JP7360877B2 - 鉛蓄電池用セパレータ、および鉛蓄電池 - Google Patents
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Description
[1]
粒子および繊維を含む鉛蓄電池用セパレータであって、前記鉛蓄電池用セパレータが多孔体であり、かつ前記鉛蓄電池用セパレータの最大孔径が8μm未満を満たすことを特徴とする鉛蓄電池用セパレータ。
[2]
前記粒子が無機粒子である、項目1に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[3]
前記粒子の平均粒子径が6μm以上18μm未満である、項目1または2に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[4]
前記無機粒子がシリカ粒子である、項目1~3のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[5]
前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して、前記粒子が5~50質量部含まれる、項目1~4のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[6]
前記鉛蓄電池用セパレータが前記繊維として無機繊維を含み、かつ
前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して、該無機繊維が10質量部以上含まれる、項目1~5のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[7]
前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して、前記無機繊維が10~60質量部含まれる、項目6に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[8]
前記無機繊維がガラス繊維である、項目6または7に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[9]
前記鉛蓄電池用セパレータが樹脂バインダーを含み、かつ
前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して、該樹脂バインダーの固形分が5~50質量部含まれる、項目1~8のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[10]
前記樹脂バインダーが、アクリル系樹脂バインダー、および/またはスチレン系樹脂バインダーである、項目9に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[11]
前記鉛蓄電池用セパレータが前記繊維として有機繊維を含み、かつ
前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して、該有機繊維が10質量部以上含まれる、項目1~10のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[12]
前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して、前記有機繊維が10~60質量部含まれる、項目11に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[13]
前記有機繊維の表面の一部又は全面が、融点220℃以下である、項目11または12に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[14]
前記有機繊維の表面の一部又は全面が、融点200℃未満である、項目11~13のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[15]
前記有機繊維が芯鞘型バインダー繊維である、項目11~14のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[16]
前記芯鞘型バインダー繊維は、芯部が融点200℃以上のポリエステルであり、かつ鞘部が融点200℃未満のポリエステルである、項目11~15のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[17]
前記鉛蓄電池用セパレータの密度が、280g/m2以上である、項目1~16のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[18]
前記鉛蓄電池用セパレータの最大孔径が、1μm以上を満たす、項目1~17のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータ。
[19]
電槽、酸化鉛正極、鉛負極、および希硫酸を含む鉛蓄電池であって、前記酸化鉛正極と前記鉛負極の間に、項目1~18のいずれかに記載の鉛蓄電池用セパレータが配置された鉛蓄電池。
[20]
電槽、酸化鉛正極、鉛負極、および希硫酸を含む鉛蓄電池であって、前記酸化鉛正極と前記鉛負極の間に、耐電圧値が1kV以上である鉛蓄電池用セパレータが配置された鉛蓄電池。
本実施の形態に係る鉛蓄電池用セパレータ(以下、セパレータと略記することがある。)は、粒子および繊維を含む多孔体であり、最大孔径が8μm未満であることを満たす。本実施の形態に係るセパレータを使用することで、高い耐電圧特性を実現することができる。セパレータの最大孔径は、高い耐電圧特性を得るという観点から、好ましくは8.0μm未満であり、より好ましくは7.8μm以下であり、更に好ましくは7.6μm以下であり、更に好ましくは7.4μm以下であり、更に好ましくは7.2μm以下であり、更に好ましくは7.0μm以下であり、更に好ましくは6.5μm以下であり、更に好ましくは6.0μm以下であり、更に好ましくは5.5μm以下であり、更に好ましくは5.0μm以下であり、更に好ましくは4.5μm以下であり、更に好ましくは4.0μm以下であり、更に好ましくは3.5μm以下であり、更に好ましくは3.0μm以下であり、更に好ましくは2.5μm以下であり、更に好ましくは2.0μm以下であり、また最大孔径の下限値は、1μm以上であることができる。
粒子を本実施の形態に係るセパレータと複合化することによって、細孔を作ることができる観点、及び/又は複数の繊維間の空隙部分に粒子を保持してセパレータの細孔径を小さくすることで、セパレータが鉛蓄電池内部でセパレータとして使用されたときに、耐電圧特性を高める、またはデンドライトショート又は活物質がセパレータに入り込むことによる短絡を抑制する観点から、本実施の形態に係るセパレータは、粒子を含むことが好ましい。この観点から、粒子としては、無機粒子、有機粒子、及び有機-無機複合粒子のいずれでも、特に限定なく用いることができる。有機粒子及び有機-無機複合粒子は、無機粒子と比較して一般的に密度が低いことが多い為、粉体取り扱い時に空間中に粒子が飛散し難い無機粒子であることが好ましい。
本実施の形態に係る粒子は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
d=(d1+d2)/2
より求めるものとする。また、本明細書における平均粒子径は、前記観察時に無作為に選定した50個の粒子に関して、上記手法で各々の粒子径dを求め、該50個分の粒子径の相加平均値より求める値である。例えば、無機粒子の平均粒子径とは、前記観察時に無作為にセパレータから選定した50個の無機粒子に関して、上記手法で各々の粒子径dを求め、該50個分の粒子径より求める相加平均値である。
本実施の形態に係るセパレータは、セパレータが繊維の絡み合いによって強度が高まる観点、及び/又は上記で説明された粒子を複数の繊維間に保持して細孔径を小さくする観点から、繊維を含むことが好ましい。これらの観点から、繊維は、無機繊維と有機繊維のいずれでも、特に限定なく用いることができる。有機繊維の場合には、その表面の一部又は全面が、好ましくは220℃以下の融点を有し、より好ましくは200℃未満の融点を有する。なお、本明細書における繊維径は、セパレータに含まれる繊維に関して、走査型電子顕微鏡(SEM)によるセパレータの断面観察を行うことで観察される繊維の繊維径Φ(μm)である。繊維断面が真円ではない場合の前記繊維径Φは、前記繊維断面の内接円の直径をΦ1(μm)とし、前記繊維断面の外接円の直径をΦ2(μm)として、下記式:
Φ=(Φ1+Φ2)/2
より求めるものとする。また、本明細書における平均繊維径は、セパレータの断面観察で無作為にセパレータから選定した50本の繊維に関して、上記手法で各々の繊維径Φを求め、該50本分の繊維径の相加平均値より求める値である。例えば、無機繊維の平均繊維径とは、前記観察で無作為に選定した50本の無機繊維に関して、上記手法で各々の繊維径Φを求め、該50本分の無機繊維径より求める相加平均値である。
無機繊維の材料の例としては、前記無機粒子の材料の例で示した材料が挙げられる。中でも、ガラス繊維、アルミナ繊維を使用することで、電解液である希硫酸との濡れ性が向上し、電解液がセパレータ内部に浸透し易くなる。その結果、鉛蓄電池の充電時に電極から発生する酸素及び水素ガスが、セパレータ内に保持されることを抑制し、電気抵抗の上昇を抑制することができる。この観点から、本実施の形態に係るセパレータは、無機繊維を含んでいることが好ましく、中でも、ガラス繊維又はアルミナ繊維等の無機繊維を含んでいることが好ましい。また、鉛蓄電池の成層化を抑制する観点からも、セパレータはガラス繊維又はアルミナ繊維等の無機繊維を含んでいることが好ましい。ガラス繊維の中でも、鉛蓄電池の電解液である希硫酸に対する耐酸性を考慮すると、耐酸性に優れた組成(例えば、Cガラス組成)を使用することが好ましい。また、繊維同士の絡み合いによるセパレータの膜強度向上の観点から、ウール状のガラス繊維を使用することが好ましい。
本実施の形態に係るセパレータは、芯鞘型バインダー繊維を含むことによって、芯鞘型バインダー繊維がセパレータ内部で三次元的網目構造を形成し、かつ該網目構造は鞘の融解成分によって強固に結着される為、高い耐熱性、特に希硫酸中での高い耐熱性(重量保持性、及び形状保持性)を示す。
本実施の形態に係るセパレータでは、上記で説明された芯鞘型バインダー繊維のほか、芯鞘型バインダー繊維以外の有機繊維を使用することができる。前記芯鞘型バインダー繊維と、芯鞘型バインダー繊維以外の有機繊維を併用してもよい。該芯鞘型バインダー繊維以外の有機繊維の融点は、耐熱性を高める観点から200℃以上の融点を有することが好ましく、より好ましくは220℃以上であり、更に好ましくは230℃以上である。芯鞘型バインダー繊維以外の有機繊維として、耐酸性に優れ安価なポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリ-1,3-トリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、ポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、カーボン繊維、耐熱性に優れたPA9T等のポリアミド繊維、セルロース繊維等が例示できる。本発明の効果を奏する範囲内で、これらの例示以外の繊維を使用することも可能である。
本実施の形態に係るセパレータに含まれる樹脂バインダーとは、セパレータの含有有機成分の内、前記繊維の有機成分、及び前記粒子の有機成分を除いた有機成分(固形分)である。樹脂バインダーは、セパレータ中で粒子形状を持っていない点において、上述された粒子と区別することとする。樹脂バインダーのバインダー成分が、一連の湿式抄造プロセスの加熱乾燥工程等で融解し、粒子や繊維と結着することで、微細な多孔構造を持つセパレータを作製することができる。また、樹脂バインダーのバインダー成分が、一連の湿式抄造プロセスの加熱乾燥工程等で融解し、多孔体の細孔の大部分を埋めてしまうと、多孔体をセパレータとして備える蓄電池の電気抵抗が上昇する。バインダー成分の加熱時流動性を抑制することでセパレータ内に細孔を残し、低い電気抵抗を維持することができる。セパレータに微細な多孔構造を形成する観点、および、樹脂バインダー成分の加熱時流動性を抑制することで多孔体に細孔を残し、多孔体を鉛蓄電池用セパレータとして使用した時に希硫酸中で低い電気抵抗を低く維持する観点から、本実施の形態に係る樹脂バインダーは、以下に例示するものが好ましい。
また、本明細書でスチレン系樹脂バインダーと表記したものは、アクリル・スチレン系樹脂バインダー、スチレン・ブタジエン系樹脂バインダー、アクリル・スチレン・ブタジエン系樹脂バインダー、2-ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン系樹脂バインダー、スチレン樹脂バインダー等の重合体を含む。
これらの樹脂バインダーは、上記例示した組成に、その他の成分が1種以上含まれていてもよい。
なお、本明細書では、樹脂バインダーを含むセパレータとは、セパレータが樹脂バインダーの固形分を含むことを意味する。
本実施の形態に係るセパレータは、セパレータ100質量部に対して、粒子を5~50質量部含んでいることが好ましい。該粒子は、セパレータを構成する繊維のネットワークの空隙を充填するように存在することでセパレータの細孔径を小さくし、耐電圧特性を向上する観点、デンドライトショート耐性の高いセパレータを作製する観点、及び、電極から脱離した活物質がセパレータ内部に入り込むことによる短絡を抑制することができるという観点から、セパレータ100質量部に対して、粒子の含有量は5質量部以上であることが好ましく、より好ましくは8質量部以上であり、更に好ましくは10質量部以上であり、更に好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、又は更に好ましくは25質量部以上である。また、セパレータ中で親水性の粒子を使用することで、セパレータの電解液への濡れ性を高めることができることから、粒子は無機粒子であることが好ましく、シリカ粒子であることがより好ましい。セパレータに占める粒子の配合比が高くなると、無機繊維、有機繊維、及び樹脂バインダーの配合比が相対的に低くなることで、密なネットワークを成すことによる、最大孔径の小さいセパレータの作製、ひいては高い耐電圧特性を示すセパレータの作製が困難となる。また、複数種の材料間の結着が弱くなり、希硫酸中での耐熱性(例えば、重量保持性、及び形状保持性)を確保し難くなる。そのため、本実施の形態に係るセパレータ100質量部に対して、粒子の配合量は、50質量部以下であることが好ましく、より好ましくは45質量部以下であり、更に好ましくは42質量部以下であり、更に好ましくは40質量部以下であり、更に好ましくは38質量部以下であり、又は更に好ましくは35質量部以下である。
セパレータは、任意の方法で製造することができ、例えば、繊維、樹脂バインダー、粒子を含むスラリーを湿式抄造プロセスで作製できる。その際、凝集剤及び/又は分散剤、その他の抄紙で利用される添加剤をスラリーへ加えてもよい。また、湿式抄造プロセスでスラリー中での繊維の水分散性を高める為、セパレータの製造に使用する各種繊維に適した分散剤をスラリーに添加してもよい。また、予め各種繊維表面に、界面活性剤成分を付着させておくことで、水分散性を向上させることも可能である。その他の製造方法としては、繊維を主体とする不織布を予め作製しておき、該不織布を樹脂バインダー及び/又は無機粒子を含むスラリーに含浸・乾燥させることによってもセパレータを作製可能である。最大孔径の小さいセパレータを作製する観点から、繊維や粒子の材料は、分散媒中において充分な撹拌によって均一性を高めておくことが好ましい。代替的には、該不織布に、樹脂バインダー及び/又は無機粒子を含むスラリーを塗工することでセパレータを作製することもできる。
本実施の形態に係るセパレータを備える鉛蓄電池も本発明の一態様である。また、実施例に記載の方法で測定されるときに耐電圧値が1kV以上であるセパレータを備える鉛蓄電池も本発明の別の態様である。鉛蓄電池用セパレータの形態は、鉛蓄電池の各構成部材と適合するように、決定されることができる。本発明の鉛蓄電池は、電槽、酸化鉛正極、鉛負極、及び電解液として希硫酸を含み、該正極と該負極の間に本発明に係るセパレータを配置した鉛蓄電池である。正極を構成する正極格子は鉛又は鉛合金でよく、正極活物質は、酸化鉛、例えば二酸化鉛でよい。負極を構成する負極格子は鉛又は鉛合金でよく、負極活物質は鉛でよく、鉛負極そのものは、例えば海綿状の形態でよい。また、これらの正極及び負極の活物質については、上記組成にその他の金属元素が30質量%以下で含まれていてよい。また、上記希硫酸とは、比重1.1~1.4の硫酸であり、さらに添加剤を含むことができる。
実施例および比較例で得たセパレータの各種評価結果を表1~2に示す。なお、表1~2に記載されている樹脂バインダーの配合比(wt%)は、樹脂バインダーの固形分の重量である。表1~2に記載した各評価項目について、評価手法を以下に説明する。
BCIS-03A Method6 December 15の規格に準拠し、測定にはPMI社のパームポロメーター(型式:CFP-1500AL)を用いた。試験液としてPMI社製のGalwick液を用い、25mmΦに切り抜いたセパレータサンプルを試験液に浸し、余分な試験液を除いた後、測定を行った。本装置では、セパレータを試料とし、表面張力が既知の試験液でセパレータの全細孔が満たされた状態で圧縮空気を流し、セパレータの細孔径を測定する。試験液で満たされた細孔を空気が透過する時の圧力と、試験液の表面張力とから、当該細孔の孔径が計算可能であり、計算には以下の式:
dpore=C・γ/P
{ここで、dporeはセパレータの細孔径、γは試験液の表面張力、Pは当該孔径を空気が透過する最小空気圧、Cは定数である。}
が用いられる。
まず、試験液に浸漬したセパレータに掛ける圧力Pを連続的に増加させた時の空気流量(濡れ流量)を測定する。当初は、セパレータの全細孔が試験液で満たされている状態であるために空気流量は0であるが、圧力が増大するに従い、やがて最大の孔径を持つ細孔から空気が透過するようになり、正の空気流量が初めて観測される(バブルポイント)。本発明における最大孔径dmaxは、前記バブルポイントにおいて導出されたセパレータの細孔径を意味する。表1~2に、dmaxの測定結果を記載した。単位はμmである。
本明細書における厚さは、前記セパレータの断面SEM(走査型電子顕微鏡)観察を行い、該観察部の中から異なる5つの領域に関して厚さを測定した際の、5領域の厚さの相加平均値であり、測定結果を表1~2に記載した。相加平均値である厚さの単位は、mmである。
後述する実施例および比較例の回転型乾燥機で加熱乾燥した後のセパレータを、さらに空気中にて90℃で30分間乾燥(吸着水除去)した後に、セパレータに含まれる固形分質量を測定し、該質量を該セパレータの片面の面積で割った値を表1~2に記載した。単位はg/m2である。
上記目付けを、上記厚みで割った値を、密度として表1~2に記載した。単位はg/m2/mmである。
≪耐電圧≫
サイズ12cm角の正方形型アルミニウム板上に、サイズ30mm×30mmに切り出したセパレータを置き、その上にサイズ1cmΦのアルミニウム板、および重さ5gの導電性測定子を配置した。正方形型アルミニウム板、測定子を耐電圧測定器(菊水電子工業社製、型式:TOS5200)に接続することで、測定を行った。相対湿度70%の条件で、交流電圧(50Hz)を0.15kV/secのレートで掛け、絶縁破壊した時点での電圧値を測定した。セパレータ面内の異なる4領域に関して該電圧値を測定し、該4領域の電圧値の相加平均値を表1~2に記載した。単位はkVである。
(実施例1)
粒子として無機粒子である平均粒子径10μmのシリカ粒子(水澤化学工業社製P-510)29.4質量%、無機繊維としてガラス繊維(平均繊維径0.9μm、Cガラス)19.6質量%、有機繊維として芯部がPET(融点255℃)で鞘部が共重合ポリエステル(融点130℃)から成る芯鞘型バインダー繊維(平均繊度2.2dtex、平均繊維長5mm、芯部と鞘部の重量比1:1)39.2質量%、および、樹脂バインダーとしてアクリル系樹脂バインダー(固形分濃度50wt%、分散媒:水、高分子ラテックス)11.8%(固形分)の配合比で、これらの材料を水中で分散・混合し、スラリーを作製した。この時、スラリー中の固形分100質量部に対して、アルキルベタイン系分散剤を2質量部、該スラリーに添加・撹拌した。その後、スラリー中の固形分100質量部に対し、凝集剤(8wt%硫酸バンド水溶液)7質量部を該スラリーに添加・撹拌し、生成物スラリーを得た。該生成物スラリーを用いて通常の抄紙機にてシート形成し、湿紙状態で脱水プレスした後、回転型乾燥機にて180℃で3分加熱/乾燥し、セパレータを得た。得られたセパレータを、上記の評価方法に従って評価した結果を表1に記載した。
配合比を表1あるいは表2に記載の通りに変更した点を除き、使用した材料、作製方法および評価方法に関して実施例1と同じである。
粒子を、平均粒子径5μm(水澤化学工業社製P-803)、12μm(水澤化学工業社製P-78D)、18μm(水澤化学工業社製P-78F)、25μm(PPG社製Hi-Sil WB10-D)のシリカ粒子に変更した点を除き、使用した材料、作製方法および評価方法に関して実施例1と同じである。
実施例1と同じ配合比で生成物スラリーを作製し、プレス加工の強度によってセパレータの密度を変更した点を除き、使用した材料、作製方法および評価方法に関して実施例1と同じである。
Claims (12)
- 無機粒子および繊維および樹脂バインダーを含む鉛蓄電池用セパレータであって、前記無機粒子が、平均粒子径が6μm以上18μm未満のシリカ粒子であり、前記シリカ粒子が前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して5~50質量部含まれ、前記繊維が無機繊維と有機繊維を含み、前記無機繊維が前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して10~60質量部含まれ、前記有機繊維が前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して10~60質量部含まれ、前記樹脂バインダーの固形分が前記鉛蓄電池用セパレータ100質量部に対して5~50質量部含まれ、前記鉛蓄電池用セパレータが多孔体であり、かつ前記鉛蓄電池用セパレータの最大孔径が8μm未満を満たすことを特徴とする鉛蓄電池用セパレータ。
- 無機粒子、無機繊維、有機繊維および樹脂バインダーを含む鉛蓄電池用セパレータであって、
前記無機粒子が、シリカ粒子であり、かつ前記鉛蓄電池用セパレータの質量に対して19.6質量%以上、41.3質量%以下で含まれ、
前記無機繊維が、ガラス繊維であり、かつ前記鉛蓄電池用セパレータの質量に対して13.7質量%以上、27.5質量%以下で含まれ、
前記有機繊維が、芯部がポリエチレンテレフタレート(PET)で鞘部が共重合ポリエステルの芯鞘型バインダー繊維であり、かつ前記鉛蓄電池用セパレータの質量に対して14.7質量%以上、57.4質量%以下で含まれ、
前記樹脂バインダーの固形分が、前記鉛蓄電池用セパレータの質量に対して5質量%以上、50質量%以下で含まれ、かつ、
前記鉛蓄電池用セパレータが多孔体であり、かつ前記鉛蓄電池用セパレータの最大孔径が、5.24μm以上、8μm未満である鉛蓄電池用セパレータ。 - 前記無機繊維がガラス繊維である、請求項1に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
- 前記樹脂バインダーが、アクリル系樹脂バインダー、および/またはスチレン系樹脂バインダーである、請求項1~3のいずれか一項に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
- 前記有機繊維の表面の一部又は全面が、融点220℃以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
- 前記有機繊維の表面の一部又は全面が、融点200℃未満である、請求項5に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
- 前記有機繊維が芯鞘型バインダー繊維である、請求項1に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
- 前記芯鞘型バインダー繊維は、芯部が融点200℃以上のポリエステルであり、かつ鞘部が融点200℃未満のポリエステルである、請求項7に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
- 前記鉛蓄電池用セパレータの密度が、280g/m2/mm以上である、請求項1~8のいずれか一項に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
- 前記鉛蓄電池用セパレータの最大孔径が、1μm以上を満たす、請求項1に記載の鉛蓄電池用セパレータ。
- 電槽、酸化鉛正極、鉛負極、および希硫酸を含む鉛蓄電池であって、前記酸化鉛正極と前記鉛負極の間に、請求項1~10のいずれか一項に記載の鉛蓄電池用セパレータが配置された鉛蓄電池。
- 電槽、酸化鉛正極、鉛負極、および希硫酸を含む鉛蓄電池であって、前記酸化鉛正極と前記鉛負極の間に、耐電圧値が1.06kV以上である請求項1~10のいずれか一項に記載の鉛蓄電池用セパレータが配置された鉛蓄電池。
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