JP7326975B2 - インク組成物、インクジェットインキ、印刷物及びカラーフィルタ - Google Patents

インク組成物、インクジェットインキ、印刷物及びカラーフィルタ Download PDF

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Description

本発明は、再分散性に優れ、且つ、高い光効率特性を有し高品質な画質を有する印刷物を提供可能なインク組成物に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ(OLED)を用いた表示装置は、それぞれのバックライトのスペクトル形状が異なることから、カラーフィルタとして最適な色相や透過率特性を有する顔料や染料を選択する必要がある。また高い色純度を達成するためには顔料及び染料濃度を高める必要があるが、単に濃度を上げると透過率が低下してしまい十分な輝度が確保できない。
高い色純度と高輝度を両立する材料として、自発光する半導体量子ドットが注目されている。量子ドットは、量子力学に従う独特な光学特性を発現させるために、電子を微小な空間に閉じ込めるために形成された微小な粒(ドット)である。1粒の量子ドットの大きさは直径1nm~数10nmであり、約1万個以下の原子で構成されている。発する蛍光波長は、粒の大きさで連続的に制御でき、蛍光強度の波長分布の対称性が高いシャ-プな発光を得ることができる。
しかしながら、量子ドットをカラーフィルタ用途に用いる場合、量子ドットは非散乱粒子であるためバックライトの光が透過し十分に励起されず光が変換されないという課題がある。
上記課題を解決するために、例えば特許文献1には、量子ドットを含む色変換層とは別に、散乱粒子を有する光拡散層を設けることが開示されている。
また、特許文献2には、量子ドットと数百ナノメートルレベルの無機散乱粒子とを含む自発光樹脂組成物が開示されている。
更に特許文献3には、量子ドットとアルミナで被覆された光散乱性粒子である酸化チタンと高分子分散剤とを含む、沈降分離抑制性と吐出安定性とを有するインクジェットインキ、該インキからなる光波長層及びカラーフィルタ等が記載されている。
特開2017-161938号公報 特開2016-098375号公報 特開2018-109141号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、光拡散層により光波長変換効率は向上するが、表示装置自体の複雑さが増し工程性に問題が発生する。
特許文献2では、優れた色再現特性と高い光効率を示すが、無機散乱粒子は有機物と比較して比重が大きいため、組成物の沈降安定性に問題が生じる。例えばレジストインキとして使用する場合、カラーフィルタ形成工程で凝集異物が発生する等の問題が懸念される。また沈降すると散乱粒子同士が凝集してしまい再分散が困難である。
特許文献3では、沈降安定性と吐出安定性に優れるが、一度沈降すると再度分散させることが困難であり、均一な膜を形成することが困難である。
そこで、本発明の課題は、沈降後の再分散性に優れ、バックライト(励起光)の透過が低減されて光変換効率に優れ、さらに色純度の高い発光を得ることが可能なインク組成物、並びに、該組成物からなるインクジェットインキ、印刷物及びカラーフィルタを提供することである。
すなわち本発明は下記発明に関する。
〔1〕 量子ドット(A)、有機微粒子(B)、金属酸化物微粒子(C)及びバインダー成分(D)を含むインク組成物。
〔2〕 前記有機微粒子(B)の含有量が、前記インク組成物の固形分全量に対して、2質量%以上30質量%以下である、〔1〕に記載のインク組成物。
〔3〕 前記金属酸化物微粒子(C)の含有量が、前記インク組成物の固形分全量に対して、2質量%以上20質量%以下である、〔1〕又は〔2〕に記載のインク組成物。
〔4〕 前記金属酸化物微粒子(C)に対する前記有機微粒子(B)の質量比率((B)/(C))が0.4以上0.8未満である、〔1〕~〔3〕いずれか1項に記載のインク組成物。
〔5〕 前記有機微粒子(B)が、メラミン樹脂微粒子及びアクリル樹脂微粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種の微粒子を含む、〔1〕~〔4〕いずれか1項に記載のインク組成物。
〔6〕 前記金属酸化物微粒子(C)の平均一次粒子径が30~100nmである、〔1〕~〔5〕いずれか1項に記載のインク組成物。
〔7〕 前記金属酸化物微粒子(C)が酸化チタン微粒子である、〔1〕~〔6〕いずれか1項に記載のインク組成物。
〔8〕 前記量子ドット(A)が、2族元素、10族元素、11族元素、12族元素、13族元素、14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物半導体である、〔1〕~〔7〕いずれか1項に記載のインク組成物。
〔9〕 〔1〕~〔8〕いずれか1項に記載のインク組成物を含むインクジェットインキ。
〔10〕 〔9〕に記載のインクジェットインキより形成される印刷物。
〔11〕 〔9〕に記載のインクジェットインキより形成されてなるフィルタセグメントを具備する、カラーフィルタ。
本発明により、沈降後の再分散性に優れ、バックライト(励起光)の透過が低減されて光変換効率に優れ、さらに色純度の高い発光を得ることが可能なインク組成物、並びに、該組成物からなるインクジェットインキ、印刷物及びカラーフィルタを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<量子ドット(A)>
本発明に用いられる量子ドット(A)は、ナノサイズの半導体である。本発明に用いられる量子ドット(A)は、光励起で発光できる量子ドットであれば、特に限定されない。量子ドット(A)は、2族元素、10族元素、11族元素、12族元素、13族元素、14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物半導体であることが好ましく、2種以上の元素を含んでいてもよい。
具体的には、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイアモンドを含む)、P、Co、Au、BN、BP、BAs、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdSeZn、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、BeS、BeSe、BeTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuF、CuCl、CuBr、CuI、Si、Ge、Al、(Al、Ga、In)(S、Se、Te)、AlCO、AgInSe、CuGaSe、CuInS、CuGaS、CuInSe、AgGaSe、AgGaS、CsPbCl、CsPbI、CsPbBr及び二つ又はそれ以上の材料の適切な組み合わせが挙げられる。
前記のうち、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、N、P、As、Sb、Pb、S、Se及びTeで示される元素群から選ばれる少なくとも2種の元素を含む化合物からなる半導体が好ましい。更に好ましくは、Zn、B、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、N、P、S及びTeで示される元素群から選ばれる少なくとも2種の元素を含む化合物からなる半導体である。更に好ましくは、バンドギャップの狭さからInを構成元素として含む半導体が、可視光を発光する用途において好ましい。
量子ドット(A)の構造は、前記記載の元素を含む構造であれば、均一な単一構造、コア/シェル型構造、グラジエント構造等のような複層構造又はこれらの混合構造であってもよい。
量子ドット(A)は、コア/シェル型構造をとる化合物半導体が好ましい。シェル構造は1層でも2層でもよく、コアを形成する化合物半導体成分と異なる化合物半導体成分でコア構造を被覆し、外部がバントギャップの大きい化合物半導体であれば、光等のエネルギー励起によって生成された励起子(電子-正孔対)はコア内に閉じ込められる。その結果、化合物半導体表面での無輻射遷移の確率が減少し、発光の量子収率及び量子ドットの蛍光特性の安定性が向上する。量子ドットとして使用される場合に、前記の条件を満たす好適な材料の組合せとしては、CdSe/ZnS、CdSe/ZnSe、CdS/ZnS、CdSe/CdS、CdTe/CdS、InP/ZnS、InP/ZnSeZnS、PbSe/PbS、GaP/ZnS、Si/ZnS、InN/GaN、InP/CdSSe、InP/ZnSeTe、InGaP/ZnSe、InGaP/ZnS、Si/AlP、InP/ZnSTe、InGaP/ZnSTe、InGaP/ZnSSe等が挙げられる。
また、本発明に用いられる量子ドット(A)を形成する化合物半導体のシェル成分としては、ZnS、CdS、ZnSe等が良く用いられる。この中でもコア成分がIn及びPを構成元素として含む場合、量子ドットとしての励起子閉じ込め等の特性的にも特に優れており、好適に使用することができる。
量子ドット(A)を形成する化合物半導体の無機材料部分の平均粒径は、0.5nm~100nmであることが好ましく、所望の特性が得られる粒径を選択することができる。単一半導体組成である場合の半導体微粒子の平均粒径、及び、コア/シェル型のコア平均粒径は0.5nm~25nmであることが好ましく、より好ましくは0.5nm~15nmである。平均粒径が0.5nm以上であると合成面で好ましく、100nm以下であると量子閉じ込め効果が向上し求める蛍光を得ることができる
量子ドットは、同じ材料であってもコア粒径を変えることで蛍光波長を任意に変更可能なことが特徴であり、求める蛍光波長に応じて粒径を設定することが必要になる。コア/シェル型の場合、一つの化合物半導体の中に複数のシェル微粒子を含有してもよく、シェルの平均厚みは無機材料部分の粒子半径とコア粒子半径の差に相当する。量子ドット(A)の形状は球状に限らず、棒状、円盤状、そのほかの形状であってもよい。
ここでいう平均粒径とは、半導体微粒子を透過型顕微鏡で観察し、無作為に30個のサイズを計測してその平均値を採用した値を指す。この際、半導体微粒子は後述のリガンドを伴うため、エネルギー分散型X線分析が付帯した走査型透過電子顕微鏡を用いることて、半導体材質部を特定した上で、透過型電子顕微鏡像において電子密度の違いから後術のリガンドに対し半導体微粒子部分は暗く撮像されることを利用し粒径を計測する。
量子ドット(A)は、更に有機物で被覆処理されていてもよい。これらの有機物は被覆材料又は保護材料と称され、特に合成時には微粒子表面の処理剤、更には量子ドットの場合には、リガンド又は配位子と呼ばれることも多い。一般的に被覆材料として用いることのできる有機物としては、無機半導体微粒子の金属部分に吸着する強い極性、又は非共有電子対を有し、更に、炭素鎖や芳香環が連結した構造、ポリアルキレングリコール構造などを有することで、塗液やインキとして使用する溶剤や樹脂との親和性が高い部分構造を有する有機物である。このような有機物は一般的には、有機及び無機顔料や無機化合物材料の分散剤や、洗剤やエマルジョン形成等の際に使用される界面活性剤、乳化剤として良く知られているものであり、本発明でもこれらの化合物を使用することが出来る。また、金属錯体の配位子(リガンド)として使用される部分構造を有する化合物、特に金属への配位座を2個以上有するキレート配位子構造を有する化合物は、化合物半導体の金属部分へ吸着しやすく、かつ脱離しにくいため、使用することが可能である。
本発明において、特に合成時に処理剤として用いることのできる有機物は沸点が高く、アルキル鎖部分の相互作用が期待できる、炭素数8以上のアルキル基を部分構造として有する有機物が好ましい。また、化合物半導体への作用を強固にするために極性基を有してもよく、処理できる有機物として、有機酸、有機アミン、硫黄含有有機物、リン含有有機物が挙げられる。
有機酸としては、末端にカルボン酸を有する化合物を用いることができ、芳香環、エーテル基を含むことができ、分子中にカルボン酸を複数有していても構わない。具体例として、安息香酸、ビフェニルカルボン酸、ブチル安息香酸、ヘキシル安息香酸、シクロヘキシル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、エチルヘキサン酸、ヘキセン酸、オクテン酸、シトロネル酸、スベリン酸、エチレングリコールビス(4-カルボキシフェニル)エーテル、(2-ブトキシエトキシ)酢酸等が挙げられる。
炭素数8以上のアルキル基を部分構造として有する有機酸としては、有機酸のうち、炭素数8以上のアルキル基を有する化合物であり、具体的には、ノナン酸、デカン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、トリコサン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、エイコサジエン酸、リノレン酸、セバシン酸、(2-オクチルオキシ)酢酸、等が挙げられる。
有機アミンとしては、末端にアミノ基を有する化合物を用いることができ、n-ブチルアミン、iso-ブチルアミン、tert-ブチルアミン、n-ヘキシルアミン、n-ヘプチルアミン、シクロヘキシルアミンが挙げられる。
炭素数8以上のアルキル基を部分構造として有する有機アミンとしては、オクチルアミン、ドデカアミン、ヘプタデカン-9-アミン、N,N-ジメチル-n-オクチルアミン等が挙げられる。
硫黄含有有機物としては、チオール類とジスルフィド類が挙げられる。
チオール類としては、アリルメルカプタン、1,3-ベンゼンジメタンチオール、2-アミノ-5-メルカプト-1,3,4-チアジアゾール、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾールブタンチオール、n-ヘキサンチオール、n-ヘプタンチオール、等が挙げられる。
炭素数8以上のアルキル基を部分構造として有するチオール類の硫黄含有有機物としては、ドデカンチオール、1-ドコサンチオール、tert-ドデシルメルカプタン、2-エチルヘキサンチオール等が挙げられる。
ジスルフィド類としては、ビス(4-クロロ-2-ニトロフェニル)ジスルフィド、ヘキシルスルフィド、3,3',5,5'-テトラクロロジフェニルジスルフィド等が挙げられる。
炭素数8以上のアルキル基を部分構造として有するスルフィド類の硫黄含有有機物としては、ドデシルジスルフィド、オクタデシルジスルフィド、ドデシルオクタデシルジスルフィド等が挙げられる。
リン含有有機物としては、リン酸ブチル、リン酸ヘキシル、リン酸ジイソプロピル、(2-エチルヘキシル)ホスホン酸モノ-2-エチルヘキシル、プロピルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸メチル、イソプロピルホスホン酸ヘキシル等が挙げられる。
炭素数8以上のアルキル基を部分構造として有するリン含有有機物としては、リン酸オクチル、リン酸ジドデシル、リン酸ドデシル、ドデシルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸ドデシル、デシルホスホン酸、デシルホスホン酸イソプロピル等が挙げられる。
量子ドット(A)の合成方法としては、ガラス中で作成する方法、水溶液中で合成する方法、有機溶媒中で合成する方法など、一般的に知られている方法を用いることができる。特に、InP/ZnSコアシェル型量子ドットに関しては技術文献「Journal of American Chemical Society.2007,129,15432-15433」、「Journal of American Chemical Society.2016,138,5923-5929」、InCuS/ZnSコアシェル型量子ドットに関しては技術文献「Journal of American Chemical Society.2009,131,5691-5697」、技術文献「Chemistry of Materials.2009,21,2422-2429」、Si量子ドットに関しては技術文献「Journal of American Chemical Society.2010,132,248-253」記載されている方法を参照して合成することができる。
量子ドット(A)表面の少なくとも一部は、合成時とは異なる被覆材量で被覆されていてもよい。被覆材料を変更する方法としては、例えば、第1の被覆材料で表面処理された化合物半導体と、入れ替えたい第2の被覆材料とを希釈溶剤中で撹拌する方法や、第1の被覆材料で表面処理された化合物半導体を遠心分離等で溶剤をおおよそ取り除いた後、入れ替えたい第2の被覆材料を含む溶剤に化合物半導体を再分散させる方法等が挙げられる。
上記手法を用いることで、用途や要求特性に適した被覆材料を選択とすることができ、塗工液やインキに好適に用いられる溶剤や樹脂との親和性を向上させることができる。
本発明のインク組成物中、量子ドット(A)の含有量はインク組成物の固形分全量に対し、5~55質量%であることが好ましく、より好ましくは10~50質量%である。
含有量が5質量%以上である場合、バックライトの光抜けを抑制でき、量子ドットから十分に色変換されるため好ましい。また、含有量が55質量%以下である場合、インク組成物の分散が安定化されることやインクジェットとして使用する場合に吐出可能な粘度範囲になるため好ましい。
<有機微粒子(B)>
有機微粒子(B)は、有機成分からなる微粒子であり、その形状はなんら制限されることはないが、例えば、励起光を十分に散乱させることができる球状のものが好ましい。球状のものを使用すれば、励起光を十分に散乱させることができ、量子ドット(A)が十分に励起され、その結果、印刷物の発光効率をより高めることができる。
有機微粒子の種類としては、例えばシリコーン系微粒子、メラミン系樹脂微粒子、メラミン-ベンゾグアナミン系樹脂微粒子、アクリル系樹脂微粒子(例えば、ポリメチルメタクリレート系微粒子(以下、PMMA系微粒子と称することがある)、アクリル-スチレン系共重合体微粒子、ポリカーボネート系微粒子、ポリエチレン系微粒子、ポリスチレン系微粒子、ベンゾグアナミン系樹脂微粒子等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上併用して使用してもよい。
シリコーン系微粒子の具体例としては、KMP-594、KMP-597、KMP-598、KMP-600、KMP-601、KMP-602(信越化学工業株式会社製)、トレフィルE-506S、EP-9215(東レ・ダウコーニング株式会社製)等が挙げられる。
メラミン系樹脂微粒子の具体例としては、エポスターSS、エポスターS、エポスターFS、エポスターS6、エポスターS12(株式会社日本触媒製)等が挙げられる。
メラミン-ベンゾグアナミン系樹脂微粒子の具体例としては、エポスターM30(株式会社日本触媒製)が挙げられる。
アクリル系樹脂微粒子の具体例としては、エポスターMA1002、エポスターMA1004、エポスターMA1006、エポスターMA1010(株式会社日本触媒製)、タフチックFH-S005、タフチックFH-S008、タフチックFH-S010、タフチックFH-S015、タフチックFH-S020(東洋紡株式会社製)、ケミスノーMX-80H3wT、MX-150、MX-180TA、MX-300、MX-500、MX-1000、MX-1500H、MX-2000、MX-3000(綜研化学株式会社製)等が挙げられる。
アクリル-スチレン系共重合体微粒子の具体例としてはエポスターMA2003(株式会社日本触媒社製)、FS-102、FS-201、FS-301、MG-451、MG-351、(日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社製)等が挙げられる。
ポリカーボネート系微粒子の具体例としては、特開2014-125495公報記載の微粒子、特開2011-26471号公報記載の製造法によって得られる微粒子、特開2001-213970号公報記載の方法によって得られる微粒子等が挙げられる。
ポリエチレン系微粒子の具体例としてはミペロンXM-220、XM221U(三井化学株式会社製)、フロービーズLE-1080(住友精化株式会社製)、等が挙げられる。
ポリスチレン系微粒子の具体例としては、ケミスノーSX-130H、SX-350H、SX-500H(綜研化学株式会社製)等が挙げられる。
ベンゾグアナミン系樹脂微粒子の具体例としては、エポスターMS、エポスターM05、エポスターL15(株式会社日本触媒製)等が挙げられる。
また、有機微粒子(B)は、フッ素置換基を有してしてもよい。
フッ素置換基を有する有機微粒子としては、例えば、フッ素置換基含有ポリメチルメタクリレート微粒子、フッ素置換基含有アクリル-スチレン共重合体微粒子、フッ素置換基含有ポリカーボネート微粒子又はポリフッ化ビニル微粒子等が挙げられる。フッ素置換基を有することで、粒子間の凝集が抑制され一度沈降しても再分散性が容易になる。更に、フッ素置換基を有することで、量子ドット(A)を含むバインダー成分より屈折率を下げることができ、散乱効果と併用して発光効率をより向上させることができるため好ましい。
有機微粒子(B)の平均粒子径は特に限定されないが、100nm以上1000nm以下であることが好ましい。上記範囲にあることで、充分な散乱効果を発現できる。更に散乱強度(ヘイズ値)が小さくても散乱角度が広くなるため、全反射に有効な散乱が得られ、塗膜内部での散乱効果が高くなることで光効率が向上するため好ましい。
有機微粒子(B)は、予め溶剤に分散した分散液を用いることが好ましい。分散方法としては、有機微粒子(B)の表面状態に合わせた分散剤を用い、分散機を用いる方法が好ましい。分散機としては、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノーミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル、ホモミキサー、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」等)、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」)、微小ビーズミル(寿工業(株)社製「スーパーアペックミル」及び「ウルトラアペックミル」)等が使用できる。分散機にメディアを使う場合には、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ、磁性ビーズ、及びポリスチレンビーズ等を用いることが好ましい。分散に関しては、2種類以上の分散機、又は大きさの異なる2種類以上のメディアをそれぞれ用い、段階的に実施しても差し支えない。
有機微粒子(B)の平均粒子径及び粒度分布は、重合温度及び重合組成等の合成条件、あるいは、分散機、分散媒、分散時間及び分散剤等の分散条件によって調整することができる。
有機微粒子(B)の含有量は、インク組成物の固形分全量に対して2質量%以上30質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以上20質量%以下である。含有量が2質量%以上である場合、バックライトの光を散乱させ、量子ドットを励起させることができる。30質量%以下である場合、有機微粒子の凝集による相溶性不良を防ぐことができる。
<金属酸化物微粒子(C)>
本発明のインク組成物は、量子ドット(A)、有機微粒子(B)の他に金属酸化物微粒子(C)を含む。金属酸化物微粒子(C)としては、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化セリウム(CeO)、酸化ハフニウム(HfO)、五酸化ニオブ(Nb)、五酸化タンタル(Ta)、酸化インジウム(In)、酸化スズ(Sn)、酸化インジウムスズ(ITO)、及び酸化亜鉛(ZnO)からなる群から選択された少なくとも1種の材料からなる微粒子が挙げられる。この中でも酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化亜鉛(ZnO)の微粒子が好ましく、酸化チタン(TiO)微粒子が、透光性、分散性、耐候性及び耐光性の観点から特に好ましい。
酸化チタンは特に制限がなく使用でき、予め表面処理された酸化チタンを使用してもよい。表面処理を行うことで分散の安定化や耐候性を向上させることができる。表面処理法や表面処理剤は、公知のものを任意に用いることができる。
酸化チタンの具体例としては、石原産業社製「タイペークCR-50、50-2、57、80、90、93、95、953、97、60、60-2、63、67、58、58-2、85」「タイペークR-820,830、930、550、630、680、670、580、780、780-2、850、855」「タイペークA-100、220」「タイペークW-10」「タイペークPF-740、744」「TTO-55(A)、55(B)、55(C)、55(D)、55(S)、55(N)、51(A)、51(C)」「TTO-S-1、2」「TTO-M-1、2」、テイカ社製「チタニックスJR-301、403、405、600A、605、600E、603、805、806、701、800、808」「チタニックスJA-1、C、3、4、5」、「チタニックスMT-500B、500SA、600B、600SA、700B、700SA」、デュポン社製「タイピュアR-900、902、960、706、931」、堺化学工業社製「TITONE A-120、TITONE SA-120」等が挙げられる。
金属酸化物微粒子(C)は、粉体をそのまま用いてもよいが、あらかじめ溶液中に分散した方がインク組成物中での沈降を抑制する観点から好ましく、分散液を用いることが好ましい。
インク組成物の再分散性の観点から、金属酸化物微粒子(C)間は、強い凝集がないことが好ましい。そのため、金属酸化物微粒子(C)の平均一次粒子径は100nm以下が好ましく、より好ましくは30nm以上100nm以下である。上記範囲とすることで、粒子間の凝集を防ぐことができ、再分散性に優れたインク組成物を提供することができる。
金属酸化物微粒子(C)の含有量は、インク組成物の固形分全量に対して2質量%以上20質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以上15質量%以下である。含有量が2質量%以上である場合、バックライトの抜けを抑制できる。20質量%以下である場合、組成物内で金属酸化物微粒子(C)の凝集による相溶性不良を防ぐことができる。
インク組成物中における金属酸化物微粒子(C)に対する有機微粒子(B)の比率((B)/(C))は、0.2以上4.5未満であることが好ましい。より好ましくは0.3以上1.0未満であり、特に好ましくは0.4以上0.8未満である。
上記範囲にすることで、凝集体の沈降を抑制しつつ、沈降した場合でも再分散性にも優れるインク組成を提供することができる。また、インク組成物から形成された印刷物についても高い外部量子効率を維持することができる。例えば、有機微粒子(B)のみの場合、インク組成物中での沈降や凝集による相分離は起こり難く、発光効率も使用可能なレベルだが、励起光の透過抑制が困難となり、発光の色純度が低下する。また、金属酸化物微粒子(C)のみの場合、金属酸化物微粒子の比重がその他成分と比較して大きいため、沈降や凝集が発生し、実用が困難である。
金属酸化物微粒子(C)は、有機微粒子(B)と同様に予め溶剤に分散した分散液を用いることが好ましい。分散方法としては、金属酸化物微粒子(C)の表面状態に合わせた分散剤を用い、有機微粒子(B)と同様の分散機を用いる方法が好ましい。
金属酸化物微粒子(C)の平均粒子径及び粒度分布は、分散条件、例えば分散機、分散媒、分散時間、及び分散剤等を適宜調整することによって好適な範囲に調整することが可能である。
本明細書において、「平均粒子径」及び「粒子径」とは、平均一次粒子径とは異なり、凝集による2次粒子の粒子径を加味した、組成物中での分散粒径のことである。これらは光学顕微鏡にて実測あるいは動的光散乱法によって求めることが出来る。ここで、平均一次粒子径と区別する理由は、同じ平均一次粒子径の散乱粒子を用いた場合であっても、組成物中での有機微粒子(B)、金属酸化物微粒子(C)等の分散状態により、平均粒子径及び粒度分布は異なる場合があるためである。「平均粒子径」は測定サンプルの50体積%における分散粒径の値であり、粒子径が600nm以上の粒子の含有量は、測定サンプルの分散粒径のうち、600nm以上の粒子径の体積%である。これらは動的光散乱法では日機装(株)社製「ナノトラックUPA」で測定することができる。
<バインダー成分(D)>
本発明のインク組成物は、バインダー成分(D)を含む。バインダー成分(D)は特に限定されず、好ましくは樹脂又は重合性モノマーを用いることができる。樹脂及び重合性モノマーは、熱や光に応答して架橋体を形成してもよく、後述の架橋剤により形成された架橋体であってもよい。
[樹脂]
樹脂としては、例えば、石油系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、環化ゴム、塩化ゴム、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、ブチラール樹脂、直鎖オレフィン樹脂、芳香族ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、フルオレンポリカーボネート樹脂、フルオレンポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド(アラミド)樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリパラフェニレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂又はフッ素化芳香族ポリマー樹脂等が挙げられ、塗工、印刷方式や基材により適時選択することができる。
また、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、オキセタン基含有樹脂、イソシアネート基含有樹脂、カルボキシル基含有樹脂、アリルエステル系硬化型樹脂等が挙げられ、紫外線硬化樹脂としては、シルセスキオキサン系紫外線硬化樹脂等が挙げられる。
樹脂の具体例としては、三菱レイヨン社製のBR-50、BR-52、MB-2539、BR-60、BR-64、BR-73、BR-75、MB-2389、BR-80、BR-82、BR-83、BR-84、BR-85、BR-87、BR-88、BR-90、BR-95、BR-96、BR-100、BR-101、BR-102、BR-105、BR-106、BR-107、BR-108、BR-110、BR-113、MB-2660、MB-2952、MB-3012、MB-3015、MB-7033、BR-115、MB-2478、BR-116、BR-117、BR-118、BR-122、ER-502、ウィルバ-・エリス社製のA-11、A-12、A-14、A-21、B-38、B-60、B-64、B-66、B-72、B-82、B-44、B-48N、B-67、B-99N、DM-55、BASF社製のJONCRYL67、JONCRYL678、JONCRYL586、JONCRYL611、JONCRYL680、JONCRYL682、JONCRYL683、JONCRYL690、JONCRYL819、JONCRYL JDX-C3000、JONCRYL JDX-C3080、日信化学工業製のソルバイン樹脂CL、CNL、C5R、TA3、TA5R、ワッカー社製のビニル樹脂E15/45、H14/36、H40/43、E15/45M、E15/40M、荒川化学社製のスーパーエステル75、エステルガムHP、マルキッド33、安原社製のYSポリスター T80、三井化学社製のHiretts HRT200X、サートマー社製SMA2625Pが挙げられる。
以上の樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
樹脂を使用する場合、その質量平均分子量(Mw)は1,000~50,000であることが好ましく、インクジェットヘッドからインク組成物を安定に吐出するために3,000~45,000であることが特に好ましい。質量平均分子量が1,000以上であると印刷物の塗膜耐性が良好となり、質量平均分子量が50,000以下であると組成物の粘度がインクジェットの適正粘度範囲内となり、インクジェットヘッドの詰まりや吐出性低下を防ぐことができる。
なお、質量平均分子量はゲルパーミッションクロマトグラフィーによりスチレン換算分子量として求めることができる。
樹脂を使用する場合、樹脂の含有量はインクジェットヘッドからインク組成物を安定に吐出可能な範囲で任意に設定することができる。樹脂の含有量は、好ましくはインク組成物の固形分全量に対し5~80質量%である。上記範囲であると耐傷性や耐薬品性の良好な塗膜を得ることができる。また、インクジェットインキとして使用する場合、組成物の粘度がヘッドの適正粘度範囲内となり、ヘッドの詰まりや吐出性低下を防ぐことができる。
[重合性モノマー]
重合性モノマーとしては、光の照射によって重合する重合性モノマーを用いてもよい。使用できるモノマーとしては特に制限されず、光ラジカル重合性モノマーであっても光カチオン重合性モノマーであってもよく、単官能モノマー、多官能モノマーをそれぞれ単独で用いてもよいし、併用してもよい。
(光ラジカル重合性モノマー)
光ラジカル重合性モノマーの具体例としては、単官能モノマーとしてベンジル(メタ)アクリレート、(エトキシ(又はプロポキシ)化)2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル)(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、β-カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等が挙げられる。
また、光ラジカル重合性多官能モノマーとしては、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、(エトキシ(又はプロポキシ)化)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(エトキシ(又はプロポキシ)化)1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(エトキシ(又はプロポキシ)化)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ネオペンチルグリコール変性)トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(又はテトラ) (メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(又はテトラ) (メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(又はテトラ) (メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
以上の材料は、単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
(光カチオン重合性モノマー)
光カチオン重合性モノマーの具体例としては、単官能モノマーとして、グリシジルメタクリレート、2-エチルヘキシルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-メチルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-エチルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-プロピルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-ノルマルブチルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-フェニルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-ベンジルオキセタン、3-ヒドロキシエチルー3-メチルオキセタン、3-ヒドロキシエチル-3-エチルオキセタン、3-ヒドロキシエチル-3-プロピルオキセタン、3-ヒドロキシエチル-3-フェニルオキセタン、3-ヒドロキシプロピル-3-エチルオキセタン、3-ヒドロキシプロピル-3-プロピルオキセタン、3-ヒドロキシプロピル-3-フェニルオキセタン、3-ヒドロキシブチル-3-メチルオキセタン等が挙げられる。
また、光カチオン重合性多官能モノマーとしてビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、トリメチロールプロパングリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン、1-メチル-4-(2-メチルオキシラニル)-7-オキサビシクロ[4.1.0]へプタン、キシリレンビスオキセタン、3-エチル-3{[(3 -エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]メチル}オキセタン等が挙げられる。
以上の材料は、単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
重合性モノマーを用いる場合、重合性モノマーの含有量はインク組成物の硬化性の観点から、インク組成物の固形分全量に対し5~80質量%が好ましい。
[光重合開始剤]
また、重合性モノマーを用いる場合、光重合開始剤を併用することが好ましい。光重合開始剤は、光ラジカル重合開始剤であっても光カチオン重合開始剤であってもよく、その種類は制限されない。光重合開始剤を含むことでインク組成物から形成される印刷物を紫外線照射により硬化させることができる。
光ラジカル重合開始剤としては、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノン、又は2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、又は2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、又はエタノン,1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル〕-,1-(O-アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が挙げられる。
アセトフェノン系化合物の市販品としては、IGM Resins B.V.社製の「Omnirad 907」(2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン)、「Omnirad 369」(2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノン)、「Omnirad 379」2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン;ホスフィン系化合物の市販品としては、IGM Resins B.V.社製の「Omnirad 819」(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド)、「Omnirad TPO H」(2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド)等が挙げられる。
光カチオン重合開始剤としては、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、4-イソプロピル-4'-メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート等のヨードニウム塩、トリ-p-トリルスルホニウムヘキサフルオロホスファート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボラート等のスルフォニウム塩が挙げられる。
ヨードニウム塩系化合物の市販品としては、富士フィルム和光純薬社製の「WPI-113」(ビス[4-(アルキルC10~C13)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート)、「WPI-116」(ビス[4-(アルキルC10~C13)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート)、「WPI-169」(ビス[4-ターシャリーブチルフェニル]ヨードニウムビスペルフルオロブタンスルフォニルイミド)、「WPI-170」ビス[4-ターシャリーブチルフェニル]ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート)、「WPI-124」(ビス[4-(アルキルC10~C13)フェニル]ヨードニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート);スルフォニウム塩系化合物の市販品としては、サンアプロ株式会社製のCPI-100P(トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスファート)、CPI-101A(トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート)、CPI-310BP(トリアリールスルホニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート)、BASF株式会社製の「Irgacure290」(テトラキスペンタフルオロフェニルボレート)等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いてもよい。
[架橋剤]
また、樹脂又は重合性モノマーを用いる場合、架橋剤を併用してもよい。架橋剤を含むことにより、塗膜の耐傷性や薬品耐性が向上する。また、樹脂又は重合性モノマーと、架橋剤とを使用して熱硬化させる場合の温度は、300℃以下であってもよく、230℃以下であってもよく、180℃以下であってもよく、150℃以下であってもよい。
架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、アミン系架橋剤又は金属キレート系架橋剤等が挙げられる。また、山下晋三ら編「架橋剤ハンドブック」(大成社、1981年)等に記載の架橋剤や架橋反応を利用してもよい。
これらの架橋剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、及びこれらのポリイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、これらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体等が挙げられる。
エポキシ系架橋剤としては、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
アジリジン系架橋剤としては、例えば、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N′-ジフェニルメタン-4,4′-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、N,N′-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
メラミン系架橋剤としては、例えば、へキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサプトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサヘキシルオキシメチルメラミン、メラミン樹脂等が挙げられる。
アルデヒド系架橋剤としては、例えば、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マレインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
アミン系架橋剤としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、トリエチルテトラアミン、イソフォロンジアミン、アミノ樹脂、ポリアミド等が挙げられる。
金属キレート系架橋剤としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、パナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセトアセチルエステル配位化合物等が挙げられる。
架橋剤の含有量は、インク組成物の固形分全量に対して0.01~10質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.05~5質量%、特に好ましくは0.1~2質量%である。上記範囲内にすることで耐傷性、耐薬品性が良好な塗膜を形成することができる。また、組成物の粘度がインクジェットヘッドの適正粘度範囲内となり、ヘッドの詰まりや吐出性低下を防ぐことができる。
<溶剤>
本発明のインク組成物は、低粘度化、基材への濡れ広がり性の向上等のため、前記記載の組成を分散又は溶解させることが可能な溶剤を含有させてもよい。その種類は特に限定されず、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテル類、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、芳香族炭化水素類、ケトン類、低級及び高級アルコール類、環状エステル類等が挙げられる。
より具体的には、前記溶剤として、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレンクリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のトリエチレングリコールモノアルキルエーテル類;トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のトリエチレングリコールジアルキルエーテル類;テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル等のテトラエチレングリコールモノアルキルエーテル類;テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のテトラエチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、及びメトキシペンチルアセテート等のアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル等のエステル類;γ-ブチロラクトン、ε-カプロラクトン等の環状エステル類等が挙げられる。
溶剤は用途によって選択することができ、インクジェットインキの場合には、量子ドット及び樹脂に対する溶解性、装置部材に対する膨潤作用、並びに、粘度及びノズルにおける乾燥性の点から選択され、沸点が好ましくは100℃以上であり、より好ましくは130℃以上である。これら溶剤は単独又は2種類以上を混合して使用できる。
溶剤の含有量は、インク組成物の分散安定性及び製造工程における工程の容易性(例、塗布性)等を考慮して適宜選定される。
<重合禁止剤>
インク組成物は、保存安定性を高めるため、4-メトキシフェノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t-ブチルハイドロキノン、2,5-t-ブチル-4-メチルフェノール、フェノチアジン、N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩等の重合禁止剤を含んでもよい。重合禁止剤の含有量は、硬化性を維持しつつ安定性を高める点から、インク組成物の固形分全量に対して0.01~0.1質量部の割合が好ましい。
<その他の成分>
インク組成物は、印刷適性や印刷物耐性を高めるため、表面調整剤、レベリング剤、紫外線吸収剤又は酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて使用することができる。
<ろ過>
インク組成物は、組成物から形成される塗膜中における粒子凝集による異物発生の抑制や、塗膜の平滑性を維持するためにフィルターでろ過をすることが好ましい。フィルターの孔径は好ましくは5μm以下であり、より好ましくは3μm以下である。
<インクジェットインキ>
インク組成物をインクジェットインキとして使用する場合、25℃での粘度が5~100mPa・sであると好ましい。この粘度領域であると、4~10KHzの周波数を有する通常用いられるヘッドから10~50KHzの高周波数ヘッドまで安定した吐出特性を示す。粘度が5mPa・s以上の場合は、高周波数のヘッドにおいて吐出の追随性の低下が認められず好ましい。100mPa・s以下の場合は吐出性が良好であり吐出安定性に優れ好ましい。
インク組成物をインクジェットインキとして使用する場合、インク組成物をインクジェット記録方式用プリンタのプリンタヘッドに供給し、プリンタヘッドから基材上に吐出し、その後、溶剤乾燥工程、又は、紫外線若しくは電子線等の活性エネルギー線照射工程を経て、印刷媒体上に塗膜を形成させることができる。
溶剤乾燥を行う場合、溶剤を除去できれば乾燥温度及び乾燥時間は特に制限されず、100℃以上でもよく、180℃以下でもよく、風乾でもよい。乾燥時間は、1分以上でもよく、10分以上でもよく、120分以下でもよい。上記範囲内にすることで十分に強度のある塗膜を得ることができる。
また、活性エネルギー線の光源として紫外線を用いる場合、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、紫外線レーザー、LED、又は太陽光を用いることができる。露光量は100mJ/cm以上でもよく2000mJcm以下でもよい。上記露光条件にすることで十分に強度のある塗膜を得ることができる。
<印刷物>
本発明の印刷物は、基材上にインク組成物からなる印刷層を有する。
基材は特に限定されず、ポリカーボネート、硬質塩ビ、軟質塩ビ、ポリスチレン、発砲スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン又はPET等のプラスチック基材やこれら混合又は変性品、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙等の紙基材、ガラス又はステンレス等の金属基材等が挙げられる。
<カラーフィルタ>
本発明のインク組成物を用いて、カラーフィルタを構成するフィルタセグメントを形成することができる。特にインクジェット方式はフォトリソグラフィー方式に比べて、印刷効率及びコストの観点から好ましい。
本発明のカラーフィルタは、赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント及び青色フィルタセグメントを備えており、さらにマゼンタ色フィルタセグメント、シアン色フィルタセグメント又は黄色フィルタセグメントを備えてもよく、いずれかのフィルタセグメントが本発明のインク組成物により形成されていればよい。
本発明のインク組成物を用いてカラーフィルタを製造する場合、透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、予めブラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウム等の無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用いられるが、これらに限定されない。また、上記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜トランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコート膜や透明導電膜などを形成させてもよい。
本発明のカラーフィルタは、カラー液晶表示装置以外にカラー固体撮像素子、有機EL表示装置、量子ドット表示装置又は電子ペーパー等の製造にも使用することができる。
<光波長変換層>
本発明のインク組成物を用いて形成され層(塗膜)は、光波長変換層として用いることができる。光波長変換層は、励起光を長波長側の蛍光に変換して放出することが可能であり、例えば、青色や紫外光を励起光として緑色や赤色の蛍光を得ることや、紫外光や可視光を励起光として近赤外領域の蛍光を得ることができる。
光波長変換層の厚みは、好ましくは1~500μmであり、より好ましくは1~50μmであり、さらに好ましくは1~10μmである。厚みが1μm以上であると、高い波長変換効果が得られるため好ましい。また、厚みが500μm以下であると光源ユニットに組み込んだ場合に光源ユニットを薄くすることができるため好ましい。
<光波長変換部材>
前述の光波長変換層を用いて、光波長変換部材とすることもできる。
光波長変換部材は、特定基材の少なくとも片面に前述の光波長変換層が形成された部材である。基材は特に限定されず、ポリカーボネート、硬質塩ビ、軟質塩ビ、ポリスチレン、発砲スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン若しくはPET等のプラスチック基材やこれら混合又は変性品、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙等の紙基材、ガラス若しくはステンレス等の金属基材等が挙げられる。
基材は用途に応じて選択され、プリペイドカードや通行カード等の用途であれば、耐久性の観点からプラスチック基材やこれらの混合又は変性品が好ましい。情報記録媒体としての1次元バーコード、2次元バーコード、QRコード(登録商標)(マトリックス型2次元コード)の用途であれば、プラスチック基材の他に紙基材も好適に用いられる。波長変換用カラーフィルタ用途であれば透明基板が好ましい。
<発光素子>
インク組成物を用いて形成された層は、発光素子における発光層として用いることができる。発光素子は、基板と、基板上に設けられた陰極と陽極を有し、両電極の間に発光層を備え、陰極及び陽極の少なくとも一方に電荷輸送層を備えている。さらに、発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は透明である。
発光素子の積層の態様としては、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が好ましい。さらに、正孔輸送層と発光層との間、又は、発光層と電子輸送層との間には、電荷ブロック層等を有していてもよい。陽極と正孔輸送層との間に、正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には、電子注入層を有してもよい。また、発光層としては一層だけでもよく、また、第一発光層、第二発光層、第三発光層等に発光層を分割してもよい。さらに、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
<基板>
基板としては、例えば、公知の有機EL素子に用いられる基板を用いることができる。基板は樹脂フィルムであってもよく、ガスバリアフィルムであってもよく、特開2004-136466号公報、特開2004-148566号公報、特開2005-246716号公報、特開2005-262529号公報等に記載のガスバリアフィルムも好ましく用いることができる。
基板の厚みは、特に規定されないが30μm~700μmが好ましく、より好ましくは40μm~200μm、さらに好ましくは50μm~150μmである。さらにいずれの場合もヘイズは3%以下が好ましく、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下、全光透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。
<陽極>
陽極は、通常、有機化合物あるいは無機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。上述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述がある。基板として耐熱性の低いプラスチック基材を用いる場合は、ITO、IZO又はIGZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
<陰極>
陰極は、通常、有機化合物あるいは無機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
陰極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物等が挙げられる。具体例としては2属金属(例えばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、リチウム- アルミニウム合金、マグネシウム- 銀合金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を好適に併用することができる。
これらの中でも、陰極を構成する材料としては、アルミニウムを主体とする材料が好ましい。アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01~100質量% のアルカリ金属又は2属金属との合金(例えば、リチウム- アルミニウム合金、マグネシウム- アルミニウム合金など)をいう。なお、陰極の材料については、特開平2-15595号公報、特開平5-121172号公報に詳述されている。また、陰極と前記有機化合物又は無機化合物層との間に、アルカリ金属又は2属金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1~5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。
陰極の厚みは、陰極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常10nm~5μm程度であり、50nm~1μmが好ましい。また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1~10nmの厚さに薄く成膜し、さらにITO、IZOやIGZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
<発光層>
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子との再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。発光層は、量子ドットのみで構成されていてもよく、量子ドットとホスト材料との混合層の構成でもよい。発光材料は、さらに、蛍光発光材料でも燐光発光材料を含有してもよく、ドーパントは1種であっても2種以上であってもよい。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であってもよく、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料とを混合した構成が挙げられる。さらに、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいてもよい。また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
前記蛍光発光材料の例としては、例えば、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8-キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体等の化合物等が挙げられる。
前記燐光発光材料は、例えば、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体が挙げられる。
前記遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金である。
前記ランタノイド原子としては、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマ
リウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エル
ビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原
子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、及びガドリニウムが好ましい。
錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著, Comprehensive Coordination Chemistry, PergamonPress社1987年発行、H. Yersin著, 「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」 Springer-Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学-基礎と応用- 」裳華房社1982年発行等に記載の配位子等が挙げられる。
また、発光層に含有されるホスト材料としては、例えば、カルバゾール骨格を有するもの、ジアリールアミン骨格を有するもの、ピリジン骨格を有するもの、ピラジン骨格を有するもの、トリアジン骨格を有するもの及びアリールシラン骨格を有するものや、後述の正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層の項で例示されている材料が挙げられる。
<正孔注入層、正孔輸送層>
正孔注入層及び正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。前述する機能を有すれば有機化合物であっても無機化合物であってもよく、低分子化合物でも高分子化合物でも金属酸化物であってもよい。正孔注入層、正孔輸送層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、フタロシアニン系化合物、有機シラン誘導体等の低分子化合物、カーボン、フラーレン等の炭素化合物、五酸化バナジウムや三酸化モリブデン等の金属酸化物からなる無機化合物、ポリビニルカルバゾール、ポリピロール、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT-PSS)等の高分子化合物等を含有する層であることが好ましい。
<電子注入層、電子輸送層>
電子注入層及び電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子注入層、電子輸送層は、具体的には、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8-キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体等の低分子化合物、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO)等の金属酸化物やアルカリ金属ドーピングされた有機あるいは無機化合物を含有する層であることが好ましい。
<正孔ブロック層>
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通り抜けることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として、正孔ブロック層を設けることができる。また、電子輸送層・電子注入層が正孔ブロック層の機能を兼ねていてもよい。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。また、陰極側から発光層に輸送された電子が陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層を、発光層と陽極側で隣接する位置に設けることもできる。正孔輸送層・正孔注入層がこの機能を兼ねていてもよい。
<発光デバイス>
光波長変換部材と発光素子とを組み合わせて、発光デバイスとして用いることができる。前記発光デバイスは、少なくとも、光波長変換部材の光波長変換層又は発光素子の発光層のいずれか一方が、本発明のインク組成物を用いて形成されていればよい。
光波長変換部材は、励起光を長波長側の蛍光に変換して放出するものであり、例えば、青色や紫外光を緑色や赤色の蛍光に変換したり、紫外光や可視光を近赤外領域の蛍光に変換することができる。光波長変換部材は、励起光波長と放出蛍光波長の関係を維持するものであれば特に制限はなく、適宜最適なものを選択することができる。
また、従来公知の発光素子の光源としては、発光ダイオード(LED)や半導体レーザー(LD)等の半導体発光素子、;有機エレクトロルミネッセンス(有機EL);又は量子ドットを用いることができる。
以下に、実施例より本発明を更に具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲をなんら制限するものではない。特に明記しない限り、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を表す。
まず、量子ドット(コア/シェル型)のコアの平均粒径、有機微粒子(B)の平均粒子径と金属酸化物微粒子(C)の平均一次粒子径の測定方法の測定方法について説明する。
<量子ドット(コア/シェル型)のコアの平均粒径測定>
後述の量子ドット(A)溶液を、メトキシプロピルアセテートで約100倍に希釈し、希釈液を電子顕微鏡用グリット(製品名:支持膜付きグリッドCu150メッシュ)にキャストして室温で15時間以上乾燥させた。走査透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製JEM2800)を用いて加速電圧200kV、観察倍率200万倍で測定し、得られた画像からコアの粒子径を求めた。量子ドット粒子10点の平均値を平均粒径とした。
<有機微粒子(B)の平均粒子径>
有機微粒子(B)の平均粒子径は、日機装(株)社製「ナノトラックUPA」を用いて測定した。固形分濃度を20質量%に調節した有機微粒子(B)分散液を、分散液と同じ溶媒で満たしたセル内へ数滴たらし、信号レベルが最適値になった濃度で測定を行った。
<金属酸化物微粒子(C)の平均一次粒子径>
金属酸化物微粒子(C)平均一次粒子径は、金属酸化物微粒子(C)分散液それぞれを、メトキシプロピルアセテートで約100倍に希釈し、希釈液を電子顕微鏡用グリット(製品名:支持膜付きグリッドCu150メッシュ)にキャストして室温で15時間以上乾燥させた。走査型過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製JEM2800)を用いて加速電圧200kV、観察倍率200万倍で測定し、金属酸化物微粒子(C)の50点の平均値を平均粒径とした。
<量子ドット(A)の製造>
(量子ドット分散液(A-1))
無水酢酸亜鉛0.55部、ドデカンチオール7.0部、オレイルアミン5.0部を加熱溶解し添加液を作成した。塩化インジウム0.22部、オクチルアミン8.25部を反応容器に入れ、窒素バブリングを行いながら、165℃に加熱した。塩化インジウムが溶解した後、ジメチルアミノホスフィン0.86部を短時間で注入し、20分間165℃に制御した。その後、急冷し、40度に冷却した。上記添加液を注入し、240℃2時間加熱した後に、室温まで放冷した。放冷後、ヘキサンとエタノールを用いて再沈澱法で精製を行い、InP(コア)/ZnS(シェル)の量子ドット(0-1)を得た。
つづいて、得られた量子ドット(0-1)をトルエン中固形分濃度1%に希釈し、同量の5%6-(ジエチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールのトルエン溶液を添加し、12時間撹拌した。トルエンとエタノールを用いて再沈澱法で精製を行い、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを用いて固形分濃度20%に調整し、6-(ジエチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールで表面処理された量子ドット分散液(A-1)を得た。
量子ドット分散液(A-1)の電子顕微鏡画像から求めた、量子ドットのコアの平均粒子径は7nmであった。
(量子ドット分散液(A-2))
量子ドット(0-1)をトルエン中固形分濃度1%に希釈し、同量の2.5%6-(ジエチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールのトルエン溶液を添加し、12時間撹拌した。トルエンとエタノールを用いて再沈澱法で精製を行い、メトキシプロピルアセテートを用いて固形分濃度20%に調整し、6-(ジエチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールで表面処理された量子ドット分散液(A-2)を得た。
量子ドット分散液(A-2)の電子顕微鏡画像から求めた、量子ドットのコアの平均粒子径は7nmであった。
(量子ドット分散液(A-3))
トルエンとエタノールを用いて再沈澱法で精製を行った後に、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートの代わりにジプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学社製「APG-100」)を用いて固形分濃度60%に調整した以外は、量子ドット分散液(A-1)と同様にして、6-(ジエチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオールで表面処理された量子ドット分散体(A-3)を得た。
量子ドット分散液(A-3)における量子ドットはInP(コア)/ZnS(シェル)であり、量子ドットのコアの平均粒子径は7nmであった。
<有機微粒子(B)の製造>
(有機微粒子分散液(B-1))
窒素雰囲気下、水560部の中に、トリフルオロエチルメタクレート50部、メチルメタクリレート40部、アリルメタクリレート5部、及びイソボルニルメタクリレート5部を添加、撹拌し、80℃に昇温し、2,2-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロリド0.167部をごく少量の水に溶解した水溶液を一気に加え、80℃で8時間重合した。重合後、エチレングリコールモノブチルエーテルを加え、ストリッピングにより水を除去し、固形分20質量%に調整した、フッ素置換基を有するアクリル樹脂微粒子である、有機微粒子分散液(B-1)を得た。
得られた有機微粒子分散液(B-1)中の有機微粒子の平均粒子径は280nmであった。
(有機微粒子分散液(B-2~4))
溶剤組成とモノマー組成を、表1に示す組成及び配合量(部)に変更した以外は、有機微粒子分散液(B-1)と同様の方法で、フッ素置換基を有するアクリル樹脂微粒子である、有機微粒子分散液(B-2~4)を得た。得られた有機微粒子分散液の平均粒子径を表1に示した。
(有機微粒子分散液(B-5))
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート80部中に、エポスターS(日本触媒株式会社製、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、平均粒子径200nm)を16.0部、BYK-111(ビッグケミー株式会社製)を4.0部配合し、ガラスビーズ(粒子径:850-1180μm)を加え、ペイントコンディショナーを用いて2時間分散処理を行い、メラミン樹脂微粒子である、有機微粒子分散液(B-5)を得た。
得られた有機微粒子分散液(B-5)中の有機微粒子の平均粒子径は175nmであった。
(有機微粒子分散液(B-6))
エポスターSを、エポスターFS(日本触媒株式会社製、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、平均粒子径200nm)に変更した以外は、有機微粒子分散液(B-5)と同様にして、メラミン樹脂微粒子である、有機微粒子分散液(B-6)を得た。
得られた有機微粒子分散液(B-6)中の有機微粒子の平均粒子径は173nmであった。
(有機微粒子分散液(B-7))
エポスターSを、MX-80H3wTM(綜研化学株式会社製、架橋アクリル単分散粒子、平均粒子径800nm)に変更した以外は、有機微粒子分散液(B-5)と同様にして、アクリル樹脂微粒子である、有機微粒子分散液(B-7)を得た。
得られた有機微粒子分散液(B-7)中の有機微粒子の平均粒子径は732nmであった。
(有機微粒子分散液(B-8))
エポスターSを、MX-80H3wTM(綜研化学株式会社製、架橋アクリル単分散粒子、平均粒子径800nm)に、BYK-111をBYK-2155(ビッグケミー株式会社製)に変更した以外は、有機微粒子分散液(B-5)と同様にして、アクリル樹脂微粒子である、有機微粒子分散液(B-8)を得た。
得られた有機微粒子分散液(B-6)中の有機微粒子の平均粒子径は673nmであった。
(有機微粒子分散液(B-9))
窒素雰囲気下、水560部の中に、トリフルオロエチルメタクレ-ト50部、メチルメタクリレ-ト40部、アリルメタクリレ-ト5部、及びイソボルニルメタクリレ-ト5部を添加、撹拌し、80℃に昇温した。昇温後、2,2-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロリド0.167部をごく少量の水に溶解した水溶液を一気に加え、80℃で8時間重合した。重合後、昇温することで水を除去し、光散乱粒子(B-9P)を90部得た。次いで、得られた光散乱粒子(B-9P)7.5部、BYK-2155(ビッグケミー株式会社製)を0.75部、ジプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学社製「APG-100」)4.25部を混合し、ジルコニアビーズ(粒径1.25mm)75部を加え、ペイントシェーカーで80分間撹拌した。撹拌後、ジルコニアビーズを除去して、固形分濃度60%の、フッ素置換基を有する有機微粒子分散液(B-9)を得た。得られた光散乱粒子の平均粒子径は280nmであった。
(有機微粒子分散液(B-10))
ジプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学社製「APG-100」)6.6部中に、エポスターS(日本触媒株式会社製、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、平均粒子径200nm)を10部、BYK-111(ビッグケミー株式会社製)を0.1部配合し、ジルコニアビーズ(粒径1.25mm)を加え、ペイントコンディショナーを用いて2時間分散処理を行い、固形分濃度60%のメラミン樹脂微粒子を含有する、有機微粒子分散液(B-10)を得た。
得られた有機微粒子分散液(B-10)中の有機微粒子の平均粒子径は175nmであった。
<金属酸化物微粒子(C)の製造>
(金属酸化物微粒子分散液(C-1))
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート60部中に、MT700B(テイカ株式会社製、微粒子酸化チタン、平均一次粒子径80nm)を20部、BYK-2155(ビッグケミー株式会社製)を20部配合し、ガラスビーズ(粒子径:850-1180μm)を加え、ペイントコンディショナーを用いて2時間分散処理を行い、金属酸化物微粒子分散液(C-1)を得た。
得られた金属酸化物微粒子分散液(C-1)の金属酸化物微粒子の平均一次粒子径は84nmであった。
(金属酸化物微粒子分散液(C-2))
MT700Bを、MT600B(テイカ株式会社製、微粒子酸化チタン、平均一次粒子径50nm)に変更した以外は、金属酸化物微粒子分散液(C-1)と同様にして、金属酸化物微粒子分散液(C-2)を得た。
得られた金属酸化物微粒子分散液(C-2)の金属酸化物微粒子の平均一次粒子径は50nmであった。
(金属酸化物微粒子分散液(C-3))
MT700Bを、MT600SA(テイカ株式会社製、Si、Al処理、微粒子酸化チタン、平均一次粒子径50nm)に変更した以外は、金属酸化物微粒子分散液(C-1)と同様にして、金属酸化物微粒子分散液(C-3)を得た。
得られた金属酸化物微粒子分散液(C-3)の金属酸化物微粒子の平均一次粒子径は50nmであった。
(金属酸化物微粒子分散液(C-4))
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート60部中に、JR603(テイカ株式会社製、Si、Al処理、微粒子酸化チタン、平均一次粒子径250nm)を20部、BYK-2155(ビッグケミー株式会社製)を20部配合し、ガラスビーズ(粒子径:850-1180μm)を加え、ペイントコンディショナーを用いて2時間分散処理を行い、金属酸化物微粒子分散液(C-4)を得た。
得られた金属酸化物微粒子分散液(C-4)の金属酸化物微粒子の平均一次粒子径は250nmであった。
(金属酸化物微粒子分散液(C-5))
ジプロピレングリコールジアクリレート(新中村化学社製「APG-100」)13.1部中に、MT600SA(テイカ株式会社製、微粒子酸化チタン、平均一次粒子径80nm)を20部、BYK-2155(ビッグケミー株式会社製)を0.2部配合し、ガラスビーズ(粒子径:850-1180μm)を加え、ペイントコンディショナーを用いて3時間分散処理を行い、金属酸化物微粒子分散液(C-5)を得た。
得られた金属酸化物微粒子分散液(C-5)の金属酸化物微粒子の平均一次粒子径は84nmであった。
<バインダー成分(D)の製造>
(バインダー樹脂溶液(Dp-1))
BASF社製アクリル系樹脂『ジョンクリル819』を、30質量%になるようにエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートで調整し、バインダー樹脂溶液(Dp-1)を得た。
(バインダー樹脂溶液(Dp-2))
BASF社製アクリル系樹脂『ジョンクリル586』を、30質量%になるようにエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートで調整し、バインダー樹脂溶液(Dp-2)を得た。
<インク組成物(インクジェットインキ)の製造>
[実施例1]
(インク組成物(I-1))
量子ドット分散液(A-1)45.0部、有機微粒子分散液(B-1)3.6部、金属酸化物微粒子分散液(C-1)5.0部、バインダー樹脂溶液(Dp-1)14.8部、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート31.6部を計量し、その後密閉して撹拌し、孔径1μmのメンブレンフィルターを用いてろ過を行い、組成物(I-1)を得た。
[実施例2~28、比較例1~9]
(組成物(I-2~37))
表2に示す組成及び配合量に変更した以外は組成物(I-1)と同様にして、組成物(I-2~37)を得た。
表2中の略称を以下に示す。
・Dm-1:ジエチルアクリルアミド
・Dm-2:ジプロピレングリコールジアクリレート
・BGAc:エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート
・ε-CL:ε-カプロラクトン
・1、4-BDDA:1,4-ブタンジオールジアセテート
・Omnirad907:2-メチル-1-(4-(メチルチオ)フェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン
・Omnirad819:ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド
・カヤキュアDETX-S:2,4-ジエチルチオキサンテン-9-オン
<インク組成物の評価>
得られた組成物(I-1~37)について、以下の評価を実施した。結果を表3に示す。
(再分散性)
組成物を側面が透明であるスクリュー管瓶(容量約150mL)に100mL取り分けた後、25℃環境下で3日間静置して組成物を沈降させた。その後ペイントシェーカーで撹拌し、目視で沈降物が分散されるまでの時間を確認し、下記の基準で評価した。重合性モノマーを含む組成物は、イエロールーム環境下で評価を行った。
〇:目視で沈降物が分散されるまでの時間が1分間未満(良好)
△:目視で沈降物が分散されるまでに時間が1分間以上5分間未満(使用可能)
×:目視で沈降物が分散されるまでの時間が5分間以上(使用不可)
(励起光透過率)
組成物をバーコーターを用いて乾燥後膜厚6.0μmになるように透明フィルム(東レ(株)社製ポリエステルフィルム ルミラー75S10)に塗工した。重合性モノマーを含まない組成物は100℃環境下で乾燥させて膜を形成し、重合性モノマーを含む組成物は、窒素置換したグローブボックス内に設置したLED照射器を用いて、積算光量500mJ/cm(UVA換算)照射し硬化膜を形成した。得られた塗膜の励起光透過率を大塚電子株式会社製QE-2000を用いて測定し、下記基準で評価した。なお励起波長は450nmとした。
◎:10%未満(非常に良好)
〇:10%以上20%未満(良好)
△:20%以上30%未満(使用可能)
×:30%以上(使用不可)
(外部量子効率(EQE))
組成物をバーコーターを用いて乾燥後膜厚6.0μmになるように透明フィルム(東レ(株)社製ポリエステルフィルム ルミラー75S10)に塗工した。重合性モノマーを含まない組成物は100℃環境下で乾燥させて膜を形成し、重合性モノマーを含む組成物は、窒素置換したグローブボックス内に設置したLED照射器を用いて、積算光量500mJ/cm(UVA換算)照射し硬化膜を形成した。得られた塗膜の外部量子効率(EQE)を大塚電子株式会社製QE-2000を用いて測定し、下記基準で評価した。なお励起波長は450nmとし、蛍光波長の積分範囲は500nm~800nmとした。
◎:20%以上(非常に良好)
〇:15%以上20%未満(良好)
△:10%以上15%未満(使用可能)
×:10%未満(使用不可)
表3によれば、本発明のインク組成物は、再分散性に優れ、励起光の透過率を抑制し、高い発光効率を示した。さらに、有機微粒子(B)と金属酸化物微粒子(C)の比率が、特に好ましい範囲(0.4以上0.8未満)である場合に、励起光透過率が抑制され且つ発光効率が非常に良好であるため色純度に優れる(実施例6、16、17、20、21、23~25、27、28)。
一方、有機微粒子(B)は再分散性及び発光効率の観点では効果的であるが、励起光透過率の抑制が不十分であるため、発光効率が高くとも色純度を高めることが困難である(比較例1-3)。
金属酸化物微粒子(C)は、添加量を多くすることで発光効率の向上や白色のため励起光の抜けを抑制することが期待されるが、比重が大きいため沈降や凝集が起きやすく再分酸性との両立が困難である(比較例4-6)。また平均一次粒子径が大きい金属酸化物粒子も同様である(比較例7-9)。
すなわち、本発明のインク組成物は、有機微粒子(B)及び金属酸化物微粒子(C)を含むことで、再分散性、励起光透過率抑制及び発光効率の向上を同時に満たし、色純度を高くすることができ、((B)/(C))比率が0.4以上0.8未満である場合に、特に優れた効果を発揮する。
<インクジェット吐出評価1>
得られたインク組成物(I-6)をカートリッジに充填し、下記条件でインクジェット印刷を行ったところ、問題なく吐出できインクジェット印刷が可能であることを確認した。
≪インクジェット吐出条件≫
印刷機:DymatixMaterialsPrinter
カ-トリッジ:DymatixMaterialsCartriges 10pL
ヘッド駆動電圧:25V
ヘッド駆動温度:30℃
基材:ガラス基板(コーニング社製ガラス「イーグル2000」0.7mm厚)
<インクジェット吐出評価2>
得られたインク組成物(I-27)をカートリッジに充填し、下記条件でインクジェット印刷を行ったところ、問題なく吐出できインクジェット印刷が可能であることを確認した。
≪インクジェット吐出条件≫
印刷機:DymatixMaterialsPrinter
カ-トリッジ:DymatixMaterialsCartriges 10pL
ヘッド駆動電圧:25V
ヘッド駆動温度:40℃
基材:ガラス基板(コーニング社製ガラス「イーグル2000」0.7mm厚)
よって、本発明のインク組成物はインクジェット吐出性を有しておりインクジェットインキとして用いることができる。また、インク組成物から得られる印刷物は、高い発光効率を発揮するカラーフィルタ等に適用することができる。
<印刷物の読み込み評価1>
インク組成物(I-20)を用いてQRコード(登録商標)を白色のインクジェット記録用紙(富士フイルム社製画彩 写真仕上げPro)に印刷した。QRコード(登録商標)を可視光下でコードリーダーを用いて読み込んだところ、記録されている情報を読み取ることができた。
<印刷物の読み込み評価2>
インク組成物(I-20)を用いてQRコード(登録商標)を黒色のカーボン用紙(ゼネラル社製ハイタッチカーボン紙 クロ)に印刷した。QRコード(登録商標)を可視光下でコードリーダーを用いて読み込んだところ、記録されている情報を読み取ることができなかった。次いで、QRコード(登録商標)に波長365nmのブラックライトを照射したところ、照射部にQRコード(登録商標)のパターンが可視化され、可視化された状態のQRコード(登録商標)をコードリーダーで読み込もんだところ、記録されている情報を読み取ることができた。
本発明のインク組成物を用いて特定の記録紙上に印刷されたQRコード(登録商標)は、可視光下ではQRコード(登録商標)に記録されている情報を読み取ることができないが、特定波長の光源で照射されている状態では情報を読み込むことができるため、高いセキュリティを有する印刷物の提供を可能にする。
[産業上利用の可能性]
本発明のインク組成物を用いて印刷された印刷物は、カラーフィルタ、光波長変換層、太陽電池、レーザー、蛍光標識、センサー等に好適に用いることができる。さらに、特定波長による蛍光応答を利用することによって、ブランドラベル、1次元バーコード、2次元バーコード、QRコード(登録商標)、シンボルマーク等にセキュリティ性を持たせることができ、光源の波長を切り替えることで多重化情報を読みこむことができる印刷物の提供が可能になる。また、本発明のインク組成物は、従来の蛍光体含有インキよりも発色性が高く、色域が広いという顕著な効果が期待できる。さらに本発明のインキ組成物を単体又は既存のCMYKのインキと組み合わせると、特定波長の光線照射によって絵柄を浮き出させたり、絵柄を変換することが可能となる。

Claims (11)

  1. 量子ドット(A)、有機微粒子(B)、金属酸化物微粒子(C)及びバインダー成分(D)を含むインク組成物であって、前記有機微粒子(B)が、フッ素置換基を有することを特徴とするインク組成物
  2. 前記有機微粒子(B)の含有量が、前記インク組成物の固形分全量に対して、2質量%以上30質量%以下である、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記金属酸化物微粒子(C)の含有量が、前記インク組成物の固形分全量に対して、2質量%以上20質量%以下である、請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 前記金属酸化物微粒子(C)に対する前記有機微粒子(B)の質量比率((B)/(C))が0.4以上0.8未満である、請求項1~3いずれか1項に記載のインク組成物。
  5. 前記有機微粒子(B)が、メラミン樹脂微粒子及びアクリル樹脂微粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種の微粒子を含む、請求項1~4いずれか1項に記載のインク組成物。
  6. 前記金属酸化物微粒子(C)の平均一次粒子径が30~100nmである、請求項1~5いずれか1項に記載のインク組成物。
  7. 前記金属酸化物微粒子(C)が酸化チタン微粒子である、請求項1~6いずれか1項に記載のインク組成物。
  8. 前記量子ドット(A)が、2族元素、10族元素、11族元素、12族元素、13族元素、14族元素、15族元素及び16族元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物半導体である、請求項1~7いずれか1項に記載のインク組成物。
  9. 請求項1~8いずれか1項に記載のインク組成物を含むインクジェットインキ。
  10. 請求項9に記載のインクジェットインキより形成される印刷物。
  11. 請求項9に記載のインクジェットインキより形成されてなるフィルタセグメントを具備する、カラーフィルタ。
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