JP7302345B2 - 木質構造部材の接続構造、及び、施工方法 - Google Patents

木質構造部材の接続構造、及び、施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7302345B2
JP7302345B2 JP2019129090A JP2019129090A JP7302345B2 JP 7302345 B2 JP7302345 B2 JP 7302345B2 JP 2019129090 A JP2019129090 A JP 2019129090A JP 2019129090 A JP2019129090 A JP 2019129090A JP 7302345 B2 JP7302345 B2 JP 7302345B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wooden
glass fiber
wooden structural
structural member
members
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019129090A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021014704A (ja
Inventor
昌之 山中
浩之 榎本
雅晴 貞弘
尚子 坂田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Corp filed Critical Obayashi Corp
Priority to JP2019129090A priority Critical patent/JP7302345B2/ja
Publication of JP2021014704A publication Critical patent/JP2021014704A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7302345B2 publication Critical patent/JP7302345B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、木質構造部材の接続構造、及び、施工方法に関する。
第一木質部材と、第一木質部材と対向する第二木質部材と、第一木質部材と第二木質部材との対向方向に貫入されて第一木質部材と前記第二木質部材とを固定する綴り材と、を備えた木質構造部材が、前記対向方向と直交する軸方向に接続された木質構造部材の接続構造は既によく知られている。
特開2015-14155号公報
従来例に係る木質構造部材の接続構造においては、第一木質部材と第二木質部材の各々の対向部位において軸方向に沿った凹部が備えられ、接続される二つの木質構造部材の内部に当該凹部に内包されるように鉄材(鋼板や鉄筋等)が設けられることにより、木質構造部材同士が軸方向に接続されていた。
しかしながら、かかる鉄材による木質構造部材の接続構造においては、木質部材と鉄材との弾性係数の相違に起因して、木質構造部材が破損し易くなるという課題があった。
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、木質構造部材が破損しにくい木質構造部材の接続構造等を実現することにある。
主たる本発明は、第一木質部材と、前記第一木質部材と対向する第二木質部材と、前記第一木質部材と前記第二木質部材との対向方向に貫入されて前記第一木質部材と前記第二木質部材とを固定する綴り材と、を備えた木質構造部材が、前記対向方向と直交する軸方向に接続された木質構造部材の接続構造であって、
前記第一木質部材と前記第二木質部材とは、各々の対向部位において、前記軸方向に沿った凹部を有し、
接続される二つの前記木質構造部材の内部に前記凹部に内包されるように設けられて該木質構造部材同士を前記軸方向に接続するグラスファイバー筋を備え、
前記グラスファイバー筋として、前記第一木質部材の前記凹部に内包される第一グラスファイバー筋と、前記第二木質部材の前記凹部に内包される第二グラスファイバー筋と、を備えることを特徴とする木質構造部材の接続構造である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、木質構造部材が破損しにくい木質構造部材の接続構造等を実現することが可能となる。
本実施の形態に係る木質構造部材10の接続構造を示した概略図である。 図1のA-A断面図である。 本実施の形態に係るグラスファイバー筋30を示した斜視図である。 グラスファイバー筋30の寸法を示した図である。 第一施工方法を説明するための説明図である。 第二施工方法を説明するための説明図である。 第二実施形態に係る木質構造部材10の接続構造を示した断面図である。 第三実施形態に係る木質構造部材10の接続構造を示した断面図である。 第四実施形態に係る木質構造部材10の接続構造を示した概略図である。 図9のB-B断面図である。 図9の他のB-B断面図である。 第五実施形態に係る木質構造部材10の接続構造を示した概略図である。 図12のC-C断面図である。 図12の他のC-C断面図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
第一木質部材と、前記第一木質部材と対向する第二木質部材と、前記第一木質部材と前記第二木質部材との対向方向に貫入されて前記第一木質部材と前記第二木質部材とを固定する綴り材と、を備えた木質構造部材が、前記対向方向と直交する軸方向に接続された木質構造部材の接続構造であって、
前記第一木質部材と前記第二木質部材とは、各々の対向部位において、前記軸方向に沿った凹部を有し、
接続される二つの前記木質構造部材の内部に前記凹部に内包されるように設けられて該木質構造部材同士を前記軸方向に接続するグラスファイバー筋を備えることを特徴とする木質構造部材の接続構造。
かかる場合には、木質構造部材が破損しにくい木質構造部材の接続構造を実現することが可能となる。
かかる木質構造部材の接続構造であって、
前記グラスファイバー筋は、前記木質構造部材に耐熱性エポキシ樹脂系接着剤により接着されていることが望ましい。
かかる場合には、火災等の高温状況下においても、木質構造部材を破損しにくくすることが可能となる。
かかる木質構造部材の接続構造であって、
前記グラスファイバー筋の弾性係数は、40000N/mm2~80000N/mm2であることが望ましい。
かかる場合には、グラスファイバー筋の木質構造部材を接続する接続機能を維持しつつ、木質構造部材を破損しにくくすることが可能となる。
かかる木質構造部材の接続構造であって、
前記グラスファイバー筋として、前記第一木質部材の前記凹部に内包される第一グラスファイバー筋と、前記第二木質部材の前記凹部に内包される第二グラスファイバー筋と、を備えることが望ましい。
かかる場合には、木質構造部材同士の接続をより強固なものとすることが可能となる。
かかる木質構造部材の接続構造であって、
接続される二つの前記木質構造部材の各々は、接続対向面を有し、
前記接続対向面に沿って作用するせん断力を伝達するせん断力伝達部を備えることが望ましい。
かかる場合には、二つの木質構造部材が軸方向に接続された接続構造において、せん断力を適切に伝達させることが可能となる。
次に、第一木質部材と、前記第一木質部材と対向する第二木質部材と、前記第一木質部材と前記第二木質部材との対向方向に貫入されて前記第一木質部材と前記第二木質部材とを固定する綴り材と、を備えた木質構造部材が、前記対向方向と直交する軸方向に接続された木質構造部材の接続構造を施工する施工方法であって、
前記第一木質部材と前記第二木質部材の各々に凹部を設ける工程と、
前記凹部に接着剤を塗布する工程と、
前記木質構造部材同士を前記軸方向に接続するグラスファイバー筋を、前記第一木質部材の前記凹部に内包させる工程と、
前記接着剤が塗布された前記凹部に前記グラスファイバー筋が内包されている前記第一木質部材に、前記第二木質部材を対向させて、前記綴り材で固定する工程と、
を備えることを特徴とする施工方法。
かかる場合には、専用の接着剤用圧入口を別途設ける必要がなくなり、施工性を向上させることが可能となる。

また、かかる施工方法であって、
前記接続構造は、前記第一木質部材と前記第二木質部材と前記綴り材とを備えた第一木質構造部材及び第二木質構造部材が前記軸方向に接続された木質構造部材の接続構造であり、
前記第一木質構造部材を構成する前記第一木質部材、前記第一木質構造部材を構成する前記第二木質部材、前記第二木質構造部材を構成する前記第一木質部材、前記第二木質構造部材を構成する前記第二木質部材の各々に凹部を設ける工程と、
4つの前記凹部に接着剤を塗布する工程と、
前記第一木質構造部材を構成する前記第一木質部材と前記第二木質構造部材を構成する前記第一木質部材を前記凹部が繋がるように並べて、繋がった前記凹部に前記グラスファイバー筋を内包させる工程と、
前記接着剤が塗布された前記凹部に前記グラスファイバー筋が内包されている前記第一木質部材に、前記第一木質構造部材を構成する前記第二木質部材と前記第二木質構造部材を構成する前記第二木質部材を対向させて、前記綴り材で固定する工程と、
を備えることが望ましい。
かかる場合には、専用の接着剤用圧入口を別途設ける必要がなくなり、主に工場での施工において施工性を向上させることが可能となる。
また、かかる施工方法であって、
前記接続構造は、前記第一木質部材と前記第二木質部材と前記綴り材とを備えた第一木質構造部材及び第二木質構造部材が前記軸方向に接続された木質構造部材の接続構造であり、
前記第一木質構造部材を構成する前記第一木質部材、前記第一木質構造部材を構成する前記第二木質部材、前記第二木質構造部材を構成する前記第一木質部材、前記第二木質構造部材を構成する前記第二木質部材の各々に凹部を設ける工程と、
4つの前記凹部に接着剤を塗布する工程と、
前記グラスファイバー筋を、前記第一木質構造部材を構成する前記第一木質部材の前記凹部に、前記グラスファイバー筋の一部が該第一木質部材からはみ出た状態で内包させる工程と、
前記接着剤が塗布された前記凹部に前記グラスファイバー筋が内包されている前記第一木質構造部材を構成する前記第一木質部材に、前記第一木質構造部材を構成する前記第二木質部材を対向させて、前記綴り材で固定することにより、前記グラスファイバー筋の一部がはみ出た第一木質構造部材を形成する工程と、
前記第二木質構造部材を構成する前記第一木質部材に、前記第二木質構造部材を構成する前記第二木質部材を対向させて、前記綴り材で固定することにより、第二木質構造部材を形成する工程と、
形成された前記第一木質構造部材及び前記第二木質構造部材を双方が近付くように相対移動させることにより、前記グラスファイバー筋の一部を前記第二木質構造部材に差し込み、前記第一木質構造部材と前記第二木質構造部材を接続する工程と、
を備えることが望ましい。
かかる場合には、専用の接着剤用圧入口を別途設ける必要がなくなり、主に工事現場での施工において施工性を向上させることが可能となる。
===本実施の形態に係る木質構造部材10の接続構造について===
先ず、本実施の形態に係る木質構造部材10の接続構造について、図1乃至図4を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る木質構造部材10の接続構造を示した概略図である。図2は、図1のA-A断面図である。図3は、本実施の形態に係るグラスファイバー筋30を示した斜視図である。図4は、グラスファイバー筋30の寸法を示した図である。
この接続構造は、ロングスパンの木造架構(木造梁)を実現するための構造(継手)である。すなわち、当該接続構造を用いて複数の木質構造部材10を接続して繋げることにより、ロングスパンの木造架構(木造梁)を作製することができる。
本実施の形態においては、二つの木質構造部材10(第一木質構造部材12、第二木質構造部材14と呼ぶ)を二つの梁として用いこれらを当該接続構造により軸方向(水平方向)に繋げる例を挙げて説明する。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば、三つ以上の梁を当該接続構造により繋げてもよいし、また、梁同士ではなく梁と柱を当該接続構造により繋げてもよい。
木質構造部材10は、複数の木質部材20(本実施の形態においては、二つ。第一木質部材22、第二木質部材24と呼ぶ)と綴り材26とを有している。
本実施の形態における木質部材20(第一木質部材22、第二木質部材24)は、単板積層材のLVL(Laminated Veneer Lumber)である。第二木質部材24は、第一木質部材22と木質構造部材10の厚み方向において対向している。すなわち、第一木質部材22と第二木質部材24が対向する対向方向は前記厚み方向となっており、双方の木質部材20が対向した状態で重ねられている。
綴り材26は、第一木質部材22と第二木質部材24を固定するためのものである。本実施の形態における綴り材26は、金属製のビスであり、前記対向方向(厚み方向)に貫入されている。綴り材26は、木質構造部材10の上部と下部(より具体的には、後述する上側のグラスファイバー筋30の少し上と、下側のグラスファイバー筋30の少し下)に設けられている。そして、当該上部と下部のそれぞれにおいて、複数の綴り材26が軸方向(水平方向)に沿って並んで設けられている(図1においては、上部において4つ、下部において4つ、合計8つの綴り材26を図示し、残りの綴り材26の記載は省略している)。
そして、このような構成を有する二つの木質構造部材10(第一木質構造部材12、第二木質構造部材14)は、グラスファイバー筋30により、前記対向方向と直交する軸方向に接続されている。すなわち、グラスファイバー筋30は、木質構造部材10同士を軸方向(水平方向)に接続するためのものである。
当該グラスファイバー筋30は、図3に示すように、螺条30aを備えた長尺状のグラスファイバー製ロッドである。この螺条30aは、グラスファイバー筋30を木質構造部材10に接着剤40で接着する際の接着性の向上に寄与する。なお、グラスファイバー筋30としては、図4に示すように、最外径が9mm~34mm(最小径が8mm~32mm)のものを用いることができる。図4は、グラスファイバー筋30の寸法を示した図である。
そして、当該グラスファイバー筋30は、接続される二つの木質構造部材10(第一木質構造部材12、第二木質構造部材14)の内部に双方の木質構造部材10に亘って設けられて、双方の木質構造部材10を接続する。すなわち、二つの木質構造部材10(第一木質構造部材12、第二木質構造部材14)は、軸方向(水平方向)において互いに対向した状態で配置されおり、そのため、二つの木質構造部材10は、それぞれ接続対向面10a(小口面)を備えている。そして、それぞれの当該接続対向面10aには孔10bが設けられており(開いており)、当該孔10bは木質構造部材10の深さ方向(前記軸方向)に延びている。また、接続対向面10aでの第一木質構造部材12の孔10b及び第二木質構造部材14の孔10bの上下方向及び厚み方向における位置は共通しているので、一つのグラスファイバー筋30を第一木質構造部材12の孔10b及び第二木質構造部材14の孔10bに亘って挿入することができるようになっている。このように、グラスファイバー筋30は、軸方向(水平方向)において互いに対向した第一木質構造部材12及び第二木質構造部材14の各孔10bに半分ずつ収容され、第一木質構造部材12と第二木質構造部材14を接続する。
なお、当該孔10bには、接着剤40(本実施の形態においては、耐熱性エポキシ樹脂系接着剤)が充填されている。そのため、グラスファイバー筋30は木質構造部材10に接着剤40により接着され(グラスファイバー筋30と木質構造部材10が接着剤40で一体化され)、第一木質構造部材12と第二木質構造部材14の接続が強固なものとなっている。なお、「耐熱性」エポキシ樹脂系接着剤とは、100℃程度まで軟化しない接着剤のことである(通常(非耐熱性)のエポキシ樹脂系接着剤は60度程度で軟化してしまう)。
また、本実施の形態においては、前述した木質構造部材10の孔10bが、木質構造部材10を構成する第一木質部材22及び第二木質部材24の各々に設けられた溝部20a(凹部に相当)により形成されている。そのため、グラスファイバー筋30は、当該溝部20aに内包されるように、設けられていることとなる。
すなわち、第一木質部材22と第二木質部材24とは、各々の対向部位において、前記軸方向(水平方向)に沿った溝部20aを有している。つまり、第一木質部材22は、軸方向(水平方向)に沿った第一溝部22aを備え、第二木質部材24は、軸方向(水平方向)に沿った第二溝部24aを備え、第一溝部22aと第二溝部24aは前記厚み方向において互いに対向している。そして、第一溝部22aと第二溝部24aが対向することにより、前記孔10bが形成され、グラスファイバー筋30は、その半分(半円部分)が第一溝部22aに内包され、残りの半分(半円部分)が第二溝部24aに内包された状態で、孔10b内に設置される。
また、本実施の形態に係る接続構造おいては、二つのグラスファイバー筋30が用いられている。この二つのグラスファイバー筋30は、木質構造部材10の上部と下部(より具体的には、前述した上側の綴り材26の少し下と、下側の綴り材26の少し上)にそれぞれ設けられている。したがって、孔10b(第一溝部22a及び第二溝部24a)も、木質構造部材10の上部と下部にそれぞれ設けられている。なお、二つのグラスファイバー筋30はいずれも、木質構造部材10の前記厚み方向における中央に設けられている。
また、第一木質構造部材12と第二木質構造部材14との間には、前記接続対向面10aに沿って作用するせん断力を伝達するせん断力伝達部としてのシアキー50が設けられている。このシアキー50は、木質部材20よりも堅く、ケヤキやカシ等の堅木でできたブロック状(直方体状)の部材であり、前記接続対向面10aに設けられた窪み部10cに収容されている。すなわち、第一木質構造部材12の接続対向面10aと第二木質構造部材14の接続対向面10aには、それぞれ窪み部10cが設けられており、各々の窪み部10cは軸方向(水平方向)において対向している。そして、シアキー50は、各窪み部10cに半分ずつ収容されている。
なお、窪み部10cは、第一木質部材22と第二木質部材24に跨がって形成され、木質構造部材10の前記厚み方向における中央且つ前記上下方向における中央に位置している。したがって、シアキー50も、木質構造部材10の前記厚み方向における中央且つ前記上下方向における中央に位置することとなる。
上述した通り、本実施の形態に係る木質構造部材10の接合構造は、第一木質部材22と、第一木質部材22と対向する第二木質部材24と、第一木質部材22と第二木質部材24との対向方向に貫入されて第一木質部材22と第二木質部材24とを固定する綴り材26と、を備えた木質構造部材10が、前記対向方向と直交する軸方向に接続された接続構造である。そして、第一木質部材22と第二木質部材24とは、各々の対向部位において、前記軸方向に沿った溝部20a(凹部)を有し、接続される二つの木質構造部材10の内部に溝部20aに内包されるように設けられて該木質構造部材10同士を前記軸方向に接続するグラスファイバー筋30を備えることとした。
従来例に係る木質構造部材の接続構造においては、第一木質部材と第二木質部材の各々の対向部位において軸方向に沿った凹部が備えられ、接続される二つの木質構造部材の内部に当該凹部に内包されるように(グラスファイバー筋30ではなく)鉄材(鋼板や鉄筋等)が設けられることにより、木質構造部材同士が軸方向に接続されていた。
しかしながら、かかる鉄材による木質構造部材の接続構造においては、木質部材と鉄材との弾性係数の相違に起因して、以下の問題が生じていた。
すなわち、木質構造部材に引張等の荷重がかかる際には、木質部材と鉄材は互いに隣接しているため双方の部材は一体的に(すなわち、一方が他方に追随するように)変形しようとする。しかしながら、当該荷重が段々大きくなると、双方の部材の弾性係数が顕著に異なる(換言すれば、双方の部材の剛性が顕著に異なる)ため、双方の部材が一体的に変形することができなくなる。一般的に、木材の弾性係数は7000~16000N/mm2であるのに対し、鉄材(鉄筋)の弾性係数は160000~205000N/mm2であることが知られている。つまり、鉄材の方が木質部材よりも変形しにくい(剛性が高い)ので、荷重が大きくなると、木質部材の変形に鉄材の変形が追随できず、木質部材と鉄材との境界部分において木質部材に脆性的な破壊(割れ)が生じるという問題があった。
これに対し、本実施の形態に係る木質構造部材10の接続構造においては、グラスファイバー筋30を用いて木質構造部材10同士を接続しているため、上記問題が改善されることとなる。すなわち、グラスファイバー筋30の弾性係数は、鉄材の弾性係数よりも遙かに小さく木材の弾性係数により近い(ただし、木材の弾性係数よりは大きい)ため、荷重が大きくなっても木質部材20の変形にグラスファイバー筋30が(鉄材の場合よりも)より適切に追随し、木質部材20に前述した破壊が発生しにくくなる。すなわち、本実施の形態に係る木質構造部材10の接続構造によれば、木質構造部材10が破損しにくくなるという効果(メリット)が生ずる。
加えて、グラスファイバー筋30の引張強度は、鉄材の引張強度よりも高い(一般的に、鉄材(鉄筋)の引張強度が550N/mm2程度であるのに対し、グラスファイバー筋30の引張強度は1000N/mm2より大きい)。換言すれば、荷重が徐々に大きくなると、鉄材の方がグラスファイバー筋30よりも先に切断される。つまり、本実施の形態によれば、接続部材(グラスファイバー筋30)自体が切断されにくくなるという効果も生じる。
また、グラスファイバー筋30には、鉄材に頻繁に生ずるような錆びが発生することがないので、グラスファイバー筋30は、腐食対策の点でもメリット有する。
また、本実施の形態において、グラスファイバー筋30は、木質構造部材10に耐熱性エポキシ樹脂系接着剤により接着されていることとした。
そのため、火災等の高温状況下においても、木質構造部材10を破損しにくくすることが可能となる。
また、本実施の形態においては、接続される二つの木質構造部材10の各々は、接続対向面10aを有し、接続対向面10aに沿って作用するせん断力を伝達するせん断力伝達部(シアキー50)を備えることとした。
そのため、二つの木質構造部材10が軸方向に接続された接続構造において、せん断力を適切に伝達させることが可能となる。
また、グラスファイバー筋30の弾性係数は、40000N/mm2~80000N/mm2であることが望ましい。当該弾性係数が80000N/mm2より大きいと木質部材20とグラスファイバー筋30との弾性係数の相違が大きくなりすぎて、木質部材20の変形にグラスファイバー筋30が適切に追随せず、木質部材20に前記破壊が発生し易くなり、一方、当該弾性係数が40000N/mm2より小さいと、グラスファイバー筋30の剛性が小さくなりすぎて、木質構造部材10を接続する接続機能をグラスファイバー筋30が逸してしまうからである。
したがって、グラスファイバー筋30の弾性係数を上記範囲とすれば、グラスファイバー筋30の木質構造部材10を接続する接続機能を維持しつつ、木質構造部材10を破損しにくくすることが可能となる。
===本実施の形態に係る木質構造部材10の接続構造を施工する施工方法について===
次に、本実施の形態に係る木質構造部材10の接続構造を施工する施工方法について、二つの例(第一施工方法及び第二施工方法と呼ぶ)を挙げて説明する。図5は、第一施工方法を説明するための説明図であり、図6は、第二施工方法を説明するための説明図である。なお、第一施工方法は、主として、工場で施工する施工方法であり、第二施工方法は、主として、工事現場で施工する施工方法である。
第一施工方法では、先ず、第一木質構造部材12を構成する第一木質部材22(木質部材Aと呼ぶ)及び第二木質部材24(木質部材Bと呼ぶ)と、第二木質構造部材14を構成する第一木質部材22(木質部材Cと呼ぶ)及び第二木質部材24(木質部材Dと呼ぶ)を準備し、各々の木質部材A~Dに溝部20a及び窪み部10cを設けると共に、木質部材A~Dの各々の溝部20aに接着剤40を塗布する(ステップS1)。
次に、木質部材Aと木質部材Cを、シアキー50を挟んで(シアキー50を窪み10cに載せて)互いの接続対向面10aが接触するように並べる。そうすると、木質部材Aと木質部材Cの溝部20aが繋がるので、繋がった当該溝部20aにグラスファイバー筋30を内包させる(ステップS2)。本実施の形態においては、二つのグラスファイバー筋30を上下の溝部20aに載せる。
次に、木質部材Aに木質部材Bを重ね、木質部材Cに木質部材Dを重ねる(ステップS3)。かかる際には、木質部材B、Dの溝部20aにグラスファイバー筋30が内包され、窪み部10cにシアキー50が内包されるように、木質部材B、Dを木質部材A、Cに対向させる(木質部材A、Cの上に載せる)。このことにより、グラスファイバー筋30は孔10b内において接着剤40で接着される。
次に、木質部材Aと木質部材Bを綴り材26で固定し、木質部材Cと木質部材Dを綴り材26で固定する(ステップS4)。以上により、本実施の形態に係る木質構造部材10の接続構造が施工されることとなる。
なお、上記においては、ステップS1において、木質部材B、Dの溝部20aに接着剤40を塗布することとしたが、これに限定されず、接着剤40の塗布は、例えば、ステップS3の木質部材Aに木質部材Bを重ね木質部材Cに木質部材Dを重ねる工程の直前であってよい。
次に、第二施工方法について、図6を参照しつつ説明する。
第二施工方法の第一ステップは、第一施工方法の第一ステップと同様である。すなわち、木質部材A~Dを準備し、各々の木質部材A~Dに溝部20a及び窪み部10cを設けると共に、木質部材A~Dの各々の溝部20aに接着剤40を塗布する(ステップS11)。
次に、木質部材Aの溝部20aにグラスファイバー筋30を内包させる(ステップS12)。かかる際には、グラスファイバー筋30の一部(半分)が溝部20aに載置され、残りの一部(半分)は、溝部20a(木質部材A)からはみ出た状態となる。
次に、木質部材Aに木質部材Bを重ねて双方を綴り材26で固定することにより、第一木質構造部材12を形成する(ステップS13)。かかる際には、木質部材Bの溝部20aにグラスファイバー筋30の前記半分が内包されるように、木質部材Bを木質部材Aに対向させる(木質部材Aの上に載せる)。このことにより、グラスファイバー筋30の前記半分は孔10b内において接着剤40で接着される。なお、グラスファイバー筋30の残りの半分は、溝部20a(木質部材A、B)からはみ出た状態となっている。
また、木質部材Cに木質部材Dを重ねて、双方を綴り材26で固定する(ステップS13)。かかる際には、グラスファイバー筋30が溝部20aに内包されていないが、木質部材Cの溝部20aと木質部材Dの溝部20aが向かい合って孔10bが形成されるように、木質部材Dを木質部材Cに対向させる(木質部材Cの上に載せる)。
次に、木質部材Aに木質部材Bを重ねることにより形成された第一木質構造部材12と木質部材Cに木質部材Dを重ねることにより形成された第二木質構造部材14を、シアキー50を挟んだ状態で軸方向に近付ける。そして、双方の木質構造部材10を近付けると、やがて第一木質構造部材12(木質部材A、B)からはみ出た状態のグラスファイバー筋30(の前記残りの半分)が、第二木質構造部材14の孔10bに差し込まれる。そして、さらに、双方の木質構造部材10を近付けると、シアキー50が双方の木質構造部材10の窪み部10cに内包される(ステップS14)。このように、ステップS14においては、第一木質構造部材12と第二木質構造部材14を双方が近付くように相対移動させることにより、グラスファイバー筋30のはみ出し部分を第二木質構造部材14に差し込み、シアキー50を双方の木質構造部材10で挟み込む。このことにより、グラスファイバー筋30の差し込まれた部分は第二木質構造部材14の孔10b内において接着剤40で接着される。以上により、本実施の形態に係る木質構造部材10の接続構造が施工されることとなる。
なお、上記においては、ステップS1において、木質部材C、Dの溝部20aに接着剤40を塗布することとしたが、これに限定されず、接着剤40の塗布は、例えば、ステップS13の木質部材Cに木質部材Dを重ねる工程の直前であってよい。
上述したいずれの施工方法においても、第一木質部材22と第二木質部材24の各々に溝部20aを設ける工程と、溝部20aに接着剤40を塗布する工程と、木質構造部材10同士を軸方向に接続するグラスファイバー筋30を、第一木質部材22の溝部20aに内包させる工程と、接着剤40が塗布された溝部20aにグラスファイバー筋30が内包されている第一木質部材22に、第二木質部材24を対向させて、綴り材26で固定する工程と、を備える。そのため、以下に説明する効果(メリット)が生ずる。
例えば、接着剤の塗布を行うことなく木質部材の組み立てを先に完了した後で、予め別途設けておいた接着剤用圧入口を用いて接着剤を後から圧入するという施工方法も考えられ、このような方法で施工しても構わないが、かかる場合には、専用の接着剤用圧入口を別途設ける必要があるため手間がかかる。
これに対し、本実施の形態に係る施工方法によれば、専用の接着剤用圧入口を別途設ける必要がなくなり、施工性を向上させることが可能となる。
また、上記第一施工方法、すなわち、第一木質構造部材12を構成する第一木質部材22(木質部材A)、第一木質構造部材12を構成する第二木質部材24(木質部材B)、第二木質構造部材14を構成する第一木質部材22(木質部材C)、第二木質構造部材14を構成する第二木質部材24(木質部材D)の各々に溝部20aを設ける工程と、4つの溝部20aに接着剤40を塗布する工程と、木質部材Aと木質部材Cを溝部20aが繋がるように並べて、繋がった溝部20aにグラスファイバー筋30を内包させる工程と、接着剤40が塗布された溝部20aにグラスファイバー筋30が内包されている第一木質部材22に木質部材Bと木質部材Dを対向させて綴り材26で固定する工程と、を備える施工方法によれば、専用の接着剤用圧入口を別途設ける必要がなくなり、主に工場での施工において施工性を向上させることが可能となる。
また、上記第二施工方法、すなわち、第一木質構造部材12を構成する第一木質部材22(木質部材A)、第一木質構造部材12を構成する第二木質部材24(木質部材B)、第二木質構造部材14を構成する第一木質部材22(木質部材C)、第二木質構造部材14を構成する第二木質部材24(木質部材D)の各々に溝部20aを設ける工程と、4つの溝部20aに接着剤40を塗布する工程と、グラスファイバー筋30を木質部材Aの溝部20aにグラスファイバー筋30の一部が第一木質部材22(木質部材A)からはみ出た状態で内包させる工程と、接着剤40が塗布された溝部20aにグラスファイバー筋30が内包されている木質部材Aに木質部材Bを対向させて、綴り材26で固定することにより、グラスファイバー筋30の一部がはみ出た第一木質構造部材12を形成する工程と、木質部材Cに木質部材Dを対向させて、綴り材26で固定することにより、第二木質構造部材14を形成する工程と、形成された第一木質構造部材12及び第二木質構造部材14を双方が近付くように相対移動させることにより、グラスファイバー筋30の一部を第二木質構造部材14に差し込み、第一木質構造部材12と第二木質構造部材14を接続する工程と、を備える施工方法によれば、専用の接着剤用圧入口を別途設ける必要がなくなり、主に工事現場での施工において施工性を向上させることが可能となる。
===その他の実施の形態===
上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
上記実施の形態(以下、第一実施形態とも呼ぶ)においては、一つの孔10bに一つのみのグラスファイバー筋30が内包されることとしたが、これに限定されるものではない。
例えば、図7に示すように、一つの孔10bに複数の(二つの)グラスファイバー筋30が内包されることとしてもよい。かかる例(第二実施形態)においては、第一実施形態と同様、第一木質部材22の第一溝部22aと第二木質部材24の第二溝部24aとにより孔10bが形成されるが、第一実施形態とは異なり、第一溝部22aと第二溝部24aにそれぞれ一つずつグラスファイバー筋30が内包される。すなわち、当該第二実施形態においては、グラスファイバー筋30として、第一木質部材22の第一溝部22aに内包される第一グラスファイバー筋32と第二木質部材24の第二溝部24aに内包される第二グラスファイバー筋34とを備える。そのため、第一木質構造部材12と第二木質構造部材14の接続をより強固なものとすることが可能となる。
なお、図7は、第二実施形態に係る木質構造部材10の接続構造を示した断面図であり、図2に対応した図である。
また、一つの孔10bに複数の(二つの)グラスファイバー筋30が内包される例として、図8に示す例を挙げることもできる。 図8は、第三実施形態に係る木質構造部材10の接続構造を示した断面図であり、図2に対応した図である。
かかる例(第三実施形態)においても、第一実施形態と同様、第一木質部材22の第一溝部22aと第二木質部材24の第二溝部24aとにより孔10bが形成されるが、第一グラスファイバー筋32及び第二グラスファイバー筋34は、上下方向に並び、第一グラスファイバー筋32(第二グラスファイバー筋34)の半分(半円部分)が第一溝部22aに内包され、残りの半分(半円部分)が第二溝部24aに内包される。このような場合であっても、第一木質構造部材12と第二木質構造部材14の接続をより強固なものとすることが可能となる。
なお、第二実施形態及び第三実施形態のいずれにおいても、一つの孔10bに内包されるグラスファイバー筋30の数は二つであったが、三つ以上であっても構わない。すなわち、孔10b内においてグラスファイバー筋30が厚み方向や上下方向に沿って三つ以上並んでいてもよい。
また、上記実施の形態(第一実施形態)においては、せん断力伝達部としてシアキー50を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図9乃至図11に示すように、第一木質構造部材12と第二木質構造部材14との間に、前記接続対向面10aに沿って作用するせん断力を伝達するせん断力伝達部としてのコッター60が設けられていることとしてもよい。なお、シアキー50が木質構造部材10とは異なる別部材であったのに対し、コッター60は、木質構造部材10(図9乃至図11においては、第一木質構造部材12)の一部分となっている。
なお、図9は、第四実施形態に係る木質構造部材10の接続構造を示した断面図であり、図1に対応した図である。また、図10は、図9のB-B断面図であり、図2に対応した図である。また、図11は、図9の他のB-B断面図であり、図7に対応した図(第二実施形態に係る木質構造部材10の接続構造においてせん断力伝達部がコッター60となっているケース)である。
また、上記実施の形態(第一実施形態)は、木質構造部材10(梁)が上下方向において一つのみ(一段のみ)存在する例であったが、これに限定されるものではない。
例えば、図12乃至図14に示すように、木質構造部材10(梁)が上下方向において複数段存在する例であってもよい。かかる例(第五実施形態)においては、2つの木質構造部材10(上側木質構造部材10d及び下側木質構造部材10eと呼ぶ)が上下方向において並んで設けられており、これらの木質構造部材10は鋼板70とビス80により連結されている。すなわち、鋼板70が、上側木質構造部材10dの下部から下側木質構造部材10eの上部に亘って、各々の木質構造部材10の第一木質部材22と第二木質部材24の間に位置するように設けられている。そして、鋼板70の上側と上側木質構造部材10dの木質部材20がビス80で固定され、鋼板70の下側と下側木質構造部材10eの木質部材20がビス80で固定されることにより、上側木質構造部材10d及び下側木質構造部材10eが鋼板70を介して連結されている。
また、第五実施形態に係る木質構造部材10の接続構造においても、第一実施形態と同様のグラスファイバー筋30が存在するが、第一実施形態においては、一つの(一段の)木質構造部材10において、上部と下部に一つずつグラスファイバー筋30が設けられていたのに対し、第五実施形態においては、一つの(一段の)木質構造部材10において、上部又は下部のどちらか一方のみにグラスファイバー筋30が設けられている。すなわち、上側木質構造部材10dにおいては、上部のみにグラスファイバー筋30が設けられ、下側木質構造部材10eにおいては、下部のみにグラスファイバー筋30が設けられている。このように、第五実施形態においては、鋼板70が存在するため、一段当たりのグラスファイバー筋30の数が少なくなっている。
なお、図12は、第五実施形態に係る木質構造部材10の接続構造を示した断面図であり、図1に対応した図である。また、図13は、図12のC-C断面図であり、図2に対応した図である。また、図14は、図12の他のC-C断面図であり、図7に対応した図(第二実施形態に係る木質構造部材10の接続構造において木質構造部材10が上下方向において複数段存在するケース)である。
10 木質構造部材
10a 接続対向面
10b 孔
10c 窪み部
10d 上側木質構造部材
10e 下側木質構造部材
12 第一木質構造部材
14 第二木質構造部材
20 木質部材
20a 溝部
22 第一木質部材
22a 第一溝部
24 第二木質部材
24a 第二溝部
26 綴り材
30 グラスファイバー筋
30a 螺条
32 第一グラスファイバー筋
34 第二グラスファイバー筋
40 接着剤
50 シアキー
60 コッター
70 鋼板
80 ビス

Claims (6)

  1. 第一木質部材と、前記第一木質部材と対向する第二木質部材と、前記第一木質部材と前記第二木質部材との対向方向に貫入されて前記第一木質部材と前記第二木質部材とを固定する綴り材と、を備えた木質構造部材が、前記対向方向と直交する軸方向に接続された木質構造部材の接続構造であって、
    前記第一木質部材と前記第二木質部材とは、各々の対向部位において、前記軸方向に沿った凹部を有し、
    接続される二つの前記木質構造部材の内部に前記凹部に内包されるように設けられて該木質構造部材同士を前記軸方向に接続するグラスファイバー筋を備え、
    前記グラスファイバー筋として、前記第一木質部材の前記凹部に内包される第一グラスファイバー筋と、前記第二木質部材の前記凹部に内包される第二グラスファイバー筋と、を備えることを特徴とする木質構造部材の接続構造。
  2. 請求項1に記載の木質構造部材の接続構造であって、
    前記グラスファイバー筋は、前記木質構造部材に耐熱性エポキシ樹脂系接着剤により接着されていることを特徴とする木質構造部材の接続構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の木質構造部材の接続構造であって、
    前記グラスファイバー筋の弾性係数は、40000N/mm2~80000N/mm2であることを特徴とする木質構造部材の接続構造。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の木質構造部材の接続構造であって、
    接続される二つの前記木質構造部材の各々は、接続対向面を有し、
    前記接続対向面に沿って作用するせん断力を伝達するせん断力伝達部を備えることを特徴とする木質構造部材の接続構造。
  5. 第一木質部材と、前記第一木質部材と対向する第二木質部材と、前記第一木質部材と前記第二木質部材との対向方向に貫入されて前記第一木質部材と前記第二木質部材とを固定する綴り材と、を備えた木質構造部材が、前記対向方向と直交する軸方向に接続された木質構造部材の接続構造を施工する施工方法であって、
    前記第一木質部材と前記第二木質部材の各々に凹部を設ける工程と、
    前記凹部に接着剤を塗布する工程と、
    前記木質構造部材同士を前記軸方向に接続するグラスファイバー筋を、前記第一木質部材の前記凹部に内包させる工程と、
    前記接着剤が塗布された前記凹部に前記グラスファイバー筋が内包されている前記第一木質部材に、前記第二木質部材を対向させて、前記綴り材で固定する工程と、
    を備え、
    前記接続構造は、前記第一木質部材と前記第二木質部材と前記綴り材とを備えた第一木質構造部材及び第二木質構造部材が前記軸方向に接続された木質構造部材の接続構造であり、
    前記第一木質構造部材を構成する前記第一木質部材、前記第一木質構造部材を構成する前記第二木質部材、前記第二木質構造部材を構成する前記第一木質部材、前記第二木質構造部材を構成する前記第二木質部材の各々に凹部を設ける工程と、
    4つの前記凹部に接着剤を塗布する工程と、
    前記第一木質構造部材を構成する前記第一木質部材と前記第二木質構造部材を構成する前記第一木質部材を前記凹部が繋がるように並べて、繋がった前記凹部に前記グラスファイバー筋を内包させる工程と、
    前記接着剤が塗布された前記凹部に前記グラスファイバー筋が内包されている前記第一木質部材に、前記第一木質構造部材を構成する前記第二木質部材と前記第二木質構造部材を構成する前記第二木質部材を対向させて、前記綴り材で固定する工程と、
    を備えることを特徴とする施工方法。
  6. 第一木質部材と、前記第一木質部材と対向する第二木質部材と、前記第一木質部材と前記第二木質部材との対向方向に貫入されて前記第一木質部材と前記第二木質部材とを固定する綴り材と、を備えた木質構造部材が、前記対向方向と直交する軸方向に接続された木質構造部材の接続構造を施工する施工方法であって、
    前記第一木質部材と前記第二木質部材の各々に凹部を設ける工程と、
    前記凹部に接着剤を塗布する工程と、
    前記木質構造部材同士を前記軸方向に接続するグラスファイバー筋を、前記第一木質部材の前記凹部に内包させる工程と、
    前記接着剤が塗布された前記凹部に前記グラスファイバー筋が内包されている前記第一木質部材に、前記第二木質部材を対向させて、前記綴り材で固定する工程と、
    を備え、
    前記接続構造は、前記第一木質部材と前記第二木質部材と前記綴り材とを備えた第一木質構造部材及び第二木質構造部材が前記軸方向に接続された木質構造部材の接続構造であり、
    前記第一木質構造部材を構成する前記第一木質部材、前記第一木質構造部材を構成する前記第二木質部材、前記第二木質構造部材を構成する前記第一木質部材、前記第二木質構造部材を構成する前記第二木質部材の各々に凹部を設ける工程と、
    4つの前記凹部に接着剤を塗布する工程と、
    前記グラスファイバー筋を、前記第一木質構造部材を構成する前記第一木質部材の前記凹部に、前記グラスファイバー筋の一部が該第一木質部材からはみ出た状態で内包させる工程と、
    前記接着剤が塗布された前記凹部に前記グラスファイバー筋が内包されている前記第一木質構造部材を構成する前記第一木質部材に、前記第一木質構造部材を構成する前記第二木質部材を対向させて、前記綴り材で固定することにより、前記グラスファイバー筋の一部がはみ出た第一木質構造部材を形成する工程と、
    前記第二木質構造部材を構成する前記第一木質部材に、前記第二木質構造部材を構成する前記第二木質部材を対向させて、前記綴り材で固定することにより、第二木質構造部材を形成する工程と、
    形成された前記第一木質構造部材及び前記第二木質構造部材を双方が近付くように相対移動させることにより、前記グラスファイバー筋の一部を前記第二木質構造部材に差し込み、前記第一木質構造部材と前記第二木質構造部材を接続する工程と、
    を備えることを特徴とする施工方法。
JP2019129090A 2019-07-11 2019-07-11 木質構造部材の接続構造、及び、施工方法 Active JP7302345B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019129090A JP7302345B2 (ja) 2019-07-11 2019-07-11 木質構造部材の接続構造、及び、施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019129090A JP7302345B2 (ja) 2019-07-11 2019-07-11 木質構造部材の接続構造、及び、施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021014704A JP2021014704A (ja) 2021-02-12
JP7302345B2 true JP7302345B2 (ja) 2023-07-04

Family

ID=74530359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019129090A Active JP7302345B2 (ja) 2019-07-11 2019-07-11 木質構造部材の接続構造、及び、施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7302345B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015014155A (ja) 2013-07-05 2015-01-22 株式会社大林組 木質部材の接合構造
JP2017082521A (ja) 2015-10-29 2017-05-18 木構造システム株式会社 木材の接合構造体および木材の接合方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60251163A (ja) * 1984-05-26 1985-12-11 末松 大吉 セメント製品の補強構造
JPH1086110A (ja) * 1996-09-17 1998-04-07 Hironosuke Shiotani 補強材で強化した構造用複合材
JPH1144044A (ja) * 1997-07-28 1999-02-16 Kenichi Yamaguchi 建築構築用複合材
ITVR20010034A1 (it) * 2001-03-16 2002-09-16 Maurizio Piazza Metodo di produzione di una trave di legno armata e trave armata cosi' ottenuta

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015014155A (ja) 2013-07-05 2015-01-22 株式会社大林組 木質部材の接合構造
JP2017082521A (ja) 2015-10-29 2017-05-18 木構造システム株式会社 木材の接合構造体および木材の接合方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021014704A (ja) 2021-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7270879B2 (ja) 予めプレスされた板を含む建築要素の製造方法
JP7302345B2 (ja) 木質構造部材の接続構造、及び、施工方法
JP2023126339A (ja) 木質部材の補強構造
JP7058190B2 (ja) 木造柱と木造梁との接合構造
JP2020002669A (ja) 木質軸部材の接合構造
JP7059788B2 (ja) 木質構造
JP6929163B2 (ja) 合成スラブ
JP7201149B2 (ja) 水平部材の補強構造
JP2016216899A (ja) 耐震壁構造
JP2662622B2 (ja) 構造用集成材の製造方法
JP7043358B2 (ja) プレストレスト木造梁
JP2018204397A (ja) 木−鋼ハイブリッド構造およびその構築方法
JP5417489B2 (ja) 木質建築部材の接合構造体
JP7276568B2 (ja) 木質構造
JP7003379B2 (ja) 接合構造
JP2021147816A (ja) 耐震壁
JP7058189B2 (ja) 柱と木造梁との接合構造
JP7243037B2 (ja) 木質構造
KR20190070747A (ko) 내진블록과 벽면 어셈블리
JP3841803B2 (ja) 板ガラス構造体の接合構造
JP7236283B2 (ja) Cltパネル
JP7263958B2 (ja) 柱梁接合構造及び柱梁接合方法
CN110469002B (zh) 木钉焊接剪力墙的制作方法
JP4029749B2 (ja) 木質構造における接合部補強構造
JP2021038506A (ja) 木材の接合構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220617

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230510

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230605

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7302345

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150