JP2017178392A - 包装袋 - Google Patents
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Abstract
Description
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2] 取手穴は、持手部において1つ形成されるものである[1]に記載の包装袋。
[3] 補強フィルムの厚みは、30μm以上200μm以下である[1]又は[2]に記載の包装袋。
[4] 持手部のガゼット部領域であって、補強フィルムが積層された領域の上下方向の破断応力は、20N以上70N以下である[1]〜[3]のいずれかに記載の包装袋。
[5] 持手部のガゼット部領域であって、補強フィルムが積層された領域の上下方向の破断伸び率は、100%以上1200%以下である[1]〜[4]のいずれかに記載の包装袋。
[6] 補強フィルムの一部は、ヒートシール部によって、持手部に融着接合されており、ヒートシール部は、持手部の上下方向に延びる2本以上の縦シールラインと、持手部の左右方向に延びる2本以上の横シールラインとを有し、スリット群は、縦シールラインと、横シールラインによって周囲を囲われた領域に存在する[1]〜[5]のいずれかに記載に包装袋。
[7] スリット群は、持手部の上下方向の下方が頂点となる略V字型のスリットをさらに含む[1]〜[6]のいずれかに記載の包装袋。
[8] スリット群は、略V字型のスリットの頂点から上下方向の下方に向かって離間した位置に、上下方向に延びる直線状の分割用スリット又はミシン目をさらに含む[1]〜[7]のいずれかに記載の包装袋。
[9] スリット群は、仮留め部を2箇所以上有する[1]〜[8]のいずれかに記載の包装袋。
本発明は、梱包対象物を収容するための包装袋に関する。本発明の包装袋は、梱包対象物を収容するための収容空間を有する本体部と、本体部の上端側に設けられ、ガゼット部と非ガゼット部を有する持手部と、持手部に設けられ、互いに離間した複数のスリットとスリットの間に形成された仮留め部とを含むスリット群とを有する。持手部には補強フィルムの一部が融着接合されており、仮留め部を破断させることで取手穴が形成される。そして、本発明の包装袋の取手穴の上下方向に120Nの引張り応力を加えた場合の取手穴の伸び量は、2.0cm以上5.0cm以下である。
本発明の包装袋は、上記構成を有するものであるため、取手穴への前腕部の挿入が容易となり、トイレットロール等を収容した包装袋を手指に引っ掛けて持ち運ぶのではなく、取手穴に前腕部を通して持ち運ぶことが可能となる。さらに本発明の包装袋は、持ち運び時に持手部が破断することが抑制されており、梱包対象物を収容した状態で長時間持ち運ぶことができる。
本発明は、上記構成を有するものであるため、取手穴に前腕部を挿入して持ち運ぶことが可能となった。すなわち、本発明の包装袋においては、取手穴に前腕部を容易に挿入することができ、かつその状態で、長時間の持ち運びが可能である。このため、トイレットロール等を収容した包装袋を持ち運ぶ際に指へかかる負荷を大幅に軽減することができる。
図3に示されるように、例えば補強フィルム50を持手部20の裏側に一枚貼り合わせた場合、ガゼットが構成されている部位ではフィルムが5層に重なることとなり、左右のガゼットの谷折部12の間の領域においてはフィルムが3層に重なることとなる。また、補強フィルム50が重なっていない右両側の領域では、フィルムが4層に重なることとなる。
第1及び第2の横シールライン62a、62bには、補強フィルム50が重なっていない左右両側の領域に、本体フィルム15が部分的に熱融着されていない間欠部63が設けられることが好ましい。第1の横シールライン62aの間欠部63と第2の横シールライン62bの間欠部63とは、上下方向に見てほぼ一直線上に位置している。また、補強フィルム50が重なっていない左右両側の領域では、第1の横シールライン62aと第2の横シールライン62bを結ぶ縦シールラインや、その他の熱融着部位は存在していない。このため、これらの間欠部63が設けられた部位は、包装袋100の本体部10内に外気を通過させる空気穴として機能する。このように持手部20に空気穴を設けることで、本体部10内の空気を外部へと逃がすことができる。このため、本体部10に対して圧力が加わった場合でも、内部の空気圧が高まることを防止し、本体部10やその他の部位が破裂することを回避できる。
すなわち、本発明においては、ヒートシール部は、持手部の上下方向に延びる2本以上の縦シールライン61と、持手部の左右方向に延びる2本以上の横シールライン62とを有し、スリット群30は、縦シールライン61と、横シールライン62によって周囲を囲われた領域に存在する。このようにスリット群30を縦シールライン61と、横シールライン62によって周囲を囲われた領域に設けることにより、取手穴40を形成する際に持手部20に対してある程度強い引張力や捻じれを加えても、持手部20が破損することを抑制することができる。
本発明の実施形態においては、仮留め部32を破断させると、スリット31によって囲われたフィルム部分がフラップ状に展開して取手穴40が形成され、このフィルム部分は持手部20に連結したまま残るようになっている。なお、仮留め部32をすべて破断させたときに、各スリット31に囲われたフィルム部位がくり貫かれて、持手部20から離脱するように各スリット31を配置してもよい。
まず、開口部の上下方向の長さがxcm、左右方向の長さがycmの取手穴が形成されるスリット群であって、図2に示した構成のスリット群を持手部に有する包装袋を準備する。包装袋の上下方向の長さは60cm以上とする。次いで、テンシロン引張り試験機(エー・アンド・デイ社製)のテンシロン頂部に固定されている上部チャックに図4に示したようなL字型治具(L字長辺長さ9cm、横幅ycm、L字短辺長さ3cm)を取付ける。この際、L字型治具長辺側頂部から上部チャックの下端までの距離が40mmとなるようにL字型治具の長辺側部材を上部チャック取り付ける。その後、L字型治具のL字屈曲部内側辺に取手穴の開口部の上端が当たるように包装袋を取り付ける。包装袋下部はフィルムが弛まない程度に張りを与え、テンシロンの上下稼働する梁(クロスヘッド)にしっかりと巻き付ける。クロスヘッドの初期位置は取手穴に接しているL字型治具最下部から130mmとなるようにセットする。クロスヘッドに巻きつけた包装袋が巻き解かれないようにしっかりと手で押さえた状態でスタートボタンを押し、クロスヘッドを下方向に稼働させ(速度500mm/min)、負荷が120Nを表示したところでストップボタンを押し、包装袋を測定機から取り外して取手穴の開口部の上下方向の寸法を測定する。上下方向の寸法は、スリット31によって囲われたフラップ状のフィルム部分を除去した後にできる開口部の上下方向の距離の内、最も長い距離とする。取手穴の伸び量は、下記式に算出できる。
伸び量(cm)=(120N引張り後の取手穴開口部上下方向の長さ)−(引張り前の取手穴開口部上下方向の長さ)
=(120N引張り後の取手穴開口部上下方向の長さ)−xcm
開口面積(cm2)=開口部左右方向の長さ×開口部上下方向の長さ
=ycm×(取手穴伸び量+xcm)
ここで、持手部20のガゼット部領域であって、補強フィルムが積層された領域の上下方向の破断応力は、下記の方法で測定される値である。まず、持手部20のガゼット部領域であって、補強フィルムが積層された領域から、幅10mm、長さ100〜150mmの大きさの試験片を切り出す。得られた試験片の破断応力は、テンシロン引張り試験機(エー・アンド・デイ社製)を用いて、JIS K 7127に準拠して行う。テンシロン引張り試験機におけるチャック間距離は50mmとし、引張り速度は50mm/minとする。引張り試験時の温度は23℃、相対湿度は50%とする。
また、破断伸び量及び破断伸び率はそれぞれ、下記式で算出することができる。
破断伸び量(cm)=(破断時試験片の長さ(cm)−試験片の初期長さ(cm))
破断伸び率(%)=(破断時試験片の長さ(cm)−試験片の初期長さ(cm))/試験片の初期長さ(cm)×100
また、スリット群30は、仮留め部32を2箇所以上有することが好ましい。仮留め部32を2箇所以上形成することにより、意図せずに仮留め部が破断して、不用意に取手穴40が開いてしまうことを抑制することができる。これにより、包装袋の製造工程や梱包対象物の収容時に、フラップ部が捲れ上がって、製造ライン上で目詰り等の操業トラブルを引き起こすことを防ぐことができる。
また、図5(a)に示された例において、略V字型のスリット31cをなす2つの直線状のスリットは、V字の頂点に相当する部位において離間している。ただし、略V字型のスリット31cをなす2つの直線状のスリットは連結していてもよい。また、略V字型のスリット31cは、持手部20の左右方向の中央に位置していることが好ましい。このため、持手部20を握ろうとしたときには、人手の中指や人差し指が略V字型のスリット31cに挿し込まれやすい。このように、持手部20のほぼ中央に略V字型のスリット31cを設けておくことで、スリット群30の中に手指を挿入しやすくなる。さらに、スリット群30の中に指先を挿し込んだときに、まず略V字型のスリット31cが開き、その後その周囲に存在する一又は複数の仮留め部32が破断する。その結果、片手であっても取手穴40を容易に形成できる。
さらに、内側スリット31bは直線状ではなく、左右方向に向かって延びる円弧状に形成されていてもよい。この円弧状の内側スリット31bは、上下方向の上方に向かって膨出する形状であってもよい。
厚み30μmの筒状の本体フィルム(LDPE(低密度ポリエチレン)とLLDPE(リニア低密度ポリエチレン)の混合樹脂フィルム)の左右両側にガゼットを対称的に折り込み、厚み60μmの補強フィルム(LDPE(低密度ポリエチレン)フィルム)を、持手部の左右方向の中央部に積層し、図2の通りにヒートシールをし、さらに図5の通りにスリット群を形成することで包装袋を作製した。
また、厚み30μmの本体フィルム4枚と、厚み60μmの補強フィルム1枚を積層し、フィルムサンプルとした。
本体フィルムの厚みと、補強フィルムの厚みを表1の通りとなるように変更した以外は、実施例1と同様にして、包装袋及びフィルムサンプルを作製した。
本体フィルムの厚みと、補強フィルムの厚みを表1の通りとなるように変更した以外は、実施例1と同様にして、包装袋及びフィルムサンプルを作製した。
<破断応力、破断伸び量及び破断伸び率>
実施例及び比較例で得たフィルムサンプルを幅10mm、長さ100mmの大きさとなるようにカットし、試験片とした。得られた試験片の破断応力、破断伸び量及び破断伸び率の測定は、テンシロン引張り試験機(エー・アンド・デイ社製)を用いて、JIS K 7127に準拠して行った。テンシロン引張り試験機におけるチャック間距離は50mmとし、引張り速度は50mm/minとした。引張り試験時の温度は23℃、相対湿度は50%とした。
破断伸び量は下記式で算出した。
破断伸び量(cm)=(破断時フィルムサンプルの長さ(cm)−フィルムサンプルの初期長さ(cm))
破断伸び率は下記式で算出した。
破断伸び率(%)=(破断時フィルムサンプルの長さ(cm)−フィルムサンプルの初期長さ(cm))/フィルムサンプルの初期長さ(cm)×100
テンシロン引張り試験機(エー・アンド・デイ社製)のテンシロン頂部に固定されている上部チャックに図4に示したようなL字型治具(L字長辺長さ9cm、横幅7cm、L字短辺長さ3cm)を取付けた。この際、L字型治具長辺側頂部から上部チャックの下端までの距離が40mmとなるようにL字型治具の長辺側部材を上部チャック取り付けた。測定に使用する包装袋は、開口部の上下方向の長さが1.7cm、左右方向の長さが7cmの取手穴が形成されるスリット群であって、図2に記載した形状のスリット群を有するものであって、上下方向の長さが60cm以上のものを使用した。このような包装袋をL字型治具のL字屈曲部内側辺に取手穴の開口部の上端が当たるように取り付けた。包装袋下部はフィルムが弛まない程度に張りを与え、テンシロンの上下稼働する梁(クロスヘッド)にしっかりと巻き付けた。クロスヘッドの初期位置は取手穴に接しているL字型治具最下部から130mmとなるようにした。クロスヘッドに巻きつけた包装袋が巻き解かれないようにしっかりと手で押さえた状態でスタートボタンを押し、クロスヘッドを下方向に稼働させ(速度500mm/min)、負荷が120Nを表示したところでストップボタンを押し、包装袋を測定機から取り外して取手穴の開口部の上下方向の寸法を測定した。上下方向の寸法は、スリット31によって囲われたフラップ状のフィルム部分を除去した後にできる開口部の上下方向の距離の内、最も長い距離とする。そして、下記式により伸び量(cm)を算出した。
伸び量(cm)=(120N引張り後の取手穴開口部上下方向の長さ)−(引張り前の取手穴開口部上下方向の長さ)
=(120N引張り後の取手穴開口部上下方向の長さ)−1.7cm
<取手穴伸び量>の測定の後、成人男性の前腕部挿入の可否を官能評価した。
○:成人男性の前腕部挿入が容易である
×:成人男性の前腕部挿入が困難である
<取手穴伸び量>の測定の後、取手穴の開口部の面積を測定した。開口部の形状は略長方形とし、左右方向への伸びはないため左右方向の長さは固定(7cm)とし、上下方向は定規で長さを測定して、下記式により面積を算出した。
開口面積(cm2)=開口部左右方向の長さ×開口部上下方向の長さ
=7cm×(取手穴伸び量+1.7cm)
11…山折部
12…谷折部
15…本体フィルム
20…持手部
30…スリット群
31…スリット
31a…外側スリット(第1のスリット)
31b…内側スリット(第2のスリット)
31c…略V字型のスリット
31d…分割用スリット
32…仮留め部
40…取手穴
50…補強フィルム
60…ヒートシール部
61…縦シールライン
62…横シールライン
63…間欠部
100…包装袋
Claims (9)
- 梱包対象物を収容するための収容空間を有する本体部と、
前記本体部の上端側に設けられ、ガゼット部と非ガゼット部を有する持手部と、
前記持手部に設けられ、互いに離間した複数のスリットと前記スリットの間に形成された仮留め部とを含むスリット群と、を有し、
前記持手部には補強フィルムの一部が融着接合されており、
前記仮留め部を破断させることで取手穴が形成されるフィルム製の包装袋であって、
前記取手穴の上下方向に120Nの引張り応力を加えた場合の取手穴の伸び量が2.0cm以上5.0cm以下である包装袋。 - 前記取手穴は、前記持手部において1つ形成されるものである請求項1に記載の包装袋。
- 前記補強フィルムの厚みは、30μm以上200μm以下である請求項1又は2に記載の包装袋。
- 前記持手部のガゼット部領域であって、前記補強フィルムが積層された領域の上下方向の破断応力は、20N以上70N以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装袋。
- 前記持手部のガゼット部領域であって、前記補強フィルムが積層された領域の上下方向の破断伸び率は、100%以上1200%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装袋。
- 前記補強フィルムの一部は、ヒートシール部によって、前記持手部に融着接合されており、
前記ヒートシール部は、前記持手部の上下方向に延びる2本以上の縦シールラインと、前記持手部の左右方向に延びる2本以上の横シールラインとを有し、
前記スリット群は、前記縦シールラインと、前記横シールラインによって周囲を囲われた領域に存在する請求項1〜5のいずれか1項に記載に包装袋。 - 前記スリット群は、前記持手部の上下方向の下方が頂点となる略V字型のスリットをさらに含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の包装袋。
- 前記スリット群は、前記略V字型のスリットの頂点から前記上下方向の下方に向かって離間した位置に、前記上下方向に延びる直線状の分割用スリット又はミシン目をさらに含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の包装袋。
- 前記スリット群は、前記仮留め部を2箇所以上有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の包装袋。
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