JP2014042953A - ロボット制御装置およびロボット制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】折り曲げ加工機を用いて曲げ加工するときに変位する板材を、全体が走行軸に沿って移動するロボットの保持部で保持し、前記ロボットの各アームを各関節のところで駆動するとともに前記ロボットを前記走行軸に沿って移動することで、前記ロボットの保持部を前記板材の変位に追従させて動作させ場合において、ロボットの駆動を最適化する。
【解決手段】保持位置に対するロボット13のベースアーム17Aの位置を変えて、追従をするときにおけるロボットの挙動パターンを複数もとめ、これらのもとめた各挙動パターンの中から評価関数(f1〜fn)を用いて挙動パターンを選択し、この選択した挙動パターンを用いてロボットを駆動する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロボット制御装置およびロボット制御方法に係り、特に、板材を保持しているロボットの保持部を曲げ加工される板材の変位に追従させて動作させるものに関する。
従来、走行軸の上に載せられた6軸多関節ロボットの保持部(板材の所定部位を保持している保持部)を、曲げ加工機(プレスブレーキ)等によって曲げ加工される板材(ワーク)の変位に追従(曲げ追従)させるとき、上記6軸多関節ロボットの各関節を駆動するとともに6軸多関節ロボット全体を走行軸に沿ってX軸方向に移動している。
この場合、ロボットの先端位置(保持部が設けられているエンドプレートのX軸方向、Y軸方向、Z軸方向)や姿勢(エンドプレートのX軸まわりの回動ピッチ角度、Y軸まわりの回動ロール角度、Z軸まわりのヨー角度)の追従軌跡は1通りであるが、ロボットの挙動パターン(各関節の駆動パターンや走行軸の走行パターン)は複数存在する。したがって、各軸(ロボットの6軸と走行軸)の移動量のパターンも複数存在する。
たとえば、6軸多関節ロボットと、ロボットの保持部との間の距離が可変(図2の寸法Qxが可変)であることにより、複数パターンが存在する。
そこで、便宜上ロボットとワークの曲げ初期位置を一定(X軸方向)にする(走行軸におけるロボットの曲げ初期位置を任意の一定の位置にする)等の条件を追加することで、複数存在する挙動パターンを1つにし、この挙動パターンでロボットに曲げ追従をさせている。
なお、上述した従来の技術に関する文献として、たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を掲げることができる。
特開2006−15389号公報 特許第4281872号公報 特開平10−5876号公報
ところで、上記従来のものでは、曲げ追従を開始するときにおけるワークとロボットの先端位置(図1の寸法Y)が変化した場合等の曲げ追従の条件が変化することにより、ロボットの各軸の速度(各関節におけるアームの回動速度)が許容速度を超える場合がある。
この場合、ロボットの保持部の移動速度がワークの変位速度よりも遅くなり、曲げ追従ができなくなる。そこで、ワークの曲げ速度(たとえばダイに対するパンチの接近速度)を遅くして、曲げ追従できるようにする必要がある。
しかし、従来のロボットの動作制御では、ロボットの各軸および走行軸に関して、それぞれの速度(角速度、移動速度)や移動量(回動角度、移動距離)が最適化されていないという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、折り曲げ加工機を用いて曲げ加工するときに変位する板材を、全体が走行軸に沿って移動するロボットの保持部で保持し、前記ロボットの各アームを各関節のところで駆動するとともに前記ロボットを前記走行軸に沿って移動することで、前記ロボットの保持部を前記板材の変位に追従させて動作させるロボット制御装置およびロボット制御方法において、ロボットの駆動を最適化することができるものを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、折り曲げ加工機を用いて曲げ加工するときに変位する板材を、全体が走行軸に沿って移動するロボットの保持部で保持し、前記ロボットの各アームを各関節のところで駆動するとともに前記ロボットを前記走行軸に沿って移動することで、前記ロボットの保持部を前記板材の変位に追従させて動作させるロボット制御装置において、
前記保持位置に対する前記ロボットのベースアームの位置を変えて、前記追従をするときにおける前記ロボットの挙動パターンを複数もとめ、これらのもとめた各挙動パターンの中から評価関数を用いて挙動パターンを選択し、この選択した挙動パターンを用いて前記ロボットを駆動する制御をするように構成されていることを特徴とするロボット制御装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロボット制御装置において、前記各挙動パターンは、前記板材の曲げ線に対する前記保持部の保持位置を変えることによってももとめられるものであるロボット制御装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のロボット制御装置において、前記評価関数を用いて挙動パターンを選択する選択基準として、前記走行軸および前記ロボットの各アームの最大速度が最も小さい挙動パターンを選択する選択基準、前記走行軸および前記ロボットの各アームの最大速度の平均値が最も小さい挙動パターンを選択する選択基準、前記走行軸および前記ロボットの各アームの最大速度の標準偏差が最も小さい挙動パターンを選択する選択基準、前記走行軸および前記ロボットの各アームの移動距離が最も少ない挙動パターンを選択する選択基準、前記走行軸および前記ロボットの各アームの移動方向の反転回数が最も少ない挙動パターンを選択する選択基準、のうちの少なくともいずれかの選択基準が用いられるように構成されているロボット制御装置である。
請求項4に記載の発明は、折り曲げ加工機を用いて曲げ加工するときに変位する板材を、全体が走行軸に沿って移動するロボットの保持部で保持し、前記ロボットの各アームを各関節のところで駆動するとともに前記ロボットを前記走行軸に沿って移動することで、前記ロボットの保持部を前記板材の変位に追従させて動作させるロボット制御方法において、前記保持位置に対する前記ロボットのベースアームの位置を変えて、前記追従をするときにおける前記ロボットの挙動パターンを複数もとめる挙動パターン算出段階と、前記挙動パターン算出段階でもとめた各挙動パターンの中から評価関数を用いて挙動パターンを選択する挙動パターン選択段階と、前記挙動パターン選択段階で選択した挙動パターンを用いて前記ロボットを駆動する制御をするロボット制御段階とを有するロボット制御方法である。
本発明によれば、折り曲げ加工機を用いて曲げ加工するときに変位する板材を、全体が走行軸に沿って移動するロボットの保持部で保持し、前記ロボットの各アームを各関節のところで駆動するとともに前記ロボットを前記走行軸に沿って移動することで、前記ロボットの保持部を前記板材の変位に追従させて動作させるロボット制御装置およびロボット制御方法において、ロボットの駆動を最適化することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係るロボット制御装置によって制御されるロボットと折り曲げ加工機の概略構成を示す図である。 図1におけるII矢視図である。 板材を曲げ加工するときの、板材の挙動とロボットの保持部の挙動とを示す図である。 図3におけるIV部の拡大図である。 本発明の実施形態に係るロボット制御装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るロボット制御装置の動作を示すフローチャートである。 図6のステップS13の動作の例を示す図である。 図6のステップS19の評価関数を示す図である。 図6のステップS21のX−Yの近似式を示す図である。
プレスブレーキ(折り曲げ加工機)1は、たとえば「C」字状に形成されたフレーム3と下部テーブル5と上部テーブル7と制御装置(図示せず)とを備えて構成されている。
ここで説明の便宜のために、水平な一方向をX軸方向とし、水平な他の一方向であってX軸方向に対して直交する方向をY軸方向とし、X軸方向とY軸方向とに直交する上下方向をZ軸方向とし、X軸まわりの回動角度をピッチ角度とし、Y軸まわりの回動角度をロール角度とし、Z軸まわりの回動角度をヨー角度とする。
フレーム3は、床面GLに一体的に設置されており、下部テーブル5は、フレーム3の下方前側でフレーム3に一体的に設けられている。上部テーブル7は、フレーム3の上方前側でフレーム3に支持されており、上下方向でフレーム3(下部テーブル5)に対して移動自在になっている。
下部テーブル5には、たとえば、ダイホルダ9を介してダイDが一体的に設置されるようになっている。上部テーブル7には、たとえば、パンチホルダ11を介してパンチPが一体的に設置されるようになっている。
上部テーブル7は、上記制御装置の制御の下、サーボモータ(図示せず)等のアクチュエータによって、上下方向(Z軸方向)で移動位置決めされるようになっている。これにより、下部テーブル5に設置されたダイ(設置済みダイ)Dと上部テーブル7に設置されたパンチ(設置済みパンチ)PとでワークWが挟み込まれ、ワークWに曲げ加工がなされるようになっている。
なお、上記説明では、上部テーブル7のみを上下方向で移動位置決めしているが、上部テーブル7に代えてもしくは加えて、下部テーブル5が上下方向で移動位置決め自在になっていてもよい。すなわち、サーボモータによって上部テーブル7が下部テーブル5に対して相対的に移動位置決め自在になっていればよい。
ロボット13は、各関節15A,15B,15C,15D,15E,15Fが順につながった多軸(たとえば6軸)の開ループ構造になっている。
さらに説明すると、ロボット13は、ベースアーム17Aと第1アーム17Bと第2アーム17Cと第3アーム17Dと第4アーム17Eと第5アーム17Fと第6アーム17Gとを備えて構成されている。
第1アーム17Bは、第1の関節15Aを介してベースアーム17Aにつながっており、ロボット制御装置19(図5参照)の制御の下、サーボモータ(図示せず)等のアクチュエータによって、第1の軸(たとえばZ軸方向に延びている軸)θ1まわりで、ベースアーム17Aに対して回動位置決め(回転位置決め)自在になっている。なお、ロボット制御装置19は、プレスブレーキ1の制御装置との間で信号(情報)のやりとりができるようになっている。
第2アーム17Cは、第2の関節15Bを介して第1のアーム17Bにつながっており、第1のアーム17Bの場合と同様にして、第2の軸(たとえば水平方向に延びている軸)θ2まわりで、第1のアーム17Bに対して回動位置決め自在になっている。
第3アーム17Dは、第3の関節15Cを介して第2のアーム17Cにつながっており、第1のアーム17Bの場合と同様にして、第3の軸θ3まわりで、第2のアーム17Cに対して回動位置決め自在になっている。
第4アーム17Eは、第4の関節15Dを介して第3のアーム17Dにつながっており、第1のアーム17Bの場合と同様にして、第4の軸θ4まわりで、第3のアーム17Dに対して回動位置決め自在になっている。
第5アーム17Fは、第5の関節15Eを介して第4のアーム17Eにつながっており、第1のアーム17Bの場合と同様にして、第5の軸θ5まわりで、第4のアーム17Eに対して回動位置決め自在になっている。
第6アーム17Gは、第6の関節15Fを介して第5のアーム17Fにつながっており、第1のアーム17Bの場合と同様にして、第6の軸θ6まわりで、第5のアーム17Fに対して回動位置決め自在になっている。
ロボット13の保持部(ワーク保持部)21は、第6アーム17Gに設けられており、たとえば、一対の爪でワークWを保持するように構成されている。なお、一対の爪に代えて、マグネットもしくは真空吸着等によりワークWを保持するように構成されていてもよい。
ロボット13は、この全体が走行軸25に沿ってX軸方向で移動するようになっている。すなわち、床面GLには、ベース体23が一体的に設置されており、ベースアーム17Aは、図示しないリニアガイドベアリング等を介してベース体23に支持されている。そして、ロボット制御装置19の制御の下、サーボモータ(図示せず)等のアクチュエータによって、ベースアーム17A(ロボット13)がX軸方向で、プレスブレーキ1に対して移動位置決め自在になっている。
ロボット制御装置19は、図5で示すように、たとえば、制御部(CPU)27とメモリ29とロボット13の各軸の位置等を図示しないセンサ等から入力する入力部31とロボット13を駆動する信号等を出力する出力部33とを備えて構成されている。
ロボット13は、ロボット制御装置(制御部27)19の制御の下、曲げ加工前のワーク(板材)Wの所定の部位を保持部21で保持し、プレスブレーキ1に供給するようになっている。
また、ロボット13は、ロボット制御装置19の制御の下、プレスブレーキ1を用いてワークWに曲げ加工するときに(プレスブレーキ1に設置されたパンチPとダイDとを用いてX軸方向に延びている曲げ線のところでワークWに曲げ加工するときに)変位するワークWの所定の部位を、保持部21で保持し続けるようになっている。
このとき、ロボット13は、ロボット制御装置19の制御の下、ロボット13の各アーム17A〜17Gを各関節15A〜15Fのところで駆動(たとえば、関節を介してお互いが隣接しているアームのうちの一方のアームを他方のアームに対して回動)するとともに、ロボット13の全体を走行軸25に沿ってX軸方向に移動することで、ロボット13の保持部(ワークWの所定の位置を保持している保持部)21をワークWの変位に追従させて動作させるようになっている。
また、ロボット13は、ロボット制御装置19の制御の下、曲げ加工後のワークWをプレスブレーキ1から搬出するときにも、保持部21でワークWを保持し続けるようになっている。
ロボット制御装置19は、X軸方向で保持位置(保持部21がワークWを保持している位置)に対するロボット13のベースアーム17Aの位置(初期値;ベース体23に対するX軸方向の位置)を変えて(図2の寸法Qxを変える毎に)、前記追従動作をするときにおけるロボット13の挙動パターン(X軸方向での移動速度の変化のパターンと各関節15A〜15Fにおける回動速度の変化パターン)を、予め計算することで複数もとめるようになっている。すなわち、保持位置とロボット13のベースアーム17Aの位置との間の距離Qxの値を、X軸方向で、たとえば、所定の僅かな値だけ増やすたびに、上記追従をするときにおけるロボット13の挙動パターンをもとめることで複数の挙動パターンをもとめるようになっている。これらのもとめた挙動パターンは、メモリ29に格納(記憶)されるようになっている。
なお、図2における参照符号Oは原点を示しており、参照符号Pxは、原点Oと保持位置との間の距離(X軸方向の寸法)を示しており、参照符号X(Gx)は、原点Oとベースアーム17Aの中心との間の距離(X軸方向の寸法)を示している。
ロボット制御装置19は、上記もとめた各挙動パターンの中から評価関数を用いて条件の最も良い挙動パターンを選択し、この選択した挙動パターンを用いてロボット13を駆動する制御をするように構成されている。
また、上記各挙動パターンは、ワークWの曲げ線(X軸方向に延びている曲げ線)に対する保持部21の保持位置(曲げ線の延伸方向とワークWの厚さ方向とに直交する方向での、曲げ線と保持位置との間の距離;図1に示す寸法Y)を変えることによってももとめられるようになっている。
すなわち、図21に示す寸法Yを、曲げ線の延伸方向とワークWの厚さ方向とに直交する方向である曲線板厚直交方向で、たとえば、所定の僅かな値だけ増やすたびに、上記追従をするときにおけるロボット13の挙動パターンをもとめることで複数の挙動パターンをもとめられるようになっている。
また、ロボット制御装置19は、図8に示す評価関数f1〜fnを用いてもっとも条件の良い挙動パターンを選択するようになっている。このときの選択基準として、たとえば、次に示す第1の選択基準〜第5の選択基準のうちの少なくともいずれかの選択基準を用いるように構成されている。なお、いずれの選択基準を選ぶかは、たとえば、ロボット13のオペレータによって入力部31から入力された指令によって決まるものとする。
第1の選択基準(評価関数f1)は、走行軸25(アーム17A)およびロボット13の各アーム17B〜17Gの最大速度が最も小さい挙動パターンを選択する選択基準である。
第2の選択基準(評価関数f2)は、走行軸25(アーム17A)およびロボット13の各アーム17B〜17Gの最大速度の平均値が最も小さい挙動パターンを選択する選択基準である。
ここで、第2の選択基準について詳しく説明する。
寸法Xの初期値を所定の値にする。この初期値における走行軸25(アーム17A)およびロボット13の各アーム17B〜17Gの速度をもとめる。この結果は図7で示すようになる。このとき、a30,a71,a52,a83,a65,a45,a56の値が最大値であったとする(初期値Xにおける最大速度)。
続いて、寸法Xの値を変える(X→X+1にする)。このときの、各軸走行軸25(アーム17A)およびロボット13の各アーム17B〜17Gの速度をもとめる。この結果は図7で示すようになる。このとき、a30,a61,a52,a63,a54,a55,a46の値が最大値であったとする(X+1における最大速度)。
続いて、寸法Xの値をさらに変える(X→X+2にする)。このときの、各軸走行軸25(アーム17A)およびロボット13の各アーム17B〜17Gの速度をもとめる。この結果は図7で示すようになる。このとき、a50,a41,a62,a63,a44,a65,a56の値が最大値であったとする(X+2における最大速度)。
同様のことを繰り返して、寸法Xの値を終了値までさらに変える。寸法Xの値が終了値であるときの、走行軸25(アーム17A)およびロボット13の各アーム17B〜17Gの速度をもとめる。この結果は図7で示すようになる。このとき、a60,a31,a42,a63,a54,a85,a26の値が最大値であったとする(終了値Xにおける最大速度)。
初期値Xにおける最大速度の平均値は、「初期値Xにおける最大速度の平均値=(a30+a71+a52+a83+a65+a45+a56)/7」でもとめられる。
X+1における最大速度の平均値は、「X+1における最大速度の平均値=(a30+a61+a52+a63+a54+a55+a46)/7」でもとめられる。
X+2における最大速度の平均値は、「X+2における最大速度の平均値=(a50+a41+a62+a63+a44+a65+a56)/7」でもとめられる。
終了値Xにおける最大速度の平均値は、「終了値Xにおける最大速度の平均値=(a60+a31+a42+a63+a54+a85+a26)/7」でもとめられる。
上記もとめた各平均値のうちで値が最も小さい条件が選択される。
なお、ロボット13の各アーム17B〜17Gの長さの違いや回転しない軸の存在等、平等に評価できない軸が存在するので、上述した単純平均ではなく、重み付けをした平均値を採用してもよい。
たとえば、初期値Xにおける最大速度の平均値等をもとめる場合において、「初期値Xにおける最大速度の平均値=(a30×w0+a71×w1+a52×w2+a83×w3+a65×w4+a45×w5+a56×w6)/7」としてもよい。w0〜w6は、重み付けの係数であり、その値は、0以上1以下である。
第3の選択基準(評価関数f3)は、走行軸25(アーム17A)およびロボット13の各アーム17B〜17Gの最大速度の標準偏差が最も小さい挙動パターンを選択する選択基準である。
第4の選択基準(評価関数f4)は、走行軸25(アーム17A)およびロボット13の各アーム17B〜17Gの移動距離が最も少ない挙動パターンを選択する選択基準である。
第5の選択基準(評価関数f5)は、走行軸25(アーム17A)およびロボット13の各アーム17B〜17Gの移動方向の反転回数が最も少ない挙動パターンを選択する選択基準である。
次に、ロボット13の動作(挙動パターンの算出を含む)について説明する。
ロボット制御装置19の制御部27が、X軸方向で保持位置に対するロボット13のベースアーム17Aの位置を変えて(変える毎に)、上記追従をするときにおけるロボット13の挙動パターン(X軸方向での移動速度の変化のパターンと各関節における回動速度の変化パターン)を予め計算することで複数もとめる(挙動パターン算出段階;図6のステップS5〜ステップS17)。これらのもとめた各挙動パターンをメモリ29に記憶する。
続いて、挙動パターン算出段階でもとめた各挙動パターンの中から評価関数を用いて挙動パターンを選択する(挙動パターン選択段階;図6のステップS19、S21)。
続いて、挙動パターン選択段階で選択した挙動パターンを用いてロボット13を駆動する制御をする。このときにワークWの曲げ加工がなされる。
ここで、ロボット13の動作(挙動パターンの算出を含む)について、図6等を参照しつつさらに詳しく説明する。
まず、保持部21が追従をするときのアプローチ姿勢−速度Vの結果を近似しておき、計算に必要なロボット13の機械情報の構成を決定する(S1)。
続いて、金型(ダイD)上面の高さ(図1のZ寸法)を定める(S3)。これらの決定された情報は、ロボット制御装置19に入力される。
続いて、X(Gx)の値(Qxの値でもよい)、および、Yの値を変えつつ、ロボット13の挙動パターンを算出する(S5〜S17)。
ステップS9では、アプローチ姿勢(図3、図4に参照符号W0で示すワークWを保持している保持部21の位置と姿勢)における保持部21の位置ベクトルQを、X(Gx)、Y、Zの機械情報から算出する。
保持部21の位置ベクトルQは、保持部21のX軸方向での位置、保持部21のY軸方向での位置、保持部21のZ軸方向での位置、保持部21の姿勢(保持部21のピッチ角度、保持部21のロール角度、保持部21のヨー角度)によって定まるのであるが、位置ベクトルQにおける寸法X(Gx)、ロボット13の各関節15A〜15Fの回動角度θ1〜θ6は、逆運動関数によってもとめられる。
続いて、保持部21が追従をするときの速度指令ベクトルVを決定し(S11)、各軸の速度V等を算出する(S13)。この場合、図3、図4で示すように、プレスブレーキ1の設置されたパンチPの速度等によって、パンチPがワークWを押している箇所(P0〜P3)がZ軸方向で変化し、ワークWはW0〜W3のような挙動をとるので、ロボット制御装置19は、プレスブレーキ1の制御装置から送られてきた、パンチPがワークWを押している箇所の位置情報および速度に基づいて、各軸の速度V等を算出する。
図7は、ステップS11、S13でもとめた各軸の速度、位置の例を示している。図7では0.1秒毎の追従を示している。X´は、ベース体23に対するベースアーム17Aの移動速度であり、θ1´〜θ6´は、各アーム17B〜17Gの回動速度(角速度)である。Xは、ベース体23に対するベースアーム17Aの位置であり、θ1〜θ6は、各アーム17B〜17Gの回動角度である。a10〜a106は、1rad/sec等の速度(角速度)を示しており、b10〜b106は、1rad等の位置(角度)を示している。
続いて、評価関数によって、評価値を定める(S19)。
ここで、評価関数f1によって、評価値を定める場合を例に掲げて説明する。
ロボット13の走行軸25の定格速度X´は100mm/secであり、各関節15A〜15Fの定格角速度は、1rad/secであるものとする。図7におけるa30の値が、X´の最大値であり130mm/secであるものとする。a51の値がθ1´の最大値であり1.1rad/secであるものとする。a22の値がθ2´の最大値であり1.2rad/secであるものとする。a63の値がθ3´の最大値であり0.8rad/secであるものとする。a84の値がθ4´の最大値であり0.7rad/secであるものとする。a75の値がθ5´の最大値であり1.0rad/secであるものとする。また、a96の値がθ6´の最大値であり0.9rad/secであるものとする。
これらを無次元化すると、X´の最大値は1.3になり、θ1´の最大値は1.1になり、θ2´の最大値は1.2になり、θ3´の最大値は0.8になり、θ4´の最大値は0.7になり、θ5´の最大値は1.0になり、θ6´の最大値は0.9になる。この場合のおけるロボット13の最大速度は、1.3ということになる。
図7は、図2に示すX(Qx)および図1に示すYの値がある1つの一定の値をとったときにおける1つの状態を示している。したがって、Xの値が200通りに変化し、Yの値が100通りに変化すれば、図7は2000通り存在することになる。
評価関数f1を用いて評価するときには、たとえば、Yの値を一定にしておいて、200通りの中から、X´、θ1´〜θ6´の最大速度(無次元化された最大速度)が最も小さいものを選択する。
なお、ロボット13の6軸と走行軸25の1軸とで、すでに理解されるように、7軸の冗長ロボットが生成されている。したがって、保持部21(第6アーム17G)が、曲げ加工されるワークWを保持し続ける場合、ワークWに対する保持部21の位置や姿勢が一定であっても(保持部21のX軸方向の位置、Y軸方向の位置、Z軸方向の位置、X軸に平行な軸回りの回動角度(姿勢)、Y軸に平行な軸回りの回動角度(姿勢)、Z軸に平行な軸回りの回動角度(姿勢)がワークの曲げに応じて一義的に変化しても)、走行軸25とロボット13の各アーム17A〜17の位置や速度(挙動パターン)は、一義的には決まらない。
そこで、制御部27は、擬似逆行列を用いた逆運動関数でロボット13の挙動パターンをもとめている。
続いて、X(図2の示すQx)寸法に対する図1の示すY寸法の評価値を近似式にしてメモリ29に記憶しておく(S21;図9の線図G1参照)。
そして、ロボット13が追従動作をするときには(プレスブレーキ1を用いてワークWに曲げ加工するときに変位するワークWの所定の部位を保持部21で保持し続けるときには)、図9の線図G1を用いて、Y寸法に対するX(Qx)寸法の値を定め、この定めたX寸法の値のところで、保持部21によりワークWを保持する。
ロボット制御装置19によれば、保持位置に対するロボット13のベースアーム17Aの位置を変える毎に、追従をするときにおけるロボット13の挙動パターンを予め計算することで複数もとめ、これらのもとめた各挙動パターンの中から評価関数を用いて挙動パターンを選択し、この選択した挙動パターンを用いてロボット13を駆動する制御をするように構成されているので、ロボット13の駆動を最適化することができ、ロボット13を無駄なく効率良く動作させることができ、ワークWの曲げ加工を効率良く行うことができる。
また、ロボット制御装置19によれば、選択基準として複数のものから選択することができるので、ワークWの曲げ加工の様々な態様に最も適するようにして、ロボット13の駆動を最適化することができる。たとえば、選択基準として走行軸25およびロボット13の各アーム17A〜17Gの移動方向の反転回数が最も少ない挙動パターンを選択すれば、走行軸25やロボット13の関節部分にバックラッシュが存在していても、このバックラッシュよるロボット13の保持部21の位置精度のばらつきを最小にすることができる。
1 折り曲げ加工機(プレスブレーキ)
13 ロボット
15A〜15F 関節
17A〜17G アーム
19 ロボット制御装置
21 保持部
25 走行軸
f1〜fn 評価関数
W 板材(ワーク)

Claims (4)

  1. 折り曲げ加工機を用いて曲げ加工するときに変位する板材を、全体が走行軸に沿って移動するロボットの保持部で保持し、前記ロボットの各アームを各関節のところで駆動するとともに前記ロボットを前記走行軸に沿って移動することで、前記ロボットの保持部を前記板材の変位に追従させて動作させるロボット制御装置において、
    前記保持位置に対する前記ロボットのベースアームの位置を変えて、前記追従をするときにおける前記ロボットの挙動パターンを複数もとめ、これらのもとめた各挙動パターンの中から評価関数を用いて挙動パターンを選択し、この選択した挙動パターンを用いて前記ロボットを駆動する制御をするように構成されていることを特徴とするロボット制御装置。
  2. 請求項1に記載のロボット制御装置において、
    前記各挙動パターンは、前記板材の曲げ線に対する前記保持部の保持位置を変えることによってももとめられるものであることを特徴とするロボット制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のロボット制御装置において、
    前記評価関数を用いて挙動パターンを選択する選択基準として、前記走行軸および前記ロボットの各アームの最大速度が最も小さい挙動パターンを選択する選択基準、前記走行軸および前記ロボットの各アームの最大速度の平均値が最も小さい挙動パターンを選択する選択基準、前記走行軸および前記ロボットの各アームの最大速度の標準偏差が最も小さい挙動パターンを選択する選択基準、前記走行軸および前記ロボットの各アームの移動距離が最も少ない挙動パターンを選択する選択基準、前記走行軸および前記ロボットの各アームの移動方向の反転回数が最も少ない挙動パターンを選択する選択基準、のうちの少なくともいずれかの選択基準が用いられるように構成されていることを特徴とするロボット制御装置。
  4. 折り曲げ加工機を用いて曲げ加工するときに変位する板材を、全体が走行軸に沿って移動するロボットの保持部で保持し、前記ロボットの各アームを各関節のところで駆動するとともに前記ロボットを前記走行軸に沿って移動することで、前記ロボットの保持部を前記板材の変位に追従させて動作させるロボット制御方法において、
    前記保持位置に対する前記ロボットのベースアームの位置を変えて、前記追従をするときにおける前記ロボットの挙動パターンを複数もとめる挙動パターン算出段階と、
    前記挙動パターン算出段階でもとめた各挙動パターンの中から評価関数を用いて挙動パターンを選択する挙動パターン選択段階と、
    前記挙動パターン選択段階で選択した挙動パターンを用いて前記ロボットを駆動する制御をするロボット制御段階と、
    を有することを特徴とするロボット制御方法。
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