JP2013132272A - フルーティーなホップ香気を強調した発酵麦芽飲料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リナロール(Linalool)、ゲラニルアセテート(Geranyl acetate)、β−シトロネロール(β-Citronellol)、ゲラニオール(Geraniol)、イソα酸およびS−フラクションを所定の濃度で含んでなる発酵麦芽飲料。
【選択図】なし
Description
(1)リナロール(Linalool)、ゲラニルアセテート(Geranyl acetate)、β−シトロネロール(β-Citronellol)、ゲラニオール(Geraniol)、イソα酸およびS−フラクションを少なくとも含んでなる発酵麦芽飲料であって、
リナロールの濃度が158.7〜231.6ppbであり、
ゲラニルアセテートの濃度が15.5〜22.1ppbであり、
β−シトロネロールの濃度が52.8〜84.5ppbであり、
ゲラニオールの濃度が87.2〜143.7ppbであり、
前記S−フラクションが、逆相クロマトグラフィーにおいてイソα酸のピークより前に検出される全てのピークであり(該逆相クロマトグラフィーは、前記発酵麦芽飲料10mlに1mlの3N塩酸を加え、そこに20mlのイソオクタンを加えて振とうした後に得られるイソオクタン有機溶媒層から10mlを採取し、その溶媒を蒸発させた後に残る固体に、内部標準物質としてβフェニルカルコン12mgを加えたリン酸メタノール溶液(リン酸:メタノール=40ml:400ml)を1ml加え、溶解したものを分析用試料とするものであり、検出を270nmの吸光度によって行うものである)、
前記逆相クロマトグラフィーにおけるイソα酸のピーク面積が、内部標準物質であるβフェニルカルコンのピーク面積の2.38〜2.96倍であり、
前記逆相クロマトグラフィーにおけるS−フラクションのピーク面積が、イソα酸のピーク面積の1.0080〜1.7601倍である、発酵麦芽飲料。
(2)リナロールの濃度が195.6〜231.6ppbであり、
ゲラニルアセテートの濃度が18.4〜22.1ppbであり、
β−シトロネロールの濃度が55.7〜84.5ppbであり、
ゲラニオールの濃度が97.7〜143.7ppbであり、
前記逆相クロマトグラフィーにおけるイソα酸のピーク面積が、内部標準物質であるβフェニルカルコンのピーク面積の2.38〜2.61倍であり、
前記逆相クロマトグラフィーにおけるS−フラクションのピーク面積が、イソα酸のピーク面積の1.0080〜1.7601倍である、前記(1)に記載の発酵麦芽飲料。
(3)少なくとも予め加熱処理されたホップが添加された発酵前液を発酵させることを含んでなる、前記(1)または(2)に記載の発酵麦芽飲料の製造方法。
(4)ホップがカスケード種のものである、前記(3)に記載の製造方法。
本発明による発酵麦芽飲料は、リナロール(Linalool)、ゲラニルアセテート(Geranyl acetate)、β−シトロネロール(β-Citronellol)、ゲラニオール(Geraniol)、イソα酸およびS−フラクションを所定の含有量で含有することを特徴とする。
リナロールの濃度が158.7〜231.6ppb、好ましくは195.6〜231.6ppbであり、
ゲラニルアセテートの濃度が15.5〜22.1ppb、好ましくは18.4〜22.1ppbであり、
β−シトロネロールの濃度が52.8〜84.5ppb、好ましくは55.7〜84.5ppbであり、
ゲラニオールの濃度が87.2〜143.7ppb、好ましくは97.7〜143.7ppbであり、
前記逆相クロマトグラフィーにおけるイソα酸のピーク面積が、内部標準物質であるβフェニルカルコンのピーク面積の2.38〜2.96倍、好ましくは2.38〜2.61倍であり、
前記逆相クロマトグラフィーにおけるS−フラクションのピーク面積が、イソα酸のピーク面積の1.0080〜1.7601倍である。
本発明による発酵麦芽飲料は、リナロール、ゲラニルアセテート、β−シトロネロール、ゲラニオール、イソα酸およびS−フラクションを、所定の含有量となるように添加することにより製造することができる。
本実施例では、予め熱処理を加えたホップを用いて試飲サンプルを製造し、この試飲サンプルについて官能評価および成分分析を行った。
仕込時の麦芽使用比率を67%とし、副原料(米、コーングリッツおよびコーンスターチ)を使用比率33%として調製した仕込麦汁(麦汁糖度10度)を調製した。電気ヒーターを用いて一定強度で60分間煮沸を行ったところ、蒸発率は10%であった。その後、麦汁を90℃で60分間静置させた。濾紙により濾過を行った後に、氷水中で麦汁を冷却した。その後、発酵前液にビール酵母を添加して1週間主発酵を行い、その後さらに4日間後発酵を行うことにより、試飲サンプルを得た。ホップとしては、アメリカ産カスケード種(Barth社より購入)、および国産ホップ品種であるキリン2号を使用し、試験区1〜12の試飲サンプルを用意した。各試験区におけるホップの添加量、品種、添加時期および加熱処理については、下記の表2および表3に示す。
得られた各試験区の試飲サンプルおよび市販品を対象として、3名のパネルによる官能評価を行った。官能評価はS、A、BおよびCの4段階評価により行った。
(1)試飲用サンプルの質量分析計付きガスクロマトグラフィー(GC/MS)によるホップ香気成分の分析による指標成分濃度の算出
サンプル中の香気成分をC18固相カラムで抽出し、ジクロロメタン溶出画分をGC/MSに供した。定量は内部標準法を用いた。内部標準物質にはボルネオール(Borneol)を用い、試料中25ppbになるよう添加した。GC/MSにおけるホップ香気成分の分析条件は以下のとおりである。
HPLC分析のための試料を調製するため、試飲サンプル10mlに1mlの3N塩酸を加えた後、20mlのイソオクタンを加え、振とうした後に静置した。得られた溶液は、水溶層とイソオクタンから成る有機溶媒層の2層に分離し、イソオクタン有機溶媒層から10mlを採取した。採取した有機溶媒層の液体を、窒素ガス噴霧下で完全に乾燥させて固化した。これに、内部標準物質として、βフェニルカルコン12mgを加えたリン酸メタノール溶液(リン酸:メタノール=40ml:400ml)を1ml加え、溶解したものをHPLC分析用試料とした。HPLCの分析条件は、以下の通りである。
次に、試飲用サンプルのGC/MS分析およびHPLC分析の結果を、官能評価結果とともに下記の表6にまとめた。
官能評価結果に密接に関連した成分指標を得るため、香気成分と苦味成分を解析した。香気成分ついては、ミルセン(Myrcene)、(Z)−3−ヘキセン−1−オール((Z)-3-hexen-1-ol)、リナロール(Linalool)、β−カリオフィレン(β-Caryophyllene)、α−フムレン(α-Humulene)、エチル9−デセノエート(Ethyl 9-decenoate)、ゲラニルアセテート(Geranyl acetate)、β−シトロネロール(β-Citronellol)、ネロール(Nerol)およびゲラニオール(Geraniol)を候補とした。苦味成分については、S−フラクション、イソα酸、α酸、およびS−フラクションのイソα酸に対する比率を候補とした。これらの候補について、指標成分を得るための統計解析を行った。
試験例1において選択された6成分の各定量値の範囲と、官能評価結果との関係を表8にまとめた。
Claims (4)
- リナロール(Linalool)、ゲラニルアセテート(Geranyl acetate)、β−シトロネロール(β-Citronellol)、ゲラニオール(Geraniol)、イソα酸およびS−フラクションを少なくとも含んでなる発酵麦芽飲料であって、
リナロールの濃度が158.7〜231.6ppbであり、
ゲラニルアセテートの濃度が15.5〜22.1ppbであり、
β−シトロネロールの濃度が52.8〜84.5ppbであり、
ゲラニオールの濃度が87.2〜143.7ppbであり、
前記S−フラクションが、逆相クロマトグラフィーにおいてイソα酸のピークより前に検出される全てのピークであり(該逆相クロマトグラフィーは、前記発酵麦芽飲料10mlに1mlの3N塩酸を加え、そこに20mlのイソオクタンを加えて振とうした後に得られるイソオクタン有機溶媒層から10mlを採取し、その溶媒を蒸発させた後に残る固体に、内部標準物質としてβフェニルカルコン12mgを加えたリン酸メタノール溶液(リン酸:メタノール=40ml:400ml)を1ml加え、溶解したものを分析用試料とするものであり、検出を270nmの吸光度によって行うものである)、
前記逆相クロマトグラフィーにおけるイソα酸のピーク面積が、内部標準物質であるβフェニルカルコンのピーク面積の2.38〜2.96倍であり、
前記逆相クロマトグラフィーにおけるS−フラクションのピーク面積が、イソα酸のピーク面積の1.0080〜1.7601倍である、発酵麦芽飲料。 - リナロールの濃度が195.6〜231.6ppbであり、
ゲラニルアセテートの濃度が18.4〜22.1ppbであり、
β−シトロネロールの濃度が55.7〜84.5ppbであり、
ゲラニオールの濃度が97.7〜143.7ppbであり、
前記逆相クロマトグラフィーにおけるイソα酸のピーク面積が、内部標準物質であるβフェニルカルコンのピーク面積の2.38〜2.61倍であり、
前記逆相クロマトグラフィーにおけるS−フラクションのピーク面積が、イソα酸のピーク面積の1.0080〜1.7601倍である、請求項1に記載の発酵麦芽飲料。 - 少なくとも予め加熱処理されたホップが添加された発酵前液を発酵させることを含んでなる、請求項1または2に記載の発酵麦芽飲料の製造方法。
- ホップがカスケード種のものである、請求項3に記載の製造方法。
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