しかしながら、従来の包装袋は、持手部に形成された指掛孔がヒートシールで囲まれ、さらに指掛孔は持手部とは別部材の補強フィルムで覆われているため、持手部が固く、持手部が掴み難いものとなっている。また、ユーザーが指掛孔に指を挿入する際に、補強フィルムが当たって手指に痛みを感じることがある。さらに、持手部を掴んで包装袋を吊り下げた際に、指掛孔を覆う補強フィルムによって、手指が締め付けられることがある。このように、従来の包装袋は、持ち運びの際に手指への負担が大きいものとなっている。
本発明の目的は、持ち運びの際に手指への負担が少ない包装袋を提供することにある。
本発明の第1の態様は、筒状のフィルムで形成され、被包装体が収容される本体部と、前記本体部の上面部に前記本体部と一体に設けられた持手部と、前記持手部の長手方向の中央部に形成された指掛部とを有し、前記持手部は、前記筒状のフィルムがガセット状に折り込まれてなるシートで形成され、前記持手部の上端部に、前記シートが前記持手部の下端部側に向かって折り返されてなる第1折返部が形成され、前記持手部の下端部に、前記折り返されたシートを重ねて融着した融着部が形成されている、包装袋を提供する。
第1の態様では、筒状のフィルムがガセット状に折り込まれたシートが、持手部の上端部で折り返され、さらに折り返されたシートが持手部の下端部で融着されている。このような構成では、指掛部はヒートシールで囲まれておらず、また持手部に補強フィルムは設けられていない。また、指掛部の上方にヒートシールが形成されていないため、持手部を掴んで包装袋を吊り下げた際に、持手部が高さ方向に潰れ、手指に対して持手部が面状に当たる。そのため、持手部は固くならず、掴み易いものとなる。
さらに、第1の態様では、指掛部に手指を挿入する際に、補強フィルム等の別部材が手指に当たることがない。また、持手部を掴んで包装袋を吊り下げた際に、手指が補強フィルム等の別部材によって締め付けられることがない。このように、第1の態様によれば、持ち運びの際の手指への負担を軽減することができる。
また、第1の態様では、折り返された2枚のシートが重ねられて持手部が形成されているが、該シートは筒状のフィルムがガセット状に折り込まれたものが2枚重ねになることで、持手部の中央部は4枚のフィルムが重ねられた構造となる。そのため、持手部の中央部に形成された指掛部は、持手部を掴んで包装袋を吊り下げた際に形状が変化し難く、持手部が伸びたり、破断したりすることを防ぐことができる。
さらに、第1の態様では、上述のように持手部の中央部が4枚のフィルムが重ねられた構造となっているため、持手部を掴んだときに、持手部に設けられた4枚のフィルムが手指に当たるため、包装袋を持ち運ぶ際に手指にかかる圧力を分散することができる。これにより、第1の態様では、包装袋を持ち運ぶ際に、持手部が掴み易くなるため、包装袋の持ち運びが容易になる。
また、持手部に指掛部が形成された包装袋では、指掛部の周囲が破断し易く、指掛部の周囲が破断すると、指掛部から持手部の上端部に亘って持手部全体が破断し易い傾向がある。これに対して、第1の態様では、指掛部の周囲にかかった力が、持手部の中央部を構成する4枚のフィルムに分散される。そのため、第1の態様によれば、持手部全体が破断するのを防ぐことができる。
また、持手部を掴みやすくする観点から、指掛部の寸法は持手部の寸法に対してきるだけ大きい方が望ましいが、指掛部の寸法を大きくすると、持手部は破断し易くなる。これに対して、第1の態様では、上述のように指掛部の周囲にかかった力が持手部の中央部を構成する4枚のフィルムに分散される。そのため、第1の態様によれば、指掛部の寸法を持手部の寸法に対して大きくすることができる。
さらに、第1の態様では、上述のように指掛部がヒートシールで囲まれていないため、従来の包装袋に比べて融着部を設ける範囲を小さくすることができる。また、上述のように包装袋を持ち運ぶ際に手指にかかる圧力を分散することができるため、持手部と別部材の補強フィルムを用いずに持手部を補強することができる。そのため、第1の態様では、資源やコストを低減することができる。
第2の態様は、前記第1折返部を形成する前記シートが、前記持手部の厚み方向に積層され、前記積層されたシート間に第1空間部が形成されている、包装袋を提供する。第2の態様では、持手部の上端部で折り返されたシートが、持手部の下端部で融着されることで、持手部の内側に空間が形成される。この空間の存在により、持手部を掴んで包装袋を吊り下げた(持ち上げた)際に、持手部が変形し易くなるため、手指への圧力を低減することができる。これにより、第2の態様では、包装袋を持ち運ぶ際に手指への負担をさらに軽減することができる。
第3の態様は、前記持手部の下端部に、前記シートが前記持手部の上端部側に向かって前記持手部の内側に折り返されてなる第2折返部が形成されている、包装袋を提供する。第3の態様では、持手部の上端部に第1折返部が形成され、さらに持手部の下端部に第2折返部が形成されているため、折り返された3枚のシートが重ねられて持手部が構成されている。これにより、持手部の中央部は6枚のフィルムが重ねられた構造となるため、持手部の中央部に形成された指掛部は、持手部を掴んで包装袋を吊り下げた際に形状がより変化し難く、持手部が伸びたり、破断したりすることをさらに防ぐことができる。
第4の態様は、前記第2折返部が、前記融着部で融着されている、包装袋を提供する。第4の態様では、持手部の下端部に形成された融着部によって第2折返部が融着されていることで、確実に、持手部の構造を、折り返された3枚のシートが重ねられた構造にすることができる。すなわち、指掛部が形成される持手部の中央部の構造を、確実に6枚のフィルムが重ねられた構造にすることができる。そのため、持手部の中央部に形成された指掛部は、持手部を掴んで包装袋を吊り下げた際に形状がさらに変化し難く、持手部が伸びたり、破断したりすることを確実に防ぐことができる。
第5の態様は、前記持手部の上端部の前記第1折返部の内側に、前記シートが前記持手部の下端部側に向かって折り返されてなる第3折返部が形成されている、包装袋を提供する。第5の態様では、持手部の上端部に第1折返部が形成され、持手部の下端部に第2折返部が形成され、さらに第1折返部の内側に第3折返部が形成されているため、折り返された4枚のシートが重ねられて持手部が構成されている。これにより、持手部の中央部は8枚のフィルムが重ねられた構造となるため、持手部の中央部に形成された指掛部は、持手部を掴んで包装袋を吊り下げた際に形状がさらに変化し難く、持手部が伸びたり、破断したりすることをより確実に防ぐことができる。
第6の態様は、前記第3折返部を形成する前記シートが、前記厚み方向に積層され、該積層されたシート間に第2空間部が形成されている、包装袋を提供する。第6の態様では、第1折返部を形成して持手部の厚み方向に積層されたシート間に第1空間部が形成され、さらに第3折返部を形成して持手部の厚み方向に積層されたシート間に第2空間部が形成されることで、持手部の内側に複数の空間が形成される。これら複数の空間の存在により、持手部を掴んで包装袋を吊り下げた(持ち上げた)際に、持手部がさらに変形し易くなるため、手指への圧力をさらに低減することができる。これにより、第6の態様では、包装袋を持ち運ぶ際に手指への負担を確実に軽減することができる。
第7の態様は、前記第3折返部を形成する前記シートの先端部が、前記融着部で融着されている、包装袋を提供する。第7の態様では、持手部の下端部に形成された融着部によって第3折返部を形成するシートの先端部が融着されていることで、確実に、持手部の構造を、折り返された4枚のシートが重ねられた構造にすることができる。すなわち、指掛部が形成される持手部の中央部の構造を、確実に8枚のフィルムが重ねられた構造にすることができる。そのため、持手部の中央部に形成された指掛部は、持手部を掴んで包装袋を吊り下げた際に形状がさらに変化し難く、持手部が伸びたり、破断したりすることを確実に防ぐことができる。
第8の態様は、前記本体部が、前記融着部によって封口されている、包装袋を提供する。第8の態様では、持手部の下端部に融着部が形成されることにより、被包装体が収容される本体部の開口部を封口することができる。そのため、第8の態様によれば、持手部の構造を折り返されたシートが重ねられた構造にする場合でも、本体部の上面部に本体部と一体に設けられた持手部を有する包装袋を確実に形成することができる。
第9の態様は、筒状のフィルムで形成され被包装体が収容される本体部と、前記本体部の上面部に前記本体部と一体に設けられた持手部と、前記持手部の長手方向の中央部に形成された指掛部とを有し、前記筒状のフィルムをガセット状に折り込んでなるシートで前記持手部を形成する包装袋の製造方法であって、前記シートを前記持手部の下端部側に向かって折り返し、前記持手部の上端部に第1折返部を形成する第1折返工程と、前記折り返されたシートを前記持手部の厚み方向に重ねて融着し、前記持手部の下端部に融着部を形成するシール工程と、前記重ねられたシートの前記厚み方向にスリットを形成するスリット形成工程とを有する、包装袋の製造方法を提供する。
第9の態様では、上記の第1折返工程、シール工程、及びスリット形成工程を実行することにより、筒状のフィルムがガセット状に折り込まれたシートが持手部の上端部で折り返され、さらに折り返されたシートが持手部の下端部で融着された包装袋を得ることができる。また、得られた包装袋は、折り返された2枚のシートが重ねられて持手部が形成され、持手部の中央部は4枚のフィルムが重ねられた構造となる。したがって、第9の態様によれば、上記第1の態様に係る包装袋を提供することができる。
また、第9の態様では、持手部の上端部で折り返されたシートが、持手部の下端部で融着されることで、持手部の内側に空間を形成することができる。したがって、第9の態様によれば、上記第2の態様に係る包装袋を提供することができる。
さらに、第9の態様では、持手部の下端部に融着部が形成されることにより、被包装体が収容される本体部の開口部を封口することができる。したがって、第9の態様によれば、上記第8の態様に係る包装袋を提供することができる。
第10の態様は、前記第1折返工程と前記シール工程との間に、前記第1折返工程で折り返したシートを前記持手部の上端部側に向かって前記持手部の内側に折り返し、前記持手部の下端部に第2折返部を形成する第2折返工程をさらに有する、包装袋の製造方法を提供する。
第10の態様では、上記の第2折返工程をさらに実行することにより、持手部の下端部に第2折返部を形成することができる。そのため、得られた包装袋は、折り返された3枚のシートが重ねられて持手部が形成され、持手部の中央部は6枚のフィルムが重ねられた構造となる。したがって、第10の態様によれば、上記第3の態様に係る包装袋を提供することができる。
また、第10の態様では、第2折返部が持手部の下端部に融着されるため、得られた包装袋では、指掛部が形成される持手部の中央部は確実に6枚のフィルムが重ねられた構造になる。したがって、第10の態様によれば、上記第4の態様に係る包装袋を提供することができる。
第11の態様は、前記第1折返工程と前記シール工程との間に、前記第1折返工程で折り返したシートを前記厚み方向に重ねた状態でさらに前記持手部の下端部側に向かって折り返し、前記持手部の上端部の前記第1折返部の内側に第3折返部を形成する第2折返工程を有する、包装袋の製造方法を提供する。
第11の態様では、上記の第2折返工程をさらに実行することにより、持手部の上端部に第1折返部を形成し、持手部の下端部に第2折返部を形成し、さらに第1折返部の内側に第3折返部を形成することができる。そのため、得られた包装袋は、折り返された4枚のシートが重ねられて持手部が形成され、持手部の中央部は8枚のフィルムが重ねられた構造となる。したがって、第11の態様によれば、上記第5の態様に係る包装袋を提供することができる。
また、第11の態様では、第1折返部を形成して持手部の厚み方向に積層されたシート間に第1空間部が形成され、さらに第3折返部を形成して持手部の厚み方向に積層されたシート間に第2空間部が形成されるため、持手部の内側に複数の空間を形成することができる。したがって、第11の態様によれば、上記第6の態様に係る包装袋を提供することができる。
また、第11の態様では、融着部によって第3折返部を形成するシートの先端部が融着されるため、得られた包装袋では、持手部の中央部は確実に8枚のフィルムが重ねられた構造となる。したがって、第11の態様によれば、上記第7の態様に係る包装袋を提供することができる。
第12の態様は、前記本体部を構成する領域を残して前記シートを切断する切断工程を有する、包装袋の製造方法を提供する。第12の態様では、上記の切断工程をさらに実行することにより、被包装体が収容される本体部と、該本体部の上面部に本体部と一体に設けられた持手部とを有する包装袋を確実に得ることができる。
また、第12の態様では、上記の切断工程を実行することにより、再度、上記の第1折返工程、シール工程、及びスリット形成工程の一連の工程を実行することができ、さらに該一連の工程を繰り返すことができる。そのため、第12の態様によれば、第1乃至第8の態様における包装袋を連続して製造することができるため、包装袋の大量生産が可能になる。
本発明の一態様によれば、持ち運びの際に手指への負担が少ない包装袋を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、持手20の長さ方向(袋本体10の幅方向)をX方向、高さ方向(袋本体10の高さ方向)をY方向、厚み方向(袋本体10の奥行方向)をZ方向とする。また、以下に示す説明では、各図において共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の実施形態に係る包装袋を示す図である。図2は、本実施形態に係る包装袋の持手部を示す図である。図1及び図2において、包装袋100は、袋本体10、持手20、指掛30、シール部40を備えている。包装袋100は、樹脂フィルム等から製袋機を用いて作製する。包装袋100は、本発明の包装袋の一例である。また、袋本体10は、持手20、指掛30、シール部40は、本発明の包装袋を構成する本体部、持手部、指掛部、融着部の各一例である。
袋本体10は、被包装体Tが収容される包装袋100の本体部を構成する。袋本体10は、筒状のフィルム(樹脂フィルムTF)で形成されている。袋本体10は、この樹脂フィルムTFがサイドシールにより袋状にされ、筒状の樹脂フィルムがガセット状に折り込まれた構造になっている(図1~図3、図8参照)。
袋本体10を形成する樹脂フィルムの材質は、任意である。このような樹脂フィルムには、例えば、ポリエチレン(PE)、PE-エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)-PEの積層体(PE/EVOH/PE)等の樹脂フィルムを用いることができる。また、樹脂フィルムの厚みは、任意である。例えば、樹脂フィルムとしてPE、PE/EVOH/PEを用いる場合、樹脂フィルムの厚みは10~70μmとすることができ、好ましくは15~60μm、より好ましくは20~50μmである。
袋本体10は、被包装体Tの一例としてロール状のトイレットペーパーが12個収容されている(図1参照)。なお、被包装体の形態は、ロール状に限定されず、積層状等の他の形態で収容されていてもよい。また、袋本体10に収容される被包装体は、トイレットペーパーに限定されるものではなく、ティシュペーパー、キッチンペーパー、ベビー用または介護用の紙おむつ、生理用ナプキン等の物品を収容することができる。
さらに、袋本体10に収容される物品の個数は限定されず、1つでもよく、図1に示すように複数であってもよい。なお、図1に示す例では、ロール状のトイレットペーパー(被包装体T)を1段に4つ並べたものを3段に積み上げた状態で合計12個のトイレットペーパー(被包装体T)が袋本体10内に収容されている。しかしながら、袋本体10内に収容される被包装体の配列はこの配列に限定されるものではなく、例えば、12個のトイレットペーパー(被包装体T)を一段に並べた状態で袋本体10に収容しても良い。
持手20は、図1、図2に示すように、袋本体10の上面部11に袋本体10と一体に設けられ、包装袋100を手指で掴む部分を構成する。持手20は、袋本体10と同様に、樹脂フィルム等で形成することができる。なお、持手20には、持手20を取り付けた袋本体10が包装袋100の製造時または流通時に破裂しないように、袋本体10と包装袋100の外部とを連通する空気穴(図示せず)を設けてもよい。
持手20は、後述する熱融着(ヒートシールHS)により形成されたシール部40によって、袋本体10の上面部11に形成される。持手20が設けられる位置は、袋本体10の上面部11に限定されず、袋本体10の側面でもよい。なお、熱融着(ヒートシール)には、例えば、上述のガセット状に折り込まれた樹脂フィルムを、持手成形用の熱版で型押しする手法(スタンプ方式)を用いることができる。
また、持手20は、上述の袋本体10を構成する筒状の樹脂フィルムTFがガセット状に折り込まれてなるシートGSで形成されている(図1~図3、図8参照)。シートGSは、ガセット状に折り込まれた状態で、シートGSの幅方向(持手20のX方向)の両端部が4枚のシートが重ねられ、幅方向(持手20のX方向)の中央部が2枚のシートで重ねられたものとなる。
持手20には、持手20を握る際に手指を掛けるための指掛30が設けられている。指掛30は、持手20の長手方向(図1、図2の各X方向)の中央部25に形成されている。本実施形態では、図1、図2に示すように、指掛30が、持手20の長手方向(図1、図2の各X方向)の中央部25に配置され、さらに持手20の下端部22寄りに配置されている。
本実施形態では、図2に示すように、指掛30がスリットSLで形成されている。スリットSLの形態は任意であり、例えば、ミシン目で形成し、該ミシン目を破ることで指掛を形成することができる。
指掛30の形状は、直線状に形成されているが、このような直線状に限定されるものではなく、曲線状、円形、楕円形、四角形等の形状やこれらに類似する形状にすることができる。また、指掛30は、1つのスリットで形成されているが、スリットの個数は限定されない。したがって、指掛30を二つ以上のスリットで形成してもよい。このような指掛としては、例えば、持手部の長手方向(図1のX方向)に所定の間隔をあけて配置された二つのスリットで形成することができる。
図3は、本実施形態に係る包装袋(第1実施形態)の持手部の断面図を模式的に示す図である。第1実施形態では、持手20の上端部21に、第1折返部BP1が形成されている。第1折返部BP1は、シートGSが持手20の下端部22側に向かって折り返されて構成されている。すなわち、第1折返部BP1は、筒状の樹脂フィルムTFがガセット状に折り込まれたシートGSが、持手20の上端部21で折り返されて構成されている。
また、第1実施形態では、持手20の下端部22に、シール部40が形成されている。シール部40は、上述の折り返されたシートGSを重ねて融着された融着部を構成する。図3に示す第1実施形態では、折り返されたシートGSの先端部EPが、袋本体10と接続する持手20の接続部CPに融着されて、シール部40が形成されている。このシール部40は、本発明に係る包装袋の一部を構成する融着部の一例である。
持手20の接続部CPは、シートGSの長手方向(図3のY方向)の一方の端部で構成されている。また、シートGSの先端部EPは、持手20の接続部CPを構成するシートGSの一方の端部に対して、シートGSの長手方向(図3のY方向)の他方の端部を構成する。本実施形態では、シートGSが折り返された状態で、シートGSの先端部EPと持手20の接続部CPとが持手20の厚み方向(Z方向)に対向している(図3参照)。
なお、本実施形態では、シール部40が熱融着(ヒートシールHS)により形成されているが、シール部40の態様は、熱融着等の融着に限定されるものではなく、接着剤等により接合されていてもよい。
第1実施形態では、筒状の樹脂フィルムTFがガセット状に折り込まれたシートGSが、持手20の上端部21で折り返され、さらに折り返されたシートGSが持手20の下端部22で融着されている。この構成では、指掛30はヒートシール(融着部)で囲まれておらず、また持手20に補強フィルムは設けられていない。また、指掛30の上方にヒートシールが形成されていないため、図4に示すように、持手20を掴んで包装袋100を吊り下げた際に、持手20が高さ方向(Y方向)に潰れ、手指Pに対して持手20が面状に当たる。そのため、このような構成では、持手20は固くならず、掴み易いものとなる。
さらに、第1実施形態では、指掛30に手指Pを挿入する際に、補強フィルム等の別部材が手指Pに当たることがない。また、持手20を掴んで包装袋100を吊り下げた際に、手指Pが補強フィルム等の別部材によって締め付けられることがない。そのため、第1実施形態によれば、持ち運びの際の手指Pへの負担を軽減することができる。
また、第1実施形態では、第1折返部BP1を構成するために折り返された2枚のシートGSが重ねられて持手20が形成されている。すなわち、シートGSは筒状の樹脂フィルムTFがガセット状に折り込まれたものが2枚重ねになり、持手20の中央部25は4枚のフィルムが重ねられた構造となる。これにより、持手20の中央部25に形成された指掛30は、持手20を掴んで包装袋100を吊り下げた際に形状が変化し難く、持手20が伸びたり、破断したりすることを防ぐことができる。
また、筒状の樹脂フィルムTFがガセット状に折り込まれたシートGSでは、上述のように持手20の中央部25は4枚のフィルムが重ねられた構造となるのに対して、持手20の長手方向(X方向)の側端部23、24では8枚のフィルムが重ねられた構造となる。これにより、第1実施形態では、指掛30が持手20の長手方向(X方向)に破れた場合でも、持手20の側端部23、24(8枚重ねのフィルム構造)によって、持手20の破断を確実に防ぐことができる。
さらに、第1実施形態では、上述のように持手20の中央部25が4枚のフィルムが重ねられた構造となっているため、持手20を掴んだときに、持手20に設けられた4枚のフィルムが手指Pに当たるため、包装袋100を持ち運ぶ際に手指Pにかかる圧力を分散することができる。これにより、第1実施形態では、包装袋100を持ち運ぶ際に、持手20が掴み易くなるため、包装袋100の持ち運びが容易になる。
また、第1実施形態のように持手20に指掛30が形成された包装袋100では、指掛30の周囲が破断し易く、指掛30の周囲が破断すると、指掛30から持手20の上端部21に亘って持手20全体が破断し易い傾向がある。これに対して、第1実施形態では、指掛30の周囲にかかった力が、持手20の中央部25を構成する4枚のフィルムに分散される。そのため、第1実施形態によれば、持手20全体が破断するのを防ぐことができる。
また、指掛30の寸法が大きくなると、持手20は破断し易くなるが、第1実施形態では、上述のように指掛30の周囲にかかった力が持手20の中央部25を構成する4枚のフィルムに散される。そのため、第1実施形態によれば、指掛30の寸法を持手20の寸法に対して大きくすることができる。
さらに、第1実施形態では、上述のように指掛30がヒートシールで囲まれていないため、従来の包装袋に比べてヒートシール等の融着部を設ける範囲を小さくすることができる。また、上述のように包装袋100を持ち運ぶ際に持手20にかかる圧力を分散することができるため、持手20と別部材の補強フィルムを用いずに持手20を補強することができる。そのため、第1実施形態では、資源やコストを低減することができる。
また、第1実施形態は、図3に示すように、持手20の内側に第1空間部SP1を有する。第1実施形態では、第1折返部BP1を形成するシートGSが、持手20の厚み方向(Z方向)に積層されている。そして、第1空間部SP1は、この積層されたシートGS間に形成されている。なお、第1空間部SP1は、図3では模式的に表されているが、積層されたシートGS間の一部が当接していてもよい。
第1実施形態では、持手20の上端部21で折り返されたシートGSが、持手20の下端部22でシール部40により融着されることで、持手20の内側に第1空間部SP1による空間が形成される。この空間の存在により、折り返されたシートGSは、持手20を掴んで包装袋100を吊り下げた(持ち上げた)際に、持手20が変形し易いため、手指Pへの圧力を低減することができる。これにより、第1実施形態では、包装袋100を持ち運ぶ際に手指Pへの負担をさらに軽減することができる。
第1実施形態では、図1~図4に示すように、袋本体10がシール部40によって封口されている。第1実施形態では、持手20の下端部22にシール部40を形成することにより、被包装体Tが収容される袋本体10の開口部(図示せず)を封口することができる。そのため、第1実施形態によれば、持手20の構造を上述の折り返されたシートが重ねられた構造にする(持手20に第1折返部BP1を設ける)場合でも、袋本体10の上面部11に袋本体10と一体に設けられた持手20を有する包装袋100を確実に形成することができる。
図5は、本実施形態に係る包装袋(第2実施形態)の持手部の断面図を模式的に示す図である。第2実施形態では、図5に示すように、持手20の下端部22に第2折返部BP2が形成されている。第2折返部BP2は、シートGSが持手20の上端部21側に向かって持手20の内側に折り返されて構成されている。図5に示す第2実施形態では、第2折返部BP2が、持手20の接続部CPに融着されて、シール部40が形成されている。
第2実施形態では、持手20の上端部21に第1折返部BP1が形成され、さらに持手20の下端部22に第2折返部BP2が形成されている。この構成では、折り返された3枚のシートが重ねられて、持手20が構成されている。これにより、持手20の中央部25は6枚のフィルムが重ねられた構造となる。そのため、持手20の中央部25に形成された指掛30は、持手20を掴んで包装袋100を吊り下げた際に形状がより変化し難く、持手20が伸びたり、破断したりすることをさらに防ぐことができる。
また、第2実施形態では、上述のように、持手20の下端部22に形成されたシール部40によって第2折返部BP2が融着されている。これにより、持手20の構造を、確実に折り返された3枚のシートが重ねられた構造にすることができる。すなわち、指掛30が形成される持手20の中央部25の構造を、確実に6枚のフィルムが重ねられた構造にすることができる。そのため、持手20の中央部25に形成された指掛30は、持手20を掴んで包装袋100を吊り下げた際に形状がさらに変化し難く、持手20が伸びたり、破断したりすることを確実に防ぐことができる(図5参照)。
また、第2実施形態では、図5に示すように、第1空間部SP1が、積層されたシートGS間に上方に凸となるU字状に形成されている。このようなU字状の空間の存在により、持手20を掴んで包装袋100を吊り下げた(持ち上げた)際に、持手20がさらに変形し易くなるため、手指Pへの圧力を低減することができる。
図6は、本実施形態に係る包装袋(第3実施形態)の持手部の断面図を模式的に示す図である。第3実施形態は、図6に示すように、第3折返部BP3を有する。第3折返部BP3は、持手20の上端部21の第1折返部の内側に形成されている。そして、第3折返部BP3は、シートGSが持手20の下端部22側に向かって折り返されて構成されている。
第3実施形態では、持手20の上端部21に第1折返部BP1が形成され、持手20の下端部22に第2折返部BP2が形成され、さらに第1折返部BP1の内側に第3折返部BP3が形成されている。これにより、第3実施形態では、折り返された4枚のシートが重ねられて持手20が構成され、持手20の中央部25は8枚のフィルムが重ねられた構造となる。そのため、第3実施形態では、持手20の中央部25に形成された指掛30は、持手20を掴んで包装袋100を吊り下げた際に形状がさらに変化し難く、持手20が伸びたり、破断したりすることをより確実に防ぐことができる。
また、第3実施形態は、図6に示すように、さらに第2空間部SP2を有する。第3実施形態では、第3折返部BP3を形成するシートGSが、厚み方向(Z方向)に積層されている。第2空間部SP2は、第3折返部BP3を形成する積層されたシートGS間に形成されている。
第3実施形態では、第1折返部BP1および第2折返部BP2を形成することにより、持手20の厚み方向(Z方向)に積層されたシートGS間に第1空間部SP1が構成される。さらに、第3折返部BP3を形成することにより持手20の厚み方向(Z方向)に積層されたシートGS間に第2空間部SP2が構成される。これにより、第3実施形態では、持手20の内側に複数の空間が形成される。これら複数の空間の存在により、持手20を掴んで包装袋100を吊り下げた(持ち上げた)際に、持手20がさらに変形し易くなるため、手指Pへの圧力をさらに低減することができる。これにより、第3実施形態では、包装袋を持ち運ぶ際に手指への負担を確実に軽減することができる。
また、第3実施形態では、図6に示すように、第3折返部BP3を形成するシートGSの先端部EPが、シール部40で融着されている。すなわち、第3折返部BP3を形成するシートGSの先端部EPは、シール部40によって、持手20の接続部CPに融着されている。このように持手20の下端部22に形成されたシール部40によって、第3折返部BP3を形成するシートGSの先端部EPが融着されていることで、持手20の構造を、確実に、折り返された4枚のシートが重ねられた構造にすることができる。
これにより、第3実施形態では、図6に示すように、指掛30が形成される持手20の中央部25の構造を、確実に8枚のフィルムが重ねられた構造にすることができる。そのため、持手20の中央部25に形成された指掛30は、持手20を掴んで包装袋100を吊り下げた際に、指掛30の形状がさらに変化し難く、持手20が伸びたり、破断したりすることを確実に防ぐことができる。
次に、本発明の実施形態に係る包装袋の製造方法について説明する。図7は、本実施形態に係る包装袋の製造方法を実行するフローチャートの一例を示す図である。図8は、本実施形態に係る包装袋の製造方法において、包装袋(第1実施形態)を製造する一工程を示す図である。図9~図13は、本実施形態に係る包装袋の製造方法において、包装袋(第1実施形態)を連続して製造する工程を示す図である。
本実施形態に係る包装袋の製造方法は、上述の第1実施形態に係る包装袋100の製造方法であり、本発明における包装袋の製造方法の一例である。図7に示すように、本実施形態に係る包装袋の製造方法は、第1折返工程ST1、シール工程ST2、およびスリット形成工程ST3を有する。
第1折返工程ST1では、シートGSを持手20の下端部22側に向かって折り返して、持手20の上端部21に第1折返部BP1を形成する。具体的には、図8及び図9に示すように、シートGSを第1折返棒FB1に捲きつけ、第1折返棒FB1の軸を固定してMD1方向からMD2方向(FD1方向)に折り返す。
シール工程ST2では、第1折返工程ST1で折り返されたシートGSを持手20の厚み方向(Z方向)に重ねて融着し、持手20の下端部22にシール部40を形成する。具体的には、図8及び図10に示すように、折り返されたシートGSの先端部EPと、袋本体10と接続する持手20の接続部CPとを、ヒートシールHSにより融着する。これにより、第1折返部BP1を形成する重ねられたシートGS(ヒートシールHSの上方部分)が持手20となる。
スリット形成工程ST3では、シール工程ST2で重ねられたシートGSの厚み方向(Z方向)にスリットSLを形成する。具体的には、図12に示すように、シール工程ST2で形成されたヒートシールHSの上方部分の中央部に直線状のスリットSL(ミシン目)を形成する。これにより、持手20の中央部25にスリットSLで構成された指掛30が形成される。
第1実施形態に係る包装袋の製造方法では、図7に示す第1折返工程ST1、シール工程ST2、及びスリット形成工程ST3を実行することにより、筒状の樹脂フィルムTFがガセット状に折り込まれたシートGSが持手20の上端部21で折り返され、さらに折り返されたシートGSが持手20の下端部22で融着された包装袋100を得ることができる(図3参照)。また、得られた包装袋100は、図3に示すように、折り返された2枚のシートが重ねられて持手20が形成され、持手20の中央部25は4枚のフィルムが重ねられた構造となる。
また、第1実施形態に係る包装袋の製造方法では、持手20の上端部21で折り返されたシートGSが、持手20の下端部22で融着されることで、図3に示すように、持手20の内側に空間(第1空間部SP1)を形成することができる。さらに、第1実施形態に係る包装袋の製造方法では、持手20の下端部22にシール部40が形成されることで、被包装体Tが収容される袋本体10の開口部を封口することができる。したがって、この包装袋の製造方法によれば、第1実施形態に係る包装袋100を提供することができる。
また、第1実施形態に係る包装袋の製造方法では、図7に示すように、さらに切断工程ST4を実行するのが好ましい。切断工程ST4では、図13に示すように袋本体10を構成する領域BLを残してシートGSを切断する。具体的には、シール工程ST2により形成された持手20を、図11に示すように第1折返棒をFD2方向に移動することで、図12に示すようにシートGSをMD2方向に引き、図13に示すように領域BLを残してシートGSを切断線CLに沿って切断する。
第1実施形態に係る包装袋の製造方法において、上記の切断工程ST4をさらに実行することにより、被包装体Tが収容される袋本体10と、この袋本体10の上面部11に袋本体10と一体に設けられた持手20とを有する包装袋100を確実に得ることができる。
また、第1実施形態に係る包装袋の製造方法では、上記の切断工程ST4を実行した後、さらにST1~ST4まで工程を繰り返すか否かを、選択工程ST5で選択することができる。ST5でST1~ST4まで工程を繰り返すことを選択した場合は、再度、上記の第1折返工程ST1、シール工程ST2、及びスリット形成工程ST3の一連の工程を実行することができる。具体的には、切断工程ST4を実行した後、図9に示すように、シートGSが第2折返棒FB2に捲きつけられているため、シートGSが第2折返棒FB2の軸を固定してMD1方向からMD2方向(FD1方向)に折り返されている。
さらに、切断工程ST4および選択工程ST5を実行することにより、図9~図12に示すように、シートGSは第3折返棒FB3、第4折返棒FB4の順に捲きつけられ、シートGSが第3折返棒FB3、第4折返棒FB4の軸を固定してMD1方向からMD2方向(FD1方向)に折り返されている。このように、第1実施形態に係る包装袋の製造方法では、ST1~ST3までの一連の工程を繰り返すことができる。これにより、第1実施形態に係る包装袋の製造方法によれば、第1実施形態に係る包装袋100を連続して製造することができるため、包装袋100の大量生産が可能になる。
第2実施形態に係る包装袋の製造方法は、図14に示すように、第1折返工程ST1とシール工程ST2との間に、第2折返工程ST11をさらに有する。第2折返工程ST11では、第1折返工程ST1で折り返したシートGSを持手20の上端部21側に向かって持手20の内側に折り返し、持手20の下端部22に第2折返部BP2を形成する。
第2実施形態に係る包装袋の製造方法では、上記の第2折返工程ST11をさらに実行することにより、持手20の下端部22に第2折返部BP2を形成することができる。そのため、得られた包装袋100では、折り返された3枚のシートが重ねられて持手20が形成され、持手20の中央部25は6枚のフィルムが重ねられた構造となる。
また、第2実施形態に係る包装袋の製造方法では、第2折返部BP2が持手20の下端部22に融着されるため、得られた包装袋100では、指掛30が形成される持手20の中央部25は確実に6枚のフィルムが重ねられた構造になる。したがって、この包装袋の製造方法によれば、第1実施形態に係る包装袋100を提供することができる。
第3実施形態に係る包装袋の製造方法は、図14に示すように、第1折返工程ST1とシール工程ST2との間に、第2折返工程ST11をさらに有するが、上述の第2実施形態に係る包装袋の製造方法における第2折返工程ST11とは構成が異なる。第3実施形態に係る包装袋の製造方法における第2折返工程ST11では、図15及び図16に示すように第1折返工程ST1で折り返したシートGSを厚み方向(Z方向)に重ねた状態で、さらに持手20の下端部22側に向かって折り返す。そして、図17に示すように、持手20の上端部21の第1折返部BP1の内側に第3折返部BP3を形成する。
具体的には、図15に示すように、シートGSを第1折返棒FB1に捲きつけ、第1折返棒FB1の軸を固定してMD1方向からMD2方向(FD1方向)に折り返す。次に、図16に示すように、折り返したシートGSを厚み方向(Z方向)に重ねた状態で、第2折返棒FB2をこの重ねられたシートGSに当てる。そして、図16及び図17に示すように、第1折返棒FB1をFD2方向に移動し、第2折返棒FB2の軸を固定してMD1方向からMD2方向(FD2方向)に折り返す。
第3実施形態に係る包装袋の製造方法では、上記の第2折返工程ST11をさらに実行することにより、持手20の上端部21に第1折返部BP1を形成し、持手20の下端部22に第2折返部BP2を形成し、さらに第1折返部BP1の内側に第3折返部BP3を形成することができる(図6、図16参照)。そのため、得られた包装袋100は、折り返された4枚のシートが重ねられて持手20が形成され、持手20の中央部25は8枚のフィルムが重ねられた構造となる。
また、第3実施形態に係る包装袋の製造方法では、第1折返部BP1を形成して持手20の厚み方向(Z方向)に積層されたシートGS間に第1空間部SP1が形成され、さらに第3折返部BP3を形成して持手20の厚み方向(Z方向)に積層されたシートGS間に第2空間部(SP2)が形成されるため、持手20の内側に複数の空間を形成することができる(図6参照)。
また、第3実施形態に係る包装袋の製造方法では、第3折返部BP3を形成するシートGSの先端部EPがシール部40によって融着されるため、得られた包装袋100では、持手20の中央部25は確実に8枚のフィルムが重ねられた構造となる。したがって、この包装袋の製造方法によれば、上記第3実施形態に係る包装袋100を提供することができる。
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例の評価は、以下の試験により行った。
[持ち易さ試験]
12個のロール状のトイレットペーパー(被包装体T)(大王製紙株式会社製の「エリエール トイレットティシュー 60mシングル(147g/ロール)」)を収容した包装袋100の指掛30に、ユーザーが自由に手指Pを掛けて持手20を持ち、このときの包装袋100の持ち易さを下記の5段階で評価した。この場合、実施例及び比較例ごとに10人のユーザーにより試験を行った結果を点数化し、その平均値から以下の基準で評価した。指入れ試験では、平均値が3.0以上の場合に良好であると評価した。
5点:持ちづらさを感じない
4点:持ちづらさをごくわずかに感じる
3点:持ちづらさをわずかに感じる
2点:持ちづらさを大きく感じる
1点:持ちづらさを非常に大きく感じる
[振り子試験]
持ち易さ試験を行った後、持手20を持った状態で包装袋100を180°の範囲で振り子のように10往復移動させた。このとき、包装袋100の耐久性を以下の基準で評価した。なお、振り子試験は、各実施例及び比較例につき5回の試験を行った。
○:5回中1回も破損が確認できなかった
×:5回中1回以上破損を確認した
[指掛け試験]
上記の振り子試験を1回行った後、1人のユーザーにおける手指Pへ締め付けの程度を、下記の5段階で評価した。この場合、実施例及び比較例ごとに10人のユーザーにより試験を行った結果を点数化し、その平均値から以下の基準で評価した。指掛け試験では、平均値が3.0以上の場合に良好であると評価した。
5点:指への締め付けが全くない
4点:指への締め付けはごく小さい
3点:指への締め付けは小さい
2点:指への締め付けが大きい
1点:指への締め付けが非常に大きい
以下、実施例及び比較例について、説明する。
[実施例1]
包装袋100として、図1~図3に示す第1実施形態の包装袋を用意した。筒状の樹脂フィルムには、厚み(フィルム膜厚)25μmのポリエチレン製のフィルムを用いた。折り返されて重ねられたシートGSの枚数(以下、折り重ね枚数という)は、2枚である。得られた包装袋100について、上記の持ち易さ試験、振り子試験、指掛け試験を行い、持ち易さ、耐久性、締め付けの程度を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
筒状の樹脂フィルムに、厚み30μmのフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に得られた包装袋100を評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
筒状の樹脂フィルムに、厚み55μmのフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に得られた包装袋100を評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
包装袋100として、図1、図2および図5に示す第2実施形態の包装袋を用意し、折り重ね枚数を3枚にした以外は、実施例1と同様に得られた包装袋100を評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
筒状の樹脂フィルムに、厚み30μmのフィルムを用いた以外は、実施例4と同様に得られた包装袋100を評価した。結果を表1に示す。
[実施例6]
筒状の樹脂フィルムに、厚み55μmのフィルムを用いた以外は、実施例4と同様に得られた包装袋100を評価した。結果を表1に示す。
[実施例7]
包装袋100として、図1、図2および図6に示す第3実施形態の包装袋を用意し、折り重ね枚数を4枚にした以外は、実施例1と同様に得られた包装袋100を評価した。結果を表1に示す。
[実施例8]
筒状の樹脂フィルムに、厚み30μmのフィルムを用いた以外は、実施例7と同様に得られた包装袋100を評価した。結果を表1に示す。
[実施例9]
筒状の樹脂フィルムに、厚み55μmのポリエチレンのフィルムを用いた以外は、実施例7と同様に得られた包装袋100を評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
包装袋100として、図18に示す従来の包装袋を用意した。持手20の指掛30として、持手20の長手方向(X方向)に所定の間隔で2つのスリット(スリット31、32)を形成し、指掛30の周囲にヒートシールHSで形成されたシール部40(部分シール41~42)を設け、指掛30をヒートシールHSで融着された補強フィルムRF(材質:ポリエチレンフィルム、厚み寸法:120μm)で覆った以外は、実施例1と同様に得られた包装袋100を評価した。結果を表1に示す。
表1より、持手20の上端部21に第1折返部BP1が形成され、持手20の下端部22に、シール部40が形成された、本実施形態の包装袋100は、いずれも、持ち易さの評価は3.0以上となり、締め付けの程度の評価は3.0以上となり、耐久性の評価は良好(○)であった(実施例1~9)。
これに対して、従来の包装袋(指掛30の周囲がヒートシールHSで囲まれ、指掛30が補強フィルムRFで覆われた構造)では、持ち易さの評価は3.0未満となり、締め付けの程度の評価は3.0未満となり、耐久性の評価は劣るもの(×)であった(比較例1)。
これらの結果から、本実施形態のように、持手部の上端部に第1折返部が形成され、持手部の下端部に融着部が形成された構成を採用することにより、持ち運びの際に手指への負担を軽減することができ、しかも破損しにくい包装袋が得られることが判った。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。