以下、添付図面を参照して、本願の開示するロボットおよび双腕ロボットの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下では、ロボットが、ワークを爪で把持するツールであるエンドエフェクタを装着した場合について説明するが、エンドエフェクタは、吸着式のツールであってもよく、シール材の塗布、塗装、溶接などを行うツールであってもよい。
また、以下に示す実施形態では、「直交」、「垂直」、「平行」、「水平」、「鉛直」あるいは「対称」といった表現を用いるが、厳密にこれらの状態を満たすことを要しない。すなわち、上記した各表現は、製造精度、設置精度、処理制度、検出精度などのずれを許容するものとする。
まず、実施形態に係るロボット100について図1を用いて説明する。図1は、実施形態に係るロボット100の上面図である。なお、図1には、説明をわかりやすくするために、鉛直上向きが正方向であるZ軸を含み、XY平面が水平面に対応する3次元の直交座標系を示している。かかる直交座標系は、以下の説明で用いる他の図面においても示す場合がある。
図1に示すように、ロボット100は、水平アーム10である第1水平アーム11および第2水平アーム12と、昇降アーム20とを備える。昇降アーム20の先端側にはエンドエフェクタ200が取り付け可能である。
なお、以下では、昇降アーム20が複数のアームを含み、各アームが水平軸まわりに旋回して伸縮することでエンドエフェクタ200を昇降させる場合について説明する。しかしながら、これに限らず、昇降アーム20を、鉛直向きに昇降するスライド機構としたり、かかるスライド機構を含むアーム群としたりすることとしてもよい。
また、第1水平アーム11の基端側は、たとえば、ベース部Bに取り付けられる。なお、図1には平面視において円形のベース部Bを示したが、ベース部Bの立体形状は、円柱状に限らず、直方体状や楕円柱状など任意の形状であってもよい。また、ベース部Bは、床などの支持部材であってもよい。
図1に示したように、第1水平アーム11は、たとえば、ベース部Bなどの支持部材に基端側が支持され、鉛直向きの第1軸A1まわりに旋回する。第2水平アーム12は、第1水平アーム11の先端側に基端側が支持され、第1軸A1と平行な第2軸A2まわりに旋回する。昇降アーム20は、第2水平アーム12の先端側に基端側が支持され、先端側に取り付け可能なエンドエフェクタ200を昇降させる。
ここで、第2水平アーム12は、鉛直軸である第1軸A1まわりのいずれかの旋回向きに湾曲しており、昇降アーム20は、平面視において、第2水平アーム12における湾曲内側Siに配置される。ここで、湾曲内側Siの反対側を湾曲外側Soと呼ぶこととする。なお、図1では、第2水平アーム12が、第2軸A2の時計回りに湾曲した形状である場合を示したが、反時計回りに湾曲した形状としてもよい。
このように、昇降アーム20を、湾曲するアームである第2水平アーム12の湾曲内側Siに配置することで、障害物等に干渉しにくい湾曲内側Siの領域を有効活用することができ、ロボット100が障害物等に干渉する干渉領域を低減することが可能となる。
以下では、図1に示した昇降アーム20の構成についてさらに詳細に説明する。昇降アーム20は、第1昇降アーム21と、第2昇降アーム22と、第3昇降アーム23とを備える。第1昇降アーム21は、第2水平アーム12の先端側に基端側が支持され、第1軸A1と垂直な第3軸A3まわりに旋回する。
第2昇降アーム22は、第1昇降アーム21の先端側に基端側が支持され、第3軸A3と平行な第4軸A4まわりに旋回する。第3昇降アーム23は、第2昇降アーム22の先端側に支持され、第4軸A4と平行な第5軸A5まわりに旋回する。
また、第3昇降アーム23は、第5軸A5と垂直な第6軸A6まわりにエンドエフェクタ200を回転させる回転部23rを有する。なお、回転部23rは、第3昇降アーム23の底面側に設けられてもよく、第2昇降アーム22側を除いた側面側にも設けられてもよい。
図1に示したように、ロボット100は、第1軸A1~第6軸A6の6軸を有する多関節ロボットである。このように、水平アーム10(第1水平アーム11および第2水平アーム12)と、昇降アーム20とを組み合わせることで、「先端軸」である第6軸A6の向きを保持したままエンドエフェクタ200を任意の3次元位置に移動させることができる。
また、図1に示したように、昇降アーム20を3アーム構成とすることで、昇降動作の昇降範囲を十分に確保することができる。なお、昇降アーム20における各アーム長や軸間距離の詳細な関係については、図5を用いて後述することとする。
次に、湾曲アームである第2水平アーム12の具体的な湾曲形状について図2を用いて説明する。図2は、第2水平アーム12の湾曲形状を示す上面図である。なお、図2は、図1に示したロボット100の第2水平アーム12および昇降アーム20に相当する。
図2に示すように、第2水平アーム12は、平面視において、湾曲外側Soの基端側および先端側がそれぞれ直線状であり、基端側と先端側とを滑らかに曲線でつないだ形状を有している。また、湾曲内側Siの基端側および先端側もそれぞれ直線状であり、湾曲外側Soと同様に、基端側と先端側とを滑らかに曲線でつないだ形状を有している。
また、昇降アーム20は、湾曲内側Siにおける先端側における直線部分に配置される。なお、図2には、湾曲外側Soの先端側と、湾曲内側Siの先端側とが平行である場合を示したが、必ずしも平行であることを要しない。
ここで、第2水平アーム12における湾曲外側Soの先端側に接する仮想接線を「第1仮想接線TL1」とし、第2水平アーム12に接する仮想接線のうち第1仮想接線TL1に対して平行かつ最も離れた仮想接線を「第2仮想接線TL2」とする。そして、第1仮想接線TL1と、第2仮想接線TL2とに挟まれた領域を「領域W」とする。
この場合、図2に示したように、昇降アーム20は、第1仮想接線TL1と、第2仮想接線TL2とに挟まれた領域Wに全体が収まる。つまり、第2水平アーム12は、昇降アーム20全体が領域Wに収まる程度に湾曲している。このように、アームの湾曲によって生じた領域W内に昇降アーム20を収容することで、昇降アーム20と障害物等との干渉を抑制することができ、干渉領域を効率よく低減することが可能となる。なお、湾曲内側Siの基端側(昇降アーム20が存在しない領域)には、各種センサや配線などを第2水平アーム12へ外付けすることもでき、領域Wを有効活用することが可能となる。
ここで、図2では、エンドエフェクタ200の一部が領域Wからはみ出している場合を示したが、エンドエフェクタ200の外形を領域W内に収まる形状にすることとしてもよい。このようにすることで、エンドエフェクタ200による干渉領域をさらに低減することができる。
また、図1および図2に示したように、ロボット100は、エンドエフェクタ200に接続するケーブルなどのケーブルを筐体の内部に収容することでも干渉領域の低減を図っているので、上記した湾曲形状による干渉領域の低減とあわせて干渉領域を効率よく低減することができる。なお、図2に示した昇降アーム20の側面形状については、図6Aおよび図6Bを用いて後述する。
次に、図1に示したロボット100を一対備える双腕ロボット500について図3A、図3B、図4Aおよび図4Bを用いて説明する。図3Aは、双腕ロボット500の正面図であり、図3Bは、双腕ロボット500の斜視図である。なお、図3Bは、双腕ロボット500を斜め上方からみた図に相当する。図4Aは、双腕ロボット500の上面図であり、図4Bは、図1に示した昇降アーム20を対向させた姿勢を示す上面図である。
まず、双腕ロボット500の正面形状について説明する。図3Aに示すように、双腕ロボット500は、左腕に相当するロボット100Aと、右腕に相当するロボット100Bと、ロボット100Aおよびロボット100Bを上面側で支持するベース部Bと、ベース部Bを上面側で支持する台車300とを備える。
図3Aに示したように、一対のロボット100(ロボット100Aおよびロボット100B)の各々は、第2水平アーム12が、第1水平アーム11の上面側で支持される。このようにすることで、第2水平アーム12を第1水平アーム11の下面側に配置する場合よりも、第2水平アーム12がベース部Bと干渉しにくい。したがって、第2水平アーム12の実質的な可動範囲を広くすることができる。
台車300は、ロボット100Aおよびロボット100Bの動作を制御するコントローラ600を内蔵する。また、台車300は、底面側に複数の車輪310と、複数の脚部320とをそれぞれ備える。台車300が車輪310を備えることで、たとえば、作業員の人力による設置位置の移動が容易となり、脚部320を備えることで、設置位置の固定が容易となる。
なお、図3Aには、台車300に内蔵される機器の一例としてコントローラ600を示したが、エンドエフェクタ200や双腕ロボット500に付随するセンサの基板などの各種機器を台車300に内蔵することとしてもよい。このようにすることで、双腕ロボット500まわりの障害物を減らすことができ、双腕ロボット500の干渉領域を効率よく低減することが可能となる。
なお、図3Aでは、1つのコントローラ600を例示したが、複数のコントローラ600を台車300に内蔵させることとしてもよい。たとえば、ロボット100A用のコントローラ600と、ロボット100B用のコントローラ600とを設け、双方のコントローラ600が相互に通信することで各ロボット100(ロボット100Aおよびロボット100B)を協調動作させることとしてもよい。また、コントローラ600を双腕ロボット500とは別筐体とすることとしてもよい。
また、図3Aでは、ベース部Bと、台車300とを別々に示したが、台車300の一部としてベース部Bを構成することとしてもよい。また、図3Aでは、ロボット100Aおよびロボット100Bに同じ形状のエンドエフェクタ200を取り付けた場合を示したが、ロボット100ごとに異なる形状や異なる機能を有するエンドエフェクタ200を取り付けることとしてもよい。
図3Bに示すように、一対のロボット100(ロボット100Aおよびロボット100B)の各第2水平アーム12は、水平向きに湾曲しており、湾曲によって凹んだ部位には、昇降アーム20がそれぞれ配置される。また、図3Bに示したように、ベース部Bは、台車300における上面の一部に配置され、底面には脚部320がそれぞれ配置される。なお、図3Aに示した車輪310は、台車300に隠れているため図3Bでは図示していない。
次に、双腕ロボット500の上面形状について図4Aおよび図4Bを用いて説明する。ここで、図4Aに示した双腕ロボット500の姿勢は、両腕(ロボット100Aおよびロボット100B)を左右に開いた姿勢であり、図4Bに示した姿勢は、両腕をいわゆる「前に倣え」のように前方へ閉じた姿勢である。なお、図4Aおよび図4Bでは、図3Aに示したエンドエフェクタ200の記載を省略している。
図4Aに示すように、双腕ロボット500のベース部Bは、一対のロボット100(ロボット100Aおよびロボット100B)を、第1軸A1が互いに平行となるように上面側で支持する。
ここで、図4Aに示したように、一対のロボット100(ロボット100Aおよびロボット100B)は、第2水平アーム12の湾曲向きが互いに逆向きである。具体的には、左腕に相当するロボット100Aの第2水平アーム12は、第2軸A2の時計回りに湾曲した形状である。一方、右腕に相当するロボット100Bの第2水平アーム12は、第2軸A2の半時計回りに湾曲した形状である。
また、図4Aに示した姿勢をとった場合、双腕ロボット500は、ロボット100Aの第1軸A1、第2軸A2および第6軸A6と、ロボット100Bの第1軸A1、第2軸A2および第6軸A6とを一直線状とすることができる。ここで、上記したように、各昇降アーム20は、領域Wに収まっているので、次に示す「前に倣え」姿勢をとった場合であっても、昇降アーム20同士は、互いに干渉しない。
図4Bに示すように、双腕ロボット500における各ロボット100(ロボット100Aおよびロボット100B)が、それぞれの昇降アーム20を対向させ、第1軸A1および第2軸A2を含む平面に「先端軸」が含まれる姿勢をそれぞれとったとする。この場合、ロボット100Aおよびロボット100Bは、互いに干渉しない外形を有する。なお、上記したように、「先端軸」は第6軸A6に相当する。
このように、各腕の第1軸A1、第2軸A2、第6軸A6をそれぞれ一直線として互いに平行とする姿勢であっても、両腕が互いに干渉しない外形とすることで両腕の干渉による制限を考慮する必要がないので、ロボット100のティーチングを効率的に行うことができる。また、両腕が接近した姿勢をとることが容易となるので、双腕ロボット500による作業効率を向上させることができる。
たとえば、長尺のワークを双方のエンドエフェクタ200で把持した状態でロボット100Aおよびロボット100Bが連携してハンドリング作業を行ったり、一方のエンドエフェクタ200で把持したワークに対して他方のエンドエフェクタ200が加工作業を行ったりすることができる。
なお、図4Bでは、図3Aに示したエンドエフェクタ200の記載を省略しているが、各エンドエフェクタ200は、双腕ロボット500が図4Bの姿勢をとった場合であっても、エンドエフェクタ200同士が互いに干渉しない外形を有することが好ましい。
次に、図1等に示した昇降アーム20のアーム長および軸間距離の関係について図5、図6Aおよび図6Bを用いて説明する。ここで、図5は、昇降アーム20の上面図に相当し、図6Aおよび図6Bは、昇降アーム20の側面図に相当する。図5は、昇降アーム20のアーム長および軸間距離の関係を示す説明図である。また、図6Aは、昇降アーム20の基本姿勢を示す側面図であり、図6Bは、昇降アーム20の協調動作姿勢を示す側面図である。なお、図5、図6Aおよび図6Bには、第2水平アーム12を参考のため破線で示している。
図5に示すように、昇降アーム20は、第3軸A3まわりに旋回する第1昇降アーム21と、第1昇降アーム21の先端21t側に基端22e側が支持され、第4軸A4と平行な第5軸A5まわりに旋回する第2昇降アーム22とを備える。また、昇降アーム20は、第2昇降アーム22の先端22t側に支持され、第4軸A4と平行な第5軸A5まわりに旋回する第3昇降アーム23を備える。
また、第1昇降アーム21、第2昇降アーム22および第3昇降アーム23は、第3軸A3の向きからみて第1昇降アーム21、第2昇降アーム22および第3昇降アーム23の順序で配置されている。
ここで、第4軸A4と第5軸A5との軸間距離である第2距離L2は、第3軸A3と第4軸A4との軸間距離である第1距離L1よりも大きい。また、第2昇降アーム22は、第1昇降アーム21、第2昇降アーム22および第3昇降アーム23のそれぞれの延伸向きが第3軸A3の向きからみて重なった基本姿勢(図6A参照)では、先端22tが第1昇降アーム21の基端21eを超えない長さである。
また、第3昇降アーム23は、上記した基本姿勢では、基端23eが第2昇降アーム22の先端22tを超えない長さである。また、第1昇降アーム21の基端21eが第2水平アーム12の先端12tを超えないように、昇降アーム20は、第2水平アーム12に取り付けられている。なお、図5には、第2水平アーム12の基端12eを参考のため示している。
また、図5では、第1昇降アーム21の基端21eと、第2昇降アーム22の先端22tとが揃っており、第1昇降アーム21の先端21tと、第2昇降アーム22の基端22eとが揃っている場合、すなわち、両アームのアーム長が等しい場合を示している。
しかしながら、これに限らず、第2昇降アーム22のアーム長を第1昇降アーム21のアーム長よりも短くしても構わない。また、図5では、第2昇降アーム22の先端22tと、第3昇降アーム23の基端23eとが揃っている場合を示したが、基端23eが先端22tよりも第4軸A4寄りになるように第3昇降アーム23のアーム長を短くすることとしてもよい。なお、第3昇降アーム23は、第6軸A6の向きを保つことが主な役割であるので、図5に示したように、先端23tを第2昇降アーム22の基端22eよりも先端22t寄りとすることで、アーム長を第2昇降アーム22のアーム長よりも短くすることができる。
このように、各アームのアーム長を延長することなく軸間距離を延長する、すなわち、第2昇降アーム22のアーム長を第1昇降アーム21のアーム長よりも長くすることなく、軸間距離である第2距離L2を第1距離L1よりも大きくすることで、昇降アーム20の到達範囲を広げつつ、干渉領域を低減することができる。
また、上記したように、第3昇降アーム23は、第5軸A5と垂直な第6軸A6まわりにエンドエフェクタ200(図3A参照)を回転させる回転部23rを有している。そして、第6軸A6は、第6軸A6の向きを保持したままエンドエフェクタ200を移動させる協調動作姿勢では、第5軸A5よりも第2昇降アーム22の先端22t側にある。なお、図5には、第5軸A5からの第6軸A6のシフト量を、参考のため第3距離L3として示している。
このように、第6軸A6を第3昇降アーム23の基端23e側に寄せることで、昇降アーム20の到達範囲を広げることができる。これは、第6軸A6が第3昇降アーム23の基端23eに近いほど、第2昇降アーム22のアーム長をより有効に活用することができるためである。
なお、図5に示したのは、昇降アーム20の基本姿勢(図6A参照)における上面図であるが、図5に示した第6軸A6の向きは、協調動作姿勢においても保持されるため、基本姿勢は、協調動作姿勢に含まれる1つの姿勢であるといえる。
次に、図5に示した昇降アーム20の側面形状について図6Aを用いて説明する。図6Aに示すように、基本姿勢では、第1昇降アーム21および第2昇降アーム22の延伸向きは水平向きである。そして、第3軸A3と、第5軸A5とは重なっており、第3軸A3および第4軸A4と、第4軸A4および第5軸A5とは、同一水平面上にある。また、第6軸A6軸の向きは鉛直向きである。
なお、図6Aでは、第2昇降アーム22の背後に第1昇降アーム21と、第2水平アーム12の先端側とが隠れているが、第1昇降アーム21の外形は第2昇降アーム22の外形と同様であり、第2水平アーム12の先端側の形状は、第2昇降アーム22の先端側の形状と同様である。
また、図6Aに示したように、基本姿勢では、第2軸A2と、第6軸A6とは平行であり、第2軸A2および第6軸A6と、第3軸A3、第4軸A4および第5軸A5とは垂直である。なお、第3昇降アーム23の延伸向きは、図6Aに示した基本姿勢における水平向き(XZ平面と平行な向き)とする。
次に、昇降アーム20の協調動作姿勢について図6Bを用いて説明する。なお、図6Bでは、図6Aに示した基本姿勢よりも上方へエンドエフェクタ200を移動させた昇降アーム20の姿勢を実線で、基本姿勢よりも下方へエンドエフェクタ200を移動させた昇降アーム20の姿勢を破線で、それぞれ示している。
そして、図6Bには、エンドエフェクタ200の最高位置と、最低位置との差分を昇降範囲Hとして示している。なお、図6Bに示した第1昇降アーム21および第2昇降アーム22の姿勢は一例として参考のため示した姿勢であり、図6Bの通りの姿勢であることを要しない。たとえば、第1昇降アーム21および第2昇降アーム22の延伸向きを鉛直向きとなるように昇降アーム20を伸ばすこととしてもよい。
図6Bに示したように、昇降アーム20における第1昇降アーム21、第2昇降アーム22および第3昇降アーム23は、エンドエフェクタ200を回転させる回転軸である第6軸A6が常に鉛直向きとなるように協調動作する。したがって、第6軸A6の向きを保持したままエンドエフェクタ200を移動させる姿勢を総称して協調動作姿勢と呼ぶこととする。
なお、このように、昇降アーム20を3アーム構成として、第6軸A6の向きを保持するためには、第3軸A3、第4軸A4および第5軸A5まわりの各アームの旋回角速度の比率を、「1:-2:1」(ただし、「-(マイナス)」は逆向きを示す)とすることが一般的である。また、第1昇降アーム21の軸間距離(図5の第1距離L1参照)と、第2昇降アーム22の軸間距離(図5の第2距離L2参照)とを等しくする(比率を「1:1」とする)ことが一般的である。
しかしながら、かかる角速度の比率や、軸間距離の比率を工夫することで、昇降範囲Hを狭くすることなく、アームの回転角を小さくしたり、昇降における移動速度を速くしたりすることができることが判明した。なお、アームの回転角を小さくすると、アームに内蔵されるケーブルなどの屈曲変化が抑えられる。したがって、ケーブルなどの長寿命化、ひいては昇降アーム20の長寿命化を図ることができる。そこで、以下では、これらの比率の組合せについて図7を用いて説明することとする。図7は、軸間距離比および角速度比の組合せごとの移動速度を示す説明図である。
図7には、「組合せ例」として「E1」、「E2」、「E3」および「E4」の4つの例を示している。また、「組合せ例」ごとに、「軸間距離比」、「角速度比」および「移動速度」の各項目を示している。
ここで、「軸間距離比」は、図5に示した第1距離L1と、第2距離L2との比率である。「角速度比」は、図5に示した第3軸A3、第4軸A4および第5軸A5まわりの各アームの旋回に対応する角速度の比率である。また、「移動速度」は、図6Bに示した昇降動作に対応する移動速度である。なお、「角速度比」における「-(マイナス)」は、「-(マイナス)」を付さない場合に対して逆回転向きであることを示している。
組合せ例の「E1」は、上記した一般的な組合せである。「E1」では、第1距離L1および第2距離L2(図5参照)の軸間距離比は、「1:1」であり、第3軸A3、第4軸A4および第5軸A5(図6B参照)まわりの角速度比は、「1:-2:1」である。また、「E1」の移動速度は「V1」である。ここで、「V1」を基準となる移動速度とする。
組合せ例の「E2」は、第3軸A3、第4軸A4および第5軸A5まわりの角速度比を「E1」と同様としつつ、第2距離L2を第1距離L1よりも大きくした場合(L2>L1)を示している。具体的には、「E2」では、第1距離L1および第2距離L2の軸間距離比は、「1:j(ただし、j>1)」である。
このように、第2距離L2を第1距離L1よりも大きくすると、移動速度である「V2」は、基準となる「E1」の「V1」よりも大きくなる(V2>V1)。したがって、昇降範囲H(図6B参照)を保持したまま、昇降動作に対応する移動速度を速くすることができる。
組合せ例の「E3」は、軸間距離比を「E1」と同様としつつ、第3軸A3、第4軸A4および第5軸A5まわりの角速度比を「E1」とは異なる比率とした場合を示している。具体的には、「E3」では、第3軸A3、第4軸A4および第5軸A5まわりの角速度比は、「1:-k:k-1(ただし、k>2)」である。なお、3つの比率を合計すると0となる。
このように角速度比を設定すると、移動速度である「V3」は、「E2」の「V2」よりも大きくなる(V3>V2)。したがって、昇降範囲H(図6B参照)を保持したまま、昇降における移動速度をさらに速くすることができる。
組合せ例の「E4」は、「E2」と「E3」とを組み合わせることで、軸間距離比および角速度比を「E1」と異なる比率とした場合を示している。なお、軸間距離比は、「E2」と同様であり、角速度比は、「E3」と同様である。
このようにすることで、移動速度である「V4」は、「E3」の「V3」よりも大きくなる(V4>V3)。したがって、昇降範囲H(図6B参照)を保持したまま、昇降における移動速度をさらに速くすることができる。
つまり、図7に示した「E2」、「E3」および「E4」のいずれかを協調動作を行う3アーム構成のアーム群の動作に適用することで、アームの到達範囲を広げたり、協調動作におけるアームの移動速度を速めたりすることができる。
なお、軸間距離比が「1:1」ではない場合や、角速度比が「1:-2:1」ではない場合には、昇降範囲H(図6B参照)における高さに応じて第6軸A6の水平位置や、第6軸A6の向きが変化する。しかしながら、これらのずれは、ロボット100(図1参照)の動作によって補正することができる。具体的には、第1軸A1および第2軸A2を用いることで、第6軸A6の水平位置の位置ずれを補正することができる。また、第5軸A5を用いることで、第6軸A6の向きずれを補正することができる。
また、図7では、角速度比における「k」が「k>2」である場合を示したが、軸間距離比と、角速度比との組み合わせによっては、「k<2」であっても移動速度を基準速度である「V1」よりも速くすることができる。
次に、図3A等に示した双腕ロボット500における駆動源であるアクチュエータの配置例について図8Aおよび図8Bを用いて説明する。図8Aおよび図8Bは、アクチュエータの配置例を示す模式図その1およびその2である。なお、図8Aは、図4Bに対応する双腕ロボット500の上面図に相当する。また、図8Bは、図8Aから第1水平アーム11、第2水平アーム12および昇降アーム20を取り外した双腕ロボット500の上面図に相当する。
図8Aに示すように、双腕ロボット500の各第2水平アーム12は、アクチュエータM2と、アクチュエータM3とをそれぞれ基端側に内蔵する。このように、アクチュエータM2およびアクチュエータM3を第2水平アーム12の基端側に配置することで、旋回に伴う慣性モーメントを低減でき、少ないトルクで第2水平アーム12を旋回させることが可能となる。
アクチュエータM2は、サーボモータなどの駆動源であり、第2軸A2まわりに第2水平アーム12を旋回させる駆動力を提供する。ここで、アクチュエータM2による駆動力は、ギア機構や、プーリ・ベルト機構などの伝達機構を介して第2軸A2へ伝達される。これにより、第2水平アーム12は、第1水平アーム11に対して旋回する。
アクチュエータM3は、アクチュエータM2と同様の駆動源であり、第3軸A3、第4軸A4および第5軸A5まわりに昇降アーム20の各アームを協調動作させる(図6B参照)ための駆動力を提供する。
なお、アクチュエータM3による駆動力は、ギア機構や、プーリ・ベルト機構などの伝達機構を介して第3軸A3へ伝達され、さらに伝達機構を介して第4軸A4へ伝達され、さらに伝達機構を介して第5軸A5へ伝達される。
ここで、第3軸A3、第4軸A4および第5軸A5まわりの各角速度比は、図7に示した「1:-2:1」または「1:-k:k-1(ただし、k>2)」のいずれかに設定される。なお、第6軸A6の姿勢保持を行わない場合には、「k>0」とすることとしてもよい。また、第6軸A6の姿勢を行う場合であっても、必ずしも「k>2」とすることは要せず、「k≧1」とすれば足りる。
また、各昇降アーム20の第3昇降アーム23は、アクチュエータM4をそれぞれ内蔵する。なお、アクチュエータM4は、アクチュエータM2や、アクチュエータM3と同様の駆動源であり、第6軸A6まわりにエンドエフェクタ200(図3A参照)自体を回転させるための駆動力を提供する。
なお、エンドエフェクタ200の回転軸が第6軸A6からずれている場合には、アクチュエータM4による駆動力は、ギア機構や、プーリ・ベルト機構などの伝達機構を介してエンドエフェクタ200の回転軸へ伝達される。なお、図1で既に説明した回転部23rは、アクチュエータM2と、アクチュエータM2に接続された伝達機構との一方または双方に対応する。
図8Bに示すように、双腕ロボット500のベース部Bは、一対のアクチュエータM1を内蔵する。アクチュエータM1は、サーボモータなどの駆動源であり、第1軸A1まわりに第1水平アーム11を旋回させる駆動力を提供する。ここで、アクチュエータM1による駆動力は、ギア機構や、プーリ・ベルト機構などの伝達機構を介して第1軸A1へ伝達される。これにより、第1水平アーム11は、ベース部Bに対して旋回する。このように、アクチュエータM1をベース部Bに配置することで、第1水平アーム11の旋回に伴う慣性モーメントを低減でき、少ないトルクで第1水平アーム11を旋回させることが可能となる。
なお、図8Bに示したように、ベース部Bが平面視で円形である場合には、各第1軸A1は、円形の中心に対してたとえば点対称の位置に設けられる。また、各アクチュエータM1は、第1軸A1同士を結んだ線からずれるように、円形の中心に対してたとえば互いに点対称な位置に設けられる。このように、各第1軸A1を同軸ではなく、並べて配置することで、各腕を並べて配置することが可能となり、双腕ロボット500自体の低背化を図ることができる。
また、上記したようにアクチュエータM1を配置することで、ベース部Bの高さ(Z軸向きの厚み)を抑えることができる。つまり、ベース部Bの低背化を図ることができる。なお、図8Bでは、第1軸A1同士、アクチュエータM1同士をそれぞれ円形の中心に対して点対称の位置に配置する場合を例示したが、YZ平面と平行な平面に対して面対称な位置にそれぞれ配置したり、アクチュエータM1同士をXZ平面と平行な平面に対して面対称な位置にそれぞれ配置したりすることとしてもよい。
ところで、図5~図8Bでは、図5に示したアーム長、軸間距離の関係をもつアーム構成を鉛直向きに伸縮する昇降アーム20として説明した。しかしながら、昇降アーム20における第3軸A3の向きは、水平向きに限られず、鉛直向きなどの任意の向きとすることができる。そして、昇降アーム20自体を、ロボット20として用いることとしてもよい。
昇降アーム20のアーム構成をロボット20として用いる場合、たとえば、第3軸A3の向きを鉛直向きとすれば、いわゆる水平アームとなる。このように、昇降アーム20自体を広くロボット20として用いる場合には、上記した説明における「第1昇降アーム21」、「第2昇降アーム22」および「第3昇降アーム23」を、それぞれ、「第1アーム21」、「第2アーム22」および「第3アーム23」と読み替えればよい。
また、「第3軸A3」、「第4軸A4」および「第5軸A5」を、それぞれ、「第1旋回軸A3」、「第2旋回軸A4」および「第3旋回軸A5」と読み替えればよい。そして、「昇降範囲」については「移動範囲」と読み替えればよい。
かかる読み替えを行った場合、すなわち、昇降アーム20を昇降動作に限られない動作を行うロボット20として広く用いる場合、図5に示したロボット20の構成は以下に示す通りである。
すなわち、ロボット20は、第1アーム21と、第2アーム22と第3アーム23とを備える。第1アーム21は、第1旋回軸A3まわりに旋回する。第2アーム22は、第1アーム21の先端21t側に基端22e側が支持され、第1旋回軸A3と平行な第2旋回軸A4まわりに旋回する。第3アーム23は、第2アーム22の先端22t側に支持され、第2旋回軸A4と平行な第3旋回軸A5まわりに旋回する。
また、第1アーム21、第2アーム22および第3アーム23は、第1旋回軸A3の向きからみて第1アーム21、第2アーム22および第3アーム23の順序で配置されている。第2旋回軸A4と第3旋回軸A5との軸間距離である第2距離L2は、第1旋回軸A3と第2旋回軸A4との軸間距離である第1距離L1よりも大きい。
第2アーム22は、第1アーム21、第2アーム22および第3アーム23のそれぞれの延伸向きが第1旋回軸A3の向きからみて重なった基本姿勢では、先端22tが第1アーム21の基端21eを超えない長さである。第3アーム23は、上記した基本姿勢では、第2アーム22の先端22tを超えない長さである。
第3アーム23は、第3旋回軸A5と垂直な第1回転軸A6まわりにエンドエフェクタ200を回転させる回転部23rを備える。第1回転軸A6は、エンドエフェクタ200を、第1回転軸A6の向きを保持したまま移動させる協調動作姿勢では、第3旋回軸A5よりも第2アーム22の先端22t側にある。また、ロボット20における第1旋回軸A3、第2旋回軸A4および第3旋回軸A5の角速度比は、協調動作姿勢において、「1:-k:k-1(ただし、k>2)」である。
次に、図1に示したいわゆる単椀ロボットであるロボット100を複数配置する場合について図9を用いて説明する。図9は、複数のロボットの配置例を示す模式図である。なお、図9には、図4A等に示した双腕ロボット500の左腕に相当するロボット100Aを並べる場合を示したが右腕に相当するロボット100Bを並べることとしてもよい。
図9に示すように、設置台700には、Y軸に沿う向きに2列のロボット100Aがそれぞれ並べられている。なお、図9では、1列目のロボット100Aの末尾に1、2などの符号を付加してロボット100A1、ロボット100A2のように記載している。また、2列目のロボット100Aの末尾には11、12などの符号を付加してロボット100A11、ロボット100A12のように記載している。
図1を用いて既に説明したように、ロボット100の第2水平アーム12(図1参照))は、湾曲しており、湾曲によって生じた領域に昇降アーム20(図1参照)が収まるように配置されている。したがって、隣接するロボット100との干渉が生じにくい。
ところで、ロボット100を2列に並べる場合には、1列目は右腕、2列目は左腕のように、湾曲向きが逆向きのロボット100を並べると、各列のロボットをYZ平面と平行な平面について線対称の構成とすることができる。
しかしながら、右腕に相当するロボット100A(図3A参照)と、左腕に相当するロボット100B(図3A参照)とを混在させることとすると、2つの形状のロボット100を別途製造することとなりコストが上昇しやすい。
そこで、図9に示すように、右腕に相当するロボット100Aのみの製造、または、逆に、左腕に相当するロボット100Bのみの製造で済ますこととすれば、開発コストや、製造コスト、輸送コストなどコストを低減することができる。
次に、実施形態に係るロボットシステム1の構成について図10を用いて説明する。図10は、ロボットシステム1の構成を示すブロック図である。図10に示すように、ロボットシステム1は、双腕ロボット500と、コントローラ600とを備える。双腕ロボット500は、コントローラ600に接続されている。なお、図3Aに示したように、コントローラ600を双腕ロボット500に内蔵することとしてもよい。また、双腕ロボット500を単椀ロボット(たとえば、図1のロボット100)としてもよい。
コントローラ600は、制御部610と、記憶部620とを備える。制御部610は、動作制御部610aを備える。記憶部620は、教示情報620aを記憶する。なお、図10には、説明を簡略化するために、1台の双腕ロボット500と、1台のコントローラ600とを示したが、複数台の双腕ロボット500の動作制御を1台のコントローラ600で行ったり、1台の双腕ロボット500の動作制御を複数台のコントローラ600で行ったりすることとしてもよい。また、複数台のコントローラ600を用いる場合には、各コントローラを束ねる上位のコントローラを設けることとしてもよい。
ここで、コントローラ600は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部610の動作制御部610aとして機能する。また、動作制御部610aをASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアで構成することもできる。
また、記憶部620は、たとえば、RAMやHDDに対応する。RAMやHDDは、教示情報620aを記憶することができる。なお、コントローラ600は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得することとしてもよい。さらに、上記したように、コントローラ600を複数台の相互に通信可能な装置として構成してもよく、上位または下位の装置と通信可能な階層式の装置として構成してもよい。
制御部610は、双腕ロボット500の動作制御を行う。なお、コントローラ600が複数台で構成される場合には、制御部610は、コントローラ600間の同期をとる処理を併せて行うこととしてもよい。
動作制御部610aは、教示情報620aに基づいて双腕ロボット500を動作させる。動作制御部610aは、双腕ロボット500の動力源であるモータなどのアクチュエータにおけるエンコーダ値を用いつつフィードバック制御を行うなどして双腕ロボット500の動作精度を向上させる。
教示情報620aは、双腕ロボット500へ動作を教示するティーチング段階で作成され、双腕ロボット500の動作経路を規定するプログラムである「ジョブ」を含んだ情報である。なお、図4等に示したように、両腕を左右対称となるように配置する場合には、各腕用の教示データを共用したり、反転利用したりすることが可能となる。したがって、ロボットシステム1によれば、かかる教示データを含んだ教示情報620aの生成の手間とコストとを抑制することができる。
上述してきたように、実施形態の一態様に係るロボット100は、第1水平アーム11と、第2水平アーム12と、昇降アーム20とを備える。第1水平アーム11は、第1軸A1まわりに旋回する。第2水平アーム12は、第1水平アーム11の先端側に基端12e側が支持され、第1軸A1と平行な第2軸A2まわりに旋回する。昇降アーム20は、第2水平アーム12の先端12t側に基端側が支持され、先端側に取り付け可能なエンドエフェクタ200を昇降させる。第2水平アーム12は、いずれかの旋回向きに湾曲している。昇降アーム20は、平面視において、第2水平アーム12における湾曲内側Siに配置される。
このように、昇降アーム20を、湾曲する第2水平アーム12の湾曲内側Siに配置することで、ロボット100の干渉領域を低減することができる。
実施形態の他の態様に係るロボット20は、第1アーム21と、第2アーム22と、第3アーム23とを備える。第1アーム21は、第1旋回軸A3まわりに旋回する。第2アーム22は、第1アーム21の先端21t側に基端22e側が支持され、第1旋回軸A3と平行な第2旋回軸A4まわりに旋回する。第3アーム23は、第2アーム22の先端22t側に支持され、第2旋回軸A4と平行な第3旋回軸A5まわりに旋回する。第1アーム21、第2アーム22および第3アーム23は、第1旋回軸A3の向きからみて第1アーム21、第2アーム22および第3アーム23の順序で配置されている。第2旋回軸A4と第3旋回軸A5との軸間距離である第2距離L2は、第1旋回軸A3と第2旋回軸A4との軸間距離である第1距離L1よりも大きい。第2アーム22は、第1アーム21、第2アーム22および第3アーム23のそれぞれの延伸向きが第1旋回軸A3の向きからみて重なった基本姿勢では、先端22tが第1アーム21の基端21eを超えない長さである。第3アーム23は、基本姿勢では、第2アーム22の先端22tを超えない長さである。
このように、各アームの全長を延長することなくアームの軸間距離を延長することで、ロボット20の到達範囲を広げつつ、干渉領域を低減することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施例に限定されるものではない。したがって、添付の請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。