JP7050905B2 - 多孔体、鉛蓄電池用セパレータ、及び鉛蓄電池 - Google Patents

多孔体、鉛蓄電池用セパレータ、及び鉛蓄電池 Download PDF

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Description

本発明は、多孔体、セパレータ、鉛蓄電池用セパレータ、及びそれらを用いた鉛蓄電池などに関する。
多孔体は、その多孔性のために、電池用セパレータ、吸着剤、担持体、フィルター等に利用されることができる。中でも、鉛蓄電池は、車載用途(例えば、乗用車、バス、トラック、二輪車、及びゴルフカート)又は産業用途(例えば、フォークリフト、耕作機械、鉄道、UPS、及び通信機器)等において、世界的に幅広く利用されており、車載用途等では、鉛蓄電池に振動が加わる場所(例えば、ボンネットの中)に配置される為、鉛蓄電池の構成材料であるセパレータには、高い膜強度が要求される。
鉛蓄電池用セパレータとしては、AGM(Absorbed Glass Mat)というガラス繊維の不織布が広く知られている。そのようなセパレータは、鉛蓄電池の充放電によって生じ得る成層化(電槽内で電解液である希硫酸の濃度が高い領域と低い領域が形成されることをいう)の抑制能が高い。
また、ガラス繊維、有機繊維及び無機粒子を抄紙プロセスで凝集剤を利用して複合化させた鉛蓄電池用セパレータも報告されている(例えば、特許文献1)。このような複合セパレータにおいては、有機繊維はセパレータ膜強度の補強に寄与でき、また、高価なガラス繊維の一部を安価な有機繊維に置き換えることによってコストダウンにも寄与することが利点となる。また、繊維間の空隙部分に無機粒子を組み込むことで、セパレータを緻密にして細孔径を小さくすることが可能となり、電極から生じるデンドライトを起因とする短絡、又は電極から脱落した活物質による短絡の抑制に対して有利となる。
特開2006-310274号公報
しかしながら、上述したような複数の繊維、及び/又は各種の粒子を複合化した鉛蓄電池用セパレータ膜に関しては、材料設計が複雑であり、その膜強度を高める手法に関して、系統的な報告がなされていない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、繊維及び/又は粒子を含む多孔体に関して、その強度を高めること、及びそれを用いて膜強度の高いフィルター又はセパレータを提供することを目的とする。
上記課題は、以下の技術的手段により解決される。
[1]
繊維及び/又は粒子と、樹脂バインダーとを含む多孔体であって、前記多孔体100質量部に対して前記樹脂バインダーの固形分を5.0質量部超過含み、かつ前記多孔体の少なくとも一部の密度D(g/m/mm)が、400<Dを満たすことを特徴とする多孔体。
[2]
前記多孔体がセパレータである、項目1に記載の多孔体。
[3]
前記多孔体が鉛蓄電池用セパレータである、項目1に記載の多孔体。
[4]
前記密度D(g/m/mm)が、450<Dを満たす、項目1~3のいずれか一項に記載の多孔体。
[5]
前記多孔体が無機繊維を含む、項目1~4のいずれか一項に記載の多孔体。
[6]
前記多孔体がガラス繊維を含む、項目1~5のいずれか一項に記載の多孔体。
[7]
前記多孔体が有機繊維を含む、項目1~6のいずれか一項に記載の多孔体。
[8]
前記多孔体が無機粒子を含む、項目1~7のいずれか一項に記載の多孔体。
[9]
前記多孔体が前記繊維を含み、該繊維の表面の一部又は全面が、融点220℃以下である、項目1~8のいずれか一項に記載の多孔体。
[10]
前記繊維の表面の一部又は全面が、融点200℃未満である、項目9に記載の多孔体。
[11]
前記多孔体が前記繊維を含み、該繊維の表面の一部又は全面が、融点220℃以下であり、かつ前記多孔体が鉛蓄電池用セパレータである、項目1~10のいずれか一項に記載の多孔体。
[12]
前記多孔体が有機繊維を含み、該有機繊維の表面の一部又は全面が、融点200℃未満である、項目1~11のいずれか一項に記載の多孔体。
[13]
前記粒子の粒子径が、0.01μm以上200μm以下である、項目1~12のいずれか一項に記載の多孔体。
[14]
前記粒子の平均粒子径が、0.5μm以上100μm以下である、項目1~13のいずれか一項に記載の多孔体。
[15]
前記多孔体は、無機繊維及び有機繊維を含み、該無機繊維の重量をWi(g)、該有機繊維の重量をWo(g)とした時、Wo/Wi≧0.90を満たす、項目1~14のいずれか一項に記載の多孔体。
[16]
前記多孔体が有機繊維を含み、かつ該有機繊維の表面の一部又は全面が、融点200℃未満のポリエステルで形成される、項目1~15のいずれか一項に記載の多孔体。
[17]
前記多孔体は、芯鞘型バインダー繊維を含む、項目1~16のいずれか一項に記載の多孔体。
[18]
前記多孔体は、芯鞘型バインダー繊維を含み、かつ該芯鞘型バインダー繊維の鞘成分と芯成分の重量比(鞘成分重量(g)/芯成分重量(g))が、0.15以上50以下である、項目1~17のいずれか一項に記載の多孔体。
[19]
前記多孔体は、芯鞘型バインダー繊維を含み、該芯鞘型バインダー繊維は、芯部が融点200℃以上のポリエステルであり、かつ鞘部が融点200℃未満のポリエステルである、項目1~18のいずれか一項に記載の多孔体。
[20]
前記繊維が無機繊維及び有機繊維であり、かつ前記多孔体100質量部に対して、該無機繊維5~80質量部、該有機繊維5~80質量部、前記粒子5~60質量部、及び前記樹脂バインダーの前記固形分40質量部以下を含む、項目1~19のいずれか一項に記載の多孔体。
[21]
前記密度Dが、D<900を満たす、項目1~20のいずれか一項に記載の多孔体。
[22]
前記多孔体は、無機繊維及び有機繊維を含み、該無機繊維の重量をWi(g)、該有機繊維の重量をWo(g)とした時、前記Wo/Wiが、Wo/Wi<20を満たす、項目1~21のいずれか一項に記載の多孔体。
[23]
前記樹脂バインダーが、アクリル系樹脂バインダー、及び/又はスチレン系樹脂バインダーである、項目1~22のいずれか一項に記載の多孔体。
[24]
前記多孔体100質量部に対して、前記樹脂バインダーの前記固形分は、40質量部以下である、項目1~23のいずれか一項に記載の多孔体。
[25]
前記多孔体の少なくとも一部が、カレンダー処理されている、項目1~24のいずれか一項に記載の多孔体。
[26]
前記多孔体の少なくとも一部が、エンボス加工されている、項目1~25のいずれか一項に記載の多孔体。
[27]
前記多孔体の少なくとも一部が、シール加工されている、項目1~26のいずれか一項に記載の多孔体。
[28]
前記多孔体が無機繊維を含み、かつ前記多孔体100質量部に対して、該無機繊維5~80質量部を含む、項目1~27のいずれか一項に記載の多孔体。
[29]
前記多孔体が有機繊維を含み、かつ前記多孔体100質量部に対して、該有機繊維5~80質量部を含む、項目1~28のいずれか一項に記載の多孔体。
[30]
前記多孔体100質量部に対して、前記粒子5~60質量部を含む、項目1~29のいずれか一項に記載の多孔体。
[31]
前記多孔体は無機繊維及び有機繊維を含み、該有機繊維の平均繊維径が、該無機繊維の平均繊維径より大きい、項目1~30のいずれか一項に記載の多孔体。
[32]
前記粒子がシリカ粒子である、項目1~31のいずれか一項に記載の多孔体。
[33]
前記多孔体は、湿式抄造多孔体である、項目1~32のいずれか一項に記載の多孔体。
[34]
電槽、酸化鉛正極、鉛負極、及び希硫酸を含む鉛蓄電池であって、前記酸化鉛正極と前記鉛負極の間に、項目1~33のいずれか一項に記載の多孔体が配置された鉛蓄電池。
本発明によれば、繊維及び/又は粒子と樹脂バインダーを含む多孔体の強度を改良することができ、ひいては多孔体を膜として用いるフィルター、電池用セパレータ又は鉛蓄電池用セパレータが、高い膜強度を示すことができる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
≪多孔体≫
本実施の形態に係る多孔体は、繊維及び/又は粒子と、樹脂バインダーとを含み、樹脂バインダーの固形分の含有量は、多孔体100質量部に対して5.0質量部超過であり、かつ多孔体の少なくとも一部の密度D(g/m/mm)が、400<Dを満たす。多孔体は、例えば、膜、フィルム、シート、板、不織布、織布、立方体、直方体、円柱、球形、略球形などの任意の形態を有することができる。多孔体は、その形態、多孔性、透過性及び強度に応じて、複数の部品を隔てるためのセパレータ、電池用セパレータ(例えば、鉛蓄電池用セパレータ)、フィルター、吸着剤、担持体等として使用されることができる。中でも、電極が鉛を含み重く、かつ、該電極を介して強い振動が加わる鉛蓄電池用セパレータとして使用することで、破損に対する耐性を高めることができる。
以下、本発明に関する内容を細分化し、詳細に説明する。本明細書では、各種部材の質量部を記載する際に、A~B質量部という表記を行っているが、これはA質量部以上かつB質量部以下を意味する。また、本明細書では、重量は、その単位がgで表されており、質量(g)と互換可能なものである。
≪粒子≫
粒子を本実施の形態に係る多孔体と複合化することによって、細孔を作ることができる観点;粒子を樹脂バインダーと複合化することによって多孔体の高密度化に伴って樹脂バインダーと粒子との結着力を高め、多孔体の強度、例えば膜強度を高める観点;及び/又は多孔体において繊維と粒子を併用して複数の繊維間の空隙部分に粒子を保持して多孔体の細孔径を小さくすることで、多孔体が鉛蓄電池内部でセパレータとして使用されたときに、デンドライトショート又は活物質がセパレータに入り込むことによる短絡を抑制する観点から、本実施の形態に係る多孔体は、粒子を含むことが好ましい。これらの観点から、粒子としては、無機粒子、有機粒子、及び有機-無機複合粒子のいずれでも、特に限定なく用いることができる。有機粒子及び有機-無機複合粒子は、無機粒子と比較して一般的に密度が低いことが多い為、粉体取り扱い時に空間中に粒子が飛散し難い無機粒子であることが好ましい。
有機粒子及び有機-無機複合粒子を使用する場合、多孔体の製造時(特に加熱工程)に多孔体中に粒子形状を残したまま複合化することで、多孔体に細孔を形成することができる。多孔体中に粒子形状を残す観点から、多孔体に有機繊維を使用する場合は、有機粒子及び有機-無機複合粒子に含まれる有機成分の融点は、有機繊維(例えば、バインダー繊維等)に含まれる有機成分の融点より高いことが好ましい。この観点において、有機粒子及び有機-無機複合粒子に含まれる有機成分の融点は、芯鞘型バインダー繊維の鞘の融点より5℃以上高いことが好ましく、より好ましくは10℃以上高いことであり、更に好ましくは20℃以上高いことであり、より更に好ましくは100℃以上高いことである。
無機粒子の材料の例としては、シリカ(沈降法シリカ、ゲル化法シリカ、ヒュームドシリカ等)、アルミナ、硫酸塩(例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウム)、チタニア(ルチル型、アナターゼ型)、ギブサイト、バイヤライト、ベーマイト、ジルコニア、マグネシア、セリア、イツトリア、酸化亜鉛及び酸化鉄などの酸化物系セラミックス、窒化ケイ素、窒化チタン及び窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス、シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、チタン酸カリウム、タルク、合成カオリナイト、カオリンクレー、カオリン(カオリナイト、ディク石、ナルク石)、焼成カオリンフライボンタイト、スチブンサイト、ディカイト、ナクライト、ハロイサイト、パイロフィライト、オーディナイト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、ボルコンスコアイト、サポナイト、ヘクトライト、フッ素ヘクトライト、ソーコナイト、スインホルダイト、バーミキュライト、フッ素バーミキュライト、バーチェリン、セリサイト、アメサイト、ケリアイト、フレイポナイト、プリンドリアイト、ベントナイト、ゼオライト、黒雲母、金雲母、フッ素金雲母、鉄雲母、イーストナイト、テニオライト、シデロフィライト、テトラフェリ鉄雲母、鱗雲母、フッ素四ケイ素雲母、ポリリシオナイト、白雲母、セラドン石、鉄セラドン石、鉄アルミノセラドン石、アルミノセラドン石、砥部雲母、ソーダ雲母、クリンナイト、木下、ビテ雲母、アナンダ石、真珠雲母、クリノクロア、シャモサイト、ペナンタイト、ニマイト、ベイリクロア、ドンバサイト、クッケアサイト、スドーアイト、ハイドロタルサイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ藻土及びケイ砂等が挙げられる。
上記例示の中でも、鉛蓄電池用セパレータに使用する粒子としては、耐酸性及び耐酸化性に優れ親水性の高い、シリカ、アルミナ、カオリン、チタニア、ケイ酸アルミニウム又は硫酸バリウムの粒子が好ましい。多孔体をセパレータとして備える鉛蓄電池において成層化を抑制するためには、電解液中の硫酸イオンの均一化が必要である。硫酸イオンを均一化するためには、電池反応により電極表面から放出される硫酸イオンを、セパレータにより沈降抑制させる作用が必要となる。そのために、無機粒子の表面に硫酸イオンを静電気的相互作用で吸着・保持する観点から、アルミナ、シリカ又はカオリンなどの粒子を使用することがより好ましい。また、本実施の形態に係る鉛蓄電池用セパレータによって、鉛蓄電池の正極及び負極に形成される導電性の低いサルフェーションを微細化する観点から、無機粒子に硫酸バリウムを使用することが好ましい。
本実施の形態に係る粒子は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。
粒子の粒子径は、多孔体に微細な細孔を形成する観点から、200μm以下が好ましく、より好ましくは100μm以下であり、更に好ましくは70μm以下であり、より更に好ましくは50μm以下である。該粒子径は、多孔体の全体に微細な細孔を形成する観点から、平均粒子径であることが好ましい。また、粒子が微粉末になると計量時又はスラリー作製時に粉体が飛散し易くなることから、作業性の観点を考慮し、粒子の粒子径は、0.01μm以上が好ましく、より好ましくは0.1μm以上であり、更に好ましくは0.3μm以上であり、更に好ましくは0.5μm以上であり、更に好ましくは1μm以上であり、更に好ましくは2μm以上、更に好ましくは5μm以上であり、又は更に好ましくは8μm以上である。該粒子径は、粉体全体を平均的に飛散し難いようにする観点から、平均粒子径であることが好ましい。
また、粒子が硫酸バリウムである場合には、硫酸バリウムの粒子径は、上記サルフェーションを微細化させる観点から、200μm以下が好ましく、より好ましくは100μm以下であり、更に好ましくは70μm以下であり、更に好ましくは50μm以下であり、更に好ましくは20μm以下であり、更に好ましくは10μm以下であり、更に好ましくは5μm以下であり、更に好ましくは2μm以下であり、又は更に好ましくは1μm以下である。該粒子径は、鉛蓄電池の電極に形成するサルフェーションを広範囲に亘り微細化する観点から、平均粒子径であることが好ましい。また、上記で説明された作業性の観点から、硫酸バリウム粒子の粒子径は0.01μm以上が好ましく、より好ましくは0.1μm以上であり、更に好ましくは0.3μm以上であり、更に好ましくは0.5μm以上である。該粒子径は、粉体全体を平均的に飛散し難いようにする観点から、平均粒子径であることが好ましい。本明細書における粒子径d(μm)は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて多孔体の断面を観察する際に観察される粒子の直径である。観察される粒子が真球状ではない場合の前記粒子径dは、該観察から確認される前記粒子の最大直径をd1(μm)とし、前記粒子の最小直径をd2(μm)として、下記式:
d=(d1+d2)/2
より求めるものとする。また、本明細書における平均粒子径は、前記観察時に無作為に選定した50個の粒子に関して、上記手法で各々の粒子径dを求め、該50個分の粒子径の相加平均値より求める値である。例えば、無機粒子の平均粒子径とは、前記観察時に無作為に多孔体から選定した50個の無機粒子に関して、上記手法で各々の粒子径dを求め、該50個分の粒子径より求める相加平均値である。
≪繊維≫
本実施の形態に係る多孔体は、多孔体が繊維の絡み合いによって強度が高まる観点、多孔体の高密度化に伴って樹脂バインダーと繊維との結着面積が増し、強度が高まる観点、及び/又は上記で説明された粒子を複数の繊維間に保持して細孔径を小さくする観点から、繊維を含むことが好ましい。これらの観点から、繊維は、無機繊維と有機繊維のいずれでも、特に限定なく用いることができる。尚、本明細書における繊維径は、走査型電子顕微鏡(SEM)による多孔体の断面観察を行うことで観察される繊維の繊維径Φ(μm)である。繊維断面が真円ではない場合の前記繊維径Φは、前記繊維断面の内接円の直径をΦ1(μm)とし、前記繊維断面の外接円の直径をΦ2(μm)として、下記式:
Φ=(Φ1+Φ2)/2
より求めるものとする。また、本明細書における平均繊維径は、多孔体の前記断面観察で無作為に選定した50本の繊維に関して、上記手法で各々の繊維径Φを求め、該50本分の繊維径の相加平均値より求める値である。例えば、無機繊維の平均繊維径とは、前記観察で無作為に選定した50本の無機繊維に関して、上記手法で各々の繊維径Φを求め、該50本分の無機繊維径の相加平均値より求める。
多孔体の強度を高めるという観点では、多孔体の製造時の加熱工程(例えば乾燥工程)によって、繊維表面の一部又は全面が融解して周辺部材と強い結着点を作る繊維を使用することが好ましく、表面の一部又は全面が融点220℃以下である繊維を使用することがより好ましい。加熱加工温度を低くする観点からも、繊維表面の一部又は全面が融点220℃以下であることが好ましく、一般的に湿式抄造工程で使用される湿紙乾燥工程の温度が200℃未満であることを考慮すると、繊維表面の一部又は全面が融点200℃未満であることがより好ましい。表面の一部又は全面が融点220℃以下である繊維を多孔体に含有させることにより、多孔体の強度を高めることが出来る為、本実施の形態に係る多孔体を、電極が鉛を含み重く、かつ、該電極を介して強い振動が加わる鉛蓄電池用セパレータに使用した場合に、セパレータの破損に対する耐性を高めることができる。繊維と周辺材料が均一かつ強く結着するという観点から、繊維表面のうち、好ましくは20%以上の面積が、より好ましくは50%以上の面積が、更に好ましくは70%以上の面積が、最も好ましくは100%の面積が、融点220℃以下の成分で形成される。表面の一部又は全面が融解して周辺部材と強い結着点を作ることができる繊維としては、例えば、加熱工程で繊維表面のみを融解させることが出来る芯鞘型バインダー繊維、加熱工程で繊維全部が融解する全融解型繊維などが挙げられる。
≪無機繊維≫
無機繊維の材料の例としては、前記無機粒子の材料の例で示した材料が挙げられる。中でも、ガラス繊維、アルミナ繊維を使用することで、多孔体をセパレータとして備える鉛蓄電池において、電解液である希硫酸との濡れ性が向上し、電解液がセパレータ内部に浸透し易くなる。その結果、鉛蓄電池の充電時に電極から発生する酸素及び水素ガスが、セパレータ内に保持されることを抑制し、電気抵抗の上昇を抑制することができる。この観点から、本実施の形態に係る多孔体は、無機繊維を含んでいることが好ましく、中でも、ガラス繊維又はアルミナ繊維等の無機繊維を含んでいることが好ましい。また、鉛蓄電池の成層化を抑制する観点からも、多孔体はガラス繊維又はアルミナ繊維等の無機繊維を含んでいることが好ましい。ガラス繊維の中でも、鉛蓄電池の電解液である希硫酸に対する耐酸性を考慮すると、耐酸性に優れた組成(例えば、Cガラス組成)を使用することが好ましい。また、繊維同士の絡み合いによるセパレータの膜強度向上の観点から、ウール状のガラス繊維を使用することが好ましい。
また、無機繊維による網目構造によって、多孔体内に微細な細孔を形成する観点、及び/又は上述した鉛蓄電池の電槽内における成層化を抑制する観点から、無機繊維の平均繊維径は、500μm以下が好ましく、より好ましくは100μm以下であり、更に好ましくは50.0μm以下であり、更に好ましくは30.0μm以下であり、更に好ましくは20.0μm以下であり、更に好ましくは10.0μm以下であり、更に好ましくは5.0μm以下であり、更に好ましくは3.0μm以下であり、更に好ましくは2.0μm以下であり、更に好ましくは1.5μm以下であり、又は更に好ましくは1.0μm以下である。また、製造上の難易度から、無機繊維の平均繊維径は、0.05μm以上が好ましく、より好ましくは0.1μm以上であり、更に好ましくは0.3μm以上であり、より更に好ましくは0.5μm以上である。
≪有機繊維≫
有機繊維は、無機繊維と比較して、一般的に材料の密度が低いことから、軽い多孔体を作製する上で有利である。また、有機繊維は、無機繊維と比較して、曲げ又は外力に対して切れ難い。一方、無機繊維は曲げ又は外力に対して、折れ易く、切れ易い。その為、例えば、無機繊維を含む多孔体に有機繊維を加えることで、多孔体の高密度化(プレス加工等)時に掛かる外力で無機繊維が切れる割合を少なくすることができ、強度又は膜強度を高めることが出来る。また、有機繊維が、上記高密度化時にクッション材として働き、無機繊維が切れることを抑制し、膜強度を高めることが出来る。これらの有機繊維の働きを考慮すると、有機繊維は、特定の繊維種に限定されるものではないが、例えば多孔体が鉛蓄電池用セパレータに使用される場合、耐酸性及び耐酸化性に優れ、かつ安価な、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維等のポリエステル繊維、ポリ-1,3-トリメチレンテレフタレート(PTT)繊維、及びポリブチレンテレフタレート(PBT)繊維、カーボン繊維、耐熱性に優れたPA9T繊維等のポリアミド繊維、親水性に優れたセルロース繊維、耐酸化性に優れたポリオレフィン繊維(例えば、ポリエチレン繊維及びポリプロピレン繊維)が挙げられる。また、無機繊維表面を有機成分で被覆した繊維も、広義において本実施の形態に係る有機繊維に含まれるものとする。この場合、上記有機繊維の利点(曲げ又は外力に対して切れ難い)を繊維に付与する観点から、無機繊維の表面の20%以上の面積が有機成分で被覆されていることが好ましく、より好ましくは50%以上であり、更に好ましくは70%以上であり、最も好ましくは100%である。尚、上記ポリエステル繊維は、製造プロセスで延伸された繊維であっても、未延伸の繊維であってもよい。
多孔体の強度を高めるという観点では、多孔体製造時の加熱工程(例えば乾燥工程)によって繊維表面の一部又は全面が融解し、周辺部材と強い結着点を作るバインダー繊維を、有機繊維として使用することが好ましい。本明細書では、バインダー繊維とは、繊維表面の一部又は全面が融点220℃以下の低融点有機成分で形成される有機繊維と定義する。加熱乾燥温度を低くする観点から、該バインダー繊維は、該バインダー繊維表面の一部又は全面が融点220℃以下であることが好ましく、一般的に湿式抄造工程で使用される湿紙乾燥工程が200℃未満であることを考慮すると、該バインダー繊維表面の一部又は全面が融点200℃未満であることがより好ましい。該バインダー繊維と周辺材料とを均一かつ強く結着させる観点から、該バインダー繊維表面の20%以上の面積が前記低融点有機成分で形成されていることが好ましく、より好ましくは50%以上の面積が低融点有機成分で形成され、更に好ましくは70%以上の面積が低融点有機成分で形成され、最も好ましくは100%の面積が低融点有機成分で形成される。該バインダー繊維の主な種類としては、加熱工程で繊維表面のみ融解させることが出来る芯鞘型バインダー繊維と、繊維表面及び内部(すなわち繊維全体)が融解する全融解型バインダー繊維が例示できる。中でも、加熱工程で繊維表面のみを融解して、多孔体中に芯による網目構造を残すことが出来る芯鞘型バインダー繊維が、多孔体の強度を高める観点から好ましい。
本明細書における芯鞘型バインダー繊維とは、繊維(芯)表面の一部又は全面が、融点220℃以下の有機成分(鞘)で被覆された繊維であり、かつ、前記芯の融点は前記鞘の融点より高い繊維と定義する。一般的に、湿式抄造工程で使用される湿紙乾燥工程が200℃未満であることを考慮すると、該芯鞘型バインダー繊維表面の一部又は全面が融点200℃未満であることがより好ましい。芯表面の全てを鞘が被覆している必要はないが、芯鞘型バインダー繊維と周辺材料とを均一かつ強く結着させる観点から、芯鞘型バインダー繊維(芯)表面の好ましくは20%以上の面積が、より好ましくは50%以上の面積が、更に好ましくは70%以上の面積が、最も好ましくは100%の面積が、鞘で被覆される。例えば、サイド-バイ-サイド型バインダー繊維(融点の異なる2種以上の繊維が、繊維長手方向に同一繊維として複合化された繊維)のように、繊維(芯)の表面の一部が、該芯より低融点の有機成分(鞘)で被覆されたものも、広義の意味で本実施の形態に係る芯鞘型バインダー繊維に含むものとする。また、鞘は1種の組成に限定されることは無く、2種以上の鞘組成が芯を被覆していてもよい。その場合、芯鞘型バインダー繊維に含まれる最も融点の高い繊維を芯とする。多孔体中での複数種の材料間の均一な結着を考慮すると、芯表面が全て1種の組成の鞘で被覆された芯鞘型バインダー繊維が好ましい。また、多孔体中での複数種の材料間の均一な結着を考慮すると、芯表面の全面が有機成分(鞘)で被覆されていることが好ましい。芯鞘型バインダー繊維を繊維長手方向に対して垂直かつ短手方向にカットした断面は円形である必要は無いが、多孔体のその他の材料と均一に結着する観点を考慮すると、円形であることが好ましい。該断面に占める芯の形状も任意に決定されることができ、同様の観点を考慮すると円形であることが好ましい。また、無機繊維表面(例えばガラス繊維)が融点220℃以下の有機成分(鞘)で被覆され、かつ、前記無機繊維の融点が前記有機成分の融点より高い繊維も、広義において本実施の形態に係る芯鞘型バインダー繊維に含まれるものとする。尚、本明細書では、上記無機繊維表面を融点220℃以下の有機成分(鞘)で被覆した繊維は、芯鞘型バインダー繊維とみなし、上述した無機繊維(無機成分のみから成る繊維)とは区別する。軽い多孔体を作製する観点、及び多孔体の高密度化(プレス加工等)時に掛かる外力で無機繊維が切れ易いという観点を考慮すると、芯鞘型バインダー繊維の芯と鞘の双方が有機成分であることが好ましい。
尚、本明細書における融解成分とは、上記で説明された芯鞘型バインダー繊維の鞘を意味する。また、本明細書における非融解成分とは、該芯鞘型バインダー繊維の芯を意味する。
また、本明細書における融点とは、空気中で材料を室温から10℃/minの昇温速度で加熱した際に、材料が融解変形し始める融解温度である。尚、該融解には、形状変化を伴う軟化も含まれるものとする。例えば、特定のバインダー繊維(芯鞘型バインダー繊維または全融解型バインダー繊維)を他の材料(繊維又は粒子又は樹脂バインダー等)と接点を持つ状態で静置し、室温から10℃/minの昇温速度で220℃まで加熱し、その後室温まで冷却した時に、該バインダー繊維表面が融解変形して、他の材料と融着点を形成している場合、又は、該バインダー繊維の断面形状が変化している場合、該バインダー繊維の融解成分は、融点220℃以下である。
芯鞘型バインダー繊維は、例えば湿式抄造プロセスの加熱乾燥時(例えば、鞘の融点以上、芯の融点未満の温度による乾燥)に、芯が融解せず繊維状に残る為、融解成分が、芯周辺に留まり易く、他の材料(例えば、無機繊維、粒子等)に融解成分が濡れ広がり難い。その為、多孔体が電池用セパレータの膜として使用されたときに多孔体の細孔が埋まって電気抵抗が高くなることを抑制する。また、加熱乾燥時に鞘が融けた際、多孔体内に芯が繊維状に残る為、芯繊維の網目構造と鞘由来の融解成分の結着により、多孔体内に強固な3次元網目構造が出来、多孔体の強度が高くなる。また、多孔体を鉛蓄電池用セパレータとして使用する場合、高い膜強度と低い電気抵抗を両立する観点から、本実施の形態に係る有機繊維は、芯鞘型バインダー繊維が好ましく、そして芯鞘型バインダー繊維の融解成分は、融点200℃未満のポリエステルであることが好ましい。他方、芯鞘型バインダー繊維の非融解成分としては、融点200℃以上のポリエステルが好ましい。融点が200℃未満の融解成分の場合、比較的低い加熱乾燥温度で多孔体を作製することが可能である。また、バインダー繊維として、全融解型バインダー繊維も知られているが、同じ長さかつ同じ直径の芯鞘型バインダー繊維と比較して、繊維に占める融解成分の割合が多い為、他の材料(例えば、繊維、粒子等)に濡れ広がり易く、結果として多孔体を電池用セパレータに使用した場合、電気抵抗が上昇し易い。また、全融解型バインダー繊維を融点以上に加熱すると、芯鞘型バインダー繊維の芯部のように融け残る成分が無い為、繊維全体が融解して他の材料に濡れ広がり易く、結果として融解成分が痩せ細った領域が形成され、芯鞘型バインダー繊維と比較して、多孔体の機械的膜強度が低くなることから、本実施の形態に係る多孔体は、芯鞘型バインダー繊維を使用することが好ましい。
本実施の形態に係る芯鞘型バインダー繊維は、特定の樹脂組成に限定されるものではないが、多孔体を鉛蓄電池用セパレータとして使用する場合、その芯鞘型バインダー繊維の芯組成としては、鉛蓄電池の電解液の希硫酸に対して化学的に安定な、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ-1,3-トリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)等が例示でき、低価格で比重が水より大きい(すなわち、水系スラリー作製時にスラリー表面に浮遊し難い)PETが好ましい。また、前記芯は、ガラス又はアルミナ等の無機成分であっても良い。
芯鞘型バインダー繊維の鞘組成の例としては、低温で鞘を融解させる観点から有機成分であることが好ましく、融点220℃以下のポリエステル、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、EVOH(エチレン・ビニル共重合体)等が例示でき、中でも鉛蓄電池の電解液の希硫酸に対して化学的に安定な、ポリエステル、ポリエチレン、及びポリプロピレンが好ましい。融解成分が、親水材料の無機粒子又はガラス繊維に濡れ広がり難く、かつ、多孔体を電池用セパレータとして使用した場合に、電池用セパレータの細孔が埋まり難く、かつ抵抗上昇を抑制し易いポリエステルが好ましく、セパレータ製造時の加工温度を下げる観点から、融点220℃以下のポリエステルであることがより好ましく、融点200℃未満のポリエステルであることが更に好ましい。
また、本実施の形態に係る芯鞘型バインダー繊維においては、非晶性の鞘と結晶性の鞘のいずれを選択してもよい。非晶性の場合は、芯鞘型バインダー繊維の融解成分による結着性に優れ、そして結晶性の場合は、耐酸化性、耐薬品性等に優れる為、多孔体の用途に合わせて変更することが出来る。鞘の例として、非晶性のポリエステル、結晶性のポリエステルが例示できる。これらポリエステルは、加工温度を下げる観点から融点220℃以下が好ましく、融点200℃未満が更に好ましい。
代表的な芯鞘型バインダー繊維としては、芯が融点200℃以上のPETで鞘が融点200℃未満のポリエステルから成る繊維、芯が融点200℃以上のPETで鞘が融点200℃未満のポリエチレンから成る繊維、芯が融点200℃以上のPETで鞘が融点200℃未満のポリプロピレンから成る繊維、鞘が融点200℃未満のポリエチレン又はポリプロピレンで芯が該鞘より高融点のポリプロピレンから成る繊維、芯が融点200℃以上のPETで鞘が融点200℃未満のEVOHから成る繊維等が挙げられる。中でも、多孔体を鉛蓄電池用セパレータとして使用する場合、電気抵抗の上昇を抑制し、希硫酸に対する耐性を高める観点から、芯が融点200℃以上のPETで鞘が融点200℃未満のポリエステルから成る繊維が好ましい。
芯鞘型バインダー繊維の鞘成分と芯成分の重量比(融解成分重量(g)/非融解成分重量(g))は、本実施の形態に係る400<D{式中、Dは、多孔体の少なくとも一部の密度(g/m/mm)である}を満たす範囲内で任意に変更できるが、多孔体内に、芯鞘型バインダー繊維による三次元網目構造を形成し、該網目構造の繊維間の結着力を高めて、多孔体の強度を高める観点から、0.05以上が好ましく、より好ましくは0.10以上であり、更に好ましくは0.15以上であり、更に好ましくは0.20以上であり、更に好ましくは0.3以上であり、更に好ましくは0.40以上であり、更に好ましくは0.50以上であり、又は更に好ましくは0.60以上である。また、多孔体の加熱乾燥時に、融解成分が融けて、繊維状の非融解成分が多孔体に残ると、多孔体に非融解成分由来の強度を付与することができる為、重量比(融解成分重量(g)/非融解成分重量(g))は、50以下が好ましく、より好ましくは10以下であり、更に好ましくは9.0以下であり、更に好ましくは8.0以下であり、更に好ましくは7.0以下であり、更に好ましくは6.0以下であり、更に好ましくは5.0以下であり、更に好ましくは4.0以下であり、更に好ましくは3.0以下であり、更に好ましくは2.0以下であり、又は更に好ましくは1.6以下である。
また、芯鞘型バインダー繊維の鞘成分の融点が低くなるにつれて耐熱性が低くなり、一方で該融点が高くなるにつれて、鞘を十分融解させる為に必要な加熱(例えば乾燥等)温度が高くなることから、鞘成分の融点は、50℃超過かつ220℃以下であることが好ましく、より好ましくは60℃超過かつ200℃未満、更に好ましくは65℃~190℃が好ましく、更に好ましくは85℃~170℃、更に好ましくは90℃~150℃、又は更に好ましくは100℃~150℃である。また、芯鞘型バインダー繊維の芯の融点が低くなるにつれて必然的に鞘の融点も下がることで耐熱性が低くなることから、芯の融点は、60℃以上が好ましく、より好ましくは、100℃以上であり、更に好ましくは150℃以上であり、更に好ましくは200℃超過であり、更に好ましくは220℃超過であり、又は更に好ましくは240℃以上である。
また、本実施の形態に係る多孔体を湿式抄造する場合、水系のスラリー表層に繊維が浮遊することを抑制し、芯鞘型バインダー繊維を均一に分散させる観点から、芯鞘型バインダー繊維の比重が水の比重よりも大きいことが好ましい。そのような観点から、本実施の形態に係る芯鞘型バインダー繊維の組成に、ポリエステルを含んでいることが好ましく、芯がPETで鞘がポリエステルから成る芯鞘型バインダー繊維がより好ましい。
また、本明細書における全融解型バインダー繊維とは、繊維全体が同一の組成から成り、該組成は融点220℃以下の低融点有機成分である繊維と定義する。多孔体を製造する際の加熱乾燥温度を下げる観点から、前記全融解型バインダー繊維の融点は、200℃未満であることが好ましい。具体例な前記低融点有機成分としては、ポリエステル、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、EVOH(エチレン・ビニル共重合体)等が例示できる。中でも、多孔体を鉛蓄電池用セパレータとして使用する場合、鉛蓄電池の電解液の希硫酸に対して化学的に安定な、ポリエステル、ポリエチレン、及びポリプロピレンが好ましい。また、融解成分は、無機粒子又はガラス繊維に濡れ広がり難く、セパレータの細孔を埋め難く、かつ抵抗上昇を抑制するポリエステルであることがより好ましい。また、本実施の形態においては、全融解型バインダー繊維は、非晶性と結晶性のいずれを選択してもよい。非晶性の場合は、材料間の結着性に優れ、そして結晶性の場合は、耐酸化性、耐薬品性等に優れる。
上述した有機繊維は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。上記有機繊維の繊維長は、繊維1本当たりの材料間の結着点を増やして、多孔体の強度、特に膜形態の場合の膜強度を高める観点から、0.5mm以上が好ましく、より好ましくは1mm以上、更に好ましくは2mm以上、又は3mm以上である。また、湿式抄造時のスラリー中での繊維同士の絡まりを抑制し、繊維のスラリー中での分散性を高める観点から、繊維長は、300mm以下が好ましく、より好ましくは100mm以下であり、更に好ましくは50mm以下であり、更に好ましくは30mm以下であり、更に好ましくは15mm以下であり、更に好ましくは10mm以下であり、又は更に好ましくは8mm以下である。
上記有機繊維の平均繊維径(直径)は、湿式抄造時のスラリー中での繊維同士の絡まりを抑制し、繊維のスラリー中での分散性を高める観点から、0.1μm以上が好ましく、更に好ましくは0.5μm以上であり、更に好ましくは3μm以上であり、より好ましくは1μm以上であり、更に好ましくは3μm以上であり、更に好ましくは5μm以上であり、又は更に好ましくは8μm以上である。また、多孔体に同一重量かつ同一繊維長の繊維を付与した場合、繊維の直径が小さい方が、繊維本数が多くなり、繊維による緻密な網目構造を付与することができる為、上記芯鞘型バインダー繊維及び上記有機繊維の平均繊維径(直径)は、500μm以下が好ましく、より好ましくは50μm以下であり、更に好ましくは30μm以下であり、更に好ましくは25μm以下であり、又は更に好ましくは20μm以下である。
また、多孔体の密度を高める為に、多孔体に機械的な圧力(例えば、面圧、線圧等)を加えた場合、無機繊維に比べて有機繊維は折れ難く、切れ難い。したがって、無機繊維と有機繊維が複合化する多孔体では、有機繊維の平均繊維径Φ1(単位の例:μm)が、無機繊維の平均繊維径Φ2(単位の例:μm)より大きいことが好ましい。Φ1>Φ2にすることによって、多孔体に前記圧力を加えた際、有機繊維がスペーサー又はクッション材として働き、無機繊維の切れを抑制する。その為、Φ1/Φ2は、1.0超過が好ましく、より好ましくは1.5以上であり、更に好ましくは2.0以上であり、更に好ましくは3.0以上であり、更に好ましくは4.0以上であり、更に好ましくは5.0以上であり、更に好ましくは6.0以上であり、更に好ましくは8.0以上であり、又は更に好ましくは10.0以上である。
≪樹脂バインダー≫
本実施の形態に係る多孔体に含まれる樹脂バインダーとは、多孔体の含有有機成分の内、前記繊維の有機成分、及び前記粒子の有機成分を除いた有機成分(固形分)である。該樹脂バインダーは、多孔体中で粒子形状を持っていない点において、前記粒子と区別することとする。樹脂バインダーのバインダー成分が、一連の湿式抄造プロセスの加熱乾燥工程等で融解し、多孔体の細孔の大部分を埋めてしまうと、多孔体をセパレータとして備える蓄電池の電気抵抗が上昇する。バインダー成分の加熱時流動性を抑制することでセパレータ内に細孔を残し、低い電気抵抗を維持することができる。また、抄造時、又はその後のカレンダー、エンボス等の高密度化加工プロセスで、多孔体に高い面圧及び/又は線圧を加える(加熱を掛けながら、該圧をかけてもよい)ことで、多孔体の密度を高めることが出来るが、この時、樹脂バインダーは、無機繊維、有機繊維、又は粒子との結着面積を増やし、多孔体の強度(多孔体がセパレータの場合、膜強度)を高くするのみならず、無機繊維が高い圧力で切れないようにクッション材としても働く。樹脂バインダー成分の加熱時流動性を抑制することで多孔体に細孔を残し、多孔体を鉛蓄電池用セパレータとして使用した時に希硫酸中で低い電気抵抗を低く維持する観点、多孔体の高密度化によって強度を高める観点、及び樹脂バインダーがクッション材として無機繊維が切れるのを抑制する観点から、本実施の形態に係る樹脂バインダーは、以下に例示するものが好ましい。
樹脂バインダーの好ましい具体例としては、アクリル系樹脂バインダー、スチレン系樹脂バインダー、アクリル・ウレタン系樹脂バインダー、アクリル・スチレン系樹脂バインダー、酢酸ビニル・アクリル系樹脂バインダー、スチレン・ブタジエン系樹脂バインダー、アクリロニトリル・ブタジエン系樹脂バインダー、天然ゴム系樹脂バインダー、ポリブタジエン系樹脂バインダー(BR樹脂バインダー)、メチルメタクリレート・ブタジエン系樹脂バインダー、2-ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン系樹脂バインダー(VP樹脂バインダー)、クロロプレン樹脂バインダー(CRラテックス)、ポリエチレン又はポリプロピレン又はポリブテン又はそれらの共重合体等のポリオレフィン系樹脂バインダー、該ポリオレフィン系樹脂バインダーを塩素化又は酸変性した変性ポリオレフィン系樹脂バインダー、ポリフッ化ビニリデン又はポリテトラフルオロエチレン等の含フッ素樹脂バインダー、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン共重合体又はエチレン-テトラフルオロエチレン共重合体等の含フッ素ゴムバインダー、(メタ)アクリル酸-スチレン-ブタジエン共重合体樹脂バインダー及びその水素化物、ポリビニルアルコール樹脂バインダー、ポリビニルアルコール・ポリアセテート共重合体樹脂バインダー等がある。
上記具体例の中でも、アクリル系樹脂バインダー、又はスチレン系樹脂バインダーが、粒子又は繊維との結着性に優れ、かつ耐酸性に優れるため、多孔体を鉛蓄電池用セパレータに使用する場合は、より好ましい。
尚、本明細書でアクリル系樹脂バインダーと表記した場合、アクリル・ウレタン系樹脂バインダー、アクリル・スチレン系樹脂バインダー、アクリル・スチレン・ブタジエン系樹脂バインダー、酢酸ビニル・アクリル系樹脂バインダー、アクリル樹脂バインダー等の重合体を含む。
また、本明細書でスチレン系樹脂バインダーと表記したものは、アクリル・スチレン系樹脂バインダー、スチレン・ブタジエン系樹脂バインダー、アクリル・スチレン・ブタジエン系樹脂バインダー、2-ビニルピリジン・スチレン・ブタジエン系樹脂バインダー、スチレン樹脂バインダー等の重合体を含む。
これらの樹脂バインダーは、上記例示した組成に、その他の成分が1種以上含まれていてもよい。
尚、本実施の形態に係る樹脂バインダーは、1種に限定されず、本発明の効果が得られる範囲内で、複数種を併用することができる。例えば、アクリル系樹脂バインダーとスチレン系樹脂バインダーの組み合わせ等が例示できる。
樹脂バインダーがガラス転移温度(Tg)を持つ場合、Tgは、樹脂バインダー成分の耐熱性を高める観点から-50℃以上であることが好ましく、また、複数の材料間の結着力を高める観点から70℃以下が好ましい。同様の理由で、Tgは、-30℃以上、50℃以下がより好ましく、更に好ましくは-30℃以上、30℃以下である。
多孔体内で樹脂バインダー成分を均一に分布させ、複数の材料間で強固な結着を形成させる観点、及び多孔体が電池用セパレータとして使用されるときに微細な細孔を残して電気抵抗上昇を抑制する観点から、本実施の形態に係る樹脂バインダーとしては、液状分散媒中に微小な重合粒子が分散した樹脂バインダー、すなわち、ラテックスを使用することが好ましい。ラテックスを使用することによって、重合粒子が多孔体内部に均一に分布して各種の構成材料と結着することで、多孔体の強度、例えばセパレータ膜として使用されるときの膜強度を高めることができる。該結着は、多孔体を高密度化した際に顕著である。
また、各種の構成材料、例えば樹脂バインダー、繊維、粒子等を多孔体中に均一に分布させて、かつそれらの材料間の結着を強固にすることで、強度、特にセパレータ膜として使用されるときの膜強度を高めることができる為、本実施の形態に係る多孔体は、湿式抄造多孔体であることが好ましい。本明細書における湿式抄造多孔体は、例えば、上記で説明された樹脂バインダー、繊維及び/又は粒子を含む液体(以後、このように固形分が分散した液体を「スラリー」と記載する)を、メッシュに通過させ、該メッシュ上に堆積したスラリー中の固形分を加熱乾燥させることで得られる。環境への配慮という側面から、スラリーに使用する前記液体は、水又は水系が好ましい。その為、本実施の形態に係る樹脂バインダーにおいても、水又は水系の液状分散媒に微小な重合粒子が分散した樹脂バインダー、すなわち水系ラテックスを使用することが好ましい。本実施の形態に係る多孔体は、該ラテックスを前記スラリーに加え、メッシュ上に堆積させて乾燥し、必要に応じて面圧及び/又は線圧を加えることにより作製することができる。その他の作製方法としては、繊維を主成分として(例えば50質量%以上で)含む不織布を予め作製し、該不織布を、樹脂バインダー及び/又は粒子を含むスラリーに浸漬させるか、又は、該不織布表面に樹脂バインダー及び/又は粒子を含むスラリーをコートした後に、乾燥し、必要に応じて面圧及び/又は線圧を加えることにより、多孔体を作製することもできる。
本明細書では、樹脂バインダーを含む多孔体とは、多孔体が樹脂バインダーの固形分を含むことを意味する。
≪密度Dと各種材料の配合比について≫
本実施の形態に係る多孔体は、繊維及び/又は粒子と、樹脂バインダーとを含み、多孔体100質量部に対して樹脂バインダーの固形分を5.0質量部超過含み、かつ多孔体の少なくとも一部の密度D(g/m/mm)が400<Dを満たすときに、多孔体の強度が高くなり、より詳細には、電池用セパレータ膜として使用されたときの膜強度(例えば、突き刺し強度)が高くなる。本実施の形態に係る多孔体は、特に、強い膜強度が求められる鉛蓄電池用セパレータに有用である。
密度Dを高める為に多孔体に対して圧力(例えば、面圧、線圧等)を掛けた際に、繊維及び/又は粒子と樹脂バインダーとの接着面積を増やして多孔体の強度を高めるという観点から、多孔体100質量部に含まれる樹脂バインダー固形分は、5.0質量部超過であり、好ましくは5.1質量部以上であり、より好ましくは5.5質量部以上であり、更に好ましくは6.0質量部以上であり、更に好ましくは6.5質量部以上であり、更に好ましくは7.0質量部以上、更に好ましくは8.0質量部以上、更に好ましくは9.0質量部以上、又は更に好ましくは10質量部以上である。また、多孔体100質量部に含まれる樹脂バインダーの固形分が相対的に少ないときに、多孔体をセパレータとして含む電池において相対的に低い電気抵抗が得られることから、多孔体100質量部に含まれる樹脂バインダーの固形分量は、50質量部以下が好ましく、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは35質量部以下、更に好ましくは30質量部以下、更に好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、又は更に好ましくは17質量部以下である。
また、繊維及び/又は粒子と樹脂バインダーとの結着面積を増やし、多孔体又は電池用セパレータ(例えば鉛蓄電池用セパレータ)の強度を高める観点から、本実施の形態では、前記多孔体の密度D(g/m/mm)は400超過である。密度D>400の時、後述する突き刺し強度上昇率が103%以上となる傾向にある。多孔体の強度を更に高める観点から、多孔体の密度D(g/m/mm)は、410以上が好ましく、より好ましくは420以上であり、更に好ましくは430以上であり、更に好ましくは440以上である。また、多孔体の突き刺し強度上昇率を105%以上の高い水準に制御する観点から、多孔体の密度Dは、450超過であることが好ましく、より好ましくは455以上であり、更に好ましくは460以上であり、更に好ましくは465以上であり、更に好ましくは470以上であり、更に好ましくは475以上であり、更に好ましくは480以上であり、更に好ましくは490以上であり、更に好ましくは500以上であり、更に好ましくは520以上であり、更に好ましくは540以上であり、更に好ましくは560以上であり、更に好ましくは580以上であり、更に好ましくは600以上であり、更に好ましくは620以上であり、更に好ましくは640以上であり、更に好ましくは660以上であり、更に好ましくは680以上であり、更に好ましくは700以上であり、更に好ましくは720以上であり、更に好ましくは740以上であり、更に好ましくは760以上であり、更に好ましくは780以上であり、更に好ましくは800以上であり、更に好ましくは820以上であり、更に好ましくは840以上であり、更に好ましくは860以上であり、更に好ましくは880以上であり、又は更に好ましくは900以上である。多孔体を電池用セパレータ(例えば鉛蓄電池用セパレータ)として使用する場合は、セパレータの全面又は一部の面を、上述する密度の範囲にすることで、セパレータの膜強度を制御できる。例えば、強い振動又は外力が掛かるセパレータ部位を、上記密度に制御することで、セパレータの破損を抑制することが可能となる。
また、多孔体の細孔を確保する観点、又は多孔体を電池用セパレータ(例えば、鉛蓄電池用セパレータ)として使用するときにセパレータの気孔率を高めて(すなわち、細孔を確保して)電気抵抗を低くする観点から、前記多孔体の密度D(g/m/mm)は、900未満であることが好ましく、より好ましくは880以下であり、更に好ましくは860以下であり、更に好ましくは840以下であり、更に好ましくは820以下であり、更に好ましくは800以下であり、更に好ましくは780以下であり、更に好ましくは760以下であり、更に好ましくは740以下であり、更に好ましくは720以下であり、更に好ましくは700以下であり、更に好ましくは680以下であり、更に好ましくは660以下であり、更に好ましくは640以下であり、更に好ましくは620以下であり、又は更に好ましくは600以下である。また、多孔体を鉛蓄電池用セパレータとして使用する時に、電気抵抗を100mΩ・cm以下の値に調整する観点から、前記多孔体の密度D(g/m/mm)は、900未満であることが好ましく、より好ましくは880以下であり、更に好ましくは860以下であり、更に好ましくは840以下であり、更に好ましくは820以下であり、更に好ましくは800以下であり、更に好ましくは780以下であり、更に好ましくは760以下であり、更に好ましくは740以下であり、更に好ましくは720以下であり、更に好ましくは700以下であり、更に好ましくは680以下であり、更に好ましくは660以下であり、更に好ましくは640以下であり、更に好ましくは620以下であり、又は更に好ましくは600以下である。多孔体を電池用セパレータ(例えば鉛蓄電池用セパレータ)として使用する場合は、セパレータの全面又は一部の面が、上述する密度の範囲であることが好ましい。
本実施の形態に係る多孔体は、多孔体100質量部に対して、上記で説明された粒子5~60質量部を含むことが好ましい。多孔体の細孔径を小さくし、かつ多孔体を用いてデンドライトショート耐性の高い電池セパレータを作製する観点から、多孔体100質量部に対して、粒子5質量部以上が好ましく、より好ましくは10質量部以上であり、更に好ましくは15質量部以上であり、又は更に好ましくは20質量部以上である。多孔体における粒子の配合比を相対的に低くすることで、無機繊維及び/又は有機繊維、並びに樹脂バインダー等の配合比を相対的に高くすることが可能となり、高い強度が得られ易いことから、本実施の形態に係る多孔体100質量部に対して、粒子は、好ましくは60質量部以下の量で、より好ましくは55質量部以下の量で、更に好ましくは50質量部以下、更に好ましくは45質量部以下、又は更に好ましくは40質量部以下の量で配合される。
本実施の形態に係る多孔体は、多孔体100質量部に対して、無機繊維5~80質量部を含むことが好ましい。多孔体は、鉛蓄電池用セパレータとして使用されるときに無機繊維(例えば、ガラス繊維、アルミナ繊維など)を含むことによって、鉛蓄電池の電解液である希硫酸との濡れ性が向上し、電解液がセパレータ内部に浸透し易くなる。その結果、鉛蓄電池の充電時に電極から発生する酸素及び水素ガスが、セパレータ内に保持され難くなり、電気抵抗の上昇を抑制することができる。また、鉛蓄電池の成層化を抑制する観点からも、多孔体は、ガラス繊維又はアルミナ繊維等の無機繊維を含むことが好ましい。更に、無機繊維の3次元網目内に粒子を保持させることができる。これらの観点から、多孔体100質量部に対して、無機繊維の含有量は、好ましくは5質量部以上であり、より好ましくは10質量部以上であり、更に好ましくは13質量部以上である。また、多孔体を高密度化するために多孔体に機械的な圧力を加えた際、無機繊維が切れて、多孔体の強度が低下し易いことから、多孔体100質量部に対して、無機繊維の含有量は、好ましくは80質量部以下であり、より好ましくは70質量部以下であり、更に好ましくは60質量部以下であり、更に好ましくは50質量部以下であり、更に好ましくは40質量部以下であり、更に好ましくは35質量部以下であり、又は更に好ましくは30質量部以下である。
本実施の形態に係る多孔体は、多孔体100質量部に対して、有機繊維5~80質量部を含むことが好ましい。多孔体中の有機繊維の配合比が相対的に高いと、多孔体の高密度化の為に多孔体に機械的な圧力を加えた際、無機繊維に比べて有機繊維は切れ難く、繊維の網目構造による高い強度が得られ易い。このような観点から、多孔体100質量部に対して、有機繊維の含有量は、好ましくは5質量部以上であり、より好ましくは9質量部以上であり、更に好ましくは13質量部以上であり、更に好ましくは15質量部以上であり、又は更に好ましくは20質量部以上である。一方、多孔体中の有機繊維の配合比が高いと、相対的に無機繊維又は粒子の配合比が低くなる為、多孔体を鉛蓄電池用セパレータとして用いた場合、成層化抑制能又はデンドライトショート耐性が下がる。その為、本実施の形態に係る多孔体100質量部に対して、有機繊維の含有量は、好ましくは80質量部以下であり、より好ましくは70質量部以下であり、更に好ましくは60質量部以下であり、更に好ましくは55質量部以下であり、更に好ましくは50質量部以下であり、又は更に好ましくは45質量部以下である。
多孔体の高密度化の為に多孔体に機械的な圧力を加えた際、無機繊維に比べて有機繊維は切れ難い。無機繊維に対する有機繊維の配合比を高くすることによって、高密度化の為に多孔体に加圧した際に切れる繊維の割合が減り、また、有機繊維がクッション材となり、無機繊維が切れて多孔体の強度が低下することを抑制することから、多孔体に含まれる無機繊維の重量をWi(g)、有機繊維の重量をWo(g)とした時、Wo/Wi≧0.90を満たすことが好ましい。前記強度低下を抑制する観点から、Wo/Wiは、1.00以上であることがより好ましく、更に好ましくは1.10以上であり、更に好ましくは1.20以上であり、更に好ましくは1.30以上であり、更に好ましくは1.40以上であり、更に好ましくは1.50以上であり、更に好ましくは1.60以上であり、更に好ましくは1.70以上であり、又は更に好ましくは1.80以上である。一方、Wo/Wiの値が大きいほど、多孔体に含まれる無機繊維の配合比が相対的に低くなることから、多孔体を鉛蓄電池用セパレータとして用いた場合の成層化抑制能が低くなり易くなる。その為、Wo/Wiは、20未満であることが好ましく、より好ましくは18以下であり、更に好ましくは16以下であり、更に好ましくは14以下であり、更に好ましくは12以下であり、更に好ましくは10以下であり、更に好ましくは8.0以下であり、更に好ましくは6.0以下であり、更に好ましくは5.0以下であり、更に好ましくは4.0以下であり、更に好ましくは3.5以下であり、更に好ましくは3.0以下であり、又は更に好ましくは2.5以下である。
本実施の形態に係る多孔体は、繊維及び/又は粒子と、樹脂バインダーとを含み、多孔体100質量部に対して樹脂バインダーの固形分を5.0質量部超過含み、かつ多孔体の少なくとも一部の密度D(g/m/mm)が、400<Dを満たすことを特徴としており、すなわち、樹脂バインダー質量比を制御しながら、多孔体の密度を高くすることによって、同じ目付け(坪量)かつ同じ材料種の使用であっても、高い強度を示す多孔体が得られる。また、この時、多孔体の密度Dを、400<D<900を満たすように制御すると、多孔体を鉛蓄電池用セパレータ膜として使用するときに電気抵抗上昇を抑制しつつ、高い膜強度を得られる。
本実施の形態に係る多孔体は、密度を高める為に、カレンダー処理(例えば、2本のロールを平行に配置し、該2本のロール間に圧力を掛けながら、該2本のロール間に多孔体を通す処理)されるか、又は平板プレス等のように多孔体に圧力を加える任意の方法で本実施の形態に係る多孔体を作製することができる。その際、圧力と共に熱を多孔体へ加えてもよい。また、多孔体の全体が、上記で説明された本実施の形態に必要な条件(D>400)を満たす必要は無く、多孔体の一部のみが本実施の形態を採った多孔体であっても、本発明に含まれるものとする。例えば、2本のロール(少なくとも1本はエンボスロール)を平行に配置し、該2本のロール間に圧力を掛けながらロール間に多孔体を通すことで、多孔体の一部(全体ではなく)のみを、本実施の形態に係る条件(D>400)を満たすように調整することも可能である。その際、前記一部以外の部分がD≦400の場合であっても、本発明の多孔体に含まれるものとする。その場合、部分的に多孔体の強度を高めることが可能となる。該多孔体が電池セパレータ、例えば鉛蓄電池用セパレータである場合においても、2本のロール(少なくとも1本はエンボスロール)を平行に配置し、該2本のロール間に圧力を掛けながらロール間に該鉛蓄電池用セパレータを通すことで、該セパレータの一部の面(全面ではなく)のみを、本実施の形態に係る条件(D>400)を満たすように多孔体を作製することが可能である。その際、前記鉛蓄電池用セパレータの一部の面がD≦400となり、また他の一部の面が本実施の形態(D>400)となる場合であっても、該鉛蓄電池用セパレータは本発明に含まれるものとする。このような鉛蓄電池用セパレータは、強い機械的な力が加わるセパレータ面部を本実施の形態とすることで、セパレータの破損に対して、例えば突き刺しによるセパレータの破損に対して、高い耐性を示す。また、多孔体を上記加圧プロセスで均一に高密度化する観点から、多孔体は膜形態(多孔膜)であることが好ましい。
また、本発明に係る多孔体を膜の形態で調製し、複数枚重ねて積層膜を得て、該積層膜のシール加工、例えば、メカニカルシール(より詳細には、凹凸を有するギアとギアの間に、前記積層膜を通し、その積層膜に前記ギアとギアの噛み合わせによる圧力を掛けることでシール部を形成する処理)を行って、積層膜の一部(ギアとギアの噛み合わせ部)を本実施の形態(D>400)を満たすように制御した多孔体、又はヒートシール(より詳細には、前記積層膜のシール部を形成したい所定の箇所に、加熱と圧力を加えて、シール部を形成する処理)を行なって、積層膜の一部(加熱シール部)を本実施の形態(D>400)を満たすように制御した多孔体に関しても、該加工箇所(メカニカルシール部又はヒートシール部)は、高密度化により強い膜強度が得られることから、本発明の多孔体に含まれるものとする。
また、多孔体を鉛蓄電池用セパレータとして使用する際、セパレータを複数枚重ねて積層膜を得て、該積層膜のシール加工、例えば、メカニカルシール(より詳細には、凹凸を有するギアとギアの間に、前記積層膜を通し、その積層膜に前記ギアとギアの噛み合わせによる圧力を掛けることでシール部を形成する処理)を行って、積層膜の一部を本実施の形態(D>400)を満たすように制御したセパレータ、又はヒートシール(より詳細には、前記積層膜のシール部を形成したい所定の箇所に、加熱と圧力を加えて、シール部を形成する処理)を行なって、積層膜の一部(加熱シール部)の面を本実施の形態(D>400)を満たすように制御したセパレータに関しても、該シール部は、高密度化により強い膜強度が得られることから、本発明の多孔体に含まれるものとする。その他のシール加工例として、前記積層膜に対して超音波シール加工することも可能である。鉛蓄電池用セパレータは、積層膜をシール加工(メカニカルシール加工又はヒートシール加工又は超音波シール加工等)することで袋状にし、該袋に電極を挿入する場合がある。その場合、袋端部、すなわちシール部は、鉛蓄電池の電槽に電極(袋状セパレータに格納された電極)を収納する際に、機械的外力が加わる為、強い強度であることが好ましい。シール部を本実施の形態に係る条件を満たすように高密度化しておくことで、セパレータの機械的外力に対する耐性が高まる。尚、多孔体の所定の部分を上記加圧プロセスにて均一に高密度化する観点から、前記多孔体は電池セパレータ(例えば、鉛蓄電池用セパレータ)等のような、膜形態であることが好ましい。また、前記多孔体を電池セパレータ(例えば、鉛蓄電池用セパレータ)として使用する際、前記セパレータ全面の膜強度を高める観点において、セパレータ全面が本実施の形態に係る要件(D>400)を満たしている高密度多孔体であることが好ましい。
≪多孔体の製造方法について≫
多孔体は、任意の方法で製造することができ、例えば、樹脂バインダーと、粒子及び/又は繊維とを含むスラリーを湿式抄造プロセスで作製できる。その際、凝集剤及び/又は分散剤、その他の抄紙で利用される一般的な添加剤をスラリーへ加えてもよい。また、湿式抄造プロセスでスラリー中での繊維の水分散性を高める為、多孔体の製造に使用する各種繊維に適した分散剤をスラリーに添加してもよい。また、予め各種繊維表面に、界面活性剤成分を付着させておくことで、水分散性を向上させることも可能である。その他の製造方法としては、繊維(無機繊維及び/又は有機繊維)を主体とする不織布を予め作製しておき、該不織布を樹脂バインダー及び粒子を含むスラリーに含浸・乾燥させることによっても多孔体を作製可能である。代替的には、該不織布に、樹脂バインダー及び/又は粒子を含むスラリーを塗工することで多孔体を作製することもできる。尚、多孔体の密度の調整は、得られた多孔体に面圧又は線圧を加えることによって可能である。このとき、必要に応じて、多孔体を加熱しながら圧力を掛けることも可能である。
≪多孔体の厚さについて≫
本実施の形態に係る多孔体は、繊維及び/又は粒子を含み、多孔体100質量部に対して樹脂バインダーの固形分を5.0質量部超過で含み、かつ多孔体の少なくとも一部の密度D(g/m/mm)が、400<Dを満たすことで、同一の材料構成及び同一の目付けであっても、強度を改良することができるから、任意の形態でよく、特定の厚さに限定されるものではない。しかしながら、多孔体を鉛蓄電池用セパレータ(多孔膜)として使用する場合、限られた電槽の空間内に多孔体をセパレータ膜として配置することを考慮すると、多孔膜の厚さは、10mm以下であることが好ましく、より好ましくは5mm以下であり、更に好ましくは4mm以下であり、更に好ましくは3mm以下であり、更に好ましくは2mm以下であり、更に好ましくは1mm以下であり、更に好ましくは0.8mm以下であり、又は更に好ましくは0.6mm以下である。また、同一密度、同一材料組成、かつ同一構造の複数のセパレータ膜を比較した場合には、厚さが薄いほどセパレータ膜の突き刺し強度が低くなる為、膜強度を向上させる観点から、多孔膜の厚さは、0.01mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.05mm以上であり、更に好ましくは0.10mm以上である。本明細書における厚さは、前記多孔体(電池セパレータの場合、多孔膜)の断面SEM(走査型電子顕微鏡)観察を行い、該観察部の中から異なる5つの領域に関して厚さを測定した際の、5領域の厚さの相加平均値である。相加平均値である厚さの単位は、mmである。尚、上述した好ましい厚さは、多孔体を鉛蓄電池用セパレータとして用いる場合の好ましい厚さの例示である。
≪密度≫
本明細書における多孔体の少なくとも一部の密度D(g/m/mm)は、被測定部の単位体積当たりの固形分質量を意味する。多孔体が膜形態(例えば、鉛蓄電池セパレータのように厚みが均一な領域を有する膜)の場合は、該領域の多孔体の単位面積当たりの固形分質量(g/m)を測定し、上記手法で求める厚さ(mm)で割ることによって密度Dを算出する。
厚みが均一な領域を有さない多孔体の場合(例えば、球形又は略球形等)、該多孔体を均一な厚みを有する小片に切り出し、該小片の単位面積当たりの固形分質量(g/m)を測定し、上記手法で求める小片の厚さ(mm)で割ることによって密度Dを算出する。
≪鉛蓄電池用セパレータ、及びそれを備える鉛蓄電池≫
本実施の形態に係る多孔体を含むか、又は本実施の形態に係る多孔体から成る鉛蓄電池用セパレータも本発明の一態様である。また、該鉛蓄電池用セパレータを備える鉛蓄電池も本発明の別の態様である。鉛蓄電池用セパレータとして使用される多孔体の形態は、鉛蓄電池の各構成部材と適合するように、決定されることができる。本発明の鉛蓄電池は、電槽、酸化鉛正極、鉛負極、及び電解液として希硫酸を含み、該正極と該負極の間に本発明に係るセパレータを配置した鉛蓄電池である。正極を構成する正極格子は鉛又は鉛合金でよく、正極活物質は、酸化鉛、例えば二酸化鉛でよい。負極を構成する負極格子は鉛又は鉛合金でよく、負極活物質は鉛でよく、鉛負極そのものは、例えば海綿状の形態でよい。また、これらの正極及び負極の活物質については、前記組成にその他の金属元素が50質量%以下含まれていてもよい。また、前記希硫酸とは、比重1.1~1.4の硫酸であり、さらに添加剤を含んでいてもよい。本実施の形態では、膜強度の強いセパレータを鉛蓄電池に使用することで、強い振動が加わった際に、セパレータが破損して短絡することを抑制することができる。その為、鉛蓄電池の前記正極と前記負極の間に本発明の一態様に係るセパレータを配置することが好ましい。尚、本発明の一態様に係る鉛蓄電池用セパレータが、他のセパレータと重ねた状態で、前記正極と前記負極の間に配置された鉛蓄電池も本発明の鉛蓄電池に含まれる。また、本発明の一態様に係る鉛蓄電池用セパレータを他のセパレータと重ねる際に、セパレータ間を樹脂等の有機成分によって結着させた状態で、前記正極と負極の間に配置された鉛蓄電池も本発明の鉛蓄電池に含まれる。他のセパレータは特定のものに限定されないが、例として(1)無機繊維不織布、(2)無機繊維と無機粒子を含むセパレータ、(3)無機繊維と有機繊維と無機粒子を含むセパレータ、(4)前記(2)又は(3)に樹脂バインダーが含まれるセパレータ、(5)平均孔径800nm以下の微多孔を有するポリエチレンセパレータ(その中に無機粒子が含まれていてよい)等が挙げられる。前記(1)、(2)、及び(3)の無機繊維の例としては、ガラス繊維が例示できる。また、本実施の形態では、鉛蓄電池用セパレータに関しては、2層の重ね合わせのみならず、3層以上の多層の形態で使用してよい。そのような3層以上の形態は、少なくとも本実施の形態に係るセパレータを特定の単層として含み、その他の層は、任意のセパレータから選択できる。正極と負極の間に本実施の形態に係るセパレータを設けることによって、振動又は強い外力によるセパレータ破損等に対する耐性を高めた鉛蓄電池が得られる。本実施の形態に係る鉛蓄電池用セパレータは、開放式鉛蓄電池、及び、制御弁式鉛蓄電池のいずれにおいても使用可能である。
以下、本発明について、実施例に基づき詳述するが、これらは説明のために記述されるものであり、本発明の範囲が下記実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で得た多孔体及びそれを用いるセパレータの各種評価結果は表1~8に記載する。尚、表1~8に記載されている樹脂バインダーの配合比(wt%)は、樹脂バインダーの固形分の重量である。表1~8に記載した各種評価項目について、評価手法を以下に説明する。
≪厚さ≫
セパレータの断面SEM(走査型電子顕微鏡)観察を行い、該観察部の中から異なる5つの領域に関して厚さ(膜厚)を測定し、その5領域の厚さの相加平均値を表1~8に記載した。単位は、mmである。
≪目付け(坪量)≫
後述する実験1~実験8の回転型乾燥機で加熱乾燥した後のセパレータを、さらに空気中で90℃で30分乾燥(吸着水除去)した後に、セパレータに含まれる固形分質量を測定し、該質量を該セパレータの面積で割った値を表1~8に記載した。単位は、g/mである。
≪密度≫
前記目付けを前記厚さで割った値を密度として表1~8に記載した。単位は、g/m/mmである。また、本明細書中では、多孔体の密度をD(g/m/mm)と表記している。
≪突き刺し強度≫
BCIS-03B March 2010の規格に準拠し、治具で固定されたセパレータに対して、円柱状金属棒(その先端は1.93mmΦ/平坦である)を突き刺し(突き刺し速度120mm/min)、その際のピーク強度(N)を測定した。セパレータ面内の異なる5つの領域に関して該ピーク強度(N)を測定し、該5領域のピーク強度の相加平均値を表1~8に記載した。
≪突き刺し強度上昇率≫
表1~8における同一配合のセパレータ同士の突き刺し強度の比較(すなわち、同じ実験No.内での突き刺し強度の比較)を次のように行い、突き刺し強度上昇率を算出した。密度D(g/m/mm)が200<D<300の範囲内にあるセパレータの突き刺し強度A(N)を測定し、続いて、D≧300のセパレータの突き刺し強度B(N)を測定し、(B/A)×100の値を、表1~7の突き刺し強度上昇率(%)に記載した。尚、密度D(g/m/mm)が200<D<300の範囲内にあるセパレータに関しては、突き刺し強度上昇率を100.0%として表1~8に記載した。
上記突き刺し強度上昇率が103.0%以上を示すセパレータを、本発明の効果である高い膜強度を有するセパレータ(多孔体)とした。尚、突き刺し強度上昇率は、材料配合比及び目付けが同じであり、密度が異なる複数のセパレータ同士の突き刺し強度を比較したものである。
≪電気抵抗≫
日置電気製のバッテリーハイテスタBT3562-01を用い、交流四端子法(交流1kHz,電流1mA)で電気抵抗を測定した。温調(27±1℃)された、比重1.28の希硫酸を入れた容器(PP製)に、2つのグラファイト電極(70mm×90mm×7mm)を24mmの間隔で平行に設置し、該グラファイト電極間の中央に、2枚のマスク(PP製のプラスチック板で、その中央に20mm×20mmの開口部がある)を配置した。その後、該2枚のマスク間に、サイズ30mm×30mmに切り出したセパレータを上記開口部の中央に配置(開口部をセパレータで塞ぐように配置)して、抵抗値1を測定した。次に、セパレータを取り除いた状態での抵抗値2を測定した。抵抗値1と抵抗値2の差分に上記開口部の面積を掛けることで、電気抵抗を測定した。単位は、mΩ・cmである。尚、サイズ30mm×30mmに切り出したセパレータとしては、電気抵抗測定の前に、比重1.28の希硫酸に24時間浸漬しておいたものを測定に使用した。得られた電気抵抗を、表1~8に記載した。
本発明の効果である高い膜強度が得られる範囲内で好ましい電気抵抗の基準としては、100mΩ・cm以下である。
以下、実施例及び比較例のサンプル作製方法について詳細を記載する。
(実験1:比較例1~5)
粒子として、無機粒子である平均粒子径45μmのシリカ粒子32.0質量%、無機繊維としてガラス繊維(平均繊維径0.9μm、Cガラス)22.0質量%、有機繊維としてポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(融点255℃、平均繊度2.2dtex、平均繊維長5mm)43.0質量%、及び、樹脂バインダーとしてアクリル系高分子ラテックス3.0質量%(固形分)の配合比で、これらの材料を水中で分散・混合し、スラリーを作製した。この時、スラリー中の固形分100質量部に対して、分散剤を2質量部、及び凝集剤7質量部を該スラリーに添加・攪拌した。該生成物スラリーを用いて通常の抄紙機にてシート形成し、湿紙状態で脱水プレスした後、回転型乾燥機にて105℃、3分加熱/乾燥し、多孔体を得た。得られた多孔体を、ライン速度10m/分及び金属ロール表面温度80℃の条件下で、種々の線圧でカレンダー処理することによって、各種の多孔体を得た。これらの得られた多孔体を、鉛蓄電池用セパレータとして、上記の評価方法に従って評価した結果を表1に記載した。尚、表1~8に該カレンダー処理の有無を記載した。また、表1~8に記載の評価は、上記の評価方法に従って行なった。
(実験2~実験4、実験7:比較例6~11、比較例16~17及び実施例1~12、実施例18~20)
配合比を表2~4及び7に記載のとおり変更した点以外は、使用した材料、作製方法及び評価方法に関して実験1と同じである。
(実験5:比較例12~13、実施例13~15)
使用する有機繊維を、芯部がポリエチレンテレフタレート(融点255℃)で鞘部が共重合ポリエステル(融点130℃)から成る芯鞘型バインダー繊維(平均繊度2.2dtex、平均繊維長5mm、芯部と鞘部の重量比1:1)に変更し、回転型乾燥機の乾燥温度を180℃に変更し、かつ配合比を表5に記載のとおり変更し、かつカレンダー処理時のライン速度を1m/分に変更し、かつ該カレンダー処理時の金属ロール表面温度を110℃に変更した点を除き、使用した材料、作製方法及び評価方法に関して実験1と同じである。
(実験6:比較例14~15、実施例16~17)
樹脂バインダーをスチレン-ブタジエン系高分子ラテックスに変更し、かつ配合比を表6に記載のとおり変更した点を除き、使用した材料、作製方法及び評価方法に関して実験1と同じである。
(実験8:比較例18~19、実施例21~23)
使用する有機繊維を、芯部がポリエチレンテレフタレート(融点255℃)で鞘部が共重合ポリエステル(融点130℃)から成る芯鞘型バインダー繊維(平均繊度2.2dtex、平均繊維長5mm、芯部と鞘部の重量比1:1)と、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(融点255℃、平均繊度2.2dtex、平均繊維長5mm)に変更し、回転型乾燥機の乾燥温度を180℃に変更し、かつ配合比を表8に記載のとおり変更し、かつカレンダー処理時のライン速度を1m/分に変更し、かつ該カレンダー処理時の金属ロール表面温度を110℃に変更した点を除き、使用した材料、作製方法及び評価方法に関して実験1と同じである。
以下、表1~8に記載された実施例及び比較例の結果について説明する。
Figure 0007050905000001
Figure 0007050905000002
Figure 0007050905000003
Figure 0007050905000004
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Figure 0007050905000006
Figure 0007050905000007
Figure 0007050905000008
≪突き刺し強度及び突き刺し強度上昇率について≫
実験1では、比較例1のセパレータをカレンダー処理することで、突き刺し強度上昇率103.0%以上のセパレータは得られなかった。これは、実験1では、セパレータに含まれる樹脂バインダー(固形分)重量比が3.0wt%と低い為、高密度化による樹脂バインダーと他の材料(有機繊維、無機繊維、及び無機粒子)の結着面積増加が少なく、かつ、カレンダー処理によって高い線圧を掛けた際に、多くの無機繊維が切れた為と推定される。
一方、実験2ではセパレータに含まれる樹脂バインダー重量比が5.0wt%超過(5.1wt%)であり、実験1の樹脂バインダー重量と比較して1.7倍の配合比となっている。セパレータ密度が400g/m/mm超過の実施例1~3では、セパレータが同一目付け(坪量)で膜厚が薄くなっているにもかかわらず、突き刺し強度が劇的に上昇する傾向を示した。これは、セパレータに対して、カレンダー処理で高い線圧を掛けた際に、樹脂バインダーが、無機繊維の切れを抑制するクッション材として働きながら、かつ、無機粒子、無機繊維及び/又は有機繊維との結着面積が増えた為、高い膜強度が得られたと考えられる。
実験3、及び実験4は、セパレータに含まれる樹脂バインダー重量比を、それぞれ15.0wt%と、33.7wt%に増やした検討であるが、いずれも、セパレータ密度が400g/m/mm超過の領域で、セパレータの膜厚が薄くなるにつれて、目付け(坪量)が一定であるにも関わらず、突き刺し強度が劇的に上昇し、高い膜強度が得られた。また、セパレータ密度が400g/m/mm超過の領域において、実験3、及び実験4のセパレータ密度の増加に対する突き刺し強度上昇率の上昇は、樹脂バインダーの配合比の少ない実験2と比較して高いことが分かる。実験3と実験4を比較すると、同等密度での突き刺し強度上昇率は、実験3の方が高い傾向にある。これは、実験3の方が実験4と比較して繊維(無機繊維及び有機繊維)の配合比率が高く、繊維の絡み合いによる緻密な網目構造がセパレータ強度を補強している為と推察される。
実験5に関しては、有機繊維に芯部がポリエチレンテレフタレート(融点255℃)で鞘部が共重合ポリエステル(融点130℃)から成る芯鞘型バインダー繊維を使用していることから、カレンダー処理前の比較例12のセパレータの突き刺し強度は、高い値を示している。この場合においても、セパレータ密度が400g/m/mm超過の実施例13~15で、セパレータの膜厚が薄くなるにつれて、目付け(坪量)が一定であるにも関わらず、突き刺し強度が急激に上昇し、高い膜強度が得られた。有機繊維の表面が融点200℃未満の芯鞘型バインダー繊維を用いた場合においても、本実施の形態に係るセパレータは、高い膜強度を示す結果であった。
実験1~5及び実験7は、樹脂バインダーにアクリル系樹脂バインダーを使用しており、実験6では樹脂バインダーにスチレン系樹脂バインダーを用いたが、実験6でもセパレータ密度が400g/m/mm超過の条件で、セパレータの膜厚が薄くなるにつれて、目付けが一定であるにも関わらず、突き刺し強度が急激に上昇し、高い膜強度が得られる傾向が確認された。
実験7は、実験3と比較して無機繊維に対する有機繊維の配合比が低い。実験7においてもセパレータ密度が400g/m/mm超過の条件で、セパレータの膜厚が薄くなるにつれて、目付け(坪量)が一定であるにも関わらず、突き刺し強度が急激に上昇し、高い膜強度が得られる傾向が確認された。また、実験7に関して、実験3における同程度の密度のセパレータと比較すると、突き刺し強度上昇率は実験3の方が高い。これは、セパレータを高密度にするために機械的圧力を加えた際、有機繊維に対する無機繊維の配合比が大きい、すなわちWo/Wi=0.90の実験7の方が、Wo/Wi=2.00の実験3より無機繊維が多く切れた為と推察される。
実験8は、有機繊維にPET繊維と芯鞘型バインダー繊維の2種を使用したが、実験5と比較的近い傾向を示した。実験8においてもセパレータ密度が400g/m/mm超過の条件で、セパレータの膜厚が薄くなるにつれて、目付け(坪量)が一定であるにも関わらず、突き刺し強度が急激に上昇し、高い膜強度が得られる傾向が確認された。
≪電気抵抗について≫
実験1~実験8の評価結果では、セパレータ密度が900g/m/mm未満のセパレータに関して、該密度の変化に対して電気抵抗が100mΩ・cm未満となり、比較的低い電気抵抗が得られた。逆に、セパレータ密度が900g/m/mm以上のセパレータに関しては、電気抵抗が急激に上昇する傾向が確認された。これは、セパレータの細孔の多くが塞がれた為と考えられる。
実験4の比較例10においては、セパレータに対する樹脂バインダー重量比が33.7wt%と高い為、比較例1、6、8、12、14及び16と対比すると、電気抵抗が高くなる傾向が確認されている。実験4より、電気抵抗を100mΩ・cm以下の水準に調整する観点から、セパレータ100質量部に対する樹脂バインダー(固形分)の量は、40質量部以下が好ましい。
上記の結果より、本発明の多孔体は、繊維及び/又は粒子を含み、多孔体100質量部に対して樹脂バインダーの固形分量が5.0質量部超過であり、多孔体の密度D(g/m/mm)が400<Dを満たすことによって、すなわち、樹脂バインダー量比を制御しながら、多孔体又はそれを用いるセパレータ膜の密度を高くすることによって、同じ目付け(坪量)かつ同じ材料を使用して作製した場合でも、高い膜強度を示す。これは、高密度化によって樹脂バインダーと他の材料(繊維及び/又は粒子)との接着面積が増えることによると考えられることから、用途は限定されるものでは無い。本発明の多孔体は、高い膜強度が要求されるフィルター、電池用セパレータ等として利用することができ、該セパレータの中でも、強い振動が掛かる鉛蓄電池用セパレータに有用である。また、多孔体を鉛蓄電池用セパレータとして使用する場合、セパレータ膜の密度Dを400<D<900に調整し、多孔体又はセパレータ100質量部に含まれる樹脂バインダー(固形分)量を40質量部以下に調整することで、鉛蓄電池用セパレータの電気抵抗を100mΩ・cm以下の値に抑制しつつ、高い膜強度が得られる。
本発明に係る多孔体は、高い膜強度が要求されるフィルター、電池用セパレータ又は鉛蓄電池用セパレータとして利用することができる。

Claims (32)

  1. 繊維及び/又は粒子と、樹脂バインダーとを含む多孔体であって、前記多孔体100質量部に対して前記樹脂バインダーの固形分を5.0質量部超過含み、かつ前記多孔体の少なくとも一部の密度D(g/m/mm)が、400<Dを満たし、
    前記樹脂バインダーが、アクリル系樹脂バインダー、及び/又はスチレン系樹脂バインダーであり、かつ前記多孔体がセパレータであることを特徴とする多孔体。
  2. 前記多孔体が鉛蓄電池用セパレータである、請求項1に記載の多孔体。
  3. 前記密度D(g/m/mm)が、450<Dを満たす、請求項1又は2に記載の多孔体。
  4. 前記多孔体が無機繊維を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の多孔体。
  5. 前記多孔体がガラス繊維を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の多孔体。
  6. 前記多孔体が有機繊維を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の多孔体。
  7. 前記多孔体が無機粒子を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の多孔体。
  8. 前記多孔体が前記繊維を含み、該繊維の表面の一部又は全面が、融点220℃以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の多孔体。
  9. 前記繊維の表面の一部又は全面が、融点200℃未満である、請求項に記載の多孔体。
  10. 前記多孔体が前記繊維を含み、該繊維の表面の一部又は全面が、融点220℃以下であり、かつ前記多孔体が鉛蓄電池用セパレータである、請求項1~のいずれか一項に記載の多孔体。
  11. 前記多孔体が有機繊維を含み、該有機繊維の表面の一部又は全面が、融点200℃未満である、請求項1~10のいずれか一項に記載の多孔体。
  12. 前記粒子の粒子径が、0.01μm以上200μm以下である、請求項1~11のいずれか一項に記載の多孔体。
  13. 前記粒子の平均粒子径が、0.5μm以上100μm以下である、請求項1~12のいずれか一項に記載の多孔体。
  14. 前記多孔体は、無機繊維及び有機繊維を含み、該無機繊維の重量をWi(g)、該有機繊維の重量をWo(g)とした時、Wo/Wi≧0.90を満たす、請求項1~13のいずれか一項に記載の多孔体。
  15. 前記多孔体が有機繊維を含み、かつ該有機繊維の表面の一部又は全面が、融点200℃未満のポリエステルで形成される、請求項1~14のいずれか一項に記載の多孔体。
  16. 前記多孔体は、芯鞘型バインダー繊維を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の多孔体。
  17. 前記多孔体は、芯鞘型バインダー繊維を含み、かつ該芯鞘型バインダー繊維の鞘成分と芯成分の重量比(鞘成分重量(g)/芯成分重量(g))が、0.15以上50以下である、請求項1~16のいずれか一項に記載の多孔体。
  18. 前記多孔体は、芯鞘型バインダー繊維を含み、該芯鞘型バインダー繊維は、芯部が融点200℃以上のポリエステルであり、かつ鞘部が融点200℃未満のポリエステルである、請求項1~17のいずれか一項に記載の多孔体。
  19. 前記繊維が無機繊維及び有機繊維であり、かつ前記多孔体100質量部に対して、該無機繊維5~80質量部、該有機繊維5~80質量部、前記粒子5~60質量部、及び前記樹脂バインダーの前記固形分40質量部以下を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の多孔体。
  20. 前記密度Dが、D<900を満たす、請求項1~19のいずれか一項に記載の多孔体。
  21. 前記多孔体は、無機繊維及び有機繊維を含み、該無機繊維の重量をWi(g)、該有機繊維の重量をWo(g)とした時、前記Wo/Wiが、Wo/Wi<20を満たす、請求項1~20のいずれか一項に記載の多孔体。
  22. 前記多孔体100質量部に対して、前記樹脂バインダーの前記固形分は、40質量部以下である、請求項1~21のいずれか一項に記載の多孔体。
  23. 前記多孔体の少なくとも一部が、カレンダー処理されている、請求項1~22のいずれか一項に記載の多孔体。
  24. 前記多孔体の少なくとも一部が、エンボス加工されている、請求項1~23のいずれか一項に記載の多孔体。
  25. 前記多孔体の少なくとも一部が、シール加工されている、請求項1~24のいずれか一項に記載の多孔体。
  26. 前記多孔体が無機繊維を含み、かつ前記多孔体100質量部に対して、該無機繊維5~80質量部を含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の多孔体。
  27. 前記多孔体が有機繊維を含み、かつ前記多孔体100質量部に対して、該有機繊維5~80質量部を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の多孔体。
  28. 前記多孔体100質量部に対して、前記粒子5~60質量部を含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の多孔体。
  29. 前記多孔体は無機繊維及び有機繊維を含み、該有機繊維の平均繊維径が、該無機繊維の平均繊維径より大きい、請求項1~28のいずれか一項に記載の多孔体。
  30. 前記粒子がシリカ粒子である、請求項1~29のいずれか一項に記載の多孔体。
  31. 前記多孔体は、湿式抄造多孔体である、請求項1~30のいずれか一項に記載の多孔体。
  32. 電槽、酸化鉛正極、鉛負極、及び希硫酸を含む鉛蓄電池であって、前記酸化鉛正極と前記鉛負極の間に、請求項1~31のいずれか一項に記載の多孔体が配置された鉛蓄電池。
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