JP7304035B2 - グラファイト薄膜を含むペリクル - Google Patents
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Description
[1]グラファイト薄膜を含むペリクルであって、グラファイト薄膜の表面粗さSaが0.1nm以上、500nm以下であり、グラファイト薄膜の膜厚が5nm以上、30nm以下であるペリクル。
[2]前記グラファイト薄膜の膜厚が5nm以上、20nm以下である[1]に記載のペリクル。
[3]前記グラファイト薄膜の密度が、2.10g/cm3以上、2.26g/cm3以下である[1]または[2]に記載のペリクル。
[4]前記グラファイト薄膜の表面粗さSaが1nm以上、350nm以下である[1]~[3]のいずれかに記載のペリクル。
[5]前記グラファイト薄膜のラマンスペクトルにおけるGバンド強度(I(G))に対する、Dバンド(I(D))の強度の比(I(D)/I(G))が、0以上、0.5以下である[1]~[4]のいずれかに記載のペリクル。
[6][1]~[5]のいずれかに記載のペリクルと、枠を含むペリクル複合体。
[7]炭素化膜を、張力をかけながら、2200℃以上の温度で焼成し、グラファイト薄膜を得る工程を含むペリクルの製造方法であって、
表面粗さSaが0.1nm以上、500nm以下であり、且つ膜厚が5nm以上、30nm以下であるグラファイト薄膜を含むペリクルの製造方法。
[8]さらに、高分子膜に張力をかけながら炭化し、炭素化膜を得る工程を含む[7]に記載のペリクルの製造方法。
[9]前記焼成の少なくとも一部で、炭素化膜を黒鉛で挟んだ状態で焼成する[7]または[8]に記載のペリクルの製造方法。
[10]高分子膜を黒鉛に挟んだ状態で炭化する[8]または[9]に記載のペリクルの製造方法。
本発明は、膜厚が5nm~30nmであり、かつ、表面粗さSaが0.1nm~500nmであるグラファイト薄膜を含むペリクルに関する。
本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の膜厚は、EUV透過率、EUV透過率均一性、膜強度の観点から、5nm~30nmであり、5nm~20nmが好ましく、5nm~18nmが特に好ましい。前記膜厚が5nm以上であると、EUV透過率均一性が良好であり、また膜強度を高くできる。また、前記膜厚が30nm以下であると、EUV透過率とEUV透過率均一性を良好にできる。
本発明で特定するグラファイト薄膜の膜厚は、EUV透過率から求められる値で定義される。EUV透過率は、膜上を走査して求められ、位置による膜厚の変化を求めることが出来る。
膜厚(nm)=Log0.998(T[%]/100)×0.3354
本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の膜厚誤差は、EUV透過率均一性の観点から、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、3%以下が特に好ましい。前記膜厚誤差が10%以下であると、EUV透過率均一性を良好にできる。ここで膜厚誤差とは、膜厚の標準偏差を平均膜厚の割合で示したもので、次の式で示される。
膜厚誤差(%)= 標準偏差/平均膜厚×100(%)
本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の面積は、例えば3cm2以上とすることもでき、20cm2以上が好ましく、より好ましくは30cm2以上であり、更に好ましくは40cm2以上であり、本発明におけるグラファイト薄膜によれば、このような大面積であっても十分な強度を確保でき、取扱性が良好である。グラファイト薄膜の面積は、フォトマスクより大きい12cm×15cm以上が好ましく、20cm×20cm以上がより好ましく、25cm×40cm以上が特に好ましい。グラファイト薄膜の面積の上限は特に限定されないが、例えば50cm×50cmである。
本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の表面粗さ(Sa)は、0.1nm以上、500nm以下である。表面粗さは、1nm以上が好ましく、より好ましくは3nm以上であり、更に好ましくは5nm以上であり、また350nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、100nm以下が更に好ましい。なお本発明における表面粗さSaは、ISO 25178に基づいて求められる算術平均高さを意味する。グラファイト薄膜の膜厚が同じであっても、表面粗さが大きいと、EUV透過率は低下する。またEUV透過率の均一性も低くなるため、表面粗さは小さいほうが好ましい。表面粗さ(Sa)は、レーザー顕微鏡を用いて測定することが好ましい。表面粗さ(Sa)の測定位置は特に制限されないが、中心部と端部を含む複数箇所を測定し、その平均を、表面粗さ(Sa)とすることが望ましい。
本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の密度は、膜強度の観点から、1.80g/cm3~2.26g/cm3が好ましく、2.00g/cm3~2.26g/cm3がより好ましく、2.10g/cm3~2.26g/cm3がさらに好ましく、2.20g/cm3~2.26g/cm3が特に好ましい。
本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜のグラフェン層数と膜厚の関係は次の式で示される。
グラファイト薄膜のグラフェン層数=膜厚(nm)/単層グラフェンの膜厚(0.3354nm)
本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜は、レーザーラマン測定で膜が炭素質であるかグラファイト質であるかを評価できる。レーザーラマン分光の場合、1575~1600cm-1付近にグラファイト構造に起因するGバンドが現れ、1350~1360cm-1付近にアモルファスカーボン構造に起因するDバンドが現れる。ラマンスペクトルにおけるGバンド強度(I(G))と、Dバンド(I(D))の強度との比(I(D)/I(G))は、0以上、0.5以下が好ましく、0以上、0.1以下がより好ましく、0以上、0.05以下が特に好ましい。
本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の波長13.5nmの光(EUV)透過率は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、95%以上が特に好ましい。EUV透過率は高いほど好ましいが、本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜が達成できる値の上限は、通常99%程度である。
本発明では、グラファイト薄膜の表面粗さSaが0.1nm以上、500nm以下であり、膜内でのEUV透過率の均一性に優れている。EUV透過率の均一性は、膜上を走査して求められたEUV透過率の標準偏差の3倍(3σ)で評価することができ、その値は例えば1.5%以下であり、好ましくは1.3%以下であり、より好ましくは1.2%以下であり、下限は特に限定されないが、例えば0.3%程度である。
本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の面方向の熱伝導率は、ペリクルに生じる熱を放熱し、過度の温度上昇をさせないようにする観点で、1000W/mK~5000W/mKが好ましく、1500W/mK~5000W/mKがより好ましく、2000W/mK~5000W/mKが特に好ましい。前記面方向の熱伝導率が1000W/mK以上であると、ペリクルに生じる熱を効率良く放熱することができ、ペリクルの耐久性を向上できる。
本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の電気伝導度は、10,000S/cm~25,000S/cmが好ましい。
本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜のキャリア移動度は、10,000cm2/Vs~15,000cm2/Vsが好ましい。
本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の引張強度は、5MPa~100MPaが好ましく、50MPa~100MPaがより好ましく、80~100MPaが特に好ましい。前記引張強度が、5MPa以上であると、破損することなく枠への張設などの取り扱いをすることが可能となる。
本発明のペリクルに用いられるグラファイト薄膜の550nmにおける屈折率は、1.9~4.0が好ましい。
本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜は、アウトガスやEUV耐久性の観点から、全組成中に炭素が95~100モル%含まれることが好ましい。
本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜は結晶状態が良好であることが好ましく、例えば上記したラマンスペクトル強度比I(D)/I(G)が小さい程(好ましくは0.5以下、より好ましくは0)、アモルファス構造の割合が少ないと言え、結晶状態が良好であると言える。結晶状態は、単結晶状態、又は多結晶状態であることが望ましい。単結晶構造のグラファイト薄膜は、膜強度が高く、熱伝導性が高い点で好ましい。一方、多結晶状態のグラファイト薄膜は、製造しやすく、コストの面で好ましい。
また、本発明のペリクルは、後述する実施例で評価する通り、EUVに対する耐久性にも優れている。
グラファイト薄膜の製造方法としては、特に限定されないが、高分子膜焼成法、炭素固体を原料とするアーク放電法や、炭化水素系ガスを原料とするプラズマCVD法、メタンガスを原料とする真空中のプラズマジェット法等が挙げられる。
さらに、本発明のペリクルは、グラファイト薄膜と別の膜を積層した積層体からなってもよい。積層体とすることにより、熱耐性や水素ラジカル耐性を付与することができる。
<ペリクル枠>
本発明のペリクルは、グラファイト薄膜とペリクル枠を含む複合体からなるペリクルであってもよい。ペリクルをペリクル枠へ張設する方法は特に限定されず、例えば膜接着材層を用いる方法であってもよいし、上下から機械的に挟み込み張設する方法であってもよい。
ペリクル枠の形状は、フォトマスクを覆うのに充分なペリクルの面積が確保出来ていれば問わない。円形や楕円形であってもよいし、四角形などの多角形、又はその他の形でも良い。多角形である場合は、角が丸みを帯びていてもよい。また、EUV露光装置内との気圧を一定とするための通気孔を有してもよい。
ペリクル枠の素材は、ペリクルを張設可能な枠であれば制限されず、例えばシリコン、アルミニウム、ステンレスなどの金属単体又は合金、黒鉛、セラミックスなどが挙げられる。
膜の膜厚は、下記方法により測定したEUV透過率から算出した。EUV透過率は、下記測定方法に示す通り、膜上を走査して求められる。EUV透過率(T)とグラファイト薄膜の膜厚の関係は、単層グラフェンの、波長13.5nmの光の透過率(0.998)と単層グラフェンの膜厚(0.3354nm)で次の式で示される。
膜厚(nm)=Log0.998(T[%]/100)×0.3354
本発明において、膜の表面粗さ(Sa)は、レーザー顕微鏡で測定し、ISO 25178に基づいて算出した。レーザー顕微鏡の拡大倍率:50倍、カットオフ値(λc):80μmとした。表面粗さ(Sa)の測定位置は特に制限されないが、中心部1箇所と端部4箇所を含む複数箇所を測定し、その平均を、表面粗さ(Sa)とすることが望ましい。
EUV透過率測定は、以下のように行った。EUV照射装置(ニュースバル(施設名) BL-10、兵庫県立大)にて、波長13.5nmの光(EUV)をペリクルに照射した。光源強度は数十μW/cm2、EUVの照射方向は膜面に対して垂直方向とし、膜上を走査するように照射し、EUV透過率を測定した。
EUV透過率均一性は、膜上を走査して求められたEUV透過率の標準偏差の3倍(3σ)であらわされる。3σの値が小さいほど、EUV透過率均一性が良いといえる。
EUV照射装置(ニュースバル(施設名) BL-9、兵庫県立大)にて、波長13.5nm、光源強度約170mW/cm2のEUVを2時間、ペリクルに照射した。EUV耐久性は、耐久性試験前後で(1)外観、(2)C―K端のXAFS、又は(3)ラマンスペクトルの比較を行うことによって評価した。
炭素を含む素材のC―K端XAFSは、sp2炭素に特徴的な285.5eV付近のπ*ピーク、293eV付近のσ*ピークなどが見られる。これらのピークは炭素原子の結合様式を示しており、EUVの照射前後でC―K端XAFSに変化が無いという事は、グラファイト薄膜からなるペリクルがEUVに対して耐久性を有するといえる。
グラファイト薄膜の寸法、膜厚を測定することによって体積(cm3)を算出するとともに、別途、グラファイト薄膜の質量(g)を測定し、密度(g/cm3)=質量(g)/体積(cm3)の式から、密度を算出した。
グラファイト薄膜の電気伝導度の測定はファン・デル・ポー法によって行った。この方法は薄膜状の試料の電気伝導度を測定するのに最も適した方法である。この測定法の詳細は(第四版)実験化学講座9 電気・磁気(社団法人日本化学会編、丸善株式会社発行(平成3年6月5日発行)(P170)に記載されている。この手法の特徴は、任意の形状の薄膜試料端部の任意の4点に電極をとり測定を行うことが出来ることであり、試料の厚さが均一であれば正確な測定が行える点である。本発明においては1cm×1cmの試料を用い、それぞれの4つの角(稜)に銀ペースト電極を取り付けて行った。測定は(株)東洋テクニカ製、比抵抗/DC&ACホール測定システム、ResiTest 8300を用いて行った。
グラファイト薄膜をサイズ10×30mmに切り出し、両端を厚み12.5μmのポリイミドテープで補強した。作製した測定用試料を縦型電動計測スタンド((株)イマダ社製EMX-1000N)にセットした。引張速度を5mm/minとし、引張強度はデジタルフォースゲージ((株)イマダ社製ZTA-5N)で測定した。
作製したグラファイト薄膜の炭素比率は、(株)日立ハイテクノロジーサービス製走査型電子顕微鏡(SEM)SU4600と、(株)堀場製作所製大口径SDD検出器(EDX-XMax)を用いて測定した。加速電圧20kVにてグラファイト薄膜の分析を行い、付属ソフトウェアで解析後に算出された炭素原子数濃度(%)により決定した。
膜の結晶状態は、ラマンスペクトルにおける、Gバンド強度(I(G))と、Dバンド(I(D))の強度との比(I(D)/I(G))で評価した。I(D)/I(G)が0.5以下である場合を、欠陥が少なく良好なグラファイト結晶であると評価した。I(D)/I(G)は0であることが好ましい。
ラマン強度は、レーザーラマン顕微鏡で測定した。測定位置は特に制限されないが、中心部1箇所と端部4箇所を含む複数箇所を測定し、それぞれのGバンド強度(I(G))と、Dバンド(I(D))の強度、その平均値を用いることが望ましい。
ピロメリット酸二無水物、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、p-フェニレンジアミンをモル比で2:1:1の割合で合成したポリアミド酸の5.0質量%のDMF(ジメチルホルムアミド)溶液を合成し、スピンコーターを用いて金属基板上に塗布した。この金属箔とポリアミド酸溶液の積層体を125℃、250℃、450℃で各60秒間加熱した後、金属箔から剥離し、直径8cmの円形、膜厚が110nmのポリイミド膜(A-1)を作製した。
ポリアミド酸の濃度を4.0質量%にした以外は、製造例1-1と同様にして、直径8cmの円形、膜厚が90nmのポリイミド膜(A-2)を作製した。
ポリアミド酸の濃度を6.0質量%にした以外は、製造例1-1と同様にして、直径8cmの円形、膜厚が150nmのポリイミド膜(A-3)を作製した。
ポリアミド酸の濃度を9.0質量%にした以外は、製造例1-1と同様にして、直径8cmの円形、膜厚が220nmのポリイミド膜(A-4)を作製した。
ポリアミド酸の濃度を9.0質量%にした以外は、製造例1-1と同様にして、直径8cmの円形、膜厚が280nmのポリイミド膜(A-5)を作製した。
ポリアミド酸の濃度を17.0質量%にした以外は、製造例1-1と同様にして、直径8cmの円形、膜厚が3900nmのポリイミド膜(A-6)を作製した。
ポリアミド酸の濃度を12.0質量%にした以外は、製造例1-1と同様にして、直径8cmの円形、膜厚が500nmのポリイミド膜(A-7)を作製した。
製造例1-1で得られたポリイミド膜(A-1)を、グラファイトシートで挟み込み、電気炉を用いて、窒素ガス雰囲気中、5℃/分の速度で950℃まで昇温し、950℃で20分間保ったのち自然冷却させ、炭素化膜を得た。得られた炭素化膜を、膜の端部に錘を設置し、張力をかけながら、アルゴンガス雰囲気中で5℃/分の速度で2800℃まで昇温し、2800℃で20分間保ったのち自然冷却させ、直径が約2~3cmの円形状のグラファイト薄膜(B-1)を得た。
製造例2-1において、製造例1-1で得られたポリイミド膜(A-1)に代えて、製造例1-2で得られたポリイミド膜(A-2)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-2)を得た。
製造例2-1において、製造例1-1で得られたポリイミド膜(A-1)に代えて、製造例1-3で得られたポリイミド膜(A-3)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-3)を得た。
製造例2-1において、製造例1-1で得られたポリイミド膜(A-1)に代えて、製造例1-4で得られたポリイミド膜(A-4)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-4)を得た。
製造例2-1において、製造例1-1で得られたポリイミド膜(A-1)に代えて、製造例1-5で得られたポリイミド膜(A-5)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-5)を得た。
製造例2-1において、製造例1-1で得られたポリイミド膜(A-1)に代えて、製造例1-6で得られたポリイミド膜(A-6)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-6)を得た。
製造例1-3で得られたポリイミド膜(A-3)を、グラファイトシートで挟み込み、電気炉を用いて、窒素ガス雰囲気中、5℃/分の速度で950℃まで昇温し、950℃で20分間保ったのち自然冷却させ、炭素化膜を得た。得られた炭素化膜を、アルゴンガス雰囲気中で5℃/分の速度で2800℃まで昇温し、2800℃で20分間保ったのち自然冷却させ、グラファイト薄膜(B-7)を得た。
製造例2-7において、製造例1-3で得られたポリイミド膜(A-3)に代えて、製造例1-1で得られたポリイミド膜(A-1)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-8)を得た。
製造例2-7において、製造例1-3で得られたポリイミド膜(A-3)に代えて、製造例1-2で得られたポリイミド膜(A-2)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-9)を得た。
製造例2-7において、製造例1-3で得られたポリイミド膜(A-3)に代えて、製造例1-4で得られたポリイミド膜(A-4)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-10)を得た。
製造例2-1において、製造例1-1で得られたポリイミド膜(A-1)に代えて、製造例1-7で得られたポリイミド膜(A-7)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-11)を得た。グラファイト薄膜(B-11)の引張強度は40MPaであった。グラファイト薄膜(B-1)~(B-3)も、(B-11)と同じ原料を用いて同じ要領で作製しているため、(B-11)と同等の引張強度を有すると考えられる。
表面状態が鏡面であり、膜厚が18.5nmであるグラファイト薄膜(B-1)を底の無い枡型のジグに張設し、ペリクルとした。ジグは、縦横の外寸が12mm、内寸が10mm、高さ10mmであり、ジグの素材にはアウトガスの出にくいA5052合金を用いた。ペリクルの固定には、エポキシ樹脂接着剤を用いた。
実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-2)を用いた以外は同様とした。
実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-3)を用いた以外は同様とした。
実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-4)を用いた以外は同様とした。
実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-5)を用いた以外は同様とした。
実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-6)を用いた以外は同様とした。
実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-7)を用いた以外は同様とした。
実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-8)を用いた以外は同様とした。
実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-9)を用いた以外は同様とした。
実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-10)を用いた以外は同様とした。
実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-11)を用いた以外は同様とした。
Claims (11)
- グラファイト薄膜を含むペリクルであって、
前記グラファイト薄膜の表面粗さSaが0.1nm以上、500nm以下であり、
前記グラファイト薄膜の膜厚が5nm以上、30nm以下であり、
前記グラファイト薄膜のラマンスペクトルにおけるGバンド強度(I(G))に対する、Dバンド(I(D))の強度の比(I(D)/I(G))が、0以上、0.5以下であり、
前記グラファイト薄膜の引張強度が5MPa以上であるペリクル。 - 前記グラファイト薄膜の電気伝導度が10,000S/cm以上である請求項1に記載のペリクル。
- 下記式で求められる前記グラファイト薄膜の膜厚誤差が10%以下である請求項1または請求項2に記載のペリクル。
膜厚誤差(%)=膜厚の標準偏差/平均膜厚×100 - 前記グラファイト薄膜の膜厚が5nm以上、20nm以下である請求項1~請求項3のいずれかに記載のペリクル。
- 前記グラファイト薄膜の密度が、2.10g/cm3以上、2.26g/cm3以下である請求項1~請求項4のいずれかに記載のペリクル。
- 前記グラファイト薄膜の表面粗さSaが1nm以上、350nm以下である請求項1~請求項5のいずれかに記載のペリクル。
- 請求項1~請求項6のいずれかに記載のペリクルと、枠を含むペリクル複合体。
- 炭素化膜を、張力をかけながら、2200℃以上の温度で焼成し、グラファイト薄膜を得る工程を含むペリクルの製造方法であって、
表面粗さSaが0.1nm以上、500nm以下であり、膜厚が5nm以上、30nm以下であり、且つラマンスペクトルにおけるGバンド強度(I(G))に対する、Dバンド(I(D))の強度の比(I(D)/I(G))が、0以上、0.5以下であるグラファイト薄膜を含むペリクルの製造方法。 - さらに、高分子膜に張力をかけながら炭化し、炭素化膜を得る工程を含む請求項8に記載のペリクルの製造方法。
- 前記焼成の少なくとも一部で、炭素化膜を黒鉛で挟んだ状態で焼成する請求項8または請求項9に記載のペリクルの製造方法。
- 高分子膜を黒鉛に挟んだ状態で炭化する請求項9または請求項10に記載のペリクルの製造方法。
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Publications (2)
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