JPH1148091A - 軌跡制御装置 - Google Patents

軌跡制御装置

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JPH1148091A
JPH1148091A JP22077897A JP22077897A JPH1148091A JP H1148091 A JPH1148091 A JP H1148091A JP 22077897 A JP22077897 A JP 22077897A JP 22077897 A JP22077897 A JP 22077897A JP H1148091 A JPH1148091 A JP H1148091A
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JP
Japan
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point
acceleration
deceleration
block
command
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JP22077897A
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Kazuya Hattori
和也 服部
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Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 慣性力の影響による移動体の振動を抑制し得
る軌跡制御装置を提供する。 【解決手段】 指令点P4と指令点P5とを結ぶ線分K
1と、指令点P5と指令点6とを結ぶ線分K2とにより
なす角度θを演算し、加減速度テーブルから角度θに対
応した加速度α、減速度βを読出し、指令点P4と指令
点P5との間を減速度βにて工具を減速制御するととも
に、指令点P5と指令点P6との間を加速度αにて工具
を加速制御をする。即ち、複数の指令点列をP4、P
5、P6と順に結ぶ各線分K1、K2によってなす角度
θに対応した加減速度α、βで、各指令点間の工具の制
御を行うため、例えば角度θが鋭角であっても指令点P
5に到達したときの慣性力による工具の振動を抑制する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具等の移動体の
移動軌跡を制御するための軌跡制御装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の軌跡制御技術とし
て、PTP(Point To Point)制御やCP(Continuous
Path )制御が知られており、これらの技術では軌跡制
御する工具等の移動体を高速、高加速度で移動させるこ
とが要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、出願人は、先
の出願である特願平9−106684号明細書におい
て、教示点(指令点)間隔が短い場合にも、移動体の高
速、高加速度、高精度移動を可能にする軌跡制御装置を
提案した。この軌跡制御装置は、所定の方法により指令
点列を複数のブロックに分割することで、教示点間隔が
短い場合のCP制御では移動速度が最高速度に達し得な
かった問題を解決している。
【0004】しかしながら、この軌跡制御装置を、特開
平8−150526号公報に開示される工作機械のよう
なパラレルリンク機構からなるものに適用すると、軌跡
の折れ角が急峻に変化する場合、移動体の慣性力によっ
て方向転換後に振動が発生することから、この振動が方
向転換後の軌跡制御に影響を与えるいう問題を生ずる。
この問題を解決するため、移動体の剛性を向上させてそ
の振動を防止することも考えられるが、剛性の向上は移
動体の重量増加を伴うことから、移動体を高速、高加速
度に移動させる上での障害となり、高速、高加速性能に
優れたパラレルリンク機構の特徴を充分に発揮すること
ができない。
【0005】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、慣性力
の影響による移動体の振動を抑制し得る軌跡制御装置を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1では、複数の指令点列に沿って移動体の軌
跡を制御する軌跡制御装置において、第n番目の指令点
と第n+1番目の指令点とを結ぶ線分と、この第n+1
番目の指令点と第n+2番目の指令点とを結ぶ線分とに
よりなす角度θを演算する軌跡角度演算手段と、前記角
度θに対応した減速度が記憶された加減速度テーブル
と、演算された角度θに対応する減速度を前記加減速度
テーブルから読出し、前記第n番目の指令点と前記第n
+1番目の指令点との間をこの読出された減速度にて前
記移動体を減速制御する軌跡制御手段と、を備えたこと
を技術的特徴とする。
【0007】また、請求項2では、請求項1において、
前記加減速度テーブルは前記角度θに対応した加速度を
記憶しており、前記軌跡制御手段は、演算された角度θ
に対応する加速度を前記加減速度テーブルから読出し、
前記第n+1番目の指令点と前記第n+2番目の指令点
との間をこの読出された加速度にて前記移動体を加速制
御することを技術的特徴とする。
【0008】また、請求項3では、請求項1または2に
おいて、前記軌跡制御手段は、前記移動体の減速制御に
よって前記第n番目の指令点から前記第n+1番目の指
令点に向かう方向の速度成分が前記第n+1番目の指令
点で速度0となるような減速開始点を演算するととも
に、この減速開始点から前記第n+1番目の指令点から
前記第n+2番目の指令点に向かう方向に加速すること
を技術的特徴とする。
【0009】上記目的を達成するため、請求項4は、最
始点および最終点を含む指令点列に沿って移動体の軌跡
を制御する軌跡制御装置において、前記指令点列をブロ
ック始点およびブロック終点を含む指令点列からなるブ
ロックに分割するブロック分割手段と、前記軌跡上でか
つ速度0から最高速度まで加速するのに必要な距離だけ
前記ブロック始点から離れた加速終了点を演算する手段
と、前記軌跡上でかつ最高速度から速度0まで減速する
のに必要な距離だけ前記ブロック終点から離れた減速開
始点を演算する手段と、前記軌跡上でかつ前記ブロック
始点から前記加速終了点までの間に前記移動体を加速運
動させるための内部分割点を設定する手段と、前記軌跡
上でかつ前記加速終了点から前記減速開始点までの間に
前記移動体を等速運動させるための内部分割点を設定す
る手段と、前記軌跡上でかつ前記減速開始点から前記ブ
ロック終点までの間に前記移動体を減速運動させるため
の内部分割点を設定する手段と、前記ブロック始点から
前記各内部分割点を通って前記ブロック終点に至る軌跡
上を前記移動体を移動させる手段と、前記ブロック分割
手段により生成される第1のブロックとこの第1のブロ
ックの直後に後続する第2のブロックにおいて、前記第
1のブロックにおける第1ブロック終点とこの第1ブロ
ック終点の直前の指令点とを結ぶ線分と、前記第2ブロ
ックにおける第2ブロック始点とこの第2ブロック始点
の直後の指令点とを結ぶ線分とによりなす角度θを演算
する軌跡角度演算手段と、前記角度θに対応した減速度
が記憶された加減速度テーブルと、演算された角度θに
対応する減速度を前記加減速度テーブルから読出し、こ
の読出された減速度を前記第1のブロックにおける減速
度にして前記第1のブロックで前記移動体を制御する軌
跡制御手段と、を備えたことを技術的特徴とする。
【0010】また、請求項5では、請求項4において、
前記加減速度テーブルは前記角度θに対応した加速度を
記憶しており、前記軌跡制御手段は、演算された角度θ
に対応する加速度を前記加減速度テーブルから読出し、
この読出された加速度を前記第2のブロックにおける加
速度にして前記第2のブロックで前記移動体を制御する
ことを技術的特徴とする。
【0011】また、請求項6では、請求項4または5に
おいて、前記軌跡制御手段は、前記第1のブロックにお
ける減速開始点にて前記第1のブロックにおける減速を
開始するとともに、この減速開始点にて前記第2のブロ
ックにおける加速を開始することを技術的特徴とする。
【0012】請求項1の発明では、第n番目の指令点と
第n+1番目の指令点とを結ぶ線分と、この第n+1番
目の指令点と第n+2番目の指令点とを結ぶ線分とによ
りなす角度θを演算し、加減速度テーブルから該角度θ
に対応した減速度を読出し、第n番目の指令点と第n+
1番目の指令点との間を該減速度にて移動体を減速制御
する。即ち、複数の指令点列を第n番目、第n+1番
目、第n+2番目と順に結ぶ各線分によってなす角度θ
に対応した減速度で、各指令点間の移動体の制御を行う
ため、例えば該角度θが鋭角であっても第n+1番目の
指令点に到達したときの慣性力による移動体の振動を抑
制することができる。
【0013】請求項2の発明では、第n番目の指令点と
第n+1番目の指令点とを結ぶ線分と、この第n+1番
目の指令点と第n+2番目の指令点とを結ぶ線分とによ
りなす角度θを演算し、加減速度テーブルから該角度θ
に対応した加速度を読出し、第n+1番目の指令点と第
n+2番目の指令点との間を該加速度にて移動体を加速
制御をする。即ち、複数の指令点列を第n番目、第n+
1番目、第n+2番目と順に結ぶ各線分によってなす角
度θに対応した加速度で、各指令点間の移動体の制御を
行うため、例えば該角度θが鋭角であっても第n+1番
目の指令点に到達したときの慣性力による移動体の振動
を抑制することができる。
【0014】請求項3の発明では、移動体の減速制御に
よって第n番目の指令点から第n+1番目の指令点に向
かう方向の速度成分が第n+1番目の指令点で速度0と
なるような減速開始点を演算するとともに、この減速開
始点から第n+1番目の指令点から第n+2番目の指令
点に向かう方向に加速するように軌跡制御する。即ち、
第n+1番目の指令点に向かって減速制御する一方で、
第n+2番目の指令点に向かって加速制御するため、減
速運動と加速運動とが合成され速度をゼロにすることな
くして第n+2番目の指令点に到達することができる。
【0015】請求項4の発明では、指令点列をブロック
に分割し、ブロック始点から最高速度まで加速するのに
必要な距離だけ離れた加速終了点と、ブロック終点から
最高速度から速度0まで減速するのに必要な距離だけ離
れた減速開始点とを求め、ブロック始点からブロック終
点までの内部分割点を設定し、該各内部分割点を通って
移動体を移動させる。そして、分割された第1のブロッ
クにおける第1ブロック終点とこの第1ブロック終点の
直前の指令点とを結ぶ線分と、第2ブロックにおける第
2ブロック始点とこの第2ブロック始点の直後の指令点
とを結ぶ線分とによりなす角度θを演算し、加減速度テ
ーブルから該角度θに対応した減速度を読出し、該減速
度を第1のブロックにおける減速度にする。即ち、複数
の指令点にまたがって新たに内部分割点を設定して移動
体を制御する一方、分割されたブロック内の指令点を結
ぶ線分によってなすブロック間の角度θに対応した減速
度で、移動体の制御を行う。そのため、指令点の間隔が
短いときでも移動体を最高速度で送ることが可能とな
り、さらに例えば該角度θが鋭角であってもブロックと
ブロックとの境界に位置する指令点に到達したときの慣
性力による移動体の振動を抑制することができる。
【0016】請求項5の発明では、加減速度テーブルか
ら該角度θに対応した加減速度を読出し、該減速度を第
1のブロックにおける減速度にするとともに、該加速度
を第2のブロックにおける加速度にして移動体を制御す
る。即ち、複数の指令点にまたがって新たに内部分割点
を設定して移動体を制御する一方、分割されたブロック
内の指令点を結ぶ線分によってなすブロック間の角度θ
に対応した加減速度で、移動体の制御を行う。そのた
め、指令点の間隔が短いときでも移動体を最高速度で送
ることが可能となり、さらに例えば該角度θが鋭角であ
ってもブロックとブロックとの境界に位置する指令点に
到達したときの慣性力による移動体の振動を抑制するこ
とができる。
【0017】請求項6の発明では、第1のブロックにお
ける減速開始点にて第1のブロックにおける減速を開始
するとともに、この減速開始点にて第2のブロックにお
ける加速を開始するように軌跡制御する。即ち、第1の
ブロック内で減速制御する一方で、第1のブロック内で
第2のブロックに向かって加速制御するため、減速運動
と加速運動とが合成され速度をゼロにすることなくして
第2のブロックに到達することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の軌跡制御装置の実
施形態について図を参照して説明する。 (第1実施形態)図1は本第1実施形態の工作機械10
を適用した工作機械全体の構成を示した図である。工作
機械10は工作物Wを載置するテーブル52を有した門
型のフレーム50の天井に支持柱51を介して取り付け
られており、この工作機械10に取り付けられた工具T
を所望の位置に移動して工作物Wを加工するものであ
る。
【0019】次に、図2に基づき工作機械10について
詳細に説明をする。図2に示すように工作機械10は、
主に、支持柱51によって外部に固定される基台11
と、ドリルやエンドミル等の工具Tを取り付けるトラベ
リングプレート12と、前記基台11および前記トラベ
リングプレート12を連結する6本のアーム14とから
構成されている。
【0020】基台11は6角形状の部材であり、周囲に
3つの支持部11aが等間隔で設けられており、この支
持部11aに後述するアーム14が2本ずっ合計6本連
結されている。アーム14はロッド15およびガイド2
0から構成されており、6本とも同じ構成となってい
る。
【0021】ガイド20はベース22、スライドテーブ
ル26、ボールネジ24およびモータ25U、25u、
25V、25v、25W、25wから構成されている。
該モータ25U、25u、25V、25v、25W、2
5wには、それぞれモータ位置検出用エンコーダ31
U、31u、31V、31v、31W、31wが取り付
けられている。ベース22は断面形状がコ型をした部材
であり、それぞれのベース22は基台11に対して所定
角度Q(例えば45度)傾斜して放射状に基台11に固
定されている。このベース22にはその長手方向にスラ
イドテーブル26が摺動可能に支持されている。また、
ベース22にはスライドテーブル26の図略のナットと
螺合するボールネジ24が回動可能に支持されており、
ベース22に固定され前記ボールネジ24に連結される
モータ25U、25u、25V、25v、25W、25
wを駆動することにより、ボールネジ24を回動し、結
果としてスライドテーブル26をベース22の長手方向
に移動するようになっている。
【0022】上述したスライドテーブル26にはそれぞ
れロッド15がボールジョイント16により連結され、
ボールジョイント16を支点としてロッド15はスライ
ドテーブル26に対して3次元方向に揺動可能となって
いる。また、各ロッド15の他端はトラベリングプレー
ト12にボールジョイント17にて連結され、ボールジ
ョイント17を支点としてロッド15はトラベリングプ
レート12に対して3次元方向に揺動可能となってい
る。
【0023】トラベリングプレート12は前記ロッド1
5の他端がボールジョイント17により同一平面上に連
結されており、下部にはドリルやエンドミル等の工具を
取り付ける図略の主軸が設けられている。以上の構成に
より、図略の制御装置より動作指令を与えることによっ
て、ガイド20のモータ25U、25u、25V、25
v、25W、25wを個別に駆動して6本のロッド15
をそれぞれ独立して揺動させる。すると、この6本のロ
ッド15の揺動の組み合わせにより、トラベリングプレ
ート12を6自由度制御(位置および姿勢制御)するこ
とができる。つまり、各支持部11aに支持された2本
1組のアーム14を同期して3組のアーム14を個別に
駆動することによりトラベリングプレートの位置を決定
し、各支持部11aに固定された2本1組のアーム14
のうちの各1本、即ち合計3本のアーム14を駆動する
ことによりトラベリングプレート12の姿勢を決定する
ことができるようになっている。そして、トラベリング
プレート12に取り付けられた工具を所望の位置および
姿勢に移動し、工作物の加工を行うようになっている。
【0024】引き続き、図3を参照して制御装置70の
構成について説明する。制御装置70は、CPU71、
メモリ72、インタフェイス(I/F)73、74から
構成されている。メモリ72には実加工処理を実行する
ためのプログラムが記憶されている。インタフェイス7
3には、上述したサーボモータ25U、25u、25
V、25v、25W、25wを駆動するデジタルサーボ
ユニット81〜86が接続されている。各デジタルサー
ボユニット81〜86はCPU71からの指令値(目標
値)に基づいてサーボモータ25U、25u 、25V、
25v、25W、25wをそれぞれ駆動し、各モータ位
置検出用エンコーダ31U、31u、31V、31v、
31W、31wからのに出力によってフィードバック制
御を行う。そして、サーボモータ25U、25u 、25
V、25v、25W、25wによって駆動されるそれぞ
れのスライドテーブル26を所望の位置にそれぞれ移動
することにより、結果として、6本のロッド15を介し
て連結されるトラベリングプレート12を所望の位置お
よび姿勢に制御するようになっている。
【0025】インタフェイス74には、後述する加工デ
ータ等を入力するキーボード(KB)76、加工データ
や現在の工作機械10の状態等を表示する画像表示装置
(CRT)77、加工データを記憶する外部記憶装置
(例えばハードディスク)78が接続されている。
【0026】続いて、制御装置70による処理につい
て、図4〜図7のフローチャートを参照して説明する。
図4に示すように制御装置70は、先ず、工作機械10
による金型加工用のプログラムを入力する(S12)。
次に、該プログラムを解読(デコード)し(S14)、
デコードした命令が終了命令かを判断する(S16)。
終了命令でない限り(S16がNo)、命令が動作命令
かを判断する(S18)。動作命令ではない場合には
(S18がNo)、非動作処理を進め(S20)、例え
ば、冷却・潤滑用のクーラントの噴出、停止、工具送り
の一時停止等の処理を行う。
【0027】一方、命令が動作命令のときは(S18が
Yes)、ステップ22のブロック生成処理を行う。該
ブロック処理では、与えられた教示点列を、1つの加速
−等速−減速にて工具を送れるブロックへ分割してい
く。ここで、ステップ22のサブルーチンを示す図5を
参照して、当該ブロック生成処理について説明する。な
お、ティーチングプレイバッグ式のロボット等において
は教示点という表現が、数値制御工作機械においては指
令点という表現が適切と思われるが、本実施形態におい
ては、教示点と指令点とは、特に区別していない。
【0028】先ず、開始点Pi を取得し(S52)、次
に、変数nを0に初期化する(S54)。そして、次の
教示点Pi+1+n を取得した後(S56)、教示点Pi+n
から教示点Pi+1+n までのベクトルを演算し(S5
8)、該開始点Pi から教示点Pi+1+n までの距離を演
算する(S60)。その後、次次の教示点Pi+2+n を取
得し(S62)、次点Pi+1+n から次次点Pi+2+n まで
のベクトルを演算し(S64)、該開始点Pi からPi+
2+n までの距離を演算する(S66)。
【0029】次に、上記ステップ58にて求めたPi+n
−Pi+1+n のベクトルと、上記ステップ64にて求めた
Pi+1+n −Pi+2+n のベクトルとから、両者の角度が所
定角度(例えば150°)以上かを判断する(S6
8)。そして、方向が大きく変化するため高速で工具を
送ると、工具軌跡が教示点から離れてしまう場合には
(S68がNo)、ステップ78へ移行する。他方、大
きく変化せず高速で工具を送っても工具軌跡が教示点P
i+1+n から離れない場合には(S68がYes)、ステ
ップ70へ進む。
【0030】ステップ70では、開始点Pi から次点P
i+1+n までの距離が、開始点Pi から次次点Pi+2+n ま
での距離よりも短いかを判断し、短い場合には(S70
がYes)、ステップ72に進み、他方、短くない場合
には(S70がNo)ステップ78に進む。開始点Pi
から次点Pi+1+n までの距離が、開始点Pi から次次点
Pi+2+n までの距離よりも短くならないときには、開始
点Pi から教示点Pi+2+n への軌跡がUターンしている
ことになるため、連続する教示点列を正確にトレースす
ることが困難になる場合があるからである。
【0031】ステップ72では、次点Pi+1+n と次次点
Pi+2+n とが等しいか、即ち、次点では、姿勢変化のみ
で先端の移動が無いかを判断する。姿勢変化のみで先端
の移動が無いときには(S72がNo)、ステップ78
へ移行して該次点で工具の送りを一旦停止するための処
理を行う。他方、先端の移動が有る際には(S72がY
es)、ステップ74へ進む。
【0032】ステップ74では、教示点の最終点かを判
断する。教示点の最終点では(S74がYes)、工具
の移動を停止させるためステップ78へ移行する。他
方、最終点では無いときには(S74がNo)、ステッ
プ76へ進み、変数nに1を加え、ステップ56へ戻
る。
【0033】上記ブロック生成処理(S22)によって
指令点列をブロック分割した後、図4に示す加減速度設
定処理(S23)に処理を進める。この加減速度設定処
理では、分割されたブロック間の軌跡の折れ角の角度θ
に応じて角度θによる方向転換前後の減速度と加速度を
設定する処理を行う。この処理のサブルーチンを示す図
6および速度成分パターンを示す図9を参照して当該加
減速度設定処理について詳述する。
【0034】先ず、ブロック終点の一つ前の指令点とブ
ロック終点とを結ぶ線分と、ブロック終点とブロック終
点の一つ後の指令点とを結ぶ線分とによりなす角度(折
れ角)θを演算する(S82)。即ち、図9(A)に示
すように、第1番目(第n番目)のブロックのブロック
終点(P5)とその直前の指令点(P4)とを結ぶ線分
K1と、第2番目(第n+1番目)のブロックのブロッ
ク始点(第1番目のブロックのブロック終点(P5))
とその直後の指令点(P6)とを結ぶ線分K2とからな
る角度θをステップ82で演算する。
【0035】次に、この角度θに対応する減速度βと加
速度αを加減速度テーブルから読み込んだ後(S8
4)、この読み込んだ減速度βを当該ブロック(第1番
目のブロック)の減速度として設定し(S86)、次い
で加速度αを次ブロック(第2番目のブロック)の加速
度として設定する(S88)。この加減速度テーブルに
は、実験データ等から得られる折れ角θ毎の設定値が予
め与えられており、例えば図8に示すような所定範囲内
の各折れ角θに応じた設定値で構成される。該加減速度
テーブルから分かるように、折れ角θが小さい(急峻な
方向転換)ほど減速度βを小さく設定し、折れ角θが大
きい(緩やかな方向転換)ほど減速度βを大きく設定し
ている。即ち、図9(B)に示す点線の速度パターンの
ように、折れ角θの大きさに拘らず一定の減速度(例え
ばβmax )に設定するのではなく、折れ角θに対応した
最適な減速度βを設定する。
【0036】このように減速度βを設定することによ
り、急峻な角度で方向転換をする場合にあってはブロッ
ク終点(P5)方向に働く線分K1上の速度成分を徐々
に減少させることができるため、ブロック終点(P5)
に到達したときの慣性力を最小限に抑えることが可能と
なる。従って、折れ角θによる方向転換後に発生する振
動を抑制することができ、該振動による方向転換後の軌
跡制御に及ぼす影響を抑えることができる。
【0037】なお、ここに示す加減速度テーブルは角度
θの変化に伴い減速度βが変化し、加速度αについては
変化しないように設定したが、加速度αについても変化
するように、例えば「0゜≦θ<90゜のときにα=
0.6G、90゜≦θ<120゜のときにα=0.7
G、120゜≦θ<150゜のときにα=0.8G、1
50゜≦θ<180゜のときにα=0.9G、θ=18
0゜のときにα=1.0G」の如く設定しても良い。こ
れにより、減速度βのみならず加速度αにおいても折れ
角θに対応した値が設定できるため、折れ角θにより適
応した加速が可能になる。
【0038】上記加減速度設定処理の終了により、図4
に示す内部分割点設定処理(S24)へ進む。この処理
のサブルーチンを示す図7および速度成分パターンを示
す図9を参照して、当該内部分割点設定処理について説
明する。この内部分割点設定処理では、分割されたブロ
ックの始点から終点までを工具を送るための内部分割点
を設定する処理を行う。
【0039】先ず、ブロック始点Pi (図9では始点P
0)からブロック終点Pi+1+n (終点P5)までの折れ
線の全長を算出する(S92)。即ち、点P0から点P
1に向かう間の距離(P0→P1間の距離と示す。他も
同様である)を求め、他のP1→P2、P2→P3、P
3→P4間の距離もそれぞれ求める。そして、求めた距
離を加算する。
【0040】次に、上記ステップ88で設定した加速度
α(第1番目のブロックではαmax)と算出した全長か
ら加速終了点と減速開始点を算出する(S94)。即
ち、図9(B)に示すように、始点P0→教示点P1→
教示点P2方向に先ず加速度αmax で増速して、目標速
度Vに達する地点(加速終了点A10)を求め、目標速
度Vに達したらその目標速度Vで移動させる。そして、
上記ステップ86で設定した減速度βという目標減速度
で減速させて速度ゼロまで減速されたときにちょうど終
点P5に達するような減速開始点C10を求め、この減
速開始点C10から減速を開始させる速度パターンを求
める。ここで、目標速度Vは工具等、軌跡を制御したい
移動体の予め定められた最高速度である。
【0041】そして、図9(B)に示す速度パターンに
沿って補間周期で分割し、補間周期毎の移動距離を演算
する(S96)。引き続き、ステップ96にて演算した
移動距離を基に図9(A)に示すように内部分割点を設
定する(S98)。即ち、始点P0から加速完了点まで
を工具を加速運動させるための内部分割点A11を設定
する。次に、ブロックの終点かを判断する(S10
0)。ここでは、該判断がNoとなり、ステップ96へ
戻り、補間周期毎の移動距離を演算し、ステップ98に
て、更に、加速完了点までを加速運動させるための内部
分割点A12を設定する。上記ステップ96、98を繰
り返すことで、加速完了点までを加速運動させるための
内部分割点A13を、該加速完了点から減速開始点C1
0までを等速運動させるための内部分割点B11、B1
2、B13、B14を、更に、該減速開始点から終点P
5までを減速運動させるための内部分割点C11、C1
2、C13を設定する。そして、終点P5まで処理を進
めると、ステップ100の判断がYesとなって、該内
部分割点設定処理が終了する。
【0042】図4に示す内部分割点設定処理(S24)
に続いて、ステップ26にて加速区間かを判断する。図
9(A)に示す加速区間(例えば内部分割点A11→A
12)を工具を送る際には(S26がYes)、ステッ
プ28へ移行して、工具を該内部分割点A11→A12
に沿って加速度αmax にて送る加速処理を行う。また、
等速区間(例えば内部分割点B12→B13)を工具を
送る際には(S30がYes)、ステップ32へ移行し
て、工具を該内部分割点B12→B13に沿って速度V
にて送る等速処理を行う。減速区間(例えば内部分割点
C11→C12)を工具を送る際には(S34がYe
s)、ステップ36へ移行して、工具を該内部分割点C
11→C12に沿って減速加速度βにて送る減速処理を
行う。そして、終点P5まで工具を送ることで、ステッ
プ38の判断がYesとなって、ステップ14へ戻り次
の命令をデコードし、上記処理を続ける。全ての命令を
処理することで、ステップ16の判断がYesとなっ
て、制御装置70による処理が完了する。
【0043】以上説明したように、本第1実施形態によ
ると、ブロック生成処理S22により指令点列をブロッ
ク分割した後、加減速度設定処理S23によってブロッ
ク間の軌跡の折れ角の角度θに応じて、角度θによる方
向転換前後の減速度と加速度を設定する。これにより、
急峻な角度で方向転換するときでも早い時期から比較的
ゆっくりと減速するように角度θに応じた減速制御が可
能となるため、工具Tの慣性力による振動を極力抑える
ことができる。また、緩やかな角度で方向転換するとき
には角度θに応じた減速制御に加えて角度θに適した加
速制御を行うことで、より高速、高加速性能を向上させ
ることができる。
【0044】(第2実施形態)次に、本発明の他の実施
形態として、図10および図11に示す軌跡制御につい
て説明する。なお、本軌跡制御により制御される工作機
械および本軌跡制御を実行する制御装置のそれぞれの構
成は、第1実施形態による工作機械10および制御装置
70と同様である。
【0045】図10に示す第2実施形態は、指令点の間
隔が比較的長い場合に適用するもので、第1実施形態で
説明した加減速度設定処理S23をCP制御に取り入れ
たものである。図10(A)に示すように、先ず、工具
Tの移動させたい軌跡に沿った各点をP0、P1、P
2、P3のように定め、P0→P1方向およびP1→P
2方向を決定する。次に、第1実施形態の加減速度設定
処理S23と同様の処理を行う。即ち、点P0と点P1
とを結んだ線分と、点P1とP2とを結んだ線分とがな
す折れ角θ1 を演算し、この演算した角度θ1 を基にし
て、加減速度テーブルから減速度β1 と加速度α1 を読
み込む。なお、この加減速度テーブルには、第1実施形
態の加減速度テーブルと同様に折れ角の角度に対応した
加速度(減速度)が予め与えられている。
【0046】次に、点P0から点P1に向かう速度パタ
ーンを決定する。即ち、図10(B)に示すように、始
点である点P0→P1方向に先ず加速度αmax で増速
し、目標速度Vに達したらその目標速度Vで移動させ、
減速度β1 で減速させ速度ゼロまで減速されたときにち
ょうど点P1に達するような減速開始点A0を求め(こ
のときタイミングはt)、この減速開始点A0から減速
を開始させる速度パターンを求める。このタイミングt
が決定されると、今度はP1→P2方向の速度成分に関
し、図10(B)に示すようなタイミングtから加速度
α1 で増速し、速度Vに達した時以後定常速度とする速
度パターンを算出する。
【0047】これら2つの速度パターンが決定される
と、それぞれの速度成分をベクトル加算することによ
り、実際の移動方向と速度成分が算出される。図10
(B)から明らかなように、P0→P1方向の速度成分
が減少すると同時に点P1から点P2に向かう速度成分
が増大し、タイミングtとt’において、いずれか一方
の速度成分は目標速度Vとなり、他方の速度成分はゼロ
となる。従って、タイミングtとt’においても合成さ
れた速度はほぼ目標速度Vを保つことになる。
【0048】このため、ベクトル加算された方向と速度
とに従って工具Tを移動させると、タイミングt以前に
はP0→P1方向に目標速度Vで移動する。タイミング
tからt’の間は、P0→P1方向の速度成分が小さく
なりつつP1→P2方向の速度成分が大きくなる。ここ
で、タイミングt’でP0→P1の速度成分がゼロにな
るため、タイミングt’で工具Tは点P1と点P2とを
結ぶ直線上にいることになる。
【0049】なお、上記の計算が始点P0→点P1に引
き続き、点P1→点P2→点P3についても同様に行わ
れ、点P1→P2(角度θ2 )においては減速度β2 、
加速度α2 で、また点P2→終点P3においては減速度
βmax でそれぞれ設定される。このようにして、工具T
の移動方向と速度とが決定されると、工具Tは図10
(A)の軌跡に示すように、点P0→点P1→点P2→
点P3を結ぶ直線にほぼ沿って、これをなめらかに内回
りしながら移動し、しかも急峻な角度で方向転換をする
場合にあってもその角度に応じた最適な減速度(加速
度)により軌跡制御されるため、各指令点を内回りする
際の慣性力による振動を抑制することができる。従っ
て、加減速度設定処理を行わない従来のCP制御に較
べ、より高速、高加速、高精度化が可能となる。なお、
図10(B)に示す点線による速度パターンは、折れ角
の大きさに拘らず一定の加減速度(例えばαmax 、βma
x )に設定したものである。
【0050】次に、図11に基づき第2実施形態に係る
軌跡制御の他の適用例を説明する。図11に示す当該適
用例は、第1実施形態により分割されたブロック間の軌
跡制御にCP制御を取り入れたものである。つまり、第
1実施形態による軌跡制御の速度成分パターン(図9
(B))と当該適用例の速度成分パターン(図11
(B))とを比較すると明かなように、第2番目(第n
+1番目)のブロックの加速開始点を第1番目(第n番
目)の減速開始点(C0)に一致させることで、上記の
図10に示すCP制御を可能にしたものである。
【0051】なお、ブロック生成処理、加減速度設定処
理および内部分割点設定処理は、第1実施形態のブロッ
ク生成処理S22、加減速度設定処理S23および内部
分割点設定処理S24とそれぞれ同様であり、またCP
制御の速度成分パターンの算出等については図10に示
す実施形態と同様である。
【0052】このように第1実施形態による軌跡制御に
ブロック間のCP制御を取り入れることで、軌跡制御の
更なる高速、高加速度化を図ることができる。
【0053】(第3実施形態)次に、本発明の他の実施
形態として、図12および図13に示す軌跡制御につい
て説明する。図12、13に示す第2実施形態は、第1
実施形態で説明した加減速度設定処理S23をPTP制
御に取り入れたものである。本実施形態についても第2
実施形態と同様に、本軌跡制御により制御される工作機
械および本軌跡制御を実行する制御装置は、第1実施形
態による工作機械10および制御装置70と同じ構成で
ある。
【0054】図12に示すように本実施形態の軌跡制御
では、先ず変数nの初期化を行うためnに0を読込んだ
後(S112)、ステップ116〜120で区間Pn P
n+1(図13では区間P0,P1)の速度パターンを求
めるための前処理を行う。即ち、与えられている指令点
Pn 、Pn+1 、Pn+2 、つまり図13(A)に示すとこ
ろの点P0、P1、P2の座標データを読み込む(S1
14)。
【0055】次に、点Pn とPn+1 とを結ぶ線分と、点
Pn+1 とPn+2 とを結ぶ線分とからなる折れ角の角度θ
n+1 を演算する(S116)。即ち、図13(A)に示
すように、点P0とP1とを結ぶ線分と、点P1とP2
とを結ぶ線分とからなる角度θ1 をステップ116で演
算する。そして、この角度θn+1 (θ1 )に対応する減
速度βn+1 (β1 )と加速度αn+1 (α1 )を加減速度
テーブルから読み込んだ後(S118)、該減速度βn+
1 (β1 )を区間Pn Pn+1 (P0、P1)の減速度と
して設定する(S120)。また、Pn (P0)は始点
であることから、このステップ120では通常の加速度
(例えばαmax )を区間Pn Pn+1 の加速度として設定
する。なお、これら一連の処理(ステップ116、11
8、120)は第1実施形態の加減速度設定処理S23
に相当する。
【0056】次に、区間Pn+1 Pn+2 (P1,P2)の
速度パターンを求め、点Pn+2 の次点(Pn+3 )が終点
でなければそれを当該区間の速度パターンに設定する。
即ち先ず、点Pn+2 の次点であるPn+3 を読み込み(S
122)、次いで前述したステップ116と同様に、点
Pn+1 とPn+2 とを結ぶ線分と、点Pn+2 とPn+3 とを
結ぶ線分とからなる折れ角の角度θn+2 を演算する(S
124)。つまり、図13(A)からわかるように、角
度θ2 を形成する点P1とP2とを結ぶ線分と、点P2
とP3とを結ぶ線分との折れ角をステップ124で演算
する。そしてまた、前述したステップ118、120と
同様にして、この角度θn+2 (θ2 )に対応する加速度
αn+2 (α2 )、減速度βn+2 (β2 )を加減速度テー
ブルから読み込んだ後(S126)、該減速度βn+2
(β2 )を区間Pn+1 Pn+2 (P1、P2)の減速度と
して設定する(S128)。これら一連の処理(ステッ
プ124、126、128)も第1実施形態の加減速度
設定処理S23に相当する。
【0057】次に、指令点Pn+3 (P3)は終点である
かを判断する(S130)。Pn+3が終点であれば、点
Pn+3 の次点であるPn+4 は存在しないことになり、後
述するステップ134に処理を移行した後、本制御を終
了するためである。ここでは、図13(A)に示す点P
3は終点ではないため該判断がNoとなり、ステップ1
32に処理を移行し、変数nに1だけ加算される変数n
のインクリメント処理が行われる(S132)。
【0058】そして、点Pn+3 の次点である点Pn+3
(P4)を読み込むために上記ステップ122に処理を
戻し、前述と同様にステップ122、124、126、
128を順次処理することで、区間P2、P3の速度パ
ターンを得る。次いで、先と同様にステップ130によ
ってP3の次点であるP4が終点であるか否かを判断す
る。ここでは、図13(A)に示すように点P4は終点
であるから(S130がYes)、ステップ134に処
理を移す。そして、区間Pn+2 Pn+3 (P3、P4)の
加速度を加減速テーブルから読み込んだ加速度αn+2 に
設定し、またPn+3 (P4)は終点であることから、通
常の減速度(例えばβmax )をこの区間の減速度として
設定する。そして、本軌跡制御を終了する。
【0059】このようにPTP制御においても第1実施
形態と同様、指令点列を結ぶ線分によりなす折れ角の角
度θに応じて、角度θによる方向転換前後の減速度と加
速度を設定することで、急峻な角度で方向転換するとき
でも早い時期から比較的ゆっくりと減速するように角度
θに応じた減速制御が可能となる。そのため、工具Tの
慣性力による振動を極力抑えることができる。また、緩
やかな角度で方向転換するときには角度θに応じた減速
制御に加えて角度θに適した加速制御を行うことで、よ
り高速、高加速性能を向上させることができる。
【0060】
【発明の効果】請求項1及び請求項2の発明では、第n
番目の指令点、第n+1番目の指令点、第n+2番目の
指令点の順に移動体が移動する場合、第n番目の指令点
と第n+1番目の指令点とを結ぶ線分と、第n+1番目
の指令点と第n+2番目の指令点とを結ぶ線分とにより
なす角度θを演算し、その角度θに対応した減速度を方
向転換前の減速度として、また角度θに対応した加速度
を方向転換後の加速度として設定する。これにより、急
峻な角度で方向転換するときでも早い時期から比較的ゆ
っくりと減速するように角度θに応じた減速制御ができ
るため、移動体の慣性力による振動を抑制することがで
きる。また、緩やかな角度で方向転換するときには角度
θに応じた減速制御に加えて角度θに適した加速制御を
行うことで、より高速、高加速性能を向上させることが
できる。従って、移動体の機械的な剛性を向上させるこ
となくして、慣性力による振動を抑制することができる
ため、高速、高加速性能を向上させる効果がある。
【0061】請求項3の発明では、移動体の減速制御に
よって第n番目の指令点から第n+1番目の指令点に向
かう方向の速度成分が第n+1番目の指令点で速度0と
なるような減速開始点を演算するとともに、この減速開
始点から読出された加速度にて第n+1番目の指令点か
ら第n+2番目の指令点に向かう方向に加速するように
軌跡制御する。即ち、第n+1番目の指令点に向かって
減速制御する一方で、第n+2番目の指令点に向かって
加速制御する。これにより、減速運動と加速運動とが合
成され速度をゼロにすることなくして第n+2番目の指
令点に達することができる。従って、移動体の高速、高
加速性能を更に向上させる効果がある。
【0062】請求項4及び請求項5の発明では、指令点
列をブロックに分割し、ブロック始点からブロック終点
までの内部分割点を設定し、該各内部分割点を通って移
動体を移動させる。また、分割された第1のブロックに
おける第1ブロック終点とこの第1ブロック終点の直前
の指令点とを結ぶ線分と、第2ブロックにおける第2ブ
ロック始点とこの第2ブロック始点の直後の指令点とを
結ぶ線分とによりなす角度θを演算し、第1のブロック
における減速度と第2のブロックにおける加速度とを該
角度θに対応して加減速度テーブルから読出し移動体を
制御する。即ち、複数の指令点にまたがって新たに内部
分割点を設定して移動体を制御するため、指令点の間隔
が短いときでも移動体を最高速度で送ることができる。
また、分割されたブロック内の指令点を結ぶ線分によっ
てなすブロック間の角度θに対応した加減速度で、移動
体の制御を行うことができ、例えば該角度θが鋭角であ
ってもブロックとブロックとの境界に位置する指令点に
到達したときの慣性力による移動体の振動を抑制するこ
とができる。従って、指令点の間隔が短いときでも移動
体の高速、高加速性能を向上させる効果がある。
【0063】請求項6の発明では、第1のブロックにお
ける減速開始点にて第1のブロックにおける減速を開始
するとともに、この減速開始点にて第2のブロックにお
ける加速を開始するように軌跡制御する。即ち、第1の
ブロック内で減速制御する一方で、第1のブロック内で
第2のブロックに向かって加速制御する。これにより、
減速運動と加速運動とが合成され速度をゼロにすること
なくして第2のブロックに達することができる。従っ
て、移動体の高速、高加速性能をより一層向上させる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る軌跡制御装置によ
り制御される工作機械全体の機械的構成を示す斜視図で
ある。
【図2】図1に示す工作機械の機械的構成を示す斜視図
である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る制御装置の構成を
示すブロック図である。
【図4】第1実施形態の制御装置による処理のメインル
ーチンを示すフローチャートである。
【図5】図4に示すブロック生成処理のサブルーチンを
示すフローチャートである。
【図6】図4に示す加減速度設定処理のサブルーチンを
示すフローチャートである。
【図7】図4に示す内部分割点設定処理のサブルーチン
を示すフローチャートである。
【図8】加減速度設定処理に用いる加減速度テーブルの
一例を示す図表である。
【図9】第1実施形態に係る軌跡制御を説明する図で、
(A)は線分K1、K2からなる折れ角θおよび内部分
割点の設定を示す説明図、(B)は第1実施形態の軌跡
制御を適用した速度成分パターンを示す説明図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る軌跡制御を説明
する図で、(A)は当該制御による軌跡を示す説明図、
(B)は当該制御を適用した速度成分パターンを示す説
明図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る軌跡制御の他の
適用例を説明する図で、(A)は当該制御による軌跡を
示す説明図、(B)は当該制御を適用した速度成分パタ
ーンを示した説明図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る軌跡制御による
各処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明の第3実施形態に係る軌跡制御を説明
する図で、(A)は当該制御による軌跡を示す説明図、
(B)は当該制御を適用した速度成分パターンを示す説
明図である。
【符号の説明】
10 工作機械(軌跡制御装置) 70 制御装置 72 メモリ 73 外部記憶装置 74 CPU 76 入力装置 77 画像表示装置 S22 ブロック生成処理(ブロック分割手段) S23 加減速度設定処理(軌跡角度演算手段、軌跡
制御手段) S24 内部分割点設定処理(内部分割点を設定する
手段) T 工具(移動体) W 工作物 P1〜8 指令点

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の指令点列に沿って移動体の軌跡を
    制御する軌跡制御装置において、 第n番目の指令点と第n+1番目の指令点とを結ぶ線分
    と、この第n+1番目の指令点と第n+2番目の指令点
    とを結ぶ線分とによりなす角度θを演算する軌跡角度演
    算手段と、 前記角度θに対応した減速度が記憶された加減速度テー
    ブルと、 演算された角度θに対応する減速度を前記加減速度テー
    ブルから読出し、前記第n番目の指令点と前記第n+1
    番目の指令点との間をこの読出された減速度にて前記移
    動体を減速制御する軌跡制御手段と、 を備えたことを特徴とする軌跡制御装置。
  2. 【請求項2】 前記加減速度テーブルは前記角度θに対
    応した加速度を記憶しており、 前記軌跡制御手段は、演算された角度θに対応する加速
    度を前記加減速度テーブルから読出し、前記第n+1番
    目の指令点と前記第n+2番目の指令点との間をこの読
    出された加速度にて前記移動体を加速制御することを特
    徴とする請求項1記載の軌跡制御装置。
  3. 【請求項3】 前記軌跡制御手段は、 前記移動体の減速制御によって前記第n番目の指令点か
    ら前記第n+1番目の指令点に向かう方向の速度成分が
    前記第n+1番目の指令点で速度0となるような減速開
    始点を演算するとともに、この減速開始点から前記第n
    +1番目の指令点から前記第n+2番目の指令点に向か
    う方向に加速することを特徴とする請求項1または2記
    載の軌跡制御装置。
  4. 【請求項4】 最始点および最終点を含む指令点列に沿
    って移動体の軌跡を制御する軌跡制御装置において、 前記指令点列をブロック始点およびブロック終点を含む
    指令点列からなるブロックに分割するブロック分割手段
    と、 前記軌跡上でかつ速度0から最高速度まで加速するのに
    必要な距離だけ前記ブロック始点から離れた加速終了点
    を演算する手段と、 前記軌跡上でかつ最高速度から速度0まで減速するのに
    必要な距離だけ前記ブロック終点から離れた減速開始点
    を演算する手段と、 前記軌跡上でかつ前記ブロック始点から前記加速終了点
    までの間に前記移動体を加速運動させるための内部分割
    点を設定する手段と、 前記軌跡上でかつ前記加速終了点から前記減速開始点ま
    での間に前記移動体を等速運動させるための内部分割点
    を設定する手段と、 前記軌跡上でかつ前記減速開始点から前記ブロック終点
    までの間に前記移動体を減速運動させるための内部分割
    点を設定する手段と、 前記ブロック始点から前記各内部分割点を通って前記ブ
    ロック終点に至る軌跡上を前記移動体を移動させる手段
    と、 前記ブロック分割手段により生成される第1のブロック
    とこの第1のブロックの直後に後続する第2のブロック
    において、前記第1のブロックにおける第1ブロック終
    点とこの第1ブロック終点の直前の指令点とを結ぶ線分
    と、前記第2ブロックにおける第2ブロック始点とこの
    第2ブロック始点の直後の指令点とを結ぶ線分とにより
    なす角度θを演算する軌跡角度演算手段と、 前記角度θに対応した減速度が記憶された加減速度テー
    ブルと、 演算された角度θに対応する減速度を前記加減速度テー
    ブルから読出し、この読出された減速度を前記第1のブ
    ロックにおける減速度にして前記第1のブロックで前記
    移動体を制御する軌跡制御手段と、 を備えたことを特徴とする軌跡制御装置。
  5. 【請求項5】 前記加減速度テーブルは前記角度θに対
    応した加速度を記憶しており、 前記軌跡制御手段は、演算された角度θに対応する加速
    度を前記加減速度テーブルから読出し、この読出された
    加速度を前記第2のブロックにおける加速度にして前記
    第2のブロックで前記移動体を制御することを特徴とす
    る請求項4記載の軌跡制御装置。
  6. 【請求項6】 前記軌跡制御手段は、 前記第1のブロックにおける減速開始点にて前記第1の
    ブロックにおける減速を開始するとともに、この減速開
    始点にて前記第2のブロックにおける加速を開始するこ
    とを特徴とする請求項4または5記載の軌跡制御装置。
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