ100質量部に対して、無機繊維の含有量は、10質量部以上であることが好ましく、より好ましくは11質量部以上であり、更に好ましくは12質量部以上であり、更に好ましくは13質量部以上であり、更に好ましくは14質量部以上であり、又は更に好ましくは15質量部以上である。セパレータ中の無機繊維の割合を増やし、相対的に粒子、有機繊維、及び樹脂バインダーの配合比を減らすと、繊維間の空隙に存在する粒子が減り、最大孔径が大きくなることで、耐電圧特性が低下する。また、複数の材料間の結着が弱くなり易く、例えば希硫酸中での耐熱性を保持し難くなる。そのため、セパレータ100質量部に対して、無機繊維の含有量は、60質量部以下であることがより好ましく、さらに好ましくは55質量部以下であり、更に好ましくは50質量部以下であり、更に好ましくは45質量部以下であり、更に好ましくは40質量部以下であり、更に好ましくは30質量部以下であり、又は更に好ましくは25質量部以下である。なお、成層化を抑制する観点、及び親水性の無機繊維を用いて電解液への濡れ性を高める観点から、無機繊維はガラス繊維であることが好ましい。
本実施の形態に係るセパレータでは、樹脂バインダーと、セパレータ中の他の材料との結着力を高め、耐電圧特性、より詳細には粒子の歩留まりを高めることにより最大孔径の小さいセパレータを作製する観点から、セパレータ100質量部に対して、樹脂バインダーの固形分は、5質量部以上又は5.0質量部超過であることが好ましく、より好ましくは5.1質量部以上であり、更に好ましくは5.3質量部以上であり、更に好ましくは5.5質量部以上であり、更に好ましくは5.7質量部以上であり、更に好ましくは6.0質量部以上であり、更に好ましくは6.5質量部以上であり、更に好ましくは7.0質量部以上であり、更に好ましくは7.5質量部以上であり、更に好ましくは8.0質量部以上であり、更に好ましくは9.0質量部以上であり、更に好ましくは9.5質量部以上であり、又は更に好ましくは10質量部以上である。
また、セパレータに含まれる樹脂バインダーの質量比が高くなるにつれ、樹脂バインダーのバインダー成分が、一連の湿式抄造プロセスの加熱乾燥工程等で融解し、セパレータの細孔の大部分を埋めることで、セパレータの電気抵抗が上昇する。また、セパレータ中に占める樹脂バインダー成分の配合比が相対的に高くなると、粒子、無機繊維、および芯鞘型バインダー繊維の配合比が相対的に低くなることで、繊維材料間に粒子が存在することで緻密な微多孔構造を成すことによる、最大孔径の小さいセパレータの作製が困難となる。バインダー成分の加熱時流動性を抑制することでセパレータ内に細孔を残し、低い電気抵抗を維持する観点、および、繊維と粒子による緻密な微多孔構造を形成する観点から、セパレータ100質量部に対して、樹脂バインダーの固形分は50質量部以下又は50質量部未満であることが好ましく、より好ましくは45質量部以下であり、更に好ましくは40質量部以下であり、更に好ましくは35質量部以下であり、更に好ましくは30質量部以下であり、更に好ましくは28質量部以下であり、更に好ましくは25質量部以下であり、更に好ましくは23質量部以下であり、更に好ましくは20質量部以下であり、更に好ましくは18質量部以下であり、又は更に好ましくは15質量部以下である。
本実施の形態のセパレータは、セパレータ100質量部に対して、有機繊維を10~60質量部含んでいることが好ましい。セパレータに芯鞘型バインダー繊維を有機繊維として使用する場合であり、かつ芯と鞘の質量比が一定の繊維であり、かつ密度が同等の複数のセパレータを比較した場合、セパレータに含まれる芯鞘型バインダー繊維の配合比が高いと、セパレータに含まれる融解成分の質量比が相対的に増え、セパレータの膜強度が強くなると共に、芯鞘型バインダー繊維による三次元網目構造により、シリカの歩留まりが向上することで、最大孔径の小さいセパレータが作製可能となる傾向にある。このような観点から、セパレータ100質量部に対して、芯鞘型バインダー繊維の含有量は、10質量部以上であることが好ましく、より好ましくは12質量部以上であり、更に好ましくは14質量部以上であり、更に好ましくは16質量部以上であり、更に好ましくは17質量部以上であり、更に好ましくは18質量部以上であり、更に好ましくは19質量部以上であり、更に好ましくは20質量部以上であり、更に好ましくは23質量部以上であり、更に好ましくは25質量部以上であり、更に好ましくは27質量部以上であり、更に好ましくは30質量部以上であり、更に好ましくは32質量部以上であり、又は更に好ましくは35質量部以上である。他方、セパレータが親水性の無機粒子又は無機繊維を含む場合、セパレータに含まれる芯鞘型バインダー繊維の配合比が高すぎると、無機粒子及び無機繊維の配合比が相対的に低くなり易く、セパレータの希硫酸への濡れ性が低くなる。無機繊維(例えば、ガラス繊維)の配合比が低くなった場合、鉛蓄電池の成層化抑制能が下がり易く、また、無機粒子(例えばシリカ粒子)の配合比が低くなった場合、セパレータの細孔径が大きくなり、耐電圧特性が低くなり易い。このような理由から、本実施の形態に係るセパレータ100質量部に対して、芯鞘型バインダー繊維の含有量は、60質量部以下が好ましく、より好ましくは55質量部以下であり、更に好ましくは50質量部以下であり、又は更に好ましくは45質量部以下である。
本実施の形態に係るセパレータは、上記芯鞘型バインダー繊維のほか、芯鞘型バインダー繊維以外の有機繊維を使用することができる。該芯鞘型バインダー繊維以外の有機繊維として、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維等のポリエステル繊維、ポリ-1,3-トリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、カーボン繊維、耐熱性に優れたPA9T等のポリアミド繊維、セルロース繊維、ポリオレフィン繊維(例えば、ポリエチレン繊維又はポリプロピレン繊維)等が挙げられる。該芯鞘型バインダー繊維以外の有機繊維の配合比が相対的に高いと、材料間の結着力が弱くなり易い。希硫酸中での耐熱性(重量保持性及び形状保持性)を高くする観点から、セパレータ100質量部に含まれる前記有機繊維の量は、60質量部以下が好ましく、より好ましくは40質量部以下であり、更に好ましくは30質量部以下であり、又は更に好ましくは25質量部以下である。また、有機繊維による三次元網目構造により、粒子の歩留まり(抄造プロセスにおける、粒子のセパレータへの捕捉率)が向上することで、最大孔径の小さいセパレータが作製可能となる傾向にある。このような観点から、セパレータ100質量部に対して、有機繊維の含有量は、10質量部以上であることが好ましく、より好ましくは12質量部以上であり、更に好ましくは14質量部以上であり、更に好ましくは16質量部以上であり、更に好ましくは17質量部以上であり、更に好ましくは18質量部以上であり、更に好ましくは19質量部以上であり、更に好ましくは20質量部以上であり、更に好ましくは23質量部以上であり、更に好ましくは25質量部以上であり、更に好ましくは27質量部以上であり、更に好ましくは30質量部以上であり、更に好ましくは32質量部以上であり、又は更に好ましくは35質量部以上である。なお、上記ポリエステル繊維は、製造プロセスで延伸された繊維であっても、未延伸の繊維であってもよい。また、無機繊維表面を有機成分で被覆した繊維も、広義において本実施の形態に係る有機繊維に含まれるものとする(但し、上述した芯鞘型バインダー繊維を除く)。この場合、上記有機繊維の利点(曲げ又は外力に対して切れ難い)を繊維に付与する観点から、無機繊維の表面の20%以上の面積が有機成分で被覆されていることが好ましく、より好ましくは50%以上であり、更に好ましくは70%以上であり、最も好ましくは100%である。
≪セパレータの製造方法について≫
セパレータは、任意の方法で製造することができ、例えば、繊維、樹脂バインダー、粒子を含むスラリーを湿式抄造プロセスで作製できる。その際、凝集剤及び/又は分散剤、その他の抄紙で利用される添加剤をスラリーへ加えてもよい。また、湿式抄造プロセスでスラリー中での繊維の水分散性を高める為、セパレータの製造に使用する各種繊維に適した分散剤をスラリーに添加してもよい。また、予め各種繊維表面に、界面活性剤成分を付着させておくことで、水分散性を向上させることも可能である。その他の製造方法としては、繊維を主体とする不織布を予め作製しておき、該不織布を樹脂バインダー及び/又は無機粒子を含むスラリーに含浸・乾燥させることによってもセパレータを作製可能である。最大孔径の小さいセパレータを作製する観点から、繊維や粒子の材料は、分散媒中において充分な撹拌によって均一性を高めておくことが好ましい。代替的には、該不織布に、樹脂バインダー及び/又は無機粒子を含むスラリーを塗工することでセパレータを作製することもできる。
セパレータの密度は、セパレータの耐電圧特性を高める観点から、280g/m/mm以上であることが好ましく、287g/m/mm以上であることがより好ましい。その上限値は、セパレータの軽量化の観点から600g/m/mm以下であることが好ましく、より好ましくは550g/m/mm以下であり、更に好ましくは500g/m/mm以下であり、更に好ましくは450g/m/mm以下であり、又は更に好ましくは430g/m/mm以下である。
≪鉛蓄電池用セパレータ、及びそれを備える鉛蓄電池≫
本実施の形態に係るセパレータを備える鉛蓄電池も本発明の一態様である。また、実施例に記載の方法で測定されるときに耐電圧値が1kV以上であるセパレータを備える鉛蓄電池も本発明の別の態様である。鉛蓄電池用セパレータの形態は、鉛蓄電池の各構成部材と適合するように、決定されることができる。本発明の鉛蓄電池は、電槽、酸化鉛正極、鉛負極、及び電解液として希硫酸を含み、該正極と該負極の間に本発明に係るセパレータを配置した鉛蓄電池である。正極を構成する正極格子は鉛又は鉛合金でよく、正極活物質は、酸化鉛、例えば二酸化鉛でよい。負極を構成する負極格子は鉛又は鉛合金でよく、負極活物質は鉛でよく、鉛負極そのものは、例えば海綿状の形態でよい。また、これらの正極及び負極の活物質については、上記組成にその他の金属元素が30質量%以下で含まれていてよい。また、上記希硫酸とは、比重1.1~1.4の硫酸であり、さらに添加剤を含むことができる。
本実施の形態では、最大孔径が8μm未満であるセパレータを鉛蓄電池に使用することで、耐電圧特性を高めることができる。その為、鉛蓄電池の上記正極と上記負極の間に本発明の一態様に係るセパレータを配置することが好ましい。尚、本発明の一態様に係る鉛蓄電池用セパレータが、他のセパレータと重ねた状態で、上記正極と上記負極の間に配置された鉛蓄電池も本発明の鉛蓄電池に含まれる。また、本発明の一態様に係る鉛蓄電池用セパレータを他のセパレータと重ねる際に、セパレータ間を樹脂等の有機成分によって結着させた状態で、前記正極と負極の間に配置された鉛蓄電池も本発明の鉛蓄電池に含まれる。他のセパレータは、特定のものに限定されないが、例として(1)無機繊維不織布、(2)無機繊維と無機粒子を含むセパレータ、(3)無機繊維と有機繊維と無機粒子を含むセパレータ、(4)前記(2)又は(3)に樹脂バインダーが含まれるセパレータ、(5)平均孔径800nm以下の微多孔を有するポリエチレンセパレータ(その中に無機粒子が含まれていてよい)等が挙げられる。前記(1)、(2)及び(3)の無機繊維の例としては、ガラス繊維が例示できる。
また、本実施の形態では、鉛蓄電池用セパレータに関しては、2層の重ね合わせのみならず、3層以上の多層の形態で使用してよい。そのような3層以上の形態は、少なくとも本実施の形態に係るセパレータを特定の単層として含み、その他の層は、任意のセパレータから選択できる。正極と負極の間に本実施の形態に係る鉛蓄電池用セパレータを設けることによって、耐電圧特性に優れたセパレータを具備する鉛蓄電池が得られる。本実施の形態に係る鉛蓄電池用セパレータは、開放式鉛蓄電池、及び、制御弁式鉛蓄電池のいずれにおいても使用可能である。
以下、本発明について、実施例に基づき詳述するが、これらは説明のために記述されるものであり、本発明の範囲が以下の実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例で得たセパレータの各種評価結果を表1~2に示す。なお、表1~2に記載されている樹脂バインダーの配合比(wt%)は、樹脂バインダーの固形分の重量である。表1~2に記載した各評価項目について、評価手法を以下に説明する。
≪最大孔径≫
BCIS-03A Method6 December 15の規格に準拠し、測定にはPMI社のパームポロメーター(型式:CFP-1500AL)を用いた。試験液としてPMI社製のGalwick液を用い、25mmΦに切り抜いたセパレータサンプルを試験液に浸し、余分な試験液を除いた後、測定を行った。本装置では、セパレータを試料とし、表面張力が既知の試験液でセパレータの全細孔が満たされた状態で圧縮空気を流し、セパレータの細孔径を測定する。試験液で満たされた細孔を空気が透過する時の圧力と、試験液の表面張力とから、当該細孔の孔径が計算可能であり、計算には以下の式:
pore=C・γ/P
{ここで、dporeはセパレータの細孔径、γは試験液の表面張力、Pは当該孔径を空気が透過する最小空気圧、Cは定数である。}
が用いられる。
まず、試験液に浸漬したセパレータに掛ける圧力Pを連続的に増加させた時の空気流量(濡れ流量)を測定する。当初は、セパレータの全細孔が試験液で満たされている状態であるために空気流量は0であるが、圧力が増大するに従い、やがて最大の孔径を持つ細孔から空気が透過するようになり、正の空気流量が初めて観測される(バブルポイント)。本発明における最大孔径dmaxは、前記バブルポイントにおいて導出されたセパレータの細孔径を意味する。表1~2に、dmaxの測定結果を記載した。単位はμmである。
≪厚さ≫
本明細書における厚さは、前記セパレータの断面SEM(走査型電子顕微鏡)観察を行い、該観察部の中から異なる5つの領域に関して厚さを測定した際の、5領域の厚さの相加平均値であり、測定結果を表1~2に記載した。相加平均値である厚さの単位は、mmである。
≪目付け≫
後述する実施例および比較例の回転型乾燥機で加熱乾燥した後のセパレータを、さらに空気中にて90℃で30分間乾燥(吸着水除去)した後に、セパレータに含まれる固形分質量を測定し、該質量を該セパレータの片面の面積で割った値を表1~2に記載した。単位はg/mである。
≪密度≫
上記目付けを、上記厚みで割った値を、密度として表1~2に記載した。単位はg/m/mmである。
≪耐電圧≫
サイズ12cm角の正方形型アルミニウム板上に、サイズ30mm×30mmに切り出したセパレータを置き、その上にサイズ1cmΦのアルミニウム板、および重さ5gの導電性測定子を配置した。正方形型アルミニウム板、測定子を耐電圧測定器(菊水電子工業社製、型式:TOS5200)に接続することで、測定を行った。相対湿度70%の条件で、交流電圧(50Hz)を0.15kV/secのレートで掛け、絶縁破壊した時点での電圧値を測定した。セパレータ面内の異なる4領域に関して該電圧値を測定し、該4領域の電圧値の相加平均値を表1~2に記載した。単位はkVである。
以下、実施例および比較例のサンプル作製方法について詳細を記載する。
(実施例1)
粒子として無機粒子である平均粒子径10μmのシリカ粒子(水澤化学工業社製P-510)29.4質量%、無機繊維としてガラス繊維(平均繊維径0.9μm、Cガラス)19.6質量%、有機繊維として芯部がPET(融点255℃)で鞘部が共重合ポリエステル(融点130℃)から成る芯鞘型バインダー繊維(平均繊度2.2dtex、平均繊維長5mm、芯部と鞘部の重量比1:1)39.2質量%、および、樹脂バインダーとしてアクリル系樹脂バインダー(固形分濃度50wt%、分散媒:水、高分子ラテックス)11.8%(固形分)の配合比で、これらの材料を水中で分散・混合し、スラリーを作製した。この時、スラリー中の固形分100質量部に対して、アルキルベタイン系分散剤を2質量部、該スラリーに添加・撹拌した。その後、スラリー中の固形分100質量部に対し、凝集剤(8wt%硫酸バンド水溶液)7質量部を該スラリーに添加・撹拌し、生成物スラリーを得た。該生成物スラリーを用いて通常の抄紙機にてシート形成し、湿紙状態で脱水プレスした後、回転型乾燥機にて180℃で3分加熱/乾燥し、セパレータを得た。得られたセパレータを、上記の評価方法に従って評価した結果を表1に記載した。
(実験1、3~5:実施例2~4、7~11、比較例1~2、5~7)
配合比を表1あるいは表2に記載の通りに変更した点を除き、使用した材料、作製方法および評価方法に関して実施例1と同じである。
(実験2:実施例5~6、比較例3~4)
粒子を、平均粒子径5μm(水澤化学工業社製P-803)、12μm(水澤化学工業社製P-78D)、18μm(水澤化学工業社製P-78F)、25μm(PPG社製Hi-Sil WB10-D)のシリカ粒子に変更した点を除き、使用した材料、作製方法および評価方法に関して実施例1と同じである。
(実験6:実施例12~13、比較例8~9)
実施例1と同じ配合比で生成物スラリーを作製し、プレス加工の強度によってセパレータの密度を変更した点を除き、使用した材料、作製方法および評価方法に関して実施例1と同じである。
以下、表1~2に記載された実施例及び比較例、および表1~2に記載された実施例及び比較例の結果について説明する。
Figure 0007360877000001
Figure 0007360877000002
以下、耐電圧特性が高いということは、耐電圧値が1kV以上であることを意味する。また、耐電圧特性が低いということは、耐電圧値が1kV未満であることを意味する。
実施例1~13に関しては、最大孔径dmax<8μmという条件を満たすことで、耐電圧が1kV以上となり、高い耐電圧特性を示す結果となった。他方、dmax<8μmを満たさない比較例1~9は、耐電圧が0.86kVと同じかそれより小さくなり、実施例1~13と比べて明らかに耐電圧特性が低い結果となった。
実施例2~4、および比較例1~2は、無機繊維であるガラス繊維、芯鞘型バインダー繊維、樹脂バインダーの相対重量比を固定して、粒子であるシリカ粒子の配合比を変化させた結果である。セパレータ全体に対して、粒子の重量が5wt%以上かつ50wt%以下である実施例2~4に関しては、いずれもdmax<8μmを満たす結果となった。他方、粒子の重量が5wt%未満である比較例1、および粒子の重量が50wt%超過である比較例2に関しては、いずれもdmax≧8μmであり、耐電圧特性が低い結果となった。これは、セパレータ全体に占める粒子の配合比が低い場合、セパレータを構成する繊維のネットワークの空隙を充填するように存在する粒子が少なくなることで、セパレータの最大孔径が大きくなったと推察される。他方、セパレータ全体に占める粒子の配合比が高くなると、無機繊維、芯鞘型バインダー繊維、及び樹脂バインダー、特に繊維の配合比が相対的に低くなることで、繊維が密なネットワークを成すことが困難となり、最大孔径が大きくなったと推察される。
実施例5~6、および比較例3~4は、粒子であるシリカ粒子、無機繊維であるガラス繊維、芯鞘型バインダー繊維、樹脂バインダーの配合比を固定して、シリカ粒子の平均粒子径を変化させた結果である。平均粒子径が6μm以上かつ18μm未満を満たす実施例3~4に関しては、いずれもdmax<8μmを満たす結果となった。他方、平均粒子径が6μm未満である比較例3、およびシリカ粒子の平均粒子径が18μm以上である比較例4に関しては、いずれもdmax≧8μmであり、耐電圧特性が低い結果となった。これは、粒子の平均粒子径が小さい場合、粒子が、セパレータを構成する繊維のネットワークに保持され難くなり、セパレータに微細な細孔を形成することが困難であったため、最大孔径が大きくなったと推察される。他方、粒子の平均粒子径が大きくなると、繊維間の空隙に存在する粒子が密に充填されることが困難となり、粒子間の空隙が大きくなることから、最大孔径が大きくなったと推察される。
実施例7、および比較例5は、粒子であるシリカ粒子、芯鞘型バインダー繊維、樹脂バインダーの相対重量比を実施例1と同様に固定して、無機繊維であるガラス繊維の配合比を変化させた結果である。セパレータ全体に対して、ガラス繊維の重量が10wt%以上を満たす実施例1および7に関しては、いずれもdmax<8μmを満たす結果となった。他方、ガラス繊維の重量が10wt%未満である比較例5に関しては、dmax≧8μmであり、耐電圧特性が低い結果となった。これは、無機繊維の配合比が低い場合、セパレータ内部に存在する無機繊維の量が少なく、無機繊維間の3次元網目構造内に上記粒子を保持することが困難であったため、最大孔径が大きくなったと推察される。
実施例8~9、および比較例6は、粒子であるシリカ粒子、無機繊維であるガラス繊維、樹脂バインダーの相対重量比を実施例1と同様に固定して、芯鞘型バインダー繊維の配合比を変化させた結果である。セパレータ全体に対して、芯鞘型バインダー繊維の重量が10wt%以上を満たす実施例1および8~9に関しては、いずれもdmax<8μmを満たす結果となった。他方、芯鞘型バインダー繊維の重量が10wt%未満である比較例6に関しては、dmax≧8μmであり、耐電圧特性が低い結果となった。これは、芯鞘型バインダー繊維の配合比が低い場合、セパレータ内部に存在する芯鞘型バインダー繊維の量が少なく、芯鞘型バインダー繊維間の3次元網目構造内に上記粒子を保持することが困難であったため、最大孔径が大きくなったと推察される。
実施例10~11、および比較例7は、粒子であるシリカ粒子、無機繊維であるガラス繊維、芯鞘型バインダー繊維の相対重量比を実施例1と同様に固定して、樹脂バインダーの配合比を変化させた結果である。セパレータ全体に対して、樹脂バインダーの重量が5wt%以上かつ50wt%以下を満たす実施例1および10~11に関しては、いずれもdmax<8μmを満たす結果となった。他方、樹脂バインダーの重量が5wt%未満である比較例7に関しては、dmax≧8μmであり、耐電圧特性が低い結果となった。これは、樹脂バインダーの配合比が低くなり、粒子および繊維と結着する充分な量の樹脂バインダーが存在しない場合、粒子が、繊維間のネットワークに保持され難くなり、セパレータに微細な細孔を形成することが困難であったため、最大孔径が大きくなったと推察される。また、実施例10及び実施例11において、樹脂バインダーの配合比が大きくなると、粒子、無機繊維、芯鞘型バインダー繊維、配合比が相対的に低くなることで、繊維および粒子が成すネットワークが僅かに粗となったため、最大孔径が大きくなったと推察される。
実施例12~13、および比較例8~9は、配合比を実施例1と同様に固定して、プレス加工の強度によって、密度を変化させた結果である。セパレータの密度が大きくなるに従い、最大孔径が小さくなる傾向が確認された。セパレータの密度が280g/m/mm以上である条件を満たす実施例12~13に関しては、いずれもdmax<8μmを満たす結果となった。他方で、セパレータの密度が280g/m/mm未満である比較例8~9に関しては、dmax≧8μmであり、耐電圧特性が低い結果となった。特に、実施例1、12、および比較例8~9を比べると、セパレータの厚さは同等であるにも関わらず、密度が280g/m/mm以上である実施例1、12のセパレータにおいては、最大孔径が8μm未満となり、比較例8~9に対して耐電圧特性が明らかに向上する結果となった。この結果より、セパレータの密度を、抄造プロセスにおける脱水プレス又はその後のカレンダー処理、エンボス加工等の手段によって高めることで、最大孔径が小さく、耐電圧特性に優れたセパレータを作製することが可能となる。
本発明に係る鉛蓄電池用セパレータは、高い耐電圧性が要求される鉛蓄電池において利用することができる。

Claims (12)

  1. 無機粒子および繊維および樹脂バインダーを含む鉛蓄電池用セパレータであって、前記無機粒子が、平均粒子径が6μm以上18μm未満のシリカ粒子であり、前記シリカ粒子が前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して5~50質量部含まれ、前記繊維が無機繊維と有機繊維を含み、前記無機繊維が前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して10~60質量部含まれ、前記有機繊維が前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して10~60質量部含まれ、前記樹脂バインダーの固形分が前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して5~50質量部含まれ、前記鉛蓄電池用セパレータが多孔体であり、かつ前記鉛蓄電池用セパレータの最大孔径が8μm未満を満たすことを特徴とする鉛蓄電池用セパレータ。
  2. 無機粒子、無機繊維、有機繊維および樹脂バインダーを含む鉛蓄電池用セパレータであって、
    前記無機粒子が、シリカ粒子であり、かつ前記鉛蓄電池用セパレータの質量に対して19.6質量%以上、41.3質量%以下で含まれ、
    前記無機繊維が、ガラス繊維であり、かつ前記鉛蓄電池用セパレータの質量に対して13.7質量%以上、27.5質量%以下で含まれ、
    前記有機繊維が、芯部がポリエチレンテレフタレート(PET)で鞘部が共重合ポリエステルの芯鞘型バインダー繊維であり、かつ前記鉛蓄電池用セパレータの質量に対して14.7質量%以上、57.4質量%以下で含まれ、
    前記樹脂バインダーの固形分が、前記鉛蓄電池用セパレータの質量に対して5質量%以上、50質量%以下で含まれ、かつ、
    前記鉛蓄電池用セパレータが多孔体であり、かつ前記鉛蓄電池用セパレータの最大孔径が、5.24μm以上、8μm未満である鉛蓄電池用セパレータ。
  3. 前記無機繊維がガラス繊維である、請求項に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
  4. 前記樹脂バインダーが、アクリル系樹脂バインダー、および/またはスチレン系樹脂バインダーである、請求項1~3のいずれか一項に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
  5. 前記有機繊維の表面の一部又は全面が、融点220℃以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
  6. 前記有機繊維の表面の一部又は全面が、融点200℃未満である、請求項に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
  7. 前記有機繊維が芯鞘型バインダー繊維である、請求項に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
  8. 前記芯鞘型バインダー繊維は、芯部が融点200℃以上のポリエステルであり、かつ鞘部が融点200℃未満のポリエステルである、請求項に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
  9. 前記鉛蓄電池用セパレータの密度が、280g/m/mm以上である、請求項1~のいずれか一項に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
  10. 前記鉛蓄電池用セパレータの最大孔径が、1μm以上を満たす、請求項1に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
  11. 電槽、酸化鉛正極、鉛負極、および希硫酸を含む鉛蓄電池であって、前記酸化鉛正極と前記鉛負極の間に、請求項1~10のいずれか一項に記載の鉛蓄電池用セパレータが配置された鉛蓄電池。
  12. 電槽、酸化鉛正極、鉛負極、および希硫酸を含む鉛蓄電池であって、前記酸化鉛正極と前記鉛負極の間に、耐電圧値が1.06kV以上である請求項1~10のいずれか一項に記載の鉛蓄電池用セパレータが配置された鉛蓄電池。
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