JP7344637B2 - 塩化ビニリデン系樹脂フィルムによる包装体 - Google Patents
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特許文献3には、その塩化ビニリデン系樹脂フィルムの溶着のT型剥離強度とせん断剥離強度をほどよい範囲に調整することにより、レトルト耐性と易開封性を両立させようという発明が開示されている。しかしながら、T型剥離強度とせん断剥離強度をほどよい範囲に調整する方法については、段落0062に「高周波電力を印加するための電流または電圧の一方または両方を調整したり、高周波を印加する部位を調整したりすることによって容易に行うことができる。」と記載されるのみであり、具体的な手法については開示されていない。1本の溶着線のT型剥離強度とせん断剥離強度とは相関する性質であり、高周波電力の調節だけでどのようにすれば、一方のみを弱くしたり強くしたりできるのか不明である。仮に微妙なピンポイントの調整により可能であったとしても、微妙な調整を要する方法では大量生産における再現性、安定性に欠ける。
本発明は、塩化ビニリデン系樹脂フィルムを用いた包装体の開封をより確実に容易に行うことができる包装体を提供することを課題とする。
(1)塩化ビニリデン系樹脂のフィルムが縦シールにより筒状に形成された筒状フィルムと;
前記筒状フィルムに充填された内容物と;
前記内容物が充填された前記筒状フィルムの集束された両端部を結紮して結紮端部を形成する結紮部材を備え;
前記縦シールが少なくとも2本の溶着線で形成されている;
包装体。
(2)さらに、縦シールにより包装体の外側に帯状にはみ出したフィルムの縁片に開封のための切り目及び/又は小孔を有する(1)の包装体。
(3)前記少なくとも2本の溶着線の1本の線幅がそれぞれ独立に10~1,000μmである(1)又は(2)の包装体。
(4)前記少なくとも2本の溶着線が50~5,000μmの間隔で隣接している(1)ないし(3)いずれかの包装体。
(5)高周波誘電加熱方法により溶着することを特徴とする(1)ないし(5)いずれかの包装体の製造方法。
(6)前記筒状フィルムが封筒張り又は合掌張りにより形成されるものである(1)ないし(4)いずれかの包装体。
(7)前記内容物が、練肉を含む食品である(1)ないし(6)いずれかの包装体。
合成樹脂のテープを用いずに筒状フィルム5を束ねた部分を直に溶着して結紮してもよく、この場合は溶着により溶けた部分が結紮部材6となって溶けた部分の根元が結紮部材6の根元となる。結紮部材6で、内容物9が充填された筒状フィルム5の両端を結紮することにより、筒状フィルム5の両端に結紮端部5Eが形成される。内容物9が充填された筒状フィルム5は、結紮部材6によって、製造される包装体1を湯煮しても内容物9が漏れない程度の密封性をもって結紮される。結紮部材6はアルミワイヤクリップなどでもよい。
本発明では、従来、1本の溶着線で行われていた縦シールの溶着を少なくとも2本の溶着線で行う。どのような方法で行ってもよいが、例えば、高周波誘電加熱に用いられる電極を図3に示すような形状に変えるだけで、溶着線を2本にすることができる。図4に1本の電極で溶着したフィルムの断面の写真、図5に2本の溶着線で溶着したフィルムの写真を示した。細い溶着線とすることにより、溶着部の厚みが薄くなっていることがわかる。図4の1本溶着線では、この溶着部の厚みのために、耳部に設けた切り目からフィルムに裂け目を作ることができても、溶着部を超えてフィルムを開封することができない。一方、図5では、溶着線が細いため、溶着部の厚みも薄くなっており、フィルムの開封が容易になる。
溶着線の本数を複数にすることにより、剪断強度(レトルト耐性)を維持したまま、フィルムの裂け目が溶着線を超える力を小さくすることができる。溶着線の本数は必要に応じて、2~10本とすることができる。2~5本、2~3本が好ましい。複数の溶着線は図3の電極のように1つの電極で形成してもよいし、複数の電極をずらして設置することにより形成してもよい。1つの電極で形成するのは、溶着線のずれや重なりなどが生じない点で好ましい。
複数の溶着線は同じ太さでも、異なる太さでも構わず、溶着線の間隔も一定である必要はない。
具体的には、溶着線の1本の線幅はそれぞれ独立に10~1,000μmが適当である。好ましくは、50~500μm、100~500μm、100~300μmである。
溶着線の間隔は、相互の溶着によりフィルムの溶着部の厚みが増さない程度の間隔をあけることが必要である。少なくとも溶着線の幅以上の間隔をあけるのが好ましい。複数の溶着線の強度の合計により剪断強度を維持するためには、間隔をあけすぎるのも好ましくない。
具体的には、50~5,000μmの範囲に設定するのが好ましい。さらに好ましくは、50~3000μm、100~2000μm、100~1000μmである。
フィルムの耳部の切り目から生じたフィルムの裂け目がフィルムの部を超えてフィルムの開封に至る力(切込剥離強度)は、T型剥離強度と相関するものであるが、はるかに小さい力で開封することができる。
開封片は、製造された包装体1における筒状フィルム5の開封を容易にするために設けられている部材である。耳部7に切り目及び/又は小孔を設けない場合に、フィルム開封のきっかけとするために設けることができる。開封片は、通常合成樹脂のフィルムが長方形に形成されて構成されている。もっとも、長方形に限定されることなく、正方形やその他の多角形であってもよい。しかしながら、長方形(矩形)とすることが、用途に最も適しており、また、材料の選定の自由度が高くなり好適である。開封片の材質は、筒状フィルム5を形成する帯状のフィルムの材質と同様に、塩化ビニリデン系樹脂とするのが好ましい。開封片と筒状のフィルムとは、同じ材質であっても異なる材質であってもよい。開封片の溶着線は従来用いられているいずれの態様でもよい。
用いた包装体は、魚肉ソーセージを内容物とする直径23mm、長さ170mm、内容物75gの包装体である。フィルムは、厚さ41μmの2層のポリ塩化ビニリデンフィルム(ポリ塩化ビニリデン単層ダブルプライフィルム)を用いた。118℃で16分間レトルト処理を行って得たものをサンプルとした。
フィルムを筒状に溶着する溶着方法は、いずれも高周波誘導加熱方法により、1本線と2本線の電極を用いることにより溶着した。レトルト処理に掛ける前の溶着の状況を図1及び2に示した。1本線では図1に示すように幅378μm、厚さ111μmの溶着であり、2本線では、図2に示すように559μmの間隔をあけて、幅131μm、厚さ116μmと幅148μm、厚さ126μmの溶着であった。
これらの包装体の剪断強度と切込剥離強度を測定した。測定方法は、株式会社イマダのデジタルフォースゲージを用いて、レトルト後の包装体から内容物を取り出し、溶着線の反対側で筒を切り開き、フィルムを16mm幅とし、フィルムの一方をクランプで挟み、他方を一定速度で引いて測定した。結果を表1に示す。
剪断強度は、フィルムを16mm幅としたためかフィルム強度が低下し、溶着線ではなく、フィルムが破断してしまったため参考値であるが、実施例、比較例とも実際のレトルト処理に耐えるのに十分な強度があった。一方、2本線とすることにより、切込剥離強度は1本線の場合の1/3以下となった。
これらの包装体のフィルムの耳部の切込みから開封を試みたところ、実施例は容易に開封することができたが、比較例は手で開封することはできなかった。
5 筒状フィルム
5E 結紮端部
6 結紮部材
7 フィルム端部(耳部)
9 内容物
10 縦シール
10a、10b 2本の溶着線
11 切り目及び/又は小孔
Claims (6)
- 塩化ビニリデン系樹脂のフィルムが縦シールにより筒状に形成された筒状フィルムと;
前記筒状フィルムに充填された内容物と;
前記内容物が充填された前記筒状フィルムの集束された両端部を結紮して結紮端部を形成する結紮部材を備え;
前記縦シールが2本の溶着線のみで形成されており;
前記2本の溶着線が50~1,000μmの間隔で隣接している包装体。 - さらに、縦シールにより包装体の外側に帯状にはみ出したフィルムの縁片に開封のための切り目及び/又は小孔を有する請求項1の包装体。
- 塩化ビニリデン系樹脂のフィルムが縦シールにより筒状に形成された筒状フィルムと;
前記筒状フィルムに充填された内容物と;
前記内容物が充填された前記筒状フィルムの集束された両端部を結紮して結紮端部を形成する結紮部材を備え;
前記縦シールが2本の溶着線で形成されており;
前記2本の溶着線が50~1,000μmの間隔で隣接しており、
前記2本の溶着線の1本の線幅がそれぞれ独立に10μm以上500μm未満である、包装体。 - 前記筒状フィルムの裏表のいずれかの同一面同士が接触している請求項1ないし3いずれかの包装体。
- 前記内容物が、練肉を含む食品である請求項1ないし4いずれかの包装体。
- 高周波誘電加熱方法により溶着することを特徴とする請求項1ないし5いずれかの包装体の製造方法。
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