WO2019172170A1 - グラファイト薄膜を含むペリクル - Google Patents

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Abstract

従来のペリクルは、極端紫外線(EUV)透過率の高さ、およびEUV透過率均一性の両立に課題があった。ペリクルとして、膜厚5nm以上、30nm以下かつ表面粗さ(Sa)が0.1nm以上、500nm以下のグラファイト薄膜を用いることで、EUV透過率の高さ、およびEUV透過率均一性の両立したペリクルを提供する。

Description

グラファイト薄膜を含むペリクル
 本発明は、極端紫外線(以下、EUV:Extreme Ultravioletとも記載する)の透過率が高く、かつ、均一であるグラファイト薄膜を含むペリクルに関する。
 近年、より微細な半導体加工において、EUVリソグラフィーの技術が開発されている。EUVによるフォトリソグラフィー装置には、フォトマスクに貼り付ける防塵用の保護膜として、ペリクルが使用されている。
 ペリクルとして、膜厚が1nm未満のグラフェンが公知である(特許文献1)。膜厚1nm未満のグラフェンは、その極端紫外線の透過率が高いことが記載されている。
特表2013-534727号公報
K. Nagashio, et al., J. Appl. Phys., 49, 051304(2010) Y. Zhang, et al., Appl. Phys. Lett., 86, 073104(2005)
 しかし、従来のペリクルは、EUV透過率の高さ、およびEUV透過率均一性の両立に課題があった。
 そこで、本発明は、高いEUV透過率とEUV透過率の均一性を両立したペリクルを提供することを目的とする。
 本発明は以下のペリクルに関する。
[1]グラファイト薄膜を含むペリクルであって、グラファイト薄膜の表面粗さSaが0.1nm以上、500nm以下であり、グラファイト薄膜の膜厚が5nm以上、30nm以下であるペリクル。
[2]前記グラファイト薄膜の膜厚が5nm以上、20nm以下である[1]に記載のペリクル。
[3]前記グラファイト薄膜の密度が、2.10g/cm3以上、2.26g/cm3以下である[1]または[2]に記載のペリクル。
[4]前記グラファイト薄膜の表面粗さSaが1nm以上、350nm以下である[1]~[3]のいずれかに記載のペリクル。
[5]前記グラファイト薄膜のラマンスペクトルにおけるGバンド強度(I(G))に対する、Dバンド(I(D))の強度の比(I(D)/I(G))が、0以上、0.5以下である[1]~[4]のいずれかに記載のペリクル。
[6][1]~[5]のいずれかに記載のペリクルと、枠を含むペリクル複合体。
[7]炭素化膜を、張力をかけながら、2200℃以上の温度で焼成し、グラファイト薄膜を得る工程を含むペリクルの製造方法であって、
 表面粗さSaが0.1nm以上、500nm以下であり、且つ膜厚が5nm以上、30nm以下であるグラファイト薄膜を含むペリクルの製造方法。
[8]さらに、高分子膜に張力をかけながら炭化し、炭素化膜を得る工程を含む[7]に記載のペリクルの製造方法。
[9]前記焼成の少なくとも一部で、炭素化膜を黒鉛で挟んだ状態で焼成する[7]または[8]に記載のペリクルの製造方法。
[10]高分子膜を黒鉛に挟んだ状態で炭化する[8]または[9]に記載のペリクルの製造方法。
 本発明のペリクルは、高いEUV透過率とEUV透過率均一性を両立できる。
実施例1で用いたグラファイト薄膜の断面をTEMで観察した図面代用写真である。 比較例8の炭素K殻吸収端領域(C―K端)のX線吸収微細構造(XAFS:X-ray Absorption Fine Structure)である。
 本発明において、EUVとは、波長が5nm~30nmである光をいう。なお、本明細書においてA~Bとは、A以上、B以下であることを意味する。
<グラファイト薄膜を含むペリクル>
 本発明は、膜厚が5nm~30nmであり、かつ、表面粗さSaが0.1nm~500nmであるグラファイト薄膜を含むペリクルに関する。
 ここで、上記した非特許文献1、2によれば、グラフェンの多層体であっても、厚さが5nm以上であるものは、キャリア移動度や電気伝導度の温度依存性などに関して、単層グラフェンや5nm未満のグラフェン多層体とは明らかに異なる挙動を示し、5nm以上のグラフェン多層体の物性は、グラファイト結晶とほぼ同じであると考えてよい。後述する実施例1の図1では、縞状のグラフェンが積層したグラフェン多層体であることが観察される。またその膜厚は5nm以上であることから、本発明におけるペリクルがグラファイト構造を有するグラファイト薄膜から構成されると判断できる。従って、本発明のペリクルを構成するグラファイト薄膜は、いわゆるグラフェン(すなわち単層グラフェンや5nm未満のグラフェン多層体)とは明確に区別される。なお、図1中には、参考のためTEM観察により測定した膜厚を記載した。
<グラファイト薄膜の膜厚>
 本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の膜厚は、EUV透過率、EUV透過率均一性、膜強度の観点から、5nm~30nmであり、5nm~20nmが好ましく、5nm~18nmが特に好ましい。前記膜厚が5nm以上であると、EUV透過率均一性が良好であり、また膜強度を高くできる。また、前記膜厚が30nm以下であると、EUV透過率とEUV透過率均一性を良好にできる。
<膜厚の測定方法>
 本発明で特定するグラファイト薄膜の膜厚は、EUV透過率から求められる値で定義される。EUV透過率は、膜上を走査して求められ、位置による膜厚の変化を求めることが出来る。
 EUV透過率(T)とグラファイト薄膜の膜厚の関係は、単層グラフェンの13.5nmの透過率(0.998)と単層グラフェンの膜厚(0.3354nm)を用いて次の式で示される。
 膜厚(nm)=Log0.998(T[%]/100)×0.3354
 なお、断面TEMによる膜厚の測定では、膜の一点のみの膜厚を評価することとなり、測定値は最大で10%ほどの誤差が生じる場合がある。
<グラファイト薄膜の膜厚誤差>
 本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の膜厚誤差は、EUV透過率均一性の観点から、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、3%以下が特に好ましい。前記膜厚誤差が10%以下であると、EUV透過率均一性を良好にできる。ここで膜厚誤差とは、膜厚の標準偏差を平均膜厚の割合で示したもので、次の式で示される。
 膜厚誤差(%)= 標準偏差/平均膜厚×100(%)
<グラファイト薄膜の面積>
 本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の面積は、例えば3cm2以上とすることもでき、20cm2以上が好ましく、より好ましくは30cm2以上であり、更に好ましくは40cm2以上であり、本発明におけるグラファイト薄膜によれば、このような大面積であっても十分な強度を確保でき、取扱性が良好である。グラファイト薄膜の面積は、フォトマスクより大きい12cm×15cm以上が好ましく、20cm×20cm以上がより好ましく、25cm×40cm以上が特に好ましい。グラファイト薄膜の面積の上限は特に限定されないが、例えば50cm×50cmである。
<グラファイト薄膜の表面粗さ>
 本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の表面粗さ(Sa)は、0.1nm以上、500nm以下である。表面粗さは、1nm以上が好ましく、より好ましくは3nm以上であり、更に好ましくは5nm以上であり、また350nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、100nm以下が更に好ましい。なお本発明における表面粗さSaは、ISO 25178に基づいて求められる算術平均高さを意味する。グラファイト薄膜の膜厚が同じであっても、表面粗さが大きいと、EUV透過率は低下する。またEUV透過率の均一性も低くなるため、表面粗さは小さいほうが好ましい。表面粗さ(Sa)は、レーザー顕微鏡を用いて測定することが好ましい。表面粗さ(Sa)の測定位置は特に制限されないが、中心部と端部を含む複数箇所を測定し、その平均を、表面粗さ(Sa)とすることが望ましい。
<グラファイト薄膜の密度>
 本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の密度は、膜強度の観点から、1.80g/cm3~2.26g/cm3が好ましく、2.00g/cm3~2.26g/cm3がより好ましく、2.10g/cm3~2.26g/cm3がさらに好ましく、2.20g/cm3~2.26g/cm3が特に好ましい。
<グラファイト薄膜の層数>
 本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜のグラフェン層数と膜厚の関係は次の式で示される。
 グラファイト薄膜のグラフェン層数=膜厚(nm)/単層グラフェンの膜厚(0.3354nm)
 本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜のグラフェン層数は、15層~90層が好ましく、15層~60層がより好ましく、15層~54層が特に好ましい。前記層数が15層以上であると、EUV透過率均一性が良好であり、また膜強度を大きくできる。また、前記層数が90層以下であると、EUV透過率及びEUV透過率の均一性を良好にできる。
<グラファイト薄膜のラマンスペクトル>
 本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜は、レーザーラマン測定で膜が炭素質であるかグラファイト質であるかを評価できる。レーザーラマン分光の場合、1575~1600cm-1付近にグラファイト構造に起因するGバンドが現れ、1350~1360cm-1付近にアモルファスカーボン構造に起因するDバンドが現れる。ラマンスペクトルにおけるGバンド強度(I(G))と、Dバンド(I(D))の強度との比(I(D)/I(G))は、0以上、0.5以下が好ましく、0以上、0.1以下がより好ましく、0以上、0.05以下が特に好ましい。
 ここで、ラマンスペクトルは、ラマン顕微鏡を用いて観察することが好ましい。ラマンスペクトルの測定位置は特に制限されないが、膜の平滑性が高く、かつ膜厚やレーザー照射側の表面状態が均一である部分を測定することが望ましい。ラマン分光法に用いられるレーザー光の波長は特に制限されない。一般的なレーザー光の波長として、1064nm、633nm、532nm、515nm、502nm、496nm、488nm、477nm、473nm、466nm、458nm、364nm、または351nmが挙げられる。
<グラファイト薄膜のEUV透過率>
 本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の波長13.5nmの光(EUV)透過率は、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、95%以上が特に好ましい。EUV透過率は高いほど好ましいが、本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜が達成できる値の上限は、通常99%程度である。
 <EUV透過率均一性>
 本発明では、グラファイト薄膜の表面粗さSaが0.1nm以上、500nm以下であり、膜内でのEUV透過率の均一性に優れている。EUV透過率の均一性は、膜上を走査して求められたEUV透過率の標準偏差の3倍(3σ)で評価することができ、その値は例えば1.5%以下であり、好ましくは1.3%以下であり、より好ましくは1.2%以下であり、下限は特に限定されないが、例えば0.3%程度である。
<グラファイト薄膜の熱伝導率>
 本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の面方向の熱伝導率は、ペリクルに生じる熱を放熱し、過度の温度上昇をさせないようにする観点で、1000W/mK~5000W/mKが好ましく、1500W/mK~5000W/mKがより好ましく、2000W/mK~5000W/mKが特に好ましい。前記面方向の熱伝導率が1000W/mK以上であると、ペリクルに生じる熱を効率良く放熱することができ、ペリクルの耐久性を向上できる。
<グラファイト薄膜の電気伝導度>
 本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の電気伝導度は、10,000S/cm~25,000S/cmが好ましい。
<グラファイト薄膜のキャリア移動度>
 本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜のキャリア移動度は、10,000cm2/Vs~15,000cm2/Vsが好ましい。
<グラファイト薄膜の引張強度>
 本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜の引張強度は、5MPa~100MPaが好ましく、50MPa~100MPaがより好ましく、80~100MPaが特に好ましい。前記引張強度が、5MPa以上であると、破損することなく枠への張設などの取り扱いをすることが可能となる。
<グラファイト薄膜の屈折率>
 本発明のペリクルに用いられるグラファイト薄膜の550nmにおける屈折率は、1.9~4.0が好ましい。
<グラファイト薄膜の炭素比率>
 本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜は、アウトガスやEUV耐久性の観点から、全組成中に炭素が95~100モル%含まれることが好ましい。
<グラファイト薄膜の結晶状態>
 本発明のペリクルを形成するグラファイト薄膜は結晶状態が良好であることが好ましく、例えば上記したラマンスペクトル強度比I(D)/I(G)が小さい程(好ましくは0.5以下、より好ましくは0)、アモルファス構造の割合が少ないと言え、結晶状態が良好であると言える。結晶状態は、単結晶状態、又は多結晶状態であることが望ましい。単結晶構造のグラファイト薄膜は、膜強度が高く、熱伝導性が高い点で好ましい。一方、多結晶状態のグラファイト薄膜は、製造しやすく、コストの面で好ましい。
<EUV耐久性>
 また、本発明のペリクルは、後述する実施例で評価する通り、EUVに対する耐久性にも優れている。
<グラファイト薄膜の製造方法>
 グラファイト薄膜の製造方法としては、特に限定されないが、高分子膜焼成法、炭素固体を原料とするアーク放電法や、炭化水素系ガスを原料とするプラズマCVD法、メタンガスを原料とする真空中のプラズマジェット法等が挙げられる。
 本発明のペリクルを形成する、表面が平滑なグラファイト薄膜の製造方法としては、高分子焼成法が製造方法として好ましい。例えば芳香族ポリイミドなどの高分子膜を炭素化熱処理して炭素化膜を得て、該炭素化膜に張力をかけながらグラファイト化熱処理することで、表面が平滑な、すなわち表面粗さが0.1nm以上、500nm以下に調整されたグラファイト薄膜を得られる。炭素化膜に張力をかける具体的な方法としては、黒鉛で炭素化膜を挟むことや、炭素化膜の端部に錘を設置することなどが挙げられ、これらはグラファイト化熱処理(焼成)の少なくとも一部で行えばよい。
 また、高分子膜に張力をかけながら炭素化熱処理し、炭素化膜を得て、該炭素化膜に張力をかけながらグラファイト化熱処理することが好ましい。
 炭素化熱処理は、窒素、アルゴンあるいはアルゴンと窒素の混合ガスなどの不活性ガス雰囲気下、900~1000℃程度で15~30分行えばよい。炭素化熱処理温度までの昇温速度は特に限定されないが、例えば5℃/分以上、15℃/分以下である。炭素化熱処理の後は、自然冷却などにより室温まで冷却すればよい。
 炭素化熱処理によって得られた炭素化膜は、高温炉にセットして、アルゴンガスあるいはアルゴンガスとヘリウムガスの混合ガスなどの不活性ガス中、2200℃以上(好ましくは2600℃以上)で15~30分熱処理(焼成)するグラファイト化熱処理を行う。グラファイト化における熱処理温度は2800℃以上がより好ましく、更に好ましくは3000℃以上であり、上限は特に限定されないが、例えば3600℃以下である。グラファイト化の際は、炭素化膜の端部に錘を設置するなどして、張力を掛けながら熱処理することが重要である。このようにすることで、表面粗さの調整されたグラファイト薄膜を得ることができる。グラファイト化熱処理温度までの昇温速度は特に限定されないが、例えば5℃/分以上、15℃/分以下である。
 グラファイト薄膜の原料として好ましく用いられる高分子は、芳香族高分子であり、この芳香族高分子としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリキノキサリン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリオキサジアゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾール、ポリキナゾリンジオン、ポリベンゾオキサジノン、ポリキナゾロン、ベンズイミダゾベンゾフェナントロリンラダーポリマー、およびこれらの誘導体から選択される少なくとも一種であることが好ましい。これらの高分子からなる膜は公知の製造方法で製造すればよい。特に好ましい高分子として芳香族ポリイミド、ポリパラフェニレンビニレン、ポリパラフェニレンオキサジアゾールを例示することができる。特に、芳香族ポリイミドが好ましく、中でも以下に記載する酸二無水物(特に芳香族酸二無水物)とジアミン(特に芳香族ジアミン)からポリアミド酸を経て作製される芳香族ポリイミドが特に好ましい。
 前記芳香族ポリイミドの合成に用いられ得る酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、p-フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、およびそれらの類似物を含み、それらを単独または任意の割合の混合物で用いることができる。特に非常に剛直な構造を有した高分子構造を持つほどポリイミド膜の配向性が高くなること、さらには入手性の観点から、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
 前記芳香族ポリイミドの合成に用いられ得るジアミンとしては、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’-ジクロロベンジジン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、1,5-ジアミノナフタレン、4,4’-ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’-ジアミノジフェニルシラン、4,4’-ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4’-ジアミノジフェニルN-メチルアミン、4,4’-ジアミノジフェニル N-フェニルアミン、1,4-ジアミノベンゼン(p-フェニレンジアミン)、1,3-ジアミノベンゼン、1,2-ジアミノベンゼンおよびそれらの類似物を含み、それらを単独でまたは任意の割合の混合物で用いることができる。さらにポリイミド膜の配向性を高くすること、入手性の観点から、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、p-フェニレンジアミンを原料に用いて合成されることが特に好ましい。
 高分子が芳香族ポリイミドである場合、製造方法としては、前駆体であるポリアミド酸を加熱でイミド転化する熱キュア法、ポリアミド酸に無水酢酸等の酸無水物に代表される脱水剤や、ピコリン、キノリン、イソキノリン、ピリジン等の第3級アミン類をイミド化促進剤として用い、イミド転化するケミカルキュア法があるが、そのいずれを用いても良い。得られる膜の線膨張係数が小さく、弾性率が高く、複屈折率が大きくなりやすく、膜の焼成中に張力をかけたとしても破損することなく、また、品質の良いグラファイト膜を得ることができるという点からケミカルキュア法が好ましい。またケミカルキュア法は、グラファイト膜の熱伝導度の向上の面でも優れている。
 前記ポリアミド酸は、通常、酸二無水物の少なくとも1種とジアミンの少なくとも1種を有機溶媒中に溶解させ、得られたポリアミド酸有機溶媒溶液を、制御された温度条件下で、上記酸二無水物とジアミンの重合が完了するまで攪拌することによって製造される。これらのポリアミド酸溶液は通常4質量%以上(好ましくは5質量%以上)、かつ35質量%以下、好ましくは10質量%以上、かつ30質量%以下の濃度で得られる。この範囲の濃度である場合に適当な分子量と溶液粘度を得ることが出来る。前記原料溶液中の酸二無水物とジアミンは実質的に等モル量にすることが好ましく、ジアミンに対する酸二無水物のモル比(酸二無水物/ジアミン)は、例えば、1.5/1以下、かつ1/1.5以上、好ましくは1.2/1以下、かつ1/1.2以上、より好ましくは1.1/1以下、かつ1/1.1以上である。
 前記ポリイミド膜は、上記ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の有機溶剤溶液をエンドレスベルト、ステンレスドラムなどの支持体上に流延し、乾燥・イミド化させることにより製造される。具体的にケミカルキュアによる膜の製造法は以下の通りである。まず上記ポリアミド酸溶液に化学量論以上の脱水剤と触媒量のイミド化促進剤を加え支持板やPET等の有機膜、ドラム又はエンドレスベルト等の支持体上に流延又は塗布して膜状とし、有機溶媒を蒸発させることにより自己支持性を有する膜を得る。次いで、これを更に加熱して乾燥させつつイミド化させポリイミド膜を得る。加熱の際の温度は、150℃から550℃の範囲の温度が好ましい。高分子膜の厚さは、例えば20~200nmであることが好ましい。
<グラファイト薄膜と別の膜の積層体からなるペリクル>
 さらに、本発明のペリクルは、グラファイト薄膜と別の膜を積層した積層体からなってもよい。積層体とすることにより、熱耐性や水素ラジカル耐性を付与することができる。
 別の膜は、特に制限されないが、例えば、EUVに対して安定な材料という観点から、SiOx(x≦2)、Sixy(x/yは0.7~1.5)、SiO、SiC、N、Y23、YN、Mo、Ru、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、またはRhからなる膜が挙げられる。
<ペリクル複合体>
<ペリクル枠>
 本発明のペリクルは、グラファイト薄膜とペリクル枠を含む複合体からなるペリクルであってもよい。ペリクルをペリクル枠へ張設する方法は特に限定されず、例えば膜接着材層を用いる方法であってもよいし、上下から機械的に挟み込み張設する方法であってもよい。
<ペリクル枠の形状>
 ペリクル枠の形状は、フォトマスクを覆うのに充分なペリクルの面積が確保出来ていれば問わない。円形や楕円形であってもよいし、四角形などの多角形、又はその他の形でも良い。多角形である場合は、角が丸みを帯びていてもよい。また、EUV露光装置内との気圧を一定とするための通気孔を有してもよい。
<ペリクル枠の素材>
 ペリクル枠の素材は、ペリクルを張設可能な枠であれば制限されず、例えばシリコン、アルミニウム、ステンレスなどの金属単体又は合金、黒鉛、セラミックスなどが挙げられる。
 前記膜接着剤は、例えばアクリル樹脂接着剤、エポキシ樹脂接着剤、ポリイミド樹脂接着剤、シリコーン樹脂接着剤などがある。EUV露光時の真空度を保持する観点から、膜接着剤は、アウトガスが少ないものが好ましい。アウトガスの評価方法として、例えば昇温脱離ガス分析装置を用いることができる。EUV照射によりペリクルとペリクル枠は加熱されるため、膜接着剤は、耐熱性の高いものが好ましい。
 本願は、2018年3月9日に出願された日本国特許出願第2018-043100号に基づく優先権の利益を主張するものである。2018年3月9日に出願された日本国特許出願第2018-043100号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
 以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
 下記実施例で得られたグラファイト薄膜及びペリクル(ペリクル複合体)は、以下の方法によって測定した。
<膜厚測定方法>
 膜の膜厚は、下記方法により測定したEUV透過率から算出した。EUV透過率は、下記測定方法に示す通り、膜上を走査して求められる。EUV透過率(T)とグラファイト薄膜の膜厚の関係は、単層グラフェンの、波長13.5nmの光の透過率(0.998)と単層グラフェンの膜厚(0.3354nm)で次の式で示される。
 膜厚(nm)=Log0.998(T[%]/100)×0.3354
<表面粗さ(Sa)>
 本発明において、膜の表面粗さ(Sa)は、レーザー顕微鏡で測定し、ISO 25178に基づいて算出した。レーザー顕微鏡の拡大倍率:50倍、カットオフ値(λc):80μmとした。表面粗さ(Sa)の測定位置は特に制限されないが、中心部1箇所と端部4箇所を含む複数箇所を測定し、その平均を、表面粗さ(Sa)とすることが望ましい。
<EUV透過率測定>
 EUV透過率測定は、以下のように行った。EUV照射装置(ニュースバル(施設名) BL-10、兵庫県立大)にて、波長13.5nmの光(EUV)をペリクルに照射した。光源強度は数十μW/cm2、EUVの照射方向は膜面に対して垂直方向とし、膜上を走査するように照射し、EUV透過率を測定した。
<EUV透過率均一性>
 EUV透過率均一性は、膜上を走査して求められたEUV透過率の標準偏差の3倍(3σ)であらわされる。3σの値が小さいほど、EUV透過率均一性が良いといえる。
<EUV耐久性>
 EUV照射装置(ニュースバル(施設名) BL-9、兵庫県立大)にて、波長13.5nm、光源強度約170mW/cm2のEUVを2時間、ペリクルに照射した。EUV耐久性は、耐久性試験前後で(1)外観、(2)C―K端のXAFS、又は(3)ラマンスペクトルの比較を行うことによって評価した。
 (1)外観によるEUV耐久性評価は光学顕微鏡を用いて行い、照射前後で、ペリクルに変色が生じているかを観察した。照射前後で、変化の無いものを耐久性ありとした。
 (2)C―K端のXAFS測定によるEUV耐久性評価は、以下のように行った。EUV照射装置(ニュースバル(施設名) BL-10、兵庫県立大)にて、ペリクルの一点に対しEUVを照射し、265~355eVの範囲での吸収スペクトルを得た。光源強度は数十μW/cm2、EUVの照射方向は膜面に対して垂直方向とした。照射前後で、変化の無いものを耐久性ありとした。
 炭素を含む素材のC―K端XAFSは、sp2炭素に特徴的な285.5eV付近のπ*ピーク、293eV付近のσ*ピークなどが見られる。これらのピークは炭素原子の結合様式を示しており、EUVの照射前後でC―K端XAFSに変化が無いという事は、グラファイト薄膜からなるペリクルがEUVに対して耐久性を有するといえる。
 (3)ラマンスペクトによるEUV耐久性評価は、EUV照射前後での、I(D)/I(G)の値の変化が、5%以内であるものを耐久性ありとした。
<密度>
 グラファイト薄膜の寸法、膜厚を測定することによって体積(cm3)を算出するとともに、別途、グラファイト薄膜の質量(g)を測定し、密度(g/cm3)=質量(g)/体積(cm3)の式から、密度を算出した。
<電気伝導度>
 グラファイト薄膜の電気伝導度の測定はファン・デル・ポー法によって行った。この方法は薄膜状の試料の電気伝導度を測定するのに最も適した方法である。この測定法の詳細は(第四版)実験化学講座9 電気・磁気(社団法人日本化学会編、丸善株式会社発行(平成3年6月5日発行)(P170)に記載されている。この手法の特徴は、任意の形状の薄膜試料端部の任意の4点に電極をとり測定を行うことが出来ることであり、試料の厚さが均一であれば正確な測定が行える点である。本発明においては1cm×1cmの試料を用い、それぞれの4つの角(稜)に銀ペースト電極を取り付けて行った。測定は(株)東洋テクニカ製、比抵抗/DC&ACホール測定システム、ResiTest 8300を用いて行った。
<引張強度>
 グラファイト薄膜をサイズ10×30mmに切り出し、両端を厚み12.5μmのポリイミドテープで補強した。作製した測定用試料を縦型電動計測スタンド((株)イマダ社製EMX-1000N)にセットした。引張速度を5mm/minとし、引張強度はデジタルフォースゲージ((株)イマダ社製ZTA-5N)で測定した。
<炭素比率>
 作製したグラファイト薄膜の炭素比率は、(株)日立ハイテクノロジーサービス製走査型電子顕微鏡(SEM)SU4600と、(株)堀場製作所製大口径SDD検出器(EDX-XMax)を用いて測定した。加速電圧20kVにてグラファイト薄膜の分析を行い、付属ソフトウェアで解析後に算出された炭素原子数濃度(%)により決定した。
<結晶状態>
 膜の結晶状態は、ラマンスペクトルにおける、Gバンド強度(I(G))と、Dバンド(I(D))の強度との比(I(D)/I(G))で評価した。I(D)/I(G)が0.5以下である場合を、欠陥が少なく良好なグラファイト結晶であると評価した。I(D)/I(G)は0であることが好ましい。
 <ラマン強度の測定方法>
 ラマン強度は、レーザーラマン顕微鏡で測定した。測定位置は特に制限されないが、中心部1箇所と端部4箇所を含む複数箇所を測定し、それぞれのGバンド強度(I(G))と、Dバンド(I(D))の強度、その平均値を用いることが望ましい。
 以下、製造例1-1~1-7において、グラファイト薄膜の原料となるポリイミド膜(A-1)~(A-7)を作製した。
 (製造例1-1:ポリイミド膜(A-1)の作製)
 ピロメリット酸二無水物、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、p-フェニレンジアミンをモル比で2:1:1の割合で合成したポリアミド酸の5.0質量%のDMF(ジメチルホルムアミド)溶液を合成し、スピンコーターを用いて金属基板上に塗布した。この金属箔とポリアミド酸溶液の積層体を125℃、250℃、450℃で各60秒間加熱した後、金属箔から剥離し、直径8cmの円形、膜厚が110nmのポリイミド膜(A-1)を作製した。
(製造例1-2:ポリイミド膜(A-2)の作製)
 ポリアミド酸の濃度を4.0質量%にした以外は、製造例1-1と同様にして、直径8cmの円形、膜厚が90nmのポリイミド膜(A-2)を作製した。
(製造例1-3:ポリイミド膜(A-3)の作製)
 ポリアミド酸の濃度を6.0質量%にした以外は、製造例1-1と同様にして、直径8cmの円形、膜厚が150nmのポリイミド膜(A-3)を作製した。
(製造例1-4:ポリイミド膜(A-4)の作製)
 ポリアミド酸の濃度を9.0質量%にした以外は、製造例1-1と同様にして、直径8cmの円形、膜厚が220nmのポリイミド膜(A-4)を作製した。
(製造例1-5:ポリイミド膜(A-5)の作製)
 ポリアミド酸の濃度を9.0質量%にした以外は、製造例1-1と同様にして、直径8cmの円形、膜厚が280nmのポリイミド膜(A-5)を作製した。
(製造例1-6:ポリイミド膜(A-6)の作製)
 ポリアミド酸の濃度を17.0質量%にした以外は、製造例1-1と同様にして、直径8cmの円形、膜厚が3900nmのポリイミド膜(A-6)を作製した。
 (製造例1-7:ポリイミド膜(A-7)の作製)
 ポリアミド酸の濃度を12.0質量%にした以外は、製造例1-1と同様にして、直径8cmの円形、膜厚が500nmのポリイミド膜(A-7)を作製した。
 次に、製造例2-1~2-11において、前記ポリイミド膜(A-1)~(A-7)のいずれかを用いてグラファイト薄膜を作製した。
(製造例2-1:グラファイト薄膜(B-1)の作製)
 製造例1-1で得られたポリイミド膜(A-1)を、グラファイトシートで挟み込み、電気炉を用いて、窒素ガス雰囲気中、5℃/分の速度で950℃まで昇温し、950℃で20分間保ったのち自然冷却させ、炭素化膜を得た。得られた炭素化膜を、膜の端部に錘を設置し、張力をかけながら、アルゴンガス雰囲気中で5℃/分の速度で2800℃まで昇温し、2800℃で20分間保ったのち自然冷却させ、直径が約2~3cmの円形状のグラファイト薄膜(B-1)を得た。
 EUV透過率で測定したグラファイト薄膜(B-1)の膜厚は18.5nmであり、グラファイト薄膜(B-1)の表面粗さ(Sa)は314nmであった。なお、グラファイト薄膜(B-1)の表面状態は鏡面であった。また、グラファイト薄膜(B-1)の電気伝導度は15,000S/cmであった。
 また、グラファイト薄膜(B-1)の断面をTEMで観察した写真を図1に示す。図1では、縞状のグラフェンが積層したグラフェン多層体であって、膜厚が5nm以上であることが確認できることから、グラファイト薄膜(B-1)は、グラファイト構造であることが分かる。
(製造例2-2:グラファイト薄膜(B-2)の作製)
 製造例2-1において、製造例1-1で得られたポリイミド膜(A-1)に代えて、製造例1-2で得られたポリイミド膜(A-2)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-2)を得た。
 EUV透過率で測定したグラファイト薄膜(B-2)の膜厚は19.6nmであった。なお、グラファイト薄膜(B-2)の表面状態は鏡面であった。
(製造例2-3:グラファイト薄膜(B-3)の作製)
 製造例2-1において、製造例1-1で得られたポリイミド膜(A-1)に代えて、製造例1-3で得られたポリイミド膜(A-3)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-3)を得た。
 EUV透過率で測定したグラファイト薄膜(B-3)の膜厚は29.0nmであった。なお、グラファイト薄膜(B-3)の表面状態は鏡面であった。
(製造例2-4:グラファイト薄膜(B-4)の作製)
 製造例2-1において、製造例1-1で得られたポリイミド膜(A-1)に代えて、製造例1-4で得られたポリイミド膜(A-4)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-4)を得た。
 EUV透過率で測定したグラファイト薄膜(B-4)の膜厚は72.0nmであった。なお、グラファイト薄膜(B-4)の表面状態は鏡面であった。
(製造例2-5:グラファイト薄膜(B-5)の作製)
 製造例2-1において、製造例1-1で得られたポリイミド膜(A-1)に代えて、製造例1-5で得られたポリイミド膜(A-5)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-5)を得た。
 EUV透過率で測定したグラファイト薄膜(B-5)の膜厚は82.0nmであった。なお、グラファイト薄膜(B-5)の表面状態は鏡面であった。
(製造例2-6:グラファイト薄膜(B-6)の作製)
 製造例2-1において、製造例1-1で得られたポリイミド膜(A-1)に代えて、製造例1-6で得られたポリイミド膜(A-6)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-6)を得た。
 EUV透過率で測定したグラファイト薄膜(B-6)の膜厚は1000nm超であった。なお、グラファイト薄膜(B-6)の表面状態は鏡面であった。
(製造例2-7:グラファイト薄膜(B-7)の作製)
 製造例1-3で得られたポリイミド膜(A-3)を、グラファイトシートで挟み込み、電気炉を用いて、窒素ガス雰囲気中、5℃/分の速度で950℃まで昇温し、950℃で20分間保ったのち自然冷却させ、炭素化膜を得た。得られた炭素化膜を、アルゴンガス雰囲気中で5℃/分の速度で2800℃まで昇温し、2800℃で20分間保ったのち自然冷却させ、グラファイト薄膜(B-7)を得た。
 EUV透過率で測定したグラファイト薄膜(B-7)の膜厚は17.5nmであった。なお、グラファイト薄膜(B-7)の表面にはシワがあった。
(製造例2-8:グラファイト薄膜(B-8)の作製)
 製造例2-7において、製造例1-3で得られたポリイミド膜(A-3)に代えて、製造例1-1で得られたポリイミド膜(A-1)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-8)を得た。
 EUV透過率で測定したグラファイト薄膜(B-8)の膜厚は27.1nmであり、グラファイト薄膜(B-8)の表面粗さ(Sa)は1353nmであった。なお、グラファイト薄膜(B-8)の表面にはシワがあった。
(製造例2-9:グラファイト薄膜(B-9)の作製)
 製造例2-7において、製造例1-3で得られたポリイミド膜(A-3)に代えて、製造例1-2で得られたポリイミド膜(A-2)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-9)を得た。
 EUV透過率で測定したグラファイト薄膜(B-9)の膜厚は32.4nmであった。なお、グラファイト薄膜(B-9)の表面にはシワがあった。
(製造例2-10:グラファイト薄膜(B-10)の作製)
 製造例2-7において、製造例1-3で得られたポリイミド膜(A-3)に代えて、製造例1-4で得られたポリイミド膜(A-4)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-10)を得た。
 EUV透過率で測定したグラファイト薄膜(B-10)の膜厚は76.0nmであった。なお、グラファイト薄膜(B-10)の表面にはシワがあった。
 (製造例2-11:グラファイト薄膜(B-11)の作製)
 製造例2-1において、製造例1-1で得られたポリイミド膜(A-1)に代えて、製造例1-7で得られたポリイミド膜(A-7)を用いた以外は同様として、グラファイト薄膜(B-11)を得た。グラファイト薄膜(B-11)の引張強度は40MPaであった。グラファイト薄膜(B-1)~(B-3)も、(B-11)と同じ原料を用いて同じ要領で作製しているため、(B-11)と同等の引張強度を有すると考えられる。
 以下、上記したグラファイト薄膜(B-1)~(B-11)を用いて、グラファイト薄膜とペリクル枠で構成されるペリクルを作製した。
(実施例1)
 表面状態が鏡面であり、膜厚が18.5nmであるグラファイト薄膜(B-1)を底の無い枡型のジグに張設し、ペリクルとした。ジグは、縦横の外寸が12mm、内寸が10mm、高さ10mmであり、ジグの素材にはアウトガスの出にくいA5052合金を用いた。ペリクルの固定には、エポキシ樹脂接着剤を用いた。
 上記した方法により測定した、グラファイト薄膜(B-1)を用いたペリクルのEUV透過率は89.5%であり、また、そのEUV透過率均一性が1.1%であった。
(実施例2)
 実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-2)を用いた以外は同様とした。
 グラファイト薄膜(B-2)を用いたペリクルのEUV透過率は88.9%であり、また、そのEUV透過率均一性が1.3%であった。
(実施例3)
 実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-3)を用いた以外は同様とした。
 グラファイト薄膜(B-3)を用いたペリクルのEUV透過率は84.0%であり、また、そのEUV透過率均一性が1.2%であった。
(比較例1)
 実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-4)を用いた以外は同様とした。
 グラファイト薄膜(B-4)を用いたペリクルのEUV透過率は64.8%であり、また、そのEUV透過率均一性が1.2%であった。
(比較例2)
 実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-5)を用いた以外は同様とした。
 グラファイト薄膜(B-5)を用いたペリクルのEUV透過率は61.0%であり、また、そのEUV透過率均一性が1.4%であった。
(比較例3)
 実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-6)を用いた以外は同様とした。
 グラファイト薄膜(B-6)を用いたペリクルのEUV透過率は0%であった。
(比較例4)
 実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-7)を用いた以外は同様とした。
 グラファイト薄膜(B-7)を用いたペリクルのEUV透過率は90.0%であり、また、そのEUV透過率均一性が4.0%であった。
(比較例5)
 実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-8)を用いた以外は同様とした。
 グラファイト薄膜(B-8)を用いたペリクルのEUV透過率は85.0%であり、また、そのEUV透過率均一性が4.0%であった。
(比較例6)
 実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-9)を用いた以外は同様とした。
 グラファイト薄膜(B-9)を用いたペリクルのEUV透過率は82.3%であり、また、そのEUV透過率均一性が1.9%であった。
(比較例7)
 実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-10)を用いた以外は同様とした。
 グラファイト薄膜(B-10)を用いたペリクルのEUV透過率は63.4%であり、また、そのEUV透過率均一性が2.8%であった。
(比較例8)
 実施例1において、グラファイト薄膜(B-1)に代えて、グラファイト薄膜(B-11)を用いた以外は同様とした。
 グラファイト薄膜(B-11)を用いたペリクルのEUV透過率は、49.4%であり、また、そのEUV透過率均一性が1.1%であった。
 実施例1~実施例3、比較例1~比較例8について、測定結果を表1、表2に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 
 実施例1のグラファイト薄膜において測定した表面粗さSaは314nmであった。実施例2、3のグラファイト薄膜の表面状態は実施例1と極めて類似した鏡面状態であったことから、実施例2、3のグラファイト薄膜の表面粗さSaも実施例1の値と同等であると考えられ、本発明の要件を満たす実施例1~3は、良好なEUV透過率(80%以上)と、良好なEUV透過率の均一性(1.5%以下)を両立できた。
 また、実施例1~3のペリクルはいずれも、EUVに対する耐久性に優れていた。更に、比較例8のペリクルについて、C―K端のXAFS測定によるEUV耐久性評価を行った結果を図2に示す。図2によれば、EUV照射前後でのスペクトルの変化がほとんどなく、耐久性に優れていた。グラファイト薄膜(B-1)~(B-3)は、グラファイト薄膜(B-11)よりも薄いためEUVの吸収が小さく、EUVの影響を受けにくい。よってグラファイト薄膜(B-1)~(B-3)はグラファイト薄膜(B-11)と同程度かそれ以上の耐久性を有していると言える。
 一方、グラファイト薄膜の膜厚が厚かった比較例1、2では、EUV透過率の均一性は良好であったが、EUV透過率が低く、また比較例3、8ではグラファイト薄膜の膜厚が厚すぎたため、EUVを透過しなかった。更に、グラファイト化熱処理時に、炭素化膜に張力をかけることなく製造した比較例4~7では、グラファイト薄膜の表面にシワが発生していた。比較例5で測定した表面粗さSaが1353nmであって本発明の要件を満たしていなかったことと、比較例4、6、7の表面状態が比較例5に極めて類似していたことから、比較例4、6、7の表面粗さも比較例5の値と同等であると考えられ、比較例4~7はいずれもEUV透過率の均一性が劣っていた。
 本発明のペリクルは、EUV露光装置に利用することができる。

Claims (10)

  1.  グラファイト薄膜を含むペリクルであって、
     前記グラファイト薄膜の表面粗さSaが0.1nm以上、500nm以下であり、
     前記グラファイト薄膜の膜厚が5nm以上、30nm以下であるペリクル。
  2.  前記グラファイト薄膜の膜厚が5nm以上、20nm以下である請求項1に記載のペリクル。
  3.  前記グラファイト薄膜の密度が、2.10g/cm3以上、2.26g/cm3以下である請求項1または請求項2に記載のペリクル。
  4.  前記グラファイト薄膜の表面粗さSaが1nm以上、350nm以下である請求項1~請求項3のいずれかに記載のペリクル。
  5.  前記グラファイト薄膜のラマンスペクトルにおけるGバンド強度(I(G))に対する、Dバンド(I(D))の強度の比(I(D)/I(G))が、0以上、0.5以下である請求項1~請求項4のいずれかに記載のペリクル。
  6.  請求項1~請求項5のいずれかに記載のペリクルと、枠を含むペリクル複合体。
  7.  炭素化膜を、張力をかけながら、2200℃以上の温度で焼成し、グラファイト薄膜を得る工程を含むペリクルの製造方法であって、
     表面粗さSaが0.1nm以上、500nm以下であり、且つ膜厚が5nm以上、30nm以下であるグラファイト薄膜を含むペリクルの製造方法。
  8.  さらに、高分子膜に張力をかけながら炭化し、炭素化膜を得る工程を含む請求項7に記載のペリクルの製造方法。
  9.  前記焼成の少なくとも一部で、炭素化膜を黒鉛で挟んだ状態で焼成する請求項7または請求項8に記載のペリクルの製造方法。
  10.  高分子膜を黒鉛に挟んだ状態で炭化する請求項8または請求項9に記載のペリクルの製造方法。
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