JP7336012B2 - 消火栓装置 - Google Patents
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Description
なお、本明細書において、消火栓装置に関する位置関係を説明する用語としての「背面側」とは消火栓装置を監視員通路に設置した状態において、トンネルの壁面側であり、「前面側」とは車道側をいう。
そのため、消火栓装置の本体の設置場所として、トンネル壁面ではなく、監視員通路内に埋め込むことが考えられ、このような態様のものとして特許文献2に開示されたトンネル用消火栓装置がある。
このため、特許文献2のものは、消火栓装置の前面側にトレイを引き出すための空間が必要となる。
しかしながら、消火栓装置を監視員通路内に埋め込むように設置した場合、消火栓装置の前面側は、車道に近く、事故車等が消火栓装置の前面側にある場合には、消火栓装置の前面側にはほとんど空間がないことも考えられる。そのため、消火活動を迅速に行えないことが想定される。
前記天板部は、前記ノズルホルダの上方に設けられた上面開口部と、該上面開口部を開閉可能に覆う上面扉とを備え、
前記ノズルホルダは、前記消火ノズルを保持するノズル保持片と、該ノズル保持片を回動可能に支持する支持部とを有し、
前記ノズル保持片が回動することで、該ノズル保持片に保持された消火ノズルを前面開口部側と前記上面開口部側のいずれからでも取り外せるようになっており、
前記消火ノズルが前記ノズルホルダから外れたときに、前記ホースを支持して該ホース及び前記消火ノズルが落下するのを防止する消火ノズル落下防止手段を備えたことを特徴とするものである。
(1-2)また、本発明の消火栓装置は、天板部と、該天板部の下方に設けられて前面パネルを有する本体部と、該本体部内に設けられて巻き回されたホースを収納するホース収納部と、前記本体部内に設けられて前記ホースの先端に設けられた消火ノズルを保持するノズルホルダとを有し、
前記前面パネルは、前記ノズルホルダの前方に形成された前面開口部と、該前面開口部に開閉可能に設けられた前面扉とを有し、
前記ノズルホルダは、前記消火ノズルを保持するノズル保持片と、該ノズル保持片を回動可能に支持する支持部とを有し、
前記ノズル保持片は、前記前面開口部から前記消火ノズルを取り出すために、前記消火ノズルが取り外されると、前記前面開口部から前記ホースを引き出す場合に、前記ホースと干渉することがないように、背面側に移動することを特徴とするものである。
(1-3)さらに、本発明の消火栓装置は、天板部と、該天板部の下方に設けられる本体部と、該本体部内に設けられて巻き回されたホースを収納するホース収納部と、前記本体部内に設けられて前記ホースの先端に設けられた消火ノズルを保持するノズルホルダとを有し、
前記天板部は、前記ノズルホルダの上方に設けられた上面開口部と、該上面開口部を開閉可能に覆う上面扉とを有し、
前記ノズルホルダは、前記消火ノズルを保持するノズル保持片と、該ノズル保持片を回動可能に支持する支持部とを有し、
前記ノズル保持片は、前記上面開口部から前記消火ノズルを取り出すために、前記消火ノズルが取り外されると、前記上面開口部から前記ホースを引き出す場合に、前記ホースと干渉することがないように、背面側に移動することを特徴とするものである。
(1)本発明に係る消火栓装置は、天板部と、該天板部の下方に設けられて前面パネルを有する箱形の本体部と、前記本体部内に設けられて巻き回されたホースを収納するホース収納部と、前記本体部内に設けられて前記ホースの先端に設けられた消火ノズルを保持するノズルホルダとを有し、
前記天板部は、前記ノズルホルダの上方に設けられた上面開口部と、該上面開口部を開閉可能に覆う上面扉とを備え、
前記ノズルホルダは、上記上面開口部から前記消火ノズルを上方に引き上げたときに取り外し可能になっており、
前記消火ノズルが前記ノズルホルダから外れたときに、前記ホースを支持して該ホース及び前記消火ノズルが落下するのを防止する消火ノズル落下防止手段を備えたことを特徴とするものである。
前記消火ノズル落下防止手段は、前記ホース収納部側から前記前面パネル側に向かって延出する棒状体で構成されていることを特徴とするものである。
前記ノズル保持片が回動することで、該ノズル保持片に保持された消火ノズルを前記前面開口部側と前記上面開口部側のいずれからでも取り外せるようになっていることを特徴とするものである。
そこで、まず消火栓装置が設置されるのに好適な場所である監視員通路の設置用空間について図15に基づいて説明する。
図15は、トンネルの路肩の監視員通路の一部を示したものであり、図中、81はトンネル壁面、83は監視員通路、85は車道である。
消火栓装置1は、天板部3と、天板部3の下方に設けられた箱形の本体部5と、本体部5内に設けられて巻き回されたホース7を収納するホース収納部9と、本体部5内に設けられてホース7の先端に設けられた消火ノズル11を保持するノズルホルダ13と、消火ノズル11がノズルホルダ13から外れたときに、ホース7を支持してホース7及び消火ノズル11が落下するのを防止する消火ノズル落下防止手段としての消火ノズル落下防止棒15と、消火栓弁を操作するための操作レバー17と、を備えている。
以下、消火栓装置1を構成する各部について詳細に説明する。
天板部3は、本体部5と一体的に連結されており、本体部5から外方に張り出す張出し部19を有している。張出し部19は、両側辺と後辺の3辺に設けられている。
張出し部19は、監視員通路83の開口縁部91の段部に載置され、この状態で監視員通路83の路面と天板部3が面一になる。
なお、張出し部19は天板部3の他の部位と一体でも別体でもよい。
例えば、前面側から背面側に向かって登り傾斜となるような角度を設けるようにする。
天板部3に上面開口部23及び上面扉25を設けたのは、消火栓装置1の天板部3側からホース7の引き出しや、操作レバー17の操作を可能にするためである。
上面扉25は、前側の辺部に設けられた図示しない回動軸を中心として例えば、前面側に向けて回動するようになっている。
なお、上面開口部23における奥行き方向に延びる辺部には、ホース7の引き出し時にホース7が引っかかるのを防止する引っかかり防止部材を設けるのが好ましい。引っかかり防止部材としては、例えば上記辺部をカバーしてホースとの摩擦を低減できる樹脂製のカバー体や、ホース7が当接すると回転する細い円柱状の回転ロールのようなものが挙げられる。
消火器箱上面扉29も上面扉25と同様の構成になっている。
なお、上面扉25及び消火器箱上面扉29を起立状態で保持させることで、火災等の煙で視界が悪くなったような場合において、作業者が監視員通路83から車道85に不意に落下したりするのを防止するという効果がある。
本体部5は、前面パネル30を有する箱形状に形成されており、その内部には、ホース7を収納するホース収納部9、および消火器31を収納する消火器収納部32が設けられている。
前面パネル30には、ホース収納部9の前方に前面開口部33が設けられ、前面開口部33には下降式の前面扉35が設けられている。
また、前面パネル30における消火器収納部32の前面には消火器箱前面開口部37が設けられ、消火器箱前面開口部37には横開き式の消火器箱前面扉39が設けられている。
なお、前面扉35、消火器箱前面扉39については、その開放方式は特に限定されるものではなく、前面扉35を引戸式や回動式、あるいは消火器箱前面扉39を下降式や回動式にしてもよい。
ホース収納部9は、本体部5の内壁上面から内壁下面に至る2本の柱状体41と、柱状体41から本体部5の前面の内壁背面に至る略L字状に屈曲した2枚の帯板43とを備えて構成されている(図2、6参照)。
また、ホース収納部9は、図3に示すように、本体部5内の背面寄りに設けられホース収納部9と本体部5の前面パネル30及び前面扉35との間には空間Sが形成されている(図3参照)。空間Sは、消火ノズル11の最大径(把持部も含めた長さ)程度の奥行きがあればホース7の引き出しが可能となる。即ち、空間Sが形成されることで、ホース7の引き出しを容易にすると共に、ノズルホルダ13の設置空間が確保されている。
消火ノズル11は、ホース7の先端部に設けられ、消火水(泡水溶液も含む)を放射するものである。
ノズルホルダ13は、図2に示すように、ホース収納部9の近傍において、高さ方向で中間よりも上方の位置に設けられている。具体的には、上面開口部23から手を入れて消火ノズル11を取り出す場合において、肘まで入るまでに消火ノズル11を掴めるような位置にノズルホルダ13の位置が設定されており、より具体的には天板部3から30~40cm下方の位置である。
また、図3に示すように、ノズルホルダ13は平面視においてホース収納部9の前面よりも前面パネル30寄りであって、上面開口部23の下方に設けられている。言い換えれば、平面視において、ノズルホルダ13は帯板43の前面部より前面側に配置される。
ノズルホルダ13の設置位置をこのような配置にしたのは、消火ノズル11を本体部5の前面側及び上面側の両方から取り出せるようにするためである。
また、取付板45は、図5に示すように、帯板43に取り付けるための取付片部45aと、支持部47が取り付けられると共に当接板として機能する当接面部45bとを備えている。
当接面部45bには、ノズル保持片49が通過できるスリット部51が所定の間隔を離して2つ形成されている。
図5(a)の状態から、ノズル保持片49を前面側に回動すると、図5(b)に示すように、ノズル保持片49がスリット部51を通過して、当接面部45bの前面側に出る。図5(b)に示す状態では、ノズル保持片49のほぼ全体が当接面部45bの前面側に出ており、かつ切り欠き部57が前面側を向いている。この状態であれば、図6、図7に示すように、消火ノズル11をノズル保持片49に前面側から押し込むことで保持させ、また取り外すことができる。そして、消火ノズル11を保持した状態では、消火ノズル11が当接面部45bに当接してノズル保持片49の回動が規制され、図6、図7の状態で保持されている。
すなわち、消火ノズル11を掴んで上方に引き上げると、図8、図9に示すように、ノズル保持片49が回動して切り欠き部57が上方向に向く。これによって、消火ノズル11をそのまま上方に引き上げることで消火ノズル11を取り外すことができる。
消火ノズル落下防止棒15は、本発明の消火ノズル落下防止手段の一態様であり、ノズル保持片49に消火ノズル11を保持させた状態でホース7の下方に配置され、消火ノズル11がノズルホルダ13から外れたときに、ホース7を支持してホース7及び消火ノズル11が落下するのを防止するものである。
消火ノズル落下防止棒15は、ホース収納部9を構成する柱状体41のうちノズル保持片49に近い側の柱状体41に取り付けられている。
消火ノズル落下防止棒15の高さ方向の位置はそれだけに限らず、その位置の上限は、上面扉25の背面よりホース7の径だけ下方の位置である。
また、消火ノズル落下防止棒15の位置の下限は、消火ノズル落下防止棒15にホース7が支持された状態で上面開口部23から手を突っ込んで取れるような位置にする必要がある。具体的には、天板部3から60cm下方の位置よりも高いのが望ましい。より好ましくは、作業者の腕が肘まで入るまでに支持されているホース7に手が届くような位置であり、より具体的には天板部3から30~40cm下方の位置である。
操作レバー17は、消火栓弁を操作するためのものであり、図2に示すように、ホース収納部9のノズルホルダ13に近い側の柱状体41に設けられている。操作レバー17を設ける位置は、ノズルホルダ13を設ける位置と同様に、前面開口部33及び上面開口部23の両方から作業者が操作等できる位置であればよい。
操作レバー17の位置を具体的に示すと、ノズルホルダ13を設ける位置と同様であり、上面開口部23から手を入れて操作レバー17を操作する場合において、作業者の腕が肘まで入るまでに操作レバー17を操作できるような位置に操作レバー17の位置が設定されており、より具体的には天板部3から30~40cm下方の位置である。
また、図3に示すように、操作レバー17は平面視においてホース収納部9の前面よりも前面パネル30寄りであって、上面開口部23の下方に設けられている。言い換えれば、平面視において、操作レバー17は帯板43の前面部より前面側に配置される。
<前面開口部から消火ノズルを取り外す場合>
前面扉35を開放すると、図2に示すように、消火ノズル11がノズルホルダ13に保持された状態が見える。ノズルホルダ13の位置は、前述したように、ホース収納部9よりも前方に設けられており、消火ノズル11へはすぐに手が届く。なお、前述したように、ノズル保持片49は回動自在になっているため、消火ノズル11を保持した状態でも回動可能であるが、消火ノズル11が当接面部45bに当接した状態から背面側に回動することはできず、即ち、消火ノズル11が当接面部45bに当接して移動が規制され、図6、図7の状態で保持されている。
また、図6、図7に示す状態では、ノズル保持片49の切り欠き部57(図5参照)が前面側を向いているので、消火ノズル11を前面側に引くことで、消火ノズル11を取り外すことができる。
消火ノズル落下防止棒15は、真っ直ぐな棒状体であるため、消火ノズル11を前面側に引いた際にホース7が引っかかることがなく、消火ノズル11の取り外しに支障がない。
上面扉25を開放して消火ノズル11を取り出す場合、上面扉25を開放すると、図3、図14に示すように、上面開口部23から消火ノズル11が見える。ノズルホルダ13の位置は、前述したように、本体部5の高さ方向で中間よりも上方にあり、上面開口部23から腕を挿入することで、保持されている消火ノズル11に手が届く。
上面開口部23から腕を挿入して消火ノズル11を掴んで上方に引き上げると、前述のように、ノズル保持片49が回動して切り欠き部57が上方向に向き、消火ノズル11をそのまま上方に引き上げることで消火ノズル11を取り外すことができる(図8、図9参照)。
なお、ホース収納部9と前面パネル30との間には空間Sがあるため、ホース7の引き出しに際してホース7が内部機器類、前面パネル30、前面扉35等と干渉することなく、スムーズな引き出しが可能である。
空間Sの奥行き方向の距離としては、消火ノズル11を上方に持ち上げるようにして取り出すことを想定すると、消火ノズル11の最大幅W(即ち、消火ノズル11のハンドル部の幅)(図7参照)以上に設定するのが好ましい。
また、前述したように上面開口部23における奥行き方向に延びる辺部に引っかかり防止部材を設けることで、上面開口部23の上記辺部にホース7が引っかかることなくスムーズな引出しが可能となる。
仮に消火ノズル落下防止棒15がない場合には、消火ノズル11がホース7と共に本体部5の底面まで落下するため、上面開口部23から取出すことができなくなる。この場合、作業者は、監視員通路83から車道85に下りて、前面扉35を開扉して消火ノズル11を取り出すことになるが、火災という緊急状況下においてこのような態様は消火活動の遅れとなることから避ける必要があるところ、消火ノズル落下防止棒15があることでこれを避けることができ、消火ノズル落下防止棒15の効果は大きい。
また、ノズル保持片49が回動してノズル保持片49の切り欠き部57の位置を前面側と上面側にすることができるので、前面側及び上面側のいずれからでも消火ノズル11の取り外しをスムーズに行うことができる。
3 天板部
5 本体部
7 ホース
9 ホース収納部
11 消火ノズル
13 ノズルホルダ
15 消火ノズル落下防止棒
17 操作レバー
19 張出し部
21 アングル材
23 上面開口部
25 上面扉
27 消火器箱上面開口部
29 消火器箱上面扉
30 前面パネル
31 消火器
32 消火器収納部
33 前面開口部
35 前面扉
37 消火器箱前面開口部
39 消火器箱前面扉
41 柱状体
43 帯板
45 取付板
45a 取付片部
45b 当接面部
47 支持部
49 ノズル保持片
51 スリット部
53 アーム部材
55 軸部
57 切り欠き部
59 開口部
S 空間
W 消火ノズルの最大幅
<監視員通路>
81 トンネル壁面
83 監視員通路
85 車道
87 設置用空間
89 前壁
91 開口縁部
Claims (1)
- 天板部と、該天板部の下方に設けられた箱形の本体部と、前記本体部内に設けられて巻き回されたホースを収納するホース収納部と、前記本体部内に設けられて前記ホースの先端に設けられた消火ノズルを保持するノズルホルダとを有し、
前記天板部は、上面開口部と、該上面開口部を開閉可能に覆う上面扉とを備え、
前記ノズルホルダは、前記上面開口部から前記消火ノズルを取り外し可能になっており、
前記消火ノズルが前記ノズルホルダから外れたときに、前記ホースを支持して該ホース及び前記消火ノズルが落下するのを防止する消火ノズル落下防止手段(回転自在なものを除く)を備えたことを特徴とする消火栓装置。
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