JP7352676B2 - 飲料、飲料の製造方法並びに飲料のフローラルな香り及び柑橘的な香りを改善する方法。 - Google Patents

飲料、飲料の製造方法並びに飲料のフローラルな香り及び柑橘的な香りを改善する方法。 Download PDF

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Description

本発明は、飲料、飲料の製造方法並びに飲料のフローラルな香り及び柑橘的な香りを改善する方法に関する。
飲料が有する香りは、飲料製品を特徴づけるうえで重要である。これまでにも、飲料に望ましい香りを付与する様々な技術手段が提案されている。例えば、特許文献1には、ハーブ様、甘いアップルティー様の香りを伴ったフルーツ様の香気が感じられるビールテイスト飲料として、(Z)-3-ヘキセン-1-オール、リナロール、ゲラニルアセテート、β-シトロネロール、ネロール、へプタン酸、β-イオノン、イソブチルイソブチラート、およびシス-リナロールオキシドを所定の含有量で含む、ビールテイスト飲料が開示されている。
特開2016-13131号公報
本発明の目的は、香りの中でも特にフローラルな香り及び柑橘的な香りに優れる飲料を提供することにある。
本発明は、ゲラニルアセテートと、β‐カリオフィレンとを含有し、ゲラニルアセテートの含有量が1.5μg/L以上であり、β‐カリオフィレンの含有量が0.2μg/L以上である、飲料を提供する。本発明の飲料は、ゲラニルアセテートと、β‐カリオフィレンとを所定の含有量で含むため、フローラルな香り及び柑橘的な香りに優れている。
上記飲料は、ヌートカトンを更に含有し、ヌートカトンの含有量が3.0μg/L以上であることが好ましい。この場合、フローラルな香り及び柑橘的な香りに優れると共に、後味がより一層優れたものとなる。
上記飲料は、炭酸飲料であってもよい。また、上記飲料は、アルコール飲料であってもよい。さらに、上記飲料は、ビールテイスト飲料であってもよい。
上記飲料は、原料として、グレープフルーツピール及びオレンジピールからなる群より選択される少なくとも1種を使用したものであってもよい。また、上記飲料は、麦芽使用比率が50質量%以上であってもよい。
本発明はまた、飲料中のゲラニルアセテートの含有量が1.5μg/L以上となり、飲料中のβ‐カリオフィレンの含有量が0.2μg/L以上となるように調整することを含む、飲料の製造方法を提供する。
本発明はまた、飲料中のゲラニルアセテートの含有量が1.5μg/L以上となり、飲料中のβ‐カリオフィレンの含有量が0.2μg/L以上となるように調整することを含む、飲料のフローラルな香り及び柑橘的な香りを改善する方法を提供する。
本発明によれば、香りの中でも特にフローラルな香り及び柑橘的な香りに優れる飲料及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、飲料のフローラルな香り及び柑橘的な香りを改善する方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る飲料は、ゲラニルアセテートと、β‐カリオフィレンとを含有し、ゲラニルアセテートの含有量が1.5μg/L以上であり、β‐カリオフィレンの含有量が0.2μg/L以上である。
本実施形態に係る飲料は、ゲラニルアセテート(Geranyl acetate)を含有する。ゲラニルアセテートは、酢酸(2E)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-イル等とも称される化合物である。ゲラニルアセテートは、市販されているものを購入して入手したものであってもよい。
本実施形態に係る飲料において、ゲラニルアセテートの含有量は、飲料全量基準で、1.5μg/L以上であればよく、好ましくは1.6μg/L以上であり、より好ましくは、2.0μg/L以上である。ゲラニルアセテートの含有量は、飲料全量基準で、1000.0μg/L以下、500.0μg/L以下、100.0μg/L以下、50.0μg/L以下、又は20μg/L以下であってもよい。ゲラニルアセテートの含有量が上述の範囲内であれば、フローラルな香り及び柑橘的な香りがより一層優れたものとなる。
ゲラニルアセテートの含有量は、飲料の製造工程において、例えば、ゲラニルアセテート(又はゲラニルアセテートを含有する添加剤)を添加することにより調整することができる。また、ゲラニルアセテートの含有量は、例えば、原料の一部にゲラニルアセテートを含有する原料を使用することによって調整することもできる。
ゲラニルアセテートを含有する原料としては、例えば、グレープフルーツピールが挙げられる。
本実施形態に係る飲料は、β‐カリオフィレン(β-caryophyllene)を含有する。β‐カリオフィレンは、(E)-(1R,9S)-4,11,11-トリメチル-8-メチリデンビシクロ[7.2.0]ウンデカ-4-エン等とも称される化合物である。β‐カリオフィレンは、市販されているものを購入して入手したものであってもよい。
本実施形態に係る飲料において、β‐カリオフィレンの含有量は、飲料全量基準で、0.2μg/L以上であればよく、好ましくは0.5μg/L以上であり、より好ましくは、0.8μg/L以上であり、更に好ましくは1.0μg/L以上であり、更により好ましくは、1.5μg/L以上である。β‐カリオフィレンの含有量は、飲料全量基準で、20.0μg/L以下、15.0μg/L以下、10.0μg/L以下、7.0μg/L以下、5.0μg/L以下、4.0μg/L以下、3.0μg/L以下、2.0μg/L以下、0.7μg/L以下、又は0.6μg/L以下であってもよい。β‐カリオフィレンの含有量が上述の範囲内であれば、フローラルな香り及び柑橘的な香りがより一層優れたものとなる。
β‐カリオフィレンの含有量は、飲料の製造工程において、例えば、β‐カリオフィレン(又はβ‐カリオフィレンを含有する添加剤)を添加することにより調整することができる。また、β‐カリオフィレンの含有量は、例えば、原料の一部にβ‐カリオフィレンを含有する原料を使用することによって調整することもできる。
β‐カリオフィレンを含有する原料としては、例えば、オレンジピール、グレープフルーツピールが挙げられる。
本実施形態に係る飲料は、ヌートカトン(nootokatone)を更に含有してもよい。ヌートカトンは、ノートカトン、(+)-ヌートカトン、4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-6-イソプロペニル-4,4a-ジメチル-2(3H)-ナフタロン等とも称される化合物である。ヌートカトンは、市販されているものを購入して入手したものであってもよい。
本実施形態に係る飲料において、ヌートカトンの含有量は、飲料全量基準で、3.0μg/L以上であることが好ましく、5.0μg/L以上、8.0μg/L以上、10.0μg/L以上、15.0μg/L以上、又は20.0μg/L以上であってもよい。ヌートカトンの含有量は、飲料全量基準で、100.0μg/L以下、30.0μg/L以下、20.0μg/L以下、15.0μg/L以下、10.0μg/L以下、又は8.0μg/L以下であってもよい。上記飲料がヌートカトンを上述の含有量の範囲内で含む場合、フローラルな香り及び柑橘的な香りに優れると共に、後味がより一層優れたものとなる。ここで、後味とは、グレープフルーツ様で雑味のない後味を意味する。
ヌートカトンの含有量は、飲料の製造工程において、例えば、ヌートカトン(又はヌートカトンを含有する添加剤)を添加することにより調整することができる。また、ヌートカトンの含有量は、例えば、原料の一部にヌートカトンを含有する原料を使用することによって調整することもできる。
ヌートカトンを含有する原料としては、例えば、グレープフルーツピールが挙げられる。
本実施形態に係る飲料は、リナロールを更に含有してもよい。リナロールは、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール等とも称される化合物である。リナロールは、市販されているものを購入して入手したものであってもよい。
上記飲料がリナロールを含有する場合、リナロールの含有量は、飲料全量基準で、30μg/L以上、50μg/L以上、100μg/L以上、又は150μg/L以上であってもよく、1000μg/L以下、500μg/L以下、又は300μg/L以下であってもよい。上記飲料がリナロールを上述の含有量の範囲で含む場合、フローラルな香り及び柑橘的な香りがより一層優れたものとなる。
リナロールの含有量は、飲料の製造工程において、例えば、リナロール(又はリナロールを含有する添加剤)を添加することにより調整することができる。また、リナロールの含有量は、例えば、原料の一部にリナロールを含有する原料を使用することによって調整することもできる。
リナロールを含有する原料としては、例えば、ホップ、オレンジピールが挙げられる。
上述の成分(ゲラニルアセテート、β-カリオフィレン、ヌートカトン、又はリナロール)の含有量は、固相マイクロ抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法(SPME-GC-MS法)により測定することができる。具体的には、以下の方法で測定することができる。まず、測定サンプルを用意し、20mLのヘッドスペースバイアルに8mLの測定サンプルを入れ、密栓する。密栓したバイアルを50℃で15分間振盪した後、SPME用ファイバー(Polydimethylsiloxane/Divynylbenzene 65μm:スペルコ社製)をバイアル中のヘッドスペースに露出させる。50℃で30分間、測定サンプルに含まれる揮発性成分をファイバーに吸着させた後、注入口で3分間脱着させ、GC/MSにより分析する。GC/MS分析の測定条件は、例えば、以下のとおりである。
(GC-MS条件)
分析機器:7890B GC、5977B MSD(Agilent Technologies社製)
カラム:HP-1MS、30m(長さ)×0.25mm(内径)、1.0μm(膜厚)(Agilent Technologies社製)
注入モード:スプリット 50:1
流量:1mL/分(定流量)
注入口温度:270℃
オーブン温度:40℃(3分)→5℃/分→200℃(0分:達温)→10℃/分→320℃(3分)
MS検出器:SIM m/z 121及び136(リナロール)、121及び136(ゲラニルアセテート)、218及び203(ヌートカトン)、218及び203(β‐カリオフィレン)
本実施形態に係る飲料は、本発明による効果を阻害しない限り、飲料に通常配合される着色料、甘味料、酸味料、酸化防止剤、香料、塩類等の添加剤を含有してもよい。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素が挙げられる。甘味料としては、例えば、糖類(果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲン、デンプン等)、高甘味度甘味料(アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム等)が挙げられる。酸味料としては、例えば、クエン酸、アスコルビン酸、乳酸、リンゴ酸、リン酸、コハク酸、酒石酸、酢酸が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールが挙げられる。塩類としては、例えば、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウムが挙げられる。
本実施形態に係る飲料は、アルコール飲料であってもよく、ノンアルコール飲料(実質的にアルコールが含まれていない飲料)であってもよい。本実施形態に係る飲料がアルコール飲料である場合、当該アルコール飲料のアルコール度数は、例えば、1v/v%以上20v/v%以下であってよい。上記アルコール飲料のアルコール度数は、例えば、1v/v%以上、2v/v%以上、3v/v%以上、4v/v%以上、又は5v/v%以上であってもよく、20v/v%以下、15v/v%以下、10v/v%以下、9v/v%以下、8v/v%以下、7v/v%以下、6v/v%以下、5v/v%以下、4v/v%以下、又は3v/v%以下であってもよい。なお、本明細書においてアルコールとは、特に言及しない限りエタノールを意味する。
本実施形態に係る飲料は、ビールテイスト飲料であってもよい。本明細書においてビールテイスト飲料とは、ビールのような味及び香りを呈するものであって、飲用の際にビールを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料をいう。ビールテイスト飲料は、アルコール飲料であってもよく、ノンアルコール飲料であってもよい。ビールテイストアルコール飲料としては、例えば、日本国酒税法(平成二八年六月三日法律第五七号)上のビール、発泡酒、その他の醸造酒、リキュールに分類されるものが挙げられる。
本実施形態に係る飲料は、苦味価(BU)が40以下であってもよい。本実施形態に係る飲料において、苦味価は、35以下、又は30以下であってもよく、5以上、10以上、15以上、又は20以上であってもよい。飲料の苦味価が上述の範囲内である場合、飲料の苦味とフローラルな香り及び柑橘的な香りとの相乗効果により、飲料の果実らしい味わいがより一層優れたものとなる。さらに、原料の一部にグレープフルーツピールを用いることにより、苦味価が上述の範囲内である飲料は、グレープフルーツピール由来の苦味との関係でより爽やかな苦味(より爽やかなビールテイスト飲料らしい苦味)を呈するものとなる。
本明細書において苦味価とは、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.15 苦味価」に記載されている方法によって測定される数値をいう。苦味価は、例えば、飲料に添加するイソα酸、ホップ(乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキス等)等の苦味成分の配合量を調整することで、上記範囲で適宜設定することができる。
本実施形態に係る飲料は、非発泡性であってもよく、発泡性であってもよい。ここで、本実施形態における非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)以上であることをいう。発泡性とする場合、ガス圧は0.294MPa(3.0kg/cm)以下、又は0.235MPa(2.4kg/cm)以下であってよい。
本実施形態に係る飲料が発泡性である場合、上記飲料は、炭酸飲料であってもよい。
本実施形態の飲料は容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製等)のいわゆる缶容器・樽容器であってもよい。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等であってもよい。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器であってもよい。
本実施形態に係る飲料の製造方法は、飲料中のゲラニルアセテートの含有量が1.5μg/L以上となり、飲料中のβ‐カリオフィレンの含有量が0.2μg/L以上となるように調整することを含む。飲料中のゲラニルアセテート及びβ‐カリオフィレンの含有量は、例えば、上記記載の範囲となるように調整してもよい。また、上記製造方法は、飲料中のヌートカトンの含有量が3.0μg/Lとなるように調整することを更に含んでいてもよい。飲料中のヌートカトンの含有量は、例えば、上記記載の範囲となるように調整してもよい。さらに、上記製造方法は、飲料中のリナロールの含有量が上記記載の範囲となるように調整することを含んでいてもよい。
ゲラニルアセテート、β‐カリオフィレン、ヌートカトン及びリナロールの含有量は、例えば、上述のとおり、飲料に各化合物を添加することにより調整してもよく、原料として、各化合物を含有する原料(例えば、グレープフルーツピール、オレンジピール)を使用することにより調整してもよい。
本実施形態に係る飲料は、上述のように飲料中のゲラニルアセテート及びβ‐カリオフィレンの含有量を上記記載の範囲となるように調整すること、並びに必要に応じて、飲料中のヌートカトン及びリナロールの含有量を上記記載の範囲となるように調整すること以外は、例えば、常法に従って製造することができる。
飲料がビールテイスト飲料である場合、本実施形態に係る飲料(ビールテイスト飲料)は、例えば、以下の製造方法により得ることができる。まず、原料(仕込原料)と、水と、必要に応じて、酵素及び各種添加剤とを混合して、原料(又は一部の原料)を糖化して糖化液を得る。糖化液を濾過して得た仕込液に、必要に応じて、ホップの添加、煮沸、冷却等を行って発酵前液を得る。発酵前液にビール酵母を添加して発酵させ、発酵後液を得る。得られた発酵後液に対して、必要に応じて、濾過、加熱(殺菌)、アルコールの添加、カーボネーション等を行うことで、ビールテイスト飲料を製造することができる。
飲料(例えば、ビールテイスト飲料)の製造に用いる原料は、例えば、麦原料を含んでいてよい。本明細書において麦原料とは、麦又は麦加工物をいう。麦としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦が挙げられる。麦加工物としては、例えば、麦エキス、麦芽が挙げられる。麦芽にはモルトエキスが含まれる。上記原料が麦原料を含む場合、当該麦原料は麦芽を含むことが好ましい。
飲料の製造に用いる原料が麦芽を含む場合(飲料が原料として麦芽を使用したものである場合)、麦芽使用比率は、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、又は90質量%以上であってもよく、100質量%未満、又は95質量%以下であってもよい。なお、本明細書における麦芽使用比率とは、原料(水及びホップを除く)の総重量に占める麦芽の総重量の比率である。
飲料の製造に用いる原料は、グレープフルーツピール、オレンジピール等を含んでいてよい。すなわち、本実施形態に係る飲料は、原料として、グレープフルーツピール及びオレンジピールからなる群より選択される少なくとも1種を使用したものであってもよく、グレープフルーツピール及びオレンジピールを使用したものであってもよい。
本実施形態に係る製造方法により得られる飲料は、フローラルな香り及び柑橘的な香りに優れている。したがって、一実施形態において、本発明は、飲料中のゲラニルアセテートの含有量が1.5μg/L以上となり、飲料中のβ‐カリオフィレンの含有量が0.2μg/L以上となるように調整することを含む、飲料のフローラルな香り及び柑橘的な香りを改善する方法と捉えることもできる。
また、上記製造方法が飲料中のヌートカトンの含有量が3.0μg/L以上となるように調整することを更に含む場合、製造される飲料はフローラルな香り及び柑橘的な香りに優れると共に、より一層後味に優れたものとなる。したがって、上記方法が飲料中のヌートカトンの含有量が3.0μg/L以上となるように調整することを更に含む場合、一実施形態における上記方法は、飲料のフローラルな香り、柑橘的な香り及び後味を改善する方法と捉えることもできる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔試験例1:ゲラニルアセテート含有量の確認試験〕
炭酸水に、ゲラニルアセテートと、β‐カリオフィレンとを表1に示す含有量となるように添加してサンプル1-1~1-6の飲料を調製した。なお、サンプル1-1~1-6の飲料(炭酸飲料)において、β‐カリオフィレンの含有量は、0.2μg/Lで一定とした。
サンプル1-1~1-6の飲料について、官能評価を行った。官能評価は、訓練された4名のパネルにより、フローラルな香り及び柑橘的な香りについて、5段階(5:強い~1:弱い)で行い、その平均値を評価スコアとした。結果を表1に示す。
Figure 0007352676000001
β‐カリオフィレンの含有量が0.2μg/Lである飲料において、ゲラニルアセテートの含有量が1.5μg/L以上であるサンプル1-3~1-6の飲料は、ゲラニルアセテートの含有量が1.5μg/L未満であるサンプル1-1~1-2の飲料と比較して、フローラルな香り及び柑橘的な香りに優れていた。
〔試験例2:β‐カリオフィレン含有量の確認試験〕
炭酸水に、ゲラニルアセテートと、β‐カリオフィレンとを表2に示す含有量となるように添加してサンプル2-1~2-4の飲料を調製した。なお、サンプル2-1~2-4の飲料において、ゲラニルアセテートの含有量は、2.0μg/Lで一定とした。
サンプル2-1~2-4の飲料について、試験例1と同様の方法で、官能評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0007352676000002
ゲラニルアセテートの含有量が2.0μg/Lである飲料において、β‐カリオフィレンの含有量が0.2μg/L以上であるサンプル2-2~2-4の飲料は、β‐カリオフィレンを含有しないサンプル2-1の飲料と比較して、フローラルな香り及び柑橘的な香りに優れていた。
〔試験例3:ヌートカトン含有量の確認試験〕
炭酸水に、ゲラニルアセテートと、β‐カリオフィレンと、ヌートカトンとを表3に示す含有量となるように添加してサンプル3-1~3-4の飲料を調製した。なお、サンプル3-1~3-4の飲料において、ゲラニルアセテート及びβ‐カリオフィレンの含有量は、それぞれ2.0μg/L及び0.2μg/Lで一定とした。
サンプル3-1~3-4の飲料について、官能評価を行った。官能評価は、フローラルな香り、柑橘的な香り及び後味について行った。フローラルな香り及び柑橘的な香りについての官能評価は、試験例1と同様の方法で行った。また、後味についての官能評価は、訓練された4名のパネルにより、5段階(5:良い~1:悪い)で行い、その平均値を評価スコアとした。結果を表3に示す。なお、後味とは、グレープフルーツ様で雑味のない後味を意味する。
Figure 0007352676000003
ゲラニルアセテートの含有量が2.0μg/Lであり、β‐カリオフィレンの含有量が0.2μg/Lである飲料において、ヌートカトンの含有量が3.0μg/L以上であるサンプル3-2~3-4の飲料は、ヌートカトンを含有しないサンプル3-1の飲料と比較して、フローラルな香り及び柑橘的な香りに優れると共に、後味に優れていた。
〔試験例4:市販のビールテイスト飲料に対する添加試験〕
市販のビールテイスト飲料(発泡酒、アルコール度数5.5v/v%)に、ゲラニルアセテートと、β‐カリオフィレンと、ヌートカトンとを表4に示す含有量となるように添加してサンプル4-1~4-3のビールテイスト飲料を調製した。
サンプル4-1~4-3の飲料について、試験例1及び3と同様の方法で、官能評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 0007352676000004
飲料がビールテイスト飲料ある場合であっても、ゲラニルアセテートの含有量が1.5μg/L以上であり、β‐カリオフィレンの含有量が0.2μg/Lである場合、相対的に優れたフローラルな香り及び柑橘的な香りが維持されることが示された。また、ゲラニルアセテート、β‐カリオフィレン及びヌートカトンを所定の含有量で含むサンプル4-3のビールテイスト飲料は、フローラルな香り及び柑橘的な香りに優れると共に、後味に優れていた。
〔試験例5:醸造して得たビールテイスト飲料における効果〕
ビールテイスト飲料(麦芽使用比率:95%以上)を以下の方法により調製した。まず、麦芽と水とを混合した後、常法により糖化して、糖化液を調製した。糖化液を濾過して得た仕込液を煮沸、冷却等を行って、発酵前液を得た。発酵前液を得る過程において、ホップ、オレンジピール、及びグレープフルーツピールを添加した。次いで、発酵前液にビール酵母を添加して発酵させ、発酵後液を得た。発酵後液を濾過し、サンプル5-1のビールテイスト飲料(発泡酒)を調製した。
上述の方法で得たサンプル5-1のビールテイスト飲料は、ゲラニルアセテート、β‐カリオフィレン及びヌートカトンを表5に示す含有量で含むものであった。ゲラニルアセテート、β‐カリオフィレン及びヌートカトンの含有量は、SPME-GC-MS法により測定した。
サンプル5-1のビールテイスト飲料のリナロールの含有量は、200μg/Lであった。リナロールの含有量は、SPME-GC-MS法により測定した。また、サンプル5-1のビールテイスト飲料の苦味価は、26であった。
サンプル5-1のビールテイスト飲料の官能評価は、試験例1及び3と同様の方法により行った。結果を表5に示す。
Figure 0007352676000005
醸造して得た場合であっても、ゲラニルアセテートの含有量が1.5μg/L以上であり、β‐カリオフィレンの含有量が0.2μg/L以上であり、ヌートカトンの含有量が3.0μg/L以上であるビールテイスト飲料が、フローラルな香り及び柑橘的な香りに優れると共に、後味に優れることが示された。

Claims (7)

  1. ゲラニルアセテートと、β‐カリオフィレンと、ヌートカトンと、を含有し、
    ゲラニルアセテートの含有量が1.5μg/L以上であり、
    β‐カリオフィレンの含有量が0.2μg/L以上であり、
    ヌートカトンの含有量が3.0μg/L以上15.0μg/L以下であり、
    苦味価(BU)が30以下である、飲料(但し、Jinchen果汁を含有する飲料を除く。)。
  2. 炭酸飲料である、請求項1に記載の飲料。
  3. アルコール飲料である、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. ビールテイスト飲料である、請求項1~3のいずれか一項に記載の飲料。
  5. 麦芽使用比率が50質量%以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の飲料。
  6. 飲料中のゲラニルアセテートの含有量が1.5μg/L以上となり、飲料中のβ‐カリオフィレンの含有量が0.2μg/L以上となり、飲料中のヌートカトンの含有量が3.0μg/L以上15.0μg/L以下となり、飲料中の苦味価(BU)が30以下となるように調整することを含む、飲料(但し、Jinchen果汁を含有する飲料を除く。)の製造方法。
  7. 飲料中のゲラニルアセテートの含有量が1.5μg/L以上となり、飲料中のβ‐カリオフィレンの含有量が0.2μg/L以上となり、飲料中のヌートカトンの含有量が3.0μg/L以上15.0μg/L以下となり、飲料中の苦味価(BU)が30以下となるように調整することを含む、飲料(但し、Jinchen果汁を含有する飲料を除く。)のフローラルな香り及び柑橘的な香りを改善する方法。
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