JP7140508B2 - パラレルリンク機構を用いた作業装置およびその制御方法 - Google Patents
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Description
特許文献3に示されるようなリンク作動装置と直動機構を組み合わせた構成において、リンク作動装置の先端にエンドエフェクタを搭載し、エンドエフェクタが作業を行う作業空間上の複数の作業点を連続的に移動させる際の制御方法として、特許文献4に示されるような制御方法が提案されている。同文献4の制御方法は、前記エンドエフェクタが作業する被作業面上の前記エンドエフェクタが移動する始点から終点までの経路を通過点で複数の区間に分割し、指定された目標移動速度および前記各区間の距離から定まる各区間内の移動の時間と、前記各区間における前記各アームの回転角移動量とから、前記各区間における前記各アームの回転速度を計算し、前記各区間内での前記各アームの回転速度を前記の計算された値として、前記各区間を加減速無しで連続して回転させるように前記各アクチュエータを位置決め制御することで、前記被作業面上の分割された複数点間を始点から終点まで実質的に一定速度に動作させる方法である。
リンク作動装置7は、基端側のリンクハブ12に対し先端側のリンクハブ13を、3組のリンク機構14を介して姿勢変更可能に連結してなるパラレルリンク機構10を有する。各リンク機構14は、基端側の端部リンク部材15、先端側の端部リンク部材16、および中央リンク部材17で構成され、4つの回転対偶からなる4節連鎖のリンク機構をなす。基端側および先端側の端部リンク部材15,16はL字状をなし、一端がそれぞれ基端側のリンクハブ12および先端側のリンクハブ13に回転自在に連結されている。中央リンク部材17は、両端に基端側および先端側の端部リンク部材15,16の他端がそれぞれ回転自在に連結されている。
図21は任意の姿勢(折れ角θ=θx、旋回角φ=φy)において、図18と同様に先端リンクハブ13に対し、中心軸に直交する平面の外周から中心に向かう力印加方向θxφy-A~θxφy-Hを示している。
したがって、図22~図25より、先端側リンクハブの姿勢や先端側リンクハブに加わる力の方向(先端側リンクハブの移動方向)によって、リンク作動装置7の剛性が変化するため、リンク作動装置7の共振周波数が変化する。
この発明の他の目的は、リンク作動装置と1軸以上の組合わせ側のアクチュエータを組み合わせた作業装置において、動作モード毎に加減速時間を適切に設定することで、振動を抑制でき、高速に高精度な位置決めができるパラレルリンク機構を用いた作業装置を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、この発明のパラレルリンク機構を用いた作業装置に対して、目標位置毎の加減速時間の設定が、容易にかつ適切な値に設定できる制御方法を提供することである。
前記基端側のリンクハブ12に対する前記先端側のリンクハブ13の姿勢を、この先端側のリンクハブ13を基準に定められる位置Pが、現在位置から目標位置へ変更するように、前記各アクチュエータ11(111,112,113)を制御する制御装置2と、
を備えたパラレルリンク機構を用いた作業装置であって、
前記制御装置2は、
複数の前記目標位置P(P1、P2、P3・・・)を記憶しておく記憶部3と、
前記記憶部3に記憶された前記各目標位置P(P1、P2、P3・・・)を順に読み出して前記目標位置P1、P2、P3・・・間の各アクチュエータ11(111,112,113)の移動量と移動速度を計算する計算部4と、
この計算部4で計算された各アクチュエータ11(111,112,113)の移動量および移動速度で前記各アクチュエータ11(111,112,113)を動作させる制御部5とを有し、
前記制御部5は、前記目標位置P(P1、P2、P3・・・)毎に前記各アクチュエータ11(111,112,113)の加減速時間が変更可能である 。
前記「加減速時間」は、加速時間および減速時間である。
しかし、この発明の第1の作業装置では、リンク作動装置7を一つの姿勢(一つの目標位置P)から次の姿勢(次の目標位置P)に動作させる際に、目標位置P毎に前記各アクチュエータ11(111,112,113)の加減速時間が変更可能である。そのため、目標位置Pにおける先端側リンクハブ13の姿勢と移動方向に応じた共振周波数を用いて加減速時間を目標位置毎に設定することができる。これにより、剛性が所定の姿勢と異なる目標位置Pにおいて高速位置決め時の振動を抑制することができる。
目標位置P毎と加減速時間との相関を示した対応表(換言すれば相関テーブル)3aを用いることで、目標位置P毎に、先端側リンクハブ13の姿勢および移動方向に応じた加減速時間が設定できる。そのため、剛性が所定の姿勢と異なる目標位置において、高速位置決め時の振動を簡単な制御で抑制することができる。
前記加減速時間は、ポイント・ツー・ポイント駆動で台形駆動を行う場合の加速時間および減速時間である。
前記の先端側リンクハブ13の動作可能な範囲を分割することで求められた各所定の姿勢毎に加減速時間を用いても、加減速時間の設定に要する時間を短縮でき、剛性が所定の姿勢とは異なる目標位置Pにおいて、高速位置決め時の振動を簡単な制御で抑制することができる。
前記先端側のリンクハブ13に取付けられたエンドエフェクタ6と、
前記リンク作動装置7と組み合わせて設置された1軸以上の組み合わせ側のアクチュエータ71~73、85~87、95~98と、
前記姿勢制御用のアクチュエータ11(111,112,113)および前記組み合わせ側のアクチュエータ71~73、85~87、95~98を制御する制御装置2とを備えたリンク作動装置を用いた作業装置であって、
前記制御装置2は、
前記エンドエフェクタ6が作業する作業空間上の各作業点の座標である複数の目標位置Pを記憶しておく記憶部3と、
前記記憶部3に記憶された前記各目標位置Pを順に読み出して目標位置P間の各アクチュエータ11(111,112,113),71~73、85~87、95~98の移動量と移動速度を計算する計算部4と、
この計算部4で計算された各アクチュエータ11(111,112,113),71~73、85~87、95~98の移動量および移動速度で前記各アクチュエータ11(111,112,113),71~73、85~87、95~98を動作させる制御部5とを有し、
前記制御部5は、移動させる各アクチュエータ11(111,112,113),71~73、85~87、95~98毎に加減速時間が変更可能である。
リンク作動装置7のみ動作する場合には、リンク作動装置7の加減速時間を先端側リンクハブ13の姿勢や先端側リンクハブ13の移動方向に応じて変更可能とすることで、剛性が所定の姿勢(例えば、原点姿勢)と異なる目標位置Pでの振動を抑え、高速で高精度な位置決めが可能となる。
リンク作動装置7以外の一軸以上のアクチュエータ71~73、85~87、95~98が動作する場合には、動作するアクチュエータ71~73、85~87、95~98の負荷によって加減速時間を設定することで、振動を抑え、高速で高精度な位置決めが可能となる。同期して動作を行う場合に、リンク作動装置7のみが動作するときの加減速時間の整数倍の加減速時間とすることで、リンク作動装置7に対しては、共振周波数の整数倍の加減速時間を設定するため振動を抑えることができ、リンク作動装置7以外の一軸以上のアクチュエータに対しては加減速時間を十分確保し振動を抑えることができるという効果が得られる。
共振周波数の整数倍であるので、共振周波数の1周期分を加減速時間に設定することと同様の効果が得られる。加減速時間を長くし過ぎると一連動作の平均速度が低くなってしまうが、リンク作動装置以外のアクチュエータのみで動作する場合の加減速時間以上で最も小さい共振周波数の整数倍周期を加減速時間として設定することで、一連動作の平均速度が低くなってしまうことを無くせる。
この発明の第1の作業装置と同様に、目標位置P毎と加減速時間との相関を示した対応表3aを用いることで、目標位置P毎に、先端側リンクハブ13の姿勢および移動方向に応じた加減速時間が設定できる。そのため、剛性が所定の姿勢と異なる目標位置Pにおいて、高速位置決め時の振動を、簡単な制御で抑制することができる。
前記の先端側リンクハブ13の動作可能な範囲を分割することで求められた各所定の姿勢毎に加減速時間を用いても、加減速時間の設定に要する時間を短縮でき、剛性が所定の姿勢の異なる目標位置において、高速位置決め時の振動を簡単な制御で抑制することができる。
オペレータが手入力で加減速時間を変更できるようにすれば、剛性が所定の姿勢と異なる目標位置Pにおいて、高速位置決め時の振動を簡単に抑制することができる。
このように学習機能を持たせることで、搭載ワークWの大きさや重さを変更した場合にも、目標位置P毎の加減速時間が自動で設定され、剛性が所定の姿勢と異なる目標位置Pにおいて、高速位置決め時の振動を簡単に抑制することができる。 なお、学習方法は、任意の方法でよい。
これにより、目標位置P毎の適切な加減速時間が容易に設定できる。
直線近似を用いることで、目標位置毎の適切な加減速時間が容易に設定できる。
このように、現在位置と前記目標位置との、少なくとも2つの姿勢における前記パラレルリンク機構の剛性に基づいて各アクチュエータの加減速時間を設定することで、目標位置毎の加減速時間の設定が、容易にかつ適切な値に設定できる。
この場合も、目標姿勢毎の加減速時間の設定が、容易にかつ適切な値に設定できる。
<第1の実施形態>
図1~図8は、この発明の第1の実施形態を示す。このパラレルリンク機構を用いた作業装置1は、パラレルリンク機構10およびその姿勢制御用のアクチュエータ11(111,112,113)により構成されるリンク作動装置7と、エンドエフェクタ6と、制御装置2とを備える。
条件1:各リンク機構14におけるリンクハブ12,13と端部リンク部材15,16との回転対偶の中心軸O1の角度および長さが互いに等しい。
条件2:リンクハブ12,13と端部リンク部材15,16との回転対偶の中心軸O1および端部リンク部材15,16と中央リンク部材17との回転対偶の中心軸O2が、基端側および先端側において球面リンク中心PA,PBで交差する。
条件3:基端側の端部リンク部材15と先端側の端部リンク部材16の幾何学的形状が等しい。
条件4:中央リンク部材17における基端側部分と先端側部分の幾何学的形状が等しい。
条件5:中央リンク部材17の対称面に対して、中央リンク部材17と端部リンク部材15,16との角度位置関係が基端側と先端側とで同じである。
図1において、エンドエフェクタ6は、この作業装置1により対象物(図示せず)に対して作業を行う装置であって、例えば、塗布ノズル、エアーノズル、溶接トーチ、カメラ、把持機構等とされる。
エンドエフェクタ6は、同図の例では、先端側のリンクハブ13に中心軸QBに沿って突出して設けられ、先端が作業点(目標位置を示す「P」の符号が付された位置)となる装置、例えば塗布ノズルとされている。エンドエフェクタ6は、作業点が、このエンドエフェクタ6の先端から中心軸QBの延長方向に離れていてもよい。
制御装置2は、前記姿勢制御用のアクチュエータ11(111~113)を制御する装置であって、コンピュータおよびこれに実行されるプログラム、並びに電子回路等からなり、記憶部3、計算部4、および制御部5を有し、入力部8が接続されている。
前記目標位置Pは、先端側のリンクハブ13を基準に定められる位置であり、この実施形態では、エンドエフェクタ6の作業点の座標で定められる。そのため、目標位置Pが変わると先端側のリンクハブ13の姿勢が変わることになる。
記憶部3における各目標位置Pは、折れ角θと旋回角φとによる極座標(θ、φ)で記憶しても、3次元の直交座標で記憶してもよい。3次元の直交座標で記憶する場合、エンドエフェクタ6が作業する作業空間S上の作業点となる目標位置Pi(i=0,1,2,3,…)の座標(XPi,YPi,ZPi)を記憶しておく。
この実施形態では、記憶部3は、目標位置Pの他に、図7に一例を示すように目標位置P1,P2,P3,・・・毎に、先端側リンクハブ13の姿勢θPi,φPi(i=1,2,3・・・)および加減速時間TPi(i=1,2,3・・・)が定められた対応表3aを記憶する。対応表3aは、換言すれば相関テーブルである。加減速時間TPiは、図8に動作時間と速度の例を示すように、アクチュエータ11(111~113)を、ポイント・ツー・ポイント駆動で、加速、一定速度、減速の台形駆動を行う場合の設定加速時間Taccと設定減速時間Tdccのことである。設定加速時間Taccと設定減速時間Tdccとは、異なる値としてもよいが、この実施形態では同じ値の加減速時間TPi(図7)としている。
パラレルリンク機構10の姿勢(θ、φ)と各アクチュエータ11(111~113)の移動量との関係は、後述の式(1)によって求める。
制御部5は、目標位置P毎に各アクチュエータ11(111~113)の加減速時間が変更可能である。この実施形態では、制御部5は、目標位置P毎に対応表3aから読み出した加減速時間で各アクチュエータ11(111~113)を動作させる。
入力部8は、この例では記憶部3に対して目標位置P毎にオペレータが手入力で加減速時間を変更できる構成とされている。
上記構成の動作例、および構成の補足説明を行う。制御動作の説明の前に、リンク作動装置1の各部の動作の関係を説明する。制御対象となるリンク作動装置1は、前記折れ角θおよび旋回角φと、各基端側の端部リンク11a,12a,13aの回転角βn(β1,β2,β3)とが次式(1)で表わされる関係にある。
cos (θ/2)sin βn-sin (θ/2)sin (φ+δn)cos βn+sin (γ/2)=0 …式(1)
ここで、γは、アーム11a,12a,13aに回転自在に連結された中央リンク部材11c,12c,13cの連結端軸と、先端側の端部リンク部材11b,12b,13bに回転自在に連結された中央リンク部材11c,12c,13cの連結端軸とが成す角度である。δn(δ1,δ2,δ3)(図示せず)は、基準となるアーム11aに対する各基端側の端部リンク部材11a,12a,13aの円周方向の離間角である。リンク機構11,12,13の数が3組で、各リンク機構11,12,13が円周方向に等配である場合、各アーム11a,12a,13aの離間角δ1,δ2,δ3はそれぞれ0°,120°,240°となる。
なお、記憶部3に目標位置Pを直交座標(X,Y,X)で記憶している場合は、計算部4または制御部5で、極座標(θ、φ)に変換する。この変換は、変換式(記載は省略)によって一義的に行える。
この作業装置1において、リンク作動装置7の共振周波数を用いて、作業装置1を動作させるアクチュエータ11(111,112,113)の加減速時間を設定するにつき、従来のように所定の姿勢(例えば原点姿勢)での共振周波数を用いると、姿勢と移動方向によってリンク作動装置7の剛性が変化するため、振動が発生する。
しかし、この実施形態では、リンク作動装置7を一つの姿勢(一つの目標位置P)から次の姿勢(次の目標位置P)に動作させる際に、目標位置P毎に各アクチュエータ11(111,112,113)の加減速時間を変更可能としている。そのため、目標位置Pにおける先端側リンクハブ13の姿勢と移動方向に応じた共振周波数を用いて加減速時間を目標位置毎に設定することができる。これにより、剛性が所定の姿勢と異なる目標位置Pにおいて高速位置決め時の振動を抑制することができる。
このようにオペレータが手入力で加減速時間を変更できるようにすることで、剛性が所定の姿勢と異なる目標位置Pにおいて、高速位置決め時の振動を簡単に抑制することがより簡単に、あるいは状況に応じて行える。
前記対応表3aに代えて、図9(A)のように、先端側リンクハブ13の動作可能な範囲を分割することで求められた各所定の姿勢毎に加減速時間T0,T5,T10,・・・が定められた対応表3bを記憶してもよい。同図の例では、各所定の姿勢は、折れ角で定め、折れ角が0度、5度、10度、・・・のように5度間隔としている。
ただし、剛性に対して折れ角の影響が支配的となるため、通常では、「旋回角」だけの基準ではなく、「折れ角」を分割の基準に含むことが好ましい。
この場合に、制御部5は、前記各所定の姿勢毎の加減速時間から、直線近似で各目標位置P1,P2,P3,・・・の加減速時間を算出するようにしてもよい。直線近似を用いることで、目標位置P毎の加減速時間の算出が容易に行える。
リンク作動装置7の姿勢は、折れ角θと旋回角φとで定まるが、旋回角φは何度であっても移動前の剛性は変わらないため、図9の例では、前記各所定の姿勢を折れ角θのみで規定している。これにより制御の簡易化が得られる。なお、前記「各所定の姿勢」を折れ角θと旋回角φの両方で規定し、その折れ角θと旋回角φの両方で定まる姿勢毎に加減速時間を設定してもよい。
図10は、さらに他の実施形態を示す。特に説明する事項の他は、第1の実施形態と同様である。同図の実施形態では、先端側リンクハブ13の振動を検出する振動検出器100を備え、かつ制御装置5に学習器99を設けている。学習器99は、先端側リンクハブ13の姿勢および先端側リンクハブ13が動作する方向と、先端側リンクハブ13の振動と加減速時間の関連性を学習し、その学習したデータを用いて加減速時間を記憶部3に設定する。
制御部5は、記憶部3に設定された加減速時間を用いて、目標位置P毎に各アクチュエータ11(111,112,113)の加減速時間を変更する。
なお、搭載ワークWの大きさや重さが変わった場合に振動がどう変化するかも含めて学習させる。搭載ワークの重さや大きさが変化しても、剛性が高い姿勢と低い姿勢、剛性が高い力印加方向と剛性が低い力印加方向といった傾向(分布)は変化せず、その剛性の高さが変化する。
図11は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の作業装置1は、図1と共に説明した第1の実施形態におけるリンク作動装置7と、このリンク作動装置7と組み合わせられて設置された組み合わせ側のアクチュエータ71とを備える。このアクチュエータ71が、組み合わせ機構70となる。
組み合わせ側のアクチュエータ71は、1軸の直動アクチュエータであり、レール71bに沿って左右方向(X軸方向)に移動台71cを進退自在に設置し、この移動台71cを駆動源となるモータ71aで進退させる。移動台71cにワークWが設置される。モータ71aの回転は、ボールねじまたはラック・ピニオン機構等の回転・直線運動変換機構(図示せず)を介して、前記移動台71cとレール71b間に伝達される。モータ71aは、移動台71cに搭載されていても、レール71に設置されていてもよい。前記移動台71cの上面に、前記エンドエフェクタ6の作業点Pが位置させられる。
計算部4は、記憶部3に記憶された各目標位置Pを順に読み出して目標位置P間の各アクチュエータ11(111,112,113),71の移動量と移動速度を計算する。
制御部5は、計算部4で計算された各アクチュエータ11(111,112,113),71の移動量および移動速度で前記各アクチュエータ11(111,112,113),71を動作させる。制御部5は、移動させる各アクチュエータ11(111,112,113),71毎に加減速時間が変更可能である。
制御装置2は、リンク作動装置7と1軸の直動アクチュエータ71のいずれを動作させるかの動作モードの変更が可能である。動作モードの選択は、モード選択スイッチなどのモード切替手段(図示せず)で行うようにしても、また記憶部3の各目標位置Pに対する記憶内容によって行うようにしてもよい。
前記動作モードとして、リンク作動装置7のみ動作する第1の動作モードと、直動アクチュエータ71のみ動作する第2の動作モードと、リンク作動装置7と直動アクチュエータ71が同期して動作する第3の動作モードが存在する。目標位置P毎にそれぞれの動作モードに応じて加減速時間を切り替えることで、振動を抑え高速で高精度に位置決めすることができる。
別の例として、リンク作動装置7は動作せず、直動アクチュエータ71のみ動作する第2の動作モードにおいては、上記の先端側リンクハブ13の姿勢と移動方向に応じて設定した加減速時間ではなく、記憶部3の目標位置Pに対応させて設定する加減速度時間を、直動アクチュエータ71の適切な加減速時間で設定する。これにより、振動を抑え高速で高精度に位置決めすることができる。
さらに別の例として、リンク作動装置7と直動アクチュエータ71が同期して動作する第3の動作モードは、リンク作動装置7の各アクチュエータ11(111,112,113)の加減速時間の整数倍で、直動アクチュエータ71に対して適切な加減速時間を設定する。これにより、振動を抑え高速で高精度に位置決めすることができる。
リンク作動装置7のみ動作する第1の動作モードにおける加減速時間設定方法としては、図1の実施形態において図7と共に説明したように、目標位置P毎にその位置における先端側リンクハブ13の姿勢および移動方向と加減速時間を対応させた対応表(相関テーブル)3aを作成する。これにより、目標位置P毎の先端側リンクハブ13の姿勢および移動方向に応じた加減速時間が設定できるため、剛性が所定の姿勢と異なる目標位置Pにおいて高速位置決め時の振動を抑制することができる。
リンク作動装置7のみ動作する第1の動作モードにおける他の加減速時間設定方法としては、図1の実施形態において図9と共に説明したように、動作範囲を分割して設定した各所定の折れ角に対して振動を抑制できる加減速時間の対応表(相関テーブル)3bを、動作前に予め作成しておく。動作時は、計算部4または制御部5により、各目標位置Pにおける折れ角θに対して対応表3bにある近い折れ角に対応する加減速時間を用いて、目標位置Pの加減速時間を線形補間により算出する。この目標位置Pの加減速時間で各11(111,112,113)を動作させる。
これにより、加減速時間の設定に要する時間を短縮でき、剛性が所定の姿勢と異なる目標位置において高速位置決め時の振動を抑制することができる。折れ角θだけでなく、旋回角も含めた対応表(相関テーブル)(図示せず)を用いてもよい。
リンク作動装置7のみ動作する第1の動作モードにおける加減速時間設定方法としては、第1の実施形態において図1と共に説明したように、加減速時間の入力部8を設け、試運転をして共振周波数と振動の様子を確認しながら、記憶部3の各目標位置Pに、オペレータが手動で設定してもよい。
これにより、剛性が所定の姿勢と異なる目標位置Pにおいて高速位置決め時の振動を抑制することができる。
リンク作動装置7のみ動作する第1の動作モードにおける加減速時間設定方法としては、図10に示した実施形態と同様に、パラレルリンク機構10の先端に振動検出器100を設置すると共に、制御装置2に学習器99と、記憶処理手段(図示せず)を設ける。この記憶処理手段ほ、作業中の各目標位置Pでの先端側リンクハブ13の姿勢および移動方向と、各アクチュエータ11(111,112,113)の加減速時間と、振動検出器100で検出され振動の大きさとを記憶部3に記憶させる。学習器99は、言わば人口知能であり、記憶部3に記憶したデータを機械学習し、学習した結果を用いて搭載ワークの大きさや重さの変更に対する最適な加減速時間を記憶部3に自動で設定する。この設定は更新処理であってもよい。
これにより、搭載ワークの大きさや重さを変更した場合にも容易に加減速時間を設定でき、剛性が所定の姿勢と異なる目標位置において高速位置決め時の振動を抑制することができる。
前記各加減速時間の設定方法は、組み合わせて使用してもよい。例えば、折れ角θと加減速時間の対応表3aを用いて加減速時間を算出した後、試運転をして実際の振動レベルを確認し、オペレータが加減速時間を調整するようにしてもよい。
また、加減速時間ではなく、加減速度(加速度および減速度)を調整するようにしてもよい。指令速度が同じであれば、加減速度を調節することで加減速時間も同時に自動で変更され、同様の効果が得られる。
図11~図13の前記各実施形態は、リンク作動装置7と1軸の直動アクチュエータ71の組合せにおける加減速時間の設定方法であるが、図14に示すように、リンク作動装置7と複数の直動アクチュエータの組み合わせた作業装置1において、前記いずれのかの実施形態と同様に、目標位置毎に加減速時間を設定するようにしてもよい。同図の実施形態は、互いに動作方向が直交する3軸方向(X,Y,Z方向)となる第1ないし第3の直動アクチュエータ71~73を備えている。これら3つの直動アクチュエータ71~73で組み合わせ機構70が構成される。
各直動アクチュエータ71~73は、それぞれ、レール71b~73bに沿って移動台71c~73cを進退自在に設置し、この移動台71c~73cを、駆動源となるモータ71a~73aで進退させる。モータ71aの回転は、ボールねじまたはラック・ピニオン機構等の回転・直線運動変換機構(図示せず)を介して、前記移動台71cとレール71b間に伝達される。モータ71aは、移動台71cに搭載されていても、レール71に設置されていてもよい。第2、第3の直動アクチュエータ72,73は、レール72b~73bが、下側の直動アクチュエータ71,7の移動台71c,72cに搭載され、最上段の移動台71cにワークWが設置されている。
リンク作動装置7および複数の直動アクチュエータ71~73のうち少なくとも2軸以上のアクチュエータ11(111,112,113),71~73が同期して動作する第3の動作モードにおいては、その構成に適切な加減速時間を設定することで、振動を抑え高速で高精度に位置決めすることができる。
図15の実施形態は、リンク作動装置7と組み合わせる組み合わせ機構が垂直多関節ロボット80である場合の例である。この垂直多関節ロボット80は、ベースユニット81上に上方へ垂直に延びる第1のアーム82が、垂直軸心回りに回転自在に設置され、第1のアクチュエータ85により回転させられる。第1のアーム82の先端に第2のアーム83が水平軸心回りに回動自在に設置され、第2のアクチュエータ86により回動させられる。第2のアーム83の先端に第3のアーム84が前記水平軸心と平行な水平軸心回りに回動自在に設置され、第3のアクチュエータ87により回動させられる。第3のアーム84の先端に前記リンク作動装置7が設置されている。前記第1ないし第3のアクチュエータ85~87が、特許請求の範囲で言う組み合わせ側のアクチュエータである。
制御装置2は、特に説明する事項を除き、図11の実施形態に係る作業装置1の制御装置2と同様の構成とされる。ただし、制御装置2は、組み合わせ機構80における各アクチュエータ85~87を取り扱う構成とされる。
図16はさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、リンク作動装置7と組み合わせる組み合わせ機構が水平多関節ロボット90である場合の例である。この平多関節ロボット90は、ベースユニット91上に上方へ垂直に延びる第1のアーム92が水平旋回自在に設置されている。第1のアーム92は上端に水平アーム部92aを有していて、その先端に第2のアーム93が垂直軸心回りに回転自在に設置されている。第2のアーム93は上端に水平アーム部93aを有し、先端に第3のアーム94が上下移動自在な直動機構として構成されている。第1のアーム92を旋回駆動するアクチュエータ95、第2のアーム93を旋回駆動するアクチュエータ96、第3のアーム94を回転させる回転機構となるアクチュエータ97、および第3のアーム94を上下動させる直動型のアクチュエータ98が、それぞれリンク作動装置7に対する組み合わせ側のアクチュエータである。
図11~図16の各実施形態において、リンク作動装置7とその他のアクチュエータ71~73、85~87、95~98を別々に配置して、それぞれにエンドエフェクタ6とワークWを配置しているが、リンク作動装置7とその他のアクチュエータ71~73、85~87、95~98を一体に配置してもよい。例えば、他のアクチュエータ71~73、85~87、95~98にリンク作動装置7の基端側のリンクハブ12を設置するか、またはリンク作動装置7の先端側のリンクハブ13に他のアクチュエータ71~73、85~87、95~98を介してエンドエフェクタ6を設置する。
また、エンドエフェクタ6をリンク作動装置7に配置し、ワークWをその他のアクチュエータ71~73、85~87、95~98に配置する構成だけでなく、ワークWをリンク作動装置7に配置し、エンドエフェクタ6をその他のアクチュエータ71~73、85~87、95~98に配置する構成や、エンドエフェクタ6およびワークWのどちらか一方を固定して、他方をリンク作動装置7およびその他のアクチュエータ71~73、85~87、95~98を用いて移動させる構成としてもよい。
Claims (12)
- 基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブを、3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結し、前記各リンク機構は、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有し、前記3組以上のリンク機構のうち2組以上のリンク機構に、前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢を任意に変更させるアクチュエータが設けられたリンク作動装置と、
前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢を、この先端側のリンクハブを基準に定められる位置が、現在位置から目標位置へ変更するように、前記各アクチュエータを制御する制御装置と、
を備えたパラレルリンク機構を用いた作業装置であって、
前記制御装置は、
複数の前記目標位置を記憶しておく記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記各目標位置を順に読み出して前記目標位置間の各アクチュエータの移動量と移動速度を計算する計算部と、
この計算部で計算された各アクチュエータの移動量および移動速度で前記各アクチュエータを動作させる制御部とを有し、
前記制御部は、前記目標位置毎に前記各アクチュエータの加減速時間が変更可能であり、
前記記憶部は、前記目標位置毎に前記加減速時間が定められた対応表を記憶し、前記制御部は、前記対応表から前記目標位置毎に読み出した前記加減速時間で前記各アクチュエータを動作させるパラレルリンク機構を用いた作業装置。 - 基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブを、3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結し、前記各リンク機構は、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有し、前記3組以上のリンク機構のうち2組以上のリンク機構に、前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢を任意に変更させるアクチュエータが設けられたリンク作動装置と、
前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢を、この先端側のリンクハブを基準に定められる位置が、現在位置から目標位置へ変更するように、前記各アクチュエータを制御する制御装置と、
を備えたパラレルリンク機構を用いた作業装置であって、
前記制御装置は、
複数の前記目標位置を記憶しておく記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記各目標位置を順に読み出して前記目標位置間の各アクチュエータの移動量と移動速度を計算する計算部と、
この計算部で計算された各アクチュエータの移動量および移動速度で前記各アクチュエータを動作させる制御部とを有し、
前記制御部は、前記目標位置毎に前記各アクチュエータの加減速時間が変更可能であり、
前記記憶部は、前記先端側リンクハブの動作可能な範囲を分割することで求められた各所定の姿勢毎に加減速時間が定められた対応表を記憶し、前記制御部は、前記対応表の加減速時間を用いて前記各目標位置の加減速時間を算出し、制御に用いるパラレルリンク機構を用いた作業装置。 - 請求項2に記載のパラレルリンク機構を用いた作業装置において、前記制御部は、前記対応表の加減速時間から、直線近似で各目標位置の加減速時間を算出するパラレルリンク機構を用いた作業装置。
- 基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブを、3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結し、前記各リンク機構は、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有し、前記3組以上のリンク機構のうち2組以上のリンク機構に、前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢を任意に変更させるアクチュエータが設けられたリンク作動装置と、
前記先端側のリンクハブに取付けられたエンドエフェクタと、
前記リンク作動装置と組み合わせて設置された1軸以上の組み合わせ側のアクチュエータと、
前記姿勢制御用のアクチュエータおよび前記組み合わせ側のアクチュエータを制御する制御装置と、を備えたリンク作動装置を用いた作業装置であって、
前記制御装置は、
前記エンドエフェクタが作業する作業空間上の各作業点の座標である複数の目標位置を記憶しておく記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記各目標位置を順に読み出して前記目標位置間の各アクチュエータの移動量と移動速度を計算する計算部と、
この計算部で計算された各アクチュエータの移動量および移動速度で前記各アクチュエータを動作させる制御部とを有し、
前記制御部は、移動させる各アクチュエータ毎に加減速時間が変更可能であり、
前記組み合わせ側のアクチュエータが動作せず、前記リンク作動装置のみが動作する場合に、前記制御部は、前記目標位置毎に前記各アクチュエータの加減速時間が変更可能であり、
前記記憶部は、前記目標位置毎に前記加減速時間が定められた対応表を記憶し、前記制御部は、前記目標位置毎に前記対応表から読み出した前記加減速時間で前記各アクチュエータを動作させるパラレルリンク機構を用いた作業装置。 - 基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブを、3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結し、前記各リンク機構は、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有し、前記3組以上のリンク機構のうち2組以上のリンク機構に、前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢を任意に変更させるアクチュエータが設けられたリンク作動装置と、
前記先端側のリンクハブに取付けられたエンドエフェクタと、
前記リンク作動装置と組み合わせて設置された1軸以上の組み合わせ側のアクチュエータと、
前記姿勢制御用のアクチュエータおよび前記組み合わせ側のアクチュエータを制御する制御装置と、を備えたリンク作動装置を用いた作業装置であって、
前記制御装置は、
前記エンドエフェクタが作業する作業空間上の各作業点の座標である複数の目標位置を記憶しておく記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記各目標位置を順に読み出して前記目標位置間の各アクチュエータの移動量と移動速度を計算する計算部と、
この計算部で計算された各アクチュエータの移動量および移動速度で前記各アクチュエータを動作させる制御部とを有し、
前記制御部は、移動させる各アクチュエータ毎に加減速時間が変更可能であり、
前記リンク作動装置と前記組み合わせ側のアクチュエータとが同期動作を行うときは、前記制御装置は、前記リンク作動装置のみが動作するときの姿勢変更用のアクチュエータの加減速時間の整数倍の加減速時間で前記組み合わせ側のアクチュエータを動作させ、
前記記憶部は、前記目標位置毎に前記加減速時間が定められた対応表を記憶し、前記制御部は、前記目標位置毎に前記対応表から読み出した前記加減速時間で前記各アクチュエータを動作させるパラレルリンク機構を用いた作業装置。 - 基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブを、3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結し、前記各リンク機構は、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有し、前記3組以上のリンク機構のうち2組以上のリンク機構に、前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢を任意に変更させるアクチュエータが設けられたリンク作動装置と、
前記先端側のリンクハブに取付けられたエンドエフェクタと、
前記リンク作動装置と組み合わせて設置された1軸以上の組み合わせ側のアクチュエータと、
前記姿勢制御用のアクチュエータおよび前記組み合わせ側のアクチュエータを制御する制御装置と、を備えたリンク作動装置を用いた作業装置であって、
前記制御装置は、
前記エンドエフェクタが作業する作業空間上の各作業点の座標である複数の目標位置を記憶しておく記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記各目標位置を順に読み出して前記目標位置間の各アクチュエータの移動量と移動速度を計算する計算部と、
この計算部で計算された各アクチュエータの移動量および移動速度で前記各アクチュエータを動作させる制御部とを有し、
前記制御部は、移動させる各アクチュエータ毎に加減速時間が変更可能であり、
前記組み合わせ側のアクチュエータが動作せず、前記リンク作動装置のみが動作する場合に、前記制御部は、前記目標位置毎に前記各アクチュエータの加減速時間が変更可能であり、
前記記憶部は、前記先端側リンクハブの動作可能な範囲を分割することで求められた各所定の姿勢毎に加減速時間が定められた対応表を記憶し、前記制御部は、前記対応表の加減速時間を用いて前記各目標位置の加減速時間を算出し、制御に用いるパラレルリンク機構を用いた作業装置。 - 基端側のリンクハブに対し先端側のリンクハブを、3組以上のリンク機構を介して姿勢を変更可能に連結し、前記各リンク機構は、それぞれ前記基端側のリンクハブおよび先端側のリンクハブに一端が回転可能に連結された基端側および先端側の端部リンク部材と、これら基端側および先端側の端部リンク部材の他端に両端がそれぞれ回転可能に連結された中央リンク部材とを有し、前記3組以上のリンク機構のうち2組以上のリンク機構に、前記基端側のリンクハブに対する前記先端側のリンクハブの姿勢を任意に変更させるアクチュエータが設けられたリンク作動装置と、
前記先端側のリンクハブに取付けられたエンドエフェクタと、
前記リンク作動装置と組み合わせて設置された1軸以上の組み合わせ側のアクチュエータと、
前記姿勢制御用のアクチュエータおよび前記組み合わせ側のアクチュエータを制御する制御装置と、を備えたリンク作動装置を用いた作業装置であって、
前記制御装置は、
前記エンドエフェクタが作業する作業空間上の各作業点の座標である複数の目標位置を記憶しておく記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記各目標位置を順に読み出して前記目標位置間の各アクチュエータの移動量と移動速度を計算する計算部と、
この計算部で計算された各アクチュエータの移動量および移動速度で前記各アクチュエータを動作させる制御部とを有し、
前記制御部は、移動させる各アクチュエータ毎に加減速時間が変更可能であり、
前記リンク作動装置と前記組み合わせ側のアクチュエータとが同期動作を行うときは、前記制御装置は、前記リンク作動装置のみが動作するときの姿勢変更用のアクチュエータの加減速時間の整数倍の加減速時間で前記組み合わせ側のアクチュエータを動作させ、
前記記憶部は、前記先端側リンクハブの動作可能な範囲を分割することで求められた各所定の姿勢毎に加減速時間が定められた対応表を記憶し、前記制御部は、前記対応表の加減速時間を用いて前記各目標位置の加減速時間を算出し、制御に用いるパラレルリンク機構を用いた作業装置。 - 請求項7に記載のパラレルリンク機構を用いた作業装置において、前記制御部は、前記所定の姿勢毎の加減速時間から、直線近似で各目標位置の加減速時間を算出するパラレルリンク機構を用いた作業装置。
- 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のパラレルリンク機構を用いた作業装置において、前記記憶部に対して前記目標位置毎にオペレータが手入力で加減速時間を変更できる入力部を有し、前記制御部は、前記目標位置毎に前記対応表から読み出した前記加減速時間で前記各アクチュエータを動作させるパラレルリンク機構を用いた作業装置。
- 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のパラレルリンク機構を用いた作業装置において、前記先端側リンクハブの振動を検出する振動検出器を備え、かつ前記制御装置に学習器を有し、この学習器は、前記先端側リンクハブの姿勢および前記先端側リンクハブが動作する方向と、前記先端側リンクハブの振動と加減速時間の関連性を学習し、その学習したデータを用いて前記加減速時間を前記記憶部に設定し、前記制御部は、前記記憶部に設定された前記加減速時間を用いて前記目標位置毎に前記各アクチュエータの加減速時間を変更するパラレルリンク機構を用いた作業装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のパラレルリンク機構を用いた作業装置を制御する制御方法であって、前記対応表の前記目標位置毎の前記加減速時間は、前記現在位置と前記目標位置との、少なくとも2つの姿勢における前記パラレルリンク機構の剛性に基づいて求めた各アクチュエータの加減速時間とするパラレルリンク機構を用いた作業装置の制御方法。
- 請求項11に記載のパラレルリンク機構を用いた作業装置を制御する制御方法であって、前記対応表の前記目標位置毎の前記加減速時間は、前記各目標位置に順次姿勢変更する変更開始時の姿勢と最終の目標位置での姿勢との2つの姿勢に至る間の剛性の変化を直線近似して求めた前記目標位置毎の前記加減速時間であるパラレルリンク機構を用いた作業装置の制御方法。
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