JP7323168B2 - 酸化染毛剤第一剤 - Google Patents
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本発明は、例えば以下の[1]~[6]である。
[3]前記炭素数14~22の高級アルコール(A)が、セトステアリルアルコール、セタノール、およびベヘニルアルコールから選択される少なくとも1種である、[1]または[2]に記載の酸化染毛剤第一剤。
本発明において、酸化染毛剤第一剤とは、二剤式の酸化染毛剤における、第一剤のことを指す。
本発明の酸化染毛剤第一剤は、炭素数14~22の高級アルコール(A)4.8~18質量%と、HLBが3以上9以下であり、かつ炭素数12~22のアルキル鎖を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)0.08~2.4質量%と、HLBが9より大きく20以下であり、かつ炭素数12~22のアルキル鎖を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)1.6~6.4質量%と、カチオン性界面活性剤(D)0.07~2.1質量%とを含み、前記HLBが3以上9以下であり、かつ炭素数12~22のアルキル鎖を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)と、前記炭素数14~22の高級アルコール(A)との質量比(B/A)が、0.01~0.3であり、前記HLBが9より大きく20以下であり、かつ炭素数12~22のアルキル鎖を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)と、前記炭素数14~22の高級アルコール(A)との質量比(C/A)が、0.2~0.8である。
本発明における各成分の含有量は、酸化染毛剤第一剤を100質量%とした場合の含有量を示している。
本発明の酸化染毛剤第一剤は、炭素数14~22の高級アルコール(A)を4.8~18質量%、好ましくは8~10質量%含む。
炭素数14~22の高級アルコール(A)が、前記下限量より少ないと、剤がほとんど乳化できず、経時安定性が悪い。また、剤が緩すぎて伸ばしにくく、毛髪に均一に塗布できない。
炭素数14~22の高級アルコール(A)が、前記上限量より多いと、剤が硬すぎて伸びにくく、ムラに染まってしまう。
炭素数14~22の高級アルコール(A)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明において、HLBが3以上9以下であり、かつ炭素数12~22のアルキル鎖を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)を、成分(B)とも記す。
本発明の酸化染毛剤第一剤は、成分(B)を0.08~2.4質量%、好ましくは0.35~0.8質量%含み、成分(B)と、炭素数14~22の高級アルコール(A)との質量比(B/A)が、0.01~0.3、好ましくは0.04~0.1である。
成分(B)が、前記下限量より少ない、または前記上限量より多いと、炭素数14~22の高級アルコール(A)が析出してしまい、ボソボソとした剤になってしまう。また、毛髪に均一に塗布できなくなり、ムラに染まってしまう。
成分(B)が、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、およびPOEベヘニルエーテルから選択される少なくとも1種であることが好ましい。具体的には、成分(B)が、POE(2)セチルエーテル(HLB5.7)、POE(2)ステアリルエーテル(HLB4.0)、およびPOE(5)ベヘニルエーテル(HLB7.0)から選択される少なくとも1種であることがより好ましく、POE(2)セチルエーテル、およびPOE(5)ベヘニルエーテルがさらに好ましく、POE(2)セチルエーテルが最も好ましい。
成分(B)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明において、HLBが9より大きく20以下であり、かつ炭素数12~22のアルキル鎖を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)を、成分(C)とも記す。
成分(C)が、前記下限量より少ない、または前記上限量より多いと、炭素数14~22の高級アルコール(A)が析出してしまい、ボソボソとした剤になってしまう。また、毛髪に均一に塗布できなくなり、ムラに染まってしまう。
本発明の酸化染毛剤第一剤は、カチオン性界面活性剤(D)を0.07~2.1質量%、好ましくは0.7~1.4質量%含む。
カチオン性界面活性剤(D)が、前記下限量より少ないと、ほとんど乳化できず、経時安定性が悪くなる。
カチオン性界面活性剤(D)が、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、および塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムから選択される少なくとも1種であることが好ましく、経時安定性に優れることから、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムがより好ましい。
カチオン性界面活性剤(D)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の酸化染毛剤第一剤は、通常は水を含む。水の含有量は特に限定されず、使用する目的に応じて、適宜調整して用いることができる。水として、具体的には、水道水、イオン交換水、蒸留水、精製水および天然水が挙げられ、殺菌済みのものが好ましい。
なお、アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、炭酸水素アンモニア、アンモニウム塩、アルカノールアミン、炭酸塩を用いることができる。増粘剤としては、例えば、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース(サンジェロース:大同化成工業株式会社)を用いることが好ましい。本発明の酸化染毛剤第一剤は、アルカリ剤を好ましくは0.5~15質量%含む。
本発明の酸化染毛剤第一剤は、上述した各成分を上述の量で使用する以外は、例えば公知の方法で、撹拌、混合、加熱、溶解、分散等することによって製造することができ、製造方法は特に限定されない。製造方法としては各成分を均一に混合するために、加熱条件下で行ってもよい。加熱条件下で製造する場合の温度としては、例えば75~85℃が挙げられる。
本発明の酸化染毛剤第一剤の状態としては、例えば、クリーム状、ミルク状などが挙げられ、毛髪に均一に塗布しやすい観点から、クリーム状が好ましい。
本発明の酸化染毛剤第一剤の各種配合成分を均一に混合する観点から、乳化状態であり、不透明な外観であり、油層と水層が分離していないことが好ましく、細かく均一な乳化状態であることがより好ましい。
本発明の酸化染毛剤第一剤は、二剤式の酸化染毛剤の第一剤である。
本発明の酸化染毛剤第一剤を使用するときは、通常、本発明の酸化染毛剤第一剤と、過酸化水素を含む酸化染毛剤第二剤とを使用する直前に混合してから、毛髪に塗布することが好ましい。
本発明の酸化染毛剤第一剤は、均一に塗布しやすいため、従来品よりも配合成分が毛髪に均一に浸透しやすく、効率よく均一に脱色および発色が行われていると推察される。
まず、本発明の酸化染毛剤第一剤と、過酸化水素を含む酸化染毛剤第二剤とを混合する。次に、混合した剤を、毛髪全体を覆うように刷毛で塗布した後、20℃~28℃で15~45分放置する。その後、35~42℃のお湯で水洗し、適宜シャンプー剤およびトリートメント剤を用いて洗浄することで、本発明の酸化染毛剤第一剤を使用して、毛髪に所望の色を染着することができる。
実施例、比較例、および表2では、表1に記載の市販品を使用した。
表2の処方の数値は、酸化染毛剤第二剤を100質量%とした場合の、各成分の質量%を表しており、純分換算した値を示す。
表3~表6の処方の数値は、酸化染毛剤第一剤を100質量%とした場合の、各成分の質量%を表しており、純分換算した値を示す。
《評価方法》
製造した各実施例および比較例の酸化染毛剤第一剤について、(1)および(2)に記載した評価項目と評価基準に従って、物性評価を行った。
《評価方法A》
製造した各実施例および比較例の酸化染毛剤第一剤と、表2に記載の通りに調製した酸化染毛剤第二剤とを、重量比1:1で混合したものを試料とした。
◎:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が3.5点以上である。
○:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が2.5点以上3.5点未満である。
△:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点以上2.5点未満である。
×:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点未満である。
評価方法Aを行った後、25℃で30分放置し、40℃のお湯で水洗した。シャンプー剤(シェルパデザインサプリD-2シャンプー:株式会社アリミノ製)3gを用いて洗浄した後、40℃のお湯で水洗した。そして、トリートメント剤(シェルパデザインサプリD-2トリートメント:株式会社アリミノ製)3gを塗布した後、毛束を40℃のお湯で水洗し、ドライヤーで乾燥させた。この一連の施術について、(5)~(7)に記載した評価項目と評価基準に従って官能評価を行った。
試料1gを、前腕の内側部分に1cm2に広げて塗布した。そして、25℃で15分放置した後、40℃のお湯で水洗しタオルドライした。この一連の施術について、(8)に記載した評価項目と評価基準に従って官能評価を行った。
(1)乳化状態
製造した各実施例および比較例の酸化染毛剤第一剤について、偏光顕微鏡(BX51-P:オリンパス社製)を用いて200倍で観察した。
◎:細かく均一な乳化状態である
〇:均一な乳化状態である
△:不均一でまばらな乳化状態である
×:ほとんど乳化されていない、もしくは全く乳化されていない
製造した各実施例および比較例の酸化染毛剤第一剤を、100mLのガラス容器に80g充填し、50℃で30日間放置した。放置後に剤の外観および分離状態を観察した。
◎:製造直後から外観が変わらず、全く分離していない
〇:製造直後から少し外観が変化しているが、分離していない
△:製造直後から外観が変化し、わずかに分離している
×:製造直後から外観が変化し、完全に分離している
試料を毛束に塗布するときの、伸ばしやすさを評価した。
4点:非常に滑らかな伸びがあり、塗布しやすい
3点:滑らかな伸びがあり、塗布しやすい
2点:硬くて伸びにくい、もしくは緩くて塗布しづらい
1点:硬すぎて非常に伸びにくい、もしくは緩すぎて充分に塗布できない
試料を毛束に塗布するとき、均一に塗布しやすいかを評価した。
4点:試料が毛髪に非常に馴染みやすく、均一に塗布しやすい
3点:均一に塗布できる
2点:塗布ムラが生じる
1点:試料が硬すぎて毛髪に馴染まない、もしくは緩すぎて均一に塗布できない
試料を毛束に塗布するとき、および放置時間中のにおいを評価した。
4点:塗布作業および放置時間中における刺激臭がほとんどない
3点:塗布作業および放置時間中における刺激臭が弱い
2点:塗布作業および放置時間中における刺激臭がややある
1点:塗布作業および放置時間中における刺激臭がかなりある
試料を毛束に塗布して染色した後の、染まり具合を評価した。
4点:非常に均一で、ムラなくしっかり染まっている
3点:均一で、ムラなく染まっている
2点:均一ではなく、ややムラに染まっている
1点:均一ではなく、かなりムラに染まっている
試料を毛束に塗布して染色した後の、明るさを評価した。
4点:非常に明るく染まっている
3点:明るく染まっている
2点:やや明るく染まっている
1点:あまり明るく染まっていない
試料を前腕の内側部分に塗布したときの、刺激を評価した。
4点:放置時間中または水洗後に、全く違和感がない
3点:放置時間中または水洗後に、わずかに違和感がある
2点:放置時間中または水洗後に、やや刺激を感じる
1点:放置時間中または水洗後に、かなり刺激を感じる
本発明の酸化染毛剤第一剤は、毛髪によく馴染んで伸びがよく、均一に塗布しやすい性質を有しながら、経時安定性が高く、刺激臭の少ない酸化染毛剤第一剤であることがわかる。
比較例4で製造した酸化染毛剤第一剤は、炭素数12~22のアルキル鎖を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)が規定値より小さいため、高級アルコールが析出してボソボソとした剤となり、ムラに染まっていた。
Claims (3)
- 二剤式の酸化染毛剤の酸化染毛剤第一剤であって、
酸化染料と、
炭素数14~22の高級アルコール(A)として、セトステアリルアルコール、セタノール、およびベヘニルアルコールから選択される少なくとも1種を4.8~18質量%と、
HLBが3以上9以下であり、かつ炭素数12~22のアルキル鎖を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)として、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、およびポリオキシエチレン(5)ベヘニルエーテルから選択される少なくとも1種を0.08~2.4質量%と、
HLBが9より大きく20以下であり、かつ炭素数12~22のアルキル鎖を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)として、ポリオキシエチレン(40)セチルエーテル0.7~1.5質量%、およびポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテル1.7~4.1質量%と、
カチオン性界面活性剤(D)として、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムを0.07~2.1質量%とを含み、
前記HLBが3以上9以下であり、かつ炭素数12~22のアルキル鎖を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)と、前記炭素数14~22の高級アルコール(A)との質量比(B/A)が、0.01~0.3であり、
前記HLBが9より大きく20以下であり、かつ炭素数12~22のアルキル鎖を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル(C)と、前記炭素数14~22の高級アルコール(A)との質量比(C/A)が、0.2~0.8である、酸化染毛剤第一剤。 - 前記炭素数14~22の高級アルコール(A)が、セトステアリルアルコールである、請求項1に記載の酸化染毛剤第一剤。
- HLBが3以上9以下であり、かつ炭素数12~22のアルキル鎖を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル(B)が、ポリオキシエチレン(2)セチルエーテルである、請求項1または2に記載の酸化染毛剤第一剤。
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