以下、図面とともに、本発明を実施するための形態について説明する。
なお、各実施形態は、本発明の実施の形態を例示的に示したものであり、本発明が実施形態の内容に限定されることはない。また、異なる実施形態に記載された内容を組合せて実施することも可能であり、その場合の実施内容も本発明に含まれる。また、図面は、明細書の理解を助けるためのものであって、模式的に描画されている場合があり、描画された構成要素または構成要素間の寸法の比率が、明細書に記載されたそれらの寸法の比率と一致していない場合がある。また、明細書に記載されている構成要素が、図面において省略されている場合や、個数を省略して描画されている場合などがある。
[第1実施形態]
以下においては、まず、第1実施形態の電子部品の製造方法の概略について説明し、その後に各工程の詳細について説明する。なお、製造する電子部品の種類は任意であるが、本実施形態においては、一例として積層セラミックコンデンサを製造する。
図1に、第1実施形態にかかる電子部品の製造方法において使用する電子部品製造装置1000の要部概略図を示す。
電子部品製造装置1000は、カット領域A1と、剥離領域A2と、積層領域A3と、ピッチプレス領域A4とを備えている。なお、本実施形態の電子部品製造装置1000は、積層領域A3とピッチプレス領域A4とが同じ位置であるが、図1においては、便宜上、積層領域A3を上にして、ピッチプレス領域A4を下にして、両者を上下に並べて示している。
電子部品製造装置1000は、後述する、主面にマザーグリーンシート5が形成されたキャリアフィルム6を搬送する搬送ローラ1a、1b、1c、1dを備えている。搬送ローラ1a~1dは、キャリアフィルム6を搬送するとともに、キャリアフィルム6に張力を与えたり、キャリアフィルム6の搬送方向を変更したりする機能を有している。なお、搬送ローラ1a~1dのうち、搬送ローラ1a、1dは、自ら回転して、キャリアフィルム6を駆動する機能を有する駆動ローラである。
搬送ローラ1a~1dによって、主面に長尺状のマザーグリーンシート5が形成されたキャリアフィルム6が、カット領域A1および剥離領域A2に搬送される。
カット領域A1において、キャリアフィルム6の搬送が停止され、カット刃3a、3bによって、マザーグリーンシート5が矩形状のグリーンシート7にカットされる。
カットされたグリーンシート7およびキャリアフィルム6が、搬送ローラ1a~1dによって、剥離領域A2に搬送される。
電子部品製造装置1000は、剥離領域A2および積層領域A3に、両者の間を往復移動する積層ローラ4を備えている。積層ローラ4には、外周面に、ピッチプレス工程において使用する、ピッチプレス治具8が設けられている。
積層ローラ4は、剥離領域A2において、キャリアフィルム6からグリーンシート7を剥離し、剥離したグリーンシート7を、自らの外周面のピッチプレス治具8が設けられていない領域に保持する。そして、グリーンシート7を保持した積層ローラ4は、積層領域A3に移動する。
電子部品製造装置1000は、積層領域A3に、水平方向に往復移動する積層テーブル9を備えている。
積層領域A3において、積層ローラ4は、保持していたグリーンシート7を積層テーブル9に受け渡す。そして、積層テーブル9の上面に、積層ローラ4から受け渡された複数のグリーンシート7が、順次、積層され、加熱圧着される。なお、グリーンシート7を積層するときには、積層テーブル9は、水平方向に連続移動する。
所定の枚数のグリーンシート7が積層され、加熱圧着されることによって、グリーンシート積層体10が完成する。
次に、ピッチプレス領域A4において、完成したグリーンシート積層体10に対して、ピッチプレスを実施する。なお、上述したとおり、本実施形態においては、積層領域A3とピッチプレス領域A4とが同じ位置である。
ピッチプレスは、積層テーブル9の上において実施する。ピッチプレスは、積層テーブル9と、ピッチプレス治具8とで、グリーンシート積層体10を上下方向から局所的にプレスすることによっておこなう。ピッチプレスは、積層テーブル9を水平方向に間欠移動させ、グリーンシート積層体10をずらしながらおこなう。グリーンシート積層体10の全面をプレスすることによって、ピッチプレスが完了する。
次に、ピッチプレスが完了したグリーンシート積層体10を、積層テーブル9から取外す。
次に、必要に応じて、グリーンシート積層体10を、カットテーブルの上において、複数の分割グリーンシート積層体に分割する。
次に、積層テーブル9から取外したグリーンシート積層体10、または、分割グリーンシート積層体に対し、プレステーブルとプレスヘッドとによって、本プレスを実施する。
次に、本プレスを完了したグリーンシート積層体10、または、分割グリーンシート積層体を、複数の個片のグリーンシート積層体に分割する。
次に、個片に分割されたグリーンシート積層体を、所定のプロファイルで焼成し、セラミック積層体を作製する。
最後に、セラミック積層体の外表面に外部電極を形成して、本実施形態にかかる電子部品(積層セラミックコンデンサ)が完成する。
以上、本実施形態の電子部品の製造方法の概略について説明した。次に、各工程の詳細について説明する。
まず、キャリアフィルム6を用意する。キャリアフィルム6の材質は任意であるが、たとえば、PET(polyethylene terephthalate;ポリエチレンテレフタレート)、PP(polypropylene;ポリプロピレン)、PEN(polymethylpentene;ポリメチルペンテン)などを使用することができる。また、キャリアフィルム6の長さ、幅、厚みなどの寸法は任意であり、所望のものを使用することができる。
次に、製造する電子部品に応じた材質、粒径などからなるセラミックスの粉末、バインダ樹脂、溶剤、必要に応じて可塑剤などを用意し、これらを湿式混合してセラミックスラリーを作製する。本実施形態においては一例として積層セラミックコンデンサを製造するため、セラミックスに、誘電体セラミックスを使用する。
次に、キャリアフィルム6上に、セラミックスラリーを、ダイコータ、グラビアコータ、マイクログラビアコータなどを用いてシート状に塗布し、乾燥させる。なお、塗布するセラミックスラリーの厚みは任意であり、所望するマザーグリーンシート5の厚みにより、適宜、設定する。また、セラミックスラリーの塗布方法も任意であり、コータに代えて、ドクターブレードなどを使用してもよい。
以上により、一方の主面に長尺状のマザーグリーンシート5が形成されたキャリアフィルム6が完成する。
次に、内部電極を形成するために、マザーグリーンシート5の上側の主面に、導電性ペーストを所望のパターンに印刷して導電膜を形成する。なお、マザーグリーンシート5において、積層セラミックコンデンサの上下の保護層となるグリーンシートを作製する部分には、導電膜は形成しない。なお、本願の図面においては、煩雑になって見にくくなることを避けるために、マザーグリーンシート5およびグリーンシート7に形成された導電膜は、図示を省略している。
次に、図1に示すように、マザーグリーンシート5が形成されたキャリアフィルム6を、電子部品製造装置1000に供給する。マザーグリーンシート5が形成されたキャリアフィルム6は、搬送ローラ1a~1dによって、カット領域A1および剥離領域A2に搬送される。
次に、カット領域A1において、長尺状のマザーグリーンシート5を矩形状のグリーンシート7にカットする。具体的には、まず、マザーグリーンシート5が形成されたキャリアフィルム6の搬送を停止する。次に、カット刃3a、3bを下降させ、マザーグリーンシート5をグリーンシート7にカットする。
次に、搬送ローラ1a~1dによって、キャリアフィルム6を間欠的に搬送し、カットされたグリーンシート7を剥離領域A2に搬送するとともに、カット領域A1にマザーグリーンシート5の次にカットすべき部分を搬送する。
上述したとおり、電子部品製造装置1000は、剥離領域A2および積層領域A3に、両者の間を往復移動する積層ローラ4を備えている。本実施形態においては、積層ローラ4は、積層領域A3において積層されたグリーンシート7を積層するだけではなく、剥離領域A2においてグリーンシート7をキャリアフィルム6から剥離して保持するとともに、保持したグリーンシート7を剥離領域A2から積層領域A3に搬送する。すなわち、本実施形態においては、積層ローラ4は、剥離ローラおよび搬送ローラを兼ねている。
本実施形態においては、積層ローラ4は、図2に示すように、外周面に通気孔4aが形成され、マルチチャンバーサクションローラ構造を備えている。積層ローラ4は、外周面の領域ごとに、また時間の経過ごとに、通気孔4aの状態を、吸引状態、排気状態(ブロー状態)、大気開放状態などの任意の状態にすることができる。
また、本実施形態においては、積層ローラ4には、保持したグリーンシート7を加熱するために、熱源4bが設けられている。熱源4bの種類は任意であるが、たとえば、カートリッジヒータ、プレートヒータなどの抵抗加熱方式、誘導加熱、誘電加熱方式、熱媒を利用したヒートポンプ方式などを使用することができる。
積層ローラ4の材質は任意であるが、たとえば、アルミ、カーボン、SUSなどを使用することができる。積層ローラ4の直径は任意であるが、たとえば、50mm以上、1000mm以下程度とすることができる。
次に、図3(A)~(C)、図4(A)~(C)に示すように、剥離領域A2において、積層ローラ4によって、キャリアフィルム6上に形成されたグリーンシート7をキャリアフィルム6から剥離し、剥離したグリーンシート7を、積層ローラ4の外周面に保持する。なお、図3(A)~(C)は正面図である。また、図4(A)~(C)は説明図であり、積層ローラ4の通気孔4aの状態(吸引状態、大気開放状態、排気状態)を示している。なお、図3(A)と図4(A)、図3(B)と図4(B)、図3(C)と図4(C)は、それぞれ、同じ時点を示している。
まず、図3(A)、図4(A)に示すように、キャリアフィルム6によって、矩形状のグリーンシート7が剥離領域A2に搬送され、その先端が積層ローラ4の最下部に当接する。この時点では、積層ローラ4の通気孔4aは大気開放状態(又は排気状態)にあり、吸引はしていない。
次に、図3(B)、図4(B)に示すように、キャリアフィルム6によってグリーンシート7を更に搬送し、それに同期させて積層ローラ4を回転させる。このとき、通気孔4aは、積層ローラ4の最下部を越えると、順次、大気開放状態(又は排気状態)から吸引状態に切り替わり、グリーンシート7を吸引する。そして、積層ローラ4の回転に伴って、グリーンシート7がキャリアフィルム6から剥離される。
次に、図3(C)、図4(C)に示すように、グリーンシート7がキャリアフィルム6から完全に剥離され、グリーンシート7が積層ローラ4の外周面に保持される。なお、上述したとおり、グリーンシート7は、積層ローラ4の外周面のピッチプレス治具8が設けられていない領域に保持される。
本実施形態においては、積層ローラ4の外周面に保持されたグリーンシート7が、積層ローラ4の熱源4bによって加熱される。
次に、グリーンシート7を保持した積層ローラ4が、図1に示すように、積層領域A3に移動する。ただし、積層ローラ4を積層領域A3に移動させる代わりに、搬送ローラ1bをキャリアフィルム6とともに水平方向に退避させたうえ(図1における左側に退避させたうえ)、積層ローラ4の直下に積層テーブル9を配置してもよい。すなわち、剥離領域A2と同じ位置に、積層領域A3を設けてもよい。
上述したとおり、電子部品製造装置1000は、積層領域A3に、積層テーブル9を備えている。積層テーブル9は、水平方向に往復移動する。
本実施形態においては、積層テーブル9には、グリーンシート積層体10を加熱するために、熱源9aが設けられている。熱源9aの種類は任意であるが、たとえば、カートリッジヒータ、プレートヒータなどの抵抗加熱方式、誘導加熱、誘電加熱方式、熱媒を利用したヒートポンプ方式などを使用することができる。
図5(A)~(C)、図6(A)~(C)に、積層領域A3において、グリーンシート7を積層してグリーンシート積層体10を作製する工程を示す。なお、図5(A)~(C)は正面図である。また、図6(A)~(C)は説明図であり、積層ローラ4の通気孔4aの状態(吸引状態、大気開放状態、排気状態)を示している。なお、図3(A)と図4(A)、図3(B)と図4(B)、図3(C)と図4(C)は、それぞれ、同じ時点を示している。
まず、図5(A)、図6(A)に示すように、グリーンシート7が保持された、積層ローラ4の下に、積層テーブル9を移動させる。なお、図5(A)、図6(A)においては、積層テーブル9の上に、既に複数のグリーンシート7が積層され、加熱圧着されて、作製途中のグリーンシート積層体10が存在している。ただし、1層目のグリーンシート7を積層する場合には、積層テーブル9の上にグリーンシート積層体10(グリーンシート7)は存在していない。
なお、グリーンシート7は、積層テーブル9の上に直接に積層するのではなく、たとえば、積層テーブル9の上に金属製の平板状の治具を置き、その治具の上に積層するようにしてもよい。この場合において、積層テーブル9の主面に通気孔を設け、その通気孔によって治具を吸引するようにしてもよい。また、治具とグリーンシート7との間に、フィルムを介在させてもよい。なお、金属製の平板状の治具は、グリーンシート積層体10に反りが発生するのを抑制する効果を有している。
図5(A)、図6(A)は、加工点Pにおいて、積層ローラ4に保持されたグリーンシート7の先端と、作製途中のグリーンシート積層体10の最上層に積層されたグリーンシート7の先端とが、接した時点を示している。加工点Pとは、積層ローラ4に保持されたグリーンシート7が積層ローラ4から積層テーブル9に受け渡され、積層テーブル9と積層ローラ4とで、受け渡されたグリーンシート7の下側主面を、作製途中のグリーンシート積層体10の最上層に積層されたグリーンシート7の上側主面に加熱圧着する点をいう。
図5(A)、図6(A)に示す時点においては、積層ローラ4の通気孔4aは吸引状態にあり、グリーンシート7は積層ローラ4に保持されている。
本実施形態においては、積層テーブル9の上の(作製途中または作製後の)グリーンシート積層体10が、積層テーブル9の熱源9aによって加熱される。
次に、図5(B)、図6(B)に示すように、積層ローラ4を回転させ、それに同期させて、積層テーブル9を回転と同じ方向(図5(B)、図6(B)における右方向)に移動させる。このとき、通気孔4aは、積層ローラ4の最下部(加工点P)を越えると、順次、吸引状態から排気状態(又は大気開放状態)に切り替わる。この結果、積層ローラ4に保持されたグリーンシート7が、積層テーブル9の上の作製途中のグリーンシート積層体10の最上層に積層され、加熱圧着される。
次に、図5(C)、図6(C)に示すように、グリーンシート7がグリーンシート積層体10に完全に加熱圧着されて、当該グリーンシート7の積層が完了する。
なお、本実施形態のグリーンシート7の積層工程においては、積層テーブル9と積層ローラ4との間に、あまり大きな圧力は加えない。大きな圧力を加えると、作製中のグリーンシート積層体10が、グリーンシート積層体10の一方の端部方向に絞り出され、グリーンシート積層体10が変形してしまう虞があるからである。圧力の大きさは任意であるが、たとえば、1MPa以上、20MPa以下程度とする。
以上のグリーンシート7の積層、加熱圧着を、予定の回数繰り返すことによって、グリーンシート積層体10が完成する。
次に、ピッチプレス領域A4において、完成したグリーンシート積層体10に対して、ピッチプレスを実施する。ピッチプレスには、積層ローラ4の外周面に設けられたピッチプレス治具8を使用する。図7(A)~(C)、図8に、それぞれ、ピッチプレス治具8を示す。ただし、図7(A)は、ピッチプレス治具8の正面図である。図7(B)は、ピッチプレス治具8の底面図である。図7(C)は、ピッチプレス治具8の平面図である。図8は、ピッチプレス治具8の要部正面図である。なお、各図においては、積層ローラ4も併せて示している。また、図7(C)には、ピッチプレスされるグリーンシート積層体10も併せて示している。
ピッチプレス治具8は、底面にラバー8aが設けられている。ラバー8aは、グリーンシート積層体10に、多数の導電膜が積層された領域や、少数の導電膜が積層された領域や、導電膜が積層されていない領域が存在していても、各領域に加える圧力をできるだけ均一に近づけるために設けられている。ラバー8aの厚みは任意であるが、たとえば、50μm以上、500μm以下程度とすることができる。また、ラバー8aの硬さも任意であり、適宜、設定することができる。
ピッチプレス治具8は、底面にプレス面8bを備えている。プレス面8bは、1対の長辺8cと1対の短辺8dとを備え、矩形状をしている。
ピッチプレス治具8は、図7(C)に示すように、グリーンシート積層体10を間欠移動させて、ずらしながら、順次、グリーンシート積層体10を局所的にプレスしてゆく。グリーンシート7の積層方向に見たとき、グリーンシート積層体10は、第1方向D1に伸びる1対の辺10aと第2方向D2に伸びる1対の辺10bとを備え、矩形状をしている。本実施形態においては、辺10aの長さと、辺10bの長さとが等しく、グリーンシート7の積層方向に見たとき、グリーンシート積層体10は正方形をしている。ただし、辺10aの長さと、辺10bの長さとを異ならせ、グリーンシート7の積層方向に見たとき、グリーンシート積層体10を長方形にしてもよい。
ピッチプレスは、ピッチプレス治具8のプレス面8bの長辺8cを、第2方向D2に配置して実施する。また、ピッチプレスは、グリーンシート積層体10を、第1方向D1に間欠移動させて、ずらしながら、ピッチプレス治具8によって、順次、積層テーブル9の上のグリーンシート積層体10を局所的にプレスすることによって実施する。なお、グリーンシート積層体10を第1方向D1に間欠移動させる代わりに、ピッチプレス治具8を第1方向D1に間欠移動させてもよい。
本実施形態においては、ピッチプレス治具8は、プレス面8bの1対の長辺8cの外側に、それぞれ、テーパ部8eが設けられている。この結果、第2方向D2に直交するピッチプレス治具8の断面を見たとき、先端が下底および上底を有する台形状になっており、上底がプレス面8bを構成している。ピッチプレス治具8は、プレス面8bの1対の長辺8cの外側に、それぞれ、テーパ部8eが設けられているため、プレス面8bに圧力を集中させることができ、大きい圧力で、グリーンシート積層体10を局所的にプレスすることができる。
ピッチプレス治具8のプレス面8bの短辺8dの長さは、1mm以上、50mm以下であることが好ましい。ピッチプレス治具8のプレス面8bの短辺8dの長さが1mm未満であると、1つのグリーンシート積層体10をピッチプレスするのに、多くの回数の局所的なプレスが必要になるからである。また、ピッチプレス治具8のプレス面8bの短辺8dの長さが50mmを超えると、ピッチプレス治具8のプレス面8bよって、大きな圧力でグリーンシート積層体10をプレスすることが難しくなるからである。
ピッチプレス治具8のプレス面8bの長辺8cの長さ、短辺8dの長さは、それぞれ任意であるが、本実施形態においては、長辺8cの長さを400mm、短辺8dの長さを5mmとした。また、グリーンシート積層体10の辺10aの長さ、辺10bの長さも、それぞれ任意であるが、本実施形態においては、辺10aの長さ、および、辺10bの長さを、それぞれ、400mmとした。
ピッチプレス工程のより具体的な実施内容を、図9(A)~(C)を参照して説明する。なお、図9(A)~(C)は、それぞれ、ピッチプレス工程を示す正面図である。
まず、図9(A)に示すように、ピッチプレス治具8を、グリーンシート積層体10の一方の端部(一方の辺10bの近傍)に下降させ、グリーンシート積層体10を局所的にプレスする。プレスの圧力の大きさは任意であるが、たとえば、1MPa以上、20MPa以下程度とする。
本実施形態においては、ピッチプレス治具8により、大きな圧力で、グリーンシート積層体10を局所的にプレスするが、局所的であるため、グリーンシート積層体10の全体的な形状が変形してしまうことはない。
次に、図示しないが、ピッチプレス治具8を、いったん上昇させたうえ、積層テーブル9を、図における右方向に、5mm、水平方向に間欠移動させる。この結果、積層テーブル9の上のグリーンシート積層体10が、図における右方向に、5mm、水平方向に間欠移動する。なお、積層テーブル9およびグリーンシート積層体10の間欠移動の大きさを5mmにしたのは、ピッチプレス治具8のプレス面8bの短辺8dの長さが5mmであるからである。
次に、図示しないが、ピッチプレス治具8を、グリーンシート積層体10の上に下降させ、2回目の局所的なプレスをおこなう。以降、積層テーブル9およびグリーンシート積層体10の間欠移動と、ピッチプレス治具8によるグリーンシート積層体10の局所的なプレス(ピッチプレス)とを交互に繰り返す。
図9(B)は、40回の局所的なプレスを終え、積層テーブル9およびグリーンシート積層体10を第2方向D2に合計200mm移動させ、グリーンシート積層体10の半分に対して、局所的なプレスを終えたところである。この後、更に、積層テーブル9およびグリーンシート積層体10の間欠移動と、ピッチプレス治具8によるグリーンシート積層体10の局所的なプレスを交互に繰り返す。
図9(C)は、80回の局所的なプレスを終え、積層テーブル9およびグリーンシート積層体10を第2方向D2に合計400mm移動させ、グリーンシート積層体10の全体の局所的なプレスを終え、ピッチプレス工程が終了したところである。
次に、ピッチプレス工程を終えたグリーンシート積層体10を、積層テーブル9から取外す。本実施形態においては、既に、ピッチプレス工程において、大きな圧力でグリーンシート積層体10をプレスし、グリーンシート積層体10が強固に一体化されているため、グリーンシート積層体10を積層テーブル9から取外すときに、グリーンシート積層体10が破損することがない。
次に、図示しないが、グリーンシート積層体10を、カットテーブル上において、複数の分割グリーンシート積層体に分割する。本実施形態においては、縦寸法が400mm、横寸法が400mmのグリーンシート積層体10を、縦寸法が200mm、横寸法が200mmの4つの分割グリーンシート積層体に分割する。この分割工程においても、既にグリーンシート積層体10が強固に一体化されているため、グリーンシート積層体10および分割グリーンシート積層体が破損することがない。
次に、分割グリーンシート積層体に、本プレスを実施する。本プレスは、プレステーブルの上に設けられた枠組みの中に分割グリーンシート積層体を入れ、プレステーブルとプレスヘッドとによって、分割グリーンシート積層体をプレスすることによっておこなう。本プレスは、ピッチプレスよりも、単位面積当たりの圧力を大きくしておこなう。本プレスにおけるプレスの圧力の大きさは任意であるが、たとえば、10MPa以上、100MPa以下程度とする。この結果、分割グリーンシート積層体が、更に強固に一体化される。この本プレス工程においても、既に分割グリーンシート積層体が強固に一体化されているため、分割グリーンシート積層体が破損することがない。また、分割グリーンシート積層体の層間に設けられた導電膜が流動することがない。
次に、本プレスを終えた分割グリーンシート積層体を、複数の個片のグリーンシート積層体に分割する。
次に、個片に分割されたグリーンシート積層体を、所定のプロファイルで焼成し、セラミック積層体(図示せず)を作製する。
最後に、セラミック積層体の外表面に外部電極を形成して、本実施形態にかかる電子部品(積層セラミックコンデンサ)が完成する。
(実験)
本発明の有効性を確認するために、次の実験をおこなった。
上述した第1実施形態にかかる電子部品の製造方法によって、実施例として、130000個の積層セラミックコンデンサを作製した。また、比較のために、上述した第1実施形態にかかる電子部品の製造方法から、ピッチプレス工程だけを省略して、比較例として、130000個の積層セラミックコンデンサを作製した。
そして、実施例にかかる積層セラミックコンデンサ、および、比較例にかかる積層セラミックコンデンサについて、それぞれ、初期ショート不良率を調べた。図10(A)に、実施例および比較例の初期ショート不良率を、それぞれ示す。図10(A)に示すように、ピッチプレス工程を備えない比較例にかかる積層セラミックコンデンサの初期ショート不良率が約24%であるのに対し、ピッチプレス工程を備える実施例にかかる積層セラミックコンデンサの初期ショート不良率は約17%であり、ピッチプレス工程を実施することにより、初期ショート不良率を大きく低減できることが分かった。
また、実施例にかかる積層セラミックコンデンサの製造途中、および、比較例にかかる積層セラミックコンデンサの製造途中に、それぞれ、セラミックグリーンシート積層体の反りの大きさを調べた。具体的には、ピッチプレス工程を経た実施例にかかるセラミックグリーンシート積層体、および、ピッチプレス工程を経ていない比較例にかかるセラミックグリーンシート積層体を、それぞれ、積層テーブル9から取り外し、常温になるまで自然冷却した。次に、縦寸法が400mm、横寸法が400mmの正方形の各グリーンシート積層体を、それぞれ、任意に選んだ1つの辺の近傍において水平に固定した。そして、各グリーンシート積層体の固定した辺に対向する辺が、固定した辺を基準としてどれだけ浮き上がっているかを測定した。図10(B)に、実施例および比較例の反り量を、それぞれ示す。図10(B)に示すように、ピッチプレス工程を備えない比較例にかかる積層セラミックコンデンサの反り量が約15.5mmであるのに対し、ピッチプレス工程を経た実施例にかかる積層セラミックコンデンサの反り量は約5.5mmであり、ピッチプレス工程を実施することにより、反り量を大きく低減できることが分かった。
以上の実験結果から、本発明の有効性が確認できた。
第1実施形態にかかる電子部品の製造方法によれば、ピッチプレス工程によって、グリーンシート積層体10が大きな圧力でプレスされ、グリーンシート積層体10が強固に一体化される。なお、ピッチプレス工程においては、大きな圧力でグリーンシート積層体10をプレスするが、局所的であるため、グリーンシート積層体10の全体的な形状が変形することはない。
そして、第1実施形態にかかる電子部品の製造方法によれば、ピッチプレス工程によって、グリーンシート積層体10が強固に一体化されるため、グリーンシート積層体10を積層テーブル9から取外すとき、取外したグリーンシート積層体10を持運ぶとき、グリーンシート積層体10を複数の分割グリーンシート積層体に分割するとき、グリーンシート積層体10または分割グリーンシート積層体を大きな圧力で本プレスするときなどに、グリーンシート積層体10または分割グリーンシート積層体が破損することがない。
また、第1実施形態にかかる電子部品の製造方法によれば、ピッチプレス工程によって、グリーンシート積層体10が強固に一体化されるため、本プレス工程における、グリーンシート積層体10または分割グリーンシート積層体の層間に設けられた導電膜の流動が抑制される。
(第1実施形態の変形例1)
第1実施形態においては、ピッチプレス工程において、図8(A)に示す、先端の断面が台形状で、プレス面8bの短辺8dが5mmのピッチプレス治具8を使用した。変形例1においては、ピッチプレス治具8に代えて、図11に示す、先端の断面が矩形状のピッチプレス治具18を使用する。ピッチプレス治具18のプレス面18bの短辺18dの長さは、20mmとした。
変形例1においては、1つのグリーンシート積層体に対するピッチプレス工程のプレス回数を少なくすることができ、電子部品を製造する生産性を向上させることができる。
(第1実施形態の変形例2)
第1実施形態においては、積層工程において、積層テーブル9の上にグリーンシート積層体10が完成してから、完成したグリーンシート積層体10に対してピッチプレス工程を実施した。変形例2は、完成したグリーンシート積層体10に対するピッチプレス工程に加えて、作製途中のグリーンシート積層体10に対するピッチプレス工程を追加する。具体的には、グリーンシート積層体10を作製している途中において、たとえば、予定したグリーンシート7の積層枚数の半分になったところで、いったん、作製途中のグリーンシート積層体10に対するピッチプレス工程を実施する。そして、その後、残りのグリーンシート7を積層し、グリーンシート積層体10を完成させて、改めて、完成したグリーンシート積層体10に対するピッチプレス工程を実施する。
変形例2においては、グリーンシート積層体10を、更に強固に一体化させることができる。
(第1実施形態の変形例3)
第1実施形態においては、ピッチプレス工程において、グリーンシート積層体10の一方の辺から、対向する他方の辺に向かって、順に、局所的なプレスを実施した。変形例3においては、これに代えて、コンピュータ制御によって、グリーンシート積層体10の全面を一通りプレスするまで、ランダムな位置(領域)に対して、局所的なプレスを実施する。
変形例3においては、ピッチプレス後のグリーンシート積層体10の形状を、第1実施形態よりも、より均質にすることができる。
(第1実施形態の変形例4)
第1実施形態においては、ピッチプレス工程においては、グリーンシート積層体10の一方の辺から、対向する他方の辺に向かって、順に、局所的なプレスを実施した。変形例4においては、これに代えて、グリーンシート積層体10の一方の辺から、順に、グリーンシート積層体10の半分をプレスし、その後、対向する他方の辺から、順に、グリーンシート積層体10の残りの半分をプレスする。
変形例4においても、ピッチプレス後のグリーンシート積層体10の形状を、第1実施形態よりも、より均質にすることができる。
[第2実施形態]
図12に、第2実施形態にかかる電子部品の製造方法において使用する電子部品製造装置2000の要部概略図を示す。
電子部品製造装置2000は、第1実施形態において使用した電子部品製造装置1000の構成の一部に変更を加えた。
具体的には、電子部品製造装置1000では、剥離領域A2におけるキャリアフィルム6からのグリーンシート7の剥離と、剥離領域A2から積層領域A3へのグリーンシート7の搬送と、積層領域A3におけるグリーンシート7の積層に、積層ローラ4を使用した。電子部品製造装置2000は、これを変更し、剥離領域A2におけるキャリアフィルム6からのグリーンシート7の剥離と、剥離領域A2から積層領域A3へのグリーンシート7の搬送と、積層領域A3におけるグリーンシート7の積層に、積層ヘッド24を使用する。積層ヘッド24は、底面に通気孔24aが形成されており、時間ごとに、通気孔24aの状態を、吸引状態、排気状態(ブロー状態)、大気開放状態などの任意の状態にすることができる。また、積層ヘッド24は、保持したグリーンシート7を加熱するために、熱源24bが設けられている。積層ヘッド24は、剥離領域A2と積層領域A3との間を往復移動する。
また、電子部品製造装置1000では、積層領域A3に、水平方向に往復移動する積層テーブル9を備えていた。電子部品製造装置2000は、これを変更し、積層領域A3に、水平方向に往復移動しない積層テーブル29を設けている。積層テーブル29には、積層テーブル29上に作製されたグリーンシート積層体10を加熱するために、熱源29aが設けられている。
本実施形態においては、剥離領域A2において、積層ヘッド24によって、キャリアフィルム6からグリーンシート7を剥離する。具体的には、まず、剥離領域A2において、キャリアフィルム6の搬送を停止させる。次に、積層ヘッド24を下降させ、底面を、キャリアフィルム6上に設けられたグリーンシート7に当接させ、通気孔24aによってグリーンシート7を吸引する。次に、積層ヘッド24を上昇させることにより、グリーンシート7がキャリアフィルム6から剥離される。剥離されたグリーンシート7は、通気孔24aによる吸引によって、積層ヘッド24の底面に保持される。
次に、図示しないが、積層領域A3において、積層ヘッド24を下降させ、積層ヘッド24の底面に保持されたグリーンシート7を、積層テーブル29の上に作製されたグリーンシート積層体10の最上層に積層し、加熱圧着する。次に、積層ヘッド24の通気孔24aを、吸引状態から、排気状態(ブロー状態)または大気開放状態に切替えたうえで、積層ヘッド24を上昇させることによって、積層ヘッド24に保持されたグリーンシート7の積層テーブル29の上に作製されたグリーンシート積層体10への加熱圧着が完了する。なお、加熱圧着の工程においては、積層ヘッド24を下降させる代わりに、積層テーブル29を上昇させてもよい。あるいは、積層ヘッド24を下降させるのに加えて、積層テーブル29を上昇させてもよい。
次に、ピッチプレス領域A4において、完成したグリーンシート積層体10に対して、ピッチプレスを実施する。なお、本実施形態においても、積層領域A3とピッチプレス領域A4とは同じ位置である。
第2実施形態においては、ピッチプレス工程に、専用のピッチプレス治具28を使用する。ピッチプレス治具28は、第1実施形態のピッチプレス治具8のように積層ローラ4の外周面に取付けられたものではないが、その他の構成については、ピッチプレス治具8と同じになっている。すなわち、ピッチプレス治具28は、底面にラバーの設けられたプレス面を有している。また、ピッチプレス治具28は、プレス面が、1対の長辺と1対の短辺とを備えた矩形状をしている。また、ピッチプレス治具28は、プレス面の1対の長辺の外側に、それぞれ、テーパ部8eが設けられており、先端の断面が台形状をしている。
第2実施形態のその他の構成については、第1実施形態と同じにする。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、ピッチプレス工程によって、グリーンシート積層体10を強固に一体化させることができる。
以上、第1実施形態、第2実施形態にかかる電子部品の製造方法について説明した。また、第1実施形態、第2実施形態において使用する電子部品製造装置1000、2000について説明した。しかしながら、本発明が上述した内容に限定されることはなく、発明の趣旨に沿って種々の変更をなすことができる。
たとえば、上記実施形態では、電子部品として積層セラミックコンデンサを製造したが、製造する電子部品は積層セラミックコンデンサには限られず、他の種類の電子部品であってもよい。
また、上記実施形態では、ピッチプレス工程において、先におこなった局所的なプレスのプレス面と、次の局所的なプレスのプレス面との間に、重なりを設けなかったが、両者の間に重なりを設けてもよい。あるいは、逆に、先におこなった局所的なプレスのプレス面と、次の局所的なプレスのプレス面との間に、プレスをおこなわない領域を設けてもよい。
また、上記実施形態では、ピッチプレス工程において、ピッチプレスを受けるグリーンシート積層体10を間欠的に移動させてずらしたが、これに代えて、ピッチプレス治具8、18、28を間欠的に移動させてずらしてもよい。
また、上記実施形態では、積層ローラ4に熱源4b、積層ヘッド24に熱源24bを設けるとともに、積層テーブル9、29に熱源9a、29aを設けたが、熱源4b、24bか、または、熱源9a、29aかのいずれか一方を省略してもよい。
また、電子部品製造装置1000では、積層ローラ4が通気孔4aを備えたサクションローラであったが、積層ローラ4は通気孔を備えないローラであってもよい。また、電子部品製造装置2000において、積層ヘッド24から、通気孔24aを省略してもよい。
上述したとおり、本発明の一実施形態にかかる電子部品の製造方法は、複数のセラミックのグリーンシートを作製する、グリーンシート作製工程と、複数のグリーンシートを積層テーブル上に積層してグリーンシート積層体を作製する、グリーンシート積層体作製工程と、グリーンシート積層体を焼成してセラミック素体を作製する、焼成工程と、を備えた電子部品の製造方法であって、積層テーブル上において、作製中のグリーンシート積層体、または、作製されたグリーンシート積層体に対して、局所的なプレスを、位置を変えて繰返して実施する、ピッチプレス工程を更に備えたものとする。
この電子部品の製造方法において、グリーンシート作製工程において、特定のグリーンシート上に導電膜を形成してもよい。この場合には、導電膜が、完成した電子部品の内部電極になる。
また、グリーンシート積層体作製工程が、積層ローラを使用して実施され、ピッチプレス工程が、積層ローラの外周面に設けられたピッチプレス治具を使用して実施されるものであってもよい。この場合には、別途、専用のピッチプレス治具を設けなくても、ピッチプレス工程を実施することができる。
あるいは、グリーンシート積層体作製工程が、積層ヘッドを使用して実施され、ピッチプレス工程が、別途設けられたピッチプレス治具を使用して実施されるものであってもよい。
また、グリーンシート積層体は、グリーンシートの積層方向に見たとき、第1方向に伸びる1対の辺と第2方向に伸びる1対の辺とを備えた矩形状であり、ピッチプレス工程は、グリーンシート積層体、または、ピッチプレス治具の底面に設けられたプレス面を、第1方向に移動させながら、局所的なプレスを繰返して実施するものであってもよい。
また、ピッチプレス治具のプレス面が、1対の長辺および1対の短辺を備えた矩形状であり、ピッチプレス工程は、ピッチプレス治具のプレス面の長辺を、第2方向に配置して実施するものであってもよい。
また、ピッチプレス治具のプレス面の長辺の長さが、グリーンシート積層体の第2方向に伸びる1対の辺の長さと同じであるか、または、グリーンシート積層体の第2方向に伸びる1対の辺の長さよりも大きいものであってもよい。
ピッチプレス治具のプレス面の短辺の長さは、1mm以上、50mm以下であることが好ましい。1mm未満であると、1つのグリーンシート積層体のピッチプレスに、多くの回数の局所的なプレスが必要になってしまうからである。また、50mmを超えると、ピッチプレス治具のプレス面よって、大きな圧力でグリーンシート積層体をプレスすることが難しくなるからである。
また、ピッチプレス治具のプレス面にラバーが設けられることも好ましい。この場合には、グリーンシート積層体に、多数の導電膜が積層された領域や、少数の導電膜が積層された領域や、導電膜が積層されていない領域が存在していても、各領域に加える圧力を均一に近づけることができる。
また、第2方向に直交するピッチプレス治具の断面を見たとき、先端が矩形状であってもよい。あるいは、先端が下底および上底を有する台形状であり、上底がプレス面を構成するものであってもよい。
また、ピッチプレス工程は、ピッチプレス治具を、第1方向にランダムに移動させながら、局所的なプレスを繰返して実施するものであることも好ましい。この場合には、ピッチプレス後のグリーンシート積層体の形状を均質にすることができる。
あるいは、ピッチプレス工程は、前半工程と後半工程とを含み、前半工程は、グリーンシート積層体の第2方向に伸びる1対の辺のうちの一方側から、第2方向に伸びる1対の辺のうちの他方側に向かって、ピッチプレス治具を第1方向に、順次、移動させて局所的なプレスを繰返して実施し、グリーンシート積層体の所定の面積をプレスするものであり、後半工程は、グリーンシート積層体の第2方向に伸びる1対の辺のうちの他方側から、第2方向に伸びる1対の辺のうちの一方側に向かって、ピッチプレス治具を第1方向に、順次、移動させて局所的なプレスを繰返して実施し、グリーンシート積層体の残りの面積をプレスするものであることも好ましい。この場合にも、ピッチプレス後のグリーンシート積層体の形状を均質にすることができる。
また、積層テーブルから取外したグリーンシート積層体を、複数の分割グリーンシート積層体に分割する、分割工程を更に備えてもよい。
また、積層テーブルから取外したグリーンシート積層体、または、分割グリーンシート積層体に対して、単位面積あたりにおいて、ピッチプレス工程よりも大きな圧力でプレスを実施する、本プレス工程を更に備えてもよい。