JP5779827B1 - ロール曲げ加工方法及び加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工機の状態や被加工材の曲げ特性の変化により実際の加工形状が理論解(数値解析解)と差が生じる場合においても対応可能な、押込みロール位置の導出方法を提供する。【解決手段】 ロールをピラミッド形に構成して、被加工材を連続的に送り出しながら押込みロールの操作量を変えることで、被加工材を曲げるロール曲げ方法において、固定した押込みロールの位置毎に、被加工材の曲率半径を計測して事前に曲げ特性を把握し、設計形状から、押込みロールを接触させるための操作量と曲率半径を求め、被加工材を曲率半径に曲げるために必要な接触状態からの追加の操作量を、事前に把握した曲げ特性から求め、接触させるための操作量と曲げるための操作量を合算することで、押込みロールの操作量を決定する。構成される。【選択図】図5

Description

本発明は、ロールをピラミッド形に構成して、金属製の被加工材を連続搬送しながら曲げ加工を行う曲げ加工方法及び加工装置に関するものである。
薄板や線材を曲げ加工する方法として、ロール曲げ加工がある。これは、被加工材を、3個以上のロールにより構成される加工部に送り出す送り量と、加工部の少なくとも1つ以上のロール位置を制御することで、被加工材に曲げ応力を作用させて曲げる加工である。この加工方法は金型を使うことなく被加工材に任意の曲率を付与することができるため、プレスによる曲げと比較して低コストというメリットがある。
しかし、被加工材が金属の場合、曲げ応力が除去されるとスプリングバックが発生し、曲率半径が変化する。設計形状の曲率半径が一定の場合は、押込みロール位置を適宜調整することで比較的容易に加工することができる。しかし、曲率半径が変化する設計形状の場合は、押込みロール位置の設定が非常に困難となる。
ロールを用いた曲げの従来技術として、特許文献1から特許文献3がある。
特許文献1には、鋼板などの曲げ加工法についての技術が開示されている。
具体的には、設計形状と相似形のカムを、送り出しロールの回転に同期して回転させるとともに、当該カムに対偶する従動子の変位量を、電気的量に変換し、油圧サーボ等を介して押込みロールの昇降量を制御することで、湾曲板、管、筒体を自動的に成形するものである。
特許文献2には、ベンディングロールによる金属材料の曲げ加工方法とその装置についての技術が開示されている。
具体的には、予め実験的に曲げ加工を行いスプリングバック率の平均値データを収集しメモリーに記憶しておいてそのデータを用いて目的とする加工半径でのスプリングバック率を求め、このスプリングバック率からスプリングバックを考慮した加工条件を見出す方法が開示されている。
特許文献3には、ロール曲げ方法および装置についての技術が開示されている。
具体的には、ピンチ形ロール曲げにおいて、ロール配置と加工形状の幾何学的関係から押込みロールが被加工物に接触する押込みロール位置を算出し、許容範囲の偏差に収まるまで有限要素法等による弾塑性シミュレーションから曲率付与するための押込み量を導出する加工方法が開示されている。
非特許文献1には、非特許文献2に基づいたピラミッド型3本ロールによる異形形状の曲げ加工についての技術が開示されている。
具体的には、ピラミッド型3本ロールにおいて、被加工材の送り量と真ん中のロール位置を数値制御することで、いろいろと異なる曲げ形状を自動加工するものである。ロール位置の導出にあたっては、ロールプレス曲げにより加工を開始することで、その後のロール間の線材形状を、押込み量とモーメントの関係から逐次計算することで求め、所要形状に加工するためのロール位置を決定している。
昭45−25171号公告 特開平6−190453号公報 特開2011−62738号公報
山川俊夫ほか3名著 「ピラミッド型3本ロールによる異形形状曲げ加工」 日本塑性加工学会 塑性と加工 vol.18 no.193 1977年 曽田長一郎、小西せつ子著「3本ロール曲げにより板の変形」 日本塑性加工学会 塑性と加工 vol.3 no.18 1962年
しかし、特許文献1ないし特許文献3および非特許文献1には以下に説明する課題がある。
特許文献1の加工は、設計形状と相似なカムに従動子を習わせ、その変位量を電気的量に変換し得た制御電圧により、押込みロールの昇降量を制御している。しかし、金属材料を曲げ加工を行う場合、スプリングバックが発生し、その量は加工曲率によって変化する。これに関する対処法は開示されていない。
特許文献2の方法は、曲率一定の加工物を得るための方法が説明されている。曲率が連続的に変化する設計形状を得るための方法は示されていない。
非特許文献1の加工は、ピラミッド型3本ロール曲げのロール位置と被加工物の送り量を制御することで任意の形状を加工することを可能としている。しかし、押込み量とモーメントの関係からロール間線材の形状を逐次導出するため、初期の曲げ加工をロール押込み曲げにする必要がある。また、計算が非常に複雑なうえ、非特許文献2に基づいているため、加工可能な曲率範囲は20m-1(曲率半径50mm以上)以下に限定される。
特許文献3の方法は、ロール配置と加工形状の幾何学的関係から押込みロールが被加工物に接触する押込みロール位置の算出方法を明らかにしている。被加工物に曲率を付与するための押込みロール位置の導出については、被加工物と押込みロールが接触した状態を初期状態として、有限要素法により加工曲率が許容偏差に収束するまで反復計算を行う方法である。この方法は、非特許文献1を加工方法についてはピラミッド型をピンチ型に、計算方法を逐次計算から有限要素法に置き換えたものに相当する。
そのため、非特許文献1および特許文献3には微小な加工条件の変化に対応できないという共通の問題がある。
一つ目の微小な加工条件の差として、加工機を構成する部品の組立てに必要なクリアランスが挙げられる。加工機を分解・組立てを行うためにはクリアランスが必要不可欠である。そのため加工機を再構成するとロール位置が微小に異なる。微小な差であっても成形される曲率半径が大きく変化する。
さらに、被加工線材に起因する成形曲率の変化も存在する。被加工材の種別が同一型番であっても製造ロットが異なると、曲げ特性は異なってくる。また、被加工材は通常、運搬や作業スペースの効率を高めるために、ボビンやドラム巻き付けられた状態で流通する。そのため加工前に、巻きグセを取り除く矯正工程が必要となるが、巻き付けられたボビンの直径により矯正工程も変化する。これらも曲げ特性に変化をもたらす。
これら微小な加工条件の変化により、押込みロールの位置を固定した定常曲げであっても、その加工曲率は非特許文献2に記載された理論値と差が発生する。この場合、非特許文献1による方法で押込みロールの押込み量を方法で導出しても設計形状を得ることはできない。有限要素法等を用いて押込みロール位置を導出する特許文献3の方法も同様である。有限要素法による解析結果と加工機での加工結果が同一となるよう微調整をする必要がある。
そこで本発明は、加工機の状態や被加工材の曲げ特性の変化があっても対応可能な、高精度な曲げ加工を行うことができるロール曲げ加工方法および加工装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明による方法は以下のような特徴を有する。
(1)被加工材の搬送経路の一方の側に支点ロールを配置するとともに他方の側に押えロール及び押し込みロールを配置して、被加工材を連続的に送り出しながら押込みロールの操作量を制御して被加工材を曲げるロール曲げ加工方法において、
所定の定常曲げ実験を行って得られた被加工材の曲げ特性データに基づいて無負荷状態における参照データを算出し、設計形状に基づいて無負荷状態における設計データを算出し、前記参照データ及び前記設計データに基づいて前記押込みロールの操作量を算出して曲げ加工処理を行うロール曲げ加工方法。
(2)前記参照データとして無負荷モーメントアームに応じた単位定常曲げ曲率操作量当りの曲げモーメントを算出し、
前記設計データとして設計形状の各点ごとに設計曲率半径、無負荷モーメントアームおよび設計幾何学操作量を算出し、
前記設計形状の各点ごとに前記設計データの前記無負荷モーメントアームに基づいて前記参照データの前記単位定常曲げ曲率操作量当りの曲げモーメントを取得し、前記被加工材を設計曲率半径に曲げるための設計所要モーメントを、取得した前記単位定常曲げ曲率操作量当りの曲げモーメントで割ることで、設計曲率操作量を求め、求められた設計曲率操作量と前記設計幾何学操作量と合算して前記押込みロールの前記操作量を算出する(1)に記載のロール曲げ加工方法。
(3)前記参照データとして前記被加工材と干渉防止ガイドとが接触する場合及び接触しない場合における前記無負荷モーメントアームに応じた前記単位定常曲げ曲率操作量を算出し、前記被加工材と干渉防止ガイドとが接触する場合及び接触しない場合のいずれかの場合の前記無負荷モーメントアームに応じた前記単位定常曲げ曲率操作量を選択して前記押込みロールの前記操作量を算出する(2)に記載のロール曲げ加工方法。
(4)前記参照データとして前記無負荷モーメントアームとは別に補正用無負荷モーメントアームを算出し、前記補正用無負荷モーメントアームに基づいて前記押込みロールの前記操作量を補正する(2)又は(3)に記載のロール曲げ加工方法。
(5)被加工材を所定の搬送経路に沿って連続搬送する搬送部と、前記搬送経路の一方の側に支点ロールを配置するとともに他方の側に押えロール及び押し込みロールを配置して当該押込みロールを前記被加工材に押し当てて曲げ加工を行う加工部と、前記搬送部を制御して前記被加工材を前記押込みロールに向かって連続的に送り出しながら前記押込みロールの操作量を制御して前記被加工材を曲げる制御部とを備えているロール曲げ加工装置において、前記制御部は、所定の定常曲げ実験を行って得られた被加工材の曲げ特性データに基づいて無負荷状態における参照データを算出する事前処理部と、設計形状に基づいて無負荷状態における設計データを算出する設計処理部と、前記参照データ及び前記設計データに基づいて前記押込みロールの操作量を算出する算出処理部とを備えているロール曲げ加工装置。
このような特徴を有する本発明のロール曲げ方法は、以下のような作用、効果が得られる。
加工機の状態や被加工材の曲げ特性の変化により、実際の加工形状が理論解と差が生じた場合においても、スプリングバックの影響を考慮した高精度の曲げ加工を行うことが可能となる。設計形状は、曲率が連続的に変化する形状や、半径の異なる複数の曲げ部と直線部とを有する形状でも、高精度で加工することができる。
本発明に係る第1実施形態のロール曲げ加工装置に関する概略構成図である。 加工部50に関する概略構成図である。 干渉防止ガイド10を設置した加工部50に関する概略構成図である。 本発明に係るロール曲げ装置において、押込みロール7の操作量が0のときの側面図である。 定常曲げ実験の概要図である。 本発明に係るロール曲げ加工装置のブロック図である。 定常曲げ実験から得られた操作量と曲率半径のグラフである。 眼鏡用チタン合金異形線材の断面図である。 本発明に係る、X方向無負荷モーメントアームを基準に、定常曲げ実験データを変換して得られるデータである。 一般的な曲げモーメントの算出に関する概要図である。 本発明に係る、設計データの取得方法の概要図である。 本発明に係る設計形状の加工時において無負荷状態を想定した概要図である。 本発明に係る参照データを参照したときの各グラフの参照点を示した概要図である。 本発明による方法で加工したチタン合金の写真である。 本発明により方法で加工した絶縁被覆銅線の写真である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。また、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。
なお、スプリングバック完了後と加工中とを区別するため、曲率半径等はスプリングバック後の変数に「’」を付けて表す。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る第1実施形態のロール曲げ加工装置に関する概略構成図である。ロール曲げ加工装置は、被加工材1を供給する供給部60、被加工材1を所定の搬送速度で連続搬送する搬送部70及び被加工材1を曲げ加工する加工部50を備えている。この例では、供給部60の供給ロールから繰り出された被加工材1は、複数の搬送ロールに挟持されながら矢印方向に搬送されて、加工部50において所定の曲率で曲げ加工される。以降、図1の右方向をX方向、下方向をZ方向とする。
図2は、加工部50に関する概略構成図である。図2(a)に示すように、被加工材1は、搬送部70により図中の白抜き矢印方向に連続して加工部50に送出される。加工部50は、被加工材1を所定の搬送経路に沿って搬送するように被加工材1に当接する押さえロール3、曲げ加工する際に被加工材1に対する最大曲げモーメントの作用点となる支点ロール5、および送出された被加工部材1と接触して被加工材1に曲げ応力を付与する押込みロール7を有する。そして、被加工材1の搬送経路の一方の側に支点ロール5を配置するとともに他方の側に押えロール3及び押し込みロール7を配置している。こうした3つのロールの配置は、一般にピラミッド型ロールと呼ばれている。
図2(b)に示すように、必要に応じて支点ロール5とペアとなる対向ロール9を配置してピンチ型ロールを構成してもよい。押さえロール3、支点ロール5、押込みロール7および対向ロール9は、被加工材との摩擦を低減するために、回転自在に軸支されていることが望ましい。
押込みロール7は、被加工材1に曲げモーメントを付与するように、図示しない位置調整装置により、図2(b)に示すように、例えば矢印11や矢印12のように被加工材1と交差する方向に移動することができる。あるいは、矢印13のように、円弧移動させてもよい。矢印13の円弧の中心は支点ロール5の軸心となっているが支点ロール5の軸心以外としてもよい。
設計形状によっては図3に示すように、被加工材1が被加工材1自身との干渉や各種ロールとの干渉を防ぐため、適宜干渉防止ガイド10を設置することが望ましい。
以下に説明する曲げ加工は、図2(a)に示すピラミッド型のロール配置で、押し込みロール7を矢印11(被加工材1の搬送方向と直交する方向)による直線運動で行うものとし、被加工材1の搬送方向に直交する方向の断面は厚みt、幅bの矩形断面の場合について説明する。支点ロール5、押込みロール7の半径をそれぞれr5、rとする。
図4に示すように、被加工材1を所定の搬送速度で連続搬送して直線状態で送り出した場合に、被加工材1に応力が生じない状態で押込みロール7と接する位置を押込みロール7の操作量0とする(ロール7が矢印11または矢印12の方向に移動する場合の操作量は移動距離である。また、ロール7が矢印13により移動する場合の操作量は移動距離あるいは回転角度である。)。
操作量0では、押込みロール7の下端は、支点ロール5の上端に対して被加工材1の厚みtだけ上(−Z方向)に位置している。被加工材1の中立線2と、押えロール3を中立線までの距離0.5tだけオフセットした押えロールオフセット円4との接点をPt3、同様に、支点ロール5を距離0.5tだけオフセットした支点ロールオフセット円6との接点をPt5、押込みロール7を0.5tオフセットした押込みロールオフセット円8との接点をPt7とする。押込みロール7の動きが矢印11である場合、支点ロール5と押込みロール7との中心間X方向距離は一定であり、この距離をGとする。
図5は、曲げ加工に関する説明図である。図5では、押えロール3、支点ロール5及び押し込みロール7の位置関係を示すとともに、その位置関係に対応して被加工材1の各位置に生じるモーメント及び曲率に関するグラフを下側に示している。図5(a)は、押込みロール7の操作量が0の場合を示している。
被加工材1を曲げる場合、図5(b)に示すように、押込みロール7は図5(a)に示す位置よりも下方向(+Z方向)に位置させる。これにより、送り出された被加工材1は、押込みロール7に押し込まれて曲げモーメントを受ける。この曲げモーメントは、押込みロール7の位置のみでは決まらず、支点ロール5および押込みロール7間にある被加工材1の形状にも依存する。
成形される曲率が一定となるまで十分に被加工材1を搬送する定常曲げにおいては、押込みロール7の位置がZ方向に移動するほど、曲げ応力は大きくなる。したがって、被加工材1の曲率は大きくなる(曲率半径は小さくなる)。
被加工材1の材質は、炭素鋼、ステンレス鋼などの鉄系材料のほか、アルミニウムまたはアルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金などの非鉄系材料でもよい。また被加工材1の形状は板状でも丸や矩形のほか異形断面の線材でもよい。被加工材1の厚さは、支点ロール5が塑性変形しない範囲であれば制限はなく、弾性変形により変形した状態であっても高精度に被加工材1を曲げることができる。
以上、説明したように加工部50は、押込みロール7の操作量を被加工材1の搬送速度に基づく送り出し量とともに制御することで、被加工材1に加える曲げ応力を変化させて様々な曲率を付与することができる。
図6は、ロール曲げ加工装置に関する制御ブロック構成図である。ロール曲げ加工装置100は、制御部40と、加工部50と、供給部60と、搬送部70とを備えている。定常曲げデータを保持するデータベース20及び設計形状データを保存するデータベース30を備えてもよい。
制御部40は所定の定常曲げ実験を行って得られた被加工材の曲げ特性データに基づいて無負荷状態における参照データを算出する事前処理部401、設計形状に基づいて無負荷状態における設計データを算出する設計処理部402、及び、参照データ及び設計データに基づいて押込みローラの操作量を算出して曲げ加工処理を行うよう制御する算出処理部403を備えている。
事前処理部401は、設計形状を加工する事前準備として、定常曲げ実験を行い、現状の加工部50と被加工材1との組み合わせにおける曲げ特性を把握する。
定常曲げ実験は、図5(a)に示す初期状態から、押込みロール7を所定の操作量h毎に固定し、被加工材1を送り出す。Pt5およびPt7間の加工中のX方向距離をlxとする。送り出し直後はlxや成形される曲率半径は変動するが、被加工材1を送り続けると図5(b)に示すように、Pt7から送り出される被加工材1の曲率半径は一定となる。この状態を定常状態と定義する。
定常状態においては、被加工材1に作用する曲げモーメントはPt3以降Pt5まで増加し、Pt5で最も高くなり、Pt5以降Pt7まで減少してPt7で0となる。一方、被加工材1の曲率は、Pt3以降増加し、Pt5近辺になるにつれて高くなり、Pt5で最も高くなり、Pt5以降は作用する曲げモーメントの減少に応じてスプリングバックが進行して曲率は低下していき、Pt7で作用する曲げモーメントが0となりスプリングバックが完了して曲率は1/R’となる。
定常曲げ実験では、所定の値に固定された操作量hを定常曲げ全操作量hとし、成形される定常曲げ曲率半径R’の関係を把握し、R’からhを導出する近似式を得る。定常曲げ全操作量hのピッチは、なるべく細かいことが望ましい。
一例として図7に、眼鏡リム線用のチタン合金線材の定常曲げ実験結果のグラフを示す。図7(a)は横軸が曲率半径R’(mm)、図7(b)は横軸が曲率(1/R’)(mm-1)である。プロット点数は、曲率のグラフにおいてプロット点の曲率方向におおむね一定の間隔となるように5個以上の点をとることが望ましい。また、近似式は小曲率域と大曲率域の2種類以上に分けることが望ましい。
図7の定常曲げ実験に用いたチタン合金線材の材質はJIS4650の61種相当で、断面形状は図8に示すとおりである。ロール等の設定は、支持ロール5の半径rが1.0mm、押込みロール7の半径rが8.0mm、支点ロール5と押込みロール7の中心間X方向距離Gが約10.8mmである。
1回目の結果が「初期」、その後、加工部を再構築して再度おなじ定常曲げ実験を行った結果が「脱着後」である。また、被加工材1以外を剛体として扱った定常曲げのFEM解析結果が「FEM解析」である。
許容される取り付け誤差があるため、加工部を再構築することで定常曲げ全操作量hと定常曲げ曲率半径R’の関係が変化する。また、FEM解析結果は定性的には定常曲げ実験結果と同じ傾向を示すものの、ズレが生じている。ズレの原因は、支点ロール5を剛体として扱っていることが原因と考えられる。FEM解析結果をもとに加工座標を導出するためには、FEM解析結果が実際の加工結果と一致するように調整しなければならず実用的でない。
本発明においては、定常曲げ実験で得られた定常曲げ全操作量hと定常曲げ曲率半径R’の関係に加えて、無負荷状態、かつ、被加工材1と押込みロール7とが接触状態であることを想定した幾何学的関係から、設計形状を加工する際に参照するデータを作成する。
図5(b)に示す定常状態においては、被加工材1に押込みロール7による曲げモーメントが作用しているため、Pt5Pt7間の被加工材1はスプリングバックが完了していない。被加工材1が送り出されるに従い、Pt5Pt7間にあった被加工材1がPt7を通過するとスプリングバックが完了して曲率は1/R’となる。
被加工材1に押込みロール7による曲げモーメントが作用しない状態を無負荷状態とする。図5(b)に示す定常状態から被加工材1の送りを停止して、無負荷状態にした場合を想定する。Pt5Pt7間に作用する曲げモーメントがなくなるためPt5Pt7間の被加工材1はスプリングバックが完了して、図5(c)に示すようにPt5Pt7間の線材は曲率半径R’の一様円弧となる。
無負荷状態の被加工材1に押込みロール7が接するときの幾何学的関係から、事前処理部において参照データを作成する。最初に幾何学的関係について説明する。
無負荷状態のPt5Pt7間距離を無負荷モーメントアームと定義する。図5(c)に示すように、定常曲げにおける無負荷モーメントアームは小文字のLを用いて無負荷モーメントアームl’と定義する。無負荷モーメントアームl’には、X方向無負荷モーメントアームlx’、Z方向無負荷モーメントアームlz’、対角線無負荷モーメントアームlt’および線材に沿った実長さ無負荷モーメントアームls’の4種類ある。
設計形状を加工するときの参照基準に応じて無負荷モーメントアームを選択することになるが、第1実施形態ではX方向無負荷モーメントアーム長さを基準にする場合で幾何学的関係を説明する。
図5(c)の曲率半径R’の一様円弧の中心Pt0は、支点ロール5の中心からみてZ軸方向にある。また、Pt0と押込みロール7の中心を結んだ線分は、長さがR’+0.5t+rである。さらに、支点ロール5と押込みロール7のX方向距離がGで一定である。以上のことから、Pt0と押込みロール7の中心を結んだ線分とZ軸との角度をθとすると、式(1)が成り立つ。
また、定常曲げにおけるX方向無負荷モーメントアームlx’はR’×sinθより、式(2)の関係が成り立つ。
Gが約10.8mm、被加工材1の厚みtが約1.0mm、押込みロール7の半径rが約8.0mmの場合、横軸をX方向無負荷モーメントアームlx’(mm)、縦軸を一様円弧R’の曲率半径(mm)として式(2)をグラフ化すると図9(a)となる。図9(a)のlx’=Gのとき一様円弧R’は無限大となる。これは図4に示した一様円弧R’が無限大(直線)のときである。
事前処理部において参照データを作成する。参照データの作成手順は、
(A)定常曲げ曲率半径R’から加工時のPt5におけるモーメントの算出、(B)定常曲げ全操作量hのうち曲率付与に関わる定常曲げ曲率操作量hMの算出、及び(C)単位定常曲げ曲率操作量hMあたりの曲げモーメントの算出、の3つに区分される。
(A)定常曲げ曲率半径R’から加工時(Pt5を通過時)における曲げモーメントの算出について説明する。
被加工材1の材質に応じて、適切な曲げモーメントMと曲率半径Rの式を選択する。曲げモーメントM、曲げモーメント発生中の曲率半径RはMの関数となる。例えば、被加工材1が弾完全塑性体の矩形断面の場合の曲げモーメントMと、曲げモーメント発生中の曲率半径Rの関係式は式(3)のとおりとなる。
(縦弾性係数をE、断面二次モーメントをI、耐力をY、弾性限界モーメントM、弾性限界曲率半径ρとする。)
式(3)を一般的なスプリングバックの式(4)に代入することで、スプリングバック完了後の曲率半径R’の値が導出される。
式(3)および式(4)から、スプリングバック完了後の曲率半径R’を変数として線材が受けた曲げモーメントMを逆算する関数を作り曲げモーメントMを求める。上記式(3)と式(4)の場合、Rに関する3次方程式となり数学的には解が3つ存在するが、塑性加工の条件から適切な解は一つに限定される。
材質に応じて、2直線硬化則やn乗硬化則などモーメントと曲率の関係式を適宜選択するのが好ましい。どの関係式を用いる場合でも、曲げモーメントM、加工中の曲率半径R、スプリングバック後の曲率半径R’のいずれか1つの情報から、残りの情報は逆算することができる。
図9(a)の横軸X方向無負荷モーメントアームlx’(mm)、縦軸一様円弧R’の曲率半径(mm)のグラフについて、縦軸の一様円弧R’の曲率半径(mm)から、加工時(Pt5を通過時)における曲げモーメントに逆算すると図9(b)のグラフを得る。
次に、(B)定常曲げ全操作量hのうち曲率付与に関わる定常曲げ曲率操作量hMの算出について説明する。
図5(c)に示すように、被加工材1にロール7が接触した無負荷状態におけるロール7操作量を、定常曲げ幾何学操作量hcとする。また、図5(b)に示す定常曲げ全操作量hと定常曲げ幾何学操作量hcとの差を、定常曲げ曲率操作量hMとする。
定常曲げ幾何学操作量hcの計算式は式(5)となる。θは式(1)から求められるので、R’に応じた定常曲げ幾何学操作量hCの値が求められる。
図9(a)の横軸X方向無負荷モーメントアームlx’(mm)、縦軸一様円弧R’の曲率半径(mm)のグラフについて、図7(b)で得た定常曲げ全操作量hと一様円弧の曲率(1/R’)の近似式を用いて、縦軸の一様円弧R’の曲率半径(mm)を定常曲げ全操作量hに変換すると、図9(c)の実線で示すグラフを得る。
また、図9(a)の横軸X方向無負荷モーメントアームlx’(mm)、縦軸一様円弧R’の曲率半径(mm)のグラフについて、縦軸の一様円弧R’の曲率半径(mm)を、式(1)および式(5)を用いて定常曲げ幾何学操作量hCに変換すると図9(c)の破線で示すグラフを得る。
定常曲げ全操作量hから定常曲げ幾何学操作量hCの差をとることで、図9(c)の一点鎖線で示す横軸X方向無負荷モーメントアームlx’(mm)と縦軸定常曲げ曲率操作量hMを得る。この定常曲げ曲率操作量hMにより、(A)で求めた図9(b)に示す曲げモーメントMが発生したことになる。
次に、(C)単位定常曲げ曲率操作量hMあたりの曲げモーメントの算出について説明する。
一般的に曲げモーメントは力×作用中のモーメントアーム長さで求められる。図10の場合を例に具体的に説明すると、被加工材1に作用する力FのX方向分力FとZ方向分力F、作用中のX方向モーメントアーム長さL、X方向モーメントアーム長さLを用いてF×L+ F×Lで求められる。この求め方は、加工中のPt5Pt7間X方向長さl、Z方向長さl、作用している力FのX方向分力F、Z方向分力Fを把握する必要があるが、曲率が連続的に変化する形状を加工する場合に各点毎にこれらを把握することは非常に困難である。
そこで、曲げモーメントを無負荷モーメントアームと曲率操作量の積として扱う。X方向無負荷モーメントアーム長さを基準にする場合は、曲げモーメント=X方向無負荷モーメントアームlx’×定常曲げ曲率操作量hMとなる。
図9(b)の曲げモーメントのグラフを、図9(c)の一点鎖線で示す定常曲げ曲率操作量hMから、単位定常曲げ曲率操作量hMあたりの曲げモーメントを導出することができる。例えば、線形近似する場合は、図9(b)の曲げモーメントを図9(c)の一点鎖線で示す定常曲げ曲率操作量hMで割ることで、図9(d)に示す横軸X方向無負荷モーメントアームlx’(mm)、縦軸が単位定常曲げ曲率操作量hMあたりの曲げモーメントkのグラフが得られる。以上により得た、無負荷モーメントアームを基準とした単位曲率操作量hMあたりの曲げモーメントkが事前処理部において作成する参照データとなる。
X方向無負荷モーメントアームを参照基準とした場合で説明したが、参照基準を実長さ無負荷モーメントアームls’とする場合は、ls’=R’θを用いて上述の手順でデータを作成すればよい。参照基準を対角線無負荷モーメントアームlt’とする場合はlx’とlz’からlt’とR’の関係式を用いればよい。
設計形状を加工する際には、参照基準とした無負荷モーメントアームを基準に参照データを参照することになる。
次に、図11を参照しながら、X方向無負荷モーメントアーム長さを参照基準とする場合の「設計データ」を算出する設計処理部の説明をする。
加工後の形状である設計形状は、曲げモーメントが作用しない無負荷状態である。事前処理同様、無負荷状態における設計形状の幾何学的関係を把握する。
図11に示すようにメガネフレームの設計形状を例に説明する。まず、設計形状の中立線2を所定の分割ピッチで、P(0)からP(N)までN+1個の点を作成し、各点の設計曲率半径ρ’(n)を把握する。この点は、それぞれが加工の進展によってPt5となる瞬間が存在する。高精度で加工するためには分割ピッチは小さいほど良く、0.1mm〜1mm程度が適当である。
中立線2から、支点ロール5の半径rと被加工材の厚さの半分0.5tを足したr5+0.5tだけオフセットすることで支点ロール5の中心の軌跡T5を描画する。押込みロール7の中心の軌跡も同様に、中立線を、押込みロール7の半径rと被加工材の厚さの半分0.5tを足したr7+0.5tだけオフセットすることで押込みロール7の中心の軌跡T7を描画する。被加工材1が異形断面形状の場合は、それに応じてオフセット量を適宜修正する。
支点ロール5が軌跡T5を、押込みロール7の中心が軌跡T7を移動する限り、無負荷状態で、かつ、設計形状に接する状態となる。これに支点ロール5と押込みロール7のX方向中心間距離がGという拘束条件を考慮することで、中立線2上の各点が無負荷状態でPt5を通過するときに、被加工材1とロール7とが接触に要する操作量と接点Pt7が得られる。
定常曲げと区別するため、大文字のHを用いて、被加工材1とロール7とが接触に要する操作量を設計幾何学操作量Hcとし、点nにおける設計幾何学操作量をHc(n),Pt7をPt7(n)とする。
また、各点の無負荷状態のPt7(n)から、設計形状における無負荷モーメントアームを把握できる。定常曲げ区別するため大文字のLを用いて無負荷モーメントアームL’と定義する。無負荷モーメントアームL’には、X方向無負荷モーメントアームLx’、Z方向無負荷モーメントアームLz’、対角線無負荷モーメントアームLt’および設計形状に沿った実長さ無負荷モーメントアームLs’の4種類あるが、参照基準に用いる無負荷モーメントアームにより取得する。操作量同様、点nにおける無負荷モーメントアームをL’(n){(Lx’(n),Lz’(n),Lt’(n),Ls’(n)}とする。
以上により、設計形状上の点nにおける設計曲率半径ρ’(n)、設計幾何学操作量Hc(n)、参照基準とする無負荷モーメントアーム長さL’(n)を設計形状の中立線上の全ての点で取得する。
次に、図12及び図13を参照しながら、X方向無負荷モーメントアーム長さを参照基準とする場合の設計形状を加工するための「操作量」を算出する算出処理部の説明をする。図12(a)に図11の点nがPt5となったときの概要図を示す。設計処理部において、設計幾何学操作量Hc(n)は取得しているので、点nに曲率を付与するための操作量である設計曲率操作量H(n)を決定し、設計幾何学操作量Hc(n)と足すことで、設計全操作量H(n)を求める。
図9(d)に示した参照データを参照して、X方向無負荷モーメントアームLx’(n)における単位定常曲げ曲率操作量当りの曲げモーメントのデータを受け取る。これをk(n)とする。
あらかじめ参照データを作成せずに、単位定常曲げ曲率操作量当りの曲げモーメントk戻り値として設計形状の各点毎に計算する仕様としてもよい。
次に、点nを設計曲率半径ρ’(n)に曲げるために必要な設計曲率操作量H(n)を求める。点nを設計曲率半径ρ’(n)に曲げるために必要な所要モーメントは、事前処理部の参照データの作成において、曲げモーメントの算出に用いた同一の式により求め、これを設計曲率所要モーメントM(n)とする。
設計曲率所要モーメントM(n)を単位定常曲げ曲率操作量当りの曲げモーメントk(n)で割ることで設計曲率操作量H(n)を求める。
以上により求めた設計曲率操作量H(n)と設計幾何学操作量Hc(n)を足すことで、設計全操作量H(n)を決定する。これを設計形状の中立線2の全ての点で行うことで、被加工材1の送り量に応じた押込みロール7の操作量のデータが得られる。
制御部40は、このデータに従って加工部50の押込みロール7の操作量、供給部60における被加工材1の供給量および搬送部70における被加工材1の送り出し量を制御する。これにより、曲率が連続的に変化する設計形状であっても高精度に加工することができる。
この本発明の実用上のメリットとして次のことが挙げられる。本発明のロール曲げ加工方法は、市販の表計算ソフトにより低コストで実施することができる。また反復計算が無いため、短時間に加工座標を算出することができる。さらに定常曲げ実験は、加工された一様円弧の直径をノギス等による計測するという、簡易な作業でよいため実用的である。
また、次に説明するように誤差を抑制する効果がある。
定常曲げ曲率半径R’(n)の逆算から求めた曲げモーメントを定常曲げ所要モーメントm(n)とする。図13に示すように、参照データを参照することで返されるデータk(n)は、定常曲げ所要モーメントm(n)/定常曲げ曲率操作量h(n)であるから、設計曲率操作量H(n)の導出式は式(6)に示すように設計曲率所要モーメントM(n)を定常曲げ所要モーメントm(n)で割ることになる。
式(6)から分かるように弾性限界モーメントMが消え、被加工材1の断面形状に依存する断面二次モーメントIも消える。そのため、被加工材1が矯正機や搬送部等を通過する際に断面形状が変化する場合でも、その影響を抑えることができる。
また、式(3)の曲げモーメントと曲率半径の関係式の選択が不適切な場合、FEM解析や理論解析による手法ではそのまま誤差として現れるが、本発明による方法では、設計曲率所要モーメントM(n)を定常曲げ所要モーメントm(n)で割るため、誤差が抑制されるという効果もある。
さらには、FEM解析では押えロール3、支点ロール5、押込みロール7の3つのロール位置関係情報が必要となるが、本発明の方法によれば支点ロール5および押込みロール7の2つロール位置情報で済むというメリットがある。
(第2実施形態)
本発明に係る第2実施形態に関するロール曲げ加工方法について説明する。第2実施形態は、被加工材1と干渉防止ガイド10との接触の有無により、2種類の定常曲げ実験データを用いる点以外は、第1実施形態と同一の構成を備えている。
設計形状によっては、干渉防止ガイド10を用いて被加工材1が被加工材1自身や各種ロールと干渉を防止する必要がでてくる。この場合、被加工材1は干渉防止ガイド10と接触しながら加工が行われることとなる。この接触により摩擦抵抗が生じ、同一の操作量であっても被加工材1が成形される曲率半径が変化する。
被加工材1と干渉防止ガイド10とを接触させた定常曲げ実験を行い、事前処理部における参照データに追加し、被加工材1を設計形状に加工する際に、被加工材1と干渉防止ガイド10との接触の有無に応じて、参照データを使い分けることで、被加工材1の加工精度を高めることができる。
(第3実施形態)
本発明に係る第3実施形態のロール曲げ加工方法について図11から図13を参照しながら説明する。第3実施形態は、参照基準として用いる無負荷モーメントアーム以外の少なくとも一つ以上の無負荷モーメントアームを補正変数として用いる点以外は、第1実施形態と同一の構成を備えている。
参照基準をX方向無負荷モーメントアームLx’とし、Z方向無負荷モーメントアームLz’を補正に用いる場合で説明する。
図11の点nが支点ロール5に差し掛かったとき、無負荷状態にすると図12(c)に示すようにPt5Pt7間のX方向距離はLx’(n)となる。Lx’(n)を参照基準とするので、定常曲げのX方向無負荷モーメントアームlx’(n)がLx’(n)となるデータを参照するが、設計形状のZ方向無負荷モーメントアームLz’(n)と定常曲げのZ方向無負荷モーメントアームlz’(n)には偏差δz’(n)が生じる。この偏差δz’(n)を設計形状全操作量H(n)の補正係数に利用することで、加工形状の精度を高めることができる。
次に、本発明による方法と比較方法の2種類の方法で加工を行った。被加工材及びロール曲げ加工装置は、図7に示す定常曲げ試験と同様のものを用いた。そして、第1実施形態による処理に基づいてロール曲げ加工を行った。比較例では、第1実施形態の事前処理部の場合と同様に、定常曲げ実験を行い予め定常曲げ全操作量hと定常曲げ曲率半径R’の関係を取得し、設計形状の点nの設計曲率半径がρ’(n)のとき、定常曲げの曲率半径がρ’(n)となる定常曲げ全操作量hを設計形状全操作量H(n)とした。
図14は、両者の加工例を示す写真である。図14(a)は、眼鏡のリム形状で最大曲率は約235(m−1)である。図14(b)は、一辺が60mmの正方形のコーナーをR5mmでフィレットした形状、図14(c)は、一辺が60mmの正方形のコーナーをR7.5mmでフィレットした形状である。
比較例のように処理する場合、曲率が連続的に変化する図14(a)の加工形状と設計形状は比較的近いが、曲率が急激に変化する箇所をもつ図14(b)、図14(c)についてはズレが大きくなる。一方、上述した第1実施形態では、すべての形状について設計形状に近い加工形状を得ることができた。
図15は、市販されている矩形断面の銅線(幅2mm、厚さ1mm)を第1実施形態による処理を行って得られた加工例の写真である。最外側のコーナーの曲率半径は約11mmで、その内側に順次約1mmオフセットした曲率半径で加工を行った。本発明の方法によれば、線材間に隙間ができることなく高精度に加工することが可能となる。
1 被加工材
2 中立線
3 押さえロール
5 支点ロール
6 支点ロールオフセット円
7 押込みロール
8 押込みロールオフセット円
9 対向ロール
10 干渉防止ガイド
11 押込みロールの動作(直線を動く場合)
13 押込みロールの動作(円弧状に動く場合)
20 データベース(定常曲げデータ用)
30 データベース(設計形状用)
40 制御部
50 加工部
60 供給部
70 搬送部
100 ロール曲げ加工装置
401 事前処理部
402 設計処理部
403 算出処理部
Pt5 支点ロールオフセット円と中立線との接点
Pt7 押込みロールオフセット円と中立線との接点
T5 支点ロール5の中心軌道
T7 押込みロール7の中心軌道


Claims (5)

  1. 被加工材の搬送経路の一方の側に支点ロールを配置するとともに他方の側に押えロール及び押し込みロールを配置して、被加工材を連続的に送り出しながら押込みロールの操作量を制御して被加工材を曲げるロール曲げ加工方法において、
    所定の定常曲げ実験を行って得られた被加工材の曲げ特性データに基づいて無負荷状態における参照データを算出し、設計形状に基づいて無負荷状態における設計データを算出し、前記参照データ及び前記設計データに基づいて前記押込みロールの操作量を算出して曲げ加工処理を行うロール曲げ加工方法。
  2. 前記参照データとして無負荷モーメントアームに応じた単位定常曲げ曲率操作量当りの曲げモーメントを算出し、
    前記設計データとして設計形状の各点ごとに設計曲率半径、無負荷モーメントアームおよび設計幾何学操作量を算出し、
    前記設計形状の各点ごとに前記設計データの前記無負荷モーメントアームに基づいて前記参照データの前記単位定常曲げ曲率操作量当りの曲げモーメントを取得し、前記被加工材を設計曲率半径に曲げるための設計所要モーメントを、取得した前記単位定常曲げ曲率操作量当りの曲げモーメントで割ることで、設計曲率操作量を求め、求められた設計曲率操作量と前記設計幾何学操作量と合算して前記押込みロールの前記操作量を算出する請求項1に記載のロール曲げ加工方法。
  3. 前記参照データとして前記被加工材と干渉防止ガイドとが接触する場合及び接触しない場合における前記無負荷モーメントアームに応じた前記単位定常曲げ曲率操作量を算出し、前記被加工材と干渉防止ガイドとが接触する場合及び接触しない場合のいずれかの場合の前記無負荷モーメントアームに応じた前記単位定常曲げ曲率操作量を選択して前記押込みロールの前記操作量を算出する請求項2に記載のロール曲げ加工方法。
  4. 前記参照データとして前記無負荷モーメントアームとは別に補正用無負荷モーメントアームを算出し、前記補正用無負荷モーメントアームに基づいて前記押込みロールの前記操作量を補正する請求項2又は3に記載のロール曲げ加工方法。
  5. 被加工材を所定の搬送経路に沿って連続搬送する搬送部と、前記搬送経路の一方の側に支点ロールを配置するとともに他方の側に押えロール及び押し込みロールを配置して当該押込みロールを前記被加工材に押し当てて曲げ加工を行う加工部と、前記搬送部を制御して前記被加工材を前記押込みロールに向かって連続的に送り出しながら前記押込みロールの操作量を制御して前記被加工材を曲げる制御部とを備えているロール曲げ加工装置において、前記制御部は、所定の定常曲げ実験を行って得られた被加工材の曲げ特性データに基づいて無負荷状態における参照データを算出する事前処理部と、設計形状に基づいて無負荷状態における設計データを算出する設計処理部と、前記参照データ及び前記設計データに基づいて前記押込みロールの操作量を算出する算出処理部とを備えているロール曲げ加工装置。



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