JP2022191350A - 自動走行制御システム - Google Patents

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Toshiki Watanabe
友彦 佐野
Tomohiko Sano
脩 吉田
Osamu Yoshida
翔太郎 川畑
Shotaro Kawabata
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Abstract

【課題】作業効率の低下を抑制可能な自動走行制御システムを提供すること。【解決手段】未作業地の作物を収穫するコンバインの自動走行を制御する自動走行制御システムであって、未作業地A1の作物を収穫して得られるであろう穀粒の見込み総収量を取得する見込み総収量取得部と、未作業地A1におけるコンバインの走行経路を生成する走行経路生成部と、を備える。走行経路生成部は、見込み総収量取得部が取得した見込み総収量が特定量を超える場合に、未作業地A1の一部の領域である部分作業領域D1を設定し、部分作業領域D1の内部においてコンバインの走行経路L11~L17を生成する。部分作業領域D1は、当該部分作業領域D1の作物を収穫して得られるであろう穀粒の見込み総収量が特定量を超えないように設定される。【選択図】図4

Description

本発明は、自動走行制御システムに関する。
特許文献1には、圃場の作物を収穫しながら走行する収穫機のための自動走行システムが記載されている。この自動走行システムによる収穫作業では、まず最初に圃場の境界線に沿った3~4周の周回走行が行われる。この作業は周囲刈りと呼ばれ、この間に作業車が走行した領域が外周領域として設定される。そして、外周領域の内側の領域が作業対象領域として設定されて、この作業対象領域に対して自動走行による作業走行が実行される。
特開2018-73399号公報
収穫機のタンクが満杯になる前に、畦際に駐車している運搬車の近傍へ停車し、作物を運搬車へ排出する必要がある。作業対象領域が大きい場合には、その作業対象領域に対する収穫作業の途中に作業対象領域から離れて、運搬車へ向けて走行する必要がある。作業対象領域の形状や運搬車の位置によっては、この排出のための作業対象領域からの離脱が作業効率を低下させる可能性がある。
本発明の目的は、作業効率の低下を抑制可能な自動走行制御システムを提供することにある。
上記目的を達成するための自動走行制御システムの特徴構成は、未作業地の作物を収穫するコンバインの自動走行を制御する自動走行制御システムであって、前記未作業地の作物を収穫して得られるであろう穀粒の見込み総収量を取得する見込み総収量取得部と、前記未作業地における前記コンバインの走行経路を生成する走行経路生成部と、を備え、前記走行経路生成部は、前記見込み総収量取得部が取得した見込み総収量が特定量を超える場合に、前記未作業地の一部の領域である部分作業領域を設定し、前記部分作業領域の内部において前記コンバインの走行経路を生成し、前記部分作業領域は、当該部分作業領域の作物を収穫して得られるであろう穀粒の見込み総収量が前記特定量を超えないように設定される点にある。
上記の特徴構成によれば、部分作業領域の内部において生成された走行経路の自動走行を完了した場合において、得られる穀粒の総収量が特定量を超えないので、例えば特定量をコンバインの穀粒タンクの容量より小さく設定することで、部分作業領域に対する収穫作業の途中に部分作業領域から離脱することを抑制できる。従って、収穫作業における作業効率の低下を抑制することができる。
本発明においては、前記未作業地における単位面積当たりの穀粒の収量である収量率を取得する収量率取得部と、前記未作業地の面積を取得する面積取得部と、を備え、前記見込み総収量取得部は、前記収量率取得部が取得した収量率、及び前記面積取得部が取得した前記未作業地の面積に基づいて、前記見込み総収量を算出すると好適である。
上記の特徴構成によれば、見込み総収量が精度よく算出されて、実際の総収量との誤差が小さくなるので、作業途中の部分作業領域からの離脱を適切に抑制でき、収穫作業における作業効率の低下を確実に抑制することができる。
本発明においては、前記特定量は、予め設定された所定量、又は予め設定された所定量から前記コンバインの穀粒貯留部に貯留されている穀粒の貯留量を引いた量であると好適である。
上記の特徴構成によれば、特定量が予め設定された所定量である場合には簡易な構成により確実に作業効率の低下を抑制することができる。特定量が予め設定された所定量からコンバインの穀粒貯留部に貯留されている穀粒の貯留量を引いた量である場合には、現在の穀粒の貯留量に応じて特定量が変化するので、設定される部分作業領域が現在の穀物の貯留量に応じたものとなる。従って、更に適切に作業途中の部分作業領域からの離脱を抑制でき、収穫作業における作業効率の低下を確実に抑制することができる。
本発明においては、前記走行経路生成部は、前記未作業地を条方向に平行な直線で分割して生じた一方の領域を前記部分作業領域として設定すると好適である。
上記の特徴構成によれば、部分作業領域の少なくとも一辺が条方向に平行になるので、部分作業領域における走行経路の少なくとも一部を当該一辺に平行なものとすることができる。これにより、部分作業領域の内部における自動走行による収穫作業を条方向に沿ったものとすることができ、収穫作業の効率を向上することが可能となる。
本発明においては、前記走行経路生成部は、前記部分作業領域の内部における前記走行経路が条方向に平行となるように、前記走行経路を設定すると好適である。
上記の特徴構成によれば、部分作業領域の内部における自動走行による収穫作業を条方向に沿ったものとすることができ、収穫作業の効率を向上することが可能となる。
本発明においては、前記走行経路生成部は、前記コンバインが、前記部分作業領域における条方向と直交する方向の一方の端部に位置する走行経路に続いて、前記部分作業領域における条方向と交差する方向の他方の端部に位置する走行経路を走行するように、前記走行経路を設定すると好適である。
上記の特徴構成によれば、部分作業領域における条方向と直交する方向の両端部の走行経路をコンバインが交互に走行するので、部分作業領域の内部における自動走行による収穫作業を条方向に沿ったものとすることができ、収穫作業の効率を向上することが可能となる。
本発明においては、前記走行経路生成部は、前記部分作業領域の条方向と直交する方向の幅が所定の閾値幅よりも小さくなるように、前記部分作業領域を設定すると好適である。
上記の特徴構成によれば、部分作業領域の幅(条方向と直交する方向の幅)が比較的小さくなるので、条方向に沿う自動走行による収穫が比較的多くなり、収穫作業の効率を向上することが可能となる。特に、条方向に沿う自動走行によってのみ収穫を行う場合(例えば、Uターン周回走行パターンによる自動走行)には、自動収穫走行と自動収穫走行との間に行われる収穫を伴わないターン走行の距離が小さくなり、収穫作業の効率を向上することが可能となる。
本発明においては、前記走行経路生成部は、前記未作業地から前記部分作業領域を除いた残余の領域を新たな未作業地として次の部分作業領域を設定すると好適である。
上記の特徴構成によれば、圃場の未作業地に対して次々に部分作業領域を設定して作業を進めることができ、圃場全体の収穫作業において作業効率の低下を抑制することができる。
本発明においては、前記走行経路生成部は、前記部分作業領域の作物の収穫が完了したときの穀粒貯留部の貯留量が所定貯留量を越えている場合に穀粒の排出位置に至る前記コンバインの走行経路を生成し、前記部分作業領域の作物の収穫が完了したときの穀粒貯留部の貯留量が前記所定貯留量以下である場合に前記次の部分作業領域の内部において前記コンバインの走行経路を生成すると好適である。
上記の特徴構成によれば、部分作業領域の作物の収穫が完了したときの穀粒貯留部の貯留量に応じて、穀粒の排出を行うか、次の部分作業領域で収穫を行うかが選択される。すなわち、穀粒貯留部の貯留量に応じて適切な作業を選択し、収穫作業を効率的に進めることができる。
本発明においては、前記走行経路生成部は、前記部分作業領域の作物を収穫して得られた穀粒の収量に基づいて前記次の部分作業領域を設定すると好適である。
上記の特徴構成によれば、次に設定される部分作業領域の広さが適切なものとなり、収穫作業における作業効率の低下を抑制することができる。
コンバインの左側面図である。 圃場における初期周回走行を示す図である。 αターン周回走行パターンによる自動走行を示す図である。 部分作業領域におけるUターン周回走行パターンによる自動走行を示す図である。 部分作業領域におけるUターン周回走行パターンによる自動走行を示す図である。 残余の未作業地におけるUターン周回走行パターンによる自動走行を示す図である。 部分作業領域におけるUターン周回走行パターンによる自動走行を示す図である。 制御部に関する構成を示すブロック図である。
以下、未作業地の作物を収穫するコンバインの自動走行を制御する自動走行制御システムの一例について図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、矢印Fの方向を「機体前側」、矢印Bの方向を「機体後側」、矢印Uの方向を「上側」、矢印Dの方向を「下側」とする。左右を示す場合には、機体前側を向いた状態における右手側を「右」、左手側を「左」とする。
〔コンバインの全体構成〕
図1に、コンバインの一例である自脱型のコンバインが示されている。このコンバイン1には、機体10と、クローラ式の走行装置11と、が備えられている。機体10の前部には、圃場の植立穀稈を刈り取って収穫する収穫部12が設けられている。
機体10において収穫部12の後方に、運転部13が設けられている。運転部13は、機体10の前部における右側に位置する。運転部13の左方に、収穫部12により収穫された収穫物を搬送する搬送部14が設けられている。
搬送部14の後方に、搬送部14により搬送された収穫物を脱穀処理する脱穀装置15が設けられている。脱穀装置15の後部に、排藁を切断処理する排藁処理装置16が設けられている。
運転部13の後方且つ脱穀装置15の右方に、脱穀装置15により得られた穀粒を貯留する穀粒タンク17(「穀粒貯留部」の一例)が設けられている。穀粒タンク17には、穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量を検出する貯留量センサ17a(図8参照)が設けられている。
穀粒タンク17の後方に、穀粒タンク17に貯留された穀粒を外部に排出する排出装置18が設けられている。排出装置18は、上下方向に延びる旋回軸心周りで旋回可能である。
運転部13の前部における左側部分には、衛星測位モジュール19が設けられている。衛星測位モジュール19は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信して、その信号に基づいて、コンバイン1の自車位置を示す測位データを生成する。
運転部13には、管理端末21(図8参照)が配置されている。管理端末21は、種々の情報を表示可能に構成されている。管理端末21が、コンバイン1の自動走行に関する種々の設定(後述する排出位置PPの設定、優先する走行パターンの設定など)の入力操作を受け付け可能に構成されてもよい。
外部の通信ネットワークに接続可能な通信部23(図8参照)が設けられている。通信部23は、当該通信ネットワークを通じて外部のサーバ等と通信可能に構成されている。
コンバイン1は走行装置11により自走可能に構成されており、収穫部12によって圃場の植立穀稈を刈り取りながら走行装置11により走行する収穫走行が可能なように構成されている。
〔コンバインによる収穫作業〕
自脱型のコンバイン1による圃場での収穫作業について、図2~6を参照しながら説明する。本実施形態では、図2に示されるように、圃場の外形が矩形である例が説明される。図示例では、圃場の長辺が東西方向に平行であり、圃場の短辺が南北方向であり、条方向が南北方向である。圃場の北側には、コンバイン1から排出された穀粒を運搬する運搬車CVが駐車しており、圃場内の運搬車CVの近傍位置に排出位置PP(図3~6参照)が設定される。
まず最初に、図2に示されるように、圃場における外周側の領域において圃場の境界線に沿って周回するように収穫走行が行われる(初期周回走行)。この初期周回走行によって既作業地となった領域は外周領域SA(図3参照)として設定され、外周領域SAの内側の未作業地は作業対象領域CA(図3参照)として設定される。
外周領域SAは、作業対象領域CAの植立穀稈の収穫を自動走行により行う際に、コンバイン1が方向転換(後述するターン走行)するためのスペースとして用いられる。また、外周領域SAは、排出位置PPへの移動や、燃料の補給場所への移動を行うためのスペースとしても用いられる。
初期周回走行は、外周領域SAの幅をある程度広く確保するために、2周~4周程度行われる。初期周回走行は、手動走行により行われてもよいし、自動走行により行われてもよい。初期周回走行は、作業対象領域CAの1辺(好ましくは対向する2辺)が条方向と平行になるように行われる。本実施形態では、作業対象領域CAが矩形であり、作業対象領域CAの対向する2つの短辺が条方向と平行である場合について説明する。
初期周回走行に続いて、自動走行により作業対象領域CAの植立穀稈が収穫される。この自動走行においては、作業対象領域CAに設定された収穫走行経路L(走行経路の一例)上を自動走行しながら植立穀稈を収穫する自動収穫走行と、1つの自動収穫走行と次の自動収穫走行との間に行われるターン走行とが繰り返し行われる。ターン走行は、2つの収穫走行経路Lの間を繋ぐターン走行経路T上の自動走行である。
上述の自動収穫走行及びターン走行は、所定の走行パターンに沿って行われる。走行パターンとしては、図3に示されるαターン周回走行パターンと、図4~6に示されるUターン周回走行パターンが例示される。
αターン周回走行パターン(図3)は、矩形の作業対象領域CAの4つの辺に平行な収穫走行経路Lを順に走行し、ターン走行をαターン走行にて行う走行パターンである。αターン走行は、先の収穫走行経路Lの延びる方向に沿った前進と、旋回走行を含む後進走行と、次の収穫走行経路Lの延びる方向に沿った前進と、により実行される。αターン周回走行パターンによる自動走行は、図3に示されるように、渦巻き状の走行となる。
Uターン周回走行パターン(図4~6)は、矩形の領域の対向する2辺に平行な収穫走行経路Lを交互に外側から順に走行し、ターン走行をUターン走行にて行う走行パターンである。本実施形態では、矩形の作業対象領域CAを条方向に平行な直線NS1、NS2で分割して生じる矩形の部分作業領域D1(図4)、部分作業領域D2(図5)、及び領域A2(図6)に対して、Uターン周回走行パターンによる自動走行が行われる。Uターン走行は、旋回走行を含む前進走行のみにより実行される。Uターン周回走行パターンによる自動走行は、図4~6に示されるように、αターン周回走行パターンと同様に渦巻き状の走行となる。
本実施形態では、Uターン周回走行パターンで走行する収穫走行経路Lを、作業対象領域CAの条方向に平行な2辺に平行な経路とする。すなわち、Uターン周回走行パターンによる自動走行では、自動収穫走行は条方向に平行な経路においてのみ行われる。従って、自脱型コンバインであるコンバイン1において脱穀処理が適切に行われ好ましい。
αターン周回走行パターンによる自動走行は、外周領域SAの幅が狭くてUターン周回走行パターンによる自動走行が実行し難い場合に、Uターン周回走行パターンに先立って行われる。外周領域SAの幅が十分に大きく、Uターン周回走行パターンによる自動走行が可能な場合には、αターン周回走行パターンによる自動走行は実行されなくてもよい。
穀粒タンク17の穀粒の貯留量が大きくなると、収穫中断位置IP(図5、図6)から穀粒を排出する際の排出位置PPまで自動走行する排出走行が実行され、排出位置PPにて排出装置18により穀粒の排出が行われる。穀粒の排出の完了後、作業対象領域CAに未作業地が残っている場合、排出位置PPから植立穀稈の収穫を再開する収穫再開位置RP(図5、図6)まで自動走行する復帰走行が実行される。作業対象領域CAに未作業地が残っていない場合、収穫作業が終了する。
排出走行は、図5、図6に示されるように、1つの収穫走行経路L上の自動走行が終了した後に実行されてもよい。この場合、収穫再開位置RPは、次の収穫走行経路Lの始点となる。排出走行が、収穫走行経路L上の自動走行を中断して実行されてもよい。この場合、収穫再開位置RPは収穫走行経路Lにおける自動走行を中断した位置となる。
〔制御に関する構成〕
図8に示されるように、コンバイン1の制御部80(「走行経路生成部」の一例)は、自車位置算出部81、領域算出部82、経路算出部83、走行制御部84、見込み総収量取得部85、及び排出制御部86、を備えている。
自車位置算出部81は、衛星測位モジュール19が生成した測位データに基づいて、コンバイン1の位置座標を経時的に算出する。
領域算出部82は、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、外周領域SA及び作業対象領域CAを算出する。 具体的には、領域算出部82は、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、圃場の外周側における周回走行(初期周回走行)でのコンバイン1の走行軌跡を算出する。そして、領域算出部82は、算出されたコンバイン1の走行軌跡に基づいて、コンバイン1が植立穀稈を収穫しながら走行した圃場の外周側の領域を外周領域SAとして設定する。また、領域算出部82は、算出された外周領域SAよりも圃場内側の領域を作業対象領域CAとして設定する。
例えば、図2においては、圃場の外周側における周回走行(初期周回走行)においてコンバイン1が走行した経路が矢印で示されている。図示例では、コンバイン1は、3周の周回走行を行っている。そして、この初期周回走行が完了すると、圃場は図3に示される状態となる。
領域算出部82は、図3に示されるように、コンバイン1が植立穀稈を収穫しながら走行した圃場の外周側の領域を外周領域SAとして算出し、算出された外周領域SAよりも圃場内側の領域を作業対象領域CAとして算出する。
経路算出部83は、領域算出部82の算出結果に基づいて、作業対象領域CAの内側において、自動収穫走行のための収穫走行経路Lを算出する。本実施形態では、収穫走行経路Lは、作業対象領域CAの4つの辺に平行に延びる複数のメッシュ線である。また、経路算出部83は、ターン走行(αターン走行、Uターン走行)のための、2つの収穫走行経路Lの間を繋ぐターン走行経路Tを算出する。また、経路算出部83は、排出制御部86が設定する収穫中断位置IP及び収穫再開位置RPに基づいて、排出走行のための排出走行経路ULと、復帰走行のための復帰走行経路RLとを算出する。排出走行経路ULは、収穫中断位置IPと排出位置PPとを繋ぐ経路である。復帰走行経路RLは、排出位置PPと収穫再開位置RPとを繋ぐ経路である。
また経路算出部83は、見込み総収量取得部85が取得した見込み総収量が特定量を超える場合に、未作業地の一部の領域である部分作業領域を設定し、部分作業領域の内部において収穫走行経路Lを算出する。図4~図6に示される例では、経路算出部83が、部分作業領域D1、D2を設定し、これら領域の内部において収穫走行経路L11~L24を算出する。経路算出部83は、部分作業領域の作物を収穫して得られるであろう穀粒の見込み総収量が特定量を超えないように、部分作業領域を設定する。ここで特定量は、予め設定された所定量、又は予め設定された所定量からコンバイン1の穀粒タンク17に貯留されている穀粒の貯留量を引いた量である。例えば特定量は、予め設定された所定量であり、穀粒タンク17の満量の90%の量である。例えば特定量は、予め設定された所定量(例えば、穀粒タンク17の満量の90%の量)からコンバイン1の穀粒タンク17に貯留されている穀粒の貯留量を引いた量である。
また経路算出部83は、部分作業領域の条方向と直交する方向の幅(幅W1、W2。図4~6参照)が所定の閾値幅よりも小さくなるように、部分作業領域を設定する。
走行制御部84は、走行装置11及び収穫部12を制御可能に構成されている。走行制御部84は、経路算出部83が算出した走行経路(収穫走行経路L、ターン走行経路T、排出走行経路UL、復帰走行経路RL等)の内から次に走行する走行経路を設定する。走行制御部84は、走行経路の設定を、上述の走行パターン(αターン周回走行パターン、Uターン周回走行パターン)や、排出制御部86が設定する排出タイミング(後述)に基づいて実行する。本実施形態では、走行制御部84は、経路算出部83により部分作業領域が設定されている場合には、部分作業領域の内部の収穫走行経路Lの内から次に走行する走行経路を設定する。そして走行制御部84は、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の位置座標と、設定した走行経路と、に基づいて、コンバイン1の自動走行を制御する。具体的には、走行制御部84は、設定した走行経路に沿ってコンバイン1が走行するように、コンバイン1の走行装置11を制御する。そして走行制御部84は、コンバイン1が収穫走行経路Lを走行する時に収穫部12を動作させる。
見込み総収量取得部85は、未作業地の作物を収穫して得られるであろう穀粒の見込み総収量を取得する。
見込み総収量取得部85は、収量率取得部85a、及び面積取得部85bを備えている。収量率取得部85aは、未作業地における単位面積当たりの穀粒の収量である収量率を取得する。具体的には、収量率取得部85aは、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の位置座標の経時変化に基づいて、収穫走行した未作業地の面積を算出し、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17の穀物の貯留量の経時変化に基づいて、当該未作業地から得られた穀粒の量を算出する。そして収量率取得部85aは、未作業地から得られた穀粒の量を未作業地の面積で除して、収量率を算出する。収量率取得部85aによる収量率の算出は、所定の面積(又は距離)の収穫走行を行う都度実行されてもよいし、所定の領域全体について実行されてもよい。例えば、外周領域SAについて算出されてもよいし、作業対象領域CA、部分作業領域D1、D2等について算出されてもよい。
面積取得部85bは、未作業地の面積を取得する。具体的には、面積取得部85bは、見込み総収量を算出される対象となる未作業地の面積を、領域算出部82又は経路算出部83による設定結果(作業対象領域CA、部分作業領域D1、D2等)に基づいて算出する。
そして見込み総収量取得部85は、収量率取得部85aが取得した収量率、及び面積取得部85bが取得した未作業地の面積に基づいて、見込み総収量を算出する。具体的には、見込み総収量取得部85は、収量率取得部85aが取得した収量率と、面積取得部85bが取得した未作業地の面積とを乗算して、見込み総収量を算出する。
排出制御部86は、穀粒タンク17に貯留された穀粒の排出に関する制御を行う。具体的には、排出制御部86は、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量に基づいて、穀粒の排出タイミングを設定する。そして、設定した排出タイミングに基づいて、収穫中断位置IP及び収穫再開位置RPを設定する。排出制御部86は、コンバイン1が排出位置PPにあるときに、排出装置18を制御して穀粒タンク17に貯留された穀粒を排出させる。
例えば、排出制御部86は、穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量が所定の閾値を超えたことに応じて、排出タイミングを「現在実行している自動収穫走行の終了後」に設定する。この場合、排出制御部86は、現在走行している収穫走行経路Lの終点を収穫中断位置IPとして設定し、次に走行する収穫走行経路Lの始点を収穫再開位置RPとして設定する。
例えば、排出制御部86は、部分作業領域の作物の収穫が完了したときの穀粒タンク17の貯留量が所定貯留量を越えている場合(又は、超える可能性が高い場合)に、排出タイミングを「当該部分作業領域の自動収穫走行の終了後」に設定する。この場合、排出制御部86は、部分作業領域内の最終の収穫走行経路Lの終点を収穫中断位置IPとして設定し、次の部分作業領域の最初の収穫走行経路Lの始点を収穫再開位置RPとして設定する。
排出制御部86が、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の位置座標や、走行制御部84が設定した走行経路、設定された排出位置PPなどに基づいて排出タイミングを設定してもよい。例えば、排出制御部86が、現在走行している収穫走行経路Lの終点が排出位置PPから遠い場合に、排出タイミングを「次に実行する自動収穫走行の終了後」に設定してもよい。この場合、排出制御部86は、次に走行する収穫走行経路Lの終点を収穫中断位置IPとして設定し、その次に走行する収穫走行経路Lの始点を収穫再開位置RPとして設定する。
例えば、現在のコンバイン1の位置と排出位置PPとの間の距離が現在走行している収穫走行経路Lの終点と排出位置PPとの間の距離よりも小さい場合に、排出制御部86が排出タイミングを「現在」に設定してもよい。この場合、排出制御部86は、収穫中断位置IP及び収穫再開位置RPを現在のコンバイン1の位置に設定する。
排出制御部86が排出タイミングを設定したことが、管理端末21を通じてオペレータに報知されてもよい。運転部13に配置された操作ボタン(図示なし)や管理端末21を通じたオペレータからの手動操作に応じて排出走行を実行するように、経路算出部83、走行制御部84、排出制御部86が構成されてもよい。
〔コンバインによる収穫作業の流れ〕
以下では、コンバイン1が図2に示される圃場で行う収穫作業の流れについて説明する。
最初に、オペレータは、コンバイン1を手動で操作し、図2に示されるように、圃場内の外周部分において、圃場の境界線に沿って周回するように収穫走行を行う(初期周回走行)。図示例では、コンバイン1は、3周の周回走行を行う。この初期周回走行が完了すると、圃場は、図3に示される状態となる。
領域算出部82は、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、図2の初期周回走行中のコンバイン1の走行軌跡を算出する。そして領域算出部82は、図3に示されるように、算出したコンバイン1の走行軌跡に基づいて、コンバイン1が植立穀稈を収穫しながら周回走行した圃場の外周側の領域を外周領域SAとして設定する。また領域算出部82は、算出された外周領域SAよりも圃場内側の領域を作業対象領域CAとして設定する。
次に、経路算出部83は、領域算出部82の算出結果に基づいて、図3に示されるように、作業対象領域CAにおける収穫走行経路Lを算出する。図示例では、作業対象領域CAの短辺に平行な複数の収穫走行経路Lと、長辺に平行な複数の収穫走行経路Lとが算出されている。作業対象領域CAの短辺に平行な収穫走行経路Lは、条方向に平行である。
そして、オペレータが自動走行開始ボタン(図示せず)を押すことにより、収穫走行経路Lに沿った自動走行が開始される。この例では、先ず、αターン周回走行パターンによる自動走行(図3)が行われる。走行制御部84は、作業対象領域CAの最外周に位置する収穫走行経路L01、L02、L03、L04を走行の経路として設定する。経路算出部83は、αターン走行用のターン走行経路T01、T02、T03を算出する。走行制御部84は、走行装置11を制御して、収穫走行経路L01、ターン走行経路T01、収穫走行経路L02、ターン走行経路T02、収穫走行経路L03、ターン走行経路T03、収穫走行経路L04、の順にコンバイン1を自動走行させる。
αターン周回走行パターンによる周回状の自動収穫走行により圃場外周側の既作業地が拡大し、Uターン周回走行パターンによる自動走行(図4~6)が可能な状態になると、走行制御部84は、走行パターンをUターン周回走行パターンに切り替える。Uターン周回走行パターンによる自動走行が行われる作業対象領域CAの内部の未作業地を、以下、領域A1(図4)とする。
見込み総収量取得部85は、領域A1の作物を収穫して得られるであろう穀粒の見込み総収量を取得する。まず、収量率取得部85aが、外周領域SAの収穫走行における収量率を取得する。具体的には、収量率取得部85aは、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17の穀物貯留量に基づいて、外周領域SAから得られた穀粒の量を算出し、領域算出部82が設定した外周領域SAの面積を算出し、穀粒の量を面積で除して外周領域SAにおける収量率を算出する。続いて、面積取得部85bが、領域算出部82の算出結果に基づいて、領域A1の面積を算出する。そして、見込み総収量取得部85は、収量率取得部85aが算出した外周領域SAにおける収量率と、面積取得部85bが算出した領域A1の面積とを乗算して、領域A1の見込み総収量を算出する。
経路算出部83は、見込み総収量取得部85が取得した領域A1の見込み総収量と、予め設定された特定量V1とを比較する。以下の説明では、特定量V1は穀粒タンク17の満量の90%の量であり、領域A1の見込み総収量は特定量V1を超えているとする。経路算出部83は、領域A1の見込み総収量が特定量V1を超えていることに応じて、図4に示されるように、領域A1の一部の領域である部分作業領域D1を設定する。本実施形態では、経路算出部83は、領域A1を南北方向(条方向)に平行な直線NS1で分割して生じた領域のうち、東側の領域を部分作業領域D1として設定する。ここで経路算出部83は、部分作業領域D1の作物を収穫して得られるであろう穀粒の見込み総収量が特定量V1を超えないこと、及び、部分作業領域D1の東西方向(条方向と直交する方向)の幅W1が所定の閾値幅を超えないこと、を条件として、部分作業領域D1を設定する。なお、部分作業領域D1の見込み総収量は、経路算出部83が設定した部分作業領域D1の面積と、収量率取得部85aが算出した外周領域SAにおける収量率と、を乗算することによって、見込み総収量取得部85が算出する。そして経路算出部83は、部分作業領域D1の内側において、南北方向(条方向)に平行となるように収穫走行経路L11~L17を算出する。
走行制御部84は、部分作業領域D1の収穫走行経路L11~L17を、この順序で、走行の経路として設定する。経路算出部83は、収穫走行経路L11~L17の終点と始点とを接続する経路として、Uターン走行用のターン走行経路Tを算出する。なお、図4において、収穫走行経路L13と収穫走行経路L14とを繋ぐターン走行経路Tよりも後のターン走行経路Tは、図示を省略している。走行制御部84は、走行装置11を制御して、収穫走行経路L11~L17を、間にターン走行経路Tを挟みつつ、コンバイン1を自動走行させる。
コンバイン1の走行軌跡は、図4に示されるように、渦巻き状に周回しながら部分作業領域D1の未作業地における東西の端部を交互に収穫走行する軌跡となる。すなわち、走行制御部84は、コンバイン1が、部分作業領域D1における東端部(条方向と直交する方向の一方の端部)に位置する収穫走行経路L11に続いて、部分作業領域D1における西端部(条方向と交差する方向の他方の端部)に位置する収穫走行経路L12を走行し、更に続いて部分作業領域D1の未作業地の東端部に位置する収穫走行経路L13を走行し、部分作業領域D1の未作業地の西端部に位置する収穫走行経路L14を走行するように、走行経路を設定する。
排出制御部86は、部分作業領域D1の最後の走行経路(収穫走行経路L17)を走行している間に、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量に基づいて、穀粒の排出タイミングを設定する。本例では、部分作業領域D1の作物の収穫が完了した時の穀粒タンク17の貯留量が所定貯留量V2(例えば、穀粒タンク17の満量の95%とする)を超えるものとする。排出制御部86は、排出タイミングを「部分作業領域D1の自動収穫走行の終了後」に設定し、図5に示されるように、収穫走行経路L17の終点を収穫中断位置IP(図5)として設定する。
経路算出部83は、図5に示されるように、排出制御部86が設定した収穫中断位置IPと排出位置PPとを繋ぐ経路である排出走行経路ULを算出する。コンバイン1が収穫走行経路L17の自動収穫走行を完了すると、走行制御部84は、走行装置11を制御して、経路算出部83が算出した排出走行経路ULを自動走行させる。コンバイン1が排出位置PPに到達すると、排出制御部86は、排出装置18を制御して穀粒タンク17に貯留された穀粒を排出させる。
部分作業領域D1の自動収穫走行が完了したことに応じて、領域A1から部分作業領域D1を除いた残余の領域A2(領域A1における未作業地、図4、図5)を対象として、見込み総収量の取得、特定量V1を超えるか否かの判断、部分作業領域の設定が行われる。
見込み総収量取得部85は、領域A2について穀粒の見込み総収量を取得する。具体的には、見込み総収量取得部85は、収量率取得部85aが算出する部分作業領域D1における収量率と、面積取得部85bが算出する領域A2の面積とを乗算して、領域A2の見込み総収量を算出する。
経路算出部83は、見込み総収量取得部85が取得した領域A2の見込み総収量と特定量V1とを比較し、領域A2の見込み総収量が特定量V1を超えていることに応じて、図5に示されるように、領域A2の一部の領域である部分作業領域D2を設定する。本実施形態では、経路算出部83は、領域A2を南北方向(条方向)に平行な直線NS2で分割して生じた領域のうち、東側の領域を部分作業領域D2として設定する。ここで経路算出部83は、部分作業領域D1の場合と同様に、部分作業領域D2の作物を収穫して得られるであろう穀粒の見込み総収量が特定量V1を超えないこと、及び、部分作業領域D2の東西方向(条方向と直交する方向)の幅W2が所定の閾値幅を超えないこと、を条件として、部分作業領域D2を設定する。そして経路算出部83は、部分作業領域D2の内側において、南北方向(条方向)に平行となるように収穫走行経路L18~L24を算出する。
走行制御部84は、部分作業領域D2の収穫走行経路L18~L24を、この順序で、走行の経路として設定する。排出制御部86は、部分作業領域D2の最初の走行経路となる収穫走行経路L18の始点を、収穫再開位置RPとして設定する。経路算出部83は、排出位置PPと収穫再開位置RPとを繋ぐ復帰走行経路RLを算出する。また経路算出部83は、収穫走行経路L18~L24の終点と始点とを接続する経路として、Uターン走行用のターン走行経路Tを算出する。なお、図5において、収穫走行経路L20と収穫走行経路L21とを繋ぐターン走行経路Tよりも後のターン走行経路Tは、図示を省略している。走行制御部84は、走行装置11を制御して、まず復帰走行経路RLを自動走行させ、次いで収穫走行経路L18~L24を、間にターン走行経路Tを挟みつつ自動走行させる。
排出制御部86は、部分作業領域D2の最後の走行経路(収穫走行経路L24)を走行している間に、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量に基づいて、穀粒の排出タイミングを設定する。本例では、部分作業領域D2の作物の収穫が完了した時の穀粒タンク17の貯留量が所定貯留量V2を超えないものとする。この場合、この時点での排出制御部86による排出タイミングの設定は行われない。そして、部分作業領域D2の自動収穫走行が完了したことに応じて、領域A2から部分作業領域D2を除いた領域A3(領域A2における未作業地、図5、図6)を対象として、見込み総収量の取得、特定量V1を超えるか否かの判断等が行われる。
見込み総収量取得部85は、領域A3について穀粒の見込み総収量を取得する。具体的には、見込み総収量取得部85は、収量率取得部85aが算出する部分作業領域D2における収量率と、面積取得部85bが算出する領域A3の面積とを乗算して、領域A3の見込み総収量を算出する。図5の図示例では、領域A3は領域A1、A2に比べ面積が小さく、領域A3の見込み総収量が特定量V1を超えない。この場合、経路算出部83は、図6に示されるように、領域A3の内側において南北方向(条方向)に平行となるように収穫走行経路L25~L31を算出する。
走行制御部84は、領域A3の収穫走行経路L25~L31を、この順序で、走行の経路として設定する。経路算出部83は、収穫走行経路L25~L31の終点と始点とを接続する経路として、Uターン走行用のターン走行経路Tを算出する。なお、図6において、収穫走行経路L27と収穫走行経路L28とを繋ぐターン走行経路Tよりも後のターン走行経路Tは、図示を省略している。走行制御部84は、走行装置11を制御して、収穫走行経路L25~L31を、間にターン走行経路Tを挟みつつ、コンバイン1を自動走行させる。
収穫走行経路L25を自動収穫走行している途中で、穀粒タンク17の貯留量が所定貯留量V2を超えたとする。排出制御部86は、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量が所定貯留量V2を超えたことに応じて、排出タイミングを「収穫走行経路L25の自動収穫走行の終了後」に設定し、収穫走行経路L25の終点を収穫中断位置IPとして設定し、収穫走行経路L26の始点を収穫再開位置RPとして設定する。
経路算出部83は、図6に示されるように、収穫中断位置IPと排出位置PPとを繋ぐ排出走行経路ULと、排出位置PPと収穫再開位置RPとを繋ぐ復帰走行経路RLと、を算出する。コンバイン1が収穫走行経路L25の自動収穫走行を完了すると、走行制御部84は、走行装置11を制御して、排出走行経路ULを自動走行させる。コンバイン1が排出位置PPに到達すると、排出制御部86は、排出装置18を制御して穀粒タンク17に貯留された穀粒を排出させる。穀粒の排出が完了すると、走行制御部84は、走行装置11を制御して、復帰走行経路RLを自動走行させる。そして走行制御部84は、収穫走行経路L26以降の自動収穫走行を実行する。
図5の例では、部分作業領域D1の自動収穫走行の完了後に、走行制御部84が走行装置11を制御してコンバイン1を排出走行経路ULに沿って自動走行させ、穀粒の排出が行われる。ここで、部分作業領域の作物の収穫が完了したときの穀粒タンク17の貯留量が所定貯留量以下である場合に、次の部分作業領域の内部においてコンバイン1の走行経路が生成され、次の部分作業領域にて自動収穫走行が行われるように、制御部80が構成されている。図7の例では、部分作業領域D1における収穫走行経路L17の自動収穫走行の完了後に、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17の貯留量が所定貯留量V2以下であることに応じて、走行制御部84が走行装置11を制御して、ターン走行経路T、収穫走行経路L18、ターン走行経路T、収穫走行経路L19に沿ってコンバイン1を自動走行させる。
そして収穫走行経路L19の自動収穫走行の途中で、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量が所定貯留量V2を超えたことに応じて、排出制御部86が、排出タイミングを「収穫走行経路L19の自動収穫走行の終了後」に設定し、収穫走行経路L19の終点を収穫中断位置IPとして設定し、収穫走行経路L20の始点を収穫再開位置RPとして設定する。経路算出部83が、排出走行経路UL及び復帰走行経路RLを算出する。コンバイン1が収穫走行経路L19の自動収穫走行を完了すると、走行制御部84が、走行装置11を制御してコンバイン1を排出走行経路ULに沿って自動走行させる。排出位置PPでの穀粒の排出、復帰走行経路RLの自動走行が行われ、収穫走行経路L20の自動収穫走行が開始され、部分作業領域D2の収穫作業が再開される。
ここで、部分作業領域D1における収穫走行経路L17の自動収穫走行の完了後に、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17の貯留量が所定貯留量V2以下であるということは、部分作業領域D1からの穀粒の収穫量が見込み(見込み総収量取得部85により算出された見込み総収量)よりも少なかったことを意味する。本実施形態では、経路算出部83は、部分作業領域の作物を収穫して得られた穀粒の実際の収量に基づいて、次の部分作業領域を設定する。図7の例では、算出される部分作業領域D1の収量率が上記の実施形態よりも小さくなるため、次に設定される部分作業領域D2の面積及び幅W2が、上記の実施形態の部分作業領域D2(図5)よりも大きくなっている。これに伴い、図7の例における部分作業領域D2に生成される収穫走行経路L(収穫走行経路L19~L25)が、図5の例における部分作業領域D2に生成される収穫走行経路L(収穫走行経路L19~L24)よりも多くなっている。
〔他の実施形態〕
〔1〕上記の実施形態では、見込み総収量取得部85による見込み総収量の取得が、収量率取得部85aが取得した収量率と面積取得部85bが取得した未作業地の面積とに基づいて行われる例が説明されたが、見込み総収量、収量率、面積が他の手法により取得されてもよい。例えば、同一の圃場における過去の収穫時の実績値や、類似の圃場での実績値からの推測値等が取得され、見込み総収量、収量率、未作業地の面積として用いられてもよい。また見込み総収量、収量率、面積の取得が、通信部23を通じたデータサーバや他のコンバインからのダウンロードにより実行されてもよいし、管理端末21からの操作入力により実行されてもよい。
〔2〕上記の実施形態では、見込み総収量が特定量V1を超えることに応じて部分作業領域が設定されたが、見込み総収量が特定量V1を超えていない場合でも部分作業領域が設定されてもよい。例えば、未作業地(作業対象領域CA、領域A1、領域A2等)の東西方向(条方向に直交する方向)の幅が所定の閾値幅を超えていることに応じて、部分作業領域が設定されてもよい。
〔3〕部分作業領域を設定する際に参照される収量率は、上記の実施形態では直近の収穫走行について算出された収量率であるが、これに限られない。例えば、初期周回走行について算出された収量率が常に参照されてもよい。また、複数の領域について算出された収量率の平均値が、部分作業領域の設定に際して参照されてもよい。
〔4〕上記の実施形態では、2つの部分作業領域(部分作業領域D1、D2)が設定される例が説明されたが、部分作業領域の数はこれに限られず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
〔5〕上記の実施形態では、1つの部分作業領域について収穫が完了する都度、次の部分作業領域が設定される。αターン周回走行パターンによる自動走行が終了後、未作業地(領域A1)Uターン周回走行パターンによる自動走行が開始される際に、未作業地(領域A1)全体に対して複数の部分作業領域の設定が一度に行われてもよい。
〔6〕上記の実施形態では、排出制御部86が排出タイミングを設定し、排出走行が実行される例が説明された。排出走行が、オペレータからの操作入力に基づいて行われてもよい。例えば、穀粒タンク17の貯留量が所定の閾値を超えたことに応じて、排出制御部86が運転部13に設けられたボタンスイッチ(図示せず)を点灯させ、オペレータが当該ボタンスイッチを押したことに応じて排出走行が実行されるよう、制御部80が構成されてもよい。
〔7〕上記の実施形態では、圃場の外形と作業対象領域CAとが矩形である例が説明された。圃場の外形は矩形に限られず、三角形、五角形等の多角形でもよいし、その外周形状の一部又は全部が曲線であってもよい。作業対象領域CAは、作業効率の面からは矩形が好ましいが、三角形、五角形等の多角形でもよいし、その外周形状の一部又は全部が曲線であってもよい。
〔8〕上記の実施形態では、収穫走行経路Lが直線である例が説明されたが、収穫走行経路Lの一部又は全部が曲線であってもよい。
本発明は、自脱型のコンバインだけでなく、普通型のコンバイン等の種々の収穫機に利用可能である。
1 :コンバイン
17 :穀粒タンク(穀粒貯留部)
80 :制御部(走行経路生成部)
85 :見込み総収量取得部
85a :収量率取得部
85b :面積取得部
A1 :領域(未作業地)
A2 :領域(未作業地)
D1 :部分作業領域
D2 :部分作業領域
L :収穫走行経路(走行経路)
NS1 :直線
NS2 :直線
PP :排出位置
UL :排出走行経路(走行経路)
W1 :幅
W2 :幅
本発明は、自動走行制御システムに関する。
特許文献1には、圃場の作物を収穫しながら走行する収穫機のための自動走行システムが記載されている。この自動走行システムによる収穫作業では、まず最初に圃場の境界線に沿った3~4周の周回走行が行われる。この作業は周囲刈りと呼ばれ、この間に作業車が走行した領域が外周領域として設定される。そして、外周領域の内側の領域が作業対象領域として設定されて、この作業対象領域に対して自動走行による作業走行が実行される。
特開2018-73399号公報
収穫機のタンクが満杯になる前に、畦際に駐車している運搬車の近傍へ停車し、作物を運搬車へ排出する必要がある。作業対象領域が大きい場合には、その作業対象領域に対する収穫作業の途中に作業対象領域から離れて、運搬車へ向けて走行する必要がある。作業対象領域の形状や運搬車の位置によっては、この排出のための作業対象領域からの離脱が作業効率を低下させる可能性がある。
本発明の目的は、作業効率の低下を抑制可能な自動走行制御システムを提供することにある。
上記目的を達成するための自動走行制御システムの特徴構成は、未作業地の作物を収穫するコンバインの自動走行を制御する自動走行制御システムであって、前記未作業地における前記コンバインの走行経路を生成する走行経路生成部と、前記コンバインの穀粒タンクに貯留されている穀粒の量に基づいて、穀粒の排出タイミング及び収穫中断位置を設定する排出制御部と、前記収穫中断位置と排出位置とを繋ぐ経路である排出走行経路を算出する経路算出部と、前記コンバインの走行装置を制御して前記排出走行経路に沿って前記コンバインを自動走行させる走行制御部と、を備える点にある。
上記の特徴構成によれば、収穫作業における作業効率の低下を抑制することができる。
本発明においては、前記排出制御部は、前記コンバインが前記排出位置に到達すると前記コンバインの排出装置を制御して前記穀粒タンクに貯留された穀粒を排出させると好適である。
本発明においては、前記排出制御部は、前記走行経路の終点を前記収穫中断位置として設定すると好適である。
本発明においては、前記排出制御部は、前記走行経路の端部のうち前記排出位置に近い方の端部を前記収穫中断位置として設定すると好適である。
本発明においては、前記経路算出部は、前記排出位置と収穫再開位置とを繋ぐ経路である復帰走行経路を算出し、前記走行制御部は、前記穀粒タンクの穀粒の排出が完了すると、前記走行装置を制御して前記復帰走行経路に沿って前記コンバインを自動走行させると好適である。
本発明においては、前記排出制御部は、前記走行経路の始点を前記収穫再開位置として設定すると好適である。
本発明においては、前記排出制御部は、前記走行経路の端部のうち前記排出位置に近い方の端部を前記収穫再開位置として設定すると好適である。
本発明においては、前記走行経路生成部は、前記未作業地の一部の領域である部分作業領域を設定し、前記部分作業領域の内部において前記コンバインの走行経路を生成し、前記排出制御部は、前記部分作業領域の内部に前記収穫中断位置を設定すると好適である。
本発明においては、前記排出制御部は、前記収穫中断位置が設定された前記部分作業領域とは別の前記部分作業領域の内部に、前記収穫再開位置を設定すると好適である。
コンバインの左側面図である。 圃場における初期周回走行を示す図である。 αターン周回走行パターンによる自動走行を示す図である。 部分作業領域におけるUターン周回走行パターンによる自動走行を示す図である。 部分作業領域におけるUターン周回走行パターンによる自動走行を示す図である。 残余の未作業地におけるUターン周回走行パターンによる自動走行を示す図である。 部分作業領域におけるUターン周回走行パターンによる自動走行を示す図である。 制御部に関する構成を示すブロック図である。
以下、未作業地の作物を収穫するコンバインの自動走行を制御する自動走行制御システムの一例について図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、矢印Fの方向を「機体前側」、矢印Bの方向を「機体後側」、矢印Uの方向を「上側」、矢印Dの方向を「下側」とする。左右を示す場合には、機体前側を向いた状態における右手側を「右」、左手側を「左」とする。
〔コンバインの全体構成〕
図1に、コンバインの一例である自脱型のコンバインが示されている。このコンバイン1には、機体10と、クローラ式の走行装置11と、が備えられている。機体10の前部には、圃場の植立穀稈を刈り取って収穫する収穫部12が設けられている。
機体10において収穫部12の後方に、運転部13が設けられている。運転部13は、機体10の前部における右側に位置する。運転部13の左方に、収穫部12により収穫された収穫物を搬送する搬送部14が設けられている。
搬送部14の後方に、搬送部14により搬送された収穫物を脱穀処理する脱穀装置15が設けられている。脱穀装置15の後部に、排藁を切断処理する排藁処理装置16が設けられている。
運転部13の後方且つ脱穀装置15の右方に、脱穀装置15により得られた穀粒を貯留する穀粒タンク17(「穀粒貯留部」の一例)が設けられている。穀粒タンク17には、穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量を検出する貯留量センサ17a(図8参照)が設けられている。
穀粒タンク17の後方に、穀粒タンク17に貯留された穀粒を外部に排出する排出装置18が設けられている。排出装置18は、上下方向に延びる旋回軸心周りで旋回可能である。
運転部13の前部における左側部分には、衛星測位モジュール19が設けられている。
衛星測位モジュール19は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信して、その信号に基づいて、コンバイン1の自車位置を示す測位データを生成する。
運転部13には、管理端末21(図8参照)が配置されている。管理端末21は、種々の情報を表示可能に構成されている。管理端末21が、コンバイン1の自動走行に関する種々の設定(後述する排出位置PPの設定、優先する走行パターンの設定など)の入力操作を受け付け可能に構成されてもよい。
外部の通信ネットワークに接続可能な通信部23(図8参照)が設けられている。通信部23は、当該通信ネットワークを通じて外部のサーバ等と通信可能に構成されている。
コンバイン1は走行装置11により自走可能に構成されており、収穫部12によって圃場の植立穀稈を刈り取りながら走行装置11により走行する収穫走行が可能なように構成されている。
〔コンバインによる収穫作業〕
自脱型のコンバイン1による圃場での収穫作業について、図2~6を参照しながら説明する。本実施形態では、図2に示されるように、圃場の外形が矩形である例が説明される。図示例では、圃場の長辺が東西方向に平行であり、圃場の短辺が南北方向であり、条方向が南北方向である。圃場の北側には、コンバイン1から排出された穀粒を運搬する運搬車CVが駐車しており、圃場内の運搬車CVの近傍位置に排出位置PP(図3~6参照)が設定される。
まず最初に、図2に示されるように、圃場における外周側の領域において圃場の境界線に沿って周回するように収穫走行が行われる(初期周回走行)。この初期周回走行によって既作業地となった領域は外周領域SA(図3参照)として設定され、外周領域SAの内側の未作業地は作業対象領域CA(図3参照)として設定される。
外周領域SAは、作業対象領域CAの植立穀稈の収穫を自動走行により行う際に、コンバイン1が方向転換(後述するターン走行)するためのスペースとして用いられる。また、外周領域SAは、排出位置PPへの移動や、燃料の補給場所への移動を行うためのスペースとしても用いられる。
初期周回走行は、外周領域SAの幅をある程度広く確保するために、2周~4周程度行われる。初期周回走行は、手動走行により行われてもよいし、自動走行により行われてもよい。初期周回走行は、作業対象領域CAの1辺(好ましくは対向する2辺)が条方向と平行になるように行われる。本実施形態では、作業対象領域CAが矩形であり、作業対象領域CAの対向する2つの短辺が条方向と平行である場合について説明する。
初期周回走行に続いて、自動走行により作業対象領域CAの植立穀稈が収穫される。この自動走行においては、作業対象領域CAに設定された収穫走行経路L(走行経路の一例)上を自動走行しながら植立穀稈を収穫する自動収穫走行と、1つの自動収穫走行と次の自動収穫走行との間に行われるターン走行とが繰り返し行われる。ターン走行は、2つの収穫走行経路Lの間を繋ぐターン走行経路T上の自動走行である。
上述の自動収穫走行及びターン走行は、所定の走行パターンに沿って行われる。走行パターンとしては、図3に示されるαターン周回走行パターンと、図4~6に示されるUターン周回走行パターンが例示される。
αターン周回走行パターン(図3)は、矩形の作業対象領域CAの4つの辺に平行な収穫走行経路Lを順に走行し、ターン走行をαターン走行にて行う走行パターンである。αターン走行は、先の収穫走行経路Lの延びる方向に沿った前進と、旋回走行を含む後進走行と、次の収穫走行経路Lの延びる方向に沿った前進と、により実行される。αターン周回走行パターンによる自動走行は、図3に示されるように、渦巻き状の走行となる。
Uターン周回走行パターン(図4~6)は、矩形の領域の対向する2辺に平行な収穫走行経路Lを交互に外側から順に走行し、ターン走行をUターン走行にて行う走行パターンである。本実施形態では、矩形の作業対象領域CAを条方向に平行な直線NS1、NS2で分割して生じる矩形の部分作業領域D1(図4)、部分作業領域D2(図5)、及び領域A2(図6)に対して、Uターン周回走行パターンによる自動走行が行われる。Uターン走行は、旋回走行を含む前進走行のみにより実行される。Uターン周回走行パターンによる自動走行は、図4~6に示されるように、αターン周回走行パターンと同様に渦巻き状の走行となる。
本実施形態では、Uターン周回走行パターンで走行する収穫走行経路Lを、作業対象領域CAの条方向に平行な2辺に平行な経路とする。すなわち、Uターン周回走行パターンによる自動走行では、自動収穫走行は条方向に平行な経路においてのみ行われる。従って、自脱型コンバインであるコンバイン1において脱穀処理が適切に行われ好ましい。
αターン周回走行パターンによる自動走行は、外周領域SAの幅が狭くてUターン周回走行パターンによる自動走行が実行し難い場合に、Uターン周回走行パターンに先立って行われる。外周領域SAの幅が十分に大きく、Uターン周回走行パターンによる自動走行が可能な場合には、αターン周回走行パターンによる自動走行は実行されなくてもよい。
穀粒タンク17の穀粒の貯留量が大きくなると、収穫中断位置IP(図5、図6)から穀粒を排出する際の排出位置PPまで自動走行する排出走行が実行され、排出位置PPにて排出装置18により穀粒の排出が行われる。穀粒の排出の完了後、作業対象領域CAに未作業地が残っている場合、排出位置PPから植立穀稈の収穫を再開する収穫再開位置RP(図5、図6)まで自動走行する復帰走行が実行される。作業対象領域CAに未作業地が残っていない場合、収穫作業が終了する。
排出走行は、図5、図6に示されるように、1つの収穫走行経路L上の自動走行が終了した後に実行されてもよい。この場合、収穫再開位置RPは、次の収穫走行経路Lの始点となる。排出走行が、収穫走行経路L上の自動走行を中断して実行されてもよい。この場合、収穫再開位置RPは収穫走行経路Lにおける自動走行を中断した位置となる。
〔制御に関する構成〕
図8に示されるように、コンバイン1の制御部80(「走行経路生成部」の一例)は、自車位置算出部81、領域算出部82、経路算出部83、走行制御部84、見込み総収量取得部85、及び排出制御部86、を備えている。
自車位置算出部81は、衛星測位モジュール19が生成した測位データに基づいて、コンバイン1の位置座標を経時的に算出する。
領域算出部82は、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、外周領域SA及び作業対象領域CAを算出する。 具体的には、領域算出部82は、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、圃場の外周側における周回走行(初期周回走行)でのコンバイン1の走行軌跡を算出する。そして、領域算出部82は、算出されたコンバイン1の走行軌跡に基づいて、コンバイン1が植立穀稈を収穫しながら走行した圃場の外周側の領域を外周領域SAとして設定する。
また、領域算出部82は、算出された外周領域SAよりも圃場内側の領域を作業対象領域CAとして設定する。
例えば、図2においては、圃場の外周側における周回走行(初期周回走行)においてコンバイン1が走行した経路が矢印で示されている。図示例では、コンバイン1は、3周の周回走行を行っている。そして、この初期周回走行が完了すると、圃場は図3に示される状態となる。
領域算出部82は、図3に示されるように、コンバイン1が植立穀稈を収穫しながら走行した圃場の外周側の領域を外周領域SAとして算出し、算出された外周領域SAよりも圃場内側の領域を作業対象領域CAとして算出する。
経路算出部83は、領域算出部82の算出結果に基づいて、作業対象領域CAの内側において、自動収穫走行のための収穫走行経路Lを算出する。本実施形態では、収穫走行経路Lは、作業対象領域CAの4つの辺に平行に延びる複数のメッシュ線である。また、経路算出部83は、ターン走行(αターン走行、Uターン走行)のための、2つの収穫走行経路Lの間を繋ぐターン走行経路Tを算出する。また、経路算出部83は、排出制御部86が設定する収穫中断位置IP及び収穫再開位置RPに基づいて、排出走行のための排出走行経路ULと、復帰走行のための復帰走行経路RLとを算出する。排出走行経路ULは、収穫中断位置IPと排出位置PPとを繋ぐ経路である。復帰走行経路RLは、排出位置PPと収穫再開位置RPとを繋ぐ経路である。
また経路算出部83は、見込み総収量取得部85が取得した見込み総収量が特定量を超える場合に、未作業地の一部の領域である部分作業領域を設定し、部分作業領域の内部において収穫走行経路Lを算出する。図4~図6に示される例では、経路算出部83が、部分作業領域D1、D2を設定し、これら領域の内部において収穫走行経路L11~L24を算出する。経路算出部83は、部分作業領域の作物を収穫して得られるであろう穀粒の見込み総収量が特定量を超えないように、部分作業領域を設定する。ここで特定量は、予め設定された所定量、又は予め設定された所定量からコンバイン1の穀粒タンク17に貯留されている穀粒の貯留量を引いた量である。例えば特定量は、予め設定された所定量であり、穀粒タンク17の満量の90%の量である。例えば特定量は、予め設定された所定量(例えば、穀粒タンク17の満量の90%の量)からコンバイン1の穀粒タンク17に貯留されている穀粒の貯留量を引いた量である。
また経路算出部83は、部分作業領域の条方向と直交する方向の幅(幅W1、W2。図4~6参照)が所定の閾値幅よりも小さくなるように、部分作業領域を設定する。
走行制御部84は、走行装置11及び収穫部12を制御可能に構成されている。走行制御部84は、経路算出部83が算出した走行経路(収穫走行経路L、ターン走行経路T、排出走行経路UL、復帰走行経路RL等)の内から次に走行する走行経路を設定する。走行制御部84は、走行経路の設定を、上述の走行パターン(αターン周回走行パターン、Uターン周回走行パターン)や、排出制御部86が設定する排出タイミング(後述)に基づいて実行する。本実施形態では、走行制御部84は、経路算出部83により部分作業領域が設定されている場合には、部分作業領域の内部の収穫走行経路Lの内から次に走行する走行経路を設定する。そして走行制御部84は、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の位置座標と、設定した走行経路と、に基づいて、コンバイン1の自動走行を制御する。具体的には、走行制御部84は、設定した走行経路に沿ってコンバイン1が走行するように、コンバイン1の走行装置11を制御する。そして走行制御部84は、コンバイン1が収穫走行経路Lを走行する時に収穫部12を動作させる。
見込み総収量取得部85は、未作業地の作物を収穫して得られるであろう穀粒の見込み総収量を取得する。
見込み総収量取得部85は、収量率取得部85a、及び面積取得部85bを備えている。収量率取得部85aは、未作業地における単位面積当たりの穀粒の収量である収量率を取得する。具体的には、収量率取得部85aは、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の位置座標の経時変化に基づいて、収穫走行した未作業地の面積を算出し、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17の穀物の貯留量の経時変化に基づいて、当該未作業地から得られた穀粒の量を算出する。そして収量率取得部85aは、未作業地から得られた穀粒の量を未作業地の面積で除して、収量率を算出する。収量率取得部85aによる収量率の算出は、所定の面積(又は距離)の収穫走行を行う都度実行されてもよいし、所定の領域全体について実行されてもよい。例えば、外周領域SAについて算出されてもよいし、作業対象領域CA、部分作業領域D1、D2等について算出されてもよい。
面積取得部85bは、未作業地の面積を取得する。具体的には、面積取得部85bは、見込み総収量を算出される対象となる未作業地の面積を、領域算出部82又は経路算出部83による設定結果(作業対象領域CA、部分作業領域D1、D2等)に基づいて算出する。
そして見込み総収量取得部85は、収量率取得部85aが取得した収量率、及び面積取得部85bが取得した未作業地の面積に基づいて、見込み総収量を算出する。具体的には、見込み総収量取得部85は、収量率取得部85aが取得した収量率と、面積取得部85bが取得した未作業地の面積とを乗算して、見込み総収量を算出する。
排出制御部86は、穀粒タンク17に貯留された穀粒の排出に関する制御を行う。具体的には、排出制御部86は、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量に基づいて、穀粒の排出タイミングを設定する。そして、設定した排出タイミングに基づいて、収穫中断位置IP及び収穫再開位置RPを設定する。排出制御部86は、コンバイン1が排出位置PPにあるときに、排出装置18を制御して穀粒タンク17に貯留された穀粒を排出させる。
例えば、排出制御部86は、穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量が所定の閾値を超えたことに応じて、排出タイミングを「現在実行している自動収穫走行の終了後」に設定する。この場合、排出制御部86は、現在走行している収穫走行経路Lの終点を収穫中断位置IPとして設定し、次に走行する収穫走行経路Lの始点を収穫再開位置RPとして設定する。
例えば、排出制御部86は、部分作業領域の作物の収穫が完了したときの穀粒タンク17の貯留量が所定貯留量を越えている場合(又は、超える可能性が高い場合)に、排出タイミングを「当該部分作業領域の自動収穫走行の終了後」に設定する。この場合、排出制御部86は、部分作業領域内の最終の収穫走行経路Lの終点を収穫中断位置IPとして設定し、次の部分作業領域の最初の収穫走行経路Lの始点を収穫再開位置RPとして設定する。
排出制御部86が、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の位置座標や、走行制御部84が設定した走行経路、設定された排出位置PPなどに基づいて排出タイミングを設定してもよい。例えば、排出制御部86が、現在走行している収穫走行経路Lの終点が排出位置PPから遠い場合に、排出タイミングを「次に実行する自動収穫走行の終了後」に設定してもよい。この場合、排出制御部86は、次に走行する収穫走行経路Lの終点を収穫中断位置IPとして設定し、その次に走行する収穫走行経路Lの始点を収穫再開位置RPとして設定する。
例えば、現在のコンバイン1の位置と排出位置PPとの間の距離が現在走行している収穫走行経路Lの終点と排出位置PPとの間の距離よりも小さい場合に、排出制御部86が排出タイミングを「現在」に設定してもよい。この場合、排出制御部86は、収穫中断位置IP及び収穫再開位置RPを現在のコンバイン1の位置に設定する。
排出制御部86が排出タイミングを設定したことが、管理端末21を通じてオペレータに報知されてもよい。運転部13に配置された操作ボタン(図示なし)や管理端末21を通じたオペレータからの手動操作に応じて排出走行を実行するように、経路算出部83、走行制御部84、排出制御部86が構成されてもよい。
〔コンバインによる収穫作業の流れ〕
以下では、コンバイン1が図2に示される圃場で行う収穫作業の流れについて説明する。
最初に、オペレータは、コンバイン1を手動で操作し、図2に示されるように、圃場内の外周部分において、圃場の境界線に沿って周回するように収穫走行を行う(初期周回走行)。図示例では、コンバイン1は、3周の周回走行を行う。この初期周回走行が完了すると、圃場は、図3に示される状態となる。
領域算出部82は、自車位置算出部81が算出したコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、図2の初期周回走行中のコンバイン1の走行軌跡を算出する。そして領域算出部82は、図3に示されるように、算出したコンバイン1の走行軌跡に基づいて、コンバイン1が植立穀稈を収穫しながら周回走行した圃場の外周側の領域を外周領域SAとして設定する。また領域算出部82は、算出された外周領域SAよりも圃場内側の領域を作業対象領域CAとして設定する。
次に、経路算出部83は、領域算出部82の算出結果に基づいて、図3に示されるように、作業対象領域CAにおける収穫走行経路Lを算出する。図示例では、作業対象領域CAの短辺に平行な複数の収穫走行経路Lと、長辺に平行な複数の収穫走行経路Lとが算出されている。作業対象領域CAの短辺に平行な収穫走行経路Lは、条方向に平行である。
そして、オペレータが自動走行開始ボタン(図示せず)を押すことにより、収穫走行経路Lに沿った自動走行が開始される。この例では、先ず、αターン周回走行パターンによる自動走行(図3)が行われる。走行制御部84は、作業対象領域CAの最外周に位置する収穫走行経路L01、L02、L03、L04を走行の経路として設定する。経路算出部83は、αターン走行用のターン走行経路T01、T02、T03を算出する。走行制御部84は、走行装置11を制御して、収穫走行経路L01、ターン走行経路T01、収穫走行経路L02、ターン走行経路T02、収穫走行経路L03、ターン走行経路T03、収穫走行経路L04、の順にコンバイン1を自動走行させる。
αターン周回走行パターンによる周回状の自動収穫走行により圃場外周側の既作業地が拡大し、Uターン周回走行パターンによる自動走行(図4~6)が可能な状態になると、走行制御部84は、走行パターンをUターン周回走行パターンに切り替える。Uターン周回走行パターンによる自動走行が行われる作業対象領域CAの内部の未作業地を、以下、領域A1(図4)とする。
見込み総収量取得部85は、領域A1の作物を収穫して得られるであろう穀粒の見込み総収量を取得する。まず、収量率取得部85aが、外周領域SAの収穫走行における収量率を取得する。具体的には、収量率取得部85aは、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17の穀物貯留量に基づいて、外周領域SAから得られた穀粒の量を算出し、領域算出部82が設定した外周領域SAの面積を算出し、穀粒の量を面積で除して外周領域SAにおける収量率を算出する。続いて、面積取得部85bが、領域算出部82の算出結果に基づいて、領域A1の面積を算出する。そして、見込み総収量取得部85は、収量率取得部85aが算出した外周領域SAにおける収量率と、面積取得部85bが算出した領域A1の面積とを乗算して、領域A1の見込み総収量を算出する。
経路算出部83は、見込み総収量取得部85が取得した領域A1の見込み総収量と、予め設定された特定量V1とを比較する。以下の説明では、特定量V1は穀粒タンク17の満量の90%の量であり、領域A1の見込み総収量は特定量V1を超えているとする。経路算出部83は、領域A1の見込み総収量が特定量V1を超えていることに応じて、図4に示されるように、領域A1の一部の領域である部分作業領域D1を設定する。本実施形態では、経路算出部83は、領域A1を南北方向(条方向)に平行な直線NS1で分割して生じた領域のうち、東側の領域を部分作業領域D1として設定する。ここで経路算出部83は、部分作業領域D1の作物を収穫して得られるであろう穀粒の見込み総収量が特定量V1を超えないこと、及び、部分作業領域D1の東西方向(条方向と直交する方向)の幅W1が所定の閾値幅を超えないこと、を条件として、部分作業領域D1を設定する。なお、部分作業領域D1の見込み総収量は、経路算出部83が設定した部分作業領域D1の面積と、収量率取得部85aが算出した外周領域SAにおける収量率と、を乗算することによって、見込み総収量取得部85が算出する。そして経路算出部83は、部分作業領域D1の内側において、南北方向(条方向)に平行となるように収穫走行経路L11~L17を算出する。
走行制御部84は、部分作業領域D1の収穫走行経路L11~L17を、この順序で、走行の経路として設定する。経路算出部83は、収穫走行経路L11~L17の終点と始点とを接続する経路として、Uターン走行用のターン走行経路Tを算出する。なお、図4において、収穫走行経路L13と収穫走行経路L14とを繋ぐターン走行経路Tよりも後のターン走行経路Tは、図示を省略している。走行制御部84は、走行装置11を制御して、収穫走行経路L11~L17を、間にターン走行経路Tを挟みつつ、コンバイン1を自動走行させる。
コンバイン1の走行軌跡は、図4に示されるように、渦巻き状に周回しながら部分作業領域D1の未作業地における東西の端部を交互に収穫走行する軌跡となる。すなわち、走行制御部84は、コンバイン1が、部分作業領域D1における東端部(条方向と直交する方向の一方の端部)に位置する収穫走行経路L11に続いて、部分作業領域D1における西端部(条方向と交差する方向の他方の端部)に位置する収穫走行経路L12を走行し、更に続いて部分作業領域D1の未作業地の東端部に位置する収穫走行経路L13を走行し、部分作業領域D1の未作業地の西端部に位置する収穫走行経路L14を走行するように、走行経路を設定する。
排出制御部86は、部分作業領域D1の最後の走行経路(収穫走行経路L17)を走行している間に、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量に基づいて、穀粒の排出タイミングを設定する。本例では、部分作業領域D1の作物の収穫が完了した時の穀粒タンク17の貯留量が所定貯留量V2(例えば、穀粒タンク17の満量の95%とする)を超えるものとする。排出制御部86は、排出タイミングを「部分作業領域D1の自動収穫走行の終了後」に設定し、図5に示されるように、収穫走行経路L17の終点を収穫中断位置IP(図5)として設定する。
経路算出部83は、図5に示されるように、排出制御部86が設定した収穫中断位置IPと排出位置PPとを繋ぐ経路である排出走行経路ULを算出する。コンバイン1が収穫走行経路L17の自動収穫走行を完了すると、走行制御部84は、走行装置11を制御して、経路算出部83が算出した排出走行経路ULを自動走行させる。コンバイン1が排出位置PPに到達すると、排出制御部86は、排出装置18を制御して穀粒タンク17に貯留された穀粒を排出させる。
部分作業領域D1の自動収穫走行が完了したことに応じて、領域A1から部分作業領域D1を除いた残余の領域A2(領域A1における未作業地、図4、図5)を対象として、見込み総収量の取得、特定量V1を超えるか否かの判断、部分作業領域の設定が行われる。
見込み総収量取得部85は、領域A2について穀粒の見込み総収量を取得する。具体的には、見込み総収量取得部85は、収量率取得部85aが算出する部分作業領域D1における収量率と、面積取得部85bが算出する領域A2の面積とを乗算して、領域A2の見込み総収量を算出する。
経路算出部83は、見込み総収量取得部85が取得した領域A2の見込み総収量と特定量V1とを比較し、領域A2の見込み総収量が特定量V1を超えていることに応じて、図5に示されるように、領域A2の一部の領域である部分作業領域D2を設定する。本実施形態では、経路算出部83は、領域A2を南北方向(条方向)に平行な直線NS2で分割して生じた領域のうち、東側の領域を部分作業領域D2として設定する。ここで経路算出部83は、部分作業領域D1の場合と同様に、部分作業領域D2の作物を収穫して得られるであろう穀粒の見込み総収量が特定量V1を超えないこと、及び、部分作業領域D2の東西方向(条方向と直交する方向)の幅W2が所定の閾値幅を超えないこと、を条件として、部分作業領域D2を設定する。そして経路算出部83は、部分作業領域D2の内側において、南北方向(条方向)に平行となるように収穫走行経路L18~L24を算出する。
走行制御部84は、部分作業領域D2の収穫走行経路L18~L24を、この順序で、走行の経路として設定する。排出制御部86は、部分作業領域D2の最初の走行経路となる収穫走行経路L18の始点を、収穫再開位置RPとして設定する。経路算出部83は、排出位置PPと収穫再開位置RPとを繋ぐ復帰走行経路RLを算出する。また経路算出部83は、収穫走行経路L18~L24の終点と始点とを接続する経路として、Uターン走行用のターン走行経路Tを算出する。なお、図5において、収穫走行経路L20と収穫走行経路L21とを繋ぐターン走行経路Tよりも後のターン走行経路Tは、図示を省略している。走行制御部84は、走行装置11を制御して、まず復帰走行経路RLを自動走行させ、次いで収穫走行経路L18~L24を、間にターン走行経路Tを挟みつつ自動走行させる。
排出制御部86は、部分作業領域D2の最後の走行経路(収穫走行経路L24)を走行している間に、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量に基づいて、穀粒の排出タイミングを設定する。本例では、部分作業領域D2の作物の収穫が完了した時の穀粒タンク17の貯留量が所定貯留量V2を超えないものとする。この場合、この時点での排出制御部86による排出タイミングの設定は行われない。そして、部分作業領域D2の自動収穫走行が完了したことに応じて、領域A2から部分作業領域D2を除いた領域A3(領域A2における未作業地、図5、図6)を対象として、見込み総収量の取得、特定量V1を超えるか否かの判断等が行われる。
見込み総収量取得部85は、領域A3について穀粒の見込み総収量を取得する。具体的には、見込み総収量取得部85は、収量率取得部85aが算出する部分作業領域D2における収量率と、面積取得部85bが算出する領域A3の面積とを乗算して、領域A3の見込み総収量を算出する。図5の図示例では、領域A3は領域A1、A2に比べ面積が小さく、領域A3の見込み総収量が特定量V1を超えない。この場合、経路算出部83は、図6に示されるように、領域A3の内側において南北方向(条方向)に平行となるように収穫走行経路L25~L31を算出する。
走行制御部84は、領域A3の収穫走行経路L25~L31を、この順序で、走行の経路として設定する。経路算出部83は、収穫走行経路L25~L31の終点と始点とを接続する経路として、Uターン走行用のターン走行経路Tを算出する。なお、図6において、収穫走行経路L27と収穫走行経路L28とを繋ぐターン走行経路Tよりも後のターン走行経路Tは、図示を省略している。走行制御部84は、走行装置11を制御して、収穫走行経路L25~L31を、間にターン走行経路Tを挟みつつ、コンバイン1を自動走行させる。
収穫走行経路L25を自動収穫走行している途中で、穀粒タンク17の貯留量が所定貯留量V2を超えたとする。排出制御部86は、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量が所定貯留量V2を超えたことに応じて、排出タイミングを「収穫走行経路L25の自動収穫走行の終了後」に設定し、収穫走行経路L25の終点を収穫中断位置IPとして設定し、収穫走行経路L26の始点を収穫再開位置RPとして設定する。
経路算出部83は、図6に示されるように、収穫中断位置IPと排出位置PPとを繋ぐ排出走行経路ULと、排出位置PPと収穫再開位置RPとを繋ぐ復帰走行経路RLと、を算出する。コンバイン1が収穫走行経路L25の自動収穫走行を完了すると、走行制御部84は、走行装置11を制御して、排出走行経路ULを自動走行させる。コンバイン1が排出位置PPに到達すると、排出制御部86は、排出装置18を制御して穀粒タンク17に貯留された穀粒を排出させる。穀粒の排出が完了すると、走行制御部84は、走行装置11を制御して、復帰走行経路RLを自動走行させる。そして走行制御部84は、収穫走行経路L26以降の自動収穫走行を実行する。
図5の例では、部分作業領域D1の自動収穫走行の完了後に、走行制御部84が走行装置11を制御してコンバイン1を排出走行経路ULに沿って自動走行させ、穀粒の排出が行われる。ここで、部分作業領域の作物の収穫が完了したときの穀粒タンク17の貯留量が所定貯留量以下である場合に、次の部分作業領域の内部においてコンバイン1の走行経路が生成され、次の部分作業領域にて自動収穫走行が行われるように、制御部80が構成されている。図7の例では、部分作業領域D1における収穫走行経路L17の自動収穫走行の完了後に、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17の貯留量が所定貯留量V2以下であることに応じて、走行制御部84が走行装置11を制御して、ターン走行経路T、収穫走行経路L18、ターン走行経路T、収穫走行経路L19に沿ってコンバイン1を自動走行させる。
そして収穫走行経路L19の自動収穫走行の途中で、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17に貯留されている穀粒の量が所定貯留量V2を超えたことに応じて、排出制御部86が、排出タイミングを「収穫走行経路L19の自動収穫走行の終了後」に設定し、収穫走行経路L19の終点を収穫中断位置IPとして設定し、収穫走行経路L20の始点を収穫再開位置RPとして設定する。経路算出部83が、排出走行経路UL及び復帰走行経路RLを算出する。コンバイン1が収穫走行経路L19の自動収穫走行を完了すると、走行制御部84が、走行装置11を制御してコンバイン1を排出走行経路ULに沿って自動走行させる。排出位置PPでの穀粒の排出、復帰走行経路RLの自動走行が行われ、収穫走行経路L20の自動収穫走行が開始され、部分作業領域D2の収穫作業が再開される。
ここで、部分作業領域D1における収穫走行経路L17の自動収穫走行の完了後に、貯留量センサ17aが検出した穀粒タンク17の貯留量が所定貯留量V2以下であるということは、部分作業領域D1からの穀粒の収穫量が見込み(見込み総収量取得部85により算出された見込み総収量)よりも少なかったことを意味する。本実施形態では、経路算出部83は、部分作業領域の作物を収穫して得られた穀粒の実際の収量に基づいて、次の部分作業領域を設定する。図7の例では、算出される部分作業領域D1の収量率が上記の実施形態よりも小さくなるため、次に設定される部分作業領域D2の面積及び幅W2が、上記の実施形態の部分作業領域D2(図5)よりも大きくなっている。これに伴い、図7の例における部分作業領域D2に生成される収穫走行経路L(収穫走行経路L19~L25)が、図5の例における部分作業領域D2に生成される収穫走行経路L(収穫走行経路L19~L24)よりも多くなっている。
〔他の実施形態〕
〔1〕上記の実施形態では、見込み総収量取得部85による見込み総収量の取得が、収量率取得部85aが取得した収量率と面積取得部85bが取得した未作業地の面積とに基づいて行われる例が説明されたが、見込み総収量、収量率、面積が他の手法により取得されてもよい。例えば、同一の圃場における過去の収穫時の実績値や、類似の圃場での実績値からの推測値等が取得され、見込み総収量、収量率、未作業地の面積として用いられてもよい。また見込み総収量、収量率、面積の取得が、通信部23を通じたデータサーバや他のコンバインからのダウンロードにより実行されてもよいし、管理端末21からの操作入力により実行されてもよい。
〔2〕上記の実施形態では、見込み総収量が特定量V1を超えることに応じて部分作業領域が設定されたが、見込み総収量が特定量V1を超えていない場合でも部分作業領域が設定されてもよい。例えば、未作業地(作業対象領域CA、領域A1、領域A2等)の東西方向(条方向に直交する方向)の幅が所定の閾値幅を超えていることに応じて、部分作業領域が設定されてもよい。
〔3〕部分作業領域を設定する際に参照される収量率は、上記の実施形態では直近の収穫走行について算出された収量率であるが、これに限られない。例えば、初期周回走行について算出された収量率が常に参照されてもよい。また、複数の領域について算出された収量率の平均値が、部分作業領域の設定に際して参照されてもよい。
〔4〕上記の実施形態では、2つの部分作業領域(部分作業領域D1、D2)が設定される例が説明されたが、部分作業領域の数はこれに限られず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
〔5〕上記の実施形態では、1つの部分作業領域について収穫が完了する都度、次の部分作業領域が設定される。αターン周回走行パターンによる自動走行が終了後、未作業地(領域A1)Uターン周回走行パターンによる自動走行が開始される際に、未作業地(領域A1)全体に対して複数の部分作業領域の設定が一度に行われてもよい。
〔6〕上記の実施形態では、排出制御部86が排出タイミングを設定し、排出走行が実行される例が説明された。排出走行が、オペレータからの操作入力に基づいて行われてもよい。例えば、穀粒タンク17の貯留量が所定の閾値を超えたことに応じて、排出制御部86が運転部13に設けられたボタンスイッチ(図示せず)を点灯させ、オペレータが当該ボタンスイッチを押したことに応じて排出走行が実行されるよう、制御部80が構成されてもよい。
〔7〕上記の実施形態では、圃場の外形と作業対象領域CAとが矩形である例が説明された。圃場の外形は矩形に限られず、三角形、五角形等の多角形でもよいし、その外周形状の一部又は全部が曲線であってもよい。作業対象領域CAは、作業効率の面からは矩形が好ましいが、三角形、五角形等の多角形でもよいし、その外周形状の一部又は全部が曲線であってもよい。
〔8〕上記の実施形態では、収穫走行経路Lが直線である例が説明されたが、収穫走行経路Lの一部又は全部が曲線であってもよい。
本発明は、自脱型のコンバインだけでなく、普通型のコンバイン等の種々の収穫機に利用可能である。
1 :コンバイン
17 :穀粒タンク(穀粒貯留部)
80 :制御部(走行経路生成部)
85 :見込み総収量取得部
85a :収量率取得部
85b :面積取得部
A1 :領域(未作業地)
A2 :領域(未作業地)
D1 :部分作業領域
D2 :部分作業領域
L :収穫走行経路(走行経路)
NS1 :直線
NS2 :直線
PP :排出位置
UL :排出走行経路(走行経路)
W1 :幅
W2 :幅

Claims (1)

  1. 未作業地の作物を収穫するコンバインの自動走行を制御する自動走行制御システムであって、
    前記未作業地における前記コンバインの走行経路を生成する走行経路生成部を備える自動走行制御システム。
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