JP7275013B2 - 自動走行システム - Google Patents

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Description

本発明は、圃場の植立穀稈を刈り取る刈取部を有するコンバインの自動走行を管理する自動走行システムに関する。
特許文献1には、自動走行が可能なコンバインの発明が記載されている。このコンバインを利用した収穫作業において、オペレータは、収穫作業の最初にコンバインを手動で操作し、圃場内の外周部分を一周するように刈取走行を行う。
この外周部分での走行において、コンバインの走行すべき方位が記録される。そして、記録された方位に基づく自動走行によって、圃場における未刈領域での刈取走行が行われる。
実開平2-107911号公報
特許文献1には、自動走行のための目標走行経路の算出については詳述されていない。ここで、特許文献1に記載のコンバインにおいて、平面視において縦横に延びる格子状の目標走行経路が算出されると共に、縦方向に延びる目標走行経路同士の間隔と、横方向に延びる目標走行経路同士の間隔と、が同一である構成が考えられる。
この構成において、縦方向に延びる目標走行経路が条方向に沿うように、目標走行経路を算出することが考えられる。これにより、縦方向に延びる目標走行経路を、条方向経路として利用できる。また、横方向に延びる目標走行経路を、横方向経路として利用できる。
尚、条方向経路とは、条方向の目標走行経路である。また、横方向経路とは、条方向に交差する方向の目標走行経路である。
しかしながら、一般に、条間と株間とは互いに異なる。そのため、条方向経路同士の適切な間隔と、横方向経路同士の適切な間隔と、は互いに異なる。
そのため、上述のように目標走行経路が算出される構成では、条方向経路同士の間隔、あるいは、横方向経路同士の間隔が、適切ではない間隔になる事態が想定される。
本発明の目的は、条方向経路同士の間隔、及び、横方向経路同士の間隔が適切な間隔になりやすい自動走行システムを提供することである。
本発明の特徴は、圃場の植立穀稈を刈り取る刈取部を有するコンバインの自動走行を管理する自動走行システムであって、前記コンバインは、圃場における外周領域で周回走行を行った後、前記外周領域よりも圃場内側の領域である作業対象領域において自動走行を実行可能に構成されており、前記コンバインの自動走行のための目標走行経路を算出する経路算出部を備え、前記経路算出部は、平行に並ぶ複数の条方向経路と、平行に並ぶ複数の横方向経路と、を算出するように構成されており、各前記条方向経路は、条方向の前記目標走行経路であり、各前記横方向経路は、条方向に交差する方向の前記目標走行経路であり、前記経路算出部は、前記複数の条方向経路が前記作業対象領域において所定の第1間隔で平行に並ぶように、前記複数の条方向経路を算出するように構成されており、前記経路算出部は、前記複数の横方向経路が前記作業対象領域において所定の第2間隔で平行に並ぶように、前記複数の横方向経路を算出するように構成されており、前記経路算出部は、前記第1間隔を前記コンバインの刈取条数に基づいて決定し、且つ、前記第2間隔を前記コンバインの刈幅に基づいて決定し、互いに隣接する2つの前記横方向経路である隣接経路のうちの一方に沿って前記コンバインが走行する際の前記刈取部の通過領域と、前記隣接経路のうちの他方に沿って前記コンバインが走行する際の前記刈取部の通過領域と、の重複幅を設定可能な幅設定部を備え、前記幅設定部は、人為操作可能であり、前記重複幅が所定の幅よりも小さい場合における前記重複幅による前記コンバインの自動走行への影響を報知する報知部を備えることにある。
本発明であれば、条方向経路同士の間隔と、横方向経路同士の間隔と、を互いに独立して決定することができる。そのため、条方向経路同士の間隔、及び、横方向経路同士の間隔が適切な間隔になりやすい。
従って、本発明であれば、条方向経路同士の間隔、及び、横方向経路同士の間隔が適切な間隔になりやすい自動走行システムを実現できる。
また、コンバインの刈取条数が多いほど、条方向経路同士の適切な間隔は広くなる。また、コンバインの刈幅が広いほど、横方向経路同士の適切な間隔は広くなる。
ここで、上記の構成によれば、条方向経路同士の間隔は、コンバインの刈取条数に基づいて決定される。また、横方向経路同士の間隔は、コンバインの刈幅に基づいて決定される。これにより、条方向経路同士の間隔、及び、横方向経路同士の間隔が、適切な広さに決定されやすい。
また、隣接経路のうちの一方に沿ってコンバインが走行する際の刈取部の通過領域と、隣接経路のうちの他方に沿ってコンバインが走行する際の刈取部の通過領域と、の重複幅が比較的狭い状態で自動走行が行われる場合、自動走行の制御誤差によって、これら2つの通過領域が重複しない箇所が部分的に生じる事態が想定される。この場合、刈残しが生じてしまう。
また、これら2つの通過領域の重複幅が比較的広い状態で自動走行が行われる場合、これら2つの通過領域が重複しない箇所は生じにくい。しかしながら、この場合、圃場全体の刈取作業が完了するまでに、比較的多くの時間を要することとなりがちである。
ここで、上記の構成によれば、これら2つの通過領域の重複幅を、制御誤差の起こりやすさや、圃場の状態等、実際の刈取作業の状況に応じて設定することが可能となる。即ち、上記の構成によれば、状況に応じた適切な重複幅を設定することが可能となる。
また、この構成によれば、オペレータは、自身の好みに応じて、重複幅を設定することができる。しかも、この構成によれば、重複幅が所定の幅よりも小さい場合における重複幅によるコンバインの自動走行への影響が報知される。そのため、オペレータが、重複幅を比較的小さい幅に設定することによって自動走行にどのような影響が及ぶかを知らずに、重複幅を設定してしまう事態を回避できる。
コンバインの左側面図である。 通過基準位置と条方向経路との位置関係を示す図である。 刈取走行経路に沿った渦巻き走行を示す図である。 刈取走行経路に沿った往復走行を示す図である。 制御部に関する構成を示すブロック図である。 中割走行を示す図である。 北側領域における条方向経路の位置がシフト算出部によって改めて算出される前の状態を示す図である。 北側領域における条方向経路の位置がシフト算出部によって改めて算出された後の状態を示す図である。 南側領域における条方向経路の位置がシフト算出部によって改めて算出される前の状態を示す図である。 南側領域における条方向経路の位置がシフト算出部によって改めて算出された後の状態を示す図である。 作業領域における条方向経路の位置がシフト算出部によって改めて算出される前の状態を示す図である。 作業領域における条方向経路の位置がシフト算出部によって改めて算出された後の状態を示す図である。 経路算出部により算出された刈取走行経路を示す図である。 タッチパネルにおける表示画面を示す図である。 タッチパネルにおける表示画面を示す図である。 刈取走行経路に沿った渦巻き走行を示す図である。 渦巻き走行における第1経路に沿う刈取走行が完了した時点でコンバインの走行が往復走行に移行する場合の例を示す図である。 渦巻き走行における第3経路に沿う刈取走行が完了した時点でコンバインの走行が往復走行に移行する場合の例を示す図である。 重複領域を示す図である。 重複幅設定画面を示す図である。
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、前後の方向について以下のように記載している。即ち、機体の作業走行時における前進側の進行方向が「前」であり、後進側の進行方向が「後」である。そして、前後方向での前向き姿勢を基準として右側に相当する方向が「右」であり、左側に相当する方向が「左」である。
また、図1に関する説明においては、矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」とする。
また、図2から図4、図6から図13、図16から図18に示す矢印Nの方向を「北」、矢印Sの方向を「南」として、矢印Eの方向を「東」、矢印Wの方向を「西」とする。
〔コンバインの全体構成〕
図1に示すように、自脱型のコンバイン1は、複数のデバイダ5、クローラ式の走行装置11、運転部12、脱穀装置13、穀粒タンク14、刈取部H、藁排出装置17、穀粒排出装置18、衛星測位モジュール80を備えている。
走行装置11は、コンバイン1における下部に備えられている。また、走行装置11は、エンジン(図示せず)からの動力によって駆動する。そして、コンバイン1は、走行装置11によって自走可能である。
また、運転部12、脱穀装置13、穀粒タンク14は、走行装置11の上側に備えられている。運転部12には、コンバイン1の作業を監視するオペレータが搭乗可能である。尚、オペレータは、コンバイン1の機外からコンバイン1の作業を監視していても良い。
穀粒排出装置18は、穀粒タンク14に接続している。また、衛星測位モジュール80は、運転部12の上面に取り付けられている。
複数のデバイダ5は、コンバイン1における前端部に備えられている。
図2に示すように、コンバイン1は、第1デバイダ51、第2デバイダ52、第3デバイダ53、第4デバイダ54、第5デバイダ55、第6デバイダ56、第7デバイダ57を備えている。第1デバイダ51、第2デバイダ52、第3デバイダ53、第4デバイダ54、第5デバイダ55、第6デバイダ56、第7デバイダ57は、何れも、デバイダ5である。
これらのデバイダ5は、機体左側から、第1デバイダ51、第2デバイダ52、第3デバイダ53、第4デバイダ54、第5デバイダ55、第6デバイダ56、第7デバイダ57の順に並んでいる。
そして、これらのデバイダ5は、圃場の植立穀稈を梳き分ける。
即ち、コンバイン1は、圃場の植立穀稈を梳き分ける複数のデバイダ5を有している。
図1に示すように、刈取部Hは、コンバイン1における前部に備えられている。そして、刈取部Hは、バリカン型の切断装置15、及び、搬送装置16を有している。
切断装置15は、複数のデバイダ5によって梳き分けられた植立穀稈の株元を切断する。そして、搬送装置16は、切断装置15により切断された穀稈を後側へ搬送する。
この構成により、刈取部Hは、圃場の植立穀稈を刈り取る。コンバイン1は、刈取部Hによって圃場の植立穀稈を刈り取りながら走行装置11によって走行する刈取走行が可能である。
即ち、コンバイン1は、圃場の植立穀稈を刈り取る刈取部Hを有する。
搬送装置16により搬送された穀稈は、脱穀装置13において脱穀処理される。脱穀処理により得られた穀粒は、穀粒タンク14に貯留される。穀粒タンク14に貯留された穀粒は、必要に応じて、穀粒排出装置18によって機外に排出される。
また、藁排出装置17は、コンバイン1における後端部に備えられている。そして、藁排出装置17は、脱穀処理によって穀粒が分離された藁を機体後方に排出する。
尚、本実施形態において、藁排出装置17は、藁をカッター(図示せず)によって細断処理した後に排出することが可能である。また、藁排出装置17は、藁を細断処理せずに排出することも可能である。
また、運転部12には、通信端末4(図5参照)が配置されている。通信端末4は、種々の情報を表示可能に構成されている。本実施形態において、通信端末4は、運転部12に固定されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、通信端末4は、運転部12に対して着脱可能に構成されていても良いし、通信端末4は、コンバイン1の機外に位置していても良い。
ここで、コンバイン1は、図2に示すように圃場における外周側の領域で穀物を収穫しながら周回走行を行った後、図3及び図4に示すように圃場における内側の領域で刈取走行を行うことにより、圃場の穀物を収穫するように構成されている。
本実施形態においては、図2に示す周回走行は手動走行により行われる。また、図3及び図4に示す内側の領域での刈取走行は、自動走行により行われる。
尚、オペレータは、通信端末4を操作することにより、エンジンの回転速度を変更することができる。
作物の状態によって、適切な作業速度は異なる。オペレータが通信端末4を操作し、エンジンの回転速度を適切な回転速度に設定すれば、作物の状態に適した作業速度で作業を行うことができる。
圃場での収穫作業において、コンバイン1は、自動走行システムA(図5参照)によって制御される。即ち、自動走行システムAは、コンバイン1の自動走行を管理する。以下では、自動走行システムAの構成について説明する。
〔自動走行システムの構成〕
図5に示すように、自動走行システムAは、制御部20及び衛星測位モジュール80を備えている。尚、制御部20は、コンバイン1に備えられている。また、上述の通り、衛星測位モジュール80も、コンバイン1に備えられている。
制御部20は、自車位置算出部21、領域算出部22、経路算出部23、走行制御部24を有している。
衛星測位モジュール80は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)で用いられる人工衛星からのGPS信号を受信する。そして、図5に示すように、衛星測位モジュール80は、受信したGPS信号に基づいて、コンバイン1の自車位置を示す測位データを自車位置算出部21へ送る。
自車位置算出部21は、衛星測位モジュール80により出力された測位データに基づいて、コンバイン1の位置座標を経時的に算出する。算出されたコンバイン1の経時的な位置座標は、領域算出部22及び走行制御部24へ送られる。
領域算出部22は、自車位置算出部21から受け取ったコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、図3に示すように、外周領域SA及び作業対象領域CAを算出する。
より具体的には、領域算出部22は、自車位置算出部21から受け取ったコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、圃場の外周側における周回走行でのコンバイン1の走行軌跡を算出する。そして、領域算出部22は、算出されたコンバイン1の走行軌跡に基づいて、コンバイン1が穀物を収穫しながら周回走行した圃場の外周側の領域を外周領域SAとして算出する。また、領域算出部22は、算出された外周領域SAよりも圃場内側の領域を、作業対象領域CAとして算出する。
例えば、図2の上部においては、圃場の外周側における周回走行のためのコンバイン1の走行経路が矢印で示されている。図2に示す例では、コンバイン1は、3周の周回走行を行う。そして、この走行経路に沿った刈取走行が完了すると、圃場は、図3に示す状態となる。
図3に示すように、領域算出部22は、コンバイン1が穀物を収穫しながら周回走行した圃場の外周側の領域を外周領域SAとして算出する。また、領域算出部22は、算出された外周領域SAよりも圃場内側の領域を、作業対象領域CAとして算出する。
そして、図5に示すように、領域算出部22による算出結果は、経路算出部23へ送られる。
経路算出部23は、領域算出部22から受け取った算出結果に基づいて、図3に示すように、作業対象領域CAにおける刈取走行のための走行経路である刈取走行経路LN(本発明に係る「目標走行経路」に相当)を算出する。尚、図3に示すように、本実施形態においては、刈取走行経路LNは、縦横方向に延びる複数のメッシュ線である。また、複数のメッシュ線は直線でなくても良く、湾曲していても良い。
図5に示すように、経路算出部23により算出された刈取走行経路LNは、走行制御部24へ送られる。
走行制御部24は、走行装置11を制御可能に構成されている。そして、走行制御部24は、自車位置算出部21から受け取ったコンバイン1の位置座標と、経路算出部23から受け取った刈取走行経路LNと、に基づいて、コンバイン1の自動走行を制御する。より具体的には、走行制御部24は、図3及び図4に示すように、刈取走行経路LNに沿った自動走行によって刈取走行が行われるように、コンバイン1の走行を制御する。
即ち、コンバイン1は、自動走行可能である。また、経路算出部23は、コンバイン1の自動走行のための刈取走行経路LNを算出する。
〔コンバインによる収穫作業の流れ〕
以下では、コンバイン1による収穫作業の例として、コンバイン1が、図2に示す圃場で収穫作業を行う場合の流れについて説明する。
本実施形態において、コンバイン1は、第1収穫走行と、第2収穫走行と、によって圃場の穀物を収穫するように構成されている。尚、第1収穫走行とは、圃場の外周領域SAにおいて手動走行により行われる収穫走行である。また、第2収穫走行とは、第1収穫走行の後に外周領域SAよりも圃場内側の領域において自動走行により行われる収穫走行である。
最初に、オペレータは、コンバイン1を手動で操作し、図2に示すように、圃場内の外周部分において、圃場の境界線BDに沿って周回するように刈取走行を行う。図2に示す例では、コンバイン1は、3周の周回走行を行う。この周回走行が完了すると、圃場は、図3に示す状態となる。
領域算出部22は、自車位置算出部21から受け取ったコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、図2に示す周回走行でのコンバイン1の走行軌跡を算出する。そして、図3に示すように、領域算出部22は、算出されたコンバイン1の走行軌跡に基づいて、コンバイン1が植立穀稈を刈り取りながら周回走行した圃場の外周側の領域を外周領域SAとして算出する。また、領域算出部22は、算出された外周領域SAよりも圃場内側の領域を、作業対象領域CAとして算出する。
次に、経路算出部23は、領域算出部22から受け取った算出結果に基づいて、図3に示すように、作業対象領域CAにおける刈取走行経路LNを算出する。
そして、オペレータが自動走行開始ボタン(図示せず)を押すことにより、図3に示すように、刈取走行経路LNに沿った自動走行が開始される。このとき、走行制御部24は、刈取走行経路LNに沿った自動走行によって刈取走行が行われるように、コンバイン1の走行を制御する。
作業対象領域CAにおける自動走行が開始されると、図3に示すように、まず、コンバイン1は、作業対象領域CAにおける外周部分において、作業対象領域CAの外形に沿って周回するように刈取走行を行う。このとき、コンバイン1は、刈取走行経路LNに沿った走行と、αターンによる方向転換と、を繰り返す。これにより、コンバイン1は、作業対象領域CAの未刈領域における外周部分を渦巻き状に刈取走行する。
尚、以下では、この渦巻き状の刈取走行を、「渦巻き走行」と称する。
図3においては、αターンによる方向転換が3回しか行われていないが、αターンによる方向転換は、4回以上行われても良い。即ち、渦巻き走行は、図3に示すケースよりも長い走行距離に亘って行われても良い。例えば、渦巻き走行は、コンバイン1が2周するまで行われても良い。
渦巻き走行が完了すると、コンバイン1は、刈取走行経路LNに沿って前進しながら行われる刈取走行と、Uターンによる方向転換と、を繰り返すことにより、作業対象領域CAの未刈領域の全体を網羅するように刈取走行を行う。
尚、以下では、前進しながらの刈取走行及びUターンによる方向転換を繰り返す走行を、「往復走行」と称する。
即ち、走行制御部24は、渦巻き走行の後に往復走行に移行するように、コンバイン1の走行を制御する。
このように、自動走行システムAは、未刈領域における外周部分を渦巻き状に刈取走行する渦巻き走行と、前進しながらの刈取走行及びUターンによる方向転換を繰り返す往復走行と、が行われるようにコンバイン1の走行を制御する走行制御部24を備えている。
また、自動走行システムAは、渦巻き走行及び往復走行のための刈取走行経路LNを算出する経路算出部23を備えている。
また、渦巻き走行及び往復走行は、上述の第2収穫走行に含まれている。即ち、自動走行システムAは、第2収穫走行のための刈取走行経路LNを算出する経路算出部23を備えている。
コンバイン1により刈取走行が行われている間、上述の通り、切断装置15により刈り取られた刈取穀稈は、搬送装置16によって脱穀装置13へ搬送される。そして、脱穀装置13において、刈取穀稈は脱穀処理される。
〔条方向経路の算出に関する構成〕
図3及び図4に示すように、刈取走行経路LNは、複数の条方向経路LAと、複数の横方向経路LBと、を含んでいる。各条方向経路LAは、上述の第2収穫走行のための条方向の刈取走行経路LNである。また、各横方向経路LBは、第2収穫走行のための条方向に交差する方向の刈取走行経路LNである。
即ち、経路算出部23は、条方向に沿う自動走行のための複数の条方向経路LAを算出する。また、経路算出部23は、条方向に交差する方向の自動走行のための複数の横方向経路LBを算出する。
即ち、自動走行システムAは、条方向に沿う自動走行のための条方向経路LAを算出する経路算出部23を備えている。
尚、横方向経路LBは、条方向経路LAに直交していても良いし、直交していなくても良い。
また、図5に示すように、制御部20は、通過基準位置算出部25を有している。衛星測位モジュール80は、受信したGPS信号に基づいて、コンバイン1の自車位置を示す測位データを通過基準位置算出部25へ送る。
通過基準位置算出部25は、衛星測位モジュール80により出力された測位データに基づいて、通過基準位置を算出する。通過基準位置とは、上述の第1収穫走行における条方向での収穫走行においてコンバイン1の所定部位が通過した位置である。
また、本実施形態において、この所定部位は、第1デバイダ51である。従って、本実施形態において、通過基準位置算出部25は、衛星測位モジュール80により出力された測位データに基づいて、上述の第1収穫走行における条方向での収穫走行において第1デバイダ51が通過した位置を算出する。
尚、本発明はこれに限定されず、所定部位は、第7デバイダ57であっても良い。
即ち、所定部位は、複数のデバイダ5のうちの左端または右端に位置するデバイダ5である。
例えば、図2の下部には、コンバイン1が第1収穫走行における条方向での収穫走行を行っている様子が示されている。ここでは、コンバイン1は、圃場の北部において、第1収穫走行における最後の1周を走行している。また、図2に示す圃場では、条方向は、東西方向である。
図2の下部には、通過ラインPが示されている。通過ラインPは、第1デバイダ51の通過位置である。即ち、この例においては、通過ラインPの位置が、通過基準位置算出部25により算出される通過基準位置である。
図5に示すように、通過基準位置算出部25により算出された通過基準位置は、経路算出部23へ送られる。
経路算出部23は、通過基準位置算出部25により算出された通過基準位置に基づいて、条方向経路LAを算出する。
詳述すると、経路算出部23は、図2に示すように、作業対象領域CAにおける最も北側に位置する条方向経路LAの位置を、通過基準位置から第1距離DFだけ離れた位置に決定する。即ち、複数の条方向経路LAのうち、最も北側に位置する条方向経路LAは、通過ラインPから南側へ第1距離DFだけ離れた位置に位置することとなる。
そして、経路算出部23は、図3に示すように、条方向経路LA同士の間隔が所定の第1間隔D1となるように、平行に並ぶ複数の条方向経路LAを算出する。即ち、経路算出部23は、複数の条方向経路LAが所定の第1間隔D1で平行に並ぶように、複数の条方向経路LAを算出するように構成されている。
以下では、第1距離DF及び第1間隔D1について詳述する。図5に示すように、制御部20は、機種情報記憶部26及び条間取得部27を有している。また、経路算出部23は、距離算出部23aを有している。
機種情報記憶部26は、コンバイン1の仕様に関する各種情報を記憶している。ここで、機種情報記憶部26に記憶されている情報には、コンバイン1の刈取条数が含まれている。そして、経路算出部23は、機種情報記憶部26から、コンバイン1の刈取条数を取得する。尚、本実施形態において、コンバイン1の刈取条数は、6条である。
条間取得部27は、コンバイン1の外部に設けられた管理サーバ6から、条間情報を取得する。条間情報とは、圃場における条間を示す情報である。尚、図2から図4に示す圃場における条間は、図2の下部に示すように、G1である。即ち、この圃場においては、複数の条が、互いにG1の間隔を空けて、南北方向に並んでいる。
即ち、自動走行システムAは、圃場における条間を示す情報である条間情報を取得する条間取得部27を備えている。
図5に示すように、条間取得部27は、取得した条間情報を経路算出部23へ送る。
そして、距離算出部23aは、機種情報記憶部26から取得したコンバイン1の刈取条数と、条間取得部27から受け取った条間情報と、に基づいて、適切な第1距離DFを算出する。これにより、経路算出部23は、第1距離DFを決定する。
即ち、経路算出部23は、通過基準位置と条方向経路LAとの間の距離を、コンバイン1の刈取条数に基づいて決定する。また、経路算出部23は、通過基準位置と条方向経路LAとの間の距離を、条間情報に基づいて決定する。
尚、距離算出部23aは、コンバイン1の刈取条数が多いほど第1距離DFが長くなるように、第1距離DFを算出する。また、距離算出部23aは、条間情報により示される条間が広いほど第1距離DFが長くなるように、第1距離DFを算出する。
また、図5に示すように、制御部20は、第1間隔算出部23bを有している。第1間隔算出部23bは、機種情報記憶部26から取得したコンバイン1の刈取条数と、条間取得部27から受け取った条間情報と、に基づいて、適切な第1間隔D1を算出する。これにより、経路算出部23は、第1間隔D1を決定する。
即ち、経路算出部23は、第1間隔D1を、コンバイン1の刈取条数に基づいて決定する。また、経路算出部23は、第1間隔D1を、条間情報に基づいて決定する。
尚、第1間隔算出部23bは、コンバイン1の刈取条数が多いほど第1間隔D1が広くなるように、第1間隔D1を算出する。また、第1間隔算出部23bは、条間情報により示される条間が広いほど第1間隔D1が広くなるように、第1間隔D1を算出する。
〔横方向経路の算出に関する構成〕
経路算出部23は、図3に示すように、横方向経路LB同士の間隔が所定の第2間隔D2となるように、平行に並ぶ複数の横方向経路LBを算出する。即ち、経路算出部23は、複数の横方向経路LBが所定の第2間隔D2で平行に並ぶように、複数の横方向経路LBを算出するように構成されている。
以下では、第2間隔D2について詳述する。図5に示すように、経路算出部23は、第2間隔算出部23cを有している。
また、機種情報記憶部26に記憶されている情報には、コンバイン1の刈幅が含まれている。そして、経路算出部23は、機種情報記憶部26から、コンバイン1の刈幅を取得する。尚、本実施形態において、コンバイン1の刈幅は、機体横幅方向における第1デバイダ51と第7デバイダ57との間の距離である。
第2間隔算出部23cは、機種情報記憶部26から取得したコンバイン1の刈幅に基づいて、適切な第2間隔D2を算出する。これにより、経路算出部23は、第2間隔D2を決定する。
即ち、経路算出部23は、第2間隔D2を、コンバイン1の刈幅に基づいて決定する。
尚、第2間隔算出部23cは、コンバイン1の刈幅が広いほど第2間隔D2が広くなるように、第2間隔D2を算出する。
また、以上で説明したように、自動走行システムAにおいては、経路算出部23が複数の条方向経路LAを算出する方法と、経路算出部23が複数の横方向経路LBを算出する方法と、が互いに異なる。
〔条方向経路のシフトに関する構成〕
図5に示すように、経路算出部23は、シフト算出部23dを有している。以下では、シフト算出部23dの機能について説明する。
図5に示すように、制御部20は、条数算出部28を有している。条数算出部28は、圃場における未刈領域の条数を算出するように構成されている。
条数算出部28について詳述する。コンバイン1が手動走行または自動走行によって刈取走行を行っている間、自車位置算出部21は、衛星測位モジュール80により出力された測位データに基づいて、コンバイン1の位置座標を経時的に算出する。算出されたコンバイン1の経時的な位置座標は、条数算出部28へ送られる。
また、条間取得部27は、管理サーバ6から取得した条間情報を条数算出部28へ送る。
そして、条数算出部28は、自車位置算出部21から受け取ったコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、圃場における未刈領域の範囲を経時的に算出する。さらに、条数算出部28は、算出された未刈領域の範囲と、条間取得部27から受け取った条間情報と、に基づいて、未刈領域の条数を経時的に算出する。
即ち、自動走行システムAは、未刈領域の条数を算出する条数算出部28を備えている。
条数算出部28による算出結果は、シフト算出部23dへ送られる。そして、シフト算出部23dは、条数算出部28から受け取った算出結果と、機種情報記憶部26から取得したコンバイン1の刈取条数と、に基づいて、条方向経路LAを算出する。
即ち、経路算出部23は、条数算出部28の算出結果と、コンバイン1の刈取条数と、に基づいて条方向経路LAを算出する。
このとき、シフト算出部23dは、コンバイン1が条方向経路LAに沿って走行する際に所定条件が満たされるように、条方向経路LAを算出する。
そして、この所定条件は、「複数のデバイダ5のうちの左端から所定個数目のデバイダ5が、未刈領域における左端に位置する条よりも右側に位置し、且つ、複数のデバイダ5のうちの右端から所定個数目のデバイダ5が、未刈領域における右端に位置する条よりも左側に位置すること」である。
また、本実施形態において、所定個数は、3つである。即ち、本実施形態において、所定条件は、「第3デバイダ53が、未刈領域における左端に位置する条よりも右側に位置し、且つ、第5デバイダ55が、未刈領域における右端に位置する条よりも左側に位置すること」である。
より具体的には、上述のように第1間隔D1で平行に並ぶ複数の条方向経路LAが算出された後、シフト算出部23dは、コンバイン1が条方向経路LAに沿って走行する際に所定条件が常に満たされるか否かを判定する。尚、この判定は、条数算出部28の算出結果と、コンバイン1の刈取条数と、に基づいて行われる。また、この判定は、第1間隔D1で平行に並ぶ複数の条方向経路LAが算出された直後、及び、コンバイン1が条方向経路LAに沿って走行しているときに行われる。
そして、コンバイン1が条方向経路LAに沿って走行する際に所定条件が常には満たされないと判定された場合、シフト算出部23dは、複数の条方向経路LAのうち、一つまたは複数の条方向経路LAの位置を、改めて算出する。このとき、シフト算出部23dは、コンバイン1が条方向経路LAに沿って走行する際に所定条件が常に満たされるように、条方向経路LAの位置を改めて算出する。これにより、複数の条方向経路LAのうち、一つまたは複数の条方向経路LAの位置がシフトすることとなる。
このように、経路算出部23は、コンバイン1が条方向経路LAに沿って走行する際に所定条件が満たされるように、条方向経路LAを算出するように構成されている。
以下では、シフト算出部23dによって条方向経路LAの位置が改めて算出される例として、コンバイン1が、図6に示す圃場で収穫作業を行う場合の流れについて説明する。
図6に示す圃場では、条方向は、東西方向である。また、この例では、コンバイン1は、作業対象領域CAにおける渦巻き走行を完了し、往復走行に移行しようとしている。このとき、図6に示すように、コンバイン1が、未刈領域における南北方向中間部分を刈取走行しながら、西から東へ向かって通過するものとする。この刈取走行は、所謂、中割走行である。これにより、未刈領域は、北側領域CA1と、南側領域CA2と、の2つの未刈領域に分割される。
そして、このとき、図7に示すように、北側領域CA1に対応する条方向経路LAとして、第1条方向経路LA1、第2条方向経路LA2、第3条方向経路LA3の3つの条方向経路LAが既に算出されている。
尚、北側から順に、第1条方向経路LA1、第2条方向経路LA2、第3条方向経路LA3が並んでいる。また、これら3つの条方向経路LAは、互いに第1間隔D1を空けて並んでいる。
図7に示すように、北側領域CA1の条数は、16条である。また、このとき、北側領域CA1の条数は、条数算出部28によって算出され、シフト算出部23dへ送られる。また、このとき、経路算出部23は、機種情報記憶部26から、コンバイン1の刈取条数を既に取得している。
ここで、シフト算出部23dは、北側領域CA1においてコンバイン1が条方向経路LAに沿って走行する際に所定条件が常に満たされるか否かを判定する。より具体的には、シフト算出部23dは、図7に示すように、コンバイン1が、第1条方向経路LA1、第3条方向経路LA3、第2条方向経路LA2の順に刈取走行した場合に、所定条件が常に満たされるか否かを判定する。
尚、本実施形態において、走行制御部24は、往復走行を行う場合、未刈領域における最も右側の部分に対応する条方向経路LAに沿って刈取走行を行うように、コンバイン1の走行を制御するように構成されている。
仮に、図7に示すように、コンバイン1が、第1条方向経路LA1、第3条方向経路LA3、第2条方向経路LA2の順に刈取走行した場合、まず、コンバイン1は、第1条方向経路LA1に沿って刈取走行を行う。これにより、図7に示すように、北側領域CA1における未刈領域は、第1未刈領域CA11となる。第1未刈領域CA11の条数は、10条である。
次に、コンバイン1は、第3条方向経路LA3に沿って刈取走行を行う。これにより、図7に示すように、北側領域CA1における未刈領域は、第2未刈領域CA12となる。第2未刈領域CA12の条数は、6条である。
最後に、コンバイン1は、第2条方向経路LA2に沿って刈取走行を行う。これにより、北側領域CA1の全体が既刈領域となる。
ここで、コンバイン1が第1条方向経路LA1に沿って刈取走行を行うとき、未刈領域における右端に位置する条は、図7に示す第1位置Q1に位置している。また、このとき、未刈領域における左端に位置する条は、図7に示す第2位置Q2に位置している。
そして、このとき、第3デバイダ53は、第2位置Q2よりも右側に位置している。また、第5デバイダ55は、第1位置Q1よりも左側に位置している。従って、コンバイン1が第1条方向経路LA1に沿って刈取走行を行う間、上述の所定条件は満たされる。
次に、コンバイン1が第3条方向経路LA3に沿って刈取走行を行うとき、未刈領域における右端に位置する条は、図7に示す第2位置Q2に位置している。また、このとき、未刈領域における左端に位置する条は、図7に示す第3位置Q3に位置している。
そして、このとき、第3デバイダ53は、第3位置Q3よりも右側に位置している。しかしながら、第5デバイダ55は、第2位置Q2よりも右側に位置している。従って、コンバイン1が第3条方向経路LA3に沿って刈取走行を行う間、上述の所定条件は満たされない。
そのため、シフト算出部23dは、コンバイン1が、第1条方向経路LA1、第3条方向経路LA3、第2条方向経路LA2の順に刈取走行した場合に、所定条件が常には満たされないと判定する。尚、この判定は、コンバイン1が第1条方向経路LA1に沿う走行を開始する前に行われる。
その結果、シフト算出部23dは、図8に示すように、第3条方向経路LA3の位置を、改めて算出する。この例では、第3条方向経路LA3の位置は、北側へシフトする。これにより、第2条方向経路LA2と第3条方向経路LA3との間隔は、第1シフト間隔DS1となる。
尚、第1シフト間隔DS1は、第1間隔D1よりも狭い。
そして、この例では、第3条方向経路LA3の位置が北側へシフトすることにより、コンバイン1が条方向経路LAに沿って走行する際に所定条件が常に満たされるようになる。
詳述すると、図8に示すように、コンバイン1が第1条方向経路LA1に沿って刈取走行を行うとき、未刈領域における右端に位置する条は、図8に示す第1位置Q1に位置している。また、このとき、未刈領域における左端に位置する条は、図8に示す第2位置Q2に位置している。
そして、このとき、第3デバイダ53は、第2位置Q2よりも右側に位置している。また、第5デバイダ55は、第1位置Q1よりも左側に位置している。従って、コンバイン1が第1条方向経路LA1に沿って刈取走行を行う間、上述の所定条件は満たされる。
次に、コンバイン1が第3条方向経路LA3に沿って刈取走行を行うとき、未刈領域における右端に位置する条は、図8に示す第2位置Q2に位置している。また、このとき、未刈領域における左端に位置する条は、図8に示す第3位置Q3に位置している。
そして、このとき、第3デバイダ53は、第3位置Q3よりも右側に位置している。また、第5デバイダ55は、第2位置Q2よりも左側に位置している。従って、コンバイン1が第3条方向経路LA3に沿って刈取走行を行う間、上述の所定条件は満たされる。
最後に、コンバイン1が第2条方向経路LA2に沿って刈取走行を行うとき、未刈領域における右端に位置する条は、図8に示す第3位置Q3に位置している。また、このとき、未刈領域における左端に位置する条は、図8に示す第4位置Q4に位置している。
そして、このとき、第3デバイダ53は、第4位置Q4よりも右側に位置している。また、第5デバイダ55は、第3位置Q3よりも左側に位置している。従って、コンバイン1が第2条方向経路LA2に沿って刈取走行を行う間、上述の所定条件は満たされる。
このように、図8に示す例では、コンバイン1が条方向経路LAに沿って走行する際に所定条件が常に満たされる。
そして、コンバイン1は、北側領域CA1における刈取走行を完了した後、南側領域CA2における刈取走行を開始する。このとき、図9に示すように、南側領域CA2に対応する条方向経路LAとして、第4条方向経路LA4、第5条方向経路LA5、第6条方向経路LA6の3つの条方向経路LAが既に算出されている。
尚、北側から順に、第4条方向経路LA4、第5条方向経路LA5、第6条方向経路LA6が並んでいる。また、これら3つの条方向経路LAは、互いに第1間隔D1を空けて並んでいる。
また、図9に示すように、南側領域CA2の条数は、15条である。また、このとき、南側領域CA2の条数は、条数算出部28によって算出され、シフト算出部23dへ送られる。また、このとき、経路算出部23は、機種情報記憶部26から、コンバイン1の刈取条数を既に取得している。
ここで、シフト算出部23dは、南側領域CA2においてコンバイン1が条方向経路LAに沿って走行する際に所定条件が常に満たされるか否かを判定する。より具体的には、シフト算出部23dは、図9に示すように、コンバイン1が、第4条方向経路LA4、第6条方向経路LA6、第5条方向経路LA5の順に刈取走行した場合に、所定条件が常に満たされるか否かを判定する。
仮に、図9に示すように、コンバイン1が、第4条方向経路LA4、第6条方向経路LA6、第5条方向経路LA5の順に刈取走行した場合、まず、コンバイン1は、第4条方向経路LA4に沿って刈取走行を行う。これにより、図9に示すように、南側領域CA2における未刈領域は、第1未刈領域CA21となる。第1未刈領域CA21の条数は、9条である。
次に、コンバイン1は、第6条方向経路LA6に沿って刈取走行を行う。これにより、図9に示すように、南側領域CA2における未刈領域は、第2未刈領域CA22となる。第2未刈領域CA22の条数は、6条である。
最後に、コンバイン1は、第5条方向経路LA5に沿って刈取走行を行う。これにより、南側領域CA2の全体が既刈領域となる。
ここで、コンバイン1が第4条方向経路LA4に沿って刈取走行を行うとき、未刈領域における右端に位置する条は、図9に示す第5位置Q5に位置している。また、このとき、未刈領域における左端に位置する条は、図9に示す第6位置Q6に位置している。
そして、このとき、第3デバイダ53は、第6位置Q6よりも右側に位置している。また、第5デバイダ55は、第5位置Q5よりも左側に位置している。従って、コンバイン1が第4条方向経路LA4に沿って刈取走行を行う間、上述の所定条件は満たされる。
次に、コンバイン1が第6条方向経路LA6に沿って刈取走行を行うとき、未刈領域における右端に位置する条は、図9に示す第6位置Q6に位置している。また、このとき、未刈領域における左端に位置する条は、図9に示す第7位置Q7に位置している。
そして、このとき、第3デバイダ53は、第7位置Q7よりも右側に位置している。しかしながら、第5デバイダ55は、第6位置Q6よりも右側に位置している。従って、コンバイン1が第6条方向経路LA6に沿って刈取走行を行う間、上述の所定条件は満たされない。
そのため、シフト算出部23dは、コンバイン1が、第4条方向経路LA4、第6条方向経路LA6、第5条方向経路LA5の順に刈取走行した場合に、所定条件が常には満たされないと判定する。尚、この判定は、コンバイン1が第4条方向経路LA4に沿う走行を開始する前に行われる。
その結果、シフト算出部23dは、図10に示すように、第5条方向経路LA5及び第6条方向経路LA6の位置を、改めて算出する。この例では、第5条方向経路LA5及び第6条方向経路LA6の位置は、それぞれ北側へシフトする。これにより、第4条方向経路LA4と第5条方向経路LA5との間隔は、第2シフト間隔DS2となる。また、第5条方向経路LA5と第6条方向経路LA6との間隔は、第3シフト間隔DS3となる。
尚、第2シフト間隔DS2及び第3シフト間隔DS3は、何れも、第1間隔D1よりも狭い。また、この例では、第2シフト間隔DS2及び第3シフト間隔DS3は、互いに同一の広さである。
そして、この例では、第5条方向経路LA5及び第6条方向経路LA6の位置が北側へシフトすることにより、コンバイン1が条方向経路LAに沿って走行する際に所定条件が常に満たされるようになる。
詳述すると、図10に示すように、コンバイン1が第4条方向経路LA4に沿って刈取走行を行うとき、未刈領域における右端に位置する条は、図10に示す第5位置Q5に位置している。また、このとき、未刈領域における左端に位置する条は、図10に示す第6位置Q6に位置している。
そして、このとき、第3デバイダ53は、第6位置Q6よりも右側に位置している。また、第5デバイダ55は、第5位置Q5よりも左側に位置している。従って、コンバイン1が第4条方向経路LA4に沿って刈取走行を行う間、上述の所定条件は満たされる。
次に、コンバイン1が第6条方向経路LA6に沿って刈取走行を行うとき、未刈領域における右端に位置する条は、図10に示す第6位置Q6に位置している。また、このとき、未刈領域における左端に位置する条は、図10に示す第7位置Q7に位置している。
そして、このとき、第3デバイダ53は、第7位置Q7よりも右側に位置している。また、第5デバイダ55は、第6位置Q6よりも左側に位置している。従って、コンバイン1が第6条方向経路LA6に沿って刈取走行を行う間、上述の所定条件は満たされる。
最後に、コンバイン1が第5条方向経路LA5に沿って刈取走行を行うとき、未刈領域における右端に位置する条は、図10に示す第7位置Q7に位置している。また、このとき、未刈領域における左端に位置する条は、図10に示す第8位置Q8に位置している。
そして、このとき、第3デバイダ53は、第8位置Q8よりも右側に位置している。また、第5デバイダ55は、第7位置Q7よりも左側に位置している。従って、コンバイン1が第5条方向経路LA5に沿って刈取走行を行う間、上述の所定条件は満たされる。
このように、図10に示す例では、コンバイン1が条方向経路LAに沿って走行する際に所定条件が常に満たされる。
また、図8及び図10に示すように、条方向経路LAの位置のシフトの仕方は、未刈領域の条数に応じて異なる。即ち、シフト算出部23dは、未刈領域の条数に応じて条方向経路LAの位置をシフトさせる。
尚、以上で説明したように、圃場における未刈領域が複数に分割された場合、シフト算出部23dは、その分割によって生じた複数の未刈領域のうち、コンバイン1が現在刈取走行を行っている未刈領域、あるいは、コンバイン1が直近で刈取走行を行う予定の未刈領域のみを対象にして、所定条件が常に満たされるか否かの判定を行うと共に、条方向経路LAの位置をシフトさせる。
次に、シフト算出部23dによって条方向経路LAの位置が改めて算出される別の例として、図11に示すように、5条刈りのコンバイン2が、所定の作業領域CA3における刈取走行を行う場合について説明する。作業領域CA3は、未刈領域である。
尚、コンバイン2は、刈取条数が異なること以外は、コンバイン1と同様の構成を備えている。コンバイン2は、図11に示すように、第1デバイダ51、第2デバイダ52、第3デバイダ53、第4デバイダ54、第5デバイダ55、第6デバイダ56の6つのデバイダ5を備えている。
そして、この例では、所定条件は、「第3デバイダ53が、未刈領域における左端に位置する条よりも右側に位置し、且つ、第4デバイダ54が、未刈領域における右端に位置する条よりも左側に位置すること」である。
また、作業領域CA3における条方向は、東西方向である。そして、作業領域CA3における刈取走行を開始する前に、図11に示すように、作業領域CA3に対応する条方向経路LAとして、第7条方向経路LA7、第8条方向経路LA8、第9条方向経路LA9、第10条方向経路LA10の4つの条方向経路LAが既に算出されている。
尚、北側から順に、第7条方向経路LA7、第8条方向経路LA8、第9条方向経路LA9、第10条方向経路LA10が並んでいる。また、これら4つの条方向経路LAは、互いに第3間隔D3を空けて並んでいる。第3間隔D3は、第1間隔D1よりも狭い。
また、図11に示すように、作業領域CA3の条数は、16条である。また、このとき、作業領域CA3の条数は、条数算出部28によって算出され、シフト算出部23dへ送られる。また、このとき、経路算出部23は、機種情報記憶部26から、コンバイン1の刈取条数を既に取得している。
ここで、シフト算出部23dは、作業領域CA3においてコンバイン2が条方向経路LAに沿って走行する際に所定条件が常に満たされるか否かを判定する。より具体的には、シフト算出部23dは、図11に示すように、コンバイン2が、第7条方向経路LA7、第10条方向経路LA10、第8条方向経路LA8、第9条方向経路LA9の順に刈取走行した場合に、所定条件が常に満たされるか否かを判定する。
仮に、図11に示すように、コンバイン2が、第7条方向経路LA7、第10条方向経路LA10、第8条方向経路LA8、第9条方向経路LA9の順に刈取走行した場合、まず、コンバイン2は、第7条方向経路LA7に沿って刈取走行を行う。これにより、図11に示すように、作業領域CA3における未刈領域は、第1未刈領域CA31となる。第1未刈領域CA31の条数は、11条である。
次に、コンバイン2は、第10条方向経路LA10に沿って刈取走行を行う。これにより、図11に示すように、作業領域CA3における未刈領域は、第2未刈領域CA32となる。第2未刈領域CA32の条数は、10条である。
次に、コンバイン2は、第8条方向経路LA8に沿って刈取走行を行う。これにより、図11に示すように、作業領域CA3における未刈領域は、第3未刈領域CA33となる。第3未刈領域CA33の条数は、5条である。
最後に、コンバイン2は、第9条方向経路LA9に沿って刈取走行を行う。これにより、作業領域CA3の全体が既刈領域となる。
ここで、コンバイン2が第7条方向経路LA7に沿って刈取走行を行うとき、未刈領域における右端に位置する条は、図11に示す第9位置Q9に位置している。また、このとき、未刈領域における左端に位置する条は、図11に示す第10位置Q10に位置している。
そして、このとき、第3デバイダ53は、第10位置Q10よりも右側に位置している。また、第4デバイダ54は、第9位置Q9よりも左側に位置している。従って、コンバイン2が第7条方向経路LA7に沿って刈取走行を行う間、上述の所定条件は満たされる。
次に、コンバイン2が第10条方向経路LA10に沿って刈取走行を行うとき、未刈領域における右端に位置する条は、図11に示す第10位置Q10に位置している。また、このとき、未刈領域における左端に位置する条は、図11に示す第11位置Q11に位置している。
そして、このとき、第3デバイダ53は、第11位置Q11よりも右側に位置している。しかしながら、第4デバイダ54は、第10位置Q10よりも右側に位置している。従って、コンバイン2が第10条方向経路LA10に沿って刈取走行を行う間、上述の所定条件は満たされない。
そのため、シフト算出部23dは、コンバイン2が、第7条方向経路LA7、第10条方向経路LA10、第8条方向経路LA8、第9条方向経路LA9の順に刈取走行した場合に、所定条件が常には満たされないと判定する。尚、この判定は、コンバイン2が第7条方向経路LA7に沿う走行を開始する前に行われる。
その結果、シフト算出部23dは、図12に示すように、第8条方向経路LA8、第9条方向経路LA9、第10条方向経路LA10の位置を、改めて算出する。この例では、第8条方向経路LA8、第9条方向経路LA9、第10条方向経路LA10の位置は、それぞれ北側へシフトする。これにより、第7条方向経路LA7と第8条方向経路LA8との間隔は、第4シフト間隔DS4となる。また、第8条方向経路LA8と第9条方向経路LA9との間隔は、第5シフト間隔DS5となる。また、第9条方向経路LA9と第10条方向経路LA10との間隔は、第6シフト間隔DS6となる。
尚、第4シフト間隔DS4、第5シフト間隔DS5、第6シフト間隔DS6は、何れも、第3間隔D3よりも狭い。また、この例では、第4シフト間隔DS4、第5シフト間隔DS5、第6シフト間隔DS6は、互いに同一の広さである。
そして、この例では、第8条方向経路LA8、第9条方向経路LA9、第10条方向経路LA10の位置が北側へシフトすることにより、コンバイン2が条方向経路LAに沿って走行する際に所定条件が常に満たされるようになる。
詳述すると、図12に示すように、コンバイン2が第7条方向経路LA7に沿って刈取走行を行うとき、未刈領域における右端に位置する条は、図12に示す第9位置Q9に位置している。また、このとき、未刈領域における左端に位置する条は、図12に示す第10位置Q10に位置している。
そして、このとき、第3デバイダ53は、第10位置Q10よりも右側に位置している。また、第4デバイダ54は、第9位置Q9よりも左側に位置している。従って、コンバイン2が第7条方向経路LA7に沿って刈取走行を行う間、上述の所定条件は満たされる。
次に、コンバイン2が第10条方向経路LA10に沿って刈取走行を行うとき、未刈領域における右端に位置する条は、図12に示す第10位置Q10に位置している。また、このとき、未刈領域における左端に位置する条は、図12に示す第11位置Q11に位置している。
そして、このとき、第3デバイダ53は、第11位置Q11よりも右側に位置している。また、第4デバイダ54は、第10位置Q10よりも左側に位置している。従って、コンバイン2が第10条方向経路LA10に沿って刈取走行を行う間、上述の所定条件は満たされる。
次に、コンバイン2が第8条方向経路LA8に沿って刈取走行を行うとき、未刈領域における右端に位置する条は、図12に示す第11位置Q11に位置している。また、このとき、未刈領域における左端に位置する条は、図12に示す第12位置Q12に位置している。
そして、このとき、第3デバイダ53は、第12位置Q12よりも右側に位置している。また、第4デバイダ54は、第11位置Q11よりも左側に位置している。従って、コンバイン2が第8条方向経路LA8に沿って刈取走行を行う間、上述の所定条件は満たされる。
最後に、コンバイン2が第9条方向経路LA9に沿って刈取走行を行うとき、未刈領域における右端に位置する条は、図12に示す第12位置Q12に位置している。また、このとき、未刈領域における左端に位置する条は、図12に示す第13位置Q13に位置している。
そして、このとき、第3デバイダ53は、第13位置Q13よりも右側に位置している。また、第4デバイダ54は、第12位置Q12よりも左側に位置している。従って、コンバイン2が第9条方向経路LA9に沿って刈取走行を行う間、上述の所定条件は満たされる。
このように、図12に示す例では、コンバイン2が条方向経路LAに沿って走行する際に所定条件が常に満たされる。
また、図8及び図12に示すように、条方向経路LAの位置のシフトの仕方は、刈取条数に応じて異なる。即ち、シフト算出部23dは、刈取条数に応じて条方向経路LAの位置をシフトさせる。
〔条方向決定部に関する構成〕
図5に示すように、自動走行システムAは、通信端末4を備えている。そして、通信端末4は、条方向決定部4cを有している。以下では、条方向決定部4cの機能について説明する。
図13に示すように、コンバイン1は、正方形や長方形でない四角形状の未刈領域において、自動走行により刈取走行を行うことが可能である。そして、自動走行システムAは、そのような自動走行を管理することが可能である。
即ち、自動走行システムAは、圃場における四角形状の未刈領域において刈取走行を行うコンバイン1の自動走行を管理する。
図5、図14、図15に示すように、通信端末4は、タッチパネル4aを有している。タッチパネル4aは、オペレータによるタッチ操作に応じて、未刈領域の輪郭線を構成する4辺のうち、1辺を選択する。即ち、オペレータは、タッチパネル4aをタッチ操作することにより、未刈領域の輪郭線を構成する4辺のうち、1辺を選択することができる。
例えば、図14では、タッチパネル4aに、外周領域SA及び作業対象領域CAが表示されている。このとき、作業対象領域CAの全体が未刈領域であるとする。また、未刈領域の輪郭線を構成する4辺は、それぞれ、第1辺S1、第2辺S2、第3辺S3、第4辺S4である。
第1辺S1は、未刈領域の北端に位置する。第2辺S2は、未刈領域の輪郭線において第1辺S1に隣接し、未刈領域の西端に位置する。第3辺S3は、第1辺S1の対辺であり、未刈領域の南端に位置する。第4辺S4は、未刈領域の輪郭線における第2辺S2の対辺であり、未刈領域の東端に位置する。
そして、図14に示すように、オペレータは、タッチパネル4aに表示された第1辺S1、第2辺S2、第3辺S3、第4辺S4のうち、何れかをタッチ操作する。これにより、オペレータは、第1辺S1、第2辺S2、第3辺S3、第4辺S4の中から1辺を選択することができる。
即ち、自動走行システムAは、未刈領域の輪郭線を構成する4辺のうち、1辺を選択するタッチパネル4aを備えている。
図14に示す例では、オペレータは、第1辺S1をタッチ操作する。これにより、第1辺S1が選択される。そして、図15に示すように、選択された1辺は、タッチパネル4aにおいて強調表示される。この例では、第1辺S1が選択されたため、図15に示すように、第1辺S1が強調表示される。
また、図5に示すように、通信端末4は、判定部4bを有している。選択辺を示す情報は、タッチパネル4aから判定部4b及び条方向決定部4cへ送られる。尚、選択辺とは、タッチパネル4aにより選択された辺である。
そして、判定部4bは、選択辺に対する選択辺の対辺の傾きが所定の基準角度以下であるか否かを判定する。例えば、図15に示す場合には、判定部4bは、第1辺S1に対する第3辺S3の傾きが基準角度以下であるか否かを判定する。
即ち、自動走行システムAは、タッチパネル4aにより選択された辺である選択辺に対する選択辺の対辺の傾きが所定の基準角度以下であるか否かを判定する判定部4bを備えている。
図5に示すように、判定部4bによる判定結果は、条方向決定部4cへ送られる。また、自車位置算出部21により算出されたコンバイン1の位置座標は、通信端末4へ送られる。
また、コンバイン1の走行が渦巻き走行から往復走行へ移行する際、走行制御部24は、所定の信号を条方向決定部4cへ送る。この信号は、渦巻き走行から往復走行への移行を示す信号である。
そして、条方向決定部4cは、選択辺を示す情報と、判定部4bによる判定結果と、コンバイン1の位置座標と、走行制御部24から受け取った上述の信号と、に基づいて、未刈領域における条方向を決定する。
より具体的には、判定部4bにより選択辺に対する選択辺の対辺の傾きが基準角度よりも大きいと判定された場合、条方向決定部4cは、選択辺の延びる方向を条方向として決定する。
また、判定部4bにより選択辺に対する選択辺の対辺の傾きが基準角度以下であると判定された場合、条方向決定部4cは、機体の状態に応じて、選択辺の延びる方向と、選択辺の対辺の延びる方向と、のうちの何れか一方を条方向として決定する。
尚、コンバイン1の位置座標、及び、渦巻き走行から往復走行への移行は、何れも上述の「機体の状態」に相当する。
即ち、自動走行システムAは、未刈領域における条方向を決定する条方向決定部4cを備えている。
条方向決定部4cにより決定された条方向を示す情報は、走行制御部24へ送られる。そして、走行制御部24は、往復走行において、条方向決定部4cにより条方向として決定された方向に沿って刈取走行が行われるようにコンバイン1の走行を制御する。
以下では、判定部4bにより選択辺に対する選択辺の対辺の傾きが基準角度以下であると判定された場合における条方向の決定について、コンバイン1が図13、図16から図18に示す圃場で収穫作業を行う場合を例に挙げて説明する。
この例では、図13に示すように、コンバイン1は、まず、圃場における外周側の領域で刈取走行する。この刈取走行が完了すると、領域算出部22によって、外周領域SA及び作業対象領域CAが算出される。
このとき、圃場における未刈領域は、作業対象領域CAに一致している。そして、この例では、作業対象領域CAは、四角形状である。
そして、作業対象領域CAの輪郭線を構成する4辺は、第1辺S1、第2辺S2、第3辺S3、第4辺S4である。第1辺S1は、作業対象領域CAにおける北側に位置している。第2辺S2は、第1辺S1に隣接すると共に、作業対象領域CAにおける西側に位置している。第3辺S3は、第1辺S1の対辺であると共に、作業対象領域CAにおける南側に位置している。第4辺S4は、第2辺S2の対辺であると共に、作業対象領域CAにおける東側に位置している。
また、この例では、図14及び図15に示すように、第1辺S1が、タッチパネル4aにより選択されるものとする。即ち、第1辺S1は、選択辺である。
この例においても、上述の通り、経路算出部23は、領域算出部22から受け取った算出結果に基づいて、作業対象領域CAにおける刈取走行経路LNを算出する。
上述の説明において、経路算出部23は、図3に示すように、縦横方向に延びる複数のメッシュ線である刈取走行経路LNを算出した。しかしながら、経路算出部23は、図13に示すような刈取走行経路LNを算出することも可能であるように構成されている。
図13に示す刈取走行経路LNは、互いに平行に所定間隔で並ぶ複数の第1経路L1と、互いに平行に所定間隔で並ぶ複数の第2経路L2と、互いに平行に所定間隔で並ぶ複数の第3経路L3と、互いに平行に所定間隔で並ぶ複数の第4経路L4と、により構成されている。
そして、複数の第1経路L1は、第1辺S1に平行に並んでいる。また、複数の第2経路L2は、第2辺S2に平行に並んでいる。また、複数の第3経路L3は、第3辺S3に平行に並んでいる。また、複数の第4経路L4は、第4辺S4に平行に並んでいる。
即ち、経路算出部23は、選択辺である第1辺S1に平行に所定間隔で並ぶ複数の第1経路L1と、未刈領域の輪郭線において第1辺S1に隣接する第2辺S2に平行に所定間隔で並ぶ複数の第2経路L2と、選択辺の対辺である第3辺S3に平行に所定間隔で並ぶ複数の第3経路L3と、未刈領域の輪郭線における第2辺S2の対辺である第4辺S4に平行に所定間隔で並ぶ複数の第4経路L4と、を刈取走行経路LNとして算出する。
経路算出部23によって刈取走行経路LNが算出されると、図16に示すように、コンバイン1は、走行制御部24の制御により、渦巻き走行を開始する。
この例では、渦巻き走行において、コンバイン1は、まず、北側第1走行経路L11に沿う刈取走行を行う。尚、北側第1走行経路L11は、複数の第1経路L1のうち、第1辺S1に最も近接した第1経路L1である。
次に、コンバイン1は、西側第1走行経路L21に沿う刈取走行を行う。尚、西側第1走行経路L21は、複数の第2経路L2のうち、第2辺S2に最も近接した第2経路L2である。
次に、コンバイン1は、南側第1走行経路L31に沿う刈取走行を行う。尚、南側第1走行経路L31は、複数の第3経路L3のうち、第3辺S3に最も近接した第3経路L3である。
次に、コンバイン1は、東側第1走行経路L41に沿う刈取走行を行う。尚、東側第1走行経路L41は、複数の第4経路L4のうち、第4辺S4に最も近接した第4経路L4である。
次に、コンバイン1は、北側第2走行経路L12に沿う刈取走行を行う。尚、北側第2走行経路L12は、まだ刈取走行の行われていない第1経路L1のうち、第1辺S1に最も近接した第1経路L1である。
北側第2走行経路L12に沿う刈取走行が完了すると、それ以降は、順次、西側第2走行経路L22、南側第2走行経路L32、東側第2走行経路L42に沿う刈取走行が行われる。
尚、西側第2走行経路L22は、まだ刈取走行の行われていない第2経路L2のうち、第2辺S2に最も近接した第2経路L2である。また、南側第2走行経路L32は、まだ刈取走行の行われていない第3経路L3のうち、第3辺S3に最も近接した第3経路L3である。また、東側第2走行経路L42は、まだ刈取走行の行われていない第4経路L4のうち、第4辺S4に最も近接した第4経路L4である。
即ち、走行制御部24は、渦巻き走行において、第1経路L1に沿う刈取走行の次に第2経路L2に沿う刈取走行が行われ、第2経路L2に沿う刈取走行の次に第3経路L3に沿う刈取走行が行われ、第3経路L3に沿う刈取走行の次に第4経路L4に沿う刈取走行が行われ、第4経路L4に沿う刈取走行の次に第1経路L1に沿う刈取走行が行われるようにコンバイン1の走行を制御する。
尚、この例では、走行制御部24は、渦巻き走行において、まず、第1経路L1に沿う刈取走行が行われるようにコンバイン1の走行を制御する。しかしながら、本発明はこれに限定されず、走行制御部24は、渦巻き走行において、まず、第2経路L2、第3経路L3、第4経路L4の何れかに沿う刈取走行が行われるようにコンバイン1の走行を制御するように構成されていても良い。
また、渦巻き走行におけるコンバイン1の周回数は、1周のみでも良い。即ち、渦巻き走行において、図16に示す北側第2走行経路L12、西側第2走行経路L22、南側第2走行経路L32、東側第2走行経路L42に沿う刈取走行は、行われなくても良い。また、渦巻き走行におけるコンバイン1の周回数は、2周以上のいかなる周回数であっても良い。
ここで、この例では、第1辺S1に対する第3辺S3の傾きが基準角度以下であるものとする。そのため、判定部4bは、選択辺に対する選択辺の対辺の傾きが基準角度以下であると判定する。
そして、判定部4bにより選択辺に対する選択辺の対辺の傾きが基準角度以下であると判定され、且つ、渦巻き走行における第1経路L1または第2経路L2に沿う刈取走行が完了した時点でコンバイン1の走行が往復走行に移行する場合、条方向決定部4cは、選択辺の対辺の延びる方向を条方向として決定する。また、この場合、走行制御部24は、往復走行において、第3経路L3に沿う刈取走行が行われるようにコンバイン1の走行を制御する。
また、判定部4bにより選択辺に対する選択辺の対辺の傾きが基準角度以下であると判定され、且つ、渦巻き走行における第3経路L3または第4経路L4に沿う刈取走行が完了した時点でコンバイン1の走行が往復走行に移行する場合、条方向決定部4cは、選択辺の延びる方向を条方向として決定する。また、この場合、走行制御部24は、往復走行において、第1経路L1に沿う刈取走行が行われるようにコンバイン1の走行を制御する。
例えば、図17に示す例では、図17の上部に示すように、渦巻き走行において、第4経路L4に沿う刈取走行の次に、第1経路L1に沿う刈取走行が行われる。そして、第1経路L1に沿う刈取走行が完了した時点で、渦巻き走行が完了する。
即ち、図17に示す例では、渦巻き走行における第1経路L1に沿う刈取走行が完了した時点でコンバイン1の走行が往復走行に移行する。
この場合、条方向決定部4cは、選択辺の対辺の延びる方向を条方向として決定する。即ち、条方向決定部4cは、第3辺S3の延びる方向を条方向として決定する。そして、図17の下部に示すように、走行制御部24は、往復走行において、第3経路L3に沿う刈取走行が行われるようにコンバイン1の走行を制御する。
尚、この場合、往復走行に移行する際に、コンバイン1は、未刈領域の北西部の近傍から、未刈領域の南西部の近傍へ移動する。そして、往復走行における最初の刈取走行は、まだ刈取走行の行われていない第3経路L3のうち、第3辺S3に最も近接した第3経路L3に沿って行われる。
また、図18に示す例では、図18の上部に示すように、渦巻き走行において、第2経路L2に沿う刈取走行の次に、第3経路L3に沿う刈取走行が行われる。そして、第3経路L3に沿う刈取走行が完了した時点で、渦巻き走行が完了する。
即ち、図18に示す例では、渦巻き走行における第3経路L3に沿う刈取走行が完了した時点でコンバイン1の走行が往復走行に移行する。
この場合、条方向決定部4cは、選択辺の延びる方向を条方向として決定する。即ち、条方向決定部4cは、第1辺S1の延びる方向を条方向として決定する。そして、図18の下部に示すように、走行制御部24は、往復走行において、第1経路L1に沿う刈取走行が行われるようにコンバイン1の走行を制御する。
尚、この場合、往復走行に移行する際に、コンバイン1は、未刈領域の南東部の近傍から、未刈領域の北東部の近傍へ移動する。そして、往復走行における最初の刈取走行は、まだ刈取走行の行われていない第1経路L1のうち、第1辺S1に最も近接した第1経路L1に沿って行われる。
〔重複幅の設定について〕
本実施形態においては、図19に示すように、隣接経路のうちの一方に沿ってコンバイン1が走行する際の刈取部Hの通過領域と、隣接経路のうちの他方に沿ってコンバイン1が走行する際の刈取部Hの通過領域と、が重複するように、複数の横方向経路LBが算出される。尚、隣接経路とは、互いに隣接する2つの横方向経路LBである。
図19には、第1横方向経路LB1及び第2横方向経路LB2が示されている。第1横方向経路LB1及び第2横方向経路LB2は、何れも、横方向経路LBである。また、第1横方向経路LB1及び第2横方向経路LB2は、隣接経路である。
また、図19には、第1通過領域71及び第2通過領域72が示されている。第1通過領域71は、コンバイン1が第1横方向経路LB1に沿って走行する際の刈取部Hの通過領域である。また、第2通過領域72は、コンバイン1が第2横方向経路LB2に沿って走行する際の刈取部Hの通過領域である。
また、図19には、重複領域73が示されている。重複領域73は、第1通過領域71と第2通過領域72とが重複している領域である。
ここで、図5に示すように、通信端末4は、幅設定部4dを有している。幅設定部4dは、図19に示した重複領域73の目標幅を設定可能である。
即ち、自動走行システムAは、互いに隣接する2つの横方向経路LBである隣接経路のうちの一方に沿ってコンバイン1が走行する際の刈取部Hの通過領域と、隣接経路のうちの他方に沿ってコンバイン1が走行する際の刈取部Hの通過領域と、の重複幅を設定可能な幅設定部4dを備える。
以下では、幅設定部4dについて詳述する。
通信端末4は、図20に示す重複幅設定画面を表示可能である。重複幅設定画面においては、幅操作部61が表示される。オペレータが幅操作部61を操作すると、図5に示すように、タッチパネル4aから、操作に応じた信号が幅設定部4dへ送られる。幅設定部4dは、この信号に応じて、重複領域73の目標幅を設定する。そして、幅設定部4dは、設定された目標幅を、経路算出部23へ送る。
経路算出部23は、幅設定部4dから受け取った目標幅に基づいて、横方向経路LB同士の幅を調整する。より具体的には、この目標幅が狭まった場合、経路算出部23は、横方向経路LB同士の幅を広げる。また、この目標幅が広がった場合、経路算出部23は、横方向経路LB同士の幅を狭める。
以上の構成により、オペレータは、幅操作部61を操作することによって、重複領域73の目標幅を設定することができる。即ち、オペレータは、幅操作部61を操作することによって、隣接経路のうちの一方に沿ってコンバイン1が走行する際の刈取部Hの通過領域と、隣接経路のうちの他方に沿ってコンバイン1が走行する際の刈取部Hの通過領域と、の重複幅を設定することができる。そして、幅設定部4dは、幅操作部61を介して人為操作可能である。
図20に示す例では、重複領域73の目標幅は、「ラップ代」と呼称されている。そして、ラップ代は、20cmに設定されている。また、ラップ代は、10cmから30cmの間で、5cm間隔で変更可能である。また、ラップ代の初期値は、20cmである。
尚、本発明はこれに限定されず、ラップ代の変更可能な範囲は、10cmから30cmでなくてもよい。例えば、ラップ代の変更可能な範囲は、5cmから40cmであっても良い。また、ラップ代の変更可能な間隔は、5cm以外のいかなる間隔であっても良い。また、ラップ代の初期値は、20cm以外のいかなる値であっても良い。
また、図5に示すように、通信端末4は、報知部4eを有している。報知部4eは、上述の重複幅が所定の幅よりも小さい場合における重複幅によるコンバイン1の自動走行への影響を報知する。
より具体的には、図5に示すように、報知部4eは、重複幅設定画面が表示される際、所定の信号をタッチパネル4aに送る。タッチパネル4aは、この信号に応じて、図20に示すように、報知メッセージ62を表示する。
報知メッセージ62の内容は、上述の重複幅が所定の幅よりも小さい場合における重複幅によるコンバイン1の自動走行への影響を報知するものである。本実施形態においては、所定の幅は、20cmである。そして、報知メッセージ62により、ラップ代が20cm未満である場合には刈残しが生じることがある旨が報知される。
以上の構成により、報知部4eは、報知メッセージ62をタッチパネル4aに表示させることにより、上述の重複幅が所定の幅よりも小さい場合における重複幅によるコンバイン1の自動走行への影響を報知する。
尚、本発明はこれに限定されず、所定の幅は、20cm以外のいかなる幅であっても良い。また、報知部4eによって報知される内容は、刈残しに関する内容でなくても良い。また、報知部4eは、報知メッセージ62に代えて、報知音声によって報知するように構成されていても良い。
以上で説明した構成であれば、条方向経路LA同士の間隔と、横方向経路LB同士の間隔と、を互いに独立して決定することができる。そのため、条方向経路LA同士の間隔、及び、横方向経路LB同士の間隔が適切な間隔になりやすい。
従って、以上で説明した構成であれば、条方向経路LA同士の間隔、及び、横方向経路LB同士の間隔が適切な間隔になりやすい自動走行システムAを実現できる。
尚、以上に記載した実施形態は一例に過ぎないのであり、本発明はこれに限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
〔その他の実施形態〕
(1)走行装置11は、ホイール式であっても良いし、セミクローラ式であっても良い。
(2)図3に示す例では、経路算出部23により算出される刈取走行経路LNは、縦横方向に延びる複数のメッシュ線である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、経路算出部23により算出される刈取走行経路LNは、縦横方向に延びる複数のメッシュ線でなくても良い。例えば、経路算出部23により算出される刈取走行経路LNは、渦巻き状の走行経路であっても良い。また、刈取走行経路LNは、別の刈取走行経路LNと直交していなくても良い。また、経路算出部23により算出される刈取走行経路LNは、互いに平行な複数の平行線であっても良い。
(3)自車位置算出部21、領域算出部22、経路算出部23、走行制御部24、通過基準位置算出部25、機種情報記憶部26、条間取得部27、条数算出部28のうち、一部または全てがコンバイン1の外部に備えられていても良いのであって、例えば、コンバイン1の外部に設けられた管理サーバ6に備えられていても良い。
(4)判定部4b及び条方向決定部4cのうち、何れか一方または両方が通信端末4の外部に備えられていても良いのであって、例えば、コンバイン1の外部に設けられた管理サーバ6に備えられていても良い。
(5)本発明に係る「所定部位」は、複数のデバイダ5のうちの左端または右端に位置するデバイダ5でなくても良い。例えば、本発明に係る「所定部位」は、コンバイン1の平面視における刈取部Hの刈幅中心位置でも良いし、コンバイン1の機体の左端部または右端部でも良いし、衛星測位モジュール80でも良い。
(6)経路算出部23は、通過基準位置と条方向経路LAとの間の距離を、コンバイン1の刈取条数とは無関係に決定しても良い。
(7)経路算出部23は、第1間隔D1をコンバイン1の刈取条数とは無関係に決定しても良い。
(8)経路算出部23は、第2間隔D2をコンバイン1の刈幅とは無関係に決定しても良い。
(9)幅設定部4dは設けられていなくても良い。
(10)報知部4eは設けられていなくても良い。
本発明は、自脱型のコンバインだけでなく、普通型のコンバインにも利用できる。
1、2 コンバイン
4d 幅設定部
4e 報知部
23 経路算出部
A 自動走行システム
CA 作業対象領域
D1 第1間隔
D2 第2間隔
H 刈取部
LA 条方向経路
LB 横方向経路
LN 刈取走行経路(目標走行経路)
SA 外周領域

Claims (1)

  1. 圃場の植立穀稈を刈り取る刈取部を有するコンバインの自動走行を管理する自動走行システムであって、
    前記コンバインは、圃場における外周領域で周回走行を行った後、前記外周領域よりも圃場内側の領域である作業対象領域において自動走行を実行可能に構成されており、
    前記コンバインの自動走行のための目標走行経路を算出する経路算出部を備え、
    前記経路算出部は、平行に並ぶ複数の条方向経路と、平行に並ぶ複数の横方向経路と、を算出するように構成されており、
    各前記条方向経路は、条方向の前記目標走行経路であり、
    各前記横方向経路は、条方向に交差する方向の前記目標走行経路であり、
    前記経路算出部は、前記複数の条方向経路が前記作業対象領域において所定の第1間隔で平行に並ぶように、前記複数の条方向経路を算出するように構成されており、
    前記経路算出部は、前記複数の横方向経路が前記作業対象領域において所定の第2間隔で平行に並ぶように、前記複数の横方向経路を算出するように構成されており、
    前記経路算出部は、前記第1間隔を前記コンバインの刈取条数に基づいて決定し、且つ、前記第2間隔を前記コンバインの刈幅に基づいて決定し、
    互いに隣接する2つの前記横方向経路である隣接経路のうちの一方に沿って前記コンバインが走行する際の前記刈取部の通過領域と、前記隣接経路のうちの他方に沿って前記コンバインが走行する際の前記刈取部の通過領域と、の重複幅を設定可能な幅設定部を備え、
    前記幅設定部は、人為操作可能であり、
    前記重複幅が所定の幅よりも小さい場合における前記重複幅による前記コンバインの自動走行への影響を報知する報知部を備える自動走行システム。
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