WO2022004148A1 - 電池用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、耐熱性に優れ、電池製造における電解液注液性が改善されたセパレータの提供を目的とする。 【解決手段】本発明は、ポリオレフィン多孔質膜と、該多孔質膜の少なくとも片面に設けられた耐熱性多孔層とを有する電池用セパレータであって、 前記耐熱性多孔層は、無機粒子と有機合成樹脂成分とを含み、 前記無機粒子のうち、粒子径が0.3μm以上の無機粒子(A)表面に付着している粒子径100nm以下の粒子(B)が5.0個以下であることを特徴とする。

Description

電池用セパレータ
 本発明は、ポリオレフィン多孔質膜と、該多孔質膜の少なくとも片面に耐熱性多孔層とを有する電池用セパレータに関する。本発明の実施形態に係る電池用セパレータはリチウムイオン二次電池用セパレータとして有用に用いることができる。
 熱可塑性樹脂多孔質膜は、物質の分離や選択透過及び隔離材等として広く用いられている。例えば、リチウムイオン二次電池、ニッケル-水素電池、ニッケル-カドミウム電池、及びポリマー電池等に用いる電池用セパレータや、電気二重層コンデンサ用セパレータ、逆浸透濾過膜、限外濾過膜、及び精密濾過膜等の各種フィルター、透湿防水衣料、及び医療用材料等である。
 特にリチウムイオン二次電池用セパレータとしては、電解液含浸によりイオン透過性を有し、電気絶縁性、耐電解液性及び耐酸化性に優れ、電池異常昇温時に120~150℃程度の温度において電流を遮断し、過度の昇温を抑制する孔閉塞効果をも備えているポリオレフィン多孔質膜が好適に使用されている。
 しかしながら、何らかの原因で孔閉塞後も昇温が続く場合、ポリオレフィン多孔質膜は破膜を生じることがある。この現象はポリオレフィンを用いた場合に限定される現象ではなく、その多孔質膜を構成する樹脂の融点以上では避けることができない。
 これに対し、ポリオレフィン多孔質膜に対して、無機粒子とバインダー樹脂を主として構成する耐熱性多孔層を被覆した耐熱性セパレータが採用されている。この耐熱性セパレータを用いることで、ポリオレフィン多孔質膜の昇温による収縮を耐熱性多孔層により抑制されている。
このようなセパレータにおいて、電池製造における注液工程の電解液注液性を改善するために、例えば、
無機粒子と、樹脂バインダーとして特定のポリアミド、ポリイミド、及びポリアミドイミドなどの樹脂を用いた耐熱性多孔層が形成されたセパレータ(特許文献1)、
特定の水溶性増粘剤、2価以上のアルコール由来の単量体単位を有するカルボジイミド化合物架橋剤および粒子重合体を含む多孔膜組成物から形成される耐熱性多孔層が形成されたセパレータ(特許文献2の段落[0034])、
耐熱性多孔層の最表面の臨界表面張力と前記耐熱性多孔層を多孔質フィルムとの界面において剥離させた場合の多孔質フィルム側の臨界表面張力との関係において特定の式を満たすセパレータ(特許文献3)、
が提案されているが、まだ十分とは言えず、更なる電解液注液性が良好なセパレータが求められている。
特開2009-87562号公報 WO2014/024991号公報 特開2016-49774号公報
 本発明の課題は、耐熱性に優れ、電池製造における電解液注液性が改善されたセパレータの提供である。
 本発明者らは、従来の技術を鑑み、鋭意検討し、
ポリオレフィン多孔質膜と、該多孔質膜の少なくとも片面に設けられた耐熱性多孔層とを有する電池用セパレータであって、
 前記耐熱性多孔層は、無機粒子と有機合成樹脂成分とを含み、
前記無機粒子のうち、粒子径が0.3μm以上の無機粒子(A)の表面に付着している粒子径100nm以下の粒子(B)の個数の平均が5.0個以下であることを特徴とする電池用セパレータであることにより、本課題を解決することを見出した。
更に好ましい様態は、
(1)無機粒子が、沈降性硫酸バリウムであること、
(2)前記沈降性硫酸バリウムが、芒硝法により合成された粒子であること、
(3)前記耐熱性多孔層に含まれる前記無機粒子成分と前記有機合成樹脂成分の合計を100重量%としたとき、
前記無機粒子が、50重量%以上99重量%の割合で含有すること、
(4)前記有機合成樹脂成分が、
 (メタ)アクリル酸共重合樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ(メタ)アラミド樹脂の群より選ばれる1つ以上を含有すること、
である。
本発明の実施形態によって、耐熱性に優れ、電池製造における電解液注液性に優れたセパレータの提供をすることができる。
本願発明の実施例1で作製されたセパレータの耐熱性多孔層表面の走査型電子顕微鏡像である。 本願発明の比較例1で作製されたセパレータの耐熱性多孔層表面の走査型電子顕微鏡像である。 本願発明の比較例2で作製されたセパレータの耐熱性多孔層表面の走査型電子顕微鏡像である。 本願発明の実施例1で作製されたセパレータの電解液の濡れ拡がり性を評価した写真である。 本願発明の比較例1で作製されたセパレータの電解液の濡れ拡がり性を評価した写真である。
 以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
 本発明の実施形態に係る電池用セパレータは、ポリオレフィン多孔質膜と、該多孔質膜の少なくとも片面に設けられた耐熱性多孔層とを有する。 
 [ポリオレフィン多孔質膜]
本発明の実施形態におけるポリオレフィン多孔質膜の厚さは、電池用セパレータの機能を有する限りにおいて特に制限されるものではないが、25μm以下が好ましい。より好ましくは7μm以上、20μm以下であり、さらに好ましくは9μm以上、16μm以下である。ポリオレフィン多孔質膜の厚さが25μm以下であると、実用的な膜強度と孔閉塞機能を両立させることが出来、電池ケースの単位容積当たりの面積が制約されず、電池の高容量化に適する。
 ポリオレフィン多孔質膜の透気抵抗度は30sec/100cmAir以上、200sec/100cmAir以下が好ましい。より好ましくは40sec/100cmAir以上、150sec/100cmAir以下であり、さらに好ましくは50sec/100cmAir以上、100sec/100cmAir以下である。透気抵抗度が30sec/100cmAir以上であると、十分な機械的強度と絶縁性が得られることで電池の充放電時に短絡が起こる可能性が低くなる。200sec/100cmAir以下であると、十分な電池の充放電特性、特にイオン透過性(充放電作動電圧)及び電池の寿命(電解液の保持量と密接に関係する)において十分であり、電池としての機能を十分に発揮することができる。
 ポリオレフィン多孔質膜の空孔率は20%以上、70%以下が好ましい。より好ましくは30%以上、60%以下であり、さらに好ましくは55%以下である。空孔率が30%以上、70%以下であると、十分な電池の充放電特性、特にイオン透過性(充放電作動電圧)及び電池の寿命(電解液の保持量と密接に関係する)において十分であり、電池としての機能を十分に発揮することができ、十分な機械的強度と絶縁性が得られることで充放電時に短絡が起こる可能性が低くなる。
 ポリオレフィン多孔質膜の平均孔径は、孔閉塞性能に大きく影響を与えるため、0.01μm以上、1.0μm以下が好ましい。より好ましくは0.02μm以上、0.5μm以下であり、さらに好ましくは0.03μm以上、0.3μm以下である。ポリオレフィン多孔質膜の平均孔径が0.01μm未満であると、耐熱性多孔層を堆積した際に有機合成成分による孔の目詰まりが発生し、透気抵抗度および電気抵抗度が悪化する場合がある。1μm以上であると、耐熱性多孔層組成物による孔の目詰まりが発生し、透気抵抗度およ び電気抵抗度が悪化したり、微短絡の発生のため電池の安全性が低下する場合がある。
ポリオレフィン多孔質膜の平均孔径が0.01μm以上、1.0μm以下であると、バインダーのアンカー効果により、ポリオレフィン多孔質膜に対する、十分な耐熱性多孔層の密着強度が得られ、耐熱性多孔層を積層した際に透気抵抗度及び電気抵抗度が大幅に悪化せず、かつ、孔閉塞現象の温度に対する応答が緩慢になることもなく、昇温速度の変化により孔閉塞温度がより高温側にシフトすることも少ない。本発明で言う平均孔径とはJIS K 3832:1990で規定されるバブルポイント法にて得た測定値である。
 ポリオレフィン多孔質膜を構成するポリオレフィン樹脂は特に制限されるものではないが、ポリエチレンやポリプロピレンが好ましい。電気絶縁性、及びイオン透過性等の基本特性に加え、電池異常昇温時において、電流を遮断し、過度の昇温を抑制する孔閉塞効果を具備しているからである。
また、単一物又は2種以上の異なるポリオレフィン樹脂の混合物、例えばポリエチレンとポリプロピレンとの混合物であってもよいし、異なるオレフィンの共重合体であってもよい。
 なかでもポリエチレンが優れた孔閉塞性能の観点から特に好ましい。以下、本発明で用いるポリオレフィン樹脂としてポリエチレンを例に詳述するが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。
 ポリエチレンとしては、例えば、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレン等が挙げられる。また重合触媒にも特に制限はなく、チーグラー・ナッタ系触媒やフィリップス系触媒やメタロセン系触媒等が挙げられる。これらのポリエチレンはエチレンの単独重合体のみならず、他のα-オレフィンを少量含有する共重合体であってもよい。エチレン以外のα-オレフィンとしてはプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のエステル、スチレン等が好適である。
 ポリエチレンは単一物でもよいが、2種以上のポリエチレンからなる混合物であることが好ましい。ポリエチレン混合物としては重量平均分子量(Mw)の異なる2種類以上の超高分子量ポリエチレン同士の混合物、同様な高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンの混合物を用いてもよいし、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンからなる群から選ばれる2種以上のポリエチレンの混合物を用いてもよい。
 ポリオレフィン多孔質膜は、充放電反応の異常時に孔が閉塞する機能を有することが必要である。従って、構成する樹脂の融点(軟化点)は70℃以上、150℃以下が好ましい。より好ましくは80℃以上、140℃以下、さらに好ましくは100℃以上、130℃以下である。構成する樹脂の融点が70℃以上、150℃以下であると、正常使用時に孔閉塞機能が発現してしまって電池が使用不可になることがなく、また、異常反応時に孔閉塞機能が発現することで安全性を確保できる。
 [耐熱性多孔層]
 本発明の実施形態に係る電池用セパレータは、上記ポリオレフィン多孔質膜の少なくとも片面に耐熱性多孔層が設けられており、無機粒子と有機合成樹脂成分とを含む。
 前記耐熱性多孔層は、ポリオレフィン多孔質膜の片面のみに設けられていても、両面に設けられていてもよい。片面のみに設ける場合、耐熱性多孔層を形成する工程が少なくなり、より生産コストを抑えることができる、両面に設ける場合、ポリオレフィン多孔質膜の熱による収縮を、両面から抑制することで、より効果的に電池用セパレータの熱による収縮率を低減することができる。
 [無機粒子]
本発明における無機粒子は、耐熱層中において以下に定義する無機粒子(A)と粒子(B)とが特定の関係を有する。粒子径が0.3μm以上の無機粒子(A)表面に付着している粒子径100nm以下の粒子(B)個数が5.0個以下である。好ましくは、3.0個以下であり、より好ましくは、1.0個以下である。ここで本発明の無機粒子(A)とは、走査型電子顕微鏡(以下、SEMと言う)にて電池用セパレータの表面に設けられた耐熱性多孔層の無機粒子を30,000倍にて観察し得られた反射電子像(BEI)において、短軸径0.3μm以上である粒子である。粒子(B)とは、前記無機粒子(A)表面に付着している短軸径100nm以下の粒子である。
 無機粒子(A)に付着している粒子(B)の個数とは、任意に選ばれる無機粒子(A)20個に付着している粒子(B)の個数を数え、無機粒子(A)1個当たりの平均付着数である。無機粒子(A)表面に付着している粒子(B)の個数が、5.0個より大きいと、電池製造における電解液注液性が悪くなる場合がある。これは、ハスの葉やバラの花びらの表面には特殊な微粒子が散りばめられ、微細なナノレベルでの凹凸構造を形成して超撥水性を醸し出していること(いわゆるロータス効果)と同様に無機粒子(A)表面に微細なナノレベルでの凹凸構造が粒子(B)の付着により形成されていることで、無機粒子(A)表面に対する電解液の濡れが悪くなる場合があるためであると考えられる。無機粒子(A)表面に付着している粒子(B)の個数の平均が5.0個以下であると、無機粒子(A)表面に微細なナノレベルでの凹凸構造が形成されず、無機粒子(A)表面に対する電解液の濡れが良好であり、その結果、電池製造における電解液注液性が良好となる。
 本発明の無機粒子の平均粒子径は、本願発明の構成要素の1つである、粒子径が0.3μm以上の無機粒子(A)表面に付着している粒子径100nm以下の粒子(B)の個数を5.0個以下とするには、耐熱層中の無機粒子のレーザー回折散乱法による粒度分布計で求められる体積基準平均粒子径が、0.4μm以上であることが好ましく、0.5μm以上が更に好ましい。レーザー回折散乱法による粒度分布計で求められる体積基準平均粒子径が、0.4μm以上であると、十分条件ではないが、粒子径が0.3μm以上の無機粒子(A)表面に付着している粒子径100nm以下の粒子(B)の個数を5.0個以下と制御することができる。無機粒子の平均粒子径の上限は、2.0μm以下である。無機粒子の平均粒子径が、2.0μmより大きいと、耐熱性多孔層中の個々の無機粒子同士の接点が少なくなることで、耐熱性多孔質層の構造がもろくなり、高温時にポリオレフィン多孔質膜の収縮を抑制することが困難となったり、粗大粒子が多くなり、耐熱性多孔層の表面形状にむらができ、後述する耐熱性多孔層の製造方法においてスジ等が発生する場合がある。
 本発明の無機粒子は、電気化学的に安定であれば特に材質を制限するものではない。具体的には、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、SiO-MgO(ケイ酸マグネシウム)、SiO-CaO(ケイ酸カルシウム)、ハイドロタルサイト、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ランタン、炭酸セリウム、塩基性チタン酸塩、塩基性ケイチタン酸塩、塩基性酢酸銅、塩基性硫酸鉛、層状複水酸化物(Mg-Alタイプ、Mg-Feタイプ、Ni-Feタイプ、Li-Alタイプ)、層状複水酸化物-アルミナシリカゲル複合体、ベーマイト、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化鉄、オキシ水酸化鉄、ヘマタイト、酸化ビスマス、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の陰イオン吸着材、リン酸ジルコニウム、リン酸チタニウム、アパタイト、非塩基性チタン酸塩、ニオブ酸塩、ニオブ・チタン酸塩等の陽イオン吸着材、ゼオライト、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、石膏、硫酸バリウム、アルミナ三水和物(ATH)、ヒュームドシリカ、沈殿シリカ、ジルコニア、及びイットリア等の酸化物系セラミックス、窒化ケイ素、窒化チタン、及び窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス、シリコンカーバイド、カオリナイト、タルク、ディカイト、ナクライト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、アメサイト、ベントナイト等の層状シリケート、アスベスト、ケイ藻土、ガラス繊維、合成層状シリケート、例えば、雲母又はフルオロ雲母、及びホウ酸亜鉛から成る群から選択される。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも特に硫酸バリウムが好ましく、より好ましくは、沈降性硫酸バリウムである。具体的には、炭酸バリウム、又は硫化バリウムに硫酸を加えることによって硫酸バリウムを得る方法(硫酸法)、塩化バリウムに硫酸ナトリウムを加えることによって硫酸バリウムを得る方法(芒硝法)で得られる硫酸バリウム粒子である。合成法により作製された硫酸バリウム粒子を用いることにより、無機粒子の粒子径の制御を精度良く行うことができ、本願発明の構成要素の1つである、粒子径が0.3μm以上の無機粒子(A)の表面に付着している粒子径100nm以下の粒子(B)の個数を5.0個以下に制御することができる。
 本発明の粒子(B)は、特に限定するものではなく、有機粒子であっても無機粒子であっても良い。好ましくは、無機粒子であり、無機粒子(A)と同一の材質であることがより好ましい。
 本発明で用いる硫酸バリウム粒子は、合成法で得られる沈降性硫酸バリウム粒子、中でも塩化バリウムを出発物質とし、硫酸ナトリウム(芒硝)と反応させる芒硝法により合成される硫酸バリウム粒子を用いることが好ましい。この理由は硫酸バリウム粒子の検討過程で芒硝法により合成される硫酸バリウム粒子は硫化水素の発生が極めて少なく、腐食性ガスの発生を抑制できるためである。
 [有機合成樹脂成分]
 本発明の実施形態における有機合成樹脂成分は、耐熱性多孔層を構成する無機粒子同士が結着する効果、及び耐熱性多孔層をポリオレフィン多孔質膜と密着させる効果を兼ね備えている。
具体的には、(メタ)アクリル酸共重合樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ(メタ)アラミド樹脂の群より選ばれる1つ以上を使用することができ、市販されている水溶液又は水分散体を使用することができる。アクリル系樹脂としては、具体的には、昭和電工(株)製“ポリゾール”シリーズ、日本ゼオン(株)製“BM”シリーズ、東亜合成(株)製“ジュリマー”(登録商標)AT-210、ET-410、“アロン”(登録商標)A-104、AS-2000、NW-7060、トーヨーケム(株)製“LIOACCUM”(登録商標)シリーズ、JSR(株)製 TRD202A、TRD102A、荒川化学(株)製“ポリストロン”(登録商標)117、705、1280、昭和電工(株)製“コーガム”(登録商標)シリーズ、大成ファインケミカル(株)製 WEM-200U、及びWEM-3000等が挙げられる。ポリビニルアルコールとしては、具体的には、クラレ(株)製“クラレポバール”(登録商標)3-98、3-88、三菱ケミカル(株)製“ゴーセノール”(登録商標)N-300、GH-20等が挙げられる。中でも汎用性が高く、硫酸バリウム粒子同士の結着がしやすいアクリル系樹脂が好ましい。有機合成樹脂成分のうち、粒子状分散体を使用し、塗布、乾燥して耐熱性多孔層を形成する場合、耐熱性多孔層を形成後に粒子形状を維持していないもの、または、耐熱性多孔層を形成後も粒子形状を維持する場合は、耐熱性多孔層を形成後の有機合成樹脂成分よりなる粒子の平均一次粒子径は、100nm以上であることが好ましい。100nm以上であると、本願発明の構成要素の1つである、粒子径が0.3μm以上の無機粒子(A)の表面に付着している粒子径100nm以下の粒子(B)の個数を5.0個以下に制御することができ、電池製造における電解液注液性が良好となる。
 前記耐熱性多孔層には、無機粒子の分散安定性を向上させる目的の分散剤や、塗工性を向上させる目的で増粘剤及び濡れ剤等、耐熱性を向上させる目的で熱硬化性樹脂及び架橋剤等を適宜含んでもよい。
 [耐熱性多孔層の重量組成比]
 本発明の実施形態における耐熱性多孔層中に含まれる無機粒子の含有量は、無機粒子と有機合成樹脂成分の合計を100質量%として50質量%以上、99質量%以下である。
より好ましくは77質量%以上、95質量%以下であり、さらに好ましくは80質量%以上、93質量%以下である。
 無機粒子の含有量が50質量%より小さいと、耐熱性多孔層中の個々の無機粒子の隙間が有機合成樹脂成分で目詰まりしてしまうため、イオンの移動経路が狭くなったり、長くなることで電気抵抗度や透気抵抗度が大きくなる。
 無機粒子の含有量が99質量%より大きいと、個々の無機粒子同士をつなぎ留めている有機合成樹脂成分が不足し、耐熱性多孔層としての構造が保てない。
 無機粒子の含有量が50質量%以上、99質量%以下であると、耐熱性多孔層中の個々の無機粒子の隙間が有機合成樹脂成分で目詰まりすることが少なくなり、良好な電気抵抗度や透気抵抗度を得ることができ、且つ、無機粒子同士をつなぎ留めているバインダーが不足することがなくなるため、熱によるポリオレフィン多孔質膜の収縮を抑制することができる。
 [耐熱性多孔層の平均厚さ]
本発明の実施形態における耐熱性多孔層の平均厚さは、2.0μm以上、10μm以下であることが好ましい。より好ましくは2.5μm以上、6μm以下であり、さらに好ましくは3.0μm以上、4.0μm以下である。耐熱性多孔層の厚さが2.0μmより小さいと、熱によるポリオレフィン多孔質膜の収縮を抑制することができなくなる場合がある。耐熱性多孔層の平均厚さが10μmより大きいと、イオンの移動経路が長くなるため、透気抵抗度が大きくなったり、電池セルの正極と負極の極間距離が大きくなることで電池セル容量に占める電池用セパレータの割合が多くなり、電気抵抗度が大きくなる場合がある。耐熱性多孔質層の平均厚さが2.0μm以上、10μm以下であると、透気抵抗度が大きくなったり、電気抵抗度が大きくなることがない。
 [耐熱性多孔層の形成方法]
 本発明を得るための耐熱性多孔層は以下の工程で得ることができる。
(a)耐熱性多孔層用塗工分散液の作製。
(b)ポリオレフィン多孔質膜の少なくとも片面、又は両面に前記スラリーをコーティングする工程。
(c)前記コーティング後、溶媒をドライヤーで乾燥させ、耐熱性多孔層を形成する工程。
 前記工程(a)において、分散媒として水を用いることが好ましい。耐熱性多孔層用塗工分散液の分散安定性を損なわない範囲であれば、分散媒として水にメタノール、エタノール、N-メチルピロリドンなどの親水性の溶媒を混ぜたものを使用してもよい。無機粒子と有機合成樹脂を少なくとも含有する耐熱性多孔層用塗工分散液を作製する方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、ボールミル、ビーズミル、遊星ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ロールミル、高速インペラー分散、ディスパーザー、ホモジナイザー、プラネタリーミキサーおよび遊星式混練機、超音波分散、撹拌羽根等による機械撹拌等が挙げられる。本願発明の構成要素の1つである、無機粒子のうち、粒子径が0.3μm以上の無機粒子(A)表面に付着している粒子径100nm以下の粒子(B)個数を5.0個以下とするためには、本工程で無機粒子の割れ、及び欠けができるだけ発生しないマイルド分散であることが望ましい。分散が、過度であると、無機粒子(A)が、割れることによって、新たにたくさんの活性面が露出したり、100nm以下の粒子(B)が新たにたくさん生成し、割れによって生成した前記活性面に粒子(B)が無機粒子(A)の活性面に引き付けられ、付着する場合がある。マイルド分散であると、無機粒子(A)が、割れることによってできる新たな活性面の生成や、割れによって新たに生成する粒子(B)の数を少なくすることができ、粒子径が0.3μm以上の無機粒子(A)表面に付着している粒子径100nm以下の粒子(B)個数を5.0個以下とすることができる。
ここで言うマイルド分散とは、凝集状態にある無機粒子を分散媒に分散させる工程において、粒子に過剰なエネルギーを与えることなく、無機粒子の一次粒子のサイズ、形状、結晶構造、表面状態などを維持したまま分散させた状態であり、具体的には、例えば、ビーズミル分散装置を用いる場合、ビーズ径が、より小さいビーズを使用したり、ビーズ比重がより小さいビーズを使用することでマイルド分散状態を得ることができる。
 前記工程(b)において、ポリオレフィン多孔質膜の少なくとも片面又は両面に耐熱性多孔層用塗工分散液をコーティングする方法は公知の方法を用いることができる。例えば、リバースロール・コート法、グラビア・コート法、小径グラビアコーター法、キス・コート法、ロールブラッシュ法、エアナイフコート法、マイヤーバーコート法、パイプドクター法、ブレードコート法及びダイコート法等が挙げられ、これらの方法は単独又は組み合わせて行うことができる。
 本発明の実施形態に係る電池用セパレータは、ニッケル-水素電池、ニッケル-カドミウム電池、ニッケル-亜鉛電池、銀-亜鉛電池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池、及びリチウム-硫黄電池等の二次電池等の電池用セパレータとして用いることができる。特に、リチウムイオン二次電池のセパレータとして用いるのが好ましい。
 以下、実施例を示して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例よって何ら制限されるものではない。なお、実施例中の測定値は以下の方法で得た値である。
 1.無機粒子の粒子径(μm)
無機粒子の粒子径は、JISZ8825(2013)に従いレーザー回折式粒度分布測定装置((株)堀場製作所製、LA-960V2)を用いて以下の物性値を測定した。
1)体積基準積算率が50%のときの粒子径D50(μm)
 2.無機粒子(A)表面に付着する粒子(B)の個数
走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、型式JSM-6700F、以下、SEMと言う)を用いて、加速電圧2.0kVで、電池用セパレータの表面に設けられた耐熱性多孔層の無機粒子を30,000倍にて観察し得られた反射電子像(BEI)を撮影し、短軸径0.3μm以上である粒子を無機粒子(A)、前記無機粒子(A)表面に付着している短軸径100nm以下の粒子を粒子(B)とした。任意に無機粒子(A)を20個選び、その表面に付着する粒子(B)を数え、その平均値を四捨五入し、小数点1桁で表した。
 3.厚さ(μm)
 ポリオレフィン多孔質膜及び電池用セパレータを接触式膜厚計((株)ミツトヨ製“ライトマチック”(登録商標)series318)を使用して5点の測定値を平均することによって厚さを求めた。超硬球面測定子φ9.5mmを用い、加重0.01Nの条件で測定した。さらに、耐熱性多孔層の厚さ(μm)は、電池用セパレータを前記スラリーに含まれる溶媒と同じ液で洗浄し、耐熱性多孔層を除去したポリオレフィン多孔質膜を前記接触式膜厚計にて測定し、下記計算式にて得た。
 耐熱性多孔層の厚さ(μm)=電池用セパレータの厚さ(μm)-ポリオレフィン多孔質膜の厚さ(μm)。
 4.電池用セパレータの熱収縮率(%)(耐熱性)
 電池用セパレータの耐熱性は下記の方法にて、電池用セパレータのMD方向(長手方向)とTD方向(横手方向)について測定した。詳細な手順を下記に説明する。
 1)電池用セパレータ100mm×100mmの大きさで3枚切り出し、透明なガラススケール(測定精度0.1mm)を乗せ、電池用セパレータの対面する2辺の中点同士の距離を、それぞれMD方向の長さ、TD方向の長さとして計測し、初期寸法(mm)とする。
 2)電池用セパレータをA3サイズの紙2枚で挟み、温度130℃にしたオーブンに入れ1時間放置した。その後、電池用セパレータを取り出し30分放冷した。
 3)電池用セパレータの対面する2辺の中点同士の距離を再度、前記ガラススケールにて測定し、収縮後の寸法(mm)とした。この時の測定位置は初期寸法を測定した位置と同じ位置であり、電池用セパレータの端部がカールしていた場合は、広げて測定を実施した。得られた初期寸法と、収縮後の寸法を用い、下記計算式にてMD方向の長さ、及びTD方向の長さ、それぞれの熱収縮率(%)を得た。
  熱収縮率(%) = {初期寸法(mm)- 収縮後の寸法(mm)}/初期寸法(mm)×100。
 5.電池用セパレータの電解液の濡れ拡がり性
 電池用セパレータの電解液の濡れ拡がり性は下記の方法にて測定した。詳細な手順を下記に説明する。
1)電池用セパレータMD100mm×100mmの大きさで切り出し、これを測定試料とした。
2)温度23℃、露点温度-50℃のドライルームに24時間放置した。
3)前記ドライルーム内で、耐熱多孔膜を上にしてセパレータのMD方向両端から5mmをそれぞれクリップでシワが入らないように水平に把持した。
4)ポリカーボネート液を測定液とし、マイクロシリンジを用いて測定液0.5μLを採取し、測定試料に静かに滴下した。
5)測定液滴下から8分経過後の測定試料を条件から撮影し、その撮影像から試料液が濡れ拡がった液滴の面積(cm)を測定した。
 (実施例1)
[電池用セパレータの作製]
 表1に示す粒子A(硫酸バリウム(芒硝法)、D50=1.2μm)を100重量部、ポリアクリル酸系分散剤(SA/HAPS=85/15モル%のコポリマー、Mw=6000)0.5重量部(有効成分)、および水を加え、0.1mm径のアルミナビーズ(TB-1,ビーズ比重3.9g/cm, 大明化学工業株式会社製)を用いてビーズミル分散し、有効成分率が60重量%である分散液を得た。
 得られた分散液に増粘剤として、中和度が50%のポリアクリル酸のナトリウム部分中和物(昭和電工(株)製、ビスコメートNP-700)1.5重量部、バインダーとして、アクリルエマルジョン(昭和電工(株)製、ポリゾールAP-4735)3.0重量(有効成分)、濡れ剤(サンノプコ社製、商品名「SNウェット366」)0.5重量部(有効成分)、及び水を加え攪拌し、固形分率が50重量%の塗工液を作製した。
 得られた塗工液を、表2に示すポリエチレン多孔質膜a(厚さ10μm、東レ(株)製“SETELA” (登録商標))の片面(1面)に、マイクログラビア法にて塗布、乾燥し、厚さ4μmの耐熱性多孔層を有する電池用セパレータを作製した。
作製した電池用セパレータについて、耐熱性多孔層厚み、無機粒子(A)表面に付着する粒子(B)の個数、セパレータの熱収縮率(%)および電解液の濡れ拡がり性の評価を実施し、結果を表3に示した。
 (実施例2、3、比較例1~4)
実施例1の粒子Aを表1に示す粒子B~Gに変えた以外は、実施例1と同様に電池用セパレータを作製し、評価を実施し、結果を表3に示した。
 (実施例4)
実施例1のビーズミル分散を超音波ホモジナイザー(24kHz、ホーン径14mmΦ)による分散に代えた以外は、実施例1と同様に電池用セパレータを作製し、評価を実施し、結果を表3に示した。
 (比較例5)
実施例1の粒子Aを表1に示す粒子Dに代え、実施例4と同様に電池用セパレータを作製し、評価を実施し、脚気を表3に示した。
 (比較例6)
実施例1の0.1mm径のアルミナビーズを1.0mm径のジルコニアビーズ(トレセラム(登録商標)ビーズ,ビーズ比重6.0g/cm東レ株式会社製)に代えた以外は、実施例1と同様に電池用セパレータを作製し、評価を実施し、結果を表3に示した。
 (実施例5~7)
実施例1のポリエチレン多孔質膜aを表2に示すポリエチレン多孔質膜b~dに代えた以外は、実施例1と同様に電池用セパレータを作製し、評価を実施し、結果を表3に示した。
 (実施例8)
表1に示す粒子Hを100重量部と、ポリビニルアルコール(デンカ株式会社製、K-17C)を1.5重量部(有効成分)および水を加え、実施例1と同様にビーズミル分散し、有効成分率が40重量%である分散液を得た。次いで、実施例1と同様に電池用セパレータを作製し、評価を実施し、結果を表3に示した。
表3から明らかなとおり、実施例1から実施例8の電池用セパレータはセパレータの熱収縮率(%)および電解液の濡れ拡がり性が良好であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 本発明のセパレータは、リチウムイオン電池などの非水電解質電池に好ましく用いられるバッテリー用セパレータとして好適に用いることができる。
1 無機粒子(A)
2 粒子(B)

Claims (5)

  1. ポリオレフィン多孔質膜と、該多孔質膜の少なくとも片面に設けられた耐熱性多孔層とを有する電池用セパレータであって、
     前記耐熱性多孔層は、無機粒子と有機合成樹脂成分とを含み、
    前記無機粒子のうち、粒子径が0.3μm以上の無機粒子(A)表面に付着している粒子径100nm以下の粒子(B)が5.0個以下であるとする電池用セパレータ。
    ここで無機粒子(A)に付着している粒子(B)の個数は、走査型電子顕微鏡にて電池用セパレータの表面に設けられた耐熱性多孔層の無機粒子を30,000倍にて観察し得られた像の、タテ2μm、ヨコ2μmの範囲から任意に選ばれる無機粒子(A)20個に付着している粒子(B)の個数を数え、無機粒子(A)1個当たりの平均付着数である。
  2.  前記無機粒子が、沈降性硫酸バリウムである請求項1に記載の電池用セパレータ。
  3.  前記沈降性硫酸バリウムが、芒硝法により合成された粒子である請求項2に記載の電池用セパレータ。
  4.  前記耐熱性多孔層に含まれる前耐無機粒子成分と前記有機合成樹脂成分の合計を100重量%としたとき、
    前記無機粒子が、50重量%以上99重量%の割合で含有する請求項1から請求項3のいずれかに記載の電池用セパレータ。
  5. 前記有機合成成分が、
     (メタ)アクリル酸共重合樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ(メタ)アラミド樹脂の群より選ばれる1つ以上を含有する請求項1から請求項4のいずれかに記載の電池用セパレータ。
     
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