しかしながら、従来の包装袋では、包装袋に収容される被包装体の重量や嵩、被包装体が収容された包装袋の持ち方等によって、手指または掌が締め付けられたり、持ち運びの際に手指等が痛くなる場合がある。また、包装袋を持ち運ぶ際に、持手部が伸びたり、破断する場合がある。そのため、被包装体が収容された状態で包装袋が持ちづらく、また持ち運びの際に包装袋が破損することがある。
本発明の課題は、持ちやすく、破損しにくい包装袋を提供することである。
本発明に係る第1の態様は、被包装体を収容する本体部と、前記本体部の上部に形成された持手部と、前記持手部の中央領域に形成され、前記持手部の厚み方向に貫通する第1開口部と、少なくとも前記中央領域に形成され、前記第1開口部を覆う弾性部材と、前記弾性部材の厚み方向に貫通し、前記第1開口部に重なる第2開口部とを有する、包装袋を提供する。
本明細書において、弾性部材とは、外力を加えると変形し、外力を除くと元の状態に戻ることが可能な部材を示す。弾性部材の形態は、特に限定されず、プレート、シート、フィルム、フィルムまたはシートを複数枚積層したもの等が挙げられる。
弾性部材の材質は、特に限定されず、ポリエチレンエラストマー、ポリイソブチレンエラストマー等の熱可塑性エラストマー、スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム等の汎用ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。
また、持手部の中央領域とは、持手部の略中央で持手部全体の3分の1程度を占める部分を示す。なお、少なくとも持手部の中央領域に形成されるとは、弾性部材が持手部の中央領域のみに形成される場合、弾性部材が持手部の中央領域と中央領域以外の領域に形成されている場合のいずれでもよいことを示す。
また、第2開口部が第1開口部に重なるとは、第2開口部の全部が第1開口部の全部と重なる場合、第2開口部の全部が第1開口部の一部と重なる場合、第2開口部の一部が第1開口部の全部と重なる場合、第2開口部の一部が第1開口部の一部と重なる場合のいずれでもよいことを示す。
第1開口部および第2開口部の各形態は、限定されず、スリット、貫通孔等で形成することができる。また、第1開口部または第2開口部を構成するスリット、貫通孔等は、持手部に形成されたミシン目を破ることで形成してもよい。
第1の態様では、持手部の中央領域に弾性部材が形成され、該中央領域に形成された第1開口部に対して弾性部材に形成された第2開口部が重なることで、第1開口部および第2開口部に手指または掌(以下、手指等という)を挿入する(通すまたは入れる)ことができる。そして、該挿入した手指等で持手部を掴む(または握る)ことができる。そのため、第1開口部および第2開口部は、持手部の指掛部を構成することができる。
また、第1の態様では、第1開口部および第2開口部(指掛部)に該手指等を入れて持手部を掴む(または握る)と、第2開口部が形成された弾性部材の一部(第2開口部の上方部分)を掴むことができる。そして、持手部に形成された弾性部材は、持手部を掴んだときに生じた外力により変形し、手指等にかかる圧力を吸収することができる。
また、第1の態様では、弾性部材が持手部を掴んだ手指等の状態に合わせて形状が変化する(または弾性部材が伸び縮みする)。言い換えると、弾性部材は、持手部を掴んだ(または握った)ときに手指等に馴染んだ形で当たる(フィットする)。そのため、持手部の中央領域に弾性部材が形成された持手部は、安定した状態で掴む(または握る)ことができる。
また、弾性部材は保形性を有するため、持手部を掴んだときに持手部に形成された弾性部材の一部(上方部分)が、手指等に対して面状に当たりやすくなる。言い換えると、持手部に設けられた弾性部材の一部分は、手指等に対して線状に当たりにくくなる。
このような構成により、第1の態様では、持手部を掴んだ際に手指等にかかる負荷を和らげる(または緩和する)ことができる。そのため、持手部によって手指等が締め付けられたり、手指等が痛くなるのを抑制することができる。これにより、第1の態様では、持手部が掴みやすく(または握りやすく)なり、包装袋の持ち運びが容易になる。
また、第1の態様では、第1開口部を覆う弾性部材が持手部の中央領域に形成されているため、弾性部材が持手部の中央領域(持手部の指掛部が構成される部分)を補強することができる。また、このような弾性部材により、上述のように手指等にかかる圧力が吸収され、また、持手部を安定した状態で掴める(または握れる)ことで、持手部が伸びたり、破断するのを抑制することができる。これにより、第1の態様では、被包装体が収容された状態で包装袋を持ち運ぶ場合に、包装袋が破損しにくくなる。
本発明に係る第2の態様は、前記第2開口部の幅が、前記第1開口部の幅より短い、包装袋である。本明細書において、第1開口部の幅は、持手部の長手方向における第1開口部の長さ(横幅)を示し、第2開口部の幅は、該長手方向における第2開口部の長さ(横幅)を示す。なお、第2開口部が第1開口部に重なる部分は、持手部の指掛部を構成する観点から、第1開口部の幅の約30%以上を占める部分となることが好ましい。
第2の態様では、弾性部材に形成された第2開口部の幅が、持手部(中央領域)に形成された第1開口部の幅より短いため、第1開口部と第2開口部に挿入した手指等が、持手部の長手方向において弾性部材に形成された第2開口部の両端の少なくとも一端に当たりやすくなる。すなわち、該挿入した手指等は、持手部に形成された第1開口部の両端の少なくとも一端に当たりにくくなる。
これにより、第2の態様では、持手部を掴んだ際に手指等にかかる負荷をさらに和らげる(または緩和する)ことができる。そのため、第2の態様によれば、持手部によって手指等が締め付けられたり、手指等が痛くなるのを抑制する(持手部が掴みやすくなり、包装袋の持ち運びが容易になる)効果を高めることができる。
また、第2の態様では、上述のように、挿入した手指等が弾性部材の第2開口部に当たりやすくなる(持手部の第1開口部に当たりにくくなる)ことで、持手部が伸びたり破断するのをさらに抑制することができる。そのため、第2の態様によれば、被包装体が収容された状態で包装袋を持ち運ぶ場合に、包装袋が破損しにくくなる効果を高めることができる。
さらに、第2の態様では、弾性部材に形成された第2開口部の幅を、持手部(中央領域)に形成された第1開口部の幅より短くしても、第2開口部に挿入された手指等に合わせて弾性部材が変形する(伸びる)ことができる。そのため、第1開口部と第2開口部に手指等を挿入して持手部を掴んだ(握った)際に、第2開口部の幅は第1開口部の幅に近くなる。これにより、第2の態様でも、安定した状態で包装袋の持手部を掴む(または握る)ことができる。
なお、持手部に形成される指掛部は、一般に人の手のひらの寸法に合わせて形成されるため、手のひらよりも寸法が小さいフック等の手段に、包装袋の持手部を安定して掛けることができない傾向がある。これに対して、第2の態様では、弾性部材に形成された第2開口部の幅を持手部(中央領域)に形成された第1開口部の幅よりも短くすることで、手のひら以外の手段に対しても、包装袋の持手部を安定して掛けることが可能になる。
本発明に係る第3の態様は、前記第2開口部の高さが、前記第1開口部の高さと同じまたは低い、包装袋である。本明細書において、第1開口部の高さは、持手部の高さ方向における第1開口部の長さ(縦幅)を示し、第2開口部の高さは、持手部の高さ方向における第2開口部の長さ(縦幅)を示す。
第3の態様では、弾性部材に形成された第2開口部の高さが、持手部(中央領域)に形成された第1開口部の高さと同じまたは低いため、第1開口部と第2開口部に挿入した手指等が、持手部の高さ方向において弾性部材に形成された第2開口部の上端に当たりやすくなる。すなわち、該挿入した手指等は、持手部に形成された第1開口部の上端に当たりにくくなる。
これにより、第3の態様では、持手部を掴んだ際に手指等にかかる負荷をさらに和らげる(または緩和する)ことができる。そのため、第3の態様によれば、持手部によって手指等が締め付けられたり、手指等が痛くなるのを抑制する(持手部が掴みやすくなり、包装袋の持ち運びが容易になる)効果をより高めることができる。
また、第3の態様では、上述のように、挿入した手指等が弾性部材の第2開口部の上端に当たりやすくなる(持手部の第1開口部の上端に当たりにくくなる)ことで、持手部が伸びたり破断するのをさらに抑制することができる。そのため、第3の態様によれば、被包装体が収容された状態で包装袋を持ち運ぶ場合に、包装袋が破損しにくくなる効果をより高めることができる。
さらに、第3の態様では、弾性部材に形成された第2開口部の高さを、持手部(中央領域)に形成された第1開口部の高さより低くても、第2開口部に挿入された手指等に合わせて弾性部材が変形する(伸びる)ことができる。そのため、第1開口部と第2開口部に手指等を挿入して持手部を掴んだ(握った)際に、第2開口部の高さは第1開口部の高さに近くなる。これにより、第3の態様でも、安定した状態で包装袋の持手部を掴む(または握る)ことができる。
また、第3の態様では、弾性部材に形成された第2開口部の高さを持手部(中央領域)に形成された第1開口部の高さ以下にすることで、手のひら以外の手段に対しても、包装袋の持手部を安定して掛けることが可能になる。
本発明に係る第4の態様は、前記弾性部材の伸長率が、100%以上300%以下である、包装袋である。本明細書において、伸長率とは、弾性部材(被験体)の両端の一端を固定し、他端を最大20kgfまで引っ張った際に、引っ張る前の引っ張り方向の寸法に対する引っ張った後の引っ張り方向の寸法の比率(伸び率または破断伸度)を示す。
第4の態様では、伸長率がこのような範囲の弾性部材を用いることにより、持手部を掴んだ(または握った)ときの手指等にかかる圧力を弾性部材が吸収する効果を高めることができる。また、持手部を掴んだ(または握った)手指等の状態に合わせて、弾性部材の形状が変化する(または弾性部材が伸び縮みする)効果を高めることができる。
本発明に係る第5の態様は、前記弾性部材のヤング率が、0.001N/mm2以上0.35N/mm2以下である、包装袋である。本明細書において、ヤング率とは、弾性部材(被験体)の両端の一端を固定し、他端を引っ張ったときの引っ張り応力と、単位長あたりの被験体の伸びとの比(伸び弾性率または縦弾性係数)を示す。
第5の態様では、ヤング率がこのような範囲の弾性部材を用いることにより、持手部を掴んだときの手指等にかかる圧力を弾性部材が吸収する効果をさらに高めることができる。また、弾性部材が持手部を掴んだ(または握った)手指等の状態に合わせて形状が変化する(または弾性部材が伸び縮みする)効果をさらに高めることができる。
本発明に係る第6の態様は、前記弾性部材のJIS K 6253(2012)に準拠する硬度が1°以上60°以下である、包装袋である。本明細書において、JIS K 6253(2012)に準拠する硬度とは、JIS K 6253(2012)に準じた(または則した)試験により測定した弾性部材(被験体)の硬度を示す。
第6の態様では、JIS K 6253(2012)に準拠する硬度がこのような範囲の弾性部材を用いることにより、持手部を掴んだ(または握った)ときに、弾性部材と手指等との間にグリップ力が生じ、より安定した状態で持手部を掴む(または握る)ことができる。また、このようなグリップ力により、持手部を掴んだ(または握った)ときに、弾性部材が手指等に馴染んだ形で当たる(フィットする)効果を高めることができる。
本発明に係る第7の態様は、前記中央領域は、前記持手部に形成されたシール部に囲まれており、前記弾性部材は、前記シール部により前記持手部に接着されている、包装袋である。持手部の中央領域がこのようなシール部で囲まれることにより、持手部(中央領域)に形成された第1開口部および弾性部材に形成された第2開口部もシール部に囲まれたものとなる。これにより、第7の態様では、シール部によって、持手部の中央領域(第1開口部および第2開口部で構成される指掛部)を補強することができ、第1開口部および/または第2開口部を起点に持手部が破断するのを抑制することができる。
また、第7の態様では、弾性部材がシール部により持手部に接着されていることで、弾性部材を持手部の中央領域に対して確実に形成することができる。さらに、弾性部材の第2開口部を持手部(中央領域)の第1開口部に確実に重ねることができる。
本発明に係る第8の態様は、前記持手部に形成され、前記弾性部材を覆う可撓性部材を有し、前記可撓性部材の厚み方向に貫通し、前記第2開口部に重なる第3開口部が形成されている、包装袋である。本明細書において、可撓性部材とは、柔軟性があり、折り曲げることが可能な部材を示す。可撓性部材の形態は、特に限定されず、シート、フィルム、フィルムまたはシートを複数枚積層したもの等が挙げられる。
可撓性部材の材質は、特に限定されず、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびPE-エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)-PEの積層体(PE/EVOH/PE)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、等が挙げられる。また、可撓性部材の材質は、上述の弾性部材(熱可塑性エラストマー等)と同じ材質を用いても良い。
また、第3開口部が第2開口部に重なるとは、第3開口部の全部が第2開口部の全部と重なる場合、第3開口部の全部が第2開口部の一部と重なる場合、第3開口部の一部が第2開口部の全部と重なる場合、第3開口部の一部が第2開口部の一部と重なる場合のいずれでもよいことを示す。なお、第3開口部の形態は、限定されず、第1開口部、第2開口部と同様に、スリット、貫通孔等で形成することができる。また、第3開口部を構成するスリット、貫通孔等は、持手部に形成されたミシン目を破ることで形成してもよい。
第8の態様では、弾性部材を蓋う可撓性部材が持手部に形成され、弾性部材に形成された第2開口部に対して可撓性部材に形成された第3開口部が重なることで、第3開口部にも手指等を挿入することができ、該手指等で持手部を掴む(または握る)ことができる。そのため、第3開口部は、第1開口部および第2開口部とともに持手部の指掛部を構成することができる。
また、第8の態様では、弾性部材を蓋う可撓性部材が持手部に形成されているため、可撓性部材が持手部に構成される指掛部を補強することができる。また、弾性部材は、可撓性部材と持手部の中央領域との間に挟み込まれているため、持手部を掴んだ(または握った)ときに弾性部材の一部のみが手指等に当たる。そのため、第8の態様では、可撓性部材によって弾性部材を保護することができる。
本発明に係る第9の態様は、前記第3開口部の幅が、前記第1開口部の幅と同じである、包装袋である。本明細書において、第3開口部の幅は、持手部の長手方向における第3開口部の長さ(横幅)を示す。また、第3開口部の幅が第1開口部の幅と同じであるとは、第3開口部の幅と第1開口部の幅とが、略同一であればよく、全くの同一である必要はないことを示す。なお、第3開口部が第1開口部に重なる部分は、持手部の指掛部を構成する観点から、第1開口部の幅の約80%以上を占める部分となることが好ましい。
第9の態様では、可撓性部材に形成された第3開口部の幅が持手部(中央領域)に形成された第1開口部の幅と同じであるため、該第3開口部の幅は、弾性部材に形成された第2開口部の幅より長いものとなる。これにより、第9の態様では、持手部に可撓性部材を形成した場合でも、第3開口部への手指等の挿入が妨げられるのを防ぐことができる。
また、第9の態様では、弾性部材に形成された第2開口部の幅は、持手部(中央領域)に形成された第1開口部の幅および可撓性部材に形成された第3開口部の幅のいずれに対しても短いものとなる。そのため、第1開口部、第2開口部、及び第3開口部に挿入した手指等が、弾性部材に形成された第2開口部に当たりやすくなる。すなわち、該挿入した手指等は、持手部(中央領域)に形成された第1開口部および可撓性部材に形成された第3開口部のいずれにも当たりにくくなる。
これにより、第9の態様では、持手部に可撓性部材を形成した場合でも、持手部を掴んだ際に手指等にかかる負荷をさらに和らげる(または緩和する)ことができる。そのため、第9の態様によれば、持手部に形成された可撓性部材によって手指等が締め付けられたり、手指等が痛くなるのを抑制する(持手部が掴みやすくなり、包装袋の持ち運びが容易になる)効果を高めることができる。
本発明に係る第10の態様は、前記中央領域は、前記持手部に形成されたシール部に囲まれており、前記可撓性部材は、前記シール部により前記持手部に接着されている、包装袋である。持手部の中央領域がこのようなシール部で囲まれることにより、持手部(中央領域)に形成された第1開口部および弾性部材に形成された第2開口部とともに、可撓性部材に形成された第3開口部もシール部に囲まれたものとなる。これにより、第10の態様では、シール部によって、持手部の中央領域(第1開口部および第2開口部とともに第3開口部で構成される指掛部)持手部の指掛部を補強することができ、第3開口部を起点に持手部が破断するのを抑制することができる。
また、第10の態様では、可撓性部材がシール部により持手部に接着されていることで、可撓性部材を持手部に対して確実に形成することができる。さらに、可撓性部材の第3開口部を、弾性部材の第2開口部に確実に重ねることができる。
本発明の一態様によれば、持ちやすく、破損しにくい包装袋を提供することができる。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す説明では、各図において共通する部分について、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、理解を容易にするため、各図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。さらに、各図において、長手方向(左右方向)をX方向とし、高さ方向(上下方向)をY方向とし、奥行方向(前後方向)をZ方向とする。なお、包装袋の持手部の高さ方向において、一方(持手部の上端側)を上方、他方(持手部の下端側)を下方という場合がある。
図1は、本発明の実施形態(第1実施形態)に係る包装袋100を示す。図2は、本実施形態(第1実施形態の変形例)に係る包装袋100を示す図である。図3は、本実施形態(第1実施形態)に係る包装袋100の持手部20を示す。図4は、図3のA-A線断面図である。
図1及び図2において、包装袋100は、本体部10、持手部20、指掛部30を備えている。なお、包装袋100は、本発明の包装袋の一例であり、本体部10、持手部20、指掛部30は、本発明の包装袋を構成する本体部、持手部、指掛部の各一例である。
本体部10は、被包装体Tが収容される包装袋100の本体(袋本体)を構成する。本体部10は、樹脂製のフィルム(以下、樹脂フィルムという)等で形成することができる。本体部10は、この樹脂フィルムがサイドシールにより袋状にされ、袋状になった樹脂フィルムがガセット状に折り込まれた構造になっている(図1、図2参照)。
本体部10を形成する樹脂フィルムの材質は、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン(PE)、PE-エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)-PEの積層体(PE/EVOH/PE)等の樹脂フィルムを用いることができる。また、樹脂フィルムの厚みは、特に限定されないが、例えば、樹脂フィルムとしてPE、PE/EVOH/PEを用いる場合、樹脂フィルムの厚みは10μm以上70μm以下とすることができ、好ましくは15μm以上60μm以下、より好ましくは20μm以上50μm以下である。
本体部10は、被包装体Tの一例としてロール状のトイレットペーパーが12個収容されている(図1、図2参照)。なお、被包装体の形態は、ロール状に限定されず、積層状等の他の形態で収容されていてもよい。また、本体部10に収容される被包装体は、トイレットペーパーに限定されるものではなく、キッチンペーパー、ペーパータオル、ベビー用または介護用の紙おむつ、生理用ナプキン等の物品を収容することができる。
さらに、図1に示す例では、12個のロール状のトイレットペーパー(被包装体T)を1段に4つ並べたものを3段に積み上げた状態で本体部10内に収容されている。また、図2に示す例では、12個のトイレットペーパー(被包装体T)を1段に並べた状態で本体部10に収容されている。なお、本体部10に収容される物品の個数は、限定されず、1つでもよく、図1、図2に示すように複数であってもよい。また、本体部10内に収容される被包装体の配列は、図1、図2に示す配列に限定されるものではない。
持手部20は、図1、図2に示すように、本体部10の上部11に設けられ、包装袋100を手指等または掌(以下、手指等という)Pで掴むまたは握る部分(持手または取っ手)を構成する。持手部20の形状は、特に限定されないが、例えば、持手部20の厚み方向(Z方向)に見たときの輪郭形状を長方形等の四角形にすることができる(図3参照)。
また、持手部20の寸法は、特に限定されないが、本体部10や指掛部30の寸法、後述する弾性部材40や可撓性部材60の寸法、シール部50の範囲等によって定めることができる。なお、持手部20の形状が長方形の場合、持手部20の寸法は、例えば、持手部20の長手方向(X方向)の寸法を150mm以上500mm以下にすることができ、好ましくは160mm以上400mm以下、より好ましくは170mm以上300mm以下である。また、持手部20の高さ方向(Y方向)の寸法を、35mm以上150mm以下にすることができ、好ましくは40mm以上130mm以下、より好ましくは45mm以上100mm以下である。
持手部20は、本体部10と同様に、樹脂フィルム等で形成することができる。持手部20は、熱融着(ヒートシール)により、本体部10の上部11に形成される。本体部10の上部11の持手部20が設けられる位置は、図1のように本体部10の天面に限定されず、図2のように本体部10の側面でもよい。なお、熱融着(ヒートシール)には、例えば、上述のガセット状に折り込まれた樹脂フィルムを、持手成形用の熱版で型押しする手法(スタンプ方式)を用いることができる。
持手部20は、この折り込まれた樹脂フィルムが、持手部20の長手方向(X方向)の両側端23、24では4枚重ねで、持手部20の中央領域25付近では2枚重ねで、ヒートシール(熱融着)で形成されたシール部50で接着されている。なお、シール部50は、熱融着に限定されず、接着剤、粘着剤等を塗布することによって形成してもよい。
シール部50は、図3に示すように、上端シール51、下端シール52、側端シール53、側端シール54、及び中間シール55で構成されている。上端シール51は、持手部20の上端21側に該上端21に沿って設けられている。下端シール52は、持手部20の下端22側に該下端22に沿って設けられている。側端シール53は、持手部20の長手方向(X方向)の側端23側の指掛部30寄りに該側端23に沿って設けられている。側端シール54は、持手部20の長手方向(X方向)の側端24側の指掛部30寄りに該側端24に沿って設けられている。中間シール55は、持手部20の上端21(または上端シール51)と指掛部30との間に、側端シール53から側端シール54に連続して延びるように設けられている。
これにより、持手部20の内側には、シール部50(シール51~55)が形成される。そして、シール51~54で囲まれた部分は、持手部20の中央領域25を構成する。なお、持手部20には、持手部20を取り付けた本体部10が包装袋100の製造時または流通時に破裂しないように、本体部10と包装袋100の外部とを連通する空気穴(図示せず)を設けるのが好ましい。なお、持手部20の中央領域25は、持手部20の略中央で持手部20全体の3分の1程度を占める部分を示す。
指掛部30は、持手部20に形成され、持手部20を掴む(または握る)際に手指等を掛ける部分を構成する。具体的には、図3に示すように、指掛部30は、持手部20の中央領域25に形成され、指掛部30は、持手部20の厚み方向(Z方向)に貫通する第1開口部31で構成されている。本実施形態では、第1開口部31は、持手部20の長手方向(X方向)が長軸となる楕円状の貫通孔で形成されている。なお、指掛部30を構成する第1開口部31は、本発明に係る包装袋において持手部の厚み方向(Z方向)に貫通する第1開口部の一例である。
指掛部30(第1開口部31)の形態は、貫通孔に限定されず、例えば、持手部20の長手方向(X方向)に延びるスリットで構成してもよい。また、指掛部30(第1開口部31)は、ミシン目で形成することができ、該ミシン目を破ることで、指掛部30を形成する貫通孔またはスリットを構成することができる。
指掛部30(第1開口部31)の形状は、図3に示すような楕円形に限定されず、直線状、曲線状、波線状、円形、四角形等の形状やこれらに類似する形状等のいずれであってもよい。また、本実施形態では、指掛部30(第1開口部31)が1つの貫通孔で形成されているが(図3参照)、貫通孔の個数は限定されない。したがって、第1開口部31は、2つ以上の貫通孔、スリット等で形成してもよく、例えば、持手部20の長手方向(X方向)に所定の間隔をあけて配置された2つの貫通孔で形成することができる。
本実施形態(第1実施形態)では、持手部20の少なくとも中央領域25に、第1開口部31を覆う弾性部材40が形成されている。本実施形態では、図3に示すように、弾性部材40が持手部20の中央領域25のみに形成されている。なお、少なくとも持手部20の中央領域25に形成される場合は、本実施形態に限定されず、弾性部材40が持手部20の中央領域25と中央領域25以外の領域に形成されていてもよい。
ここで、弾性部材40は、外力を加えると変形し、外力を除くと元の状態に戻ることが可能な部材である。弾性部材40の形態は、特に限定されず、プレート、シート、フィルム、フィルムまたはシートを複数枚積層したもの等が挙げられる。
弾性部材40の材質は、特に限定されず、ポリエチレンエラストマー、ポリイソブチレンエラストマー等の熱可塑性エラストマー、スチレン-ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム等の汎用ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。これらの中でも、熱可塑性エラストマー、ウレタンゴム、シリコーンゴムが好ましい。
また、弾性部材40の厚み寸法は、特に限定されず、例えば、50μm以上にすることができ、好ましくは80μm以上500μm以下、より好ましくは100μm以上300μmである。可撓性部材の厚み寸法をこのような範囲にすることにより、持手部20が伸びたり、破断するのを防ぐことができる。また、可撓性部材は、上述の熱溶着やゴム溶剤形接着剤、液状ゴム(RTV型シリコーンゴム)、エポキシ系接着剤等により、シール部50の形成時に、持手部20に接着することができる。
弾性部材40は、さらに第2開口部41を有する。第2開口部41は、弾性部材40を厚み方向(Z方向)に貫通するように形成されている。本実施形態では、第2開口部41は、持手部20の長手方向(X方向)に延びる直線状のスリットで形成されている。なお、弾性部材40に形成された第2開口部41は、本発明に係る包装袋において弾性部材の厚み方向(Z方向)に貫通する第2開口部の一例である。
第2開口部41の形態は、スリットに限定されず、例えば、持手部20の長手方向(X方向)が長軸となる楕円状の貫通孔等で形成することができる。また、第2開口部41を構成するスリット、貫通孔等は、第1開口部31と同様に、持手部20に形成されたミシン目を破ることで形成してもよい。
第2開口部41の形状は、図3に示すような直線状に限定されず、曲線状、波線状、円形、楕円形、四角形等の形状やこれらに類似する形状等のいずれであってもよい。また、本実施形態では、第2開口部41が1つのスリットで形成されているが(図3参照)、スリットの個数は限定されない。したがって、第2開口部41は、2つ以上のスリットまたは貫通孔等で形成してもよく、例えば、持手部20の長手方向(X方向)に所定の間隔をあけて配置された2つのスリットで形成することができる。
また、第2開口部41は、持手部20に形成された第1開口部31に重なるように、弾性部材40に形成されている。本実施形態では、第2開口部41の全部が第1開口部31の一部と重なっている(図3、図4参照)。なお、第2開口部41が第1開口部31に重なる態様は、本実施形態に限定されず、第2開口部41の全部が第1開口部31の全部と重なる場合、第2開口部41の一部が第1開口部31の全部と重なる場合、または第2開口部41の一部が第1開口部31の一部と重なる場合でもよい。
本実施形態では、弾性部材40は、持手部20に接着されている。具体的には、上述のように、シール部50(上端シール51、下端シール52、側端シール53、側端シール54、及び中間シール55)に囲まれた持手部20の中央領域25に、弾性部材40がシール部50により接着されている。
より具体的には、図3、図4に示すように、弾性部材40の周端を、シール部50の一部(上端シール51、下端シール52、側端シール53、側端シール54、及び中間シール55)で持手部20の一方の面20Aに融着する(図4参照)。
なお、持手部20に弾性部材40を接着する態様は、本実施形態に限定されない。例えば、持手部20の一方の面20Aに弾性部材40を接着させる代わりに、持手部20の他方の面20Bに弾性部材40を接着してもよい。また、持手部20の両面20A、20Bにそれぞれ弾性部材40を接着してもよい。
また、本実施形態では、弾性部材40に形成された第2開口部41の幅L2が、持手部20に形成された第1開口部31の幅L1より短くなっている(図3参照)。ここで、第1開口部31の幅L1は、持手部20の長手方向(X方向)における第1開口部31の長さ(横幅)を示し、第2開口部41の幅L2は、該長手方向(X方向)における第2開口部41の長さ(横幅)を示す。なお、第2開口部41が第1開口部31に重なる部分は、持手部20の指掛部30を構成する観点から、第1開口部31の幅L1の約30%以上を占める部分となることが好ましい。
また、本実施形態では、弾性部材40に形成された第2開口部41の高さH2が、持手部20に形成された第1開口部31の高さH1以下となっている。具体的には、第2開口部41の高さH2は、第1開口部31の高さH1よりも低くなっている。ここで、第1開口部31の高さH1は、持手部20の高さ方向(Y方向)における第1開口部31の長さ(縦幅)を示し、第2開口部41の高さH2は、持手部20の高さ方向(Y方向)における第2開口部41の長さ(縦幅)を示す。
また、本実施形態では、弾性部材40の伸長率が、100%以上300%以下であり、好ましくは110%以上280%以下、より好ましくは120%以上250%以下である。ここで、伸長率とは、弾性部材40(被験体)の両端の一端を固定し、他端を最大20kgfまで引っ張った際に、引っ張る前の引っ張り方向の寸法に対する引っ張った後の引っ張り方向の寸法の比率(伸び率または破断伸度)である。
なお、伸長率が100%未満の場合、弾性部材が収縮しやすくなり、弾性部材の形状を保持できない可能性がある。また、伸長率が300%を超える場合、弾性部材の強度が十分に得られず、弾性部材が手指等にかかる圧力を吸収できない可能性がある。
また、本実施形態では、弾性部材40のヤング率が、0.001N/mm2以上0.35N/mm2以下であり、好ましくは0.0013N/mm2以上0.3N/mm2以下、より好ましくは0.0015N/mm2以上0.28N/mm2以下である。ここで、ヤング率とは、弾性部材40(被験体)の両端の一端を固定し、他端を引っ張ったときの引っ張り応力と、単位長あたりの被験体の伸びとの比(伸び弾性率または縦弾性係数)である。
なお、ヤング率が0.001N/mm2未満の場合、弾性部材が過度に伸長して、弾性部材が手指等にかかる圧力を吸収できない可能性がある。また、ヤング率が0.35N/mm2を超える場合、弾性部材が伸長しにくくなり、手指等にかかる負荷を和らげる(または緩和する)効果が十分に得られない可能性がある。
また、本実施形態では、弾性部材40のJIS K 6253(2012)に準拠する硬度が、1°以上60°以下であり、好ましくは2°以上55°以下、より好ましくは3°以上50°以下である。本明細書において、JIS K 6253(2012)に準拠する度とは、JIS K 6253(2012)に準じた(または則した)試験により測定した弾性部材40(被験体)の硬度である。
なお、硬度が1°未満の場合、弾性部材が過度に柔らかいものとなり、弾性部材と手指等との間に十分なグリップ力が得られず、安定した状態で持手部を掴む(または握る)ことができない可能性がある。また、硬度が60°を超える場合、弾性部材が過度に硬いものとなり、この場合も、弾性部材と手指等との間に十分なグリップ力が得られず、安定した状態で持手部を掴む(または握る)ことができない可能性がある。
図5~図7は、本実施形態に係る包装袋100の使用態様を示す図である。ここでは、本実施形態による本発明の効果について説明する。
本実施形態では、上述のように持手部20の中央領域25に弾性部材40が形成され、該中央領域25に形成された第1開口部31に対して弾性部材40に形成された第2開口部41が重なっている(図1~図4参照)。このような構成により、第1開口部31および第2開口部41に手指または手のひら(以下、手指等という)Pを通すことができる(図5、図6)。そして、該挿入した手指等Pで持手部20を掴む(または握る)ことができる(図7参照)。このように、本実施形態では、第1開口部31および第2開口部41が、持手部20の指掛部30を構成することができる。
また、本実施形態では、第1開口部31および第2開口部41(指掛部30)に該手指等Pを挿入し持手部20を掴む(または握る)と、第2開口部41が形成された弾性部材40の一部(第2開口部41の上方部分42)を掴むことができる。そして、持手部20に形成された弾性部材40は、持手部20を掴んだときに生じた外力により変形し、手指等Pにかかる圧力を吸収することができる。(図7参照)
また、本実施形態では、弾性部材40が持手部20を掴んだ手指等Pの状態に合わせて形状が変化する(または弾性部材40が伸び縮みする)。具体的には、弾性部材40は、持手部20を掴んだ(または握った)ときに手指等Pに馴染んだ形で当たる(フィットする)。そのため、持手部20の中央領域25に弾性部材40が形成された持手部20は、安定した状態で掴む(または握る)ことができる。
また、本実施形態では、弾性部材40は保形性を有するため、持手部20を掴んだときに持手部20に形成された弾性部材40の一部(上方部分42)が、手指等Pに対して面状に当たりやすくなる。すなわち、持手部20に設けられた弾性部材40の一部分は、手指等Pに対して線状に当たりにくくなる。
このような構成により、本実施形態では、持手部20を掴んだ際に手指等Pにかかる負荷を和らげる(または緩和する)ことができる。そのため、持手部20によって手指等Pが締め付けられたり、手指等Pが痛くなるのを抑制することができる。そのため、本実施形態によれば、持手部20が掴みやすく(または握りやすく)なり、包装袋100の持ち運びが容易になる。
また、本実施形態では、第1開口部31を覆う弾性部材40が持手部20の中央領域25に形成されているため、弾性部材40が持手部20の中央領域25(持手部20の指掛部30が構成される部分)を補強することができる。また、このような弾性部材40により、上述のように手指等Pにかかる圧力が吸収され、また、持手部20を安定した状態で掴める(または握れる)ことで、持手部20が伸びたり、破断するのを抑制することができる。そのため、本実施形態によれば、被包装体Tが収容された状態で包装袋100を持ち運ぶ場合に、包装袋100が破損しにくくなる。
第1実施形態では、上述のように、弾性部材40に形成された第2開口部41の幅L2が、持手部20(中央領域25)に形成された第1開口部31の幅L1より短いため、第1開口部31と第2開口部41に挿入した手指等Pが、持手部20の長手方向(X方向)において弾性部材40に形成された第2開口部41の両端41A、41Bの少なくとも一端に当たりやすくなる。すなわち、該挿入した手指等Pは、持手部20に形成された第1開口部31の両端31A、31Bの少なくとも一端に当たりにくくなる(図3、図7参照)。
これにより、本実施形態では、持手部20を掴んだ際に手指等Pにかかる負荷をさらに和らげる(または緩和する)ことができる。そのため、本実施形態では、持手部20によって手指等Pが締め付けられたり、手指等Pが痛くなるのを抑制する(持手部20が掴みやすくなり、包装袋100の持ち運びが容易になる)効果を高めることができる。
また、本実施形態では、上述のように、挿入した手指等Pが弾性部材40の第2開口部41に当たりやすくなる(持手部20の第1開口部31に当たりにくくなる)ことで、持手部20が伸びたり破断するのをさらに抑制することができる。そのため、本実施形態によれば、被包装体Tが収容された状態で包装袋100を持ち運ぶ場合に、包装袋100が破損しにくくなる効果を高めることができる。
さらに、本実施形態では、上述のように弾性部材40に形成された第2開口部41の幅L2を、持手部20(中央領域25)に形成された第1開口部31の幅L1より短くてしても、第2開口部41に挿入された手指等Pに合わせて弾性部材40が変形する(伸びる)ことができる。そのため、第1開口部31と第2開口部41に手指等Pを挿入して持手部20を掴んだ(握った)際に、第2開口部41の幅L2は第1開口部31の幅L1に近くなる。これにより、本実施形態では、安定した状態で包装袋100の持手部20を掴む(または握る)ことができる。
なお、持手部に形成される指掛部は、一般に人の手のひらの寸法に合わせて形成されるため、手のひらよりも寸法が小さいフック等の手段に、包装袋の持手部を安定して掛けることができない傾向がある。これに対して、本実施形態では、弾性部材40に形成された第2開口部41の幅L2を持手部20(中央領域25)に形成された第1開口部31の幅L1よりも短くすることで、手のひら以外の手段に対しても、包装袋100の持手部20を安定して掛けることが可能になる。
第1実施形態では、上述のように、弾性部材40に形成された第2開口部41の高さH2が、持手部20(中央領域25)に形成された第1開口部31の高さH1以下である(本実施形態では、高さH1より低い)ため、第1開口部31と第2開口部41に挿入した手指等Pが、持手部20の高さ方向(Y方向)において弾性部材40に形成された第2開口部41の上端41Cに当たりやすくなる。すなわち、該挿入した手指等Pは、持手部20に形成された第1開口部31の上端31Cに当たりにくくなる(図3、図7参照)。
これにより、本実施形態では、持手部20を掴んだ際に手指等Pにかかる負荷をさらに和らげる(または緩和する)ことができる。そのため、本実施形態によれば、持手部20によって手指等Pが締め付けられたり、手指等Pが痛くなるのを抑制する(持手部20が掴みやすくなり、包装袋100の持ち運びが容易になる)効果をより高めることができる。
また、本実施形態では、上述のように、挿入した手指等Pが弾性部材40の第2開口部41の上端41Cに当たりやすくなる(持手部20の第1開口部31の上端31Cに当たりにくくなる)ことで、持手部20が伸びたり破断するのをさらに抑制することができる。そのため、本実施形態によれば、被包装体Tが収容された状態で包装袋100を持ち運ぶ場合に、包装袋100が破損しにくくなる効果をより高めることができる。
さらに、本実施形態では、弾性部材40に形成された第2開口部41の高さH2を、持手部20(中央領域25)に形成された第1開口部31の高さH1より低くても、第2開口部41に挿入された手指等Pに合わせて弾性部材40が変形する(伸びる)ことができる。そのため、第1開口部31と第2開口部41に手指等を挿入して持手部を掴んだ(握った)際に、第2開口部41の高さH2は第1開口部31の高さH1に近くなる。これにより、本実施形態でも、安定した状態で持手部を掴む(または握る)ことができる。
また、本実施形態では、弾性部材40に形成された第2開口部41の高さH2を持手部20(中央領域25)に形成された第1開口部31の高さH1以下にする(本実施形態では、高さH1より低くする)ことで、手のひら以外の手段に対しても、包装袋100の持手部20を安定して掛けることが可能になる。
第1実施形態では、伸長率が上述の範囲の弾性部材40を用いることにより、持手部20を掴んだ(または握った)ときの手指等Pにかかる圧力を弾性部材40が吸収する効果を高めることができる。また、持手部20を掴んだ(または握った)手指等Pの状態に合わせて、弾性部材40の形状が変化する(または弾性部材40が伸び縮みする)効果を高めることができる。
第1実施形態では、ヤング率が上述の範囲の弾性部材40を用いることにより、持手部20を掴んだときの手指等Pにかかる圧力を弾性部材40が吸収する効果をさらに高めることができる。また、弾性部材40が持手部20を掴んだ(または握った)手指等Pの状態に合わせて形状が変化する(または弾性部材40が伸び縮みする)効果をさらに高めることができる。
第1実施形態では、JIS K 6253(2012)に準拠する硬度がこのような範囲の弾性部材40を用いることにより、持手部20を掴んだ(または握った)ときに、弾性部材40と手指等Pとの間にグリップ力が生じ、より安定した状態で持手部20を掴む(または握る)ことができる。また、このようなグリップ力により、持手部20を掴んだ(または握った)ときに、弾性部材40が手指等Pに馴染んだ形で当たる(フィットする)効果を高めることができる。
第1実施形態では、持手部20の中央領域25がこのようなシール部50で囲まれることにより、持手部20(中央領域25)に形成された第1開口部31および弾性部材40に形成された第2開口部41もシール部50に囲まれたものとなる。これにより、本実施形態では、シール部50によって、持手部20の中央領域25(第1開口部31および第2開口部41で構成される指掛部30)を補強することができ、第1開口部31および/または第2開口部41を起点に持手部20が破断するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、弾性部材40がシール部50により持手部20に接着されていることで、弾性部材40を持手部20の中央領域25に対して確実に形成することができる。さらに、弾性部材40の第2開口部41を持手部20(中央領域25)の第1開口部31に確実に重ねることができる。
図8は、本実施形態(第2実施形態)に係る包装袋100の持手部20を示す。図9は、図8のB-B線断面図である。なお、図8、図9において、第1実施形態と共通する部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態に係る包装袋100では、持手部20に弾性部材40を覆う可撓性部材60が形成されている。可撓性部材60は、柔軟性があり、折り曲げることが可能な部材である。可撓性部材60の形態は、特に限定されず、シート、フィルム、フィルムまたはシートを複数枚積層したもの等が挙げられる。
可撓性部材60の材質は、特に限定されず、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびPE-エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)-PEの積層体(PE/EVOH/PE)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等が挙げられる。また、可撓性部材60の材質は、上述の弾性部材40と同じ材質(熱可塑性エラストマー等)を用いても良い。第2実施形態では、可撓性部材60として、ポリエチレン(PE)のシートが用いられている。
また、可撓性部材60の厚み寸法は、特に限定されず、例えば、20μm以上にすることができ、好ましくは30μm以上150μm以下、より好ましくは50μm以下130μm以下である。可撓性部材60の厚み寸法をこのような範囲にすることにより、持手部20が伸びたり、破断するのを防ぐことができる。また、可撓性部材は、上述の熱溶着等により、シール部50の形成時に、持手部20に接着することができる。
可撓性部材60は、さらに第3開口部61を有する。第3開口部61は、可撓性部材60を厚み方向(Z方向)に貫通するように形成されている。第2実施形態では、第3開口部61は、持手部20の長手方向(X方向)に延びる直線状のスリットで形成されている。なお、可撓性部材60に形成された第3開口部61は、本発明に係る包装袋において可撓性部材の厚み方向(Z方向)に貫通する第3開口部の一例である。
第3開口部61の形態は、スリットに限定されず、例えば、持手部20の長手方向(X方向)が長軸となる楕円状の貫通孔等で形成することができる。また、第3開口部61を構成するスリット、貫通孔等は、第1開口部31と同様に、持手部20に形成されたミシン目を破ることで形成してもよい。
第3開口部61の形状は、図8に示すような直線状に限定されず、曲線状、波線状、円形、楕円形、四角形等の形状やこれらに類似する形状等のいずれであってもよい。また、第2実施形態では、第3開口部61が1つのスリットで形成されているが(図8参照)、スリットの個数は限定されない。したがって、第3開口部61は、2つ以上のスリットまたは貫通孔等で形成してもよく、例えば、持手部20の長手方向(X方向)に所定の間隔をあけて配置された2つのスリットで形成することができる。
第3開口部61は、弾性部材40に形成された第2開口部41に重なるように、可撓性部材60に形成されている。第2実施形態では、第3開口部61の一部が第2開口部41の全部と重なっている(図8、図9参照)。なお、第3開口部61が第2開口部41に重なる態様は、第2実施形態に限定されず、第3開口部61の全部が第2開口部41の全部と重なる場合、第3開口部61の全部が第2開口部41の一部と重なる場合、または第3開口部61の一部が第2開口部41の一部と重なる場合でもよい。
また、第2実施形態の包装袋100では、第3開口部61の幅L3が、第1開口部31の幅L1と同じである。ここで、第3開口部61の幅L3は、持手部20の長手方向(X方向)における第3開口部61の長さ(横幅)である。なお、第3開口部61の幅L3が第1開口部31の幅L1と同じであること、第3開口部61の幅L3と第1開口部31の幅L1とが、略同一であればよく、全くの同一でなくてもよい。なお、第3開口部61が第1開口部31に重なる部分は、持手部20の指掛部30を構成する観点から、第1開口部31の幅L1の約80%以上を占める部分となることが好ましい。
第2実施形態では、可撓性部材60は、持手部20に接着されている。具体的には、上述のようにシール部50に囲まれた持手部20中央領域25に、可撓性部材60がシール部50により接着されている。
より具体的には、図8、図9に示すように、可撓性部材60の周端を、シール部50の一部(上端シール51、下端シール52、側端シール53、側端シール54、及び中間シール55)で持手部20の一方の面20Aに融着する(図9参照)。
なお、持手部20に可撓性部材60を接着する態様は、第2実施形態に限定されない。例えば、持手部20の一方の面20Aに可撓性部材60を接着する代わりに、持手部20の他方の面20Bに可撓性部材60を接着してもよい。また、持手部20の両面20A、20Bにそれぞれ可撓性部材60を接着してもよい。
第2実施形態では、上述のように弾性部材40を蓋う可撓性部材60が持手部20に形成され、弾性部材40に形成された第2開口部41に対して可撓性部材60に形成された第3開口部61が重なっている(図8、図9参照)。このような構成により、第3開口部61にも手指等Pを通すことができる。そして、該手指等Pで持手部20を掴む(または握る)ことができる。このように、第2実施形態では、第3開口部61は、第1開口部31および第2開口部41とともに持手部20の指掛部30を構成することができる。
また、第2実施形態では、弾性部材40を蓋う可撓性部材60が持手部20に形成されているため、可撓性部材60が持手部20に構成される指掛部30を補強することができる。また、弾性部材40は、可撓性部材60と持手部20の中央領域25との間に挟み込まれているため、持手部20を掴んだ(または握った)ときに弾性部材40の一部のみが手指等Pに当たる。そのため、第2実施形態によれば、可撓性部材60によって弾性部材40を保護することができる。
また、第2実施形態では、可撓性部材60に形成された第3開口部61の幅L3が持手部20(中央領域25)に形成された第1開口部31の幅L1と同じであるため、該第3開口部61の幅L3は、弾性部材40に形成された第2開口部41の幅L2より長いものとなる。そのため、第2実施形態によれば、持手部20に可撓性部材60を形成した場合でも、第3開口部61への手指等Pの挿入が妨げられるのを防ぐことができる。
また、第2実施形態では、弾性部材40に形成された第2開口部41の幅L2は、持手部20(中央領域25)に形成された第1開口部31の幅L1および可撓性部材60に形成された第3開口部61の幅L3のいずれに対しても短いものとなる。そのため、第1開口部31、第2開口部41、及び第3開口部61に挿入した手指等Pが、弾性部材40に形成された第2開口部41に当たりやすくなる。すなわち、該挿入した手指等Pは、持手部20(中央領域25)に形成された第1開口部31および可撓性部材60に形成された第3開口部61のいずれにも当たりにくくなる。
このように、第2実施形態では、持手部20に可撓性部材60を形成した場合でも、持手部20を掴んだ際に手指等Pにかかる負荷をさらに和らげる(または緩和する)ことができる。そのため、第2実施形態によれば、持手部20に形成された可撓性部材60によって手指等Pが締め付けられたり、手指等Pが痛くなるのを抑制する(持手部20が掴みやすくなり、包装袋100の持ち運びが容易になる)効果を高めることができる。
第2実施形態では、上述のように持手部20の中央領域25がなシール部50で囲まれることにより、持手部20(中央領域25)に形成された第1開口部31および弾性部材40に形成された第2開口部41とともに、可撓性部材60に形成された第3開口部61もシール部50に囲まれたものとなる。これにより、第2実施形態では、シール部50によって、持手部20の中央領域25(第1開口部31および第2開口部41とともに第3開口部61で構成される指掛部30)を補強することができ、第3開口部61を起点に持手部20が破断するのを抑制することができる。
第2実施形態では、上述のように可撓性部材60がシール部50により持手部20に接着されていることで、可撓性部材60を持手部20に対して確実に形成することができる。さらに、第2実施形態では、可撓性部材60の第3開口部61を、弾性部材40の第2開口部41に確実に重ねることができる。
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例の評価は、以下の試験により行った。
[伸長率]
包装袋の持手部に形成する弾性部材を被験体として、弾性部材伸長率を測定した。伸長率は、被験体の両端の一端を固定し、他端を最大20kgfまでプッシュプルゲージ(イマダ製、デジタルフォースゲージDPS-20)にて引っ張った際に、引っ張る前の引っ張り方向の寸法に対する引っ張った後の引っ張り方向の寸法の比率(伸び率または破断伸度)を測定した。
[硬度]
包装袋の持手部に形成する弾性部材を被験体として、弾性部材の硬度を測定した。弾性部材の硬度は、JIS K 6253(2012)に準拠して、デュロメータ タイプA(テクロック製、GS-719N)にて測定した。
[ヤング率]
包装袋の持手部に形成する弾性部材を被験体として、弾性部材のヤング率を測定した。ヤング率は、被験体の両端の一端を固定し、他端を引っ張ったときの引っ張り応力と、単位長あたりの被験体の伸びとの比(伸び弾性率または縦弾性係数)を測定した。
[指掛け試験]
包装袋100について、指掛け試験を行った。指掛け試験では、包装袋100の本体部10に、12個のロール状のトイレットペーパーT(大王製紙株式会社製の「エリエール トイレットティシュー 60mシングル(147g/ロール)」)を収容し、持手部20の指掛部30に、ユーザーが手指等Pを掛けて、包装袋100の持手部20を持った。このときの包装袋100の持ちやすさを評価した。持ちやすさの評価は、以下の基準で行った。
◎:持手部への指掛けが容易で、持手部を安定した状態で持つことができた
〇:持手部を安定した状態で持つことができた
×:持手部を安定した状態で持つことができなかった
[振り子試験]
包装袋100について、振り子試験を行った。振り子試験では、指掛け試験と同様に、包装袋100にトイレットペーパー(被包装体T)を収容し、持手部20の指掛部30に、ユーザーが手指等Pを掛けて持手部20を持ち、さらに包装袋100を180°の範囲で振り子のように10往復移動させた。このとき、包装袋100の耐久性を評価した。なお、振り子試験は、各実施例及び比較例につき5回行った。耐久性の評価は、以下の基準で行った。
◎:5回中1回も破損が確認できなかった
○:5回中1回以上持手部の一部が破断したが指掛部は破断(または断裂)しなかった
×:5回中1回以上破損を確認した
以下、実施例及び比較例について、説明する。
[実施例1]
厚み約25μmのポリエチレンのフィルムから、製袋機を用いて、包装袋100を作製した。包装袋100では、持手部20を本体部10の上部11に形成した(図1参照)。持手部20の寸法は、持手部20の長手方向(X方向)の寸法を約210mmとし、高さ方向(Y方向)の寸法を約50mmとした。持手部20には、シール部50(シール51~55)を設け、シール52、53間の距離を約100mmとし、シール51、55間の距離を約7mmとした。また、シール51~54で囲まれた部分(持手部20の中央領域25)に、持手部20の厚み方向(Z方向)に貫通する楕円状の指掛部30(第1開口部31)を形成した。第1開口部31の寸法は、持手部20の長手方向(X方向)の幅を約50mm、高さ方向(Y方向)の高さを約10mmとした。また、シール52~55で囲まれた部分(持手部20の中央領域25)に、第1開口部31を覆う弾性部材40(伸長率220%、硬度5°、ヤング率0.0021N/mm2の熱可塑性エラストマー)をシール部50(シール51~55)により接着した。弾性部材40の寸法は、長手方向(X方向)の幅を約100mm、高さ方向(Y方向)の高さを約10mm、厚み方向(Z方向)の厚みを約162μmとした。弾性部材40に、厚み方向(Z方向)に貫通し、第1開口部31に重なる第2開口部41を形成した。弾性部材40は、第2開口部41の全部が第1開口部31の一部と重なるように、持手部20に接着した。第2開口部41の寸法は、持手部20の長手方向(X方向)の幅を約25mm、高さ方向(Y方向)の高さを約0mmとした。作製した包装袋100について、指掛け試験、振り子試験、変形試験を行い、評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
指掛部30(第1開口部31)の形状を直線状のスリットで形成し、第1開口部31の寸法として持手部20の長手方向(X方向)の幅を約80mm、高さ方向(Y方向)の高さを約0mmとし、弾性部材40として伸長率220%、硬度5°、ヤング率0.0021N/mm2の熱可塑性エラストマーを用い、シール52~55で囲まれた部分(持手部20の中央領域25)に、弾性部材40を覆う可撓性部材60(厚み約30μmのポリエチレンのフィルム)をシール部50(シール51~55)により接着し、可撓性部材60の寸法は、長手方向(X方向)の幅を約120mm、高さ方向(Y方向)の高さを約50mm、厚み方向(Z方向)の厚みを約30μmとし、可撓性部材60に、厚み方向(Z方向)に貫通し、第2開口部41に重なる第3開口部61を形成し、可撓性部材60は、第3開口部61の一部が第2開口部41の全部と重なるように、持手部20に接着し、第3開口部61の寸法は、持手部20の長手方向(X方向)の幅を約80mm、高さ方向(Y方向)の高さ約0mmとした以外は、実施例1と同様に作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
弾性部材40として、伸長率200%、硬度5°、ヤング率0.044N/mm2、厚みが約150μmのウレタンゴムを用い、可撓性部材60を用いなかった以外は、実施例2と同様に作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
弾性部材40として伸長率150%、硬度10°、ヤング率0.12N/mm2、厚みが約142μmのシリコーンゴムを用いた以外は、実施例3と同様に作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
弾性部材40として伸長率150%、硬度40°、ヤング率0.24N/mm2、厚みが約167μmのシリコーンゴムを用いた以外は、実施例3と同様に作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
図10に示すように、楕円状の1つのスリット(指掛部70)を設け、楕円の周囲のうち下端の一部を残すように指掛部70を配置し(指掛部70の中央部71を持手部20の上端21側に配置し、両端部72、73を持手部20の下端22側に配置し)、指掛部70の寸法を、持手部20の長手方向(X方向)約50mm、持手部20の高さ方向(Y方向)に約10mmとした以外は、実施例1と同様に包装袋100を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
図11に示すように、楕円状の2つのスリット(指掛部80と指掛部90)を設け、指掛部80と指掛部90を楕円形状が略左右対称になるように持手部20の長手方向(X方向)に並べて配置し(指掛部80の中央部81及び指掛部90の中央部91を持手部20の下端22側に配置し、指掛部80の両端部82、83及び指掛部90の両端部92、93を持手部20の上端21側に配置し)、指掛部80、90の寸法を、持手部20の長手方向(X方向)に約30mmの長径をもち、持手部20の高さ方向(Y方向)に約15mmの短径をもち、X方向における指掛部80と指掛部90との間の距離を最短で約20mmとした以外は、実施例1と同様に包装袋100を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
指掛部70として直線状の1つのスリットを設け、指掛部70の寸法を、持手部20の長手方向(X方向)約80mm、持手部20の高さ方向(Y方向)に約0mmとした以外は、比較例1と同様に包装袋100を作製し、評価した。結果を表1に示す。
表1より、持手部20の中央領域25に、持手部20の厚み方向(Z方向)に貫通する第1開口部31と第1開口部31を覆う弾性部材40とが形成され、弾性部材40の厚み方向(Z方向)に貫通し、第1開口部31に重なる第2開口部41を有する包装袋100では、指掛け試験、振り子試験の結果がいずれも○または◎となった(実施例1~5)。
また、持手部20の中央領域25に、弾性部材40を覆う可撓性部材60が形成され、可撓性部材60の厚み方向(Z方向)に貫通し、第2開口部41に重なる第3開口部61を有する包装袋100は、指掛け試験、振り子試験の結果がいずれも◎となった(実施例2)。
これに対して、持手部20に弾性部材40を形成しない包装袋100は、指掛け試験、振り子試験の少なくともいずれかの結果が×または△となった(比較例1~3)。
これらの結果から、持手部20の中央領域25に形成され、持手部20の厚み方向(Z方向)に貫通する第1開口部31と、少なくとも中央領域25に形成され、第1開口部31を覆う弾性部材40と、弾性部材40の厚み方向(Z方向)に貫通し、第1開口部31に重なる第2開口部41とを有する包装袋100は、持ちやすく、破損しにくいものであることが判った。さらに、持手部20に形成され、弾性部材40を覆う可撓性部材60を有し、可撓性部材60の厚み方向(Z方向)に貫通し、第2開口部41に重なる第3開口部61が形成されている包装袋100は、より破損しにくいものであることが判った。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。