JP7322695B2 - タイヤの試験方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤの試験方法に関する。詳細には、タイヤの耐久性を評価するための試験方法に関する。
長期に亘る使用により、タイヤの表面にクラックが発生する場合がある。クラックは、タイヤの耐久性に影響する。クラックの発生状況に基づいてタイヤの耐久性を評価できる試験方法について様々な検討が行われている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の評価方法では、劣化処理を施したタイヤにオゾン含有気体を吹き付けながら、例えばドラムの外周面上で、タイヤの直進走行が行われる。
特開2018-136206号公報
前述の特許文献1に記載の評価方法では、タイヤの表面にクラックを発生させることができる。しかしこの評価方法はクラックが発生するまでに長い時間を要する上に、クラックが発生しても成長しにくい。この評価方法では、使用したタイヤで確認されるクラックの発生状況に相関する評価結果を得るのは難しい。タイヤの耐久性を評価するための試験方法として十分なレベルを、この評価方法が有するとは、言い難い。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、クラックの発生状況に基づいてタイヤの耐久性を正確に評価できる、タイヤの試験方法を提供することを目的とする。
発明者らは、タイヤにおいて発生したクラックを詳細に分析したところ、比較的大きく成長したクラックは、タイヤの表面に形成された、0.2mm程の深さを有する微小な凹部において発生していることを見出し、本発明を完成するに至っている。
すなわち、本発明の一態様に係るタイヤの試験方法は、
(1)タイヤに対して劣化処理を行う第一工程と、
(2)ドラムの外周面上で、前記第一工程を経たタイヤにスリップ角θsを付与して前記タイヤを走行させる第二工程と、
(3)前記第二工程を経たタイヤに対して荷重の付加と、付加した荷重の除去とを繰り返し行いながら、オゾンを含有する空気を前記タイヤに吹き付ける第三工程と
を含む。
好ましくは、このタイヤの試験方法では、前記劣化処理は前記タイヤを加熱することで行われる。前記タイヤの加熱温度は60℃以上90℃以下である。
好ましくは、このタイヤの試験方法では、前記スリップ角θsは0.5°以上1.5°以下である。
好ましくは、このタイヤの試験方法では、前記空気のオゾン濃度は5pphm以上60pphm以下である。
本発明のタイヤの試験方法によれば、使用したタイヤにおいて確認されるクラックの発生状況に相関する評価結果が得られるので、クラックの発生状況に基づいてタイヤの耐久性を正確に評価できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤの試験方法の第一工程を説明する概念図である。 図2は、第二工程を説明する斜視図である。 図3は、ドラムの外周面上で走行するタイヤのスリップ角を説明する概念図である。 図4は、第三工程を説明する斜視図である。 図5は、本発明の他の実施形態に係るタイヤの試験方法の第三工程を説明する概念図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。
本発明においては、タイヤを正規リムに組み込み、タイヤの内圧が正規内圧に調整され、このタイヤに荷重がかけられていない状態は、正規状態と称される。本発明では、特に言及がない限り、タイヤの各部の寸法及び角度は、正規状態で測定される。
正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。乗用車用タイヤの正規内圧は、例えば、180kPaである。
正規荷重とは、タイヤが依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最大負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。乗用車用タイヤの正規荷重は、例えば、前記荷重の88%に相当する荷重である。
本発明の一実施形態に係るタイヤの試験方法は、タイヤの表面にクラックを意図的に発生させて、タイヤの耐久性を評価する。
この試験方法では、評価対象のタイヤに特に制限はない。評価対象のタイヤは、乗用車用タイヤであってもよく、小形トラック用タイヤであってもよく、トラック及びバス用タイヤであってもよく、二輪車用タイヤであってもよい。この試験方法では、市販されているタイヤ、開発中のタイヤ等、様々なタイヤが評価対象として用いられる。
この試験方法は、第一工程、第二工程、第三工程及び第四工程を含む。この試験方法に含まれる各工程が以下に説明される。
第一工程では、タイヤに対して劣化処理が行われる。この試験方法では、熱劣化、紫外線劣化、オゾン劣化等の劣化を伴う処理が劣化処理として採用できる。タイヤに対して安定した処理が可能であるとの観点から、熱劣化を伴う処理が劣化処理として好適に採用される。
図1には、熱劣化を伴う処理が劣化処理として採用された第一工程の一例が示される。この第一工程では、劣化処理はタイヤ2を加熱することで行われる。この第一工程では、所定の温度に調整された、オーブン4の内部に設けられたテーブル6に、所定時間タイヤ2を載置することで、劣化処理が行われる。このオーブン4としては、例えば、空気循環式のオーブンが好適に用いられる。なお、この第一工程では、劣化処理のための時間はタイヤ2の劣化状況に応じて適宜決められる。
この試験方法では、リム(例えば、正規リム)に組み込み、内圧を調整したタイヤ2に対して第一工程が行われる。この第一工程が、リムに組み込まれていないタイヤ2に対して行われてもよい。なお、タイヤ2の内圧を調整する場合には、タイヤ2の内圧は、正規内圧の60%以上140%以下の範囲で適宜設定される。
この試験方法では、第一工程を経たタイヤ2に対して第二工程が行われる。この第二工程では、図2に示された走行装置8が用いられる。この走行装置8は、ドラム10、駆動ユニット12及び接地ユニット14を備える。
この走行装置8では、ドラム10の外周面16上をタイヤ2は走行する。この外周面16は、走行面とも称される。ドラム10は中心軸18を有する。この中心軸18が回転することにより、ドラム10は回転する。
駆動ユニット12は、ドラム10を回転駆動する。この駆動ユニット12は、ドラム10の中心軸18を回転自在に支持するドラムホルダ20を備える。図示されないが、この駆動ユニット12は、中心軸18に出力軸が連結され、ドラム10を回転駆動するモーターを備える。このモーターの回転速度を制御することにより、ドラム10の外周面16の速度、言い換えれば、この外周面16を走行するタイヤ2の速度が自在に調整される。
接地ユニット14は、タイヤ2を支持する。この接地ユニット14は、ドラム10の外周面16に向けてタイヤ2を動かし、このタイヤ2を外周面16に接触させる。この接地ユニット14は、タイヤ軸22と、支持部24とを備える。
タイヤ軸22は、その一方の端が支持部24に支持される。タイヤ軸22は、ドラム10の中心軸18と平行に支持される。タイヤ軸22の他方の端には、リム26に組み込まれたタイヤ2が回転自在に取り付けられる。この走行装置8では、タイヤ2の軸芯が、ドラム10の軸芯を含む仮想平面内に位置するように、タイヤ2はセットされる。この試験方法では、タイヤ2が組み込まれるリム26が正規リムに対応する試験用リムであってもよい。
支持部24は、タイヤ軸22を支持する。この支持部24は、タイヤ軸22をドラム10の径方向に移動させることができる移動機構(図示されず)を有する。この支持部24は、タイヤ軸22をドラム10に向けて移動させることで、このタイヤ軸22にセットされたタイヤ2をドラム10の外周面16に押し付けることができる。タイヤ軸22の移動量を制御することにより、自在な荷重にてタイヤ2をドラム10の外周面16に接触させることができる。
この支持部24は、ドラム10の中心軸18に対してタイヤ軸22がなす角度を調整できる角度調整機構(図示されず)を有する。この支持部24は、ドラム10の中心軸18に対してタイヤ軸22を傾けることで、タイヤ2にスリップ角を付与することができる。
図3において、実線Bは、ドラム10の回転方向、すなわちタイヤ2の進行方向に沿った直線である。一点鎖線Cは、このタイヤ2の赤道面に含まれるタイヤ2の中心線である。この図3において、実線Bで表された直線と一点鎖線Cで表された直線とがなす角度が、符号θsで表される。この角度θsはタイヤ2の中心線Cがその進行方向に対してなす角度であり、この角度θsがスリップ角である。
この走行装置8では、ドラム10、駆動ユニット12及び接地ユニット14として、従来のドラム走行試験で用いられる、ドラム、駆動ユニット及び接地ユニットが好適に用いられる。
以上説明した走行装置8を用いて、第二工程は次のようにして行われる。この第二工程では、第一工程を経たタイヤ2が走行装置8のタイヤ軸22に取り付けられる。なお、リム26に組み込まれていないタイヤ2に対して第一工程が行われた場合には、この第一工程を経たタイヤ2をリム26に組み込み、タイヤ2の内圧が調整される。このタイヤ2がタイヤ軸22に取り付けられる。
この第二工程では、タイヤ2をタイヤ軸22に取り付けると、ドラム10の中心軸18に対してタイヤ軸22を傾けて、タイヤ2のスリップ角θsが調整される。タイヤ軸22をドラム10に向けて移動させて、タイヤ2がドラム10の外周面16に押し付けられる。タイヤ軸22の移動量を制御することで、タイヤ2に作用する荷重が調整される。これにより、タイヤ2の走行装置8へのセットが完了する。なお、この第二工程では、タイヤ2に作用させる荷重は、正規荷重の20%以上100%以下の範囲で適宜設定される。
この第二工程では、タイヤ2の走行装置8へのセットが完了すると、ドラム10を回転させて、タイヤ2の走行が開始される。これにより、ドラム10の外周面16上で、第一工程を経たタイヤ2にスリップ角θsを付与して、このタイヤ2が走行させられる。なお、この第二工程では、タイヤ2の速度は、10km/h以上100km/h以下の範囲で適宜設定される。
この試験方法では、第二工程を経たタイヤ2に対して第三工程が行われる。この第三工程では、図4に示された走行装置28が用いられる。この走行装置28は、図2に示された走行装置8に噴出ユニット30を追加することで構成される。この走行装置28は、ドラム10、駆動ユニット12、接地ユニット14及び噴出ユニット30を備える。
噴出ユニット30は、オゾンを含有する空気をタイヤ2に吹き付けるための装置である。この図4には、噴出ユニット30を構成するパーツのうち、オゾンを含有する空気を吹き出すダクト32が示されている。この噴出ユニット30はダクト32を備える。図示されないが、この噴出ユニット30には、このオゾンを含有する空気を生成する生成器が設けられている。この走行装置8では、市販のオゾン発生装置が噴出ユニット30の生成器として好適に用いられる。
この噴出ユニット30では、図4に示されるように、ダクト32の吹き出し口34がタイヤ2に向けてセットされる。この吹き出し口34からタイヤ2に向けて、人工的に発生させた一定濃度のオゾンを含有する空気が、吹き付けられる。なお、タイヤ2に吹き付けられる空気の流量は、毎時100リットル以上500リットル以下の範囲で適宜設定される。
以上説明した走行装置28を用いて、第三工程は次のようにして行われる。この第三工程では、第二工程のために走行装置8に取り付けられたタイヤ2がそのまま用いられる。この第三工程の実行に際し、スリップ角θsが0°に調整される。タイヤ軸22をドラム10に向けて移動させて、タイヤ2がドラム10の外周面16に押し付けられる。タイヤ軸22の移動量を制御することで、タイヤ2に作用する荷重が調整される。オゾンを含有する空気がタイヤ2にあたるように、ダクト32の向きが調整される。これにより、タイヤ2の走行装置28へのセットが完了する。なお、この第三工程では、タイヤ2に作用させる荷重は、正規荷重の20%以上100%以下の範囲で適宜設定される。
この第三工程では、タイヤ2の走行装置28へのセットが完了すると、ドラム10を回転させて、タイヤ2の走行が開始される。これにより、タイヤ2に対して荷重の付加と付加した荷重の除去とが繰り返し行われる。なお、この第三工程では、タイヤ2の速度は、10km/h以上100km/h以下の範囲で適宜設定される。
この第三工程ではさらに、噴出ユニット30のダクト32を通じて、オゾンを含有する空気がタイヤ2に吹き付けられる。すなわち、この第三工程では、第二工程を経たタイヤ2に対して荷重の付加と、付加した荷重の除去とを繰り返し行いながら、オゾンを含有する空気がこのタイヤ2に吹き付けられる。
この試験方法では、図5に示された荷重付加装置36が第三工程において用いられてもよい。この荷重付加装置36は、タイヤ2を支持する支持ユニット38と、タイヤ2が押し当てられる、平板状のテーブル40と、オゾンを含有する空気をタイヤ2に吹き付ける噴出ユニット42とを備える。この荷重付加装置36では、図4に示された走行装置28に設けられた噴出ユニット30と同様の構成を有する噴出ユニットが用いられるので、噴出ユニット42の構成要素には噴出ユニット30の構成要素と同じ符号を付し、その説明は省略する。
支持ユニット38は、支持軸44を備える。この支持軸44には、リム26に組み込まれたタイヤ2が取り付けられる。図示されないが、この支持ユニット38には、支持軸44をテーブル40に対して移動可能に支持する移動機構が設けられる。詳述しないが、この移動機構は、エアシリンダ、油圧シリンダ、電装シリンダ等のアクチュエータである。
この荷重付加装置36では、移動機構が支持軸44をテーブル40に向けて動かすことで、図5(a)に示されるように、タイヤ2はテーブル40に押し当てられ、タイヤ2に荷重が付加される。これにより、タイヤ2は撓む。この移動機構が支持軸44をテーブル40から引き離すことで、付加された荷重がタイヤ2から除去される。これにより、図5(b)に示されるように、タイヤ2は復元する。この荷重付加装置36では、タイヤ2に所定の荷重が付加される位置と、付加した荷重がこのタイヤ2から除去される位置との間で支持軸44を往復させることで、タイヤ2に対して荷重の付加と付加した荷重の除去とが繰り返し行われる。
この荷重付加装置36を用いた場合、第三工程は次のようにして行われる。この第三工程では、第二工程のために走行装置8に取り付けられていたタイヤ2がこの走行装置8から取り外される。このタイヤ2が、荷重付加装置36の支持軸44に取り付けられる。タイヤ2の移動範囲を考慮して、オゾンを含有する空気がタイヤ2にあたるように、ダクト32の向きが調整される。これにより、タイヤ2の荷重付加装置36へのセットが完了する。
この第三工程では、タイヤ2の荷重付加装置36へのセットが完了すると、制御手段に記憶された動作プログラムに基づいて、移動機構が動かされる。前述したように、タイヤ2に所定の荷重が付加される位置と、このタイヤ2から付加した荷重が除去される位置との間で支持軸44を往復させるとともに、噴出ユニット42のダクト32を通じて、オゾンを含有する空気がタイヤ2に吹き付けられる。これにより、荷重付加装置36を用いた第三工程においても、第二工程を経たタイヤ2に対して荷重の付加と、付加した荷重の除去とを繰り返し行いながら、オゾンを含有する空気がこのタイヤ2に吹き付けられる。
この試験方法では、荷重付加装置36を用いて第三工程を行う場合、タイヤ2に荷重を付加するタイミングは、前述の第三工程におけるタイヤ2の速度を考慮して適宜決められる。
この試験方法では、第三工程を経たタイヤ2に対して第四工程が行われる。この第四工程では、第三工程を経たタイヤ2の表面が例えば目視で観察される。この表面観察のために、マイクロスコープが用いられてもよい。これにより、クラックの発生状況が確認され、タイヤ2の耐久性が評価される。この試験方法では、効率化の観点から、第三工程と第四工程とを交互に行い、クラックの発生状況を確認しながら、タイヤ2の耐久性が評価されてもよい。この場合、第三工程においてタイヤ2に対して荷重の付加と、付加した荷重の除去とを繰り返し行う時間が、例えば24時間に設定される。
この試験方法では、前述したように、第二工程において、ドラム10の外周面16上で、第一工程を経たタイヤ2にスリップ角θsを付与して、このタイヤ2が走行させられる。このため、スリップ角θsを0°とした直進走行に比べて、この第二工程におけるタイヤ2の表面には大きな引張り歪が発生する。この引張り歪は、タイヤ2の表面にクラックの起点となる、0.2mm程の深さを有する微小な凹部の発生に寄与する。しかも第一工程において劣化処理が行われたタイヤ2がこの第二工程に用いられるので、タイヤ2の表面は凹部が発生しやすい状態にある。
前述したように、この試験方法では、第二工程を経たタイヤ2に対して第三工程が行われる。第三工程では、タイヤ2に対して荷重の付加と、付加した荷重の除去とが繰り返し行われるので、タイヤ2の表面に凹部が生じていれば、この凹部に歪が集中する。この第三工程ではオゾンを含有する空気がタイヤ2に吹き付けられるので、この歪が集中する凹部においてオゾン劣化が促進される。この試験方法では、クラックが発生しやすいタイヤ2ではクラックの発生が促され、クラックが発生しにくいタイヤ2ではクラックの発生が抑えられる。言い換えれば、この試験方法では、評価対象のタイヤ2が、クラックの発生しやすいタイヤか、クラックの発生しにくいタイヤかの見極めが可能である。この試験方法では、この見極めに要する時間の短縮も図ることができる。
この試験方法によれば、使用したタイヤ2において確認されるクラックの発生状況、具体的には、タイヤ2において大きな引張り歪が生じやすい、タイヤ2のショルダー部分において確認されるクラックの発生状況に相関する評価結果が得られる。この試験方法は、クラックの発生状況に基づいてタイヤ2の耐久性を正確に評価できる。
前述したように、この試験方法では、第一工程においてはタイヤ2に対して劣化処理が行われる。この試験方法では、この劣化処理がタイヤ2を加熱することで行われる場合には、第一工程に次いで行われる第二工程において凹部の発生が促される観点から、タイヤ2の加熱温度は60℃以上が好ましく、90℃以下が好ましい。この加熱温度は、70℃以上がより好ましく、80℃以下がより好ましい。
この試験方法では、第二工程においてドラム10の外周面16上でタイヤ2を走行させるとき、タイヤ2に対してスリップ角θsが付与される。この試験方法では、この第二工程においてクラックの起点となる凹部の発生が促される観点から、このスリップ角θsは0.5°以上が好ましい。必要以上にクラックが発生することが抑えられる観点から、このスリップ角θsは1.5°以下が好ましく、1.0°以下がより好ましい。
この試験方法では、クラックの成長を促すために、第三工程では、変形と復元とが繰り返されるタイヤ2に、オゾンを含有する空気が吹き付けられる。この試験方法では、第三工程においてクラックの成長が促される観点から、このオゾンを含有する空気のオゾン濃度は5pphm以上が好ましい。必要以上にクラックが発生することが抑えられる観点から、このオゾン濃度は60pphm以下が好ましい。なお、このオゾン濃度はダクト32の吹き出し口34において測定された値であり、この吹き出し口34とタイヤ2までの最短距離は30cm以下に設定されるのが好ましい。
以上説明したように、本発明のタイヤの試験方法によれば、使用したタイヤにおいて確認されるクラックの発生状況に相関する評価結果が得られる。この試験方法は、クラックの発生状況に基づいてタイヤ2の耐久性を正確に評価できる。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は前述の実施形態に限定されるものではなく、この技術的範囲には特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
以下、実施例などにより、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
[供試タイヤ]
供試タイヤとして、相対的にクラックが発生しにくいタイヤ(以下、タイヤG)と、相対的にクラックが発生しやすいタイヤ(以下、タイヤB)とが準備された。タイヤGのサイズは、175/65R14であった。タイヤBのサイズは、155/65R14であった。
[実施例1]
供試タイヤとしてタイヤBを用いて、このタイヤBの耐久性評価を行った。第一工程では、タイヤBに対して劣化処理として熱劣化を行った。加熱温度は80℃に設定された。タイヤBは、18日間オーブン内に載置された。
図2に示された走行装置を用いて、第一工程を経たタイヤBに対して第二工程が行われた。スリップ角θsは1.0°に設定された。なお、タイヤBは正規リムに組み込まれ、タイヤBの内圧は正規内圧に調整された。タイヤBに正規荷重を付加して、時速80km/hの速度で、ドラム(外径=1707mm)の外周面上でタイヤBを走行させた。走行時間は10時間に設定された。
図3に示された走行装置を用いて、第二工程を経たタイヤBに対して第三工程が行われた。この実施例1では、オゾンを含有する空気を吹き付けながら、ドラムの外周面上でタイヤを走行させた。オゾン濃度は50pphmに設定された。
タイヤへの荷重の付加と、この付加した荷重の除去とを、ドラム走行により行ったことが、下記の表1の「ドラム走行」及び「荷重付加」の欄に「Y」で表されている。オゾンを含有する空気をタイヤに吹き付けたことが、この表1の「オゾン吹付」の欄に「Y」で表されている。
また、タイヤBは正規リムに組み込まれ、タイヤBの内圧は正規内圧に調整された。タイヤBに付加した荷重は正規荷重の70%に設定された。タイヤの速度は50km/hに設定された。
第三工程においてタイヤの走行距離が5000kmに達した時点で、タイヤの表面に発生したクラックの大きさが確認された。その結果が、次の格付けで、下記の表1に示されている。この格付けは、確認された最も大きなクラックに基づいて行われた。
L・・・6mm以上
M・・・4mm以上6mm未満
S・・・4mm未満
[比較例1]
スリップ角θsを0.0°に設定した他は実施例1と同様にして、タイヤBの耐久性を評価した。この比較例1は、従来のタイヤの試験方法である。
[実施例2]
供試タイヤにタイヤGを用いた他は実施例1と同様にして、このタイヤGの耐久性を評価した。
[実施例3]
スリップ角θsを1.5°に設定した他は実施例1と同様にして、タイヤBの耐久性を評価した。
[実施例4]
図5に示された荷重付加装置を用いて第三工程を行った他は実施例1と同様にして、タイヤBの耐久性を評価した。
この実施例4では、ドラム走行は行われていない。このことが、下記の表1の「ドラム走行」の欄に「N」で表されている。なお、この実施例4では、荷重を付加するタイミングが実施例1と同様のタイミングになるように、荷重付加装置の移動機構が制御された。
表1に示されるように、クラックが発生しやすいタイヤBではクラックの発生が促され、クラックが発生しにくいタイヤGではクラックの発生が抑えられることが、実施例1と実施例2との対比から確認される。また、実施例1、3及び4と比較例1との対比から、第二工程において、スリップ角θsをタイヤに付与することが、クラックの発生を促すことが確認される。以上の評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
なお、表1には示されていないが、実施例3で確認されたクラックの数は実施例1で確認されたクラックの数よりも多く、スリップ角θsが1.5°以上になると、クラックの発生数が多くなり、クラックの発生しやすいタイヤと、クラックの発生しにくいタイヤとを見極めるのが困難になることが懸念された。
以上説明された、クラックの発生状況に基づいてタイヤの耐久性を評価できる技術は、種々のタイヤの試験方法にも適用できる。
2・・・タイヤ
10・・・ドラム
16・・・ドラム10の外周面
18・・・中心軸
22・・・タイヤ軸
30、42・・・噴出ユニット
32・・・ダクト
34・・・吹き出し口
40・・・テーブル
44・・・支持軸

Claims (4)

  1. タイヤに対して劣化処理を行う第一工程と、
    ドラムの外周面上で、前記第一工程を経たタイヤにスリップ角θsを付与して前記タイヤを走行させる第二工程と、
    前記第二工程を経たタイヤに対して荷重の付加と、付加した荷重の除去とを繰り返し行いながら、オゾンを含有する空気を前記タイヤに吹き付ける第三工程と
    を含む、タイヤの試験方法。
  2. 前記劣化処理が前記タイヤを加熱することで行われ、
    前記タイヤの加熱温度が60℃以上90℃以下である、請求項1に記載のタイヤの試験方法。
  3. 前記スリップ角θsが0.5°以上1.5°以下である、請求項1又は2に記載のタイヤの試験方法。
  4. 前記空気のオゾン濃度が5pphm以上60pphm以下である、請求項1から3のいずれかに記載のタイヤの試験方法。
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