JP2000254729A - 曲げ加工方法及び曲げ加工システム - Google Patents

曲げ加工方法及び曲げ加工システム

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JP2000254729A
JP2000254729A JP5938699A JP5938699A JP2000254729A JP 2000254729 A JP2000254729 A JP 2000254729A JP 5938699 A JP5938699 A JP 5938699A JP 5938699 A JP5938699 A JP 5938699A JP 2000254729 A JP2000254729 A JP 2000254729A
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work
bending
angle
robot
die
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JP5938699A
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English (en)
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Kazunari Imai
一成 今井
Teruyuki Kubota
輝幸 久保田
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Original Assignee
Amada Co Ltd
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  • Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲げ工程中におけるワークの軌跡にロボット
のクランプ位置を追従せしめる。 【解決手段】 曲げ加工機に対しワークWを位置決め自
在とするロボット35において、制御装置23に入力し
た金型条件、ワーク条件、製品条件等のパラメータと、
スプリングバック量により算出されたラムストローク完
了後のパンチ・ダイに挟まれたスプリングバック前の状
態の挟み込み角度φ3と、パンチ先端部にワークWが巻
き付いている領域を表すワーク巻き付き角度φ3とによ
りワークとダイ肩部水平部との接触位置でのダイ接触位
置(X1,Y1)を算出する。パンチ先端R値、パンチ角
度、ダイ角度、板厚tとワーク巻き付き角度φ1により
ワークの曲げ変形領域長さS1を算出する。上記の(X
1,Y1)とS1とワークの幅とからロボット35のワー
ク把持位置(X2,Y2)を算出する。この(X2,Y2
の演算値に位置するようロボット35のグリッパ37を
追従せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワークを位置決め
するロボットを備えたプレスブレーキ等の曲げ加工機に
おける曲げ加工方法及び曲げ加工システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ロボットを用いてワークを曲げ加
工機としての例えばプレスブレーキへ供給し、所定の位
置に位置決め自在とする曲げ加工システムが存在してい
る。
【0003】ワークはロボットによりクランプされてダ
イ上の所定の曲げ加工位置に位置決めされる。パンチが
下降してワークに接触した後に、ワークがロボットから
アンクランプされ、ロボットはそのまま曲げ加工時のワ
ークの跳ね上がりに追従していた。
【0004】その理由としては、曲げ加工中におけるワ
ークのクランプ部(ロボットによりクランプされるワー
クの一端部)の移動軌跡を正確に求めることができなか
ったためである。この場合は、曲げ加工終了後にワーク
がロボットにより再度クランプされる必要があり、タク
トタイムが遅くなるという問題点が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、曲げ
終了後、ワークがロボットにより再度クランプされる場
合、ロボットが曲げ加工時に予めワークの移動軌跡に追
従すべく移動しているとはいえ、計算上のワーク移動軌
跡と実際の移動軌跡とは異なるためにワークのクランプ
位置に"ずれ"が生じるので、次の曲げ工程におけるワー
ク位置決め工程時にて位置決め精度に影響を与えるとい
う問題点が生じていた。
【0006】特に両側にフランジが立っているような箱
曲げ時の場合、両フランジの間にパンチが適切に入り込
める位置となるようにワークが位置決めされる必要があ
るが、ワークが再びクランプされる時に“ずれ"が生じ
ると、ワークの位置決めに誤差が発生し、曲げ加工時に
両フランジが潰されてしまう場合があった。
【0007】一方、ワークの一端部がロボットによりク
ランプされた状態にてロボットがワークの跳ね上がりに
追従動作していく場合は、ワークを一本の直線とみなし
て単に幾何学的にワークの移動軌跡が算出されていた
が、実際のワーク移動軌跡は幾何学的な移動と異なるた
めに、ロボットが追従する時にワークに対してワーク腰
折れ等の変形を与えてしまうという問題が生じていた。
【0008】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたもので、その目的は、曲げ工程中におけるワークの
挙動、特にワークとダイ肩部との接触位置の挙動に注目
し、該接触位置の軌跡を算出することにより、曲げ工程
中におけるロボットのクランプ位置に該当するワークの
一端部の移動軌跡を求めることにより、正確なワーク軌
跡を求め得る曲げ加工方法及び曲げ加工システムを提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1によるこの発明の曲げ加工方法は、曲げ加工
機に対しワークを供給及び位置決め自在とするロボット
を有する曲げ加工システムに用いられる以下の工程から
なることを特徴とする曲げ加工方法、制御装置に金型条
件、ワーク条件、製品条件を入力するデータ入力工程
と、データ入力工程にて入力されたパラメータと、ワー
クのスプリングバック量により算出されたラムストロー
ク完了後のパンチ・ダイに挟まれたスプリングバック前
の状態の挟み込み角度に基づいてワークとダイ肩部水平
部との接触位置におけるワーク中立線上の座標位置であ
るワークダイ接触位置を算出する工程と、パンチ先端R
値、パンチ角度、ダイ角度、板厚と上記ワーク巻き付き
角度によりワークの曲げ変形領域長さを算出する工程
と、前記ワークダイ接触位置検出値と前記ワーク曲げ変
形領域長さとワーク幅とよりロボットによるワーク把持
位置を算出する工程。
【0010】したがって、曲げ加工前のワークの水平状
態から最終的な曲げ角度までのワークの移動軌跡が、曲
げ加工途中の任意の角度におけるワーククランプ位置の
座標として算出されるので、このワーククランプ位置の
座標の演算値に位置するようロボットのグリッパの位置
を移動すべく制御装置により制御される。したがって、
ロボットのグリッパがワーク跳ね上がりに対して適切に
追従動作が行われるので、従来のようにワークに変形を
与えることなくクランプ“ずれ”も生じない。
【0011】請求項2によるこの発明の曲げ加工方法
は、請求項1記載の曲げ加工方法において、前記スプリ
ングバック量が前記加工条件パラメータにより算出され
た計算値あるいは事前に同一材質の加工により検出され
た実際値であることを特徴とするものである。
【0012】したがって、スプリングバック量が前記加
工条件パラメータにより算出された計算値である場合に
は制御装置内の演算装置で自動的に算出されるので、ワ
ーク跳ね上がりに対するロボットのグリッパの追従動作
が効率よく行われる。一方、事前に同一材質の加工によ
り検出された実際値の場合にはより一層正確なスプリン
グバック量に基づいているので、ワーク跳ね上がりに対
するロボットのグリッパの追従動作がより一層適切に行
われる。
【0013】請求項3によるこの発明の曲げ加工システ
ムは、曲げ加工機に対しワークを供給及び位置決め自在
とするロボットを有する曲げ加工システムにおいて、金
型条件、ワーク条件、製品条件を入力する入力手段と、
この入力手段により入力された加工条件パラメータ、お
よびワークのスプリングバック量により算出されたラム
ストローク完了後のパンチ・ダイに挟まれたスプリング
バック前の状態の挟み込み角度に基づいてワークとダイ
肩部水平部との接触位置におけるワークの中立線上の座
標位置を算出するワークダイ接触位置算出手段と、パン
チ先端R値、パンチ角度、ダイ角度、板厚とワーク巻き
付き角度によりワークの曲げ変形領域長さを算出するワ
ーク曲げ変形算出手段と、前記ワークダイ接触検出手段
からの算出値とワーク幅と前記ワーク曲げ変形長さ算出
手段からの算出値とによりロボットによるワーク把持位
置を算出するワーク把持位置算出手段と、を備えたロボ
ットを有してなることを特徴とするものである。
【0014】したがって、請求項1記載の作用と同様で
あり、曲げ加工前のワークの水平状態から最終的な曲げ
角度までのワークの移動軌跡が、曲げ加工途中の任意の
角度におけるワーククランプ位置の座標として算出され
るので、このワーククランプ位置の座標の演算値に位置
するようロボットのグリッパの位置を移動すべく制御装
置により制御される。したがって、ロボットのグリッパ
がワーク跳ね上がりに対して適切に追従動作が行われる
ので、従来のようにワークに変形を与えることなくクラ
ンプ“ずれ”も生じない。
【0015】請求項4によるこの発明の曲げ加工システ
ムは、請求項3記載の曲げ加工システムにおいて、ワー
クダイ接触位置算出手段で用いられる前記スプリングバ
ック量が前記加工条件パラメータにより算出された計算
値あるいは事前に同一材質の加工により検出された実際
値でなることを特徴とするものである。
【0016】したがって、請求項2記載の作用と同様で
あり、スプリングバック量が前記加工条件パラメータに
より算出された計算値である場合には制御装置内の演算
装置で自動的に算出されるので、ワーク跳ね上がりに対
するロボットのグリッパの追従動作が効率よく行われ
る。一方、事前に同一材質の加工により検出された実際
値の場合にはより一層正確なスプリングバック量に基づ
いているので、ワーク跳ね上がりに対するロボットのグ
リッパの追従動作がより一層適切に行われる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の曲げ加工方法及び
曲げ加工システムの実施の形態について、曲げ加工機と
しての例えばプレスブレーキを例にとって図面を参照し
て説明する。
【0018】図4及び図5を参照するに、本実施の形態
に係わるプレスブレーキ1は、立設されたC形フレーム
3L,3Rを備えており、このC形フレーム3L,3R
の上部前面には上下動可能な上部テーブル5が設けられ
ており、この上部テーブル5の下部にはパンチPが着脱
可能に装着されている。一方、C形フレーム3L,3R
の下部前面には下部テーブル7が固定して設けられてい
る。この下部テーブル7上にはダイDが着脱可能に装着
されている。
【0019】前記C形フレーム3L,3Rの上部にはメ
インシリンダ9L,9Rが設けられており、このメイン
シリンダ9L,9Rに装着されたピストンロッドの先端
(下端)が上下動自在なラム11に取り付けられてお
り、このラム11の下端に前記上部テーブル5が設けら
れている。
【0020】メインシリンダ9L,9Rには曲げ荷重検
出手段としての例えば圧力センサ13L,13Rが接続
されている。また、前記下部テーブル7の両側面には位
置目盛り15L,15Rが設けられていると共に、下部
テーブル7の両側面にはブラケット17L,17Rを介
して相対位置検出手段としての例えば位置センサ19
L,19Rが設けられている。
【0021】さらに、下部テーブル7の上部前面にはガ
イドレール(図示省略)が敷設されていると共に、この
ガイドレールにはワークWに折曲げ加工を行ったときの
曲げ角度を検出する折曲げ角度検出装置21が左右方向
へ移動可能に設けられている。この折曲げ角度検出装置
21、圧力センサ13L,13R、位置センサ19L,
19Rはそれぞれ制御装置23に接続されている。ま
た、折曲げられた後のワークWの仕上がり曲げ角度を測
定する曲げ角度測定装置25が設けられている。
【0022】なお、パンチPとダイDからなる金型を装
着する上部、下部テーブル5,7の各金型装着部27,
29には図4に示されているようにワークWの折曲げ長
さに応じて複数の金型が組み合わされて複数のステーシ
ョンを形成できるよう構成されている。
【0023】上記のプレスブレーキ1の上部、下部テー
ブル5,7の長手方向のほぼ中央には複数の金型を保
管、収納する金型格納部31が上下動自在に設けられて
おり、例えば、上部テーブル5の裏側には複数のパンチ
Pのパンチ格納部(図示省略)、下部テーブル7の裏側
には複数のダイDのダイ格納部(図示省略)が設けられ
ている。
【0024】また、プレスブレーキ1には上部、下部テ
ーブル5,7の各金型装着部27,29の金型を着脱し
て上記の金型格納部31の金型と交換するための金型交
換装置33が上部、下部テーブル5,7の裏側を図4及
び図5において左右方向に移動自在に設けられている。
【0025】また、プレスブレーキ1にはワークWを把
持して所望のステーションへ移動するためのワーク移動
装置としての例えばロボット35が下部テーブル7の表
側を図4及び図5において左右方向(X方向)に移動自
在に設けられている。なお、上記のワーク移動装置のワ
ーク把持部としての例えばロボット35の先端のグリッ
パ37はプレスブレーキ1に対して前後方向(図5にお
いて上下方向で、Y方向)及び上下方向(図4において
上下方向で、Z方向)に移動自在である。
【0026】また、プレスブレーキ1には図5に示され
ているようにロボット35に把持されて移動されるワー
クWの位置決めをするためのワーク位置決め装置として
の例えばバックゲージ装置39が下部テーブル7の裏側
を図5において左右方向(X方向)及び前後方向(Y方
向)に移動位置決め自在に設けられている。
【0027】したがって、プレスブレーキ1は、折曲げ
加工すべきワークWがロボット35によりバックゲージ
装置39へ突き当てられるように移動されて、ステーシ
ョンのパンチPとダイDとの間に位置決めされ、本実施
の形態では上部テーブル5がメインシリンダ9L,9R
により昇降して前記パンチPとダイDの協働でワークW
が折曲げ加工されるよう構成されている。
【0028】なお、上記の金型交換装置33、ロボット
35及びグリッパ37、バックゲージ装置39、メイン
シリンダ9L,9Rは制御装置23に電気的に接続され
ている。
【0029】次に、本実施の形態の主要部をなす曲げ加
工方法および曲げ加工システムについて図面を参照して
説明する。
【0030】図6を参照するに、制御装置23では、中
央処理装置としてのCPU41に種々のデータを入力す
るための入力手段としての例えばキーボードのごとき入
力装置43と、種々のデータを表示せしめるCRTごと
き表示装置45が接続されている。
【0031】また、CPU41には図1に示されている
ように、入力装置43から金型条件としてダイV幅V、
ダイ肩アールDR、ダイ溝角度DA、パンチ先端角度P
A、パンチ先端アールPR、パンチ先端斜面長さPL、
さらに材料条件として材質、板厚t、F値、n値、ヤン
グ率E、さらに曲げ条件として仕上がり角度、曲げ長さ
b、その他の条件として摩擦係数μ、曲げ前の曲げ線か
らT.C.P.(ロボット35座標基準点)までの距離Sなど
のデータが入力されて記憶されるメモリ47が接続され
ている。なお、テーパ送りの場合には、仕上がり角度は
入力されず、金型ストローク量stが上記の入力装置4
3からメモリ47へ入力される。
【0032】また、CPU41にはワークWとダイ肩部
水平部との接触位置におけるワークWの中立線上の座標
(X1,Y1)を算出するワークダイ接触位置算出手段と
しての例えば第1演算手段49と、ワークWの曲げ変形
領域長さ(S1)を算出するワーク曲げ変形算出手段と
しての例えば第2演算手段51と、ロボット35による
ワーク把持位置T.C.P.の座標(X2,Y2)を算出するワ
ーク把持位置算出手段としての例えば第3演算手段53
がそれぞれ接続されている。
【0033】上記構成により、図7及び図8に示されて
いるフローチャートに基づいて、説明する。
【0034】図7において、ステップS1で、ワークW
の曲げ加工を行う際に、入力装置43から金型条件とし
て図1に示されているようにダイV幅V、ダイ肩アール
DR、ダイ溝角度DA、パンチ先端角度PA、パンチ先
端アールPR、パンチ先端斜面長さPLが入力されてメ
モリ47に一旦記憶される。
【0035】また、材料条件としては材質、板厚t、塑
性係数F値、n乗硬化指数n値、ヤング率E、さらに曲
げ条件としては仕上がり角度が本実施の形態としての目
標角度90°、曲げ長さb、その他の条件として摩擦係
数μ(ダイDと金型との関係により異なる)、曲げ前の
曲げ線からT.C.P.までの距離Sなどのデータが入力され
てメモリ47に一旦記憶される。
【0036】なお、上記の材料条件における塑性係数
(F値)、n乗硬化指数(n値)、ヤング率(E)は、実際の
ワークWと同一のテストピースにて曲げ加工を行い、ダ
イ・パンチ間の相対位置検出手段としての位置センサ1
9L,19R、曲げ荷重検出手段としての圧力センサ1
3、折曲げ角度検出装置21及び曲げ角度測定装置25
で検出された各検出値を基に図6に示されている制御装
置23内に備えた材料属性演算手段55で実際に求めた
数値を入力しても構わない。この場合は、より適切なワ
ーク移動軌跡を算出することができる。
【0037】ステップS2で示されている基礎式σ=F
・εnは、予めメモリ47に記憶されている。
【0038】ステップS3では、第1演算手段49にお
いてスプリングバック量Δθが算出される。仕上がり角
度90°から式(1)によりワーク移動軌跡における曲げ
加工途中の任意の角度φ2が求められ、この角度φ2によ
り、ρ,A,I,L,α,λ2に基づき式(2)によりスプ
リングバック量Δθが算出される。
【0039】 ちなみに、φ2=(π−仕上がり角度)/2 …式(1)と
仮定すると、
【数1】 である。
【0040】なお、上記のスプリングバック量Δθは、
ワークWと同じ材質であるテストピースに対し、曲げ加
工を行い、パンチ・ダイ間の相対位置検出手段としての
位置センサ19L,19R及び曲げ荷重検出手段として
の圧力センサ13からの情報を基に図6に示されている
制御装置23内に備えたスプリングバック量演算手段5
7で実際に検出した値としても構わない。
【0041】ステップS4では、このスプリングバック
量Δθを基に式(3)によりφ3が求められる。
【0042】ちなみに、 φ3=(π−仕上がり角度)/2+Δθ/2 …式(3) である。
【0043】このφ3は、仕上がり角度90°から求め
られた(或いは実際に検出された)スプリングバック量
Δθとしての例えば1°を引いたスプリングバック前の
角度89°(つまり、ラムストローク完了後のパンチ・
ダイによる挟み込み状態の角度)におけるワークWとダ
イ肩部水平部とにおける角度を表すものである。
【0044】換言すれば、算出されたスプリングバック
量Δθより、最後の挟み込み角度89°が分かり、この
時のダイ肩部水平部とワークWとのなす角度がφ3とし
て求められる。
【0045】ステップS5では、ダイ肩部水平部とワー
クWとのなす角度(φ3)が任意定数Cにより図3に示
されているように分割角度Δφに微細に分割される。分
割角度ΔφとしてはΔφ=φ3/Cで求められ、任意定
数Cは細かく分割するための任意の定数であり、この任
意定数Cを大きくしてφ3が細かく分割されることによ
り、より正確なワークWの移動軌跡が求められる。
【0046】なお、φ3に換えて、曲げ加工機のストロ
ーク位置stを分割し、Δstを決定しても構わない。
【0047】ステップS6では、ワークWの移動軌跡に
おける曲げ加工途中の任意の角度φ2はφ2=φ2+Δφ
で求められ、この式の右辺の角度φ2の初期値を0と
し、前回得られたφ2に対して分割角度Δφを1つずつ
徐々に増加させてゆき、ステップS6〜ステップS13
が繰り返される。なお、上記の角度φ2は概略的に図3
に示されている。
【0048】図8を参照するに、ステップS7では、第
1演算手段49において巻き付き角度(φ1)が算出さ
れる。パンチPとワークWとの接触状態を微視的に観察
すると、ワークWがパンチ先端R部に巻き付いた状態に
あり、巻き付き角度φ1が式(4)により求められる。この
巻き付き角度φ1は後述するようにワークWの移動軌跡
に影響を与えることとなる。
【0049】ちなみに、
【数2】 であり、上記の式(4)を解いてφ1が求められる。
【0050】ステップS8では、ステップS6及びS7
で求められた変数φ1、φ2により任意の角度φ2におけ
るプレスブレーキ1のラム11のストローク量stが式
(5)より求められる。
【0051】ちなみに、
【数3】 である。
【0052】なお、ストローク量stは(D値−パンチ
/ダイ相対距離)でも構わない。
【0053】ステップS9では、式(6)より図1に示さ
れている任意の角度φ2でのワークWとダイDと肩R部
の接触位置におけるワークWの中立線上の座標(X1
1)が算出される。
【0054】 である。
【0055】なお、上記のワークWとダイDと肩R部の
接触位置におけるワークWの中立線上の座標(X1
1)は、図2に示されているように曲げ工程中にダイ
Dの下方部へ移動する。例えばグリッパ37のワークク
ランプ部の位置座標が(X20,Y20)から(X2i
2i)へ移動するときには上記の座標(X1,Y1)が
(X10,Y10)から(X1i,Y1i)へ移動する。
【0056】したがって、ダイDの内部に位置する領域
のワークWは曲線状態となっており、ワークWの一端部
(ロボット35のグリッパ37のワーククランプ部)の
位置に影響を及ぼすため、従来のようにワークWを一本
の直線とみなしてワークWの移動軌跡を求めるやり方は
適切ではない。
【0057】ステップS10では、第2演算手段51に
おいて式(7)より、ステップS9で式(6)により求めた座
標(X1,Y1)から曲げ変形を受けているワーク領域長
さ(S1)が求められる。ちなみに、
【数4】 である。
【0058】また、ステップS11では、角度A(=φ
2)が求められる。
【0059】ステップS12では、上記のステップS1
0で得た曲げ変形を受けているワーク領域長さ(S1)
により、第3演算手段53において式(8)を介してロボ
ット35によるワーククランプ位置座標(X2,Y2)が
求められる。
【0060】 である。なお、Sは曲げ前の曲げ線からT.C.P.までの距
離(=ワーク幅/2)で、このSは一定としている。
【0061】ステップS13では、角度φ2が最終段階
におけるワーク角度φ3より小さいときはステップ6に
戻り、前回得られたφ2に対して分割角度Δφが1つず
つ徐々に増加されて、ステップS6〜ステップS13が
繰り返されて、図3に示されているように、曲げ加工途
中の任意の各角度φ2におけるワーククランプ位置座標
(X2,Y2)が求められる。
【0062】以上のことから、加工前のワークWの水平
状態から最終的な角度φ3(本実施の形態では89°)
までの正確なワークWの移動軌跡が判明し、任意の角度
φ2におけるワーククランプ位置(X2,Y2)とそれに
対応するプレスブレーキ1のストローク位置(st)との
関係が算出される。一方、ロボット35においてはスト
ローク基準にてストローク量検出手段より逐次ストロー
クを検出できるので、この実際のストローク量に対応す
るロボット35のグリッパ座標が式(8)から求められ
る。
【0063】したがって、制御装置23では、実際のス
トローク量に対応するロボット35のグリッパ座標(X
2,Y2)の演算値に基づいてグリッパ37の位置を前記
グリッパ座標(X2,Y2)の演算値に位置するようロボ
ット35を移動すべく制御することにより、ロボット3
5のグリッパ37がワーク跳ね上がりに対して適切に追
従動作を行うことができる。このロボット35のグリッ
パ37は逐次ワークWの挙動に対応して動作するので、
換言すればグリッパ37が文字通りワークWの動作に追
従していくため、従来のようにワークWに変形を与える
ことなくクランプ“ずれ”も生じない。
【0064】また、曲げ変形を考慮した、より正確なロ
ボット座標を計算できるので、エアーベンドやボトミン
グなどのいろいろな曲げ加工に対応でき、またいろいろ
な材料に対応できる。
【0065】また、ロボット仕様にあったベンダー曲げ
スピードを制御することができ、ロボット仕様限界まで
曲げスピードを上げられるので加工タクトを向上せしめ
ることができ、生産性を向上せしめることができる。
【0066】なお、上記の実施の形態では実際のストロ
ーク量に対応するロボット35のグリッパ座標を演算し
て、この座標に位置すべくロボット35を移動せしめた
のであるが、逆にロボット35基準により実際のロボッ
ト35のグリッパ座標を検出して、この実際のロボット
35のグリッパ座標に対応するストローク位置を式(5)
から演算して、この演算されたストローク位置となるよ
うにプレスブレーキ1の制御装置23を制御することも
可能であり、上記のストローク基準と同様に適切に追従
動作が可能である。
【0067】なお、ロボット35の追従半径の大きいグ
リッパ37を基準にして移動距離(ストローク量)の小
さいプレスブレーキ1のラム11の動作をロボット35
仕様に合わせる方が、最終的に追従速度が速くなり、タ
クトタイムが向上するという点で有利である。
【0068】なお、この発明は前述した実施の形態に限
定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他
の態様で実施し得るものである。
【0069】
【発明の効果】以上のごとき発明の実施の形態の説明か
ら理解されるように、請求項1の発明によれば、曲げ加
工前のワークの水平状態から最終的な曲げ角度までのワ
ークの移動軌跡は、曲げ加工途中の任意の角度における
ワーククランプ位置の座標として算出できるので、この
ワーククランプ位置の座標の演算値に位置するようロボ
ットのグリッパの位置を移動すべく制御装置により制御
できる。したがって、ロボットのグリッパをワーク跳ね
上がりに対して適切に追従できるので、従来のようなロ
ボットがワークに変形を与えることや、ロボットのグリ
ッパのつかみ替えにより生じるクランプ“ずれ”を防止
することができる。
【0070】また、ロボット仕様にあったベンダー曲げ
スピードを制御することができ、ロボット仕様限界まで
曲げスピードを上げられるので加工タクトを向上でき、
生産性を向上できる。
【0071】請求項2の発明によれば、スプリングバッ
ク量が加工条件パラメータにより算出された計算値であ
る場合には制御装置内の演算装置で自動的に算出できる
ので、ワーク跳ね上がりに対するロボットのグリッパの
追従動作を効率よく行うことができる。一方、事前に同
一材質の加工により検出された実際値の場合にはより一
層正確なスプリングバック量に基づいているので、ワー
ク跳ね上がりに対するロボットのグリッパの追従動作を
より一層適切に行うことができる。
【0072】請求項3の発明によれば、請求項1記載の
効果と同様であり、曲げ加工前のワークの水平状態から
最終的な曲げ角度までのワークの移動軌跡は、曲げ加工
途中の任意の角度におけるワーククランプ位置の座標と
して算出できるので、このワーククランプ位置の座標の
演算値に位置するようロボットのグリッパの位置を移動
すべく制御装置により制御できる。したがって、ロボッ
トのグリッパをワーク跳ね上がりに対して適切に追従で
きるので、従来のようなロボットがワークに変形を与え
ることや、ロボットのグリッパのつかみ替えにより生じ
るクランプ“ずれ”を防止することができる。
【0073】また、ロボット仕様にあったベンダー曲げ
スピードを制御することができ、ロボット仕様限界まで
曲げスピードを上げられるので加工タクトを向上でき、
生産性を向上できる。
【0074】請求項4の発明によれば、請求項2記載の
効果と同様であり、スプリングバック量が加工条件パラ
メータにより算出された計算値である場合には制御装置
内の演算装置で自動的に算出できるので、ワーク跳ね上
がりに対するロボットのグリッパの追従動作を効率よく
行うことができる。一方、事前に同一材質の加工により
検出された実際値の場合にはより一層正確なスプリング
バック量に基づいているので、ワーク跳ね上がりに対す
るロボットのグリッパの追従動作をより一層適切に行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すもので、ワークをプ
レスブレーキにより曲げ加工途中のロボットのグリップ
の動作を示す状態説明図である。
【図2】本発明の実施の形態を示すもので、ワークをプ
レスブレーキにより曲げ加工前のロボットのグリップの
動作を示す状態説明図である。
【図3】本発明の実施の形態を示すもので、ワークをプ
レスブレーキにより曲げ加工終了時のロボットのグリッ
プの動作を示す状態説明図である。
【図4】本発明の実施の形態で用いられるプレスブレー
キの正面概略図である。
【図5】図5の平面概略図である。
【図6】制御装置の構成ブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態の動作を説明するフローチ
ャートである。
【図8】本発明の実施の形態の動作を説明するフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1 プレスブレーキ(曲げ加工機) 5 上部テーブル 7 下部テーブル 11 ラム 13L,13R 圧力センサ(曲げ荷重検出手段) 15L,15R 位置目盛り 19L,19R 位置センサ(相対位置検出手段) 21 折曲げ角度検出装置 23 制御装置 25 曲げ角度測定装置 35 ロボット 37 グリッパ 41 CPU 43 入力装置(入力手段) 45 表示装置 47 メモリ 49 第1演算手段(ワークダイ接触位置算出手段) 51 第2演算手段(ワーク曲げ変形算出手段) 53 第3演算手段(ワーク把持位置算出手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曲げ加工機に対しワークを供給及び位置
    決め自在とするロボットを有する曲げ加工システムに用
    いられる以下の工程からなることを特徴とする曲げ加工
    方法。制御装置に金型条件、ワーク条件、製品条件を入
    力するデータ入力工程と、データ入力工程にて入力され
    たパラメータと、ワークのスプリングバック量により算
    出されたラムストローク完了後のパンチ・ダイに挟まれ
    たスプリングバック前の状態の挟み込み角度に基づいて
    ワークとダイ肩部水平部との接触位置におけるワーク中
    立線上の座標位置であるワークダイ接触位置を算出する
    工程と、 パンチ先端R値、パンチ角度、ダイ角度、板厚と上記ワ
    ーク巻き付き角度によりワークの曲げ変形領域長さを算
    出する工程と、 前記ワークダイ接触位置検出値と前記ワーク曲げ変形領
    域長さとワーク幅とよりロボットによるワーク把持位置
    を算出する工程。
  2. 【請求項2】 前記スプリングバック量が前記加工条件
    パラメータにより算出された計算値あるいは事前に同一
    材質の加工により検出された実際値であることを特徴と
    する請求項1記載の曲げ加工方法。
  3. 【請求項3】 曲げ加工機に対しワークを供給及び位置
    決め自在とするロボットを有する曲げ加工システムにお
    いて、 金型条件、ワーク条件、製品条件を入力する入力手段
    と、 この入力手段により入力された加工条件パラメータ、お
    よびワークのスプリングバック量により算出されたラム
    ストローク完了後のパンチ・ダイに挟まれたスプリング
    バック前の状態の挟み込み角度に基づいてワークとダイ
    肩部水平部との接触位置におけるワークの中立線上の座
    標位置を算出するワークダイ接触位置算出手段と、 パンチ先端R値、パンチ角度、ダイ角度、板厚とワーク
    巻き付き角度によりワークの曲げ変形領域長さを算出す
    るワーク曲げ変形算出手段と、 前記ワークダイ接触検出手段からの算出値とワーク幅と
    前記ワーク曲げ変形長さ算出手段からの算出値とにより
    ロボットによるワーク把持位置を算出するワーク把持位
    置算出手段と、を備えたロボットを有してなることを特
    徴とする曲げ加工システム。
  4. 【請求項4】 ワークダイ接触位置算出手段で用いられ
    る前記スプリングバック量が前記加工条件パラメータに
    より算出された計算値あるいは事前に同一材質の加工に
    より検出された実際値でなることを特徴とする請求項3
    記載の曲げ加工システム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009072661A1 (ja) * 2007-12-05 2009-06-11 Amada Co., Ltd. ロボットによる曲げ加エ方法及びその装置
JP2009154208A (ja) * 2007-12-05 2009-07-16 Amada Co Ltd ロボットによる曲げ加工方法及びその装置
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JP2014042953A (ja) * 2012-08-27 2014-03-13 Amada Co Ltd ロボット制御装置およびロボット制御方法
CN105234213A (zh) * 2015-11-25 2016-01-13 福建骏鹏通信科技有限公司 一种机器人折弯自由插补方法

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