JP7232429B1 - 穀稈の刈取作業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】刈取装置の横揺れによる穀稈の踏倒しを抑制して、刈取作業域の外側に残った未刈穀稈を効率良く刈取ることができる穀稈の刈取作業方法を提供する。【解決手段】コントローラは、コンバインを自動走行させる設定経路とコンバインが自動走行した走行経路の逸脱距離を算出し、コントローラは、逸脱距離が所定の距離未満の場合には、コンバインを自動走行を継続し、コントローラは、逸脱距離が所定の距離以上の場合には、コンバインを自動走行を中止して、再設定経路と、設定経路と再設定経路の間に仮想目標線を設定し、コントローラは、設定経路と再設定経路を連結する設定移動経路を設定した後に、コンバインを自動走行を再開させ、設定移動経路を、設定経路と仮想目標線を連結する第1設定移動経路と仮想目標線と再設定経路を連結する第2設定移動経路で形成し、第1設定移動経路と第2設定移動経路の角度変化量(ωl)の最大値を小さくした。【選択図】図7

Description

本発明は、操縦者がコンバインを操縦して圃場の外周部の穀稈の刈取りを行った後、コンバインが自動走行して圃場の内周部の穀稈の刈取りを行う穀稈の刈取作業方法に関するものである。
従来の穀稈の刈取作業方法では、圃場内に搬入されたコンバインが、測位衛星の信号に基づいて設定された刈取経路を走行しながら穀稈の刈取作業を行う方法が知られている。(特許文献1)
特開2017-162373号公報
しかし、従来の穀稈の刈取作業方法では、自動走行するコンバインを作業領域の外側に設けられた枕地でUターンさせて作業領域内に植立する穀稈の刈取作業を行なわせるので、穀稈の刈取作業効率が低いという問題があった。
そこで、本発明は、刈取装置の横揺れによる穀稈の踏倒しを抑制して、刈取作業域の外側に残った未刈穀稈を効率良く刈取ることができる穀稈の刈取作業方法を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、圃場に植立された穀稈の刈取りを行う刈取装置(3)と、該刈取装置(3)の後側に操縦者が搭乗する操縦部(5)と、自動走行を制御するコントローラ(20)を備えたコンバインを使用して穀稈を刈取る穀稈の刈取作業方法において、
前記コントローラ(20)は、前記コンバインを自動走行させる設定経路(40)と前記コンバインが自動走行した走行経路の逸脱距離算出と、前記走行経路の外周部の未刈穀稈の残存量を分析し、前記コントローラ(20)は、前記逸脱距離が所定の距離未満で、且つ、前記走行経路の外周部の未刈穀稈の残存量が所定の残存量未満と判断した場合には、前記コンバインを自動走行を継続し、前記コントローラ(20)は、前記逸脱距離が所定の距離以上、又は、前記走行経路の外周部の未刈穀稈の残存量が所定の残存量以上と判断した場合には、前記コンバインを自動走行を中止して、再設定経路(41)と、前記設定経路(40)と再設定経路(41)の間の中心に1本の仮想目標線(42)を設定し、前記コントローラ(20)は、前記設定経路(40)と再設定経路(41)を連結する設定移動経路(43)を設定した後に、前記コンバインを自動走行を再開させ、前記設定移動経路(43)を、前記設定経路(40)と仮想目標線(42)を連結する第1設定移動経路(43A)と前記仮想目標線(42)と再設定経路(41)を連結する第2設定移動経路(43B)で形成し、
前記コンバインの前後方向をX、前記コンバインの左右方向をYとし、前記コンバインの単位移動距離をl[m]とし、目標方位角度をθ [度]としたときに、前記第1設定移動経路(43A)が、前記設定経路(40)と仮想目標線(42)の間をn区分したm番目の位置が以下で算出される位置(X 、Y )をとおり、
= X m-1 + lsinθ /n 但し、1≦m≦n、
= Y m-1 + lcosθ /n 但し、1≦m≦n、
前記コンバインの前後方向をX、前記コンバインの左右方向をYとし、前記コンバインの単位移動距離をl[m]とし、目標方位角度を-θ [度]としたときに、前記第2設定移動経路(43B)が、前記仮想目標線(42)を再設定経路(41)の間をn区分したm番目の位置が以下で算出される位置をとおり、
= X m-1 + lsin(-θ /n) 但し、1≦m≦n、
= Y m-1 + lcos(-θ /n) 但し、1≦m≦n、
前記θ を30~60度に設定し、前記-θ を-30~-60度に設定し、θ の絶対値と-θ の絶対値を同一にしたことを特徴とする穀稈の刈取作業方法である。
請求項記載の発明は、前記コントローラ(20)は、前記コンバインが設定移動経路(43)を自動走行中には、前記設定経路(40)に沿ってコンバインを直進走行させる直進アシストスイッチ(36)をOFFにした請求項記載の穀稈の刈取作業方法である。
請求項1記載の発明によれば、コントローラ(20)は、コンバインを自動走行させる設定経路(40)とコンバインが自動走行した走行経路の逸脱距離算出と、走行経路の外周部の未刈穀稈の残存量を分析し、コントローラ(20)は、逸脱距離が所定の距離未満で、且つ、走行経路の外周部の未刈穀稈の残存量が所定の残存量未満と判断した場合には、コンバインを自動走行を継続し、コントローラ(20)は、逸脱距離が所定の距離以上、又は、走行経路の外周部の未刈穀稈の残存量が所定の残存量以上と判断した場合には、コンバインを自動走行を中止して、再設定経路(41)と、設定経路(40)と再設定経路(41)の間の中心に1本の仮想目標線(42)を設定し、コントローラ(20)は、設定経路(40)と再設定経路(41)を連結する設定移動経路(43)を設定した後に、コンバインを自動走行を再開させ、設定移動経路(43)を、設定経路(40)と仮想目標線(42)を連結する第1設定移動経路(43A)と仮想目標線(42)と再設定経路(41)を連結する第2設定移動経路(43B)で形成し、
コンバインの前後方向をX、コンバインの左右方向をYとし、コンバインの単位移動距離をl[m]とし、目標方位角度をθ [度]としたときに、第1設定移動経路(43A)が、設定経路(40)と仮想目標線(42)の間をn区分したm番目の位置が以下で算出される位置(X 、Y )をとおり、
= X m-1 + lsinθ /n 但し、1≦m≦n、
= Y m-1 + lcosθ /n 但し、1≦m≦n、
コンバインの前後方向をX、コンバインの左右方向をYとし、コンバインの単位移動距離をl[m]とし、目標方位角度を-θ [度]としたときに、第2設定移動経路(43B)が、仮想目標線(42)を再設定経路(41)の間をn区分したm番目の位置が以下で算出される位置をとおり、
= X m-1 + lsin(-θ /n) 但し、1≦m≦n、
= Y m-1 + lcos(-θ /n) 但し、1≦m≦n、
θ を30~60度に設定し、-θ を-30~-60度に設定し、θ の絶対値と-θ の絶対値を同一にしたので、設定移動経路(43)に沿ってコンバインを自動走行する際に刈取装置(3)に作用する反力を抑制し、刈取装置(3)の大きな横揺れを防止して穀稈の踏倒しを抑制することができる。
また、コントローラ(20)における設定移動経路(43)の設定処理を速やかに行うことができ、設定移動経路(43)の距離が過度に長くなるのを抑制して、設定経路(40)から再設定経路(41)にコンバインを効率良く移動させることができる。
さらに、設定経路(40)の外周部に残存する未刈穀稈を刈取ることかできる。
請求項記載の発明によれば、請求項記載の発明による効果に加えて、コントローラ(20)は、コンバインが設定移動経路(43)を自動走行中には、設定経路(40)に沿ってコンバインを直進走行させる直進アシストスイッチ(36)をOFFにしたので、設定移動経路(43)に沿ってコンバインを自動走行させることができる。
コンバインの左側面図である。 コンバインの平面図である。 コンバインの測位ユニットの接続図である。 コンバインのコントローラの接続図である。 設定移動経路の説明図である。 他の設定移動経路の説明図である。 設定移動経路の設定方法の説明図である。
図1,2に示すように、コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を刈取る刈取装置3が設けられ、刈取装置3の後方左側に刈取られた穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取装置3の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部5が設けられている。
操縦部5の下側にはエンジンEを搭載するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側には脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7の後側に穀粒を外部に排出する上下方向に延在する揚穀部と前後方向に延在する横排出からなる排出オーガ8が設けられている。
図3に示すように、RTK-GPS測位方式である測位ユニット10は、測位衛星11と、既知の位置に設けられた基地局12と、コンバインに設けられた移動局16で構成されている。これにより、測位衛星11から移動局16に送信されてくる位置情報と基地局12から移動局16に送信されてくる補正用の位置情報から移動局16の位置、すなわちコンバインの位置を正確に得ることができる。
基地局12は、固定用通信機13と、測位衛星11からの位置情報を受信する固定用GPSアンテナ14と、移動局16に補正用の位置情報を送信する固定用データ送信アンテナ15で構成されている。
移動局16は、移動用通信機17と、測位衛星11からの位置情報を受信する移動用GPSアンテナ18と、基地局12からの補正用の位置情報を受信する移動用データ送信アンテナ19で構成されている。
図4に示すように、コンバインのコントローラ20は、CPU等からなる処理部21と、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等からなる記憶部22と、外部とのデータ通信用の通信部23から形成されている。
処理部21は、圃場の形状に基づいてコンバインを自動走行させる設定経路40や再設定経路41の設定、コンバインを設定経路40から再設定経路41に移動させる設定移動経路43の設定等を行う。
記憶部22は、処理部21で設定された設定経路40等の保存を行う。
通信部23は、移動用通信機17を介して基地局12や外部のポータブルコントローラ等にコンバインの情報の通信を行う。
コントローラ20の入力側には、測位衛星11からのコンバインの位置情報を受信する移動用GPSアンテナ18と、基地局12からコンバインの位置情報を受信する移動用データ送信アンテナ19と、圃場の未刈穀稈の状態等を撮影するカメラ30と、圃場の形状に基づいて設定経路40を設定する設定経路スイッチ31と、コンバインを操縦者による操縦走行から自動走行に切替える切替スイッチ32と、後述するコンバインの単位移動量をl[m]を入力するタッチパネル33が所定の入力インターフェース回路を介して接続されている。
コントローラ20の出力側には、コンバインを自動走行させる走行スイッチ35と、コンバインを直進走行させる直進アシストスイッチ36と、設定経路40を再設定する再設定経路スイッチ37と、設定経路40と再設定経路41の間に仮想目標線42を設定する設定仮想目標線スイッチ38と、設定経路40から再設定経路41にコンバインを移動させる設定移動経路43を設定する設定移動経路スイッチ39が所定の出力インターフェース回路を介して接続されている。
<設定移動経路>
以下の説明では、図5の上下方向をX方向といい、左右方向をY方向といい、設定経路40と設定移動経路43が交差する部位をポイントP1といい、仮想目標線42と設定移動経路43が交差する部位をポイントP2といい、再設定経路41と設定移動経路43が交差する部位をポイントP3という。
(設定経路と仮想目標線の間の設定移動経路)
設定経路40と仮想目標線42の間の設定移動経路(請求項の「第1設定移動経路」)43A上を自動走行するコンバインの単位移動量をl[m]とし、単位移動量当たりの角度変化量をω[rad/m]とする。
角度変化量であるω[rad/m]の最大値を最小になるのは、数1の条件を満たす場合である。
(数1)
ωlm = ωlm-1 但し、1≦m≦n
ここで、nは、処理部21が設定経路40と仮想目標線42の間を分割した区割数でり、ωlm-1 は、設定経路40から数えてm-1番目の区割内の角度変化量であり、ωlmは、設定経路40から数えてm番目の区割内の角度変化量である。
よって、ω[rad/m]の最大値が最小になるωは、数2から近似的に算出することができる。
(数2)
ω= θ/n
ここで、θ[rad]は目標方位角度である。なお、θ[rad]は、操縦者がタッチパネル33から入力する設定値であり、図5に図示した形態においては60[度](略1.05[rad])に設定されている。また、θ[rad]は、30~60度(0.52~1.05[rad])に設定するのが好ましい。これにより、設定移動経路43が過度に長くなるのを防止することができる。
従って、ポイントP1(X1,Y1)からポイントP2(X2,Y2)のX方向の移動距離L[m](X2-X1)は数3で算出することができる。
(数3)
n
L = Σ{l(sin mθ/n}
m=0
また、m番目の区割内の位置(X、Y)はそれぞれ数4,5で算出することができる。
(数4)
= Xm-1 + lsinθ/n 但し、1≦m≦n
(数5)
= Ym-1 + lcosθ/n 但し、1≦m≦n
そして、設定移動経路43Aは、式4,5で算出された位置(Xm-1 、Ym-1)と(X、Y)をとおる曲線として設定される。これにより、設定移動経路43A上の移動するコンバインの刈取装置3に作用する反力を抑制することができるので、刈取装置3の大きな横揺れを防止することができる。
(仮想目標線と再設定経路の間の設定移動経路)
仮想目標線42と再設定経路41の間の設定移動経路(請求項の「第2設定移動経路)43B上を自動走行するコンバインの単位移動量をl[m]とし、単位移動量当たりの角度変化量をω[rad/m]とする。
角度変化量であるω[rad/m]の最大値を最小になるのは、設定移動経路43Aの数6の条件を満たす場合である。
(数6)
ωlm = ωlm-1 但し、1≦m≦n
ここで、nは、処理部21が設定経路40と仮想目標線42の間を分割した区割数でり、ωlm-1 は、設定経路40から数えてm-1番目の区割内の角度変化量であり、ωlmは、設定経路40から数えてm番目の区割内の角度変化量である。
よって、ω[rad/m]の最大値が最小になるωは、数7から近似的に算出することができる。
(数7)
ω= -θ/n
ここで、-θ[rad]は目標方位角度である。なお、-θ[rad]は、操縦者がタッチパネル33から入力する設定値であり、図5に図示した形態においては-60度(略-1,05[rad])に設定されている。また、-θ[rad]は、-30~-60度(-0.52~-1.05[rad])に設定するのが好ましい。これにより、設定移動経路43が過度に長くなるのを防止することができる。
従って、ポイントP2(X2,Y2)からポイントP3(X3,Y3)からのX方向の移動距離L[m](X3-X2)は数8で算出することができる。
(数8)
n
L = Σ{l(sin m(-θ/n)}
m=0
また、m番目の区割内の位置(X、Y)はそれぞれ数9,10で算出することができる。
(数9)
= Xm-1 + lsin(-θ/n) 但し、1≦m≦n
(数10)
= Ym-1 + lcos(-θ/n) 但し、1≦m≦n
そして、設定移動経路43Bは、数9,10で算出された位置(Xm-1 、Ym-1)と(X、Y)をとおる曲線として設定される。これにより、設定移動経路43A上の移動するコンバインの刈取装置3に作用する反力を抑制することができるので、刈取装置3の大きな横揺れを防止することができる。また、仮想目標線42を設定経路40と再設定経路41のY方向の中心に設けているので、計算式が簡略され処理部21を処理を効率良く行うことができる。
ポイントP1では、設定経路40と設定移動経路43の交差角度が0度に設定され、設定経路40とコンバインの幅方向の中心をとおり前後方向に延在する機体中心線の交差角度は0度になる。また、ポイントP3では、再設定経路41と設定移動経路43の交差角度が0度に設定され、再設定経路41とコンバインの機体中心線の交差角度は0度になる。これにより、再設定経路41上に移動したコンバインを速やかに自動走行させることができる。
また、上述の説明では、目標方位角度であるθ[rad]を設定値としたがX方向の移動距離L[m]を算出したが、X方向の移動距離L[m]を設定値としてθ[rad]を算出することもできる。なお、設定経路40と再設定経路41の間隔(Y3-Y1)は、刈取装置3の刈取幅の25%~75%に設定される。
<他の設定移動経路>
以下の説明では、図6の上下方向をX方向といい、左右方向をY方向といい、設定経路40と設定移動経路43が交差する部位をポイントP1といい、第1仮想目標線(請求項の「左側仮想目標線」)42Aと設定移動経路43が交差する部位をポイントP2といい、第2仮想目標線(請求項の「左側仮想目標線」)42Bと設定移動経路43が交差する部位をポイントP3といい、第3仮想目標線(請求項の「中心仮想目標線」)42Cと設定移動経路43が交差する部位をポイントP4といい、第4仮想目標線(請求項の「右側仮想目標線」)42Dと設定移動経路43が交差する部位をポイントP5といい、第5仮想目標線(請求項の「右側仮想目標線」)42Eと設定移動経路43が交差する部位をポイントP6といい、再設定経路41と設定移動経路43が交差する部位をポイントP7という。
また、設定経路40と第1仮想目標線42Aの間の設定移動経路43を設定移動経路43aといい、第1仮想目標線42Aと第2仮想目標線42Bの間の設定移動経路43を設定移動経路43bといい、第2仮想目標線42Bと第3仮想目標線42Cの間の設定移動経路43を設定移動経路43cといい、第3仮想目標線42Cと第4仮想目標線42Dの間の設定移動経路43を設定移動経路43dといい、第4仮想目標線42Dと第5仮想目標線42Eの間の設定移動経路43を設定移動経路43eといい、第5仮想目標線42Eと再設定経路41の間の設定移動経路43を設定移動経路43fという。
(設定経路と第1仮想目標線の間の設定移動経路)
設定移動経路43Aと同様に、ポイントP1(X1,Y1)からポイントP2(X2,Y2)のX方向の移動距離L1[m](X2-X1)は数11で算出することができる。なお、θ[rad]は、操縦者がタッチパネル33から入力する設定値であり、図6に図示した形態においては45度(0.79[rad])に設定されている。
(数11)
n
L1 = Σ{l(sin mθ/n}
m=0
また、m番目の区割内の位置(X、Y)はそれぞれ数12,13で算出することができる。
(数12)
= Xm-1 + lsinθ/n 但し、1≦m≦n
(数13)
= Ym-1 + lcosθ/n 但し、1≦m≦n
そして、設定移動経路43aは、式13,14で算出された位置(Xm-1 、Ym-1)と(X、Y)を時とおる曲線として設定される。これにより、設定移動経路43a上の移動するコンバインの刈取装置3に作用する反力を抑制することができるので、刈取装置3の大きな横揺れを防止することができる。
(第1仮想目標線と第2仮想目標線の間の設定移動経路)
第1仮想目標線42Aと第2仮想目標線42Bの間の設定移動経路43b上を自動走行するコンバインの単位移動量をl[m]とし、単位移動量当たりの角度変化量をω[rad/m]とする。
設定移動経路43b上では、ω[rad/m]は一定値であり、目標方位角度θ[rad]になる。なお、θ[rad]は、操縦者がタッチパネル33から入力する設定値であり、図6に図示した形態においては、θは45度(0.79[rad])に設定されている。
ポイントP2(X2,Y2)からポイントP3(X3,Y3)のX方向の移動距離L2[m](X3-X2)は数14で算出することができる。
(数14)
n
L2 = Σ{lmθ
m=0
また、m番目の区割内の位置(X、Y)はそれぞれ数15,16で算出することができる。
(数15)
=X2 + Xm-1 + lsinθ但し、1≦m≦n
(数16)
=Y2 + Ym-1 + lcosθ但し、1≦m≦n
そして、設定移動経路43bは、式15,16で算出された位置(Xm-1 、Ym-1)と(X、Y)をとおる直線として設定される。これにより、設定移動経路43b上の移動するコンバインの刈取装置3に反力が作用しないので、刈取装置3の大きな横揺れを防止することができる。
(第2仮想目標線と第3仮想目標線の間の設定移動経路等)
設定移動経路43c~43eの移動距離L3~L5、m番目の区割内の位置(X、Y)は、設定移動経路43bと同様に式14~16に算出することができるので説明を省略する。
(第5仮想目標線と再設定経路の間の設定移動経路)
設定移動経路43Bと同様に、ポイントP6(X6,Y6)からポイントP7(X7,Y7)のX方向の移動距離L6[m](X7-X6)は数17で算出することができる。なお、θ[rad]は、操縦者がタッチパネル33から入力する設定値であり、図6に図示した形態においては45度(0.79[rad])に設定されている。
(数17)
n
L6 = Σ{l(sin m(-θ/n)}
m=0
また、m番目の区割内の位置(X、Y)はそれぞれ数18,19で算出することができる。
(数18)
= X6 + Xm-1 + lsin(-θ/n) 但し、l≦m≦n
(数19)
= Y6 + Ym-1 + lcos(-θ/n) 但し、l≦m≦n
そして、設定移動経路43fは、式18,19で算出された位置(Xm-1 、Ym-1)と(X、Y)をとおる曲線として設定される。これにより、設定移動経路43a上の移動するコンバインの刈取装置3に作用する反力を抑制することができるので、刈取装置3の大きな横揺れを防止することができる。また、第3仮想目標線42Cを設定経路40と再設定経路41のY方向の中心に設けているので、計算式が簡略され処理部21を処理を効率良く行うことができる。
ポイントP1では、設定経路40と設定移動経路43の交差角度が0度に設定され、設定経路40とコンバインの機体中心線の交差角度は0度になる。また、ポイントP3では、再設定経路41と設定移動経路43の交差角度が0度に設定され、再設定経路41とコンバインの機体中心線の交差角度は0度になる。これにより、再設定経路41上に移動したコンバインを速やかに自動走行させることができる。なお、設定経路40と再設定経路41の間隔(Y7-Y1)は、刈取装置3の刈取幅の25%~75%に設定される。
また、上述の説明では、目標方位角度であるθ[rad]を設定値としたがX方向の移動距離L1とL6[m]を算出したが、X方向の移動距離L1とL6[m]を設定値としてθ[rad]を算出することもできる。同様に、上述の説明では、目標方位角度であるθt2[rad]を設定値としたがX方向の移動距離L2~L5[m]を算出したが、X方向の移動距離L2~L5[m]を設定値としてθt2[rad]を算出することもできる。
<設定移動経路の設定方法>
図7に示すように、ステップS1で、コントローラ20の処理部21は、自動走行しているコンバインの走行経路が設定経路40から所定の距離以上に逸脱しているか否か判断する。コンバインの走行経路が設定経路40から所定の距離未満である場合にはステップS2に進み、コンバインの走行経路が設定経路40から所定の距離以上に逸脱している場合にはステップS4に進む。なお、コンバインの走行経路は、移動用GPSアンテナ18、 移動用データ送信アンテナ19から入力された情報によって算出することができる。
ステップS2で、処理部21は、走行経路の外周部の未刈穀稈の残存量について判断する。未刈穀稈の残存量が少量であると判断した場合にはステップS3に進み、未刈穀稈の残存量が所定以上であると判断した場合にはステップS4に進む。なお、未刈穀稈の残存量は、カメラ30から入力された画像状況を分析して算出することができる。
ステップS3で、処理部21は、走行スイッチ35のON状態を維持して、引続いて設定経路40に沿ってコンバインを自動走行させてステップS1に戻る。なお、ステップS3では、コンバインの蛇行走行を抑制して設定経路40に沿ってコンバインを直進させる直進アシストスイッチ36のON状態も維持される。
ステップS4で、処理部21は、走行スイッチ35をOFFにして、コンバインの自動走行を中止してステップS5に進む。
ステップS5で、処理部21は、直進アシストスイッチ36をOFFにしてステップS6に進む。これにより、設定経路40と再設定経路41に連結された設定移動経路43に沿ってコンバインを自動走行させることができる。
ステップS6で、処理部21は、再設定経路スイッチ37をONにしてステップS7に進む。これにより、処理部21は、設定経路40の外周部に再設定経路41を設定して、再設定経路41上に沿ってコンバインを自動走行させて設定経路40の外周部に残存する未刈穀稈を刈取ることができる。
ステップS7で、処理部21は、設定仮想目標線スイッチ38をONにして設定経路40と再設定経路41の間の中心に仮想目標線42を設定してステップS8に進む。これにより、設定経路40から仮想目標線42の間では、設定経路40に対してコンバインを時計方向に所定の角度持たせて進行させ、仮想目標線42から再設定経路41の間では、設定経路40に対してコンバインを反時計方向に所定の角度持たせて進行させてコンバインの刈取装置3に作用する反力を均等化して刈取装置3の横揺れを抑制することができる。
また、設定経路40と再設定経路41の間に奇数の複数本の仮想目標線42を設定する場合には、設定経路40と再設定経路41の間の中心に設けた仮想目標線42を中心として対称に仮想目標線42を設定するのが好ましい。これにより、設定移動経路43の算出式の複雑化が抑制されて処理部21の処理能力を負担を軽減することができる。
ステップS8で、処理部21は、設定移動経路スイッチ39をONにして、設定経路40と再設定経路41を連結する設定移動経路43を設定してステップS9に進む。この場合、設定移動経路43上の角度変化量を小さくするために、設定移動経路43の区割りした隣接する区割における角度変化量を一定にするのが好ましい。これにより、設定移動経路43に沿ってコンバインを自動走行させた場合に、コンバインの刈取装置3に作用する反力をより抑制して、刈取装置3の横揺れをより防止することができ、刈取装置3の横揺れに起因する穀稈の踏み倒しも防止することができる。
ステップS9で、処理部21は、走行スイッチ35をONにして、設定移動経路43に沿ってコンバインを自動走行させてステップS10に進む。
ステップS10で、処理部21は、コンバインが再設定経路41に到達したか否か判断する。コンバインが再設定経路41に到達した場合には、ステップS11に進み、コンバインが再設定経路41に到達していない場合には、ステップS10を繰り返す。なお、コンバインが再設定経路41に到達したか否かの判断は、移動用GPSアンテナ18、 移動用データ送信アンテナ19から入力された情報によって行われる。
ステップS11で、処理部21は、直進アシストスイッチ36をONにしてステップS1に戻る。これにより、コンバインの蛇行走行を抑制して再設定経路41に沿ってコンバインを効率良く直進させることができる。
3 刈取装置
5 操縦部
20 コントローラ
36 直進アシストスイッチ
40 設定経路
41 再設定経路
42 仮想目標線
42A 仮想目標線(左側仮想目標線)
42B 仮想目標線(左側仮想目標線)
42C 仮想目標線(中心仮想目標線)
42D 仮想目標線(右側仮想目標線)
42E 仮想目標線(右側仮想目標線)
43 設定移動経路
43A 設定移動経路(第1設定移動経路)
43B 設定移動経路(第2設定移動経路)
ω 角度変化量
θ 目標方位角度

Claims (2)

  1. 圃場に植立された穀稈の刈取りを行う刈取装置(3)と、該刈取装置(3)の後側に操縦者が搭乗する操縦部(5)と、自動走行を制御するコントローラ(20)を備えたコンバインを使用して穀稈を刈取る穀稈の刈取作業方法において、
    前記コントローラ(20)は、前記コンバインを自動走行させる設定経路(40)と前記コンバインが自動走行した走行経路の逸脱距離算出と、前記走行経路の外周部の未刈穀稈の残存量を分析し、
    前記コントローラ(20)は、前記逸脱距離が所定の距離未満で、且つ、前記走行経路の外周部の未刈穀稈の残存量が所定の残存量未満と判断した場合には、前記コンバインを自動走行を継続し、
    前記コントローラ(20)は、前記逸脱距離が所定の距離以上、又は、前記走行経路の外周部の未刈穀稈の残存量が所定の残存量以上と判断した場合には、前記コンバインを自動走行を中止して、再設定経路(41)と、前記設定経路(40)と再設定経路(41)の間の中心に1本の仮想目標線(42)を設定し、
    前記コントローラ(20)は、前記設定経路(40)と再設定経路(41)を連結する設定移動経路(43)を設定した後に、前記コンバインを自動走行を再開させ、
    前記設定移動経路(43)を、前記設定経路(40)と仮想目標線(42)を連結する第1設定移動経路(43A)と前記仮想目標線(42)と再設定経路(41)を連結する第2設定移動経路(43B)で形成し、
    前記コンバインの前後方向をX、前記コンバインの左右方向をYとし、前記コンバインの単位移動距離をl[m]とし、目標方位角度をθ [度]としたときに、前記第1設定移動経路(43A)が、前記設定経路(40)と仮想目標線(42)の間をn区分したm番目の位置が以下で算出される位置(X 、Y )をとおり、
    = X m-1 + lsinθ /n 但し、1≦m≦n、
    = Y m-1 + lcosθ /n 但し、1≦m≦n、
    前記コンバインの前後方向をX、前記コンバインの左右方向をYとし、前記コンバインの単位移動距離をl[m]とし、目標方位角度を-θ [度]としたときに、前記第2設定移動経路(43B)が、前記仮想目標線(42)を再設定経路(41)の間をn区分したm番目の位置が以下で算出される位置をとおり、
    = X m-1 + lsin(-θ /n) 但し、1≦m≦n、
    = Y m-1 + lcos(-θ /n) 但し、1≦m≦n、
    前記θ を30~60度に設定し、前記-θ を-30~-60度に設定し、θ の絶対値と-θ の絶対値を同一にしたことを特徴とする穀稈の刈取作業方法。
  2. 前記コントローラ(20)は、前記コンバインが設定移動経路(43)を自動走行中には、前記設定経路(40)に沿ってコンバインを直進走行させる直進アシストスイッチ(36)をOFFにした請求項記載の穀稈の刈取作業方法。
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