JP6418691B2 - タイヤの耐久性試験方法 - Google Patents

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Description

本発明はタイヤの耐久性評価方法に関する。
重荷重用タイヤの耐久試験では、一般にタイヤを走行試験機のドラム上で走行させる台上試験が採用されている。このとき、タイヤには、正規荷重と同程度又は正規荷重より高い荷重が負荷される。タイヤに損傷が発生するまでの走行時間によって、耐久性の評価が行われる。
タイヤの耐久性試験で重要なことは、実使用状態における耐久性をできるだけ正確に反映できることである。耐久性試験には、その耐久性の結果と、実使用状態における耐久性とが、良好な相関を有することが求められている。例えば特開2007−78453公報で開示された試験方法では、ベルト層のエッジセパレーションに対する耐久性について、荷重と速度の少なくとも一方を変動させることで、実使用状態を反映した耐久性試験が試みられている。
タイヤ耐久性の試験には一般に多くの時間がかかる。耐久性試験では、効率的に試験ができることも求められている。特開2013−257190公報で開示された試験方法ではビード部分が加熱できる耐久性試験装置が開示されている。これにより、ビードの劣化の促進を図っている。
特開2007−78453公報 特開2013−257190公報
タイヤの耐久性に係るタイヤの損傷モードの一つに、カーカスプライがビードのコアから抜けるビードの吹き抜け損傷がある。ビードの吹き抜け損傷は、耐久性試験での再現が難しかった。これまで実使用状態における耐久性を精度よく再現した耐久性の試験方法は開示されていなかった。
本発明の目的は、ビードの吹き抜け損傷に対する耐久性について、実使用状態における耐久性と相関のとれた耐久性試験結果が得られる、精度の高い耐久性試験方法を提供することである。
本発明に係る耐久性の試験方法は、一対のリムフランジのうち、第一フランジ側からリムを加熱する手段を有する走行試験機を使用する。この試験方法は、
(A1)リムに装着されたタイヤを上記走行試験機にセットする工程、
(A2)上記加熱手段により上記リムを加熱する工程
及び
(A3)上記走行試験機において、上記タイヤに荷重を負荷した状態でこのタイヤを走行させる工程
を有する。
上記タイヤを一定時間Hだけ走行させた後における上記第一フランジ側におけるタイヤのトウ内径の変動量がT1とされ、もう一方のフランジである第二フランジ側におけるタイヤのトウ内径の変動量がT2とされたとき、
トウ内径変動比((T1−T2)/T1)が百分比で45%以上65%以下になるように、上記(A2)の工程における加熱温度、上記(A3)の工程における荷重及びタイヤの走行速度が決められる。
好ましくは、上記(A2)の工程における加熱温度は130℃以上150℃以下である。
好ましくは、上記(A3)の工程における荷重は正規荷重の90%以上110%以下である。
好ましくは、上記時間Hは12時間以上36時間以下である。
発明者らは、実使用状態で発生するビードの吹き抜け損傷について、その発生要因を詳細に検討した。その結果、ビードの吹き抜け損傷には、ブレーキ熱によるストレスが大きく関与していることが判明した。発明者らは、ブレーキ熱によるストレスの関与を表す指標として、上記のトウ内径変動比を導入することで、実使用状態における耐久性を精度よく再現した耐久性試験を可能とした。
この試験方法では、走行試験機を使用した耐久性試験において走行させたタイヤのトウ内径変動比が45%以上65%以下となるように、リムの加熱温度、タイヤへ負荷される荷重及びタイヤの走行速度が決められる。これにより、この試験方法では、ビードの吹き抜け損傷に対して、実使用状態における耐久性と良好な相関を有する耐久性試験結果が得られる。
図1は、本発明に係る試験方法のための装置の一例が示された模式図である。 図2は、図1の方法で試験されるタイヤを概略的に示す正面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、この発明に係る試験方法のための走行試験機2の一例が示されている。この図では、試験に供されているタイヤ4も示されている。図示されていないが、このタイヤ4はリムに装着されている。この走行試験機2は、リム支持部6、駆動ドラム8、ヒータ10、温度センサ12及び温度制御部14を備えている。
リム支持部6は、タイヤ4が装着されたリムを支える。リム支持部6は、リムを回転させること、及びこの回転にブレーキをかけることが可能である。タイヤ4は、減速すること及び回転停止することが可能となる。リム支持部6は、駆動ドラム8に対してタイヤ4を離すこと及び接近させることができる。リム支持部6は、所定の荷重にて、リムに装着されたタイヤ4を駆動ドラム8に押しつけることができる。
駆動ドラム8は円筒形である。タイヤ4は、そのトレッド面と駆動ドラム8の外周面とが接触するように設置される。このドラムが回転することによりタイヤ4が回転する。ドラムが回転することにより、タイヤ4が走行される。このとき、ドラムの回転速度は調整可能である。換言すれば、タイヤ4の走行速度は調整可能である。
ヒータ10は、リム支持部6に取り付けられている。図示されないが、ヒータ10は複数個装備されている。これらのヒータ10は、リムの一対のフランジのうち、一方のフランジ側の近くに配置されている。この明細書では、このフランジは第一フランジと称される。もう一方のフランジは、第二フランジと称される。ヒータ10は、第一フランジ側からリムを加熱する。
温度センサ12は、第一フランジの近辺に取り付けられている。温度センサ12は第一フランジ側において、リムの温度を測定する。ヒータ10と温度センサ12とは、温度制御部14に電気的に接続されている。
温度制御部14は、温度センサ12が測定した温度に基づいてヒータ10の強度の調整をする。これにより、第一フランジは、所望の温度に調整されうる。この走行試験機2では、第一フランジを所望の温度に加熱することができる。
ヒータ10、温度センサ12及び温度制御部14は、この走行試験装置の加熱手段を構成する。この走行試験機2は、第一フランジ側からリムを加熱する加熱手段を有する。
本発明に係る試験方法は、
(A1)リムに装着されたタイヤ4を走行試験機2にセットする工程、
(A2)リムを加熱する工程
及び
(A3)走行試験機2において、上記タイヤ4に荷重を負荷した状態でこのタイヤ4を走行させる工程
を有している。
上記(A1)の工程では、試験に供されるタイヤ4がリムに装着される。タイヤ4に空気が充填される。このリムがリム支持部6に取り付けられる。これにより、タイヤ4が走行試験機2にセットされる。
上記(A2)の工程では、ヒータ10が稼働させられる。ヒータ10、温度センサ12及び温度制御部14により、リムが所望の温度にとなるまで加熱される。このときのリムの温度は、リム加熱温度RTと称される。
上記(A3)の工程では、リム支持部6が移動して、タイヤ4が駆動ドラム8の表面に押し付けられる。タイヤ4には、駆動ドラム8の表面に向けて荷重Fが負荷される。駆動ドラム8が回転してタイヤ4が速度Vで走行される。ビード吹き抜け損傷が発生するまで、タイヤ4が走行される。ビード吹き抜け損傷が発生するまでの走行時間が計測される。この走行時間が長いほど、ビード吹き抜け損傷に対する耐久性が高いと判断される。
図2は、試験に供されるタイヤ4が示された正面図である。図において、両矢印DTはビードのトウが形成する円の内径(トウ内径)である。タイヤ4が走行すると、タイヤ4には荷重によるストレス及び発熱によるストレスが付加される。これにより、走行しているうちに、トウ内径DTは大きくなる方向に変動していく。この耐久試験では、第一リムフランジ側からリムが加熱されている。第一リムフランジ側のビードの部分は、第二フランジ側のビードの部分と比べて、大きな熱が加わる。走行しているうちに、第一フランジ側のビードのトウ内径DTは、第二フランジ側のビードのトウ内径DTよりも大きくなる。本発明に係る耐久性試験では、一定時間Hだけ走行した後のタイヤ4に対して以下で定義される「トウ内径変動比」を指標として用いる。
トウ内径変動比=((T1−T2)/T1)
この式において、T1は第一フランジ側でのトウ内径DTの変動量であり、T2は第二フランジ側でのトウ内径DTの変動量である。この試験方法では、上記(A2)の工程におけるリム加熱温度RT、及び上記(A3)の工程における荷重Fと走行速度Vとは、トウ内径変動比((T1−T2)/T1)が百分比で45%以上65%以下となるように決められている。
トウ内径変動比((T1−T2)/T1)を百分比で45%以上65%以下とするリム加熱温度RT、荷重F及び走行速度Vの決め方は、種々考えられる。一例としては、以下の方法がある。
(B1)タイヤ4の実使用状態を考慮して荷重F及び走行速度Vが決められる。例えば重荷重用のタイヤ4では、荷重Fはタイヤ4の正規荷重とされ、走行速度Vは30km/hとされる。リム加熱温度RTは、適当な初期値に設定される。既に同様の耐久性試験を実施した他のタイヤ4の結果から、リム加熱温度RTの初期値を決めてもよい。例えばリム加熱温度RTは140℃とされる。
(B2)タイヤ4を図1の装置に取り付け、この装置でタイヤ4が一定時間Hだけ走行される。例えば、タイヤ4は24時間走行される。
(B3)タイヤ4を装置から外して内径変動量T1及びT2を測定し、トウ内径変動比((T1−T2)/T1)を求める。
(B4)比((T1−T2)/T1)が目標の範囲よりも小さい場合は、リム加熱温度RTを高くする。この比が目標の範囲より大きければリム加熱温度RTを低くする。この条件で、新たなタイヤ4を用いて上記の(B2)及び(B3)の工程が繰り返される。比((T1−T2)/T1)が目標の範囲に入っていれば、このリム加熱温度RTが、耐久性試験でのリム加熱温度RTとされる。
以下、本発明の作用効果が説明される。
これまで、ビードの吹き抜け損傷は、耐久性試験での再現が困難であった。これまで実使用状態における耐久性を精度よく再現した耐久性の試験方法は開示されていなかった。
発明者らは、実使用状態で発生するビードの吹き抜け損傷について、その発生要因を詳細に検討した。その結果、ビードの吹き抜け損傷には、ブレーキ熱によるストレスが大きく関与していることが判明した。ブレーキ熱がビードの吹き抜け損傷に関与するメカニズムは以下のとおりである。
(C1)ブレーキドラムの発熱により、リムのフランジが熱せられる。
(C2)タイヤのビードの周辺が高温となり、この場所でゴムの軟化及び変形が促進される。
(C3)ビードの部分のチェーファーの厚みが減少し、チェーファーにクラックが発生する。
(C4)ビードのコア周辺でルースが発生する。
(C5)カーカスプライがコアから抜けて、ビードの吹き抜け損傷となる。
実使用状態におけるタイヤには、主に、ブレーキ熱によるストレス、荷重によるストレス及びタイヤが転動することによる発熱によるストレスが付加されている。荷重及び転動することによる発熱によるストレスは、一対のビードの双方に対して、ほぼ同等に付加される。一方、ブレーキドラムはタイヤの内側に位置しているため、ブレーキ熱のストレスは、そのほとんどが、一対のビードのうち内側に位置するビードに付加される。即ち、実使用状態のタイヤでは、外側のビードのトウ内径の変動量は、荷重や転動による発熱のストレスにより決まるのに対し、内側ビードのトウ内径の変動量は、荷重や転動による発熱のストレスに加え、ブレーキ熱によるストレスにより決まる。
これらの知見に基づき、発明者らは、実使用状態におけるブレーキ熱によるストレスの関与を表す指標として、耐久性試験にトウ内径変動比((T1−T2)/T1)を導入するとの技術思想に至った。図1の走行試験機2のヒータ10は、実使用状態におけるブレーキドラムに相当する。内径変動量T1は、実使用状態において、内側に位置するビードのトウ内径変動量に相当する。内径変動量T2は、実使用状態において、外側に位置するビードのトウ内径変動量に相当する。トウ内径変動比((T1−T2)/T1)は、内側のビードが受けるストレスのうち、ブレーキ熱のストレスの割合に相当する。この意味で、トウ内径変動比((T1−T2)/T1)は、ブレーキ熱寄与率とも称される。
発明者らは、ビード吹き抜け損傷に対する耐久性の重要度が高い市場において、中古タイヤを回収して、内側のビードのトウ内径変動及び外側のビードのトウ内径変動を調査した。この結果の解析により、発明者らは、耐久試験においてトウ内径変動比((T1−T2)/T1)を45%以上65%以下とすることで、実使用状態を反映したビード吹き抜け損傷が再現できることを見出した。
この試験方法では、走行試験機2で走行させたタイヤ4のトウ内径変動比((T1−T2)/T1)が、45%以上65%以下となるように、リムの加熱温度RT、タイヤ4へ負荷される荷重F及びタイヤ4の走行速度Vが決められる。トウ内径変動比((T1−T2)/T1)を45%以上とすることにより、上述の(C1)から(C5)で示されたメカニズムにより、ビード吹き抜け損傷を発生させることができる。トウ内径変動比((T1−T2)/T1)を65%以下とすることで、ビード吹き抜け損傷が発生する前に、ビード内部破壊が発生することが防止される。これにより、ビードの吹き抜け損傷の再現が可能となる。この試験方法では、ビードの吹き抜け損傷に対して、実使用状態における耐久性と良好な相関を有する耐久性試験結果が得られる。
リムの加熱温度RTは、130℃以上が好ましい。リムの加熱温度を130℃以上とすることで、効果的にビード吹き抜け損傷を発生させることができる。耐久性試験において、ビード吹き抜け損傷発生までの時間を短くできる。この試験方法では、効率的に耐久試験ができる。この観点から、リムの加熱温度RTは、135℃以上がより好ましい。リムの加熱温度RTは、150℃以下が好ましい。リムの加熱温度を150℃以下とすることで、ビード吹き抜け損傷が発生する前に、ビード内部破壊が発生することが効果的に防止される。これにより、ビードの吹き抜け損傷の再現が可能となる。この試験方法では、ビードの吹き抜け損傷に対して、実使用状態における耐久性と良好な相関を有する耐久性試験結果が得られる。この観点から、リムの加熱温度RTは、145℃以下がより好ましい。
この明細書では、タイヤ4に付加する荷重Fのこのタイヤ4の正規荷重F0に対する比(F/F0)は、荷重比率と称される。この試験では、荷重比率(F/F0)は、百分比で90%以上が好ましい。荷重比率(F/F0)を90%以上とすることで、効果的にビード吹き抜け損傷を発生させることができる。耐久性試験において、ビード吹き抜け損傷発生までの時間を短くできる。この試験方法では、効率的に耐久試験ができる。この観点から、荷重比率(F/F0)は、95%以上がより好ましい。荷重比率(F/F0)は、百分比で110%以下が好ましい。荷重比率(F/F0)を110%以下とすることで、ビード部の歪みによるビード内部破壊が発生することが効果的に防止される。これにより、ビードの吹き抜け損傷の再現が可能となる。この試験方法では、ビードの吹き抜け損傷に対して、実使用状態における耐久性と良好な相関を有する耐久性試験結果が得られる。この観点から、荷重比率(F/F0)は105%以下がより好ましい。
前述のとおり、トウ内径変動比((T1−T2)/T1)は、走行試験機2において一定時間Hだけ走行後に計測された内径変動量T1及びT2を用いて定義されている。この時間Hは、12時間以上が好ましい。この時間Hを12時間以上とすることで、トウ内径変動量T1及びT2の計測誤差が小さくできる。この観点から、時間Hは18時間以上がより好ましい。この時間Hは、36時間以下が好ましい。内径変動量T1及びT2には上限がある。長時間走行させると、内径変動T1及びT2はそのストレス量に比例しなくなる。時間Hを36時間以下とすることで、ストレス量に比例した内径変動量T1及びT2が計測できる。この観点から、時間Hは30時間以下がより好ましい。以上の観点から、時間Hは、24時間がさらに好ましい。
上記の発明では、発明者らは、ブレーキ熱によるストレスの関与を表す指標として、トウ内径変動率を導入した。他の試験方法として、ストレスにより、ビードの部分のゴムの複素弾性率が低下することを利用して、走行によるチェーファーの複素弾性率の低下量と、走行前のチェーファーの複素弾性率との比((E0−E)/E0)を指標とする方法が考えられる。ここで、Eは一定時間走行後のチェーファーの複素弾性率であり、E0は走行前のチェーファーの複素弾性率である。比((E0−E)/E0)は、複素弾性率低下率と称される。
この試験方法は、
(D1)リムに装着されたタイヤ4を走行試験機2にセットする工程、
(D2)上記加熱手段により上記リムを加熱する工程
及び
(D3)上記走行試験機2において、上記タイヤ4に荷重を負荷した状態でこのタイヤ4を走行させる工程
を有している。
上記(D1)、(D2)及び(D3)の工程は、前出のトウ内径変動率を指標とした試験方法と同じである。
この耐久性試験では、複素弾性率低下率((E0−E)/E0)を指標として用いる。この耐久性試験では、タイヤ4を走行させるときのリム加熱温度RT、荷重F及び走行速度Vは、一定時間Hだけ走行した後の複素弾性率低下率((E0−E)/E0)が百分比で20%以上40%以下となるように決められる。
複素弾性率低下率((E0−E)/E0)を百分比で20%以上40%以下とするリム加熱温度RT、荷重F及び走行速度Vの決め方は、種々考えられる。この実施形態では、以下の方法で決定している。
(E1)タイヤ4の実使用状態を考慮して荷重F及び走行速度Vが決められる。例えば重荷重用のタイヤ4では、荷重Fはタイヤ4の正規荷重とされ、走行速度Vは30km/hとされる。リム加熱温度RTは適当な初期値に設定される。例えばリム加熱温度RTは140℃とされる。
(E2)タイヤ4を図1の装置に取り付け、この装置でタイヤ4が24時間走行される。
(E3)チェーファーの複素弾性率を測定し、複素弾性率低下率((E0−E)/E0)を求める。
(E4)複素弾性率低下率((E0−E)/E0)が目標の範囲より小さければリム加熱温度RTを高くする。この比が目標の範囲より大きければリム加熱温度RTを低くする。新たなタイヤ4で上記の(E2)及び(E3)の工程が繰り返される。複素弾性率低下率((E0−E)/E0)が目標の範囲入っていれば、このリム加熱温度RTが、耐久性試験でのリム加熱温度RTとされる。
上記の試験方法では、複素弾性率低下率((E0−E)/E0)は、チェーファーの複素弾性率で定義された。複素弾性率低下率が、エイペックスの複素弾性率を用いて定義されてもよい。複素弾性率低下率が、サイドウォールの複素弾性率を用いて定義されてもよい。
本発明では、チェーファーの複素弾性率、エイペックスの複素弾性率及びサイドウォールの複素弾性率は、「JIS K 6394」の規定に準拠して、下記の測定条件により、粘弾性スペクトロメーター(岩本製作所社製の商品名「VESF−3」)を用いて計測される。
初期歪み:10%
振幅:±2.0%
周波数:10Hz
変形モード:引張
測定温度:70℃
本明細書において正規リムとは、タイヤ4が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ4が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。本明細書において正規荷重とは、タイヤ4が依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最高負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[タイヤの準備]
試験に供するタイヤとして、実使用状態において、ビード吹き抜け損傷に対する耐久性が優れたタイヤ(タイプA)と、タイプAよりもビード吹き抜け損傷に対する耐久性が劣るタイヤ(タイプB)が準備された。いずれのタイヤも、サイズは295/80R22.5である。それぞれのタイヤは標準リム(サイズ=22.5×8.25)に組み込まれ、正規内圧(850kPa)となるように空気が充填された。
[実施例1]
図1に示された装置を使用し、この発明に係る試験方法で耐久性の試験を実施した。試験に使用したタイヤはタイプAである。トウ内径変動比((T1−T2)/T1)を55%とするように、加熱温度RT、荷重比率(F/F0)及び走行速度Vが決定された。具体的には、荷重比率を100%、走行速度を30km/hとして、24時間走行後のトウ内径変動比((T1−T2)/T1)が55%となるように、加熱温度RTが決められた。表1に示されるとおり、加熱温度RTは140℃である。この条件にてこのタイヤを、図1の走行試験機の駆動ドラム上で走行させた。
[実施例2]
タイプBのタイヤを用いた他は実施例1と同様にしたのが実施例2である。
[実施例3−6及び比較例1−2]
リム加熱温度RTを表2に示される値にしたことの他は実施例1と同様にしたのが、実施例3−6及び比較例1−2である。リム加熱温度RTを変更したため、結果としてトウ内径変動比((T1−T2)/T1)は表2に示す値に変更されている。
[実施例7−11]
荷重比率を表3に示される値にしたことの他は実施例1と同様にしたのが、実施例7−11である。
[内径変動量T1、T2、トウ内径変動比及び複素弾性率低下率]
走行開始から24時間経過後に一旦タイヤを装置から取り外し、内径変動量T1、内径変動量T2及びチェーファーの複素弾性率が計測された。内径変動量T1、内径変動量T2及びこれから計算したトウ内径変動比、並びに複素弾性率低下率が表1−3に示されている。
[損傷モード及び走行時間]
タイヤに損傷が生じるまでタイヤが走行された。損傷モード及びビード吹き抜け損傷が生じるまでの走行時間が確認された。結果が表1−3に示されている。表の損傷モードの欄において、「BPO」はビード吹き抜け損傷が発生したことを示す。「PTL」はプライターンアップルースが発生したことを示す。
Figure 0006418691
Figure 0006418691
Figure 0006418691
表1−3に示されるように、本発明に係る試験方法では、実用的な時間でビード吹き抜け損傷を再現させることができる。表1に示されるとおり、ビード吹き抜け損傷について、実使用状態での耐久性と良好な相関を有する耐久性試験結果が得られている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された試験方法は、種々のタイヤの耐久性試験に適用されうる。
2・・・走行試験機
4・・・タイヤ
6・・・リム支持部
8・・・駆動ドラム
10・・・ヒータ
12・・・温度センサ
14・・・温度制御部

Claims (4)

  1. 一対のリムフランジのうち、第一フランジ側からリムを加熱する手段を有する走行試験機を使用し、
    (A1)リムに装着されたタイヤを上記走行試験機にセットする工程、
    (A2)上記加熱手段により上記リムを加熱する工程
    及び
    (A3)上記走行試験機において、上記タイヤに荷重を負荷した状態でこのタイヤを走行させる工程
    を有し、
    上記タイヤを一定時間Hだけ走行させた後における上記第一フランジ側におけるタイヤのトウ内径の変動量がT1とされ、もう一方のフランジである第二フランジ側におけるタイヤのトウ内径の変動量がT2とされたとき、
    トウ内径変動比((T1−T2)/T1)が百分比で45%以上65%以下になるように、上記(A2)の工程における加熱温度、上記(A3)の工程における荷重及びタイヤの走行速度が決められるタイヤの耐久性の試験方法。
  2. 上記(A2)の工程における加熱温度が130℃以上150℃以下である請求項1に記載の試験方法。
  3. 上記(A3)の工程における荷重が正規荷重の90%以上110%以下である請求項1又は2いずれかに記載の試験方法。
  4. 上記時間Hが12時間以上36時間以下である請求項1から3のいずれかに記載の試験方法。
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