JP7352939B2 - 複合銅部材 - Google Patents

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Description

本発明は複合銅部材に関する。
プリント配線板に使用される銅箔は、絶縁性樹脂基材との密着性が要求される。この密着性を向上させるため、エッチングなどで銅箔の表面を粗面化処理し、いわゆるアンカー効果による機械的接着力を上げる方法が用いられてきた。しかし、プリント配線板の高密度化や高周波帯域での伝送損失の観点から、銅箔表面の平坦化が要求されるようになってきた。それらの相反する要求を満たすため、酸化工程と還元工程を行うなどの銅表面処理方法が開発されている(特許文献1)。それによると、銅箔をプリコンディショニングし、酸化剤を含有する薬液に浸漬することで銅箔表面を酸化させて酸化銅の凹凸を形成した後、還元剤を含有する薬液に浸漬し、酸化銅を還元することで表面の凹凸を調整して表面の粗さを整える。さらに、酸化・還元を利用した銅箔の処理における密着性の改善方法として、酸化工程において表面活性分子を添加する方法(特許文献2)や、還元工程の後にアミノチアゾール系化合物等を用いて銅箔の表面に保護皮膜を形成する方法(特許文献3)が開発されている。
このような酸化銅の凹凸の各凸状部間の距離は可視光の波長域(例えば750nm~380nm)よりも短く、粗化処理層に入射した可視光は、微細凹凸構造内で乱反射を繰り返す結果、減衰する。従って、粗面化処理層は、光を吸収する吸光層として機能し、当該粗化処理面の表面は粗化処理前と比較すると黒色化、茶褐色化等に暗色化する。それ故、銅箔の粗化処理面は、その色調にも特色があり、L表色系の明度Lの値は25以下となることが知られている(特許文献4)。
一方、銅箔の粗化処理表面の凹凸に、めっきを施し、機械的接着力をあげる方法も報告されているが、上記凹凸がレベリングにより平滑化するのを防ぐため、微細な凹凸形状が埋まらないように、離散的に分布する金属粒子を有するめっき膜に留まっている(特許文献5)。
また、粗面化処理された銅箔の表面を金属粒子でめっきしてしまうと、金属粒子が強磁性体の場合、めっきされた銅箔を用いて作製されたプリント配線板は、高周波帯域での伝送損失が悪化するということも知られていた(特許文献6)。
国際公開2014/126193号公報 特表2013-534054号公報 特開平8-97559号公報 特開2017-48467号公報 特開2000-151096号公報 特開2018-172790号公報
本発明は、新規な複合銅部材を提供することを目的とする。
本願発明者らは鋭意研究の結果、銅および銅酸化物で形成された微細凹凸上に離散的でなく、一様な厚さの金属層を有しながら、その表面のレベリングを抑えた、新規の複合銅部材を作製することに成功した。また、この複合銅部材を用いて、高周波(たとえば1GHz以上)の電流の伝送損失を抑えることができる積層体を作製することに成功した。
本発明は以下の実施態様を有する:
[1] 銅部材の少なくとも一部の表面の、銅および銅酸化物を含む微細凹凸上に銅以外の金属からなる金属層が形成されている複合銅部材であって、
前記金属層が形成されている前記複合銅部材の表面が微細な凹凸を有し、前記複合銅部材の前記表面の粗さ曲線要素の平均長さ(Rsm)が550nm以下で、表面積率が1.3以上2.2以下であり、
前記金属層の垂直方向の平均の厚さが15nm以上150nm以下である、複合銅部材。
[2] 前記複合銅部材の前記表面の、明度Lの値が35未満である、[1]に記載の複合銅部材。
[3] 前記金属層が、Sn、Ag、Zn、Al、Ti、Bi、Cr、Fe、Co、Ni、Pd、AuおよびPtからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を含む、[1]又は[2]に記載の複合銅部材。
[4] 前記複合銅部材の前記表面の微細な凹凸において、Rzが0.25μm以上1.2μm以下である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の複合銅部材。
[5] 前記複合銅部材の前記表面の微細な凹凸において、共焦点走査電子顕微鏡を用いた観察結果から輪郭曲線を作成し、JIS B 0601:2001に定められた方法により算出されたRzが0.25μm以上1.2μm以下である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の複合銅部材。
[6] 前記共焦点走査電子顕微鏡が、OPTELICS H1200(レーザーテック株式会社製)である、[5]に記載の複合銅部材。
[7] [1]~[4]のいずれか一項に記載の複合銅部材を用いて作製された積層体。
[8] [1]~[4]のいずれか一項に記載の複合銅部材を用いて作製された電子部品。
[1A] 銅部材の少なくとも一部の表面に、銅部材よりも導電率が低い銅酸化物層を有し、前記銅酸化物層の上に常温で強磁性を示す金属層が形成されている、
1GHz以上で使用する高周波伝送のための、複合銅部材。
[2A]前記銅部材を形成する銅の純度が、99%以上である、[1A]に記載の複合銅部材。
[3A] 前記金属層は、Fe、Co、Cr及びNiからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属原子を含む、[1A]又は[2A]のいずれか一項に記載の複合銅部材。
[4A] 前記金属層が形成されている前記複合銅部材に対する、X線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)による深さ方向分析において、最表面よりSiO換算で300nmまでの深さを連続測定して得られるCu原子数とO原子数に関し、Cu/(Cu+O)の割合が連続して50%以上95%以下となる深さの範囲が50nm以上である、[1A]~[3A]のいずれか一項に記載の複合銅部材。
[5A] 前記金属層に含まれる金属原子がNiであり、
前記金属層が形成されている前記複合銅部材に対する、XPSによるイオンスパッタリングを用いた深さ方向分析において、最表面よりSiO換算で300nmまでの深さを連続測定して得られるNi原子数、Cu原子数、及びO原子数に関し、Ni/(Ni+Cu+O)の割合が連続して1%以上98%以下となる深さの範囲が100nm以上である、[4A]に記載の複合銅部材。
[6A] 前記金属層の垂直方向の平均の厚さが15nm以上150nm以下である、[1A]~[5A]に記載の複合銅部材。
[7A] 前記金属層が形成されている複合銅部材の表面において、共焦点走査電子顕微鏡を用いた観察結果から輪郭曲線を作成し、JIS B 0601:2001に定められた方法により算出されたRzが0.25μm以上1.2μm以下である、[1A]~[6A]のいずれか一項に記載の複合銅部材。
[8A] 前記共焦点走査電子顕微鏡が、OPTELICS H1200(レーザーテック株式会社製)である、[7A]に記載の複合銅部材。
[1B] [1]~[6]及び[1A]~[8A]のいずれか一項に記載の複合銅部材の前記金属層が形成されている表面に、誘電率が4以下の樹脂基材が積層されている、積層体。
[2B] 前記樹脂基材は、液晶ポリマー、フッ素樹脂、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリシクロオレフィン、ビスマレイミド樹脂、及び低誘電率ポリイミドからなる群から選ばれた少なくとも一つの樹脂を含む、[1B]に記載の積層体。
[3B] [1B]又は[2B]に記載の積層体から製造された配線基板。
[4B] [3B]に記載の配線基板を含む電子部品。
[1C] [1]に記載の複合銅部材を製造する方法であって、
銅部材表面に酸化処理によって微細な凹凸部を形成する第1の工程と、
前記金属層の垂直方向の平均の厚さが15nm以上150nm以下で、前記金属層が形成されている前記複合銅部材の表面が微細凹凸を有し、前記複合銅部材の前記表面の粗さ曲線要素の平均長さRsmが550nm以下で、表面積率が1.3以上2.2以下になるように、前記銅部材表面の微細な凹凸部の上に、銅以外の金属を用いてめっき処理する第2の工程と、
を含む複合銅部材の製造方法。
[2C] 前記金属層の垂直方向の平均の厚さが15nm以上150nm以下である、[1C]に記載の複合銅部材の製造方法。
[3C]第2の工程において、前記めっき処理が電解めっき処理である、[1C]または[2C]に記載の複合銅部材の製造方法。
[1D] [1A]に記載の複合銅部材を製造する方法であって、
銅部材表面に酸化処理によって、銅部材を形成する銅よりも導電率が低い銅酸化物層を形成する第1の工程と、
前記銅酸化物層の上に常温で強磁性を示す金属層を形成する第2の工程と、
を含む複合銅部材を製造する方法。
[2D] 前記金属層の垂直方向の平均の厚さが15nm以上150nm以下である、[1D]に記載の複合銅部材の製造方法。
[3D] 第2の工程において、電解めっき処理により前記常温で強磁性を示す金属層が形成される、[1D]または[2D]に記載の複合銅部材の製造方法。
図1は、実施例1~7及び比較例1~14における、粗さ曲線要素の平均長さ(Rsm)とピール強度(常態)の関係を示す図である。 図2は、実施例1~7及び比較例1~14における、表面積率とピール強度(常態)の関係を示す図である。 図3は、実施例1~7及び比較例1~14における、L表色系の明度Lとピール強度(常態)の関係を示す図である。 図4は、実施例1~7及び比較例2~14における、めっき層の垂直方向の平均の厚さ(めっき厚)とΔEabの関係を示す図である。 図5は、実施例1~7及び比較例2~14における、めっき層の垂直方向の平均の厚さ(めっき厚)とピール強度(常態)の関係を示す図である。 図6は、実施例2及び比較例1における、伝送損失測定の結果を示す図である。 図7は、実施例1、5及び比較例8、13の試験片に対し、XPSによるイオンスパッタリングを用いた深さ方向分析を行った結果から得られる(Cu原子数/(Cu原子数+O原子数))を(%)で示す図である。 図8は、実施例1、5及び比較例8、13の試験片に対し、XPSによるイオンスパッタリングを用いた深さ方向分析を行った結果から得られる(Ni原子数/(Ni原子数+Cu原子数+O原子数))を(%)で示す図である。 図9は、図7及び8の結果から推定される、実施例1と比較例8、13の複合銅部材の断面の模式図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を用いて詳細に説明するが、必ずしもこれに限定するわけではない。なお、本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
==複合銅部材==
本発明の一実施態様は、銅部材の少なくとも一部の表面に銅および銅酸化物で形成された微細凹凸上に銅以外の金属からなる金属層が形成されている複合銅部材である。銅部材とは、構造の一部となる、Cuを主成分として含む材料のことであり、電解銅箔や圧延銅箔およびキャリア付き銅箔等の銅箔、銅線、銅板、銅製リードフレームが含まれるが、これらに限定されない。
銅部材が銅箔の場合、銅箔の厚さは特に限定されないが、0.1μm以上100μm以下が好ましく、0.5μm以上50μm以下がより好ましい。
本発明の一実施態様における複合銅部材において、銅以外の金属からなる金属層が形成された表面の粗さ曲線要素の平均長さ(RSm)は、550nm以下、好ましくは450nm、さらに好ましくは350nm以下である。ここで、RSmとは、ある基準長さ(lr)における粗さ曲線に含まれる1周期分の凹凸が生じている長さ(すなわち輪郭曲線要素の長さ:Xs1~Xsm)の平均を表し、以下の式で算出される。
ここで算術平均粗さ(Ra)の10%を凹凸における最小の高さとし、基準長さ(lr)の1%を最小の長さとして1周期分の凹凸を定義する。一例として、Rsmは「原子間力顕微鏡によるファインセラミック薄膜の表面粗さ測定方法(JIS R 1683:2007)」に準じて測定算出することができる。
本発明の一実施態様における複合銅部材の表面の表面積率は、1.3以上、好ましくは1.4以上、さらに好ましくは1.5以上であり、2.2以下、好ましくは2.1以下、さらに好ましくは2.0以下である。
ここで、表面積率とは、所定の範囲において、面積に対する表面積の比率である。例えば表面積率が1であれば、表面粗さのない完全な平面の状態にあり、表面積率が大きくなるほど、表面の凹凸が激しくなる。なお、所定の範囲における面積とは、その範囲の表面がフラットであるとした場合の、その範囲の表面積に等しい。
表面積率は一例として以下の方法で算出することができる。銅以外の金属を含む複合銅部材の微細な凹凸の表面を原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)により観察し、AFMの形状像を得る。これを無作為に選び出された10箇所において繰り返し行い、表面積S1、S2、・・・、S10をAFMにより求める。次に、これらの表面積S1、S2、・・・、S10と、それぞれの観察領域の面積との比(表面積/面積)SR1、SR2、・・・、SR10を単純に算術平均して、複合銅部材の表面の平均表面積率を求めることができる。
本発明の一実施態様における複合銅部材において、銅以外の金属からなる金属層が形成されている表面の明度Lは、35以下(又は未満)、好ましくは30以下(又は未満)、さらに好ましくは25以下(又は未満)である。
ここで、明度Lは、L表色系において、表面の粗さを測る指標の一つとして使用されており、測定サンプル表面に光を照射した際の光の反射量を測定して算出することができる。たとえば、L=0は黒、L=100は白の拡散色を表す。具体的な算出方法は、JIS Z8105(1982)にしたがえばよい。
金属層が形成されている、複合銅部材の表面の明度を測定する時、表面の凹凸部の隙間(すなわちRsm)が狭い時には、光の反射量が少なくなるため明度値が低くなり、凹凸部の隙間が広い時には光の反射量が大きくなり明度値が高くなる傾向がある。
本発明の一実施態様における複合銅部材において、銅以外の金属からなる金属層が形成されている表面のRzは1.00μm以下、好ましくは0.90μm以下、より好ましくは0.80μm以下であり、0.10μm以上、好ましくは0.15μm以上、より好ましくは0.20μm以上である。
ここで、最大高さ粗さ(Rz)とは、基準長さlにおいて、輪郭曲線(y=Z(x))の山の高さZpの最大値と谷の深さZvの最大値の和を表す。
RzはJIS B 0601:2001(国際基準ISO13565-1準拠)に定められた方法により算出できる。
金属層に含まれる金属の種類は、銅以外であれば特に限定されないが、Sn、Ag、Zn、Al、Ti、Bi、Cr、Fe、Co、Ni、Pd、AuおよびPtからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属であることが好ましい。特に耐酸性及び耐熱性をもたせるためには、銅よりも耐酸性及び耐熱性の高い金属、例えばNi、Pd、AuおよびPtを用いることが好ましい。
複合銅部材において、金属層に含まれる銅以外の金属の垂直方向の平均の厚さは特に限定されないが、15nm以上であることが好ましく、20nm以上、25nm以上であることがさらに好ましい。薄すぎると、金属層で銅酸化物層の凹凸を均一に覆うことができず、耐熱性が悪化し、また、マイグレーションも生じやすくなる。ただし、厚すぎると、レベリングにより複合銅部材の表面の微細な凹凸が平滑化してしまい、ピール強度も低下するため、150nm以下であることが好ましく、128nm以下、100nm以下、96nm以下あるいは75nm以下であることがさらに好ましい。
なお、金属層に含まれる銅以外の金属の垂直方向の平均の厚さは、金属層を酸性溶液で溶解し、ICP分析によって金属量を測定し、複合銅部材の面積で除して算出できる。あるいは、複合銅部材そのものを溶解し、金属層を形成する金属の量のみを検出測定することにより、算出できる。
銅以外の金属からなる金属層は、めっきによって銅部材の表面に形成されてもよい。めっき方法は特に限定されず、電解めっき、無電解めっき、真空蒸着、化成処理などによってめっきすることができるが、一様で薄いめっき層を形成することが好ましいため、めっきは電解めっきが好ましい。以降、真空蒸着、化成処理を含めた被覆処理をめっきと呼ぶ。酸化処理をされた銅部材表面に電解めっきを施す場合、まず表面の酸化銅(CuO)が還元され、亜酸化銅(CuO)又は純銅になるのに電荷が使われるため、めっきされるまでに時間のラグが生じる。例えば、Niめっきを銅部材に施す場合、その厚さを上記好ましい範囲に収めるためには、電解めっき処理する銅部材の面積あたり、15C/dm以上~75C/dm以下の電荷を施すことが好ましく、25C/dm以上~65C/dm以下がより好ましい。
本発明の別の実施態様における、1GHz以上で使用する高周波伝送のための複合銅部材は、銅部材の少なくとも一部の表面に、銅部材よりも導電率が低い銅酸化物層が形成され、前記銅酸化物層の上に常温で強磁性を示す金属層を有している。
1GHz以上で使用する高周波伝送のための複合銅部材において、銅部材に含まれる銅は、特に限定しないが、タフピッチ銅や無酸素銅といった高純度の銅(たとえば純度95%以上、99%以上、又は99.9%以上)が好ましい。
銅部材よりも導電率が低い銅酸化物層は、銅及び銅酸化物(CuO及び/又はCuO)を含む。純銅の比抵抗値が1.7×10-8(Ωm)なのに対して、酸化銅は1~10(Ωm)、亜酸化銅は1×10~1×10(Ωm)であるため、銅酸化物層を形成する分子のうち、少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%又は50%以上CuO又はCuOが含まれていれば、銅部材よりも導電率が低い銅酸化物層と規定できる。
常温で強磁性を示す金属層は、外部磁場が無くても常温で自発磁化できる金属原子を含む。この金属原子は特に限定しないが、Fe、Co、Cr、Niなどの原子が好ましい。また、常温で強磁性を示す金属層はFe、Co、Cr、Niなどを含む合金やこれらの金属の酸化物(例えば酸化クロム(IV))を含んでいてもよい。常温で強磁性を示す金属層は、結晶性を有する金属、合金又は金属酸化物であることが好ましく、結晶性に影響を及ぼすリン(P)などの原子や分子を重量比で10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、又は0.3%以上含まないことが好ましい。常温で強磁性を示す金属層がNiで構成されている場合、Niの純度は90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.7%、又は99.9%以上が好ましい。従って、かかる金属層は、高濃度のリンの共析を伴う無電解めっきでなく、ホウ素(B)の共析を伴う無電解めっき、ヒドラジンを用いた無電解めっき又は電解めっきで形成されることが好ましい。
銅部材よりも導電率が低い銅酸化物層は、常温で強磁性を示す金属層と銅部材を隔てる形で含むことが好ましい。かかる導電性の低い層の存在により、金属層を形成する強磁性の金属の影響を抑え、銅部材(特にその表皮部分)に流れる交流電流の伝送損失を抑えることができる。
銅部材よりも導電率が低い銅酸化物層は、XPSによるイオンスパッタリングを用いた深さ方向分析を行い、最表面よりSiO換算で300nmまでの深さを連続測定することにより検出できる。導電性の低い層は、Cu原子とO原子を含み、Cu/(Cu+O)の原子数の割合が50%以上が好ましく、55%以上、60%、又は66.7%以上がより好ましく、95%以下が好ましく、90%以下、85%以下、又は80%以下がより好ましい。また、導電性の低い層の、深さ方向の範囲は、SiO換算で25nm以上が好ましく、50nm以上、75nm以上、100nm以上であることがより好ましい。
常温で強磁性を示す金属層は、銅酸化物層を覆う形で形成されており、かかる態様は、XPSによるイオンスパッタリングを用いた深さ方向分析を行い、最表面よりSiO換算で300nmまでの深さを連続測定することにより検出できる。常温で強磁性を示す金属層がNiを含む場合、最表面よりSiO換算で300nmまでの深さを連続測定して得られるNi原子数、Cu原子数及びO原子に関し、Cu/(Ni+Cu+O)の割合が連続して1%以上99%以下となる深さの範囲がSiO換算で100nm以上であることが好ましく、150nm、200nm、又は250nm以上であることがより好ましい。
==複合銅部材の製造方法==
本発明の一実施態様は、複合銅部材の製造方法であって、酸化処理によって銅部材表面に微細な凹凸を形成する第1の工程と、微細な凹凸が形成された銅部材表面にめっき処理する第2の工程と、を含む複合銅部材の製造方法である。
まず、第1の工程において、銅部材表面を酸化剤で酸化して、銅酸化物の層を形成するとともに、表面に微細な凹凸を形成する。銅酸化物は、CuOおよびCuOを含む。この酸化工程以前に、エッチングなどの粗面化処理工程は必要ないが、行ってもよい。また、酸化処理以前に、脱脂処理、自然酸化膜除去によって表面を均一化するための酸洗浄、または酸洗浄後に酸化工程への酸の持ち込みを防止するためのアルカリ処理を行ってもよい。アルカリ処理の方法は特に限定されないが、好ましくは0.1~10g/L、より好ましくは1~2g/Lのアルカリ水溶液、例えば水酸化ナトリウム水溶液で、30~50℃、0.5~2分間程度処理すればよい。
酸化剤は特に限定されず、例えば、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、過塩素酸カリウム等の水溶液を用いることができる。酸化剤には、各種添加剤(たとえば、リン酸三ナトリウム十二水和物のようなリン酸塩)や表面活性分子を添加してもよい。表面活性分子としては、ポルフィリン、ポルフィリン大員環、拡張ポルフィリン、環縮小ポルフィリン、直鎖ポルフィリンポリマー、ポルフィリンサンドイッチ配位錯体、ポルフィリン配列、シラン、テトラオルガノ‐シラン、アミノエチル‐アミノプロピルートリメトキシシラン、(3‐アミノプロピル)トリメトキシシラン、(1‐[3‐(トリメトキシシリル)プロピル]ウレア)((l-[3-(Trimethoxysilyl)propyl]urea))、(3‐アミノプロピル)トリエトキシシラン、((3‐グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン)、(3‐クロロプロピル)トリメトキシシラン、(3‐グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、3‐(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、エチルトリアセトキシシラン、トリエトキシ(イソブチル)シラン、トリエトキシ(オクチル)シラン、トリス(2‐メトキシエトキシ)(ビニル)シラン、クロロトリメチルシラン、メチルトリクロロシラン、四塩化ケイ素、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、クロロトリエトキシシラン、エチレン‐トリメトキシシラン、アミン、糖などを例示できる。
酸化反応条件は特に限定されないが、酸化用薬液の液温は40~95℃であることが好ましく、45~80℃であることがより好ましい。反応時間は0.5~30分であることが好ましく、1~10分であることがより好ましい。
第1の工程において、酸化された銅部材表面を溶解剤で溶解して、銅部材表面の凹凸を調整してもよい。
本工程で用いる溶解剤は特に限定されないが、キレート剤、特に生分解性キレート剤であることが好ましく、エチレンジアミン四酢酸、ジエタノールグリシン、L-グルタミン酸二酢酸・四ナトリウム、エチレンジアミン-N,N’-ジコハク酸、3-ヒドロキシ-2、2’-イミノジコハク酸ナトリウム、メチルグリシン2酢酸3ナトリウム、アスパラギン酸ジ酢酸4ナトリウム、N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸ジナトリウム、グルコン酸ナトリウムなどが例示できる。
溶解用薬液のpHは特に限定されないが、アルカリ性であることが好ましく、pH8~10.5であることがより好ましく、pH9.0~10.5であることがさらに好ましく、pH9.8~10.2であることがさらに好ましい。
また、第1の工程において、酸化された銅部材に形成された銅酸化物を、還元剤を含有する薬液(還元用薬液)を用いて還元し、凹凸の数や長さを調整してもよい。
還元剤としては、DMAB(ジメチルアミンボラン)、ジボラン、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン等を用いることができる。また、還元用薬液は、還元剤、アルカリ性化合物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、及び溶媒(純水等)を含む液体である。
次に、第2の工程において、微細凸部を形成した銅部材表面に対し、銅以外の金属でめっき処理をすることで、複合銅部材を製造する。めっき処理方法は、公知の技術を使うことができるが、例えば、銅以外の金属として、Sn、Ag、Zn、Al、Ti、Bi、Cr、Fe、Co、Ni、Pd、Au、Pt、あるいは様々な合金を用いることができる。めっき工程も特に限定されず、電解めっき、無電解めっき、真空蒸着、化成処理などによってめっきすることができる。本発明の一実施態様において一様で薄いめっき層を形成することが好ましいため、めっきは電解めっきが好ましい。従来、銅部材の銅表面に銅めっきによりこぶ状の凹凸を形成し、さらに耐熱性や耐薬品性を付与するために層状にめっき処理を行っていたが、本発明では、酸化処理によって形成された銅酸化物を含み、均一で微細な凹凸を有する銅部材の銅表面にめっき処理を行う。
電解めっきの場合はニッケルめっき及びニッケル合金めっきなどが好ましい。ニッケルめっき及びニッケル合金めっきは、純ニッケル、Ni-Cu合金、Ni-Cr合金、Ni-Co合金 、Ni-Zn合金、Ni-Mn合金、Ni-Pb合金、Ni-P合金等が挙げられる。
めっきイオンの供給剤として、例えば、硫酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、酸化亜鉛、塩化亜鉛、ジアンミンジクロロパラジウム、硫酸鉄、塩化鉄、無水クロム酸、塩化クロム、硫酸クロムナトリウム、硫酸銅、ピロリン酸銅、硫酸コバルト、硫酸マンガン、次亜リン酸ナトリウム、などが用いることができる。
pH緩衝剤や光沢剤などを含むその他添加剤として、例えば、ほう酸、酢酸ニッケル、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム、ギ酸カリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、塩化アンモニウム、シアン化ナトリウム、酒石酸カリウムナトリウム、チオシアン酸カリウム、硫酸、塩酸、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、チオシアンナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、臭酸カリウム、ピロリン酸カリウム、エチレンジアミン、硫酸ニッケルアンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、ケイフッ酸、ケイフッ化ナトリウム、硫酸ストロンチウム、クレゾールスルホン酸、β-ナフトール、サッカリン、1,3,6-ナフタレントリスルホン酸、ナフタレン(ジ、トリ)、スルホン酸ナトリウム、スルホンアミド、スルフィン酸など1-4ブチンジオール、クマリン、ラウリル硫酸ナトリウムが使用される。
ニッケルめっきにおいて、その浴組成は、例えば、硫酸ニッケル(100g/L以上~350g/L以下)、スルファミンニッケル(100g/L以上~600g/L以下)、塩化ニッケル(0g/L以上~300g/L以下)及びこれらの混合物を含むものが好ましいが、添加剤としてクエン酸ナトリウム(0g/L以上~100g/L以下)やホウ酸(0g/L以上~60g/L以下)が含まれていてもよい。
無電解ニッケルめっきの場合は触媒を用いた処理を行うことが好ましい。触媒としては鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムおよびそれらの塩を用いることが好ましい。触媒を用いた処理を行うことで、一様で粒子が点在しない金属層を得ることができる。それによって、複合銅箔の耐熱性が向上する。無電解ニッケルめっきの場合は、還元剤として、銅および酸化銅が触媒活性を有しない還元剤を用いることが好ましい。銅および酸化銅が触媒活性を有しない還元剤としては、次亜リン酸ナトリウムなどの次亜リン酸塩が挙げられる。
このように、銅部材に対して、第1工程及び第2工程を行うことによって、銅部材の少なくとも一部の表面に銅以外の金属からなる金属層が形成されている複合銅部材であって、銅以外の金属からなる金属層を有する複合銅部材の表面が微細凹凸を有し、Rsmが550nm以下で、表面積率が1.3以上2.2以下であって、金属層の垂直方向の平均の厚さが12nm以上150nm以下あるいは15nm以上150nm以下である、複合銅部材を製造することができる。
本発明の技術的特徴を損なわない限り、これらの工程で製造した複合銅部材に、シランカップリング剤などを用いたカップリング処理や分子接合処理、ベンゾトリアゾール類などを用いた防錆処理を行ってもよい。
==複合銅部材の利用方法==
本発明の複合銅部材は、プリント配線板に使用される銅箔、基板に配線される銅線、LIB負極集電体用の銅箔などとして、電子部品に用いることができる。
例えば、本発明に係る複合銅箔を、樹脂基材と層状に接着させることによって積層板を作製し、その後、複合銅箔をパターン加工することにより、配線が形成されたプリント配線基板を製造するのに用いることができる。この場合の樹脂基材に含まれる樹脂の種類は特に限定されないが、ポリフェニレンエーテル(PPE)、エポキシ、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、液晶ポリマー(LCP)、またはトリフェニルフォサイト(TPPI)、フッ素樹脂、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリシクロオレフィン、ビスマレイミド樹脂、低誘電率ポリイミド、或いはこれらの混合樹脂であることが好ましい。樹脂基材はさらに無機フィラーやガラス繊維を含んでいてもよい。樹脂基材の一例としては、ポリフェニレンエーテル(PPE)20~70重量%、シリカ0~20重量%、ガラス繊維30~70%からなるMEGTRON6(R5670KJ;パナソニック社製;誘電率3.71(1GHz))が挙げられる。
樹脂基材の誘電率は公知の方法で測定することができ、例えば、IPC TM(The Institute for Interconnecting and Packaging Electronic Circuits Test Method)-650 2.5.5.5やIPC TM-650 2.5.5.9といった規格に従って測定することができる。
本発明に係る複合銅箔を誘電率の低い(例えば、5以下、4.5以下、4以下、3.5以下、または3以下)樹脂基材に積層することにより、高周波(例えば1GHz以上、5GHz以上、または10GHz以上)の電流の伝送損失を抑えることができる。
また、本発明に係る複合銅箔をLIB負極集電体用に使用することで、銅箔と負極材料の密着性が向上し、容量劣化の小さい良好なリチウムイオン電池を得ることができる。リチウムイオン電池用の負極集電体は公知の方法に従って製造することができる。例えば、カーボン系活物質を含有する負極材料を調製し、溶剤もしくは水に分散させて活物質スラリーとする。この活物質スラリーを本発明に係る複合銅箔に塗布した後、溶剤や水を蒸発させるため乾燥させる。その後、プレスし、再度乾燥した後に所望の形になるよう負極集電体を成形する。なお、負極材には、カーボン系活物質よりも理論容量の大きいシリコンやシリコン化合物、ゲルマニウム、スズ、鉛などを含んでもよい。また、電解質として有機溶媒にリチウム塩を溶解させた有機電解液だけでなく、ポリエチレンオキシドやポリフッ化ビニリデンなどからなるポリマーを用いたものであってもよい。本発明に係る複合銅箔は、リチウムイオン電池だけでなく、リチウムイオンポリマー電池にも適用できる。
<1.複合銅箔の製造>
比較例5~14並びに実施例1~6は、銅箔としてDR-WS(古河電工株式会社製、厚さ:18μm)のシャイニー面(S面)(光沢面。反対面と比較したときに平坦である面。)を用いた。実施例7は、同じくDR-WSであるがマット面(M面)(艶消し面。反対面と比較したときに粗い面。)を用いた。比較例1~4は、すでに粗化処理され、めっきが施されたFV-WS(古河電工株式会社製、厚さ:18μm)のマット面を用いた。なお、比較例1及び5の銅箔には、本発明に係る酸化処理、還元処理、めっき処理などの表面処理は行っていない。比較例2~4は市販されているFV-WSのめっき層を一度剥離してから用いた。剥離は、液温50℃の234ml/Lの塩酸に6分間浸漬することにより行った。
(1)前処理
[アルカリ脱脂処理]
銅箔を、液温50℃、40g/Lの水酸化ナトリウム水溶液に1分間浸漬した後、水洗を行った。
[酸洗浄処理]
アルカリ脱脂処理を行った銅箔を、液温25℃、10重量%の硫酸水溶液に2分間浸漬した後、水洗を行った。
[プレディップ処理]
酸洗浄処理を行った銅箔を、液温40℃、水酸化ナトリウム(NaOH)1.2g/Lのプレディップ用薬液に1分間浸漬した。
(2)酸化処理
アルカリ処理を行った銅箔を、実施例1~7及び比較例9~13は酸化処理用水溶液(NaClO 60g/L;NaOH 9g/L;3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン 2g/L)で73℃、2分間、酸化処理を行った。比較例14は、酸化処理用水溶液(NaClO 37.5g/L;NaOH 100g/L)で73℃、4分間、酸化処理を行った。これらの処理後、銅箔を水洗した。
比較例9は、酸化処理後、室温で1分間、還元剤(ジメチルアミンボラン 5g/L;水酸化ナトリウム 5g/L)に浸漬し、還元処理を行った。
(3)めっき処理
実施例1~7及び比較例11~14については、酸化処理を行った銅箔に対し、ニッケルめっき用電解液(硫酸ニッケル 240g/L;塩化ニッケル 45g/L;クエン酸三ナトリウム 20g/L)を用いて電解めっきを施した(電流密度0.5A/dm 銅箔面積当たり)。比較例3、4、6~8は酸化処理を行わずに、同じニッケルめっき用電解液を用いて電解めっきを施した。処理時間は、それぞれ50秒(実施例1)、60秒(実施例2)、70秒(実施例3)、80秒(実施例4)、100秒(実施例5)、120秒(実施例6)、130秒(実施例7)、20秒(比較例3)、60秒(比較例4)、10秒(比較例6)、20秒(比較例7)、60秒(比較例8)、40秒(比較例11)、150秒(比較例12)、350秒(比較例13)、220秒(比較例14)であった。
(4)カップリング処理
実施例1~7及び比較例2~14については、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(1重量%)を用いて銅箔を室温で1分処理した後、110℃で1分焼付けを行った。
実施例及び比較例について、各々同じ条件で複数の試験片を作製した。
評価面は比較例6~14及び実施例1~6は表面処理を施したシャイニー面、実施例7及び比較例2~4は表面処理を施したマット面、比較例1は粗面化処理され、めっきが施された面(マット面)、比較例5はシャイニー面を用いた。
<2.Rzの算出>
実施例及び比較例の試験片を、共焦点走査電子顕微鏡 OPTELICS H1200(レーザーテック株式会社製)を用いた観察結果から輪郭曲線を作成し、JIS B 0601:2001に定められた方法によりRzを算出した。測定条件として、スキャン幅は100μm、スキャンタイプはエリアとし、Light sourceはBlue、カットオフ値は1/5とした。オブジェクトレンズはx100、コンタクトレンズはx14、デジタルズームはx1、Zピッチは10nmの設定とし、3箇所のデータを取得し、Rzは3箇所の平均値とした。
<3.RSm及び表面積率の測定>
実施例及び比較例の試験片のRSm及び表面積率を原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)により観察し、JIS R 1683:2007に準じて算出した。比較例1のみRa=150nmとして計算した。
装置:日立ハイテクサイエンス製
プローブステーション AFM5000II
接続機種:AFM5300E
カンチレバー:SI-DF40
AFM5000IIにおける自動設定機能を使用して設定
(振幅減衰率、走査周波数、Iゲイン、Pゲイン、Aゲイン、Sゲイン)
走査領域:5μm角
画素数:512 x 512
測定モード:DFM
測定視野:5μm
SISモード:使用しない
スキャナ:20μmスキャナ
測定方法:3次補正を行い計測した。
◆RSm→平均断面解析(lr=5μm)
◆表面積率→面粗さ解析
<4.明度L測定>
表色系における明度Lの測定は、日本電色工業株式会社製 分光色差計 NF999(照明条件:C;視野角条件:2;測定項目:L)を用いて行った。
<5.めっき厚さの測定、表面元素分析及び所定の深さにおける元素分析>
5.1 めっき厚さの測定
めっきの垂直方向の平均の厚さの測定方法としては、12%硝酸に銅部材を溶解させ、溶解液をICP発光分析装置5100 SVDV ICP-OES(アジレント・テクノロジー社製)を用いて解析して金属の濃度を測定し、金属の密度、金属層の表面積を考慮することで層状としての金属層の厚さを算出した。
5.2 表面元素分析
表面元素分析として、QuanteraSPM(ULVAC-PHI製)を用いて以下の工程で最表面Narrow分析を行い、金属層が形成されている表面上において銅と銅以外の金属が検出できるかを確認した。
(1)Survey spectrum
まず、以下の条件で元素を検出した。
X線ビーム径: 100μm(25w15kV)
パスエネルギー: 280eV,1eVステップ
ライン分析: φ100μm×700μm
積算回数 6回
(2)Narrow spectrum
(1)で検出した元素について、Narrow Spectrumを以下の条件で取得し、検出した成分中、N、C以外の元素量の合計を100%としたときの、各検出成分比を定量値として算出した。
X線ビーム径: 100μm(25w15kV)
パスエネルギー: 112eV,0.1eVステップ
ライン分析: φ100μm×700μm
5.3 深さ方向の分析
得られた実施例及び比較例の試験片を用いて、深さ方向の元素分析を、以下の条件で行った。
分析した元素は、炭素(C)、酸素(O)、銅(Cu)及びニッケル(Ni)であり、これらの元素の合計を100% として、各元素の濃度(at%)を算出した。算出した各元素濃度から、Cu/Cu+O(%)及びNi/Ni+Cu(%)を算出した。深さは、SiO2換算での距離(nm)として表した。
XPS装置としては、アルバック・ファイ株式会社製5600MCを用い、到達真空度:5.7×10- 9Torr、励起源: 単色化AlKα、出力:210W、検出面積:800μmΦ、入射角:45度、取り出し角:45度、中和銃なしとし、以下のスパッタ条件で測定した。
イオン種: Ar+
加速電圧: 3kV
掃引領域: 3mm × 3mm
レート: SiO2換算
Cu原子数/Cu原子数+O原子数の比(図7)、及びNi原子数/Ni原子数+Cu原子数+O原子の比(図8)を示す。
さらに、得られたデータから推定される、実施例1及び比較例8、13の垂直断面の模式図を図9に示す。実施例1は銅酸化物層によってNi層と銅部材が隔てられているのに対して、比較例8では銅酸化物層が存在せず、Ni層が直接銅部材表面に積層されている。比較例13は実施例1と同様、銅酸化物層は存在するものの、Ni層が厚すぎて、XPSによる深さ方向分析(300nmまで)では銅酸化物層を検出できない。
<6.銅箔の耐熱性の測定>
実施例及び比較例の試験片について、加熱による色変化により耐熱性を調べた。熱処理前の試験片の色差(L、a、b)を測定後、225℃のオーブンで30分間処理し、熱処理後の試験片の色差を測定した。得られた値から、以下の式に従い、ΔEabを算出した。
[数2]
ΔEab = [(ΔL + (Δa + (Δb1/2
<7.常態と耐酸試験後のピール強度の測定>
また、実施例1~6及び比較例1~14の試験片について、酸処理前後のピール強度を測定した。具体的には、まず、各試験片に対し、プリプレグ R5670KJ(パナソニック株式会社製、厚さ100μm)を積層し、真空高圧プレス機を用いてプレス圧2.9MPa、温度210℃、プレス時間120分の条件で加熱圧着することにより、積層体を得た。
同様に、アドフレマNC0207を用いて、酸処理前後のピール強度を測定した。各試験片に対し、アドフレマNC0207(ナミックス社製)を積層し、真空高圧プレス機を用いてプレス圧1.0MPa、温度200℃、プレス時間1時間の条件で加熱圧着することにより、積層体を得た。
実施例及び比較例について、各々同じ条件で複数の積層体を作製した。酸に対する耐性を調べるため、積層体の一つはそのまま(常態)、もう一つは酸液浸漬後(耐酸試験後)、測定試料とした。なお、酸液浸漬は、積層体を4N HClに60℃で90分浸漬することにより行った。これらの測定試料に対して90°剥離試験(日本工業規格(JIS)C5016)によりピール強度(kgf/cm)を測定した。
<8.高周波特性の測定>
実施例2及び比較例1の試験片に樹脂基材プリプレグ R5670KJ(パナソニック株式会社製)を熱加圧成形により積層した後に、伝送特性測定用のサンプルを作製して高周波帯域における伝送損失を測定した。伝送特性の評価には、0~40GHz帯域の測定に適する公知のストリップライン共振器法を用いて測定した。具体的には、S21パラメーターを、以下の条件でカバーレイフィルムなしの状態で測定した。
測定条件:マイクロストリップ構造;基材プリプレグ R5670KJ;回路長さ100mm;導体幅250μm;導体厚さ28μm;基材厚さ100μm;特性インピーダンス50Ω
結果を図6に示す。
さらに、実施例1~7及び比較例1~14の試験片に樹脂基材アドフレマNC0207(ナミックス社製)を熱加圧成形により積層した後に、伝送特性測定用のサンプルを作製して高周波帯域における伝送損失を測定した。伝送特性の評価には、0~40GHz帯域の測定に適する公知のストリップライン共振器法を用いて測定した。具体的には、S21パラメーターを、以下の条件でカバーレイフィルムなしの状態で測定した。
測定条件:マイクロストリップ構造;基材プリプレグ アドフレマNC0207;回路長さ200mm;導体幅280μm;導体厚さ28μm;基材厚さ100μm;特性インピーダンス50Ω
<9.結果>
結果を表1及び図1~9に示す。
Figure 0007352939000002
Figure 0007352939000003
Figure 0007352939000004
比較例1はRSmが大きく、微細な凹凸は形成されておらずLが高くなった。RSmが大きく、表面積率が高いことから、表面積の増大は横方向の緻密さではなく高さ方向が大きくなっていると考えられ、Rzは大きく、図6に示すように表皮効果の影響により実際に高周波特性が悪くなった。比較例6及び7はRSmが大きく、表面積率が小さいことから密着性が得られなかったと考えられる。比較例9はめっきが無いため、耐熱変色(ΔEab)が大きかった。比較例10はめっきが無く、酸化処理のみであり、微細な凹凸においてCuOが主成分となるため、耐酸試験でピール強度が低下した。比較例11はめっきの厚さが不足しているため、耐熱変色が大きかった。比較例12はめっきが厚すぎるためレベリングが生じることで、RSmが大きくなり、さらに表面積率が小さくなったため、結果的にピール強度が低下した。比較例14は表面積率が大きすぎるため、めっきが一様ではなく、耐熱変色が生じた。
それに対して、表面の粗さ曲線要素の平均長さ(Rsm)が550nm以下で(図1)、表面積率が1.3以上2.2以下であり(図2)、金属層の垂直方向の平均の厚さが15nm以上150nm以下であり(図5)、明度Lの値が35未満である(図3)実施例1~7の複合銅箔は、ピール強度が高く、耐熱変色(ΔEab)が小さく(図4)、耐酸性試験を経てもピール強度が低下しなかった。また、実施例2の高周波特性も良好であった。
比較例2、5、10では、金属層を持たないため、耐熱性が低かった。比較例13では常温で強磁性を示す金属層が厚すぎて、伝送損失が生じ、比較例7、8では銅酸化物を含む凸部が存在せず、常温で強磁性を示す金属層が直接銅箔に積層されているため、伝送損失が生じた。比較例1~4は、Rzが大きく、表皮効果により、伝送損失が生じた。一方、実施例1、2、5は、常温で強磁性を示す金属層が、適切な厚みを有しており、かつ金属層と電流が流れる銅部分との間に銅部材よりも導電率の低い銅酸化物層が存在するため、10GHzの高周波電流の伝送損失が小さかった(図7~9)。
本発明によって、新規な複合銅部材、並びにそれを用いた積層体及び電子部品、高周波伝送用の複合銅部材、並びにそれを用いた高周波伝送用積層体及び高周波伝送用電子部品を提供することができるようになった。

Claims (8)

  1. 銅部材の少なくとも一部の表面の、銅および銅酸化物を含む微細凹凸上に銅以外の金属からなる金属層が形成されている複合銅部材であって、
    前記金属層が形成されている前記複合銅部材の表面が微細な凹凸を有し、前記複合銅部材の前記表面の粗さ曲線要素の平均長さ(Rsm)が550nm以下で、表面積率が1.3以上2.2以下であり、
    前記金属層の垂直方向の平均の厚さが15nm以上150nm以下である、複合銅部材。
  2. 前記複合銅部材の前記表面の、明度Lの値が35未満である、請求項1に記載の複合銅部材。
  3. 前記金属層が、Sn、Ag、Zn、Al、Ti、Bi、Cr、Fe、Co、Ni、Pd、AuおよびPtからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を含む、請求項1または2に記載の複合銅部材。
  4. 前記複合銅部材の前記表面の微細な凹凸において、共焦点走査電子顕微鏡を用いた観察結果から輪郭曲線を作成し、JIS B 0601:2001に定められた方法により算出されたRzが0.25μm以上1.2μm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の複合銅部材。
  5. 前記共焦点走査電子顕微鏡が、OPTELICS H1200(レーザーテック株式会社製)である、請求項4に記載の複合銅部材。
  6. 請求項1に記載の複合銅部材を製造する方法であって、
    銅部材表面に酸化処理によって微細な凹凸部を形成する第1の工程と、
    前記金属層の垂直方向の平均の厚さが15nm以上150nm以下で、前記金属層が形成されている前記複合銅部材の表面が微細凹凸を有し、前記複合銅部材の前記表面の粗さ曲線要素の平均長さRsmが550nm以下で、表面積率が1.3以上2.2以下になるように、前記銅部材表面の微細な凹凸部の上に、銅以外の金属を用いてめっき処理する第2の工程と、
    を含む複合銅部材の製造方法。
  7. 前記金属層の垂直方向の平均の厚さが15nm以上150nm以下である、請求項6に記載の複合銅部材の製造方法。
  8. 第2の工程において、前記めっき処理が電解めっき処理である、請求項6または7に記載の複合銅部材の製造方法。
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