JP7275663B2 - 給紙装置、画像形成装置、摩耗検知方法及びプログラム - Google Patents

給紙装置、画像形成装置、摩耗検知方法及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP7275663B2
JP7275663B2 JP2019038231A JP2019038231A JP7275663B2 JP 7275663 B2 JP7275663 B2 JP 7275663B2 JP 2019038231 A JP2019038231 A JP 2019038231A JP 2019038231 A JP2019038231 A JP 2019038231A JP 7275663 B2 JP7275663 B2 JP 7275663B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
speed
wear
interval
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019038231A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020142865A (ja
Inventor
真聡 日高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2019038231A priority Critical patent/JP7275663B2/ja
Priority to US16/787,100 priority patent/US20200285184A1/en
Priority to CN202010135332.6A priority patent/CN111650822A/zh
Publication of JP2020142865A publication Critical patent/JP2020142865A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7275663B2 publication Critical patent/JP7275663B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/65Apparatus which relate to the handling of copy material
    • G03G15/6502Supplying of sheet copy material; Cassettes therefor
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/55Self-diagnostics; Malfunction or lifetime display
    • G03G15/553Monitoring or warning means for exhaustion or lifetime end of consumables, e.g. indication of insufficient copy sheet quantity for a job
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/55Self-diagnostics; Malfunction or lifetime display
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H1/00Supports or magazines for piles from which articles are to be separated
    • B65H1/04Supports or magazines for piles from which articles are to be separated adapted to support articles substantially horizontally, e.g. for separation from top of pile
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H3/00Separating articles from piles
    • B65H3/02Separating articles from piles using friction forces between articles and separator
    • B65H3/06Rollers or like rotary separators
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H43/00Use of control, checking, or safety devices, e.g. automatic devices comprising an element for sensing a variable
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H5/00Feeding articles separated from piles; Feeding articles to machines
    • B65H5/06Feeding articles separated from piles; Feeding articles to machines by rollers or balls, e.g. between rollers
    • B65H5/062Feeding articles separated from piles; Feeding articles to machines by rollers or balls, e.g. between rollers between rollers or balls
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/65Apparatus which relate to the handling of copy material
    • G03G15/6529Transporting
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/70Detecting malfunctions relating to paper handling, e.g. jams
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H2801/00Application field
    • B65H2801/03Image reproduction devices

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)
  • Controlling Sheets Or Webs (AREA)

Description

本発明は、給紙装置、画像形成装置、摩耗検知方法及びプログラムに関し、特に、シートを給紙する給紙機構の摩耗劣化を検出する技術に関する。
プリンタやMFP(Multifunction Peripherals)などの画像形成装置は、印刷用紙などのシートを給紙する給紙装置を備えている。給紙装置は、シートを送り出すための給紙機構を備えており、給紙機構が給紙ローラを所定方向に回転させることでシートを所定の搬送路に向かって給紙する。給紙装置において給紙動作が繰り返し行われると、給紙ローラなどが摩耗劣化していき、給紙機構によるシートの搬送能力が低下する。これを放置すると、給紙時にジャムが発生しやすくなるという問題が発生する。
従来、給紙機構の摩耗劣化を検知できるようにした画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1)。この従来の画像形成装置は、給紙ローラの下流側に2つのセンサーを配置し、給紙動作開始後にそれら2つのセンサーの位置をシートが通過するのに要する通紙時間を測定することで給紙機構の摩耗劣化を検知する。
特開2001-341894号公報
しかしながら、上述した通紙時間は、給紙動作開始後に行われる減速制御によって変動する。減速制御とは、シートが連続給紙される場合に先のシートと後のシートとのシート間隔が所定間隔よりも狭い場合に一時的に後のシートの搬送速度を低下させてシート間隔を所定間隔以上に補正する制御である。すなわち、シート間隔が所定間隔よりも狭くなるとジャムが発生しやすくなるため、減速制御を行ってシート間隔を広げることにより、ジャムの発生を防止しているのである。このような減速制御が行われると、シートが給紙ローラ下流側の2つのセンサーの位置を通過するのに要する通紙時間が変動するため、給紙機構の摩耗劣化状態を正確に検知することができなくなる。
そこで本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、シートの給紙動作が行われているときにシートの搬送速度を変化させる制御が行われる場合とそうでない場合とを区別することにより、給紙機構の摩耗劣化状態を正確に検知できるようにした給紙装置、画像形成装置、摩耗検知方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、給紙装置であって、複数枚のシートを格納するトレイと、前記トレイに格納されたシートを給紙する給紙手段と、前記給紙手段によって給紙されるシートの搬送速度を測定する速度測定手段と、前記速度測定手段によって測定される搬送速度を第1基準速度と比較して前記給紙手段の摩耗を検知する第1摩耗検知手段と、前記給紙手段によって先のシートに続いて後のシートが給紙されるとき、先のシートと後のシートとのシート間隔を検知するシート間隔検知手段と、前記シート間隔検知手段によって検知されるシート間隔に基づいてシートの搬送速度を所定の速度から変化させる制御を行うことにより、先のシートと後のシートとのシート間隔を補正するシート間隔制御手段と、を備え、前記第1摩耗検知手段は、前記シート間隔制御手段によるシートの搬送速度を変化させる制御が行われていないときに前記速度測定手段によって測定された搬送速度に基づいて前記給紙手段の摩耗を検知することを特徴とする構成である。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の給紙装置において、前記第1摩耗検知手段は、前記シート間隔制御手段によるシートの搬送速度を変化させる制御が行われているときに前記速度測定手段によって測定された搬送速度を、前記給紙手段の摩耗を検知する際に用いないことを特徴とする構成である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の給紙装置において、前記第1摩耗検知手段は、前記給紙手段によってジョブの1枚目のシートが給紙されたときに前記速度測定手段によって測定された搬送速度に基づいて前記給紙手段の摩耗を検知することを特徴とする構成である。
請求項4に係る発明は、請求項1又は2に記載の給紙装置において、前記シート間隔制御手段によるシートの搬送速度を変化させる制御の実行率が所定値以上となった場合に、前記シート間隔制御手段によるシートの搬送速度を変化させる制御の実行を禁止する規制手段、を更に備え、前記第1摩耗検知手段は、前記規制手段によって前記シート間隔制御手段によるシートの搬送速度を変化させる制御の実行が禁止されているときに前記速度測定手段によって測定された搬送速度に基づいて前記給紙手段の摩耗を検知することを特徴とする構成である。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の給紙装置において、前記速度測定手段によって測定される搬送速度を第2基準速度と比較して前記給紙手段の摩耗を検知する第2摩耗検知手段、を更に備え、前記第2摩耗検知手段は、前記シート間隔制御手段によるシートの搬送速度を変化させる制御が行われているときに前記速度測定手段によって測定された搬送速度に基づいて前記給紙手段の摩耗を検知することを特徴とする構成である。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の給紙装置において、前記第2基準速度は、前記第1基準速度とは異なる速度であることを特徴とする構成である。
請求項7に係る発明は、請求項5又は6に記載の給紙装置において、前記第2摩耗検知手段は、前記第2基準速度として複数の判定基準値を保持しており、前記シート間隔制御手段によって行われる制御に応じて前記複数の判定基準値のうちから一の判定基準値を選択し、前記速度測定手段によって測定される搬送速度を前記一の判定基準値と比較することを特徴とする構成である。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の給紙装置において、前記シート間隔制御手段は、前記シート間隔検知手段によって検知されるシート間隔が所定の間隔よりも狭いとき、シートの搬送速度を前記所定の速度よりも遅い速度に変化させることを特徴とする構成である。
請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の給紙装置において、前記シート間隔制御手段は、前記シート間隔検知手段によって検知されるシート間隔が所定の間隔よりも狭いとき、シートの搬送を一時停止させることを特徴とする構成である。
請求項10に係る発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の給紙装置において、前記シート間隔制御手段は、前記シート間隔検知手段によって検知されるシート間隔が所定の間隔よりも広いとき、シートの搬送速度を前記所定の速度よりも速い速度に変化させることを特徴とする構成である。
請求項11に係る発明は、画像形成装置であって、請求項1乃至10のいずれかに記載の給紙装置と、前記給紙装置によって給紙されるシートに対して画像形成を行う画像形成手段と、を備えることを特徴とする構成である。
請求項12に係る発明は、複数枚のシートを格納するトレイと、前記トレイに格納されたシートを給紙する給紙手段と、を備える給紙装置において、前記給紙手段の摩耗劣化を検知する摩耗検知方法であって、前記給紙手段によって給紙されるシートの搬送速度を測定する速度測定ステップと、前記速度測定ステップによって測定される搬送速度を基準速度と比較して前記給紙手段の摩耗を検知する摩耗検知ステップと、前記給紙手段によって先のシートに続いて後のシートが給紙されるとき、先のシートと後のシートとのシート間隔を検知するシート間隔検知ステップと、前記シート間隔検知ステップによって検知されるシート間隔に基づいてシートの搬送速度を所定の速度から変化させる制御を行うことにより、先のシートと後のシートとのシート間隔を補正するシート間隔制御ステップと、を有し、前記摩耗検知ステップは、前記シート間隔制御ステップによるシートの搬送速度を変化させる制御が行われていないときに前記速度測定ステップによって測定された搬送速度に基づいて前記給紙手段の摩耗を検知することを特徴とする構成である。
請求項13に係る発明は、複数枚のシートを格納するトレイと、前記トレイに格納されたシートを給紙する給紙手段と、を備える給紙装置において実行されるプログラムであって、前記給紙装置に、前記給紙手段によって給紙されるシートの搬送速度を測定する速度測定ステップと、前記速度測定ステップによって測定される搬送速度を基準速度と比較して前記給紙手段の摩耗を検知する摩耗検知ステップと、前記給紙手段によって先のシートに続いて後のシートが給紙されるとき、先のシートと後のシートとのシート間隔を検知するシート間隔検知ステップと、前記シート間隔検知ステップによって検知されるシート間隔に基づいてシートの搬送速度を所定の速度から変化させる制御を行うことにより、先のシートと後のシートとのシート間隔を補正するシート間隔制御ステップと、を実行させ、前記摩耗検知ステップは、前記シート間隔制御ステップによるシートの搬送速度を変化させる制御が行われていないときに前記速度測定ステップによって測定された搬送速度に基づいて前記給紙手段の摩耗を検知することを特徴とする構成である。
本発明によれば、シートの給紙動作が行われているときにシートの搬送速度を変化させる制御が行われる場合とそうでない場合とを区別して給紙手段の摩耗劣化状態を検知するようにしているため、給紙手段の摩耗劣化状態を正確に検知することができるようになる。
画像形成装置の概念的構成を示す図である。 給紙機構を拡大して示す図である。 コントローラのハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。 給紙センサー及び通紙センサーがシートを検知するタイミングを示す図である。 シート間隔制御部による減速制御の例を示す図である。 第1本実施形態の画像形成装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。 摩耗劣化検出処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態の画像形成装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。 第3実施形態におけるコントローラのハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。 第3実施形態の画像形成装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。 実行率算出処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。 シート間隔制御部による加速制御の例を示す図である。 第5実施形態におけるコントローラのハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。 第5実施形態の画像形成装置において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。 シート間隔制御部によって減速制御が行われる場合の制御時間の一例を示す図である。 第2基準速度に予め格納される複数の判定基準値の一例を示す図である。
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置1の概念的構成を示す図である。図1に示す画像形成装置1は、タンデム方式でカラー画像を形成することが可能なプリンタである。画像形成装置1は、印刷用紙などのシート9を給紙する給紙装置1aとしての機能を搭載しており、給紙装置1aによって給紙されるシート9にカラー画像又はモノクロ画像を形成し、装置本体の上部に設けられた排出口5から排紙トレイ6上にシート9を排出する。この画像形成装置1は、装置本体の内部に、給紙搬送部2と、画像形成部3と、定着部4とを備えており、これらが動作することにより、シート9に対する画像形成が行われる。また画像形成装置1は、装置本体の内部にコントローラ7を備えており、このコントローラ7が給紙搬送部2、画像形成部3及び定着部4といった各部の動作を制御する。尚、画像形成装置1は、給紙搬送部2及びコントローラ7の機能によって給紙装置1aとして動作する。
給紙搬送部2は、給紙トレイ8と、給紙機構2a、搬送路11と、タイミングローラ15と、二次転写ローラ25とを有している。
給紙トレイ8は、印刷用紙などの複数枚のシート9を格納する容器である。給紙トレイ8に格納できるシート9は、多種多様であり、例えば薄紙、厚紙、普通紙、再生紙、コート紙、OHPフィルムなどがある。尚、図1では、画像形成装置1に1つの給紙トレイ8が設けられる構成例を示しているが、これに限られるものではなく、複数の給紙トレイ8が多段に配置される構成であっても構わない。
給紙機構2aは、給紙トレイ8に格納されているシート9をピックアップして搬送路11へ送り出す機構である。給紙機構2aの詳細な構成については後述する。搬送路11は、画像形成装置1がシート9に対して画像形成を行う際にシート9を矢印F1方向へ搬送するための経路である。例えば、給紙搬送部2は、搬送路11に沿って搬送中のシート9の先端がタイミングローラ15に到達すると、そこでシート9を一旦停止させる。そして画像形成部3において中間転写ベルト24に形成されるトナー像が二次転写ローラ25の位置に到達するタイミングに合わせてタイミングローラ15を駆動し、シート9を二次転写ローラ25の位置へ搬送する。これにより、シート9は、二次転写ローラ25の位置を通過するときにその表面にトナー像が転写される。その後、シート9は、定着部4に導かれてトナー像の定着処理が施され、排出口5から排出される。尚、図1に示す搬送路11は、シート9の表面のみに画像形成を行う搬送路を示しているが、これに限られない。すなわち、搬送路11は、シート9の裏面にも画像形成を行うためのシート反転路をさらに備える構成であっても構わない。
画像形成部3は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色のトナー像を形成し、二次転写ローラ25の位置を通過するシート9に対してそれら4色のトナー像を同時に転写することが可能な構成である。画像形成部3は、露光ユニット20と、各色のトナーごとに設けられる現像ユニット21と、各現像ユニット21に対応して設けられる一次転写ローラ22と、中間転写ベルト24と、各色のトナーボトル23とを備えている。4つの現像ユニット21Y,21M,21C,21Kは中間転写ベルト24の下方位置に設けられており、露光ユニット20はそれら4つの現像ユニット21Y,21M,21C,21Kのさらに下方位置に設けられている。トナーボトル23Y,23M,23C,23Kは、4つの現像ユニット21Y,21M,21C,21Kのそれぞれに対して各色のトナーを供給する。
露光ユニット20は、各現像ユニット21Y,21M,21C,21Kに設けられる像担持体(感光体ドラム)を露光することにより、各現像ユニット21Y,21M,21C,21Kの像担持体に潜像を形成する。各現像ユニット21Y,21M,21C,21Kは、その潜像をトナーで現像することにより、像担持体の表面にトナー像を形成する。そして各現像ユニット21Y,21M,21C,21Kは、矢印F2方向に循環移動する中間転写ベルト24に対して各色のトナー像を順次重畳させながら一次転写していく。したがって、中間転写ベルト24が最下流の現像ユニット21Kの位置を通過すると、中間転写ベルト24の表面には、4色のトナー像が重畳されたカラー画像が形成される。そして中間転写ベルト24に形成されるトナー像は、二次転写ローラ25と対向する位置を通過するときに、給紙搬送部2によって搬送されるシート9と接触し、シート9の表面に二次転写される。
定着部4は、加熱ローラ4aと加圧ローラ4bとを備えており、トナー像が転写されたシート9を加熱ローラ4aと加圧ローラ4bとの間に通すことで、シート9に対する加熱処理及び加圧処理を施し、トナー像をシート9に定着させる。加熱ローラ4aにはヒーター4cが設けられており、ヒーター4cの加熱によって加熱ローラ4aが昇温する。定着部4においてトナー像を定着させたシート9は、その後、搬送路11を通って排出口5から排紙トレイ6上に排出される。
次に給紙機構2aの詳細について説明する。図2は、給紙機構2aを拡大して示す図である。給紙機構2aは、図2に示すように、シート9の搬送路11に沿って、ピックアップローラ10と、給紙ローラ12、捌きローラ13と、搬送ローラ14と、給紙センサー16と、通紙センサー17とを備えている。尚、搬送ローラ14は、給紙ローラ12とは別駆動であっても構わない。
ピックアップローラ10は、給紙トレイ8に格納されているシート9の束の上部からシート9を取り出して搬送路11へ向けて送り出すローラである。例えばピックアップローラ10は、シート9の束の最上面に位置するシート9と接触しており、図示しないモータによって図2の矢印で示す方向(反時計回り方向)へ回転駆動される。すなわち、ピックアップローラ10は、画像形成装置1において給紙動作が開始されることに伴って回転駆動され、最上面に位置するシート9を下流側へ送り出す。このとき、最上面に位置する1枚目のシート9に後続する2枚目のシート9が1枚目のシート9と共に下流側に向かって連れ送りされることがある。
給紙ローラ12及び捌きローラ13は、ピックアップローラ10の下流側に配置されている。給紙ローラ12及び捌きローラ13は、互いに対を成すローラであり、ピックアップローラ10によって2枚以上のシート9が連れ送りされた場合に、互いに協働して最上面の1枚目のシート9だけを分離して下流側へ送り出す機能を有している。すなわち、給紙ローラ12及び捌きローラ13は、搬送路11を挟んで互いに対向するように配置され、ピックアップローラ10によって給紙トレイ8から同時に送り出される複数枚のシート9のうち、2枚目以降のシート9の進行を停止させると共に、最上面の1枚目のシート9だけを下流側へ搬送する。
給紙ローラ12は、搬送路11の上側に位置し、ピックアップローラ10と同様に図示しないモータによって図2の矢印で示す方向(反時計回り方向)へ回転駆動される。捌きローラ13は、搬送路11の下側に位置し、給紙ローラ12の回転によって従動回転する。この捌きローラ13は、その回転軸が軸受に対して一定の摩擦力を生じるように構成されている。そのため、給紙ローラ12が捌きローラ13を従動回転させるときにはその摩擦力に抗して捌きローラ13を従動回転させることになる。
ピックアップローラ10によって給紙トレイ8から1枚のシート9が送り出された場合、給紙ローラ12と捌きローラ13は、その1枚のシート9を挟み込んで下流側へ送り出す。給紙ローラ12は、シート9の上面に接触して反時計回り方向へ回転することにより、シート9に対して下流側に向かう搬送力を作用させ、シート9を下流側へ搬送する。このとき、捌きローラ13は、シート9の裏面に接触し、そのシート9に対して摩擦力を作用させる。給紙ローラ12による搬送力は捌きローラ13の摩擦力よりも大きいため、捌きローラ13は、シート9の通過に伴って従動回転することになる。
これに対し、ピックアップローラ10によって給紙トレイ8から2枚以上のシート9が連れ送りされた場合、給紙ローラ12は、最上面の1枚目のシート9の上面に接触した状態となり、1枚目のシート9だけを下流側へ送り出す。一方、2枚目以降のシート9は、下面が捌きローラ13に接触することにより、捌きローラ13からの摩擦力を受けて停止する。このとき、捌きローラ13は従動回転しないため、最上面の1枚目のシート9だけを下流側に搬送することができる。
搬送路11は、給紙ローラ12及び捌きローラ13から横方向に送り出されるシート9を受け入れると、そのシート9を縦方向に搬送する。搬送ローラ14は、その縦方向の搬送路11に設けられる。搬送ローラ14は、搬送路11を挟んで配置される一対のローラによって構成され、図示しないモータによって回転駆動されることによりシート9を上方向に搬送する。
給紙センサー16は、給紙ローラ12及び捌きローラ13の下流側に設けられる。給紙センサー16は、給紙ローラ12の下流側に送り出されるシート9を所定位置で検知するセンサーである。
通紙センサー17は、給紙センサー16のさらに下流側に設けられる。本実施形態では、通紙センサー17は、搬送ローラ14の下流側であって、上述したタイミングローラ15の上流側の所定位置に設けられる。通紙センサー17は、給紙センサー16と同様に、給紙ローラ12及び搬送ローラ14によって下流側に送り出されるシート9を所定位置で検知するセンサーである。
図3は、コントローラ7のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、コントローラ7は、主として、CPU30と、ROM31と、RAM32とを備えて構成される。このコントローラ7は、ユーザーが各種の設定操作を行うことができる操作パネル33に接続されており、ユーザーの操作に基づいて各種の設定を行うことができる。また、コントローラ7には、上述した給紙搬送部2、画像形成部3及び定着部4のそれぞれに対して信号の入出力を行うための入出力インタフェース34と、LAN(Local Area Network)などのネットワークに接続されている外部機器と通信を行うための通信インタフェース35と、上述した給紙センサー16と、上述した通紙センサー17とが接続されている。
CPU30は、所定のプログラム36を実行する演算処理ユニットである。ROM31は、不揮発性のメモリであり、予めプログラム36を記憶している。RAM32は、例えば書き換え可能なメモリであり、CPU30が一時的なデータなどを記憶しておくために利用されるメモリである。例えばRAM32には、基準速度記憶領域32aと、測定速度記憶領域32bとが設けられる。尚、RAM32には、この他にも様々な情報を記憶するための領域が存在する。
基準速度記憶領域32aには、基準速度情報37が予め記憶される。基準速度情報37は、給紙ローラ12が摩耗していない状態において給紙されるシート9の搬送速度の基準値を示す情報である。シート9の搬送速度は、シート9が一定の距離を通過するのに要する時間と相関がある。そのため、本実施形態では、給紙ローラ12が摩耗していない状態においてシート9が一定の搬送速度で搬送されるときに給紙センサー16の位置を通過してから通紙センサー17の位置を通過するのに要する通紙時間の基準値を搬送速度の基準値として基準速度情報37に記録している。
測定速度記憶領域32bには、測定情報39が記憶される。測定情報39は、シート9が給紙されることに伴って測定されるシート9の搬送速度を記録しておくための情報である。上述のように、シート9の搬送速度は、シート9が一定の距離を通過するのに要する時間と相関がある。そのため、本実施形態の画像形成装置1は、給紙ローラ12によってシート9が給紙されるときにそのシート9が給紙センサー16の位置を通過してから通紙センサー17の位置を通過するのに要する通紙時間を測定し、その通紙時間の累積値(累積時間)を測定情報39に記録するように構成される。
CPU30は、ROM31からプログラム36を読み出して実行することにより、ジョブ制御部30aとして機能する。ジョブ制御部30aは、画像形成装置1における印刷ジョブの実行を制御するものである。例えば通信インタフェース35を介して印刷ジョブを受信すると、ジョブ制御部30aは、その印刷ジョブの実行を制御する。すなわち、ジョブ制御部30aは、入出力インタフェース34を介して給紙搬送部2、画像形成部3及び定着部4の動作を制御し、受信した印刷ジョブに基づく印刷出力を行う。このジョブ制御部30aは、給紙制御部40と、摩耗劣化検出部50とを備えている。
給紙制御部40は、印刷ジョブの実行に伴って給紙機構2aの動作を制御することにより、給紙トレイ8に格納されているシート9を搬送路11へ搬送させる制御部である。具体的説明すると、給紙制御部40は、ジョブ制御部30aによって給紙タイミングであることが検知されると、ピックアップローラ10及び給紙ローラ12を回転させるモータを駆動し、給紙トレイ8から搬送路11へシート9を給紙する給紙動作を開始する。例えば、印刷ジョブが複数枚のシート9に対して画像形成を連続的に行うジョブである場合、給紙制御部40は、給紙機構2aを所定の時間間隔で断続的に駆動することにより、給紙トレイ8から複数枚のシート9を連続給紙させる。これにより、複数枚のシート9に対する画像形成が順次行われるようになる。この給紙制御部40は、シート間隔検知部41と、シート間隔制御部42とを備えている。
シート間隔検知部41は、給紙制御部40により先のシートに続いて後のシートが連続給紙されるとき、先のシート9と後のシート9とのシート間隔を検知する処理部である。シート間隔検知部41は、給紙制御部40による給紙動作の開始から、シート9が給紙センサー16によって検知されるまでの給紙時間を計測することによってシート間隔を検知する。
図4は、給紙センサー16及び通紙センサー17がシート9を検知するタイミングを示す図である。図4に示すように、例えばタイミングT10においてシート9の給紙動作が開始されると、そのシート9は、タイミングT20において給紙センサー16に検知される。その後、シート9は、タイミングT30で通紙センサー17に検知される。シート間隔検知部41は、給紙動作が開始されたタイミングT10から給紙センサー16によってシート9が検知されたタイミングT20までの給紙時間Taを計測するのである。
ここで、先のシート9の給紙時に後続するシート9の連れ送りが発生していない場合、次に給紙されるシート9の先端は、給紙トレイ8上に位置している。そのため、給紙制御部40によって次の給紙動作が開始されると、シート9は、給紙トレイ8上から給紙ローラ12に向かって進行し、その後、給紙ローラ12によって搬送路11の下流側へ搬送される。したがって、先のシート9の給紙時に連れ送りが発生していない場合、次の給紙動作が開始されてから給紙センサー16によってシート9の先端が検知されるまでに要する給紙時間Taは、比較的長い時間となる。
これに対し、先のシート9の給紙時に後続するシート9の連れ送りが発生している場合、次に給紙されるシート9の先端は、給紙トレイ8上の位置から捌きローラ13の位置までの間のいずれかの位置に存在する。つまり、先のシート9の給紙時に連れ送りが発生していると、次に給紙されるシート9の初期位置は下流側に進んでいることになる。そのため、給紙制御部40によって次の給紙動作が開始されると、シート9は、比較的早期に給紙ローラ12によって搬送路11の下流側へ搬送される。したがって、先のシート9の給紙時に連れ送りが発生している場合、次の給紙動作が開始されてから給紙センサー16によってシート9の先端が検知されるまでに要する給紙時間Taは、比較的短い時間となる。
シート間隔検知部41は、上記のような給紙時間Taに基づき、先のシート9と後のシート9とのシート間隔を検知する。先のシート9と後のシート9とのシート間隔が所定間隔よりも狭い場合、後のシート9の先端が先のシート9の後端に追いついてしまい、ジャムが発生する可能性がある。そのため、シート間隔検知部41は、先のシート9と後のシート9とのシート間隔が所定間隔よりも狭いか否かを判断する。具体的に説明すると、シート間隔検知部41は、計測した給紙時間Taを予め定められている適正時間Txと比較し、給紙時間Taが適正時間Txよりも短い場合に、シート間隔が所定間隔よりも狭いと判断する。シート間隔が所定間隔よりも狭いと判断した場合、シート間隔検知部41は、シート間隔制御部42を機能させる。
シート間隔制御部42は、給紙制御部40によって給紙されたシート9の搬送速度を変化させる制御(変速制御)を行うことにより、シート間隔を補正する処理部である。本実施形態におけるシート間隔制御部42は、シート間隔検知部41によってシート間隔が所定間隔よりも狭いと判断された場合、後のシート9の搬送速度を低下させる減速制御を行う。これにより、先のシート9と後のシート9とのシート間隔を広げることができるので、ジャムの発生を防止することができるようになる。シート間隔制御部42はシート間隔が所定間隔よりも狭いと判断された場合に直ちに減速制御を行う。そのため、給紙されたシート9が給紙センサー16を通過してから通紙センサー17に到達するまでの間に減速制御が行われることになる。
図5は、減速制御の例を示す図である。給紙制御部40は、給紙動作を開始してシート9を搬送するとき、図5(a)に示すようにシート9の搬送速度が所定速度Vpとなるように給紙ローラ12を駆動する。給紙制御部40による給紙動作が開始された後、シート間隔検知部41によってシート間隔が所定間隔よりも狭いことが検知されると、シート間隔制御部42は、タイミングT21において減速制御を開始する。シート間隔制御部42は、シート間隔検知部41によって検知されるシート間隔に応じて減速制御を行う制御時間Tcを決定する。そしてシート間隔制御部42は、減速制御を開始してから制御時間Tcが経過するまでシート9の搬送速度を所定速度Vpよりも低下させた状態を保持し、制御時間Tcが経過したタイミングでシート9の搬送速度を再び所定速度Vpに戻す。このような制御時間Tcは、シート間隔が狭くなるほど、長い時間に設定される。
例えば図5(a)に示すように、シート間隔制御部42は、減速制御の実行中においてシート9の搬送速度をゼロにしてシート9の搬送を一時的に停止させる制御を行うようにしても良い。この場合、制御時間Tcを短くすることができる。そのため、シート間隔制御部42は、タイミングT21で減速制御を開始した後、比較的早期のタイミングT22で減速制御を終了させ、シート9の搬送速度を所定速度Vpに戻す制御を行う。
また、例えば図5(b)に示すように、シート間隔制御部42は、減速制御の実行中においてシート9の搬送速度を所定速度Vpよりも低い所定の速度Vqに設定してシート9の搬送を継続的に行うようにしても良い。例えば、速度Vqは、速度Vpの1/2程度の速度とすれば良い。この場合の制御時間Tcは、シート9の搬送を停止させる場合に比べて長くなる。そのため、シート間隔制御部42は、タイミングT21で減速制御を開始した後、比較的遅いタイミングT23で減速制御を終了させ、シート9の搬送速度を所定速度Vpに戻す制御を行う。
シート間隔制御部42において上記のような減速制御が行われることにより、先のシート9と後のシート9とのシート間隔が広げられ、先のシート9に対して一定のシート間隔を保持した状態で後のシート9が搬送路11の下流側へと搬送されるようになる。
摩耗劣化検出部50は、ジョブ制御部30aによって印刷ジョブに基づく印刷出力が行われるときに、給紙ローラ12を含む給紙機構2aの摩耗劣化状態を検出する処理部である。この摩耗劣化検出部50は、速度測定部51と、摩耗検知部52とを備えている。
速度測定部51は、給紙ローラ12などの給紙機構2aが駆動されることによって給紙されるシート9の搬送速度を測定する処理部である。上述したようにシート9の搬送速度は、シート9が一定の距離を通過するのに要する時間と相関がある。そのため、速度測定部51は、給紙制御部40によってシート9の給紙が開始された後、シート9が給紙センサー16の位置を通過してから通紙センサー17の位置を通過するのに要する通紙時間を測定することにより、シート9の搬送速度を測定する。すなわち、図4に示すように、速度測定部51は、給紙センサー16によってシート9が検知されるタイミングT20から通紙センサー17によってシート9が検知されるタイミングT21までの期間を通紙時間Tbとして測定するのである。この速度測定部51は、給紙制御部40による給紙動作が行われる度に通紙時間Tbの測定を行う。そのため、給紙制御部40によって複数枚のシート9が連続給紙される場合、速度測定部51は、通紙時間Tbの測定動作を繰り返し実行する。
摩耗検知部52は、第1摩耗検知手段として機能するものであり、速度測定部51によって測定される通紙時間Tbに基づいて給紙機構2aの摩耗劣化状態を検知する処理部である。具体的に説明すると、摩耗検知部52は、速度測定部51によって測定される通紙時間Tbを、基準速度情報37に記録されている通紙時間の基準値と比較することにより、給紙機構2aの摩耗劣化状態を検知する。給紙ローラ12の摩耗劣化が進行すると、シート9の搬送力が低下するため、シート9の搬送速度も低下する。また、シート9の搬送速度が低下すると、通紙時間Tbが長くなる。そのため、摩耗検知部52は、速度測定部51によって測定される通紙時間Tbを基準値と比較し、通紙時間Tbが基準値よりも長くなっている場合に給紙機構2aが摩耗していると判定する。尚、摩耗検知部52は、通紙時間Tbが基準値よりも所定時間以上長くなっている場合に給紙機構2aが摩耗していると判定するようにしても良い。このような摩耗検知部52は、給紙機構2aの摩耗によるジャムの発生頻度が上がる前に、給紙機構2aが摩耗していると判定することが好ましい。
摩耗検知部52は、給紙機構2aが摩耗していると判定すると、ユーザーに対する警告処理を行い、給紙ローラ12の交換を行う時期が到来したことを報知する。このような警告処理は、操作パネル33を介して行われるものであっても良いし、また通信インタフェース35を介してユーザーが使用している情報機器に対して行われるものであっても良い。これにより、ユーザーは、給紙時にジャムが発生しやすくなる前に、給紙ローラ12を含む給紙機構2aの交換作業を早期に行うことができる。その結果、画像形成装置1のダウンタイムを最小限に抑えることができるようになる。
ところで、速度測定部51によって通紙時間Tbが測定されるとき、シート間隔制御部42による減速制御が行われることがある。シート間隔制御部42による減速制御が行われると、速度測定部51によって測定される通紙時間Tbが延びる。そのため、本実施形態の摩耗検知部52は、給紙動作が行われているときにシート間隔制御部42によるシートの搬送速度を低下させる減速制御が行われたか否かを判断し、減速制御が行われていないときに測定された通紙時間Tbに基づいて給紙機構2aの摩耗劣化状態を検知するように構成される。言い換えると、本実施形態の摩耗検知部52は、シート間隔制御部42による減速制御が行われているときに測定された通紙時間Tbを破棄し、シート間隔制御部42による減速制御が行われていないときに測定された通紙時間Tbだけを採用して給紙機構2aの摩耗劣化状態を検知するのである。これにより、減速制御が通紙時間Tbに与える影響を除去することが可能であり、摩耗検知部52は、給紙機構2aの摩耗劣化状態を正確に検知することができるようになる。
次に画像形成装置1において行われる具体的な処理手順について説明する。図6は、本実施形態の画像形成装置1において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、画像形成装置1において印刷ジョブの実行が開始されることに伴い、コントローラ7において繰り返し実行される処理である。コントローラ7は、この処理を開始すると、シート9の給紙タイミングであるか否かを判断する(ステップS10)。シート9の給紙タイミングでない場合、この処理は終了する。これに対し、シート9の給紙タイミングである場合(ステップS10でYES)、コントローラ7は、給紙制御部40を動作させ、シート9の給紙を開始する(ステップS11)。シート9の給紙を開始すると、シート間隔検知部41は、給紙時間Taの測定を開始する(ステップS12)。その後、シート間隔検知部41は、給紙センサー16によってシート9が検知されるまで待機し(ステップS13でNO)、シート9が検知されると(ステップS13でYES)、給紙時間Taの測定を終了する。また、給紙センサー16によってシート9が検知されると、速度測定部51は、シート9の搬送速度の測定を開始する(ステップS14)。すなわち、速度測定部51は、通紙時間Tbの測定動作を開始するのである。
シート間隔検知部41は、給紙時間Taを測定すると、その給紙時間Taに基づき先のシート9と後のシート9とのシート間隔を検知する(ステップS15)。そしてシート間隔検知部41は、そのシート間隔が所定間隔よりも狭いか否かを判断する(ステップS16)。シート間隔検知部41によってシート間隔が所定間隔よりも狭いと判断されると(ステップS16でYES)、シート間隔制御部42が機能する。そしてシート間隔制御部42は、シート間隔を適正間隔に補正するための処理を行う(ステップS17)。すなわち、ステップS17では、シート間隔制御部42による減速制御が行われ、シート9の搬送速度が一時的に低下する。
一方、シート間隔が所定間隔よりも狭くなかった場合(ステップS16でNO)、ステップS17の処理は行われない。この場合、シート9は、給紙ローラ12などの摩耗劣化状態に応じた搬送速度を維持したまま搬送されることになる。
速度測定部51は、通紙時間Tbの測定を開始すると、通紙センサー17によってシート9が検知されるまで待機する状態となる(ステップS18)。通紙センサー17によってシート9が検知されると(ステップS18でYES)、速度測定部51は、搬送速度の測定を終了する(ステップS19)。すなわち、速度測定部51は、通紙時間Tbの測定動作を終了させるのである。そして速度測定部51は、測定した通紙時間Tbを摩耗検知部52へ出力する。
摩耗検知部52は、通紙時間Tbを取得すると、シート9の給紙動作が行われているときにシート間隔制御部42による減速制御が行われたか否かを判断する(ステップS20)。その結果、減速制御が行われたと判断すると(ステップS20でYES)、摩耗検知部52は、速度測定部51によって行われた通紙時間Tbを破棄して処理を終了する。つまり、この場合は、摩耗検知部52による摩耗劣化を検知する処理が行われない。
これに対し、シート間隔制御部42による減速制御が行われなかったと判断した場合(ステップS20でNO)、摩耗検知部52は、摩耗劣化検出処理を実行する(ステップS21)。この摩耗劣化検出処理では、例えば減速制御が行われなかった場合の通紙時間Tbを所定回数蓄積し、所定回数分の通紙時間Tbが蓄積された時点でそれら所定回数分の通紙時間Tbの平均値を算出し、その平均値に基づいて給紙機構2aが摩耗しているか否かを判断する処理が行われる。
図7は、その摩耗劣化検出処理(ステップS21)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。摩耗検知部52は、摩耗劣化検出処理を開始すると、まず速度測定部51から取得した通紙時間Tbを、測定情報39における通紙時間Tbの累積時間に加算する(ステップS30)。そして、摩耗検知部52は、測定情報39の累積時間に加算されたデータ数Nに対して1を加算し(ステップS31)、そのデータ数Nが所定数(例えば50)以上となったか否かを判断する(ステップS32)。データ数Nが所定数に満たない場合(ステップS32でNO)、摩耗検知部52による処理は終了する。
一方、データ数Nが所定数以上となった場合(ステップS32でYES)、摩耗検知部52は、測定情報39の累積時間をデータ数Nで除算することにより、通紙時間Tbの平均値を算出する(ステップS33)。そして摩耗検知部52は、通紙時間Tbの平均値を、基準速度情報37に記録されている通紙時間の基準値と比較し(ステップS34)、給紙ローラ12などの給紙機構2aが摩耗しているか否かを判断する(ステップS35)。その結果、給紙機構2aが摩耗していると判断すると(ステップS35でYES)、摩耗検知部52は、摩耗警告処理を実行する(ステップS36)。すなわち、摩耗検知部52は、ユーザーに対して給紙ローラ12などの交換時期が到来したことを報知する処理を行うのである。これに対し、給紙機構2aが未だ摩耗していないと判断した場合(ステップS35でNO)、ステップS36の処理はスキップする。その後、摩耗検知部52は、測定情報39の累積時間をクリアしてリセットすると共に(ステップS37)、データ数Nもクリアしてリセットする(ステップS38)。したがって、本実施形態では、シート間隔制御部42による減速制御が行われない状態で通紙時間Tbが所定回数(例えば50回)測定される度に、摩耗検知部52による摩耗判定が行われることになる。以上で、画像形成装置1による処理が終了する。
以上のように本実施形態の画像形成装置1は、シート間隔制御部42によるシート9の搬送速度を変化させる制御が行われていないときに速度測定部51によって測定された搬送速度に基づいて給紙機構2aの摩耗を検知する構成である。言い換えると、本実施形態の画像形成装置1は、シート間隔制御部42によるシート9の搬送速度を変化させる制御が行われているときに測定された搬送速度を、給紙機構2aの摩耗を検知する際に用いないようにしている。そのため、本実施形態の画像形成装置1は、給紙機構2aの摩耗劣化状態を判定する際に、シート間隔制御部42による制御が影響していない搬送速度だけを考慮して判定を行うことができるため、正確な判定を行うことができるという利点がある。
尚、上記においては、速度測定部51による通紙時間Tbの測定が終了した後、摩耗検知部52においてその通紙時間Tbの測定中に減速制御が行われたか否かが判断される場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、例えば、速度測定部51は、通紙時間Tbの測定中にシート間隔制御部42による減速制御が開始されることに伴い、通紙時間Tbの測定動作を途中で終了させるようにしても良い。
また、上記においては、シート9の通紙時間Tbを測定情報39における累積時間に加算していく例を説明した。しかし、これに限られるものではなく、測定情報39には、所定回数分(例えば50回分)の通紙時間Tbをそのまま記録していくようにしても良い。この場合、摩耗検知部52は、例えば、通紙時間Tbの平均値を算出する際に、ノイズ除去を目的として、所定回数分の複数の通紙時間Tbのうちから最大値又は最小値を示す通紙時間Tbを平均値算出対象から除外するようにしても良い。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、シート9の給紙が行われる度に、摩耗検知部52において減速制御が行われたか否かを毎回判定する形態を説明した。これに対し、本実施形態では、印刷ジョブの実行が開始された後の1枚目のシート9が給紙されるときに測定された通紙時間Tbに基づいて摩耗劣化状態を判定する形態について説明する。尚、本実施形態における画像形成装置1の構成は、第1実施形態で説明したものと同様である。
図8は、第2実施形態の画像形成装置1において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、第1実施形態において説明した図6のフローチャートに代わる処理手順を示している。また、このフローチャートにおいて、ステップS40~S49で行われる処理は、図6のステップS10~S19で行われる処理と同様である。すなわち、コントローラ7は、給紙タイミングであることを検知すると、シート9の給紙を開始して給紙時間Taを測定し、シート間隔が所定間隔よりも狭い場合に減速制御を行う。ただし、シート間隔が所定間隔以上であれば、減速制御は行わない。そして給紙されたシート9が通紙センサー17によって検知されると(ステップS48でYES)、コントローラ7は、シート9の搬送速度の測定を終了する(ステップS49)。すなわち、コントローラ7は、シート9の搬送速度と相関のある通紙時間Tbの測定を終了するのである。
摩耗検知部52は、シート9の通紙時間Tbが測定されると、その通紙時間Tbが印刷ジョブ実行開始後に給紙される1枚目のシート9の通紙時間Tbであるか否かを判断する(ステップS50)。その結果、1枚目のシート9の通紙時間Tbである場合(ステップS50でYES)、摩耗検知部52は、摩耗劣化検出処理を実行する(ステップS51)。この摩耗劣化検出処理(ステップS51)の詳細は、図7に示したフローチャートと同様である。つまり、摩耗検知部52は、印刷ジョブの実行開始に伴い最初に給紙されるシート9の通紙時間Tbを所定回数分蓄積し、所定回数分の通紙時間Tbが蓄積された時点で所定回数分の通紙時間Tbの平均値を算出し、その平均値に基づいて給紙機構2aの摩耗判定を行う。その結果、給紙機構2aが摩耗していると判断すると、摩耗検知部52は、摩耗警告処理を行い、ユーザーに対して給紙機構2aの交換作業を行うことを促す。
一方、測定された通紙時間Tbが1枚目のシート9の通紙時間Tbでない場合(ステップS50でNO)、摩耗検知部52は、速度測定部51によって行われた通紙時間Tbを破棄して処理を終了する。この場合は、摩耗検知部52による摩耗劣化を検知する処理が行われない。
このように本実施形態の画像形成装置1は、印刷ジョブの実行開始後に1枚目のシート9が給紙されるときに測定される通紙時間Tbに基づいて給紙機構2aの摩耗劣化状態を検知するように構成される。1枚目のシート9が給紙されるときには、その1枚目のシート9よりも先行するシート9が搬送路11中に存在しないため、シート間隔制御部42による減速制御は行われない。そのため、本実施形態の画像形成装置1は、シート9の給紙が行われる度に減速制御が行われたか否かを判断することなく、給紙機構2aの摩耗劣化状態を正確に検知することができる。また、本実施形態の画像形成装置1は、2枚目以降のシート9が給紙されるときには摩耗劣化検出処理を行わないため、印刷ジョブの実行中に摩耗劣化検出処理による負荷の上昇を低減することが可能であり、印刷ジョブの実行効率を向上させることができる。
尚、上記においては、印刷ジョブの実行開始後の1枚目のシート9が給紙されるときにも、給紙時間Taや通紙時間Tbが測定される場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、印刷ジョブの実行開始後の1枚目のシート9が給紙されるときには、給紙時間Taの測定を行わないようにしても良いし、また通紙時間Tbの測定を行わないようにしても良い。
また、本実施形態において上述した点以外の構成及び動作については、第1実施形態で説明したものと同様である。
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態について説明する。例えばシート9の給紙時に後続するシート9が連れ送りされる現象が連続的に発生すると、シート間隔制御部42による減速制御も連続的に行われることになり、給紙機構2aの摩耗劣化状態の判定に利用するための通紙時間Tbを長期に亘って取得することができないことがある。そこで、本実施形態では、シート間隔制御部42によるシート9の搬送速度を変化させる制御(減速制御)の実行率を算出し、その実行率が所定値以上となった場合に、給紙タイミングを遅延させることによってシート間隔制御部42よる制御が行われない状態を作出し、給紙機構2aの摩耗劣化状態の判定に利用するための通紙時間Tbを取得できるようにする形態について説明する。
図9は、第3実施形態におけるコントローラ7のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。図9に示すコントローラ7が第1実施形態で説明したものと異なる点は、摩耗劣化検出部50が変速制御規制部53を備えている点である。この変速制御規制部53は、シート間隔制御部42によるシートの搬送速度を変化させる制御(減速制御)の実行率に応じてシート間隔制御部42による制御が行われることを規制する。具体的に説明すると、変速制御規制部53は、シート間隔制御部42による制御の実行率を算出し、その実行率が所定値以上となったか否かを判断する。シート間隔制御部42による制御の実行率が所定値以上である場合、変速制御規制部53は、次のシート9の給紙タイミングを遅延させると共に、シート間隔制御部42による制御が行われないように禁止モードを設定する。例えば、変速制御規制部53は、次のシート9の給紙タイミングとなったときに給紙制御部40による給紙動作を所定時間待機させることにより、次のシート9が給紙されるタイミングを所定時間遅延させるのである。これにより、次に給紙されるシート9は、先行するシート9に対して十分なシート間隔を保持するため、シート間隔制御部42による制御が行われないようになる。そのため、摩耗劣化検出部50は、シート間隔制御部42による制御が行われない状態で、給紙機構2aの摩耗劣化状態の判定に利用するための通紙時間Tbを取得することができるようになり、その通紙時間Tbに基づいて給紙機構2aの摩耗劣化状態の判定を行うことができる。
図10は、第3実施形態の画像形成装置1において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、第1実施形態において説明した図6のフローチャートに代わる処理手順を示している。コントローラ7は、この処理を開始すると、シート9の給紙タイミングであるか否かを判断する(ステップS60)。シート9の給紙タイミングでない場合(ステップS60でNO)、この処理は終了する。これに対し、シート9の給紙タイミングである場合(ステップS60でYES)、コントローラ7は、給紙制御部40を動作させる。そして給紙制御部40は、変速制御規制部53によって禁止モードが設定されているか否かを判断する(ステップS61)。禁止モードが設定されていない場合(ステップS61でNO)、給紙制御部40は、通常給紙処理を実行する(ステップS62)。この通常給紙処理は、例えば図6に示したフローチャートと同様の処理である。
一方、禁止モードが設定されている場合(ステップS61でYES)、給紙制御部40は、変速制御規制部53によって設定された待機時間を取得し、その待機時間が経過するまで待機する(ステップS63)。これにより、次のシート9の給紙タイミングが遅延し、先行するシート9とのシート間隔が広げられる。そして待機時間が経過すると、給紙制御部40は、次のシート9の給紙を開始する(ステップS64)。尚、禁止モードが設定されている場合、給紙制御部40においてシート間隔検知部41及びシート間隔制御部42は機能しない。
給紙タイミングよりも遅いタイミングで給紙されたシート9が給紙センサー16によって検知されると(ステップS65でYES)、速度測定部51は、搬送速度に相当する通紙時間Tbの測定を開始する(ステップS66)。そしてシート9が通紙センサー17によって検知されると(ステップS67でYES)、速度測定部51は、通紙時間Tbの測定を終了する(ステップS68)。ステップS66からS68までの期間中においては、シート間隔制御部42による減速制御が行われない。そのため、ステップS68で測定される通紙時間Tbは、給紙機構2aの摩耗劣化状態を判定するために利用することができる。そこで本実施形態の画像形成装置1は、禁止モードにおいて通紙時間Tbが測定されると、摩耗検知部52を機能させ、摩耗劣化検出処理を実行する(ステップS69)。この摩耗劣化検出処理(ステップS69)の詳細は、図7に示したフローチャートと同様である。つまり、摩耗検知部52は、禁止モードにおいて給紙されるシート9の通紙時間Tbを所定回数分蓄積し、所定回数分の通紙時間Tbが蓄積された時点で所定回数分の通紙時間Tbの平均値を算出し、その平均値に基づいて給紙機構2aの摩耗判定を行う。その結果、給紙機構2aが摩耗していると判断すると、摩耗検知部52は、摩耗警告処理を行い、ユーザーに対して給紙機構2aの交換作業を行うことを促す。そして摩耗劣化検出処理が終了すると、変速制御規制部53は、禁止モードを解除する(ステップS70)。これにより、シート間隔制御部42は、シート9の搬送速度を変化させる制御を行うことが可能な状態となる。
続いて変速制御規制部53は、実行率算出処理を行う(ステップS71)。この実行率算出処理では、シート間隔制御部42による制御の実行率を算出する処理が行われる。
図11は、その実行率算出処理(ステップS71)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。変速制御規制部53は、この処理を開始すると、上述したステップS62又はS64によるシート9の給紙動作中にシート間隔制御部42による減速制御が行われたか否かを判断する(ステップS80)。シート間隔制御部42による減速制御が行われた場合(ステップS80でYES)、変速制御規制部53は、第1のカウント値D1に1を加算する。第1のカウント値D1は、シート間隔制御部42によって減速制御が実行された回数のカウント値である。また、シート間隔制御部42による減速制御が行われなかった場合(ステップS80でNO)、変速制御規制部53は、第2のカウント値D2に1を加算する。第2のカウント値D2は、シート間隔制御部42によって減速制御が実行されなかった回数のカウント値である。
その後、変速制御規制部53は、第1及び第2のカウント値D1,D2の合計値TDを算出し(ステップS83)、その合計値TDが所定値(例えば100)以上となったか否かを判断する(ステップS84)。その結果、合計値TDが所定値未満である場合(ステップS84でNO)、実行率算出処理が終了する。これに対し、合計値TDが所定値以上となっている場合(ステップS84でYES)、変速制御規制部53は、シート間隔制御部42による減速制御の実行率Rを算出する(ステップS85)。例えば、変速制御規制部53は、第1のカウント値D1を合計値TDで除算することによって実行率Rを算出する。その後、変速制御規制部53は、第1のカウント値D1をクリアしてゼロにリセットすると共に(ステップS86)、第2のカウント値D2もクリアしてゼロにリセットする(ステップS87)。以上で、実行率算出処理が終了する。上記のような実行率算出処理では、シート9の給紙動作が所定回数(例えば100回)行われる度に実行率Rを算出するようになっている。この場合の所定回数は、任意に設定することが可能である。
図10のフローチャートに戻り、変速制御規制部53は、実行率算出処理(ステップS71)において実行率Rを算出したか否かを判断する(ステップS72)。実行率Rを算出していない場合(ステップS72でNO)、変速制御規制部53による処理は終了する。これに対し、実行率Rを算出した場合(ステップS72でYES)、変速制御規制部53は、その実行率Rが所定値(例えば98%)以上であるか否かを判断する(ステップS73)。実行率Rが所定値未満である場合(ステップS73でNO)、摩耗劣化状態の判定に利用することができる通紙時間Tbを適度に取得していることになる。そのため、変速制御規制部53は、禁止モードに設定することなく、処理を終了する。
一方、実行率Rが所定値以上である場合(ステップS73でYES)、摩耗劣化状態の判定に利用することができる通紙時間Tbを取得する頻度が低下していることになる。この場合、変速制御規制部53は、給紙タイミングとなったときに給紙動作を待機させる待機時間を設定する(ステップS74)。この待機時間は、次に給紙されるシート9が先行するシート9に追いつくことがないように十分なシート間隔を確保することができる時間に設定される。そして変速制御規制部53は、シート間隔制御部42による減速制御が行われないように禁止モードを設定する(ステップS75)。これにより、次にシート9が給紙されるときには、給紙タイミングを遅延させたタイミングで給紙動作が行われるようになり、摩耗劣化状態の判定に利用することができる通紙時間Tbを適切に取得することができるようになる。以上で、本実施形態における処理手順が終了する。
このように本実施形態の画像形成装置1は、シート間隔制御部42によるシート9の搬送速度を変化させる制御の実行率Rが所定値以上となった場合に、給紙機構2aによる給紙タイミングを遅延させると共に、シート間隔制御部42によるシート9の搬送速度を変化させる制御の実行を禁止する変速制御規制部53を備えている。そして摩耗検知部52は、変速制御規制部53によってシート間隔制御部42によるシート9の搬送速度を変化させる制御の実行が禁止されているときに速度測定部51によって測定される通紙時間Tbに基づいて給紙機構2aの摩耗劣化状態を検知するように構成されている。そのため、本実施形態の画像形成装置1は、シート間隔制御部42よる減速制御が連続的に行われるような状況が発生した場合には、シート間隔制御部42による減速制御が行われない状態を作出して給紙機構2aの摩耗劣化状態の判定に利用するための通紙時間Tbを取得することが可能である。これにより、長期に亘って給紙機構2aの摩耗劣化状態を判定することができなくなることを回避することができ、給紙機構2aの摩耗劣化状態を適切に把握することができるようになる。
尚、上記においては、禁止モードの設定中において給紙機構2aの摩耗劣化状態の判定に利用することができる通紙時間Tbを1回測定することができれば、禁止モードを解除する例を説明した。しかし、これに限られるものではなく、禁止モードの設定中に、給紙機構2aの摩耗劣化状態の判定に利用することができる通紙時間Tbを複数回測定するようにしても良い。
また、画像形成装置1の機種によっては、シート9の給紙動作が行われる度に、シート間隔制御部42によるシート9の搬送速度を変化させる制御を毎回行うように設計された装置も存在する。そのような画像形成装置1では、シート間隔制御部42による制御の実行率が常に100%となる。そこで、そのような画像形成装置1に対して上述した処理を適用することにより、所定枚数(例えば100枚)のシート9が給紙される度に、給紙機構2aの摩耗劣化状態の判定に利用するための通紙時間Tbを取得することができるようになる。それ故、シート間隔制御部42によるシート9の搬送速度を変化させる制御を毎回行うように設計された画像形成装置1に対しても、本実施形態の手法は有用である。
また、本実施形態において上述した点以外の構成及び動作については、第1又は第2実施形態で説明したものと同様である。
(第4実施形態)
次に本発明の第4実施形態について説明する。上述した第1乃至第3実施形態では、主として、シート間隔制御部42によってシート9の搬送速度を低下させる減速制御が行われる場合を例示した。しかし、シート間隔制御部42による制御は、必ずしも減速制御に限られず、加速制御が行われるものであっても良い。そこで、本実施形態では、シート間隔制御部42によって加速制御が行われる場合について説明する。尚、本実施形態の画像形成装置1は、第1乃至第3実施形態で説明したものと同様である。
例えば本実施形態の画像形成装置1は、複数枚のシート9の連続給紙を行うとき、後のシート9が先のシート9に追いついてしまうことがないようにシート間隔を十分に広げた状態で給紙を行う。しかし、シート間隔を広げると、先のシート9の給紙時に連れ送りが発生しなかった場合には先のシート9と後のシート9のシート間隔が更に広がってしまうことになり、印刷出力時のスループット(単位時間当たりの出力枚数)が低下する。そのスループット低下を防止するため、本実施形態のシート間隔制御部42は、シート間隔が所定間隔よりも広い場合にシート9の搬送速度を上昇させる加速制御を行う。
図12は、シート間隔制御部42による加速制御の例を示す図である。給紙制御部40による給紙動作が開始された後、シート間隔検知部41によってシート間隔が所定間隔よりも広いことが検知されると、シート間隔制御部42は、タイミングT21において加速制御を開始する。シート間隔制御部42は、シート間隔検知部41によって検知されるシート間隔に応じて加速制御を行う制御時間Tcを決定する。そしてシート間隔制御部42は、加速制御を開始してから制御時間Tcが経過するまでシート9の搬送速度を所定速度Vpよりも上昇させた状態を保持し、制御時間Tcが経過したタイミングでシート9の搬送速度を再び所定速度Vpに戻す。このような制御時間Tcは、シート間隔が狭くなるほど、長い時間に設定される。
例えば図12に示すように、シート間隔制御部42は、加速制御の実行中においてシート9の搬送速度を所定速度Vpよりも高い所定の速度Vrに変化させ、その速度Vrを保持することにより、シート9の高速搬送を行う。例えば、速度Vrは、速度Vpの1.5倍又は2倍程度の速度とすれば良い。これにより、先のシート9に対する後のシート9の間隔が狭くなるため、スループットの低下を抑制することができる。
上記のようにシート間隔制御部42によって加速制御が行われると、上記各実施形態で説明した減速制御の場合と同様に、その加速制御が通紙時間Tbに影響を与える。そのため、加速制御が行われたときの通紙時間Tbを、加速制御が行われなかったときの通紙時間Tbと同様に取り扱うことができない。そこで、本実施形態の摩耗検知部52は、シート間隔制御部42によって加速制御が行われていないときに速度測定部51によって測定される通紙時間Tbに基づいて給紙機構2aの摩耗劣化状態を判定する。これにより、給紙機構2aの摩耗劣化状態を正確に検知することができるようになる。
尚、本実施形態において上述した構成及び動作以外の点は、第1実施形態で説明したものと同様である。また、本実施形態においても、第2実施形態で説明したように印刷ジョブの実行を開始してから1枚目のシートが給紙されたときに測定される通紙時間Tbを用いて給紙機構2aの摩耗劣化状態を判定する手法を採用しても良い。
また、第3実施形態で説明したように、シート間隔制御部42による加速制御の実行率Rが所定値以上となった場合に、シート間隔制御部42による加速制御の実行を禁止し、加速制御の実行を禁止しているときに速度測定部51によって測定される通紙時間Tbに基づいて給紙機構2aの摩耗劣化状態を検知する手法を採用するようにしても良い。尚、本実施形態の画像形成装置1に、第3実施形態で説明した手法を適用する場合、給紙タイミングを遅延させる処理は行う必要がない。
(第5実施形態)
次に本発明の第5実施形態について説明する。上記第1乃至第4実施形態では、シート間隔制御部42による制御が行われていないときに速度測定部51によって測定される通紙時間Tbに基づいて給紙機構2aの摩耗劣化状態を検知する例を説明した。本実施形態では、シート間隔制御部42による制御が行われているときに速度測定部51によって測定される通紙時間Tbも利用して給紙機構2aの摩耗劣化状態を検知する形態について説明する。
図13は、第5実施形態におけるコントローラ7のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態のコントローラ7は、摩耗劣化検出部50において、第1摩耗検知部52aと、第2摩耗検知部52bとの2つの摩耗検知部が機能する点が上述した各実施形態と異なる。
また本実施形態では、RAM32の基準速度記憶領域32aに格納される基準速度情報37に、第1基準速度37aと、第2基準速度37bとが記録される。第1基準速度37aは、給紙ローラ12が摩耗していない状態において、シート間隔制御部42による制御が行われることなく給紙されるシート9の搬送速度の基準値を示す情報である。この第1基準速度37aには、給紙ローラ12が摩耗していない状態において、シート間隔制御部42による制御が行われることなく、シート9が一定の搬送速度で搬送されるときに給紙センサー16の位置を通過してから通紙センサー17の位置を通過するのに要する通紙時間の基準値が記録される。これに対し、第2基準速度37bは、給紙ローラ12が摩耗していない状態において、シート9の給紙中に、シート間隔制御部42による制御が行われた場合のシート9の搬送速度の基準値を示す情報である。この第2基準速度37bには、第1基準速度37aに記録される速度とは異なる速度であって、第1基準速度37aに記録される速度よりも遅い速度の基準値が記録される。例えば、第2基準速度37bには、給紙ローラ12が摩耗していない状態において、給紙動作中に、シート間隔制御部42による制御が行われたときに給紙センサー16の位置を通過してから通紙センサー17の位置を通過するのに要する通紙時間の基準値が記録される。このように本実施形態の画像形成装置1は、シート間隔制御部42による制御が行われないときの基準値と、シート間隔制御部42による制御が行われるときの基準値とをそれぞれ区別して保持するように構成される。
また本実施形態では、RAM32の測定速度記憶領域32bに格納される測定情報39に、第1測定情報39aと、第2測定情報39bとが記録される。第1測定情報39aは、速度測定部51によって測定される通紙時間Tbのうち、シート9の給紙動作中にシート間隔制御部42による制御が行われなかったときの通紙時間Tbを記録する情報である。これに対し、第2測定情報39bは、速度測定部51によって測定された通紙時間Tbのうち、シート9の給紙動作中にシート間隔制御部42による制御が行われたときの通紙時間Tbを記録する情報である。このように本実施形態の画像形成装置1は、シート間隔制御部42による制御が行われないときの測定値と、シート間隔制御部42による制御が行われるときの測定値とをそれぞれ区別して記憶するように構成される。
第1摩耗検知部52aは、シート間隔制御部42による減速制御又は加速制御などの変速制御が行われていないときに速度測定部51によって測定される通紙時間Tbに基づいて給紙機構2aの摩耗劣化状態を検知する処理部である。すなわち、この第1摩耗検知部52aは、第1乃至第4実施形態で説明した摩耗検知部52と同じ機能を有するものである。第1摩耗検知部52aは、シート9の給紙中にシート間隔制御部42による制御が行われなかった場合に機能する。そして第1摩耗検知部52aは、第1測定情報39aに所定回数分(例えば100回分)の通紙時間Tbが格納されたか否かを判断し、所定回数分の通紙時間Tbが格納された場合にそれら所定回数分の通紙時間Tbの平均値を算出し、その平均値と第1基準速度37aに記録されている通紙時間の基準値とを比較することにより、給紙機構2aの摩耗劣化状態を検知する。
一方、第2摩耗検知部52bは、シート間隔制御部42による減速制御又は加速制御などの変速制御が行われているときに速度測定部51によって測定される通紙時間Tbに基づいて給紙機構2aの摩耗劣化状態を検知する処理部である。この第2摩耗検知部52bは、シート9の給紙中にシート間隔制御部42による制御が行われた場合に機能する。そして第2摩耗検知部52bは、第2測定情報39bに所定回数分(例えば100回分)の通紙時間Tbが格納されたか否かを判断し、所定回数分の通紙時間Tbが格納された場合にそれら所定回数分の通紙時間Tbの平均値を算出し、その平均値と第2基準速度37bに記録されている通紙時間の基準値とを比較することにより、給紙機構2aの摩耗劣化状態を検知する。
このように本実施形態の画像形成装置1は、シート間隔制御部42による制御が行われた場合と行われなかった場合とで異なる検知処理を行うことにより、シート間隔制御部42による制御が行われた場合であっても通紙時間Tbに基づいて給紙機構2aの摩耗劣化状態を適切に検知できるようにしている。
図14は、第5実施形態の画像形成装置1において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、第1実施形態において説明した図6のフローチャートに代わる処理手順を示している。また、このフローチャートにおいて、ステップS90~S99で行われる処理は、図6のステップS10~S19で行われる処理と同様である。すなわち、コントローラ7は、給紙タイミングであることを検知すると、シート9の給紙を開始して給紙時間Taを測定し、シート間隔が所定間隔よりも狭い場合に減速制御を行う。ただし、シート間隔が所定間隔以上であれば、減速制御は行わない。そして給紙されたシート9が通紙センサー17によって検知されると(ステップS98でYES)、コントローラ7は、シート9の搬送速度の測定を終了する(ステップS99)。すなわち、コントローラ7は、シート9の搬送速度と相関のある通紙時間Tbの測定を終了するのである。
速度測定部51は、通紙時間Tbの測定を終了すると、その測定中に、シート間隔制御部42による減速制御が行われたか否かを判断する(ステップS100)。その結果、減速制御が行われていない場合(ステップS100でNO)、速度測定部51は、第1摩耗検知部52aを機能させる。そして第1摩耗検知部52aは、第1摩耗劣化検出処理を行う(ステップS101)。この第1摩耗劣化検出処理(ステップS101)の詳細は、図7に示したフローチャートと基本的に同じである。つまり、第1摩耗検知部52aは、第1測定情報39aに対して速度測定部51によって測定された通紙時間Tbを所定回数分蓄積し、所定回数分の通紙時間Tbが蓄積された時点で所定回数分の通紙時間Tbの平均値を算出し、その平均値を第1基準速度37aの基準値と比較することにより給紙機構2aの摩耗判定を行う。その結果、給紙機構2aが摩耗していると判断すると、摩耗検知部52は、摩耗警告処理を行い、ユーザーに対して給紙機構2aの交換作業を行うことを促す。
一方、通紙時間Tbの測定中に、減速制御が行われた場合(ステップS100でYES)、速度測定部51は、第2摩耗検知部52bを機能させる。そして第2摩耗検知部52bは、第2摩耗劣化検出処理を行う(ステップS102)。この第2摩耗劣化検出処理(ステップS102)の詳細も、図7に示したフローチャートと基本的に同じである。つまり、第2摩耗検知部52bは、第2測定情報39bに対して速度測定部51によって測定された通紙時間Tbを所定回数分蓄積し、所定回数分の通紙時間Tbが蓄積された時点で所定回数分の通紙時間Tbの平均値を算出し、その平均値を第2基準速度37bの基準値と比較することにより給紙機構2aの摩耗判定を行う。その結果、給紙機構2aが摩耗していると判断すると、摩耗検知部52は、摩耗警告処理を行い、ユーザーに対して給紙機構2aの交換作業を行うことを促す。
このように本実施形態の画像形成装置1は、シート間隔制御部42による制御が行われなかった場合だけでなく、シート間隔制御部42による制御が行われた場合の通紙時間Tbも収集して給紙機構2aの摩耗劣化状態を検知する構成である。ただし、本実施形態の画像形成装置1は、シート間隔制御部42による制御が行われなかった場合に測定された通紙時間Tbと、シート間隔制御部42による制御が行われた場合に測定された通紙時間Tbとをそれぞれ異なる取り扱いにしている。そのため、シート間隔制御部42による制御が行われなかった場合の通紙時間Tbに基づいて給紙機構2aの摩耗劣化状態を適切に検知することができると共に、シート間隔制御部42による制御が行われた場合の通紙時間Tbに基づいて給紙機構2aの摩耗劣化状態を適切に検知することもできるのである。このような構成によれば、例えばシート間隔制御部42による制御の実行率Rが極めて高い状態となったとしても、シート間隔制御部42による制御を禁止することなく、給紙機構2aの摩耗劣化状態を適切に判定することができるという利点がある。
ところで、シート間隔制御部42による減速制御が行われる場合、制御時間Tcは常に一定ではなく、例えばシート間隔検知部41によって検知されるシート間隔に応じて変動する。図15は、シート間隔制御部42によって減速制御が行われる場合の制御時間Tcの一例を示す図である。例えばシート間隔検知部41は、給紙時間Taを予め定められている適正時間Txと比較し、その時間差ΔT(ΔT=Ta-Tx)を算出する。この時間差ΔTが負の値となれば、シート間隔が所定間隔よりも狭いため、シート間隔制御部42による減速制御が行われることになる。このとき、シート間隔制御部42は、時間差ΔTの値に応じて複数の減速制御のうちから一の減速制御を選択し、その選択した減速制御を実行する。例えば、時間差ΔTが0>ΔT≧-40msである場合、シート間隔制御部42は、制御時間Tcを20msとする第1制御を選択する。また、時間差ΔTが-40ms>ΔT≧-80msである場合、シート間隔制御部42は、制御時間Tcを60msとする第2制御を選択する。さらに、時間差ΔTが-80ms>ΔTである場合、シート間隔制御部42は、制御時間Tcを100msとする第3制御を選択する。このようにシート間隔制御部42は、減速制御を行うとき、複数の減速制御のうちからシート間隔に応じた一の減速制御を選択し、制御時間Tcをシート間隔に応じて変化させる。
上記のようにシート間隔制御部42による減速制御において制御時間Tcがシート間隔に応じて変化する場合、速度測定部51によって測定される通紙時間Tbは、制御時間Tcの影響を受ける。そのため、シート間隔制御部42による減速制御が行われたときに測定された通紙時間Tbを全て一律に処理することができない。そこで、第2基準速度37bには、シート間隔制御部42によって行われる複数の減速制御のそれぞれに対応する複数の判定基準値を予め格納しておくことが好ましい。
図16は、第2基準速度37bに予め格納される複数の判定基準値の一例を示す図である。図16に示すように、第2基準速度37bは、減速制御として第1制御が行われた場合の判定基準値として例えば510msを保持し、第2制御が行われた場合の判定基準値として例えば530msを保持し、さらに第3制御が行われた場合の判定基準値として例えば550msを保持している。このように第2基準速度37bとして、予め複数の判定基準値を保持しておくことにより、第2摩耗検知部52bは、シート間隔制御部42によって行われた減速制御の種類に応じて複数の判定基準値のうちから適切な一の判定基準値を選択して読み出すことができる。そして第2摩耗検知部52bは、速度測定部51によって測定される通紙時間Tbを、その選択した一の判定基準値と比較することにより、給紙機構2aの摩耗劣化状態を適切に検知することができるようになる。
このように本実施形態の画像形成装置1は、シート間隔制御部42による減速制御が行われているときに速度測定部51によって測定される通紙時間Tbに基づいて給紙機構2aの摩耗劣化状態を検知する構成である。このような構成を備えることにより、シート間隔制御部42による減速制御がほぼ毎回行われるような状態であったとしても、減速制御を禁止することなく、給紙機構2aの摩耗劣化状態を検知することができるという利点がある。
尚、上記においては、主として、シート間隔制御部42によって減速制御が行われる場合について説明した。しかし、本実施形態においてシート間隔制御部42により行われる制御は、減速制御に限られるものではなく、加速制御であっても構わない。また、シート間隔制御部42は、シート間隔を常に一定の間隔に調整できるようにするために減速制御と加速制御との双方を行うものであっても構わない。
また、本実施形態において上述した点以外の構成及び動作については、第1乃至第4実施形態で説明したものと同様である。
(変形例)
以上、本発明に関する幾つかの実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記各実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば上記実施形態では、画像形成装置1がプリンタである場合を例示した。しかし、画像形成装置1は、プリンタに限られるものではなく、例えばMFPなどのように複数の機能を搭載した装置であっても構わない。また、上述した給紙装置1aは、画像形成装置1に搭載されるものに限られない。例えば、上述した給紙装置1aは、給紙機構2aがシート9を1枚ずつ給紙する際に給紙機構2aの摩耗劣化状態を検知することができる装置である。そのため、給紙機構2aによって給紙されるシート9に対して画像形成が行われることは必須ではない。それ故、上述した給紙装置1aは、画像形成装置1以外の装置にも適用可能である。
また上記実施形態では、CPU30によって実行されるプログラム36が予めROM31に格納されている場合を例示した。しかし、プログラム36は、例えば通信インタフェース35などを介して画像形成装置1にインストールされるものであっても構わない。この場合、プログラム36は、インターネットなどを介してダウンロード可能な態様で提供されるものであっても良いし、また、CD-ROMやUSBメモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された態様で提供されるものであっても構わない。
1 画像形成装置(給紙装置)
1a 給紙装置
2a 給紙機構(給紙手段)
8 給紙トレイ(トレイ)
9 シート
12 給紙ローラ(給紙手段)
30a ジョブ制御部
36 プログラム
40 給紙制御部
41 シート間隔検知部(シート間隔検知手段)
42 シート間隔制御部(シート間隔制御手段)
50 摩耗劣化検出部
51 速度測定部(速度測定手段)
52 摩耗検知部(第1摩耗検知手段)
52a 第1摩耗検知部(第1摩耗検知手段)
52b 第2摩耗検知部(第2摩耗検知手段)
53 変速制御規制部(規制手段)

Claims (13)

  1. 複数枚のシートを格納するトレイと、
    前記トレイに格納されたシートを給紙する給紙手段と、
    前記給紙手段によって給紙されるシートの搬送速度を測定する速度測定手段と、
    前記速度測定手段によって測定される搬送速度を第1基準速度と比較して前記給紙手段の摩耗を検知する第1摩耗検知手段と、
    前記給紙手段によって先のシートに続いて後のシートが給紙されるとき、先のシートと後のシートとのシート間隔を検知するシート間隔検知手段と、
    前記シート間隔検知手段によって検知されるシート間隔に基づいてシートの搬送速度を所定の速度から変化させる制御を行うことにより、先のシートと後のシートとのシート間隔を補正するシート間隔制御手段と、
    を備え、
    前記第1摩耗検知手段は、前記シート間隔制御手段によるシートの搬送速度を変化させる制御が行われていないときに前記速度測定手段によって測定された搬送速度に基づいて前記給紙手段の摩耗を検知することを特徴とする給紙装置。
  2. 前記第1摩耗検知手段は、前記シート間隔制御手段によるシートの搬送速度を変化させる制御が行われているときに前記速度測定手段によって測定された搬送速度を、前記給紙手段の摩耗を検知する際に用いないことを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
  3. 前記第1摩耗検知手段は、前記給紙手段によってジョブの1枚目のシートが給紙されたときに前記速度測定手段によって測定された搬送速度に基づいて前記給紙手段の摩耗を検知することを特徴とする請求項1又は2に記載の給紙装置。
  4. 前記シート間隔制御手段によるシートの搬送速度を変化させる制御の実行率が所定値以上となった場合に、前記シート間隔制御手段によるシートの搬送速度を変化させる制御の実行を禁止する規制手段、
    を更に備え、
    前記第1摩耗検知手段は、前記規制手段によって前記シート間隔制御手段によるシートの搬送速度を変化させる制御の実行が禁止されているときに前記速度測定手段によって測定された搬送速度に基づいて前記給紙手段の摩耗を検知することを特徴とする請求項1又は2に記載の給紙装置。
  5. 前記速度測定手段によって測定される搬送速度を第2基準速度と比較して前記給紙手段の摩耗を検知する第2摩耗検知手段、
    を更に備え、
    前記第2摩耗検知手段は、前記シート間隔制御手段によるシートの搬送速度を変化させる制御が行われているときに前記速度測定手段によって測定された搬送速度に基づいて前記給紙手段の摩耗を検知することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の給紙装置。
  6. 前記第2基準速度は、前記第1基準速度とは異なる速度であることを特徴とする請求項5に記載の給紙装置。
  7. 前記第2摩耗検知手段は、前記第2基準速度として複数の判定基準値を保持しており、前記シート間隔制御手段によって行われる制御に応じて前記複数の判定基準値のうちから一の判定基準値を選択し、前記速度測定手段によって測定される搬送速度を前記一の判定基準値と比較することを特徴とする請求項5又は6に記載の給紙装置。
  8. 前記シート間隔制御手段は、前記シート間隔検知手段によって検知されるシート間隔が所定の間隔よりも狭いとき、シートの搬送速度を前記所定の速度よりも遅い速度に変化させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の給紙装置。
  9. 前記シート間隔制御手段は、前記シート間隔検知手段によって検知されるシート間隔が所定の間隔よりも狭いとき、シートの搬送を一時停止させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の給紙装置。
  10. 前記シート間隔制御手段は、前記シート間隔検知手段によって検知されるシート間隔が所定の間隔よりも広いとき、シートの搬送速度を前記所定の速度よりも速い速度に変化させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の給紙装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の給紙装置と、
    前記給紙装置によって給紙されるシートに対して画像形成を行う画像形成手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  12. 複数枚のシートを格納するトレイと、
    前記トレイに格納されたシートを給紙する給紙手段と、
    を備える給紙装置において、前記給紙手段の摩耗劣化を検知する摩耗検知方法であって、
    前記給紙手段によって給紙されるシートの搬送速度を測定する速度測定ステップと、
    前記速度測定ステップによって測定される搬送速度を基準速度と比較して前記給紙手段の摩耗を検知する摩耗検知ステップと、
    前記給紙手段によって先のシートに続いて後のシートが給紙されるとき、先のシートと後のシートとのシート間隔を検知するシート間隔検知ステップと、
    前記シート間隔検知ステップによって検知されるシート間隔に基づいてシートの搬送速度を所定の速度から変化させる制御を行うことにより、先のシートと後のシートとのシート間隔を補正するシート間隔制御ステップと、
    を有し、
    前記摩耗検知ステップは、前記シート間隔制御ステップによるシートの搬送速度を変化させる制御が行われていないときに前記速度測定ステップによって測定された搬送速度に基づいて前記給紙手段の摩耗を検知することを特徴とする摩耗検知方法。
  13. 複数枚のシートを格納するトレイと、
    前記トレイに格納されたシートを給紙する給紙手段と、
    を備える給紙装置において実行されるプログラムであって、前記給紙装置に、
    前記給紙手段によって給紙されるシートの搬送速度を測定する速度測定ステップと、
    前記速度測定ステップによって測定される搬送速度を基準速度と比較して前記給紙手段の摩耗を検知する摩耗検知ステップと、
    前記給紙手段によって先のシートに続いて後のシートが給紙されるとき、先のシートと後のシートとのシート間隔を検知するシート間隔検知ステップと、
    前記シート間隔検知ステップによって検知されるシート間隔に基づいてシートの搬送速度を所定の速度から変化させる制御を行うことにより、先のシートと後のシートとのシート間隔を補正するシート間隔制御ステップと、
    を実行させ、
    前記摩耗検知ステップは、前記シート間隔制御ステップによるシートの搬送速度を変化させる制御が行われていないときに前記速度測定ステップによって測定された搬送速度に基づいて前記給紙手段の摩耗を検知することを特徴とするプログラム
JP2019038231A 2019-03-04 2019-03-04 給紙装置、画像形成装置、摩耗検知方法及びプログラム Active JP7275663B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019038231A JP7275663B2 (ja) 2019-03-04 2019-03-04 給紙装置、画像形成装置、摩耗検知方法及びプログラム
US16/787,100 US20200285184A1 (en) 2019-03-04 2020-02-11 Sheet feeder, image forming device, wear detection method and non-transitory recording medium
CN202010135332.6A CN111650822A (zh) 2019-03-04 2020-03-02 供纸装置、图像形成装置、磨损检测方法及存储介质

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019038231A JP7275663B2 (ja) 2019-03-04 2019-03-04 給紙装置、画像形成装置、摩耗検知方法及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020142865A JP2020142865A (ja) 2020-09-10
JP7275663B2 true JP7275663B2 (ja) 2023-05-18

Family

ID=72335169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019038231A Active JP7275663B2 (ja) 2019-03-04 2019-03-04 給紙装置、画像形成装置、摩耗検知方法及びプログラム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20200285184A1 (ja)
JP (1) JP7275663B2 (ja)
CN (1) CN111650822A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7206646B2 (ja) * 2018-06-12 2023-01-18 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 シート搬送装置及び画像形成システム
DE102022110168B3 (de) * 2022-04-27 2023-05-17 Heidelberger Druckmaschinen Aktiengesellschaft Funktionsüberwachung von Transportbändern in der Druckmaschine

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000118789A (ja) 1998-10-20 2000-04-25 Canon Inc ロ−ラ部材診断装置及び画像処理装置
JP2001341894A (ja) 2000-05-30 2001-12-11 Canon Inc 給紙装置及びこれを備えた画像形成装置
JP2008137780A (ja) 2006-12-02 2008-06-19 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置
JP2018100181A (ja) 2016-12-21 2018-06-28 キヤノン株式会社 画像形成装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04266351A (ja) * 1991-02-19 1992-09-22 Canon Inc 画像形成装置
JPH11165906A (ja) * 1997-11-28 1999-06-22 Fuji Xerox Co Ltd 用紙搬送装置
JP2004239976A (ja) * 2003-02-03 2004-08-26 Canon Inc 画像形成装置
JP2008169039A (ja) * 2006-12-13 2008-07-24 Canon Inc 画像形成装置及び記録媒体供給方法
JP2011063359A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Kyocera Mita Corp 画像形成装置
JP2016185831A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 用紙搬送装置、画像処理装置及び用紙搬送方法
US10035673B2 (en) * 2015-06-19 2018-07-31 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus for forming image on conveyed sheet
JP6686841B2 (ja) * 2016-10-27 2020-04-22 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 給紙搬送装置及び画像形成装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000118789A (ja) 1998-10-20 2000-04-25 Canon Inc ロ−ラ部材診断装置及び画像処理装置
JP2001341894A (ja) 2000-05-30 2001-12-11 Canon Inc 給紙装置及びこれを備えた画像形成装置
JP2008137780A (ja) 2006-12-02 2008-06-19 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置
JP2018100181A (ja) 2016-12-21 2018-06-28 キヤノン株式会社 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020142865A (ja) 2020-09-10
CN111650822A (zh) 2020-09-11
US20200285184A1 (en) 2020-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9885989B2 (en) Image forming apparatus for controlling a color density of an image on a continous recording medium
JP7273640B2 (ja) 画像形成装置
US20150338808A1 (en) Image forming apparatus
JP7275663B2 (ja) 給紙装置、画像形成装置、摩耗検知方法及びプログラム
US7946776B2 (en) Medium feed control method for preventing overlap-feed of recording media
US11142418B2 (en) Image forming device, paper feeding mechanism deterioration determining method and non-transitory recording medium
US9602690B2 (en) Image forming system, image forming apparatus and post processing apparatus
US20060088344A1 (en) Image forming device
JP2008310123A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
US20090267294A1 (en) Image forming apparatus and method for conveying recording material
US10795288B2 (en) Image forming apparatus with controller controlling fixing and transfer members
JP7234546B2 (ja) 画像形成装置及びトナーパッチ形成方法
US20040037600A1 (en) Image forming apparatus
JP6907682B2 (ja) 画像形成システム及び画像形成システムの制御方法
JP6015697B2 (ja) 画像形成装置
JP2005024667A (ja) 画像形成装置
JP7180366B2 (ja) 画像形成装置、画像形成システム及び劣化検出方法
US11835899B2 (en) Image forming apparatus with setting feed interval between recording materials based on received image signal
JP2007062947A (ja) 画像形成装置
JP2008276015A (ja) 画像形成装置及びその制御方法
JP2007199288A (ja) 画像形成装置
JP2007199343A (ja) 定着装置
JP2024012897A (ja) 画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成装置の制御プログラム
JP2023008372A (ja) 画像形成装置、制御方法およびプログラム
JP2021187589A (ja) 給紙搬送装置、給紙搬送方法、給紙搬送プログラムおよび画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230417

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7275663

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150