JP2023115240A - 塩化ビニリデン系樹脂フィルムによる包装体 - Google Patents

塩化ビニリデン系樹脂フィルムによる包装体 Download PDF

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真之 砂埜
Masayuki Sunato
紘章 石田
Hiroaki Ishida
政樹 畔柳
Masaki Azeyanagi
雄亮 岩▲崎▼
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Abstract

【課題】筒状フィルムの開封をより確実、容易に行うことができる塩化ビニリデン系樹脂フィルム包装体の提供。
【解決手段】塩化ビニリデン系樹脂のフィルムが筒状に形成された筒状フィルムと;前記筒状フィルムに充填された内容物と;前記内容物が充填された前記筒状フィルムの集束された両端部を結紮して結紮端部を形成する結紮部材を備え;前記筒状フィルムが少なくとも2本の溶着線による封筒張りで形成されている;包装体である。さらに、包装体の外側に帯状にはみ出したフィルムの縁片に開封のための切り目及び/又は小孔を有する包装体である。
【選択図】図1

Description

本発明は塩化ビニリデン系樹脂フィルムによる包装体に関し、特に筒状フィルムの開封を容易かつ確実に行うことができる包装体に関する。
ソーセージやプロセスチーズに代表される加工食品が密封された包装体は、一般に、筒状に形成されたフィルム(ケーシング)に内容物が充填され、両端が集束され結紮されて製造されている。このようなロケット包装体のフィルムの開封を容易にするために、フィルムを筒状に形成する際にできる、包装体の外側に帯状にはみ出したフィルムの縁片(耳部)に開封のための切り目や小孔を設ける方法が知られている。このような包装体は、これら切り目や小孔をきっかけにしてフィルムに裂け目をいれて引っ張ることにより、フィルムの溶着線を越えて包装フィルムが破壊されるものであり、様々な形態のものがある。
特許文献1には、「筒状をなす固形状内容物が、筒軸に沿って延在する背貼りシール部と、筒両端は金属環で集束した結紮部とを有した塩化ビニリデン系樹脂フィルムで密封包装されている筒状密封包装において、該背貼りシール線を介して包装体外部に帯状にはみ出したフィルム耳片の、その側縁から1.5mm~3mmの間隔をおいた耳片のほぼ中央部に、フィルム層を貫通する微小面積の穴又は切線でなる切り目が、該耳片の長軸を横断する方向性をもって、かつ、該耳片の長軸方向に間隔をおいて多数配列されてあることを特徴とする塩化ビニリデン系樹脂フィルムで包装された易開装性筒状密封包装体。」が開示されている。
特許文献2には、「帯状の塩化ビニリデン系樹脂フィルムの両側縁部を重ね合わせ、この重ね合わせ部分を当該フィルムの長手方向にわたり所定の幅で熱融着してシール部を形成してなる筒状フィルムと、内容物が充填された前記筒状フィルムの両端部を封止する封止部材と、前記塩化ビニリデン系樹脂フィルムの一方の側縁部であって前記筒状フィルムの外側に帯状にはみ出したフィルム外耳片と、を備えた密封包装体において、前記重ね合わせ部分をなす前記塩化ビニリデン系樹脂フィルムの2つの当接面の少なくとも一方は、複数の不貫通の穴または切れ目が一列に並ぶように形成されてなる傷痕群を複数列有し、前記傷痕群は、前記シール部の幅を超えて前記シール部を横切るように設けられていることを特徴とする易開封性密封包装体。」が開示されている。
特許文献3には、「長手方向に延びる外耳部を有する縦シール部を備え、長手方向の両端部が集束された筒状の樹脂製フィルムに、内容物が充填されて封入されてなる充填包装体であって、筒状の樹脂製フィルムは、ポリ塩化ビニリデン系樹脂から形成され、又は、ポリ塩化ビニリデン系樹脂とエチレン-酢酸ビニル共重合体とから形成され、筒状の樹脂製フィルムにおいて、エチレン-酢酸ビニル共重合体の量は、ポリ塩化ビニリデン系樹脂100質量部に対して5質量部以下であり、長手方向に延びる外耳部を有する縦シール部は、高周波誘導加熱により形成されたものであり、T型剥離強度が23N以下、かつ、せん断剥離強度が40N以上であることを特徴とする充填包装体。」が開示されている。
特許文献4には、「フィルムによって筒状の包装筒が形成され、この筒状の包装筒内に加工食品が充填されているとともに、包装筒の長手方向両端部が閉じられているフィルム包装体において、筒状に形成された前記フィルムの一方の縁片が包装筒の外面方向へ折返えされて、他方のフィルムの縁片が前記一方のフィルムの縁片の外側に重ねられており且つ、包装筒を形成しているフィルムと一方のフィルム縁片との折返し部を余した位置にて、2枚のフィルム縁片と包装筒を形成しているフィルムとが一緒に溶着線によって溶着されていることを特徴とする加工食品が充填された筒状フィルム包装体。」が開示されている。
特開昭63-12471号公報 特許第5385110号公報 特許第6285212号公報 特公平6-41312号公報
魚肉ソーセージ等の包装体はレトルト耐性があり、長期保存が可能なことから長年にわたり広く利用されているが、フィルムが強く密封性が高いほど、開封する際に、カッターやハサミが必要になるという問題があった。フィルムに切り目や小孔の列を設けて、それをきっかけにして開封する方法や開封片を接着しておき、それを引っ張ることにより生じる裂け目をきっかけにして開封する方法などが用いられている。それでもなお、誰が行っても簡単にうまく開封することができるものとはいえなかった。特に塩化ビニリデン系樹脂フィルムを用いた包装体では、レトルト耐性が十分になるように溶着すると、フィルム自体と溶着部が強固であるため開封が困難であった。
特許文献3には、その塩化ビニリデン系樹脂フィルムの溶着のT型剥離強度とせん断剥離強度をほどよい範囲に調整することにより、レトルト耐性と易開封性を両立させようという発明が開示されている。しかしながら、T型剥離強度とせん断剥離強度をほどよい範囲に調整する方法については、段落0062に「高周波電力を印加するための電流または電圧の一方または両方を調整したり、高周波を印加する部位を調整したりすることによって容易に行うことができる。」と記載されるのみであり、具体的な手法については開示されていない。1本の溶着線のT型剥離強度とせん断剥離強度とは相関する性質であり、高周波電力の調節だけでどのようにすれば、一方のみを弱くしたり強くしたりできるのか不明である。仮に微妙なピンポイントの調整により可能であったとしても、微妙な調整を要する方法では大量生産における再現性、安定性に欠ける。
本発明は、塩化ビニリデン系樹脂フィルムを用いた包装体の開封をより確実に容易に行うことができる包装体を提供することを課題とする。
本発明者らは、塩化ビニリデン系樹脂フィルムの縁片(耳部)に開封のための切り目及び/又は小孔を設けて包装体を開封する方法を検討したところ、切り目や小孔によりフィルムを裂くことができても、塩化ビニリデン系樹脂フィルムの場合、溶着線が強固であるため、裂け目が溶着線を越えて包装体を開封するまでにいたらないことを見出した。溶着線の溶着の強度をいろいろ変更してみたが、裂け目が溶着線を超えることができる程度に溶着を弱くすると、レトルト耐性が十分でなくなってしまう。塩化ビニリデン系樹脂フィルムを用いて、切り目や小孔によりフィルムを裂く方法を採用するのは困難かと思われたが、1本の溶着線ではなく、細い溶着線の組み合わせを採用することにより、レトルト耐性を維持しながら、1本1本の溶着線を裂くための強度を小さくできることを見出した。
本発明は、以下の(1)~(7)の包装体を要旨とする。
(1)塩化ビニリデン系樹脂のフィルムが縦シールにより筒状に形成された筒状フィルムと;
前記筒状フィルムに充填された内容物と;
前記内容物が充填された前記筒状フィルムの集束された両端部を結紮して結紮端部を形成する結紮部材を備え;
前記縦シールが少なくとも2本の溶着線で形成されている;
包装体。
(2)さらに、縦シールにより包装体の外側に帯状にはみ出したフィルムの縁片に開封のための切り目及び/又は小孔を有する、(1)の包装体。
(3)前記少なくとも2本の溶着線の1本の線幅がそれぞれ独立に10~1000μmである、(1)又は(2)の包装体。
(4)前記少なくとも2本の溶着線が50~5000μmの間隔で隣接している、(1)ないし(3)いずれかの包装体。
(5)高周波誘電加熱方法により溶着することを特徴とする、(1)ないし(5)いずれかの包装体の製造方法。
(6)前記筒状フィルムが封筒張り又は合掌張りにより形成されるものである、(1)ないし(4)いずれかの包装体。
(7)前記内容物が、練肉を含む食品である、(1)ないし(6)いずれかの包装体。
本発明の構成とすることにより、塩化ビニリデン系樹脂フィルムを用いた包装体の開封を容易に行うことができる包装体を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る包装体を説明する図である。(a)は全体正面図、(b)は一方の結紮端部側の周辺を示す部分拡大図、(c)は包装体の軸直角断面図である。 縦シールを合掌張りで行った場合の包装体の軸直角断面図である。 縦シールのための電極の拡大写真である。 溶着線1本で縦シールしたフィルムの断面の拡大写真である。 溶着線2本で縦シールしたフィルムの断面の拡大写真である。 包装体の縦シールの剪断強度を測定する際につかむ位置を示した図である。 包装体の縦シールの切込破断強度を測定する際につかむ位置を示した図である。筒状フィルムの縦シールの反対側を切り開き、平面とし、耳部7に切込みをいれた状態を示す模式図である。
本発明の包装体においては、内容物9(例えば図1参照)が、練り肉を主原料とする練製品原料あるいはソーセージ原料であってもよい。練り肉は、典型的には、当初糊状であり、加熱する前はゾル状であり、加熱によりゲル状となる。具体的には、練肉を用いる魚肉ソーセージ、畜肉ソーセージ、かまぼこの他、ハム、ハンバーグ、チーズなどを内容物とすることもできる。
まず図1を参照して、本発明の実施の形態に係る包装体1を説明する。図1は、包装体1を説明する図であり、(a)は縦シールの側から見た全体正面図、(b)は一方の結紮端部5E側の縦シール10の周辺を示す部分拡大図、(c)は包装体1の軸直角断面図である。包装体1は、合成樹脂のフィルムが筒状に形成された筒状フィルム5と、筒状フィルム5に充填された内容物9と、内容物9が充填された筒状フィルム5の両端部を結紮する結紮部材6と、縦シールにより包装体の外側に帯状にはみ出したフィルムの縁片(耳部)7に連続した小孔11を備えている。
筒状フィルム5は、帯状の合成樹脂のフィルムが筒状に巻かれ、長手方向に延びる両側辺が重ね合わせられ、重ね合わせられた部分が長手方向に沿って溶着(縦シール10)されることにより形成されている。筒状フィルム5を形成する帯状の合成樹脂のフィルムは、加熱溶着させるため塩化ビニリデン系樹脂とするのが好ましい。塩化ビニリデン系樹脂としては、塩化ビニリデン-塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン-メチルメタクリレート共重合体、又は塩化ビニリデン-塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を好適に用いることができ、特に好ましくは塩化ビニリデン-塩化ビニル共重合体である。塩化ビニリデン系樹脂の性質を損なわない範囲でその他の樹脂が混合された重合体を用いることもできる。
帯状のフィルムの両側辺の重ね方は、フィルムの表裏が異なる面を接触させる封筒貼り及びフィルムの表裏のいずれかの同一面同士を接触させる合掌貼りのいずれでもよいが、本実施の形態では封筒貼りとしている(図1(c)参照)。封筒張りではフィルムの重なりが2枚であるのに対し、合掌張り(図2)では折りたたんだフィルム縁部があるため重なりが3枚になり、やや強い溶着が必要になる。
内容物9は、本実施の形態では、食用としての魚の肉である魚肉練り肉(魚肉練製品及び魚肉ソーセージの原料)が主原料として好適に用いられるが、獣肉の練り肉であってもよい。魚肉練り肉は、典型的には、当初糊状であり、加熱する前はゾル状であり、加熱によりゲル状となる。魚肉練製品と魚肉ソーセージとの違いは、製造方法の違いによる。典型的には蒲鉾や竹輪である魚肉練製品は、魚肉練り肉に食塩を添加して塩ずりした後に、20℃から40℃程度に10分間から20時間程度保つ坐り工程を経て製造される。他方、魚肉ソーセージは、魚肉練り肉の配合仕様として澱粉や油脂などの配合割合が多く、坐り工程を経ずに、加熱工程を経て製造される。このように製造された魚肉練製品と魚肉ソーセージとの性状の違いは、典型的には、その弾力性状であり、魚肉練製品は比較的弾性が大きく、魚肉ソーセージは比較的弾性が小さい。内容物9は、筒状フィルム5に充填される際はゾル状であるため、内容物9を筒状フィルム5に充填する際に内容物9の流路が閉塞されることを回避することができ、内容物9の筒状フィルム5への充填が容易になる。また、内容物9は、保存食品として乾燥・湯煮又は調理を行うことができるものであってもよい。
結紮部材6は、合成樹脂のテープを重ねて溶着することにより構成されている。本実施の形態では、内容物9が充填された筒状フィルム5の端部を束ね(集束)、束ねた部分を合成樹脂のテープで両側から挟み、束ねた部分を合成樹脂のテープと共に溶着することにより構成されている。合成樹脂のテープとしては、筒状フィルム5を形成する帯状のフィルムの材質と同様に、塩化ビニリデン系樹脂とするのが好ましく、塩化ビニリデン系樹脂としては、塩化ビニリデン-塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン-メチルメタクリレート共重合体、又は塩化ビニリデン-塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を好適に用いることができ、特に好ましくは塩化ビニリデン-塩化ビニル共重合体である。
合成樹脂のテープを用いずに筒状フィルム5を束ねた部分を直に溶着して結紮してもよく、この場合は溶着により溶けた部分が結紮部材6となって溶けた部分の根元が結紮部材6の根元となる。結紮部材6で、内容物9が充填された筒状フィルム5の両端を結紮することにより、筒状フィルム5の両端に結紮端部5Eが形成される。内容物9が充填された筒状フィルム5は、結紮部材6によって、製造される包装体1を湯煮しても内容物9が漏れない程度の密封性をもって結紮される。結紮部材6はアルミワイヤクリップなどでもよい。
縦シール10は、高周波誘導加熱、超音波加熱、レーザー加熱、抵抗加熱等による溶着、接着剤による接着などの方法で行われる。
本発明では、従来、1本の溶着線で行われていた縦シールの溶着を少なくとも2本の溶着線で行う。どのような方法で行ってもよいが、例えば、高周波誘電加熱に用いられる電極を図3に示すような形状に変えるだけで、溶着線を2本にすることができる。図4に1本の電極で溶着したフィルムの断面の写真、図5に2本の溶着線で溶着したフィルムの写真を示した。細い溶着線とすることにより、溶着部の厚みが薄くなっていることがわかる。図4の1本溶着線では、この溶着部の厚みのために、耳部に設けた切り目からフィルムに裂け目を作ることができても、溶着部を超えてフィルムを開封することができない。一方、図5では、溶着線が細いため、溶着部の厚みも薄くなっており、フィルムの開封が容易になる。
溶着線の本数を複数にすることにより、剪断強度(レトルト耐性)を維持したまま、フィルムの裂け目が溶着線を超える力を小さくすることができる。溶着線の本数は必要に応じて、2~10本とすることができる。2~5本、2~3本が好ましい。複数の溶着線は図3の電極のように1つの電極で形成してもよいし、複数の電極をずらして設置することにより形成してもよい。1つの電極で形成するのは、溶着線のずれや重なりなどが生じない点で好ましい。
複数の溶着線は同じ太さでも、異なる太さでも構わず、溶着線の間隔も一定である必要はない。
具体的には、溶着線の1本の線幅はそれぞれ独立に10~1000μmが適当である。好ましくは、50~500μm、100~500μm、100~300μmである。
溶着線の間隔は、相互の溶着によりフィルムの溶着部の厚みが増さない程度の間隔をあけることが必要である。少なくとも溶着線の幅以上の間隔をあけるのが好ましい。複数の溶着線の強度の合計により剪断強度を維持するためには、間隔をあけすぎるのも好ましくない。
具体的には、50~5000μmの範囲に設定するのが好ましい。さらに好ましくは、50~3000μm、100~2000μm、100~1000μmである。
接着の強度の評価は、接着成分と被着体の破壊の方法によって、剥離強度(90°剥離、180°剥離、T型剥離)、剪断強度(引張剪断、圧縮剪断)、引張接着強度などの強さを測定して評価する方法が知られている。それらのうち、レトルト耐性を測定するのに適しているのは、引張剪断強度であり、フィルムの耳部をもって開封する強度はT型剥離強度である。本願発明の一つの態様では、耳部7の切り目及び/又は小孔をきっかけとして開封する。その場合の開封の強度は、フィルムに切込みを入れてからT型剥離強度と同様に開封する強度(切込剥離強度)として測定することができる。強度は、フォースゲージを用いて測定でき、接着の破壊に必要な力の大きさで表現される。実施例では、図6に示したように溶着したフィルムのAとCをつまんで引っ張って溶着が破壊した力を剪断強度、図7に示したようにフィルムのBとCをもって引っ張ってフィルムが開封した力を切込剥離強度とした。
フィルムの耳部の切り目から生じたフィルムの裂け目がフィルムの部を超えてフィルムの開封に至る力(切込剥離強度)は、T型剥離強度と相関するものであるが、はるかに小さい力で開封することができる。
耳部7に設ける切り目及び/又は小孔は、開封のきっかけになればどのような形状でも良い。例えば、1つの切込みでもよいし、ミシン目のような切り目でも、図1に示したような多数の小孔でもよい。
開封片は、製造された包装体1における筒状フィルム5の開封を容易にするために設けられている部材である。耳部7に切り目及び/又は小孔を設けない場合に、フィルム開封のきっかけとするために設けることができる。開封片は、通常合成樹脂のフィルムが長方形に形成されて構成されている。もっとも、長方形に限定されることなく、正方形やその他の多角形であってもよい。しかしながら、長方形(矩形)とすることが、用途に最も適しており、また、材料の選定の自由度が高くなり好適である。開封片の材質は、筒状フィルム5を形成する帯状のフィルムの材質と同様に、塩化ビニリデン系樹脂とするのが好ましい。開封片と筒状のフィルムとは、同じ材質であっても異なる材質であってもよい。開封片の溶着線は従来用いられているいずれの態様でもよい。
上述の包装体1は、以下の要領で製造される。筒状フィルム5となる帯状のフィルムが、原反として製造装置に設置される。そして、帯状のフィルムは引き出され、帯状のフィルムは、両側辺が重なるように筒状に巻かれ、重ね合わせられた部分に縦シールがされ、筒状フィルム5が形成される。その後、筒状フィルム5に内容物9が充填され、所定の間隔(包装体1となったときの長さ)で内容物9がしごかれて筒状フィルム5内に内容物9の不在部が形成された上で、その不在部が束ねられ、結紮部材6となるテープが巻かれて溶着されることによりシールされる。そして、端部の密封性が保たれるように束ねられた不在部のシールされた部分の中間が切断され、包装体1が得られる。包装体1は、必要に応じてその後に加熱凝固処理が行われる。
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
本発明の2本の溶着線で溶着した包装体(実施例)と従来の1本線で溶着した包装体(比較例)の剪断強度と切込剥離強度を比較した。
用いた包装体は、魚肉ソーセージを内容物とする直径23mm、長さ170mm、内容物75gの包装体である。フィルムは、厚さ41μmの2層のポリ塩化ビニリデンフィルム(ポリ塩化ビニリデン単層ダブルプライフィルム)を用いた。118℃で16分間レトルト処理を行って得たものをサンプルとした。
フィルムを筒状に溶着する溶着方法は、いずれも高周波誘導加熱方法により、1本線と2本線の電極を用いることにより溶着した。レトルト処理に掛ける前の溶着の状況を図1及び2に示した。1本線では図1に示すように幅378μm、厚さ111μmの溶着であり、2本線では、図2に示すように559μmの間隔をあけて、幅131μm、厚さ116μmと幅148μm、厚さ126μmの溶着であった。
これらの包装体の剪断強度と切込剥離強度を測定した。測定方法は、株式会社イマダのデジタルフォースゲージを用いて、レトルト後の包装体から内容物を取り出し、溶着線の反対側で筒を切り開き、フィルムを16mm幅とし、フィルムの一方をクランプで挟み、他方を一定速度で引いて測定した。結果を表1に示す。
剪断強度は、フィルムを16mm幅としたためかフィルム強度が低下し、溶着線ではなく、フィルムが破断してしまったため参考値であるが、実施例、比較例とも実際のレトルト処理に耐えるのに十分な強度があった。一方、2本線とすることにより、切込剥離強度は1本線の場合の1/3以下となった。
これらの包装体のフィルムの耳部の切込みから開封を試みたところ、実施例は容易に開封することができたが、比較例は手で開封することはできなかった。
Figure 2023115240000002
本発明により、魚肉ソーセージなどのフィルムの開封を容易かつ確実に行うことができる塩化ビニリデン系樹脂フィルムの包装体を提供することができる。
1 包装体
5 筒状フィルム
5E 結紮端部
6 結紮部材
7 フィルム端部(耳部)
9 内容物
10 縦シール
10a、10b 2本の溶着線
11 切り目及び/又は小孔

Claims (7)

  1. 塩化ビニリデン系樹脂のフィルムが縦シールにより筒状に形成された筒状フィルムと;
    前記筒状フィルムに充填された内容物と;
    前記内容物が充填された前記筒状フィルムの集束された両端部を結紮して結紮端部を形成する結紮部材を備え;
    前記縦シールが少なくとも2本の溶着線で形成されている;
    包装体。
  2. さらに、縦シールにより包装体の外側に帯状にはみ出したフィルムの縁片に開封のための切り目及び/又は小孔を有する、請求項1の包装体。
  3. 前記少なくとも2本の溶着線の1本の線幅がそれぞれ独立に10~1000μmである、請求項1又は2の包装体。
  4. 前記少なくとも2本の溶着線が50~5000μmの間隔で隣接している、請求項1ないし3いずれかの包装体。
  5. 高周波誘電加熱方法により溶着することを特徴とする、請求項1ないし5いずれかの包装体の製造方法。
  6. 前記筒状フィルムが封筒張り又は合掌張りにより形成されるものである、請求項1ないし4いずれかの包装体。
  7. 前記内容物が、練肉を含む食品である、請求項1ないし6いずれかの包装体。
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